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特表2023-551633報知されない血糖揺らぎの原因後の血糖反応を改善する閉ループ制御の方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】報知されない血糖揺らぎの原因後の血糖反応を改善する閉ループ制御の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/172 20060101AFI20231205BHJP
   G16H 20/10 20180101ALI20231205BHJP
   A61B 5/145 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
A61M5/172 500
G16H20/10
A61B5/145
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522783
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 US2021054894
(87)【国際公開番号】W WO2022081788
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/091,646
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MAC OS
(71)【出願人】
【識別番号】501038296
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ バージニア パテント ファンデーション
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF VIRGINIA PATENT FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブレトン, マーク, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア‐ティラード, ホセ
(72)【発明者】
【氏名】エルブイ, ダユ
(72)【発明者】
【氏名】コーベット, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コルメーニャ, パトリシオ
(72)【発明者】
【氏名】ディアス‐カスタネダ, ジェニー
【テーマコード(参考)】
4C038
4C066
5L099
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KX01
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066DD11
4C066EE06
4C066EE14
4C066FF01
4C066FF04
4C066HH02
4C066HH12
4C066QQ61
4C066QQ84
5L099AA25
(57)【要約】
(i)最近の過去の制御動作、血糖測定値、及びそれらの派生物(複数可)に応じてインシュリン注入の制御強度を調整する適応個別化モデル予測制御(MPC)制御法則と、(ii)有効な代謝状態(たとえば、報知のない食事)の検出時に追加のインシュリン注入を命令する自動ボーラスプライミングシステム(BPS)と、(iii)高血糖の蔓延を避けるための高血糖緩和システム(HMS)とのおのおのを統合するデュアルモード閉ループ制御(CLC)システムのための、方法、システム、及び、コンピュータ可読媒体が提供されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工膵臓(AP)において、1型糖尿病(T1D)を持つ対象者の血糖を調節する、プロセッサによって実施される方法であって、
前記対象者の連続血糖モニタ(CGM)測定値に基づいて前記対象者の血糖値を予測するステップと、
前記予測された血糖値にしたがって基礎インシュリン投与のスケジュールを決定するステップと、
前記連続血糖モニタ(CGM)から、1つ又は複数の前記連続血糖モニタ(CGM)測定値のうちの予め定められた値及び前記連続血糖モニタ(CGM)測定値の増加する変化速度の検出にしたがって前記スケジュールを変更し、前記変更にしたがって変更されたスケジュールを定義するステップと、
前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールを前記対象者に提供するステップと、
前記人工膵臓(AP)に報知されなかった血糖外乱が予め定められた期間に発生した確率を計算するステップと、
前記計算された確率に応じて、インシュリンの第1のボーラスの自動提供により、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を補足するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記スケジュール及び前記変更されたスケジュールがおのおの、
(a)前記対象者の血糖レベル(複数可)を予め定められた目標レベルに補正する項、
(b)低血糖に向かう傾向にある予測血糖値にペナルティを課す項、及び、
(c)2つの連続する基礎インシュリン投与量の予測間の差分量を重み付けする項、
を含む費用関数を最小化する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記血糖外乱が、前記スケジュール及び前記変更されたスケジュールが基づく前記予測血糖値によって説明のつかない血糖の揺らぎの少なくとも1つの原因を含み、前記計算された確率が、前記予め定められた期間の前記連続血糖モニタ(CGM)測定値に基づいている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記計算された確率が、前記連続血糖モニタ(CGM)測定値の連続する間隔のおのおのにおいて計算されており、各間隔が、前記予め定められた期間に含まれている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のボーラスが、前記対象者の1日の総インシュリン量(TDI)の予め定められたパーセンテージを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記計算された確率が増加するにつれて、前記予め定められたパーセンテージが増加する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一連の第1のボーラスに関して、後続するボーラスが、先行する第1のボーラスのおのおのの合計に等しいインシュリンオンボード(IOB)の量だけ減少されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
低血糖を示す前記予測血糖値に基づいて、前記基礎インシュリン投与量をその平均の何分の一かに自動的に減少させるステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(a)現在の推定血糖値と、高血糖を示す前記予測血糖値と、に応じて、及び、(b)前記第1のボーラスの前記提供から所定時間後に、インシュリンの第2のボーラスの提供によって、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を自動的に補足するステップ、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のボーラスの前記提供が、前記第1のボーラスの提供後、2時間以内は禁止されている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のボーラスの前記提供の頻度が、1時間に1回に制限されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記人工膵臓(AP)への食事の報知に応じて前記第1のボーラスの前記自動提供を一時停止し、前記対象者のインシュリン-炭水化物比(CR)及び補正係数(CF)に基づいて、ボーラスの半分までとして計算されている第3のボーラスの提供によって、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を補足するステップ、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
人工膵臓(AP)のコントローラを規定する、前記人工膵臓(AP)の制御システムであって、
プロセッサと、
プロセッサ可読メモリであって、
対象者の連続血糖モニタ(CGM)測定値に基づいて前記対象者の血糖値を予測するステップ、
前記予測された値にしたがって基礎インシュリン投与のスケジュールを決定するステップ、
前記連続血糖モニタ(CGM)測定値から、1つ又は複数の前記連続血糖モニタ(CGM)測定値のうちの予め定められた値及び前記連続血糖モニタ(CGM)測定値の増加する変化速度の検出にしたがって前記スケジュールを変更し、前記変更にしたがって変更されたスケジュールを定義するステップ、
前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記対象者への提供を開始するステップ、
前記コントローラに報知されなかった血糖外乱が予め定められた期間に発生した確率を計算するステップ、
前記計算された確率に応じて、インシュリンの第1のボーラスの自動提供により、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を補足するステップ、及び
前記計算された確率に応じて、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供がインシュリンの第1のボーラスの自動提供によって補足されるようにするステップ、
のためのプロセッサ実行可能命令を記憶した当該プロセッサ可読メモリと、
を備える、制御システム。
【請求項14】
前記スケジュール及び前記変更されたスケジュールがおのおの、
(a)前記対象者の血糖レベル(複数可)を予め定められた目標レベルに補正する項、
(b)低血糖に向かう傾向にある予測血糖値にペナルティを課す項、及び、
(c)2つの連続する基礎インシュリン投与量の予測間の差分量を重み付けする項、
を備える費用関数を最小化する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記血糖外乱が、前記スケジュール及び前記変更されたスケジュールが基づく前記予測血糖値によって説明のつかない血糖の揺らぎの少なくとも1つの原因を含み、前記計算された確率が、前記予め定められた期間の前記連続血糖モニタ(CGM)測定値に基づいている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記計算された確率が、前記連続血糖モニタ(CGM)測定値の連続する間隔のおのおのにおいて計算されており、各間隔が、前記予め定められた期間に含まれている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のボーラスが、前記対象者の1日の総インシュリン量(TDI)の予め定められたパーセンテージを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記計算された確率が増加するにつれて、前記予め定められたパーセンテージが増加する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
一連の第1のボーラスに関して、後続するボーラスが、先行する第1のボーラスのおのおのの合計に等しいインシュリンオンボード(IOB)の量だけ減少されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサ実行可能命令は、
低血糖を示す前記予測血糖値に基づいて、前記基礎インシュリン投与量をその平均の何分の一かまで自動的に減少させる1つ又は複数の命令、
をさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサ実行可能命令は、
(a)現在の推定血糖値と、高血糖を示す前記予測血糖値と、に応じて、及び(b)前記第1のボーラスの前記提供から所定時間後に、インシュリンの第2のボーラスの提供によって、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を自動的に補足させる1つ又は複数の命令、
をさらに備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第2のボーラスの前記提供が、前記第1のボーラスの提供後、2時間以内は禁止されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2のボーラスの前記提供の頻度が、1時間に1回に制限されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記プロセッサ実行可能命令は、
前記人工膵臓(AP)への食事の報知に応じて前記第1のボーラスの前記自動提供を一時停止し、前記対象者のインシュリン-炭水化物比(CR)及び補正係数(CF)に基づいて、ボーラスの半分までとして計算されている第3のボーラスの提供によって、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を補足する1つ又は複数の命令、
をさらに備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
人工膵臓(AP)において、1型糖尿病(T1D)を持つ対象者の血糖を調節するコンピュータ実行可能命令、が格納された非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、コンピュータに、
前記対象者の連続血糖モニタ(CGM)測定値に基づいて前記対象者の血糖値を予測させ、
前記予測された値にしたがって基礎インシュリン投与のスケジュールを決定させ、
前記連続血糖モニタ(CGM)測定値から、1つ又は複数の前記連続血糖モニタ(CGM)測定値のうちの予め定められた値及び前記連続血糖モニタ(CGM)測定値の増加する変化速度の検出にしたがって前記スケジュールを変更させ、前記変更にしたがって変更されたスケジュールを定義させ、
前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記対象者への提供を開始させ、
前記人工膵臓(AP)に報知されなかった血糖外乱が予め定められた期間に発生した確率を計算させ、
前記計算された確率に応じて、インシュリンの第1のボーラスの自動提供により、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を補足させる、
非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記スケジュール及び前記変更されたスケジュールがおのおの、
(a)前記対象者の血糖レベル(複数可)を予め定められた目標レベルに補正する項、
(b)低血糖に向かう傾向にある予測血糖値にペナルティを課す項、及び、
(c)2つの連続する基礎インシュリン投与量の予測間の差分量を重み付けする項、
を備える費用関数を最小化する、請求項25に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記血糖外乱が、前記スケジュール及び前記変更されたスケジュールが基づく前記予測血糖値によって説明のつかない血糖の揺らぎの少なくとも1つの原因を含み、前記計算された確率が、前記予め定められた期間の前記連続血糖モニタ(CGM)測定値に基づいている、請求項26に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記計算された確率が、前記連続血糖モニタ(CGM)測定値の連続する間隔のおのおのにおいて計算されており、各間隔が、前記予め定められた期間に含まれている、請求項27に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記第1のボーラスが、前記対象者の1日の総インシュリン量(TDI)の予め定められたパーセンテージを備える、請求項28に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記計算された確率が増加するにつれて、前記予め定められたパーセンテージが増加する、請求項29に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項31】
一連の第1のボーラスに関して、後続するボーラスが、先行する第1のボーラスのおのおのに等しいインシュリンオンボード(IOB)の量だけ減少されている、請求項30に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記命令は、
低血糖を示す前記予測血糖値に基づいて、前記基礎インシュリン投与量をその平均の何分の一かまで自動的に減少させる1つ又は複数の命令、
をさらに備える、請求項31に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項33】
前記命令は、
(a)現在の血糖値と、高血糖を示す前記予測血糖値とに応じて、及び(b)前記第1のボーラスの前記提供から所定時間後に、インシュリンの第2のボーラスの提供によって、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を自動的に補足させる1つ又は複数の命令、
をさらに備える、請求項32に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項34】
前記第2のボーラスの前記提供が、前記第1のボーラスの提供後、2時間以内は禁止されている、請求項33に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記第2のボーラスの前記提供の頻度が、1時間に1回に制限されている、請求項34に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項36】
前記命令は、
前記人工膵臓(AP)への食事の報知に応じて前記第1のボーラスの前記自動提供を一時停止し、前記対象者のインシュリン-炭水化物比(CR)及び補正係数(CF)に基づいて、ボーラスの半分までとして計算されている第3のボーラスの提供によって、前記スケジュール又は前記変更されたスケジュールの前記提供を補足する1つ又は複数の命令、
をさらに備える、請求項35に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本国際出願は、2020年10月14日に出願された米国仮出願第63/091,646号の優先権及び利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
開示された実施形態は、1型糖尿病(T1DM;本明細書ではT1D)を持つ個人に対して改善された血糖制御を提供することに関し、より具体的には、食事の報知がないことによる血糖外乱の阻止を完全に自動化できるように、閉ループ制御(CLC)にしたがって実施され得る、そのような改善に関する。
【背景技術】
【0003】
T1Dは生涯にわたる慢性的な代謝性疾患であり、この状態にある人とその介護者との両方にとって、経済的、身体的、社会的、精神的に多大な負担がかかる1,2。この自己免疫状態は、絶対的なインシュリン欠乏を引き起こし、血糖濃度を調節するために、生涯にわたって外因性インシュリンを必要とする。集中インシュリン療法(IIT)は、通常、ヘモグロビンA1c(HbA1c)によって評価されている平均血糖、さらなる慢性合併症、及び併存症の可能性を低下させるのに有効であることが示されている4,5。しかしながら、IITはしばしば、低血糖(低い血糖値)の時間が長くなり、これは、深刻な合併症や死に至ることさえも関連付けられ得る。逆に、体系的に高血糖(高い血糖値)に曝すことは、健康と余命との両方に深刻な短期的及び長期的な影響を及ぼす。人工膵臓(AP)に実装されることのあるCLCは、普通、インシュリン注入ポンプ、連続血糖モニタ(CGM)、及びそれらの間の制御アルゴリズムを含み、インシュリン投与量を自動的に滴定する便利なアプローチを提供し、これは、通常、T1Dに関連付けられた身体的及び精神的負担を大きく軽減しながら、正常血糖値(正常な血糖レベル)での時間の長さを増加させる
【0004】
過去10年間で、異なるタイプのAPを含むインシリコ及びインビボ研究の両方が劇的に増加している。この増加は、コンピュータシミュレーション、CGM、インシュリンポンプ、及びモバイルプラットフォームの進歩に起因し得る10。今回、この分野では、臨床ベンチ11から、米国、特にMedtronic Minimed 670G12及びTandem Control-IQ13,14での2つの商用ハイブリッドAPの臨床実践への急速な移行が見られている。APは、インシュリンポンプの注入を自動的に調整する場合は「ハイブリッド」として特徴付けられるが、炭水化物の適用範囲を完全に置き換えるように(つまり、摂取した炭水化物の血糖効果を相殺するために、食事とともに摂取するインシュリンの量)は設計されていない。食事の吸収と、皮下(s.c.)のインシュリン時定数との不一致を考慮すると、食事時間のインシュリンボーラスは、食事開始の10~15分前に手動で要求する必要があり、(多くの場合、食事のサイズ又は炭水化物含有量によって与えられる)先験的な食事量の推定値に比例している必要がある。対照的に、完全に自動化されたAPは、食事や身体活動による血糖レベルの大きな乱れを自動的に阻止することにより、ハイブリッドAPSの機能を拡張する。
【0005】
これらに関して、食事は血糖の恒常性に大きな影響を与えるため、APにとって依然として障壁のままである15。異なる炭水化物量のみならず、食事の全体的な多量栄養素組成は、最適な食前状態であっても、多様な血糖動的反応を引き起こす可能性がある。食事中のインシュリンボーラスの計算に使用されているパラメータ(たとえば、炭水化物含有量、インシュリン-炭水化物比(CR)、及び補正係数(CF))に不確実性がほとんど又はまったくない場合、ハイブリッドAPで優れた食後の結果が報告されている13,16,17。しかしながら、これらのパラメータの不確実性が比較的高いことは、例外ではなく普通であるように思われており、CLCのパフォーマンスと、全体的な血糖制御とにリスクをもたらす18。完全に自動化された設計による報知のない食事摂取を考慮した以前の貢献は、エンジニアリングの観点(インシリコ)からは[19]~[24]に、臨床の観点(インビボ)からは[25]~[30]に見出すことができる。インシリコ研究は、平均パーセントで、範囲内時間(TIR)[70~180]mg/dLが、70.4から90.0%に及び、パーセント時間<70mg/dLが、0.0から4.04%に及ぶことを報告したが、臨床研究は、それぞれ63.6から84.7%、及び0.1から2.9%に及ぶ、同じ判定基準を報告している。
【0006】
しかしながら、CLCを実装するAPは、食事中の血糖変動がない場合(夜間など)に血糖を管理するのに非常に優れているが、報知されておらず、ボーラスが投与されていない炭水化物の摂取後の長期にわたる高血糖を防ぐことは困難であった55。これは、部分的には、CLCシステムは、食事中の血糖レベルの上昇と、インシュリンの注入後の動作の開始との両方をCGMが感知する際に、固有の遅れを経験し、また、CLCは、過剰なインシュリン投与による低血糖も回避しなければならないためである。これらの考慮事項により、現在市販されているすべてのCLCシステムは実際にはハイブリッド閉ループ(HCL)システムであり、ユーザは、摂取した炭水化物の量を入力し、顕著な高血糖を避けるために食事中CRを受け取る必要がある56~60
【0007】
残念なことに、T1D患者が炭水化物のボーラス投与を抜かすことがよくある。これは青少年の65%に少なくとも週1回影響し52、38%がボーラスの少なくとも15%を失っている53。週に4回ボーラス投与を忘れた青少年は、HbA1cが1%上昇し52、これは、HbA1cレベルの推奨値を満たさない多くの青少年の原因となる可能性がある54
【0008】
したがって、必要に応じてボーラス投与を自動化するCLCの最適化を提供し、低血糖の可能性を抑制しながら、高血糖に向かう傾向のある血糖外乱を阻止する、すなわち減衰させるために、インシュリン提供を自動的に調整する方式で提供すれば望ましい。
【0009】
これらに関して、本明細書の実施形態による結果は、確立されたハイブリッドCLCコントローラであるUSS-Virginia32にしたがって得られた結果と比較された。
【0010】
特に、そのような分析及び結果は、様々な代謝反応及び人口特性に関連する、FDAが承認したUVA/Padovaシミュレータの100人の対象者の成人コホートに基づいている33
【発明の概要】
【0011】
以下の概要及び詳細な説明は、例示的かつ説明的であり、特許請求されている本実施形態のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。以下の概要も説明も、本実施形態の範囲を、概要又は説明で述べた特定の特徴に定義又は限定することを意図するものではない。むしろ、本実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されている。
【0012】
実施形態は、人工膵臓(AP)において、1型糖尿病(T1D)を持つ対象者の血糖を調節する、プロセッサによって実施される方法を含むことができ、方法は、対象者の連続血糖モニタ(CGM)測定値に基づいて対象者の血糖値を予測することと、予測された血糖値にしたがって基礎インシュリン投与のスケジュールを決定することと、CGM測定値から、1つ又は複数のCGM測定値のうちの予め定められた値及びCGM測定値の増加する変化速度の検出にしたがってスケジュールを変更し、変更にしたがって変更されたスケジュールを定義することと、スケジュール又は変更されたスケジュールを対象者に提供することと、を含んでいる。実施形態は、APに報知されなかった血糖外乱が予め定められた期間内に発生した確率を計算することと、計算された確率に応じて、インシュリンの第1のボーラスの自動提供により、スケジュール又は変更されたスケジュールの提供を補足することとをさらに含み得る。
【0013】
スケジュール及び変更されたスケジュールはおのおの、(a)対象者の血糖レベル(複数可)を予め定められた目標レベルに補正する項、(b)低血糖に向かう傾向にある予測血糖値にペナルティを課す項、及び(c)2つの連続する基礎インシュリン投与量の予測間の差分量を重み付けする項を含む費用関数を最小化し得る。
【0014】
血糖外乱は、スケジュール及び変更されたスケジュールが基づく予測血糖値によって説明のつかない血糖の揺らぎの少なくとも1つの原因によって定義され得、計算された確率は、予め定められた期間のCGM測定値に基づき得る。
【0015】
計算された確率は、CGM測定値の連続する間隔のおのおのにおいて計算されてもよく、各間隔は、予め定められた期間内に含まれている。
【0016】
第1のボーラスは、対象者の1日の総インシュリン量(TDI)の予め定められたパーセンテージによって定義され得る。
【0017】
計算された確率が増加するにつれて、予め定められたパーセンテージは増加し得る。
【0018】
一連の第1のボーラスに関して、後続するボーラスは、先行する第1のボーラスのおのおのの合計に等しいインシュリンオンボード(IOB)の量だけ減少され得る。
【0019】
低血糖を示す予測血糖値に基づいて、態様として、基礎インシュリン投与量をその平均の何分の一かまで自動的に減少させることを含み得る。
【0020】
さらなる態様は、(a)現在の推定血糖値と、高血糖を示す予測血糖値とに応じて、及び(b)第1のボーラスの提供から所定時間後に、インシュリンの第2のボーラスの提供により、スケジュール又は変更されたスケジュールの提供を自動的に補足することを含み得る。
【0021】
第2のボーラスの提供は、第1のボーラスの提供後、2時間以内は禁止され得る。
【0022】
第2のボーラスの提供の頻度は、1時間に1回に制限され得る。
【0023】
さらなる態様は、APへの食事の報知に応じて第1のボーラスの自動提供を一時停止し、対象者のインシュリン-炭水化物比(CR)及び補正係数(CF)に基づいて、ボーラスの半分までとして計算されている第3のボーラスの提供によって、スケジュール又は変更されたスケジュールの提供を補足することを含み得る。
【0024】
それぞれの実施形態は、上記の具現化された方法に相応する関連システム及びコンピュータ可読媒体をさらに含み得る。
【0025】
特定の実施形態では、開示された実施形態は、本明細書に記載された特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0026】
本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、例示的な実施形態を示し、説明とともに、当業者がこれらの実施形態及び当業者に明らかな他の実施形態を作成及び使用できるようにするのにさらに役立つ。本明細書の実施形態は、以下の図面と併せてより具体的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本明細書の実施形態によるモデル予測制御(MPC)を実施する閉ループ制御(CLC)システムを示す図である。
図2A図1のMPCによる同調/離調面を示す図である。
図2B】本明細書の実施形態による、図1のMPCによる同調/離調規則と、図2Aの同調/離調面とを示す図である。
図3】血糖外乱の確率に対する1日の総インシュリン(TDI)によって誘発されている低血糖事象の量の相対的な比較を示す図である。
図4A】本明細書に記載されたCLCのインシリコ研究に関連する、研究対象者全体の特定及び検証データセットに関する二乗平均平方根誤差(RMSE)のヒストグラムである。
図4B】本明細書に記載されたCLCのインシリコ研究に関連する、研究対象者全体の特定及び検証データセットに関する二乗平均平方根誤差(RMSE)のヒストグラムである。
図5】インシリコ研究で実施された代表的な対象者について、本明細書に記載されたMPCによって提供されているボーラスプライミングシステム(BPS)のパフォーマンスの事例を示す図である。
図6】インシリコ研究のコホート全体の報知のない食事の連続注入のタイミング分布を示す図である。
図7】インシリコ研究のコホート全体への別々の食事の投与に対する血糖外乱の確率の変化を示す図である。
図8】インシリコ研究のタイムラインを示す図である。
図9A】提供されたインシュリンに対するインシリコ研究のコホート全体の血糖測定値を示す図である。
図9B】提供されたインシュリンに対するインシリコ研究のコホート全体の血糖測定値を示す図である。
図10A】レガシー制御に対する本明細書の実施形態による、MPCに対する様々な食事サイズ後の6時間における範囲内時間(TIR)及び範囲外時間を実証する誤差プロットを示す図である。
図10B】レガシー制御に対する本明細書の実施形態による、MPCに対する様々な食事サイズ後の6時間における範囲外時間を実証する誤差プロットを示す図である。
図11】本明細書の実施形態のCLCの例示的な構成を示す図である。
図12A】本明細書の実施形態のCLCの1つ又は複数の部分を実施し得る例示的なコンピューティングデバイスを示す図である。
図12B】本明細書の実施形態のCLCの1つ又は複数の部分を実施し得る、及び/又は、実施において使用され得るネットワークシステムを示す図である。
図13】インターネットへの接続に関連して、本明細書のCLCの1つ又は複数の部分を実施し得る、及び/又は、実施において使用され得るブロック図である。
図14】臨床セット及びインターネットへの接続のうちの1つ又は複数にしたがって、本明細書のCLCの1つ又は複数の部分を実施し得る、及び/又は、実施において使用され得るシステムを示す図である。
図15】本明細書のCLCの1つ又は複数の部分を具現化する例示的なアーキテクチャを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次いで、本開示は、様々な例示的な実施形態に関して説明される。本明細書は、本実施形態の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示する。記載された実施形態(複数可)、及び明細書における「1つの実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、記載された実施形態(複数可)が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示している。そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指す訳ではない。当業者は、1つの実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、必ずしもその実施形態に限定されている訳ではなく、通常、1つ又は複数の他の実施形態に対する関連性及び適用可能性を有することを理解するであろう。
【0029】
いくつかの図において、異なる図面であっても、同様の機能を有する同様の要素には同様の参照番号が使用され得る。記載された実施形態、及びそれらの詳細な構成及び要素は、本実施形態の包括的な理解を助けるために提供されているにすぎない。したがって、本実施形態は、様々な手法で実行され得、本明細書に記載された特定の特徴のいずれも必要としないことは明らかである。また、知られている機能又は構成は、不必要な詳細で本実施形態を不明瞭にするため、詳細に説明されていない。
【0030】
本実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲によって最もよく定義されているので、説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、単に本実施形態の一般原理を説明する目的でなされている。
【0031】
いくつかの代替実施では、フローチャートにおけるブロック、シーケンス図における通信、状態図における状態などは、図示されている順序以外で発生し得ることにも留意されたい。すなわち、図示されたブロック/通信/状態の順序は、限定することを意図していない。むしろ、図示されたブロック/通信/状態は、任意の適切な順序に並べ替えることができ、ブロック/通信/状態のいくつかは同時に発生する可能性がある。
【0032】
本明細書で定義及び使用されているすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれている文献における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を制御するものと理解されるべきである。
【0033】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されている不定冠詞「a」及び「an」は、そうではないと明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0034】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されている「及び/又は」という語句は、そのように結合された要素の「いずれか又は両方」、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」を用いてリストされた複数の要素は、同じ方式、つまり、そのように結合された要素の「1つ又は複数」で解釈されるべきである。「及び/又は」という句によって具体的に特定されている要素以外の他の要素が、特に特定されている要素に関連するか否かに関わらず、任意に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「備える」などの制限のない言語と組み合わせて使用されている場合、1つの実施形態では、Aのみを指し(場合によっては、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみを指し(場合によっては、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AとBとの両方を指す(場合によっては、他の要素を含む)などし得る。
【0035】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されている「又は」は、上記で定義された「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。たとえば、リストにおける項目を区切る場合、「又は」又は「及び/又は」は包括的である、つまり、要素の数又はリストの、少なくとも1つだけでなく、複数、及び任意選択で、追加のリストにない項目をも含むと解釈される。「~のうちの1つだけ」、又は「~のうちの正確に1つ」、又は、特許請求の範囲で使用されている場合、「~からなる」など、そうではないと明確に示されている用語のみが、多くの要素又は要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用されている「又は」という用語は、「~を本質的に構成するもの」のうちの「いずれか」、「1つ」、「1つのみ」、又は「正確に1つ」などの排他性の用語が先行する場合、排他的な代替物(つまり、「一方又は他方であり、両方ではないもの」)を示すものとしてのみ解釈されるものとし、特許請求の範囲で使用されている場合、特許法の分野で使用されている通常の意味を持つものとする。
【0036】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されている場合、「少なくとも1つ」という語句は、1つ又は複数の要素のリストに対する参照において、その要素のリストにおける要素のうちのいずれか1つ又は複数から選択された、少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリストに具体的にリストされた各及びすべての要素のうちの少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリストにおける要素のいずれの組合せを除外するものではない。この定義により、具体的に特定された要素に関連しているか、又は関連していないかに関わらず、「少なくとも1つ」という語句が参照する要素のリストにおいて具体的に特定されている要素以外に、要素が任意選択的に存在することも可能となる。したがって、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(又は同等に「A又はBのうちの少なくとも1つ」、又は同等に「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態では、任意選択的に、Bが存在せずに(そして、任意選択的にB以外の要素を含む)、2つ以上のAを含む少なくとも1つを、別の実施形態では、任意選択的に、Aが存在せずに(さらに任意選択的にA以外の要素を含む)、2つ以上のBを含む少なくとも1つを、さらに別の実施形態では、任意選択的に、2つ以上のAを含む少なくとも1つと、任意選択的に、2つ以上のBを含む少なくとも1つ(そして、任意選択的に他の要素を含む)などを指し得る。
【0037】
上記の明細書と同様に、特許請求の範囲において、「備える」、「含む」、「搬送する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「構成される」などのすべての移行句は、制限のないもの、すなわち、限定することなく含むことを意味すると理解されるべきである。米国特許庁の特許審査手順マニュアル、セクション2111.03に記載されているように、「~からなる」及び「本質的に~からなる」という移行句のみが、それぞれ制限のある、又は条件付きで制限のある移行句となる。
【0038】
本明細書では、第1、第2などの用語を使用して様々な要素を説明し得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されているべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用されている。たとえば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。「例示的」という文言は、本明細書では、「例、事例、又は実例として役立つ」ことを意味するために使用されている。本明細書で「例示的」として説明されている任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。それに加えて、本明細書に記載されたすべての実施形態は、別段の記載がない限り、例示的であると見なされるべきである。
【0039】
本明細書で論じられている実施形態のいずれかに関して言及されている構成要素又はモジュールのいずれも、互いに一体的に又は別個に形成され得ることを認識されたい。さらに、構成要素又はモジュールの冗長な機能又は構造が実施され得る。さらに、様々な構成要素は、任意のユーザ/臨床医/患者又は機械/システム/コンピュータ/プロセッサと、ローカル及び/又はリモートで通信することができる。さらに、様々な構成要素は、ワイヤレス及び/又はハードワイヤ、又は他の望ましい利用可能な通信手段、システム、及びハードウェアを介して通信することができる。さらに、様々な構成要素及びモジュールを、同様の機能を提供する他のモジュール又は構成要素に置き換えることができる。
【0040】
本明細書で論じられているデバイス及び関連構成要素は、x,y及びz平面の操作の連続的な幾何学的スペクトル全体に沿ったすべての形状をとり、解剖学的、環境的、及び構造的な要求及び動作要件を提供及び満たすことができることを認識されたい。さらに、様々な構成要素の位置及び配置は、所望又は必要に応じて変更することができる。
【0041】
全体を通して論じられている様々な実施形態における構成要素又は構成要素の部分のいずれかの様々なサイズ、寸法、輪郭、剛性、形状、柔軟性、及び材料は、所望又は必要に応じて変更及び利用され得ることを認識されたい。
【0042】
前述の図にはいくつかの大きさが示されているが、デバイスは、デバイスの構成要素又は構成要素の一部に関連するため、様々なサイズ、寸法、輪郭、剛性、形状、柔軟性、及び材料を構成することができ、所望又は必要に応じて変更及び利用され得ることを認識されたい。
【0043】
本開示の例示的な実施形態は、本明細書においていくつかの事例で詳細に説明されているが、他の実施形態が企図されていることを理解されたい。したがって、本開示は、その範囲において、以下の説明に記載されているか、又は図面に示されている構成要素の構成及び配置の詳細に限定されるように意図されていない。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な手法で実現又は実行することができる。
【0044】
範囲は、本明細書において、「約」又は「ほぼ」である1つの特定の値から、及び/又は、「約」又は「ほぼ」である別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現されている場合、他の例示的な実施形態は、1つの特定の値から、及び/又は、他の特定の値までを含んでいる。
【0045】
例示的な実施形態を説明する際、明確にするために専門用語が使用されている。各用語は、当業者によって理解されている最も広い意味を意図し、同様の目的を達成するために同様の方式で動作するすべての技術的等価物を含むことが意図されている。方法の1つ又は複数のステップの言及は、追加の方法ステップ、又は、明示的に特定されたこれらステップ間に介在する方法ステップの存在を排除しないことも理解されたい。方法のステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されたものとは異なる順序で実行され得る。同様に、デバイス又はシステムにおける1つ又は複数の構成要素の言及は、追加の構成要素、又は、明示的に特定された構成要素間に介在する構成要素の存在を排除しないことも理解されたい。
【0046】
様々な特許、特許出願、及び刊行物を含む可能性のあるいくつかの参考文献が、参考文献リストに引用されており、本明細書で提供されている開示で論じられている。そのような参考文献の引用及び/又は議論は、本開示の説明を明確にするために提供されているにすぎず、そのような参考文献が本明細書に記載されている本開示の任意の態様に対する「先行技術」であることを認めるものではない。表記上、「[n]」は、リストにおけるn番目の参照に対応する。本明細書で引用されており、論じられているすべての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれており、各参考文献が参照により個々に組み込まれるのと同程度に組み込まれている。
【0047】
本明細書で使用されている「約」という用語は、ほぼ、その領域内、おおまかに、又はその周りを意味している。「約」という用語は、数値範囲と併せて使用されている場合、記載されている数値の上下の境界を拡張することによってその範囲を変更する。一般に、「約」という用語は、本明細書では、記載されている値の上下の数値を10%の分散で変更するために使用されている。1つの態様では、「約」という用語は、使用されている数の数値のプラス又はマイナス10%を意味している。したがって、約50%は、45%~55%の範囲を意味している。本明細書で終了点によって列挙されている数値範囲は、その範囲に含まれているすべての数及び端数を含んでいる(たとえば、1から5は、1,1.5,2,2.75,3,3.90,4,4.24及び5を含んでいる)。同様に、終了点によって本明細書で列挙されている数値範囲は、その範囲に含まれている部分範囲を含んでいる(たとえば、1から5は、1~1.5,1.5~2,2~2.75,2.75~3,3~3.90,3.90~4,4~4.24,4.24~5,2~5,3~5,1~4,及び2~4を含んでいる)。すべての数及びその端数は、「約」という用語によって修飾されていると推定されていることも理解されるべきである。
【0048】
最適なTIRを達成し維持するという上記の目標と利点にしたがって、発明者であるVirginia大学(UVA)は、Reactive Optical Carbohydrates Kinetics EsTimation AP、すなわちROCKET AP(以下「Rocket AP」)と呼ばれているCLCシステムを提示する。そうすることで、Rocket APは、たとえば、インシュリン注入ポンプ22(たとえば、Tandem t:slim X2TM)及び連続血糖モニタ(CGM)24(たとえば、Dexcom G6TM)(図1を参照)及び糖尿病アシスタント(DiA)の間での通信を可能にするように構成されている、スマートフォン又は他の受信及び/又はコンピューティングプラットフォームによって提供されているDiAフォーマット20で実施されているモデル予測制御(MPC)を含み得ることが企図されている。したがって、DiAは、一般的な制御パラダイムを定義することができ、本明細書では、将来の血糖値を継続的に予測し、個人の目標血糖レベルを維持するための最適なインシュリン量を計算するタスクを有する「コントローラ」と呼ぶことができる。したがって、図1を参照して示すように、コントローラは、少なくとも、その灰色部分に示されている構成要素及び機能フロー、特にMPCと、カルマンフィルタと、ボーラスプライミングシステム(BPS)と、安全システムモジュール(SSM)及び高血糖緩和システム(HMS)で構成されている統合安全システム(USS)とを提供する1つ又は複数のモジュールを含み、それらによって定義され得る。それに加えて、コントローラは、USSの一部としてインシュリンオンボードスーパバイザ(IOBSUP)及びパワーブレーキ(PB)モジュールを含み、実施することができる。コントローラの各態様は、以下の議論において詳しく論じられている。コントローラは、(a)報知のない食事の炭水化物によって引き起こされている血糖効果を自動的に阻止することによって、完全なCLC(FCLC)を提示するように完全に自動化されている、及び/又は、(b)食事の報知に応じて、食事ボーラスが提供されているハイブリッドCLCシステムとして動作する、かのいずれかとなるように構成され得る。図1では、y,y’,及びIOBは、それぞれ、現在のCGM測定値、その時間導関数、及びインシュリンオンボードを表す。
【数1】

及び
【数2】

はそれぞれ、時刻kにおける血糖状態及び外乱のカルマン推定値を表し、Ubolus,Umpc、及びUtotalは、以下で論じられている。
【0049】
特に、コントローラは、経口サブモデルを省略し、皮下インシュリン輸送注入を三角サブモデルと見なす、Gracia-Tiradoら34によって提示されているモデルのバリエーションに基づいて、血糖値を予測し、インシュリン投与量を計算するように構成することができる。以下の表1に示すように、パラメータと母集団の値に関連して、コントローラによって実施されている予測モデルは、(式1~式6にしたがって)以下のように与えることができる。
【数3】

及びIR(t)=ksc1(t)+ksc2(t) (6)
ここで、G(mg/dL)は、血漿血糖濃度、X(L/min)は、リモートコンパートメントにおけるインシュリンの割合、Isc1(mU)及びIsc2(mU)はそれぞれ、皮下空間における非単量体及び単量体のインシュリンの量であり、Iは、血漿インシュリンの量(mU)であり、d(mg/dL)は、血糖ダイナミクスに入る外乱入力であり、u(mU/分)は、外因性インシュリン入力である。
【表1】

式(1)から式(5)は、
【数4】

で線形化されており、ここで、
【数5】

は、対象者固有の基礎インシュリン速度であり、サンプリング時間t=5分で離散化されており、線形MPCフレームワークに組み込まれている。
【0050】
k+1=Ax+B+B (7)
=Cx (8)
ここで、
【数6】

は、状態ベクトルであり、A,B,B,Cは、対応する大きさを有する離散時間線形システムの行列(式(7)~式(8))であり、
【数7】

は、uop及びGopそれぞれに関するインシュリン注入及び血糖測定の偏差である。
【0051】
現在の状態と、たとえば、報知のない食事のような外乱dとを推定するために、dを、血糖ダイナミクスに直接影響する、モデル化されていない現象を含む外乱であると仮定する37。この目的のために、式(7)を、dk+1=dで増分させ、
【数8】

を得る。
【0052】
ここで、
【数9】

及び
【数10】

である。
【0053】
外乱を一定のダイナミクスとしてモデル化することにより、図1のカルマンフィルタによって具現化される状態推定器が、メインダイナミクスに入る外乱を補正できるようになる。
【0054】
モデルを特定の対象者に一致させ、図1に図示されており、y,y’,(すなわち、現在のCGM測定値及びその時間導関数),IOB,
【数11】

及び
【数12】

(すなわち、時間kにおける状態及び外乱のカルマン推定値)を含む量を文脈化させるために、式(9)におけるモデルは、14日間のデータ収集期間からのCGM及びインシュリン記録を使用して見い出されているパラメータセットとして、θide=[S]を考慮して個別化されている。残りのパラメータは、特定できないと見なされているため、母集団の値に設定されている。モデルの個別化は3段階の手順で実行されており、ここでは、(i)データのギャップと圧縮アーティファクトについてデータがクリーニングされており、(ii)母集団の値を用いて、カルマンフィルタ及び式(9)を使用して、データ収集期間全体の外乱シグネチャdが推定されており、(iii)(ii)で推定された外乱を使用して、利用可能なデータを、特定データセット及び検証データセットに分割した後、モデルが特定及び検証された。各モデルの予測能力は、二乗平均平方根誤差(RMSE)判定基準
【数13】

を使用して評価されており、ここで、Nは、データ点の数であり、
【数14】

は、CGMデータであり、
【数15】

は、特定されているモデルを使用した出力予測である。式(9)は、食事を入力として明示的に考慮していない。代わりに、本明細書で提示されているコントローラのFCLCモードでは、dは、食事がCGM値に影響を与え始めると直ちにコントローラに通知する。
【0055】
1)MPC
個別化及び検出されている任意の外乱dに基づいて、MPCはコントローラに対して、5分ごとに基礎インシュリン投与(すなわち、マイクロボーラス)を提供するように命令し、そのような投与の積極性又は量を血糖変化速度の関数として調整することによって、それを行うように命令する。このように、MPCは、以下に論じるように、予め定められた固定目標血糖レベル、たとえば120mg/dLに対して最適化されており、低血糖及び高血糖事象を実質的に回避することができる。MPCは、以下にしたがって具現化され得る39,40
【数16】

ここで、12b,12e及び12fは、∀j∈[1,...,N]であり、12c及び12dは、∀j∈[1,...,N-1]であり、N及びNは、それぞれ予測ホライズン及び制御ホライズンである。
【数17】

は、制御ポリシーを表し、
【数18】

は、スラック変数のポリシーを表す。
【数19】

は、低血糖制約の緩和y≧ymin∀j∈{1,...,Np}を実施して、式(12e)~(12f)を生成する。式(12c)及び(12d)は、制御入力及び差分Δu=u-uj-1が、区間[umin,umax]及び[Δumin,Δumax]∀∈{0,...,N-1}にそれぞれあることを保証する。(12a)におけるコストΦmpcは、IOB及びインシュリンの変化速度の関数として変化する。IOBはAPSで広く使用されている構成であり、インシュリン動作の遅れの結果として、閉ループシステムがインシュリンを蓄積することを防ぐ41。ある量のインシュリンが注入されているたびに、循環するインシュリンを考慮する減衰曲線へと合計された。
【0056】
(12a)における費用関数は、
【数20】

として定義されており、ここで、
【数21】

は、j番目のステップにおける血糖目標誤差であり、以下に定義されているrは、非対称の時変指数基準信号31,34,42,43であり、κは、低血糖に向かう一定のペナルティ予測値である。Qz(IOB)は、モデル予測
【数22】

と、IOBの関数としてのコントローラの参照値
【数23】

の変化との差分を重み付けし、
【数24】

によって与えられており、
ここで、Q=10は、Qz(IOB)のための名目の重みであり、TDIは、ユーザ特有の1日の総インシュリンであり、IOBmin=TDI/40であり、α=30及びβ=1000は、調整可能なパラメータである。離調規則の勾配は、
【数25】

として定義された。
【0057】
したがって、それぞれのマイクロボーラスは、個人の血糖濃度を目標値に補正する項である
【数26】

と、低血糖値にペナルティを課す項であるκと、2つの連続するマイクロボーラス間の差を重み付けする正則化項であるQz(IOB)と、を含む、費用関数の最小化にしたがって決定することができる。そのような最小化は、それにしたがって、すなわち、任意選択的に2時間の予め定められた投与量ウィンドウを満足し、したがって、所与の被験体に対する基礎インシュリン注入のスケジュール(図1のumpc)を定義するように達成され得る。すなわち、MPCは、そのウィンドウに最適な投与量を生成するために、固定された基礎速度からの逸脱を要求することができる。最小化計算は、5分間隔ごとに連続して実行されており、次の反復の前にその瞬間に実行されていてもよい。
【0058】
λの調整/離調戦略の最適化により、以下の式(15)に示されているように、CGMの変化速度が高く、血糖値(BG)レベルが高い場合、より積極的なコントローラの反応が可能になり、ここで、y及びy’は、現在のサンプリング時間におけるCGNトレースの現在のCGM値及び第1の導関数をそれぞれ示し、λ1,nom=5/uは、λの名目値を表し、st=5及びst=-5は、正及び負の勾配しきい値をそれぞれ表し、m=-0.8及びm=0.8は、調整/離調勾配を表す。このように、λは、CGMレベル及び高BGレベルの変化速度に応じて(スケジュールされた基礎注入からの)偏差の慣性次数を表す。図2Aおよび図2Bを参照して示すように、図2Aにおけるλ及び同調/離調Q(IOB)の設計の(図2Bにおける先行フォーマット31のものと比較された)グラフィカルな概要が提供されており、ここで、st±及びm1,2が、生理学的知識に基づいてヒューリスティックに発見されており、α,IOBmin、及びλ1,nomが、グリッド探索によって発見されており、UVA/Padovaシミュレータ44のすべての成人コホートのためのTIRのパーセンテージ、時間<70mg/dL、及び時間>180mg/dLに関して最良のコントローラパフォーマンスが取得された。上記のようにIOBminを定義すると、外乱dの開始直後の長期間にわたって、より積極的なコントローラ動作が可能となり、コントローラ動作の増加が、対象者のための基礎インシュリン注入の変更されたスケジュール(すなわち、図1のumpcの変更)を生成し得る。
【数27】

s.t.0.2・λ1,nom≦λ(y,y,)≦λ1,nom
ここでは、以下である。
(y’)=m・λ1,nom・(y,-st)+λ1,nom
(y’)=m・λ1,nom・(y,-st)+λ1,nom
【0059】
最後に、基準軌道は、Gracia-Tiradoら31において以下のように定義された。
【数28】

∈{0,...,N-1}及びyspは、目標又は設定点を表し、
【数29】

は、コントローラが設定点に近づく方法を調整するために使用されている時定数を表す。コントローラの残りのパラメータ値が、以下の表2にまとめられている。
【表2】
【0060】
2)BPS
上記で論じられたように、炭水化物の量と、報知のない食事の構成とによってもたらされる正常血糖を維持するための努力の混乱は、糖尿病のケアと治療に顕著な課題をもたらす。これは特に、従来のCLCシステムに、食事中の血糖レベルの上昇のCGM感知、及び注入後のインシュリン動作の開始において、固有の遅れがあるためである。したがって、基礎注入のために、前述したスケジュール又は変更されたスケジュールにしたがって、そのようなCLCシステムが、マイクロボーラスによる補正動作を提供する前に、そのような報知のない食事の影響に対抗する必要があることを認識した。そのような対策を講じていない場合、T1Dを持つ個人は、顕著なレベルの高血糖を経験する傾向がある。
【0061】
したがって、本明細書では、ボーラスプライミングシステムすなわちBPSを、上記で論じたMPCと連携して、1日の総インシュリン(TDI)のうちある割合として計算された比較的大量のインシュリンの正確かつ自動的な注入を引き起こすように構成されているモジュールとして提示する。より具体的には、そのような割合は、大きな血糖外乱が発生した確率の、計算されている推定にしたがって、次第に増加する可能性があり、これは、スケジュール及び変更されたスケジュールが基づく予測血糖値によって説明のつかない血糖の揺らぎの少なくとも1つの原因を備える、及び/又は、説明している。そのような原因は、顕著な炭水化物組成を有する報知のない食事を備え得る(炭化水素の量に関する以下の議論を参照されたい)。この観点において「説明のつかない」という用語は、実質的に、完全には説明されていない、部分的にのみ説明されている、又は説明されていないことを意味し得る。このように、本明細書の第1のボーラス(図1におけるUbolus)を定義し、BPSによって発生する注入は、そうしなければ高血糖事象をもたらすものに、直ちに対処することができる。
【0062】
特に、BPSは、食事のような外乱dが過去30分以内に発生したか否かの確率を、遡及的に調べるために、5分間隔ごとに動作するように構成され得る。そうするために、2次多項式が最後の30分間のCGMデータに適合されており、次の式が生成される。
(i)=p+pi+p
ここで、y(i)は、過去30分間のCGMデータのシーケンスを表すi=1,..,6における血糖値を表す。この方程式の係数p,p,pは、ロジスティック回帰分類アルゴリズムにおける特徴として使用され得る。出力ylogは、
【数30】

として定義されることができ、ここで、β,β,β及びβは、食後の期間がラベル付けされており、検出のためにアルゴリズムがトレーニングされたシミュレーションデータセットを使用して発見された。この方程式では、入院前のデータ収集期間全体で、通常のケアの下で、実際の対象者から収集されたデータから発見されたそれぞれの標準偏差σ1,2,3及び平均μ1,2,3を用いて特徴を正規化した45。係数と正規化パラメータのおのおのの値が、(mg/dL単位でのパラメータ値を用いて)以下の表3にリストされている。各反復での外乱確率πは、以下の式、すなわち
【数31】

を使用して見い出され得る。
【0063】
【表3】

この確率を使用して、ボーラスが必要かどうか、必要な場合は、どのくらいの量のインシュリンを投与する必要があるかを判定できる。BPSは、個人のTDI量PTDIの何パーセントが各確率しきい値で投与されるべきかを記述する予め定められたスケジュールを企図する。そのスケジュールは以下に提供されており、0.3から0.9に増加する確率決定を示している。
【数32】

BPSボーラスが提供されている前に、先行するBPS投与量からIOBの量が差し引かれている。このボーラスは、
【数33】

として計算されている。
【0064】
ここで、JBPSはBPSによって提供されているインシュリンの量を表し、PTDI(%)は、上記の投与スケジュールに基づいて要求された患者のTDIのパーセンテージであり、IOBBPSは、以前の食事関連のBPS投与からのインシュリンオンボードの量である。IOBBPSは、6時間のIOB曲線を使用して見い出され得る46。JBPS投与量は、システムが負のインシュリン投与量を命令するのを防ぐために、0で飽和され得る。これらの手法で、BPSは、低血糖を回避する傾向にある少なくとも2つのセーフガードを提供する。第1に、JBPS投与量は、以前に注入されたプライミング投与量に基づいて調整されている。第2に、しきい値であるBPS_thresholdは、血糖濃度がしきい値よりも大きい場合にのみプライミング投与を可能にするように設定されている。BPS_thresholdは、以下によって決定され得る。
t_prev_hypo:=最後のBG≦70mg/dLの分
【数34】
【0065】
外乱確率しきい値と、それに対応するインシュリン投与量とはともに、血糖-インシュリンモデルへの未知の入力を解決するために、正規化されたデコンボリューションを使用して過去の実際のデータを「再生」するために以前に適用された方法を使用して決定されている36,47。方法は、インシュリンと食事の記録では説明されない血糖変動の原因を判定し、インシュリン投与量の変更と、結果として生じる血糖値への影響のシミュレーション(シミュレーション再生)とを可能にする。過去の研究(ClinicalTrials.gov NCT03859401)からの収集期間からのデータを使用して、異なる確率しきい値[0.1~1.0]と、異なるインシュリンボーラスとの間の初期数値対応を、TDIのパーセンテージ[3%~9%]として決定することができた。
【0066】
(収集されているデータの各エポックでの一般的なCGM値に基づいて計算されている)各自動ボーラスの後、上述されている技法を使用して、次の2時間の血糖値をシミュレートし、このボーラスが、低血糖事象(CGM<70mg/dL)を引き起こした可能性があるかどうかを判定した。低血糖事象の最大数を、経験的に、1日1事象に設定した。
【0067】
図3は、BPSが評価された再生実験の結果を示している。低い確率しきい値と、高いTDI量とが、最も付加的な低血糖を引き起こしたことが明確に示され得る。確率しきい値が増加し、TDIパーセンテージが減少するにつれて、観察されている低血糖は少なくなった。この研究の結果から、0.3,0.5,0.7,0.8及び0.9の確率しきい値で、TDIの3%,4%,5%,6%及び9%をそれぞれ提供する必要があると判定できた。
【0068】
したがって、上記から理解できるように、図1によるコントローラは、報知のない食事/炭水化物の摂取に起因する血糖外乱が、自動的に、すなわちユーザの介入なしに阻止され得るように、第1のモード、すなわちFCLCモードで動作するように構成され得る。さらに理解されているように、その阻止の履行は、過去のCGMデータの遡及的検査に基づいて、代替的な食事の報知に取って代わる可能性のある食事摂取量の決定をもたらすことができる。
【0069】
それに加えて、図1によるコントローラは、前述のように、第1のモードで動作するように構成され得るが、第2のモード、すなわちハイブリッドCLC(HCLC)モードでの動作も、標準的な食事の報知及びコントローラ作動ボーラスが実施されているように企図されている。そのような場合、食事が報知されており、本明細書では第3のボーラスと呼ばれている食事ボーラスが、対象者のCR及びCFから計算されているボーラスの50%まで、すなわち、1%~50%、として計算された。この場合、コントローラは、報知を認識し、差し迫った、又は、同時のBPSボーラスを一時停止する。
【0070】
3)USS(SSM及びHMS)
引き続き図1を参照して示すように、そのUSSは、安全システムモジュール(SSM)と高血糖緩和システム(HMS)モジュールとの両方を含み、それぞれ低血糖事象及び高血糖事象の可能性に対抗する。
【0071】
具体的には、SSMは、utotal図1)を評価し、短期間(30分)の血糖予測及びリスク空間変換によって、コントローラの基礎調整にリンクされている低血糖関連のリスクをモニタする48。このモジュールは、低血糖のリスクが予測されている場合は、ユーザの平均基礎速度の割合にインシュリン命令を自動的に飽和させ、それ以外の場合はこの命令を通過させる。
【0072】
これに関して、SSMは、連続する5分間隔のおのおのにおいて、IOBを推定する機能を果たすインシュリンオンボードスーパバイザ(IOBSUP)モジュールを実施し得る。この推定を用いて、IOBSUPは、推定値を、他のすべてのモジュールにブロードキャストし、インシュリン蓄積のリスクを軽減する。以下の計算に関連して、IOBは、Swanら(Diabetes Care 2009)から導出されている4時間の動作曲線に基づいて計算された。つまり、インシュリンは、注入後4時間で個人のシステムから枯渇すると見なされている。(過去の5分増加のインシュリン注入のベクトルとして)Jは、基礎インシュリン注入(basal_hist)に対して補正された。
【数35】

IOBは、IOB=J_diff×Action_curveとして計算された。
【0073】
SSMはまた、低血糖が検出され、報知されてから1時間にわたり、インシュリン注入を基礎レベル以下に制限することによって、顕著な低血糖事象を抑止するために、HYPOSAFEモードで動作するようにコントローラに命令することもできる。このモードの基礎となるロジックは以下に表されており、diff_rateを、コントローラの意思決定の結果として基礎レベルに加算されている微分基礎速度(符号付き)と見なす。
データベースからlast_hypo_timeを読み取る。
IF current_time-last_hypo_time≦60分
IF diff_rate≧0
injection_sent_to_pump=ubasal
ELSE
injection_sent_to_pump=ubasal+diff_rate
END
END
ここで、else条件では、diff_rateは、インシュリンレベルを基礎値未満に保つ傾向があるマイナス符号に合わされている。
【0074】
SSMは、他の任意のモジュールによる任意のインシュリン提供要求を阻止するために、常にアクティブである、食事インフォームドパワーブレーキ(MIPB)モジュールをさらに実施し得る。特に、MIPBモジュールは、上記で論じたカルマンフィルタを使用して、患者の代謝状態の推定値を5分ごとに計算する。代謝状態(フィードフォワードモデル状態とカルマンフィルタ推定状態との組合せ)を使用して、2つの異なる仮定に基づいて10分、30分、及び60分の血糖予測を行い、(i)10分の予測のためにインシュリンを注入せず、(ii)30分及び60分の予測のために基礎速度で注入する。10分及び60分の予測は、他のモジュールにブロードキャストされているが、30分の予測は、予測された血糖リスクを計算するために使用されている。その予測されたリスクに基づいて、MIPBは、基礎速度を減衰させてインシュリン制約を生成し、インシュリン制約を、受け取った注入要求と比較し、制約又は要求の最小値を、注入用ポンプに送信する。ブレーキ動作は、以下の一連のパラメータ及びコントローラでのその実施に関連して理解することができる。
【表4】

推定された状態のベクトルを作成する。
【数36】

出力変数Gestを作成する。
【数37】

ここで、Gspは、基礎血糖濃度である。TMM-ΔXと新しい状態ベクトル(予測用)とを使用して、
【数38】

pred,30及びGpred,lightを計算する。
【数39】

【数40】

なお、Ξ=AI,p+Bi,pであり、ここで、ΔX=Xcl-Xolであり、A及びBI,pは、線形化されたTMM-ΔXの状態及び入力(インシュリン)行列である。
ブレーキ動作を計算する。
【数41】
【0075】
最後に、安全システム制約を計算する。
Cons=BrakeAction・u
最終投与量は、以下のように計算されている。
【数42】

したがって、SSMは、要求された注入量の全部又は一部を受け入れるか、又は阻止することができる。それに加えて、SSMは、DiAのインターフェースを介して、要求された注入量の手動確認を、コントローラのユーザから要求することができる。インターフェースを介して、MIPB及びIOBSUPからの出力が組み合わされており、低血糖リスク状態(つまり、緑、予測リスクなし、黄、インシュリン減衰をもたらす予測リスク、及び赤、外部介入が必要な差し迫った予測低血糖)、及び高血糖リスク状態(すなわち、緑、予測リスクなし、黄、基礎速度上昇をもたらす予測リスク、及び赤、外部介入が必要な予測高血糖)を患者に通知する、低血糖及び高血糖の赤信号システムを判定する。
【0076】
一方、HMSモジュールは、BGレベルの推定値をモニタし、本明細書では第2のボーラスと呼ばれる1つ又は複数のインシュリン補正ボーラスに対して、一般的な高血糖を相殺するように自動的に命令する。命令頻度は、命令が最大でも1時間に1回発生するように飽和されており、HMSによって発行されている補正ボーラスは、所定時間以内、及び、任意選択的に、第1の、すなわち、BPSボーラスから2時間以内は禁止されている。すなわち、HMSボーラスは、BPSボーラスの発行後、2ウィンドウ以内には発行されない。補正は5分ごとに考慮されており、G>180mg/dL(現在の推定血糖)で、(平方回帰のCGM和の勾配係数として計算されている)CGM傾向が、平坦、又は(>-1mg/dL・分として定義されている)増加の場合に発行されている。HMS関連の補正ボーラスは、以下の式(18)、すなわち、
HMScorr=HMSratio・HMSini (18)
にしたがって、血糖レベルを、任意選択的に、110mg/dLに補正するために計算されてもよく、ここで、
【数43】

であり、
【数44】

は、現在の絶対CGM値である。HMSratioは、初期に計算された補正HMSiniを減衰させる項である。
【0077】
インシリコ研究
結果は、FDAが承認したUVA/Padovaシミュレータで、100人の仮想対象者の成人コホート全体を使用して得られており、人口統計は、以下の表4に要約されている33。暁現象と、個人及び個人間の両方のインシュリン感受性の変動とが、実験設定に含まれていた。図1のコントローラは、(以下で論じられている)今後の臨床シナリオだけでなく、食事サイズの変動に関する安定性テストも含む一連の完全な実験で試されている。具体的には、以下の結果は、報知された食事、及び報知のない食事と、報知のない夕食の炭水化物含有量の変動とを含む名目上の臨床シナリオに対する、(A)モデルの個別化、(B)BPSのパフォーマンス、及び(C)全体的なコントローラのパフォーマンスを含んでいる。USSVirginiaが、ベースラインコントローラとして使用されている32
【表5】
【0078】
A)モデルの個別化
対象者固有のコントローラ設計を取得するために、対象者は投与前に14日間のデータ収集期間を経た。データ収集は、様々な食事のサイズ及び時間で、日中の様々な食事を含んでいた。毎日のデータセットは、特定(5日間)又は検証(9日間)にランダムに分割されている。
【0079】
図4A及び図4Bは、毎日の特定及び検証RMSEのヒストグラムをそれぞれ示し、特定されたモデルと、成人コホートにおけるすべての仮想対象者の母集団の値を有するモデルとを対比している。以下の表5は、モデルの個別化の利点を評価するのに役立つ追加の統計を示している。
【表6】
【0080】
B)BPSパフォーマンス
図5は、シミュレータにおける代表的な対象者に対するBPSのパフォーマンスを示している。午後6時に80gの炭水化物の食事を与えられた後、図1のコントローラは、複数回の安全なボーラス(USS Virginiaに関して、合計2.47U対6.33U)を自動的に命令した。合計で、コントローラは、報知された食事の場合に行われたはずの(USS Virginiaに関して)3.16Uと6.33Uの注入に対して、報知のない食事の場合に2.47Uの注入をもたらした。それは特に、Rocket APコントローラが、示されているCGM値に対する午後6時の食事による外乱を正確に予測している図5に見ることができる。図6は、成人コホート全体についての報知のない80gの炭水化物食事の連続注入のタイミング分布を示している。
【0081】
第2のシナリオでは、50g,50g及び80gの炭水化物の3つの食事が、それぞれ午前8時、昼12時、及び午後6時に、UVA/Padovaシミュレータの成人コホート全体に投与されている。図7を参照して示すように、3回の食事の外乱確率の時間変化が示されており、中央値は「E」で示されており、25%~75%の範囲は「F」で示されており、5%~95%の範囲は「G」で示されている。
【0082】
C)臨床試験シミュレーション
シミュレーションプロトコルは、インビボ臨床試験(NCT04545567,ClinicalTrials.gov)を模倣するように設計されている。シミュレーション結果は、ハードウェアが完全に機能していると仮定して、ベースライン処理に対する実験処理中のコントローラのパフォーマンスを評価した。参加者は、図8に示すようにRocket AP又はUSS Virginiaに無作為的に割り付けられており、研究のタイムラインをさらに示した。そこで参加者は2日目、3日目、6日目、及び7日目に実生活の活動に従事し、その間、(たとえば、無作為的に、2日目と3日目はRocket AP、3日目と4日目はUSS Virginia2、又はその逆のように)2つのコントローラ間で無作為化されている。1回目及び2回目の投与の各4日間、参加者は、研究セッションの間、同一のタンパク質、脂肪、及び炭水化物含有量で、3つの構造化された食事を、毎日午前8時、午前12時、及び午後6時に摂取した。朝食、昼食、及び夕食にそれぞれ50g,50g及び80gの炭水化物含有物が実施された。2日目と6日目は、すべての食事がコントローラに報知された。3日目と7日目は、朝食と昼食が報知されたが、夕食は報知されなかった。
【0083】
図9A及び図9Bは、「報知されたすべての食事」及び「報知のない夕食」投与日それぞれについての成人コホート全体のCGMの中央値及び5~95パーセンタイル範囲に関して、USS Virginia(VA)に対するRocket AP(登録商標)の相対的な比較を示す(ここで、エンベロープは範囲を表し、実線は中央値を表し、インシュリンは基礎インシュリンである)。以下の表6及び表7は、国際基準にしたがって、両投与日のCGM関連の判定基準を示す44。特に、パーセントTIR、すなわち正常血糖[70~180]mg/dLにおいて費やされたパーセント時間、低血糖(<70mg/dL)のパーセント時間、高血糖(>180mg/dL)のパーセントの割合が検査された。低血糖指数(LBGI)及び高血糖指数(HBGI)は、B.P.Kovatchevにしたがって計算された51
【表7】

【表8】

図9A及び図9B、並びに上記の表から認識され得るように、Rocket APは、パーセントTIR及びパーセント時間>180mg/dLに関して、報知のない(夕食)の後、USS Virginiaを上回った。
【0084】
最後に、5gから80gの範囲の炭水化物の様々な炭水化物負荷を含む様々な架空の報知のない食事後、Rocket APとUSS Virginiaとの両方のパフォーマンスを調査した。両システムは、食事後、6時間後において、30g未満の炭水化物の食事摂取に対して安定性を示した(パーセント範囲における時間100[100~100]%)。図10A及び図10Bを参照して示すように、これらはそれぞれ、そのような食事後、6時間後において、35gから80gの範囲の炭水化物値についての、Rocket AP(登録商標)及びUSS Virginia(VA)の、パーセントTIR及びパーセント時間>180mg/dLの中央値及びIQRの誤差プロットを示している。パーセント時間<70mg/dLは、両方のコントローラで0[0~0]%であった。したがって、予想通り、パーセントTIRは、炭水化物含有量の増加に伴って減少し、パーセンテージ損失は、パーセント時間>180mg/dLに変換されている。
【0085】
インビボ研究
研究を完了し、年齢が12~20歳である18人の研究参加者を調べた上記報告された臨床研究に関し、図1のRocket APコントローラは、市販のUSS Virginiaと比較された場合、TIR及び時間のパーセンタイル<70mg/dLに関して、インシリコ研究と同様に実行されたことが判明した。これは、報知のない夕食の血糖結果と全体的な結果の事例に当てはまった。
【0086】
報知のない夕食に関して、報知のない夕食後の6時間のTIR(一次結果)は、USS VirginiaよりもRocket APコントローラRCKTの方が顕著に高かった(83%[64~93]対53%[40~71];p=0.004)。以下の表8を参照されたい。タイトレンジにおける時間(TTR)すなわち80~140mg/dLも高かった(49%[41~59]対27%[22~36];p=0.002)。平均CGM及び時間のパーセンタイル>180mg/dLは、Rocket APコントローラの場合、それぞれ(141±21mg/dL対166±26mg/dL;p=0.001)及び(17%[1.3~34]対47%[28~60];p=0.01)と顕著に低かった(表1を参照されたい)。報知のない夕食後の12時間、Rocket APコントローラに関する血糖の改善が延長された。夕食の報知に関して、Rocket APコントローラは、これらの研究参加者に関してUSS Virginiaをさらに上回り、本明細書で論じられているインシリコ研究との相違点を提供した。
【表9】
【0087】
約46時間の全体的な制御により、Rocket APは、より高いTTR及びHR(それぞれ、72.3%±7.9対63.7%±13;p=0.01;及び87%±6.6対80%±9.6;p=0.007)と、より低い平均BG及び時間のパーセンタイル>180mg/dL(122±7.5mg/dL対128±15.5mg/dL、p=0.05;及び9.4±5.6%対13.4±8.7%、p=0.03)とをそれぞれ達成したことが明らかになった(以下の表9を参照されたい)。USS Virginiaあたりのベースライン制御は、Rocket APあたりの17/18の参加者と比較して、15/18の参加者のTIRの増加が示された。
【表10】
【0088】
以下の表10に示すように、Rocket APコントローラは、USS Virginiaと比較して夜間に顕著な厳密な制御、TTR(95.3[90.4~100]%対76.3[58.5~87.4]%、p<0.001)のみならず、TIR(99.2[95.7~100]%対92.2[81.2~96]%、p<0.001)及び平均BG(106.4±7.3mg/dL対123±20mg/dL;p=0.002)を達成した。
【表11】
【0089】
本明細書で取り上げられており、成人コホートのRocket APのパフォーマンスを例示するインシリコ研究と比較すると、上記のインビボでの結果は、食事の摂取を報知しないことで悪名高い思春期の人口に焦点が置かれたため、そのようなパフォーマンスの完全性をさらに強化する52~54
【0090】
上記を考慮して、(i)最近の過去の制御動作、血糖測定値、及びそれらの派生物(複数可)に応じてインシュリン注入の制御強度を調整する適応個別化MPC制御法則と、(ii)有効な代謝状態(たとえば、報知のない食事)の検出時に追加のインシュリン注入を安全に命令する自動BPSと、(iii)高血糖の蔓延を回避するためのHMSとのおのおのを統合するデュアルモードCLCシステムを開示したことが認識された。
【0091】
図11を参照して示すように、プロセッサ又はコントローラ102は、たとえば、DiAによって具現化されているように、血糖モニタ又はデバイス101、及び任意選択でインシュリンデバイス100と通信する。プロセッサ又はコントローラ102は、DiAによって具現化されているように、たとえばボーラス計算のように、本明細書で論じられている前述のタスクを達成するために必要な任意の及びすべての命令、又はその一部を実行するために必要なすべての必要なハードウェア及び/又はソフトウェアを含むように構成され得る。血糖モニタ又はデバイス101は、対象者103と通信して、対象者103の血糖レベルをモニタする。プロセッサ又はコントローラ102は、必要な計算を実行するように構成されている。任意選択で、インシュリンデバイス100は、対象者103にインシュリンを提供するために、対象者103と通信する。プロセッサ又はコントローラ102は、必要な計算を実行するように構成されている。血糖モニタ101及びインシュリンデバイス100は、別個のデバイスとして、又は単一のデバイスとして実施され得る。プロセッサ102は、血糖モニタ101、インシュリンデバイス100、又はスタンドアロンデバイス(又は、血糖モニタ、インシュリンデバイス、又はスタンドアロンデバイスのうちの2つ以上の任意の組合せ)においてローカルに実施され得る。プロセッサ102又はシステムの一部は、デバイスが遠隔医療デバイスとして操作されているように遠隔に配置され得る。
【0092】
図12Aを参照して示すように、その最も基本的な構成において、任意選択的にDiAを実施するコンピューティングデバイス144は、通常、少なくとも1つの処理ユニット150及びメモリ146を含んでいる。コンピューティングデバイスの正確な構成及びタイプに応じて、メモリ146は、揮発性(RAMなど)、不揮発性(ROM、フラッシュメモリなど)、又はこれら2つのある組合せであり得る。
【0093】
それに加えて、デバイス144は、他の特徴及び/又は機能性も有し得る。たとえば、デバイスは、磁気又は光ディスク又はテープ、並びに書き込み可能な電気的な記憶媒体を含むがこれらに限定されていない追加のリムーバブル及び/又は非リムーバブルなストレージを含むこともできる。そのような追加のストレージは、リムーバブルストレージ152及び非リムーバブルストレージ148による形態である。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実施されている揮発性及び不揮発性、リムーバブル及び非リムーバブルな媒体を含んでいる。メモリ、リムーバブルなストレージ、及び非リムーバブルなストレージはすべて、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術CDROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望されている情報を格納するために使用され得、デバイスによってアクセスされ得る他の任意の媒体を含むが、これらに限定されていない。そのようなコンピュータ記憶媒体はいずれも、デバイスの一部であるか、デバイスと組み合わせて使用され得る。
【0094】
デバイスはまた、デバイスが他のデバイス(たとえば、他のコンピューティングデバイス)と通信できるようにする1つ又は複数の通信接続154を含み得る。通信接続は、通信媒体で情報を搬送する。通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータを、搬送波又は他の伝送機構などの変調データ信号に組み込み、任意の情報提供媒体を含んでいる。「変調データ信号」という用語は、信号における情報を符号化、実行、又は処理するように設定又は変更された1つ又は複数の特性を有する信号を意味している。限定ではなく一例として、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続などの有線媒体、及び無線、RF、赤外線、及び他のワイヤレス媒体などのワイヤレス媒体を含んでいる。上記で論じたように、本明細書で使用されているコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体と通信媒体との両方を含んでいる。
【0095】
図12Bを参照して示すように、本明細書の実施形態は、インフラストラクチャを有するネットワーク又はアドホックネットワークなどのネットワーキング手段と通信する複数のコンピューティングデバイスを備えるネットワークシステムで実施され得る。ネットワーク接続は、有線接続でもワイヤレス接続でもよい。この例では、ネットワークシステムは、コンピュータ156(たとえば、ネットワークサーバ)、ネットワーク接続手段158(たとえば、有線及び/又はワイヤレス接続)、コンピュータ端末160、及びPDA(たとえば、スマートフォン)162(又は他のハンドヘルド、又は、セル電話、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、GPS受信機、mp3プレーヤ、ハンドヘルドビデオプレーヤ、ポケットプロジェクタなどのポータブルデバイス、又はそのような機能の組合せを備えたハンドヘルドデバイス(又は非ポータブルデバイス))を備えている。実施形態では、156としてリストされたモジュールは血糖モニタデバイスであり得ると認識されたい。実施形態では、156としてリストされたモジュールは、血糖モニタデバイス、人工膵臓、及び/又はインシュリンデバイス(又は他の介入又は診断デバイス)であり得ると認識されたい。図12Bに示されており、又は図12Bを用いて論じられた構成要素のいずれも、複数であってもよい。本明細書の実施形態は、システムのデバイスのいずれにおいても実施することができる。たとえば、命令の実行又は他の所望されている処理は、156,160及び162のいずれかである同じコンピューティングデバイスで実行され得る。代わりに、実施形態は、ネットワークシステムの異なるコンピューティングデバイスで実行され得る。たとえば、特定の、所望されている、又は必要な処理、又は実行は、ネットワークのコンピューティングデバイスのうちの1つのコンピューティングデバイス(たとえば、サーバ156及び/又は血糖モニタデバイス)で実行されていてもよく、命令の他の処理及び実行は、ネットワークシステムの別のコンピューティングデバイス(たとえば、ネットワークシステムの端末160)で、或いはその逆で実行されていてもよい。実際、特定の処理又は実行は、1つのコンピューティングデバイス(たとえば、サーバ156及び/又はインシュリンデバイス、AP、又は血糖モニタデバイス(又は他の介入又は診断デバイス))で実行されており、命令の他の処理又は実行は、ネットワーク化されていてもいなくてもよい、異なるコンピューティングデバイスで実行されていてもよい。たとえば、特定の処理は、端末160で実行される一方、他の処理又は命令はデバイス162に渡され、そこで命令が実行されている。このシナリオは、特にPDA162デバイスが、たとえば、コンピュータ端末160(又はアドホックネットワークにおけるアクセスポイント)を介してネットワークにアクセスする場合に特に価値があり得る。別の例として、保護されているソフトウェアは、本明細書の1つ又は複数の実施形態で実行、符号化、又は処理することができる。処理、符号化、又は実行されたソフトウェアは、顧客に配布されている場合がある。配布は、記憶媒体(たとえば、ディスク)又は電子コピーの形態であり得る。
【0096】
図13を参照して示すように、実施形態が実施され得る、コンピュータシステム140及び関連するインターネット11接続を含むシステム130を示すブロック図が示されている。そのような構成は、通常、インターネット11に接続されており、サーバ又はクライアント(又は、組合せ)ソフトウェアを実行するコンピュータ(ホスト)のために使用されている。たとえば、ラップトップなどの送信元コンピュータ、最終宛先コンピュータ及び中継サーバ、並びに本明細書で説明する任意のコンピュータ又はプロセッサは、図13に示すコンピュータシステム構成及びインターネット接続を使用し得る。システム140は、ノートブック/ラップトップコンピュータ、メディアプレーヤ(たとえば、MP3ベース又はビデオプレーヤ)、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、血糖モニタデバイス、人工膵臓、インシュリン提供デバイス(又は他の介入又は診断デバイス)、画像処理デバイス(たとえば、デジタルカメラ又はビデオレコーダ)、及び/又は、他の任意のハンドヘルドコンピューティングデバイス、又はこれらデバイスの任意の組合せのようなポータブル電子デバイスとして使用され得る。図13は、コンピュータシステムの様々な構成要素を示すが、構成要素を相互接続するいかなる特定のアーキテクチャ又は方式を表すことを意図するものではなく、そのような詳細は、本明細書の実施形態と密接に関係していない。ネットワークコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、セル電話、及びより少ない構成要素、又は、おそらくはより多くの構成要素を有する他のデータ処理システムも使用できることも認識されている。図13のコンピュータシステムは、たとえば、Apple Macintoshコンピュータ又はPower Book、又はIBM互換PCであり得る。コンピュータシステム140は、情報を通信するためのバス137、相互接続、又は他の通信機構と、情報を処理し、コンピュータ実行可能命令を実行するためにバス137に結合されている、一般に集積回路の形態のプロセッサ138とを含んでいる。コンピュータシステム140は、プロセッサ138によって実行される情報及び命令を格納するためにバス137に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的なストレージデバイスなどのメインメモリ134も含んでいる。
【0097】
メインメモリ134は、プロセッサ138によって実行されている命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を格納するためにも使用され得る。コンピュータシステム140は、プロセッサ138のための静的情報及び命令を格納するために、バス137に結合された読取専用メモリ(ROM)136(又は他の不揮発性メモリ)又は他の静的ストレージデバイスをさらに含んでいる。磁気ディスク又は光ディスク、ハードディスクとの読み書きのためのハードディスクドライブ、磁気ディスクとの読み書きのための磁気ディスクドライブ、及び/又はリムーバブル光ディスクとの読み書きのための光ディスクドライブ(DVDなど)のようなストレージデバイス135は、情報及び命令を格納するためにバス137に結合されている。ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、及び光ディスクドライブは、それぞれハードディスクドライブインターフェース、磁気ディスクドライブインターフェース、及び光ディスクドライブインターフェースによってシステムバスに接続され得る。ドライブ及びそれらに関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及び汎用コンピューティングデバイス用の他のデータの不揮発性ストレージを提供する。通常、コンピュータシステム140は、コンピュータリソースを管理するために不揮発性ストレージに格納されたオペレーティングシステム(OS)を含み、コンピュータリソース及びインターフェースへのアクセスをアプリケーション及びプログラムに提供する。オペレーティングシステムは通常、システムデータとユーザ入力を処理し、メモリの制御と割当、システム要求の優先順位付け、入出力デバイスの制御、ネットワークの促進、ファイルの管理など、タスクと内部システムリソースの割当及び管理によって応答する。オペレーティングシステムの非限定的な例は、Microsoft Windows(登録商標)、Mac OS X、及びLinux(登録商標)である。
【0098】
「プロセッサ」という用語は、縮小命令セットコア(RISC)プロセッサ、CISCマイクロプロセッサ、マイクロコントローラユニット(MCU)、CISCベースの中央処理装置(CPU)、及びデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むがこれらに限定されていない、少なくとも1つの命令で操作を実行できる任意の集積回路又は他の電子デバイス(又はデバイスの集合)を含むことを意味している。そのようなデバイスのハードウェアは、単一の基板(たとえば、シリコン「ダイ」)に統合され得るか、又は2つ以上の基板に分散されている。さらに、プロセッサの様々な機能的態様は、プロセッサに関連付けられたソフトウェア又はファームウェアとしてのみ実施され得る。
【0099】
コンピュータシステム140は、バス137を介して、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、フラットスクリーンモニタ、タッチスクリーンモニタ、又はテキスト及びグラフィックデータをユーザに表示するための同様の手段などのディスプレイ131に結合され得る。ディスプレイは、ディスプレイをサポートするビデオアダプタを介して接続され得る。ディスプレイにより、ユーザは、システムの操作に関連する情報を閲覧、入力、及び/又は編集できる。英数字及び他のキーを含む入力デバイス132は、情報及び命令選択をプロセッサ138に通信するためにバス137に結合されている。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報及び命令選択をプロセッサ138に通信し、ディスプレイ131におけるカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御133である。この入力デバイスは通常、第1の軸(たとえば、x)と第2の軸(たとえば、y)との2つの軸に2つの自由度を有し、デバイスは、平面における位置を指定することができる。
【0100】
コンピュータシステム140は、本明細書に記載された方法及び技法を実施するために使用され得る。1つの実施形態によれば、これら方法及び技法は、メインメモリ134に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ138に応じて、コンピュータシステム140によって実行されている。そのような命令は、ストレージデバイス135などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ134に読み込まれ得る。メインメモリ134に含まれる一連の命令の実行により、プロセッサ138は、本明細書に記載のプロセスステップを実行する。代替的な実施形態では、ハードワイヤ回路構成を、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて使用して、構成を実施することができる。したがって、本明細書の実施形態は、ハードウェア回路構成及びソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されていない。
【0101】
本明細書で使用されている「コンピュータ可読媒体」(又は「機械可読媒体」)という用語は、実行のためにプロセッサ(プロセッサ138など)に命令を提供することに関与する任意の媒体又は任意のメモリ、又は機械(たとえば、コンピュータ)によって可読な形態で情報を格納又は送信するための任意の機構を称する、拡張可能な用語である。そのような媒体は、処理要素及び/又は制御ロジックによって実行されるコンピュータ実行可能命令、及び処理要素及び/又は制御ロジックによって操作されるデータを格納することができ、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む多くの形態をとることができるが、これらに限定されていない。伝送媒体は、バス137を備えるワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバを含んでいる。伝送媒体は、電波や赤外線データ通信中に生成されるような音響波や光波の形態、又は伝搬信号(たとえば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)からなる他の形態をとる場合もある。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、たとえば、フロッピーディスク(登録商標)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、又は他の任意の磁気媒体、CD-ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理的な媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、以下で説明する搬送波、又はコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体を含んでいる。
【0102】
実行のためにプロセッサ138に1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを搬送する際に、様々な形態のコンピュータ可読媒体が関与し得る。たとえば、命令は最初にリモートコンピュータの磁気ディスクにおいて搬送され得る。リモートコンピュータは、命令を動的メモリにロードし、モデムを使用して電話回線を介して命令を送信できる。コンピュータシステム140にローカルなモデムは、電話回線でデータを受信し、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されたデータを受信することができ、適切な回路構成が、バス137にデータを配列することができる。バス137はデータをメインメモリ134に搬送し、プロセッサ138が、メインメモリ134から命令を取り出して実行する。メインメモリ134によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ138による実行の前又は後のいずれかにストレージデバイス135に記憶され得る。
【0103】
コンピュータシステム140は、バス137に結合された通信インターフェース141も含んでいる。通信インターフェース141は、ローカルネットワーク111に接続されたネットワークリンク139に結合する双方向データ通信を提供する。たとえば、通信インターフェース141は、対応するタイプの電話回線へのデータ通信接続を提供する統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カード又はモデムであり得る。別の非限定的な例として、通信インターフェース141は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得る。たとえば、本明細書に完全に記載されているかのように、すべての目的のためにその全体が組み込まれているCiscoシステム社の発行番号1-587005-001-3(6/99)、「Internetworking Technologies Handbook」、第7章:「Ethernet(登録商標) Technologies」の第7-1~7-38ページに記載されている、10/100ベースT、1000ベースT(ギガビットイーサネット(登録商標))、10ギガビットイーサネット(規格としてIEEE規格802.3ae-2002による10GE又は10GbE又は10GigE)、40ギガビットイーサネット(40GbE)、又は100ギガビットイーサネット(イーサネット規格IEEE P802.3baによる100GbE)のような、IEEE802.3規格に基づくイーサネットベースの接続が使用され得る。そのような場合、通信インターフェース141は、通常、本明細書に完全に記載されているかのように、すべての目的のためにその全体が組み込まれているStandard Microsystems社(SMSC)のデータシート「LAN91C111 10/100 Non-PCI Ethernet Single Chip MAC+PHY」データシート改訂15(02-20-04)に記載されているStandard Microsystems社(SMSC)LAN91C111 10/100イーサネットトランシーバのようなLANトランシーバ又はモデムを含んでいる。
【0104】
ワイヤレスリンクも実施され得る。そのような実施のいずれにおいても、通信インターフェース141は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁気信号、又は光信号を送受信する。
【0105】
ネットワークリンク139は、通常、1つ又は複数のネットワークを介して他のデータデバイスにデータ通信を提供する。たとえば、ネットワークリンク139は、ローカルネットワーク111を介して、インターネットサービスプロバイダ(ISP)142によって操作されているホストコンピュータ又はデータ機器への接続を提供することができる。次に、ISP142は、世界規模のパケットデータ通信ネットワークインターネット11を介してデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク111及びインターネット11は両方とも、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁気信号、又は光信号を使用する。コンピュータシステム140との間でデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを介する信号、及びネットワークリンク139及び通信インターフェース141を介する信号は、情報を伝送する搬送波の例示的な形態である。
【0106】
受信されたコードは、受信されたときにプロセッサ138によって実行されているか、及び/又は、後の実行のために、ストレージデバイス135、又は他の不揮発性ストレージに格納されていてもよい。このように、コンピュータシステム140は、搬送波の形態でアプリケーションコードを取得することができる。
【0107】
本発明者によって、個別化された人工膵臓システムの概念は、自動BPS及び強化された安全性を備えている。本明細書で論じられているアルゴリズム及び方法論の要件から明らかであるように、手順は、血糖デバイス、インシュリンデバイス、APデバイス、及び他の介入又は診断デバイスなどのデバイスに容易に適用でき、関連するプロセッサ、ネットワーク、コンピュータシステム、インターネット、及び本明細書で開示されたスキームにしたがう構成要素及び機能を用いて実施及び利用され得る。
【0108】
図14を参照して示すように、本明細書の1つ又は複数の実施形態が、ネットワーク、又はネットワーク又はコンピュータの一部を使用して実施され得るシステムが示されているが、現在論じられている血糖モニタ、AP又はインシュリンデバイス(又は、他の介入又は診断デバイス)は、ネットワークなしで実現され得る。
【0109】
図14は、本明細書の実施形態の例が実施され得る例示的なシステムを図式的に示している。実施形態では、血糖モニタ、AP又はインシュリンデバイス(又は他の介入又は診断デバイス)は、対象者(又は患者)によって自宅又は他の所望の場所でローカルに実施され得る。しかしながら、代替的な実施形態では、臨床セット又は支援セットで実施され得る。たとえば、図14を参照して示すように、臨床設定158は、医師(たとえば164)又は臨床医/助手が、血糖に関連する疾患、及び関連する疾患及び状態を有する患者(たとえば159)を診断するための場所を提供する。血糖モニタデバイス10は、スタンドアロンデバイスとして患者の血糖レベルをモニタ及び/又はテストするために使用され得る。図には血糖モニタデバイス10のみが示されているが、本明細書の実施形態のシステム及びその任意の構成要素は、図14に示されているように使用され得ると認識されたい。システム又は構成要素は、所望又は必要に応じて、患者に取り付けるか、又は患者と通信することができる。たとえば、血糖モニタデバイス10(又は、コントローラ、及び/又は人工膵臓などの他の関連デバイス又はシステム、インシュリンポンプ(又は他の介入又は診断デバイス)、又は他の任意の所望又は必要とされているデバイス又は構成要素)を含むシステム又はその構成要素の組合せは、テープ又はチューブ(又は他の医療機器又は構成要素)を介して患者に接触、通信、又は取り付けられ得るか、又は、有線又はワイヤレス接続を介して通信され得る。そのようなモニタ及び/又はテストは、短期的(たとえば、臨床訪問)又は長期的(たとえば、臨床滞在又は家庭)であり得る。血糖モニタデバイスの出力は、医師(臨床医又は助手)が、患者へのインシュリン注入又は食物提供などの適切な動作、又は他の適切な動作又はモデリングのために使用され得る。代わりに、血糖モニタデバイスの出力は、即時又は将来の分析のためにコンピュータ端末168に提供され得る。この提供は、ケーブル、又はワイヤレス、又は他の任意の適切な媒体を介して行うことができる。患者からの血糖モニタデバイス出力は、PDA166などのポータブルデバイスに提供され得る。改善された精度を有する血糖モニタデバイスの出力は、処理及び/又は分析のために血糖モニタセンタ172に提供され得る。そのような提供は、有線又はワイヤレスであり得るネットワーク接続169など、様々な手法で達成され得る。
【0110】
血糖モニタデバイスの出力に加えて、エラー、精度向上のためのパラメータ、及び任意の精度関連情報が、コンピュータ168、及び/又は、エラー分析を実行するための血糖モニタセンタ172などに提供され得る。これは、血糖センサの重要性により、血糖センサの集中精度モニタ、モデリング、及び/又は精度向上を提供し得る。
【0111】
本明細書の実施形態の例はまた、標的血糖モニタデバイス、人工膵臓、及び/又は、インシュリンデバイス(又は他の介入又は診断デバイス)に関連付けられたスタンドアロンのコンピューティングデバイスにおいて実施され得る。本明細書の実施形態の例を実施することができる例示的なコンピューティングデバイス(又は、その一部)が、図12Aに概略的に示されている。
【0112】
図15を参照して示すように、本明細書の実施形態の1つ又は複数の態様が実施され得る機械の例を示すブロック図が示されている。
【0113】
図15は、1つ又は複数の実施形態(たとえば、論じられた方法論)を実施(たとえば、実行)することができる例示的な機械400のブロック図を示している。
【0114】
機械400の例は、論理、1つ又は複数の構成要素、回路(たとえば、モジュール)、又は機構を含み得る。回路は、特定の動作を実行するように構成された有形のエンティティである。例では、回路は、指定された方式で(たとえば、内部に、又は他の回路などの外部エンティティに対して)配置され得る。例では、1つ又は複数のコンピュータシステム(たとえば、スタンドアロン、クライアント又はサーバコンピュータシステム)、又は1つ又は複数のハードウェアプロセッサ(プロセッサ)は、本明細書に記載の特定の動作を実行するように動作する回路のようなソフトウェア(たとえば、命令、アプリケーション部分、又はアプリケーション)によって構成され得る。例では、ソフトウェアは、(1)非一時的な機械可読媒体に、又は(2)伝送信号に常駐し得る。例では、ソフトウェアは、回路の基礎となるハードウェアによって実行されると、回路に特定の動作を実行させる。
【0115】
例では、回路は、機械的又は電子的に実施され得る。たとえば、回路は、専用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むなど、上記で論じたような1つ又は複数の技法を実行するように特別に構成された専用回路構成又はロジックを備え得る。例では、回路は、特定の動作を実行するように(たとえば、ソフトウェアによって)一時的に構成され得るプログラマブルロジック(たとえば、汎用プロセッサ又は他のプログラマブルプロセッサに包含されているような回路構成)を備え得る。回路を(たとえば、専用の、永続的に構成された回路構成で)機械的に実施するか、又は一時的に構成された(たとえば、ソフトウェアによって構成された)回路構成で実施するかの決定は、コストと時間の考慮によって推進され得ると認識されている。
【0116】
したがって、「回路」という用語は、物理的に構築された、永続的に構成された(たとえば、ハードワイヤされた)、又は一時的に(たとえば、過渡的に)構成され(たとえば、プログラムされ)、指定された方式で動作する、又は指定された動作を実行する、有形のエンティティを包含すると理解されている。例では、複数の一時的に構成された回路が与えられると、回路のおのおのは、任意の時点で構成又はインスタンス化されている必要はない。たとえば、回路がソフトウェアを介して構成された汎用プロセッサを備える場合、汎用プロセッサは、異なる時点でそれぞれの異なる回路として構成され得る。したがって、ソフトウェアは、たとえば、ある時点で特定の回路を構成し、別の時点で別の回路を構成するようにプロセッサを構成することができる。
【0117】
例では、回路は、他の回路に情報を提供し、他の回路から情報を受信することができる。この例では、回路は、1つ又は複数の他の回路に通信可能に結合されていると見なすことができる。複数のそのような回路が同時に存在する場合、通信は、回路を接続する信号伝送によって(たとえば、適切な回路及びバスを介して)達成され得る。複数の回路が異なる時点で構成又はインスタンス化されている実施形態では、そのような回路間の通信は、たとえば、複数の回路がアクセスを有するメモリ構造における情報の格納及び検索を通じて達成され得る。たとえば、ある回路が演算を実行し、その演算の出力を通信可能に接続されたメモリデバイスに格納することができる。その後、別の回路が、後でメモリデバイスにアクセスして、格納された出力を取り出して処理することができる。例では、回路は、入力デバイス又は出力デバイスとの通信を開始又は受信するように構成することができ、リソース(たとえば、情報の集合)に対して演算することができる。
【0118】
本明細書で説明する方法の例の様々な動作は、少なくとも部分的に、関連する演算を実行するように一時的に構成された(たとえば、ソフトウェアによって)、又は永続的に構成された、1つ又は複数のプロセッサによって実行され得る。一時的又は永続的に構成されているか否かに関わらず、そのようなプロセッサは、1つ又は複数の演算又は機能を実行するように動作するプロセッサ実施回路を構成する場合がある。例では、本明細書で言及されている回路は、プロセッサ実施回路を備え得る。
【0119】
同様に、本明細書で説明する方法は、少なくとも部分的にプロセッサで実施することができる。たとえば、方法の動作の少なくともいくつかは、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実施回路によって実行され得る。特定の動作のパフォーマンスは、単一の機械に存在するだけでなく、複数の機械にわたって展開されている1つ又は複数のプロセッサ間で分散されている場合がある。例では、1つ又は複数のプロセッサを単一の場所に(たとえば、家庭環境、オフィス環境、又はサーバファームとして)配置することができるが、他の例では、プロセッサをいくつかの場所に分散させることができる。
【0120】
1つ又は複数のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境で、又は「サービスとしてのソフトウェア」(SaaS)として、関連する動作の実行をサポートするように動作することもできる。たとえば、動作の少なくともいくつかは、(プロセッサを含む機械の例のような)コンピュータのグループによって実行され得、これら動作は、ネットワーク(たとえば、インターネット)を介して、及び、1つ又は複数の適切なインターフェース(たとえば、アプリケーションプログラムインターフェース(API))を介してアクセス可能である。
【0121】
例示的な実施形態(たとえば、装置、システム、又は方法)は、デジタル電子回路構成において、コンピュータハードウェアにおいて、ファームウェアにおいて、ソフトウェアにおいて、又はそれらの任意の組合せにおいて実施され得る。例示的な実施形態は、コンピュータプログラム製品(たとえば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、又は複数のコンピュータなどのデータ処理装置による実行のため、又はその動作を制御するために、情報キャリア又は機械可読媒体に具体的に具現化されたコンピュータプログラム)を使用して実施され得る。
【0122】
コンピュータプログラムは、コンパイル言語又はインタープリタ言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述でき、スタンドアロンプログラムとして、又はソフトウェアモジュール、サブルーチン、又はコンピューティング環境における使用のために適切な他のユニットとして含む、任意の形態で展開できる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで、又は1つのサイトの複数のコンピュータで実行されているように展開され得るか、又は複数のサイトに分散されており、通信ネットワークによって相互接続され得る。
【0123】
例では、動作は、コンピュータプログラムを実行し、入力データを操作して出力を生成することによって機能を実行する1つ又は複数のプログラマブルプロセッサによって実行され得る。専用論理回路構成(たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC))によって、方法動作の例が実行されており、例示的な装置が実施され得る。
【0124】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含む場合がある。通常、クライアントとサーバは互いに離れており、通常、通信ネットワークを介してインタラクトする。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータで実行されており、互いにクライアント-サーバ関係を有する、コンピュータプログラムによって発生する。プログラマブルコンピューティングシステムを展開する実施形態では、ハードウェアとソフトウェアとの両方のアーキテクチャを考慮する必要があると認識されている。具体的には、特定の機能を、永続的に構成されたハードウェア(たとえば、ASIC)で、一時的に構成されたハードウェア(たとえば、ソフトウェアとプログラマブルプロセッサとの組合せ)で、又は、永続的及び一時的に構成されたハードウェアの組合せで実施するか否かの選択は、設計選択であり得ることが認識されている。以下は、例示的な実施形態で展開され得る構成されたハードウェア(たとえば、機械400)及びソフトウェアアーキテクチャである。
【0125】
例では、機械400は、スタンドアロンデバイスとして動作することができ、又は機械400は、他の機械に接続(たとえば、ネットワーク化)され得る。
【0126】
ネットワーク展開では、機械400は、サーバ-クライアントネットワーク環境においてサーバ又はクライアント機械のいずれかの能力で動作することができる。例では、機械400は、ピアツーピア(又は他の分散型)ネットワーク環境でピア機械として振る舞うことができる。機械400は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、モバイル電話、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又は機械400によって講じられる(たとえば、実行されている)動作を指定する命令(シーケンシャル又はその他)を実行できる任意の機械であり得る。さらに、単一の機械400のみが示されているが、「機械」という用語はまた、本明細書で論じられている方法論のうちの任意の1つ又は複数を実行するために命令のセット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行する機械の任意の集合を含むものとも解釈されているものとする。
【0127】
例示的な機械(たとえば、コンピュータシステム)400は、プロセッサ402(たとえば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、又はその両方)、メインメモリ404、及び静的メモリ406を含むことができ、それらの一部又はすべては、バス408を介して互いに通信することができる。機械400は、ディスプレイユニット410、英数字入力デバイス412(たとえば、キーボード)、及びユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス414(たとえば、マウス)をさらに含むことができる。例では、ディスプレイユニット410、入力デバイス412、及びUIナビゲーションデバイス414は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。機械400は、それに加えて、ストレージデバイス(たとえば、駆動ユニット)416と、信号発生デバイス418(たとえば、スピーカ)と、ネットワークインターフェースデバイス420と、全地球測位システム(GPS)、センサ、コンパス、加速度計、又は他のセンサなどの1つ又は複数のセンサ421とを含むことができる。
【0128】
ストレージデバイス416は、本明細書で説明されている方法論又は機能のいずれか1つ又は複数を具現化又は利用するデータ構造又は命令424(たとえば、ソフトウェア)の1つ又は複数のセットが格納されている機械可読媒体422を含み得る。命令424はまた、機械400によるその実行中に、メインメモリ404、静的メモリ406、又はプロセッサ402に、完全に又は少なくとも部分的に常駐することができる。例では、プロセッサ402、メインメモリ404、静的メモリ406、又はストレージデバイス416の1つ又は任意の組合せが、機械可読媒体を構成することができる。
【0129】
機械可読媒体422は単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つ又は複数の命令424を格納するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(たとえば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むことができる。「機械可読媒体」という用語は、機械による実行のための命令を格納、符号化、又は搬送することが可能で、機械に対して、本開示の方法論のうちの任意の1つ又は複数を実行させるか、又は、そのような命令によって利用されている、或いはそのような命令に関連付けられている、データ構造を、格納、符号化、又は搬送することが可能な任意の有形の媒体を含んでいると解釈され得る。したがって、「機械可読媒体」という用語は、ソリッドステートメモリと、光学及び磁気媒体とを含むが、これらに限定されないものと解釈され得る。機械可読媒体の特定の例は、例として、半導体メモリデバイス(たとえば、電気的にプログラム可能な読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読取専用メモリ(EEPROM)、及びフラッシュメモリデバイスを含む不揮発性メモリと、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスクと、磁気光ディスクと、CD-ROM及びDVD-ROMディスクとを含み得る。
【0130】
命令424は、多数の転送プロトコル(たとえば、フレームリレー、IP、TCP、UDP、HTTPなど)のうちの任意の1つを利用するネットワークインターフェースデバイス420を介して、伝送媒体を使用して、通信ネットワーク426を介してさらに送信又は受信され得る。例示的な通信ネットワークは、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(たとえば、インターネット)、モバイル電話ネットワーク(たとえば、セルラーネットワーク)、一般電話(POTS)ネットワーク、及びワイヤレスデータネットワーク(たとえば、Wi-Fi(登録商標)として知られるIEEE 802.11規格ファミリ、WiMax(登録商標)として知られるIEEE 802.16規格ファミリ)、ピアツーピア(P2P)ネットワークなどを含むことができる。「伝送媒体」という用語は、機械による実行のために命令を格納、符号化、又は搬送することが可能な任意の無形媒体を含むと解釈されるものとし、デジタル又はアナログ通信信号、又はそのようなソフトウェアの通信を容易にする他の無形媒体を含んでいる。
【0131】
本明細書で論じられているように、「対象者」は、任意の適用可能な人間、動物、又は他の生物、生きている又は死んでいる、又は他の生物学的又は分子構造又は化学的環境であってもよく、本明細書で「関心エリア」又は「関心領域」と呼ばれる、対象者の特定の位置であり得る、対象者の特定の構成要素、たとえば対象者の特定の組織又は体液(たとえば、生きている対象者の体の特定のエリアにおける人間の組織)に関連し得る。
【0132】
本明細書で論じられているように、対象者は人間又は任意の動物であり得ることを認識されたい。動物は、哺乳動物、獣医師の動物、家畜又はペットタイプの動物などを含んでいるがこれらに限定されない、任意の様々な適用可能なタイプであり得ると認識されたい。例として、動物は、人間(たとえば、ラット、犬、豚、猿)などに類似した特定の特性を有するように特別に選択された実験動物であり得る。対象者は、たとえば、任意の適用可能な人間の患者であり得ることを認識されたい。
【0133】
様々な特許、特許出願、及び刊行物を含み得るいくつかの参考文献は、参考文献リストに引用されており、本明細書で提供されている開示で論じられている。そのような参考文献の引用及び/又は考察は、本開示の説明を明確にするために提供されているにすぎず、そのような参考文献が本明細書に記載されている本開示の任意の態様に対する「先行技術」であることを認めるものではない。表記上、「[n]」は、リストにおけるn番目の参考文献に対応する。本明細書で引用及び議論されているすべての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれており、各参考文献が個々に参照により組み込まれるのと同程度に組み込まれている。
【0134】
要約すると、本開示は特定の実施形態に関して説明されてきたが、当業者には多くの変更、変形、改造、置換、及び等価物が明らかであろう。本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態によって範囲が限定されているものではない。実際、本明細書に記載されているものに加えて、本明細書の実施形態の様々な変更は、前述の説明及び添付の図面から当業者に明らかであろう。したがって、本明細書の実施形態は、すべての変更及び等価物を含む開示(及び特許請求の範囲)の精神及び範囲によってのみ限定されていると見なされているべきである。
【0135】
さらに他の実施形態は、特定の例示的な実施形態の上記の詳細な説明及び図面を読めば、当業者に容易に明らかになるであろう。多数の変形、変更、及び追加の実施形態が可能であり、したがって、そのような変形、変更、及び実施形態はすべて、本出願の精神及び範囲内にあると見なされるべきであると理解されるべきである。たとえば、本出願のいずれかの部分(たとえば、発明の名称、分野、背景、概要、要約、図面など)の内容に関係なく、そうではないと明確に指定されていない限り、記載及び例示された任意の特定の動作又は要素、そのような動作の任意の特定の順序、又は、そのような要素の任意の特定の相互関係を、本明細書に記載された、又は、本明細書に対する優先権を主張するいずれの出願の特許請求の範囲にも含める必要はない。さらに、任意の動作を繰り返すことができ、任意の動作を複数のエンティティによって実行することができ、及び/又は任意の要素を複製することができる。さらに、任意の動作又は要素を除外することができ、動作の順序を変更することができ、及び/又は要素の相互関係を変更することができる。そうではないと明確に指定されていない限り、特定の説明又は例示された動作又は要素、任意の特定の順序又はそのような動作、任意の特定のサイズ、スピード、材料、大きさ又は周波数、又はそのような要素の任意の特定の相互関係についての要件はない。したがって、説明及び図面は、本質的に例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。さらに、本明細書に任意の数又は範囲が記載されている場合、別段の明確な記載がない限り、その数又は範囲はおおよそのものである。本明細書に任意の範囲が記載されている場合、別段の明確な記載がない限り、その範囲はその中のすべての値及びその中のすべての部分範囲を含んでいる。参照により本明細書に組み込まれるあらゆる資料(たとえば、米国/外国の特許、米国/外国の特許出願、書籍、記事など)におけるいずれの情報も、そのような情報と、本明細書に記載されている他の記述及び図面との間に矛盾が存在しない範囲でのみ参照により組み込まれる。本明細書に記載された、又はそれに対する優先権を主張するあらゆる特許請求の範囲を無効化する矛盾を含む、そのような矛盾が生じた場合、参考資料によってそのように組み込まれ、そのように矛盾するいずれの情報も、参照により本明細書に組み込まれていない。
【0136】
適用可能な場合、本明細書における引用は、数値表示又は他の手段によるものであるかに関わらず、「参考文献」と題されたセクションにリストされている1つ又は複数の文献を称する。
【0137】
参考文献
本明細書で開示されている様々な実施形態のデバイス、システム、装置、モジュール、構成、コンピュータプログラム製品、非一時的なコンピュータ可読媒体、モデル、アルゴリズム、及び方法は、以下の参考文献、特許出願、刊行物、及び特許に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、このセクションに含めることにより、本発明の実施形態に関する先行技術であるとは認められない、態様(デバイス、システム、装置、モジュール、構成、コンピュータプログラム製品、非一時的なコンピュータ可読媒体、モデル、アルゴリズム、及び方法)を利用し得る。
A. International Patent Application SerialNo. PCT/US2020/041528, entitled “SYSTEM AND METHOD FOR ONLINE DOMAIN ADAPTATIONOF MODELS FOR HYPOGLYCEMIA PREDICTION IN TYPE 1 DIABETES”, filed July 10, 2020.
B. International Patent Application SerialNo. PCT/US2020/032855, entitled “SYSTEM AND METHOD FOR ARTIFICAL PANCREAS WITHMULTI-STAGE MODEL PREDICTIVE CONTROL”, filed May 14, 2020.
C. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 16/789,901, entitled “Unified Platform For Monitoring and Control of BloodGlucose Levels in Diabetic Patients”, filed February 13, 2020; Publication No.US-2020-0214629-A1, July 09, 2020.
D. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 14/128,922, entitled “Unified Platform For Monitoring and Control of BloodGlucose Levels in Diabetic Patients”, filed December 23, 2013; U.S. Patent No.10,610,154, issued April 07, 2020.
E. International Patent Application SerialNo. PCT/US2012/043910, entitled “Unified Platform For Monitoring and Control ofBlood Glucose Levels in Diabetic Patients”, filed June 23, 2012; PublicationNo. WO 2012/178134, December 27, 2012.
F. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 16/588,881, entitled “Tracking the Probability for Imminent Hypoglycemia inDiabetes from Self-Monitoring Blood Glucose (SMBG) Data”, filed September 30,2019; Publication No. US-2020-0066410-A1, February 27, 2020.
G. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 13/394,091, entitled “Tracking the Probability for Imminent Hypoglycemia inDiabetes from Self-Monitoring Blood Glucose (SMBG) Data”, filed March 02, 2012;U.S. Patent No. 10,431,342, issued October 01, 2019.
H. International Patent Application SerialNo. PCT/US2010/047711, entitled “Tracking the Probability for ImminentHypoglycemia in Diabetes from Self-Monitoring Blood Glucose (SMBG) Data”, filedSeptember 02, 2010; Publication No. WO 2011/028925, March 10, 2011.
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K. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 15/255,828, entitled “SYSTEM, METHOD, AND COMPUTER READABLE MEDIUM FORDYNAMIC INSULIN SENSITIVITY IN DIABETIC PUMP USERS”, filed September 02, 2016;U.S. Patent No. 10,463,789, issued November 05, 2019.
L. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 16/577,398, entitled “Method, System and Computer Readable Medium forPredictive Hypoglycemia Detection for Mild to Moderate Exercise”, filedSeptember 20, 2019; Publication No. US-2020-0015757-A1, January 16, 2020.
M. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 15/252,365, entitled “Method, System and Computer Readable Medium forPredictive Hypoglycemia Detection for Mild to Moderate Exercise”, filed August31, 2016; U.S. Patent No. 10,456,086, issued October 29, 2019.
N. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 16/546,335, entitled “System Coordinator and Modular Architecture forOpen-Loop and Closed-Loop Control of Diabetes”, filed August 21, 2019;Publication No. US-2019-0374137-A1, December 12, 2019.
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JJ. International Patent Application SerialNo. PCT/US2007/082744, entitled “Method, System and Computer Program Productfor Real-Time Detection of Sensitivity Decline in Analyte Sensors”, filedOctober 26, 2007; Publication No. WO/2008/052199, May 02, 2008.
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LL. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 15/580,935, entitled “INSULIN MONITORING AND DELIVERY SYSTEM AND METHOD FORCGM BASED FAULT DETECTION AND MITIGATION VIA METABOLIC STATE TRACKING”, filedDecember 08, 2017; Publication No. US-2019-0254595-A1, August 22, 2019.
MM. International Patent Application SerialNo. PCT/US2016/036729, entitled “INSULIN MONITORING AND DELIVERY SYSTEM ANDMETHOD FOR CGM BASED FAULT DETECTION AND MITIGATION VIA METABOLIC STATETRACKING”, filed June 09, 2016; Publication No. WO 2016/201120, December 15,2016.
NN. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 15/580,915, entitled “System and Method for Tracking Changes in AverageGlycemia in Diabetics”, filed December 08, 2017; Publication No.US-2018-0313815-A1, November 01, 2018.
OO. International Patent Application SerialNo. PCT/US2016/036481, entitled “System and Method for Tracking Changes inAverage Glycemia in Diabetics”, filed June 08, 2016; Publication No.WO2016200970, December 15, 2016.
PP. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 15/669,111, entitled “METHOD, SYSTEM AND COMPUTER PROGRAM PRODUCT FORCGM-BASED PREVENTION OF HYPOGLYCEMIA VIA HYPOGLYCEMIA RISK ASSESSMENT ANDSMOOTH REDUCTION INSULIN DELIVERY”, filed August 04, 2017; Publication No.US-2017-0337348-A1, November 23, 2017.
QQ. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 14/015,831, entitled “CGM-Based Prevention of Hypoglycemia Via HypoglycemiaRisk Assessment and Smooth Reduction of Insulin Delivery”, filed August 30,2013; U.S. Patent No. 9,750,438, issued September 05, 2017.
RR. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 13/203,469, entitled “CGM-Based Prevention of Hypoglycemia via HypoglycemiaRisk Assessment and Smooth Reduction Insulin Delivery”, filed August 25, 2011;U.S. Patent No. 8,562,587, issued October 22, 2013.
SS. International Patent Application SerialNo. PCT/US2010/025405, entitled “CGM-BASED PREVENTION OF HYPOGLYCEMIA VIAHYPOGLYCEMIA RISK ASSESMENT AND SMOOTH REDUCTION INSULIN DELIVERY”, filedFebruary 25, 2010; Publication No. WO 2010/099313 A1, September 02, 2010.
TT. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 14/902,731, entitled “SIMULATION OF ENDOGENOUS AND EXOGENOUSGLUCOSE/INSULIN/GLUCAGON INTERPLAY IN TYPE 1 DIABETIC PATIENTS”, filed January04, 2016; U.S. Patent No. 10,169,544, issued January 01, 2019.
UU. International Patent Application SerialNo. PCT/US2014/045393, entitled “SIMULATION OF ENDOGENOUS AND EXOGENOUSGLUCOSE/INSULIN/GLUCAGON INTERPLAY IN TYPE 1 DIABETIC PATIENTS”, filed July 03,2014; Publication No. WO2015003124, January 08, 2015.
VV. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 14/419,375, entitled “COMPUTER SIMULATION FOR TESTING AND MONITORING OFTREATMENT STRATEGIES FOR STRESS HYPERGLYCEMIA”, filed February 03, 2015; U.S.Patent No. 10,438,700, issued October 08, 2019.
WW. International Patent Application SerialNo. PCT/US2013/053664, entitled “COMPUTER SIMULATION FOR TESTING AND MONITORINGOF TREATMENT STRATEGIES FOR STRESS HYPERGLYCEMIA”, filed August 05, 2013;Publication No. WO 2014/022864, February 06, 2014.
XX. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 14/128,811, entitled “Methods and Apparatus for Modular Power Managementand Protection of Critical Services in Ambulatory Medical Devices”, filedDecember 23, 2013; U.S. Patent No. 9,430,022, issued August 30, 2016.
YY. International Patent Application SerialNo. PCT/US2012/043883, entitled “Methods and Apparatus for Modular PowerManagement and Protection of Critical Services in Ambulatory Medical Devices”,filed June 22, 2012; Publication No. WO 2012/178113, December 27, 2012.
ZZ. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 13/637,359, entitled “METHOD, SYSTEM, AND COMPUTER PROGRAM PRODUCT FORIMPROVING THE ACCURACY OF GLUCOSE SENSORS USING INSULIN DELIVERY OBSERVATION INDIABETES”, filed September 25, 2012; U.S. Patent No. 9,398,869, issued July 26,2016.
AAA. International Patent Application SerialNo. PCT/US2011/029793, entitled “METHOD, SYSTEM, AND COMPUTER PROGRAM PRODUCTFOR IMPROVING THE ACCURACY OF GLUCOSE SENSORS USING INSULIN DELIVERY OBSERVATIONIN DIABETES”, filed March 24, 2011; Publication No. WO 2011/119832, September29, 2011.
BBB. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 13/634,040, entitled “Method and System for the Safety, Analysis, andSupervision of Insulin Pump Action and Other Modes of Insulin Delivery inDiabetes”, filed September 11, 2012; Publication No. 2013/0116649, May 09,2013.
CCC. International Patent Application SerialNo. PCT/US2011/028163, entitled “Method and System for the Safety, Analysis,and Supervision of Insulin Pump Action and Other Modes of Insulin Delivery inDiabetes”, filed March 11, 2011; Publication No. WO 2011/112974, September 15,2011.
DDD. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 13/131,467, entitled “Method, System, and Computer Program Product forTracking of Blood Glucose Variability in Diabetes”, filed May 26, 2011; U.S.Patent No. 9,317,657, issued April 19, 2016.
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GGG. International Patent Application SerialNo. PCT/US2008/073738, entitled “Method, Computer Program Product and Systemfor Individual Assessment of Alcohol Sensitivity”, filed August 20, 2008;Publication No. WO 2009/026381, February 26, 2009.
HHH. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 12/664,444, entitled “Method, System and Computer Simulation Environmentfor Testing of Monitoring and Control Strategies in Diabetes”, filed December14, 2009; U.S. Patent No. 10,546,659, issued January 28, 2020.
III. International Patent Application SerialNo. PCT/US2008/067725, entitled “Method, System and Computer SimulationEnvironment for Testing of Monitoring and Control Strategies in Diabetes”,filed June 20, 2008; Publication No. WO 2008/157781, December 24, 2008.
JJJ. U.S. Utility Patent Application SerialNo. 12/516,044, entitled “Method, System, and Computer Program Product for the Detectionof Physical Activity by Changes in Heart Rate, Assessment of Fast ChangingMetabolic States, and Applications of Closed and Open Control Loop inDiabetes”, filed May 22, 2009; U.S. Patent No. 8,585,593, issued November 19,2013.
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【表12】

【表13】

【表14】

【表15】
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
【国際調査報告】