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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-25
(54)【発明の名称】昆虫飼育のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 67/033 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A01K67/033 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023530532
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2021081962
(87)【国際公開番号】W WO2022106455
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】20209217.7
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523183817
【氏名又は名称】インセクタム エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ムンク-ボグボール,デイビッド
(57)【要約】
本発明は、昆虫、好ましくは、幼虫を飼育するための、及び/又は、昆虫卵を孵化させるための、装置(100)及び方法に関する。装置は、昆虫及び/又は昆虫卵並びに栄養物の塊を備えるように適合されたハウジング(110)と、ハウジングの上部及び/又は略中央に移動可能に取り付けられていた少なくとも1つのビーム(120)と、ビームから吊り下げられた少なくとも1つの略垂直方向オーガ(130)であって、回転可能であり、ハウジング内の昆虫及び栄養物の塊を撹拌するように適合されたオーガ(130)と、有孔床(140)と、有孔床を通してハウジングに空気流を提供する空気供給源(150)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫、好ましくは、幼虫を飼育するための、及び/又は、昆虫卵を孵化させるための装置(100)であって、
- 昆虫及び/又は昆虫卵、栄養物、及び増量剤の塊を備えるように適合されたハウジング(110)と、
- 前記ハウジングの上部及び/又は略中央に移動可能に取り付けられている少なくとも1つのビーム(120)と、
- 前記ビームから吊り下げられた少なくとも1つの略垂直方向オーガ(130)であって、回転可能であり、前記ハウジング内の前記昆虫及び栄養物の塊を撹拌するように適合されたオーガ(130)と、
- 有孔床(140)と、
- 前記有孔床を通して前記ハウジングに空気流を提供する空気供給源(150)と
を備える、
装置(100)。
【請求項2】
前記装置が、温度、湿度、pH値、及び/又は前記塊の高さのうちの少なくとも1つ又は複数の測定のための、少なくとも1つのセンサ(170)を備え、好ましくは、複数のセンサが、前記ハウジング(110)内及び/又は前記ハウジング(110)上に設けられる、
請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサ(170)が警報装置(180)に接続され、1つ又は複数の所定の閾値に達した場合又は前記閾値を超えた場合、前記警報装置が開始するように適合される、
請求項2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのビーム(120)が、前記ハウジング(110)の前記上部の上で、前記ハウジングの頂縁の上での直接の移動、又は、前記ハウジングの前記上部の上に及び/又は中に取り付けられた支持レール(200)のいずれかによって、略水平に移動可能である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記ビーム(120)が、給餌及び/又は給水システムを備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのオーガ(130)が、前記ビーム(120)上で略水平に移動可能である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのオーガ(130)が、前記昆虫及び栄養物の塊を持ち上げる方向に回転する上昇オーガである、
請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記装置が、1つ又は複数のビーム(120)上に取り付けられた複数のオーガ(130)を備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記有孔床(140)が、好ましくは、エンドレスベルト若しくは同様のものを備える可動床である、又は、
前記床が、空にするために前記床部を移動することが可能なスクレーパを有するエンドレスベルトと固定される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記ハウジングの少なくとも1つの側部、頂部、又は底部が、前記ハウジング(110)を空にするために適合された開口を提供するために、垂直に摺動可能なドアなどの少なくとも1つのドアとして働く、又は、ヒンジを有するドアなどの少なくとも1つのドアが設けられる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記頂部及び/又は底部が、閉じている及び/又は開いている、
請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項12】
前記ハウジング(110)が、少なくとも4つの側部を備える箱形状を有し、
前記頂部及び/又は底部が、閉じている及び/又は開いている、
請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項13】
昆虫を飼育するための方法であって、
- ハウジング(110)を昆虫及び栄養物で満たすステップ(S1)と、
- 移動可能なビーム(120)上で移動可能である少なくとも1つのオーガ(130)を回転させるステップ(S2)と、
- 前記ハウジングの底部から前記ハウジングに空気(150)を供給するステップ(S3)と、
- 前記昆虫が所定のステージに成長するまで前記ステップS2~S3を続けるステップ(S4)と、
- 前記ハウジングの1つの側部、頂部、若しくは底部、又は、少なくとも1つのドアを部分的に又は完全に開けるステップ(S5)と、
- 前記ハウジングを空にするステップ(S7)と
を含む、方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのオーガ(130)が常に回転している、又は、
前記オーガが連続的に若しくは断続的に回転している、及び、
前記空気の供給が一定である、又は、
前記空気の流入が連続的若しくは断続的である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ハウジング(110)が空にされたあと、幼虫が、前記栄養物及び任意の他の周囲の物質、たとえば、昆虫の糞粒から仕分される、
請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記空にすることが、
- 前記ハウジングの可動床(140)の、若しくは、有孔床を横断するスクレーパを有するエンドレスベルトを有する固定床の、移動を開始することによって前記ハウジングを空にする(S6)、又は、
- 吸込送風機によって前記ハウジングを空にする、又は、
- ローダーによって前記ハウジングを空にする、又は、
- 前記ハウジングを傾けることによって前記ハウジングを空にする、
請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、昆虫、好ましくは、幼虫の大規模な飼育、及び/又は、昆虫卵の孵化のための装置及び方法に関する。本発明の装置及び方法は、大規模な昆虫の飼育の効率的且つ安全な技術を保証している。本発明の装置は、昆虫及び/又は昆虫卵の大きな塊を備えるように適合されたハウジングを備える。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
世界人口の増加及び世界中の生活水準の継続的な向上のために、タンパク質及び脂質に対する需要が劇的に高まっている。昆虫の養殖は、世界的な食料生産システムの統合された部分としてその需要を満たす際に重要な役割を果たすことができる。しかしながら、問題に対する昆虫の養殖については、費用効果に優れた、効率的で大規模な飼育システムが必要とされている。
【0003】
昆虫、特に、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio Molitor)及びアメリカミズアブ(Hermetia Illucens)の幼虫を飼育するとき、温度、湿度、空気流、及び酸性度は、重要な役割を果たす。
【0004】
今日、幼虫は通常、コンクリートで作られた浅い地上プール、又は、好ましくは、互いの上部に積み重ねられた小さい箱のいずれかで育てられる。通常、箱は、ポリマー又は木から作られる。プール及び箱において、幼虫は、それらの飼料及び糞粒で直接成長する。給餌時に幼虫が発生する熱、並びに、幼虫の呼吸する必要性のために、幼虫、糞粒、飼料、及び最終的な増量剤の層の全厚は、特定の制限を上回ることができず、それは、あまりに厚い層では、幼虫が過熱し、窒息する、すなわち、最適以下に成長することになるためである。そこで、これらのシステムにおける生産の拡大は、さらなるコンクリートプールの打設を含み、それは、追加の床面積の使用、又は、より多くの箱の互いの頂部への積み重ねの検討を必要とする。
【0005】
箱を清掃すること、箱を満たすこと、箱に給餌すること、箱を移動すること、箱を積み重ねること、箱を監視すること、及び箱を空にすることは、手動で行われる場合、非常に時間がかかり、自動化には複雑で広範囲にコストがかかる。コンクリートプールの管理は、あまり費用はかからないが、このアプローチは、垂直に空間を使用して、したがって、非効率的である生産設備に適合するためには、途方もなく大きい床面積を必要とする。
【0006】
よって、生産及び運用しやすく、空間を垂直に使用する、幼虫の飼育/育成及び/又は卵の孵化のためのより効率的且つより経済的な代替の方法及び装置が、非常に有利であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の目的
本発明の目的は、先行技術に対する代替案を提供することである。
【0008】
特に、飼育昆虫のための小さい箱又はコンクリートで作られた浅い地上プールを使用する先行技術の上記問題を解決する昆虫飼育装置及び関連する方法を提供することが、本発明の目的であってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
よって、上記の目的及びいくつかの他の目的は、昆虫、好ましくは幼虫を飼育するための、及び/又は、昆虫卵を孵化させるための装置を提供することによって、本発明の第1の態様において実現され、その装置は、
- 昆虫及び/又は昆虫卵、栄養物、及び増量剤の塊を備えるように適合されたハウジングと、
- ハウジングの上部及び/又は略中央に移動可能に取り付けられた少なくとも1つのビームと、
- ビームから吊り下げられた少なくとも1つの略垂直方向オーガであって、回転可能であり、ハウジング内の昆虫及び/又は昆虫卵、栄養物、及び増量剤の塊を撹拌するように適合されたオーガと、
- 有孔床と、
- 有孔床を通してハウジングに空気流を提供する空気供給源と
を備える。
【0010】
本発明は、昆虫の大規模な飼育のために最適である昆虫を飼育するための装置を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。本発明によって提供される装置は、知られている飼育システムに対して、大幅に時間及びコストが削減され、また、卵及び昆虫の監視が非常に容易である装置が提供される。さらにまた、昆虫飼育機は、より効率的で、経済的な、及び/又は信頼性のある装置を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、1つの領域のみを清掃する必要があり、多くの小さい箱又はプールを清掃する必要がないので、機械を清掃するために必要とされるプロセスは、容易且つ迅速に完了することができるため、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0012】
また、本発明は、昆虫を冷却することができ、昆虫に酸素を供給することができ、ハウジングを空にする前に、ハウジング内の塊を乾燥させることができる空気供給システムを提供するという点で、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0013】
本発明の文脈において、「昆虫」は節足動物の昆虫綱の1つとして理解されてもよい。昆虫は、そのライフステージである、卵、幼虫、蛹、又は孵化のいずれであってもよい。
【0014】
本発明の文脈において、「ハウジング」は、昆虫及び栄養物の塊を受け入れることができる任意の可能な設備として理解されてもよい。ハウジングは、任意の特定の形状に限定されない。ハウジングは、コンテナのような箱の形状、サイロのようなシリンダの形状、又は、任意の他の好ましい形状とすることができる。さらに、ハウジングは、任意の好ましい材料、たとえば、金属、ポリマー、木などで作ることができる。ハウジングは、塊を見ることができるような、透明な材料で作られてもよい。コンテナ内を見ることができると、昆虫の発育を観察することができる。好ましくは、ハウジングは、定形のコンテナとして作られる。種に応じて、昆虫は、ハウジング内で、3~70日の任意の期間過ごす。この期間の終わりに、昆虫は、収穫サイズまで成長しているであろう。
【0015】
本発明の文脈において、「塊」は、昆虫を飼育するときに、コンテナ内に保持される、少なくとも昆虫及び栄養物の混合物として理解されてもよい。塊は、昆虫、栄養物、及びバルク剤のみ以外に、他の内容物を備えることができるが、通常、昆虫及び栄養物は、糞粒及び増量剤とともに塊の主要部分である。ハウジングの底部に、昆虫及び栄養物の塊ではないが、増量剤(たとえば、かんな屑)の塊である、好適な底部の塊があってもよい。
【0016】
ビームは、塊下部の上にまたがるように側方支持体上に立てられたフレーム構造を有するガントリ状設備を実現する、移動可能な横方向部材として設けられる。ビーム上に、オーガ並びに他の種類の処理機器が設けられてもよい。
【0017】
本発明の文脈において、「オーガ」は、ヘリカルシャフトを有する任意の又はさまざまなツール又はデバイスとして理解されてもよい。オーガは、ハウジング内の塊を撹拌及び分配することによって、塊の状態を整えるのに好適な任意のオーガであってもよい。
【0018】
本発明の文脈において、「有孔」は、穿孔、たとえば、穴を有すると理解されてもよく、ハウジング内への空気のための開口がある。穿孔は、任意の好ましい形状、たとえば、略円形、略長方形、たとえばストライプのように細長いなどである。穿孔は好ましくは、一連の穴/穴のパターンで作られている。
【0019】
本発明の文脈において、「水平である」及び「垂直」のような用語は、広義に方向に関する用語として理解されてもよい。用語は、相対概念であり、正確な水平又は正確な垂直から逸脱している角度があってもよいことを除外すべきでない。
【0020】
本発明のある実施形態において、装置は、温度、湿度、pH値、及び/又は塊の高さのうちの少なくとも1つ又は複数の測定のための、少なくとも1つのセンサを備える。
【0021】
好ましくは、複数のセンサは、ハウジング内及び/又はハウジング上に設けられる。
【0022】
この実施形態は、ハウジングの内部の昆虫に最適な環境を保証する昆虫飼育機を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。また、ハウジングに塊の高さのためのセンサを設けることによって、塊は、センサによって検知されることなしに、ハウジングの頂部を越えて、落下することができないので、機械は、ハウジングの外側に安全な環境を提供する。
【0023】
好ましくは、温度、湿度、及びpH値は、ビーム上に位置付けられたセンサを介して測定される。さらに、ハウジングの層の高さは好ましくは、ビーム上に位置付けられたセンサを介して測定される。
【0024】
さらにまた、底部から供給される空気の湿度及び温度も、センサで測定される。
【0025】
本発明のある実施形態において、少なくとも1つのセンサが警報装置に接続され、1つ又は複数の予め定められた閾値に達した場合又はその閾値を超えた場合に、警報装置は開始するように適合される。この実施形態は、ハウジングの内部及び/又は外部の安全な環境を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。1つ又は複数のセンサが警報システムに接続されると、1つ又は複数の閾値に達した場合又はその閾値を超えた場合に、人が連絡を受けて、潜在的な変動を知り、潜在的な変動のあとに、再び環境の安定を保証することができることを保証する。
【0026】
本発明のある実施形態において、少なくとも1つのビームは、ハウジングの上部の上で略水平に移動可能であり、ハウジングの頂縁上で直接移動する、又は、ハウジングの上部の上に及び/又は中に取り付けられた支持レール上を移動する。この実施形態は、ビームを位置付ける方法の複数のソリューションを提供する機械を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。ハウジングの形状及びサイズに応じて、ビームの移動は、最適な効率を保証するために、設計を変えてもよい。
【0027】
本発明のある実施形態において、ビームには、液体及び栄養物の効果的な分配のための、ホース及びノズルからなる給餌及び/又は給水システムが設けられる。この実施形態は、人間の相互作用、ロボット又は他の複雑なシステムによって通常は実行される作業を含む機械を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。給餌及び/又は給水システムを含むビームを設けることによって、飼育機械は、自動的に動作し、手作業を必要とすることなく、ハウジング内の昆虫が、必要とする水及び栄養物を得ることを保証する。ビームからの給餌及び給水は好ましくは、連続的に、且つ、まったく同時ではなく、行われる。
【0028】
本発明のある実施形態において、少なくとも1つのオーガは、ビーム上で略水平に移動可能である。この実施形態は、ハウジング内の塊の最適な撹拌を提供する飼育機械を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。撹拌することにより、特に、ハウジングの塊の下部があまり高い温度に到達しないこと、及び、底部の塊があまり圧縮されていないことの両方を保証される。また、撹拌することにより、新鮮な空気及び栄養物がハウジング内で均一に分配されることが保証される。
【0029】
本発明のある実施形態において、少なくとも1つのオーガは、昆虫及び栄養物の塊を持ち上げる方向に回転する上昇オーガである。この実施形態は、上向き方向にオーガの回転を得て、それによって、ハウジング内で塊を移動させるために、これに限定するものではないが、特に、有利であり、よって、コンテナの底部における過熱の回避、及び、飼料の良好な分配が、得られる。
【0030】
本発明のある実施形態において、装置は、1つ又は複数ビーム上に取り付けられる複数のオーガを備える。この実施形態は、より多くのオーガがより多くの塊を同時に撹拌することができるので、空気及び栄養物のよりさらに最適な分配を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0031】
本発明のある実施形態において、有孔床は、好ましくは、エンドレスベルト若しくは同様のものとして構成される可動床である、又は、床は、ハウジングを空にする目的で前記床を移動することが可能なスクレーパを有するエンドレスベルトと固定される。この実施形態は、ハウジングを容易に且つ制御された方法で空にするために、これに限定するものではないが、特に、有利である。ハウジングを空にするとき、床の移動は、ハウジングから排出される塊の量が、ハウジングの外で利用可能な機器及び/又は昆虫の排出された塊を取り扱うために利用可能な人の数に応じて、ハウジングの外で取り扱うことができる塊に基づくことを保証するように制御される。さらにまた、この実施形態は、ハウジングのすべての塊を容易な方法で排出するための開口に導かれる方法で、飼育機械を空にすることを提供するために、これに限定するものではないが、特に、有利である。床全体がハウジングの開口の方へ移動する少なくとも1つの移動可能なベルトとして作られるので、大量の塊が動かなくなる可能性がある隅部はない、或いは、ハウジングの開口の方へ移動するスクレーパを有する移動可能なベルトが有孔床上に取り付けられている。
【0032】
本発明の文脈において、「エンドレスベルト」は、たとえば、好ましくは一組のプーリのまわりを進む連続ベルトとして理解されてもよい。
【0033】
本発明のある実施形態において、ハウジングの少なくとも1つの側部、頂部、又は底部は、ハウジングを空にするために適合された開口を提供するために、垂直に摺動可能なドアなどの少なくとも1つのドアとして働く、又は、ヒンジを有するドアなどの少なくとも1つのドアが設けられる。
【0034】
この実施形態は、ハウジングを容易に空にすることが可能になる飼育機械を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0035】
本発明の文脈において、「ドア」は、塊をハウジングに満たすこと、及び、ハウジングを空にすること可能にする開口として理解されてもよい。ハウジングを空にすることは、上から、たとえば、ビームから吸い込む又は掃くことによって、行われてもよい。吸い込みは、ビームから延在するホースを介して、又は、分離システムを介して行われてもよい。さらに、好ましくは、ハウジングの壁は、たとえばヒンジ上のドアを有する、定形のコンテナ上のドアとして、開けることもできる。
【0036】
本発明のある実施形態において、頂部及び/又は底部は、閉じている及び/又は開いている。この実施形態は、できるだけ少ない建設材料を使用して飼育機械を得て、それによって、材料費を低減するために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0037】
さらにまた、この実施形態は、ハウジングの内部の塊からの熱を、特に頂部を通して放出することを可能にし、それによって、他の予防措置がとられなければ、より容易に閉じられたハウジング内の問題となることがある過熱を防ぐために、これに限定するものではないが、特に、有利である。好ましくは、ハウジングの下部は「二重底」として構築され、ここで、二重底の上部は、穴があいている、たとえば、固定された有孔床又は移動可能な有孔エンドレスベルトである。二重底の下部は、ハウジングの実際の底、又は、固定された有孔床若しくは循環する移動可能な有孔ベルトの形状の床を有するハウジングが置かれる(コンクリート)床であってもよい。基本的には、空気が穿孔を通してハウジングに押し上げられるように、二重底の二つの層の間で空気圧を発生させることができることが有利であることが分かった。
【0038】
本発明のある実施形態において、ハウジングは、少なくとも4つの側部を備える箱形状を有し、頂部及び/又は底部は、閉じている及び/又は開いている。この実施形態は、たとえば、コンテナ又は同様のものから容易に作ることができる、又は、容易に製造することができる飼育機械を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0039】
本発明のある実施形態において、ハウジングは、頂部及び底部が円形である円筒形状を有し、頂部及び/又は底部は、閉じている及び/又は開いている。この実施形態は、隅部のない飼育機械を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0040】
本発明のある実施形態において、床部は、好ましくは、横棒を使用することによって、より好ましくは、横棒を移動することによって、区域に分割される。この実施形態は、家を容易に且つ制御された方法で空にするために、これに限定するものではないが、特に、有利である。家が空にされるとき、固定された有孔床の上に置かれた床又はエンドレスベルトの移動は、ハウジングから排出されている塊の量が、ハウジングの外で利用可能な機器及び/又は昆虫の排出された塊を取り扱うために利用可能な人の数に応じて、ハウジングの外で取り扱うことができる塊に基づくことを保証するように制御される。
【0041】
区域に分割される床を提供することによって、床の区域により、一度にどれだけの塊が排出されるか、たとえば、一度に1つの区域、一度に2つの区域などの目安を提供されるので、ハウジングを空にすることを制御することは、さらに容易になる。
【0042】
本発明のある実施形態において、装置は、ハウジングを安定させるための、少なくとも1つの安定化要素を備える。この実施形態は、ハウジングが塊で満たされ、それがハウジングの壁への巨大な力荷重に寄与するとしても、安定化された弾力性のあるハウジングを得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0043】
本発明のある実施形態において、装置は、少なくとも1つの駆動手段を備える。この実施形態は、機械の特徴の移動を提供する手段を提供するために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0044】
本発明の文脈において、「駆動手段」は、たとえば、モータ(液圧式、機械式、電気式など)として理解されてもよい。駆動手段は、装置に動力を提供し、それによって、移動の能力を提供するための任意の好適な手段とすることができる。
【0045】
本発明のある実施形態において、装置は、卵を数日間飼育することができるより小さい個別のコンテナを備え、その後、ここで孵化した幼虫を有する個別のコンテナは、ハウジングに排出される。これは、昆虫卵をハウジングに直接供給することができるようなソリューションを提供する。
【0046】
本発明のある実施形態において、ハウジングは、金属、特に、鋼から作られる。この実施形態は、安価に製造できる、強固で安定したハウジングを提供するために、これに限定するものではないが、特に、有利である。しかしながら、ハウジングは、飼育機械に好適な任意の他の材料から作られてもよい。潜在的にハウジングは、透明な材料、たとえば、ポリマー、アクリル、又は、必要な荷重強度を提供するのに好適な任意の他の材料で作られてもよい。
【0047】
本発明のある実施形態において、装置は、「プラグアンドプレイ」ソリューションである。この実施形態は、機械のすべての必要とされる要素がすぐに使用される1つの全体的な部品で来るので、飼育機械の輸送、配送、及びセットアップのための簡単なソリューションを得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0048】
ある実施形態において、1つ又は複数の船舶用コンテナが、飼育機械に転用され、その飼育機械は、船で輸送することができて、プラグアンドプレイとして使用することができるように、システム全体が内部に取り付けられる。
【0049】
本発明は、昆虫を飼育するための方法である第2の態様にさらに関し、この方法は、
- ハウジングを昆虫及び栄養物で満たすステップと、
- 少なくとも1つのオーガを移動可能なビーム上で移動させながら回転させるステップと、
- ハウジングの底部を通してハウジングに空気を供給するステップと、
- 幼虫が所定のステージに成長するまでステップを続けるステップと、
- ハウジングの1つの側部、頂部、若しくは底部又は少なくとも1つのドアを部分的に又は完全に開くステップと、
- ハウジングを空にするステップと
を含む。
【0050】
本発明のこの態様は、本発明による方法が第1の態様の飼育機械を使用して実施されてもよいという点で、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0051】
さらにまた、本発明は、昆虫の大規模な飼育に最適である昆虫を飼育するための方法を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。この方法は、知られている飼育方法に対して非常に時間を節約できる方法を提供する。また、この方法は、その一部である卵及び昆虫を監督する非常に容易な方法を提供する。
【0052】
さらに、昆虫飼育方法は、より効率的で、経済的で、及び/又は信頼性のある方法を構成する。
【0053】
さらにまた、本発明は、昆虫を冷却し、昆虫に空気を提供し、ハウジングが空にされることになっているときにハウジングにおける塊の追加の乾燥を提供する空気供給システムを提供するという点で、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0054】
本発明の文脈において、「ステージ」は、昆虫のライフサイクルにおける任意の段階として理解されてもよい。
【0055】
本発明のある実施形態において、オーガは、常に回転している、又は、オーガは、連続的若しくは断続的に回転している、且つ、有孔床を通しての空気の流れは一定である、又は、空気の流入は連続的若しくは断続的である。
【0056】
本発明のある実施形態において、ハウジングが空にされたあと、幼虫は、栄養物及び任意の他の周囲の物質、たとえば、昆虫の糞粒から仕分される。実施形態は、成長した幼虫のみ、糞粒のみなどを含む仕分された部分を得るために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0057】
本発明のある実施形態において、空にすることは、以下の1つ又は複数によって実行される。
- ハウジングの可動床(140)の、若しくは、有孔床を横断するスクレーパを有するエンドレスベルトを有する固定床の、移動を開始することによってハウジングを空にする(S6)、又は、
- 吸込送風機によってハウジングを空にする、又は、
- ローダーによってハウジングを空にする、又は、
- ハウジングを傾けることによってハウジングを空にする。
【0058】
本発明のある実施形態において、ハウジングを空にすることは、ハウジングの底に位置付けられた横棒の距離に従い、ステップにおいて実行される。
【0059】
この実施形態は、家を容易に且つ制御された方法で空にするために、これに限定するものではないが、特に、有利である。家が空にされるとき、床の移動は、ハウジングから排出されている塊の量が、ハウジングの外で利用可能な機器及び/又は昆虫の排出された塊を取り扱うために利用可能な人の数に応じて、ハウジングの外で取り扱うことができる塊に基づくことを保証するように制御される。床の分割された区域に従ってハウジングを空にすることによって、床の区域により、一度にどれだけの塊が排出されるか、たとえば、一度に1つの区域、一度に2つの区域などの目安を提供されるので、ハウジングを空にすることを制御することは、さらに容易になる。
【0060】
本発明のある実施形態において、少なくとも1つのドアが開けられ、片側から空気を吹き込むことによって、有孔床の下の空間を空にして、清掃することができる。この実施形態は、非常に容易且つ迅速に完了する、機械の底部の清掃プロセスを可能にするという点で、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0061】
本発明のある実施形態において、卵をハウジング内にも配置し、栄養物を有する塊に直接卵を孵化させることができる、又は、卵は、装置の一部である個別のより小さいハウジング内に位置付けられ、そこで、卵を孵化させることができ、その後、新たに孵化した幼虫を有するより小さいハウジングは、装置のハウジングに出される。この実施形態は、卵の孵化及び幼虫の飼育/育成が可能であるソリューションを提供するために、これに限定するものではないが、特に、有利である。
【0062】
本発明の第1及び第2の態様はそれぞれ、他の態様のいずれかと組み合わされてもよい。本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実施形態から及び以下に記載される実施形態を参照して明らかであろう。
【0063】
図面の簡単な説明
ここで、本発明による昆虫を飼育するための装置及び方法が、添付図面に関してさらに詳細に記載される。図は、本発明を実施する1つの方法を示し、設定される添付の特許請求の範囲に含まれる他の可能な実施形態に限定するものとしては解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1a】昆虫を飼育するための箱形の装置を概略的に示す。
図1b】昆虫を飼育するための箱形の装置を概略的に示す。
図2a】昆虫を飼育するためのシリンダ形の装置を概略的に示す。
図2b】昆虫を飼育するためのシリンダ形の装置を概略的に示す。
図2c】昆虫を飼育するためのシリンダ形の装置を概略的に示す。
図3】昆虫を飼育するための、本発明による方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
実施形態の詳細説明
図1a及び1bは、本発明の1つの現在の好ましい実施形態による、昆虫を飼育するための箱形の装置100を概略的に示す。図1a及び1bは、昆虫、好ましくは、幼虫の飼育、及び/又は、昆虫卵の孵化のための装置100を示す。
【0066】
装置は以下のものを備える。
- 昆虫及び/又は昆虫卵並びに栄養物の塊を備えるように適合されたハウジング110。図に示されるハウジングは箱形であり、コンテナのように構築される。ハウジングは、4つの側部、底部、及び開放頂部を備える。本発明によって、頂部及び/又は底部は、閉じることができる及び/又は開くことができる。
- ハウジング110の上部に移動可能に取り付けられている少なくとも1つのビーム120。図は、ハウジングの上部に取り付けられた1つのビームを示すが、ハウジングのサイズに応じて、複数のビームも本発明に好適である。図1a及び1bのビーム120は、ハウジングの上部に取り付けられたサポートレール200によって、ハウジングの上部で(略)水平に移動可能である。さらに、ビーム120は、ハウジングの頂縁上で直接移動している可能性がある。さらに、ビームは、給餌及び/又は給水システム(図1に示されない)を備えることができる。
- ビーム120から吊り下げられた少なくとも1つの略垂直方向オーガ130であって、オーガは、回転可能であり、ハウジング110内の昆虫及び栄養物の塊を撹拌するように適合されている。図1a及び1bでは、2つのオーガ130がビーム上に位置付けられている。オーガは、ビーム120上で水平に移動可能である。さらに、オーガは、昆虫及び栄養物の塊を持ち上げる方向に回転する上昇オーガ130である。
- 有孔床140。図1a及び1bに示される有孔床は、円形穴で穿孔されている。穴は、任意の形状、及び、任意の好適なパターンとすることができる。穴は、エンボシング又は製造の類似した方法によって設けられてもよい。
- 有孔床140を通してハウジング110に空気流を提供する空気供給源150。有孔床は、好ましくは、エンドレスベルト若しくは同様のものとして構成される可動床である。また、図1aにおいて、床部140は、好ましくは横棒160を使用して、区域に分割される。
【0067】
図1a及び1bに示される装置は、少なくとも1つのセンサ170も備える。図において、2つのセンサ170が示され、ビーム120上に両方とも位置付けられている。センサは、ハウジング110内及び/又はハウジング110上のどこにでも、たとえば、ビーム120上、ハウジングの側部/底部/頂部、オーガ130上、又は、ハウジング内及び/又はハウジング上の任意の他の好適な位置に位置付けることができる。センサ170は、温度、湿度、pH値、及び/又は塊の高さのうちの少なくとも1つ又は複数の測定に適している。センサは好ましくは、図1a及び1bに示されるように、警報装置180に接続される。1つ又は複数の所定の閾値に達した場合又はその閾値を超えた場合、警報装置180は開始するように適合されている。
【0068】
さらにまた、図1a及び1bに示される装置100は、ハウジングを空にするために適合された開放頂部を有する。本発明の装置は、ハウジングの少なくとも1つの側部、頂部、又は底部を有し、それは、少なくとも1つのドアを備える、又は、ドア(図1に示されない)として働く。ドアは、ハウジングを空にするために適合された開口を提供するための、垂直に摺動可能なドア又はヒンジ(図1に示されない)を有するドアとすることができる。また、図1a及び1bに示される装置は、装置の特徴の移動を提供する駆動手段190を構成する。
【0069】
図2a、2b、及び2cは、本発明の別の現在の好ましい実施形態による、昆虫を飼育するためのシリンダ形の装置100を概略的に示す。
【0070】
図2に示される装置は、昆虫、好ましくは、幼虫の飼育、及び/又は、昆虫卵の孵化のための装置を示す。装置は以下のものを備える。
- 昆虫及び/又は昆虫卵並びに栄養物の塊を備えるように適合されたハウジング110。図2a、2b、及び2cに示されるハウジングはシリンダ形であり、サイロとして構築される。ハウジングは、円形側壁、底部、及び開放頂部を備える。本発明の中で、頂部及び/又は底部は、閉じることができる及び/又は開くことができる。
- ハウジングの上部に及び/又は中央に移動可能に取り付けられていた少なくとも1つのビーム120。図2a、2b、及び2cは、ハウジングの(略)中央に取り付けられた1つのビーム120を示す。ビームは、作業領域(塊下部)の上にまたがるように、側方支持体上で貫通するように立てられて移動可能とすることができる、又は、ハウジングの頂部を部分的にのみまたいでいて、回転可能に移動可能である。図2a、2b、及び2cのビーム120は、ハウジングの上部に取り付けられたサポートレール200によって、ハウジング110の上部で移動可能である。また、ビームは、ハウジングの頂縁上で直接移動している可能性がある。さらに、ビームは、給餌及び/又は給水システム(図2a、2b、及び2cに示されない)を備えることができる。
- ビーム120から吊り下げられた少なくとも1つの略垂直方向オーガ130であって、オーガは、回転可能であり、ハウジング110内の昆虫及び栄養物の塊を撹拌するように適合されている。図2aでは、1つのオーガ130がビーム上に位置付けられている。図2b及び2cでは、2つのオーガ130がビーム上に位置付けられている。オーガは、ビーム上で水平に移動可能である。さらに、オーガは、昆虫及び栄養物の塊を持ち上げる方向に回転する上昇オーガ130である。
- 有孔床140。図2a、2b、及び2cに示される有孔床は、円形穴で穿孔されている。穴は、任意の形状、及び、任意の好適なパターンである可能性がある。
- 有孔床140を通してハウジング110に空気流を提供する空気供給源150。
【0071】
図3は、(図1a、1b、2a、2b、及び2cに示される)装置100で昆虫を飼育するための本発明による方法のフローチャートを示す。方法は、以下のステップを含む。
S1 ハウジング110を昆虫及び栄養物で満たすステップ。
S2 移動可能なビーム(120)上で移動可能である少なくとも1つのオーガ130を回転させるステップ。
S3 ハウジングの底部から、好ましくは床部140を通して、ハウジングに空気を供給するステップ。
S4 幼虫が所定のステージに成長するまで、ステップS2~S3を続けるステップ。
S5 ハウジングの1つの側部、頂部、若しくは底部、又は、少なくとも1つのドアを部分的に又は完全に開けるステップ。
S6 ハウジング110を空にするステップ。
【0072】
本発明による上記の方法は、この順序で、又は、別の順序で実行されてもよく、場合によっては、1つ又は複数のステップは、当業者が容易に理解するように、組み合わされてもよい。
【0073】
さらにまた、オーガ130は常に回転している、又は、連続的に若しくは断続的に回転している、及び、空気の供給は一定である、又は、空気の流入は連続的若しくは断続的である。
【0074】
また、ハウジング110が空にされたあと、幼虫は好ましくは、栄養物及び任意の他の周囲の物質、たとえば、昆虫の糞粒から仕分される。
【0075】
本発明は特定の実施形態に関して記載されたが、それは、いかなる意味においても、示された例に限定されると解釈すべきではない。本発明の範囲は、設定される添付の特許請求の範囲によって説明される。特許請求の範囲の文脈において、用語「備える(comprising)」又は「備える(comprises)」は、他の可能な要素又はステップを排除しない。また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」などの基準に言及することは、複数を排除するものとして解釈すべきではない。また、図に示される要素に対する特許請求の範囲における参照符号の使用は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されない。さらにまた、異なる請求項で言及される個々の特徴は、場合によっては、有利に組み合わされてもよく、異なる請求項のこれらの特徴に言及することは、特徴の組合せが可能且つ有利ではないことを除外しない。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昆虫、好ましくは、幼虫を飼育するための、及び/又は、昆虫卵を孵化させるための装置(100)であって、
- 昆虫及び/又は昆虫卵、栄養物、及び増量剤の塊を備えるように適合されたハウジング(110)と、
- 前記ハウジングの上部及び/又は略中央に移動可能に取り付けられている少なくとも1つのビーム(120)と、
- 前記ビームから吊り下げられた少なくとも1つの略垂直方向オーガ(130)であって、回転可能であり、前記ハウジング内の前記昆虫及び栄養物の塊を撹拌するように適合されたオーガ(130)と、
- 有孔床(140)と、
- 前記有孔床を通して前記ハウジングに空気流を提供する空気供給源(150)と
を備える、
装置(100)。
【請求項2】
前記装置が、温度、湿度、pH値、及び/又は前記塊の高さのうちの少なくとも1つ又は複数の測定のための、少なくとも1つのセンサ(170)を備え、好ましくは、複数のセンサが、前記ハウジング(110)内及び/又は前記ハウジング(110)上に設けられる、
請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサ(170)が警報装置(180)に接続され、1つ又は複数の所定の閾値に達した場合又は前記閾値を超えた場合、前記警報装置が開始するように適合される、
請求項2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのビーム(120)が、前記ハウジング(110)の前記上部の上で、前記ハウジングの頂縁の上での直接の移動、又は、前記ハウジングの前記上部の上に及び/又は中に取り付けられた支持レール(200)のいずれかによって、略水平に移動可能である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記ビーム(120)が、給餌及び/又は給水システムを備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのオーガ(130)が、前記ビーム(120)上で略水平に移動可能である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのオーガ(130)が、前記昆虫及び栄養物の塊を持ち上げる方向に回転する上昇オーガである、
請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記装置が、1つ又は複数のビーム(120)上に取り付けられた複数のオーガ(130)を備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記有孔床(140)が、好ましくは、エンドレスベルト若しくは同様のものを備える可動床である、又は、
前記床が、空にするために前記床部を移動することが可能なスクレーパを有するエンドレスベルトと固定される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
前記ハウジングの少なくとも1つの側部、頂部、又は底部が、前記ハウジング(110)を空にするために適合された開口を提供するために、垂直に摺動可能なドアなどの少なくとも1つのドアとして働く、又は、ヒンジを有するドアなどの少なくとも1つのドアが設けられる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記頂部及び/又は底部が、閉じている及び/又は開いている、
請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項12】
前記ハウジング(110)が、少なくとも4つの側部を備える箱形状を有し、
前記頂部及び/又は底部が、閉じている及び/又は開いている、
請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項13】
昆虫を飼育するための方法であって、
- ハウジング(110)を昆虫及び栄養物で満たすステップ(S1)と、
- 少なくとも1つのオーガ(130)を回転させることによって、前記ハウジング内の前記昆虫及び栄養物を撹拌し、移動可能なビーム(120)上の前記少なくとも1つのオーガを移動させる且つ前記ハウジング(110)の前記ビーム(120)を移動させるステップ(S2)と、
- 前記ハウジングの底部から前記ハウジングに空気(150)を供給するステップ(S3)と、
- 前記昆虫が所定のステージに成長するまで、前記少なくとも1つのオーガ(130)及び前記ビーム(120)を回転及び移動させること(S2、S3)によって、前記撹拌するステップを続けるステップ(S4)と、
- 前記ハウジングの1つの側部、頂部、若しくは底部又は少なくとも1つのドアを部分的に又は完全に開けるステップ(S5)と、
- 前記ハウジングを空にするステップ(S6)と
を含む、
方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのオーガ(130)が常に回転している、又は、
前記オーガが連続的に若しくは断続的に回転している、及び、
前記空気の供給が一定である、又は、
前記空気の流入が連続的若しくは断続的である、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ハウジング(110)が空にされたあと、幼虫が、前記栄養物及び任意の他の周囲の物質、たとえば、昆虫の糞粒から仕分される、
請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記空にすることが、
- 前記ハウジングの可動床(140)の、若しくは、有孔床を横断するスクレーパを有するエンドレスベルトを有する固定床の、移動を開始することによって前記ハウジングを空にする(S6)、又は、
- 吸込送風機によって前記ハウジングを空にする、又は、
- ローダーによって前記ハウジングを空にする、又は、
- 前記ハウジングを傾けることによって前記ハウジングを空にする、
請求項13又は14に記載の方法。
【国際調査報告】