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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】経時的な建物建設のデータ管理
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20231107BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023520202
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2021077002
(87)【国際公開番号】W WO2022069665
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】LU102102
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】LU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523117306
【氏名又は名称】スペース タイム エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アガージャニ,シャフリヤール
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
本発明は建物の建設のデータ管理の方法を対象とし、本方法は、(a)建物の3Dデータを取得するように、レーザースキャナ(18)を用いて、建物を光学的に3Dスキャンするステップと、(b)3Dデータを記憶するステップと、(c)異なる時点T,T,T,T,Tでステップ(a)及び(b)を繰り返すステップと、(d)選択時、異なる時点T,T,T,T,Tのいずれかで3Dデータを表示することを可能にする時点セレクターで前記3Dデータを表示するように、異なる時点T,T,T,T,Tで取得された3Dデータをフォーマットするステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の建設のデータ管理の方法であって、
(a)前記建物の3Dデータを取得するように、レーザースキャナ(18)を用いて、前記建物を光学的に3Dスキャンするステップ(20)と、
(b)前記3Dデータを記憶するステップ(22)と、
(c)異なる時点(T,T,T,T,T)で(a)及び(b)を繰り返すステップと、
追加ステップ、つまり、
(d)選択時、前記異なる時点(T,T,T,T,T)のいずれかで前記3Dデータを表示することを可能にする時点セレクター(28)で前記3Dデータを表示するように、前記異なる時点(T,T,T,T,T)で取得された前記3Dデータをフォーマットするステップ(24)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記異なる時点(T,T,T,T,T)は前記建物の異なる建設段階に一致する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記建物の前記建設段階の間で、各段階は、前記建物の追加機器(6,8,10,12)または建設材料(26)が搭載または付属される点で前段階と異なる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(d)は、さらに、名称及びジオメトリを少なくとも1つの物体のそれぞれに割り当てることによって、各時点で、前記3Dデータの前記少なくとも1つの物体(6,10)を特徴付けることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの物体は、前記建物に搭載された機器または前記建物に付属された建設材料のユニットに一致する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(d)で、前記少なくとも1つの物体(6,10)は、ディスプレイ上のポインタを用いて、前記少なくとも1つの物体を選択することによって、前記物体の名称、位置、及び/または寸法を表示するように特徴付けられる、請求項4または5の1項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(d)で、特徴付けられた少なくとも1つの物体(6,10)のそれぞれは、前記建物のプロジェクトで記憶された前記物体のビルディングインフォメーションモデリングBIMと比較される、請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
(e)少なくとも1つの特徴付けられた物体を前記物体の対応するBIMと比較し、前記物体のコンプライアンスノートを出力するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
建設中の前記建物に対して前記レーザースキャナ(18)を同じ場所に位置付けることによって、または前記レーザースキャナ(18)が位置付けられる異なる場所を補償するように、取得された3Dデータを補正することによって、ステップ(c)に従って、ステップ(a)は異なる時点(T,T,T,T,T)で実行される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)、(b)、(c)、及び(d)は、建設中の前記建物の異なる現場で実行される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(d)は、ユーザーが、前記時点セレクター(28)で前記時点を選択することによって、前記異なる時点(T,T,T,T,T)のいずれかで建設中の前記建物を表示することを可能にするファイルのセットを生成することを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(d)で生成された前記ファイルのセットにより、建設中の前記建物の前記現場のそれぞれを選択的に表示することが可能になる、請求項10及び11に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(d)で、前記時点セレクター(28)は、表示された3Dデータの底部に位置する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物建設の分野を対象とし、より具体的には、建物建設の管理を対象とする。
【背景技術】
【0002】
最近、建物は、コンピュータープログラムによって、具体的には、ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)を使用して設計されている。しかしながら、建設ステップについて、様々なステップが主に手動で行われ、また現場監督によって監督されている点で標準的なままである。様々な理由で、手を使う作業者と、また作業者を管理する現場監督は、必ずしも建物の計画に厳密に従う必要はないことが知られている。結果として、建物の要素は、その位置及び/または数に関して、計画で予測されたのものと異なる。また、特定の要素が適切に埋め込まれ、建物で決定された場所を相互接続する場合、漆喰及びコンクリートスクリードに埋め込まれた電気ケーブル及び水配管のような特定の要素を特定の場所に設置する必要はない。現在、設置された時点で、ただし、ケーブル及び配管に、漆喰を塗布する前に、またはスクリードを注ぐ前に、そのようなケーブル及び配管の写真を撮っている。しかしながら、電子フォーマットでさえも写真は低品質になり、もしそうでない場合、例えば、後で技術的制約によりそれらの近くで穴を掘ることになると、いずれにしても、その正確な位置に関する情報の制限をもたらす。
【0003】
先行技術の特許文献として公開されている韓国登録特許第10-1392566号公報では、3Dレーザースキャナ及びコンピューターデバイスを使用して、建物の品質を管理する方法が開示されている。建設中の建物の特定の建築部材の取得された3Dデータは3DのCADモデルを用いてマージされ、寸法誤差を計算し、建築部材を再構成または交換するかどうかを判定することを可能にする。
【0004】
先行技術の特許文献として公開されている特開2002-021329号公報では、前述の参照文献と同様に、3Dレーザースキャナを使用して、建物の品質を管理する方法が開示されている。本方法は、建物の様々な建設要素の適所で起こり得るシフトを検出及び記録するために、獲得された3Dデータを元の設計データと比較することを提供する。
【0005】
建設中の建物を監督及び管理するための3Dスキャンの使用は、特許文献として公開されている特開2005-213972号公報及び特開2012-003435号公報からも知られている。
【0006】
しかしながら、具体的には、建物の建設の終了後の特定の時間で、修復作業または適応作業を検討するとき、すなわち、特定の埋め込まれた要素、またはより多くの見える要素の正確な位置が必要であるとき、欠点が残っている。また、これは、欠陥工事が観察されるときに該当し、建物の建設に関わる会社のそれぞれの責任が潜在的に関係する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1392566号公報
【特許文献2】特開2002-021329号公報
【特許文献3】特開2005-213972号公報
【特許文献4】特開2012-003435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の先行技術の少なくとも1つの欠点を克服する技術的課題がある。より具体的には、本発明は、具体的には建物の建設の終了後、いくつかの建設段階のデータへのアクセスを提供する建物の建設のデータ管理を提供する技術的課題がある。前記データは、建築されるような建物の異なる構成要素及び要素に関する有用で、正確な、及び活用できる情報を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は建物の建設のデータ管理の方法を対象とし、本方法は、(a)建物の3Dデータを取得するように、レーザースキャナを用いて、建物を光学的に3Dスキャンするステップと、(b)3Dデータを記憶するステップと、(c)異なる時点でステップ(a)及び(b)を繰り返すステップと、を含み、本方法は、追加ステップ、つまり、(d)選択時、異なる時点のいずれかで3Dデータを表示することを可能にする時点セレクターで前記3Dデータを表示するように、異なる時点で取得された3Dデータをフォーマットするステップと、を含む。
【0010】
有利に、異なる時点の間の時点の選択は、建物全体の3Dデータの表示に適用される。次に、選択時点ごとに、3Dデータを表示することによって、建物を地理的にナビゲートできる。また、異なる時点で選択的に3Dデータを表示することによって、建築時間中、ナビゲートできる。
【0011】
好ましい実施形態によると、異なる時点は建物の異なる建設段階に一致する。
【0012】
好ましい実施形態によると、建物の建設段階の間で、各段階は、建物の追加機器または建設材料が搭載または付属される点で前段階と異なる。
【0013】
好ましい実施形態によると、ステップ(d)は、さらに、名称及びジオメトリを少なくとも1つの物体のそれぞれに割り当てることによって、各時点で、3Dデータの前記少なくとも1つの物体を特徴付けることを含む。
【0014】
好ましい実施形態によると、少なくとも1つの物体は、建物に搭載された機器または前記建物に付属された建設材料のユニットに一致する。
【0015】
好ましい実施形態によると、ステップ(d)で、少なくとも1つの物体は、ディスプレイ上のポインタを用いて、前記少なくとも1つの物体を選択することによって、物体の名称、位置、及び/または寸法を表示するように特徴付けられる。
【0016】
好ましい実施形態によると、ステップ(d)で、特徴付けられた少なくとも1つの物体のそれぞれは、建物のプロジェクトで記憶された前記物体のビルディングインフォメーションモデリングBIMと比較される。
【0017】
好ましい実施形態によると、本方法は、さらに、(e)少なくとも1つの特徴付けられた物体を前記物体の対応するBIMと比較し、前記物体のコンプライアンスノートを出力するステップを含む。
【0018】
好ましい実施形態によると、建設中の建物に対してレーザースキャナを同じ場所に位置決めることによって、またはレーザースキャナが位置付けられる異なる場所を補償するように、取得された3Dデータを補正することによって、ステップ(c)に従って、ステップ(a)は異なる時点で実行される。
【0019】
好ましい実施形態によると、ステップ(a)、(b)、(c)、及び(d)は、建設中の建物の異なる現場で実行される。
【0020】
好ましい実施形態によると、ステップ(d)は、ユーザーが、時点セレクターで時点を選択することによって、異なる時点のいずれかで建設中の建物を表示することを可能にするファイルのセットを生成することを含む。
【0021】
好ましい実施形態によると、ステップ(d)で生成されたファイルのセットにより、建設中の建物の現場のそれぞれを選択的に表示することが可能になる。
【0022】
有利に、前記表示デバイスの配向に応じて視点を自動的に変化させるように、前記表示デバイスの慣性センサーと接続された表示デバイスで、異なる時点のいずれかで建設中の建物を表示することを可能にするように、ステップ(d)で、ファイルのセットが生成される。そのような表示デバイスは、有利に、タブレットPCである。
【0023】
有利に、前記建物の事前に選択された異なるエリアに選択的に建設中の建物を表示することを可能にするように、ステップ(d)で、ファイルのセットが生成される。
【0024】
好ましい実施形態によると、ステップ(d)で、時点セレクターは、表示された3Dデータの底部に位置する。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、様々な建設段階に関する建物の有用な技術的なデータを記録及び提供するために、処理能力が高いツールを提供するという点に特に着目している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に従ってスキャンされる建設中の建物の概略図である。
図2】本発明による、建物の建設のデータ管理の方法のメインステップを示すフローチャートである。
図3】本発明による、図1の建物の建設の3つの段階と、スキャンされた3Dデータの結果として生じる表示とを概略的に示す。
図4】本発明による、特徴付けられた建物の要素の情報の表示の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、特定の建設段階で部屋の3Dデータを取得及び記憶するためにスキャンされる、建設中の建物の部屋を概略的に遠近法で示す。
【0028】
これは明らかなように、部屋は、ドア用の開口部4がある第1の壁2を含む。壁は、交互になる配置で一緒に組み立てられた、コンクリート、または漆喰のような任意の他の一般的または適切な材料のブロックもしくはレンガから作られている。したがって、まぐさ6は、前記開口部4の上方にブロックまたはレンガを適切に支持するために、開口部4の最上部に設けられる。開口部4の隣にある壁24では、キャビティは、スイッチを支持する電気ボックス8を受けるために形成される。垂直溝は、電気ケーブルを受ける壁管10を設置するために、電気ボックス8の真下に壁2に形成される。その管は、床14の全体にわたって、例えばコンクリート平板の全体にわたって、他の壁16まで、床管12と一緒にさらに延長し、壁16には、別のキャビティは、床管に接続された電気ボックスも受けるために形成され、壁管10は壁16で垂直に延長する。電気ボックス8、及び管10ならびに管12が適切に設置されると、組み立てられたブロックから作られた壁2及び壁16は漆喰で覆うことができ、コンクリート平板は、コンクリートスクリードで覆うことができる。漆喰の層が壁に塗布されると、まぐさ6、及び管10ならびに管12はもはや見えなくなることを理解されたい。これは、それらのタイプ、寸法、及び/または位置は、漆喰及びスクリードを破壊的に除去する場合を除いて、もはや制御できないことを意味する。漆喰層の下に電気ケーブルの存在を検出するために設計された検出器が存在するが、ローカル情報及び近似情報が提供される。
【0029】
これは、建設中の建物の建設段階の概略的で簡略化された図であり、これは決して本発明を制限しないことが理解される。
【0030】
壁2ならびに壁16、及び床14をスキャンすることが可能になるように、3Dスキャン18は部屋に位置付けられる。一般的な方式で、スキャナはアクティブで非接触タイプであり、すなわち、いくつかの種類の放射線または光を放射し、物体または環境を精査するために、物体を通過するその反射光または放射線を検出する。使用される可能性がある発光のタイプは、光、超音波、またはX線である。有利に、3Dスキャンは円錐状の視野でレーザー光を放射し、同様のカメラは、不明瞭ではない表面に関する情報だけを収集できる。カメラがその視野内の表面に関する色情報を収集するが、3Dスキャンはその視野内の表面に関する距離情報を収集する。レーザーを使用して、光パルスを放射し、検出器が反射光を検知するまでの時間を測定する。光の速度が知られているため、往復時間により、光の伝搬距離が決定され、その距離はスキャナと表面との間の距離の2倍である。3Dスキャンによって生成された「写真」により、写真の各点における表面までの距離が表される。これにより、写真の各点の3次元位置を識別することを可能にする。上記の技術は、そのように十分に既知であり、商業化が可能である。
【0031】
図2は、本発明による、建物の建設のデータ管理のメインステップを示すフローチャートである。建物の建設の段階1に対応する時間Tで、ステップ20のように、前記建物は光学的に3Dスキャンされ、ステップ22のように、取得された3Dデータを保存する。建物の建設の段階2に対応する時間Tで、ステップ20及びステップ22を繰り返し、すなわち、前記建物を光学的に3Dスキャンし、取得された3Dデータを記憶する。言い換えれば、いくつかの時点T,T,…Tのときに、ステップ20及びステップ22を繰り返す。時点Tにおけるステップ20及び22の後に、異なる時点T,T,…Tにおける同じ建物の記憶された3Dデータは、ユーザーによる適切な選択によって、時点T,T,…Tのいずれかで、ユーザーに表示するように一緒にフォーマット及びコンパイルされる。
【0032】
図3は、例えば、時点T,T,T,及びTにおける、図1の建物を建設するための3段階の概略図である。
【0033】
時点Tにおける段階1で、ブロック26は、開口部4を形成しながら壁2を形成するために、交互になる配置で一緒に組み立てられる。
【0034】
時点Tにおける段階2で、まぐさ6は、開口部4の最上部にブロック26に設置されており、追加のブロック26は、壁2を仕上げるように、まぐさ6に設置されている。
【0035】
時点Tにおける段階3で、キャビティは開口部4の側に壁2に形成されており、電気ボックス8はキャビティの中に設置されている。また、垂直溝も電気ボックス8の下にある壁2に形成されており、電気管10は垂直溝の中に設置されている。
【0036】
さらに図示しない時点Tにおける段階4で、壁2は漆喰の層で全体的に覆われ、その結果、ブロック26、まぐさ6、及び電気壁管10はもはや見えなくなり、これは、原則として、漆喰が除去されない限り見えない。
【0037】
段階1~4のそれぞれで、図1にあるような3Dスキャン18は、壁2をスキャンし、3Dデータを取得するために使用されている。これらのデータが別々に記憶された後、時点T,T,T,またはTを選択することによって、異なる段階1~4で選択的に壁2を表示するためにマージ及びフォーマットされる。例えば、図3では、時点Tに対応する段階3における壁を表示し、まぐさ6及び電気壁管10が示される一方、実際には、段階4で、漆喰の層は既に塗布されている。
【0038】
3Dデータの表示は、図3の画像のように、時点Tのセレクター28を含む。このセレクターは、スライダー、ドロップダウンメニュー等のような様々な形態を取ることができる。
【0039】
有利に、光学3Dスキャンの各ステップで取得された3Dデータがレジスタに入れられることにより、時間内でナビゲートするとき、例えば、図1及び図3の開口部4のような参照物体または参照形状は、ディスプレイ上の同じ位置にあるままである。これにより、建物建設の過程の協議がより満足がいき、これは必ず生じるわけではない。実際には、異なる時点での3Dデータ画像間のわずかなシフトは容認可能である。
【0040】
図4は、図3にあるようなフォーマット済みの3Dデータを示し、さらに、建設要素の一部が特徴付けられている。例えば、図2のフォーマットステップ24の間、まぐさ6は、その外側輪郭によって区切られた物体または要素として検討されることを特徴とし、その物体または要素に対する名称及び特徴は、例えば、純粋に例示的な種類の120cmの長さがある14/14cmのコンクリートまぐさ等のまぐさのタイプのように関連付けられる。この情報は3Dデータで電子的に記憶され、3D画像データに関する要素を選択するときに利用可能である。追加情報は、その輪郭及びその位置の定義と同じように関連付けできる。同様に、電気壁管10は、直径が20mmであるPVCと同じような管のタイプに特徴付けできる。また、前記軸及びあるエリアにおける任意の他の要素または点を選択することによって、縦軸30からの任意の距離を容易に計算できるように、電気壁管10の縦軸30を定義できる。例えば、開口部4の内側垂直面4.1と電気管10の縦軸30との間の距離は、ディスプレイ上でそれらの要素のそれぞれを選択し、それらの要素の間の距離を計算する距離ツールをアクティブにすることによって容易に取得できる。
【0041】
建設要素または建設材料のこの特徴付けは、原則として、光学3Dスキャンによって取得された3Dデータをフォーマットするとき、手動でまたは部分的に手動で行われる。これは、そのような要素を検出し、例えば、形状及び/または寸法に基づいて、特性付けをすぐに提案する特定のコンピュータールーチンによって部分的に自動化できる。次に、3Dデータのフォーマットを実行するオペレーターは、そのような提案をそのまま容認したり、拒否または修正することができる。オペレーターは、また、ルーチンによって自動的に検出されていない場合がある物体を特徴付けできる。
【0042】
要素の特徴付けは設計データと比較できる。より具体的には、最近、ビルディングインフォメーションモデリングまたはBIM、すなわち、施設の物理的特性及び機能特性のデジタル表現を含むファイル(頻繁であるが、常にではなく、固有のフォーマットであり、固有のデータを含むファイル)を使用することが一般的になっており、そのファイルは、建築資産に関する意思決定をサポートするために、抽出、交換、またはネットワーク化できる。実際に、BIMはハリ、パイプ、コンクリート要素等のような様々な標準的な物体または少なくとも現存の物体に関する利用可能なモデルのライブラリから取得される。
【0043】
例として、図4のまぐさ6は、定義された実際の輪郭がある所与のタイプのようなまぐさとして記録されることを特徴とする。まぐさ6は、設計データのまぐさの定義、例えば、BIMの定義と比較できる。したがって、実際の輪郭と理論的な輪郭との比較により、設計データと実際の建造物を一致させる客観的指標を提供できる。
【0044】
図3に示されるように、例えば、セレクター28で時点Tを選択することによって、3Dデータを画像として表示することに関して、前記表示デバイスの配向に応じて、表示された画像の視点を自動的に変化させるように、前記表示デバイスの1つ以上の慣性センサー及び/または位置決め手段と接続されたタブレットPCのような表示デバイスに表示できる。これにより、表示デバイスの単純運動、具体的には建物自体で対応する視点の変化をもたらし、すなわち、表示デバイスの運動に従って、表示される画像が移動するという点で、情報によりナビゲーション及び経験が著しく高まる。
【0045】
また、建設中の建物を表示することは、前記建物の選択エリアで可能である。そのような異なるエリアは、表示された画像上のボタンまたはアイコンによって、事前に選択でき、選択可能である。また、これにより、情報により、ナビゲーション及び経験が著しく高まる。
【0046】
上記の説明は、本発明の開示を分かりやすくするために、ドア開口部及びそれに隣接する電気ボックスがある壁の単純な例に基づいている。実際には、建物は、ここで示されるシングルルームよりも複雑である。これは、異なる光学3Dスキャン動作によって取得されたいくつかの3Dデータのファイルは、壁または部屋のような建物の部分の間で3Dデータ及び画像の連続するものを取得するためにマージされる必要があり得ることを意味する。また、本質的に、接続またはマージする必要がない個々の建物の現場に関して、全ての3Dデータを必ずしもマージする必要がないことは明らかである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の建設のデータ管理の方法であって、
(a)前記建物の3Dデータを取得するように、レーザースキャナ(18)を用いて、前記建物を光学的に3Dスキャンするステップ(20)と、
(b)前記3Dデータを記憶するステップ(22)と、
(c)異なる時点(T,T,T,T,T)で(a)及び(b)を繰り返すステップと、
追加ステップ、つまり、
(d)選択時、前記異なる時点(T,T,T,T,T)のいずれかで取得された前記3Dデータを表示することを可能にする時点セレクター(28)で、画像として表示された前記3Dデータに含まれる前記3Dデータを画像として表示するように、前記異なる時点(T,T,T,T,T)で取得された前記3Dデータをフォーマットするステップ(24)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記異なる時点(T,T,T,T,T)は前記建物の異なる建設段階に一致する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記建物の前記建設段階の間で、各段階は、前記建物の追加機器(6,8,10,12)または建設材料(26)が搭載または付属される点で前段階と異なる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(d)は、さらに、名称及びジオメトリを少なくとも1つの物体のそれぞれに割り当てることによって、各時点で、前記3Dデータの前記少なくとも1つの物体(6,10)を特徴付けることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの物体は、前記建物に搭載された機器または前記建物に付属された建設材料のユニットに一致する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(d)で、前記少なくとも1つの物体(6,10)は、ディスプレイ上のポインタを用いて、前記少なくとも1つの物体を選択することによって、前記物体の名称、位置、及び/または寸法を表示するように特徴付けられる、請求項4または5の1項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(d)で、特徴付けられた少なくとも1つの物体(6,10)のそれぞれは、前記建物のプロジェクトで記憶された前記物体のビルディングインフォメーションモデリングBIMと比較される、請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
(e)少なくとも1つの特徴付けられた物体を前記物体の対応するBIMと比較し、前記物体のコンプライアンスノートを出力するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
建設中の前記建物に対して前記レーザースキャナ(18)を同じ場所に位置付けることによって、または前記レーザースキャナ(18)が位置付けられる異なる場所を補償するように、取得された3Dデータを補正することによって、ステップ(c)に従って、ステップ(a)は異なる時点(T,T,T,T,T)で実行される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)、(b)、(c)、及び(d)は、建設中の前記建物の異なる現場で実行される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(d)は、ユーザーが、前記時点セレクター(28)で前記時点を選択することによって、前記異なる時点(T,T,T,T,T)のいずれかで建設中の前記建物を表示することを可能にするファイルのセットを生成することを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(d)で生成された前記ファイルのセットにより、建設中の前記建物の前記現場のそれぞれを選択的に表示することが可能になる、請求項10及び11に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(d)で、前記時点セレクター(28)は、表示された3Dデータの底部に位置する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】