IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダブリューエム アンド ディージー, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-27
(54)【発明の名称】喉頭鏡および挿管方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/267 20060101AFI20231020BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20231020BHJP
   A61M 16/04 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
A61B1/267
A61B1/00 715
A61B1/00 711
A61M16/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521901
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 US2021054478
(87)【国際公開番号】W WO2022081509
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/090,560
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/215,521
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521148119
【氏名又は名称】ダブリューエム アンド ディージー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モルナー ロバート ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA13
4C161CC06
4C161FF12
4C161FF36
4C161GG26
4C161HH02
4C161HH05
4C161LL02
(57)【要約】
一態様では、本開示は、気管内チューブを気管に送達するためのチャネルを有する喉頭鏡、およびカメラによる連続的な視覚化下で制御された吸引を有するその配置に関する。喉頭鏡は、吸引チャネルおよびカメラチャネルを含む1つまたは複数の追加のチャネルを、さらに備えることができる。別の態様では、本開示は、本開示による喉頭鏡のうちの1つと、アダプタ、ツール、および/またはカメラのうちの1つまたは複数と、を備える医療システムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルとブレードとを備える喉頭鏡であって、
前記ハンドルが、近位端および遠位端を有し、かつ前記近位端と前記遠位端との間の長さを有する本体を有し、
前記ブレードが、湾曲しており、前記人間の喉頭の輪郭の形を取り、前記ブレードが、遠位端、近位端、前表面、後表面、左側表面および右側表面を有し、
前記ハンドルが、その遠位端で前記ブレードの前記近位端に取り付けられ、
前記喉頭鏡が、前記ハンドル長さの少なくとも一部分の前記本体内の壁によって囲まれた通路を有する気管内チューブ(ETT)チャネルを備え、前記ETTチャネルが、前記ハンドルの前記近位端またはその近くに位置する近位端開口部を有し、前記ETTチャネルは、遠位端開口部を有し、
前記喉頭鏡が、前記喉頭鏡の前記本体内の通路として形成された吸引/カメラチャネルをさらに備え、前記吸引/カメラチャネルが、前記ハンドルの前記近位端またはその近くに位置する近位端開口部を有し、前記吸引/カメラチャネルが、前記ブレードの前記遠位端またはその近くに位置する遠位端開口部を有し、前記吸引/カメラチャネルが、前記吸引/カメラチャネル内にカメラを位置決めに対応する直径を有する、
喉頭鏡。
【請求項2】
前記ブレードが、前記ブレード前表面の前記遠位端から遠位に延びる保護フランジを含み、前記フランジが、前記ETTチャネルの前記遠位端開口部に対して遠位にある、請求項1に記載の喉頭鏡。
【請求項3】
前記ETTチャネルが、前記喉頭鏡の少なくとも1つの表面上に前記ETTチャネルを開口するスリットを含む、請求項1に記載の喉頭鏡。
【請求項4】
前記スリットが、前記喉頭鏡の前記左側表面または前記右側表面に、前記ETTチャネルを開口する、請求項3に記載の喉頭鏡。
【請求項5】
前記ETTチャネルがその遠位端で、前記ハンドルの遠位端または近位に開口する、請求項1に記載の喉頭鏡。
【請求項6】
前記ハンドルからの前記ETTチャネルが、前記ブレードの長さの少なくとも一部にわたって続き、前記ETTチャネルがその遠位端で、前記ブレードの前記遠位端または近位に開口する、請求項1に記載の喉頭鏡。
【請求項7】
前記喉頭鏡が、前記ETTチャネルの前記壁の少なくとも一部に凹部として形成された1つまたは複数のガイド溝と、ならびに/あるいは、前記ハンドルおよび/または前記ブレードの1つまたは複数の外表面に凹部として形成された1つまたは複数のガイド溝とを備え、前記ガイド溝の深さが、ブジーを前記ガイド溝に配置することに対応する、請求項1に記載の喉頭鏡。
【請求項8】
前記喉頭鏡が、前記ハンドルの前記本体から延びるコネクタをさらに備え、前記コネクタが、壁によって囲まれたルーメンを備え、前記ルーメンが、前記吸引/カメラチャネル内に開口し、前記コネクタが、前記吸引チャネルを酸素、吸引および/または真空源に接続するためのポートである、請求項1に記載の喉頭鏡。
【請求項9】
前記喉頭鏡が、前記ハンドル上に位置する吸引制御ポートをさらに備え、前記吸引制御ポートが、前記ハンドルの前記本体内のルーメンであり、前記ルーメンが、前記吸引チャネルに接続され、前記吸引ルーメン内の前記空気圧が、前記吸引制御ポートを開閉することによって制御可能である、請求項1に記載の喉頭鏡。
【請求項10】
前記吸引制御ポートが、前記ハンドルの前記前表面の近位部分に位置する、請求項9に記載の喉頭鏡。
【請求項11】
前記吸引制御ポートが、前記ハンドルの前記前表面に、かつ前記コネクタの近位に、配置される、請求項9に記載の喉頭鏡。
【請求項12】
前記喉頭鏡が、前記ブレードの前記遠位部分に取り付けられたカフをさらに備え、前記カフが、前記ブレードの前記遠位端の近位に位置し、前記ETTチャネルの前記遠位端開口部および前記吸引/カメラチャネルの前記遠位端開口部が、前記カフの遠位に位置する、請求項1に記載の喉頭鏡。
【請求項13】
前記カフが膨張可能であり、前記喉頭鏡が、前記カフを膨張させるための手段をさらに含む、請求項12に記載の喉頭鏡。
【請求項14】
請求項1に記載の喉頭鏡を備えるシステムであって、
前記システムが、
a)カメラアダプタであって、カメラを収容するためのルーメンを囲む実質的に円筒形の本体である、カメラアダプタ、
b)ルーメンを囲む壁によって形成された実質的に円錐形の本体を有するチャネルアダプタであって、前記本体が、遠位端および近位端を有し、かつ前記遠位端と近位端との間の長さを有し、前記円錐形の本体が、前記遠位端に第1の直径(d1)を有し、かつ前記近位端に第2の直径(d2)を有し、前記第1の直径(d1)が前記第2の直径(d2)よりも小さく、前記第1の直径(d1)が前記吸引チャネルの前記近位端開口部の直径よりも小さく、前記第2の直径(d2)が前記吸引チャネルの前記近位端開口部の前記直径よりも大きい、チャネルアダプタ、
c)ブジー、および/または、
d)カメラ
の項目の1つまたは複数をさらに備える、システム。
【請求項15】
請求項1に記載の喉頭鏡を備えるアセンブリであって、カメラが前記喉頭鏡の前記吸引/カメラチャネル内に配置され、かつ、気管内チューブが前記喉頭鏡の前記ETTチャネル内に配置される、アセンブリ。
【請求項16】
患者を治療する方法であって、前記方法が、
請求項1に記載の前記喉頭鏡の前記吸引/カメラチャネルの中へカメラを配置することと、前記アセンブリを患者の上気道に導入すること、とを備える方法。
【請求項17】
前記方法が、前記喉頭鏡のガイド溝に配置されたブジーの支援を受けて前記喉頭鏡を操作することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年10月12日に出願された米国仮特許出願第63/090,560号および2021年3月29日に出願された米国特許出願第17/215,521号に対する優先権の利益を主張し、両方の出願の全開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、患者の気道を管理するための医療機器および挿管方法を含む医療機器の分野に関し、連続的な視覚化の下で気管内チューブを送達および位置決めするためのチャネル、少なくとも1つのカメラ/吸引チャネル、および/または少なくとも1つのカメラ/ツールチャネルを含む喉頭鏡を含む。
【背景技術】
【0003】
医療従事者は、医療緊急事態、例えば顔の外傷において患者の気道へのアクセスを得るために、ならびに/または、特定の外科的処置中、全身麻酔中および/もしくは患者が補助されずに呼吸することができない他の状況下での気管内挿管を容易にするために、喉頭鏡を使用できる。当技術分野で公知の喉頭鏡は、ブレードに取り付けられたハンドルを含む。医療従事者は、声帯および声門の視界を得るために、かつ気道へのアクセスを得ようと試みながら、さらに呼吸を容易にするおよび/または薬剤を送達する気管内チューブもしくは他の何らかの気道機器を配置するために、気道をアクセス可能な状態に保つために、ハンドルを操作することによってブレードを中咽頭に挿入できる。
【0004】
気管内チューブを適切に配置するために、かつ換気を確立するために、医療従事者が声帯を含む患者の喉頭を見ることが特に重要である。しかしながら、気道は、嘔吐物、血液、および/または何らかの他の身体分泌物で閉塞され得る。医療従事者は、これらの身体分泌物を吸引するために吸引チューブを使用することができる。米国特許第6,248,061号明細書で提供されているように、吸引チューブが連結された吸引喉頭鏡ブレードを含む、吸引チューブと喉頭鏡、または米国特許出願公開第2016/0345803号明細書で開示されているように、一体化された制御可能な吸引を伴う喉頭鏡、を組み合わせるための様々な試みが行われてきた。
【0005】
気管内チューブを送達するために喉頭鏡のブレードを採用するための様々な試みもなされてきた。例えば、米国特許第8,529,442号明細書は、中央に位置する外部チャネルを有する喉頭鏡を提供している。気管内チューブを適切に配置するために、かつ換気を確立するために、医療従事者が声帯を含む患者の喉頭を見ることが特に重要である。カメラ、および外部チャネルの下に配置された照明ユニットを含む、ビデオ喉頭鏡を開示する米国特許第8,529,442号明細書を含む、特定のビデオ喉頭鏡が当技術分野で知られている。
【0006】
しかしながら、気管内チューブの正確かつ迅速な配置を補助することができる喉頭鏡が、当分野で依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、挿管が困難な患者および/または挿管中に吸引および/または換気が必要とされ得る状況下の患者を含む、カメラによる連続的な視覚化の下で気管内チューブを、確実に、迅速に、かつ着実に気管に送達することができる喉頭鏡の分野における必要性に対処するのに役立つ。
【0008】
一実施形態では、本開示は、ハンドルおよびブレードを備える喉頭鏡を提供し、
ハンドルは、近位端および遠位端を有し、かつ近位端と遠位端との間の長さを有する本体を有し、
ブレードは、湾曲しており、人間の喉頭の輪郭の形を取り、ブレードは、遠位端、近位端、前表面、後表面、左側表面および右側表面を有し、
ハンドルは、その遠位端でブレードの近位端に取り付けられ、
喉頭鏡は、ハンドル長さの少なくとも一部の本体内の壁によって囲まれた通路を有する気管内チューブ(ETT、Endotracheal Tube)チャネルを備え、ETTチャネルは、ハンドルの近位端またはその近くに位置する近位端開口部を有し、ETTチャネルは、遠位端開口部を有し、
喉頭鏡は、喉頭鏡の本体内の通路として形成された吸引/カメラチャネルをさらに備え、吸引/カメラチャネルは、ハンドルの近位端またはその近くに位置する近位端開口部を有し、吸引/カメラチャネルは、ブレードの遠位端またはその近くに位置する遠位端開口部を有し、吸引/カメラチャネルは、吸引/カメラチャネル内にカメラを位置決めに対応する直径を有する。
【0009】
喉頭鏡は、ブレード前表面の遠位端から遠位に延びる保護フランジを含むブレードを有してもよく、フランジはETTチャネルの遠位端開口部に対して遠位にある。
【0010】
喉頭鏡の好ましい実施形態は、ETTチャネルが、喉頭鏡の少なくとも1つの表面上にETTチャネルを開口するスリットを含むものを含む。いくつかの好ましい実施形態では、スリットは、ETTチャネルを喉頭鏡の左側表面または右側表面に開口してもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、ETTチャネルはその遠位端で、ハンドルの遠位端または近位に開口してもよい。いくつかの好ましい実施形態は、ハンドルからのETTチャネルがブレード長の少なくとも一部にわたって続き、ETTチャネルがその遠位端で、ブレードの遠位端または近位に開口する、喉頭鏡を含む。
【0012】
いくつかの好ましい実施形態では、喉頭鏡は、ETTチャネルの壁の少なくとも一部に凹部として形成された1つもしくは複数のガイド溝、ならびに/あるいは、ハンドルおよび/またはブレードの1つもしくは複数の外(前(腹側)表面、後(背側)表面、左側表面もしくは右表側面)に凹部として形成された1つもしくは複数のガイド溝を含むことができ、ガイド溝の深さは、ブジーをガイド溝に配置することに対応している。
【0013】
本開示による喉頭鏡のいずれかは、ハンドルの本体から延びるコネクタをさらに備えてもよく、コネクタは、壁によって囲まれたルーメンを備え、ルーメンは、吸引/カメラチャネル内に開口し、コネクタは、吸引チャネルを酸素、吸引および/または真空源に接続するためのポートである。いくつかの好ましい実施形態は喉頭鏡を含み、喉頭鏡はハンドル上に位置する吸引制御ポートをさらに備え、吸引制御ポートはハンドルの本体内のルーメンであり、ルーメンは吸引チャネルに接続され、吸引ルーメン内の空気圧は吸引制御ポートを開閉することによって制御可能である。いくつかの好ましい実施形態では、吸引制御ポートは、ハンドルの前表面の近位部分に配置されてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、吸引制御ポートは、ハンドルの前表面に、左側の側表面または右側の側表面に配置されたコネクタの近位に配置されてもよい。
【0014】
本開示による喉頭鏡のいくつかの好ましい実施形態は、喉頭鏡を含み、喉頭鏡は、ブレードの遠位部分に取り付けられたカフをさらに備え、カフは、ブレードの遠位端の近位に配置され、チャネルの遠位端開口部およびチャネルの遠位端開口部は、カフの遠位に配置される。カフは膨張可能であってもよく、喉頭鏡はカフを膨張させるための手段をさらに含む。
【0015】
さらに別の態様では、本開示は、本開示による喉頭鏡を備えるシステムを提供し、システムは、
a)カメラアダプタであって、カメラアダプタは、カメラを収容するためのルーメンを囲む実質的に円筒形の本体である、カメラアダプタ、
b)ルーメンを囲む壁によって形成された実質的に円錐形の本体を有するチャネルアダプタであって、本体は、遠位端および近位端を有し、かつ遠位端と近位端との間の長さを有し、円錐形の本体は、遠位端で第1の直径(d1)を有し、近位端で第2の直径(d2)を有し、第1の直径(d1)は第2の直径(d2)よりも小さく、第1の直径(d1)は吸引チャネルの近位端開口部の直径よりも小さく、第2の直径(d2)吸引チャネルの近位端開口部の直径よりも大きい、チャネルアダプタ、
c)ブジー、ならびに/あるいは、
d)カメラ、
項目のうちの1つまたは複数をさらに備える。
【0016】
さらに別の態様では、本開示は、本開示による喉頭鏡と、喉頭鏡の吸引/カメラチャネル内に配置されたカメラと、喉頭鏡のETTチャネル内に配置された気管内チューブとを備えるアセンブリに関する。
【0017】
さらなる一態様では、本開示は患者を治療する方法に関し、本方法は、本開示による喉頭鏡の吸引チャネルの中へカメラを配置することと、患者の上部口腔気道内にアセンブリを導入することと、を含む、本方法は、ガイド溝内に配置されたブジーによる支援を受けて喉頭鏡を操作することをさらに含んでもよい。
【0018】
本開示は、一実施形態では、少なくとも1つのカメラ/吸引チャネルおよび/または少なくとも1つのカメラ/ツールチャネルを含む喉頭鏡をさらに提供する。いくつかの実施形態では、喉頭鏡は、カメラ/吸引チャネルに挿脱可能な少なくとも1つのカメラと組み合わせることができ、カメラは、挿入および配置中に連続的な視覚化を提供する。
【0019】
一態様では、本開示は、カメラ/吸引チャネルと、ハンドルと、近位端および遠位端を有するブレードとを備える喉頭鏡を提供し、ハンドルは、遠位端および近位端を有する本体を備え、本体は、ブレードの近位端に対して遠位端に取り付けられ、ブレードは、後表面および前表面を有し、喉頭鏡は、ハンドルの本体に配置された少なくとも1つのカメラ/吸引入口ポートを含み、カメラ/吸引入口ポートは、ハンドルの本体の内側に配置されたカメラ/吸引チャネルに開口し、カメラ/吸引チャネルは、ブレードの後表面にカメラ/吸引ポートが開口する。喉頭鏡のいくつかの実施形態では、ハンドルはブレードに取り外し可能に取り付けられてもよい。喉頭鏡のいくつかの好ましい実施形態では、カメラ/吸引チャネルはチューブを備えてもよい。喉頭鏡のいくつかの好ましい実施形態では、カメラ/吸引チャネルは、ハンドルの本体に挿脱可能なチューブを備えてもよい。喉頭鏡のいくつかの実施形態では、ハンドルの本体は吸引制御ポートをさらに備えてもよい。喉頭鏡のいくつかの実施形態では、ブレードは湾曲していてもよい。いくつかの実施形態では、喉頭鏡は、カメラ/吸引チャネルに挿脱可能なカメラシースをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、カメラシースは、遠位端に密封窓を含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、喉頭鏡は、ハンドルの本体の表面に取り付けられたカメラ/ツールチャネルをさらに備えてもよく、および/または、カメラ/ツールチャネルは、ハンドルの本体の表面に成形された溝を備え、カメラ/ツールチャネルは、遠位端および近位端を有し、カメラ/ツールチャネルの遠位端は、ブレードの後表面またはブレードの後表面の側面に開口し、カメラ/ツールチャネルの近位端は、ハンドルの本体に配置される。
【0021】
いくつかの実施形態では、カメラ/ツールチャネルは溝を備えてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、喉頭鏡は、カメラ/吸引入口ポートに取り付けられたアダプタをさらに備えてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、ハンドルの本体は、実質的に中空であってもよい。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態では、喉頭鏡は、ワンドに取り付けられたカメラをさらに備えてもよく、カメラは、カメラ/吸引チャネルに挿脱可能である。カメラは使い捨てであってもよく、または再使用可能であってもよい。再使用可能であるために、カメラは、使い捨てシース内に受け入れられてもよい。
【0025】
別の態様では、本開示は、本開示による喉頭鏡と、カメラ/吸引チャネルに挿脱可能な少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つのブジー、および/もしくはカメラ/吸引入口ポートを閉じるための少なくとも1つのストッパ、のうちの1つまたは複数とを備える気道管理機器に関する。
【0026】
さらに別の態様では、本開示は、気管内挿管のためのシステムに関し、本システムは、空気/真空/吸引源に取り付けられた本開示による喉頭鏡と、喉頭鏡に挿入され、ブレードの後表面から遠位に画像をキャプチャすることができるカメラとを備える。
【0027】
さらに別の態様では、本開示は、患者の気道を管理するための方法を提供し、本方法は、本開示による喉頭鏡のカメラ/吸引チャネルにカメラを挿入することと、ブジーをカメラ/ツールチャネルに挿入することと、ハンドルを操作することによって、ブジーからの支援を受けて、カメラによる連続的な視覚化の下でブレードを中咽頭に挿入することと、を含む。本方法のいくつかの実施形態は、喉頭鏡を空気/吸引/真空源に接続することと、カメラ/吸引チャネルを通して吸引を確立することと、カメラ/吸引ポートを通して身体分泌物を吸引することと、をさらに含むことができる。本方法のいくつかの実施形態では、カメラによる可視化下で吸引を行ってもよい。本方法は、吸引制御ポートを開放および/または閉鎖することをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示による喉頭鏡の一実施形態の斜視図である。
【0029】
図2】吸引/カメラチャネルに挿入されたカメラと、カメラ/ツールチャネルに挿入されたブジーとを含む、本開示による喉頭鏡の一実施形態の斜視図である。
【0030】
図3】2つのカメラと組み合わせることができる、本開示による喉頭鏡の一実施形態の斜視図である。
【0031】
図4】吸引/カメラチャネルから遠位に延びる第1のカメラと、カメラ/ツールチャネルから遠位に延びる第2のカメラとを有する、図3の喉頭鏡の斜視図である。
【0032】
図5】カメラおよび気管内チューブを備えた、図1の喉頭鏡の一実施形態の斜視図である。
【0033】
図6】吸引/カメラチャネルに挿入されているアダプタおよびカメラを備えた、喉頭鏡ハンドルの一実施形態の一部を示す図である。
【0034】
図7】吸引/カメラチャネルに挿入されているカメラと、所定の位置に固定されているカメラのワンドを備えた、喉頭鏡ハンドルの一実施形態の一部を示す図である。
【0035】
図8】吸引カテーテルを介して吸引/真空源(図示せず)に接続され、使用されている、本開示の喉頭鏡の一実施形態を示す図である。
【0036】
図9】連続カテーテルに接続されているアダプタを示す、図8の喉頭鏡ハンドルの近位部分を示す図である。
【0037】
図10】ブレードの前(腹側)表面を示す、本開示による喉頭鏡の一実施形態の斜視図である。
【0038】
図11図10の喉頭鏡の別の側面斜視図である。
【0039】
図12】本開示によるカフを備えた、喉頭鏡の別の実施形態の斜視図である。
【0040】
図13図12の喉頭鏡の別の側面斜視図である。
【0041】
図14図10の喉頭鏡の後表面の上面図である。
【0042】
図15図10の喉頭鏡の側面図である。
【0043】
図16】ハンドルを通って前表面から後表面まで、近位-遠位12P/12D軸に垂直に取った、本開示による喉頭鏡の断面図である。
【0044】
図17】気管内チューブ、ブジーおよびカメラと組み立てられている図12のカフを備えた、喉頭鏡を示す図である。
【0045】
図18】本開示による喉頭鏡100のハンドルの近位領域、カメラアダプタ、およびカメラを示す図である。
【0046】
図19図18のカメラアダプタを介して図18の喉頭鏡内に配置されている図18のカメラを示す図である。
【0047】
図20】ガイド溝内に配置されたブジーを備えた、喉頭鏡100のハンドルの近位領域を示す図である。
【0048】
図21図20のアセンブリを示し、ブジーでETTチャネルにガイドされる気管内チューブをさらに示す図である。
【0049】
図22】気管内チューブがETTチャネル内に完全に装着された後の図21のアセンブリを示す図である。
【0050】
図23】ETTチャネル内に配置され、喉頭鏡の遠位端から遠位に延びる気管内チューブを備えた、本開示による喉頭鏡の一実施形態の側面斜視図である。
【0051】
図24】ETTチャネル内のスリットを介して喉頭鏡から分離されている、気管内チューブを示す図である。
【0052】
図25】アダプタの一実施形態を示す図である。
【0053】
図26】カメラと組み合わされている図25のアダプタを示す図である。
【0054】
図27図25のアダプタを介してカメラと組み合わされている図1の喉頭鏡のアセンブリの斜視図である。
【0055】
図28図25のアダプタを介したカメラを備えた、気管内チューブのアセンブリを示す図である。
【0056】
図29】ETTチャネルがハンドル内に配置されている、本開示による喉頭鏡の別の実施形態を示す図である。
【0057】
図30】ブレードの後表面を示す、図29の喉頭鏡の斜視図である。
【0058】
図31】ETTチャネルがハンドル内に配置されている、本開示による喉頭鏡の別の実施形態を示す図である。
【0059】
図32】ブレードの後表面を示す、図31の喉頭鏡の斜視図である。
【0060】
図33】本開示による喉頭鏡の別の実施形態の斜視図である。
【0061】
図34】ブジーを用いて組み立てられた図33の喉頭鏡を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本開示は、検査、薬物送達、挿管、換気および抜管を含む、患者の気道を検査および管理するための医療機器に関する。一態様では、本開示は、喉頭鏡の様々な実施形態に関し、好ましくは、挿管中に気管内チューブ(ETT)を送達および位置決めするのに適した気管内チューブ(ETT)チャネルを含む。いくつかの好ましい実施形態は、喉頭鏡を通して患者を換気するための手段を含む。いくつかの好ましい実施形態では、喉頭鏡は、吸引チャネルをさらに含むことが好ましく、少なくともいくつかの実施形態では、吸引チャネルは、カメラを収容するためにも使用することができる。
【0063】
本開示による喉頭鏡は、これまでに解決されていない特定の技術的問題に対処し、これらの喉頭鏡が気管内チューブの正確かつ迅速な配置のための導管を提供することを含み、挿入処置を連続的な視覚化の下で実行することができ、喉頭鏡および/または気管内チューブの配置を、カメラで視覚化および検証することができる。他の技術的利点としては、吸引を制御する手段、連続的な視覚化の下で吸引および配置を実行する手段、配置および検査を実行する手段を含み、これらに限定されないが、例えばブジーなどのガイドツールを用いて周囲組織を操作することができる。本開示の喉頭鏡は、吸引カテーテル、カメラ、ガイドツール、および/または気管内チューブを含むがこれらに限定されない1つまたは複数のツールを用いて組み立てることができるため、1人の医療従事者は、アセンブリを片手で保持することができ、アセンブリ内のツール/機器を別の手で操作および制御することができるため、様々な操作を実行できる。本開示による喉頭鏡は、緊急事態下での使用、および/または挿管が困難な患者に適し得る。さらなる実施形態は、少なくとも1つの吸引/カメラチャネル、および/または少なくとも1つのカメラ/ツールチャネルを含む喉頭鏡を含む。喉頭鏡は、カメラに対応している。
【0064】
本開示では、「遠位端」という用語は、検査中および/または挿管処置中に最初に患者の中咽頭に導入される端部を意味する。「近位端」は、遠位端の反対側にある。
【0065】
図1~9を参照して、本開示による喉頭鏡の特定の実施形態をより詳細に説明する。図1は、喉頭鏡の一実施形態、全体として10を示す。喉頭鏡10は、ハンドル12およびブレード14を備える。いくつかの実施形態では、ハンドル12およびブレード14は、製造中に一体型喉頭鏡に形成される。例えば、ハンドル12およびブレード14は、一緒に成形され、および/または一緒に接着され、あるいは製造中に恒久的に取り付けられ得る。
【0066】
他の実施形態では、ハンドル12は、ブレード14から取り外し可能であり得る。これらの実施形態では、ハンドル12は、使用前に、例えば、ハンドル12をブレード14にねじ込むことによって、および/または任意の他の締結手段によってブレード14に取り付けることができる。
【0067】
ハンドル12は、遠位端16Aおよび近位端16Bを有する本体16を備える。一実施形態では、ハンドル12は実質的にチューブ状本体を含むが、ハンドルに通常使用される任意の他の形状も適切であり得ることに留意されたい。ハンドル12の形状および長さは、必要に応じて調整できる。
【0068】
ブレード14は、湾曲していてもよく、好ましくは、喉頭鏡10が使用されているときに、ブレード14を使用して喉頭蓋を持ち上げることができ、口の外に延びたままのハンドル12を操作することによって気道に挿入することができるように、人間の喉頭の輪郭の形を取り得る。
【0069】
ブレード14は、遠位端14Aおよび近位端14Bを有する。ハンドル12の本体16は、その遠位端16Aでブレード14の近位端14Bに取り付けられている。ハンドル12がブレード14から取り外し可能であるいくつかの実施形態では、本体16は、本体16をブレード14の近位端14Bにねじ込むために、遠位端16Aまたはその近くに複数のねじ山を含むことができる。いくつかの実施形態では、ブレード14は、ハンドル12に取り付けるために、近位端14Bおよび/またはその近くに複数のねじ山を含むことができる。
【0070】
ブレード14は、後表面14Cと、反対側の前表面14Dとを有する。医療従事者は、声帯および声門の視界を得るために、かつ患者の気道へのアクセスを得ようと試みながら、ハンドル12を把持し、ハンドル12を操作してブレード14を患者の中咽頭に挿入することができる。位置決め処置が正常に完了した後、ブレード14の前表面14Dは、患者の前方に向かって位置決めされ、一方、後表面14Cは、患者の後方に向かって位置決めされる。
【0071】
本体16には、本体16の開口である吸引/カメラ入口ポート18が設けられている。吸引/カメラ入口ポート18は、近位-遠位軸16B/16Aに沿って本体16の長さの少なくとも一部にわたって本体16の内側に位置する少なくとも1つの吸引/吸引チャネル24に通じている。吸引/カメラチャネル24は、少なくとも1つのカメラ/吸引ポート20を有するブレード14の後表面14Cに開口している。
【0072】
いくつかの実施形態では、吸引/カメラチャネル24は、本体16の長さの少なくとも一部にわたって近位-遠位軸16B/16Aに沿って配置されたハンドル12の内側の通路を含む。いくつかの実施形態では、吸引/カメラチャネル24は、本体16からブレード14の内側にさらに続いてもよく、次いで、少なくとも1つのカメラ/吸引ポート20でブレード14の後表面14C上で開口してもよい。少なくともいくつかの実施形態では、例えばチューブとしての吸引/カメラチャネル24は、本体16の内側に位置するカメラ/吸引入口ポート18またはその近くで始まり、次いでブレード14の外側で続いてもよく、いくつかの実施形態では、ブレード14の後表面14Cの少なくとも一部の外側に沿って続いてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、本体16は、少なくとも部分的に中空である。これは、当技術分野で知られているビデオ喉頭鏡に対する本開示による喉頭鏡の技術的利点の1つである。従来の喉頭鏡のハンドルは、バッテリ、1つまたは複数の電源スイッチおよび他の要素を受け入れることが多く、従来のハンドルを重くし、操作することを困難にするが、いくつかの好ましい実施形態では、ハンドル12はそのような要素を含まなくてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、本体16は実質的に中空であり(内部に空間を有し)、吸引/カメラチャネル24のための空間を提供する。いくつかの他の実施形態では、本体16は中空ではなく、代わりに、吸引/カメラチャネル24が装着され得る中実部品として作製できる。
【0074】
いくつかの実施形態では、吸引/カメラチャネル24はチューブを含むことができ、その一部はカメラ/吸引入口ポート18の外側に突出してもよい。カメラ/吸引入口ポート18の外側に突出するチューブのこの部分は、アダプタ25として使用できる。アダプタ25は、喉頭鏡10を酸素/吸引/真空源(図示せず)に接続するために使用できる。アダプタ25は、カメラ/吸引入口ポート18の開閉を調整することができるバルブ、例えばクリップをさらに備えてもよい。
【0075】
いくつかの態様では、吸引/カメラチャネル24を含むチューブは、近位/遠位にスライドできる。いくつかの実施形態では、チューブは、喉頭鏡10に挿脱可能であり得る。
【0076】
ワイヤ、ケーブルおよび/またはワンド27に接続されたカメラ26は、カメラ/吸引入口ポート18を通って吸引/カメラチャネル24内に配置され、次いでカメラ/吸引ポート20に配置され得る。いくつかの実施形態では、ワンド27を有するカメラ26は、シースをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、シースは、その遠位端に密封窓を備えてもよい。ワンド27を有するカメラ26は、必要に応じて、シース内に配置され、シースから取り外されてもよい。シースは、体液への曝露からカメラを保護する。吸引/カメラチャネル24がチューブを含む実施形態では、チューブは、カメラ26ならびにワンド27および/またはチューブのためのシースとして機能することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、図2に示すように、ワンド27を有するカメラ26は、吸引/カメラチャネル24内をスライドすることができる。カメラ26は、カメラ/吸引ポート20から遠位に延びることができる。これにより、患者の喉頭および声帯の視覚化が、リアルタイムで提供される。カメラ/吸引ポート20に対するカメラ26の位置決めは、ワンド27を操作することによって必要に応じて調整できる。
【0078】
図5に示すように、ワンド27を有するカメラ26は、喉頭鏡10が患者内に位置決めされたままで、カメラ/吸引入口ポート18を介して吸引/カメラチャネル24から取り外すことができる。この特徴は、さらに別の技術的利点を提供する。
【0079】
次いで、カメラ26は、図5に示すように、別の医療機器、例えば気管内チューブ40と組み合わせて使用できる。
【0080】
いくつかの実施形態では、図1および図2に示すように、喉頭鏡10は、遠位端28Aおよび近位端28Bを有する少なくとも1つのカメラ/ツールチャネル28をさらに備えることができる。カメラ/ツールチャネル28は、本体16の外側に配置される。
【0081】
カメラ/ツールチャネル28は、本体16の表面上のどこにでも配置することができるが、いくつかの好ましい実施形態は、後表面14Cに対するカメラ/ツールチャネル28の位置決めが、カメラ/ツールチャネル28が表面14Cに隣接することを含む。好ましくは、カメラ/ツールチャネル28は、後表面14Cの側面に配置される。
【0082】
好ましくは、カメラ/ツールチャネル28の遠位端28Aは、ブレード14の後表面14Cに位置し、またはカメラ/ツールチャネル28の遠位端28Aは、後表面14Cの側面に位置する。好ましくは、近位端28Bは、本体16の表面上に位置する。
【0083】
いくつかの実施形態では、カメラ/ツールチャネル28は、本体16の外表面に取り付けられたチューブ、スプリットを有するチューブ、溝、クリップ状ホルダのセット、またはそれらの任意の組み合わせ、を含むことができる。他の実施形態では、カメラ/ツールチャネル28は、本体16の壁に成形された溝またはチャネルであってもよい。
【0084】
カメラ/ツールチャネル28は、ツールまたはカメラを受け入れることができる。例えば、カメラ/ツールチャネル28は、図2に示すようなブジー30、または図3および図4または吸引チューブ(図示せず)に示すような第2のカメラ26を受け入れることができる。
【0085】
図2に示すように、カメラ/ツールチャネル28の遠位端28Aは、ブレード14の後表面14Cまたは後表面14Cの側面に開口しているので、ブジー30は、カメラ/ツールチャネル28から遠位に延びることができ、近位/遠位にスライドできる。ブジー30の先端は、図2に示されるように、カメラ/吸引ポート20から遠位に延びるカメラ26に対して遠位に配置され得る。
【0086】
図2に示すように、医療従事者は、ブジー30がカメラ26による連続的な視覚化の下に口腔気道内で操作されるように、チャネル28内のブジー30とチャネル24内のカメラ26との相対位置を調整できる。ブジー30はカメラ/ツールチャネル28内で受け入れられているので、喉頭鏡10が患者内に位置決めされたままで、ブジー30を取り外すことができる。さらに、カメラ26およびブジー30は、それぞれのチャネル24および28によって適所に保持されるため、1人の医療従事者が、カメラ26、喉頭鏡10、およびブジー30を操作および調整できる。
【0087】
図6および図7に示すように、アダプタ25は、近位端の近くにノッチ25Aを有し得るチューブを備えてもよい。ノッチ25Aは、カメラ26が吸引/カメラチャネル24に挿入された後にワンド27を固定するために使用できる。ノッチ25Aは、ワンド27を所定の位置に保持し、ワンドとカメラ26とが喉頭鏡10内で遠位方向かつより深くスライドするのを防止する。カメラ26の位置が調整され、カメラ/吸引ポート20から遠位に位置すると確認されると、ワンド27をノッチ25A内に固定できる。これは、喉頭鏡10およびブジー30が、カメラ26からの継続的な視覚化の下で、1人の医療従事者によって操作され得るので、さらに別の技術的利点を提供する。
【0088】
本開示による喉頭鏡のさらに別の技術的利点は、カメラ/吸引入口ポート18が吸引ポートとしても使用され得ることである。例えば、気道が嘔吐物、血液、および/または何らかの他の身体分泌物で閉塞されているために吸引が必要な場合、医療従事者は、吸引/カメラチャネル24からカメラ26を取り外し、吸引カテーテル34にアダプタ25を接続することができ、その一実施形態を図9に示す。少なくともいくつかの他の実施形態では、吸引を行う前にカメラ26を取り外す必要はない。これらの実施形態では、カメラ26は、チャネル24を通る吸引中にチャネル24内に配置されたままであり得る。
【0089】
吸引カテーテル34は、吸引/真空源(図示せず)に接続できる。次いで、身体の分泌物がカメラ/吸引ポート20内に吸引され、吸引/カメラチャネル24を通って吸引され、カメラ/吸引入口ポート18から除去される。
【0090】
いくつかの実施形態では、本体16は、本体16の内部に開口する吸引制御ポート22を含むことができる。吸引制御ポート22は、吸引/カメラチャネル24に接続されている。吸引制御ポート22は、開口しているとき、吸引/カメラチャネル24に空気を供給する。したがって、吸引/カメラチャネル24内の真空は、吸引制御ポート22を介して少なくとも部分的に解放され、吸引/カメラチャネル24を介した吸引は、少なくとも部分的に減少する。したがって、吸引制御ポート22は、吸引を制御するか、または吸引/カメラチャネル24を通る吸引を減少させるために使用できる。
【0091】
図8に示すように、医療従事者は、指で吸引制御ポート22を閉じることができ、テープ片および/または吸引制御ポートに、ストッパ/プラグ/蓋(図示せず)を取り付けることができる。吸引を必要としない場合、または最小限の吸引のみが必要な場合、吸引制御ポート22は開口したままであってもよい。カメラ/吸引ポート20からの身体分泌物の吸引(suction)および吸引(aspiration)を増加させるために、吸引制御ポート22は、指またはストッパ/プラグ/蓋(図8には図示せず)で閉じられてもよい。
【0092】
図8に示すように、カメラ26をカメラ/ツールチャネル28内に配置することができ、および/またはカメラ26を吸引/カメラチャネル24内に配置したままにすることができ、したがって、カメラ/ツールチャネル28内に配置されたカメラ26からの連続的な視覚化の下で、カメラ/吸引ポート20を通っての吸引を行うことができる。吸引はカメラ26による可視化下で行われるため、医療従事者は、周囲の組織への損傷を防止するために必要とされ得る最小限の真空のみを適用することで、リアルタイムにプロセスを監視できる。
【0093】
本開示の喉頭鏡は、いくつかの技術的利点を提供し、そのうちのいくつかを以下により詳細に説明する。必要に応じて、喉頭鏡10の配置は、1つまたは複数のカメラ26による連続的な視覚化の下で、ブジー30によって支援できる。必要に応じて、喉頭鏡10が患者内に配置されたままで、カメラ26および/またはブジー30を取り外すことができる。周囲組織を1つまたは複数のカメラ26でリアルタイムに監視することにより、医療従事者は、より短い時間で喉頭鏡検査および/または気管内挿管を完了できる。正しい配置をリアルタイムで確認できる。吸引が必要な場合/必要なときに、医療従事者は、喉頭鏡10を保持したまま吸引を開始できる。1人の医療従事者が、喉頭鏡ハンドル12を保持することにより、片手で喉頭鏡10、吸引カテーテル34およびカメラ26を操作できる。
【0094】
喉頭鏡10および吸引は、連続的な視覚化の下で操作することができるため、これにより、患者の周囲組織に対する外傷のリスクを低減し、困難な気道の挿管を助けることができる。挿管は、より迅速に、より少ない試行で完了できる。いくつかの実施形態では、喉頭鏡10は、バッテリおよび/または電源スイッチをハンドルに含める必要がないため、軽量かつ可搬性にすることができ、処置中に喉頭鏡10を取り扱う医療従事者の負担を軽減する。
【0095】
別の態様では、喉頭鏡10が、少なくともケーブルおよび/またはワンドを有するカメラであって、チャネル24および/またはチャネル28に挿脱可能なカメラ、ならびに/あるいは、チャネル28に挿脱可能な少なくとも1つのブジー、ならびに/あるいは、吸引制御ポート22に取り付けることができるストッパ、ならびに/あるいは、ポート18およびポート20に挿脱可能な吸引チューブ、ならびに/あるいは、取扱説明書、のうちの1つまたは複数を備えるシステムを、本開示は提供する。
【0096】
図10~32を参照して、本開示による喉頭鏡のさらなる実施形態をより詳細に説明する。
【0097】
図10図11図14図15図16図23図24および図27は、本開示による喉頭鏡の代替的な実施形態の様々な図、全体として100を示す。喉頭鏡100は、ブレード114に取り付けられたハンドル112を備える。いくつかの実施形態では、ハンドル112およびブレード114は、製造中に、例えば成形によって一体型喉頭鏡に形成される。いくつかの実施形態では、ハンドル112およびブレード114は、一緒に成形され、および/または一緒に接着され、あるいは製造中に恒久的に取り付けられ得る。他の実施形態では、ハンドル112は、ブレード114から取り外し可能(図示せず)であり得る。これらの実施形態では、ハンドル112は、使用前に、例えば、ハンドル112をブレード114にねじ込むことによって、および/または任意の他の締結手段によってブレード114に取り付けることができる。
【0098】
好ましくは、ハンドル112は、近位端112Pと遠位端112Dとの間の長さを有する実質的にチューブ状本体を有する。一実施形態では、ハンドル112は実質的にチューブ状本体を有するが、ハンドルに通常使用される任意の他の形状も適切であり得ることに留意されたい。挿入中ならびに検査および/または挿管の実施中にハンドル112を操作するために、医療従事者が簡単にしっかりと握れるように、ハンドル112の形状および長さは必要に応じて調整できる。
【0099】
ハンドル112は、前表面112Fと、反対側の後表面112Bとを有する。本開示では、前表面を代替的に「腹側表面」と呼ぶことができる。本開示では、後表面は代替的に「背側表面」と呼ぶことができる。
【0100】
ハンドル112はまた、2つの側表面、すなわち右側表面112Rおよび左側表面112Lを有する。図16の断面図に見られるように、側表面112Lは、前表面112Fと後表面112Bとの間に位置し、一方の側面を形成し、側表面112Rは、後表面112Bと前表面112Fとの間に位置し、他方の側表面を形成する。
【0101】
いくつかの実施形態では、左側面112Lから右側面112Rまでの前表面112Fの幅として定義することができるハンドル112の幅は、その一実施形態が図10に示されている左側面114Lから右側面114Rまでのブレード前表面114Fの幅として測定することができるブレード114の幅と実質的に同じである。他の実施形態では、ハンドル112の幅はブレード114の幅よりも小さく、ブレード114はハンドル112よりも幅広い(広い)。
【0102】
ブレード114は、湾曲していてもよく、好ましくは、喉頭鏡100が使用されているときにブレード114が人間の喉頭に挿入可能であり、ブレード114を使用して喉頭蓋を持ち上げることができるように、人間の喉頭の輪郭に適合する形を取り得る。ブレード114は、いくつかの実施形態では口の外へ実質的に延びたままであり得るハンドル112を操作することによって中咽頭に導入できる。いくつかの好ましい実施形態では、ブレード114は、下咽頭および声門構造に延びることができるように成形される。ブレード114は、患者の舌の上を通過するように十分に丸くすることができる。
【0103】
ブレード114は、遠位端114Dと、近位端114Pとを有する。ハンドル112は、その遠位端112Dでブレード114の近位端114Pに取り付けられている。少なくともいくつかの実施形態では、ブレード114は、喉頭鏡100がJ字形になるように角度αでハンドル112に取り付けられる。角度αは、必要に応じて最適化することができ、好ましくは30度と150度との間の任意の値とすることができる。他の値も適切であり得る。角度αは、舌を通過し、可能な限り少ない頭および首の操作で喉頭蓋を持ち上げる、などの機能を実行するために必要な角度に基づいて最適化される。いくつかの実施形態では、ブレード114は、ハンドル112よりも幅広い(広い)。
【0104】
ブレード114は、後(背側)表面114Bおよび反対側の前(腹側)表面114Fを有する。医療従事者は、声帯および声門の視界を得るために、かつ患者の気道へのアクセスを得ようと試みながら、ハンドル112を把持し、ハンドル112を操作してブレード114を患者の中咽頭に導入ができる。
【0105】
ブレード114は、右側表面114Rと左側表面114Lの2つの側表面を有する。例えば図11に見られるように、側表面114Lは、前表面114Fと後表面114Bとの間に位置し、1つの側面を形成する。反対側面(図11には示されていないが、反対側面は図24で見ることができる)は、左側表面114Rの反対側の後表面114Bと前表面114Fとの間に位置する、側表面114Rを有する。
【0106】
その近位端114Pにおいて、ブレード114の前表面1114Fは、ハンドル112の前表面112Fの遠位端112Dに接続されている。ブレード114の前表面114Fおよびハンドル112の前表面112Fは、本開示では集合的に喉頭鏡110の前表面と呼ぶことができる。
【0107】
ブレード114の後表面114Bは、その近位端114Pにおいて、ハンドル112の後表面112Bの遠位端112Dに接続されている。ブレード114の後表面114Bおよびハンドル112の後表面1112Bは、本開示では集合的に喉頭鏡100の後表面と呼ぶことができる。
【0108】
その近位端114Pにおいて、ブレード114の左側表面114Lは、ハンドル112の左側表面112Lの遠位端112Dに接続される。ブレード114の左側表面114Lおよびハンドル112の左側表面112Lは、本開示では集合的に喉頭鏡100の左側表面と呼ぶことができる。
【0109】
その近位端114Pにおいて、ブレード114の右側表面114Rは、ハンドル112の右側表面112Rの遠位端112Dに接続されている。ブレード114の右側表面114Rおよびハンドル112の右側表面112Rは、集合的に喉頭鏡100の右側表面と呼ぶことができる。
【0110】
医療従事者がハンドル112によって喉頭鏡100を保持し、遠位端114Dを医療従事者から外方に向けてブレード前表面114Fを見ているとき、ブレード右側表面114Rは医療従事者から右にある。
【0111】
いくつかの実施形態では、ブレード114は、前表面114Fの遠位端114Dから遠位に延びる保護フランジ115を含むことができる。いくつかの好ましい実施形態では、保護フランジ115は、挿入中に喉頭蓋に接触する喉頭鏡100の第1の領域である。したがって、保護フランジ115は、例えば、喉頭蓋を持ち上げるのを補助しながら、また患者の組織を損傷から保護しながら、挿入を容易にする形状および材料で作ることができる。保護フランジ115のいくつかの好ましい形状には、その遠位端で先細りした舌状形状が含まれるが、それに限定されない。フランジ115を作製するための適切な材料は、プラスチックを含む。
【0112】
例えば、断面図である図16に見られるように、いくつかの好ましい実施形態では、ハンドル112は、以下でより詳細に説明するように、様々なチャネル、ルーメンおよび凹部、例えば、116、118および120が配置された、例えばプラスチック本体などの中実部品113として作製できる。ブレード114はまた、様々なチャネルが配置された例えばプラスチック本体などの中実部品本体117として作製することもできる。本開示では、ハンドル112の本体113は、ブレード114の本体117と共に、喉頭鏡100の本体と呼ぶことができる。
【0113】
本開示によるいくつかの喉頭鏡は、気管内チューブ(ETT)を運ぶのに適したチャネル116を備える。ETTチャネル116の機能の1つは挿管処置中にETTをガイドすることであるため、ETTチャネル116は、本開示ではETT導管またはETTチャネルと互換的に呼ばれ得る。ETTの挿入は、片手で喉頭鏡100のハンドル112を操作することによってガイドされ、調整され得る。
【0114】
気管内チューブが典型的にハンドルの表面上に外側に配置される従来技術の喉頭鏡とは異なり、本開示による喉頭鏡の好ましい実施形態におけるETTチャネル116は、ハンドル長さ112の少なくとも一部の本体内の通路(ルーメン、チャネルまたは溝)であり、その一実施形態は図16の断面図で見ることができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、ETTチャネル116は、ハンドル112の近位端112Pまたはその近くの開口部116Pで始まる。開口部116Pは、ハンドル112の本体113内の通路(ルーメン)に通じている。いくつかの実施形態では、ETTチャネル116を、喉頭鏡100の本体内に押し出すことができる。いくつかの実施形態では、喉頭鏡100は、ETTチャネル116用のルーメンで成形できる。いくつかの実施形態では、ETTチャネル116のルーメンは、109の壁によって少なくとも部分的に囲まれている。
【0116】
好ましくは、ETTチャネル116は、近位-遠位軸112P/112Dに沿ってハンドル112の少なくとも一部またはさらには全長にわたって続く。ETTチャネル116は、さらに好ましくは、例えば図11に示すように、近位-遠位軸114P/114Dに沿ってブレード114の長さの少なくとも一部をわたる本体117内の通路として続いてもよい。他の実施形態では、ETTチャネル116は、ハンドル112内に配置される。
【0117】
いくつかの好ましい実施形態では、ETTチャネル116は、ブレード114の遠位端114Dまたはその近くに開口部116Dで終わる。ETTチャネル116の直径は様々であり得るが、典型的には、気管内チューブ、例えば、気管内チューブ406がETTチャネル116内に配置され得るように、例えば、ETTチャネル116内に配置された気管内チューブ406を示す図23に示されるように、ETTチャネルの直径は、気管内チューブの直径と対応する。
【0118】
図23に示すように、気管内チューブ406がETTチャネル116内に配置される場合、気管内チューブ406の遠位端406Dは、ETTチャネル116の遠位開口部116Dから遠位に外に延びてもよい。ETTチャネル116の直径は、好ましくは、気管内チューブが喉頭鏡100の近位-遠位軸112P/114Dに沿ってETTチャネル116の内側をスライドできるように、気管内チューブの直径よりも大きい。気管内チューブには、乳児、小児患者、成人女性患者または成人男性患者に適したものが含まれる。したがって、ETTチャネル116の直径は、乳幼児に典型的に使用される3mm、小児患者に典型的に使用される6.0から6.5mmのETT直径を有する気管内チューブを担持するための、または成人患者に使用されるようなより大きな直径、例えば7.5から8.0mmまたはさらには8から8.5mmを有するETTを形成するための形を取り得る。
【0119】
気管内チューブ406は、ブレード114の遠位端114Dから遠位にさらに延びてもよい。気管内チューブ406の近位端406Pは、ETTチャネル116の近位開口部116Pから近位に延びてもよい。いくつかの実施形態では、本開示による特定の喉頭鏡は、挿管中に気管内チューブを送達および位置決めするための導管として機能し得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、ETTチャネル116は、図24に示すようにスリット126を含むことができる。いくつかの実施形態では、スリット126は溝の形態であってもよい。スリット126は、ETTチャネル116の長さの少なくとも一部にわたって延びていてもよい。スリット126は、喉頭鏡100の表面の少なくとも一方の上にETTチャネル116を開口する。いくつかの好ましい実施形態では、スリット126は、ETTチャネル116を、側表面112L、114L、112Rおよび/または114Rのうちの1つまたは複数に開口する。好ましくは、スリット126は、右側表面112R、114Rまたは左側表面112L、114Lに開口する。
【0121】
図24に示すように、好ましい一実施形態では、気管内チューブ406をETTチャネル116内に配置し、ETTチャネル116を右側表面112Rおよび/または114Rに開口するスリット126を介して、ETTチャネル116から取り外すことができる。代替的な実施形態では、気管内チューブ406をETTチャネル116内に配置し、ETTチャネル116を左側表面112Lおよび/または114Lに開口するスリット126を介して、ETTチャネル116から取り外すことができる。さらに別の代替実施形態では、気管内チューブ406をETTチャネル116内に配置し、ETTチャネル116を後表面112Bおよび/または114Bに開口するスリット126を介して、ETTチャネル116から取り外すことができる。さらに別の代替実施形態では、気管内チューブ406をETTチャネル116内に配置し、近位端開口部116Pを介して、ETTチャネル116から取り外すことができる。
【0122】
ETTチャネル116のいくつかの実施形態は、スリット126を含まない。いくつかの実施形態では、ETTチャネル116は、ハンドル112の本体113の壁109によって実質的に囲まれたルーメンであってもよい。いくつかの実施形態では、ETTチャネル116は、ブレード114の本体117の壁109によって実質的に囲まれたルーメンとして続くことができる。他の実施形態では、ETTチャネル116は、ハンドル112のみを通って延び、ハンドル112の遠位端112Dまたはその近くに遠位端開口部116Dで開口することができるが、ブレード114は、ブレード114の本体の内側に位置するEETチャネル116を含まない。
【0123】
さらにいくつかの他の実施形態では、ETTチャネル116は形成されてもよく、例えば、近位-遠位軸112P/112Dに沿ったハンドル長さの少なくとも一部にわたってハンドル112の本体113の溝、トレンチまたは凹部として押し出され、次いで、好ましくは、近位-遠位軸114P/114Dに沿ったその長さの少なくとも一部についてブレード114の本体117の溝、トレンチ、凹部またはルーメンとして連続することができることに、さらに留意されたい。これらの実施形態のいずれにおいても、ETTチャネル116は、側表面112Lおよび/もしくは114L、または112Rおよび/もしくは114R、または後表面112Bおよび/もしくは114Bのいずれかに開口してもよい。ETTチャネル116が溝、トレンチ、凹部として形成され、かつ/またはETTチャネルがスリット126を含む実施形態では、挿管が完了した後にETTチャネル116から気管内チューブを取り外すことを容易にする。
【0124】
ETTチャネル116は、いくつかの技術的利点を提供し、そのうちのいくつかを以下に概説する。第1に、ETTチャネル116内に配置されたときの気管内チューブ406は、喉頭鏡100と共に移動し、医療従事者は、ハンドル112を操作することにより片手で挿入を実行できる。
【0125】
第2に、ETTチャネル116がハンドル112の内側に位置するので、気管内チューブ406が挿入中に喉頭鏡100から分離する可能性は低い。
【0126】
第3に、ETTチャネル116がハンドル112の内側に位置するため、ETTチャネル116は、例えば、挿入中の不随意の噛み、引っかき傷および/または変形からETT406を保護する。
【0127】
第4に、ETTチャネル116がハンドル112内に位置するため、ETT406がETTチャネル116内に装填されてもハンドル112の形状は変化されず、医療従事者が挿入中に喉頭鏡100を操作することを容易にする。
【0128】
第5に、気管内チューブ406が声帯を通して配置された後、喉頭鏡100は、スリット126を通して気管内チューブ406から分離できる。したがって、喉頭鏡100は、必要に応じて位置決めされたままであり、患者に換気を提供し続けることができる気管内チューブ406を妨げることなく患者から取り外すことができる。
【0129】
第6に、ETTチャネル116内に配置されている気管内チューブ406が、喉頭蓋を持ち上げるための喉頭鏡を使用することを邪魔しないので、喉頭鏡を口腔内に挿入する前に、気管内チューブ406をETTチャネル116内に配置することが可能である。
【0130】
本開示による喉頭鏡のいくつかの好ましい実施形態では、ETTチャネル116はガイド溝118を含むことができる。いくつかの好ましい実施形態に存在する場合、ガイド溝118は、ETTチャネル116の壁109の溝または凹部であり、その一実施形態は図16の断面図で見ることができる。ガイド溝118は、存在する場合、ハンドル112の近位端112Pまたはその近くの開口部118Pから始まってもよい。ガイド溝118は、例えば図24に示すように、ハンドル112の少なくとも一部の長さにわたって続くことができ、次いでいくつかの実施形態では、ブレード114の長さの少なくとも一部にわたってさらに続くことができる。いくつかの好ましい実施形態では、ガイド溝118は、ブレード114の遠位端114Dまたはその近くの開口部118Dで終端する。ガイド溝118の深さは変化してもよいが、典型的には、ブジー208をガイド溝118内に配置することができるように、ブジー208などのガイドツールの直径に対応する。ガイド溝118は、ETTチャネル116の壁に形成されてもよく、したがって、いくつかの好ましい実施形態では、ガイド溝118は、必要に応じて、ブジー208をガイド溝118からETTチャネル116のルーメンに容易に移動させることができるように、またはブジー208をガイド溝118に固定して戻すことができるように、ETTチャネル116のルーメン(通路)に開口する。
【0131】
図20に示すように、喉頭鏡100を患者の体内に配置し、喉頭を開いた後、ブジー208を気管内チューブ406内に配置できる。その後、ブジー208を気管内チューブ406の遠位端から遠位に延ばすことができる。次に、ブジー208を喉頭鏡100のガイド溝118内に配置でき、例えば図21および図22に示すように、気管内チューブ406をETTチャネル116内にガイドしかつドッキングするために使用される。したがって、ガイド溝118の機能の1つは、ETTチャネル116を通って気管内チューブを気管内の正しい位置に送達するためのドッキング手段として機能することである。
【0132】
ガイド溝118のない実施形態では、ブジー208などのガイドツールは、ETTチャネル116内に直接配置されてもよい。
【0133】
本開示による喉頭鏡のいくつかの好ましい実施形態は、ハンドル112の近位端112Pまたはその近くの近位端開口部120Pで開口する、吸引/カメラチャネル120を含む。吸引/カメラチャネル120は、本開示では吸引チャネル120または単にチャネル120と呼ぶことができる。
【0134】
近位端開口部120Pは、好ましくはハンドル112の本体113に形成された通路であるチャネル120に通じている。チャネル120は、ブレード114の本体117に形成された通路として続いてもよい。吸引チャネル120は、ブレード114の遠位端114Dまたはその近くの遠位端開口部120Dで開口できる。いくつかの実施形態では、吸引チャネル120の遠位端開口部120Dは、ETTチャネル116内に直接開口できる。
【0135】
好ましくは、チャネル120は、例えば図17に示すように、カメラ210が近位開口部120Pを通ってチャネル120内に配置され得るように、カメラを収容することに対応する直径を有する。カメラ210は、チャネル120の遠位端開口部120Dから遠位に延びることができる。吸引チャネル120の直径はカメラ210の直径よりも大きいので、カメラ210はチャネル120の近位-遠位120P/120D軸に沿って、吸引チャネル120内をスライドできる。
【0136】
本開示による喉頭鏡は、典型的には喉頭鏡検査および/または内視鏡検査に使用される任意のカメラ(ビデオスコープ)210と共に使用できる。適切なカメラには、リアルタイムのビデオ画像、好ましくは2.0メガピクセル以上のビデオ画像を送信するものが含まれ、WiFi機能を備え、好ましくはスマートフォン、タブレット、および/またはコンピュータへの無線送信と互換性があるものが含まれる。無線送信の代わりに、またはそれに加えて、適切なカメラは、ケーブルでモニタに接続することができるものを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、カメラはバッテリ式であり得る。適切なカメラは、カメラ210のスコープ(ワンド)211の遠位端211Dに配置された電荷結合素子(CCD)を含む。適切なカメラはまた、ファイバスコープ、好ましくは調整可能な長さのプローブを有するファイバスコープを含む。
【0138】
カメラは、光源をさらに備えることができ、光源の光強度は調整可能であることが好ましい。カメラがチャネル120内に配置されると、患者の声門、喉頭、および/または声帯のリアルタイム画像を提供できる。したがって、喉頭鏡100の配置および気管内チューブによる挿管を、連続的な視覚化の下で行うことができる。
【0139】
例えば、図11および図15から分かるように、フランジ115は、少なくともいくつかの好ましい実施形態では、チャネル120の遠位端開口部を越えて遠位に延びてもよい。フランジ115は、必要に応じて、喉頭鏡100の挿入中にカメラ210を保護できる。しかしながら、必要に応じて、カメラ210は、チャネル120の遠位端開口部120Dからさらに延びることができる。いくつかの用途では、カメラ210をフランジ115まで遠位に延ばすことができる。したがって、カメラ210は、喉頭鏡100の挿入中に連続的な視覚化を提供できる。カメラ210は、チャネル120内で遠位方向および近位方向にスライドでき、ブレード114の遠位端114Dの視覚化を提供する。カメラ210をさらに遠位に移動させて、遠位端114Dから遠位に患者の組織を視覚化することもできる。
【0140】
図11図15および図16から理解できるように、チャネル120は、好ましくは、ETTチャネル116に対して喉頭鏡100の本体内に配置され、それにより、カメラ210が、チャネル120の遠位端開口部120Dから延びるとき、ETTチャネル116内に配置された気管内チューブ406の遠位端406Dを視覚化することができ、気管内チューブ406の遠位端406Dが、ETTチャネル116の遠位端116Dから遠位に延びる。
【0141】
いくつかの実施形態では、チャネル120は、喉頭鏡100の本体の中心線の近くまたは実質的に近くに配置される。いくつかの他の実施形態では、チャネル120は、喉頭鏡100の本体の中心線に対して横方向に配置される。
【0142】
チャネル120の遠位端開口部120DがETTチャネル116の遠位端116Dに近接しており、両方ともブレード114の遠位端114Dまたはその近くに位置するように、喉頭鏡100の体内のETTチャネル120およびチャネル116の好ましい相対的位置決めしたことによって、カメラ210がチャネル120内に位置決めされた場合に、ブジー208による操作および気管内チューブ406の挿入は、カメラ210による連続的な視覚化の下で行うことができる。ETTチャネル116は、カメラを収容するためにも使用できることにさらに留意されたい。いくつかの実施形態では、本開示による喉頭鏡は、一方がチャネル120に配置され、他方がETTチャネル116に配置された2つの異なるカメラと共に使用できる。
【0143】
壁によってETTチャネル116から分離された別個のチャネル120内にカメラを配置することができるため、喉頭鏡100および気管内チューブ406が患者内に配置されたままで、カメラを喉頭鏡100から取り外すことができる。あるいは、検査および挿管中の任意の時点で、および喉頭鏡100が患者内に配置されたままである間に、カメラをチャネル120内に再導入できる。カメラを喉頭鏡と共に組み立てる前に、喉頭鏡アセンブリを患者から取り外す必要はない。
【0144】
少なくともいくつかの好ましい実施形態では、ハンドル112は、ハンドル112上に配置されたコネクタ122をさらに備えることができる。コネクタ122は、本体113から延びる導管(チューブ)であり、本体113に取り付けられている。コネクタ122は、好ましくは、本体113の開口部を通ってチャネル120内に開口するルーメン123を囲む壁を有するチューブである。コネクタ122は、喉頭鏡100を酸素、吸引および/または真空源に接続するために使用できる。コネクタ122は、コネクタ122内のルーメン123の開閉を調節することができるバルブまたは何らかの他の手段、例えばキャップを備えることができる。
【0145】
真空源で動作しているとき、コネクタ122は、チャネル120を通して体液(例えば、血液、嘔吐物および/または粘液)を吸引するために使用できる。この処置は、チャネル120および/またはETTチャネル116に配置されたカメラにより、連続的な視覚化の下で行うことができる。したがって、少なくともいくつかの好ましい実施形態では、チャネル120は二重の機能を有し、すなわちカメラを担持することができ、吸引チャネルとしても機能することができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、ハンドル112は、ハンドル112上に、好ましくはハンドル112の近位部分に、さらにより好ましくはハンドル112の近位部分の前表面112Fに、配置された吸引制御ポート124を含むことができる。吸引制御ポート124は、空気が吸引制御ポート124を通ってチャネル120に入ることができるように、チャネル120に通じる本体113内のルーメンを提供する。
【0147】
吸引制御ポート124の機能の1つは、吸引ルーメン122内の空気圧を制御することである。この機能は、吸引制御ポート124を開閉することによって達成できる。
【0148】
身体分泌物から気道をきれいにするために吸引が必要な場合、吸引カテーテル(図示せず)は、吸引/真空源(図示せず)および喉頭鏡100に、コネクタ122を介して接続され得る。次いで、分泌物は、遠位端120Dからチャネル120内に吸引され、コネクタ122を介してチャネル120から除去される。
【0149】
吸引制御ポート122は、開口しているとき、チャネル120に空気を供給する。したがって、チャネル120内の真空は、吸引制御ポート124を介して少なくとも部分的に解放される。これにより、チャネル120を通る吸引が少なくとも部分的に減少する。
【0150】
医療従事者は、指で吸引制御ポート124を閉じることができ、テープ片および/または吸引制御ポートに、ストッパ/プラグ/蓋(図示せず)を取り付けることができる。吸引が必要ない場合、または最小限の吸引が必要な場合にのみ、吸引制御ポート122を開口したままにしてもよい。チャネル120を通る身体分泌物の吸引(suction)および吸引(aspiration)を増加させるために、吸引制御ポート124は、指またはストッパ/プラグ/蓋(図示せず)で閉じられてもよい。
【0151】
いくつかの好ましい実施形態では、吸引制御ポート124は、コネクタ122の近位のハンドル112上に配置される。いくつかの好ましい実施形態では、吸引制御ポート124は、ハンドル112の前表面112Fに配置され、左側表面112Lまたは右側表面112Rに配置されたコネクタ122の近位に配置される。
【0152】
図12図13、および図17を参照すると、本開示による喉頭鏡の代替実施形態、全体として200が示されている。喉頭鏡200は、喉頭鏡100と同じ構造を有することができ、喉頭鏡100に関連して説明したのと同じ要素のいくつかを含むことができる。
【0153】
喉頭鏡200は、喉頭鏡100の実施形態に関連して説明したように、ブレード114に取り付けられたハンドル112を備える。しかしながら、喉頭鏡200は、図12および図13から最もよく分かるように、ブレード114の遠位部分に取り付けられたカフ202をさらに備える。いくつかの実施形態では、カフ202は膨張不可能であるが、いくつかの他の実施形態では、カフ202は膨張可能であり、手段204で膨張させることができる。
【0154】
図13で最もよく分かるように、いくつかの実施形態ではカフ202は、その遠位部分でブレード114に取り付けられ、カフ202は、ETTチャネル116の遠位端開口部116Dおよびチャネル120の遠位端開口部120Dがカフ202に対して遠位に開口するように、ブレード114の遠位端114Dの近位に配置される。
【0155】
スリット126が存在するいくつかの実施形態では、カフ202がスリット126を覆わないように、カフ202をブレード114に取り付けることができる。他の実施形態では、カフ202は、カフ202もスリット126の周りに巻き付くように、ブレード114の周りに巻き付くことができる。
【0156】
使用時に、喉頭鏡200が、例えばチャネル120内に配置されたカメラを用いて連続的な視覚化の下で行うことができる患者内に配置された後、医療従事者が例えば気管内チューブの位置決めおよび/または気道の検査および管理に必要な他の作業を行っている間に、カフ202を膨張させることができ、患者を換気することができる。
【0157】
さらに別の態様では、本開示は、カメラアダプタのための実施形態、全体として212を提供する。図17に見られるように、カメラアダプタ212は、好ましくは、その壁が中央ルーメンを取り囲む実質的に円筒形の本体である。カメラアダプタ212は、近位端開口部120Pを介してチャネル120のルーメンに挿脱可能である。カメラアダプタ212は、遠位端212Dおよび近位端212Pを有し、遠位端212Dと近位端212Pとの間の長さを有する。カメラアダプタ212は、遠位端212Dに配置された密閉窓を有してもよい。いくつかの実施形態では、カメラアダプタ212は、例えば図17図18および図19の実施形態に示すように、カメラ210にぴったりと収まる。カメラアダプタ212は、カメラ210が本開示の任意の喉頭鏡実施形態、例えば10、100、200、500または700と共に使用されている間に、体液への曝露および損傷からカメラ210を保護するために使用できる。
【0158】
さらに別の実施形態では、図25図26図27および図28を参照すると、本開示は、いくつかの実施形態では、ルーメン303を囲む壁によって形成された実質的に円錐形の本体302を有するチャネルアダプタ300を提供する。本体302は、遠位端302Dおよび近位端302Pを有し、かつ遠位端302Dと近位端302Pとの間の長さを有する。
【0159】
本体302は、その遠位端302Dに第1の直径(d1)を有し、本体302は、その近位端302Pに第2の直径(d2)を有し、第1の直径(d1)は、好ましくは第2の直径(d2)よりも小さく、第1の直径(d1)は、チャネル120の近位端120Pの直径よりも小さく、第2の直径(d2)は、チャネル120の近位端120Pの直径よりも大きい。したがって、チャネルアダプタ300の遠位部分は、チャネル120内に挿入可能である。チャネルアダプタ300の遠位部分は、チャネル120の近位開口部120Pにしっかりと収まるが、アダプタ300の近位部分は、例えば図27に示すように、チャネル120の外側に留まる。アダプタ300のルーメン303は、カメラ210に対応する。カメラ210は、アダプタ300のルーメン303内に配置され、次いで、チャネルアダプタ300の遠位端302Dをチャネル120の開口部120P内に挿入することによって、例えば図27に示すように喉頭鏡と、または例えば図28に示すように気管内チューブ406と、組み立てることができる。
【0160】
チャネルアダプタ300は、本体302の壁に配置された少なくとも1つのポート304をさらに含むことができる。ポート304は、ルーメン303への入口として機能する。ポート304の機能の1つは、チャネル120またはチャネルアダプタ300が組み立てられる任意の他のチューブ内の空気圧を制御することである。チャネルアダプタ300は、本体302の壁に取り付けられ、そこから延びる中空チューブとして形成された導管306をさらに備えることができる。導管306は、本体302の壁の開口部を介してルーメン310と接続するルーメン303を囲む。導管306は、チャネルアダプタ300を空気/真空源に接続するために使用できる。使用されていないとき、導管306のルーメン310は、いくつかの実施形態では蓋ストラップ309で導管306の壁に取り付けられ得る蓋308で閉じることができる。
【0161】
図29および図30を参照すると、本開示は、喉頭鏡のためのさらに別の実施形態、全体として500を提供する。本開示の他の喉頭鏡と同様に、喉頭鏡500は、喉頭鏡100の実施形態に関連して説明したように、ブレード514に取り付けられたハンドル512を備える。
【0162】
好ましくは、ハンドル512は、近位端512Pと遠位端512Dとの間の長さを有する実質的にチューブ状本体を有する。一実施形態では、ハンドル512は実質的にチューブ状本体を有するが、ハンドルに通常使用される任意の他の形状も適切であり得ることに留意されたい。挿入中ならびに検査および/または挿管の実施中にハンドル512を操作するために、医療従事者が簡単にしっかりと握れるように、ハンドル512の形状および長さは必要に応じて調整できる。
【0163】
ハンドル512は、前表面512Fと、反対側の後表面512Bとを有する。前表面512Fと後表面512Bとの間で、ハンドル512は、側表面、右側表面512Rとその反対側の左側表面512Lとを有する。
【0164】
いくつかの実施形態では、左側面512Lから右側面512Rまでの前表面512Fの幅として定義することができるハンドル512の幅は、左側面514Lから右側面514Rまでのブレード前表面514Fの幅として測定することができるブレード514の幅と実質的に同じである。他の実施形態では、ハンドル512の幅はブレード514の幅よりも小さく、ブレード514はハンドル512よりも幅広い(広い)である。
【0165】
ブレード514は、湾曲していてもよく、好ましくは、喉頭鏡500が使用されているときにブレード514が人間の喉頭に挿入可能であり、ブレード514を使用して喉頭蓋を持ち上げることができるように、人間の喉頭の輪郭に適合する形を取り得る。ブレード514は、口の外に実質的に延びたままであるハンドル512を操作することによって中咽頭に導入できる。ブレード514は、下咽頭および声門構造に延びることができるように成形される。ブレード514は、患者の舌の上を通過するように十分に丸みを帯びている。
【0166】
ブレード514は、遠位端514Dおよび近位端514Pを有する。ハンドル512は、その遠位端512Dでブレード514の近位端514Pに取り付けられている。少なくともいくつかの実施形態では、ブレード514は、喉頭鏡500がJ字形になるように角度αでハンドル512に取り付けられる。角度αは、必要に応じて最適化することができ、好ましくは30度と150度との間の任意の値とすることができる。他の値も適切であり得る。角度αは、舌を通過し、可能な限り少ない頭および首の操作で喉頭蓋を持ち上げる、などの機能を実行するために必要な角度に基づいて最適化される。いくつかの実施形態では、ブレード514は、ハンドル512よりも幅広い(広い)。
【0167】
ブレード514は、後表面514Bおよび反対側の前表面514Fを有する。医療従事者は、声帯および声門の視界を得るために、かつ患者の気道へのアクセスを得ようと試みながら、ハンドル512を把持し、ハンドル512を操作してブレード514を患者の中咽頭に導入ができる。挿入が正常に完了した後、ブレード514の前表面514Fは患者の正面に向かって配置され、後表面514Bは患者の後表面に向かって配置される。
【0168】
本開示の他の喉頭鏡実施形態と同様に、喉頭鏡500は吸引/カメラチャネル520を含み、その構造および機能はチャネル120と実質的に同様である。チャネル520は、ブレード514を通ってさらに続くハンドル512の本体内の通路である。チャネル520は、ハンドル512の近位端512Pまたはその近くの近位端開口部520Pから始まる。チャネル520は、ブレード514の遠位端514Dまたはその近くに位置する遠位端開口部520Dで終わる。チャネル520は、コネクタ522にさらに接続されてもよい。ハンドル512上のコネクタ522の機能および位置は、ハンドル112のコネクタ122と実質的に同じである。ハンドル512は、吸引制御ポート524をさらに備えることができ、その機能および位置は、ハンドル112上の吸引制御ポート124のものと実質的に同じである。吸引制御ポート524は、チャネル520内の気圧を制御する。チャネル520は、開口部520Dから遠位に延び、喉頭鏡500の遠位端514Dまで遠位にリアルタイムで画像を収集することができるカメラを収容するためにさらに使用することができる。
【0169】
喉頭鏡500はETTチャネル516を含み、その構造はETTチャネル116とは異なる。ETTチャネル516は、ハンドル512の本体内の通路である。ETTチャネル516は、ハンドル512の近位端512Pまたはその近くに位置する近位端516Dから始まる。ETTチャネル516は、ハンドル512の遠位端512Dまたはその近くの遠位端開口部516Dで終わる。いくつかの代替的な実施形態では、遠位端開口部516Dは、ハンドル512の遠位端512Dの近位にETTチャネル516を開口することができる。気管内チューブをETTチャネル516内に配置することができる。気管内チューブの遠位端は、ETTチャネル516の遠位端516Dから延びることができる。いくつかの好ましい実施形態では、ETTチャネル516はまた、その長さの少なくとも一部に沿ってスリットを含み、それにより、図24に示すスリット126に関連して上述したのと同様に、気管内チューブはスリットを通してETTチャネル516から配置および除去され得る。好ましくは、ETTチャネル516は、ブレード514の近位端514Pの近位で終わる。したがって、ETTチャネル516の遠位端開口部516Dから延びる気管内チューブの遠位部分は、ブレード514の後表面514B上に整列させることができる。これにより、チャネル520から遠位に延びるカメラを用いて気管内チューブの視覚化が可能になる。すべての処置は連続的な視覚化の下で実行することができ、必要に応じて/必要な場合には、吸引制御ポート524を介して圧力を調整することにより、要求に応じて吸引を使用できる。
【0170】
ETTチャネル516はハンドル512の本体に配置されているため、ETTチャネルが気管内チューブを損傷および/または変形から保護するので、ハンドルの形状は、気管内チューブの損傷または位置ずれを懸念することなく操作するのに適している。しかしながら、ブレード514には内部ETTチャネルが存在せず、気管内チューブがハンドル512の遠位端512Dまたはその付近でETTチャネル516から外に延びるので、ブレード514は、実質的に平坦に、または従来のチャネル喉頭鏡よりも少なくとも平坦にすることができる。ブレード514の厚さを低減することにより、喉頭蓋を持ち上げ、患者の組織を保護するためのその機能を改善できると考えられる。喉頭鏡の実施形態500では、喉頭鏡はガイド溝518を備え、その機能および位置はガイド溝118の機能および位置と同様である。ガイド溝518は、好ましくはETTチャネル516の壁の凹部であり、次いで、それはチャネル520の外壁の凹部として続くことができ、例えば、ETTチャネル516に配置された気管内チューブをガイドするためにブジーなどのツールを溝518に配置することができる。
【0171】
図31および図32を参照すると、本開示は、喉頭鏡のためのさらに別の実施形態、全体として700を提供する。本開示の他の喉頭鏡と同様に、喉頭鏡700は、喉頭鏡100および/または500の実施形態に関連して説明したように、ブレード714に取り付けられたハンドル712を備える。図31は、ハンドル712の後表面712Bと、ブレード714の前表面714Fおよび左側面714Lとを示している。図32は、ハンドル712の前表面712Fおよびブレード714の後表面714Bを示す。
【0172】
ETTチャネル716は、ETTチャネル516に関連して説明したのと実質的に同じ構造および機能を有する。チャネル716は、ハンドル712の近位端712Pまたはその近くの近位端716Pから始まる。チャネル716は、ハンドル712の遠位端712Dまたはその近くの遠位開口部(図31または図32には図示せず)で開口する。いくつかの好ましい実施形態では、チャネル716は、遠位端712Dに近位の遠位端開口部で開口することができ、それにより、気管内チューブをETTチャネル716内に配置し、ブレード714と位置合わせされ得、ETTは遠位端712Dから外に延び、ブレード714の外側に位置合わせされ得る。
【0173】
喉頭鏡の実施形態700では、吸引/カメラチャネル720は、チャネル520に関連して説明したのと実質的に同じ構造および機能を有する。チャネル720の遠位端開口部720Dは、ブレード714の後表面714Bの下に位置することが好ましい。好ましくは、チャネル720は、ブレード714の遠位端714Dの近位で終わり、例えば、遠位端714Dにおけるブレード714の厚さは、可能な限り平坦であり、カメラがチャネル720に挿入され、カメラがチャネル720から遠位に延びるとき、カメラを保護するフランジとして機能する。
【0174】
吸引制御ポート724は、吸引制御ポート124および524で説明したものと同様の構造および機能を有する。ルーメン723を有するコネクタ722は、コネクタ122に関連して説明したのと実質的に同じ位置、機能、および構造を有する。喉頭鏡500の実施形態とは異なり、喉頭鏡700はガイド溝を含まない。
【0175】
図33および図34を参照すると、それらは、本開示による喉頭鏡のための別の実施形態、全体として800を示す。本開示の他の喉頭鏡と同様に、喉頭鏡800は、喉頭鏡100、500および700の実施形態に関連して説明したように、ブレード814に取り付けられたハンドル812を備える。図33は、ハンドル812の後表面812Bと、ブレード814の前表面814Fおよび左側面814Lとを示している。図34は、喉頭鏡800と共に組み立てられたブジー208を示す。
【0176】
喉頭鏡800はETTチャネル816を含み、その構造はETTチャネル516および716の構造と同様である。チャネル816は、ハンドル812の近位端812Pまたはその近くの近位端816Pから始まる。チャネル816は、ハンドル812の遠位端812Dまたはその近くの遠位開口部(図33または図34には図示せず)で開口する。いくつかの好ましい実施形態では、チャネル816は、遠位端812Dに近位の遠位端開口部で開口することができ、それにより、気管内チューブをETTチャネル816内に配置し、ブレード814と位置合わせされ得、ETTは遠位端812Dから外に延び、ブレード814の外側に位置合わせされ得る。
【0177】
喉頭鏡の実施形態800では、吸引/カメラチャネル820は、チャネル520に関連して説明したのと実質的に同じ構造および機能を有する。チャネル820の遠位端開口部820Dは、好ましくは、ブレード814の後表面814Bの下に位置する。好ましくは、チャネル820は、ブレード814の遠位端814Dの近くで終わり、例えば、遠位端814Dにおけるブレード814の厚さは、可能な限り平坦であり、カメラがチャネル820に挿入され、カメラがチャネル820から遠位に延びるとき、カメラを保護するフランジとして機能する。
【0178】
ルーメンを有するコネクタ822は、コネクタ122に関連して説明したのと実質的に同じ位置、機能、および構造を有する。
【0179】
他の実施形態とは異なり、喉頭鏡800は、ハンドル812の長さの少なくとも一部の表面に凹部(ノッチ)として形成されたガイド溝818を含む。図33の実施形態では、ガイド溝818は、ハンドル812の近位端812Pまたはその近くに位置する近位端818Pから始まる。図33の実施形態において、ガイド溝818は、ハンドル812の前表面812Fに位置する。他の実施形態では、ガイド溝818は、後表面812Bまたは側面812Lもしくは812Rの一方に配置されてもよい。
【0180】
図33の実施形態では、ガイド溝818は、ブレード814の長さの少なくとも一部にわたってブレード814の前表面814Fに凹部(ノッチ)として続く。ガイド溝818は、ブレード814の遠位端814Dまたはその近くに位置する遠位端818Dで終わる。他の実施形態では、ガイド溝818は、ブレード814の後表面814Bに、または側面814Lもしくは814Rの一方に形成されてもよい。
【0181】
ガイド溝818の深さは、図34に示されるようにガイド溝818内に配置され得るブジー208に対応する。
【0182】
さらなる実施形態では、喉頭鏡100、200、500、700または800のいずれかは、喉頭鏡の実施形態10に関連して説明したように、少なくとも1つのカメラ/ツールチャネル28をさらに備えてもよい。
【0183】
さらに別の態様では、本開示は、本開示による喉頭鏡を用いて患者の気道へのアクセスを得るための方法を提供し、これは、医療緊急時に、ならびに/あるいは、特定の外科的処置中、全身麻酔中、および/または、患者が補助なしで呼吸することができないか、もしくは患者の気道の検査が必要とされ得る他の状況下で、気管内挿管を容易にするために、必要とされる場合がある。これらの方法のいくつかでは、医療従事者は、ケーブルまたはワンド、例えばカメラ210に取り付けられた少なくとも1つのカメラを、喉頭鏡10、100、200、500、700もしくは800の吸引/カメラチャネルおよび/またはETTチャネルに配置し、次いでさらに任意選択的に、ブジー、例えばブジー208をETTチャネルに、好ましくは存在する場合にはガイド溝に挿入することができる。本方法の特定の実施形態は、気管内チューブ、例えば気管内チューブ406をETTチャネル内に位置決めすることをさらに含むことができる。本開示による喉頭鏡の技術的利点のいくつかは、ETTチャネルが喉頭鏡ハンドルの内側に配置され、気管内チューブを変形および/または損傷から保護し、処置を開始する前に気管内チューブを喉頭鏡と組み立てる機会を提供することである。
【0184】
次いで、医療従事者は、ハンドルおよびブジー208を操作することによって、本開示による喉頭鏡のブレードを中咽頭に導入できる。次いで、医療従事者は、ブレードを下咽頭内に前進させ、喉頭蓋を持ち上げることができる。好ましくは吸引/カメラチャネル(例えば20または120)および/またはETTチャネル(例えば116または516)に配置された、カメラ210を用いて、上気道、声門開口、および声帯のリアルタイム画像を含む連続的な視覚化の下で、これらの処置をすべて実行できる。
【0185】
本方法は、導管(コネクタ)を介して喉頭鏡のいずれかを空気/吸引/真空源に接続することと、コネクタを介して身体分泌物を吸引することとをさらに含んでもよい。本方法は、喉頭鏡で気道にアクセス可能な状態に保つことと、次いで、ETTチャネルの遠位端から気管内チューブ406の遠位端406Dを延ばすことによって、声帯を通して気管内チューブ(例えば気管内チューブ406)を位置決めすることとをさらに含んでもよい。気管内チューブ406の配置は、好ましくは吸引/カメラチャネル内に配置されたカメラ210による連続的な視覚化の下で行うことができる。配置は、ETTチャネル内に配置されたブジー208によって案内され得る。これらの処置のいずれかの間にいつでも身体分泌物を吸引する必要がある場合、喉頭鏡は吸引コネクタを介して吸引/真空源に接続することができ、吸引は別個の吸引カテーテルを挿入する必要なく行うことができる。気管内チューブ406が配置され、その配置が確認されると、喉頭鏡は、ETTチャネルの壁のスリットを通して気管内チューブ406から分離できる。この分離ステップは、気管内チューブ406が依然として定位置に配置されたままであり、患者に換気を提供している間に、同時に実行することができる。
【0186】
本開示のいくつかの実施形態では、喉頭鏡200のカフ202が膨張している間に処置を行うことができる。本開示による喉頭鏡は、気道の検査の実施、気道へのアクセスの獲得および維持、患者の呼吸の補助、薬剤の送達、および/または気管内チューブの挿入を含むがこれらに限定されない様々な医療処置に使用できる。
【0187】
さらに別の態様では、本開示は、本開示による喉頭鏡を製造するための方法を、提供する。喉頭鏡は、1つまたは複数の異なるプラスチック材料から成形できる。いくつかの実施形態では、ハンドルおよびブレードは、一緒に組み立てることができる2つの別個の部品として作製できる。いくつかの実施形態では、ハンドルは、ブレードに着脱可能に取り付けられてもよい。ETTチャネル、吸引/カメラチャネル、および存在する場合には任意の他のチャネルをモールド内に設計することができ、ならびに/またはチャネルを喉頭鏡の本体から押し出すことができる。いくつかの好ましい実施形態では、本開示による喉頭鏡は使い捨てであり得る。適切なカメラは、使い捨てまたは再使用可能であり得る。
【0188】
上記の説明から、本発明のすべての反論が実現される。ETTチャネルおよび/または吸引/カメラチャネルを含む喉頭鏡、喉頭鏡を備えるシステム、それらの使用方法、ならびに製造方法が記載されている。特定の追加の実施形態は、以下を含むことができる。
【0189】
実施形態1。喉頭鏡は、吸引/カメラチャネルと、ハンドルと、近位端および遠位端を有するブレードとを備え、ハンドルは、遠位端および近位端を有する本体を備え、本体は、ブレードの近位端に対して遠位端に取り付けられ、ブレードは、後表面および前表面を有し、喉頭鏡は、ハンドルの本体に配置された少なくとも1つのカメラ/吸引入口ポートを含み、カメラ/吸引入口ポートは、ハンドルの本体の内側に配置された吸引/カメラチャネル内に開口し、吸引/カメラチャネルは、ブレードの後表面にカメラ/吸引ポートで開口している。
【0190】
実施形態2。実施形態1に記載の喉頭鏡であって、ハンドルはブレードに取り外し可能に取り付けられている。
【0191】
実施形態3。実施形態1または2に記載の喉頭鏡であって、吸引/カメラチャネルはチューブを備える。
【0192】
実施形態4。実施形態1、2または3に記載の喉頭鏡であって、吸引/カメラチャネルは、ハンドルの本体に挿脱可能なチューブを備える。
【0193】
実施形態5。実施形態1から4のいずれか1つに記載の喉頭鏡であって、ハンドルの本体は吸引制御ポートをさらに備える。
【0194】
実施形態6。実施形態1から5のいずれか1つに記載の喉頭鏡であって、ブレードは湾曲している。
【0195】
実施形態7。実施形態1から6のいずれか1つに記載の喉頭鏡であって、喉頭鏡は、吸引/カメラチャネルに挿脱可能なカメラシースをさらに備える。
【0196】
実施形態8。実施形態7に記載の喉頭鏡であって、カメラシースは遠位端に密封窓を含む。
【0197】
実施形態9。実施形態1から8のいずれか1つに記載の喉頭鏡であって、喉頭鏡は、ハンドルの本体の表面に取り付けられたカメラ/ツールチャネルをさらに備え、および/または、カメラ/ツールチャネルは、ハンドルの本体の表面に成形された溝を備え、カメラ/ツールチャネルは、遠位端および近位端を有し、カメラ/ツールチャネルの遠位端は、ブレードの後表面またはブレードの後表面の側に開口し、カメラ/ツールチャネルの近位端は、ハンドルの本体に配置される。
【0198】
実施形態10。実施形態1から9のいずれか1つに記載の喉頭鏡であって、カメラ/ツールチャネルは溝を備える。
【0199】
実施形態11。実施形態1から10のいずれか1つに記載の喉頭鏡であって、喉頭鏡は、カメラ/吸引入口ポートに取り付けられたアダプタをさらに備える。
【0200】
実施形態12。実施形態1から11のいずれか1つに記載の喉頭鏡であって、ハンドルの本体は実質的に中空である。
【0201】
実施形態13。実施形態1から12のいずれか1つに記載の喉頭鏡であって、喉頭鏡は、ワンドに取り付けられたカメラをさらに備え、カメラは、吸引/カメラチャネルに挿脱可能である。
【0202】
実施形態14。気道管理機器は、実施形態1から13のいずれか1つに記載の喉頭鏡と、吸引/カメラチャネルに挿脱可能である少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つのブジー、および/またはカメラ/吸引入口ポートを閉じるための少なくとも1つのストッパのうちの1つまたは複数と、を備える。
【0203】
実施形態15。気管内挿管のためのシステムであって、システムは、空気/真空/吸引源に取り付けられた実施形態1から13のいずれか1つに記載の喉頭鏡と、喉頭鏡に挿入され、ブレードの後表面から遠位に画像をキャプチャすることができるカメラと、を備える。
【0204】
実施形態16。患者の気道を管理するための方法であって、本方法は、実施形態1から13のいずれか1つに記載の喉頭鏡のカメラ/吸引チャネル内にカメラを挿入することと、ブジーをカメラ/ツールチャネル内に挿入することと、ハンドルを操作することによって、カメラによる連続的な視覚化の下でブジーの支援を受けてブレードを中咽頭に挿入することと、を含む。
【0205】
実施形態17。実施形態16に記載の方法であって、本方法は、喉頭鏡を空気/吸引/真空源に接続することと、吸引/カメラチャネルを通して吸引を確立することと、カメラ/吸引ポートを通して身体分泌物を吸引することと、をさらに含む、
【0206】
実施形態18。実施形態16または17に記載の方法であって、吸引はカメラによる可視化下で行われる。
【0207】
実施形態19。実施形態16、17または18に記載の方法であって、本方法は、吸引制御ポートを開放および/または閉鎖することをさらに含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】