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特表2024-502118データ伝送方法、装置、電子機器、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】データ伝送方法、装置、電子機器、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/2441 20220101AFI20240110BHJP
   H04L 47/28 20220101ALI20240110BHJP
【FI】
H04L47/2441
H04L47/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541028
(86)(22)【出願日】2022-01-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022074958
(87)【国際公開番号】W WO2022193860
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202110276013.1
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】李宗輝
(72)【発明者】
【氏名】喩敬海
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA14
5K030HA08
5K030JA11
5K030LC01
5K030MA04
5K030MB06
(57)【要約】
データ伝送方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供する。データ伝送方法は、現在時間情報を取得するステップ(S1100)と、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するステップ(S1200)と、前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップ(S1300)と、前記伝送制御ポリシーに従って時間に敏感なネットワークにおけるトラフィックフローの伝送を制御するステップ(S1400)と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時間情報を取得するステップと、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するステップと、
前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップと、
前記伝送制御ポリシーに従って時間に敏感なネットワークにおけるトラフィックフローの伝送を制御するステップと、を含む、データ伝送方法。
【請求項2】
前記現在送信すべきトラフィックフローは、時間に敏感でないトラフィックフローであり、前記メッセージ属性情報は、メッセージ長を含み、
前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成する前記ステップは、
前記現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップと、
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成する前記ステップは、
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分であるか否かを判断するステップと、
十分である場合、現在送信すべきトラフィックフローを送信するステップと、を含み、
前記残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分でなくなるまで、現在時間情報を再度取得するステップと、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を再度取得するステップと、
前記現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップと、
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分であるか否かを判断するステップと、
十分である場合、現在送信すべきトラフィックフローを送信するステップと、を繰り返す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長を算出する前記ステップは、
前記現在時間情報、次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間、伝送制約パラメータ、及び第1計算式に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップを含み、
前記第1計算式は、
残時間送信可能なメッセージ長=次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間と現在時間情報との差に対応する送信可能なメッセージ長-伝送制約パラメータを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記伝送制約パラメータは、インターパケットギャップ(IPG:Interpacket Gap)、スタートmパケットデリミタ(SMD:Start mPacket Delimiter)、プリアンブル、及びフラグメントカウント(FRAG_COUNT)を含む場合、
前記第1計算式は、
残時間送信可能なメッセージ長=次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間と現在時間情報との差に対応する送信可能なメッセージ長-IPG-SMD-プリアンブル長-FRAG_COUNTを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長を算出する前記ステップの前に、
スケジューリングテーブルを問い合わせて、次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間を取得するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成する前記ステップは、
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分であるか否かを判断するステップと、
前記残時間送信可能なメッセージ長が、現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分でない場合、前記残時間送信可能なメッセージ長、前記メッセージ長、プリエンプション制約パラメータに基づいて、プリエンプション制御ポリシーを生成するステップと、を含む、請求項2、3、5、又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記プリエンプション制約パラメータは、最小伝送フレーム長と、トランケート可能なメッセージ最小フレーム長と、を含み、
前記プリエンプション制御ポリシーは、
前記メッセージ長が、前記トランケート可能なメッセージ最小フレーム長を満たさない場合、前記残時間送信可能なメッセージ長を使い果たすステップと、
前記残時間送信可能なメッセージ長が、前記最小伝送フレーム長を満たさない場合、前記残時間送信可能なメッセージ長を使い果たすステップと、
前記メッセージ長が、トランケート可能なメッセージ最小フレーム長を満たし、前記残時間送信可能なメッセージ長が最小伝送フレーム長を満たす場合、前記現在送信すべきトラフィックフローを送信し、前記残時間送信可能なメッセージ長における予め設定された位置でプリエンプション命令を開始させ、前記現在送信すべきトラフィックフローの送信を停止するステップと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プリエンプション制約パラメータは、プリエンプションCRCチェックフィールド長をさらに含み、
前記メッセージ長と前記プリエンプションCRCチェックフィールド長との合計が、前記残時間送信可能なメッセージ長と前記最小伝送フレーム長との合計以上である場合、前記予め設定された位置は、前記残時間送信可能なメッセージ長と前記プリエンプションCRCチェックフィールド長との差であり、この場合、前記残時間送信可能なメッセージ長における予め設定された位置でプリエンプション命令を開始させる前記ステップは、
前記残時間送信可能なメッセージ長からプリエンプションCRCチェックフィールド長を減算したメッセージを送信した後にプリエンプション命令を開始させるステップを含み、
前記メッセージ長と前記プリエンプションCRCチェックフィールド長との合計が、前記残時間送信可能なメッセージ長と前記最小伝送フレーム長との合計よりも小さい場合、前記予め設定された位置は、前記メッセージ長と前記最小伝送フレーム長との差であり、この場合、前記残時間送信可能なメッセージ長における予め設定された位置でプリエンプション命令を開始させる前記ステップは、
前記メッセージ長から前記最小伝送フレーム長を減算した後にプリエンプション命令を開始させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記現在送信すべきトラフィックフローは、時間に敏感なトラフィックフローであり、
前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成する前記ステップは、
前記現在時間情報及びスケジューリングテーブルに基づいて、予め伝送された時間に敏感なトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するステップであって、前記スケジューリングテーブルは、前記現在時間情報と予め伝送された時間に敏感なトラフィックフローのメッセージ属性情報との対応関係を含むステップと、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報と、予め伝送された時間に敏感なトラフィックフローのメッセージ属性情報とが一致するか否かを判断するステップと、
一致する場合、現在送信すべきトラフィックフローを送信し、一致しない場合、時間に敏感でないトラフィックフローを送信するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
時間に敏感でないトラフィックフローを送信する前記ステップは、
前記時間に敏感でないトラフィックフローの優先度に応じて、優先度の高い前記時間に敏感でないトラフィックフローを優先的に送信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記メッセージ属性情報は、トラフィックフローID情報を含む、又は、前記メッセージ属性情報は、トラフィックフローID情報とメッセージ長を含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
現在時間情報を取得するように構成された時間取得モジュールと、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するように構成されたメッセージ属性取得モジュールと、
前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するように構成されたポリシー生成モジュールと、
前記伝送制御ポリシーに従って時間に敏感なネットワークにおけるトラフィックフローの伝送を制御するように構成された伝送モジュールと、を含む、データ伝送装置。
【請求項14】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~12のいずれか1項に記載のデータ伝送方法を実現する、電子機器。
【請求項15】
コンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、請求項1~12のいずれか1項に記載のデータ伝送方法を実行する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202110276013.1、出願日が2021年3月15日の中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を主張しており、当該中国特許出願の全ての内容はここで参考として本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、通信技術の分野に関し、特に、データ伝送方法、装置、電子機器、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
時間に敏感なネットワーク(TSN:Time-Sensitive Networking)は、電気電子技術者協会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.1のTSNチームによって開発された規格である。この規格は、主にイーサネットにおける時間に敏感な伝送のメカニズムを定義し、TSN技術は、伝送の確実性遅延、低遅延及び高可用性を特に重要視している。
【0004】
時間に敏感なトラフィックフロー(例えばTT(Time-triggered、時間トリガ)トラフィックフロー)の伝送のリアルタイム性及び確実性を確保するために、通常、伝送制御ポリシー(例えば帯域幅リソース予約ポリシー)を採用してトラフィックデータを制御するが、関連する技術案では、伝送制御ポリシーは帯域幅の浪費を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【0005】
以下は、本明細書において詳細に説明されている主題の概要である。本概要は、特許請求の範囲の特許範囲を限定するものではない。
【0006】
本願の実施例は、データ伝送方法、装置、電子機器、及び記憶媒体を提供する。
【0007】
第1態様では、本願は、
現在時間情報を取得するステップと、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するステップと、
前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップと、
前記伝送制御ポリシーに従って時間に敏感なネットワークにおけるトラフィックフローの伝送を制御するステップと、を含むデータ伝送方法を提供する。
【0008】
第2態様では、本願は、さらに、
現在時間情報を取得するように構成された時間取得モジュールと、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するように構成されたメッセージ属性取得モジュールと、
前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するように構成されたポリシー生成モジュールと、
前記伝送制御ポリシーに従って時間に敏感なネットワークにおけるトラフィックフローの伝送を制御するように構成された伝送モジュールと、を含む、データ伝送装置を提供する。
【0009】
第3態様では、本願は、さらに、
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含む電子機器であって、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、第1態様に記載のデータ伝送方法を実現する電子機器を提供する。
【0010】
第4態様では、本願は、さらに、
コンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、第1態様に記載のデータ伝送方法を実行する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
本願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に、実施例又は関連する技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本願の実施例のいくつかの実施例にすぎず、当業者が創造的な努力を必要とせずにこれらの図面から他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】TSNネットワークのトラフィックフローの矛盾タイミング原理の概略図である。
図2】TSNネットワークのガードバンドポリシーの場合のタイミング原理の概略図である。
図3】TSNネットワークのフレームプリエンプションポリシーの場合のタイミング原理の概略図である。
図4】本願のデータ伝送方法を実行するためのソフトウェアシステムアーキテクチャの概略図である。
図5】本願の一実施例によるデータ伝送方法の流れ概略図である。
図6】本願の他の実施例によるデータ伝送方法の流れ概略図である。
図7】本願の他の実施例によるデータ伝送方法の流れ概略図である。
図8】本願の他の実施例によるデータ伝送方法の流れ概略図である。
図9】本願の一実施例における、残時間伝送ポリシー及び最適化プリエンプション伝送ポリシーの場合のタイミング原理の概略図である。
図10】本願の他の実施例によるデータ伝送方法の流れ概略図である。
図11】本願の他の実施例によるデータ伝送方法の流れ概略図である。
図12】本願の一実施例によるデータ伝送装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、特定のシステム構成、技術などの特定の詳細が、本願の実施例を完全に理解するために、限定のためではなく説明のために提供される。しかしながら、本願の実施例は、これらの具体的な詳細を有しない他の実施例においても実施され得ることを当業者は理解する。他の場合には、不必要な詳細が本願の実施例の説明を妨げないように、周知のシステム、装置、回路、及び方法の詳細な説明を省略する。
【0013】
なお、論理的順序はフローチャートに示されているが、示された又は説明されたステップは、場合によっては、フローチャートに示された順序とは異なる順序で実行されてもよい。明細書及び特許請求の範囲、並びに前述の図面における「第1」、「第2」等の用語は、特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために使用される。
【0014】
また、本願の実施例の明細書に記載された「一実施例」又は「いくつかの実施例」などの参照は、本願の実施例の1つ又は複数の実施例に、その実施例に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性を含むことを意味することが理解されるべきである。したがって、本明細書の異なる箇所に現れる「一実施例では」、「いくつかの実施例では」、「他のいくつかの実施例では」、「別のいくつかの実施例では」などの文は、他の方法で特に強調されない限り、必ずしもすべてが同じ実施例を参照するのではなく、「1つ又は複数の実施例であるが、すべてではない」ことを意味する。用語「含む」、「含有する」、「有する」、及びそれらの変形は、別段の方法で特に強調されない限り、「含むが、これに限定されない」を意味する。
【0015】
時間に敏感なネットワークTSN(Time-Sensitive Networking)は、応用の将来性が期待できる。TSNは、データ(例えば産業用制御データ)の機器(例えばスイッチ)での正確な送信時点をスケジューリングするための時間トリガ伝送メカニズムを導入する。リアルタイムトラフィックフローは、正確な時点で伝送されるため、時間に敏感なトラフィックフローと呼ばれ、非リアルタイムトラフィックフローは、時間に敏感なトラフィックフローのギャップで伝送されるため、時間に敏感でないトラフィックフローと呼ばれる。
【0016】
時間に敏感なトラフィックフローの伝送のリアルタイム性及び確実性を確保するために、通常、伝送制御ポリシーを採用してトラフィックデータを制御するが、関連する技術案では、伝送制御ポリシーは、帯域幅の浪費を引き起こしやすく、例えば、以下の3つの場合がある。
【0017】
【0018】
【数1】
【0019】
【0020】
【0021】
(3)関連する技術案におけるプリエンプションポリシー(Preemption)は追加の遅延ジッタを導入し、時間に敏感なトラフィックフローの確定性を損なう。図3に示すように、時間に敏感なトラフィックフローが時間に敏感でないトラフィックフローと矛盾する場合、まず、時間に敏感なトラフィックフローは送信時刻に時間に敏感でないトラフィックフローのメッセージをトランケートし、その後、トランケートされたメッセージに4バイトのCRCチェックコードを充填して時間に敏感でないトラフィックフローの送信を完了し、次に、時間に敏感なトラフィックフローの伝送が開始され、最後に、時間に敏感なトラフィックフローの送信が完了すると(oi+wi)、時間に敏感でないトラフィックフローのうちトランケートされた残りメッセージが送信される。プリエンプションごとに4バイトの遅延ジッタJitterが導入される。その上、プリエンプションポリシーでは、トランケートされたメッセージが1つの正当なイーサネットフレームであることを確保するために、トランケートされた2つの部分のメッセージ長はすべてイーサネットの最小フレーム長である64ワードを下回ってはならず、したがって、トランケート可能なイーサネットメッセージの最小フレーム長は60+64=124バイトである。したがって、メッセージ長が124バイト未満である場合、この時点で導入されるジッタの最悪のシナリオは、時間に敏感でないトラフィックフロー全体のメッセージ長である。また、メッセージはトランケートされるので、本来の1つのメッセージが2つのメッセージに分割されて送信されるため、追加的に伝送する必要があるデータは、充填されたCRCチェックコード(4バイト)+インターパケットギャップ(IPG:Interpacket Gap)(12バイト)+プリアンブル(6バイト)+スタートmパケットデリミタ(SMD:Start mPacket Delimiter)(1バイト)+フラグメントカウント(FRAG_COUNT)(1バイト)の合計24バイトであり、これらはフレームプリエンプションポリシーによって引き起こされる帯域幅損失である。
【0022】
これに基づいて、本願の実施例はデータ伝送方法、装置、電子機器、及び記憶媒体を提供する。本願の実施例は、現在時間情報及び現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成してトラフィックフローの伝送を制御することによって、時間に敏感なトラフィックフローの伝送のリアルタイム性及び確実性を損なうことなく、帯域利用率を効果的に向上させる。時間に敏感なトラフィックフローの伝送のリアルタイム性及び確実性を損なうことなく、帯域利用率を効果的に向上させることができる。
【0023】
本願の一実施例によるデータ伝送方法は、1つ又は複数の処理ユニットを含むことができるプロセッサにおいて実行することができる。各処理ユニットは、独立したデバイスであってもよいし、1つ以上のデバイスに統合されていてもよい。
【0024】
以下、図面を参照して、本願の実施例についてさらに説明する。
【0025】
【0026】
ここで、ゲート制御ユニット100は、スケジューリングテーブルを解析し、スケジューリングテーブル出力命令に従って各キュースイッチ400の状態を制御して、メッセージキュー内のトラフィックフローの伝送を制御するものである。スケジューリングテーブルは、ローカルに記憶されたスケジューリングテーブルであってもよいし、リモートで取得されたスケジューリングテーブルであってもよいが、本願はこれを限定しない。ゲート制御ユニット100の出力端子は、各キュースイッチ400の入力端子にそれぞれ接続され、各キュースイッチ400の状態を制御する命令を出力する。いくつかの実施例では、ゲート制御ユニット100の出力端子は、出力選択ユニット500の入力端子に接続され、出力選択ユニット500にスケジューリングテーブル情報を供給し、これにより、出力選択ユニット500はスケジューリングテーブル情報に基づいて伝送制御ポリシーを生成する。例えば、ゲート制御ユニット100は、実行されようとするスケジューリングエントリの実行開始時間を出力選択ユニット500に供給し、これにより、出力選択ユニット500は、実行されようとするスケジューリングエントリの実行開始時間に応じて、残時間伝送ポリシー及び/又は最適化プリエンプション制御ポリシーを生成する。他のいくつかの実施例では、ゲート制御ユニット100の入力端子は、時間に敏感なトラフィックフローキュー200の出力端子に接続され、時間に敏感なトラフィックフローキュー200からの、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を受信し、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報及びスケジューリングテーブル情報に基づいて伝送制御ポリシーを生成する。例えば、ゲート制御ユニット100は、時間に敏感なトラフィックフローキュー200からの、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を受信し、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報と、予め伝送された時間に敏感なトラフィックフローのメッセージ属性情報とが一致するか否かを判断し、予約帯域幅再利用ポリシーを生成する。
【0027】
時間に敏感なトラフィックフローキュー200は、時間に敏感なトラフィックフローをキャッシュするためのものである。時間に敏感なトラフィックフローキュー200は複数存在してもよく、複数の時間に敏感なトラフィックフローキュー200は、図4に示すように、m個のTTトラフィックフローキューの優先度が優先度1から優先度mまでであるなど、異なる優先度を設定することができる。時間に敏感なトラフィックフローキュー200において、キューヘッダーに位置する時間に敏感なトラフィックフローは、優先的に送信されるキューヘッダーメッセージである。いくつかの実施例では、時間に敏感なトラフィックフローキュー200のそれぞれの出力端子はキュースイッチ400(制御ゲート)を介して出力選択ユニット500に接続され、時間に敏感なトラフィックフローをキュースイッチ400及び出力選択ユニット500を介して送信する。いくつかの実施例では、時間に敏感なトラフィックフローキュー200のそれぞれの出力端子はゲート制御ユニット100の入力端子に接続され、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報をゲート制御ユニット100に供給し、これにより、ゲート制御ユニット100は、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報及びスケジューリングテーブル情報に基づいて伝送制御ポリシーを生成する。例えば、時間に敏感なトラフィックフローキュー200は、現在送信すべきトラフィックフローのID情報を供給し、これにより、ゲート制御ユニット100は、現在送信すべきトラフィックフローのID情報と予め伝送された時間に敏感なトラフィックフローのID情報とが一致するか否かを判断し、予約帯域幅再利用ポリシーを生成する。
【0028】
時間に敏感でないトラフィックフローキュー300は、時間に敏感でないトラフィックフローをキャッシュするためのものである。時間に敏感でないトラフィックフローキュー300は複数存在してもよく、複数の時間に敏感でないトラフィックフローキュー300は、図4に示すように、n個のTTトラフィックフローキューの優先度が優先度m+1から優先度m+nまでであるなど、異なる優先度を設定することができる。時間に敏感でないトラフィックフローキュー300において、キューヘッダーに位置する時間に敏感でないトラフィックフローは、優先的に送信されるキューヘッダーメッセージである。いくつかの実施例では、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300のそれぞれの出力端子は、キュースイッチ400(制御ゲート)を介して出力選択ユニット500に接続され、時間に敏感でないトラフィックフローをキュースイッチ400及び出力選択ユニット500を介して送信する。いくつかの実施例では、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300のそれぞれの出力端子は、出力選択ユニット500の入力端子に接続され、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を出力選択ユニット500に供給し、これにより、出力選択ユニット500は、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報及びスケジューリングテーブル情報に基づいて伝送制御ポリシーを生成する。例えば、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300は、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ長を出力選択ユニット500に供給し、これにより、出力選択ユニット500は、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ長及び実行されようとするスケジューリングエントリの実行開始時間に基づいて、残時間伝送ポリシー及び/又は最適化プリエンプション制御ポリシーを生成する。
【0029】
キュースイッチ400は制御ゲートとも呼ばれ、その数はトラフィックフローキューの数に一致し、各キュースイッチ400は、トラフィックフローキューと出力選択ユニット500との間に接続される。キュースイッチ400の制御入力端子は、ゲート制御ユニット100の出力端子に接続され、ゲート制御ユニット100の命令に応じてスイッチ状態を切り替えることにより、対応するトラフィックフローキューの現在送信すべきトラフィックフローを送信するか否かを制御する。ここで、トラフィックフローキューは、時間に敏感なトラフィックフローキュー200であってもよいし、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300であってもよい。
【0030】
出力選択ユニットの入力端子は、各キューの出力端子に接続され、出力選択ユニット500は、トラフィックフローの送信を制御するために使用される。ここで、トラフィックフローは、時間に敏感なトラフィックフローであってもよいし、時間に敏感でないトラフィックフローでもよい。いくつかの実施例では、出力選択ユニット500の入力端子は、ゲート制御ユニット100の出力端子に接続され、ゲート制御ユニット100からのスケジューリングテーブル情報を取得する。出力選択ユニット500の他方の入力端子は、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300の出力端子に接続され、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300からの、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ長を取得する。出力選択ユニット500は、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ長及び実行されようとするスケジューリングエントリの実行開始時間に基づいて、残時間伝送ポリシー及び/又は最適化プリエンプション制御ポリシーを生成してもよい。
【0031】
本願の実施例に記載されたシステムアーキテクチャ及び応用シナリオは、本願の実施例の技術案をより明確に説明するためのものであり、本願の実施例による技術案に対する限定ではなく、システムアーキテクチャの進化及び新たな応用シナリオの出現に伴い、本願の実施例による技術案は類似の技術的課題に対しても同様に適用されることが当業者には分かる。
【0032】
当業者であれば、図4に示すシステムアーキテクチャは、本願の実施例の限定を構成するものではなく、図示よりも多く又は少ない構成要素を含んだり、いくつかの構成要素を組み合わせたり、異なる構成要素の配置を取ったりしてもよいことを理解できる。
【0033】
図4に示すシステムアーキテクチャでは、様々な構成要素は、それぞれに記憶されているデータ伝送プログラムを呼び出して、データ伝送方法を実行することができる。
【0034】
上記のシステムアーキテクチャに基づいて、本願の実施例に係るデータ伝送方法の各実施例が提案される。なお、以下の様々な実施例では、時間に敏感なトラフィックフローは、TT(Time-Triggered、時間トリガ)トラフィックフローなどであってもよい。時間に敏感でないトラフィックフローは、BE(Best-Effort、ベストエフォート)トラフィックフローやRC(Rate-Constrained、レート制約)トラフィックフローなどであってもよい。以下の実施例は、時間に敏感なトラフィックフローがTTトラフィックフローであり、時間に敏感でないトラフィックフローがBEトラフィックフローである場合を例として説明する。
【0035】
図5に示すように、本願の実施例は、データ伝送方法を提供し、データ伝送方法は、
現在時間情報を取得するステップS1100と、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するステップS1200と、
現在時間情報及びメッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップS1300と、
伝送制御ポリシーに従って時間に敏感なネットワークにおけるトラフィックフローの伝送を制御するステップS1400と、を含む。
【0036】
いくつかの実施例では、現在の時間に敏感なトラフィックフローの伝送と時間に敏感でないトラフィックフローの伝送とのハイブリッド伝送の帯域幅の浪費及び遅延ジッタの問題を解決するために、本願の実施例は、現在時間情報及び現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を組み合わせることによって、TSN向けの予測ハイブリッド伝送制御ポリシーを提供する。予測ハイブリッド伝送制御ポリシー(伝送制御ポリシー)には、予約帯域幅再利用ポリシー、残時間伝送ポリシー、及び最適化プリエンプション制御ポリシーのうちの1つ又は複数のポリシーが含まれるが、これらに限定されない。以下の実施例で説明をする。
【0037】
いくつかの実施例では、現在送信すべきトラフィックフローは、時間に敏感なトラフィックフローであってもよいし、時間に敏感でないトラフィックフローであってもよい。その中で、時間に敏感なトラフィックフローはTT(Time-Triggered、時間トリガ)トラフィックフローなどであってもよく、時間に敏感でないトラフィックフローは、BE(Best-Effort、ベストエフォート)トラフィックフローやRC(Rate-Constrained、レート制約)トラフィックフローなどであってもよい。メッセージ属性情報には、トラフィックフローのメッセージのトラフィックフローID情報、メッセージ長などの1つ又は複数が含まれていてもよい。
【0038】
本願の実施例は、現在時間情報及び現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成してトラフィックフローの伝送を制御することによって、時間に敏感なトラフィックフローの伝送のリアルタイム性及び確実性を損なうことなく、帯域利用率を効果的に向上させる。時間に敏感なトラフィックフローの伝送のリアルタイム性及び確実性を損なうことなく、帯域利用率を効果的に向上させることができる。
【0039】
いくつかの実施例では、現在送信すべきトラフィックフローは、時間に敏感でないトラフィックフローであり、メッセージ属性情報は、メッセージ長を含む。
【0040】
図6に示すように、いくつかの実施例では、現在時間情報及びメッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップS1300は、
現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップS1310と、
残時間送信可能なメッセージ長及びメッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップS1320と、を含む。
【0041】
【0042】
いくつかの実施例では、ステップS1320において、残時間送信可能なメッセージ長Δt及びメッセージ長BE.lengthに基づいて伝送制御ポリシーを生成してもよい。例えば、残時間送信可能なメッセージ長Δtとメッセージ長BE.lengthのサイズとを比較して、残時間送信可能なメッセージ長Δtが現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分であるかどうかを判定することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、ステップS1100~S1400は、図4に示すソフトウェアシステムアーキテクチャの出力選択ユニットにおいて実行されてもよい。
【0044】
図7に示すように、いくつかの実施例では、現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて残時間送信可能なメッセージ長を算出する前に、
スケジューリングテーブルを問い合わせて、次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間を取得するステップS1330をさらに含む。
【0045】
いくつかの実施例では、次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間oiは、スケジューリングテーブルを問い合わせることによって取得されてもよい。例えば、ステップS1100~ステップS1400は、図4に示すソフトウェアシステムアーキテクチャの出力選択ユニットにおいて実行されてもよい。出力選択ユニットは、ゲート制御ユニットと通信接続することによってゲート制御ユニットのスケジューリングテーブル情報を取得し、それによって、次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間oiを取得することができる。
【0046】
図8及び図9に示すように、いくつかの実施例では、残時間送信可能なメッセージ長及びメッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップS1320は、
残時間送信可能なメッセージ長及びメッセージ長に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローBEn-1を送信するのに十分であるか否かを判断し、十分である場合、ステップS1322を実行し、十分でない場合、ステップS1323を実行するステップS1321と、
現在送信すべきトラフィックフローBEn-1を送信するステップS1322と、を含み、
残時間送信可能なメッセージ長が、現在送信すべきトラフィックフローBENを送信するのに十分でなくなるまで、
現在時間情報を再度取得するステップS1100と、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を再度取得するステップS1200と、
現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップS1310と、
残時間送信可能なメッセージ長及びメッセージ長に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長が、現在送信すべきトラフィックフローBEを送信するのに十分であるか否かを判断し、十分である場合、ステップS1322を実行し、十分でない場合、ステップS1323を実行するステップS1320と、
現在送信すべきトラフィックフローBEnを送信し、ステップS1100~ステップS1320を繰り返して実行するステップS1322と、
残時間送信可能なメッセージ長を使い果たすのを待つステップS1323と、を繰り返す。例えば、プリエンプション命令を送信して、残時間送信可能なメッセージ長を使い果たしてから、次の時間に敏感なトラフィックフローを送信してもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、伝送制御ポリシーは、残時間伝送ポリシーである。
【0048】
【0049】
したがって、TTトラフィックフローのギャップが予測可能であることを基にして、本願の実施例で設計された残時間伝送ポリシーは以下の通りである。
【0050】
【0051】
【0052】
ステップ1-3:ステップS1322を実行し、すなわち、BEトラフィックフローキューのキューヘッダーメッセージBEn-1を送信する。
【0053】
ステップ1-4:ステップS1310を実行し、すなわち、残時間送信可能なメッセージ長Δtn=Δtn-1-BEn-1.lengthを更新し、ステップ1-2を実行する。
【0054】
ステップ1-5:ステップS1323を実行し、すなわち、残時間送信可能なメッセージ長を使い果たすと、スケジューリングテーブルのi番目のエントリをi=i+1として実行し始め、ステップ1-1に戻る。例えば、プリエンプション命令を送信して、残時間送信可能なメッセージ長を使い果たしてから、次の時間に敏感なトラフィックフローを送信してもよい。
【0055】
残時間伝送ポリシーは、残時間が完全なBEメッセージを送信するのに不十分になるまで、TTトラフィックフローのギャップでできるだけ多くBEトラフィックフローを送信するようにする。
【0056】
残時間伝送ポリシーは反復的に使用可能な残時間を使用しており、802.1Qbvで提案されたガードバンドポリシーと比較して、TTトラフィックフロー間のギャップを、残時間が現在のBEトラフィックフローを送信するのに十分でないまで反復して使用することができる。このポリシーの核心的な改善点は、ガードバンドポリシーのようにガードバンドの固定長として最大メッセージ長を選択するのではなく、残時間を利用してBEトラフィックフローのメッセージ長に適合することである。
【0057】
いくつかの実施例では、現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップS1310は、
現在時間情報、次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間、伝送制約パラメータ、及び第1計算式に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップS1311であって、第1計算式は、
残時間送信可能なメッセージ長=次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間と現在時間情報との差に対応する送信可能なメッセージ長-伝送制約パラメータを含むステップS1311を含む。
【0058】
いくつかの実施例では、IPG、SMD、プリアンブル、及びFRAG_COUNTなど、イーサネットメッセージの伝送を満たすための伝送制約パラメータを考慮する必要があり、すなわち、前述の残時間送信可能なメッセージ長から伝送制約パラメータを減算するものは、BEトラフィックフローの伝送のために実際に利用可能な送信時間長である。
【0059】
いくつかの実施例では、伝送制約パラメータは、IPG、SMD、プリアンブル、及びFRAG_COUNTを含み、この場合、第1計算式は、
残時間送信可能なメッセージ長=次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間と現在時間情報との差に対応する送信可能なメッセージ長-IPG-SMD-プリアンブル長-FRAG_COUNTを含む。
【0060】
いくつかの実施例では、IPGは12バイトであり、プリアンブルは6バイトであり、SMDは1バイトであり、FRAG_COUNTは1バイトであり、合計20バイトであり、すなわち、伝送制約パラメータは20バイトである。上記ステップS1310及びステップ1~4の残時間送信可能なメッセージ長の計算では、いずれも伝送制約パラメータとして20バイトだけ減算する必要がある。
【0061】
図10に示すように、いくつかの実施例では、残時間送信可能なメッセージ長及びメッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップS1320は、
残時間送信可能なメッセージ長及びメッセージ長に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分であるか否かを判断するステップS1324と、
残時間送信可能なメッセージ長が、現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分でない場合、残時間送信可能なメッセージ長、メッセージ長、プリエンプション制約パラメータに基づいて、プリエンプション制御ポリシーを生成するステップS1325と、を含む。
【0062】
【0063】
いくつかの実施例では、最適化プリエンプション制御ポリシーは、具体的には、以下の通りである。
【0064】
いくつかの実施例では、プリエンプション制約パラメータは、最小伝送フレーム長とトランケート可能なメッセージ最小フレーム長を含む。
【0065】
いくつかの実施例では、プリエンプション制御ポリシーは、ステップS1325-A、ステップS1325-B、及びステップS1325-Cを含む。
【0066】
【0067】
【0068】
ステップS1325-C:メッセージ長がトランケート可能なメッセージ最小フレーム長を満たし、残時間送信可能なメッセージ長が最小伝送フレーム長を満たす場合、前記現在送信すべきトラフィックフローを送信し、前記残時間送信可能なメッセージ長における予め設定された位置でプリエンプション命令を開始させ、前記現在送信すべきトラフィックフローの送信を停止(トランケート)し、これにより、次のTTトラフィックフローをリアルタイムで送信することを確保する。例えば、トランケート可能なメッセージ最小フレーム長は124バイトであり、最小伝送フレーム長は64バイトであり、すなわち、BEN.length≧124、ΔtN≧64の場合、現在送信すべきトラフィックフローの一部を、残時間送信可能なメッセージ長における予め設定された位置Positionよりも前に送信し、予め設定された位置Positionでトランケートしてプリエンプションし、これにより、次のTTトラフィックフローをリアルタイムで送信することを確保する。
【0069】
いくつかの実施例では、プリエンプション制約パラメータは、プリエンプションCRCチェックフィールド長をさらに含む。
【0070】
残時間送信可能なメッセージ長における予め設定された位置で現在送信すべきトラフィックフローの一部を送信するステップS1325-Cは、ステップS1325-C1と、ステップS1325-C2と、を含む。
【0071】
ステップS1325-C1:前記メッセージ長と前記プリエンプションCRCチェックフィールド長との合計が、前記残時間送信可能なメッセージ長と前記最小伝送フレーム長との合計以上である場合、前記予め設定された位置は、前記残時間送信可能なメッセージ長と前記プリエンプションCRCチェックフィールド長との差であり、この場合、前記残時間送信可能なメッセージ長における予め設定された位置でプリエンプション命令を開始させる前記ステップは、前記残時間送信可能なメッセージ長からプリエンプションCRCチェックフィールド長を減算したメッセージを送信した後にプリエンプション命令を開始させることを含む。
【0072】
【0073】
【0074】
以上のように、トランケート可能なメッセージ最小フレーム長が124バイトであり、最小伝送フレーム長が64バイトであり、プリエンプションCRCチェックフィールド長が4バイトである場合を例にして、最適化プリエンプション制御ポリシーは、具体的には以下の通りである。
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【数2】
【0080】
いくつかの実施例では、残時間伝送ポリシーと最適化プリエンプション制御ポリシーとを組み合わせて、以下の実行流れを得ることができる。
【0081】
【0082】
【0083】
ステップ2-3:BEトラフィックフローキューのキューヘッダーメッセージを送信する。
【0084】
【0085】
ステップ2-5:最適化プリエンプション制御ポリシーの式(1)により、BEメッセージのPosition位置でプリエンプションを開始させる。
【0086】
ステップ2-6:残時間が使い果たされると、スケジューリングテーブルのi番目のエントリをi=i+1として実行し始め、ステップ2-1に戻る。
【0087】
最適化プリエンプション制御ポリシーは、完全なBEメッセージを送信するのに十分でない残時間伝送ポリシーの残時間を利用して、可能な限り多くのメッセージを送信することによって、帯域幅の浪費をさらに回避する。
【0088】
いくつかの実施例では、予測ハイブリッド伝送制御ポリシーのうちの最適化プリエンプション制御ポリシーは、残時間伝送ポリシーを改善し、帯域幅損失をさらに低減するために使用される。最適化プリエンプション制御ポリシーは、残時間が現在のBEトラフィックフローのメッセージを完全に送信するのに十分でない場合、最適プリエンプション位置を選択することによって、帯域幅損失をさらに低減し、802.3BRフレームプリエンプションポリシーの帯域幅損失を低減する利点を併せ持ち、またフレームプリエンプションによる遅延ジッタを回避する。
【0089】
例1を例にして、残時間伝送ポリシー及び最適化プリエンプション制御ポリシーをさらに説明する。
【0090】
図9に示すように、残時間伝送ポリシー及び最適化プリエンプション制御ポリシーはTASの出力選択ユニットで実現されてもよく、出力選択ユニットは、ゲート制御ユニットから実行されようとするスケジューリングエントリの実行開始時間を取得する必要があり、また、BEトラフィックフローキューからキューヘッダーメッセージのメッセージ長を取得する必要があり、合計4つの状態がある。以下、例1を例として、残時間伝送ポリシー及び最適化プリエンプション制御ポリシーの実行過程を説明する。
例1
【0091】
A.スケジューリングテーブルの構成を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
B.キュー状態
a)キュー番号0(TTトラフィックフローキュー)に記憶されているキューヘッダエントリ{ID,length,キャッシュプールアドレス}は、{47,512,0x 718}である。
b)BEトラフィックフローキュー番号1には長さ1518バイトの送信すべきメッセージが記憶されており、キュー番号2には長さ512バイトの送信すべきメッセージが記憶されている。
c)その他のBEトラフィックフローキューが空になっている。
【0094】
C.ポートレートは1Gbpsで、現在時間はt=10000.100664msであり、1つの水晶振動周期(clk)は8nsである。これは、次のクロック周期の後の時間t=10000.100672msを意味する。この時点で、表1の開始時間が100usのエントリが実行されたばかりである。
【0095】
D.条件A、B、Cの下で、残時間伝送ポリシー及び最適化プリエンプション制御ポリシーを実行する過程は、次の通りである。
【0096】
【0097】
図11に示すように、現在時間情報及びメッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップS1300は、ステップS1340~ステップS1360を含む。
【0098】
ステップS1340:現在時間情報及びスケジューリングテーブルに基づいて、予め伝送された時間に敏感なトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得し、スケジューリングテーブルは、現在時間情報と予め伝送された時間に敏感なトラフィックフローのメッセージ属性情報との対応関係を含む。
ステップS1350:現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報と、予め伝送された時間に敏感なトラフィックフローのメッセージ属性情報とが一致するか否かを判断する。
ステップS1360:一致する場合、現在送信すべきトラフィックフローを送信し、一致しない場合、時間に敏感でないトラフィックフローを送信する。
【0099】
いくつかの実施例では、伝送制御ポリシーは予約帯域幅再利用ポリシーである。以下の実施例では、時間に敏感なトラフィックフローがTTトラフィックフローであり、時間に敏感でないトラフィックフローがBEトラフィックフローである場合を例として説明する。
【0100】
【0101】
したがって、上記の予測可能性に基づいて、本願で設計された予約帯域幅再利用ポリシーは以下の通りである。
ステップ3-1:TTトラフィックフローの開始時点に到達すると、まず、ステップS1350を実行し、TTトラフィックフローキューのキューヘッダーメッセージがスケジューリングテーブルで合意されたデータフローメッセージであるか否かを検出し、そうである場合、ステップ3-2を実行し、そうでない場合、ステップ3-3を実行する。
ステップ3-2:TTトラフィックフローキューの伝送制御ゲートをオンにすると同時に、BEトラフィックフローの伝送制御ゲートをオフにして、現在のTTトラフィックフローのメッセージを送信する。
ステップ3-3:TTトラフィックフローキューの伝送制御ゲートをオフにすると同時に、BEトラフィックフローの伝送制御ゲートをオンにして、BEトラフィックフローを送信する。
【0102】
予約帯域幅再利用ポリシーは、TTトラフィックフローが欠落した場合に、BEトラフィックフローに予約帯域幅を再利用させることで、予約帯域幅の浪費を回避する。アルゴリズム1は、予約帯域幅再利用ポリシーのアルゴリズムの流れを示す。
【0103】
本願の実施例は、再利用可能なTTトラフィックフローの予約帯域幅を構築し、TTトラフィックフローが欠落した場合、予測ハイブリッド伝送制御ポリシーにおける予約帯域幅再利用ポリシーは、TTトラフィックフローの予約帯域幅を再利用し、帯域幅の浪費を回避することができる。
【0104】
いくつかの実施例では、時間に敏感でないトラフィックフローを送信するステップS1360はステップS1361を含む。
ステップS1361:時間に敏感でないトラフィックフローの優先度に応じて、優先度の高い時間に敏感でないトラフィックフローを優先的に送信する。
【0105】
いくつかの実施例では、メッセージ属性情報は、トラフィックフローID情報を含む、又は、メッセージ属性情報は、トラフィックフローID情報とメッセージ長とを含む。
【0106】
例2を用いて本願の予約帯域幅再利用ポリシーをさらに説明する。
【0107】
図9に示すように、いくつかの実施例では、予約帯域幅再利用ポリシーは、TASのゲート制御ユニット内に配置されてもよく、実施過程において、例えば、キューの状態情報、キューヘッダーのトラフィックフローのID情報、及びメッセージ長など、TTトラフィックフローキューのメッセージ属性情報を取得する必要がある。予約帯域幅再利用ポリシーはスケジューリングテーブルごとに1つのエントリの開始時に実行され、合計4つの状態となる。以下、予約帯域幅再利用ポリシーの実行過程を例2で示す。
例2
A.スケジューリングテーブルで次に実行される2つのエントリを表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】
B.キュー状態
a)キュー番号0(TTトラフィックフローキュー)に記憶されているキューヘッダーのエントリ{ID,length,キャッシュプールアドレス}は{48,256,0x 666}である。
b)他のキュー(BEトラフィックフローキュー)のすべてにデータが存在する。
【0110】
C.ポートレートは1Gbpsで、現在時間はt=10000.199992msであり、1つの水晶振動周期(clk)は8nsである。これは、次のクロック周期の後の時間t=10000.2000000msを意味する。この時点で、表2の開始時間200usのエントリが実行される。
【0111】
D.条件A、B、Cの下で、予約帯域幅再利用ポリシーを実行する過程は、次の通りである。
i.時間t=10000.200000msのとき、状態1を実行し、すなわち、表1の開始時間200usのエントリを読み取ってTTトラフィックフロー情報{30,128}を取得し、キュー番号0が空でないと判断し、状態2を実行する。
ii.状態2:キュー番号0のヘッダキュー情報{48,256,0x666}を取得したところ、TTトラフィックフロー{30,128}情報と一致せず、当該TTトラフィックフローが到着していないことを示し、状態4を実行する。
iii.状態4:キュー番号0の制御ゲートをオフにし、他のBEトラフィックフローキューの制御ゲートをオンにし、BEデータを送信する。
iv.時間t=10000.500000msまでBEデータを送信すると、状態1の実行を再開する。
v.状態1:表1の次のTTトラフィックフロー情報{48,256}を読み取って、キュー番号0が空でないと判断し、状態2を実行する。
vi.状態2:キュー番号0のヘッダキュー情報{48,256,0x666}を取得したところ、他のTTトラフィックフロー{48,256}情報と一致し、当該TTトラフィックフローが到着したことを示し、状態3を実行する。
vii.状態3:キュー番号0の制御ゲートをオンにし、他のBEトラフィックフローキューの制御ゲートをオフにし、TTトラフィックフローを送信する。
viii.ウィンドウ時間2208nsからTTトラフィックフローを使い果たし、キュー番号0の制御ゲートをオフにし、他のBEトラフィックフローキューの制御ゲートをオンにして、BEデータの送信を開始する。
ix.スケジューリングテーブルにおける次のTTトラヒックフローの時間が到達するまでBEデータを送信してから、状態1を実行する。
【0112】
本願の実施例は、現在時間情報及び現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成してトラフィックフローの伝送を制御することによって、時間に敏感なトラフィックフローの伝送のリアルタイム性及び確実性を損なうことなく、帯域利用率を効果的に向上させる。時間に敏感なトラフィックフローの伝送のリアルタイム性及び確実性を損なうことなく、帯域利用率を効果的に向上させることができる。
【0113】
また、図12に示すように、本願の実施例は、
現在時間情報を取得するように構成された時間取得モジュール110と、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するように構成されたメッセージ属性取得モジュール120と、
現在時間情報及びメッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するように構成されたポリシー生成モジュール130と、
伝送制御ポリシーに従って、時間に敏感なネットワークにおけるトラフィックフローの伝送を制御するように構成された送信モジュール140と、を含む、データ伝送装置を提供する。
【0114】
いくつかの実施例では、時間取得モジュール110は、上記のステップS1100を実行するように構成され、メッセージ属性取得モジュール120は、上記のステップS1200を実行するように構成され、ポリシー生成モジュール130は、上記のステップS1300を実行するように構成され、送信モジュール140は、上記のステップS1400を実行するように構成される。なお、本実施例におけるデータ伝送装置は、図4に示す実施例のシステムアーキテクチャにおけるデータ伝送装置として適用することができ、また、本実施例におけるデータ伝送装置は、図5に示す実施例におけるデータ伝送方法を実行することができる。すなわち、本実施例におけるデータ伝送装置と、図4に示す実施例のシステムアーキテクチャにおけるデータ伝送装置と、図5に示す実施例におけるデータ伝送方法とは、いずれも同一の発明思想に属するので、これらの実施例は、同一の実現原理及び技術的効果を有するので、ここでは詳述しない。
【0115】
上記で説明された装置の実施例は単に概略的なものであり、分離された構成要素として説明されたユニットは、物理的に分離されていてもよいし、そうでなくてもよい、すなわち、1つの場所に配置されていてもよいし、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。これらのモジュールの一部又は全部は、実際の必要に応じて、本実施例の目的を達成するために選択されてもよい。
【0116】
また、本願の実施例は、また、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含む電子機器であって、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、前述のデータ伝送方法を実現する電子機器を提供する。
【0117】
メモリは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラムと、非一時的なコンピュータ実行可能プログラムとを記憶するために使用することができる。さらに、メモリは、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートメモリ装置のような非一時的なメモリを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリは、ネットワークを介してプロセッサに接続されることができるプロセッサに対してリモートに配置されたメモリを含むことができる。上記のネットワークの例には、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
なお、本実施例における電子機器は、図4に示す実施例のシステムアーキテクチャにおける電子機器として適用することができ、また、本実施例における電子機器は、図5に示す実施例におけるデータ伝送方法を実行することができる。すなわち、本実施例における電子機器と、図4に示す実施例のシステムアーキテクチャにおける電子機器と、図5に示す実施例におけるデータ伝送方法とは、いずれも同一の発明思想に属するので、これらの実施例は、同一の実現原理及び技術的効果を有するので、ここでは詳述しない。
【0119】
上記実施例のデータ伝送方法を実現するために必要な非一時的なソフトウェアプログラム及び命令は、メモリに記憶されており、プロセッサによって実行されると、上記実施例のデータ伝送方法、例えば、上記の図5の方法ステップS1100~S1400、図6の方法ステップS1310~S1320、図7の方法ステップS1330、S1320、及びS1310、図8の方法ステップS1100、S1200、S1310、S1320、及びS1323、図10の方法ステップS1324~S1325、図11の方法ステップS1340~S1360が実行される。
【0120】
また、本願の実施例は、さらに、上記のデータ伝送方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0121】
いくつかの実施例では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、1つのプロセッサ又はコントローラによって、例えば、上記実施例における1つのプロセッサによって実行されるコンピュータ実行可能命令を記憶し、上記プロセッサに、上記実施例におけるデータ伝送方法、例えば、図5の方法ステップS1100~S1400、図6の方法ステップS1310~S1320、図7の方法ステップS1330、S1320、及びS1310、図8の方法ステップS1100、S1200、S1310、S1320、及びS1323、図10の方法ステップS1324~S1325、図11の方法ステップS1340~S1360を実行させることができる。
【0122】
本願の実施例は、現在時間情報及び現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成してトラフィックフローの伝送を制御することによって、時間に敏感なトラフィックフローの伝送のリアルタイム性及び確実性を損なうことなく、帯域利用率を効果的に向上させる。
【0123】
当業者であれば、上記で開示された方法におけるステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実装されてもよいことを理解する。物理的構成要素の一部又はすべては、中央処理装置、デジタル信号処理装置、マイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実装することができる。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含むことができるコンピュータ読み取り可能な媒体上に配布することができる。当業者に周知のように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えば、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な、及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、典型的に、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波又は他の送信機構のような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含み得ることが当業者には周知である。
【0124】
以上は、本願の実施例のいくつかの実施を具体的に説明したが、本願の実施例は、上記の実施例に限定されるものではなく、当業者は、本願の実施例の範囲に反することなく、様々な均等な変形又は置換を行うことができ、これらの均等な変形又は置換は、本願の実施例の請求項によって定められる範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
時間に敏感でないトラフィックフローキュー300は、時間に敏感でないトラフィックフローをキャッシュするためのものである。時間に敏感でないトラフィックフローキュー300は複数存在してもよく、複数の時間に敏感でないトラフィックフローキュー300は、図4に示すように、n個のBEトラフィックフローキューの優先度が優先度m+1から優先度m+nまでであるなど、異なる優先度を設定することができる。時間に敏感でないトラフィックフローキュー300において、キューヘッダーに位置する時間に敏感でないトラフィックフローは、優先的に送信されるキューヘッダーメッセージである。いくつかの実施例では、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300のそれぞれの出力端子は、キュースイッチ400(制御ゲート)を介して出力選択ユニット500に接続され、時間に敏感でないトラフィックフローをキュースイッチ400及び出力選択ユニット500を介して送信する。いくつかの実施例では、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300のそれぞれの出力端子は、出力選択ユニット500の入力端子に接続され、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を出力選択ユニット500に供給し、これにより、出力選択ユニット500は、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報及びスケジューリングテーブル情報に基づいて伝送制御ポリシーを生成する。例えば、時間に敏感でないトラフィックフローキュー300は、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ長を出力選択ユニット500に供給し、これにより、出力選択ユニット500は、現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ長及び実行されようとするスケジューリングエントリの実行開始時間に基づいて、残時間伝送ポリシー及び/又は最適化プリエンプション制御ポリシーを生成する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時間情報を取得するステップと、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を取得するステップと、
前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップと、
前記伝送制御ポリシーに従って時間に敏感なネットワークにおけるトラフィックフローの伝送を制御するステップと、を含む、データ伝送方法。
【請求項2】
前記現在送信すべきトラフィックフローは、時間に敏感でないトラフィックフローであり、前記メッセージ属性情報は、メッセージ長を含み、
前記現在時間情報及び前記メッセージ属性情報に基づいて、伝送制御ポリシーを生成する前記ステップは、
前記現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップと、
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成する前記ステップは、
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分であるか否かを判断するステップと、
十分である場合、現在送信すべきトラフィックフローを送信するステップと、を含み、
前記残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分でなくなるまで、現在時間情報を再度取得するステップと、
現在送信すべきトラフィックフローのメッセージ属性情報を再度取得するステップと、
前記現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップと、
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分であるか否かを判断するステップと、
十分である場合、現在送信すべきトラフィックフローを送信するステップと、を繰り返す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長を算出する前記ステップは、
前記現在時間情報、次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間、伝送制約パラメータ、及び第1計算式に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長を算出するステップを含み、
前記第1計算式は、
残時間送信可能なメッセージ長=次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間と現在時間情報との差に対応する送信可能なメッセージ長-伝送制約パラメータを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記伝送制約パラメータは、インターパケットギャップ(IPG:Interpacket Gap)、スタートmパケットデリミタ(SMD:Start mPacket Delimiter)、プリアンブル、及びフラグメントカウント(FRAG_COUNT)を含む場合、
前記第1計算式は、
残時間送信可能なメッセージ長=次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間と現在時間情報との差に対応する送信可能なメッセージ長-IPG-SMD-プリアンブル長-FRAG_COUNTを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記現在時間情報及び次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間に基づいて、残時間送信可能なメッセージ長を算出する前記ステップの前に、
スケジューリングテーブルを問い合わせて、次の時間に敏感なトラフィックフローの開始時間を取得するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、伝送制御ポリシーを生成する前記ステップは、
前記残時間送信可能なメッセージ長及び前記メッセージ長に基づいて、前記残時間送信可能なメッセージ長が現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分であるか否かを判断するステップと、
前記残時間送信可能なメッセージ長が、現在送信すべきトラフィックフローを送信するのに十分でない場合、前記残時間送信可能なメッセージ長、前記メッセージ長、プリエンプション制約パラメータに基づいて、プリエンプション制御ポリシーを生成するステップと、を含む、請求項2、3、5、又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記プリエンプション制約パラメータは、最小伝送フレーム長と、トランケート可能なメッセージ最小フレーム長と、を含み、
前記プリエンプション制御ポリシーは、
前記メッセージ長が、前記トランケート可能なメッセージ最小フレーム長を満たさない場合、前記残時間送信可能なメッセージ長を使い果たすステップと、
前記残時間送信可能なメッセージ長が、前記最小伝送フレーム長を満たさない場合、前記残時間送信可能なメッセージ長を使い果たすステップと、
前記メッセージ長が、トランケート可能なメッセージ最小フレーム長を満たし、前記残時間送信可能なメッセージ長が最小伝送フレーム長を満たす場合、前記現在送信すべきトラフィックフローを送信し、前記残時間送信可能なメッセージ長における予め設定された位置でプリエンプション命令を開始させ、前記現在送信すべきトラフィックフローの送信を停止するステップと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~のいずれか1項に記載のデータ伝送方法を実現する、電子機器。
【請求項10】
コンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ実行可能命令は、請求項1~のいずれか1項に記載のデータ伝送方法を実行する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【国際調査報告】