(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】脚折り畳み機構及びプッシュチェア
(51)【国際特許分類】
B62B 7/08 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B62B7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552389
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2021081901
(87)【国際公開番号】W WO2022101517
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523181983
【氏名又は名称】ジジババ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ダールストローム,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】シュラグマン,リチャード
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA08
3D051BA03
3D051BB03
3D051CA02
3D051CA11
3D051CB08
3D051CF03
3D051CG04
3D051CG07
(57)【要約】
プッシュチェアのための脚折り畳み機構などの脚折り畳み機構であって、長手軸と好ましくは第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置されたコアガイドとを有するコア部材と、好ましくは第1のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第1の脚部材と、好ましくは第2のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第2の脚部材と、コア部材内に配置され、コア内で移動する際に脚を移動させるべくコア部材内で移動可能なシャトルとを備える脚折り畳み機構が提供される。
【選択図】
図13b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、
長手軸と軸方向に間隔をおいて配置された第1及び第2のコアガイドとを有するコア部材と、
前記第1のコアガイドのところで前記コア部材に回転可能に取り付けられる、第1の脚部材に接続するための第1の回転可能なハブと、
前記第2のコアガイドのところで前記コア部材に回転可能に取り付けられる、第2の脚部材に接続するための第2の回転可能なハブと、
前記コア部材内に配置され、前記コア部材に対して軸方向に並進可能なシャトルと、
を備え、前記第1のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの一方からの第1の係合部が、前記第1のコアガイドと係合して、前記第1のハブの前記内面及び前記シャトルの前記外面のうちの他方の対応する第1の面と嵌め合い係合し、前記第2のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの一方からの第2の係合部が、前記第2のコアガイドと係合して、前記第2のハブの前記内面及び前記シャトルの前記外面のうちの他方の対応する第2の面と嵌め合い係合し、これにより、前記シャトルの軸方向の並進に応答して前記第1及び第2のハブが回転する、脚折り畳み機構。
【請求項2】
前記シャトルを前記コア部材内で並進させるべく付勢するように構成されたアクチュエータを備える、請求項1に記載の脚折り畳み機構。
【請求項3】
前記シャトルは、軸方向の動き成分を有して、前記コアに対して動くように構成される、請求項1又は請求項2に記載の脚折り畳み機構。
【請求項4】
前記シャトルは、前記コア部材内に配置され、長手方向に軸方向に並進可能であるが、前記コア部材に対して回転方向に固定される、請求項3に記載の脚折り畳み機構。
【請求項5】
前記シャトルの軸方向の並進を可能にするべく、前記シャトルはその外面に少なくとも1つの長手方向リブを含み、前記コア部材はその内面に少なくとも1つの対応する長手方向溝を含む、又はその逆である、請求項3又は請求項4に記載の脚折り畳み機構。
【請求項6】
前記第1及び第2の面は、その外面にそれぞれ第1及び第2のスロットを備える前記シャトルの実質的に螺旋状の面と、それぞれ第1及び第2のペグを備える対応する嵌め合い係合する前記ハブの内面である、請求項1又は請求項2に記載の脚折り畳み機構。
【請求項7】
前記第1及び第2のペグは、それぞれ段付きである、請求項6に記載の脚折り畳み機構。
【請求項8】
前記第1の実質的に螺旋状のスロットと前記第2の実質的に螺旋状のスロットは反対向きであり、それにより、前記シャトルが軸方向に並進すると前記第1のハブが前記第2のハブとは反対方向に回転する、請求項6又は請求項7に記載の脚折り畳み機構。
【請求項9】
前記第1及び第2の実質的に螺旋状のスロットは、前記長手軸に平行な少なくとも1つの直線端部を含む、請求項6~請求項8のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項10】
前記第1及び第2の実質的に螺旋状のスロットは、それぞれ、その端部間にS字形の曲線を備える、請求項6~請求項9のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項11】
前記コア部材は実質的に管状であり、前記第1及び第2のコアガイドは、コアスロット及び周方向スロットであり、好ましくは互いに回転方向にオフセットしている、上記請求項のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項12】
前記コア部材の一端に取り外し可能に取り付けられたエンドキャップをさらに備える、上記請求項のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項13】
前記シャトルは実質的に管状である、上記請求項のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項14】
前記アクチュエータは、前記シャトル及び前記コア部材内に少なくとも部分的に収容されてシャトルの内部部分と係合するドライブシャフトを備え、それにより、前記ドライブシャフトの回転が前記コア部材内での前記シャトルの軸方向の並進に変換される、請求項2に従属するときの請求項2~請求項13のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項15】
前記ドライブシャフトは、前記コア部材にしっかりと接続されるモータの前記ドライブシャフトである、請求項14に記載の脚折り畳み機構。
【請求項16】
前記モータは前記エンドキャップにしっかりと接続される、請求項12に従属するときの請求項15に記載の脚折り畳み機構。
【請求項17】
前記ドライブシャフトはウォームホイールを備え、前記シャトルの前記関連する内部部分は、軸方向に向いた嵌合ねじ付き孔を備える、請求項14~請求項16のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項18】
前記長手軸に垂直な平面内で前記コア部材の表面を通って延びる、軸方向に間隔をおいて配置された第3のコアガイドと、
前記第3のコアガイドのところで前記コア部材に回転可能に取り付けられる第3の脚部材に接続するための第3のハブと、
前記第3のコアガイドスロットと係合して前記第3のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの他方の対応する第3の表面と嵌め合い係合する、前記第3のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの一方からの第3の突起と、
をさらに備え、これにより、前記アクチュエータが動作する際の前記シャトルの前記軸方向の並進が前記第3のハブ部材の回転にも変換される、
前記請求項のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項19】
前記係合部のいずれか又はすべては磁性を有する、請求項1~請求項18のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項20】
前記係合部のいずれか又はすべてはカム及びカムフォロアを備える、請求項1~請求項18のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項21】
前記シャトルにS字形のリブなどのリブが設けられ、各ハブの前記内面に前記カムフォロアが設けられ、前記カムフォロアは、前記シャトルが並進する際に前記シャトルの前記リブに従うように構成される、請求項20に記載の脚折り畳み機構。
【請求項22】
前記シャトルは、前記コアに対して直線的な線形軸方向に移動するように構成される、請求項1~請求項21のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項24】
軸方向のロックを備える、請求項21~請求項22のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項25】
折り畳みプッシュチェアであって、
サブフレームと、
前記プッシュチェアを操縦するために前記サブフレームに接続されたハンドルアセンブリと、
前記サブフレームに接続されたシートアセンブリと、
を備え、前記サブフレームは請求項1~請求項23のいずれかに記載の脚折り畳み機構を備える、折り畳みプッシュチェア。
【請求項26】
3つ以上のハブを有する、請求項25に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項27】
前記第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第1の車輪アセンブリを有する、第1の脚と、
前記第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第2の車輪アセンブリを有する、第2の脚と、
第3のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第3の車輪アセンブリを有する、第3の脚と、
を備え、
前記第2のハブは、前記第1のハブと前記第3のハブとの間の中央に配置され、開いた構成のとき、それぞれの車輪アセンブリが地面と係合するために、前記第2の脚は前記ハンドルアセンブリから離れる方に前方に延び、前記第1及び第3の脚は前記チェアアセンブリの下で後方に延び、又はその逆であり、
アクチュエータが第1の方向に動作すると、前記脚折り畳み機構が、前記開構成から折り畳み構成へ前記脚を地面から前記シートアセンブリに向けて上方へ回転させるように付勢される、請求項26に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項28】
前記アクチュエータが前記第1の方向とは反対の第2の方向に動作すると、前記脚折り畳み機構が、前記折り畳み構成から前記開構成へ前記脚を前記シートアセンブリから地面に向けて下方へ回転させるように付勢される、請求項27に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項29】
前記シートアセンブリは畳むことができ、前記第1及び第3の脚は第1の方向に回転し、前記第2の脚は反対方向に回転し、それにより、前記折り畳み構成にあるとき、前記シートアセンブリは、後側の前記第1及び第3の脚と前側の前記第2の脚との間に畳まれた状態で配置される、請求項25~請求項28のいずれかに記載の折り畳みプッシュチェアアセンブリ。
【請求項30】
折り畳みプッシュチェアであって、
サブフレームと、
前記プッシュチェアを操縦するために前記サブフレームに接続されたハンドルアセンブリと、
前記サブフレームに接続されたシートアセンブリと、
を備え、サブフレームは、
請求項1~請求項24のいずれかに記載の第1の脚折り畳み機構と、
前記第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第1の車輪アセンブリを有する、第1の脚と、
前記第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第2の車輪アセンブリを有する、第2の脚と、
請求項1~請求項24のいずれかに記載の第2の脚折り畳み機構と、
前記第2の脚折り畳み機構の前記第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第3の車輪アセンブリを有する、第3の脚と、
前記第2の脚折り畳み機構の前記第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第4の車輪アセンブリを有する、第4の脚と、
を備え、
開いた構成のとき、前記それぞれの車輪アセンブリが地面と係合するために、前記第2及び第3の脚は前記ハンドルアセンブリから離れる方に前方に延び(又はその逆であり)、前記第1及び第4の脚は前記チェアアセンブリの下で後方に延び(又はその逆であり)、
アクチュエータが第1の方向に動作すると、前記脚折り畳み機構が、前記開構成から折り畳み構成へ前記脚を地面から前記シートアセンブリに向けて上方へ回転させるように付勢される、
折り畳みプッシュチェア。
【請求項31】
前記アクチュエータが前記第1の方向とは反対の第2の方向に動作すると、前記脚折り畳み機構が、前記折り畳み構成から前記開構成へ前記脚を前記シートアセンブリから地面に向けて下方へ回転させるように付勢される、請求項30に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項32】
前記シートアセンブリは畳むことができ、前記第1及び第4の脚は第1の方向に回転し、前記第2及び第3の脚は反対方向に回転し、それにより、前記折り畳み構成にあるとき、前記シートアセンブリは、後側の前記第1及び第4の脚と前側の前記第2及び第3の脚との間に畳まれた状態で配置される、請求項30又は請求項31に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項33】
前記第1の脚折り畳み機構と前記第2の脚折り畳み機構は対称に配置される、請求項25~請求項32のいずれかに記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項34】
前記第1の脚折り畳み機構の前記コア部材と前記第2の脚折り畳み機構の前記コア部材は、前記サブフレームの中央で相互接続される、請求項33に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項35】
前記第1のコア部材の軸と前記第2のコア部材の軸は同軸に配置される、請求項33又は請求項34に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項36】
前記第1の脚折り畳み機構と前記第2の脚折り畳み機構はV字構成で配置される、請求項33又は請求項34に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項37】
サブフレーム又はシートアセンブリに接続するためのものである、前記サブフレームと前記シートアセンブリとを備えるプッシュチェアなどの可動アイテムのためのハンドルアセンブリであって、
前記サブフレーム又はシートアセンブリに接続するための第1及び第2のアームと、
前記第1及び第2のアームに結合されたハンドルクロスバーアセンブリと、
を備え、前記ハンドルクロスバー機構は、ユーザに提示されたときに前記シートアセンブリに対して第1の高さになる第1の区域と、ユーザに提示されたときに前記シートアセンブリに対して第2の異なる高さになる第2の区域とを有する、
ハンドルアセンブリ。
【請求項38】
前記ハンドルクロスバーアセンブリは、前記第1の区域と第2の区域で異なる高さを画定する一体化された段などの段を有する、請求項37に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項39】
タレット付きクロスバーアセンブリは、前記シートアセンブリに対して第1の高さにある中央区域と、第2の異なる高さにある側方区域とを有する、請求項38に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項40】
前記サブフレーム又はシートアセンブリに接続するための前記第1及び第2のアームは、伸縮可能なアームである、請求項37~請求項39のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
【請求項41】
前記第1及び第2のアームは、伸縮可能になるように入れ子式に配置される、請求項40に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項42】
前記第1及び第2のアームは、前記サブフレーム又は前記シートアセンブリに枢動可能に取り付けられる、請求項37~請求項41のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
【請求項43】
前記ハンドルクロスバーアセンブリは、ユニットとして前記ハンドルクロスバーアセンブリが前記第1及び第2のアームに対して枢動できるように、前記第1及び第2のアームに前記アームの遠位端で回転可能に結合される、請求項37~請求項42のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
【請求項44】
前記ハンドルクロスバーアセンブリは、前記第1及び第2のアームに対する第1の位置及び前記第1及び第2のアームに対する第2の位置から枢動することができ、前記第1及び第2の位置のそれぞれにロック可能である、請求項43に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項45】
前記ハンドルクロスバーアセンブリは、少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの区域を有し、側方区域に枢動可能に接続された中央区域に前記段が設けられる、請求項37~請求項44のいずれかに記載のハンドルアセンブリ。
【請求項46】
前記段は中央にあり、前記側方区域はより低い段を画定し、使用時に前記中央段がユーザによる前記プッシュチェアの片手での制御のための係合領域を提供する、請求項45に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項47】
前記中央段と前記側方段との間の遷移領域に枢動接続部が設けられる、請求項46に記載のハンドルアセンブリ。
【請求項48】
プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、
シャーシの周りを回転する制御可能な脚を有し、前記プッシュチェアの順移動方向に対して概して垂直に延びる中央シャーシと、
折り畳み位置から展開位置へ又はその逆に移動させるべく前記シャーシの周りの前記脚の回転を駆動するためのアクチュエータと、
前記シャーシに結合され、折り畳み位置と展開位置との間又はその逆の間での前記脚の前記回転を駆動するように構成された前記アクチュエータを収容するハウジングと、
を備える脚折り畳み機構。
【請求項49】
前記ハウジングは、前記ハウジングに結合されて順移動方向に対して概して垂直に延びる前記シャーシから、垂直に上方へ延びるように構成される、請求項48に記載の脚折り畳み機構。
【請求項50】
前記ハウジングは概して細長く、円形、楕円形、又は多角形からなる群から選択された形状を含む任意の所望の形状の断面を有する、請求項48又は請求項49に記載の脚折り畳み機構。
【請求項51】
前記ハウジングは、前記中央シャーシに対して中央に配置される、請求項48~請求項50のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項52】
前記ハウジングは、出力シャフトを有するモータと、前記出力シャフトに接続され、折り畳み位置と展開位置との間又はその逆の間での前記脚の回転を駆動するべく前記中央シャーシの歯車と係合するように構成された歯車とを含む、請求項48~請求項51のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項53】
請求項1~請求項24に記載の脚折り畳み機構のいずれかの又はすべての特徴をさらに備える、請求項48~請求項52のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項54】
長手軸と第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置された周方向コアスロットとを有するコア部材と、
前記第1のコアスロットのところで前記コア部材に回転可能に取り付けられる第1の脚部材に接続するための第1の回転可能なハブと、
前記第2のコアスロットのところで前記コア部材に回転可能に取り付けられる第2の脚部材に接続するための第2の回転可能なハブと、
前記コア部材内に配置され、前記コア部材に対して軸方向に並進可能なシャトルと、
をさらに備え、
前記第1のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの一方からの第1の係合部は、前記第1のコアスロットを通って前記第1のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの他方の対応する第1の面と嵌め合い係合し、前記第2のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの一方からの第2の係合部は、前記第2のコアスロットを通って前記第2のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの他方の対応する第2の面と嵌め合い係合し、これにより、前記シャトルの軸方向の並進に応答して前記第1及び第2のハブが回転し、
前記アクチュエータは、前記シャトルの動きを駆動するように構成される、
請求項48~請求項52のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項55】
プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、
長手軸と前記長手軸に垂直な平面内でその表面を通って延びる第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置されたスロットとを有する実質的に中空のコア部材と、
前記第1のコアスロットのところで前記コア部材に回転可能に取り付けられる第1の脚部材に接続するための第1のハブと、
前記第2のコアスロットのところで前記コア部材に回転可能に取り付けられる第2の脚部材に接続するための、第1のハブに対して回転可能な第2のハブと、
前記コア部材内に配置され、軸方向に並進可能であるが、前記コア部材に対して回転方向に固定されたシャトルと、
前記シャトルを前記コア部材内で軸方向に並進させるべく付勢するように構成されたアクチュエータと、
を備え、前記第1のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの一方からの第1の突起は、第1のコアスロットを通って前記第1のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの他方の対応する第1の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合し、前記第2のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの一方からの第2の突起は、第2のコアスロットを通って前記第2のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの他方の対応する第2の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合し、これにより、前記アクチュエータが動作する際の前記シャトルの前記軸方向の並進が前記第1及び第2のハブの回転に変換される、脚折り畳み機構。
【請求項56】
前記シャトルを前記コア部材に対して回転方向に固定するが前記軸方向の並進は可能にするべく、前記シャトルは、その外面に少なくとも1つの長手方向リブを含み、前記コア部材は、その内面に少なくとも1つの対応する長手方向溝を含む、請求項55に記載の脚折り畳み機構。
【請求項57】
前記第1及び第2の実質的に螺旋状の面は、それぞれ第1及び第2のスロットを備える前記シャトルの外面と、それぞれ第1及び第2のペグを備える対応する嵌め合い係合する前記ハブの内面である、請求項55又は請求項56に記載の脚折り畳み機構。
【請求項58】
前記第1及び第2のペグは、それぞれ段付きであり、前記関連するハブの前記内面の近位の比較的広い根元部と、前記ハブの前記内面の遠位の比較的狭い先端部を有し、前記各根元部は、前記それぞれのコアスロットの側面と係合して前記コア部材上の前記ハブの軸方向の移動を防ぎ、前記先端部は、前記それぞれの螺旋スロットの側面と係合して前記ハブを回転させる、請求項57に記載の脚折り畳み機構。
【請求項59】
前記第1の実質的に螺旋状のスロットと前記第2の実質的に螺旋状のスロットは反対向きであり、それにより、前記シャトルが軸方向に並進すると前記第1のハブが前記第2のハブとは反対方向に回転する、請求項57又は請求項58に記載の脚折り畳み機構。
【請求項60】
前記第1及び第2の実質的に螺旋状のスロットは、前記長手軸に平行な少なくとも1つの直線端部を含む、請求項57~請求項59のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項61】
前記第1及び第2の実質的に螺旋状のスロットは、それぞれ、その端部間にS字形の曲線を備える、請求項57~請求項60のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項62】
前記コア部材は実質的に管状であり、前記第1及び第2のコアスロットは周方向スロットであり、好ましくは互いに回転方向にオフセットしている、請求項57~請求項61のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項63】
前記コア部材の一端に取り外し可能に取り付けられたエンドキャップをさらに備える、請求項57~請求項62のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項64】
前記シャトルは実質的に管状である、請求項57~請求項63のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項65】
アクチュエータは、前記シャトル及び前記コア部材内に少なくとも部分的に収容されて前記シャトルの内部部分と係合するドライブシャフトを備え、それにより、前記ドライブシャフトの回転が前記コア部材内での前記シャトルの軸方向の並進に変換される、請求項64に記載の脚折り畳み機構。
【請求項66】
前記ドライブシャフトは、前記コア部材にしっかりと接続されるモータの前記ドライブシャフトである、請求項65に記載の脚折り畳み機構。
【請求項67】
前記モータは前記エンドキャップにしっかりと接続される、請求項63に従属するときの請求項66に記載の脚折り畳み機構。
【請求項68】
前記ドライブシャフトはウォームホイールを備え、前記シャトルの前記関連する内部部分は、軸方向に向いた嵌合ねじ付き孔を備える、請求項65~請求項67のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項69】
前記長手軸に垂直な平面内で前記コア部材の表面を通って延びる、軸方向に間隔をおいて配置された第3のコアスロットと、
前記第3のコアスロットのところで前記コア部材に回転可能に取り付けられる第3の脚部材に接続するための第3のハブと、
前記第3のコアスロットを通って前記第3のハブの内面及び前記シャトルの外面のうちの他方の対応する第3の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合する、前記第3のハブの前記内面及び前記シャトルの前記外面のうちの一方からの第3の突起と、
をさらに備え、これにより、前記アクチュエータが動作する際の前記シャトルの前記軸方向の並進が前記第3のハブ部材の回転にも変換される、請求項57~請求項68のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項70】
折り畳みプッシュチェアであって、
サブフレームと、
開いた構成のときに前記プッシュチェアを操縦するために前記サブフレームに接続されたハンドルアセンブリと、
前記サブフレームに接続されたシートアセンブリと、
を備え、前記サブフレームは、
請求項69に記載の脚折り畳み機構と、
前記第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第1の車輪アセンブリを有する、第1の脚と、
前記第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第2の車輪アセンブリを有する、第2の脚と、
前記第3のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第4の車輪アセンブリを有する、第3の脚と、
を備え、前記第2のハブは、前記第1のハブと第3のハブとの間の中央に配置され、前記開いた構成のとき、前記それぞれの車輪アセンブリが地面と係合するために、前記第2の脚は前記ハンドルアセンブリから離れる方に前方に延び、前記第1及び第3の脚は前記チェアアセンブリの下で後方に延び、又はその逆であり、
前記アクチュエータが第1の方向に動作すると、前記脚折り畳み機構が、前記開構成から折り畳み構成へ前記脚を地面から前記シートアセンブリに向けて上方へ回転させるように付勢される、
折り畳みプッシュチェア。
【請求項71】
前記アクチュエータが前記第1の方向とは反対の第2の方向に動作すると、前記脚折り畳み機構が、前記折り畳み構成から前記開構成へ前記脚を前記シートアセンブリから地面に向けて下方へ回転させるように付勢される、請求項70に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項72】
前記シートアセンブリは畳むことができ、前記第1及び第3の脚は第1の方向に回転し、前記第2の脚は反対方向に回転し、それにより、前記折り畳み構成にあるとき、前記シートアセンブリは、後側の前記第1及び第3の脚と前側の前記第2の脚との間に畳まれた状態で配置される、請求項70又は請求項71に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項73】
折り畳みプッシュチェアであって、
サブフレームと、
開いた構成のときに前記プッシュチェアを操縦するために前記サブフレームに接続されたハンドルアセンブリと、
前記サブフレームに接続されたシートアセンブリと、
を備え、前記サブフレームは、
請求項57~請求項69のいずれかに記載の第1の脚折り畳み機構と、
前記第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第1の車輪アセンブリを有する、第1の脚と、
前記第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第2の車輪アセンブリを有する、第2の脚と、
請求項57~請求項69のいずれかに記載の第2の脚折り畳み機構と、
前記第2の脚折り畳み機構の前記第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第3の車輪アセンブリを有する、第3の脚と、
前記第2の脚折り畳み機構の前記第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第4の車輪アセンブリを有する、第4の脚と、
を備え、
開いた構成のとき、前記それぞれの車輪アセンブリが地面と係合するために、前記第2及び第3の脚は前記ハンドルアセンブリから離れる方に前方に延び、前記第1及び第4の脚は前記チェアアセンブリの下で後方に延び、
前記アクチュエータが第1の方向に動作すると、前記脚折り畳み機構が、前記開構成から折り畳み構成へ前記脚を地面から前記シートアセンブリに向けて上方へ回転させるように付勢される、
【請求項74】
前記アクチュエータが前記第1の方向とは反対の第2の方向に動作すると、前記脚折り畳み機構が、前記折り畳み構成から前記開構成へ前記脚を前記シートアセンブリから地面に向けて下方へ回転させるように付勢される、請求項73に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項75】
前記シートアセンブリは畳むことができ、前記第1及び第4の脚は第1の方向に回転し、前記第2及び第3の脚は反対方向に回転し、それにより、前記折り畳み構成にあるとき、前記シートアセンブリは、後側の前記第1及び第4の脚と前側の前記第2及び第3の脚との間に畳まれた状態で配置される、請求項73又は請求項74に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項76】
前記第1の脚折り畳み機構と前記第2の脚折り畳み機構は対称に配置される、請求項73~請求項75のいずれかに記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項77】
前記第1の脚折り畳み機構の前記コア部材と前記第2の脚折り畳み機構の前記コア部材は、前記サブフレームの中央で相互接続される、請求項756に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項78】
前記第1のコア部材の軸と前記第2のコア部材の軸は同軸に配置される、請求項76又は請求項77に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項79】
前記第1の脚折り畳み機構と前記第2の脚折り畳み機構はV字構成で配置される、請求項76又は請求項77に記載の折り畳みプッシュチェア。
【請求項80】
プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、
中央本体部と、
前記中央本体部に接続され、それぞれ前記中央本体部の周りで回転可能な複数の脚と、
前記1つ又は複数の脚の折り畳み又は展開を制御するべく前記脚のうちの1つ又は複数を前記中央本体部に対して回転させるようにそれぞれ制御可能な複数のモータと、
を備える機構。
【請求項81】
前記各脚のために専用のモータが設けられ、前記専用のモータは、接続された前記脚の折り畳み又は展開を引き起こすように制御可能である、請求項80に記載の脚折り畳み機構。
【請求項82】
前記各モータに結合され、接続された脚の前記折り畳み及び展開を制御するべく各モータに制御信号を提供するように構成された中央制御ユニットを備える、請求項80又は請求項81に記載の脚折り畳み機構。
【請求項83】
少なくとも3つの脚を備え、前記脚のうちの少なくとも1つは、前記中央本体部の周りで前記他の脚とは反対方向に回転するように構成される、請求項80~請求項82のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項84】
前記各脚は、前記中央本体部の周りで回転するように構成されたハブに取り付けられる、請求項80~請求項83のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【請求項85】
前記中央本体部は概してV字形である、請求項80~請求項84のいずれかに記載の脚折り畳み機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュチェアなどのための脚折り畳み機構及びプッシュチェアに関する。特に、排他的にではないが、本発明は、このようなプッシュチェアのための電動脚折り畳み機構に関する。
【背景技術】
【0002】
プッシュチェアは、小さな子供を運ぶためによく知られており、現代のプッシュチェアは、乳児も運ぶために使用する及び調整することができる。本出願では、プッシュチェアという用語は、ストローラ又はバギーと一般的に呼ばれるものも含むことを意図しており、また、シート又は取り外し可能なベビーベッド或いは乳児又は小さな子供を運ぶのに適した他の筐体を追加できるシャーシを備えるシステムを説明することも意図している。通常、シャーシに追加できるアセンブリ又はシートのタイプの限定ではない例としては、ミディシート、キャリーコット、カーシート、ハンモックシートと一般的に呼ばれるものが挙げられる。本明細書で用いられる場合のシートアセンブリという用語は、これらのいずれかを指し得る。
【0003】
プッシュチェアの所望の特徴の1つは、より簡単に持ち運んで、車、又はバス、列車、又は航空機などの他の輸送手段に積み込めるように、コンパクトな寸法に折り畳むことができることである。
【0004】
多くのプッシュチェアは、より小さな寸法に折り畳んで収納することが知られており、ほとんどは一次元又は二次元でより小さなサイズに折り畳むだけである。店頭及び一般用途で多くの例が見られる。両方とも本出願人が出願したW02020/058753及びW02020/058754には、一緒に結合され、折り畳み又は展開操作中に中央本体アセンブリの周りで反対方向に回転する車輪支持脚を有することによって、ピボットリンク機構を伴う設計などの従来の設計の欠点を克服する、折り畳み可能なプッシュチェアが記載されている。中央本体アセンブリと脚は、展開された開いた状態のとき、車輪が地面と係合するために脚が前方及び後方に延びるように構成され、折り畳まれた状態に回転するように作動するとき、それぞれの車輪が前述の方向とは反対方向に上方へ引き寄せられてよりコンパクトにまとまった構成になるように構成される。プッシュチェアがきちんと一貫して折り畳まれるようにするために、前方に延びる脚と後方に延びる脚は、それらが確実に同期して回転するように、歯車手段によって互いに接続される。
【0005】
プッシュチェア、又は車いすなどの他の同様の折り畳み可能な車輪付きデバイスには、デバイスの地面にわたる移動を支援するべく推進駆動を提供するための1つ又は複数のモータが組み込まれることが知られている。そのようなモータは、直接駆動車輪を提供するべく車輪ハブ内などの車輪に直接組み込まれる場合があり、又はドライブトレーンを介して車輪に駆動力が伝達される状態で車輪から離して配置される場合がある。
【0006】
プッシュチェアの折り畳み又は展開を支援するためにモータを組み込むことも知られている。一例がCN102205848Aに記載されており、これは、前方に延びる脚の組を後方に延びる脚の組に向けて折り畳むためにラックアンドピニオン機構を使用する。別の例がCN201822112274Uに記載されており、これは、シートアセンブリを脚アセンブリに対して回転させるためにモータを組み込んだ折り畳みプッシュチェアを説明しており、この前方に延びる脚は、ピボットリンク機構を介して、後方に延びる脚の方へ動かされる。
【0007】
しかしながら、そのような電動折り畳み機構は、通常、重くて扱い難く、複雑なリンク機構を必要とする場合がある。さらに、それらは通常、折り畳まれた状態のときにプッシュチェアのサイズを1つの次元でのみ縮小する基本的な電動ヒンジ式折り畳みを提供するだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、電動作動を組み込むように容易に修正することができる単純で頑健な脚折り畳み機構を提供することによって、公知の従来技術の欠点のうちの少なくともいくつかを克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、
長手軸とスロットなどの第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置されたコアガイドとを有するコア部材と、
第1のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第1の脚部材に接続するための第1の回転可能なハブと、
第2のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第2の脚部材に接続するための第2の回転可能なハブと、
コア部材内に配置され、コア部材に対して軸方向に並進可能なシャトルと、
を有し、第1のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第1の係合部が、第1のコアガイドと係合して、第1のハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の実質的に螺旋状の面などの対応する第1の面と嵌め合い係合し、第2のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第2の係合部が、第2のコアガイドと係合して、第2のハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の実質的に螺旋状の面などの対応する第2の面と嵌め合い係合し、これにより、シャトルの軸方向の並進に応答して第1及び第2のハブが回転する、脚折り畳み機構が提供される。第1及び第2の面は、軸方向成分、すなわち軸方向の動きを含むシャトルの動きに応答してハブの回転運動を簡単且つ堅牢に引き起こすことができる螺旋状であることが好ましい。
【0010】
コアガイドがコア上に又はコアの一部として設けられ、コアの周りのハブ又は脚の動きを案内、制御、又は抑制するように構成され、これにより、例えばコア内の関連するシャトルの軸方向の動きが、コア部材の周りのハブ又は脚の回転を引き起こすことができる、脚折り畳み機構が提供される。コアガイドは、コアを通るスロットの形態で設けられ、これにより、ハブがコア内を移動するシャトルと係合するための便利な経路を提供することが好ましい。しかしながら、ガイドはコア内のスロットである必要はない。ガイドは、シャトルが移動する際にハブの動きを拘束又は制御するために、例えば、凹んだ溝、リッジ、又は他のそのような特徴とすることもできる。
【0011】
一実施形態では、脚折り畳み機構は、シャトルをコア部材内で並進させるべく付勢するように構成されたアクチュエータを備える。
【0012】
一実施形態では、シャトルは、軸方向の動き成分を有して、コアに対して動くように構成される。
【0013】
一実施形態では、シャトルは、コア部材内に配置され、長手方向に軸方向に並進可能であるが、コア部材に対して回転方向に固定される。
【0014】
一実施形態では、シャトルの軸方向の並進を可能にするべく、シャトルはその外面に少なくとも1つの長手方向リブを含み、コア部材はその内面に少なくとも1つの対応する長手方向溝を含む。
【0015】
一実施形態では、第1及び第2の実質的に螺旋状の面は、それぞれ第1及び第2のスロットを備えるシャトルの外面と、それぞれ第1及び第2のペグを備える対応する嵌め合い係合するハブの内面である。
【0016】
一実施形態では、第1及び第2のペグは、それぞれ段付きであり、関連するハブの内面の近位の比較的広い根元部と、前記ハブの内面の遠位の比較的狭い先端部を有し、それにより、各根元部は、それぞれのコアスロットの側面と係合してコア部材上の前記ハブの軸方向の移動を防ぎ、先端部は、それぞれの螺旋スロットの側面と係合して前記ハブを回転させる。別の例では、ペグは、それらの全長に沿って一定の半径を有する。上で説明したように、シャトルと係合するように形状設定及び寸法設定されたペグが使用される例では、コアガイドは、コアを通るスロットとして設けられることが好ましい。しかしながら、それらがハブ又は脚の係合部とシャトルの対応する部分との相互作用を可能にする限り、他のコアガイドを使用することができる。
【0017】
一実施形態では、第1の実質的に螺旋状のスロットと第2の実質的に螺旋状のスロットは反対向きであり、それにより、シャトルが軸方向に並進すると第1のハブが第2のハブとは反対方向に回転する。
【0018】
一実施形態では、第1及び第2の実質的に螺旋状のスロットは、長手軸に平行な少なくとも1つの直線端部を含む。
【0019】
一実施形態では、第1及び第2の実質的に螺旋状のスロットは、それぞれ、その端部間にS字形の曲線を備える。
【0020】
一実施形態では、コア部材は実質的に管状であり、第1及び第2のコアスロットは周方向スロットであり、好ましくは互いに回転方向にオフセットしている。
【0021】
一実施形態では、脚折り畳み機構は、コア部材の一端に取り外し可能に取り付けられたエンドキャップをさらに備える。
【0022】
一実施形態では、シャトルは実質的に管状である。
【0023】
一実施形態では、アクチュエータは、シャトル及びコア部材内に少なくとも部分的に収容され、シャトルの内部部分と係合する、ドライブシャフトを備え、それにより、ドライブシャフトの回転がコア部材内でのシャトルの軸方向の並進に変換される。
【0024】
一実施形態では、ドライブシャフトは、コア部材にしっかりと接続されるモータのドライブシャフトである。
【0025】
一実施形態では、モータはエンドキャップにしっかりと接続される。
【0026】
一実施形態では、ドライブシャフトはウォームホイールを備え、関連するシャトルの内部部分は、軸方向に向いた嵌合ねじ付き孔を備える。
【0027】
一実施形態では、脚折り畳み機構は、
長手軸に垂直な平面内でコア部材の表面を通って延びる、第3の軸方向に間隔をおいて配置されたコアスロットと、
第3のコアスロットのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第3の脚部材に接続するための第3のハブと、
第3のコアスロットを通って第3のハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の対応する第3の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合する、第3のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第3の突起と、
をさらに備え、これにより、アクチュエータが動作する際のシャトルの軸方向の並進が第3のハブ部材の回転にも変換される。
【0028】
一実施形態では、係合部のいずれか又はすべては磁性を有する。
【0029】
一実施形態では、係合部のいずれか又はすべてはカム及びカムフォロアを備える。
【0030】
一実施形態では、シャトルにS字形のリブが設けられ、各ハブの内面にカムフォロアが設けられ、カムフォロアは、シャトルが並進する際にシャトルのリブに従うように構成される。
【0031】
一実施形態では、シャトルは、コアに対して直線的な線形軸方向に移動するように構成される。
【0032】
本発明の第2の態様によれば、折り畳みプッシュチェアであって、サブフレームと、プッシュチェアを操縦するためにサブフレームに接続されたハンドルアセンブリと、サブフレームに接続されたシートアセンブリとを備え、サブフレームは本発明の第1の態様及び/又は実施形態のいずれかに記載の脚折り畳み機構を備える、折り畳みプッシュチェアが提供される。
【0033】
一実施形態では、折り畳みプッシュチェアは3つ以上のハブを有する。
【0034】
一実施形態では、折り畳みプッシュチェアは、
第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第1の車輪アセンブリを有する、第1の脚と、
第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第2の車輪アセンブリを有する、第2の脚と、
第3のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第3の車輪アセンブリを有する、第3の脚と、
を有し、第2のハブは、第1のハブと第3のハブとの間の中央に配置され、開いた構成のとき、それぞれの車輪アセンブリが地面と係合するために、第2の脚はハンドルアセンブリから離れる方に前方に延び、第1及び第3の脚はチェアアセンブリの下で後方に延び、又はその逆であり、アクチュエータが第1の方向に動作すると、脚折り畳み機構が、開構成から折り畳み構成へ脚を地面からシートアセンブリに向けて上方へ回転させるように付勢される。
【0035】
一実施形態では、アクチュエータが第1の方向とは反対の第2の方向に動作すると、脚折り畳み機構が、折り畳み構成から開構成へ脚をシートアセンブリから地面に向けて下方へ回転させるように付勢される。
【0036】
一実施形態では、シートアセンブリは畳むことができ、第1及び第3の脚は第1の方向に回転し、第2の脚は反対方向に回転し、それにより、折り畳み構成にあるとき、シートアセンブリは、後側の第1及び第3の脚と前側の第2の脚との間に畳まれた状態で配置される。
【0037】
本発明の第3の態様によれば、折り畳みプッシュチェアであって、サブフレームと、プッシュチェアを操縦するためにサブフレームに接続されたハンドルアセンブリと、サブフレームに接続されたシートアセンブリとを備え、サブフレームは、本発明の第1の態様及び/又は実施形態のいずれかに記載の第1の脚折り畳み機構と、第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第1の車輪アセンブリを有する、第1の脚と、第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第2の車輪アセンブリを有する、第2の脚と、本発明の第1の態様及び/又は実施形態のいずれかに記載の第2の脚折り畳み機構と、第2の脚折り畳み機構の第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第3の車輪アセンブリを有する、第3の脚と、第2の脚折り畳み機構の第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第4の車輪アセンブリを有する、第4の脚とを備え、開いた構成のとき、それぞれの車輪アセンブリが地面と係合するために、第2及び第3の脚はハンドルアセンブリから離れる方に前方に延び、第1及び第4の脚はチェアアセンブリの下で後方に延び、アクチュエータが第1の方向に動作すると、脚折り畳み機構が、開構成から折り畳み構成へ脚を地面からシートアセンブリに向けて上方へ回転させるように付勢される、折り畳みプッシュチェアが提供される。
【0038】
一実施形態では、アクチュエータが第1の方向とは反対の第2の方向に動作すると、脚折り畳み機構が、折り畳み構成から開構成へ脚をシートアセンブリから地面に向けて下方へ回転させるように付勢される。
【0039】
一実施形態では、シートアセンブリは畳むことができ、第1及び第4の脚は第1の方向に回転し、第2及び第3の脚は反対方向に回転し、それにより、折り畳み構成にあるとき、シートアセンブリは、後側の第1及び第4の脚と前側の第2及び第3の脚との間に畳まれた状態で配置される。
【0040】
一実施形態では、第1の脚折り畳み機構と第2の脚折り畳み機構は対称に配置される。
【0041】
一実施形態では、第1の脚折り畳み機構のコア部材と第2の脚折り畳み機構のコア部材は、サブフレームの中央で相互接続される。
【0042】
一実施形態では、第1のコア部材の軸と第2のコア部材の軸は同軸に配置される。
【0043】
一実施形態では、第1の脚折り畳み機構と第2の脚折り畳み機構はV字構成で配置される。
【0044】
本発明の第4の態様によれば、サブフレーム又はシートアセンブリに接続するためのものである、サブフレームとシートアセンブリとを備えるプッシュチェアなどの可動アイテムのためのハンドルアセンブリであって、サブフレーム又はシートアセンブリに接続するための第1及び第2のアームと、第1及び第2のアームに結合されたハンドルクロスバーアセンブリとを備え、ハンドルクロスバー機構は、ユーザに提示されたときにシートアセンブリに対して第1の高さになる第1の区域と、ユーザに提示されたときにシートアセンブリに対して第2の異なる高さになる第2の区域とを有する、ハンドルアセンブリが提供される。
【0045】
一実施形態では、ハンドルクロスバーアセンブリは、第1の区域と第2の区域で異なる高さを画定する段を有する。
【0046】
一実施形態では、タレット付きクロスバーアセンブリは、シートアセンブリに対して第1の高さにある中央区域と、第2の異なる高さにある側方区域とを有する。
【0047】
一実施形態では、サブフレーム又はシートアセンブリに接続するための第1及び第2のアームは、伸縮可能なアームである。
【0048】
一実施形態では、第1及び第2のアームは、伸縮可能になるように入れ子式に配置される。
【0049】
一実施形態では、第1及び第2のアームは、サブフレーム又はシートアセンブリに枢動可能に取り付けられる。
【0050】
一実施形態では、ハンドルクロスバーアセンブリは、ユニットとしてハンドルクロスバーアセンブリが第1及び第2のアームに対して枢動できるように、第1及び第2のアームにアームの遠位端で回転可能に結合される。
【0051】
一実施形態では、ハンドルクロスバーアセンブリは、第1及び第2のアームに対する第1の位置及び第1及び第2のアームに対する第2の位置から枢動することができ、第1及び第2の位置のそれぞれにロック可能である。
【0052】
一実施形態では、ハンドルクロスバーアセンブリは少なくとも3つの区域を有し、側方区域に枢動可能に接続された中央区域に段が設けられる。
【0053】
一実施形態では、段は中央にあり、側方区域はより低い段を画定し、使用時に中央段がユーザによるプッシュチェアの片手での制御のための係合領域を提供する。
【0054】
一実施形態では、中央段と側方段との間の遷移領域に枢動接続部が設けられる。
【0055】
本発明の第5の態様によれば、プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、シャーシの周りを回転する制御可能な脚を有し、プッシュチェアの順移動方向に対して概して垂直に延びる中央シャーシと、折り畳み位置から展開位置へ又はその逆に移動させるべくシャーシの周りの脚の回転を駆動するためのアクチュエータと、シャーシに結合され、折り畳み位置と展開位置との間又はその逆の間での脚の回転を駆動するように構成されたアクチュエータを収容するハウジングと、を備える脚折り畳み機構が提供される。
【0056】
一実施形態では、ハウジングは、ハウジングに結合され、順移動方向に対して概して垂直に延びるシャーシから、垂直に上方へ延びるように構成される。
【0057】
一実施形態では、ハウジングは、概して細長く、円形、楕円形、又は多角形の断面を有する。
【0058】
一実施形態では、ハウジングは、中央シャーシに対して中央に配置される。
【0059】
一実施形態では、ハウジングは、出力シャフトを有するモータと、出力シャフトに接続され、折り畳み位置と展開位置との間又はその逆の間での脚の回転を駆動するべく中央シャーシの歯車と係合するように構成された歯車とを含む。
【0060】
一実施形態では、脚折り畳み機構は、本発明の第1の態様及び/又は実施形態のいずれかの脚折り畳み機構のいずれかの又はすべての特徴をさらに含む。
【0061】
一実施形態では、脚折り畳み機構は、長手軸と第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置された周方向コアスロットとを有するコア部材と、第1のコアスロットのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第1の脚部材に接続するための第1の回転可能なハブと、第2のコアスロットのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第2の脚部材に接続するための第2の回転可能なハブと、コア部材内に配置され、コア部材に対して軸方向に並進可能なシャトルとをさらに備え、第1のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第1の係合部は、第1のコアスロットを通って第1のハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の対応する第1の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合し、第2のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第2の係合部は、第2のコアスロットを通って第2のハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の対応する第2の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合し、これにより、シャトルの軸方向の並進に応答して第1及び第2のハブが回転し、アクチュエータは、シャトルの動きを駆動するように構成される。
【0062】
本発明のさらなる態様によれば、プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、中央本体部と、中央本体部に接続され、それぞれ中央本体部の周りで回転可能な複数の脚と、1つ又は複数の脚の折り畳み又は展開を制御するべく脚のうちの1つ又は複数を中央本体部に対して回転させるようにそれぞれ制御可能な複数のモータとを備える機構が提供される。
【0063】
一実施形態では、各脚のために専用のモータが設けられ、専用のモータは、接続された脚の折り畳み又は展開を引き起こすように制御可能である。
【0064】
一実施形態では、中央制御ユニットは、各モータに結合され、接続された脚の折り畳み及び展開を制御するべくそれぞれのモータに制御信号を提供するように構成される。
【0065】
一実施形態では、脚折り畳み機構は少なくとも3つの脚を備え、脚のうちの少なくとも1つは、中央本体部の周りで他の脚とは反対方向に回転するように構成される。
【0066】
一実施形態では、各脚は、中央本体部の周りで回転するように構成されたハブに取り付けられる。
【0067】
一実施形態では、中央本体部は概してV字形である。
【0068】
本発明のさらなる態様によれば、プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、長手軸と好ましくは第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置されたコアガイドとを有するコア部材と、好ましくは第1のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第1の脚部材と、好ましくは第2のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第2の脚部材と、コア部材内に配置され、コア内で移動する際に脚を移動させるべくコア部材内で移動可能なシャトルと、を備える脚折り畳み機構が提供される。
【0069】
プッシュチェア又は任意の他の適切なデバイスに使用できる脚折り畳み機構が提供される。脚折り畳み機構は、脚がコア部材の周りで反対方向に回転するように構成されたシステムでの使用によく適している。これは、以下に説明するように、コア内で移動する際に所望の様態で脚又はハブと相互作用するように構成されたシャトルを設けることによって達成することができる。例えば、一例では、脚又はハブの対応する係合領域と係合するように形状設定、寸法設定、又は構成されたスロット又は係合領域をシャトル上に設けることができる。
【0070】
一実施形態では、シャトルは、コア内で少なくとも部分的に軸方向に並進可能であり、シャトルが軸方向に移動すると脚がコアの周りを回転することになるように構成される。
【0071】
一実施形態では、脚折り畳み機構は、脚が接続されるコア上に配置された第1及び第2のハブを含み、シャトルの動きがハブの動きを引き起こし、これにより、脚がコアの周りで回転することになる。
【0072】
一実施形態では、シャトルは、シャトルが移動すると脚又はハブがコアの周りで回転することになるように、脚又はハブの対応する部分と係合するための係合部を有する。
【0073】
一実施形態では、シャトルの係合部は、スロット、リッジ、カム、又は磁気ストリップのうちの1つ又は複数を含み、対応する係合領域が、シャトルが移動するとシャトルによって駆動されるようにハブ又は脚に設けられる。コア内のシャトルの動きは、1つ又は複数のモータによって駆動することができ、軸方向及び/又は回転方向又はその2つの組み合わせとすることができる。
【0074】
一実施形態では、中央本体部は概してV字形である。
【0075】
本明細書で説明されるように、ハブがコアに回転可能に取り付けられ、ハブとコアの係合は、シャトルがコア内で移動する際にハブ(及び接続された脚)の回転を引き起こすように構成される、詳細な実施形態が開示される。本明細書で説明される様々な実施形態の詳細は、本発明のこの態様に係る脚折り畳み機構、すなわち、プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、長手軸と第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置されたコアガイドとを有するコア部材と、第1のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第1の脚部材と、第2のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第2の脚部材と、コア部材内に配置され、コア内で移動する際に脚を移動させるべくコア部材内で移動可能なシャトルとを備える脚折り畳み機構を提供するために使用することができる。
【0076】
本発明のさらなる態様によれば、プッシュチェアのための脚折り畳み機構であって、
長手軸と長手軸に垂直な平面内でその表面を通って延びる第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置されたスロットとを有する実質的に中空のコア部材と、第1のコアスロットのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第1の脚部材に接続するための第1のハブと、第2のコアスロットのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第2の脚部材に接続するための、第1のハブに対して回転可能な第2のハブと、コア部材内に配置され、軸方向に並進可能であるが、コア部材に対して回転方向に固定されるシャトルと、シャトルをコア部材内で軸方向に並進させるべく付勢するように構成されたアクチュエータとを備え、第1のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第1の突起は、第1のコアスロットを通って第1のハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の対応する第1の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合し、第2のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第2の突起は、第2のコアスロットを通って第2のハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の対応する第2の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合し、これにより、アクチュエータが動作する際のシャトルの軸方向の並進が第1及び第2のハブの回転に変換される、脚折り畳み機構が提供される。
【0077】
この機構は、一組の脚の互いに対する折り畳みを制御するためのきちんとしたコンパクトで頑健な様態を提供する。それぞれの脚は、共通の軸を中心として回転する。この機構は、折り畳みプッシュチェアなどに組み込むために小型且つ軽量に作成することができ、これは、特に操縦性及び小さい寸法に畳む能力の点で有利である。
【0078】
シャトルをコアに対して回転方向に固定して軸方向の並進を可能にするべく、シャトルはその外面に少なくとも1つの長手方向リブを含んでいてもよく、コア部材はその内面に少なくとも1つの対応する長手方向溝を含んでいてもよい。これは、折り畳み操作に必要な軸方向の並進を可能にしながらシャトルを回転方向に固定するための簡単で便利な方法である。これは製造及び保守が容易である。
【0079】
特定の実施形態によれば、第1及び第2の実質的に螺旋状の面は、それぞれ第1及び第2のスロットを備えるシャトルの外面と、それぞれ第1及び第2のペグを備える対応する嵌め合い係合するハブ部材の内面である。第1及び第2のペグは、それぞれ段付きであってもよく、関連するハブの内面の近位の比較的広い根元部と、前記ハブの内面の遠位の比較的狭い先端部を有し、各根元部は、それぞれのコアスロットの側面と係合してコア部材上の前記ハブの軸方向の移動を防ぎ、先端部は、それぞれの螺旋スロットの側面と係合して前記ハブを回転させる。
【0080】
この構成は、特に強い且つ製造が容易な機構を提供する。特に、シャトルが管状の形態を有する場合、その外壁に必要な螺旋スロットを形成するのは簡単であり、嵌合するペグをハブに容易に組み込むことができる。特定の実施形態では、スロットは、シャトルの外面から切り込まれた、すなわち外壁を完全には貫通していない溝の形態であってもよい。
【0081】
代わりに、他の実施形態によれば、第1及び第2の実質的に螺旋状の面は、それぞれ第1及び第2のリッジを備えるシャトルの外面と、それぞれ第1及び第2の従動部を備える対応する嵌め合い係合するハブ部材の内面であってもよい。
【0082】
さらに他の実施形態によれば、第1及び第2の実質的に螺旋状の面はそれぞれのハブの内面上にあり、関連する第1及び第2の突起はシャトルの外面上にある。
【0083】
シャトルに螺旋面が形成される実施形態は、ハブの軸方向の幅を最小に保つことができ、ハブの内面が螺旋面を収容する必要はなく、軸方向の動きのハブの回転への最適なスムーズな変換を提供するべくシャトルの螺旋面のプロファイルを最適化することができるので好ましい場合がある。
【0084】
第1及び第2の実質的に螺旋状の面は、反対方向を向いていてもよく、それにより、シャトルが軸方向に並進すると第1のハブが第2のハブとは反対方向に回転する。
【0085】
第1及び第2の実質的に螺旋状のスロットは、長手軸に平行な少なくとも1つの直線端部を含み得る。したがって、対応する突起が直線端部に受け入れられるとき、シャトル、ひいてはコア部材に対する関連するハブの回転が防止される。したがって、ハブが定位置にロックされる。実質的に螺旋スロットのいずれかの端又は両端は、このような直線端部を含んでいてもよく、これにより、ハブを開構成又は閉構成のいずれか又は両方にロックする。
【0086】
第1及び第2の実質的に螺旋状のスロットは、それぞれ、その端部間にS字形の曲線を備えていてもよい。曲線の目的は、ハブを所与量だけ回転させるのに必要な力の量のバランスをとって、スムーズな動作を提供することである。
【0087】
コア部材は、実質的に管状、すなわち円筒形の外面を有し、コア部材を中心とした関連する第1及び第2のハブの回転可能な取り付けに容易に適応できる製造が容易な部分を提供することができる。したがって、ハブとコア部材は、空隙がない、したがって、それらの間に物品が挟まるリスクがない、緊密な相互係合を有し得る。したがって、第1及び第2のコアスロットは、好ましくは互いに回転方向にオフセットされ得る周方向スロットを含み得る。
【0088】
脚折り畳み機構は、コア部材の端部に取り外し可能に取り付けられたエンドキャップをさらに備え得る。エンドキャップは、保護機能及び/又は装飾機能をなし得る、特に、土及び水分の侵入を軽減するためにコア部材の内部を密閉し得る。エンドキャップは、アセンブリにさらなる強度及び/又は剛性を与え、そのコンポーネントのための取付点を形成する構造的機能も有し得る。
【0089】
好ましくは、シャトルは実質的に管状である。したがって、シャトルは、この機構のコンポーネントを収容するために使用できる中空の内部を有し得る。
【0090】
特定の実施形態によれば、アクチュエータは、シャトル及びコア部材内に少なくとも部分的に収容され、シャトルの内部部分と係合する、ドライブシャフトを備え、それにより、ドライブシャフトの回転がコア部材内でのシャトルの軸方向の並進に変換される。このような構成は、シャトルの作動によりハブを回転させるためのコンパクトで便利な機構を提供する。また、コア部材とシャトルは、アクチュエータのための効果的なハウジングとして作用することができ、これにより、起こり得る衝撃及び損傷からアクチュエータを保護する。
【0091】
ドライブシャフトは、コア部材にしっかりと接続されるモータのドライブシャフトであり得る。したがって、作動は電動であり得る。モータは、コア及びシャトル内に部分的に又は完全に収容し、外部環境から保護することができる。この機構の利点は、モータ及び関連するドライブトレーンをこの機構自体の中に安全にきちんと収容できるので、電動作動と併せて適用される場合に特に明らかである。
【0092】
この機構がエンドキャップを含む場合、モータはエンドキャップにしっかりと接続され得る。これは、モータをコア部材に固定する便利な方法を提供する。エンドキャップは、いくつかの実施形態では、この機構の保守のためにコア部材の内部へのアクセスを提供するべく取り外し可能であり得る。
【0093】
ドライブシャフトは、ウォームホイールを備えていてもよく、関連するシャトルの内部部分は、軸方向に向いた嵌合ねじ付き孔を備える。これは、この機構の作動のための頑健な信頼できる構成を提供する。
【0094】
ドライブシャフトの作動は、代わりに、例えば、クランクを回すことによって、又はプッシュチェアのハンドル部の折り畳みをプッシュチェアの構造に組み込まれ得るピボット及びレバーで変換するなどの、手動で作動する一種の動きをドライブシャフトの回転に変換する何らかの他の機械的構成によって、手動で行うこともできることが理解されるであろう。
【0095】
作動のための別の可能な手段は、シャトルを軸方向に並進するように付勢するための油圧又はガス動力ピストンなどのピストン、或いはケーブル又はレバー、或いは長手方向のばねを含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態によれば、脚折り畳み機構は、
長手軸に垂直な平面内でコア部材の表面を通って延びる、第3の軸方向に間隔をおいて配置されたコアスロットと、
第3のコアスロットのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第3の脚部材に接続するための第3のハブと、
第3のコアスロットを通って第3のハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の対応する第3の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合する、第3のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第3の突起と、
をさらに備え、これにより、アクチュエータが動作する際のシャトルの軸方向の並進が第3のハブ部材の回転にも変換される。
【0097】
本発明のさらなる態様によれば、折り畳みプッシュチェアであって、
サブフレームと、
開いた構成のときにプッシュチェアを操縦するためにサブフレームに接続されたハンドルアセンブリと、
サブフレームに接続されたシートアセンブリと、
を備え、サブフレームは、
上記パラグラフで定義された脚折り畳み機構と、
第1のハブ部材に接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第1の車輪アセンブリを有する、第1の脚と、
第2のハブ部材に接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第2の車輪アセンブリを有する、第2の脚と、
第3のハブ部材に接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第4の車輪アセンブリを有する、第3の脚と、
を備え、
第2のハブは、第1のハブと第3のハブとの間の中央に配置され、
開いた構成のとき、それぞれの車輪アセンブリが地面と係合するために、第2の脚はハンドルアセンブリから離れる方に前方に延び、第1及び第3の脚はチェアアセンブリの下で後方に延び、
アクチュエータが第1の方向に動作すると、脚折り畳み機構が、開構成から折り畳み構成へ脚を地面からシートアセンブリに向けて上方へ回転させるように付勢される、
折り畳みプッシュチェアが提供される。
【0098】
特定の実施形態では、代わりに、開構成で中央の第2の脚が後方に延び、第1及び第3の脚が前方に延びてもよい。
【0099】
さらに、アクチュエータが第1の方向とは反対の第2の方向に動作すると、脚折り畳み機構が、折り畳み構成から開構成へ脚をシートアセンブリから地面に向けて下方へ回転させるように付勢され得る。
【0100】
シートアセンブリは畳むことができ、第1及び第3の脚が第1の方向に回転し、第2の脚が反対方向に回転し、それにより、折り畳み構成にあるとき、シートアセンブリは、後側の第1及び第3の脚と前側の第2の脚との間に畳まれた状態で配置され得る。
【0101】
第2の態様に係るプッシュチェアは、一般的な三輪形態を提供する上で有益な場合があり、単一のコンパクトで軽量で頑健な機構を介して3つの脚のすべての折り畳みが可能にされ、3つの脚のすべてが共通の軸を中心として回転する。
【0102】
本発明のさらなる態様によれば、折り畳みプッシュチェアであって、
サブフレームと、
開いた構成のときにプッシュチェアを操縦するためにサブフレームに接続されたハンドルアセンブリと、
サブフレームに接続されたシートアセンブリと、
を備え、サブフレームは、
上記の第1の態様に記載の第1の脚折り畳み機構と、
第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第1の車輪アセンブリを有する、第1の脚と、
第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第2の車輪アセンブリを有する、第2の脚と、
上記の第1の態様に記載の第2の脚折り畳み機構と、
第2の脚折り畳み機構の第1のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第3の車輪アセンブリを有する、第3の脚と、
第2の脚折り畳み機構の第2のハブに接続された近位端を有し、且つ、遠位端に取り付けられた第4の車輪アセンブリを有する、第4の脚と、
を備え、
開いた構成のとき、それぞれの車輪アセンブリが地面と係合するために、第2及び第3の脚はハンドルアセンブリから離れる方に前方に延び、第1及び第4の脚はチェアアセンブリの下で後方に延び、
アクチュエータが第1の方向に動作すると、脚折り畳み機構が、開構成から折り畳み構成へ脚を地面からシートアセンブリに向けて上方へ回転させるように付勢される、
折り畳みプッシュチェアが提供される。
【0103】
第2及び第3の脚は、第1及び第4の脚の内側にあってもよく、又はその逆であってもよい。
【0104】
さらに、アクチュエータが第1の方向とは反対の第2の方向に動作すると、脚折り畳み機構が、折り畳み構成から開構成へ脚をシートアセンブリから地面に向けて下方へ回転させるように付勢され得る。
【0105】
シートアセンブリは畳むことができ、第1及び第4の脚が第1の方向に回転し、第2及び第3の脚が反対方向に回転し、それにより、折り畳み構成にあるとき、シートアセンブリは、後側の第1及び第4の脚と前側の第2及び第3の脚との間に畳まれた状態で配置され得る。
【0106】
第1及び第2の脚折り畳み機構は、対称に配置され得る。
【0107】
第1の脚折り畳み機構のコア部材と第2の脚折り畳み機構のコア部材は、サブフレームの中央で相互接続され得る。
【0108】
したがって、第3の態様は、通常はプッシュチェアの両側に対称に配置される別個の機構を介してそれぞれ互いに対して折り畳み可能な各対の脚を有する、プッシュチェアの四輪形態を提供する。
【0109】
いくつかの実施形態によれば、第1のコア部材の軸と第2のコア部材の軸は同軸に配置される。
【0110】
他の実施形態によれば、第1の脚折り畳み機構と第2の脚折り畳み機構はV字構成で配置される。このような構成の1つの利点は、ホイールベースの所与の幅に対してよりコンパクトな折り畳みを提供することである。開いた構成のときに十分に安定したプッシュチェアを提供するために、車輪は特定の横方向距離だけ離して配置されていなければならない。第1及び第2の脚折り畳み機構の同軸構成により、脚折り畳み機構が作動して脚を折り畳み構成に回転させたときに、車輪は設定された横方向距離にとどまることになる。しかしながら、V字構成により、脚が折り畳み構成に回転する際に車輪が内方への引き寄せられることになる。
【0111】
添付の図面を参照しながら本発明の実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【
図1a-1d】W02020/058753及びW02020/058754で開示された従来技術に係る、展開された状態のプッシュチェアアセンブリを示す図である。
【
図2】
図1のプッシュチェアのシャーシのみを示す図であり、シート及びハンドルアセンブリは省略されており、展開された状態のシャーシの車輪支持脚及び中央本体アセンブリが示されている。
【
図3a-3b】
図2のシャーシがどのように折り畳まれるかを示す図であり、
図3aは脚が展開された、開いた、地面と係合している状態であり、
図3bは脚が折り畳まれた、閉じた、畳まれた状態である。
【
図4】
図4aは、折り畳まれた状態の
図1の公知のプッシュチェアの斜視図であり、
図4bは、折り畳まれたシャーシの平面図であり、
図4cは、展開された状態のシャーシの正面図である。
【
図5a-5c】上記図面のいずれかのプッシュチェアの折り畳みハンドルアセンブリの公知の構成を示す図である。
【
図6】構造が
図1の構造と類似しているが、車輪及び関連する脚を3つだけ有する別の公知のプッシュチェアの例を示す。
【
図7a-7b】展開された状態及び折り畳まれた状態の、
図5のプッシュチェアのシャーシを示す図である。
【
図8a-8b】展開された状態及び折り畳まれた状態の、直線状の中央本体アセンブリを有する代替的な三輪シャーシを示す図である。
図1a~
図8bは、本発明との脈絡を提供するために含まれている。本発明の脚折り畳み機構は、以下に説明するように、多くの異なる形態のプッシュチェア及び他のデバイスに適用され得る。便宜上、本発明の実施形態は、その全内容がそのまま本明細書に組み込まれる出願人自身の従来技術W02020/058753及びW02020/058754で開示された一般的なタイプのプッシュチェアに適用されるものとして説明される。以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態をさらに説明する。
【
図9a-9b】それぞれ展開された状態及び折り畳まれた状態の、本発明に係る折り畳みプッシュチェアのためのシャーシの概略的な斜視図であり、中央コア部材の周りでのシャーシの車輪支持脚の回転をどのように作動させるかを示すために一部が省略されている。
【
図10】シャーシのコンポーネントの分解図である。
【
図11】
図9aに対応しているが反対の角度から見た、脚アセンブリが省略されている概略的な斜視図である。
【
図12a-12c】折り畳まれた状態と展開された状態との間で車輪支持脚の回転を作動させるためのシャーシのシャトルの動作の概略的な斜視図である(明確にするために脚は省略されている)。
【
図13a-13c】折り畳まれた状態と展開された状態との間で車輪支持脚の回転を作動させるためのシャーシのシャトルの動作及び関連するコア部材との相互作用の対応する概略的な斜視図である(明確にするために脚は省略されている)。
【
図14】コア部材及びシャトルのコンポーネントの分解図である。
【
図16】脚の可動範囲を示す、シャーシの一部の側面図である。
【
図20】プッシュチェアのシャーシで使用するためのモータ構成の概略図である。
【
図21a-21b】プッシュチェアのシャーシのゴム動力補助装置の例を示す図である。
【
図23】プッシュチェアのさらなる例を示す図である。
【
図24a-24b】プッシュチェアのシャーシのコンポーネントの概略図である。
【
図25a-25b】プッシュチェアの脚の脚位置の図である。
【
図26a-26b】プッシュチェアの脚の代替的な例を示す図である。
【
図27A】プッシュチェアのシャーシへのプッシュチェアの脚の接続の代替的な例を示す図である。
【
図27B】平坦な側面を有するコア、例えば断面が正方形のコアの概略的な例を示す図である。
【
図28】プッシュチェアのシャーシで使用するためのシャトルの概略図である。
【
図29】脚折り畳み機構で使用するためのシャトルの概略図である。
【
図30】プッシュチェアのシャーシのためのロック装置の図である。
【
図31A-31D】は、プッシュチェアなどのデバイスで使用するためのハンドルアセンブリの例を示す図である。
【
図32A-32E】は、プッシュチェアなどのデバイスで使用するためのハンドルのさらなる例示的な詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0113】
本説明の目的上、本発明は、折り畳みプッシュチェアに関連して説明される。しかしながら、本発明は、車いす、ゴルフバギー又はゴルフカート、ショッピングトロリー、手押し車、乳児用歩行器、又は高齢者又は療養用歩行器などの同様の畳むことができる車輪付き装置、或いはスキッドなどの車輪以外の地面と係合するための他の手段を有する同様の装置にも等しく適用され得ることが理解されるであろう。本発明の教示は、そのような可動装置を超えて、テーブル、椅子、又は三脚などの静的な畳むことができる構造体に拡張され得ることも当業者にはわかるであろう。
【0114】
図1a~
図1cは、展開された状態のプッシュチェア10を示す。プッシュチェア10は、一般に、ハンドルアセンブリ26が接続されたシャーシアセンブリ11の形態のサブフレームと、シートアセンブリ28を備える。シートアセンブリ28は、シート取付手段30によってハンドルアセンブリ26に取り付けられる。図からわかるように、普通は、背もたれ28aは実質的に直立位置にあるが、
図1cに示すように少なくとも部分的に(又は完全に)リクライニングすることができる。シートベース28bは、通常、プッシュチェア10が展開された状態のとき、概して水平位置にとどまる。
図1a~1cで見られるように、ハンドルアセンブリ26は、完全に開いた構成から閉じた又は畳まれた構成に向けて動かすことができる。
図1dは、部分的に畳まれた状態のハンドルアセンブリ26を例示しており、対応して背もたれ28aが畳まれた状態へ折り畳まれている。ハンドルアセンブリ26及びシートアセンブリ28の構造の詳細は、本発明にとって重要ではなく、本発明が具体化されるシャーシアセンブリ11との脈絡を提供するためにのみ説明される。
【0115】
一対の前方に延びる車輪支持脚14及び一対の後方に延びる車輪支持脚16が、シャーシアセンブリ11の中央本体部12に回転可能に取り付けられる。前方に延びる脚14の遠位端に前輪アセンブリ18があり、後方に延びる脚16の遠位端に後輪アセンブリがある。普通は、後輪アセンブリ20は、後輪24が実質的に水平軸を中心として回転することができるように構成される。前輪アセンブリ18は、普通は水平軸を中心として回転することができ、さらに、実質的に垂直軸を中心として回転することができるように構成された前輪22を含み、したがって、プッシュチェア10の操縦性を高めるための潜在的なステアリング機能を提供する。しかしながら、車輪アセンブリは多くの異なる形態をとり得ることがわかるであろう。
【0116】
図2及び
図3a及び
図3bは、シャーシアセンブリ11及び脚の回転運動に焦点をあてている。
図2は、通常の移動方向に対して実質的に垂直な方向にシャーシ11にわたって横方向に延びる「V」字形の中央本体部12、すなわち、プッシュチェアを前方に付勢するべくハンドルアセンブリ26に圧力がかけられたときを示している。中央本体部12は実質的に対称であり、脚14、16の1つのセットがVの左半分の第1のアームに取り付けられてそこから延びており、脚14、16の別のセットがVの右半分の第2のアームに取り付けられてそこから延びている。
【0117】
車輪支持脚14、16をV字形の本体部12に取り付けることの特定の利点は、展開されたプッシュチェアの強度又は実用性を損うことなく、プッシュチェアアセンブリを他の公知の構成で可能であるよりも小さい体積に折り畳むことが容易になることである。より具体的には、これは、折り畳まれたときに展開された状態よりも3つの次元のすべてでより小さくなるように本発明のプッシュチェアを折り畳むことを可能にし、したがって、中央シャーシが一直線にのみ延びる同様の設計よりも容易に保管又は輸送されることを可能にする。
【0118】
図3aは、関連する前方に延びる脚14及び後方に延びる脚16が開いた展開位置にある状態の、V字形の中央本体部12の第1の左側の(後ろから見たとき)アームを示している。
図3bは、2つの脚14、16がどのようにして、プッシュチェアの前/後方向に対して実質的に横向きのアームの長手軸12aを中心として回転して、折り畳まれてコンパクトな折り畳み構成をなすことができるかを示している。折り畳み運動中に、前方脚14が
図3bで見られるように時計回りに回転して、関連する前輪アセンブリ18が地面から離れてハンドルアセンブリ26に向けて上方に持ち上がり、一方、後方脚16は反対に反時計回り方向に回転して、関連する後輪アセンブリ20が地面から離れてハンドルアセンブリ26に向けて上方に持ち上がり、これにより、前輪アセンブリ18と後輪アセンブリ20は折り畳まれた状態で互いに近づく。
【0119】
図4aは、図からわかるように特にコンパクトな寸法を有する、折り畳まれたプッシュチェア10の斜視図を示している。
図4bは、折り畳まれたプッシュチェアのシャーシ11の正面図を示しており、明確にするためにシートとハンドルアセンブリ26、28は省略されている。
図4cは、
図4bと同じ正面から見た展開された状態のプッシュチェアのシャーシを示している。
図4cの後輪20の外側軌道から
図4bに延びる点線から分かるように、折り畳まれた状態では、折り畳まれたプッシュチェアの側方の横幅は、展開された状態よりも著しく小さい。
【0120】
図5a~cは、ハンドルアセンブリ26の全体図を示す。これらの図面から、ハンドルアセンブリは、よりコンパクトな寸法に、特に、展開されたプッシュチェアよりも狭い幅に折り畳むことを可能にする、複数の関節点を備えていることが分かる。
図5aは、完全に伸ばした位置にあるハンドルを示す。
図5bは、中間折り畳み位置を示し、
図5cは、第2の中間折り畳み位置を示す。
【0121】
図5aでは、関節部50が、ハンドルがプッシュチェア10の上部にわたって延びることを可能にし、ハンドルを概して開いた位置に維持するように延びていることがわかる。
図5bでは、図に示すようにサイドハンドルピース54が内方へ回転する際に、関節部がハンドルをよりコンパクトな構成に回転させていることがわかる。また、ハンドルの高さを低くすることができる。上側ハンドルアーム56は、下側ハンドルアーム58と入れ子式に配置されるように構成され、したがって、折り畳みプロセス中に上側部分56が下側部分58の中にスライドすることになる。展開中には逆の動作が行われる。上側部分と下側部分がスライド可能に協働してハンドルアセンブリ及びラッチの高さを上側位置及び下側位置のいずれか又は両方の定位置に下げるように構成するためのいくつかの異なる詳細なスキームを想定することができる。
【0122】
ハンドルアセンブリ26が折り畳まれた状態又は展開された状態に確実にとどまるように、ハンドルアセンブリ26にラッチ機構を組み込むことができる。
【0123】
前方に延びる脚と後方に延びる脚を備えた単一の中央本体部12の概念は、
図6~
図8bに示すようなプッシュチェア10の三輪設計にも適用することができる。シートアセンブリ26及びハンドルアセンブリ28の構造の詳細は、四輪設計のものと実質的に同じであり得る。しかしながら、シャーシアセンブリ11は変更される。この三輪構成では、単一の前方に延びる脚14が、一対の後方に延びる脚16の間の中央に配置されることが分かる。
【0124】
図7aは、開いた展開された状態の、ハンドル及びシート取付手段なしの三輪シャーシアセンブリのみを示し、
図7bは、対応して折り畳まれた状態のシャーシ11の側面斜視図を示している。
【0125】
三輪(又は脚付き)設計の別のバージョンが
図8a及び
図8bに示されており、ここでは、V字形の中央本体部12を有するのではなく、中央本体部12は直線状であり、両半分が共通の軸上にある。一般に、全体を通して、各脚は任意の所望の数の個々の車輪を有することができ、三輪バージョンなどが言及されるとき、言及されるのは3つの脚付きバージョンであることがわかるであろう。各脚には、単一の、2つの、又はそれ以上の個々の車輪を取り付けることができる。脚折り畳み機構は、要望に応じて多くの脚を含むことができることが理解されるであろう。例えば、二人乗りストローラで使用するとき、安定性のために脚を設けることができる。
【0126】
図8aは、V字形の本体部12が、単一の直線軸を有する直線状の本体部12に置き換えられた、三輪(又は脚付き)設計の別のバージョンを例示している。この図は、三輪(又は脚付き)シャーシ12のみを示しているが、四輪(又は脚付き)設計に容易に適応させることもできることはすぐにわかる。
【0127】
図8bは、コンパクトな寸法に折り畳まれた
図8aのシャーシを示している。折り畳まれたプッシュチェアのコンパクトな寸法を保証するために、後方に延びる脚16は、脚の回転面が中央部の長手軸12aに対して垂直ではないように中央本体部12に取り付けることができる。このように取り付けられる場合、脚は、軸12から垂直に延びるのではなく、軸12に対してある角度で外方に広がり、したがって、
図8aでわかるように、伸長位置では、車輪間の横方向の軌道距離は、折り畳まれたときの車輪間の距離よりも大きい。
図8bに示すように、脚を回転させて折り畳むと、プッシュチェアの折り畳み寸法は、展開された状態よりもコンパクトになることがわかる。
【0128】
W02020/058753及びW02020/058754の公知の構成では、それぞれの前方脚14及び後方脚16は、それらが確実に同期して回転するように、歯車手段によって互いに接続されているが、本発明は、
図9a~
図14に示され、以下に説明されるように、折り畳み動作及び展開動作の作動及び制御のために異なる機構を使用する。このような脚折り畳み機構を組み込んだプッシュチェア10の他の特徴は、
図1~
図8bに関して説明したとおりであってもよく、又は当業者には理解されるであろう他の互換性のある形態をとってもよい。
【0129】
本発明の実施形態に係る脚折り畳み機構が
図9a~
図16に概略的に示されている。この脚折り畳み機構は、通常、プッシュチェア用であり、長手軸と、第1及び第2の軸方向に間隔をおいて配置されたコアガイド(この場合はスロット202)とを有する、コア部材200を備える。第1の脚部材が、第1のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けて提供され、第2の脚部材が、第2のコアガイドのところでコア部材に回転可能に取り付けて提供される。シャトル220がコア部材内に設けられ、コア部材内で移動可能であり、これにより、シャトルがコア内で移動する際に脚が移動する。図示の例では、シャトルは、コア部材200内で軸方向に移動するように構成されているが、後述する他の例では、シャトルは、コア部材200内で回転するように構成することができる。
【0130】
図示の例では、この脚折り畳み機構は、通常の移動方向に対して実質的に垂直な方向にシャーシ111にわたって横方向に延びるV字形の中央本体部112を備えるシャーシアセンブリ111の形態をとっている、すなわち、車輪が地面と係合する際にプッシュチェア10を前方に付勢するべくハンドルアセンブリ26に圧力がかけられたときである。例示されているように、V字形の両半分間に形成される角度は153度であるが、この角度は、直線状の同軸構成に対応する約180度から約90度の範囲内、好ましくは約120~170度の範囲内、より好ましくは約145~160度の範囲であり得ることが理解されるであろう。中央本体部112は実質的に対称であり、脚の1つのセット(図示せず)がVの左半分(後ろから見たとき)の第1のアーム1121に取り付けられてそこから延びており、脚114、116の別のセットがVの右半分の第2のアーム1122に取り付けられてそこから延びている。簡単にするために、片方の構造及び動作のみを説明する。
【0131】
図9aでは、関連する前輪アセンブリ118及び後輪アセンブリ120が地面と係合するように前方脚114及び後方脚116が開いた展開された構成で示されている。車輪アセンブリ118、120は、関連する前方脚114及び後方脚116のそれぞれの遠位端に接続される。
図9bでは、脚は折り畳み構成に移動した状態で示されている。折り畳み運動中に、前方脚114が
図9bで見られるように反時計回りに回転して、関連する前輪アセンブリ118が地面から離れてハンドルアセンブリ26(図示せず)に向けて上方に持ち上がり、一方、後方脚116は反対に時計回り方向に回転して、関連する後輪アセンブリ120が地面から離れてハンドルアセンブリ26に向けて上方に持ち上がり、これにより、前輪アセンブリ118と後輪アセンブリ120は折り畳まれた状態で互いに近づく。展開操作では、逆の移動が生じる。前方脚114及び後方脚116の相対回転運動を通じてこの折り畳みを可能にする機構を以下に説明する。
【0132】
各アーム1121、1122は、長手軸201、201’を有する実質的に管状のコア部材200と、この例では軸方向に互いに間隔をおいて配置され、それぞれコア部材200の外面の一部の周りに延びるスロット202、204の形態の第1及び第2のコアガイドを備える。第1のスロット202は、第2のスロット204よりも内方にオフセットされている。第1のスロット202は、
図16を参照することによって最もよく示されるように、プッシュチェアの実質的に前方に面し、コア部材の上側からおよそ114度にわたって延びる。これは単に例示的な角度であり、以下に詳述するように前方脚114の可動範囲を定義する角度は、約30から160度、より好ましくは約90から140度の間、さらにより好ましくは約110から120度の間の任意の角度であり得ることが理解されるであろう。第2のスロット204は、プッシュチェアの実質的に後方に面し、コア部材の上側から第1のスロットとは逆方向におよそ94度にわたって延びる。これも単に例示的な角度であり、以下に詳述するように後方脚116の可動範囲を定義する角度は、約30から160度、より好ましくは約70から120度の間、さらにより好ましくは約90から100度の間の任意の角度であり得ることが理解されるであろう。
【0133】
例えば
図9Aで見られるように、後方脚116の近位端は、第2のコアガイド又はスロット204に重なる位置でコア部材200に回転可能に取り付けられた第1のハブ210に接続される。前方脚114の近位端は、第1のスロット202に重なる位置でコア部材200に回転可能に取り付けられた第2のハブ212に接続される。第1のハブ210及び第2のハブ212は、関連する前方脚114及び後方脚116を折り畳まれた構成と展開された構成との間で移動させるべく互いに対して回転可能である。例示した実施形態では、脚は同時に反対方向に回転し、それぞれ同時に始動及び停止する。したがって、脚がほぼ同じ角度で回転する場合、その回転速度は同じである。他の実施形態では、例えば、脚の可動範囲が異なる場合、脚は異なる速度で回転する可能性がある。脚は、通常は異なる速度で同じ方向に代替的に回転することもできることも理解されるであろう。
【0134】
図13A~
図13Cに示されている例を見ると、コアガイドは、コアに形成され、ハブが取り付けられる位置に対応するように軸方向にオフセットして設けられる、コアスロット202及び204の形態であることが理解されるであろう。この例では、ハブとシャトル(コア内で移動するように構成されている)との間の相互作用はペグ242によるものであるため、ガイド202及び204は、例えば
図11で明瞭に見られるように、コアを貫通して延びるスロットとして設けられる。他の例では、
図24Bに示され参照して説明されるように、例えば磁気相互作用などの、ハブとシャトルとの間の相互作用が異なる場合、コアガイドは、コアを貫通して延びるスロットである必要はない。それらは、シャトルが移動する際にその軸方向の動きがハブ又は脚の回転運動に変換されるように、ハブの軸方向の動きを制限するのに役立つ凹部、又は同様にハブの軸方向の動きを拘束するように機能するリッジとすることもできる。
【0135】
より一般的な意味では、ハブ又はシャトルの回転、又はハブの逆回転を引き起こすべくハブ又は脚と係合する係合領域がシャトルに設けられる。
【0136】
図10及び
図15で最も良く見られるように、実質的に管状のシャトル220が中空のコア部材200内に配置される。この例では、シャトル220は、軸方向に並進可能であるが、相互係合特徴により、関連するコア部材200に対して回転方向に固定される。
【0137】
図13~
図15で最も良く見られるように、相互係合特徴は、シャトル220の外面の少なくとも1つの、しかし好ましくは2つ以上の長手方向リブ230と、コア部材200の内面の少なくとも1つの対応する長手方向溝232の形態であり得る。長手方向リブ230は、シャトル220と一体に形成されてもよく、又は例えば固定ボルト231によってしっかりと固定して取り付けられてもよい。シャトルとリブを別部品として形成することで製造が容易になる。保守性のために、その取り付けは、摩耗又は損傷した場合にリブ230を交換できるように取り外し可能であり得る。また、リブ230は、シャトル200とは異なる材料で形成されてもよい。通常、シャトル220は、強度及び耐久性のために同様の特性をもつ鋼、チタン、又は合金などの硬い金属であり得る。特定の射出成形可能なポリマー及び繊維強化複合材を含む選択肢とともに、必要な特性をもつ他の材料が代わりに使用されてもよいことが理解されるであろう。リブ230も、通常、同様の材料で形成されるが、代わりに、その低摩擦特性のためにナイロン、POM、アセタール、ポリアセタール、Delrin(登録商標)、Hostaform(登録商標)、Kepitai(登録商標)、又はTenac(登録商標)などの低摩擦ポリマーから形成されてもよい。
【0138】
同様の理由で、コア200は、軽さ及び強度のために押し出しアルミニウムなどの、ほとんどは金属構造であり得るが、材料特性を利用するため及び交換を可能にするために、内面に固定された異なる材料のインサート203a、203bを含んでいてもよい。限定はされないが特定の射出成形可能なポリマー及び繊維強化複合材を含む選択肢とともに、必要な特性をもつ他の材料が代わりに使用されてもよいことが理解されるであろう。インサートは、例えば低摩擦及び良好な摩耗特性のために、ナイロン、POM、アセタール、ポリアセタール、Delrin(登録商標)、Hostaform(登録商標)、Kepital(登録商標)、又はTenac(登録商標)などであってもよい。代替的に、インサート203a、203bは、金属で形成されてもよく、又は完全に省略されてもよい。そのような実施形態では、グリースなどの適切な潤滑が必要となる。抗力をさらに軽減するために、コア部材200の内面は、一体の押出成形品として形成されるか又はインサート203a、203bと共に複合部品として形成されるかにかかわらず、好ましくは、長手方向溝232のいずれかの側部に長手方向に配置された山部205及び谷部207を備えるリブ付きプロファイルを有する。山部205は、シャトル220がコア部材200内で軸方向に並進する際に、最小の面接触でシャトル220の外面を支持する。土などの小さな粒子は、この機構のスムーズな動作に対するそのような粒子の影響を軽減するべく溝207に収容され得る。他の実施形態では、相互係合特徴は、結果的な構造への変更を適宜伴って、シャトル220の外面上の溝と、コア部材200の内面から突き出る対応するリブの形態をとってもよい。
【0139】
エンドキャップ260が、例えばスナップフィット接続又は適切な締結具によって、コア部材200の外端に取り外し可能に取り付けられる。エンドキャップ260は、保護機能及び/又は装飾機能を提供し、特に、土及び水分の侵入を軽減するためにコア部材200の内部を密閉する。
【0140】
シャトル220は、中空の管状部材の形態であり、その外面を通る第1及び第2の実質的にS字形のスロット222、224を含む。第1のS字形スロット222は、シャトル220が脚アセンブリの折り畳まれた状態に対応する軸方向内方位置にあるときにコア部材200の第1の周方向スロット202の上端202aと位置合わせされる上部222aを有する。同様に、第2のS字形スロット224は、シャトルが軸方向内方位置にあるとき第2の周方向スロット204の上端204aと位置合わせされる上部224aを有する。反対端では、第1のS字形スロット222は、シャトル220が脚アセンブリの展開された状態に対応する軸方向外方位置にあるとき第1の周方向スロット202の下端202bと位置合わせされる下部222bを有し、第2のS字形スロット224は、第2の周方向スロット204の下端204bと位置合わせされる下部224bを有する。上部と下部との間で、各S字形スロット222、224は、シャトル220の外面の周りに実質的に螺旋状に延びる。したがって、第1のS字形スロット222は中間螺旋部222cを含み、第2のS字形スロット224は中間螺旋部224cを含む。
【0141】
シャトルのスロットは、シャトルがコアの中で移動する際にハブ(及び脚)の回転運動を引き起こすように形状設定される。S字形は、この文脈では、そのような運動を生じることができるような形状として理解される。したがって、スロットは実際の「S」の形状である必要はない。
【0142】
S字形スロットは、好ましくは、シャトルを貫通して延びるように形成されるが、所望の形状、例えばS字形の、シャトル上の凹領域として形成することもできる。本明細書で説明するように、S字形スロットは、より一般に、ハブの対応する係合部、領域、又は部分と係合するように構成される、形状設定された係合領域と考えることができる。シャトルとハブ又は脚との間の磁気相互作用が使用される場合(
図24B参照)、シャトルの係合領域は、磁気ストリップであり、必ずしも凹んでいる必要はない。別の例では、シャトルの係合領域は、単にシャトルの表面の一部である、すなわち凹んでいない。これは、例えば、シャトル上の1つ又は複数のリッジによって画定することもできる。
【0143】
より一般的な意味では、シャトルの係合領域は、ハブ又はシャトルの回転、又はハブの逆回転を引き起こすべくハブ又は脚と係合するシャトルの任意の部分を意味すると理解されるべきである。
【0144】
第1及び第2の段付きペグ240、242が、それぞれ第1のハブ210及び第2のハブ212の内面にしっかりと固定されてそこから突き出る。
図10及び
図12で最も良く見られるように、各ペグは、実質的に円筒形の本体又は根元部240a、242aと、コア部材200に隣接し、前記ハブの内面に対して遠位にある第1の縮径先端部240b、242bと、根元部と第1の縮径先端部との間の直径をもつ中間部240c、242cとを含む。根元部240a、242aは、ハブ210、212と一体に形成されてもよく、適切な固定手段によってハブ210、212に別個に接続されてもよい。ペグ240、242は、鋼などの強い硬い金属で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ペグの遠位端は、第1の縮径先端部240b、242b及び随意的に中間部240c、242cを画定する、エンドカバー部245を含み得る。エンドカバー部245は、関連するペグ240、242に取り外し可能に取り付けることができ、同じ材料、又はより硬い材料であり得る異なる材料で形成することができる。したがって、有益なことに、カバーは摩耗した場合に交換することができる。特定の実施形態では、エンドカバー部は、代わりに低摩擦材料で形成されてもよい。
【0145】
先端部240b、242bは、それぞれのハブ210、212の下にあるスロット202、204などの関連する周方向コアガイドを通って、シャトル220の関連するS字形スロット222、224に受け入れられるように寸法設定される。先端部は、使用時にシャトルと係合するため、係合領域又は係合部と考えることができる。したがって、最も内方のペグ242の先端部242bは、第1の周方向スロット202を通って第1のS字形スロット222に受け入れられる。同様に、最も外方のペグ240の先端部240bは、第2の周方向スロット204を通って第2のS字形スロット224に受け入れられる。先端部240b、242bは、関連するS字形スロット222、224の幅と一致するように寸法設定され、その側面とカム係合で係合する。特定の実施形態では、エンドカバー部245は、摩擦を最小にするために、スロット222、224の側面と係合するときにペグに対して回転し得るように、関連するペグ240、242に回転可能に取り付けられ得る。コアガイドは、コア上に設けられ、典型的な例ではコアの円周の少なくとも一部にわたって延びるので、本明細書では周方向コアガイドとして説明されることが理解されるであろう。コアガイドは、コアの形状及び断面に関係なく同様に周方向である。例えば、正方形又は長方形の断面を有するコアが提供される場合、コアガイドは、コアの横断面の少なくとも一部の周りに延びるので、同様に周方向とみなされる(例えば、コアが平坦な側面を有する、例えば断面が正方形である、例示的なコアの側面を示している
図27B参照。この例のコアガイドは、コアの平坦な側面のうちの1つに設けられている。)。
【0146】
関連するスロットのプロファイルに対応する変更を加えて、ペグ240、242の代替的な形態が使用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、遠位端は、本体部と同じ直径又はそれよりも広くてもよく、中間部は溝を備える。これは、より頑丈な先端部をもたらし、強度が高まる。
【0147】
特に
図12a~
図13bを参照して示すように、動作において、シャトル220をコア部材200内で軸方向に並進するように作動させると、先端部240b、242bと関連するS字形スロット222、224とのカム係合により、それぞれのペグ240、242の回転が付勢される。
【0148】
シャトルの動きをハブの回転に変換するという点で重要なことは、この例のS字形スロットにより、ハブとシャトル(シャトルのS字形スロット)との間の相互作用でハブの動きが駆動されることであることが理解されるであろう。したがって、シャトルの動きは厳密に軸方向である必要はない、すなわち、シャトルは回転運動をまったく経験しないことを意味する。実際、シャトルの動きは、軸方向成分を含み、使用中にハブとS字形スロットとの相互作用でハブの回転、したがってハブに接続された脚の回転を引き起こす限り、回転方向と軸方向の両方であり得る。
【0149】
ペグ240、242の中間直径部240c、242cは、関連する周方向スロット202、204の幅と一致し、周方向スロットの側面と係合することで、ペグ240、242の横方向移動が防止され、S字形スロット222、224との相互作用によって引き起こされる回転運動のみに制限されるように寸法設定される。いくつかの実施形態では、周方向スロット202、204とS字形スロット222、224は実質的に一致する幅を有していてもよく、その場合、ペグ240、242は、1つの縮径部、すなわち先端部240b、242bのみを有する必要があり、中間部240c、242cを有する必要はない。
【0150】
最も内方のペグ242は第2のハブ212に接続され、第2のハブ212は前方脚アセンブリ114に接続されるため、関連する前方脚アセンブリ114の回転運動は、最も内方のペグ242の中間直径部242cと第1の周方向スロット202の係合、及び、最も内方のペグ242の先端部242bと第1のS字形スロット222のカム係合によって案内される。同様に、後方脚アセンブリ116の回転運動は、最も外方のペグ240の中間直径部240cと第2の周方向スロット204の側面の係合、及び、最も外方のペグ240の先端部240bと第2のS字形スロット224とのカム係合によって案内される。したがって、シャトル220の軸方向の動きが脚アセンブリ114、116の回転運動に変換される。この機構が脚アセンブリ114、116を例示した実施形態とは反対方向に回転させるように構成される場合、それぞれの螺旋部222c、224cがシャトル200の周りで反対巻きにされる。
【0151】
図9a、
図12a、及び
図13aは、ペグ240、242がそれぞれ第1及び第2の周方向スロット202、204の上端及びそれぞれ第1及び第2のS字形スロット222、224の上端にある、すなわち、それぞれ上部222a及び224aにある最上位置まで回転した状態の、折り畳まれた構成の、脚折り畳み機構の一部を示している。この位置では、シャトル220は最も内方の位置にある(
図13a参照)。図示のように、上部222a及び224aは、それぞれ長手軸201に平行な短い直線端部を備える。これらは、脚アセンブリ114、116を折り畳まれた構成に固定するべく、対応するペグ240、242をロックするように機能し、シャトル220が意図的に動かされない限り、その回転運動を防止する。
【0152】
展開操作では、シャトル220が
図13b及び
図13cの矢印Aの方向に外方へスライドするように作動されると、S字形スロット222、224とそれぞれのペグ240、242の中間部240c、242cとの係合により、ペグが矢印B及びCの方向に、
図12b及び
図13bに示される中間位置を通って、ペグ240、242がそれぞれ第1及び第2の周方向スロット202、204の下端及びそれぞれ第1及び第2のS字形スロット222、224の下端にある、すなわち、それぞれ下部222a及び224aにある最下位置まで回転した状態の、
図9a、
図11、
図12c、及び
図13cに示すような完全に開いた構成へ回転する。この位置では、シャトル220は最も外方の位置にある(
図13c参照)。図示のように、下部222b及び224bは、それぞれ長手軸201に平行な短い直線端部を備える。これらは、脚アセンブリ114、116を開いた展開された構成に固定するべく、対応するペグ240、242をロックするように機能し、シャトル220が意図的に動かされない限り、その回転運動を防止する。折り畳み操作は展開操作の逆であり、シャトル220が反対方向に、すなわち
図13aの矢印Dの方向に内方へスライドするように作動され、完全に折り畳まれた構成に向けてそれぞれのペグ240、242が矢印E及びFの方向に回転する。
【0153】
ペグ240、242の全可動範囲が
図16に明瞭に示されており、これは軸201、20Tに垂直なビューである。符号240、242で参照されるペグは、開いた展開された構成で示されており、使用中に地面と係合するために概して下方に向いている。同じペグであるが符号240’、242’で参照されるものも、上方へ回転された折り畳まれた構成で示されている。この例では、前方ペグ240、240’は114度の可動範囲で動き、一方、後方ペグ242、242’は94度の可動範囲で動く。スロット202、204の設計は、それぞれのペグの所望の可動範囲に応じて変更することができる。前方ペグと後方ペグは同じ(しかし反対の)可動範囲で動くこともできる。
【0154】
S字形スロットの向きは、シャトルの最も内方の位置が折り畳まれた構成に対応する状態で、逆であってもよく、またその逆も可能であることが理解されるであろう。
【0155】
ロック機構として機能するように長手方向に延びる端部を包含することは特に便利であり、プッシュチェアを折り畳まれた構成及び展開された構成のいずれか又は両方にロックするための別個の手段を不要にすることが理解されるであろう。しかしながら、代わりに又は同様に、代替的なロック手段が設けられてもよいことも理解されるであろう。
【0156】
脚アセンブリ114、116の動きは、S字形スロット222、224のそれぞれの曲線のプロファイルによって決定されることを当業者は理解するであろう。シャトル220の軸方向の動きから脚アセンブリ114、116の回転への変換のスムーズな開始及び終了を提供するとともに、脚折り畳み機構の狭いプロファイルを維持するべく、シャトルの軸方向の動きをできる限り少なくして全範囲の回転を可能にするために、スロット222、224の中間部222c、224cでの純粋な螺旋曲線ではなく、端部222a、224a及び222b、224bにより近い部分が中間部よりも浅くてもよい。言い換えれば、スロットの螺旋部が一定のピッチを有するのではなく、ピッチは端部よりも中央部でより大きくてもよい。より大きなピッチは、シャトル220の所与の軸方向の並進で脚アセンブリ114、116のより多くの回転に変換される。ピッチの実際的な上限は、長手軸201から約45度であることがわかっている。
【0157】
シャトル220の作動は、当業者にはわかるように、空気圧又は油圧ピストンの作動、ケーブル又はレバー作動、又は長手方向のばねによる作動などの多くの適切な機構によって達成され得る。しかしながら、回転ドライブシャフトで作動が行われるときに特定の利点が得られる。
図10及び
図15を参照すると、ドライブシャフト252は、エンドキャップ260を介してコア部材200にしっかりと接続されるモータ250から延びる。モータ250は、コア部材及びシャトル部材内に部分的に又は好ましくは完全に収容され、外部環境から保護され得る。ドライブシャフト252は、シャトル220及びコア部材200内に少なくとも部分的に収容され、通常は、その一端に回転方向に固定されたウォームホイール254を有し、ウォームホイール254はシャトル220の対応するねじ付き内部部分258と係合し、それにより、ドライブシャフト252の回転がコア部材200内でのシャトル220の軸方向の並進に変換される。シャトル220のねじ付き内部部分258は、中空シャトルの内部を横切って延びる端壁259の中央にあるねじ付き孔の形態であり得る。端壁は、孔の周囲の中央を補強することができる。
【0158】
このような構成は、シャトルの作動によって脚アセンブリ114、116を回転させるためのコンパクトで便利な機構を提供する。特に、モータ250、及び随意的に、関連する電源は、中空のコア部材200及び管状のシャトル220内に完全に格納されてもよく、したがって、効果的なハウジングとして作用し、これにより、起こり得る衝撃及び損傷から保護し、コンパクトで頑健な見た目のよい安全な電動折り畳み及び展開機構を提供する。電源、例えば充電式バッテリは、シャーシアセンブリ上などのプッシュチェア上の任意の便利な場所に固定され得る別個のユニットに収容されてもよい。バッテリは、電源ジャック、USB接続、又は誘導コイルなどの任意の適切な手段を通じて充電可能であり得る。モータ250の作動は、ハンドルアセンブリ26上などの任意の便利な場所にある遠隔スイッチ(図示せず)によってトリガされてもよい。作動信号が、有線接続又は無線接続を介してスイッチからモータ250に送信されてもよい。スイッチは、移動電話のアプリに組み込まれるような仮想スイッチとすることもでき、それにより、折り畳み/展開機構の動作をアプリで制御することもできる。
【0159】
ドライブシャフトの作動は、代わりに、例えば、クランクを回すことによって、又はプッシュチェアのハンドル部の折り畳みをプッシュチェアの構造に組み込まれ得るピボット及びレバーで変換するなどの、手動で作動する一種の動きをドライブシャフトの回転に変換する何らかの他の機械的構成によって、手動で行うこともできることが理解されるであろう。手動での作動方法は、電動動作のバックアップとして提供され得る。
【0160】
図示した実施形態は、ハブの内面からのペグの形態の突起と、シャトル220の対応する螺旋スロット222、224を使用しているが、図示していない他の実施形態では、カム相互作用は、ハブの内面上のそれぞれの従動部が従う、シャトルの表面から延びる突起の形態であってもよいことが理解されるであろう。また、ペグ240、242は実質的に円筒形の形状として示されているが、代わりに他の形状を使用することもできる。他の実施形態では(図示せず)、カム相互作用は、関連するハブの内面から突き出るペグの遠位面上の嵌合従動部と係合する、シャトルの外面上の第1及び第2の螺旋リッジの形態の螺旋面によって提供されてもよい。さらに他の実施形態(同じく図示せず)では、第1及び第2の実質的に螺旋状の面はそれぞれのハブの内面上にあってもよく、関連する第1及び第2の突起はシャトルの外面上にあってもよい。
【0161】
上記では、V字形の中央本体部112の第1のアーム1121及び第2のアーム1122が、前方に延びる脚114と後方に延びる脚116のペアの回転運動をそれぞれ担う対称な脚折り畳み機構を備える、四輪プッシュチェア10のための脚折り畳み機構を説明してきた。しかしながら、
図6、
図7a、及び
図7bに示されているタイプ又は代わりに直線状の中央本体部を有する
図8a及び
図8bに示されているタイプの三輪プッシュチェアに、又は第1のアーム1121の軸201と第2のアーム1122の軸201’が同軸に配置される実際に直線状の中央本体部を有する四輪バージョンに、同様の機能を提供するべく、例示した実施形態に適切な修正を加えることができることが理解されるであろう。
【0162】
本明細書で説明される例では、三輪又は四輪のプッシュチェアが想定されているが、これに限定されるものではない。中央本体又はシャーシ上の脚の構成としては、好ましくは、脚のうちのいくつかは本体又はシャーシに対して一方向に回転するように構成され、他の脚は、他の方向に回転するように構成される。折り畳み方向の正確な構成は、特定の例に限定されない。好ましくは、三輪脚折り畳み機構の一例では、中央車輪及び脚が2つの外側車輪/脚とは反対方向に折り畳まれるように構成される。脚折り畳み機構の四輪の例では、2つの外側脚が一方向に、例えば前方に折り畳まれ、2つの内側脚が他の方向に、例えば後方に折り畳まれるようにすることもできる。また、一方の側の、例えば脚折り畳み機構の左側の2つの脚が一方向に折り畳まれ、他方の側の2つの脚が他の方向に折り畳まれるようにすることもできる。一般に、脚の折り畳み方向の任意の可能な構成が提供され得る。
【0163】
例えば、3つの脚の折り畳みを提供するために、コア部材200は、第3の軸方向に間隔をおいて配置された周方向に延びるスロットをさらに含み、この機構は、第3の周方向に延びるスロットのところでコア部材に回転可能に取り付けられる第3の脚部材に接続するための第3のハブと、第3の周方向スロットを通ってシャトルの外面の対応する第3の実質的に螺旋状の面と嵌め合い係合する例えば第3のハブの内面からの第3のペグの形態の第3の突起をさらに含み、これにより、アクチュエータが動作する際のシャトルの軸方向の並進が第3のハブ部材の回転にも変換される。
【0164】
対称な折り畳み機構の両方のアーム1121、1122を作動させるために単一のモータを使用することも考えられる。そのような実施形態では、一対のモータ250がアームのそれぞれの外端に含まれるのではなく、ただ1つのモータが中央に取り付けられ、その出力ドライブの回転が、各アーム1121、1122内の中心から外方に延びるそれぞれのドライブシャフトの対応する回転に伝達される。1つの便利な構成は、その出力ドライブをシャーシアセンブリ111に対して90度にしてモータを取り付け、ギヤボックスを介してそれぞれのドライブシャフトに接続することである。
【0165】
シャトル220は中空の管状部材として説明されているが、ドライブシャフトとモータをその中空の内部に収容できないことを意味する、実質的に中実の部材も含み得ることが理解されるであろう。概して円筒形の形状が、製造のため及びコア部材200との相互係合のために便利であるが、シャトルは非円形の断面形状を有することもできることも理解されるであろう。
【0166】
前述のように、脚折り畳み機構は、折り畳みプッシュチェアの特定の構成に関連して説明されてきたが、より一般的に他の脚折り畳み機構に適用することもできる。このような代替的な構成では、可動範囲は異なる可能性があり、最大で約360度又は最小で約10度とすることもできる。
【0167】
上で説明したように、
図17はプッシュチェアの概略図を示している。例えば
図1~
図16を参照して前述したものと同様のコンポーネントは再び詳しく説明はしない。
図17及び
図18に示されているプッシュチェアの構成はV字形のシャーシを含むことに留意されたい。
図17及び
図18の内容を理解する目的上、説明する態様は、例えば
図8a及び
図8bに示すような直線形シャーシを含む他の形状のシャーシにも等しく適用されることが理解されるであろう。本明細書で用いられる場合のV字形は、同軸ではないアームを含むことを意味し、実際の英字の「V」である必要があることを狭義に意味するものではない。例えば、その形状が、文字Uでより容易に識別される同軸形状ではないアームを含む限り、実際に任意の他のそのような形状が含まれ得る。
【0168】
プッシュチェアは、中央本体部12から突き出るように構成された電源及びモータハウジング300を含む。電源及びモータハウジング300は、通常、断面が円筒形、楕円形、又は多角形であり、中央本体部12から選択された方向に突き出る。図示の例では、これは、(プッシュチェアが置かれる床に対して)垂直に上方へ突き出ている。他の例では、これは、中央本体部12及び/又はプッシュチェアが置かれる床面の一般的な向きに対して異なる方向に突き出ることができる。
【0169】
したがって、一般に、脚折り畳み機構がプッシュチェアの順移動方向に対して概して垂直に延びる中央シャーシを単に備える、プッシュチェアのための脚折り畳み機構が示されている。この中央シャーシは、シャーシの周りを回転するように構成された制御可能な脚を有する。脚の回転を駆動するためのアクチュエータが、電源及びモータハウジング300内に設けられ、脚を折り畳み位置から展開位置へ又はその逆へ動かすことができる。
【0170】
図示のように、この例では、電源及びモータハウジング300は、中央シャーシに結合されるように構成され、シャーシから垂直に上方へ延びている。電源及びモータハウジング300は、シャーシ又は地面に対して任意の所望の方向に延びるように構成することもできる。例えば、これは、シャーシの下側に、すなわち使用中に地面に向けて下向きになるように配置することもできる。
【0171】
ハウジング300は、好ましくは、中央シャーシに対して中央に配置される。これは、脚折り畳み機構を折り畳み構成へ畳むときに便利である。
【0172】
電源及びモータハウジング300は、電源(図示せず)、及び、装置の制御を可能にするべく中央本体部12内の適切なコンポーネントと相互作用するように構成されたモータ、を収容するように構成される。
【0173】
図19は、プッシュチェアの中央本体部又はシャーシ12の断面を示している。概略的に示されている電源及びモータハウジング300は、モータ302及び電源304を含んでいる。通常、外側ハウジング又はケースが設けられるが、
図19には示されていない。モータ302は出力シャフト304に接続され、出力シャフト304自体は、中央本体部12のアーム312のドライブシャフト310に設けられた対応するギヤ308と相互作用するように構成されたかさ歯車306などのギヤに結合される。
【0174】
他の方法では、
図19、並びに
図17及び
図18に示されているシステムは、例えば
図10及び
図11を参照して前述したシステムと同様の様態で動作する。しかしながら、モータが、中央本体部12のアーム312内に軸方向に配置されるのではなく、電源及びモータハウジング300内に設けられる。ウォームホイール254が対応する様態で駆動され、したがって、装置の動作は、
図10及び
図11を参照して前述した動作と実質的に同じである。
【0175】
図17~
図19の電源及びモータハウジング300の構成の利点は、中央本体部のアームのそれぞれでのウォームホイール254の回転を駆動するために単一のモータを都合よく設けることができることである。両方のアームを駆動するように構成された単一のモータを設けることで、部品点数の削減と制御の簡素化が可能になる。
【0176】
電源及びモータハウジング300に設けられる電源304は、好ましくは充電式電源であり、ユーザが電源及びモータハウジング300をUSBコネクタで又は他のそのような電源の場合のように電源につないで、バッテリを充電し、脚折り畳み機構全体のバッテリ残量を確実に保つことができるようにするために、好ましくは充電コネクタ(図示せず)が設けられる。
【0177】
図18Bは、中央本体部又はシャーシ12から突き出るように構成された電源及びモータハウジング300を含む、プッシュチェアの例を示している。この例では、電源及びモータハウジング300は、後方へ延びている、すなわち、通常の使用においてチェアを押す人が位置する領域に向けられている。
【0178】
図20は、中央本体部又はシャーシ12を有するプッシュチェアと共に使用するためのモータ制御システムのさらなる例を示している。この例では、4つの別個のモータ314が設けられ、それぞれコネクタ311によって中央制御ユニット318に結合されている。中央制御ユニット318は、通常、それぞれ好ましくは単一の脚の折り畳み又は展開を制御するように構成された個々のモータ314の動作を調整及び制御するように構成された、マイクロプロセッサを含む。
【0179】
図20に示されている例では、4つの脚が設けられる構成であるため、4つのモータが設けられる。しかしながら、この構成は、3つの脚が設けられている、したがってモータが3つだけ必要とされるプッシュチェアでも等しく提供され得ることが理解されるであろう。
【0180】
各車輪脚が最終的に接続されるハブに歯車機能部320が設けられ、各モータ314の出力シャフト(図示せず)に駆動歯車322が結合される。したがって、制御ユニット318の制御下で、各モータが、出力歯車322とハブの内側歯車320との間の歯車相互作用でその関連する脚を制御するように駆動される。プッシュチェアの各脚について独立した制御を提供することで、制御が機械的に個別であるシステムが提供され、したがって、各脚を独立して制御し、その高さを独立して変えることができる。
【0181】
図21a及び
図21bは、脚に釣り合い錘を事実上付加することによってモータの作業負荷を減らすための構成の例を示している。
【0182】
図21aは、中央本体又はシャーシ12の概略的な断面を示しており、2つの脚324及び326が概略的に接続されて示されている。
【0183】
プッシュチェアの通常の動作の下で、前述のように、脚を折り畳む又は脚を展開するために、脚の歯車機能部と相互作用するように1つ又は複数のモータが駆動され、したがって、ハブ及びハブに接続された脚が、脚を折り畳む又は展開するべく回転する。
【0184】
図21a及び
図21bは、アセンブリの一部として設けられる、一般に「ゴムバンド」と呼ばれる場合がある、エラストマー又はばね付勢要素327の例を示している。概略的に示されているように、脚が開かれる、すなわち、通常は下方へ動かされるとき、バンド327が伸びて、弾性位置エネルギーの形態で位置エネルギーを蓄えることが理解されるであろう。次いで、脚が閉じられるとき(
図21b参照)、1つ又は複数のモータの動力に加えて、ゴムバンド327に蓄えられた弾性位置エネルギーを使用して、プッシュチェアを閉じるのを支援することができる。
【0185】
図22は、構成のもう少し詳細な概略図を示している。中央本体又はシャーシ12(既に上で詳細に説明している)の内部に通常含まれているコンポーネント、すなわち、モータ及び歯車は図示していないが、車輪ハブ330内の実質的に環状の凹部328内に設けられるように構成されたゴムバンド要素327が単に示されている。脚のうちの1つの車輪ハブ330は、中央本体部12が組み立てられるときに、別の脚の車輪ハブ332に隣接することが理解されるであろう。
【0186】
車輪ハブ330及び332にそれぞれ係合ピン334及び336が設けられる。ゴムバンド又はエラストマー付勢要素327には、ピン334及び336が嵌め込まれるように構成された開口部338が設けられる。したがって、(
図22に示すような)収縮位置では、エラストマー付勢要素327は休止状態にあり、弾性位置エネルギーを蓄えないことが理解できる。これは
図21bに示されている断面図に対応する。
【0187】
ピン334及び336が周方向に互いに離れるように動かされる様態で脚が回転するとき、エラストマー付勢要素327が引き伸ばされて、弾性位置エネルギーを蓄える。
【0188】
エラストマー付勢要素327を設ける効果は、アセンブリにさらなる力が与えられることである。これにより、同じ閉じる力を達成するのにより小型の又は低出力のモータを使用できるようになる。したがって、機能を損なうことなくエネルギー消費を減らすことができる。
【0189】
図23は、プッシュチェアのさらなる例を示している。この例では、随意的にモータがまったくない、プッシュチェアが提供される。むしろ、プッシュチェアの手動制御及び牽引を可能にする牽引可能なハンドル340が提供される。この例でのプッシュチェアは、脚344及び346に結合された接続ロッド342を備える。ラッチ機構(図示せず)がハンドルに接続して設けられ、その開構成では
図23aに示された位置をとるようにプッシュチェアをラッチ式に開くように構成される。
【0190】
本発明の一態様によれば、プッシュチェアのための脚折り畳み機構と、このような脚折り畳み機構を含むプッシュチェアが提供され、脚折り畳み機構は、中央本体と、中央本体から延びる又は中央本体に接続された3つ以上の脚を備え、脚のうちの少なくとも2つは、開構成から閉構成へ又はその逆へ移行するときに中央本体の周りで異なる方向に回転するように構成され、脚折り畳み機構は、脚折り畳み機構を開構成から閉構成へ又はその逆へ移行させる又は移行可能にするために手動で操作可能なアクチュエータを含む。
【0191】
好ましくは、手動で操作可能なアクチュエータを含む脚折り畳み機構は、脚折り畳み機構の開閉を支援するために、例えば
図21及び
図22を参照して本明細書で説明されたものなどのエラストマー付勢部材を含む。
【0192】
好ましくは、脚折り畳み機構は、脚折り畳み機構の開閉を可能にするためにユーザが作動可能なラッチを含む。
【0193】
プッシュチェアを閉じるために、ハンドルを引くと、ラッチが係合解除されて、
図23bに明瞭に示されるように、プッシュチェアシート348を背もたれ350に向けて上方へ折り畳むことができるようになり、接続ロッド342を介して脚が上方へ折り畳まれる。この手動の例では、すなわちモータを包含せずに、
図21A及び
図21Bを参照して前述したエラストマー要素327がプッシュチェアに組み込まれることが好ましい。これは、プッシュチェアを開くのに必要な力を増加させる可能性があるが、この開くプロセスは、通常、いずれにしても重力に支援される(脚が下方へ折り畳まれる)ので、ユーザにとって難しくはない。しかしながら、プッシュチェアを閉じる際には、蓄えられた弾性位置エネルギーが、プッシュチェアを閉じるプロセスをより容易にすることができる。
【0194】
前方脚と後方脚の歯車接続を介して、チェアが閉位置にくるように脚344及び346が上方へ移動すると、対応して後方脚が
図23bに示すように上方へ移動する。
【0195】
図24a及び
図24bは、
図10~
図16に示されているアセンブリの代替的な構成の概略図を示している。前述のように、
図10~
図16では、シャトルが、コア部材内に配置されて提供され、コア部材に対して軸方向に並進可能である。シャトルが軸方向(軸方向とは、上で説明したように軸方向成分を含むことを意味する)に並進する際に、通常はアクチュエータの制御の下で、シャトルの第1のハブの内面及びシャトルの外面のうちの一方からの第1の突起が、スロットを通ってハブの内面及びシャトルの外面のうちの他方の螺旋面と嵌め合い係合する。したがって、シャトルの軸方向の並進を介して、第1及び第2のハブ(通常、脚が取り付けられる)の回転が達成される。
【0196】
代替的な構成が可能であることが理解されるであろう。
図24bは、このような構成の概略図を示している。この例では、シャトルは中空である必要はなく、その外面に磁気ストリップ352を備える中実の概して円筒形(又は他の適切な形状の部材)とすることもできる。実際、この例では、シャトルのスロットを介して挿入され動かされる脚を有する代わりに、脚は、磁気接続部によってシャトルに又はさらには実際には外側コアに取り付けられる又は係合する。したがって、係合部(
図10~
図16の上記の例では先端部240)は、シャトルの磁性領域と係合するための磁性コンポーネントとして提供される。この例では、コアを通じて(スロット内のペグの場合には実際の開口部を必要とせずに)磁気相互作用を達成することができるので、コアガイドはスロットである必要はない。
【0197】
通常はS字形の磁気ストリップ352が設けられ、これは、磁気接続部354を介して脚の移動を案内するように構成される。磁気接続部は、通常、一片の磁性材料、又は単に、ストリップ352との磁気相互作用が可能な材料であり得る。したがって、この実施形態では、ストリップ352及び脚のコネクタ354のいずれか又は両方が磁性体である必要があることが理解されるであろう。
【0198】
図10~
図16を参照して前述した例では、シャトルの軸方向の並進により第1及び第2のハブが回転することが説明されている。別の例では、シャトルの軸方向の並進を使用する代わりに、脚がモータの動作の下で直接回転する。これは、プッシュチェアの各脚をそれぞれ制御するために複数の個々のモータが設けられる
図20を参照して前述した例と同様である。
【0199】
図25a及び
図25bは、シャトルの並進運動の代わりに(又は同様に)、モータが、ハブ又は車輪脚に直接接続されるシャトルを直接回転させるように構成される例を概略的に示している。
図26a及び
図26bは、
図25a及び
図25bを参照して前述した例の磁性の均等物を示している。言い換えれば、やはりモータがハブを直接回転させるために使用されるが、例えばシャーシに設けられたスロットを通じた接続の代わりに、ハブ又は脚の端に設けられた対応する磁性カプラと磁気的に相互作用するために脚に磁気接続部が設けられる。
【0200】
最後に、
図27Aは、回転するように構成された中実のシャトル部材が提供され、(中実のコアに設けられたコネクタ360と)脚358に設けられたフック又は他の適切なコネクタ356との相互作用により脚の回転を達成することができる、さらなる例を示している。フックは、使用中にハブ又は脚41をシャトルと係合することができる係合部の例である。さらに、
図27Aに示すように中実のシャトルが使用される状況では、コア内でのシャトルの動きは完全に回転であり得る、すなわち全く並進ではないことが理解されるであろう。この状況では、脚及び/又はハブを中央シャーシ又は本体の周りで反対方向に回転させる場合、スプリットシャトルが設けられ、スプリットシャトルの異なる部分間のギヤを調整することで、同じモータでスプリットシャトルの1つよりも多い部分を反対方向に駆動することができる。
【0201】
例えば
図13a~
図13cを参照して前述した例では、S字形スロットを含むシャトルが移動し、ペグ242(
図13c参照)との相互作用を介して、ハブの周りの脚の回転が達成される。
【0202】
図29は、脚折り畳み機構で使用するためのシャトルの概略図である。
図29の代替的な実施形態では、ペグ242が結合され、シャトルに設けられたスロットによって駆動される代わりに、シャトルが、脚の回転運動を駆動するように構成されたリッジ364を有する中実のコンポーネント362として提供される。脚がシャーシの一部をなすハブに回転方向に結合される同様の構成が提供されるが、この場合、脚の回転運動が脚の端部とシャトルのS字形スロットとの相互作用によって駆動されるのではなく、回転運動は脚と円筒形のシャトル362に設けられたリッジ364との相互作用によって駆動されることが理解されるであろう。
【0203】
実際、係合部のいずれか又はすべてがカム及びカムフォロアを備える脚折り畳み機構が提供される。事実上リッジ364であるカムが、ハブ又は脚に設けられた又は直接接続されたカムフォロアと係合する。通常、別の脚又はハブの動きを制御するために、対応するリッジ(図示せず)が中実のシャトルの後側に設けられることが理解されるであろう。
【0204】
図30は、脚を開位置又は閉位置にロックするための機構の概略図を示している。
【0205】
前述のように、例えば
図10~
図16の例では、開位置又は閉位置での脚のロックは、通常はS字形のスロットの形状によって提供され、回転方向に、脚が「S」の延びた直線部のうちの1つと位置合わせされると、効果的に回転方向にロックされることを保証する。代替的な例では、歯車機構又は歯機構366が設けられる。ロック解除を可能にするために、中央ロック部368の軸方向の分離が提供される。ロック解除構成にあるとき(
図30で見られるように)、前方脚及び後方脚の脚又はハブ(部分1及び部分3とラベル付けされている)は、ロック部368に対して回転することができる。しかしながら、(
図30に示すように)部分1、2、及び3間に軸方向に隙間がないようにされたとき、脚の角度位置が効果的にロックされる。
【0206】
このような機構を達成するために、ハブの又はハブ内での脚のコンポーネントのある程度の軸方向の動きを可能にすることができることを当業者は理解するであろう。
【0207】
図30に示されている部分1、2、及び3を参照すると、これらは、部分1及び部分3を部分2から軸方向に離れるようにスライドする動きを通じて取り外し可能であるように構成される。再び脚をロックするために、部分1、2、及び3が、一緒に軸方向に動かされ、好ましくは、係合時にカチッと音を立ててロック状態が達成されていることをユーザに示すように構成される。各部分に設けられた歯367は、各部分の相対的な回転ロックを可能にする。好ましくは、歯のパターンは、各部分のペア間の2つの特定の相対角度位置でのみロックされるようなものであり、これにより、脚が開構成又は閉構成に容易にロックできるようになる。
【0208】
図31a~
図31dは、プッシュチェアと共に使用するための可変ハンドルバー又はハンドルアセンブリの例を示している。ハンドルアセンブリは、プッシュチェア又は実際に他の移動可能なアイテム、例えば、車椅子、ショッピングトロリー、ゴルフトロリーなどと共に使用することができる。好ましい例では、ハンドルアセンブリは、サブフレームとシートアセンブリとを備えるプッシュチェアと共に使用するためのものである。ハンドルアセンブリは、プッシュチェアのサブフレーム又はシャーシに接続されることが好ましく、又は代替的な構成ではシートアセンブリに直接接続することができる。一般に、ハンドルアセンブリは、サブフレーム又はシートアセンブリに接続するための第1及び第2のアームと、第1及び第2のアームに結合されたハンドルクロスバーアセンブリとを含む。ハンドルクロスバーアセンブリは、ユーザに提示されたときにシートアセンブリに対して第1の高さにある第1の区域と、ユーザに提示されたときにシートアセンブリに対して第2の異なる高さにある第2の区域とを有する。好ましくは、ハンドルクロスバーアセンブリは、各段又はタレットが異なる高さでユーザの手に係合部を提供するように、段付き又はタレット付きである。
【0209】
図31a~
図31dではハンドルアセンブリがV字形の中央本体又はシャーシ370に接続されて概略的に示されているが、プッシュチェアの他のコンポーネントは示されていない。
【0210】
図示の例では、ハンドルアセンブリは、一対のサイドアーム374と、ハンドルクロスバーアセンブリ376を含む。サイドアーム374は、ピボット接続部378でプッシュチェアのシャーシ370に枢動可能に結合される。サイドアーム374のそれぞれは、図示の例では入れ子式に伸縮可能に構成された伸縮可能なコンポーネントを含む。したがって、
図31Aから
図31Dへの変化からわかるように、サイドアーム374は、上側領域380と、
図3Dで上側区域380が下側領域382内に実質的に収められるように入れ子式に押し縮められる下側領域382を含む。
【0211】
アームが
図31Aに示されている開位置から
図31Dの閉位置へ動かされる際に、ピボット接続部378は、アームが垂直に内方へ回転することを可能にするように機能する。
【0212】
図31Dに示されているコンパクトな完全に折り畳まれた構成では、プッシュチェアは、事実上小さくまとめられ、保管するのに便利である。
【0213】
ハンドルアセンブリの重要な態様は、ハンドルクロスバーアセンブリ376によって提供される。これ自体は、この例では枢動可能にヒンジ結合された複数のコンポーネントで構成されている。複数のコンポーネントは、中央部材384と側方コンポーネント386を含む。図からわかるように、伸縮アーム374が縮められて(例えば、
図31Aから
図31Bに示されている位置からの移動を参照)収容されるアーム374の上部区域間の距離がより小さくなると、ハンドルクロスバーアセンブリ376の中央コンポーネント384と側方コンポーネント386のある程度の相対的枢動が存在する。
【0214】
したがって、このように複数の区域からなるハンドルクロスバーアセンブリ376を提供することによって、プッシュチェア自体を開閉するときにハンドルの容易な折り畳み及び展開を促進するハンドルアセンブリが提供される。
【0215】
図31A~
図31Dに示されているハンドルアセンブリの重要な態様は、ユーザに提示されたときにハンドルが提供する高さが異なることである。
【0216】
ハンドルクロスバーアセンブリは、使用中に、その第1の区域と第2の区域で異なる高さを画定する段を有する。平面で見るとハンドルクロスバーアセンブリの形状は実質的に城のタレットの形状であるため、段はタレットと考えることができる。タレットの中央区域は、シートアセンブリ又はプッシュチェアが使用される地面に対して第1の高さにあり、側方区域は第2の異なる高さにある。
【0217】
ハンドルクロスバーアセンブリ376は、ユニットとしてハンドルクロスバーアセンブリが第1及び第2のアーム374に対して枢動できるように、第1及び第2のアームにアームの遠位端394で回転可能に結合されることが好ましい。ハンドルクロスバーアセンブリは、第1及び第2のアーム374に対する第1の位置及び第1及び第2のアームに対する第2の位置から枢動することができ、第1及び第2の位置のそれぞれにロック可能である。
【0218】
図示の例では、ハンドルクロスバーアセンブリは、上で説明したように、少なくとも3つの区域、この例では中央コンポーネント384と2つの側方コンポーネント386を有する。中央コンポーネント又は段384は、好ましくは、それ自体が側方コンポーネント386に枢動可能に接続される。他の例では、ハンドルクロスバーアセンブリは2つの区域のみを有することも可能である。
【0219】
使用時に、中央段は、側方段386よりも高く、通常の使用ではプッシュチェアのシートにより近い(さらに前方)。側方コンポーネント386は、使用時に中央段がユーザによるプッシュチェアの片手での制御のための係合領域を提供するように、より低い段を画定する。
【0220】
中央段384と側方段又はコンポーネント386との間の領域にピボット接続部394が設けられる。ハンドルクロスバーアセンブリの段付き形状は、いくつかの様態で達成することができ、本明細書で提供される関節接続の具体的な詳細は単なる一例であることが理解されるであろう。この例では、区域384及び386のそれぞれは、細長い中央部と、隣接するコンポーネントの側方領域と接続するより短い側方領域とを有する、実質的にU字形であり得る。
【0221】
図32A~
図32Bを見ると、完全に開いた位置にあるハンドルの例が示されている。
図32Aでは、中央コンポーネント384は地面に対してより高い位置にあり、地面の上でプッシュチェアは側方コンポーネント386へ押される。したがって、このマルチコンポーネント形式のハンドルの構成によって、プッシュチェアを押す人にとって特に有用であり得るいくつかの異なる高さが提供される。これは、押す人自身の伸長に関係なく当てはまる。同じ押す人でも、ある時点でグリップが高いハンドルを好むこともあれば、他の時点では低いハンドルを好むこともあるかもしれない。
【0222】
コンポーネント384及び386の回転を可能にする、接続ピボットコンポーネント388が設けられる。
図32Bの例では、ピボット又はピボットコンポーネント388は、ハンドルが
図32Aの構成とは異なる構成をとるように作動している。この例では、2つの異なる高さ(390及び392)がユーザに提示される。したがって、ハンドルは、チェアに対するハンドルの高さをユーザの利便性のために容易に制御することができる便利な使いやすいシステムを提供する。
【0223】
図32A及び
図32Bの例では、ハンドルのタレット付き又は段付きの性質はさらに、ユーザがハンドルの異なる部分と相互作用することを可能にし、これは快適さ及び操縦性を最大化することが理解されるであろう。例えば、ユーザは、片手で簡単に操縦できる中央コンポーネント384を保持するか、又は実際にそのような機能を同様に提供する他の区域のいずれかを保持するかを簡単に選ぶこともできる。
【0224】
ハンドルにロック(図示せず)が設けられ、これはハンドルを所望の位置のいずれかにロックすることを可能にする。したがって、ハンドルは中央に段を有し、これは一体化された高さ変動を伴って片手で簡単に押す選択肢を提供する。
【0225】
図32Cは、ハンドルアセンブリ(プッシュチェアなし)の概略的な側面図を示しており、
図32Dは、ハンドルアセンブリの他のコンポーネントから分離されたハンドルクロスバーアセンブリ376の平面図を示している。
図32Cで見られるように、ハンドルアセンブリは、通常の使用においてユーザに異なる高さを提示する簡単で効果的な機構を提供する。ユーザが側方コンポーネント384と係合することを選択した場合、ユーザは地面(概略的に示される)に対する第1の高さh
1を利用可能であり、一方、ユーザが中央コンポーネント384と係合することを選択した場合、ユーザは第2のより高い高さh
2を利用可能である。
【0226】
図32Dを見ると、ハンドルアセンブリ全体が、一体化された又は組み込まれた段を有することがわかる。ハンドルを一体のコンポーネントとして見ると、段は、ユーザが係合するクロスバー区域(使用中に高さh
1及びh
2にある区域)と、クロスバー区域を接続する「垂直」区域389で形成されている。上で説明したように、各垂直区域が、垂直区域の長手軸391の周りを回転することができる少なくとも2つの接続されたサブ区域で事実上構成されるように、垂直区域389に回転ジョイント388が設けられる。この回転により、
図32Bに示すような構成が可能となる。事実上、ハンドルクロスバー376は、この例では3つの切頭U形又は谷形(
図32E参照)にされる。U形又は谷形のアームの相対的なサイズは限定されるものではなく、例えば
図32Bでわかるように、各区域で同じである必要はない。
【0227】
図32Aでわかるように、アーム374とハンドルクロスバーアセンブリとの間の角度θは、通常、アーム374の端の形状設定された部分によって決定される。好ましくは、これは一般に90度であるが、曲線が緩やかであってもコンポーネントの長手軸全体が90度の角度をなすように、図からわかるように湾曲区域であることが好ましい。さらに、実際には、90度以外の異なる角度を選択することができ、これは、側方コンポーネント384と中央コンポーネント386との間でユーザに提示される高さの差に影響することになる。
【0228】
ハンドルバーアセンブリは概略的に示されており、人間工学的又は設計の目的でハンドルの輪郭を変更できることが理解されるであろう。特に、ハンドルの表面の輪郭又は形状は、好ましくは、人間工学的な目的で形成される。
【0229】
本明細書の説明及び請求項の全体を通して、「備える」及び「含む」という言葉及びそれらの変形は、「~を含むがこれらに限定されない」を意味し、それらは、他の部分、付加物、コンポーネント、整数、又はステップを除外することを意図していない(また除外するものではない)。本明細書の説明及び請求項の全体を通して、文脈上特に必要がない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、文脈上特に必要がない限り、本明細書は、単数だけでなく複数も企図していると理解されるべきである。
【0230】
本発明の特定の態様、実施形態、又は例と併せて説明される特徴、整数、特性、化合物、化学部分、又は化学基は、それと矛盾しない限り、本明細書で説明される任意の他の態様、実施形態、又は例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)で開示される特徴のすべて及び/又はそのように開示される任意の方法又はプロセスのステップのすべては、そのような特徴及び/又はステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本発明は、上記の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)で開示される特徴の任意の新規なもの又は任意の新規な組み合わせ、又は、そのように開示される任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規なもの又は任意の新規な組み合わせにまで及ぶ。
【0231】
本出願に関連して本明細書と同時に又は本明細書よりも前に出願され、本明細書とともに公衆の閲覧のために公開されているすべての論文及び文書に読者の注意が向けられ、すべてのそのような論文及び文書の内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】