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特表2023-550003カートリッジシステム、飲料調製機械、および、カートリッジシステムの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】カートリッジシステム、飲料調製機械、および、カートリッジシステムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B67D 3/00 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
B67D3/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023513969
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2021079270
(87)【国際公開番号】W WO2022084475
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】102020213332.8
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020213333.6
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020215361.2
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020215357.4
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021202394.0
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021202395.9
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021202396.7
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518245593
【氏名又は名称】フレーツィオ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー、 マルク
(72)【発明者】
【氏名】エムプル、 ギュンター
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC05
(57)【要約】
飲料調製機械に挿入可能であり、飲料物質が充填される貯蔵領域を含むカートリッジとこのカートリッジに接続されるカートリッジ受け部材とを備え、カートリッジ受け部材が、貯蔵領域に流体接続可能な混合チャンバとこの混合チャンバに開口する流体供給部とを有し、カートリッジがカートリッジ壁部を有するとともに、カートリッジ壁部が封止要素を取り付けるためのフランジ領域を備えていることを特徴とする、飲料を生成するためのカートリッジシステム。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製機械に挿入可能で、飲料物質(7)が充填された貯蔵領域(6)を含むカートリッジ(2)を有し、前記カートリッジ(2)に接続されるカートリッジ受け部材(10)を有し、前記カートリッジ受け部材(10)が、前記貯蔵領域(6)に流体接続可能な混合チャンバ(8)と前記混合チャンバ(8)に開口する流体供給部(12)とを有し、前記カートリッジ(2)がカートリッジ壁部(2’’)を有する、飲料(70)を生成するためのカートリッジシステム(1)であって、
前記カートリッジ壁部(2’’)が、封止要素(18)を取り付けるためのフランジ領域(4)を備えていることを特徴とする、カートリッジシステム(1)。
【請求項2】
前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ壁部(2’’)の口部領域として前記カートリッジ壁部(2’’)の縁部(2’’’’)に構成されている、請求項1に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項3】
前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ壁部(2’’)の径方向外側に突出する領域として構成されている、請求項1または請求項2に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項4】
前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ壁部(2’’)上において円周方向全体に、特に、前記カートリッジ壁部(2’’)の周囲全体にわたって形成されている、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項5】
前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ壁部(2’’)の厚肉化領域を用いて形成されている、請求項1~請求項4の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項6】
前記カートリッジ(2)が、カップ状の構成を有する本体(2’)を備え、
前記本体(2’)が、前記カートリッジ壁部(2’’)を用いて形成され、
前記カートリッジ壁部(2’’)が、一方側においてカートリッジベース部(2’’’)により閉止され、
前記本体(2’)が、前記貯蔵領域(6)を備えている、請求項1~請求項5の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項7】
前記カートリッジ壁部(2’’)が、前記カートリッジベース部(2’’’)の方向に前記フランジ領域(4)と隣接して配置されているセカンダリ領域(5)を備えるとともに、前記フランジ領域(4)におけるよりも前記セカンダリ領域(5)においてより小さい壁厚を有している、請求項6に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項8】
前記カートリッジ壁部(2’’)が、前記カートリッジ受け部材(10)にカートリッジ(2)を接続する接続手段、特に、包囲形状の接続手段を有し、
前記接続手段(20)が、1つまたは複数の掛止溝部および/または1つまたは複数の掛止ビード部および/または1つまたは複数のアンダカット部および/または雄ねじを備えている、請求項1~請求項7の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項9】
前記接続手段(20)が、前記フランジ領域(4)から離間して形成されているとともに、前記フランジ領域(4)からカートリッジベース部(2’’’)の方向にオフセットして配置されている、請求項8に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項10】
前記接続手段(20)が、前記セカンダリ領域(5)に隣接して前記カートリッジベース部(2’’’)の方向にオフセットして配置されている、請求項8または請求項9に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項11】
前記カートリッジ受け部材(10)にカートリッジ(2)を接続する接続手段(20)が、前記フランジ領域(4)を備え、および/または、前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ受け部材(10)に前記カートリッジ(2)を接続する前記接続手段(20)を備えている、請求項1~請求項8の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項12】
前記カートリッジ受け部材(10)が、前記接続手段(20)に対して補完的な嵌着接続手段(21)、特に、1つまたは複数のさらなる掛止溝部および/または1つまたは複数のさらなる掛止ビード部および/または1つまたは複数のさらなるアンダカット部および/または雌ねじを備え、
前記嵌着接続手段(21)が、前記接続手段(20)に、形状接続、非形状接続および/または材料接続されている、請求項8~請求項11の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項13】
前記カートリッジ(2)が、前記封止要素(18)を有し、
前記カートリッジシステム(1)の初期状態において、前記本体(2’)が、前記封止要素(18)により、前記カートリッジベース部(2’’’)とは反対側において閉止されている、請求項1~請求項12の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項14】
前記封止要素(18)が、前記フランジ領域(4)を用いて前記カートリッジ(2)にクリンプ、接着、封止、溶接および/または螺合されている、請求項1~請求項13の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項15】
前記封止要素(18)が、クリンプキャップ(180)を備えている、請求項1~請求項14の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項16】
前記クリンプキャップ(180)が、金属、好ましくは、アルミニウムを含む、請求項15に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項17】
前記クリンプキャップ(180)が、前記カートリッジシステム(1)の初期状態において、前記カートリッジ(2)のフランジ領域(4)に固定されているとともに、前記カートリッジ(2)のフランジ領域(4)にクリンプされている、請求項15または請求項16に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項18】
前記封止要素(18)が、封止薄膜(18’’)を備えている、請求項1~請求項17の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項19】
前記封止薄膜(18’’)が、合成樹脂薄膜、アルミニウム薄膜または合成樹脂および/もしくはアルミニウムの多層薄膜を備えている、請求項18に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項20】
前記封止薄膜(18’’)が、前記カートリッジシステム(1)の初期状態において、前記カートリッジ(2)のフランジ領域(4)に固定されているとともに、前記カートリッジ(2)のフランジ領域(4)に接着、封止および/または溶接されている、請求項18または請求項19に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項21】
前記カートリッジ(2)とカートリッジ受け部材(10)との間に封止手段(14)を用いて封止層が、形成されている、請求項1~請求項20の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項22】
前記封止手段(14)が、前記封止要素(18)の一部および/または前記封止要素(18)とは別体の要素で前記カートリッジ(2)と前記カートリッジ受け部材(10)との間に配置されている、請求項21に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項23】
前記封止手段(14)が、封止リング(14’)、穴を有する全領域封止手段(14)および/または泡を有している、請求項21または請求項22に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項24】
前記カートリッジ受け部材(10)が、ベース構造体(10’)を有し、
前記ベース構造体(10’)が、少なくとも部分的に合成樹脂製であり、特に、全体的に合成樹脂製である、請求項1~請求項23の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項25】
前記ベース構造体(10’)が、カップ状の構成を有し、
前記カップ状の構成の開口側が、前記カートリッジ(2)の方向に向き、
飲料出口となる開口部(11)および外側に開口するスパイクガイド(80)が、前記カートリッジ(2)とは反対側に位置する底側部(10’’)に形成され、
流体供給部(12)が、前記底側部(10’’)、または、前記ベース構造体(10’)の側壁部(10’’’)に形成されている、請求項24に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項26】
変位可能に取り付けられる穿孔スパイク(73)が、前記スパイクガイド(80)内に設けられ、
前記穿孔スパイク(73)が、前記穿孔スパイク(73)が前記封止要素(18)から離間している後退位置と前記穿孔スパイク(73)が前記封止要素(18)を穿孔して前記貯蔵領域(6)内に突出する伸長位置との間を変位可能である、請求項25に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項27】
前記穿孔スパイク(73)の外壁部は、前記封止要素(18)が穿孔されると前記混合チャンバ(8)の方向に前記飲料物質(7)を運ぶ少なくとも1つの側方チャネル(71)を有している、請求項26に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項28】
前記穿孔スパイク(73)が、内蔵された圧縮空気管(40)を有し、
前記圧縮空気管(40)が、圧縮空気源に接続する外部圧縮空気接続部(42)から前記穿孔スパイク(73)の先端部の領域における圧縮空気出口(43)まで前記穿孔スパイク(73)内側に延在し、圧縮空気を前記貯蔵領域(6)に吹き込むように構成されている、請求項27に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項29】
前記混合チャンバ(8)が、前記飲料物質(7)と流体の混合物から生成された前記飲料(70)を吐出する前記飲料出口(11)を備え、
前記カートリッジ受け部材(10)が、前記飲料(70)を前記飲料出口(11)から移動式容器に直接導入可能であるように構成されている、請求項1~請求項28の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項30】
請求項1~請求項29の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)を備える飲料調製機械。
【請求項31】
第1方法ステップにおいて、前記フランジ領域(4)を備える前記カートリッジ(2)のカートリッジ壁部(2’’)が形成され、
第2方法ステップにおいて、前記フランジ領域(4)を用いて、前記封止要素(18)が、前記カートリッジ(2)に固定され、
第3方法ステップにおいて、前記カートリッジ(2)が、前記カートリッジ受け部材(10)に接続される、請求項1~請求項29の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)を製造する方法。
【請求項32】
前記第3方法ステップの前に実行される中間ステップにおいて、前記カートリッジ受け部材(10)が、合成樹脂射出成形により製造される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
穿孔スパイク(73)が、前記第3方法ステップの前または後に実行されるさらなる中間ステップにおいて製造され、前記カートリッジ受け部材(10)のスパイクガイド(80)に導入される、請求項31または請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2方法ステップの前に実行されるさらなる中間ステップにおいて、前記封止要素(18)および/または前記封止要素(18)の封止体が、金属シート、特に、アルミニウムシートおよび/または封止薄膜(18’’)、好ましくは、合成樹脂薄膜、アルミニウム薄膜または合成樹脂および/もしくはアルミニウムの多層薄膜からパンチおよび/またはカットされる、請求項31~請求項33の何れか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記第2方法ステップの前または最中に、前記封止要素(18)が、前記カートリッジ壁部(2’’)の前記フランジ領域(4)の周りに形成される、請求項31~請求項34の何れか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記第2方法ステップ中に、前記封止要素(18)が、前記フランジ領域(4)にクリンプおよび/または螺合される、請求項31~請求項35の何れか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記第2方法ステップ中に、前記封止要素(18)が、前記フランジ領域(4)に接着、封止および/または溶接される、請求項31~請求項36の何れか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記第3方法ステップの前、最中および/または後に、封止層が、封止手段(14)を用いて、前記カートリッジ(2)と前記カートリッジ受け部材(10)との間に形成される、請求項31~請求項37の何れか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記第3方法ステップの前および/または前記第3方法ステップの最中、特に、前記第2方法ステップの前、最中および/または後に、前記封止手段(14)が、前記カートリッジ(2)から離れる方向に向く前記封止要素(18)の上側に形成および/または配置される、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を生成するためのカートリッジシステムが、飲料調製機械に挿入可能であり、飲料物質が充填される貯蔵領域を備えたカートリッジとこのカートリッジに接続されるカートリッジ受け部材とを備え、このカートリッジ受け部材が、貯蔵領域に流体接続可能な混合チャンバとこの混合チャンバに開口する流体供給部とを有し、カートリッジがカートリッジ壁部を有する、カートリッジシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなカートリッジシステムは、先行技術、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、および特許文献8から知られ、予め小分けされたカートリッジから飲料を生成するために使用されている。
そのようなカートリッジシステムを用いて飲料を生成することは、カートリッジを挿入し、スタートボタンを押下するだけでよいので、ユーザにとってきわめて便利である。
この場合、飲料調製機械は、完全に自動化された方法で飲料の生成を行い、すなわち、特に、飲料物質は、所定量の液体、特に、冷たい炭酸水と混合され、飲料容器に運ばれる。
このようにして、混合飲料をユーザにとって労力をかけることなく、さらに容易かつ迅速に生成することができる。
ユーザは、多数の様々なカートリッジを選択することができ、そのため、所望の様々な飲料を生成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/121802A1号
【特許文献2】国際公開第2017/121801A1号
【特許文献3】国際公開第2017/121801A1号
【特許文献4】国際公開第2017/121799A1号
【特許文献5】国際公開第2017/121798A1号
【特許文献6】国際公開第2017/121797A1号
【特許文献7】国際公開第2017/121796A1号
【特許文献8】国際公開第2019/002293A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
困難な点は、飲料調製機械においてカートリッジシステムを使用する前にも、飲料物質を安全かつ安定してカートリッジに貯蔵することである。
ここで重要なのは、飲料物質の新鮮さと品質が保たれていることである。
同時に、信頼性高く再現可能な飲料調製方法が、このカートリッジシステムにより可能になることである。
【0005】
したがって、本発明の課題は、飲料を生成するための飲料調製機械において使用可能なカートリッジシステムであって、このカートリッジシステムを用いることで、飲料物質を貯蔵することおよび/または高品質な飲料調製が可能であり、コスト効果高く製造可能である、カートリッジシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本課題は、請求項1に記載のカートリッジシステムにより達成される。
【0007】
本発明に係るカートリッジシステムは、貯蔵領域を封止する封止要素がカートリッジの本体に取り付けが可能になるという先行技術に対して有利な点を有する。
封止要素は、長い貯蔵寿命と芳香が一定であるように、飲料物質が飲料生成プロセス開始前に貯蔵領域内に留まり、そこで密封している。
そして、この封止要素は、飲料物質が、長い貯蔵寿命と芳香が一定であるように、飲料生成プロセスの開始前には貯蔵領域内に留まり、密封されていることを確実にすることが好ましい。
さらに、フランジ領域を用いることにより、封止要素を高い安定性と漏れ気密性を有しつつカートリッジに取り付けることができるため、フランジ領域と封止要素を用いることにより、高い内圧でさえもカートリッジに内包することができる。
このようにして、液体状の飲料物質を高圧下で貯蔵領域に内包することができる。
例えば、カートリッジシステムの輸送または貯蔵中の振動発生の際に、炭酸に起因して貯蔵領域の封止、つまり、封止要素からの漏出が発生し、気体および/または液体が流出するというリスクなく、より高い炭酸含有量を有する飲料物質を貯蔵領域に貯蔵することができる。
その一方、高い炭酸含有量は、生成される飲料の風味とカートリッジの最短貯蔵寿命の両方に関して好影響を及ぼす。
その新鮮さと品質を維持するために、いくつかの飲料物質はカートリッジの貯蔵領域において特に高い内圧を必要とし、例えば、事前炭酸化により達成される。
さらに、飲料生成プロセス中に、例えば、封止要素がカートリッジに固定されている領域において望ましくない漏れが生じることなく比較的高圧力で貯蔵領域を空化できる。
これにより、生成される飲料の味わいを損なうリスクなく抽出時間を削減することが可能になる。
同時に、フランジ領域は、飲料調製機械の飲料調製速度にいかなる不利な影響も及ぼすことない。
【0008】
本発明によると、封止要素をフランジ領域の周りにクリンプすることができ、圧力的に安定した封止が達成される。
このことは、高い内圧で貯蔵領域に内包される飲料物質にとって有利である。
さらに、封止要素を取り付けるための拡大領域をフランジ領域により形成可能である。
このことは、例えば、封止薄膜として構成される封止要素を取り付けるのに有利である。
【0009】
カートリッジは、ガラスを含むことが好ましい。
カートリッジは、ガラス製の本体を有することが好ましい。
カートリッジの全体が、好ましい選択肢として、ガラスから製造され、特に、ガラス製カートリッジおよび/またはガラス製ボトルとして構成される。
【0010】
または、カートリッジを全体的または部分的に合成樹脂から製造する。
【0011】
代替的に、カートリッジは、アルミニウムから製造される本体を有し、この本体は、その一般的な壁領域において、0.01mm~0.5mm、好ましくは、0.01mm~0.2mm、特に好ましくは、0.03mm~0.1mm、非常に特に好ましくは、約0.05mmの壁厚を有し、特に、15%以下の欠陥許容範囲を有している。
アルミニウム製の本体は、例えば、深絞りまたは押出しにより製造されてよい。
【0012】
そして、このカートリッジは、破裂することなく、12bar以下、好ましくは、10bar以下、特に好ましくは、8bar以下、非常に特に好ましくは、6bar以下の内圧に耐えることができるように構成される(温度が20℃で外圧が1bar)。
また、カートリッジは、6bar未満の圧力抵抗を有し、これによりコストを削減することが可能になる。
低い圧力抵抗を有するカートリッジは、COをほぼ含まないか全く含まない濃縮物に用いることができる。
そして、カートリッジの貯蔵領域は、10ml~500ml、好ましくは、30ml~90ml、特に好ましくは、約60mlの容量を有している。
特に、カートリッジシステムは、炭酸化を含む液体状の飲料物質を有する。
代替的に、液体状の飲料物質は、炭酸を含まない。
特に、液体状の飲料物質は、飲料濃縮物、特に、シロップを含む。
【0013】
本発明によると、カートリッジ受け部材は、カートリッジシステムの混合キャップとして理解されることができる。
【0014】
本発明の実施形態は、従属請求項と、図面を参照して発明の詳細な説明から見出すことができる。
【0015】
本発明の実施形態によると、フランジ領域は、カートリッジ壁部の口部領域としてカートリッジ壁部の縁部に構成される。
このようにして、フランジ領域は、カートリッジ壁部の端部領域として構成される。
そして、このフランジ領域の上側、特に、カートリッジの主要領域および/またはカートリッジベース部から離れる方向に向くフランジ領域の上側は、端面、特に、環状の端面を、カートリッジの口部領域において形成している。
さらに、この端面は、カートリッジの延在中心軸に対して垂直に形成されてよくまたは延在中心軸に対して90°以外の角度を有してよい。
例えば、フランジ領域の上側および/または端面は、径方向において内側から外側に向かって(つまり、延在中心軸からの距離が拡大するにつれて)、カートリッジのカートリッジベース部の方向に下降し、放射軸に対する開口角度は、15°~0°、好ましくは、開口角度は、10°~0°、特に好ましくは、開口角度は、7°である。
フランジ領域の上側および/または端面は、下降せず、放射軸に対して0°の角度を有している。
代替的に、フランジ領域の上側および/または端面は、径方向において外側から内側に向かって(つまり、延在中心軸からの距離が縮小するにつれて)、カートリッジのカートリッジベース部の方向に下降し、放射軸に対する開口角度は、15°~0°、好ましくは、10°~0°、特に好ましくは、7°である。
また、放射軸は、径方向を向き、カートリッジの延在中心軸に対して垂直である。
このようにして、放射軸は、カートリッジの軸方向に対して垂直に設けられている。
【0016】
本実施形態によると、フランジ領域は、カートリッジ壁部の径方向外側に突出する領域として構成される。
このようにして、フランジ領域は、カートリッジの突出部を備え、このカートリッジの突出部は、カートリッジの延在中心軸に対して垂直に径方向外側に突出している。
【0017】
本実施形態によると、フランジ領域は、カートリッジ壁部上において円周方向全体に、カートリッジ壁部の周囲全体にわたって形成されている。
特に、本実施形態によると、フランジ領域は、カートリッジの開口部の周り全体に延在している。
封止要素は、カートリッジの開口部を閉止するために設けられ、このため、フランジ領域を用いてカートリッジに固定することができる。
好ましい選択肢として、開口部は、円状の構成を有している。
好ましい選択肢として、開口部は、例えば、10mm~50mm、特に好ましくは、15mm~30mm、さらに特に好ましくは、少なくとも18mmの直径(特に、15%以下の欠陥許容範囲)を有してよい。
代替的に、開口部は、10mm以下または50mm以上の直径を有する。
【0018】
本実施形態によると、フランジ領域は、カートリッジ壁部の厚肉化領域を用いて形成される。
このようにして、カートリッジ壁部は、フランジ領域に隣接する領域におけるよりもフランジ領域の領域において壁厚が大きいことが好ましい。
【0019】
本実施形態によると、フランジ領域の外径、特に、フランジ領域の一方側の外側から他方側の外側までは、15mm~55mm、好ましくは、20mm~35mm、特に好ましくは、最大29mm(特に、最大製造公差は15%)であってよい。
【0020】
本実施形態によると、フランジ領域は、その外側に窪み、特に、円周方向にわたって延在する窪みを有してよい。
特に、窪みは、フランジ領域の径方向の薄肉化として構成されている。
カートリッジまたはカートリッジ壁部が合成樹脂からまたはこれを用いて製造されている場合、そのような薄肉化は、有利である。
クリンプ力を有利に吸収するために、フランジ領域の窪みにより形成されているフランジ領域の2つのリング(特に、窪みの上に設けられる1つのリングと窪みの下に設けられる1つのリング)が1つまたは複数の垂直方向のウェブにより補強される。
【0021】
本実施形態によると、カートリッジは、カップ状の構成を有する本体を備え、この本体は、カートリッジ壁部を用いて形成され、さらに、このカートリッジ壁部は、一方側においてカートリッジベース部により閉止され、本体が、貯蔵領域を備えている。
カートリッジ壁部およびカートリッジベース部は、一体構成を有している。
好ましい選択肢として、カートリッジ壁部は、少なくともカートリッジ壁部の主要領域において円筒形状の構成を有している。
カートリッジ壁部およびカートリッジベース部は、ガラスボトルにより形成可能であることが好ましい。
代替的に、カートリッジ壁部およびカートリッジベース部は、合成樹脂または金属により形成される。
【0022】
本実施形態によると、カートリッジ壁部は、カートリッジベース部の方向にフランジ領域と隣接して配置されているセカンダリ領域を備え、このカートリッジ壁部は、フランジ領域におけるよりもセカンダリ領域においてより小さい壁厚を有している。
このようにして、フランジ領域は、外側に向けて径方向にセカンダリ領域を越えて突出し、カートリッジの拡幅された口部領域を形成していることが好ましい。
これにより、封止要素を有利に取り付けることが可能となる。
特に、封止要素は、フランジ領域の周りにクリンプすることにより、特に安定性の高い接続を達成することができる。
【0023】
本実施形態によると、カートリッジベース部から離れる方向に向くフランジ領域の上側および/または上側に配置されているフランジ領域の端面は、カートリッジの内側と、その径方向内側端部において、第1曲率半径「M」で、任意で、追加の直線領域および/または第1面取り部を用いて、合わさる。
第1曲率半径Mおよび/または第1面取り部により、封止要素がこの領域で偶発的に裂開することが防止されるのは、このようにして、封止要素と接触する可能性がある鋭い縁が存在しないからである。
【0024】
本実施形態によると、フランジ領域の上側および/または端面は、フランジ領域の外側と、その径方向外側端部において、第2曲率半径「N」および/または第2面取り部を用いて、合わさり、この外側は、円周方向にカートリッジの周りに延在している。
第2曲率半径Nおよび/または第2面取り部を用いて、フランジ領域の周りにおける封止要素のクリンプを改善することができる。
【0025】
本実施形態によると、フランジ領域の外側は、フランジ領域の下側と、その下側端部において、特に、フランジ領域の上側とは反対のその端部において、第3曲率半径「O」および/または第3面取り部を用いて合わさる。
第3曲率半径Oおよび/または第3面取り部を用いて、フランジ領域の周りにおける封止要素のクリンプを特に有利に改善することができる。
【0026】
本実施形態によると、フランジ領域の下側は、カートリッジの延在中心軸に対して、20°~90°、好ましくは、30°~80°、特に好ましくは、50°~70°の下側開口角度「K」(特に、最大製造公差は、15%)を有している。
例えば、下側開口角度「K」は、60°(特に、最大製造公差は、15%)である。
【0027】
本実施形態によると、カートリッジ壁部のセカンダリ領域は、フランジ領域の下側に隣接して形成されている。
フランジ領域の下側とセカンダリ領域との間の移行部として、第4曲率半径「P」および/または第4面取り部は、形成される。
【0028】
本実施形態によると、カートリッジ壁部は、カートリッジ受け部材にカートリッジを接続するための接続手段、特に、包囲形状の接続手段を有し、この接続手段が、1つまたは複数の掛止溝部および/または1つまたは複数の掛止ビード部および/または1つまたは複数のアンダカット部および/または雄ねじを備えている。
このようにして、カートリッジとカートリッジ受け部材との間の安定した低コストの接続が達成される。
封止要素を取り付けるためのフランジ領域は、追加の要素であり、この追加の要素は、接続手段とは別体で形成され、接続手段の一部ではないことが好ましい。
また、接続手段、特に、掛止手段は、平坦領域を備え、この平坦領域を用いて、カートリッジとカートリッジ受け部材用の捩れ防止手段は、形成される。
そして、カートリッジが、フランジ領域が接続手段とは別体の領域である場合には、接続手段のそのような平坦部にもかかわらず、フランジ領域の周りにクリンプされ、このフランジ領域が、円状である、封止要素として円状のクリンプキャップを用いることができる。
カートリッジが封止要素を取り付けるためのフランジ領域を有していない場合、接続手段のそのような平坦部にもかかわらず、カートリッジ壁部の口部領域の周りにクリンプされ、この口部領域が、円状である封止要素として円状のクリンプキャップを用いることができる。
また、カートリッジは、その高さ全体にわたって平坦領域を有し、または、円筒形状の構成を有する(またはその高さ全体にわたって円状のベース領域を有する)。
代替的に、カートリッジは、その高さの一部のみにわたって平坦領域を有し、例えば、カートリッジの本体部の領域においてのみ平坦領域を有し、カートリッジの口部領域は、封止要素により閉止されるカートリッジの開口部の周りに、円状の構成を有している。
これらの組み合わせも考えられる。
例えば、カートリッジの一部領域は、円筒形状の構成を有し、さらなる一部領域は、平坦部で形成される。
接続手段は、平坦部を有し、カートリッジのそれ以外の部分は、部分的または全体的に円筒形状であるか、または、同様に部分的または全体的に平坦である。
【0029】
本実施形態によると、接続手段は、フランジ領域から離間して形成され、このフランジ領域からカートリッジベース部の方向にオフセットして配置される。
代替的に、接続手段は、フランジ領域を設けることなく、カートリッジの口部領域に配置される。
【0030】
本実施形態によると、接続手段は、セカンダリ領域に隣接してカートリッジベース部の方向にオフセットして配置される。
このようにして、(径方向において)フランジ領域よりも壁厚または厚みが小さいセカンダリ領域は、接続手段とフランジ領域との間に配置され、接続手段とフランジ領域を分離することが好ましい。
そして、このフランジ領域は、封止要素を取り付けるために設けられる一方、接続手段は、カートリッジ受け部材との接続のために設けられることが好ましい。
【0031】
本実施形態によると、カートリッジ受け部材にカートリッジを接続するための接続手段は、フランジ領域を備え、および/または、このフランジ領域は、カートリッジ受け部材にカートリッジを接続するための接続手段を備えている。
このようにして、封止要素をカートリッジに取り付けるために設けられているフランジ領域は、接続手段の一部となる。
例えば、接続手段は、全体的または部分的にフランジ領域により形成される。
【0032】
本実施形態によると、カートリッジ受け部材は、接続手段に対して補完的な嵌着接続手段、特に、1つまたは複数のさらなる掛止溝部および/または1つまたは複数のさらなる掛止ビード部および/または1つまたは複数のさらなるアンダカット部および/または雌ねじを備え、このような嵌着接続手段は、接続手段に、形状接続、非形状接続および/または材料接続される。
代替的または追加的に、カートリッジ受け部材の壁部は、カートリッジの周りにクリンプさせることができる。
特に、接続手段および嵌着接続手段の両方は、各々、平坦領域を有し、この平坦領域を用いて、カートリッジとカートリッジ受け部材用の捩れ防止手段が形成される。
カートリッジがフランジ領域を有する場合、および、フランジ領域が接続手段とは別体の領域である場合、接続手段のそのような平坦部にもかかわらず、フランジ領域の周りにクリンプされ、このフランジ領域が、円状である、封止要素として円状のクリンプキャップを用いることができる。
【0033】
本実施形態によると、カートリッジおよび/またはカートリッジ受け部材は、平坦部を用いてまたは平坦部を用いずに実装される。
例えば、カートリッジおよび/またはカートリッジ受け部材は、各々の場合、その周囲において、円周方向において、平坦部を用いて実装することができ、その結果、カートリッジ、封止要素および/またはカートリッジ受け部材の相対的な向きが平坦部により予め定められる。
このようにして、例えば、捩れ防止手段を実現することができる。
代替的に、カートリッジおよび/またはカートリッジ受け部材は、各々、円周方向において平坦部を用いずに、丸みを帯びて構成することもできる。
【0034】
本実施形態によると、雌ねじおよび雄ねじを用いて、カートリッジ受け部材は、カートリッジに螺合する。
この場合、ねじ接続は、螺合がその後の掛止と共に可能となるように構成され、その結果、その後の螺合解除が防止されるか難しくなりおよび/またはカートリッジに対するカートリッジ受け部材の固定された相対的な向きを掛止を用いて達成することができる。
このため、捩れ防止手段は、カートリッジおよび/またはカートリッジ受け部材に、例えば、垂直方向の溝部および/または垂直方向の突出部および/または垂直方向のリブ部および/または1つまたは複数の掛止フックを周囲に形成することができる。
【0035】
本実施形態によると、カートリッジは、封止要素を有し、カートリッジシステムの初期状態において、本体は、封止要素により、カートリッジベース部とは反対側において閉止されている。
そして、この封止要素は、飲料物質が、長い貯蔵寿命と芳香が一定であるように、飲料生成プロセスの開始前には貯蔵領域内に留まり、そこで密封されていることを確実にする。
【0036】
本実施形態によると、封止要素は、フランジ領域を用いて、カートリッジにクリンプ、接着、封止、溶接および/または螺合される。
特に、封止要素は、この封止要素の周辺固定領域を用い、フランジ領域を用いて、カートリッジにクリンプ、接着、封止および/または溶接される。
ここで、カートリッジに封止要素を圧力安定性高く固定することは、フランジ領域の周りに封止要素をクリンプすることにより達成することができ、このようにして、長期間でもカートリッジ内部に比較的高い内圧を信頼性高く内包することが可能になる。
このようにして、フランジ領域にクリンプされる封止要素により、有利となる。
その一方、クリンプ以外の接続方法は、フランジ領域を用いてカートリッジに封止要素を取り付けるために用いられる。
このようにして、例えば、封止要素は、フランジ領域に接着または封止または溶接することができる。
これにより、カートリッジの使用に関して柔軟性が得られる。
特に、カートリッジの構造を変化させる必要なく、カートリッジは、様々な封止要素(および/またはカートリッジに封止要素を取り付けるための様々な方法)と組み合わせ可能となる。
これにより、カートリッジまたはカートリッジシステムの使用可能性と拡張可能性が、コスト効果高く、向上する。
【0037】
本実施形態によると、封止要素は、クリンプキャップを備えている。
【0038】
本実施形態によると、クリンプキャップは、金属、好ましくは、アルミニウムを含む。
代替的に、クリンプキャップは、合成樹脂および/またはブリキおよび/または他の板金を含む。
【0039】
本実施形態によると、クリンプキャップは、カートリッジシステムの初期状態において、カートリッジのフランジ領域に固定され、クリンプキャップが、カートリッジのフランジ領域にクリンプされる。
この場合、クリンプキャップの固定領域は、フランジ領域の周りにクリンプされる。
このようにして、フランジ領域を用いて、クリンプ接続を形成することができる。
特に、飲料物質の事前炭酸化を理由に、過圧がカートリッジの貯蔵領域に形成される場合、クリンプ接続は、特に有利である。
例えば、数bar、例えば、12bar以下、11bar以下、または、5bar以下の過圧をカートリッジに形成することができる。
封止要素により形成される、カートリッジの本体の内包状態は、そのような過圧に対して確実に耐える必要がある。
このため、カートリッジのフランジ領域の周りにおける封止要素のクリンプが有利であるのは、そのような接続により、カートリッジの本体内でそのような高い過圧を確実に比較的長期間にわたって内包することができるからである。
事前炭酸化による過圧は、カートリッジに新鮮な様々な飲料物質を保存し維持するために用いることができる。
さらに、それに対応する過圧を有するカートリッジ内における飲料物質の事前炭酸化と飲料物質の内包は、飲料物質から生成される飲料の風味に有利であってよい。
特に、クリンプキャップを用いて封止要素を形成することの代替として、封止要素をねじ式キャップを用いてまたはねじ式キャップにより形成することができ、ねじ式キャップは、穿孔スパイク用の封止ならびに穴および/またはパンチを有することが好ましい。
カートリッジの口部領域は、ねじ式キャップに螺合するためのねじを有することが好ましい。
ねじ式キャップは、カートリッジに螺合されてよく、ねじ式キャップの螺合後、カートリッジ受け部材は、カートリッジおよび/またはねじ式キャップに固定されることが好ましい。
ねじ式キャップは、例えば、合成樹脂および/または金属を含んでよい。
【0040】
本実施形態によると、封止要素は、合成樹脂キャップを備えるか、または、合成樹脂キャップとして構成される。
例えば、合成樹脂キャップは、フランジ領域を用いてカートリッジに嵌合するか、または、例えば、超音波を用いて熱変形によりフランジ領域に固定されてよい。
合成樹脂キャップは、穴またはパンチを、内側または外側に適用、封止または溶接される封止薄膜とともに備えていることが好ましい。
封止薄膜が内側に適用される場合、合成樹脂キャップがカートリッジに適用された後、両側に封止層が設けられている合成樹脂キャップと封止薄膜との間に加熱殺菌中に水が侵入するのを防止するために、封止薄膜は、両方向において追加的に封止(例えば、溶接)される。
【0041】
本実施形態によると、封止要素の合成樹脂キャップは、射出成形により形成される。
このようにして、合成樹脂キャップは、射出成形パーツであることが好ましい。
この場合、合成樹脂キャップは、クリンプキャップ、掛止キャップまたはねじ式キャップとして構成される。
そして、この合成樹脂キャップは、穿孔スパイクの通過のための弱部を有している。
さらに、この弱部は、壁厚または厚みが薄い合成樹脂キャップの領域であることが好ましい。
また、弱部は、穿孔スパイクがこの弱部の領域において封止要素を開口および/または貫通できるように構成される。
この弱部は、合成樹脂キャップの形成中、特に、射出成形中に、合成樹脂キャップの薄肉化領域として形成される。
このようにして、弱部は、合成樹脂キャップの射出成形中に形成されるため、弱部を形成するために合成樹脂キャップをさらに後処理する必要はない。
【0042】
本実施形態によると、弱部は、合成樹脂キャップの全領域、特に、円状領域の弱部として構成される。
代替的に、他の幾何形状も、弱部用に考えられる。
例えば、弱部は、リング形状でまたは円状の線として構成されている。
【0043】
本実施形態によると、封止層、特に、コートおよび/または積層もしくは共押出し合成樹脂が、ポリプロピレンおよび/または他の合成樹脂を含み、カートリッジの方向に向いている、封止要素、好ましくは、クリンプキャップの下側に配置されてよい。
特に、封止層は、フランジ領域と封止要素との間に配置されている。
そして、この封止層を用いて、有利な封止が可能である。
任意で、封止層は、封止要素とフランジ領域、特に、フランジ領域の端面との間に配置されてよい。
例えば、封止層は、環状の構成を有する。
代替的に、封止層は、全領域封止、つまり、連続的な好ましくはディスク状の封止として構成されている。
封止層を用いることにより、封止のさらなる改善が可能である。
【0044】
本実施形態によると、カートリッジは、その口部領域、好ましくは、フランジ領域にコーティングを有し、このコーティングは、金属および/または合成樹脂を含む。
例えば、コーティングは、四塩化すず、1つまたは複数の合成樹脂および/または他の材料を含み、これにより封止特性が改善される。
コーティングは、カートリッジ、特に、カートリッジの口部領域に、ホットエンドコーティング、コールドエンドコーティング、マウスコーティングおよび/またはプラズマを用いたコーティングを用いて、塗布される。
このタイプのコーティングは、部分的または全体的にガラスから製造されたカートリッジに好ましい。
そのようなガラスの仕上げを用いることで、封止特性および接着特性の改善が可能となり、カートリッジの漏れ気密性を達成することが可能になる。
封止要素は、コーティングの塗布後、カートリッジに固定されることが好ましい。
【0045】
本実施形態によると、保護ラッカーを、カートリッジから離れる方向に向く側である、封止要素、特に、クリンプキャップの上側に塗布することができる。
【0046】
本実施形態によると、封止要素は、封止薄膜を備えている。
この封止要素は、全体的に封止薄膜として構成されているかまたは封止要素の一部のみが封止薄膜として構成されていてよい。
例えば、クリンプキャップとして構成される封止要素の一部は、封止薄膜を備えている。
【0047】
本実施形態によると、封止薄膜は、合成樹脂薄膜、アルミニウム薄膜または合成樹脂および/もしくはアルミニウムの多層薄膜を備える。
代替的または追加的に、封止薄膜は、泡、紙および/または他の材料を含む。
合成樹脂および/またはアルミニウムおよび/または紙および/または泡および/または他の材料の組み合わせもできる。
【0048】
本実施形態によると、封止薄膜は、カートリッジシステムの初期状態において、カートリッジのフランジ領域に固定され、カートリッジのフランジ領域に、接着、封止および/または溶接される。
この場合、封止薄膜は、カートリッジに取り付けられている状態で、少なくとも略平坦であるように構成されていることが好ましい。
特に、封止薄膜は、(カートリッジから離れる方向に向く)フランジ領域の上側に接続され、このようにして、フランジ領域の端面に接続される。
このため、封止要素の包囲形状の周辺固定領域は、カートリッジ壁部のフランジ領域に接着、封止および/または溶接されていることが好ましい。
封止薄膜は、誘導加熱を用いて、フランジ領域に固定される。
代替的または追加的に、封止薄膜は、伝導加熱を用いて、フランジ領域に固定される。
封止薄膜がフランジ領域に直接接続される変形例において、封止要素は、追加の封止体を有していないことが好ましく、むしろ、カートリッジの本体の開口部は、封止薄膜により直接的に、特に、限定的に密封される。
【0049】
本実施形態によると、封止要素は、封止体の一部領域が部分的にパンチされているプレパンチを有する封止体、特に、剛性または半剛性の封止体を有する。
そして、このことは、部分領域は、封止要素から全体的にパンチされているのではなく、部分的にパンチされているため、カートリッジの初期状態において、その角部領域において封止要素のそれ以外の部分に一体的に接続されていることを意味している。
このようにして、貯蔵領域は、初期状態において密封されたままである。
パンチのサイズは、その後、穿孔スパイクにより生じる封止要素の貫通開口部に略対応する。
残りの封止体に対する所定の破点は、部分パンチにより一部領域の縁部領域に形成され、貫通開口部を露出させるために一部領域がカートリッジ受け部材の穿孔スパイクと接触すると、破点は、少なくとも部分的に裂開する。
一部領域は、封止体からパンチされることから、一部領域は、穿孔スパイクも飲料生成中に配置される貫通開口部と略同一のサイズまたは略同一の直径を有している。
これにより、分離した一部領域が貫通開口部を通って混合チャンバに入ることが防止される。
封止体のプレパンチの使用は、例えば、封止要素がクリンプキャップとして構成されている場合に特に有利である。
使用される材料、封止要素の材料厚さ、該当する場合、穿孔スパイクの構成に応じて、本発明の実施形態によると、プレパンチと所定の破点を不要とする。
そして、封止体は、1つまたは複数の金属、特に、アルミニウムから製造される。
封止体は、フランジ領域を用いてカートリッジに取り付けられている。
特に、封止体は、カートリッジのフランジ領域にクリンプ、接着、封止および/または溶接されている。
そして、封止体は、クリンプキャップとして構成され、カートリッジのフランジ領域にクリンプされる。
封止体は、事前に穿孔された一部領域を有する。
【0050】
本実施形態によると、封止要素は、貫通開口部を有する封止体、特に、剛性または半剛性の封止体を有する。
そして、この封止体は、1つまたは複数の金属、特に、アルミニウムから製造される。
また、この封止体は、フランジ領域を用いてカートリッジに取り付けられる。
特に、封止体は、カートリッジのフランジ領域にクリンプ、接着、封止、溶接および/または螺合される。
そして、封止体は、クリンプキャップとして構成され、カートリッジのフランジ領域にクリンプされる。
特に、貫通開口部は、封止体の中心にまたは中心からオフセットして形成される。
封止体は、ディスク状および/または環状の構成を有している。
代替的に、封止体は、同様にカップ状の構成を有し、カップベース部から突出している包囲形状は、カートリッジ壁部のフランジ領域の周りにクリンプされる。
カップベース部から突出している部分は、カートリッジ壁部の外側に配置される。
好ましくは、カップベース部から突出しフランジ領域の周りにクリンプされている封止体の部分は、カートリッジ受け部材により被覆される。
この場合、封止要素は、カップ状のクリンプキャップとして構成されていることが好ましい。
その一般的な壁部領域において、封止体は、0.09mm~0.5mm、好ましくは、0.1mm~0.3mm、特に好ましくは、0.15mm~0.25mm、非常に特に好ましくは、約0.2mmの壁厚を有し、特に、15%以下の欠陥許容範囲を有している。
【0051】
本実施形態によると、カートリッジシステムの初期状態において、封止薄膜は、封止体の貫通開口部を閉止している。
ここで、封止薄膜は、合成樹脂薄膜、アルミニウム薄膜または合成樹脂および/もしくはアルミニウムの多層薄膜を備えていることが好ましい。
このようにして、封止体の貫通開口部にもかかわらず、貯蔵領域の密封が達成され、飲料物質を貯蔵領域から可能な限り迅速にカートリッジ受け部材の混合チャンバに移送するために、封止薄膜を、飲料生成プロセス中にカートリッジ受け部材の穿孔スパイクにより簡単に穿孔することができる。
本発明の実施形態によると、封止薄膜の円周方向の縁部は封止体に固定され、特に、接着、固定封止および/または固定溶接される。
この場合、封止薄膜自体は、カートリッジのフランジ領域に直接接続されていない。
代替的に、封止薄膜は、カートリッジ、特に、カートリッジのフランジ領域にさらに接続される。
例えば、さらに封止を改善するために、封止薄膜は、クリンプ後、溶接(特に、誘導加熱)によりカートリッジ、特に、フランジ領域にさらに固定される。
封止体は、例えば、クリンプキャップとして構成されてよく、カートリッジのフランジ領域にクリンプされてよく、ねじ式キャップとしてカートリッジに螺合されてよい。
穿孔スパイク用の穴/パンチを有する封止体は、カートリッジにクリンプまたは螺合され、穴/パンチは、封止薄膜により閉止されている。
封止体は、その内側または外側に封止薄膜を有してよい。
封止薄膜は、封止体に、例えば、適用、封止または溶接されてよい。
封止薄膜がカップ状の封止体内に位置する場合、封止体がカートリッジにクリンプまたは螺合された後、封止体と封止薄膜との間に加熱殺菌中に水が侵入するのを防止するために、封止薄膜は、両方向において、または、封止薄膜の両側において、特に、両側に設けられる封止層を用いて、追加的に封止または溶接されてよい。
このようにして、封止薄膜は、カップ状の封止体に事前設置され、封止体がカートリッジにクリンプまたは螺合された後、両方向において誘導加熱により溶接される。
このため、封止薄膜は、封止層、特に、封止ラッカー、積層または共押出し合成樹脂層等を両側に有している。
これにより、キャップと封止との間と、特に、封止体と封止薄膜との間に、例えば、加熱殺菌プロセス中の充填および封止後に水分が侵入することができないように防止する。
【0052】
本実施形態によると、封止が、カートリッジとカートリッジ受け部材との間に、封止手段を用いて形成されている。
特に、封止要素は、封止要素がカートリッジ受け部材プとカートリッジとの間で、その封止要素の領域における移行部を封止するように、カートリッジから離れる方向に向く封止要素の上側とカートリッジ受け部材のベース領域との間に部分的または全面的に配置される。
封止としてのその機能に対する追加または代替として、封止手段は、カートリッジ、封止要素および/またはカートリッジ受け部材の製造公差を補償する役割を果たす。
本発明の実施形態によると、封止手段は、封止要素の一部として構成され、および/または封止手段は、封止要素とは別体の要素であり、カートリッジとカートリッジ受け部材との間に配置されている。
このようにして、封止手段は、封止要素と一体的にまたは封止要素とは別体の構成要素として形成されてよい。
様々な好適な材料、例えば、様々なタイプのゴムおよび/または合成樹脂または他の材料が封止手段用に考慮に入れられる。
【0053】
本発明の実施形態によると、封止手段が、封止リング、穴有する全領域封止手段および/または泡を有している。
特に、封止手段は、Oリングとして構成され、このOリングは、封止要素とカートリッジ受け部材との間に部分的または全体的に配置される。
あるいは、封止手段は、穿孔スパイク用に、領域全体にわたる穴/開孔を有するように構成される。
また、この封止手段は、封止要素の一部として構成され、および/または、封止要素に、特に、カートリッジから離れる方向に向く封止要素の上側において接続される。
そして、封止手段は、封止要素の上側、特に、封止要素の周辺外側領域に配置されている封止要素の泡(または泡領域)を備えている。
さらに、封止要素、例えば、Oリングおよび/または泡は、カートリッジとカートリッジ受け部材との間、特に、カートリッジの封止要素とカートリッジ受け部材との間であって、カートリッジの接続手段の領域において配置および/または形成される。
代替的または追加的に、カートリッジとカートリッジ受け部材との間に追加の封止を、例えば、2つの構成要素の合成樹脂を用いてカートリッジ受け部材を実装することにより達成することができる。
【0054】
本実施形態によると、封止手段は、インサート、例えば、インサート可能なOリングとして、カートリッジ、特に、カートリッジ受け部材の方向を向くカートリッジの端面と、カートリッジ受け部材との間に構成されている。
代替的または追加的に、封止手段の実施形態は、封止要素の一部として複数の構成要素の射出成形合成樹脂を用いて、好ましくは、2つの構成要素の射出成形合成樹脂を用いて構成されている。
本実施形態によると、封止手段は、封止要素と(封止要素の一部として)一体的に形成されてよい。
この場合、封止要素と封止手段は、2つの構成要素の射出成形を用いて結合して実装可能である。
この場合、封止要素は、合成樹脂キャップを備える。
そして、封止手段の領域は、封止要素のそれ以外の部分とは異なる合成樹脂から製造することができる。
例えば、封止手段の領域は、封止要素のそれ以外より柔らかい合成樹脂から製造することができる。
このようにして、例えば、封止手段として構成されるそれほど硬くない領域を同時に有する、比較的硬い封止要素を、特に、合成樹脂を用いて製造することができる。
この文脈において、封止手段(特に、封止要素の構成要素として)は、カートリッジ受け部材の方向を向く封止要素の領域として、カートリッジ受け部材に隣接する封止要素の領域として実装することができる。
【0055】
本実施形態によると、封止手段は、カートリッジ受け部材の一部として、特に、複数の構成要素の射出成形合成樹脂を用いて、好ましくは、2つの構成要素の射出成形合成樹脂を用いて構成される。
このようにして、封止手段は、カートリッジ受け部材とまたはカートリッジ受け部材の一部と(つまり、カートリッジ受け部材の構成要素として)一体的に形成される。
この場合、カートリッジ受け部材(または、カートリッジ受け部材の少なくとも一部)と封止手段は、2つの構成要素の射出成形を用いて結合して実装可能である。
封止手段の領域は、カートリッジ受け部材のそれ以外の部分とは異なる合成樹脂から製造することができる。
例えば、封止手段の領域は、カートリッジ受け部材のそれ以外より柔らかい合成樹脂から製造することができる。
この文脈において、封止手段(特に、カートリッジ受け部材の構成要素として)は、カートリッジ壁部の端面の方向を向くカートリッジ受け部材の領域として、カートリッジ壁部の端面および/または封止要素に隣接するカートリッジ受け部材の領域として実装される。
【0056】
本実施形態によると、カートリッジ受け部材が、ベース構造体を有し、このベース構造体が、少なくとも部分的に合成樹脂製であり、特に、全体的に合成樹脂製である。これにより、低コストの製造が達成される。
【0057】
本実施形態によると、ベース構造体が、カップ状の構成を有し、このカップ状の構成の開口側が、カートリッジの方向に向き、飲料出口となる開口部および外側に開口するスパイクガイドが、このカートリッジとは反対側に位置する底側部に形成され、流体供給部が、この底側部、または、ベース構造体の側壁部に形成されている。
このカートリッジ受け部材は、流体供給部が、カートリッジの貯蔵領域に開口するのではなく、貯蔵領域とは、別体の混合チャンバに開口する。
これにより、飲料生成プロセス中の、流体供給部による、飲料調製機械の逆汚染が防止される。
このため、貯蔵領域を、流体が流れるのではなく、むしろ、飲料物質と流体は、カートリッジ受け部材の混合チャンバに、互いに別々に流入する。
流体は、混合チャンバに直接流入する一方、飲料物質は、流体に対して独立して混合チャンバに移送される。
このため、変位可能に取り付けられる穿孔スパイクは、スパイクガイド内に設けられ、この穿孔スパイクが、穿孔スパイクが封止要素、特に、封止薄膜(または一部領域)から離間している後退位置と、穿孔スパイクが封止要素、特に、封止薄膜を穿孔して(または封止要素から一部領域を部分的または全体的に裂開して)貯蔵領域内に突出する伸長位置との間を変位可能である。
そして、この伸長位置において、穿孔スパイクは、ガイドされ、カートリッジ受け部材のベース領域の貫通開口部を通るようにガイドされる。
したがって、カートリッジシステムの初期状態では、穿孔スパイクは、後退位置にあるため、貯蔵領域が、封止要素、特に、封止薄膜により密封され、そして、カートリッジの封止要素を開口させるために、穿孔スパイクを、後退位置から伸長位置まで移動させることができる。
伸長位置において、封止要素は、穿孔スパイクにより穿孔されるか、または、プレパンチは、飲料物質が、封止要素を通過し、特に、穿孔スパイクの少なくとも1つの横チャネルを通って、混合チャンバに流入するように裂開する。
このようにして、芳香を通さず閉止されていたカートリッジを、飲料調製機械に簡単かつ信頼性高く開口させることが可能になる。
また、流体供給部に直接働く過圧が貯蔵領域に発生しないことから、飲料調製機械の逆汚染が防止されることが分かっている。
飲料調製機械に可逆的に挿入可能である、カートリッジ受け部材の混合チャンバの構成は、混合チャンバが、交換可能なカートリッジシステムのパーツであることを保証している。
このようにして、交換可能で使い捨てか、または、再利用可能なカートリッジシステムのパーツのみが飲料物質と接触することから、飲料物質による、飲料調製機械の汚染が、効果的に回避される。
【0058】
本実施形態によると、穿孔スパイクの外壁部は、封止要素が穿孔されると、混合チャンバの方向に飲料物質を運ぶための、少なくとも1つの側方チャネルを有している。
【0059】
本実施形態によると、カートリッジシステム、特に、カートリッジ受け部材が、カートリッジ受け部材の方向、特に、混合チャンバの方向において、封止薄膜を支持する、少なくとも1つの支持構造体を有するように構成されている。
このようにして、飲料生成プロセス時の貯蔵領域の圧力上昇中に、封止薄膜が断裂することが防止される。
支持構造体は、貯蔵領域の方向に、混合チャンバの底部から突出し、封止薄膜が任意で部分的に支えられる、特に、円柱形状、ブリッジ形状、格子形状、または、円筒形状を有する構造体を備えている。
【0060】
本実施形態によると、穿孔スパイクは、円筒形状または円錐台形状を有するベース部と、貯蔵領域の方向に延在する穿孔部とを備え、穿孔部が、斜めに切断された円錐台の形状に構成されている。
穿孔部は、この斜めに切断された円錐台の斜めに切断された面が貯蔵領域に略対向するように、さらに構成され、切断面の長円形周辺部が、封止要素を穿孔するカッティングエッジを少なくとも部分的に構成する。
斜めに切断されることにより生じる円錐台の切断面が、封止要素を簡単かつ十分にごくわずかな力で切断し、さらに、封止要素から削り屑を分離させることがなく、または、小片を離散させないことが分かっており、さもなければ、飲料を汚染させることになり、望ましくない。
封止要素の穿孔は、貯蔵領域の方向に最も突出するカッティングエッジが形成される、穿孔スパイク側において、封止要素の材料が滑らかな切込みにより切断されるように構成される一方、穿孔部の切断面の領域では、封止要素の切断された材料が、その箇所以外の封止要素に依然として接続された状態であり、捲り上げられているか、または、一緒に折り畳まれており、好ましい。
【0061】
穿孔スパイクは、ベース部と穿孔部との間に配置される中間部を備え、この中間部は、円錐台形状に構成され、円周方向の肩部が、ベース部と中間部との間に形成され、円周方向の縁部が、穿孔部と中間部との間に形成される。
このようにして、安定性を有する穿孔スパイクが形成される。
このような縁部の形成は、横チャネルが、縁部にわたって延在する場合、拡大された入口を貯蔵領域側に有するため、飲料物質の、混合チャンバ方向の移送が容易になる。
穿孔スパイクの、カートリッジ方向の伸長移動が制限されるように、肩部は、穿孔スパイクが後退位置にある時、スパイクガイドの停止部に当接する役割を果たしている。
【0062】
本実施形態によると、カートリッジ受け部材が、複数の横チャネルを有し、これらの横チャネルのそれぞれが、穿孔部の領域および中間部の領域において、穿孔スパイクと平行に延在している。
この場合、横チャネルのそれぞれは、一方側で開口し、穿孔スパイクの外側面に導入される、特に、溝の形態で構成されている。
横チャネルは、切断面の後方である、穿孔スパイクの円周方向領域に少なくとも部分的に形成される。
このことは、横チャネルが、材料に切込みが入れられた、封止要素の穿孔側に配置されるのであって、切断された材料がその箇所以外の封止要素に依然として接続している、反対側に配置されるのではない。
このようにして、飲料物質は、比較的妨げられることなく、横チャネルに流入することができる。
【0063】
混合チャンバの方向の飲料物質の流れを横チャネルが制御または制限するように、横チャネルの断面および/または横チャネルの数を飲料物質の粘度に適合させる。
高粘度では、複数の横チャネル、または、比較的大きい断面を有する横チャネルが使用され、低粘度では、より少数の横チャネル、または、より小さい断面を有する横チャネルが設けられている。
したがって、カートリッジそれぞれについて適合したカートリッジ受け部材が設けられている。
【0064】
本実施形態によると、穿孔スパイクは、ベース部から径方向に突出する、リブ状の捩じれ防止手段を有している。
このようにして、穿孔スパイクが後退位置から伸長位置に移動している時の、穿孔スパイクの捩じれが回避される。
また、混合チャンバの飲料出口から離れる方向に向き、特に、流体供給部に対向する、穿孔スパイクの側部に、横チャネルが配置されることが保証されている。
このようにして、混合チャンバ内での飲料物質と流体の混合の改善が達成される。
【0065】
本実施形態によると、穿孔スパイクが、カートリッジ空化装置である、内蔵された圧縮空気管を有し、この圧縮空気管が、穿孔スパイクに沿って、この穿孔スパイクの第1端部から、この穿孔スパイクの第2端部まで延在している。
このようにして、この穿孔スパイクには、以下の3つの機能:
1.穿孔スパイクが、封止要素を穿孔し、これによりカートリッジを開口するための穿孔部を備えること、
2.穿孔スパイクが、混合チャンバへの飲料物質の移送を可能にする、横チャネルを備えること、
3.穿孔スパイクが、圧縮空気を貯蔵領域に吹き込み、これにより飲料物質を圧力下で混合チャンバに押し入れるための、内蔵された圧縮空気管を備えること、
が組み込まれている。
【0066】
圧縮空気源に接続するための圧縮空気接続部が、第2端部に形成され、圧縮空気を貯蔵領域に吹き込むための圧縮空気出口が、第1端部に形成される。
このようにして、カートリッジ受け部材に内蔵されたカートリッジ空化装置は、本発明の意味において、圧縮空気を外側から貯蔵領域内に導入可能な圧縮空気管を1つのみ備えている。
カートリッジ受け部材は、飲料物質が貯蔵領域から混合チャンバへと圧縮空気により押し出されるように、構成されている。
圧縮空気は、飲料調製機械により供給される。
カートリッジシステムが、飲料調製機械に挿入されると直ちに、圧縮空気源を圧縮空気接続部に直接接続する。
このことは、カートリッジシステムが挿入されると、カートリッジ空化装置に即座に圧力がかかり、このようにして飲料物質の、圧縮空気管の方向、特に、飲料調製機械の圧縮空気源方向の移動が防止されるため、飲料調製機械の方向の逆汚染が効果的に回避される。
このようにして、飲料物質は、貯蔵領域から、混合チャンバの方向にのみ移動することができる。
【0067】
本実施形態によると、圧縮空気出口が、切断面の開口部として構成されている。
このことは、混合チャンバへの飲料物質の吐出を妨げないように、貯蔵領域に流入する空気を、横チャネルから離間する穿孔スパイク側に吹き込む。
このようにして、渦が貯蔵領域内に形成され、貯蔵領域の空化が残留物をほぼ残すことなく、支援される。
【0068】
圧縮空気接続部は、ベース部の開口部として構成され、圧縮空気接続部が、カートリッジ受け部材の外側からアクセス可能であるように、ベース部は、カートリッジ受け部材に配置されている。
このようにして、圧縮空気源との圧縮空気管の接続が支援される。
【0069】
本実施形態によると、スパイクガイドが、穿孔スパイクを受容するための内部ガイドチャネルを備えるガイド部を有し、ガイド部のガイドチャネルが、略円筒形状または円錐台形状に構成され、円周方向の停止部が、カートリッジに対向するガイド部の端部に形成され、この停止部が、穿孔スパイクの、貯蔵領域の方向への移動を制限し、この停止部が、縮径領域を備えるように構成されている。
このようにして、後退位置から伸長位置への移動中に、穿孔スパイクは、信頼性高くガイドされる。
穿孔スパイクの望ましくない捩じれが防止されるように、リブに対応する溝が、ガイドチャネルの壁部内に、捩じれ防止手段として形成される。
そして、ガイド部は、混合チャンバに配置され、混合チャンバの底部から、カートリッジの方向に突出する。
【0070】
本実施形態によると、穿孔スパイクが、合成樹脂パーツとして、特に、射出成形合成樹脂パーツとして構成されている。
これにより、コスト効果の高い製造が可能になる。
その一方、一般に、穿孔スパイクを金属パーツとしてならびに/またはセラミックおよび/もしくは他の好適な材料から代替的に形成する。
【0071】
本発明の実施形態によると、飲料調製機械へのカートリッジシステムの挿入時に、穿孔スパイクが、飲料調製機械の解除要素によって、後退位置から伸長位置に移動可能であるように構成されている。
【0072】
本発明のさらなる実施形態によると、混合チャンバが、飲料物質と流体の混合物から生成された飲料を吐出する飲料出口を備え、カートリッジシステムが、飲料を飲料出口から移動式容器に直接導入できるように構成される。
したがって、飲料物質と生成された飲料の何れも、飲料調製機械のどのパーツとも接触することがないため、飲料調製機械のいかなる(逆)汚染も、多少なりとも回避される。
流体は、混合チャンバに別々に供給される。
流体は、圧力下で混合チャンバに導入されるのが好ましい。
流体は、飲料調製機械により供給される。
カートリッジシステムが、飲料調製機械に挿入されると直ちに、流体源をカートリッジ受け部材の対応する流体接続部に直接接続する。
この場合、流体接続部は、混合チャンバに流体管を介して流体接続される。
このことは、流体接続部が、カートリッジシステムの挿入時に特に即時に過圧下におかれ、これにより、飲料物質が、流体管の方向、特に、飲料調製機械の流体源の方向に移動することを防止するため、飲料調製機械の方向の逆汚染が効果的に回避される。
したがって、飲料物質および飲料は、混合チャンバから飲料出口の方向にのみ移動することができる。
流体は、水、好ましくは、加圧、冷却および/または炭酸化飲料水からなる。
【0073】
本実施形態によると、混合チャンバは、混合構造体を備えている。
混合構造体は、飲料物質と流体をより良好に混ぜ合わせることを確実にする。
このため、混合構造体は、混合チャンバに流入する流体が旋回するように構成される。
混合構造体が、1つまたは複数の混合リブを備え、この混合リブが、混合チャンバの底部の流体供給領域に配置され、流体が流入する方向に対して略垂直に延在する。
このようにして、混合リブは、流体に対する柵として働き、その結果、流体が上方向に旋回し、飲料物質とのより良好な混合が達成される。
【0074】
本発明のさらなる実施形態によると、流体供給部に、冷却ユニットにより冷却される流体を供給し、冷却ユニットが、飲料調製機械の一部であるか、または、飲料調製機械に作動的に接続される、別体の冷却装置の一部である。
このようにして、カートリッジは、冷却されず、例えば、室温である場合でも、冷たい飲料を生成することが可能である。
システムを既存の冷却装置と一体化させると、この冷却装置の既存の冷却状態を、簡単かつ効率的に飲料調製機械と共に使用できる。
特に、「サイドバイサイド」冷蔵庫(多くの場合、アメリカン冷蔵庫とも称される)として知られる冷却装置においては、カートリッジシステムを組み入れるための十分な設置空間が、前方に認められる。
飲料調製機械は、そのような冷却装置用の後付型セットである。
冷却ユニットは、圧縮式冷却ユニット、吸収式冷却ユニットまたは熱電冷却装置を備えている。
【0075】
本発明のさらなる実施形態によると、流体供給部に、炭酸化装置により炭酸が加えられた流体を供給する。
炭酸化装置は、飲料調製機械の一部であり、炭酸化装置が、COカートリッジ用受け部材と、このCOカートリッジから流体にCOを加えるための供給装置とを有する。
したがって、このカートリッジシステムを用いて、炭酸を含むソフトドリンクを生成することも可能である。
代替的に、炭酸化装置は、外部CO接続部を有する。
【0076】
さらに、本発明は、本発明の実施形態によるカートリッジシステムを備える飲料調製機械に関する。
カートリッジシステムを飲料調製機械に挿入可能である。カートリッジシステムを飲料調製機械に挿入している状態で、飲料を調製することができる。
調製が行われた後、カートリッジシステムを飲料調製機械から再び取り出すことができる。
【0077】
また、本発明は、本実施形態に係るカートリッジシステムを製造する方法に関し、第1方法ステップにおいて、フランジ領域を備えるカートリッジのカートリッジ壁部が形成され、第2方法ステップにおいて、封止要素が、フランジ領域を用いてカートリッジに固定され、第3方法ステップにおいて、カートリッジが、カートリッジ受け部材に接続される。
【0078】
フランジ領域は、カートリッジ壁部のそれ以外と一体的に形成されてよい。
例えば、その両方は、ガラスから製造されてよく、特に、ガラスカートリッジの一部であってよい。
代替的に、フランジ領域は、カートリッジ壁部とは別体であり、第1ステップにおいてカートリッジ壁部のそれ以外に漏れ気密性が高く接続される要素である。
【0079】
本発明の方法によると、第3方法ステップの前に実行される中間ステップにおいて、カートリッジ受け部材が、合成樹脂射出成形により製造される。
したがって、圧縮空気の導入による高加圧を被らないカートリッジシステムのパーツを低コストの製造方法で合成樹脂により製造することにより、製造コスト全体を低く保つことが可能になる。
【0080】
本発明の方法によると、穿孔スパイクが、第3方法ステップの前または後に実行されるさらなる中間ステップにおいて製造され、カートリッジ受け部材のスパイクガイドに導入される。
【0081】
本発明の方法によると、第2方法ステップの前に実行されるさらなる中間ステップにおいて、封止要素および/または封止要素の封止体は、金属シート、特に、アルミニウムシートおよび/または封止薄膜、好ましくは、合成樹脂薄膜、アルミニウム薄膜または合成樹脂および/もしくはアルミニウムの多層薄膜からパンチおよび/またはカットされる。
アルミニウムシートが用いられる場合、アルミニウムシートから形成される封止要素の封止体または封止要素全体が、その一般的な壁部領域において、0.09mm~0.5mm、好ましくは、0.1mm~0.3mm、特に好ましくは、0.15mm~0.25mm、非常に特に好ましくは、約0.2mmの壁厚を有し、特に、15%以下の欠陥許容範囲を有するように、シートは、第2方法ステップの前または最中に深絞りされる。
より大きい壁厚、特に、0.5mm超の壁厚を用いる。
例えば、封止要素が穿孔スパイク用のプレパンチ/弱部を有し、穿孔スパイクにより穿孔されることが意図されていない封止要素の領域において、壁厚は、0.5mm超であることが考えられる。
【0082】
本発明の方法によると、さらなる中間ステップにおいて、封止体の一部領域は、プレパンチを形成するために部分的にパンチされる。
このようにして、プレパンチは、その後の貫通開口部を定義し、この貫通開口部は、初期状態において、残りの封止体に依然として取り付けられている一部領域により閉止され、飲料生成の直前またはその最中に穿孔スパイクによってのみ開口される。
【0083】
本発明の方法によると、第2方法ステップの前または最中に、封止要素が、カートリッジ壁部のフランジ領域の周りに形成される。
この形成は、封止要素が、剛性または半剛性のアルミニウムから製造される封止体、特に、クリンプキャップを備えている変形例と、封止要素が封止薄膜のみからなる変形例の両方において実行可能である。
【0084】
本発明の方法によると、第2方法ステップ中に、封止要素が、フランジ領域にクリンプおよび/または螺合される。
これにより、カートリッジの高い内圧にも耐えられる、カートリッジへの封止要素の特に有利な取り付けを達成することができる。
特に、封止要素が剛性または半剛性のアルミニウムからなる封止体を備えている場合、封止体は、カートリッジ壁部のフランジ領域にクリンプされる。
【0085】
本発明の方法によると、第2方法ステップ中に、封止要素は、フランジ領域に接着、封止および/または溶接される。
この場合、封止要素は、封止薄膜として構成される。
封止要素が封止薄膜のみからなる場合、接着、封止および/または溶接は、特に好ましい。
【0086】
本発明の方法によると、さらなる中間ステップにおいて、貫通開口部は、封止要素に形成され、封止要素をドリル、パンチまたはレーザを用いて形成され、貫通開口部は、その後のさらなる中間ステップにおいて封止薄膜により閉止され、封止薄膜は、封止要素に接着、溶接および/または封止されることが好ましい。
本実施形態は、封止要素が剛性または半剛性のアルミニウムからなる封止体を備えている変形例に関する。
この封止体には、その後の中間ステップにおいて、穿孔可能な封止薄膜により閉止される貫通開口部が設けられている。
この封止薄膜は、混合チャンバと同じ側で封止体に配置および固定されてよく、または貯蔵領域と同じ側で封止体に配置および固定されてよい。
貫通開口部は、封止要素の形成中に形成されてよい。
【0087】
本発明の方法によると、第1方法ステップの最中または後に、接続手段、特に、掛止溝部、掛止ビード部、アンダカット部または雄ねじをカートリッジ壁部に形成する。
本発明の方法によると、第3方法ステップの前、特に、カートリッジ受け部材の射出成形の最中に、嵌着接続手段、特に、掛止溝部、掛止ビード部、アンダカット部または雌ねじをカートリッジ受け部材に形成する。
代替的または追加的に、カートリッジ受け部材の壁部をカートリッジの周りにクリンプする。
【0088】
本実施形態によると、第3方法ステップの前、最中および/または後に、カートリッジとカートリッジ受け部材との間に封止手段を用いて封止層が形成される。
【0089】
本発明の方法によると、第3方法ステップの前および/または第3方法ステップの最中、特に、第2方法ステップの前、最中および/または後に、封止手段が、カートリッジから離れる方向に向く封止要素の上側に形成および/または配置される。
【0090】
封止手段は、封止手段の一部として構成され、および/または、特に、第2方法ステップの前、最中および/または後に、封止要素に接続されることができる。
好ましい選択肢として、封止手段は、泡を含み、この泡を用いて、封止要素の泡領域がカートリッジから離れる方向に向くその上側に形成される。
封止手段を用いることにより、カートリッジとカートリッジ受け部材との間の改善された封止層を第3方法ステップの最中または後に形成することができる。
このため、封止手段は、第3方法ステップにおいて、カートリッジ受け部材の領域と相互作用することが好ましい。
【0091】
代替的または追加的に、封止手段は、第3方法ステップの前および/または最中に、好ましくは、第2方法ステップの後に、カートリッジとカートリッジ受け部材との間、特に、カートリッジから離れる方向に向く封止要素の上側とカートリッジ受け部材との間に配置されることができる。
この場合、封止手段は、封止要素とは別体の要素であることが好ましく、封止要素とカートリッジ受け部材との間に配置される。
好ましくは、封止手段は、第3方法ステップの前および/または最中に、カートリッジとカートリッジ受け部材との間、特に、カートリッジから離れる方向に向く封止要素の上側とカートリッジ受け部材との間に配置される封止リング、特に、Oリングを備える。
封止手段を用いることにより、第3方法ステップの最中および/または後に、カートリッジとカートリッジ受け部材との間に改善された封止層を形成することができる。
このため、封止手段は、第3方法ステップにおいて、カートリッジ受け部材の領域と相互作用することが好ましい。
【0092】
本発明の方法によると、代替的または追加的に、封止手段、例えば、Oリングおよび/または泡を、カートリッジとカートリッジ受け部材との間であってカートリッジの接続手段の領域において配置することができる。
封止手段は、カートリッジの封止要素とカートリッジ受け部材との間であってカートリッジの接続手段の領域において配置してよい。
【0093】
第1方法ステップにおいてまたは第1方法ステップの前に、カートリッジまたは、特に、カップ状である少なくともカートリッジの本体をガラスから製造する。
その一方、代替的に、カートリッジを合成樹脂および/または金属、特に、アルミニウムから製造する。
本体またはカートリッジがアルミニウムから製造される変形例において、本体またはカートリッジは、深絞りまたは押出しにより製造する。
本体は、カートリッジベース部により一方側が閉止される円筒状のカートリッジ壁部が設けられ、カートリッジ壁部およびカートリッジベース部が、一体化された構成である、カップ状の構成であってよい。
カートリッジ壁部およびカートリッジベース部は、ワンピースからなり、好ましくは、両方ともガラスからなる。
代替的に、カートリッジは、複数の個別のパーツから製造する。
例えば、カートリッジ壁部およびカートリッジベース部は、第1方法ステップにおいて、互いに気密性が高く接続される別体のパーツである。
【0094】
本発明に係るカートリッジシステムを製造する方法および本発明に係る飲料調製機械について、本発明に係るカートリッジシステムに関してまたは本発明に係るカートリッジシステムの実施形態に関して上記した有利な点と実施形態を利用することができる。
本発明に係るカートリッジシステムおよび本発明に係るカートリッジシステムを製造する方法について、本発明に係る飲料調製機械に関してまたは本発明に係る飲料調製機械の実施形態に関して上記した有利な点と実施形態を利用することができる。
本発明に係るカートリッジシステムおよび本発明に係る飲料調製機械について、本発明に係るカートリッジシステムを製造する方法に関してまたは本発明に係るカートリッジシステムを製造する方法の実施形態に関して上記した有利な点と実施形態を利用することができる。
【0095】
本発明のさらなる詳細、特徴、および、有利な点は、図面と、図面に基づく実施形態についての以下の説明から、明らかである。
図面は、本発明の実施形態を示すにすぎず、本発明の本質的な概念を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
図1】本発明の実施形態に係るカートリッジシステムのカートリッジの側面図。
図2図1に示されている平面断面B-Bに沿ったカートリッジの断面図。
図3a図1に示されている平面断面B-Bに沿ったカートリッジの口部領域の詳細図。
図3b】本発明の実施形態に係るカートリッジの口部領域の詳細図。
図4図1に示されている断面B-Bに沿って切断した、カートリッジの斜視図。
図5】本発明の実施形態に係るカートリッジシステムの切断されたカートリッジの斜視図。
図6a】本発明の実施形態に係るカートリッジシステムの切断されたカートリッジの斜視図。
図6b】本発明の実施形態に係るカートリッジシステムの切断されたカートリッジの斜視図。
図7】本発明の実施形態に係るカートリッジシステムの切断されたカートリッジの斜視図。
図8】本発明のさらなる実施形態に係るカートリッジシステムの切断されたカートリッジの斜視図。
図9a】本発明の第1実施形態に係るカートリッジシステムの斜視図。
図9b】本発明の第1実施形態に係るカートリッジシステムの概略断面図。
図9c】本発明の第1実施形態に係るカートリッジシステムの一般的な動作原理を示す図。
図10a】本発明の第2実施形態に係るカートリッジシステムの概略図。
図10b】本発明の第2実施形態に係るカートリッジシステムの概略図。
図10c】本発明の第2実施形態に係るカートリッジシステムの概略図。
図11】本発明の実施形態に係る切断された封止要素の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0097】
図面において、同一の部材は、常に同じ参照符号が付されているため、それぞれ一般に一度のみ説明される。
【0098】
図1は、本発明の実施形態に係るカートリッジシステム1のカートリッジ2の断面図を示す。
カートリッジ2は、カップ状の中空の本体2’を備え、この本体2’を用いて、飲料物質7用の貯蔵領域6となる貯蔵器が形成される。
ここで、「カップ状の構成」とは、本体2’が、カートリッジベース部2’’’(図面下側に記載)と、カートリッジベース部2’’’から90°の角度で、特に、カートリッジ受け部材10の方向に突出しているカートリッジ壁部2’’とを有することを意味している。
この場合、カートリッジ壁部2’’は、少なくとも部分的に円筒状であり包囲形状の構成を有する一方、本例におけるカートリッジベース部2’’’は、円状の構成を有する。
カートリッジ2の本体2’またはカートリッジ2自体は、ガラスボトルによって、または、少なくともガラスボトルを用いて形成される。
カートリッジ2の貯蔵領域6には、飲料物質7を充填することができる。
さらに、図1は、カートリッジ2の軸方向を示しているカートリッジ2の中心軸の広がり100と、このカートリッジ2の中心軸の広がり100に対して垂直であり、径方向を示している放射軸110とを示している。
【0099】
軸方向におけるカートリッジベース部2’’’との反対側において、カートリッジ2は、封止要素18により閉止可能な開口部90を有している。
封止要素を取り付けて固定するために、カートリッジ2は、フランジ領域4を有し、このフランジ領域4は、カートリッジ壁部2’’の縁部2’’’’におけるカートリッジ壁部2’’の幅広の口部領域として構成される。
このようにして、カートリッジ2の開口部90は、フランジ領域4により囲まれる。
さらに、カートリッジ2は、接続手段20を備え、この接続手段20は、掛止ビード部20’とさらなる掛止ビード部20’’とにより形成される。
そして、この接続手段20は、カートリッジ2をカートリッジ受け部材10に接続するように構成される。
また、掛止ビード部20’,20’’の径方向の広がりは、カートリッジ2の周囲にわたって一定ではない。
特に、カートリッジの一方側における掛止ビード部20’,20’’の径方向の広がりは、他方側よりも大きい(図2参照)。
代替的に、フランジ領域4が接続手段20、例えば、雄ねじを有している。
【0100】
図2は、図1の平面断面B-Bに沿った、図1に示すカートリッジ2の断面図を示す。
掛止ビード部20’,20’’の径方向の広がりは、カートリッジ2の周囲にわたって一定ではない。
特に、カートリッジの一方側における掛止ビード部20’,20’’の径方向の広がり(図2の右側)は、他方側よりも大きい(図2の左側)。
このようにして、平坦部は、接続手段20の一方領域に形成される。
その結果、カートリッジ2の捩れ防止手段がカートリッジ受け部材10に実装され、したがって、カートリッジ2がカートリッジ受け部材10に接続されると、固定された相対的な向きがカートリッジ2とカートリッジ受け部材10との間に形成される。
このため、カートリッジ受け部材10は、平坦部、特に、掛止溝部の周囲にわたって深さが変化する掛止溝部を備えた、これに対応する嵌着接続手段を有している。
フランジ領域4は、接続手段とは別体の領域であるため、掛止手段(または接続手段20)のこの平坦部にもかかわらず、フランジ領域4の周りにクリンプされ、このフランジ領域4が、特に、円状である、封止要素18として円状のクリンプキャップ180を用いることができる。
【0101】
図3aは、図1の平面断面B-Bに沿った、図1に示すカートリッジ2の断面図を示し、このカートリッジ2の上部領域のみが詳細図で示されている。
また、フランジ領域4は、軸方向におけるカートリッジベース部2’’’との反対側において、カートリッジ2の端部を形成し、カートリッジ2の開口部90の周りに形成されている。
開口部90は、円状の構成を有することが好ましく、少なくとも18mmの直径90’を有することが好ましい。
図示の実施形態における開口部90の直径90’は、22mm(特に、製造公差は、最大15%)である。
直径90’の他の値も考えられる。
【0102】
フランジ領域4の外径91(フランジ領域4の外側4’’’’から外側4’’’’まで)は、最大29mm(特に、製造公差は、最大15%)であることが好ましい。
しかし、外径91の他の値も考えられる。
【0103】
フランジ領域4の端面4’’は、カートリッジベース部2’’’から離れる方向に向く、フランジ領域4の上側4’に形成されている。
その径方向内側端部において、端面4’’は、カートリッジ2の内側と、第1曲率半径Mで合わさる。
第1曲率半径Mにより、封止要素18がこの領域で意図せずに破開できないように防止する。
図示の実施形態において、第1曲率半径Mは、0.6mm(特に、製造公差は、最大15%)である。
しかし、第1曲率半径Mの他の値も考えられる。
【0104】
フランジ領域4の端面4’’または上側4’は、放射軸110と平行に配置されているのではなく、径方向において内側から外側に向かって(つまり、延在中心軸100からの距離が拡大するにつれて)、カートリッジベース部2’’’の方向に下降している。
このようにして、この端面4’’は、放射軸110に対して上側開口角度Lを有する。
図示の実施形態において、開口角度L=7°である。
しかし、開口角度Lの他の値も考えられる。
特に、端面4’’は、カートリッジの延在中心軸100に対して垂直に形成されてもよく、つまり、放射軸110と平行に延在してよい。
封止要素18は、封止薄膜18’’として構成され、フランジ領域4の端面4’’に、例えば、誘導加熱溶接により固定される場合、放射軸100に対して端面4’’は、平行に延在する(つまり、特に、開口角度L=0°)ことが特に好ましい。
【0105】
その径方向外端において、フランジ領域4の上側4’または端面4’’は、フランジ領域4の外側4’’’’と、第2曲率半径Nで合わさり、外側4’’’’は、カートリッジ2の周りを円周方向に延在している。
フランジ領域4の外側4’’’’は、延在中心軸100と平行に延在している。
第2曲率半径Nを用いることで鋭い縁部が存在しないため、フランジ領域4周りの封止要素18のクリンプを改善できる。
図示の実施形態において、第2曲率半径Nは、1.3mm(特に、製造公差は、最大15%)である。
しかし、代替的に、第2曲率半径Nの他の値も考えられる。
その下端において、フランジ領域4の外側4’’’’は、フランジ領域4の下側4’’’’’と、第3曲率半径Oで合わさる。
第3曲率半径Oを用いることで、フランジ領域4周りの封止要素18のクリンプを改善できる。
図示の実施形態において、第3曲率半径Oは、0.5mm(特に、製造公差は、最大15%)である。
しかし、代替的に、第3曲率半径Oの他の値も考えられる。
【0106】
フランジ領域4の下側4’’’’’は、延在中心軸100に対して、60°の下側開口角度K(したがって、放射軸110に対して30°の角度)を有している。
しかし、代替的に、下側開口角度Kの他の値も考えられる。
【0107】
カートリッジ壁部2’’のセカンダリ領域5は、フランジ領域4の下側4’’’’’に隣接して形成されている。
フランジ領域4の下側4’’’’’とセカンダリ領域5との間の移行部として第4曲率半径Pは、形成されている。
図示の実施形態において、第4曲率半径Pは、0.7mm(特に、製造公差は、最大15%)である。
しかし、代替的に、第4曲率半径Pの他の値も考えられる。
【0108】
図示の実施形態において、第4曲率半径Pにより形成されている領域を含む、フランジ領域4の高さ4’’’は、6.1mm(特に、製造公差は、最大15%)である。
しかし、代替的に、高さ4’’’の他の値も考えられる。
その高さ4’’’のおかげで、フランジ領域4の周りにクリンプされる封止要素18をカートリッジ2に固定するためにフランジ領域4を用いることができる。
【0109】
カートリッジ受け部材10との接続を行うことができるカートリッジ2の接続手段20は、軸方向において(つまり、延在中心軸100と平行)フランジ領域4からカートリッジベース部2’’’の方向にオフセットして構成される。
このようにして、接続手段20およびフランジ領域4は、別体の要素であり、互いに離間している要素である。
また、カートリッジ壁部2’’のセカンダリ領域5は、軸方向における接続手段20とフランジ領域4との間に配置される。
そして、このセカンダリ領域5は、その上端において、フランジ領域4と隣接し、その下端において、掛止ビード部20’と隣接しているため、セカンダリ領域5によりフランジ領域4と接続手段20との間に溝が形成される。
ここで、カートリッジ壁部2’’の壁厚は、フランジ領域4よりもセカンダリ領域5の方が小さいため、フランジ領域4は、セカンダリ領域5から径方向に突出している。
接続手段20、特に、掛止ビード部20’と端面4’’により形成されるフランジ領域4の上縁部との間隔20’’’は、7.9mm(特に、製造公差は、最大15%)である。
【0110】
図3bは、本発明に係るカートリッジ2の断面図を示す。
図3bに示す実施形態は、図3aに示す実施形態と同様である一方、フランジ領域4がその外側4’’’’に包囲形状の窪み9を有している点で異なる。
特に、窪み9は、フランジ領域4の径方向の薄肉化として構成されている。
このようにして、カートリッジ壁部2’’の厚肉化領域として構成されているフランジ領域4は、局所的に薄肉化されている。
カートリッジ2またはカートリッジ壁部2’’が合成樹脂から製造されている場合、そのような薄肉化は、特に有利である。
クリンプ力を有利に吸収するために、フランジ領域4の窪み9により形成されているフランジ領域4の2つのリング(窪み9の上下)が1つまたは複数の垂直方向のウェブにより補強される。
図4は、断面B-Bに沿って切断した、図1図3aに示す実施形態によるカートリッジ2の斜視図を示す。
【0111】
図5は、本実施形態によるカートリッジシステム1のカートリッジ2の斜視図を示す。
この場合、カートリッジ2の開口部90は、クリンプキャップ180として構成されている封止要素18により閉止されている。
クリンプキャップ180は、カートリッジ2のフランジ領域4の周りにクリンプされ、これによりカートリッジ2に固定される。
この場合、封止要素18は、フランジ領域4の上側4’とフランジ領域の外側4’’’’との両方を囲み、曲率半径Nおよび曲率半径Oを有するフランジ領域4の領域の周りに形成されている。
封止要素18は、フランジ領域4の下側4’’’’’の領域で終端している。
これにより、カートリッジ2を閉止することができる。
クリンプされた封止要素18は、カートリッジ2の内側、特に、貯蔵領域6に形成される場合がある、高い内圧にも耐える。
このようにして、貯蔵領域6が高圧下である場合に飲料物質7を内包することができ、したがって、事前炭酸化を達成することができ、このことは、多くの飲料物質にとって有利である。
クリンプキャップ180は、金属、特に、アルミニウムから製造される。
そして、コーティング、特に、封止層、例えば、ラッカーおよび/または積層もしくは共押出し合成樹脂が、クリンプキャップ180の下側、つまり、カートリッジ2の方向に向くクリンプキャップ180の側に配置される。
特に、フランジ領域4とクリンプキャップ180との間に封止層が配置される。
そして、この封止層を用いて、有利な封止が可能である。
任意で、封止層をクリンプキャップ180とフランジ領域4との間に設けることができる。
封止層は、例えば、環状または全領域の構成(つまり、連続的、特に、ディスク状)を有する。
封止層をクリンプキャップ180に導入することができ、特に、封止、接着および/または発泡固定することができる。
封止層を用いることにより、封止のさらなる改善が可能である。
また、保護ラッカーを、カートリッジ2から離れる方向に向く側である、クリンプキャップ180の上側に塗布する。
【0112】
図6aおよび図6bは、本実施形態に係るカートリッジシステム1のカートリッジ2の斜視断面図を示す。
図5に示す実施形態のように、封止要素18または封止要素18の封止体は、クリンプキャップ180として構成されている。
封止要素18、つまり、クリンプキャップ180は、クリンプキャップ180の中央に形成されているプレスタンプまたはプレパンチ18’を備えている。
また、プレパンチ18’を封止要素18の中心からオフセットすることもできる。
プレパンチ18’を用いて、特に、プレパンチ18’の縁部を用いて、封止要素18が穿孔スパイク73と接触すると裂開する、封止要素18の所定の破点が形成される。
このようにして、有利に定義される開口を封止要素18に形成することができる。
封止層、特に、ラッカーおよび/または積層もしくは共押出し合成樹脂は、ポリプロピレンおよび/または他の合成樹脂を含み、クリンプキャップ180の下側、つまり、カートリッジ2の方向に向くクリンプキャップ180の側に配置される。
特に、封止層は、フランジ領域4とクリンプキャップ180との間に配置される。
そして、この封止層を用いて、有利な封止が可能である。
プレスタンプまたはプレパンチ18’は、封止層がプレスタンプまたはプレパンチ18’ に起因して損傷することがないように構成されることが好ましい。
任意で、封止層をクリンプキャップ180とフランジ領域4との間に設けることができる。
封止層は、例えば、環状または全領域の構成(つまり、連続的、特に、ディスク状)を有する。
封止層をクリンプキャップ180に導入することができ、封止、接着および/または泡固定することができる。
封止層を用いることにより、封止のさらなる改善が可能である。
また、保護ラッカーを、カートリッジ2から離れる方向に向く側である、クリンプキャップ180の上側に塗布する。
【0113】
図7は、本実施形態に係るカートリッジシステム1のカートリッジ2の斜視図を示す。
図5に示す実施形態のように、封止要素18または封止要素18の封止体は、クリンプキャップ180として構成される。
封止要素18、つまり、クリンプキャップ180は、中心に貫通開口部18’’’、特に、穴を備えている。
代替的に、貫通開口部18’’’を封止要素18の中心からオフセットして構成する。
そして、この封止要素18の貫通開口部18’’’は、封止薄膜18’’(不図示)により閉止される。
この場合、封止薄膜18’’をクリンプキャップ180に、カートリッジ2の方向に向く側である、クリンプキャップ180の下側またはカートリッジ2から離れる方向に向く側である、クリンプキャップ180の上側において接続することができる。
カートリッジシステム1の初期状態において、このようにして封止薄膜18’’は、貫通開口部18’’’を閉止している。
封止要素18と穿孔スパイク73との間の接触があると、封止薄膜18’’が穿孔される。
このようにして、有利に定義される開口を封止要素18に形成することができる。
封止層、特に、ラッカーおよび/または積層もしくは共押出し合成樹脂は、ポリプロピレンおよび/または他の合成樹脂を含み、クリンプキャップ180の下側、つまり、カートリッジ2の方向に向く側に配置される。
任意で、封止層をクリンプキャップ180とフランジ領域4との間に設けることができる。
封止層は、例えば、環状または全領域の構成(つまり、連続的、特に、ディスク状)を有する。
封止層をクリンプキャップ180に導入することができ、封止、接着および/または発泡固定することができる。
また、この封止層を用いることにより、封止のさらなる改善が可能である。
そして、保護ラッカーを、カートリッジ2から離れる方向に向く側である、クリンプキャップ180の上側に塗布する。
図示のクリンプキャップ180の代替として、封止要素18の構成をねじ式キャップとする。
封止層を改善するために、両方の変形例(クリンプキャップ180またはねじ式キャップ)を、フランジ領域4の方向および/またはクリンプキャップ180もしくはねじ式キャップの方向においてさらに封止してよい。
【0114】
図8は、本発明のさらなる実施形態に係るカートリッジシステム1のカートリッジ2の斜視断面図を示す。
この場合、カートリッジ2の開口部90は、封止薄膜18’’として構成される封止要素18により閉止されている。
封止薄膜18’’は、フランジ領域4の上側4’、特に、フランジ領域4の端面4’’に固定されている。
この場合、封止薄膜18’’の縁部領域は、フランジ領域4の上側4’に配置され、この縁部領域においてフランジ領域4に固定される。
封止薄膜18’’の縁部領域は、フランジ領域の上側4’に溶接、特に、誘導加熱溶接により固定される。
その一方、封止薄膜18’’をフランジ領域4に固定するために他の方法、特に、接着法を用いることもできる。
封止薄膜18’’として構成されている封止要素18は、コストを抑えて構成することができ、貯蔵領域6内が比較的低い圧力、特に、低い過圧または過圧ではなくても十分な飲料物質7には特に有利に用いることができる。
封止薄膜18’’は、合成樹脂薄膜、金属薄膜(特に、アルミニウム薄膜)または合成樹脂および/もしくはアルミニウム(および/または1つまたは複数のさらなる金属)の多層薄膜として構成されている。
図8に示されるように、封止薄膜18’’は、フランジ領域4の周辺部を越えて突出することができる。
これにより、特に有利な公差補償を達成することができる。
【0115】
図5図8から見て取ることができるように、カートリッジの構造を変化させる必要なく、フランジ領域4をさまざまな封止要素18の取り付けに用いることができる。
様々な封止要素18と、この封止要素18をカートリッジ2に固定する様々な方法を組み合わせることが可能になることにより、様々な要件を有する飲料物質7についてカートリッジを特に有利に用いることが可能になるため、このことは、カートリッジの構成をコスト効果高く多面的に用いることを可能にする。
【0116】
図9aは、本発明の実施形態に係るカートリッジシステム1の斜視図を示し、図9bは、本実施形態に係るカートリッジシステム1の断面図を示し、図9cは、本実施形態に係るカートリッジシステム1の一般的な動作原理を示す。
【0117】
図示のカートリッジシステム1は、飲料70を生成するために、飲料調製機械(不図示)に挿入されることを意図している。
このため、カートリッジシステム1は、飲料物質7が充填されたカートリッジ2と、このカートリッジ2に接続されるカートリッジ受け部材10とを有している。
飲料調製機械内において対応する飲料70は、飲料物質7と、以下に流体源41と称される追加の給水源とを用いて生成される。
この場合、カートリッジ2には、特定の飲む量分、例えば、飲用グラス1杯分の所望の飲料70を生成するために必要である、事前に小分けされた量の飲料物質7が充填されることが好ましい。
飲料物質7は、シロップのような液体状炭酸飲料濃縮物である。
【0118】
原則的に、複数の異なるカートリッジシステム1が利用可能であり、そのカートリッジ2または貯蔵領域6には、様々な飲料物質7が充填され、様々な飲料70を生成する。
カートリッジシステム1のユーザが特定の飲料70を飲みたい場合、このユーザは、複数の異なるカートリッジシステム1から、所望の飲料70を生成するための、対応する飲料物質7を含むカートリッジシステム1を選択し、そのカートリッジシステム1を飲料調製機械の保持ユニットに挿入し、例えば、スタートボタンを押すことにより、接触感応ディスプレイに適切な方法で触れることにより、ジェスチャもしくは音声制御により、または、携帯電話の適切なアプリケーションを用いて、飲料調製機械において飲料生成プロセスを開始しさえすればよい。
また、飲料生成プロセスは、新品のカートリッジシステム1の、保持ユニットへの挿入が検出されたときに、自動的に開始することも考えられる。
その後、上記場合のそれぞれにおいて、所望する飲料70が、自動的に生成され、飲料容器に運ばれて、このようにして、ユーザに提供される。
続いて、使用済みのカートリッジシステム1は、取り出されて処分される。
このとき、飲料調製機械は、さらなる飲料70を生成するために、再度、任意の所望する新品のカートリッジシステム1を補充する準備ができている。
【0119】
飲料物質7は、カフェイン入り、炭酸入り、果物風味および/もしくは甘いソーダ、ならびに、ジュースなどの清涼飲料、ビール(混合)飲料、または、他のアルコールもしくはノンアルコール(混合)飲料のための、液体状の事前混合成分を含むことが好ましい。
【0120】
カートリッジシステム1は、カートリッジ2、例えば、図1図8のうちの1つまたは複数により構成されているカートリッジ2を備えている。
カートリッジのフランジ領域4の周りの領域は、図9a~図9cに詳細には示されていない。
【0121】
カートリッジ2は、固定してまたは可逆的にカートリッジ受け部材10に接続される。
特に、本体2’の製造後、カートリッジ2を飲料物質7に充填した後、封止要素18を適用して貯蔵領域6を閉止した後および/またはその最中に、カートリッジ受け部材10はカートリッジ2に接続される。
このため、カートリッジ壁部2’’は、包囲形状の接続手段20を、1つまたは複数の包囲形状の掛止ビード部20’,20’’または掛止溝部の形態で有している。
カートリッジ受け部材10は、カートリッジ2がカートリッジ受け部材10に接続されると接続手段20と掛止する、接続手段20に対して補完的な嵌着接続手段21を、1つまたは複数の包囲形状の掛止ビード部または掛止溝部の形態で任意に有する。
接続手段20および/またはさらなる要素は、カートリッジ2とカートリッジ受け部材10のための捩れ防止手段を形成している。
さらに、カートリッジ壁部2’’およびカートリッジ受け部材10は、互いに接着、溶接、および/または、押圧される。
さらなる封止層が、カートリッジ2とカートリッジ受け部材10との間に、例えば、Oリングを用いて形成され、このOリングは、接続手段20の領域に配置され、掛止ビード部20’,20’’間に挿入される。
さらなる封止層を、例えば、2つの構成要素の合成樹脂を用いてカートリッジ受け部材10を実装することにより達成することができる。
その結果、カートリッジ壁部が、例えば、±0.3mmの比較的大きな公差を有する場合にも、有利な封止を達成できる。
【0122】
カートリッジ2は、破裂することなく、12bar以下、好ましくは、10bar以下、特に好ましくは、8bar以下、非常に特に好ましくは、6bar以下の内圧に耐えることができるように構成される(温度が20℃で外圧が1bar)。
そして、カートリッジ2の貯蔵領域6は、10ml~500ml、好ましくは、30ml~90ml、特に好ましくは、約60mlの容量を備えている。
【0123】
カートリッジ受け部材10は、混合チャンバ8を有し、このカートリッジ受け部材10のカートリッジ空化装置を用いて、飲料物質7を貯蔵領域6から混合チャンバ8に少なくとも部分的に移送することができるように、混合チャンバ8は、飲料生成プロセス中、貯蔵領域6に流体接続されている。
このため、カートリッジ空化装置は、圧縮空気管40を含む。
そして、この圧縮空気管40の一端は、圧縮空気を圧縮空気管40に導入するために、飲料調製機械の圧縮空気源と接続可能な圧縮空気接続部42に接続されている一方、他端は、貯蔵領域6の方向に開口し、圧縮空気を貯蔵領域6に導入する、圧縮空気出口に通じている。
圧縮空気を導入することにより、飲料物質7が混合チャンバ8へと押し込まれる。
圧縮空気管40が、圧縮空気源に接続するための外部圧縮空気接続部42から、穿孔スパイクの先端部の領域における圧縮空気出口43まで、穿孔スパイク73内側に延在する。
【0124】
飲料調製機械の流体源からの供給を受けるカートリッジ受け部材10の流体供給部12も、混合チャンバ8に通じている。
流体供給部は、クイックカップリングを有し、このクイックカップリングによって、流体供給部12を飲料調製機械の流体源に接続できる。
クイックカップリングは、例えば、カートリッジシステム1が保持ユニットに挿入されると、流体源と混合チャンバ8との間の、流体供給部12を介した流体接続が自動的に確立されるように、構成されてよい。
飲料生成プロセス中、流体、特に、冷却された炭酸飲料水が、この流体接続によって流体供給部12から混合チャンバ8に入る。
さらに、上記のように、飲料生成プロセス中、飲料物質7が、貯蔵領域6から混合チャンバ8に入る。
飲料物質7が混合チャンバ8で流体と混合される結果、飲料70が形成され、次いで、この飲料70が、飲料出口11を通して混合チャンバ8から出る。
【0125】
カートリッジ受け部材10は、飲料出口11を有し、混合チャンバ8で生成された飲料は、飲料出口11を通して混合チャンバ8から出て、飲料容器(不図示)に、直接的に運ばれ、つまり、飲料調製機械のパーツが飲料70と接触することなく、飲料容器に運ばれる。
このようにして、飲料調製機械の逆汚染が防止される。
飲料容器は、飲料出口11の直下に配置される。
【0126】
飲料生成プロセスの完了後のカートリッジシステム1は、飲料調製機械が、新品で未使用のカートリッジシステム1と装着できるように、保持ユニットから取り外される。
カートリッジ受け部材10は、任意に、掛止接続を解除することにより、使用済みのカートリッジ2から切り離し、新品のカートリッジ2にクリップ固定することで、再利用することができる。
カートリッジ2も、再利用する。
特に、カートリッジ2に新品の飲料物質7を充填し、このカートリッジ2を封止要素18を用いて封止してもよい。
【0127】
貯蔵領域6と混合チャンバ8との間の流体接続を確立するために、カートリッジ受け部材10は、穿孔スパイク73が変位可能に取り付けられる、スパイクガイド80を有する。
封止要素18は、穿孔スパイク73が封止要素18から離間している後退位置(図5b参照)と、穿孔スパイク73が封止要素18を穿孔して(図5c参照)貯蔵領域6内に突出する伸長位置との間で移動される、変位可能な穿孔スパイク73によって、穿孔される。
【0128】
穿孔スパイク73の外壁部は、封止要素18が穿孔されると、貯蔵領域6から混合チャンバ8の方向に飲料物質7を運ぶための、複数の横チャネル71を備えている。
これらの横チャネル71は、一方の側で開口し、互いに平行に延在する溝の形態で構成されている。
封止要素18の穿孔後、横チャネル71は、飲料物質7が、穿孔された封止要素18の縁部周辺を、混合チャンバ8の方向に流れることができるように、貯蔵領域6と流体接続状態となる。
【0129】
この場合、横チャネル71の断面、および/または、横チャネル71の数は、横チャネル71が混合チャンバ8の方向における飲料物質7の流れを制御または制限するように、飲料物質7の粘度に適合される。
高粘度では、複数の横チャネル71および/または比較的大きい断面を有する横チャネル71が使用される一方、低粘度では、より少数の横チャネル71および/またはより小さい断面を有する横チャネル71が、設けられる。
【0130】
穿孔スパイク73には、圧縮空気管40も一体化され、この圧縮空気管40は、カートリッジ空化装置として機能する。
この圧縮空気管40は、穿孔スパイク73が伸長位置にある場合、穿孔スパイク73の端部において貯蔵領域6に開口する。
特に、貯蔵領域6から離間する、穿孔スパイク73の1つの側に、圧縮空気接続部42は形成され、このようにして、この圧縮空気接続部42は、カートリッジ受け部材10の外側からアクセス可能であり、飲料調製機械の圧縮空気源に接続可能である。
【0131】
穿孔スパイク73は、飲料調製機械へのカートリッジシステム1の挿入中もしくは挿入後に、または、飲料生成プロセスの開始後に、穿孔スパイク73が押し付けられる保持ユニットの固定された解除要素によって、後退位置から伸長位置に移動する。
穿孔スパイク73は、合成樹脂パーツであり、好ましくは、合成樹脂射出成形パーツである。
【0132】
流体源および圧縮空気源の両方は、カートリッジシステム1が飲料調製機械に挿入されるか、または、飲料生成プロセスが開始すると直ちに、かつ、封止要素18が穿孔される前に、それぞれ、流体供給部12および圧縮空気接続部42に、直接接続される。
このようにして、飲料調製機械の方向への逆汚染が効果的に回避されるが、なぜなら、流体供給部12およびカートリッジ空化装置が、カートリッジシステム1の挿入時に即時に過圧下におかれ、これにより、飲料物質7が、それぞれ流体源および圧縮空気源の方向に移動することを防止するからである。
したがって、飲料物質7は、封止要素18が開口すると直ちに、貯蔵領域6から混合チャンバ8の方向にのみ、移動することができる(図9c参照)。
【0133】
カートリッジ受け部材10は、カップ状の構成を有するベース構造体10’を備えている。
このカップ状の構成の開口側は、カートリッジ2の方向を向き、少なくとも部分的に、フランジ領域4と接続手段20とを有するカートリッジ壁部2’の縁部2’’’’を収容する。
反対側の底側部10’’において、ベース構造体10’は、飲料出口開口部11と外側に開口するスパイクガイド80とを有している。
流体供給部12は、ベース構造体10’の側壁部10’’’に形成されている。
特に、ベース構造体10’は、合成樹脂パーツとして、特に、合成樹脂射出成形パーツとして構成されている。
【0134】
図10aは、本実施形態に係るカートリッジシステム1の断面図を示す。
カートリッジシステム1は、カートリッジ2とカートリッジ受け部材10とを備え、このカートリッジ受け部材10は、混合チャンバ8を有する混合キャップとして構成されている。
図に示すように、カートリッジ2は、一方側においてその周囲に平坦部2’’’’’を有し、カートリッジ受け部材10は、同様に、一方側において平坦部10’’’’’を有してよい。
平坦部2’’’’’,10’’’’’を用いることで、飲料調製機械においてカートリッジ2とカートリッジ受け部材10の定義可能な向きを実現できる。
このようにしておよび/またはさらなる手段を用いて、カートリッジ2とカートリッジ受け部材10との間に捩れ防止手段を形成することができる。
カートリッジ2は、フランジ領域4を備えている。
封止要素18は、フランジ領域4に固定され、例えば、接着、封止、溶接および/またはクリンプされる。
ここで、封止要素18は、封止薄膜および/または半剛性もしくは剛性の封止体、例えば、クリンプキャップを備えてよい。
また、封止要素18は、フランジ領域4を用いて、好ましくは、フランジ領域4の端面を用いてカートリッジ2に漏れ気密性高く固定されている。
さらに、図10aに示す実施形態において、フランジ領域4は、同時に、カートリッジ2とカートリッジ受け部材10とを接続する接続手段20として構成されている。
したがって、この場合、カートリッジ2の接続手段20は、フランジ領域4とは別体の要素ではない。
そして、カートリッジ受け部材10は、カートリッジ2に、特に、フランジ領域4を用いて押圧および/または掛止されている。
このため、カートリッジ受け部材10は、フランジ領域4に対して補完的な嵌着接続手段21を有してよい。
カートリッジ2とカートリッジ受け部材10との間に追加の封止層は、封止手段14を用いて形成される。
封止手段14は、カートリッジ2とカートリッジ受け部材10との間の接続を封止するため、飲料調製中にカートリッジ2とカートリッジ受け部材10との間の移行部に液体が流出しないことが確実になる。
封止手段14は、公差を補償する役割を果たす。
ガラスカートリッジ2が用いられる場合、公差補償は、特に有利である。
【0135】
図10bは、図10aにおいて「D」の文字により印付けられている、カートリッジ受け部材10およびカートリッジ2の領域の拡大図を示す。
封止手段14は、カートリッジ2とカートリッジ受け部材10との間に配置される。
特に、この封止手段14は、カートリッジ受け部材10の突出領域10’’’’と封止要素18との間に部分的または全体的に配置され、この突出領域10’’’’は、フランジ領域4の端面4’’または上側4’において内側方向に形成される。
図示の実施形態において、封止手段14は、封止リング14’、特に、Oリングとして構成されている。
このようにして、封止リング14’は、封止要素18上のフランジ領域4および/またはフランジ領域4の上側4’に位置している。
Oリングを用いることの代替として、穿孔スパイク73用の穴/開孔を有する全領域構成の封止手段14も考えられる。
代替的に、穿孔スパイク73用の穴/開孔を有さない全領域構成の封止手段14も考えられる。
封止リング14’に対する代替または追加として、混合チャンバ8、つまり、特に、カートリッジ受け部材10へのカートリッジ2の移行部を封止する他の封止手段14も考えられる。
例えば、封止要素18は、カートリッジ2から離れる方向(つまり、カートリッジ1受け部材10、特に、突出領域10’’’’に向く側)に向くその上側に泡領域または泡を有してよく、これにより、追加の封止が達成される。
【0136】
図10cは、図10aおよび図10bに示す本実施形態に係るカートリッジ受け部材10の平面図を示す。
【0137】
図11は、本実施形態に係る封止要素18の斜視断面図を示す。
封止要素18は、合成樹脂製のキャップとして構成され、1つまたは複数の合成樹脂を含む。
合成樹脂キャップは、例えば、射出成形により形成されてよい。
ここで、合成樹脂キャップは、クリンプキャップ、掛止キャップまたはねじ式キャップとして構成されてよく、つまり、可能な場合、例えば、カートリッジにクリンプされ、掛止され、または螺合される。
封止要素18、特に、合成樹脂キャップは、穿孔スパイク73が通過するための弱部18’’’’ を有している。
そして、この弱部18’’’’は、合成樹脂キャップの隣接する領域と比較して厚みが薄い合成樹脂キャップの領域である。
また、弱部18’’’’は、合成樹脂キャップの形成中、例えば、射出成形中に合成樹脂キャップの薄厚領域として形成されるため、弱部を形成するために合成樹脂キャップをさらに後処理する必要はない。
図11に示す合成樹脂キャップは、封止要素18として、例えば、上記封止手段14の様々な実施形態と組み合わせることができ、例えば、環状または全領域封止手段14と共に使用され、この手段は、別体のインサートとして、または、2つの構成要素の射出成形を用いて封止要素18の一部として、もしくは、カートリッジ受け部材10の一部として構成される。
【符号の説明】
【0138】
1・・・カートリッジシステム
2・・・カートリッジ
2’・・・本体
2’’・・・カートリッジ壁部
2’’’・・・カートリッジベース部
2’’’’・・・カートリッジ壁部の縁部
2’’’’’・・・カートリッジの平坦部
4・・・フランジ領域
4’・・・フランジ領域の上側
4’’・・・フランジ領域の端面
4’’’・・・フランジ領域の高さ
4’’’’・・・フランジ領域の外側
4’’’’’ ・・・フランジ領域の下側
5・・・セカンダリ領域
6・・・貯蔵領域
7・・・飲料物質
8・・・混合チャンバ
9・・・窪み
10・・・カートリッジ受け部材
10’・・・ベース構造体
10’’・・・底側部
10’’’・・・ベース構造体の側壁部
10’’’’・・・突出領域
10’’’’’・・・カートリッジ受け部材の平坦部
11・・・飲料出口
12・・・流体供給部
14・・・封止手段
14’・・・封止リング
18・・・封止要素
18’・・・封止要素のプレパンチ
18’’・・・封止薄膜
18’’’・・・封止要素の貫通開口部
18’’’’・・・封止要素の弱部
20・・・接続手段
20’・・・掛止ビード部
20’’・・・さらなる掛止ビード部
20’’’・・・接続手段の間隔
21・・・嵌着接続手段
40・・・圧縮空気管
42・・・圧縮空気接続部
43・・・圧縮空気出口
70・・・飲料
71・・・横チャネル
73・・・穿孔スパイク
80・・・スパイクガイド
90・・・開口部
90’・・・開口部の直径
91・・・フランジ領域の外径
100・・・延在中心軸
110・・・放射軸
180・・・クリンプキャップ
K・・・フランジ領域の下側開口角度
L・・・フランジ領域の上側開口角度
M・・・第1曲率半径
N・・・第2曲率半径
O・・・第3曲率半径
P・・・第4曲率半径
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
図10c
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製機械に挿入可能で、飲料物質(7)が充填された貯蔵領域(6)を含むカートリッジ(2)を有し、前記カートリッジ(2)に接続されるカートリッジ受け部材(10)を有し、前記カートリッジ受け部材(10)が、前記貯蔵領域(6)に流体接続可能な混合チャンバ(8)と前記混合チャンバ(8)に開口する流体供給部(12)とを有し、前記カートリッジ(2)がカートリッジ壁部(2’’)を有し、前記カートリッジ壁部(2’’)が封止要素(18)を取り付けるフランジ領域(4)を備えている、飲料(70)を生成するためのカートリッジシステム(1)であって、
前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ壁部(2’’)の径方向外側に突出する領域として構成されていることを特徴とする、カートリッジシステム(1)。
【請求項2】
前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ壁部(2’’)の口部領域として前記カートリッジ壁部(2’’)の縁部(2’’’’)に構成されている、請求項1に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項3】
前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ壁部(2’’)上において円周方向全体に、特に、前記カートリッジ壁部(2’’)の周囲全体にわたって形成されている、請求項1または請求項2に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項4】
前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ壁部(2’’)の厚肉化領域を用いて形成されている、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項5】
前記カートリッジ(2)が、カップ状の構成を有する本体(2’)を備え、
前記本体(2’)が、前記カートリッジ壁部(2’’)を用いて形成され、
前記カートリッジ壁部(2’’)が、一方側においてカートリッジベース部(2’’’)により閉止され、
前記本体(2’)が、前記貯蔵領域(6)を備えている、請求項1~請求項4の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項6】
前記カートリッジ壁部(2’’)が、前記カートリッジベース部(2’’’)の方向に前記フランジ領域(4)と隣接して配置されているセカンダリ領域(5)を備えるとともに、前記フランジ領域(4)におけるよりも前記セカンダリ領域(5)においてより小さい壁厚を有している、請求項5に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項7】
前記カートリッジ壁部(2’’)が、前記カートリッジ受け部材(10)にカートリッジ(2)を接続する接続手段、特に、包囲形状の接続手段を有し、
前記接続手段(20)が、1つまたは複数の掛止溝部および/または1つまたは複数の掛止ビード部および/または1つまたは複数のアンダカット部および/または雄ねじを備えている、請求項1~請求項6の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項8】
前記接続手段(20)が、前記フランジ領域(4)から離間して形成されているとともに、前記フランジ領域(4)からカートリッジベース部(2’’’)の方向にオフセットして配置されている、請求項7に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項9】
前記接続手段(20)が、前記セカンダリ領域(5)に隣接して前記カートリッジベース部(2’’’)の方向にオフセットして配置されている、請求項7または請求項8に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項10】
前記カートリッジ受け部材(10)にカートリッジ(2)を接続する接続手段(20)が、前記フランジ領域(4)を備え、および/または、前記フランジ領域(4)が、前記カートリッジ受け部材(10)にカートリッジ(2)を接続する前記接続手段(20)を備えている、請求項1~請求項7の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項11】
前記カートリッジ受け部材(10)が、前記接続手段(20)に対して補完的な嵌着接続手段(21)、特に、1つまたは複数のさらなる掛止溝部および/または1つまたは複数のさらなる掛止ビード部および/または1つまたは複数のさらなるアンダカット部および/または雌ねじを備え、
前記嵌着接続手段(21)が、前記接続手段(20)に、形状接続、非形状接続および/または材料接続されている、請求項7~請求項10の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項12】
前記カートリッジ(2)が、前記封止要素(18)を有し、
前記カートリッジシステム(1)の初期状態において、前記本体(2’)が、前記封止要素(18)により、前記カートリッジベース部(2’’’)とは反対側において閉止されている、請求項1~請求項11の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項13】
前記封止要素(18)が、前記フランジ領域(4)を用いて前記カートリッジ(2)にクリンプ、接着、封止、溶接および/または螺合されている、請求項1~請求項12の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項14】
前記封止要素(18)が、クリンプキャップ(180)を備えている、請求項1~請求項13の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項15】
前記クリンプキャップ(180)が、金属、好ましくは、アルミニウムを含む、請求項14に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項16】
前記クリンプキャップ(180)が、前記カートリッジシステム(1)の初期状態において、前記カートリッジ(2)のフランジ領域(4)に固定されているとともに、前記カートリッジ(2)のフランジ領域(4)にクリンプされている、請求項14または請求項15に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項17】
前記封止要素(18)が、封止薄膜(18’’)を備えている、請求項1~請求項16の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項18】
前記封止薄膜(18’’)が、合成樹脂薄膜、アルミニウム薄膜または合成樹脂および/もしくはアルミニウムの多層薄膜を備えている、請求項17に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項19】
前記封止薄膜(18’’)が、前記カートリッジシステム(1)の初期状態において、前記カートリッジ(2)のフランジ領域(4)に固定されているとともに、前記カートリッジ(2)のフランジ領域(4)に接着、封止および/または溶接されている、請求項17または請求項18に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項20】
前記カートリッジ(2)とカートリッジ受け部材(10)との間に封止手段(14)を用いて封止層が、形成されている、請求項1~請求項19の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項21】
前記封止手段(14)が、前記封止要素(18)の一部および/または前記封止要素(18)とは別体の要素で前記カートリッジ(2)と前記カートリッジ受け部材(10)との間に配置されている、請求項20に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項22】
前記封止手段(14)が、封止リング(14’)、穴を有する全領域封止手段(14)および/または泡を有している、請求項20または請求項21に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項23】
前記カートリッジ受け部材(10)が、ベース構造体(10’)を有し、
前記ベース構造体(10’)が、少なくとも部分的に合成樹脂製であり、特に、全体的に合成樹脂製である、請求項1~請求項22の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項24】
前記ベース構造体(10’)が、カップ状の構成を有し、
前記カップ状の構成の開口側が、前記カートリッジ(2)の方向に向き、
飲料出口となる開口部(11)および外側に開口するスパイクガイド(80)が、前記カートリッジ(2)とは反対側に位置する底側部(10’’)に形成され、
流体供給部(12)が、前記底側部(10’’)、または、前記ベース構造体(10’)の側壁部(10’’’)に形成されている、請求項23に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項25】
変位可能に取り付けられる穿孔スパイク(73)が、前記スパイクガイド(80)内に設けられ、
前記穿孔スパイク(73)が、前記穿孔スパイク(73)が前記封止要素(18)から離間している後退位置と前記穿孔スパイク(73)が前記封止要素(18)を穿孔して前記貯蔵領域(6)内に突出する伸長位置との間を変位可能である、請求項24に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項26】
前記穿孔スパイク(73)の外壁部は、前記封止要素(18)が穿孔されると前記混合チャンバ(8)の方向に前記飲料物質(7)を運ぶ少なくとも1つの側方チャネル(71)を有している、請求項25に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項27】
前記穿孔スパイク(73)が、内蔵された圧縮空気管(40)を有し、
前記圧縮空気管(40)が、圧縮空気源に接続する外部圧縮空気接続部(42)から前記穿孔スパイク(73)の先端部の領域における圧縮空気出口(43)まで前記穿孔スパイク(73)内側に延在し、圧縮空気を前記貯蔵領域(6)に吹き込むように構成されている、請求項26に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項28】
前記混合チャンバ(8)が、前記飲料物質(7)と流体の混合物から生成された前記飲料(70)を吐出する前記飲料出口(11)を備え、
前記カートリッジ受け部材(10)が、前記飲料(70)を前記飲料出口(11)から移動式容器に直接導入可能であるように構成されている、請求項1~請求項27の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)。
【請求項29】
請求項1~請求項28の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)を備える飲料調製機械。
【請求項30】
第1方法ステップにおいて、前記フランジ領域(4)を備える前記カートリッジ(2)のカートリッジ壁部(2’’)が形成され、
第2方法ステップにおいて、前記フランジ領域(4)を用いて、前記封止要素(18)が、前記カートリッジ(2)に固定され、
第3方法ステップにおいて、前記カートリッジ(2)が、前記カートリッジ受け部材(10)に接続される、請求項1~請求項28の何れか1項に記載のカートリッジシステム(1)を製造する方法。
【請求項31】
前記第3方法ステップの前に実行される中間ステップにおいて、前記カートリッジ受け部材(10)が、合成樹脂射出成形により製造される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
穿孔スパイク(73)が、前記第3方法ステップの前または後に実行されるさらなる中間ステップにおいて製造され、前記カートリッジ受け部材(10)のスパイクガイド(80)に導入される、請求項31または請求項32に記載の方法。
【請求項33】
前記第2方法ステップの前に実行されるさらなる中間ステップにおいて、前記封止要素(18)および/または前記封止要素(18)の封止体が、金属シート、特に、アルミニウムシートおよび/または封止薄膜(18’’)、好ましくは、合成樹脂薄膜、アルミニウム薄膜または合成樹脂および/もしくはアルミニウムの多層薄膜からパンチおよび/またはカットされる、請求項30~請求項32の何れか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2方法ステップの前または最中に、前記封止要素(18)が、前記カートリッジ壁部(2’’)の前記フランジ領域(4)の周りに形成される、請求項30~請求項33の何れか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記第2方法ステップ中に、前記封止要素(18)が、前記フランジ領域(4)にクリンプおよび/または螺合される、請求項30~請求項34の何れか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記第2方法ステップ中に、前記封止要素(18)が、前記フランジ領域(4)に接着、封止および/または溶接される、請求項30~請求項35の何れか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記第3方法ステップの前、最中および/または後に、封止層が、封止手段(14)を用いて、前記カートリッジ(2)と前記カートリッジ受け部材(10)との間に形成される、請求項30~請求項36の何れか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記第3方法ステップの前および/または前記第3方法ステップの最中、特に、前記第2方法ステップの前、最中および/または後に、前記封止手段(14)が、前記カートリッジ(2)から離れる方向に向く前記封止要素(18)の上側に形成および/または配置される、請求項37に記載の方法。


【国際調査報告】