(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】電池及びその製造方法と製造システム、電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20231102BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20231102BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20231102BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20231102BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231102BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20231102BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/202 401H
H01M50/202 401Z
H01M50/55 101
H01M50/264
H01M50/204 101
H01M50/242
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501547
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2021122180
(87)【国際公開番号】W WO2023050311
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】唐▲イ▼
(72)【発明者】
【氏名】王▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼越
(72)【発明者】
【氏名】王▲増▼忠
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA02
5H040AS02
5H040AS04
5H040AS07
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC05
5H040CC34
5H040DD03
5H040JJ03
5H040NN01
5H043AA05
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA08
5H043FA04
5H043JA13F
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池及びその製造方法と製造システム、電力消費装置を提供する。本出願の実施例の電池は、複数の電池モジュールを含み、各電池モジュールは、第一の方向に沿って積層して設置されている複数の電池単体を含み、電池単体は、対向して設置されている第一の端面と第二の端面とを第二の方向に沿って有し、第一の端面には、電極端子が設置されており、複数の電池モジュールは、第三の方向に沿って積層して設置されており、第一の方向、第二の方向、第三の方向は、互いに垂直である。このように電力消費装置、例えば車両の内部の空間レイアウトに基づき、第一の方向の電池単体の適切な数を設置するとともに、第三の方向の電池モジュールの適切なサイズと数を設置し、第一の方向と第三の方向との空間を十分に利用することができる。また、電極端子の向きは、電池単体の積層方向と電池モジュールの積層方向といずれも異なり、電池単体の積層方向に沿う間隙と、電池モジュールの積層方向に沿う間隙とを節約し、電池の体積エネルギー密度を向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
複数の電池モジュールを含み、各前記電池モジュールは、第一の方向に沿って積層して設置されている複数の電池単体を含み、前記電池単体は、対向して設置されている第一の端面と第二の端面とを第二の方向に沿って有し、前記第一の端面には、電極端子が設置されており、複数の前記電池モジュールは、第三の方向に沿って積層して設置されており、前記第一の方向、前記第二の方向、前記第三の方向は、互いに垂直である、電池。
【請求項2】
各前記電池モジュールは、前記第二の方向に沿って併設されている複数組の組電池を含み、各前記組電池は、前記第一の方向に沿って積層して設置されている複数の前記電池単体を含み、隣接している2組の前記組電池の前記電池単体の前記第二の端面は、対向して設置されている、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記電池単体の筐体側壁は、対向して設置されている二つの第一の側壁と、対向して設置されている二つの第二の側壁とを含み、そのうち、前記第一の側壁の面積は、前記第二の側壁の面積よりも大きく、前記第一の側壁は、前記第一の方向に垂直である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記電池モジュールの前記第一の方向に沿う最大サイズは、L
1であり、第二の方向に沿う最大サイズは、L
2であり、L
1=L
2である、請求項1から3のいずれか一つに記載の電池。
【請求項5】
隣接している前記電池モジュールの前記電池単体の前記第二の端面は、互いに垂直である、請求項1から4のいずれか一つに記載の電池。
【請求項6】
前記電池は、隣接している二つの前記電池モジュール間に設置されている補強板をさらに含む、請求項1から5のいずれか一つに記載の電池。
【請求項7】
前記補強板内には、流路が形成されており、前記流路内には、前記電池モジュールと熱交換するための流体が収容されている、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記電池は、前記第三の方向に沿って隣接している前記補強板の前記流路を連通させるための配管をさらに含む、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記電池モジュールは、積層して設置されている複数の前記電池単体の前記第一の方向に沿う両側に設置されているエンドプレートをさらに含み、
前記電池は、前記電池モジュールの外周側に周設されているフレームをさらに含み、前記エンドプレートは、前記電池モジュールと前記フレームを接続する、請求項1から8いずれか1項に記載の電池。
【請求項10】
前記エンドプレートには、第一のボスが形成されており、前記フレームには、第二のボスが形成されており、前記第一のボスは、前記第二のボスに係合接続されている、請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記電池は、前記第三の方向に沿って積層して設置されている複数の前記フレームを含み、前記第三の方向に沿って隣接している前記フレームは、密封接続されている、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の電池。
【請求項12】
前記電池は、取付ラックをさらに含み、複数の前記電池モジュールは、フレームによって前記取付ラックに接続されている、請求項9から11のいずれか一つに記載の電池。
【請求項13】
前記取付ラックには、取付板が形成されており、隣接している2層の前記フレームは、前記取付板によって接続されている、請求項12に記載の電池。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一つに記載の電池を含む電力消費装置であって、前記電池は、電気エネルギを提供するために用いられる、電力消費装置。
【請求項15】
電池の製造方法であって、
複数の電池単体を提供することであって、前記電池単体は、対向して設置されている第一の端面と第二の端面とを第二の方向に沿って有し、前記第一の端面には、電極端子が設置されていることと、
複数の前記電池単体を第一の方向に沿って積層して設置して、電池モジュールを形成することと、
複数の前記電池モジュールを第三の方向に沿って積層して設置することであって、前記第一の方向、前記第二の方向及び前記第三の方向は、互いに垂直であることとを含む、電池の製造方法。
【請求項16】
電池の製造システムであって、
複数の電池単体を提供するための提供モジュールであって、前記電池単体は、対向して設置されている第一の端面と第二の端面とを第二の方向に沿って有し、前記第一の端面には、電極端子が設置されている提供モジュールと、
複数の前記電池単体を第一の方向に沿って積層して設置して、電池モジュールを形成するための第一の組み立てモジュールと、
複数の前記組み立てモジュールを第三の方向に沿って積層して設置するための第二の組み立てモジュールであって、前記第一の方向、前記第二の方向及び前記第三の方向は、互いに垂直である第二の組み立てモジュールとを含む、電池の製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、より具体的には、電池及びその製造方法と製造システム、電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、電力消費装置、例えば電気キャビネット、バッテリ車、電気自動車、電動飛行機、電動汽船、電動玩具自動車、電動玩具汽船、電動玩具飛行機と電動工具などに広く使われている。電池単体は、カドミウムニッケル電池単体、水素ニッケル電池単体、リチウムイオン電池単体と、二次アルカリ性亜鉛マンガン電池単体などを含んでもよい。
【0003】
電池技術の発展で、電池単体の性能を向上させる以外に、人々は、電力消費装置の体積をますます重視し、電力消費装置の体積ができるだけ小さくなることを望み、これは、電池の内部レイアウトへ新たな要求を出し、どのように電池の内部構造を合理的に、柔軟にレイアウトするかは、現在で、早急に解決される一つの問題である。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、電池の内部構造レイアウトの柔軟性と合理性を向上させることができる電池及びその製造方法と製造システム、電力消費装置を提供した。
【0005】
第一の方面によれば、本出願の実施例は、電池を提供した。前記電池は、複数の電池モジュールを含み、各電池モジュールは、第一の方向に沿って積層して設置されている複数の電池単体を含み、電池単体は、対向して設置されている第一の端面と第二の端面とを第二の方向に沿って有し、第一の端面には、電極端子が設置されており、複数の電池モジュールは、第三の方向に沿って積層して設置されており、第一の方向、第二の方向、第三の方向は、互いに垂直である。
【0006】
本出願の実施例による電池は、電池単体が第一の方向に沿って積層して設置されて電池モジュールを形成するように設置するとともに、電池モジュールが第三の方向に沿って積層して設置されるように設置し、このように電力消費装置、例えば車両の内部の空間レイアウトに基づき、第一の方向の電池単体の適切な数を設置するとともに、第三の方向の電池モジュールの適切なサイズと数を設置し、第一の方向と第三の方向との空間を十分に利用し、電池の容量を向上させることができる。また、電極端子の向きが、電池単体の積層方向と電池モジュールの積層方向といずれも異なるため、電池単体の積層方向に沿う間隙と、電池モジュール積層方向に沿う間隙とを節約することができ、電池の体積エネルギー密度を効果的に向上させることができる。
【0007】
本出願の実施例による電池によれば、各電池モジュールは、第二の方向に沿って併設されている複数組の組電池を含み、各組電池は、第一の方向に沿って積層して設置されている複数の電池単体を含み、隣接している2組の組電池の電池単体の第二の端面は、対向して設置されて、電池をより便利に組み立て、例えばサンプリングワイヤーハーネスなどの部品の取り付けを便利にすることができる。このように設置することで、電力消費装置、例えば車両の第二の方向における空間を十分に利用し、第二の方向の空間利用率を向上させることができる。
【0008】
本出願の実施例による電池によれば、電池単体の筐体側壁は、対向して設置されている二つの第一の側壁と、対向して設置されている二つの第二の側壁とを含み、そのうち、第一の側壁の面積は、第二の側壁の面積よりも大きく、第一の側壁は、第一の方向に垂直である。電池単体により形成される組電池の構造安定性を向上させ、さらに電池モジュールと電池の構造安定性を向上させることに有利である。
【0009】
本出願の実施例による電池によれば、電池モジュールの第一の方向に沿う最大サイズは、L1であり、第二の方向に沿う最大サイズは、L2であり、L1=L2である。電池モジュールが方形包絡を形成することを容易にし、電池モジュール配置の柔軟性の向上に有利である。
【0010】
本出願の実施例による電池によれば、隣接している電池モジュールの電池単体の第二の端面は、互いに垂直である。隣接している電池モジュール間の結合強度を向上させ、さらに電池全体の構造強度を向上させることに有利である。
【0011】
本出願の実施例による電池によれば、電池は、隣接している二つの電池モジュール間に設置されている補強板をさらに含む。補強板を設置することで、電池が変形、シフトなどの問題を発生しにくいことで、電池の構造強度全体を向上させる。
【0012】
本出願の実施例による電池によれば、補強板内には、流路が形成されており、流路内には、電池モジュールと熱交換するための流体が収容されている。このように流体を介して電池モジュールと熱交換することによって、電池モジュールを加熱し、又は冷却することができる。
【0013】
本出願の実施例による電池によれば、電池は、第三の方向に沿って隣接している補強板の流路を連通させるための配管をさらに含む。このように設置することで、補強板内の流路が外部と連通している構造を簡略化することができる。
【0014】
本出願の実施例による電池によれば、電池モジュールは、積層して設置されている複数の電池単体第一の方向に沿う両側に設置されているエンドプレートをさらに含み、電池は、電池モジュールの外周側に周設されているフレームをさらに含み、エンドプレートは、電池モジュールとフレームに接続されている。エンドプレートを設置することで電池単体の組み立てを容易にしているが、フレームを設置することで電池モジュールへの一定の保護を形成し、電池モジュールの使用寿命を向上させることができる。
【0015】
本出願の実施例による電池によれば、エンドプレートには、第一のボスが形成されており、フレームには、第二のボスが形成されており、第一のボスは、第二のボスに係合接続されている。このように設置することで、エンドプレートとフレームの接続に有利であるとともに、両者の接続後の電池の密封性能に有利である。
【0016】
本出願の実施例による電池によれば、電池は、第三の方向に沿って積層して設置されている複数のフレームを含み、第三の方向に沿って隣接しているフレームは、密封接続されている。隣接しているフレームが密封接続されているように設置することで、外部の水や酸素などが電池モジュールの内部に入ることを効果的に低減し、さらに外部の水や酸素が電池単体に一定の腐食を与える可能性を低減することができる。
【0017】
電池は、取付ラックをさらに含み、複数の電池モジュールは、フレームによって取付ラックに接続されている。
【0018】
本出願の実施例による電池によれば、取付ラックには、取付板が形成されており、隣接している2層のフレームは、取付板によって接続されている。電池モジュールとフレームの位置を設置することを容易にし、電池モジュールとフレームが取付ラックに接続されている過程において位置ずれ又は変形が発生する可能性を回避し、取り付け誤差を低減し、電池の密封性の向上に有利である。
【0019】
第二の方面によれば、本出願の実施例は、電池の製造方法を提供する。この方法は、複数の電池単体を提供することであって、電池単体は、対向して設置されている第一の端面と第二の端面とを第二の方向に沿って有し、第一の端面には、電極端子が設置されていることと、複数の電池単体を第一の方向に沿って積層して設置して、電池モジュールを形成することと、複数の電池モジュールを第三の方向に沿って積層して設置することであって、第一の方向、第二の方向及び第三の方向は、互いに垂直であることとを含む。
【0020】
第三の方面によれば、本出願の実施例は、電池の製造システムを提供する。前記製造システムは、複数の電池単体を提供するための提供モジュールであって、電池単体は、対向して設置されている第一の端面と第二の端面とを第二の方向に沿って有し、第一の端面には、電極端子が設置されている提供モジュールと、複数の電池単体を第一の方向に沿って積層して設置して、電池モジュールを形成するための第一の組み立てモジュールと、複数の組み立てモジュールを第三の方向に沿って積層して設置するための第二の組み立てモジュールであって、第一の方向、第二の方向及び第三の方向は、互いに垂直である第二の組み立てモジュールとを含む。
【0021】
本出願の実施例による電池及びその製造方法と製造システム、電力消費装置は、電池単体が第一の方向に沿って積層して設置されて電池モジュールを形成するように設置するとともに、電池モジュールが第三の方向に沿って積層して設置されるように設置し、このように電力消費装置、例えば車両の内部の空間レイアウトに基づき、第一の方向の電池単体の適切な数を設置するとともに、第三の方向の電池モジュールの適切な数を設置し、第一の方向と第三の方向の空間を十分に利用し、電池の容量を向上させることができる。また、電極端子の向きが、電池単体の積層方向と電池モジュールの積層方向といずれも異なるため、電池単体の積層方向に沿う間隙と、電池モジュールの積層方向に沿う間隙とを節約することができ、電池の体積エネルギー密度を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は、本出願の実施例において使用される必要な添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、以下に記述された添付図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、添付図面に基づいて他の添付図面を得ることもできる。
【
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の構造概略図である。
【
図3】本出願の別のいくつかの実施例による電池の構造概略図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施例による電池単体の分解概略図である。
【
図5】本出願のいくつかの実施例による電池モジュールがフレームに接続されている構造概略図である。
【
図7】本出願のいくつかの実施例によるフレームとエンドプレートの接続構造の局所拡大概略図である。
【
図8】本出願のまた別の一実施例による電池の構造概略図である。
【
図11】本出願のいくつかの実施例による電池の製造方法のフロー概略図である。
【
図12】本出願のいくつかの実施例による電池の製造システムの概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願の実施例の目的、技術案と利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例における添付図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭に記述する。明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0024】
特に定義がない限り、本出願に使用される全ての技術と科学用語は、当業者が通常理解している意味と同じであり、本出願において、出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためにのみ使用され、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と請求項及び上記添付図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。本出願の明細書と請求項又は上記添付図面における用語である「第一の」、「第二の」などは、異なる対象を区別するためにのみ使用され、特定の順序又は主従関係を記述するために用いられない。
【0025】
本出願において言及されている「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が、本出願の少なくとも一実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各位置に現れたこの言葉は、必ずしもいずれも同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と排他的に独立した実施例又は代替的な実施例でもない。
【0026】
出願の記述において、特に明確に規定又は限定しない限り、技術用語である「取り付ける」、「繋がる」、「接続」、「装着」の用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体に接続してもよく、直接に繋がってもよく、中間媒体を介して間接的に繋がってもよく、二つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本出願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0027】
本出願における用語である「及び/又は」は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBという三つのケースを含むことを表してもよい。また、本出願におけるキャラクタである「/」は、一般的には前後関連の対象が「又は」の関係であることを表す。
【0028】
本出願の実施例では、同じ添付図面マークは、同じ部品を示し、且つ簡潔のため、異なる実施例において、同じ部品に対する詳細な説明を省略する。理解すべきことは、添付図面に示されている本出願の実施例における様々な部品の厚さ、縦横などのサイズ、及び集積装置の全体的な厚さ、縦横などのサイズは、例示的な説明に過ぎず、本出願に対して任意の限定を構成すべきでない。
【0029】
本出願に現れる「複数」とは、二つ以上(二つを含む)である。
【0030】
本出願では、電池単体は、リチウムイオン二次電池単体、リチウムイオン一次電池単体、リチウム硫黄電池単体、ナトリウムリチウムイオン電池単体、ナトリウムイオン電池単体又はマグネシウムイオン電池単体などを含んでもよく、本出願の実施例は、これについて限定しない。電池単体は、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈することができ、本出願の実施例は、これに限定されない。電池単体は、パッケージ化の方式に応じて、一般的には、円筒型電池単体、角形電池単体とパウチ電池単体という3種類に分け、本出願の実施例は、これにも限定されない。
【0031】
本出願の実施例において言及された電池とは、一つ又は複数の電池単体を含んで、より高い電圧と容量を提供している単一の物理モジュールである。例えば、本出願において言及された電池は、電気キャビネット又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的に、一つ又は複数の電池単体をパッケージ化するための筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物が電池単体の充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0032】
電池単体は、電極コンポーネントと、電解質とを含み、電極コンポーネントは、正極シートと、負極シートと、セパレータとを含む。電池単体は、主に金属イオンが正極シートと負極シートとの間で移動していることによって作動する。正極シートは、正極集電体と、正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布され、正極集電体は、正極集電部と、正極集電部から突出する正極凸部とを含み、正極集電部には、正極活物質層が塗布されており、正極凸部の少なくとも一部には、正極活物質層が塗布されていなく、正極凸部は、正極タブとする。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質層は、正極活物質を含み、正極活物質は、コバルト酸リチウム、りん酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極シートは、負極集電体と、負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されている。負極集電体は、負極集電部と、負極集電部から突出する負極凸部とを含み、負極集電部には、負極活物質層が塗布されており、負極凸部の少なくとも一部には、負極活物質層が塗布されていなく、負極凸部は、負極タブとする。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質層は、負極活物質を含み、負極活物質は、炭素やシリコンなどであってもよい。大電流を通過しても溶断されないことを確保するために、正極タブの数は、複数であり、且つ積層され、負極タブの数は、複数であり、且つ積層されている。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。なお、電極コンポーネントは、巻取式構造であってもよく、積層式構造であってもよく、本出願の実施例は、それに限らない。
【0033】
電池単体は、ハウジングコンポーネントをさらに含んでもよく、ハウジングコンポーネントの内部には、収容室があり、この収容室は、ハウジングコンポーネントが電極コンポーネントと電解質に提供する密閉空間である。
【0034】
電池単体にとっては、主な安全上の危険が充電と放電過程に由来し、その同時に、適切な環境温度設計がある。不必要な損失を効果的に回避するために、電池単体には、一般的に、少なくとも三重の保護手段がある。具体的に、保護手段は、スイッチ素子、適切に選択されたセパレータ材料及び圧力放出機構を少なくとも含む。スイッチ素子とは、電池単体内の温度又は抵抗が一定の閾値に達したときに、電池の充電又は放電を停止させる素子である。セパレータが、正極シートと負極シートを隔離するために用いられ、温度が一定の数値に上がると、それに附着されたミクロンオーダー(ナノオーダー)の微細孔を自動的に溶解することによって、金属イオンにセパレータ上を通過させられず、電池単体の内部反応を終了させることができる。
【0035】
発明者が、電池組立の過程において、複数の電池単体が第一の方向に沿って積層して設置された後、積層して設置されている複数の電池単体をさらに積層して設置することができなくなり、電力消費装置の内部の空間を十分に利用することができなくなり、電池の内部の空間が無駄な問題になったと発見した。単位面積における電力量の需要を満たすために、第一の方向に沿って積層して設置された後の電池単体を多層で積載して設置するが必要があるが、第一の方向に沿って積層して設置された後の複数の電池単体を多層で積載する組立操作は、比較的に複雑である。
【0036】
発明者により発見された上記問題に対して、発明者は、電池の構造を改善した。本出願の実施例に記述された技術案は、電池、及び電池を使用する電力消費装置に適用される。
【0037】
電池は、電気キャビネット又は電池パックであってもよい。
【0038】
電力消費装置は、車両、エネルギー貯蔵電気キャビネット、汽船、宇宙機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリット自動車又はレンジエクステンダー型自動車などであってもよい。宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含む。電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動汽船玩具と電動飛行機玩具などを含む。電動工具は、金属切削電動工具、研削用電動工具、組立電動工具と鉄道用電動工具、例えば、電気ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、インパクトドライバ、コンクリート振動子、電動カンナなどを含む。本出願の実施例は、上記電力消費装置に特に制限されない。
【0039】
以下の実施例に対する説明を容易にするために、電力消費装置が車両1であることを例にして説明する。
【0040】
図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1の構造概略図である。
図1に示すように、車両1の内部には、電池2が設置されており、電池2は、車両1の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池2は、車両1に対する給電に用いられてもよく、例えば、電池2は、車両1の操作電源としてもよい。
【0041】
車両1は、コントローラ4とモーター5とをさらに含んでもよく、コントローラ4は、モーター5に給電する電池2を制御するように用いられ、例えば、車両1の起動、ナビゲーションと走行時の作動電力消費需要に用いられる。
【0042】
本出願のいくつかの実施例では、電池2は、車両1の操作電源としてだけでなく、車両1の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスに代えて又はその一部に代えて車両1に駆動動力を提供することができる。
【0043】
図2と
図3に示すように、それぞれは、本出願の実施例による異なる電池2の構造概略図である。
図4は、本出願の実施例による電池2における電池単体3の分解概略図を示した。
【0044】
電池2において、電池単体3は、一つであってもよく、複数であってもよい。電池単体3が複数である場合、複数の電池単体3間は、直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されてもよく、直並列に接続されることとは、複数の電池単体3において、直列に接続されるものもあり、並列に接続されるものもあることを意味している。複数の電池単体3間は、直接に直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されることで、複数の電池単体3が全体として構成されてもよい。無論、複数の電池単体3がまず、直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されて電池モジュール21を構成し、複数の電池モジュール21が直列に接続され、又は並列に接続され、又は直並列に接続されて一つの全体を形成してもよい。
【0045】
電池モジュール21における複数の電池単体3間は、バスバー部品(図示せず)によって電気接続を実現して、電池モジュール21における複数の電池単体3の並列接続、又は直列接続、又は直並列接続を実現することができる。
【0046】
本出願の実施例による電池単体3は、ハウジングコンポーネント31と、ハウジングコンポーネント31内に収容されている電極コンポーネント32と、を含む。
【0047】
いくつかの実施例では、ハウジングコンポーネント31はさらに、電解質、例えば電解液を収容するために用いられてもよい。ハウジングコンポーネント31は、複数の構造形式であってもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、ハウジングコンポーネント31は、筐体311とカバーコンポーネント312とを含んでもよく、筐体311は、一側が開口している中空構造であり、カバーコンポーネント312は、筐体311の開口箇所にキャッピングされて密封接続を形成して、電極コンポーネント32と電解質を収容するための収容室を形成している。
【0049】
いくつかの実施例では、カバーコンポーネント312は、筐体311の開口箇所にキャッピングされているエンドカバー3121を含む。エンドカバー3121は、様々な構造であってもよく、例えば、エンドカバー3121は、板状構造や、一端が開口している中空構造などである。例示的には、
図4において、筐体311は、直方体構造であり、エンドカバー3121は、板状構造であり、エンドカバー3121は、筐体311の頂部の開口箇所にキャッピングされている。
【0050】
エンドカバー3121は、絶縁材料(例えばプラスチック)により形成されてもよく、導電材料(例えば金属)により形成されてもよい。エンドカバー3121が金属材料により形成されている場合、カバーコンポーネント312は、エンドカバー3121の電極コンポーネント32に向く一側に位置して、エンドカバー3121と電極コンポーネント32とを絶縁して隔てるためのインシュレータをさらに含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、カバーコンポーネント312は、エンドカバー3121上に取り付けられている電極端子3122をさらに含んでもよい。電極端子3122は、二つであり、二つの電極端子3122は、それぞれ正極電極端子と負極電極端子に定義されており、正極電極端子と負極電極端子は、いずれも電極コンポーネント32に電気的に接続されて、電極コンポーネント32による電気エネルギを出力するために用いられる。
【0052】
別のいくつかの実施例では、ハウジングコンポーネント31は、他の構造であってもよく、例えば、ハウジングコンポーネント31は、筐体311と、二つのカバーコンポーネント312とを含み、筐体311は、対向する両側が開口している中空構造であり、一つのカバーコンポーネント312は、筐体311の一つの開口箇所に対応してキャッピングされて密封接続を形成し、電極コンポーネント32と電解質を収容するための収容室を形成している。このような構造において、一つのカバーコンポーネント312に二つの電極端子3122が設けられるが、別のカバーコンポーネント312に電極端子3122が設置されないことであってもよく、二つのカバーコンポーネント312にそれぞれ一つの電極端子3122が設置されてもよい。
【0053】
電池単体3において、ハウジングコンポーネント31内に収容されている電極コンポーネント32は、一つであってもよく、複数であってもよい。例示的には、
図4において、電極コンポーネント32は、二つである。
【0054】
本出願の実施例による電池2では、電池2は、複数の電池モジュール21を含み、各電池モジュール21は、第一の方向Xに沿って積層して設置されている複数の電池単体3を含む。電池単体3は、第二の方向Yに沿って対向して設置されている第一の端面3121aと第二の端面311aとを有し、第一の端面3121aには、電極端子3122が設置されている。複数の電池モジュール21は、第三の方向Zに沿って積層して設置されている。第一の方向X、第二の方向Y、第三の方向Zは、互いに垂直である。
【0055】
第一の方向X、第二の方向Yは、電池単体3の構造と搭載位置関係に基づいて決定される方向であり、異なる電池モジュール21は、それぞれ第三の方向Zに沿って積層して設置されている。第三の方向Zに沿って異なる層の電池モジュール21は、第一の方向Xの向きが同じであり、且つ第二の方向Yの向きも同じであるように設置することができる。第三の方向Zに沿って異なる層の電池モジュール21の第一の方向Xは、互いに垂直であり、第二の方向Yも、互いに垂直であってもよい。
【0056】
各電池モジュール21は、第一の方向Xに沿って積層して設置されている複数の電池単体3を含み、複数の電池単体3は、一列に分布してもよく、複数列に分布してもよい。
【0057】
図5は、複数の電池単体3が2列に分布している実施の形態を示した。
図6は、
図5の分解概略図である。
【0058】
電池単体3が第一の方向Xに沿って積層されるように設置されているが、電極端子3122は、電池単体3の第二の方向Yに沿って対向している一つの側面に設置されているが、第一の方向Xと第二の方向Yが、互いに垂直であり、つまり電池単体3の積層方向と電池単体3上の電極端子3122の向きが互いに垂直であるように設置し、電池単体3が第一の方向Xに沿って積層して設置されることを容易にする。
【0059】
いくつかの例では、第一の端面3121aにのみ電極端子3122が設置され、電極端子3122は、正極端子と、負極端子とを含み、正極端子と負極端子はいずれも、第一の端面3121aに設置されている。
【0060】
別のいくつかの実施例では、第一の端面3121aには、電極端子3122が設置されており、且つ第二の端面311aには、電極端子3122が設置されており、正極端子と負極端子は、それぞれ第一の端面3121aと第二の端面311aのうちの一つに設置されている。
【0061】
第一の方向Xに沿って積層して設置されている電池単体3間は、接着の方法で接続されてもよく、直接貼り合わせられ、又は間隙を空けて設置されてもよい。第三の方向Zに沿って積層して設置されている電池モジュール21は、中間物体によって間隔を空けて設置されてもよく、中間物体によって間隔を空けることなく設置されてもよい。
【0062】
本出願の実施例による電池2は、電池単体3が第一の方向Xに沿って積層して設置され、電池モジュール21を形成するように設置するとともに、電池モジュール21が第三の方向Zに沿って積層して設置されるように設置し、このように電力消費装置、例えば車両1の内部の空間レイアウトに基づき、第一の方向Xの電池単体3の適切な数を設置するとともに、第三の方向Zの電池モジュール21の適切なサイズと数を設置し、第一の方向Xと第三の方向Zの空間を十分に利用し、電池2の電気容量を向上させることができる。また、電極端子3122の向きが電池単体3の積層方向と電池モジュール21の積層方向といずれも異なるため、電池単体3の自体積層方向に沿う間隙及び電池モジュール21の自体の積層方向に沿う間隙を節約することができ、電池2の体積エネルギー密度効果的に向上させることができる。
【0063】
いくつかの実施例では、各電池モジュール21は、第二の方向Yに沿って併設されている複数組の組電池211を含み、各組電池211は、第一の方向Xに沿って積層して設置されている複数の電池単体3を含み、隣接している2組の組電池211の電池単体3の第二の端面311aは、対向して設置されている。
【0064】
電池モジュール21が第二の方向Yに沿って併設されている複数組の組電池211を含むように設置し、このように設置することで、電力消費装置、例えば車両1の第二の方向Yにおける空間を十分に利用し、第二の方向Yの空間利用率を向上させ、さらに電池2の電気容量を向上させることができる。しかし、隣接している2組の組電池211の電池単体3の第二の端面311aが対向して設置されているように設置し、即ち隣接している2組の組電池211の電池単体3の電極端子3122の向きを逆向きにするように設置することで、この隣接している2組の組電池211がより密に配置されることを容易にし、さらに組電池211の第二の方向Yに沿う空間利用率の向上に有利である。同時に、電池2をより便利に組み立て、例えばサンプリングワイヤーハーネスなどの部品の取り付けを便利にすることができる。
【0065】
いくつかの実施例では、電池単体3の筐体311の側壁は、対向して設置されている二つの第一の側壁311bと、対向して設置されている二つの第二の側壁311cとを含み、そのうち、第一の側壁311bの面積は、第二の側壁311cの面積よりも大きく、第一の側壁311bは、第一の方向Xに垂直である。
【0066】
第一の側壁311bが第一の方向Xに垂直であるように設置し、即ち第一の側壁311bが、電池単体3の積層方向に垂直であるように設置し、第一の方向Xに沿って、隣接している電池単体3の第一の側壁311bが、隣接して設置されているが、第一の側壁311bの面積が、第二の側壁311cの面積よりも大きく、即ち第一の側壁311bが、電池単体3の面積が比較的に大きい面であることによって、第一の方向Xに沿って積層して設置されている隣接の電池単体3の面積が比較的に大きい面は、隣接して設置され、電池単体3により形成された組電池211の構造安定性の向上、さらに電池モジュール21と電池2の構造安定性の向上に有利である。
【0067】
いくつかの実施例では、電池モジュール21の一方向に沿う最大サイズは、L1であり、第二の方向Yに沿う最大サイズは、L2であり、L1=L2である。
【0068】
電池モジュール21の第一の方向Xに沿う最大サイズL1は、電池モジュール21の第一の方向Xに沿った任意の2点を結ぶ最長距離であり、同様に、電池モジュール21の第二の方向Yに沿う最大サイズは、L2であり、即ち電池モジュール21の第二の方向Yに沿った任意の2点を結ぶ最長距離である。L1=L2と設置されることによって、電池モジュール21の第三の方向Zに垂直な正投影の矩形包絡は正方形を呈することができ、必要に応じて異なる電池モジュール21の電池単体3の電極端子3122の向きを設置することができ、電池モジュール21の配置の柔軟性の向上に有利である。
【0069】
いくつかの実施例では、隣接している電池モジュール21の電池単体3の第二の端面311aは、互いに垂直である。
【0070】
隣接している電池モジュール21の電池単体3の第二の端面311aが互いに垂直であるように設置し、即ち隣接している電池モジュール21の電池単体3の積層方向、即ち第一の方向Xが、互いに垂直であるように設置する。このように、電池2が振動又は衝撃荷重を受けると、隣接している電池2のモジュールは変形、シフトなどの問題を発生しにくく、隣接している電池モジュール21間の結合強度を向上し、さらに電池2全体の構造強度を向上することに有利である。
【0071】
いくつかの実施例では、L1=L2と設置され、且つ隣接している電池モジュール21の電池単体3の第二の端面311aが互いに垂直であるように設置されて、このように電池2の構造強度を向上させることができるし、電池2の第一の方向Xと第二の方向Yにおける空間利用率を最大にすることができる。
【0072】
いくつかの実施例では、電池2は、隣接している電池モジュール21間に設置されている補強板22をさらに含む。
【0073】
具体的には、補強板22は、隣接している二つの電池モジュール21間及び、第三の方向Zに沿った最も外側の電池モジュール21の外側に設置されてもよく、補強板22は、それに隣接している電池モジュール21とを互いに貼り合わせてもよく、第三の方向Zに沿って互いに間隔を空けて設置されてもよい。このように設置することで、電池2が振動、衝撃などの外部荷重を受けている際に、補強板22によって一部の荷重を受け、電池2の耐荷能力を向上し、電池2が変形、シフトなどの問題を発生しにくいことによって、電池2の全体の構造強度を向上させることができる。
【0074】
補強板22は、単なる板状構造であってもよく、電池2の構造強度の強化のみとして機能される。また、補強板22は、例えば冷却などの他の機能をさらに集積することによって、該当する構造を有することができる。
【0075】
いくつかの実施例では、補強板22内には、流路が形成されており(図示せず)、流路内には、電池モジュール21と熱交換するための流体が収容されている。
【0076】
具体的には、流体は、液体であってもよく、ガスであってもよく、流路内を流して電池モジュール21と熱交換できるものであればよい。
【0077】
理解できるように、電池モジュール21自体が、合理的な温度範囲内に維持されてよりよく作動することができる必要があり、流体が適切な温度を持つように設置されることによって、流体に電池モジュール21を加熱又は冷却させることができる。いくつかの実施例において、電池2が極めて寒い環境で作動し、電池モジュール21を加熱してこそその正常な作動を確保することができる。そのため、流体の合理的な温度を設置して、流体に流路を流している過程で電池モジュール21を加熱させることができる。
【0078】
別のいくつかの実施例では、電池2が正常な環境で作動している場合、電池モジュール21を冷却してこそその正常な作動を確保することができる必要がある。そのため、流体の合理的な温度を設置して、流体に流路を流している過程で電池モジュール21を冷却させることができる。
【0079】
流体を外部と熱交換し、補強板22の内部を流している流体が対応する温度範囲内に常に保持されるために、各補強板22における流路が電池2の外部の関連配管23に直接接続されるように設置してもよく、電池2内の一部又は全ての補強板22の流路が互いに連通されてから、外部と共通に連通されるように設置してもよい。
【0080】
いくつかの実施例では、電池2は、第三の方向Zに沿って隣接している補強板22の流路を連通しているための配管23をさらに含む。
【0081】
具体的には、電池2の内部の補強板22の流路は、配管23によって連通された後、電池2の外部の関連配管23に接続し、流路内の流体が外部と熱交換することを容易にする。このように設置することで、補強板22内の流路が外部と連通している構造を簡略化することができる。
【0082】
電池単体3が組電池211又は電池2のモジュールに組み立てられる過程において、電池単体3を直接積載してもよく、他の構造によって電池単体3とともに組み立ててもよい。
【0083】
いくつかの実施例では、電池モジュール21は、積層して設置されている複数の電池単体3の第一の方向Xに沿う両側に設置されているエンドプレート212をさらに含む。電池2は、電池モジュール21の外周側に周設されているフレーム24をさらに含み、エンドプレート212は、電池モジュール21とフレーム24を接続する。
【0084】
具体的には、エンドプレート212は、組電池211又は電池2のモジュールの電池単体3の積層方向に沿う両側に設置されている。各電池2のモジュールが二つのエンドプレート212に対応してもよく、各組電池211にはいずれも二つのエンドプレート212に対応して設置されてもよい。エンドプレート212は、電池単体3が積層して設置されている過程において、電池単体3の組み立てに有利であり、且つエンドプレート212は、電池単体3を保護する役割を果たし、電池単体3が組み立て中に破損するなどのリスクを低減する。しかし、フレーム24を設置することでさらに電池モジュール21を保護し、電池モジュール21の使用寿命を向上させることができる。
【0085】
理解できるように、エンドプレート212は、電池モジュール21の一部として、電池モジュール21のL1=L2を設置する実施例において、電池モジュール21の第一の方向Xに沿う最大サイズL1及び第一の方向Xに沿う最大サイズL2は、それぞれ電池単体3とエンドプレート212を組み合わせた後に第一の方向Xと第二の方向Yに沿う最大サイズであり、このように設置することで、電池単体3とエンドプレート212とを組み立てた後の構造体は方形包絡を呈している。
【0086】
エンドプレート212とフレーム24は、直接当接されてもよく、ネジ接続されてもよく、係合接続されてもよい。
【0087】
図7は、フレーム24とエンドプレート212の接続構造の局所拡大概略図を示した。
【0088】
いくつかの実施例では、エンドプレート212には、第一のボス212aが形成されており、フレーム24には、第二のボス24bが形成されており、第二のボス24bは、第一のボス212aに係合接続されている。
【0089】
具体的には、第一のボス212aと第二のボス24bは、同時に第一の方向Xに向かって、又は同時に第二の方向Yに向かって突設されてもよい。
図7に示すように、取り付ける過程で、フレーム24は、電池モジュール21の周側に嵌められ、フレーム24を第三の方向Zに沿って移動して、第二のボス24bを第一のボス212aの上側から第一のボス212aに徐々に近づけさせ、両者が第一の方向Xに部分的に重なる場合、締まりばめを形成し、第二のボス24bは、第三の方向Zに沿って移動し続け、第二のボス24bが第一のボス212aを通り第一のボス212aの下側に位置するまで、フレーム24への付勢を停止し、第一のボス212aの第二のボス24bに対する係止作用により、第二のボス24bが、外力が作用しない場合、第一のボス212aの上側に戻ることができず、即ち第一のボス212aと第二のボス24bの係合接続を完了する。
【0090】
理解できるように、エンドプレート212とフレーム24との係合接続を設置することで、エンドプレート212とフレーム24が一定の接続強度を有することを確保できると同時に、接続穴などの構造を設置することで電池2の内部密封性を低減する可能性を低減することもできる。
【0091】
電池2の一つの電池モジュール21が一つのフレーム24に対応するように設置してもよく、一つの電池2の複数の又は全ての電池モジュール21が一つのフレーム24に対応するように設置してもよく、ここで制限しない。
【0092】
いくつかの実施例では、電池2は、第三の方向Zに沿って積層して設置されている複数のフレーム24を含み、第三の方向Zに沿って隣接しているフレーム24は、密封接続されている。
【0093】
一つのフレーム24が一つの電池モジュール21の周側のみに周設され、即ち一つのフレーム24が一つの電池モジュール21に対応するように設置してもよく、一つのフレーム24が、複数の電池モジュール21の周側に周設されており、即ち一つのフレーム24が複数の電池モジュール21に対応するように設置してもよく、具体的な応用状況に応じて合理的に選択してもよい。隣接しているフレーム24は、シール剤を塗布する方式で密封接続されてもよく、両者間でシールを設置して両者の密封接続を実現してもよい。隣接しているフレーム24が密封接続されるように設置することで、外部の水や酸素などが電池モジュール21の内部に入ることを効果的に低減し、さらに外部の水や酸素が電池単体3に一定の腐食を与える可能性を低減することができる。
【0094】
図8に示されるように、本出願の別の実施例による電池の構造概略図である。
【0095】
いくつかの実施例では、電池2は、取付ラック25をさらに含み、複数の電池モジュール21は、フレーム24によって取付ラック25に接続されている。
【0096】
具体的には、取付ラック25の全体の構造パターンは、積載された電池モジュール21の全体の構造パターンと適合する。電池モジュール21がフレーム24によって取付ラック25に接続されているように設置し、取付ラック25が電池モジュール21の支持構造として、電池モジュール21の重量を載置するとともに、電池2が衝撃を受けると、取付ラック25は、電池モジュール21のために一部の衝撃、振動荷重を阻止し、電池モジュール21が外部の衝撃、振動を受けて破損する可能性を低減することができる。そのため、フレーム24を設置することによって、電池2の全体の構造強度を向上させ、電池2の運送と取り付けを容易にし、電池2の使用寿命を向上させることに有利である。
【0097】
いくつかの実施例では、
図9と10に示すように、取付ラック25には、取付板251が形成されており、隣接している2層のフレーム24は、取付板251によって接続されている。
【0098】
取付板251は、真っ直ぐな板状であってもよく、「L」形又は他の形状の板状であってもよく、隣接している梁層フレーム24を接続すればよい。
【0099】
取付板251は、取付ラック25が製造されている過程において取付ラック25と一体成形されてもよく、個別に成形された後に取付ラック25に取り付けられてもよく、ここで制限しない。
【0100】
いくつかの実施例では、
図9と
図10に示すように、取付板251が第一の取付穴251aを有し、フレーム24が第二の取付穴24aを有するように設置し、隣接している二つのフレーム24は、それぞれ取付板251の第三の方向Zに沿う両側に設置されており、隣接している二つのフレーム24は、それぞれ第二の取付穴24aによって取付板251上の第一の取付穴251aに接続されているように設置することができる。
【0101】
理解できるように、取付ラック25には、取付板251が形成されており、取付板251がフレーム24によって電池モジュール21に接続されるように設置することで、予めフレーム24及び電池モジュール21の取り付け位置に基づき、適切な接続板の位置を設置することができ、このように、電池モジュール21とフレーム24の位置を設置することを容易にし、電池モジュール21とフレーム24が取付ラック25に接続されている過程で位置ずれ又は変形が発生する可能性を回避し、取り付け誤差を低減し、電池2の密封性の向上に有利である。
【0102】
図11は、本出願のいくつかの実施例による電池単体3の製造方法のフローチャートである。
【0103】
本出願の実施例による電池2の製造方法は、以下を含む。
【0104】
S10、複数の電池単体3を提供し、電池単体3は、対向して設置されている第一の端面3121aと第二の端面311aとを第二の方向Yに沿って有し、第一の端面3121aには、電極端子3122が設置されている。
【0105】
S20、複数の電池単体3を第一の方向Xに沿って積層して設置して、電池モジュール21を形成する。
【0106】
S30、複数の電池モジュール21を第三の方向Zに沿って積層して設置し、そのうち、第一の方向X、第二の方向Y及び第三の方向Zは、互いに垂直である。
【0107】
なお、上記電池2の製造方法によって製造された電池2の関連構造は、上記各実施例による電池2を参照すればよい。
【0108】
図12は、本出願のいくつかの実施例による電池2の製造システム100の例示的なブロック図である。
【0109】
図12に示すように、本出願の実施例の電池2の製造システム100は、
複数の電池単体3を提供するための提供モジュール110であって、電池単体3は、対向して設置されている第一の端面3121aと第二の端面311aとを第二の方向Yに沿って有し、第一の端面3121aには、電極端子3122が設置されている提供モジュール110と、複数の電池単体3を第一の方向Xに沿って積層して設置して、電池モジュール21を形成するための第一の組み立てモジュール120と、複数の組み立てモジュールを第三の方向Zに沿って積層して設置するための第二の組み立てモジュール130であって、第一の方向X、第二の方向Y及び第三の方向Zは、互いに垂直である第二の組み立てモジュール130とを含む。
【0110】
上記製造システム100によって製造された電池2の関連構造は、上記各実施例による電池2を参照すればよい。
【0111】
なお、衝突しない場合、本出願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせられてもよい。
【0112】
最後に説明すべきことは、以上の各実施例が本出願の技術案を説明するためにのみ使用されるが、それに限定されるものではない。前記各実施例を参照しながら本出願を詳細に説明したが、当業者は、依然として前記各実施例に記載された技術案を修正し、又はその一部又の技術特徴に同等の置き換えを行うことができるが、これらの修正又は置き換えは、該当する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の精神及び範囲から逸脱させないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0113】
1、車両;2、電池;21、電池モジュール;211、組電池;212、エンドプレート;212a、第一のボス;22、補強板;23、配管;24、フレーム;24a、第二の取付穴;24b、第二のボス;25、取付ラック;251、取付板;251a、第一の取付穴;3、電池単体;31、ハウジングコンポーネント;311、筐体;311a、第二の端面;311b、第一の側壁;311c、第二の側壁;312、カバーコンポーネント;3121、エンドカバー;3121a、第一の端面;3122、電極端子;32、電極コンポーネント;4、コントローラ;5、モーター; 100、製造システム;110、提供モジュール;120、第一の組み立てモジュール;130、第二の組み立てモジュール;X、第一の方向;Y、第二の方向;Z、第三の方向。
添付図面において、添付図面は、実際の比率で描かされていない。
【国際調査報告】