(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-12
(54)【発明の名称】加熱式タバコ製品を提供するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20231205BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231205BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20231205BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20231205BHJP
A24B 15/16 20200101ALI20231205BHJP
A24B 15/32 20060101ALI20231205BHJP
A24B 15/36 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/20
A24F40/42
A24D1/20
A24B15/16
A24B15/32
A24B15/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532711
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2021061877
(87)【国際公開番号】W WO2022120218
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523198567
【氏名又は名称】アイピー コンセプツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン アンドリース ドン
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BC02
4B043BC18
4B043BC19
4B043BC23
4B045AB01
4B162AA03
4B162AA24
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC23
(57)【要約】
加熱式タバコエアロゾル源部材または消耗品は、前端を備える第1の加熱セクションを備える。第1の加熱セクションは、非結合形態の自由液体として存在する液体エアロゾル前駆体を含む。第2の加熱セクションは吸い口端を備える。第2の加熱セクションは固体タバコ基材を含む。蒸気透過性であるが、液体不透過性である第1の熱障壁は、第1の加熱セクションと第2の加熱セクションとの間に配置される。このシステムは簡単な構造を有し、加工コストが低く、消耗品の第1の加熱セクションおよび第2の加熱セクションの低い加熱温度のために望ましくない有害な化学物質を大幅に減少させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式タバコエアロゾル源部材であって、
前端を備える第1の加熱セクションであって、前記第1の加熱セクションが液体エアロゾル前駆体を含み、前記液体エアロゾル前駆体が、非結合形態の自由液体として前記第1の加熱セクション内に存在する、第1の加熱セクションと、
吸い口端を備える第2の加熱セクションであって、固体タバコ基材、または非タバコ植物材料を含む、第2の加熱セクションと、
前記第1の加熱セクションと前記第2の加熱セクションとの間に配置される、蒸気透過性であるが、液体不透過性である第1の熱障壁と、
を備える、加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項2】
前記第1の加熱セクションは、担体物質をさらに含み、前記担体物質は、繊維マトリクス、多孔質発泡体、またはひだ付きおよびギャザー付きウェブのうちの少なくとも1つを含み、前記液体エアロゾル前駆体は、前記担体物質上に充填される、請求項1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項3】
前記第2の加熱セクションの前記吸い口端に接続された冷却セクションと、前記冷却セクションに接続されたフィルタとをさらに備える、請求項1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項4】
前記第1の加熱セクションの前記前端に接続された炭素ベースの点火源をさらに備える、請求項1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項5】
第2の熱障壁は、前記炭素ベースの点火源と前記第1の加熱セクションとの間に構成される、請求項4に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項6】
第3の熱障壁は、前記炭素ベースの点火源の外側に接続される、請求項4に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項7】
前記第1の加熱セクションに電気的に接続される第1のヒーターと、前記第2の加熱セクションに電気的に接続される第2のヒーターとをさらに備える、請求項1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項8】
前記第1のヒーターおよび前記第2のヒーターに電気的に接続される制御装置をさらに備える、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項9】
前記制御装置ならびに前記第1のヒーターおよび前記第2のヒーターのうちの少なくとも1つに電気的に接続されるベースヒーターをさらに備える、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項10】
前記制御装置が、電源、プリント回路基板(PCB)、マイクロコントローラ、LEDインジケータ、充電インターフェースおよびプッシュボタンもしくはパフアクチベータ、または前記ヒーター内のシガレットの存在によって誘導される作動部のうちの少なくとも1つを備える、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項11】
前記第1のヒーターおよび前記第2のヒーターは、抵抗加熱によって電気的に加熱される、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項12】
3つの前記ヒーターのうちの少なくとも1つが抵抗加熱され、残りが誘導加熱される、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項13】
3つの前記ヒーターのうちの少なくとも1つが誘導加熱され、残りが抵抗加熱される、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項14】
3つの前記ヒーターのうちの少なくとも1つが、固体マイクロ波加熱によって抵抗加熱される、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項15】
前記液体エアロゾルを調整するための複数の空気通気孔をさらに備える、請求項1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項16】
断熱層が、前記第1の加熱セクションおよび前記第2の加熱セクションの周りに巻き付けられ、外側ペーパーラップが、前記断熱層上に覆われる、請求項1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項17】
吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式タバコエアロゾル源部材であって、
第1の加熱セクションと、
第2の加熱セクションと
を備え、
前記第1の加熱セクションは、非結合形態の自由液体として存在する液体エアロゾル前駆体を含み、
前記第1の加熱セクションおよび第2の加熱セクションは、熱、蒸気透過性である液体障壁層によって分離され、
前記第2の加熱セクションは、固体タバコまたは他の植物物質を含み、
熱源によって、前記第1の加熱セクションは300℃未満の温度に加熱され、前記第2の加熱セクションは200℃未満の温度に加熱される、加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項18】
吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式タバコエアロゾル源部材であって、
第1の加熱セクションと、
第2の加熱セクションと
を備え、
前記第1の加熱セクションは、非結合形態の自由液体として存在する液体エアロゾル前駆体を含み、
前記第1の加熱セクションおよび第2の加熱セクションは、熱、蒸気透過性である液体障壁層によって分離され、
前記第2の加熱セクションは、固体タバコまたは他の植物物質を含み、
熱源によって、前記第1の加熱セクションは300℃未満の温度に加熱され、前記第2の加熱セクションが150℃未満の温度に加熱される、加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項19】
前記液体エアロゾル前駆体は、前記第1の加熱セクションの重量に対して約25.0%~約600.00%である重量(w/w)パーセントを有する、請求項18に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項20】
前記液体エアロゾル前駆体は、前記第1の加熱セクションの担体の全(総)重量に対して約30.0%~約200%(w/w)である重量(w/w)パーセントを有する、請求項19に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項21】
前記熱源が、電気ヒーターおよび点火ベースの熱源のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項22】
2つの前記加熱セクションは、金属、セラミック、プラスチック、炭素、複合材料もしくは被覆、積層体、またはシガレットペーパー上の印刷層のうちの少なくとも1つから作製される、請求項18に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項23】
前記液体エアロゾル前駆体は、グリセリン、プロピレングリコール、水、ニコチン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビゲロール、またはカンナビノールのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項24】
前記第2の加熱セクションは、タバコを含まず、カンナビノイドを含み、さらにカンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビゲロール、またはカンナビノールのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項25】
前記液体エアロゾル前駆体は、担体物質上に充填される、請求項3に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項26】
前記第1の加熱セクションは、乳酸ニコチン、レブリン酸ニコチン、安息香酸ニコチン、マルトール、シトロネリル、酢酸フェニル、バニリン、エチルバニリン、フェニル乳酸、レブリン酸、桂皮酸、ネロリドール、カリオフィレンオキシド、ガンマノナラクトン、フェニル酢酸イソアミル、イソ吉草酸フェニルエチル、安息香酸ニコチンのうちの1つ以上をさらに含む、請求項3に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項27】
前記第2の加熱セクションは、アルファ-イオノン、メチルシクロペンテノロン、ゲラニオール、ニコチンムケート、ニコチンL-マレート、アルファテルピネオール、2-アセチルピロール、ベータ-ダマセノン、カリオフィレン、3-メチル吉草酸、プロピレングリコール、カプロン酸、メントール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、アネトール、フェニル酢酸エチル、酪酸フェニルエチル、2-メチル酪酸、ベンズアルデヒド、サリチル酸メチル、3-アセチルピリジン、パラ-トリアルデヒド、2-メチルピラジン、リモニン、ガンマ-バレロラクトン、リナロール、イソ吉草酸、ガンマ-バレロラクトン、テトラメチルピラジン、およびカプロン酸エチルのうちの1つ以上をさらに含む、請求項3に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコ製品に関し、より具体的には加熱式タバコ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱式(Heat-not-burn)(HNB)シガレットは、電気熱または炭素ベースの点火熱によって加熱される新しいタイプのタバコ製品である。タバコがHNBシガレットで加熱されると、タバコ内のニコチンおよび芳香物などの物質が蒸発して煙が発生し、喫煙者の要求を満たす。加熱は低温でシガレットを燃焼させず、これは典型的に従来の燃焼式シガレットと比較して約225~350℃である。これにより、煙中のタールおよび有害物質の放出が大幅に減少する。このために、HNBシガレットは、市場でますます注目を集めており、間もなくタバコ産業の本流の方向になる可能性がある。
【0003】
現在、HNBシガレットは、タバコシート、タバコビーズまたは再構成(reconstituted)タバコシートから得られる刻みタバコなどの固体基材を加熱することによってエアロゾルを生成する。これらの固体基材は、ニコチンおよび香味化合物などの他の成分とともに、グリセリンおよびプロピレングリコール、ならびに水などの1つ以上のエアロゾル前駆体(precursor)を含む。
【0004】
具体的には、従来技術のエアロゾル前駆体は、HNB基材の形成の間に、タバコおよび他のセルロース繊維、ポリマー結合剤、難燃剤、様々な香味剤などの他の配合成分と配合される。結果として、エアロゾル前駆体は他の配合成分と化学的に結合し、したがって従来技術のエアロゾル前駆体は、非結合形態(unbound form)の自由液体としては存在しない。
【0005】
したがって、これらの従来技術のHNB製品は、以下のいくつかの欠点がある(suffer from)。(1)それらは典型的には複雑な製造プロセスを有し、液体エアロゾル前駆体および固体タバコおよび他の成分を含む固体基材の形成に関連する高い加工コストを要する。(2)固体タバコおよび一緒に配合されたエアロゾル前駆体は、固体基材中でエアロゾル前駆体の十分な蒸発(vaporization)を達成するために、約225.0℃~約350.0℃などの高い加熱温度にさらされる必要があり、その結果、生成されたエアロゾル中での望ましくないタバコベースの化合物(chemical compounds)が形成する。(3)エアロゾル前駆体は固体基材内の他の成分と化学的に結合しているため、エアロゾル前駆体を蒸発させる(vaporize)ためにより多くの量の熱エネルギーが必要となる。このような高温では、タバコは化学反応を起こし、形成されたエアロゾルとともに消費者によって吸入される望ましくない有害な化学物質を生成する。
【0006】
従来技術の固体基材上に充填されるエアロゾル前駆体の量は、通常、20w/w%(w/w%=「重量に対する重量(weight for weight)」または「重量比(weight by weight)」、すなわち、重量または質量によって測定した場合の混合物内の特定の物質の割合)以下に制限される。例えば、従来技術の固体基材のエアロゾル前駆体が基材全体に対して最大10g/kgを有する場合、そのw/w値は1%となる。
【0007】
これは、従来技術の固体基材が一般に触っても乾燥しており、液体不透過性の容器内に収容する必要がないことを意味する。そして、従来技術の固体基材内の「乾燥」エアロゾル前駆体についての化学結合を切断するためには、通常、追加の熱エネルギーが必要であるため、エアロゾル前駆体をその自由液体形態で有する場合と比較して、「乾燥」エアロゾル前駆体は、追加の熱エネルギーのために有害なタバコベースの化合物の生成がさらに増加する可能性がある。したがって、上記で概説した欠点を克服するために、改良された加熱式タバコ製品を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様は、簡単な構造を有し、加工コストが低く、望ましくない有害な化学物質を大幅に減少させる、加熱式タバコ製品を提供することである。
【0009】
上記態様を達成するために、本発明は、
前端を備える第1の加熱セクションであって、液体エアロゾル前駆体を含む、第1の加熱セクションと、
吸い口端(a mouth end)を備える第2の加熱セクションであって、固体タバコ基材(solid tobacco substrate)を含む、第2の加熱セクションと、
前記第1の加熱セクションと前記第2の加熱セクションとの間に配置される、蒸気透過性であるが、液体不透過性である第1の熱障壁と
を備える、加熱式タバコ製品を提供する。
【0010】
従来技術と比較して、本発明によるHNBタバコ製品は、液体エアロゾル前駆体および固体タバコ基材を分離するための2つの加熱セクションを備え、第1の加熱セクションとしての液体エアロゾル前駆体には前端が設けられ、第2の加熱セクションとしての固体タバコ基材には吸い口端が設けられ、さらに第1の熱障壁は、温度を制御するために第1の加熱セクションと第2の加熱セクションとの間に形成され、結果として、タバコが高温に加熱されると典型的に形成される、熱によって誘導された毒性化合物、例えばTSNA(タバコ特異的ニトロソアミン、Tobacco Specific Nitrosamines)の形成を最小限に抑えることなどのために、固体タバコ基材の加熱温度は、加熱時の液体エアロゾル前駆体の加熱温度より低い。さらに、2つの加熱セクションの分離構成は簡単であり、製造コストを減少させる。
【0011】
好ましい実施形態では、第1の加熱セクションは担体物質(carrier substance)をさらに含む。担体物質は、繊維マトリクス、多孔質発泡体、またはひだ付き(pleated)およびギャザー付きウェブ(gathered web)を含むことができ、液体エアロゾル前駆体は、予め形成された繊維マトリクス、予め形成された多孔質発泡体、または予め形成されたひだ付きおよびギャザー付きウェブに充填される。液体エアロゾル前駆体は、担体物質内に非結合形態の自由液体として存在する。液体エアロゾル前駆体を担持する(carrying)担体物質は、通常、金属容器または金属化容器などの液体不透過性容器内に含まれ/封入される。
【0012】
好ましい実施形態では液体エアロゾル前駆体は、担体物質内にあるときに接触すると「湿っている」。液体エアロゾルは、エアロゾル前駆体の重量を含む担体物質の全(総)重量に対して約25.0%~約600.0%、好ましくは約30.0%~200.0%(w/w)である重量(w/w)パーセントを有してもよい。別の例示的な実施形態によれば、液体エアロゾルは、第1の加熱セクション内で唯一の液体/単一材料として提供され得るため、そのような実施形態にはw/wパーセントは適用されない。
【0013】
上述したように、従来技術の「乾燥」固体基材上に充填されるエアロゾルの量は、通常、20w/w%(w/w%=「重量に対する重量」または「重量比」、すなわち、重量または質量によって測定した場合の混合物内の特定の物質の割合)以下に制限される。例えば、従来技術の「乾燥」固体基材のエアロゾル前駆体が基材全体に対して最大10g/1kgを有する場合、そのw/w値は、基材上/内に存在するエアロゾル前駆体の重量を含む基材の重量に対して1w/w%となる。
【0014】
好ましい実施形態では、それは、第2の加熱セクションの吸い口端に接続された冷却セクションと、冷却セクションに接続されたフィルタとをさらに備える。
【0015】
一実施形態として、それは、第1の加熱セクションの前端に接続された炭素ベースの点火源をさらに備える。
【0016】
好ましくは、第2の熱障壁が、炭素ベースの点火源と第1の加熱セクションとの間に構成される。
【0017】
好ましくは、第3の熱障壁が、炭素ベースの点火源の外側に接続される。
【0018】
別の実施形態として、それは、第1の加熱セクションに接続される第1のヒーターと、第2の加熱セクションに接続される第2のヒーターとをさらに備える。
【0019】
好ましくは、それは、第1のヒーターおよび第2のヒーターに電気的に接続される制御装置をさらに備える。
【0020】
好ましくは、それは、制御装置および第1のヒーターに電気的に接続されるベースヒーターをさらに備える。
【0021】
好ましくは、制御装置は、電源、PCB、マイクロコントローラ、LEDインジケータ、充電インターフェースおよびプッシュボタンアクチベータ(activator)もしくはパフ(puff)アクチベータ、またはヒーター内へのシガレットの挿入によって誘導される作動部(activation)を備える。
【0022】
好ましくは、複数の空気通気孔(air ventilation holes)が、吸入可能なエアロゾルの任意の成分を調整するために設けられる。
【0023】
好ましくは、断熱層が、第1の加熱セクションおよび第2の加熱セクションの周りに巻き付けられ、外側ペーパーラップ(paper wrap)が、断熱層上に覆われる。
【0024】
この概要は、以下の詳細な説明にさらに記載される概念の選択を導入するために提供される。この概要は、特許請求された主題の重要または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求された主題の範囲を限定する目的として使用することを意図していない。
【0025】
図面において、別段の指示がない限り、様々な図面を通して同様の参照番号は同様の部分を指す。「102A」または「102B」などの文字指定を伴う参照番号の場合、その文字指定は、同じ図面に存在する2つの同様の部分または要素を区別する場合がある。全ての部分を包含する参照番号が全ての図面において同じ参照番号を有することを意図する場合、参照番号の文字指定は省略される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る加熱式タバコ製品の概略図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る加熱式タバコ製品の概略図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態に係る加熱式タバコ製品の概略図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態に係る加熱式タバコ製品の概略図である。
【
図5】本発明の第5の実施形態に係る加熱式タバコ製品の概略図である。
【
図6】通気孔があることを除いて、
図3と同様の本発明の第3の実施形態に係る加熱式タバコ製品の概略図である。
【
図7】通気孔があることを除いて、
図4と同様の本発明の第4の実施形態に係る加熱式タバコ製品の概略図である。
【
図8】通気孔があることを除いて、
図5と同様の本発明の第5の実施形態に係る加熱式タバコ製品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、本発明の様々な好ましい実施形態を、図面を参照して説明し、様々な図面を通して同様の参照番号は同様の部分を指定する。上記に示したように、本発明は、簡単な構造を有し、加工コストが低く、望ましくない有害な化学物質を大幅に減少させる、加熱式タバコ製品を対象とする。
【0028】
ここで、本開示を、その例示的な実施態様を参照して、以下により詳細に説明する。これらの例示的な実施態様は、本開示が、全体を通して完全であり、本開示の範囲が当業者に十分に伝わるように説明される。実際に、本開示は多くの異なる形式で具現化することができ、本明細書に記載の実施態様に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施態様は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」「1つの(an)」「その(前記)」などは、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態では、電気エネルギーを使用していくらかの材料(some material)を加熱し、吸入可能な物質を形成する。他の実施形態では、材料の加熱は、炭素ベースの点火源の使用によって達成される。どちらのタイプの加熱方法でも、材料を燃焼させることなく材料を加熱することができる。
【0030】
材料を加熱することによって生成される吸入可能な物質は、蒸気の形態(すなわち、臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であってもよく、吸入可能な物質は、エアロゾル(すなわち、気体中の微細な固体粒子または液滴(liquid droplets)の浮遊物)であってもよい。本開示で使用されるエアロゾルという用語は、目に見えるかどうかにかかわらず、蒸気、ガス、およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0031】
w/wの物理的特性は、「重量に対する重量」または「重量比」(「w/w」)として定義される。w/wの特性は、重量または質量によって測定した場合の混合物内の特定の物質の割合を測定する。例えば、従来技術の「乾燥」固体基材のエアロゾル前駆体が基材全体に対して最大10g/1kgを有する場合、そのw/w値は、基材の重量に対して1w/w%になるが、エアロゾル前駆体は基材内に存在する(総重量に含まれる)。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施形態による加熱式タバコ製品の概略図を示す。示されるように、加熱式タバコ製品10Aは、前端100aを備える第1の加熱セクション110と、吸い口端100bを備える第2の加熱セクション120と、第1の加熱セクション110と第2の加熱セクション120との間に配置される第1の熱障壁130とを備える。
【0033】
第1の加熱セクション110は、蒸気透過性であるが液体不透過性の第1の障壁111aと、蒸気透過性であるが液体不透過性の第2の障壁111bとを備えることができる。以下に説明するように、第1の加熱セクション110は、自由液体状態および非結合形態で存在する液体エアロゾル前駆体110aを含むことができ、したがって、第1の加熱セクション110は、蒸気透過性であり液体不透過性の障壁端111a、111bを有する液体不透過性物質を含まなければならない。
【0034】
第1の加熱セクション110は、乳酸ニコチン、レブリン酸ニコチン、安息香酸ニコチン、マルトール、シトロネリル、酢酸フェニル、バニリン、エチルバニリン、フェニル乳酸、レブリン酸、桂皮酸、ネロリドール、カリオフィレンオキシド、ガンマノナラクトン、フェニル酢酸イソアミル、イソ吉草酸フェニルエチル、安息香酸ニコチンのうちの1つ以上の香味化合物(flavor compounds)をさらに含むことができる。
【0035】
上記のように、第1の加熱セクション110は液体エアロゾル前駆体110aを含み、第2の加熱セクション120は固体タバコ基材120aを含み、第1の熱障壁130は蒸気透過性であるが液体不透過性である。他の例示的な実施形態では、第2の加熱セクション120は、非タバコ植物材料を含んでもよい。別の例示的な実施形態によれば、第2の加熱セクション120は、タバコを含まなくてもよく、カンナビノイドを含んでもよく、さらにカンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビゲロール、またはカンナビノールのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0036】
第1の加熱セクション110、第2の加熱セクション120および第1の熱障壁130は、「シガレット本体」と呼ばれる部分を形成する。
【0037】
固体タバコ基材120aを含む第2の加熱セクション120は、障壁112a、112bをさらに備えることができる。これらの障壁112a、112bは、蒸気(のみ)透過性の障壁である。
【0038】
一方、第1の加熱セクション110のシリンダ(cylinder)および第2の加熱セクション120のシリンダは、例えば、金属、炭素、セラミック、プラスチック、およびガラスから選択される少なくとも1つから作製された金属被覆、積層体(laminate)、または中実の金属管である。2つの加熱セクション110、120は、金属、セラミック、プラスチック、炭素、複合材料もしくは被覆、積層体、またはシガレットペーパー上の印刷層のうちの少なくとも1つから作製され得る。
【0039】
任意選択の断熱層141が、第1の加熱セクション110および第2の加熱セクション120の周りに巻き付けられる。また、任意選択の断熱層141を囲むのは、従来の燃焼式(burn-down)シガレットの外観を模倣するペーパー142である。
【0040】
前述のように、第1の加熱セクション110の前端100aは、液体不透過性であるが蒸気透過性の障壁111aを備える。第1の加熱セクション110および第2の加熱セクション120は、ガラス、ポリマー、金属、炭素、およびセラミックのうちの1つから作製された蒸気透過性であるが液体不透過性の第1の熱障壁130によって分離されている。
【0041】
この第1の熱障壁130は、非熱伝導性であっても、部分的に熱伝導性であってもよい。第1の加熱セクション110および第2の加熱セクション120が加熱された後、第1の加熱セクション110から生成したエアロゾル蒸気は、第2の加熱セクション120を通過し、第2の加熱セクション120から生成したエアロゾル蒸気と混合し、消費者によって吸い口端100bで吸入される。エアロゾル経路は、第1の加熱セクション110から吸い口端100bまで延びていることに留意されたい。
【0042】
より具体的には、第1の加熱セクション110は、グリセリン、プロピレングリコール、水、およびニコチンなどのエアロゾル前駆体の1つの液体または液体混合物を保持するように構成される。好ましくは、第1の加熱セクション110は、微結晶セルロース、ナノ結晶セルロース、セルロースナノフィブリル(nanofibrils)またはバクテリアセルロースなどの、液体エアロゾル前駆体110aの蒸発速度を制御するための乳化剤をさらに含む。液体エアロゾル前駆体110aは、グリセリン、プロピレングリコール、水、ニコチン、および1つ以上の香味化合物のうちの少なくとも1つを含んでもよい。適切な香味化合物は、乳酸ニコチン、レブリン酸ニコチン、安息香酸ニコチン、マルトール、シトロネリル、酢酸フェニル、バニリン、エチルバニリン、フェニル乳酸、レブリン酸、桂皮酸、ネロリドール、カリオフィレンオキシド、ガンマノナラクトン、フェニル酢酸イソアミル、イソ吉草酸フェニルエチル、安息香酸ニコチン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビゲロール、またはカンナビノールである。
【0043】
液体エアロゾル前駆体110aは、加熱する前は、第1の加熱セクション110内に自由液体として存在し得る。第1の加熱セクション110は、上記のように、金属容器または金属化容器などの液体不透過性容器を備えることができる。
【0044】
好ましくは、例示的な一実施形態では、液体エアロゾル前駆体110aは、第1の加熱セクション110内に自由液体として存在する。すなわち、液体エアロゾル前駆体110aは、液体状態で第1の加熱セクション110内に含まれる。第1の加熱セクション110は、その端部に蒸気透過性で液体不透過性の障壁111a、111bを有する漏れ防止の金属シリンダを備えることができる。
【0045】
別の例示的な実施形態では、液体エアロゾル前駆体110aは、担体物質上に充填されてもよいか、又は担体物質内に含まれてもよい。次いで、担体物質は、漏れ防止/液体防止の金属シリンダを備える第1の加熱セクション110内に配置することができる。
【0046】
担体物質は、予め形成された繊維マトリクス、多孔質発泡体、またはひだ付き(pleated)およびギャザー付きウェブを含んでもよい。予め形成された担体物質は、通常、エアロゾル前駆体を全く含んでいないが、その固有の多孔性によりエアロゾル前駆体を多く充填することができる。液体エアロゾル前駆体を担持する担体物質は、通常、第1の加熱セクション110内に含まれる/封入される。
【0047】
1つの担体物質は、不織布を含むことができる予め形成された多孔質繊維マトリクスを含むことができる。このような不織布の重さは1平方メートル当たり約40グラムであり得、布地の重量に基づいて200~600%の液体を保持することができる。このような布地は、布地の重量に基づいて最大1000%またはそれ以上のエアロゾル前駆体または前駆体混合物を保持することができる。
【0048】
好ましくは、担体物質用のそのような布地は、繊維マトリクス内の熱伝達を助けるために、金属繊維、金属被覆、またはそれらの混合物で金属化されてもよい。他の実施形態では、不織布は、金属の代わりに熱伝導のために炭素繊維を含んでもよい。
【0049】
担体物質上に充填されると、液体エアロゾル前駆体110aは、担体物質内にあるときに接触すると「湿っている」。その担体物質内の液体エアロゾル前駆体110aは、エアロゾル前駆体110aの重量を含む担体物質の全(総)重量に対して約25.0%~約600.0%、好ましくは約30.0%~200.0%(w/w)である重量(w/w)パーセントを有してもよい。別の例示的な実施形態によれば、液体エアロゾルは、第1の加熱セクション内で唯一の液体/単一材料として提供され得るため、そのような実施形態にはw/wパーセントは適用されない。
【0050】
一方、上述したように、従来技術の「乾燥」固体基材上に充填されるエアロゾル前駆体の量は、通常、20w/w%以下に制限される。したがって、エアロゾルを含む従来技術の固体基材は触ると「乾燥している」が、液体エアロゾル前駆体を含む任意の固体担体物質は触ると「湿っている」場合があり、通常、約25.0%~約600.0%である重量(w/w)パーセントを有する。
【0051】
他の例示的な実施形態では、液体エアロゾル前駆体110aは、ポリマー、金属、繊維、例えば、マクロセルロース、マイクロセルロースもしくはナノセルロース、炭素または十分な多孔性を有し、多量の液体を保持できる他の合成繊維もしくは天然繊維ベースの発泡体から形成された、予め形成された発泡マトリクスを含むことができる担体物質上に充填される。担体物質のためのそのような発泡体は、好ましくは、円筒形であるが、他の形状も排除されない。熱伝導性炭素が発泡体に使用されていない場合、発泡体は熱伝導のために金属化されてもよい。
【0052】
別の実施形態では、液体エアロゾル前駆体110aは、ひだ付きおよびギャザー付きであり、円筒形に変形した、予め形成された金属化繊維シートまたはウェブを含むことができる担体物質上に装填される。シートまたはウェブは、セルロース繊維、非セルロース合成繊維、金属、導電性炭素、黒鉛、およびセラミックまたはそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つから作製される。熱伝導性炭素繊維は、金属繊維の非存在下で、または金属繊維に加えて、使用することができる。
【0053】
液体エアロゾル前駆体110aの担体物質として機能するこのようなシートは、ひだ付けおよびギャザー付け加工中に中空チャネル(hollow channels)が形成されるため、多量の液体を保持するために高い多孔性を有するように加工することができる。液体エアロゾル前駆体110aは、ギャザー付きシートを含むことができる担体物質の形成中、あるいはシートおよび/または円筒形もしくは他の形状の構造の形成後に、担体物質上に充填されてもよい。
【0054】
上記の例示的な実施形態における液体エアロゾル前駆体110aを含む担体物質は、他の形状が本開示から排除されないが、好ましくは円筒形状に変形されることに留意されたい。他の形状としては、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱、八角柱などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
第2の加熱セクション120は、タバコまたは他の植物の上または中に充填された他の香味化合物とともに様々な固体形態のタバコまたは他の植物などの固体タバコ基材120aを含む。このような固体タバコ基材120aは、ストランド(strands)、ペレット、細断片、ビーズ、ギャザー付きウェブ、またはキャストシートであってもよい。
【0056】
この第2の加熱セクション120はまた、これらに限定されないが、アルファ-イオノン、メチルシクロペンテノロン、ゲラニオール、ニコチンムケート(nicotine mucate)、ニコチンL-マレート、アルファテルピネオール、2-アセチルピロール、ベータ-ダマセノン、カリオフィレン、3-メチル吉草酸、プロピレングリコール、カプロン酸、メントール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、アネトール、フェニル酢酸エチル、酪酸フェニルエチル、2-メチル酪酸、ベンズアルデヒド、サリチル酸メチル、3-アセチルピリジン、パラ-トリアルデヒド、2-メチルピラジン、リモニン、ガンマ-バレロラクトン、リナロール、イソ吉草酸、ガンマ-バレロラクトン、テトラメチルピラジン、カプロン酸エチルなどの香味化合物も含んでもよい。いくつかの実施形態では、この第2の加熱セクション120は、非タバコ材料を含んでもよい。
【0057】
非タバコ植物には、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビゲロール、およびカンナビノールのうちの少なくとも1つが含まれる。第2の加熱セクションはまた、第2の加熱セクション120内に固体タバコ基材120aを密封する蒸気透過性障壁112a、112bをその端部に備えていてもよい。
【0058】
第1の加熱セクション110内で液体エアロゾル前駆体110aを蒸発させるのに必要なエネルギーがより少ないため、第1の加熱セクション110は、通常、300.0℃以下の温度に加熱される。そして第1の加熱セクション110と第2の加熱セクション120との間の熱障壁130を有し、第1の加熱セクションが、通常、300.0℃以下の温度で加熱されるため、第2の加熱セクション120は200.0℃以下の温度で加熱されてもよい。第2の加熱セクション120のこの200.0℃以下のより低い温度は、望ましくないタバコベースの化合物の形成を防止または実質的に減少させることができる。
【0059】
図2は、本発明の第2の実施形態による加熱式タバコ製品の概略図を示す。示されるように、この実施形態におけるHNBタバコ製品10Bは、以下の相違点を除いて、
図1の第1の実施形態と同様である。
【0060】
HNBタバコ製品10Bは、第2の加熱セクション120の吸い口端100bに接続された冷却セクション150と、冷却セクション150に接続されたフィルタ160とをさらに備える。具体的には、冷却セクション150は、金属、セラミック、およびポリマーまたはそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含む、相変化材料または冷却材料を含む。フィルタ160は、酢酸セルロース、セルロース、ポリプロピレン、ポリ乳酸または濾紙などの繊維から作製される。より具体的には、冷却セクション150およびフィルタ160には、エアロゾルが通過できるように十分な孔が設けられる。さらに、プラグラップ(plug wrap)151が冷却セクション150およびフィルタ160の周りに巻き付けられ、外側ペーパーラップ142が延長されてプラグラップ151を包み込む。本発明では、タバコが200.0℃を超える温度に加熱されると典型的に形成される、熱によって誘導された毒性の化合物、例えばTSNA(タバコ特異的ニトロソアミン)の形成を最小限に抑えるために、第1の加熱セクション110および第2の加熱セクション120は異なる温度で制御される。具体的には、第1の加熱セクション110の加熱温度は300.0℃以下であり、第2の加熱セクション120の加熱温度は200.0℃以下であり、点火加熱または電気加熱により加熱を達成することができる。
【0061】
図3は、点火加熱を使用することによるHNBタバコ製品10Cを示し、示されるように、炭素ベースの点火源171が第1の加熱セクション110の前端100aに接続され、第2の熱障壁172が、炭素ベースの点火源171と第1の加熱セクション110との間に構成される。
【0062】
具体的には、炭素ベースの点火源171は、ライターによって点火され、点火すると約900.0℃の温度に達する場合がある。この高温は、第1の加熱セクション110内の液体エアロゾル前駆体110aを加熱するために、第2の熱障壁172を使用することによって約300.0℃に下げる必要がある。好ましくは、第2の熱障壁172は、空気透過性、部分透過性、または不透過性であってもよく、ガラス、金属、セラミック、炭素、ポリマー、またはそれらの組み合わせから形成されてもよい。
【0063】
しかしながら、他の実施形態では、第2の熱障壁172を省略することができる。一方、第3の熱障壁173が、過度の高温を防止するために炭素ベースの点火源171の外側に接続されてもよい。好ましくは、第2のセクションの温度は、エアギャップ、冷却材、繊維束、ギャザー付き繊維ウェブ、金属、炭素、およびセラミック、ポリマー、またはそれらの複合材料などによって200.0℃未満に維持される。
【0064】
いくつかの好ましい実施形態では、吸入可能なエアロゾルの任意の成分を調整または希釈するために、加熱式タバコ製品10Cに複数の空気通気孔199(
図6~
図8を参照のこと)を設けることができ、例えば、空気通気孔は、第1の加熱セクション110と第2の加熱セクション120との間、冷却セクション150とフィルタ160との間、または冷却セクション150およびフィルタ160の上、第2の障壁172および/もしくは第3の障壁173の上に配置されてもよい。
【0065】
図4は、電気加熱を使用することによって加熱できる装置に挿入されたHNBタバコ製品を示す。示されるように、HNBタバコ製品10Dは、電気加熱装置の第1の加熱セクション110に接続された第1のヒーター181と、第2の加熱セクション120に接続された第2のヒーター182とをさらに備える。
【0066】
すなわち、第1の加熱セクション110および第2の加熱セクション120は、300℃以下の第1の加熱セクション110の加熱温度、200℃以下の第2の加熱セクション120の加熱温度を制御するために別々に加熱される。具体的には、第1のヒーター181は第1の加熱セクション110を囲み、第2のヒーター182は第2の加熱セクション120を囲み、第1のヒーター181および第2のヒーター182は絶縁層183によって分離されている。
【0067】
電気加熱装置190は、加熱を制御するためにシガレット本体の前端100aに電気的に接続される。このような加熱は、抵抗加熱、誘導加熱、または固体マイクロ波加熱によって達成される。具体的には、加熱装置190は、電源(図示せず)、PCB(図示せず)、マイクロコントローラ(図示せず)、LEDインジケータ191、充電インターフェース192、およびプッシュボタン193を備え、これらは接続される。示されていないが、作動は、パフアクチベータによって、またはヒーター内のシガレットの存在を検出するセンサによって達成され得る。
【0068】
具体的には、電源はタバコ製品全体に電力を供給する。電源は、様々な実装態様を採ることができ、好ましくは、電源は、装置を容易に取り扱うことができるように、装置190内に都合よく適合する大きさであり、電源は、短時間で第1の加熱セクション110および第2の加熱セクション120を急速に加熱するのに十分な電力を供給することができる。
【0069】
好ましくは、電源は、固体電池、薄膜固体電池、リチウムイオン電池(充電可能なリチウム-二酸化マンガン電池など)、または充電可能なスーパーキャパシタなどの交換可能な電池または充電可能な電池であってもよい。特に、安全性を高めることができるので、リチウムポリマー電池を使用することができる。ニッケル-カドミウム電池などの他の種類の電池も使用することができる。
【0070】
好ましくは、充電可能な電池が使用される場合、電源は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルまたはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1 USB Type-C)などを介して壁充電器(wall charger)、車載充電器(すなわち、シガレットライターレセプタクル(receptacle))もしくはコンピュータに接続されてもよいか、または光電池(photovoltaic cell)(太陽電池)もしくは太陽電池パネルもしくは太陽電池、ワイヤレス充電器、もしくは無線周波数(RF)ベースの充電器に接続されてもよい。好ましくは、制御装置190は、マイクロコントローラに接続された無線通信ユニットをさらに備え、それによってタバコ製品は、携帯電話、ラップトップ、タブレットなどのハンドヘルド装置と通信することができるので、装置の状態もしくは遠隔制御装置190の機能性を検出することができ、またはマイクロコントローラ内のソフトウェアを定期的にアップグレードすることができる。
【0071】
他の実施形態では、電源はコンデンサ(capacitor)を備えてもよい。コンデンサは電池よりも早く放電でき、タバコ製品の加熱中に充電できるため、タバコ製品に直接電力を供給するために使用する場合よりも低い速度で電池からコンデンサへの放電が可能になる。
【0072】
例えばスーパーキャパシタ、例えば電気二重層コンデンサは、電池とは別にまたは電池と組み合わせて使用することができる。単独で使用する場合、スーパーキャパシタは、装置の各使用前に再充電できる。したがって、タバコ製品は、スーパーキャパシタを補充するために使用する前にヒーターに取り付けることができる充電器コンポーネント(component)も備えることができる。
【0073】
他の実施形態では、第1のヒーター181および第2のヒーター182は、伝導性ヒーターおよび/もしくは誘導性ヒーター、または固体マイクロ波ヒーターであってもよい。例えば、伝導性ヒーターは、電流が流れるときに熱を発生するように構成された抵抗加熱部材を含む。
【0074】
伝導性ヒーターは、低質量、低密度、および適度な抵抗率を備えた導電性材料を使用する。例示的に、材料には、炭素、黒鉛、炭素-黒鉛複合材、金属、ならびにセラミック、例えば、金属製および非金属性の炭化物、窒化物、酸化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金および金属箔が含まれ得るが、これらに限定されない。特に、耐火材料が有用であり得る。使用できる有用な金属は、例えば、ニッケル、クロム、ニッケルとクロムの合金(ニクロム)および様々な種類の鋼である。所望の抵抗率または熱伝導率を得るために上記の異なる材料の混合物を使用することもできる。
【0075】
好ましくは、一実施形態では、LEDインジケータ191は、電池電源またはヒーターの温度に関するヒーターの状態を示すためにマイクロコントローラに接続される。例えば、緑色のライトは、ヒーターが予め設定された温度に達したことを示してもよく、黄色のライトは、ヒーターがまだ加温していることを示してもよく、一方、赤色のライトは、電池の充電が必要であることを示してもよい。もちろん、様々な他の種類のインジケータライトの機能も可能である。
【0076】
好ましくは、プッシュボタン193は、ヒーターの作動を制御するために電源に接続される。具体的には、プッシュボタン193は、操作を容易にするために装置190の筐体から突き出ている。予め設定した温度に達すると、プッシュボタン193を操作しなくても、ヒーターは自動的に停止する。
【0077】
この実施形態では、制御装置190は、ベースヒーター194を介して第1のヒーター181に電気的に接続される。具体的には、ベースヒーター194は、取付具(fixture)198によって第1のヒーター181に接続される。いくつかの実施形態では、ベースヒーター194は省略されてもよい。他の実施形態では、第1のヒーター181は省略されてもよい。
【0078】
いくつかの好ましい実施形態では、吸入可能なエアロゾルの任意の成分を調整または希釈するために、複数の空気通気孔(図示せず)が加熱式タバコ製品10Dに設けられてもよく、例えば、空気通気孔は、第1の加熱セクション110と第2の加熱セクション120との間、冷却セクション150とフィルタ160との間、または冷却セクション150およびフィルタ160の上に配置されてもよい。
【0079】
図4に示されるこの実施形態では、
図2の第2の実施形態で述べたように、冷却セクション150およびフィルタ160がシガレット本体内に構成される。マウスピース159は、冷却セクション150およびフィルタ160を取り囲むことができる。マウスピース159は、プラスチック材料を含んでもよく、それは、耐熱性を有してもよく、または有しなくてもよい。
【0080】
そして、第1の加熱セクション110に対して、第1の任意選択の断熱層141が、
図4に示されるように配置される。第1の任意選択の断熱層141の周りには、第1のヒーター181がある。第1のヒーター181の周りには、第2の任意選択の断熱層141がある。そして、第2の任意選択の断熱層141の外側には、外側本体材料157がある。外側本体材料157は、耐熱性のプラスチック材料を含むことができる。
【0081】
しかしながら、他の実施形態では、冷却セクション150およびフィルタ160は、シガレット本体の外側に構成されてもよい。ここで
図5を参照すると、冷却セクション150およびフィルタ160は、内側セクション159および外側セクション161とともに、HNBタバコ製品10Eの筐体に取り外し可能に接続された取り外し可能なマウスピース101を形成する。好ましくは、マウスピースを開閉するために、取り外し可能な蓋102がマウスピース101に設けられる。マウスピース101の内側セクション159および外側セクション161は、プラスチック材料もしくは金属、またはそれらの組み合わせから作製することができる。
【0082】
ここで
図6を参照すると、この図は、通気孔199を有することを除いて
図3と同様に、本発明の第3の実施形態による加熱式タバコ製品10Cの概略図である。通気孔199は、ペーパー層142および断熱層141を貫通して熱障壁130の近くに設けられてもよい。孔199は、冷却セクション150およびフィルタ160の近くまたはその中に設けられてもよい。
【0083】
ここで
図7を参照すると、この図は、通気孔199を有することを除いて
図4と同様に、本発明の第4の実施形態による加熱式タバコ製品10Dの概略図である。この例示的な実施形態によれば、孔199は、外側本体材料157および断熱層141を通ってベースヒーター194まで貫通することができる。
【0084】
ここで
図8を参照すると、この図は、通気孔199を有することを除いて
図5と同様に、本発明の第5の実施形態による加熱式タバコ製品10Eの概略図である。
図7と同様に、孔199は、外側本体材料157および断熱層141を通ってベースヒーター194まで貫通することができる。
【0085】
本発明では、HNBタバコ製品の筐体の形状は可変である。いくつかの実施形態では、筐体は一般に、細長い円筒形のロッド(rod)または管である。筐体は、取り外しできない一体構造であってもよく、またはマウスピース、シガレット本体、および制御装置190などの取り外し可能な2つ以上の部品を備えてもよい。好ましくは、筐体の形状は、マウスピースならびに第1の加熱セクション110および第2の加熱セクション120などのシガレット本体の形状と一致する。HNBタバコ製品の形状は、本発明において限定されない。
【0086】
結論として、本発明によるHNBタバコ製品は、液体エアロゾル前駆体および固体タバコ基材を分離するための2つの加熱セクションを備える。液体エアロゾル前駆体は、非結合形態の自由液体として第1の加熱セクション内に存在する。
【0087】
第1の加熱セクションとしての液体エアロゾル前駆体には前端が設けられ、第2の加熱セクションとしての固体タバコ基材には吸い口端が設けられ、さらに、第1の熱障壁が、温度を制御するために第1の加熱セクションと第2の加熱セクションとの間に形成され、結果として、タバコが高温に加熱すると典型的に形成される、熱によって誘導された毒性の化合物、例えばTSNA(タバコ特異的ニトロソアミン)の形成を最小限に抑えるために、加熱時に固体タバコ基材の加熱温度は液体エアロゾル前駆体の加熱温度よりも低くなる。さらに、2つの加熱セクションの分離構成が簡単であり、製造コストを低減する。
【0088】
さらに、本発明は、以下のステップ:
前端が設けられた第1の加熱セクションを形成するステップであって、第1の加熱セクションが液体エアロゾル前駆体を含む、ステップと、
吸い口端が設けられた第2の加熱セクションを形成するステップであって、第2の加熱セクションが固体タバコ基材を含む、ステップと、
第1の加熱セクションと第2の加熱セクションとの間に配置される、蒸気透過性であるが、液体不透過性である、第1の熱障壁を形成するステップと
を含む、加熱式タバコ製品を作製する方法も提供する。
【0089】
好ましくは、この方法は、液体エアロゾル前駆体を、予め形成された繊維マトリクス、予め形成された多孔質発泡体、または予め形成されたひだ付きおよびギャザー付きウェブ上に充填するステップをさらに含む。
【0090】
好ましくは、この方法は、第2の加熱セクションの吸い口端に接続された冷却セクションを形成するステップと、冷却セクションに接続されたフィルタを形成するステップとをさらに含む。
【0091】
一実施形態として、この方法は、
第1の加熱セクションの前端に接続された炭素ベースの点火源を形成するステップと、
炭素ベースの点火源と第1の加熱セクションとの間に第2の熱障壁を形成し、それによって、第1の加熱セクションが300.0℃以下の温度に加熱され、第2の加熱セクションが200.0℃未満の温度に加熱されるように制御するステップと
をさらに含む。
【0092】
別の実施形態として、この方法は、
第1の加熱セクションに接続された第1のヒーターを形成するステップと、
第2の加熱セクションに接続された第2のヒーターを形成し、それによって、第1の加熱セクションが300.0℃以下の温度に加熱され、第2の加熱セクションが200.0℃以下の温度に加熱されるように制御するステップと
をさらに含む。
【0093】
上記のように、また上記に加えて、液体エアロゾル110aの担体物質は、繊維マトリクス、多孔質発泡体、ならびにひだ付きおよびギャザー付きウェブを含んでもよい。繊維マトリクス、多孔質発泡体、ならびにひだ付きおよびギャザー付きウェブは、金属、導電性炭素、黒鉛、セラミック、またはこれらの材料の混合物を組み込むことによって熱伝導性にすることができる。液体エアロゾル前駆体110aは、乳化剤、粘度調整剤として、またはエアロゾル前駆体の蒸発速度を制御するための制御剤として、微結晶セルロース、ナノ結晶セルロース、セルロースナノフィブリルまたはバクテリアセルロースを含んでもよい。
【0094】
第2の加熱セクション120には、様々な固体形態のタバコまたは他の植物、およびタバコまたは他の植物の上または中に充填される他の香味化合物を充填することができ、そのような固体は、結合剤(binder)として結合剤ポリマーまたはナノセルロースを含むまたは含まない、ストランド、ペレット、細断片、ビーズ、ギャザー付きウェブ、またはキャストシートであってもよい。
【0095】
2つの加熱セクション110、120は、ガラス、炭素、セラミック、プラスチック、これらの複合材料、またはペーパー上のこれらの被覆もしくは積層体から作製された断熱層によって囲まれていてもよい。一方、実施形態のいずれについても、外側のシガレットペーパーラップ142は、消耗品10の全長に延びることができる。
【0096】
消耗品10の前部は、加熱素子194と、加熱素子またはヒーター194と電気的に接触するための固定具とを有することができる。消耗品10の前端は、炭素ベースの点火源171と、第1の加熱セクション110を、300℃を超えない温度に加熱するための熱障壁172とを有することができる。
【0097】
エアロゾル経路(pathway)は、第1の加熱セクション110から消耗品10の吸い口端100bまで延びることができる。消耗品10の後端は、相変化材料である束状のポリマー繊維もしくはフィルム、またはエアロゾルの通過を可能にするのに十分な多孔質である、金属、セラミック、もしくはポリマーから作製された冷却材料を含むエアロゾル冷却セクション150を有することができる。
【0098】
消耗品10の後端は、酢酸セルロース、セルロース、ポリプロピレン、ポリ乳酸または濾紙(paper filter)などの繊維から作製されたエアロゾル濾過セクション160を有することができる。第1の加熱セクション110および第2の加熱セクション120は、金属、炭素、セラミック、または複合材料から作製することができる。複合材料は、2つの加熱セグメントが、非加熱セグメント、例えば熱障壁130によって分離されるように、プラスチック表面上に印刷された金属、炭素、またはセラミックから作製することができる。
【0099】
ヒーター194は、電池、スーパーキャパシタまたはそれらの組み合わせによって電力を供給され得る。ヒーター194は、プリント回路基板(PCB)および/またはマイクロコントローラによって制御され得る。ヒーター194は、LEDインジケータ191およびオン/オフ作動のプッシュボタン193を有することができる。ヒーター194は、パフによって(すなわち、消費者が発生させた真空によって)作動させることができるか、またはシガレットの存在によって作動させることができる。
【0100】
ヒーター194、または消耗品10の一般的な加熱は、抵抗加熱、誘導加熱、または固体マイクロ波加熱によって達成することができる。ヒーター194は、エアロゾル前駆体110aから生成された吸入可能なエアロゾルの任意の成分の吸入を調整し、および/または希釈するために、空気通気孔199を有することができる。
【0101】
当業者には理解されるように、上記の本発明の方法およびシステムの例示的な実施形態は交換可能である。本開示の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態を他の実施形態と組み合わせることができる。すなわち、いくつかの図に示された1つまたは複数の実施形態を一緒に組み合わせることができる。
【0102】
1つの非限定的であるが、例示的な実施形態の可能な組み合わせの例として、
図5に示される例示的な実施形態は、
図4において
図5のマウスピース101を使用するなどして、限定されないが、
図4に見出されるものなどの他の図の以前の実施形態と組み合わせることができる。例示的な実施形態の他の組み合わせも可能であり、当業者によって理解されるように、それらは本開示の範囲内に含まれる。
【0103】
例えば、例示的な実施形態の可能な組み合わせの別の非限定的な例として、第2の加熱セクション120を取り除くことができ、第1の加熱セクション110をベースヒーターおよび壁ヒーターによって加熱することができる。この例示的な実施形態は、グリセリン、プロピレングリコール、水、ニコチン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビゲロール、またはカンナビノール、乳酸ニコチン、レブリン酸ニコチン、安息香酸ニコチン、マルトール、シトロネリル、酢酸フェニル、バニリン、エチルバニリン、フェニル乳酸、レブリン酸、桂皮酸、ネロリドール、カリオフィレンオキシド、ガンマノナラクトン、フェニル酢酸イソアミル、イソ吉草酸フェニルエチル、安息香酸ニコチンのうちの少なくとも1つも含んでもよい。
【0104】
別の変形例として、第2の加熱セクション120を保持してもよく、上記(1)と同じエアロゾル形成成分を含んでもよいが、2つのセクション110、120は異なる速度で加熱され、それによって第2の加熱セクション120の成分がほぼ枯渇すると、第1の加熱セクション110の成分は、吸入可能なエアロゾルを継続的に(continuous)供給するためにエアロゾルを形成し始める。
【0105】
上記に加えて、本明細書における機械的図面によって可能になるプロセスの特定のステップは、本発明が説明どおりに機能するために、当然のことながら他のステップよりも優先される。しかしながら、本発明は、そのような順序または配列が本発明の機能性を変更しない限り、記載されたステップの順序に限定されない。すなわち、いくつかのステップは、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、他のステップの前、後、または並行して(実質的に同時に)実行され得ることが認識される。場合によっては、本発明から逸脱することなく、特定のステップが省略されてもよいか、または実行されなくてもよい。
【0106】
本発明を、現時点で最も実用的で好ましい実施形態と考えられるものに関連して説明してきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、それどころか、本発明の趣旨および範囲内に含まれる様々な変更および同等の構成を網羅することを意図していることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式タバコエアロゾル源部材であって、
第1の端部および第2の端部を有する第1の中空構造を含む第1の加熱セクションであって、
前記第1の端部および前記第2の端部は、前記第1の端部から前記第2の端部を通って気化エアロゾルの移動を可能にする、液体不透性であるが蒸気透過性である障壁を含み、前記第1の加熱セクションは、液体エアロゾル前駆体を含む、第1の加熱セクションと、
吸い口端
および加熱端を有する第2の中空構造を含む第2の加熱セクションであって、
前記吸い口端および前記加熱端はそれぞれ、前記第1の加熱セクションからの気化エアロゾルおよび固体タバコ基材または非タバコ植物材料から形成された蒸気の移動を可能にする、液体不透性であるが蒸気透過性である障壁を含み、前記蒸気は、前記第1の加熱セクションから加熱端に接触する第1の熱および蒸気透過性であるが液体不透性である障壁層へ前記気化エアロゾルによって伝達される熱から前記第2の加熱セクションにおいて形成される、第2の加熱セクションと、
前記固体タバコ基材、または前記非タバコ植物材料を含む、前記第2の加熱セクション、
および前記第1の加熱セクションと前記第2の加熱セクションとの間に配置さ
れ、前記第1の加熱セクションから前記第2の加熱セクションへの前記気化エアロゾルの流れを可能にしながら、前記第1の加熱セクションから前記第2の加熱セクションへの熱伝達を実質的に減少させる、蒸気透過性ではあるが、液体不透過性である
多孔質材料を含む、第1の熱障壁と、
を備える、加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項2】
前記液体エアロゾル前駆体は、グリセリン、プロピレングリコール、水、ニコチン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビゲロール、またはカンナビノールのうちの少なくとも1つを含む、請求項
1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項3】
前記第2の加熱セクションは、タバコを含まず、カンナビノイドを含み、さらにカンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビゲロール、またはカンナビノールのうちの少なくとも1つを含む、請求項
1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項4】
前記第1の加熱セクションは、乳酸ニコチン、レブリン酸ニコチン、安息香酸ニコチン、マルトール、シトロネリル、酢酸フェニル、バニリン、エチルバニリン、フェニル乳酸、レブリン酸、桂皮酸、ネロリドール、カリオフィレンオキシド、ガンマノナラクトン、フェニル酢酸イソアミル、イソ吉草酸フェニルエチル、安息香酸ニコチンのうちの1つ以上をさらに含む、請求項
1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項5】
前記第2の加熱セクションは、アルファ-イオノン、メチルシクロペンテノロン、ゲラニオール、ニコチンムケート、ニコチンL-マレート、アルファテルピネオール、2-アセチルピロール、ベータ-ダマセノン、カリオフィレン、3-メチル吉草酸、プロピレングリコール、カプロン酸、メントール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、アネトール、フェニル酢酸エチル、酪酸フェニルエチル、2-メチル酪酸、ベンズアルデヒド、サリチル酸メチル、3-アセチルピリジン、パラ-トリアルデヒド、2-メチルピラジン、リモニン、ガンマ-バレロラクトン、リナロール、イソ吉草酸、ガンマ-バレロラクトン、テトラメチルピラジン、およびカプロン酸エチルのうちの1つ以上をさらに含む、請求項
1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項6】
前記第1の加熱セクションに電気的に接続される第1のヒーターと、前記第2の加熱セクションに電気的に接続される第2のヒーターとをさらに備える、請求項1に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項7】
前記第1のヒーターおよび前記第2のヒーターに電気的に接続される制御装置をさらに備える、請求項
6に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項8】
前記制御装置ならびに前記第1のヒーターおよび前記第2のヒーターの少なくとも1つに電気的に接続されるベースヒーターをさらに備える、請求項
7に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項9】
3つの前記ヒーターのうちの少なくとも1つが誘導加熱され、残りが抵抗加熱される、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【請求項10】
3つの前記ヒーターのうちの少なくとも1つが、固体マイクロ波加熱によって抵抗加熱される、請求項8に記載の加熱式タバコエアロゾル源部材。
【国際調査報告】