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特表2023-545834会場内測位を使用した接触追跡のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-31
(54)【発明の名称】会場内測位を使用した接触追跡のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20231024BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20231024BHJP
【FI】
G16H50/80
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523271
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 US2021055287
(87)【国際公開番号】W WO2022082049
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/092,219
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/503,099
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517068564
【氏名又は名称】インベンセンス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スミット・ゴッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジャイ・ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】ナゲシュ・アルナルティ
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・ゲオルギー
(72)【発明者】
【氏名】ゲンナジー・ベルコヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・グドール
(72)【発明者】
【氏名】中山 敬嗣
【テーマコード(参考)】
5J062
5L099
【Fターム(参考)】
5J062BB05
5J062CC07
5J062CC18
5J062FF01
5J062FF04
5J062HH05
5L099AA03
(57)【要約】
会場内のユーザのグループに対する接触追跡を確立するためのシステムおよび方法が提供される。会場内の位置情報が、各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて一定期間の間各ユーザに対して推定される。少なくとも1つの接触パラメータが確立され、一定期間の間のユーザのグループのうちの少なくとも2人のユーザ間の接触が、少なくとも1つの接触パラメータと推定された位置情報とに少なくとも部分的に基づいて決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会場内のユーザのグループに対して接触追跡を確立するための方法であって、
a)各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて、一定期間にわたり各ユーザに対する前記会場内の位置情報を推定するステップと、
b)少なくとも1つの接触パラメータを確立するステップと、
c)前記推定された位置情報と前記少なくとも1つの接触パラメータとに少なくとも部分的に基づいて、前記一定期間の間の前記ユーザのグループのうちの少なくとも2人ユーザ間の接触を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの接触パラメータは、接触が推測される少なくとも1つのしきい値距離および接触が推測される少なくとも1つのしきい値時間間隔の任意の1つまたは任意の組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、機械学習を使用して計算された密度にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記2人のユーザ間のヘイバーサイン距離(Haversine distance)にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記会場内のアセットとの共通のインタラクションにさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記ユーザのグループの別のユーザとの共通のインタラクションにさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記会場のマップ情報を取得するステップをさらに備え、
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記マップ情報に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記マップ情報から導出した前記会場の物理的特性に少なくとも部分的に基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの密閉区域を識別するステップをさらに備え、
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記識別された密閉区域内の前記2人のユーザのコロケーションにさらに基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記推定された位置情報は、前記ポータブルデバイスの少なくとも1つからのモーションセンサデータに少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記推定された位置情報はさらに、
i)磁気フィンガープリント、
ii)Wi-Fiフィンガープリント、
iii)ブルートゥース(登録商標)近接度、
iv)ブルートゥース(登録商標)フィンガープリント、
v)マップマッチング、および
vi)他の絶対位置決めシステム
の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記2人のユーザに関連付けられた前記ポータブルデバイス間の測距近接度にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記測距近接度は、BLE(Bluetooth Low Energy)通信に基づく、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記位置情報から決定された前記少なくとも2人のユーザの各々のヒートマップにさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することは、前記位置情報から決定された前記2人のユーザの各々の軌跡にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも2人のユーザの前記軌跡はクロストラフィックフローを示す、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
接触が決定した2人のユーザ間での病気の蔓延の可能性を推定するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
会場内のユーザのグループに対して接触追跡を確立するためのシステムであって、
a)各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスであって、各ポータブルデバイスが、前記ポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて位置情報を推定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える、ポータブルデバイスと、
b)少なくとも1つのリモートプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのリモートプロセッサが、
i)一定期間にわたる各ユーザに対する前記会場内の前記推定された位置情報を受信し、
ii)少なくとも1つの接触パラメータを確立し、
iii)前記推定された位置情報と前記少なくとも1つの接触パラメータとに少なくとも部分的に基づいて、前記一定期間の間の前記ユーザのグループのうちの少なくとも2人ユーザ間の接触を決定する
ように構成される、システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの接触パラメータは、接触が推測される少なくとも1つのしきい値距離および接触が推測される少なくとも1つのしきい値時間間隔の任意の1つまたは任意の組み合わせである、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記推定された位置情報は、モーションセンサデータに少なくとも部分的に基づく、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記推定された位置情報はさらに、
i)磁気フィンガープリント、
ii)Wi-Fiフィンガープリント、
iii)ブルートゥース(登録商標)近接度、
iv)ブルートゥース(登録商標)フィンガープリント、
v)マップマッチング、および
vi)他の絶対位置決めシステム
の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
少なくとも2人のユーザに関連付けられた各ポータブルデバイスはさらに測距モジュールを備え、少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することが、測距近接度にさらに基づく、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのリモートプロセッサが、前記会場のマップ情報を受信するように構成され、少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することが、前記マップ情報にさらに基づく、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
会場内のユーザのグループに対して接触追跡を確立するためのシステムであって、
a)各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスと、
b)少なくとも1つのリモートプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのリモートプロセッサが、
i)各ユーザの前記ポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて一定期間にわたる各ユーザに対する前記会場内の位置情報を推定し、
ii)少なくとも1つの接触パラメータを確立し、
iii)前記推定された位置情報と前記少なくとも1つの接触パラメータとに少なくとも部分的に基づいて、前記一定期間の間の前記ユーザのグループのうちの少なくとも2人ユーザ間の接触を決定する
ように構成される、システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの接触パラメータは、接触が推測される少なくとも1つのしきい値距離および接触が推測される少なくとも1つのしきい値時間間隔の任意の1つまたは任意の組み合わせである、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記推定された位置情報は、モーションセンサデータに少なくとも部分的に基づく、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記推定された位置情報はさらに、
i)磁気フィンガープリント、
ii)Wi-Fiフィンガープリント、
iii)ブルートゥース(登録商標)近接度、
iv)ブルートゥース(登録商標)フィンガープリント、
v)マップマッチング、および
vi)他の絶対位置決めシステム
の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
少なくとも2人のユーザに関連付けられた各ポータブルデバイスはさらに測距モジュールを備え、少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することが、測距近接度にさらに基づく、請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つのリモートプロセッサが、前記会場のマップ情報を受信するように構成され、少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することが、前記マップ情報にさらに基づく、請求項24に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Method and System for Tracing the Spread of Diseases Using Indoor Positioning」と題する、2020年10月15日に出願された米国仮特許出願63/092,219号、および「Method and System for Contact Tracing Using Positioning in a Venue」と題する、2021年10月15日に出願された米国特許出願17/503,099の優先権および利益を主張し、両出願は、いずれもこの譲受人に譲渡され、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に会場内の測位に関し、より具体的には、病気の蔓延の可能性を評価するためなど、少なくとも2人の個人間の接触を決定するために測位情報を使用することに関する。
【背景技術】
【0003】
接触追跡は、感染症の蔓延を防ぐための重要な技術である。ハンドヘルドまたはユーザに関連付けられるように構成されたスマートフォンやその他のポータブル電子デバイスが、さまざまな用途や環境で使用されていることを考えると、それらの遍在性を利用して接触追跡情報を提供することが望ましい。たとえば、既存の接触追跡ソリューションの一つのカテゴリは、測距によって2つのデバイス間の近接度を検出するために、BLE(Bluetooth Low Energy:低消費電力ブルートゥース(登録商標))、UWB(超広域帯)、あるいは超音波技術に頼っている。理解されるように、これらの技術に関連した一定の制限がある。測距は、単に2つのデバイス間のワイヤレス通信の存在に依存している。これにより、2つのデバイスの相対的な位置情報が得られるが、会場に関する位置情報は提供されないため、壁、床、仕切り、その他のパーティションなど、環境の構造やその他の特性は考慮されない。特に、2つのデバイスが接触や病気の伝染を防ぐ物理的な障壁によって分離されているが、それでもワイヤレス通信は可能である場合、これは誤検知を引き起こす可能性があり得る。その上、測距は、同時の近接性に関する情報を提供するだけであり、異なる時間に表面、物体、または制限された環境を介した2人の個人間の非同時性の伝染の可能性を考慮していない。さらに、測距または他の同様の近接性検出を使用した接触追跡は、一度に相互に接続できるデバイスの数が制限されることがあり、かつそれぞれのシステムの電源が入っていてアクティブでなければならないという点で、ハードウェアの制約によって制限される。これらの技術に関連する課題のさらに別の例として、距離および/または方向の推定が比較的不正確であり得ることが挙げられる。グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)などの他の技術を使用した接触追跡は、たとえ利用できたとしても信号品質が低いため、屋内環境の会場には適していないことがある。したがって、以下の資料に記載されているように、特に屋内環境または他の会場内で、これらおよびその他の欠点を克服する接触追跡の必要性が残されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下に詳細に説明するように、本開示は、会場内のユーザのグループに対する接触追跡を確立するための方法を含む。方法は、各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて、一定期間にわたり各ユーザに対する会場内の位置情報を推定するステップと、少なくとも1つの接触パラメータを確立するステップと、推定された位置情報と少なくとも1つの接触パラメータとに少なくとも部分的に基づいて、一定期間の間のユーザのグループのうちの少なくとも2人ユーザ間の接触を決定するステップとを含む。
【0005】
さらに、本開示は、会場内のユーザのグループに対して接触追跡を確立するためのシステムを含む。システムは、各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスであって、各ポータブルデバイスが、ポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて位置情報を推定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える、ポータブルデバイスと、少なくとも1つのリモートプロセッサとを備え、少なくとも1つのリモートプロセッサが、一定期間にわたる各ユーザに対する会場内の推定された位置情報を受信し、少なくとも1つの接触パラメータを確立し、推定された位置情報と少なくとも1つの接触パラメータとに少なくとも部分的に基づいて、一定期間の間のユーザのグループのうちの少なくとも2人ユーザ間の接触を決定するように構成される。
【0006】
他の実施形態では、本開示は、会場内のユーザのグループに対して接触追跡を確立するためのシステムであって、各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスと、少なくとも1つのリモートプロセッサとを備え、少なくとも1つのリモートプロセッサが、各ユーザのポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて一定期間にわたる各ユーザに対する会場内の位置情報を推定し、少なくとも1つの接触パラメータを確立し、推定された位置情報と少なくとも1つの接触パラメータとに少なくとも部分的に基づいて、一定期間の間のユーザのグループのうちの少なくとも2人ユーザ間の接触を決定するように構成される、システムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態による接触追跡を確立するシステムの概略図である。
図2】実施形態による接触追跡を確立するための例示的なルーチンの概略図である。
図3】実施形態による接触追跡を確立するためのシステムアーキテクチャの概略図である。
図4A】実施形態による接触追跡を確立するために使用される測距情報を提供するためのBLEトポロジの概略図である。
図4B】実施形態による接触追跡を確立するために使用される測距情報を提供するためのBLEトポロジの概略図である。
図5】実施形態による接触追跡を確立するためのBLE通信交換の概略図である。
図6A】実施形態による接触追跡を確立するために使用されるマップ情報の概略図である。
図6B】実施形態による接触追跡を確立するために使用されるマップ情報の概略図である。
図7】実施形態による密閉区域のためのエリア存在評価の概略図である。
図8】実施形態による複数のアセット/エリアのためのエリア存在評価の概略図である。
図9】実施形態によるクロストラフィックフローの決定の概略図である。
図10】実施形態による間接的な接触の概略図である。
図11A】実施形態によるヒートマップの概略図である。
図11B】実施形態によるヒートマップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
最初に、本開示が、特に例示される材料、アーキテクチャ、ルーチン、方法、または構造が変化し得るが、これらに限定されないことを理解されたい。したがって、本明細書内で説明されるものに類似するか同等である複数のそのようなオプションが、本開示の実践または実施形態内で使用され得るが、好ましい材料および方法が、本明細書内で説明される。
【0009】
また、本明細書内で使用される用語法が、本開示の特定の実施形態を説明するだけのためのものであって、限定的であることを意図されていないことを理解されたい。
【0010】
添付図面に関連して下で示される詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態の説明として意図され、本開示を実践することのできる例示的な実施形態のみを表すことは意図されていない。この説明全体を通じて使用される用語「例示的な」は、「例、実例、または例示として働く」を意味し、必ずしも他の例示的な実施形態より好ましいまたは有利と解釈されるべきではない。詳細な説明は、本明細書の例示的な実施形態の完全な理解を提供するために特定の詳細を含む。当業者には、本明細書の例示的な実施形態が、これらの特定の詳細なしで実践され得ることは明白であろう。いくつかの場合に、本明細書内で提示される例示的な実施形態の新規性を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造およびデバイスは、ブロック図の形で示される。
【0011】
便宜および明瞭さのみのために、最上、最下、左、右、上、下、上に、超える、未満、下に、後、背後、および前などの方向用語が、添付図面またはチップ実施形態に関して使用される場合がある。これらおよび同様の方向用語は、いかなる形においても本開示の範囲を限定すると解釈されてはならない。
【0012】
本明細書内および特許請求の範囲内では、ある要素が別の要素「に接続される」または「に結合される」として言及される時に、これは、他方の要素に直接に接続されまたは結合され得、あるいは、介在する要素が存在してもよいものと理解される。対照的に、ある要素が、別の要素「に直接に接続される」または「に直接に結合される」として言及される時には、介在する要素は存在しない。
【0013】
以下の詳細な説明の一部は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作の手順、論理ブロック、処理、および他の記号表現に関して提示される。これらの記述および表現は、データ処理技術の当業者によって、彼らの作業の実質を他の当業者に最も効果的に伝えるのに使用される手段である。本願において、手順、論理ブロック、プロセス、または類似物は、所望の結果につながるステップまたは命令の自己矛盾のないシーケンスと考えられる。ステップは、物理的な量の物理的な操作を必要とするステップである。必ずではないが通常、これらの量は、コンピュータシステム内で記憶され、転送され、組み合わされ、比較され、他の形で操作され得る電気信号または磁気信号の形をとる。
【0014】
しかし、これらおよび同様の用語のすべてが、適当な物理的量に関連付けられなければならず、これらの量に適用される単に便利なラベルであることを念頭におかれたい。以下の議論から明白であるように、そうではないと特に述べられない限り、本明細書全体を通じて、「アクセス」、「受信」、「送出」、「使用」、「選択」、「判定」、「正規化」、「乗算」、「平均化」、「監視」、「比較」、「適用」、「更新」、「測定」、「導出」、または類似物などの用語を利用する議論が、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムメモリもしくはレジスタまたは他のそのような情報記憶デバイス、情報伝送デバイス、もしくは情報表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータシステムまたは同様の電子コンピューティングデバイスのアクションおよび処理を指すことを了解されたい。
【0015】
本明細書内で説明される実施形態は、プログラムモジュールなどの非一時的プロセッサ可読媒体のなんらかの形に常駐し、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行されるプロセッサ実行可能命令の全般的な文脈内で議論され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行しまたは特定の抽象データ型を実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能性は、様々な実施形態において必要に応じて組み合わされまたは分散され得る。
【0016】
図面内では、単一のブロックが、1つまたは複数の機能を実行するものとして説明される場合があるが、実際の実践において、そのブロックによって実行される1つまたは複数の機能が、単一の構成要素内でまたは複数の構成要素にまたがって実行され得、かつ/あるいは、ハードウェアを使用して、ソフトウェアを使用して、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せを使用して実行され得る。ハードウェアとソフトウェアとのこの交換可能性を明瞭に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、上では全般的にその機能性に関して説明された。そのような機能性が、ハードウェアまたはソフトウェアのどちらとして実施されるのかは、特定の応用例とシステム全体に課せられる設計制約とに依存する。当業者は、各特定の応用例のために変化する形において説明される機能性を実施することができるが、そのような実装判断が、本開示の範囲からの逸脱と解釈されてはならない。また、例示的なワイヤレス通信デバイスは、プロセッサ、メモリ、および類似物などの周知の構成要素を含む、図示されたもの以外の構成要素を含むことができる。
【0017】
本明細書内で説明される技法は、特定の形で実施されるものとして特に説明されない限り、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組合せにおいて実施され得る。モジュールまたは構成要素として説明されるすべての特徴は、一体化された論理デバイス内で一緒にまたは別個であるが相互運用可能な論理デバイスとして別々に実施されることも可能である。ソフトウェアにおいて実施される場合に、技法は、実行された時に上で説明された方法のうちの1つまたは複数を実行する命令を含む非一時的プロセッサ可読記憶媒体によって少なくとも部分的に実現され得る。非一時的プロセッサ可読データ記憶媒体は、パッケージング材料を含むことのできるコンピュータプログラム製品の一部を形成することができる。
【0018】
非一時的プロセッサ可読記憶媒体は、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、他の既知の記憶媒体、および類似物を含むことができる。技法は、それに加えてまたはその代わりに、命令またはデータ構造の形においてコードを担持しまたは通信し、コンピュータまたは他のプロセッサによってアクセスされ、読み取られ、かつ/または実行されるプロセッサ可読通信媒体によって少なくとも部分的に実現され得る。たとえば、搬送波が、電子メールの送信および受信またはインターネットもしくはローカルエリアネットワーク(LAN)などのネットワークにアクセスするのに使用されるものなどのコンピュータ可読電子データを搬送するのに使用され得る。もちろん、多数の変更が、請求される主題の範囲または趣旨から逸脱することなく、この構成に対して行われ得る。
【0019】
本明細書内で開示される実施形態に関連して説明される例示的な論理ブロック、モジュール、回路、および命令は、1つまたは複数のモーション処理ユニット(MPU: motion processing unit)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他の同等の集積回路網もしくはディスクリート論理回路網などの1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。用語「プロセッサ」は、本明細書内で使用される時に、前述の構造または本明細書内で説明される技法の実施態様に適する任意の他の構造のうちのいずれをも指すことができる。さらに、いくつかの態様において、本明細書内で説明される機能性は、本明細書内で説明されるように構成された専用のソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュール内で提供され得る。また、技法は、1つまたは複数の回路または論理要素内で完全に実施され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替案では、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、MPUとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、MPUコアに関連する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成としても実施され得る。
【0020】
他の形で定義されない限り、本明細書内で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関係する技術の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。
【0021】
最後に、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される時に、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうではないことを明確に規定しない限り、複数の指示対象を含む。
【0022】
ハンドヘルドまたはユーザに関連付けられるように構成されたスマートフォンやその他のポータブル電子デバイスが、さまざまな用途や環境で使用されている。携帯電話やスマートフォン、スマートウォッチやメガネなどを含むウェアラブル、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、ハンドヘルド音楽およびメディアレーヤ、ポータブル・ビデオゲーム・デバイスおよびコントローラ、タブレット、モバイル・インターネット・デバイス(MID)、パーソナル・ナビゲーション・デバイス(PND)、および他の同様のデバイスなど、そのようなデバイスの偏在性は、これらのタイプのデバイスに対する人気と要望を物語っている。このようなデバイスには、ポータブルデバイスの位置またはモーションを決定するための1つまたは複数のセンサおよび/または他のシステムがますます装備されている。たとえば、自己完結型の戦略には、慣性ナビゲーションシステム(INS)などを介してデバイスに統合された慣性センサ(加速度計、ジャイロスコープなど)によって測定された特定の力と角速度の統合に基づく推測航法の決定が含まれ得る。本開示の位置推定は、ショッピングモール、小売店、オフィス、空港、病院、美術館、劇場、政府の建物、駐車場、その他の定義されたエリアなどの会場の文脈で説明される。特に、会場は、衛星ベースの測位の可用性を制限または低下させ得る1つまたは複数の屋内環境を有することを特徴とし得る。たとえば、ショッピングモールは複数の屋内店舗に接続する屋外経路を有する。望ましくは、マップ情報が会場に対して利用可能であり、複数の方法で使用され得る。
【0023】
以下に説明するように、位置情報はまた、Wi-Fiフィンガープリント、磁気フィンガープリント、ブルートゥース(登録商標)フィンガープリントなど、電磁場のフィンガープリントを使用して推定され得る。位置情報はまた、マップ情報を得るために環境の物理的特性を比較するためのマップマッチングを使用して推定され得る。位置推定に使用され得る情報のさらに別の例は、利用可能な場合、RFID(radio frequency identification)、ブルートゥース(登録商標)、光ベースのビーコン(たとえば、可視光通信(VLC))、あるいは別の手段などインフラビーコンから導出される。位置情報のさらなるオプションのソースは、近隣のピアデバイスから受信した協調支援データである。グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)などの衛星ベースのナビゲーションを含む参照ベースの戦略、およびワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)またはセルラ電話通信システムを使用した信号三辺測量を含む、他のナビゲーション技術も使用できるが、屋内環境での信号減衰により適合性が制限され得る。位置情報を推定することは、位置、速度、および姿勢を含む完全なナビゲーションソリューション、または位置と姿勢の部分的なナビゲーションソリューションを決定することを含むが、最小限の位置情報が会場に関して提供される。さらにまた、位置情報は、BLE(Bluetooth Low Energy)、超広域帯(UWB)など適切なワイヤレス通信プロトコルを使用し得るピアデバイス間の測距技術、ならびに超音波などの他の技術を使用して行われた決定により増強できる。測距が他のデバイスに関する相対位置を与えるので、それは本開示の技術によれば会場での直接の位置推定ではない。
【0024】
本開示のこれらのおよび他の態様は、高レベルの概略ブロックにより適切なポータブルデバイス100-1の特徴を示す、図1の文脈で明らかになる。図示されているように、デバイス100-1は、デバイス100の機能に関連付けられた、メモリ104内に記憶され得るソフトウェアプログラムを実行させるための1つまたは複数のマイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、または他のプロセッサとすることのできるホストプロセッサ102を含む。ソフトウェアの複数の層が、ホストプロセッサ102と共に使用するための、電子メモリまたはハードディスク、光ディスク、その他などの他の記憶媒体などのコンピュータ記憶媒体の任意の組合せとすることのできるメモリ104内で提供され得る。たとえば、オペレーティングシステム層は、デバイス100-1がリアルタイムでシステムリソースを制御し、管理し、アプリケーションソフトウェア層および他の層の機能を使用可能にし、アプリケーションプログラムをデバイス100-1の他のソフトウェアおよび機能にインターフェースするために提供され得る。同様に、メニューナビゲーションソフトウェア、ゲーム、カメラ機能制御、ナビゲーションソフトウェア、テレフォニソフトウェアもしくはワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)ソフトウェアなどの通信ソフトウェア、または様々な他のソフトウェアおよび機能インターフェースのいずれかなどの異なるソフトウェアアプリケーションプログラムが、提供され得る。いくつかの実施形態において、複数の異なるアプリケーションが、単一のデバイス100-1上で提供され得、これらの実施形態の一部において、複数のアプリケーションは、同時に実行することができる。
【0025】
デバイス100-1は、ここではセンサプロセッサ108、メモリ110、および慣性センサ112を特徴とする一体化されたモーション処理ユニット(MPU(商標))106の形で示された、少なくとも1つのセンサアセンブリを含む。メモリ110は、下で説明されるように、センサプロセッサ108の論理またはコントローラを使用すると同時に慣性センサ112または他のセンサによって出力された生データおよび/またはモーションデータを記憶することによって、慣性センサ112および/または他のセンサによって出力されたデータを処理するためのアルゴリズム、ルーチン、または他の命令を記憶することができる。慣性センサ112は、空間内のデバイス100-1のモーションを測定するための1つまたは複数のセンサとすることができる。構成に依存して、MPU 106は、デバイスの回転の1つもしくは複数の軸および/または加速度の1つもしくは複数の軸を測定する。一実施形態において、慣性センサ112は、回転モーションセンサまたは直線モーションセンサを含むことができる。たとえば、回転モーションセンサは、1つまたは複数の直交する軸に沿った角速度を測定するためのジャイロスコープとすることができ、直線モーションセンサは、1つまたは複数の直交する軸に沿った直線加速度を測定するための加速度計とすることができる。一態様において、センサプロセッサ108またはデバイス100の他の処理リソースによって実行されるセンサ融合動作が、モーションの6軸判定を提供するために慣性センサ112からのデータを組み合わせるように、3つのジャイロスコープおよび3つの加速度計が使用され得る。任意で、慣性センサ112は、単一のパッケージ内でMPU 106と一体化される微細電気機械システム(MEMS)を使用して実施され得る。ホストプロセッサ102およびMPU 106の適切な構成に関する例示的な詳細は、参照によってその全体が組み込まれている、同時係属の、本願の譲受人の所有する米国特許8,250,921号明細書および8,952,832号明細書に見出すことができる。デバイス100-1内のMPU 106の適切な実施態様は、米国カリフォルニア州サニーベールのInvenSense, Inc.から入手可能である。
【0026】
その代わりにまたはそれに加えて、デバイス100-1は、外部センサ114の形においてセンサアセンブリを実施することができる。これはオプションであり、すべての実施形態で必須というわけではない。外部センサは、ナビゲーションソリューションを導出する際の使用のためのデータを出力する、加速度計および/またはジャイロスコープなどの、上で説明された1つまたは複数のセンサを表すことができる。本明細書内で使用される時に、「外部」は、MPU 106に一体化されず、デバイス100に対してリモートまたはローカルとすることのできるセンサを意味する。また、その代わりにまたはそれに加えて、MPU 106は、デバイス100-1の周囲の環境に関する1つまたは複数の態様を測定するように構成された補助センサ116からデータを受け取ることができる。これはオプションであり、すべての実施形態で必須というわけではない。たとえば、気圧計および/または磁気計が、慣性センサ112を使用して行われる位置決定を洗練するのに使用され得る。一実施形態において、補助センサ116は、モーションの9軸判定を提供するために、3つの直交する軸に沿って測定し、ジャイロスコープおよび加速度計慣性センサデータと融合されるデータを出力する磁気計を含むことができる。別の実施形態において、補助センサ116は、モーションの10軸判定を提供するために、他のセンサデータと融合され得る高度判定を提供するために気圧計をも含むことができる。MEMSベースである1つまたは複数のセンサの文脈において説明されるが、本開示の技法は、任意のセンサ設計またはセンサ実施態様に適用され得る。
【0027】
図示された実施形態において、ホストプロセッサ102、メモリ104、MPU 106およびデバイス100-1の他の構成要素は、PCIe(peripheral component interconnect express)バス、USB(universal serial bus)、UART(universal asynchronous receiver/transmitter)シリアルバス、適切なAMBA(advanced microcontroller bus architecture)インターフェース、I2C(Inter-Integrated Circuit)バス、SDIO(serial digital input output)バス、SPI(serial peripheral interface)、または他の同等物などの任意の適切なバスまたはインターフェースとすることのできるバス118を介して結合され得る。アーキテクチャに依存して、異なるバス構成が、必要に応じて使用され得る。たとえば、ホストプロセッサ102とメモリ104との間の専用バスを使用することによるなど、追加のバスが、デバイス100-1の様々な構成要素を結合するのに使用され得る。
【0028】
一態様において、ポータブルデバイス100-1の位置情報を推定するために使用される本開示の様々な動作は、ホストプロセッサ102によって読み取られ、実行され得る、メモリ104内に記憶された適切な命令のセットとしてナビゲーションモジュール120を介して実施され得る。ナビゲーションモジュール120は、任意の所望の度合のロケーションアウェアネス能力を提供するために、参照ベースの戦略、自己完結型の戦略、または戦略の任意の組合せを使用することができる。たとえば、ナビゲーションモジュール120は、上述したように、ポータブルデバイス100-1が位置する会場に関して少なくとも位置決定に関与するエポックについてのナビゲーションソリューションを導出するために現在のセンサエポックについて得られたように、慣性センサ112および/または外部センサ114からなどのセンサデータを利用する慣性ナビゲーション技法を使用することができる。そのような技法は、推測航法または類似物を含むことができ、任意のロール角、ピッチ角、および方位(機首方向)角などの値を含むデバイス100-1の方位を判定することができる。ナビゲーションモジュール120によって導出されたナビゲーションソリューションは、ポータブルデバイス100-1の位置情報の同時の決定を表す。ある送信、ある潜在的なバッファリング、および処理時間を要することがあるが、結果は少なくともほぼリアルタイムであり(潜在的な遅延が発生する可能性はある)、ナビゲーションソリューションが導出されるまでに任意の利用可能な情報を使用し得る。したがって、ポータブルデバイス100-1はまた、ナビゲーションモジュール120によって導出された位置推定を含め、情報を送受信するための1つまたは複数のワイヤレス通信プロトコルをサポートする通信モジュール122を含み得る。実施形態に応じて、通信モジュール122はまた、測距の決定、マップマッチングのためのマップ情報の受信、インフラビーコンとの通信のために使用できる。
【0029】
いくつかの実施形態では、ナビゲーションモジュール120は、さりげなくナビゲーションソリューションの導出を支援するために、リアルタイム・マップ・マッチング・ルーチンを使用し得る。その代わりにまたはそれに加えて、ナビゲーションモジュール120は、位置情報が望まれるエリア内の既知のロケーションでの電磁信号の記録パターンに依存することにより、「フィンガープリント」を使用して位置情報を推定し得る。次いでデバイス100-1が既知のロケーションに相関する受信信号のパターンを測定すると、そのロケーションは、デバイスの位置を決定するために、および/または、上述のINS技術と統合してなど、別の測位技術を支援するために使用され得る。フィンガープリントのために使用され得る信号の適切な例は、一般に「WiFi」と呼ばれる、IEEE802.11ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)の通信信号に基づき得る。しかしながら、多くの異なる電磁気信号が、ブルートゥース(登録商標)およびRFID(radiofrequency identification)など他のワイヤレス通信信号を含め、フィンガープリントを使用したロケーション決定に適している。さらに、建築構造の鉄物質によって作成されたものなど、地球の磁場の変動などの環境信号の使用は、インフラフリーであり、建物内の磁場の長期的な安定性からの利点がある。ナビゲーションモジュール120はまた、マップマッチング、測位決定、インフラビーコン、および/またはナビゲーションデバイスからの協調支援データを含む、上述の他の位置推定技術を使用できる。
【0030】
ナビゲーションモジュール120は、ナビゲーションソリューションを導出する時に、全地球測位システム(GPS)、グローバルナビゲーション衛星システム(GLONASS)、Galileo、および/または北斗(Beidou)を限定なしに含むグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)受信器、ならびにWiFi(商標)測位、セルラ塔測位、Bluetooth(登録商標)測位ビーコン、または他の同様の方法など、絶対ナビゲーション情報124のソースを使用することもできる。これはオプションであり、すべての実施形態で必須というわけではない。ナビゲーションモジュール120は、信号三辺測量を使用する位置決定を提供するためにワイヤレス通信プロトコルからの情報を使用するようにも構成され得る。UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、米国電気電子技術者協会(IEEE) 802.16(WiMAX)、LTE(Long Term Evolution)、IEEE 802.11(WiFi(商標))、その他などのセルラベース技術およびワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)技術を含む任意の適切なプロトコルが、使用され得る。さらに、ポータブルデバイス100-1はまた、ナビゲーションモジュール120によって導出された位置推定を含め、情報の送受信のための通信モジュール122を有する。
【0031】
ソフトウェアの複数の層が、必要に応じて使用され、メモリ104、メモリ110、または他の適切な位置の任意の組合せ内に記憶され得る。たとえば、モーションアルゴリズム層は、モーションセンサおよび他のセンサから提供される生のセンサデータに関する低水準処理を提供するモーションアルゴリズムを提供することができる。センサデバイスドライバ層は、デバイス100のハードウェアセンサへのソフトウェアインターフェースを提供することができる。さらに、適切なアプリケーションプログラムインターフェース(API)が、たとえば所望のセンサ処理タスクを送信するために、ホストプロセッサ102とMPU 106との間での通信を容易にするために提供され得る。
【0032】
この例示的なシステムでは、ポータブルデバイス100-1は、サーバ126に生のセンサデータや推定した位置情報を通信し、サーバは次いで、ポータブルデバイス100からのセンサデータおよび推定した位置の一方または両方を使用して、本開示の技術にしたがって接触追跡ルーチンを実行し得る。図示されるように、サーバ126はまた、追加のポータブルデバイス100-2~100-nからの生のセンサデータや推定された位置情報を受信し得る。サーバ126の一つの適切なアーキテクチャは、図1の高レベルの概略ブロックを使用して示され、バス132を介してメモリ130と通信するサーバプロセッサ128を含む。以下にさらに詳細に説明するように、サーバプロセッサ128は、位置推定器134、密度フィルタ136、近接度検出器138、エリア存在評価器140、およびヒートマップ生成器142を含め、機能ブロックとして表されるメモリ130に格納された命令を実行する。
【0033】
位置推定器134は、ポータブルデバイス100-1~100-nの各々からの位置推定および生のセンサデータの一方または両方を使用し得る。特に、1つまたは複数の手段が、慣性モーションセンサ技術、マップマッチング技術、フィンガープリント技術、測距技術、協調支援データ技術、インフラビーコン技術、および他の参照ベースの技術を含む、位置情報の推定のために使用され得る。上述のように、各ポータブルデバイスのナビゲーションモジュール120は、位置推定のためのこれらの技術の任意の1つあるいは任意の組み合わせを使用できる。しかしながら、位置推定器134はまた、これらの技術の一部または全部を実施するために使用され得る。たとえば、位置推定器134は、1つまたは複数のポータブルデバイス100-1~100-nからセンサデータを受信でき、位置推定を決定するための推測航法など慣性モーション技術を実行する。任意で、位置推定器134は、他の技術の一部を実施でき、ナビゲーションモジュール120および位置推定器134の間の担当の適切な分担が採用されてよい。位置推定値を入手するために、カルマンフィルタ、アンセンテッドカルマンフィルタ(unscented Kalman filter)、粒子フィルタ、および類似物を限定なしに含む任意のフィルタまたはフィルタの組合せを使用することができる。異なるシステムおよび測定モデル、たとえば予測のみ、近等速、その他も、応用例に従って使用され得る。これらのモデルは、ポータブルデバイス100の位置を伝搬させ、測定値更新としてナビゲーションソリューション出力を使用するために、異なる技法を使用することができる。したがって、ナビゲーションモジュール120および位置推定器134の一方または両方は、ある期間にポータブルデバイス100-1~100-nの位置を推定するための前述の技術の任意の1つまたは任意の組み合わせを使用できる。位置のこの履歴が会場内の各デバイスの軌跡を表す。
【0034】
さらに、密度フィルタ136は、ポータブルデバイス100-1~100-nの各々の位置推定値を受信し、2人以上のユーザ間で潜在的な接触が発生したかどうかを推測するために単位面積当たりのユーザ数に関する計算を提供するように構成され得る。その代わりにまたはそれに加えて、近接度検出器138はまた、ポータブルデバイス100-1~100-nの各々の位置推定を受信し、位置推定から決定される距離に少なくとも一部基づいて潜在的な接触を決定するように構成され得る。エリア存在評価器140は、ユーザが同じ密閉区域にいたかどうか、または物理的な障壁が、距離だけから推測される接触を妨げたかどうかなど、マップ情報から決定された会場の特性に基づいて接触決定を洗練するために使用され得る。ヒートマップ生成器142は、所与のユーザによって占められている会場内のエリアを識別するために使用され得る。これらの態様の各々は、以下の例示的なセクションの様々な実施形態に関してさらに詳細に説明される。
【0035】
サーバ126はまた、ナビゲーションモジュール120によって導出されるポータブルデバイス100-1~100-nのための生のセンサデータまたはナビゲーションソリューションを受け取るための通信モジュール144を含み、必要に応じて、接触追跡に関する情報をそのデバイスに返すまたは別の宛先に送る。ポータブルデバイス100-1~100-nとサーバ126の間の通信には任意の適切なプロトコルが採用される。たとえば、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(商標)、ANTまたはワイヤード接続などの比較的短いレンジの低電力通信プロトコルが使用されるか、セルラプロトコルなどを使用してアクセスされる、通信制御プロトコル、インターネットプロトコル(TCP/IP)パケット通信、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)などの比較的長いレンジの通信プロトコルが使用される。一般に、図1に示すシステムは、ネットワーク型または分散型のコンピューティング環境の態様を具現化する。ポータブルデバイス100-1~100-nおよびサーバ126は、複数の相互接続されたネットワークを介してなど、直接または間接的に通信し得る。理解されるように、様々なシステム、コンポーネント、およびクライアント/サーバ型、ピアツーピア、あるいはハイブリッドアーキテクチャなどのネットワーク構成、トポロジ、インフラが、分散型コンピューティング環境をサポートするために採用され得る。たとえば、コンピューティングシステムは、ワイヤードまたはワイヤレスシステムによって、ローカルネットワークまたは広く分散されたネットワークによって相互に接続され得る。現在、多くのネットワークがインターネットに結合されており、インターネットは広く分散したコンピューティングのためのインフラを提供し、多くの異なるネットワークを包含しているが、さまざまな実施形態で説明されているように、技術に付随する例示的な通信には任意のネットワークインフラを使用できる。
【0036】
上述のように、ポータブルデバイス100-1~100-nは、位置推定を導出し、サーバ126は、推定位置を使用して接触追跡ルーチンを実行できる。しかしながら、実行されるとして説明された機能のいずれかまたはすべては、互いに通信する任意の数の個別のデバイスによって実行されてもよく、または他の適切なシステムアーキテクチャでポータブルデバイス100-1自体によって実行されてもよい。したがって、1つのデバイス内または複数のデバイス間に関わらず、適切な処理リソースの分割を採用できることを理解されたい。さらに、ソフトウェアに実装された態様には、限定ではなく、アプリケーションソフトウェア、ファームウェア、レジデントソフトウェア、マイクロコードなどが含まれ、ホストプロセッサ102、センサプロセッサ108、サーバプロセッサ128、専用プロセッサ、またはポータブルデバイス100、サーバ126またはその他のリモート処理リソースのその他の処理リソースなど、コンピュータまたは任意の命令実行システムによって使用するプログラムコードまたはコンピュータまたは任意の命令実行システムに関連するプログラムコードを提供するコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとるか、あるいは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアの任意の組み合わせを使用して実装される。
【0037】
マップ情報は、サーバ126への入力として提供され、開始時にオンライン・マップ・サービス・プロバイダなどの任意の適切なソースから入手され得る。必要に応じて、マップ情報は、エリア存在評価器140によって、および/または、ナビゲーションモジュール120または位置推定器134によるマップマッチングなど、使用に適する形に前処理され得る。たとえば、マップ情報は、内部マップデータ構造に変換され得、この内部マップデータ構造は、必要に応じてこれをもう一度ダウンロードし、処理することのオーバーヘッドを伴わない将来の使用のために、ローカルストレージ内に保存され得る。したがって、マップ情報の前処理は、i)様々なマップデータプロバイダからのマップ情報を統一されたデータ構造に変換すること、ii)マップ支援アルゴリズムに適する必要なマップデータ構造を準備すること、および/またはiii)メモリ130(マップマッチングがサーバ126によってリモートで実行される実施形態に関して)またはメモリ104(マップマッチングがポータブルデバイス100-1~100-nの1つによってローカルで実行される実施形態に関して)などのローカルストレージ内にマップ情報を記憶することという機能を含むことができる。
【0038】
図1に示されるように、時間148はまた、サーバ126によって、ポータブルデバイス100-1~100-nの位置推定を時間的に整列させるために使用される。ポータブルデバイス100-1~100-nの位置の履歴を維持することによって、接触追跡が、1つまたは複数の接触パラメータを使用した複数のベースで決定され得る。たとえば、それらの関連するポータブルデバイスの位置推定が所与の瞬間に適切な距離しきい値内にある場合、2人のユーザ間の接触が推測され得る。ユーザがしきい値距離内にいたしきい値時間間隔を確立することによってなど、他の接触パラメータも使用できる。これらのパラメータは、動的な潜在的な接触を反映するために調整され得る。特に、2人のユーザが比較的に互いに近いと決定される場合、比較的短いしきい時間間隔を使用することが望ましい場合がある。対応して、ユーザの位置が比較的離れている場合、比較的長いしきい値時間間隔を使用することができる。さらに、タイミングは、本開示の技法を使用して決定できる他のタイプの接触にも重要である。たとえば、ユーザ間の接触は、会場内の1人以上の他のユーザまたはアセットとの共通のインタラクションから生じる場合がある。本明細書で使用されるように、アセットとは、病気が広がる可能性のある環境の固定された特性を指す。一般的な例には、表面と機器が含まれる。ポータブルデバイス100-1~100-nの位置の履歴を維持することにより、イベントがいつ発生したかを評価することによって共通のインタラクションに基づいて接触を決定することが可能になり、これは、近くの表面または他のアセットとの接触を推測するために使用されるポータブルデバイスの推定された位置情報を使用して、しきい値距離および/またはしきい値時間間隔に関して上で議論されたものなどの接触パラメータを使用して判断され得る。例として、アセットまたは個人を汚染するのに十分な時間があったかどうかを評価するために最初のインタラクションを評価するときに第1のしきい値時間間隔を使用することができ、汚染されるのに十分な時間があったかどうかを評価するためにその後のインタラクションを評価するときに第2のしきい値時間間隔を使用することができる。
【0039】
会場内のユーザのグループに接触追跡を提供するための、本開示の技法を含む代表的なルーチンが、図2に示される。200から始まり、各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスに少なくとも部分的に基づいて、会場の位置情報が一定期間にわたって各ユーザについて推定され得る。202では、少なくとも1つの接触パラメータが確立される。それに応じて、204では、位置情報および確立された接触パラメータに少なくとも部分的に基づいて少なくとも2人のユーザ間の接触が決定され得る。
【0040】
一態様では、少なくとも1つの接触パラメータは、接触を推測するための少なくとも1つのしきい値距離と、接触を推測するための少なくとも1つのしきい値時間間隔の任意の1つまたは任意の組み合わせであってよい。
【0041】
一態様では、少なくとも2人のユーザ間の接触の決定は、機械学習を使用して計算された密度にさらに基づく。
【0042】
一態様では、少なくとも2人のユーザ間の接触の決定は、2人のユーザ間のヘイバーサイン距離(Haversine distance)にさらに基づく。
【0043】
一態様では、少なくとも2人のユーザ間の接触の決定は、会場内のアセットとの共通のインタラクションにさらに基づく。
【0044】
一態様では、少なくとも2人のユーザ間の接触の決定は、ユーザのグループの別のユーザとの共通のインタラクションにさらに基づく。
【0045】
一態様では、会場のマップ情報が取得され得る。少なくとも2人のユーザ間の接触の決定は、マップ情報から導出された会場の物理的特性に少なくとも部分的に基づく。少なくとも1つの密閉区域が識別され、少なくとも2人のユーザ間の接触の決定が、識別された密閉区域内の2人のユーザのコロケーションにさらに基づく。
【0046】
一態様では、推定された位置情報は、少なくとも1つのポータブルデバイスからのモーションセンサデータに少なくとも部分的に基づく。推定された位置情報はさらに、i)磁気フィンガープリント、ii)Wi-Fiフィンガープリント、iii)ブルートゥース(登録商標)近接度、iv)ブルートゥース(登録商標)フィンガープリント、v)マップマッチング、およびvi)他の絶対位置決めシステムの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく。
【0047】
一態様では、少なくとも2人のユーザ間の接触の決定は、その2人のユーザに関連付けられたポータブルデバイス間の測距近接度にさらに基づく。測距近接度は、BLE(Bluetooth Low Energy)通信に基づく。
【0048】
一態様では、少なくとも2人のユーザ間の接触の決定は、位置情報から決定されるように、少なくとも2人のユーザの各々に対するヒートマップにさらに基づく。
【0049】
一態様では、少なくとも2人のユーザ間の接触の決定は、位置情報から決定されるように、2人のユーザの各々の軌跡にさらに基づく。少なくとも2人のユーザの軌跡は、クロストラフィックフローを示し得る。
【0050】
一態様では、接触が確認された2人のユーザ間で病気が広がる可能性を推定することができる。
【0051】
これらの開示はまた、会場内のユーザのグループの接触追跡を確立するためのシステムに向けられる。システムは、各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスを含み、各ポータブルデバイスは、ポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて位置情報を推定するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、一定期間にわたり各ユーザの会場内の推定された位置情報を受信し、少なくとも1つの接触パラメータを確立するとともに、推定された位置情報と少なくとも1つの接触パラメータに少なくとも部分的に基づいて一定期間の間ユーザのグループの少なくとも2人のユーザ間の接触を決定するように構成された少なくとも1つのリモートプロセッサとを有する。代替的に、システムは、各ユーザに関連付けられたポータブルデバイスと、少なくとも1つのリモートプロセッサとを含み、少なくとも1つのリモートプロセッサは、各ユーザのポータブルデバイスからのデータに少なくとも部分的に基づいて一定期間にわたり各ユーザの会場内の位置情報を推定し、少なくとも1つの接触パラメータを確立するとともに、推定された位置情報と少なくとも1つの接触パラメータに少なくとも部分的に基づいて一定期間の間ユーザのグループの少なくとも2人のユーザ間の接触を決定するように構成される。
【0052】
一態様では、少なくとも1つのリモートプロセッサは、会場のマップ情報を受け取るように構成され、少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することがマップ情報にさらに基づく。
【0053】
一態様では、少なくとも1つの接触パラメータは、接触を推測するための少なくとも1つのしきい値距離、および接触を推測するための少なくとも1つのしきい値時間間隔のうちの任意の1つまたは任意の組み合わせであってよい。
【0054】
一態様では、推定された位置情報は、モーションセンサデータに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0055】
一態様では、推定された位置情報はさらに、磁気フィンガープリント、Wi-Fiフィンガープリント、ブルートゥース(登録商標)近接度、ブルートゥース(登録商標)フィンガープリント、マップマッチング、および他の絶対位置決めシステムに少なくとも部分的に基づいてよい。
【0056】
一態様では、少なくとも2人のユーザに関連付けられた各ポータブルデバイスはさらに測距モジュールを有し、少なくとも2人のユーザ間の接触を決定することはさらに測距近接度に基づいてよい。
【0057】

本開示の態様を説明するために、例示的なシステムアーキテクチャが図3に示される。図示されるように、接触追跡ルーチンへの主要な入力は、各ポータブルデバイスの位置推定であり、それは時間入力を使用して時間的に整列している。位置推定は、サーバ126によってリモートになされるか、1つまたは複数のポータブルデバイス100-1~100-nのナビゲーションモジュール120によってローカルになされるか、あるいは、サーバ126とポータブルデバイス100-1~100-nの間に割り当てられた任意の分割された動作により共同してなされる。さらに、マップ情報は、上述のマップマッチングにおいてなど測位への入力として、および/または、エリア存在の評価および/またはヒートマップ生成のために使用され得る会場の関連する物理的特性を提供するためなど接触追跡ルーチンへの入力として使用される。マップ情報はまた、物理的な障壁が、そうでなければ位置推定によって示されるであろう接触を防ぐかどうかを判定することによってなど、接触決定を洗練するために使用され得る。接触追跡ルーチンへの別のオプションの入力は、2つのデバイスに関連する相対位置情報を提供する測距情報である。1つの適切な実施形態が、BLE測距の文脈で以下に説明されるが、位置推定における不確実性を補償するのに役立つ任意の適切な技術を使用することができる。特に、位置推定に基づいて決定された接触は、デバイスの近接度に関する測距決定によって確認または除外することができる。したがって、前述のように測距情報を使用してポータブルデバイスの位置推定を支援することができるが、それに加えてまたはその代わりに、位置推定に基づいて行われた接触決定を評価するための直接入力として測距情報を使用することもできることを理解されたい。ゾーンは、接触追跡ルーチンへの別の入力であり、たとえば、密閉区域、方向のある交通の流れ、またはその他の関連する特性を識別することによって、マップ情報のコンテキストを提供する。図1に関して上述したように、接触追跡ルーチンの一実施形態は、密度フィルタリング、近接度検出、エリア存在、および/またはヒートマップのためのブロックを含み得る。これらの各々が、以下にさらに詳細に説明される。
【0058】
上述のように、接触追跡決定のために使用される一つの可能な入力は、ピアのポータブルデバイス間で決定される測距情報である。以下の例は、BLE測距の文脈で説明され、図4Aによるスター型トポロジで実装され、1つのポータブルデバイス400-1がマスタとして動作し、スレーブとして複数の他のポータブルデバイス400-2~400-5に接続し、一方、図4Bによるピアツーピア(P2P)トポロジでは、ポータブルデバイス400-6および400-7は両方ともマスタおよびスレーブとして動作する。デバイス間の通信の例が図5に概略的に説明され、デバイス500-1がマスタの役割で動作してアドバタイズデバイスを発見し、接続し、次に1つまたは複数のスレーブデバイス500-2に加入することが示されている。逆に、スレーブの役割で動作するデバイス500-2は、アドバタイズし、要求に応答してマスタデバイス500-1に接続し、データを発行してそれをマスタに通信する。図5に示す例示的なプロトコルは、それに対応して3つのフェーズを有する。発見フェーズ中に、デバイス500-1は、デバイス500-2など、隣接デバイスからのアドバタイズをスキャンする。接続フェーズでは、デバイス500-1は次いで、イニシエータとして機能し、デバイス500-2のアドバタイズを発見した後に、デバイス500-2に要求を送信する。アドバタイズデバイス500-2は、要求を受信して通信リンクを形成した後に応答を送信する。最後に、接続後フェーズでは、マスタデバイス500-1は、スレーブデバイス500-2によって発行されたデータを受信するために、スレーブデバイス500-2に加入する。測距情報は、受信信号強度インジケータ(RSSI)など、信号強度の測定値から導出されてよい。
【0059】
位置推定は、マップマッチングによって支援され得るが、測位は、近接している2人のユーザ間の接触を妨げる可能性のある壁、パーティション、またはその他の障壁の存在など、会場の物理的特性に関する情報を通常提供しない。対応して、マップマッチングに加えて、またはその代わりに、本開示の技法による接触追跡は、マップ情報を使用して、会場の通過可能なエリアおよび接触を妨げ得る障害物を正確に特徴付けることができる。マップは、センサによって記録された測定値に影響を与える可能性がある、現実世界のすべての要素/オブジェクトのグローバルな表現である。マップは、静的オブジェクトのみ、または静的オブジェクトおよび動的オブジェクトのどちらがマップに表示されるかに応じて、静的または動的のいずれかになり得る。マップの2つのよく知られた形式に、ロケーションベースマップおよび特徴ベースマップがある。
【0060】
ロケーションベースマップでは、マップは、セットmのオブジェクトのセットとして表され、i番目のオブジェクトは、セットmにおけるmi=mix,iy,izによって示され、マップ中の3Dロケーションである。ここでmi=mix,iy,izは、i番目の要素によって表されるデカルト座標である。各ロケーションオブジェクトは、オブジェクトを記述する他の属性を含み得る。ロケーションベースマップの際立った特徴は、セットmにおけるオブジェクトのリストが、他の属性ではなくロケーションによってインデックス付けされることである。ロケーションベースマップの主な利点は、マップ内のすべてのロケーションが表現されることであり、したがって、マップは、マップ内の空のロケーションと空でないロケーションの完全な記述を有する。ロケーションベースマップのよく知られた例は、実世界が正方形(2Dマップの場合)または立方体(3Dマップの場合)に離散化されるOGM(Occupancy Grid Map)である。OGMマップ内のオブジェクトは、正方形/立方体の中心点のロケーションであり、各ロケーションオブジェクトはいくつかの属性を有する。たとえば、1つの属性は、正方形/立方体が占有されているか空であるかを反映でき(あるいは、この属性は、正方形/立方体が占有されているか、空であるか、またはマップされていないかを反映できる)、別の属性は、現在のロケーションオブジェクトにおける特定のセンサの期待される測定値ベクトルを含むことができる。
【0061】
特徴ベースマップでは、マップは、セットmのオブジェクトのセットとして表され、miによって示されるi番目のオブジェクトは、マップ中の特定の特徴オブジェクトである。言い換えると、特徴ベースマップは、環境内の特定の機能を何らかの方法で表すオブジェクトのコレクションである。これらのオブジェクトは通常、オブジェクトのロケーションを含むいくつかの属性を有する。特徴ベースマップの際立った特性は、環境の選択的ロケーションのみがmにおいて表されることである。特徴ベースマップは、マップにわたって特徴オブジェクトの数によって疎または密のいずれかであり得る。さらに、特徴オブジェクトは、マップにおいて異なるロケーションにわたり均一に分布(あるいは、任意の他の分布)されてよく、あるいは、特徴オブジェクトは、特定のロケーションで混んでいてもよい。最後に、特徴オブジェクトの各々の一意性は、特徴マップのもう1つの特性である。これらの特性は、ローカリゼーションの目的で特徴マップがどの程度有用であるかに影響する。(マップ内の場所にわたって)高密度で一意かつ均一に分散された特徴オブジェクトで構成される特徴ベースマップは、一般に、ローカリゼーションシステムに適した特性である。
【0062】
オンライン屋内/屋外マップサービスプロバイダは、彼らのマップデータベースにアクセスするためにウェブ・アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を提供する場合がある。したがって、マッププロバイダからの対応するAPIが、ユーザの現在位置を包含するエリアのマップ情報を取得するのに使用され得る。対応するマップ情報を有する可能性がある現場の特に特筆すべき例は、オフィスビルディング、病院、モール、会議場、展示会、小売店、および類似物などの屋内環境を含む。このマップ情報は、それの使用を容易にするために前処理され得る。たとえば、情報は、APIを使用して本開示の技法のために使用される必要なマップデータを抽出するために復号され、Geographic JavaScript(登録商標) Objective Notation(GeoJson)フォーマットなどの統一されたフォーマットに変換され得るが、xmlファイル、バイナリファイル、その他が使用され得る。その後、変換されたマップデータは、将来の使用のためにローカルストレージ内に保存され得る。復号および変換は、外部リソースによって実行され、本開示の接触追跡ルーチン中での使用のために任意の適切な形で配送され得る。マップ情報の前処理は、マップ情報をトラバース可能領域とトラバース不能領域とに分離することを含むことができる。たとえば、廊下は、通常の屋内環境内のトラバース可能領域の重要なクラスを表す。マップマッチングのために、階変化シナリオに関連付けられ得るエレベータ、エスカレータ、階段、または機首方向もしくは他の位置情報の仮定を可能にすることができるコンベヤなど、一部のマップエンティティは、固有の位置情報を提供することができる。背景マップエンティティへの入口および出口ならびに前景エンティティへのドアまたは他の入口/出口の位置も、使用され得る。さらに、入口/出口の方向がまた、使用され得る。複数階現場内では、いつ階変化シナリオが存在するかを判定するのを助けるために、各階の高さが、高さの変化を示すセンサ情報と共に使用され得る。マップ情報は、ベクトルマップ内のポリゴンを使用して、および/またはグリッドマップとして接続されたリンクおよびノードを使用して、幾何学的に提示され得る。グリッドマップは、マップマッチングの幾何学的側面を強化するだけでなく、トポロジ的側面を提供し得る。たとえば、マップからのトポロジ情報がまた適用され、信頼性と精度を向上させることができる。実例として、小売店のマップは、構造化されたエリアと構造化されていないエリアに容易に分割することができる。オープンスペース、孤立したブースなどの構造化されていないエリアは、上述の幾何学ベースのマップマッチングアルゴリズム技術の恩恵を受けることができる。ただし、整列された棚、ブース、および同様の機能などの構造化されたエリアは、グリッドベースのマップで使用される接続されたリンクおよびノードとして抽象化され得る。ポータブルデバイス100-1~100-nの位置を推定するとき、および/または接触決定を洗練するために適用するとき、ポリゴンベースの幾何学的またはベクトルマップおよびグリッドマップのいずれかまたは両方が、マップマッチングのために保証されるように採用され得る。たとえば、小売店マップは、構造化されたエリアと構造化されていないエリアとに容易に分割され得る。空きスペース、分離されたブース、および類似物などの構造化されていないエリアにおいて、上で説明された幾何ベースの技法が適用され得る。その代わりにまたはそれに加えて、整列された棚またはブースなどの構造化されたエリアにおいて、幾何情報およびトポロジ情報が、グリッドマップによって表される。グリッドマップが利用可能な場合、ユーザの軌跡およびトポロジ特徴の間の相関に基づく加重トポロジアルゴリズムが適用され得る。
【0063】
一例として、図6Aおよび図6Bは、グリッドマップおよびベクトルマップをそれぞれ使用して会場を表現する。両方のマップでは、デバイス間の位置についての比較が示され、会場の物理的特性を理解することが接触決定を洗練するためにどのように使用され得るかを示すことを助ける。両方のビューでは、位置600および602は、位置604および606とほぼ同じ距離だけ離れている。しかしながら、位置600および602は、共通の構造化されていないエリア内にあり、それらの距離は、接触が決定され得るのに十分に近く、一方、位置604および606は、壁によって仕切られており、物理的な近接度に関わらず、接触が発生しないと決定され得る。
【0064】
上述の説明から、接触決定の一実施形態は、各ポータブルデバイスのための位置推定を使用して、サーバ126によって実装される密度フィルタ136を介してなど、会場の単位面積当たりのユーザ数を決定する。接触パラメータとして適切なしきい値を使用して、所与の密度を超えると、影響を受けるユーザ間の接触が発生していると決定する。たとえば、感染の可能性が高いシナリオと感染の可能性が低いシナリオの位置推定のトレーニングデータを使用して、機械学習の手法を採用することができる。次いで、開発されたアルゴリズムは、密度が接触を推測するのに十分かどうかを判定するために、実際のユーザの位置推定に適用され得る。その代わりにまたはそれに加えて、サーバ126の近接度検出器138など、ユーザの推測される位置に基づいて近接度が評価され得る。任意で、接触の発生に十分近いユーザを識別するために、ユーザ間のヘイバーサイン距離(球上の点の間の大円距離)を使用するなど、任意の適切な距離計算が採用され得る。
【0065】
上述のシナリオの下で同時の接触の決定を洗練することに加えて、マップ情報はエリアの存在評価にも使用され得る。図3のゾーン情報とともに、マップ情報は、サーバ126のエリア存在評価器140などを介して、会場内の表面や機器などのアセット、または密閉区域内の存在との共通のインタラクトを通じて、感染伝播の可能性を決定する際に使用する会場の態様を識別することができる。説明を助けるために、図7に、密閉区域内のユーザの存在のためのタイムラインが概略的に示され、同様の表現が、アセットとのインタラクションのためになされ得ることが理解されよう。ユーザ1およびユーザ2の下にある影付きの横線は、所与の密閉区域内の各ユーザのそれぞれの存在を示し、各々に関連付けられたポータブルデバイスの位置推定の履歴に基づいて決定されている。右軸は、レポートを作成するために選択された時間範囲を表し、データのヒストグラムが範囲全体にわたるデータ分布を示す。図示されるように、ユーザ1は、11:00~12:00の間、および14:00~15:00の間エリアを占めており、ユーザ2は、12:00~13:00の間エリアを占めている。相対時間情報が利用可能であるため、空気感染病原体の予想される生存率に適切な時間間隔のしきい値を使用して、接触が決定され得る。同様に、表面、機器、またはその他のアセットでの感染病原体の生存率を考慮する場合、適切なしきい値を使用することができる。たとえば、ユーザ1が感染症であることが判明すると、ユーザ2の占有は、接触が発生したと決定するための時間しきい値内になることがある。一方で、ユーザ2が感染症であることが判明すると、ユーザ1の11:00~12:00の間の以前の占有が無視されて、14:00~15:00の間の後続の占有が、関連する時間しきい値から十分に隔たっており、接触として決定されない。
【0066】
より複雑なシナリオが、図8に概略的に示され、左側のビューは、複数のエリア/アセットに関して複数のユーザの存在を示し、各々が異なる影で示される。この状況は、ユーザ間の共通のインタラクションの対象となり得る多くの表面またはその他のアセットを持ち得るオフィス、ならびに、会議室、カフェテリアなど、複数のユーザによって占められ得る複数の密閉区域などの会場に一般的なものである。対応して、右側のビューは、どのユーザが共通のインタラクションの対象に潜在的になり得るかを決定するために使用され得る単一のアセット/密閉区域の選択を示す。両方のビューに対して、レポートを生成するために選択された時間範囲を表し、データのヒストグラムが範囲全体にわたるデータ分布を示す。たとえば、00:30および00:45の第1の期間の間、ユーザ2、3、4、および6は、同じ時間フレームにアセットと共通にインタラクトしていた。同様に、01:15および01:30の第2の期間の間、ユーザ1~6は全員、共通のインタラクションを行っていた。これらの2つの間隔の各々の間の同時の暴露についての可能性に加えて、感染症病原体の特性および対応する時間間隔しきい値に応じて、第1の期間のユーザと、第2の期間のユーザとの間に接触が決定され得る。特に、位置推定の履歴およびマップ情報によって提供された会場の物理的特性の理解なしに、そのような洗練された接触決定は不可能である。一例として、第1のユーザまたはユーザのグループによる密閉区域の占有と、第2のユーザまたはユーザのグループの後続の占有との間に、空気循環、病原体の予想される生存率またはその他の関連基準に基づいて十分な時間が経過したかどうかを判定する場合、適切な時間間隔しきい値が適用され得る。
【0067】
ゾーンおよびマップ情報の別の使用が会場の動的な占有に関連する。上述のように、各ユーザのための位置推定の履歴を追跡することで、接触を決定するために使用され得る会場内の軌跡の決定が可能になる。たとえば、一般的な緩和戦略には、通過するユーザ間の接触の可能性を減らすために、廊下、屋内通路、その他の経路、またはそれらの一部を特定の方向に制限することを含む。説明を助けるために、図9は、会場の一部の詳細ビューを概略的に示し、セグメント900は、左から右方向に進むために予約され、セグメント902は逆方向、すなわち右から左に進むために対応して予約される。セグメント900の上の矢印およびセグメント902の上および下の両矢印によって示されるように、ユーザが意図された方向を維持する限り、クロストラフィックは減り、接触の可能性が同様に減少する。しかしながら、ユーザが従わずに、セグメント900の下の矢印によって示されるように逆方向に進む場合、接触が決定され得る。
【0068】
上述のいくつかの実施形態は、密閉区域の表面、アセット、またはコロケーションとの2人以上のユーザの共通のインタラクションを考慮しているが、2人のユーザ間の接触がまた、別のユーザとの共通のインタラクションに基づいて決定され得ることを理解されたい。特に、病気は、上述のタイプの直接的な接触によってコミュニティ全体に広がる可能性があるが、本開示の技術は間接的な接触を特定できる。各ユーザの位置推定の履歴を使用して、異なるユーザとのすべての接触が追跡され得る。共通のユーザまたは場所に関するこの情報をリンクすることは、リスクにさらされているユーザを決定するために使用され得る。たとえば、図10は、直接接触を示す線を用いて、複数のユーザ間のインタラクションを概略的に示す。ここで、すべてのユーザが直接接触に加わることがなくても、共通のインタラクションが依然として間接接触を作ることがある。一つのシナリオでは、ユーザ1が感染していると決定された場合、すべての潜在的な接触が評価されるべきである。特に、ユーザ2およびユーザ6がユーザ1との直接接触に加わるが、ユーザ5がユーザ2と間接的に接触し、ユーザ3および4は対応してユーザ5と間接的に接触している。当然のことながら、さまざまな程度の間接的な接触が、病気の蔓延の可能性の決定に使用され得る。
【0069】
マップ情報を使用した接触追跡ルーチンの別の態様は、サーバ126のヒートマップ生成器142によって提供されるなど、ヒートマップに関連する。ヒートマップは、場所と、所与のユーザについてその場所で過ごした時間とを示す陰影を使用する。たとえば、図11Aは、会場内のユーザの存在を概略的に示す。時、日、週、それ以上の期間など任意の適切な時間間隔を使用して、会場内の様々な場所に対するユーザの暴露を表す。また、時間間隔は、追跡されている感染病原体の特性に応じて、必要に応じて調整できる。理解されるように、この情報は、ヒートマップを使用して、会場のどの部分を消毒する必要があるかを特定できるため、ユーザが感染症であると決定された場合に役立つ。感染したユーザが行ったことのある場所のみを対象とすることで、影響を受けていないエリアを正常に運用させながら、必要なエリアに力を注ぐことで、より適切な対応が可能になる。さらに、ヒートマップは、接触決定を行うときにも使用され得る。たとえば、図11Bは、図11Aの会場の詳細を示し、複数のユーザのヒートマップを互いに重ね合わせている。この描写は、接触が彼らの間で推測される可能性があるように、ミーティング中のユーザのグループである。
【0070】
上記から、本開示の技術は、単にユーザ間の関連する同時の距離に依存するのではなく、会場内のユーザの位置を推定することに基づいて接触追跡を行うことを含むことが理解される。さらに、マップ情報を採用することで、近接度だけでなく、会場の物理的特性に基づく接触決定が可能である。さらに、ある期間の位置推定の履歴を維持することは、同時の近接性に基づくだけでは不可能な、ユーザ間の接触の決定が可能になる。推定された位置の間の実際の距離または単位面積当たりのユーザの密度の一方または両方によって、接触を決定できる。したがって、技法は特定の数のユーザに限定されず、位置推定は、ピアツーピア測距技術から利用可能な情報より多くの情報にアクセスできる。上記議論から、本開示により、接触のより正確な決定が可能になり、その結果、病気の蔓延の可能性を評価する機会が増えることが理解されるであろう。
【0071】
企画される実施形態
上で説明された実施形態および技法は、ソフトウェアにおいて様々な相互接続された機能ブロックまたは別個のソフトウェアモジュールとして実施され得る。しかし、これは、必須ではなく、これらの機能ブロックまたはモジュールが、不明瞭な境界を有する単一の論理デバイス、プログラム、または動作に同等に集約される場合があり得る。どの場合において、上で説明される実施形態を実施する機能ブロックおよびソフトウェアモジュールまたはインターフェースの特徴は、単独で、あるいは、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかにおいて完全にデバイス内またはデバイスおよびサーバなど、そのデバイスと通信する他のプロセッサ使用可能デバイスとに関連してのいずれかで、他の動作と組み合わせて実施され得る。
【0072】
少数の実施形態が、図示され説明されたが、様々な変更および修正が、これらの実施形態の範囲、意図、または機能性を変更せず、これから逸脱することなく、これらの実施形態に対して行われ得ることが、当業者によって了解されよう。先行する明細書内で使用された用語および表現は、限定ではなく説明の言葉として本明細書内で使用され、そのような用語および表現の使用において、図示され説明される特徴またはその部分の同等物を除外する意図はなく、本開示が、以下の特許請求によってのみ定義され、限定されることが認められる。
【符号の説明】
【0073】
100-1~100-n ポータブルデバイス
102 ホストプロセッサ
104 メモリ
106 MPU
108 センサプロセッサ
110 メモリ
112 慣性センサ
114 外部センサ
116 補助センサ
118 バス
120 ナビゲーションモジュール
122 通信モジュール
126 サーバ
128 サーバプロセッサ
130 メモリ
132 バス
134 位置推定器
136 密度フィルタ
138 近接度検出器
140 エリア存在評価器
142 ヒートマップ生成器
144 通信モジュール
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
【国際調査報告】