(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(54)【発明の名称】省電力状態で動作するための通信装置および通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20240123BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20240123BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20240123BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240123BHJP
【FI】
H04W52/02
H04W76/15
H04W48/16 131
H04W92/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539916
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 SG2021050699
(87)【国際公開番号】W WO2022154751
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10202100539Y
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(31)【優先権主張番号】10202103195T
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】シム ホン チェン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】トラン スアン トゥオン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
(57)【要約】
本開示は、省電力状態で動作するための通信装置および通信方法を提供する。通信装置は、動作時に、複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定する回路と、動作時に、複数の省電力状態の1つの決定に応じた少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および/または受信する送受信部とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作時、複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定する回路と、
動作時、前記複数の省電力状態の1つの決定に応じた少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および/または受信する送受信部と、を備える、
通信装置。
【請求項2】
前記回路は、前記少なくとも1種類のサイドリンク信号に関する送信優先度および/または受信優先度の識別に基づいて、前記複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定するように設定される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記複数の省電力状態の1つは、(a)全種類のサイドリンク信号の受信、(b)物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)および物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)のみの受信、(c)PSCCHのみの受信、(d)サイドリンク同期ブロック(S-SSB:Sidelink Synchronization Block)および/または物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)の受信、(e)PSCCHおよび第2段階のサイドリンク制御情報(SCI:Sidelink Control Information)のみの受信の1つに関する、
請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記複数の省電力状態の1つがPSCCHの受信のみに関するものである場合、前記通信装置は、第1段階のSCIを受信する際にアクティブであるように設定される、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記回路は、前記通信装置に関するパラメータに基づいて、前記複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定するように設定される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記パラメータは、前記通信装置の速度、通信装置タイプ、車両タイプ、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)による位置、輻輳レベル、ゾーンIDのうちの少なくとも1つを含む、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記送受信部は、さらに、前記パラメータを含む支援情報を他の通信装置に送信する、
請求項5または6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記送受信部は、さらに、前記複数の省電力状態の1つにおいて動作したい旨の要求を示す要求信号を他の通信装置に送信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記送受信部は、さらに、前記要求を受け入れる応答信号を受信し、前記回路は、前記応答信号に基づいて、前記複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定するように設定される、
請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記送受信部は、前記複数の省電力状態の1つに関する通知信号を他の通信装置から受信し、前記回路は、前記通知信号に基づいて前記複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定するように設定される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記通知信号は、サイドリンク制御情報(SCI)シグナリング、下りリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)シグナリング、メディアアクセス制御(MAC:Media Access Control)制御エレメント(CE:Control Element)シグナリング、および無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングのうちの少なくとも1つに関する、
請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記SCIシグナリングは、スタンドアロンの物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)の第1段階のSCI、ダミーの物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を有するPSCCH、および第2段階のSCIのうちの1つによって搬送され、前記DCIシグナリングは、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)によって搬送される、
請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記少なくとも1種類のサイドリンク信号は、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、サイドリンク同期信号(SLSS:Sidelink Synchronization Signal)、物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項14】
前記回路には、デフォルト省電力状態とフォールバックタイマとがさらに設定され、前記デフォルト省電力状態は、前記複数の省電力状態のうちの他の1つであり、前記フォールバックタイマは、前記複数の省電力状態の1つにおける動作の際にトリガされ、前記フォールバックタイマが満了した後に、前記回路は前記複数の省電力状態の1つから前記デフォルト省電力状態に切り替える、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項15】
前記フォールバックタイマは、RRCシグナリング、MACシグナリング、およびPSCCHシグナリングのうちのいずれか1つを用いて設定される、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
サイドリンク能力にそれぞれが対応する複数の省電力状態の1つにおいて動作し、
前記複数の省電力状態の1つに対応するサイドリンク能力に基づいて、少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および/または受信する、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、省電力状態で動作するための通信装置および通信方法に関し、より具体的には、サイドリンクユーザ機器(UE:User Equipment)に関する。
【背景技術】
【0002】
V2X(vehicle-to-everything)通信は、車両と公道および他の道路ユーザとのインタラクションを可能にし、したがって、自動運転車両を現実化する際の重要な要素と考えられている。
【0003】
自動運転車両の現実化の進行を加速するために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)により、5Gの新しい無線アクセス技術(NR:New Radio)に基づくV2X通信(NR N2X通信ともいい、相互に言い換え可能である)が、高度なV2Xサービスのための技術的解決策の特定のために議論されている。V2X通信により、車両(すなわち、V2Xアプリケーションをサポートする通信装置またはユーザ機器(UE)ともいい、相互に言い換え可能である)は、他の近くの車両、インフラストラクチャノード、および/または歩行者とサイドリンク(SL)を介して自身の状態情報を交換することができる。状態情報は、位置、速度、方位などの情報を含む。
【0004】
リリース17(Rel-17)のV2X Work Item Description(WID)(非特許文献1)の認定によれば、省電力化により、バッテリに制約のあるUEが、高い電力効率でサイドリンク動作を実行することができる。Rel-16のNRサイドリンクでは、例えば、十分なバッテリ容量を有する車両に設置されたUEのみに焦点を当てて、UEがサイドリンクを動作させる「常時オン(always-on)」の想定に基づいて設計がなされる。V2Xユースケースにおける脆弱な道路ユーザ(VRU:Vulnerable Road User)と、UEにおける電力消費が最小化される必要がある公共安全および商用ユースケースにおけるUEと、のためにRel-17における省電力化のための解決策が必要とされている。
【0005】
また、RAN1#103-e会合では、Rel-17における評価および省電力の特徴に関し、2つのUE受信タイプ(すなわち、受信能力が有るタイプと受信能力が無いタイプ)が決定された。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】RP-202846
【非特許文献2】3GPP TS 38.300 v16.3.0
【非特許文献3】3GPP TS 38.211 v16.3.0
【非特許文献4】TS 23.502
【非特許文献5】ITU-R M.2083
【非特許文献6】TR 38.913
【非特許文献7】TS 23.287 v16.4.0
【非特許文献8】European Telecommunication Standards Institute (ETSI) technical report (TR) 103 300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
具体的に、SL UEがどのように省電力化されるべきか、および、SL UEがどのように自身の省電力化と性能要件とをバランスさせるかに関して、まだ明確な規定はない。
【0008】
したがって、上記の課題の1つまたは複数に対処し、省電力状態で動作する新しい通信装置および通信方法を開発する必要がある。さらに、他の望ましい特徴および特性が、添付の図面および本開示の背景技術と併せることで、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの非限定的で例示的な実施の形態は、V2XリソースセンシングおよびV2Xリソース選択においてSL-RSRPを利用するための通信装置および通信方法の提供に資する。
【0010】
第1の態様では、本開示は、動作時に、複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定する回路と、動作時に、複数の省電力状態の1つの決定に応じた少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および/または受信する送受信部と、を備える通信装置を提供する。
【0011】
第2の態様では、本開示は、複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定し、複数の省電力状態の1つの決定に応じた少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および/または受信する、通信方法を提供する。
【0012】
なお、一般的な実施の形態または具体的な実施の形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せとして、実施できることに留意されたい。
【0013】
開示されている実施の形態のさらなる恩恵および利点が、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施の形態および特徴によって、個別にうることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数をうる目的で、実施の形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の実施の形態は、一例にすぎないが、以下の説明からまた図面と関連付けて、より良く理解され、当業者に容易に明らかになるであろう。
【
図1】例示的な3GPP NR-RANアーキテクチャを示す図
【
図2】NG-RANと5GCとの間の機能的分割を示す概略図
【
図3】無線リソース制御(RRC:radio resource control)接続のセットアップ/再設定手順のシーケンス図
【
図4】enhanced Mobile BroadBand(eMBB)、massive Machine Type Communications(mMTC)、およびUltra Reliable and Low Latency Communications(URLLC)の利用シナリオを示す概略図
【
図5】非ローミングシナリオにおけるV2X通信のための例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図
【
図6】様々な実施の形態に係る通信装置の例の概略図(通信装置は、UEまたはgNB/基地局として実装され得、本開示の様々な実施の形態に従って、脆弱な道路ユーザが周期的な送信時間間隔で第1の信号を送信するように設定されうる。)
【
図7】本開示の様々な実施の形態による、脆弱な道路ユーザが周期的な送信時間間隔で第1の信号を送信するための通信方法を示すフロー図
【
図8】本開示の一実施の形態による、SL信号受信のための4つの省電力状態設定を示すフローチャート
【
図9】本開示の様々な実施の形態による、複数の省電力状態の1つにおいて動作するようにUEを設定するための通知信号の使用を示すフローチャート
【
図10】本開示の様々な実施の形態による、複数の省電力状態の1つにおいて動作するようにUEを設定するための通知信号の使用を示すフローチャート
【
図11】本開示の様々な実施の形態による、複数の省電力状態の1つにおいて動作するようにUEを設定するための通知信号の使用を示すフローチャート
【
図12】本開示の一実施の形態による、現在の1つの省電力状態から好ましい省電力状態に切り替えるプロセスを示すフローチャート
【
図13】本開示の一実施の形態による、通信装置によって現在動作している省電力状態から他の通信装置による他の省電力状態への切替えを示すプロセスを示すフローチャート
【
図14】本開示の実施の形態による、デフォルト省電力状態で動作するプロセスを示すフローチャート
【0015】
当業者であれば、図中の要素が平易にかつ明確に説明されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解できる。例えば、本実施の形態をより理解できるようにするために、図、ブロック図、またはフローチャート中の要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に関して誇張されうる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示のいくつかの実施の形態を、一例として、図面を参照して説明する。図面中の同様の参照番号および文字は、同様の要素または等価の要素を指す。
【0017】
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代携帯電話技術(単に「5G」ともいう)の次のリリースに向けて作業を続けている。5G規格の初版は2017年の終わりに完成しており、これにより、5G NRの規格に準拠したスマートフォンの試作および商用配備に移ることが可能となっている。2020年6月に5G規格の第2バージョンが完成し、5Gの到達範囲を、無認可スペクトル(NR-U)、非パブリックネットワーク(NPN)、時間センシティブネットワーキング(TSN)、およびセルラーV2X等の新しいサービス、スペクトル、および展開にさらに拡大した。
【0018】
特に、システムアーキテクチャは、全体としては、gNBを備えるNG-RAN(Next Generation - Radio Access Network)を想定する。gNBは、NG無線アクセスのユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)のプロトコルのUE側の終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって互いに接続されている。また、gNBは、Next Generation(NG)インタフェースによってNGC(Next Generation Core)に、より具体的には、NG-CインタフェースによってAMF(Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを行う特定のコアエンティティ)に、また、NG-UインタフェースによってUPF(User Plane Function)(例えば、UPFを行う特定のコアエンティティ)に接続されている。NG-RANアーキテクチャを
図1に示す(例えば、非特許文献2参照)。
【0019】
NRのユーザプレーンのプロトコルスタック(例えば、非特許文献2の第4.4.1節参照)は、gNBにおいてネットワーク側で終端されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol(非特許文献2の第6.4節参照))サブレイヤ、RLC(Radio Link Control(非特許文献2の第6.3節参照))サブレイヤ、およびMAC(Medium Access Control(非特許文献2の第6.2節参照))サブレイヤを含む。また、新たなアクセス層(AS:Access Stratum)のサブレイヤ(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)がPDCPの上に導入されている(例えば、非特許文献2の第6.5節参照)。また、制御プレーンのプロトコルスタックがNRのために定義されている(例えば、非特許文献2の第4.4.2節参照)。レイヤ2の機能の概要が非特許文献2の第6節に記載されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤの機能は、それぞれ、非特許文献2の第6.4節、第6.3節、および第6.2節に列挙されている。RRCレイヤの機能は、非特許文献2の第7節に列挙されている。
【0020】
例えば、Medium-Access-Controlレイヤは、論理チャネルの多重化と、様々なニューメロロジーを扱うことを含むスケジューリングおよびスケジューリング関連の諸機能と、を扱う。
【0021】
例えば、物理レイヤ(PHY)は、符号化、PHYハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)処理、変調、マルチアンテナ処理、および適切な物理的時間-周波数リソースへの信号のマッピングの役割を担う。また、物理レイヤは、物理チャネルへのトランスポートチャネルのマッピングを扱う。物理レイヤは、MACレイヤにトランスポートチャネルの形でサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。例えば、物理チャネルは、上りリンクでは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、および物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)であり、下りリンクでは、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、および物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)であり、サイドリンク(SL)では、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)である。
【0022】
SLは、SLリソース割当モード、物理レイヤ信号/物理レイヤチャネル、および物理レイヤ手順を用いたUE間直接通信をサポートする。2つのSLリソース割当モードがサポートされており、それらは、(a)SLリソース割当てがネットワークによって提供されるモード1および(b)UEがリソースプール内のSL送信リソースを決定するモード2である。
【0023】
PSCCHは、PSSCHのためにUEによって使用されるリソースおよび他の送信パラメータを示す。PSCCH送信は、復調用参照信号(DM-RS:DeModulation Reference Signal)に関連付けられる。PSSCHは、データ自体のトランスポートブロック(TB:Transport Block)と、HARQ手順およびチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)フィードバックトリガなどのための制御情報とを送信する。スロット内の少なくとも6つの直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)シンボルが、PSSCH送信のために使用される。PSSCH送信は、DM-RSに関連付けられ、また、位相トラッキング参照信号(PT-RS:Phase-Tracking Reference Signal)に関連付けられうる。
【0024】
PSFCHは、PSSCH送信の意図された受信者であるUEから、送信を実行したUEにSLを介してHARQフィードバックを搬送する。PSFCHシーケンスは、スロット内のSLリソースの終わり付近の2つのOFDMシンボルにわたって繰り返される1つのPRBにおいて送信される。
【0025】
SL同期信号は、SLプライマリ同期信号(S-PSS:SL Primary Synchronization Signal)およびSLセカンダリ同期信号(S-SSS:SL Secondary Synchronization Signal)からなり、それぞれ、2シンボルおよび127サブキャリアを占める。物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)は、通常のサイクリックプレフィックスおよび拡張サイクリックプレフィックスのケースにおいて、それぞれ9シンボルおよび5シンボルを占有し、関連付けられた復調用参照信号(DM-RS)を含む。
【0026】
サイドリンクにおけるHARQフィードバックのための物理レイヤ手順に関し、SL HARQフィードバックは、PSFCHを使用し、2つのオプションの1つで実行可能である。ユニキャストおよびグループキャストに設定され得る1つのオプションでは、PSFCHは、PSFCHを送信する単一のUE専用のリソースを使用してACKまたはNACKのいずれかを送信する。グループキャストに設定され得る他のオプションでは、PSFCHは、PSFCHを送信する複数のUEによって共有され得るリソースにおいてNACKを送信するか、またはPSFCH信号は送信されない。
【0027】
SLリソース割当モード1において、PSFCHを受信したUEは、PUCCHまたはPUSCHを介してSL HARQフィードバックをgNBに報告することができる。
【0028】
サイドリンクにおける電力制御のための物理レイヤ手順に関しては、カバレッジ内の動作の場合、SL送信の電力スペクトル密度は、gNBからのパスロスに基づいて調整され得、一方、ユニキャストの場合、いくつかのSL送信の電力スペクトル密度は、通信する2つのUE間のパスロスに基づいて調整され得る。
【0029】
CSI報告における物理レイヤ手順に関しては、ユニキャストの場合、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)が、サイドリンクにおけるCSI測定およびCSI報告のためにサポートされる。CSI報告は、SL MAC CEにおいて搬送される。
【0030】
サイドリンクにおける測定のために、以下のUE測定量がサポートされる。
・ PSBCH参照信号受信電力(PSBCH RSRP:PSBCH Reference Signal Received Power)
・ PSSCH参照信号受信電力(PSSCH-RSRP)
・ PSCCH参照信号受信電力(PSCCH-RSRP)
・ サイドリンク受信信号強度インジケータ(SL RSSI:Sidelink Received Signal Strength Indicator);
・ サイドリンクチャネル占有率(SL CR:Sidelink Channel occupancy Ratio);
・ サイドリンクチャネルビジー比(SL CBR:Sidelink Channel Busy Ratio)
【0031】
NRのユースケース/配備シナリオには、データレート、レイテンシ、およびカバレッジの点で多様な要件を有するenhanced mobile broadband(eMBB)、ultra-reliable low-latency communications(URLLC)、massive machine type communication(mMTC)が含まれ得る。例えば、eMBBは、IMT-Advancedが提供するデータレートの3倍程度のピークデータレート(下りリンクにおいて20Gbpsおよび上りリンクにおいて10Gbps)および実効(user-experienced)データレートをサポートすることが期待されている。一方、URLLCの場合、より厳しい要件が超低レイテンシ(ユーザプレーンのレイテンシについてULおよびDLのそれぞれで0.5ms)および高信頼性(1ms内において1-10-5)について課されている。最後に、mMTCでは、好ましくは高い接続密度(都市環境において装置1,000,000台/km2)、悪環境における広いカバレッジ、および低価格の装置のための極めて寿命の長い電池(15年)が求められうる。
【0032】
そのため、1つのユースケースに適したOFDMのニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長、スケジューリング区間毎のシンボル数)が他のユースケースには有効でない場合がある。例えば、低レイテンシのサービスでは、好ましくは、mMTCのサービスよりもシンボル長が短いこと(したがって、サブキャリア間隔が大きいこと)および/またはスケジューリング区間(TTIともいう)毎のシンボル数が少ないことが求められうる。さらに、チャネルの遅延スプレッドが大きい配備シナリオでは、好ましくは、遅延スプレッドが短いシナリオよりもCP長が長いことが求められうる。サブキャリア間隔は、同様のCPオーバーヘッドが維持されるように状況に応じて最適化されるべきである。NRがサポートするサブキャリア間隔の値は、1つ以上であってよい。したがって、現在、15kHz、30kHz、60kHz…のサブキャリア間隔が考えられている。シンボル長Tuおよびサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tuによって直接関係づけられている。LTEシステムと同様に、用語「リソースエレメント」を、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する1つのサブキャリアから設定される最小のリソース単位を意味するように使用することができる。
【0033】
新無線システム5G-NRでは、各ニューメロロジーおよび各キャリアについて、サブキャリアおよびOFDMシンボルのリソースグリッドが上りリンクおよび下りリンクのそれぞれに定義される。リソースグリッドの各エレメントは、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域の周波数インデックスおよび時間領域のシンボル位置に基づいて特定される(非特許文献3参照)。
【0034】
図2は、NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF、UPF、およびSMFを有する。
【0035】
特に、gNBおよびng-eNBは、以下の主な機能をホストする:
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、上りリンクおよび下りリンクの両方におけるリソースのUEへの動的割当(スケジューリング)等の無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能;
- データのIPヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護;
- UEが提供する情報からAMFへのルーティングを決定することができない場合のUEのアタッチ時のAMFの選択;
- UPFに向けたユーザプレーンのデータのルーティング;
- AMFに向けた制御プレーン情報のルーティング;
- 接続のセットアップおよび解除;
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信;
- システム報知情報(AMFまたは運用管理保守機能(OAM:Operation,Admission,Maintenance)が発信源)のスケジューリングおよび送信;
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定の報告の設定;
- 上りリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング;
- セッション管理;
- ネットワークスライシングのサポート;
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラに対するマッピング;
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート;
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)メッセージの配信機能;
- 無線アクセスネットワークの共有;
- デュアルコネクティビティ;
- NRとE-UTRAとの緊密な連携。
【0036】
Access and Mobility Management Function(AMF)は、以下の主な機能をホストする:
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)のシグナリングを終端させる機能;
- NASシグナリングのセキュリティ;
- Access Stratum(AS)のセキュリティ制御;
- 3GPPのアクセスネットワーク間でのモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング;
- アイドルモードのUEへの到達可能性(ページングの再送信の制御および実行を含む);
- 登録エリアの管理;
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート;
- アクセス認証;
- ローミング権限のチェックを含むアクセス承認;
- モビリティ管理制御(加入およびポリシー);
- ネットワークスライシングのサポート;
- Session Management Function(SMF)の選択。
【0037】
さらに、User Plane Function(UPF)は、以下の主な機能をホストする:
- intra-RATモビリティ/inter-RATモビリティ(適用可能な場合)のためのアンカーポイント;
- データネットワークとの相互接続のための外部PDU(Protocol Data Unit)セッションポイント;
- パケットのルーティングおよび転送;
- パケット検査およびユーザプレーン部分のポリシールールの施行(Policy rule enforcement);
- トラフィック使用量の報告;
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートする上りリンククラス分類(uplink classifier);
- マルチホームPDUセッション(multi-homed PDU session)をサポートするための分岐点(Branching Point);
- ユーザプレーンに対するQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング(gating)、UL/DLレート強制(UL/DL rate enforcement);
- 上りリンクトラフィックの検証(SDFのQoSフローに対するマッピング);
- 下りリンクパケットのバッファリングおよび下りリンクデータ通知のトリガ機能。
【0038】
最後に、Session Management Function(SMF)は、以下の主な機能をホストする:
- セッション管理;
- UEに対するIPアドレスの割当および管理;
- UPFの選択および制御;
- 適切な宛先にトラフィックをルーティングするためのUser Plane Function(UPF)におけるトラフィックステアリング(traffic steering)の設定機能;
- 制御部分のポリシー施行およびQoS;
- 下りリンクデータの通知。
【0039】
図3は、NAS部分の、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行する際のUE、gNB、およびAMF(5GCエンティティ)の間のやり取りのいくつかを示す(非特許文献2参照)。移行ステップは以下の通りである。
1.UEは、RRC_IDLE状態から新しい接続をセットアップすることを要求する。
2/2a.gNBがRRCセットアップ手順を完了する。
注記:gNBが要求を拒否するシナリオを以下において説明する。
3.RRCSetupCompleteにおいてピギーバック方式で送られたUEからの第1のNASメッセージが、AMFに送信される。
4/4a/5/5a.追加のNASメッセージが、UEとAMFとの間で交換されうる(非特許文献4参照)。
6.AMFは、UEコンテキストデータ(PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力、およびUEセキュリティ能力等を含む)を準備し、gNBに送信する。
7/7a.gNBは、UEとのASセキュリティをアクティブにする。
8/8a.gNBは、SRB2およびDRBをセットアップするための再設定を実行する。
9.gNBは、セットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0040】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤのシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行により、AMFは、UEコンテキストデータ(これは、例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線性能(UE Radio Capability)、UEセキュリティ性能(UE Security Capabilities)等を含む)を用意し、初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)とともにgNBに送る。そして、gNBは、UEと一緒に、ASセキュリティをアクティブにする。これは、gNBがUEにSecurityModeCommandメッセージを送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって行われる。その後、gNBは、UEにRRCReconfigurationメッセージを送信し、これに対するUEからのRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、Signaling Radio Bearer 2(SRB2)およびData Radio Bearer(DRB)をセットアップするための再設定を行う。シグナリングのみの接続については、SRB2およびDRBがセットアップされないため、RRCReconfigurationに関するステップは省かれる。最後に、gNBは、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)でセットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0041】
図4は、5G NRのためのユースケースのいくつかを示す。3rd generation partnership project new radio(3GPP NR)では、多種多様なサービスおよびアプリケーションをサポートすることがIMT-2020によって構想されていた3つのユースケースが検討されている。大容量・高速通信(eMBB:enhanced mobile-broadband)のための第一段階の仕様の策定が終了している。現在および将来の作業には、eMBBのサポートを拡充していくことに加えて、高信頼・超低遅延通信(URLLC:ultra-reliable and low-latency communications)および多数同時接続マシンタイプ通信(mMTC:massive machine-type communications)のための規格化が含まれる。
図4は、2020年以降のIMTの想定される使用シナリオのいくつかの例を示す(例えば、非特許文献5の
図2参照)。
【0042】
URLLCのユースケースには、スループット、レイテンシ(遅延)、および可用性のような性能についての厳格な要件があり、URLLCのユースケースは、工業生産プロセスまたは製造プロセスのワイヤレス制御、遠隔医療手術、スマートグリッドにおける送配電の自動化、交通安全等の今後のこれらのアプリケーションを実現するために必要なものの1つとして構想されている。URLLCの超高信頼性は、非特許文献6によって設定された要件を満たす技術を特定することによってサポートされる。リリース15におけるNR URLLCでは、重要な要件として、目標とするユーザプレーンのレイテンシがUL(上りリンク)で0.5ms、DL(下りリンク)で0.5msであることが含まれている。一度のパケット送信に対する一般的なURLLCの要件は、ユーザプレーンのレイテンシが1msの場合、32バイトのパケットサイズに対してブロック誤り率(BLER:block error rate)が1E-5であることである。
【0043】
物理レイヤの観点では、信頼性は、多くの採り得る方法で向上可能である。現在の信頼性向上の余地としては、URLLC用の別個のCQI表、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰返し等を定義することが含まれる。しかしながら、この余地は、NRが(NR URLLCの重要要件に関し)より安定しかつより開発されるにつれて、超高信頼性の実現のために広がりうる。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースには、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セイフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが含まれる。
【0044】
また、NR URLLCが目標とする技術拡張は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目指している。レイテンシの改善のための技術拡張には、設定可能なニューメロロジー、フレキシブルなマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリーの(設定されたグラントの)上りリンク、データチャネルにおけるスロットレベルでの繰返し、および下りリンクでのプリエンプション(Pre-emption)が含まれる。プリエンプションとは、リソースが既に割り当てられた送信が停止され、当該既に割り当てられたリソースが、後から要求されたより低いレイテンシ/より高い優先度の要件の他の送信に使用されることを意味する。したがって、既に許可されていた送信は、後の送信によって差し替えられる。プリエンプションは、具体的なサービスタイプと無関係に適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBB等)の送信によって差し替えらされうる。信頼性向上についての技術拡張には、1E-5の目標BLERのための専用のCQI/MCS表が含まれる。
【0045】
mMTC(massive machine type communication)のユースケースの特徴は、典型的には遅延の影響を受けにくい比較的少量のデータを送信する接続装置の数が極めて多いことである。装置には、低価格であること、および電池寿命が非常に長いことが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEから見て電力が節約されかつ電池の長寿命化を可能にする1つの解決手段である。
【0046】
上述のように、NRにおける信頼性向上のスコープはより広くなることが予測される。あらゆるケースにとっての重要要件の1つであって、特にURLLCおよびmMTCに必要な重要要件が高信頼性または超高信頼性である。いくつかのメカニズムが信頼性を無線の観点およびネットワークの観点から向上させることができる。概して、信頼性の向上に役立つ可能性がある2つ~3つの重要な領域が存在する。これらの領域には、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰返し、および周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関するダイバーシティがある。これらの領域は、特定の通信シナリオにかかわらず一般に信頼性向上に適用可能である。
【0047】
NR URLLCに関し、ファクトリーオートメーション、運送業、および電力の分配のような、要件がより厳しいさらなるユースケースが想定されている。厳しい要件とは、高い信頼性(10?6レベルまでの信頼性)、高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μs程度までの時刻同期(time synchronization)(ユースケースに応じて、値を、周波数範囲および0.5ms~1ms程度の短いレイテンシ(特に、目標とするユーザプレーンでの0.5msのレイテンシ)に応じて1μsまたは数μsとすることができる)である。
【0048】
さらに、NR URLLCについては、物理レイヤの観点からいくつかの技術拡張が有り得る。これらの技術拡張には、コンパクトなDCIに関するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)の拡張、PDCCHの繰返し、PDCCHの監視の増加がある。また、UCI(Uplink Control Information)の拡張は、enhanced HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)およびCSIフィードバックの拡張に関係する。また、ミニスロットレベルのホッピングに関係するPUSCHの強化、および再送信/繰り返しの強化が有り得る。用語「ミニスロット」は、スロットより少数のシンボルを含むTransmission Time Interval(TTI)を指す(スロットは、14個のシンボルを備える)。
【0049】
5GのQoS(Quality of Service)モデルは、QoSフローに基づいており、保証されたフロービットレートが求められるQoSフロー(GBR(Granteed Bit Rate)QoSフロー)、および、保証されたフロービットレートが求められないQoSフロー(非GBR QoSフロー)をいずれもサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおける最も微細な粒度のQoSの区分である。QoSフローは、NG-Uインタフェースを介してカプセル化ヘッダ(encapsulation header)において搬送されるQoSフローID(QFI:QoS Flow ID)によってPDUセッション内で特定される。
【0050】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、PDUセッションに合わせて、NG-RANは、例えば
図3を参照して上に示したように少なくとも1つのData Radio Bearers(DRB)を確立する。また、そのPDUセッションのQoSフローに対する追加のDRBが後から設定可能である(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、様々なPDUセッションに属するパケットを様々なDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルパケットフィルタが、ULパケットおよびDLパケットとQoSフローとを関連付けるのに対し、UEおよびNG-RANにおけるASレベルマッピングルールは、UL QoSフローおよびDL QoSフローとDRBとを関連付ける。
【0051】
図5は、5G NRの非ローミング参照アーキテクチャ(non-roaming reference architecture)を示す(非特許文献7の第4.2.1.1節参照)。Application Function(AF)(例えば、
図4に例示した、5Gのサービスをホストする外部アプリケーションサーバ)は、サービスを提供、例えば、トラフィックのルーティングにアプリケーションの影響を与えること、Network Exposure Function(NEF)にアクセスすること、またはポリシー制御(例えば、QoS制御)のためにポリシーフレームワークとやり取りすること(Policy Control Function(PCF)参照)をサポートするために3GPPコアネットワークとやり取りする。オペレーターによる配備に基づいて、オペレーターによって信頼されていると考えられるApplication Functionは、関連するNetwork Functionと直接やり取りすることができる。Network Functionに直接アクセスすることがオペレーターから許可されていないApplication Functionは、NEFを介することにより外部に対する解放フレームワークを使用して関連するNetwork Functionとやり取りする。
【0052】
図5は、V2X通信用の5Gアーキテクチャのさらなる機能単位、すなわち、5GCにおけるUnified Data Management(UDM),Policy Control Function(PCF),Network Exposure Function(NEF),Application Function(AF),Unified Data Repository(UDR),Access and Mobility Management Function(AMF),Session Management Function(SMF),およびUser Plane Function(UPF)、ならびにV2X Application Server(V2AS)およびData Network(DN;例えば、オペレーターによるサービス、インターネットアクセス、またはサードパーティーによるサービス)をさらに示す。コアネットワークの機能およびアプリケーションサービスの全部または一部がクラウドコンピューティング環境において展開されかつ動作してもよい。
【0053】
非特許文献8によれば、脆弱な道路ユーザ(VRU)のためのV2Xユースケースから要約されるフローには以下が含まれる。
1.VRUの存在の検出。選択肢は次のとおりである。
・ VRUが自身の位置および速度を含む自身の特性を決定可能にするセンサを有し、また、他のソースを有する可能性もある、VRUによる自己位置決め。
・ 他の道路ユーザ(例えば、V-ITS-S)によるVRUの検出および追跡。
・ R-ITS-Sまたは中央ITS-Sに接続された路側機によるVRUの検出および追跡。
2.VRUが他の道路ユーザからの潜在的なリスクにさらされているかの評価と、VRUの位置と動的な状態とが送信されるべきである。いずれの当事者も、自身が知っているVRUに関する情報を送信してよい。VRUに関する情報はフィルタリングされるべきであり、メッセージトリガ条件に従ってのみ送信されるべきである。他の道路ユーザからの潜在的リスクは、とりわけ、以下の条件に依存する。
・ 道路レイアウト、
・ VRUおよび他の道路ユーザの動的状態、ならびに
・ VRUと(関連する場合)車両の両方のトラフィック信号状態と交通信号の遵守。
3.VRU自身のITS-Sが送信を行うべきかを判定するための、安全なメッセージ環境の評価(具体的には、VRUがクラスタの一部であるかの評価)。
4.リスクのあるVRUに関する情報の送信。選択肢は以下の通りである。
・ VRUがエゴステータス(ego-status)情報を送信する。
・ VRUクラスタリーダーがクラスタ情報を送信する。
・ V-ITS-S、R-ITS-S、C-ITS-S、または他の道路ユーザが、潜在的リスクのある状況にあるVRUに関する情報を送信する。
5.リスク評価。以下のフェーズ(受信側)が含まれる。
・ センサデータ、およびローカル動的マップを構築するために他の道路ユーザによって送信される観測情報と、道路ユーザの位置、速度、および可能であれば他のデータ(例えば意図)に関する情報と、の融合、および
・ 様々な道路ユーザの推定軌道と速度に基づくリスク査定。
6.以下を含む、VRUを保護するための警告または措置。
・ デバイスキャリア(VRUまたは他の道路ユーザ)の警告、
・ 他の道路ユーザへの衝突警報の送信、および
・ 自動運転車両の場合の措置。
が含まれる。
【0054】
前述のように、VRUの安全性の懸念に対する、最も基本的なステップはVRUの存在の検出である。VRU-UEが、自身の存在を示すために、SL報知信号および安全確保メッセージをいつ送信すべきかが明らかではない。さらに、LTEおよびNRの上りリンクおよび下りリンク(Uu)では、DRXが省電力目的で使用されることに留意されたい。VRU-UEは、可能性のあるPDCCHを監視し、潜在的な送信の実行のために、DRX受信期間(DRX on-duration)を起動すればよい。これに基づいて、SL能力を有するUEは、省電力目的で起動時間を短くするために、可能な限りDRX機能を利用すべきである。
【0055】
以下の様々な実施の形態において、以下のタイプの道路ユーザが、非特許文献8および規則(EU)168/2013[i.8]の付属書1における分類に従った脆弱な道路ユーザ(VRU)として考慮される。
・ 歩行者(小児、高齢者、ジョギング中の人を含む)。
・ 緊急時対応者、安全作業者、道路作業者。
・ 馬や犬、関連する野生動物(以下の注記を参照)などの動物。
・ 車いす利用者、ベビーカー。
・ 電気エンジンを搭載している可能性があるスケーター、スケートボーダー、セグウェイ。
・ 25km/hに速度制限された自転車および電動アシスト自転車(e-バイク)(電動アシスト自転車、クラスL1e-A[i.8])。
・ 25km/h以上の高速e-バイク(クラスL1e-B[i.8])。
・ 電動二輪車(PTW:Powered Two Wheeler)、モペッド(スクーター)(クラスL1e[i.8])。
・ PTW、オートバイ(クラスL3e[i.8]);
・ 45km/hに制限されたPTW、三輪車(クラスL2e、L4e、L5e[i.8]);
・ 45km/hに制限されたPTW、四輪車(クラスL5eおよびL6e[i.8])。
・ 注記:関連する野生動物は、他の道路ユーザ(VRU、車両)に安全性のリスクを与える動物のみである。
【0056】
以下の様々な実施の形態では、通信装置は、サイドリンクUEを指してよい。サイドリンクUEは、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、サイドリンク同期ブロック(S-SSB:Sidelink Synchronization Block)、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)、第1段階および第2段階サイドリンク制御情報(SCI:Sidelink Control Information)、下りリンク制御通知信号、無線リソース制御信号、メディアアクセス制御(MAC:Media Access Control)制御エレメント(CE:Control Element)、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)信号、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、サイドリンク同期信号(SLSS:Sidelink Synchronization Signal)、物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH)、および物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)などのサイドリンク信号を送信および/または受信してよい。
【0057】
本開示によれば、通信装置は、省電力状態で動作するように、または、省電力状態で動作することを決定するように設定されうる。省電力状態は、通信装置が動作可能な複数の省電力状態の1つでありうる。複数の省電力状態の各々は、動作中の互いに異なるレベルの省電力を特徴とする様々な特徴/能力に対応する。
【0058】
通信装置がサイドリンク(SL)ユーザ機器(UE)を指しうる様々な実施の形態では、他の通信装置が、サイドリンク信号を送信および/または受信することによってサイドリンクUEと通信してよい。他の通信装置は、(i)基地局(gNodeBまたはgNB)またはセルラーネットワークの1つ(この場合、サイドリンクUEは、基地局またはセルラーネットワークのネットワークカバレッジ内にある)、および、(ii)サイドリンクUEと他のサイドリンクUEとの双方が基地局のネットワークカバレッジ内にあるか否かとは無関係の他のサイドリンクUEである。
【0059】
様々な実施の形態では、デフォルト省電力状態または初期の省電力状態が、通信装置が動作するように(事前に)設定された複数の省電力状態の1つでありうる。そのようなデフォルト省電力状態/初期省電力状態は、最も電力を節約する状態、最も電力を消費する状態、または好ましい/適切な省電力状態のいずれかであり得る。デフォルト省電力状態/初期省電力状態は、現在の動作条件およびパラメータ、または任意の他の状態に基づいて、通信装置によって、または他の通信装置(例えば、gNB、他のSL UE)によって決定される。そのようなデフォルト省電力状態はまた、仕様書(例えば、3GPPによる仕様書)、政府規制当局、またはUEベンダのいずれかによって(事前に)設定され得るか、または(事前に)定義され得る。
【0060】
様々な実施の形態において、省電力状態の「状態」という用語は、「モード」、「方式」、「タイプ」、および「レベル」と互換的に使用することができる。
【0061】
様々な実施の形態において、通信装置に関するパラメータが、通信装置の送受信優先度、通信装置が移動する速度、通信装置タイプ、車両タイプ(例えば、列車、バス、バン、セダン、自転車)、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)による通信装置600の位置、通信装置600の周囲のネットワークトラフィックおよび道路トラフィックの輻輳レベル、通信装置600が位置する地理的ゾーンを示すゾーン識別子(ID)等の、動作する省電力状態の決定において考慮・使用される関連要因を指しうる。
【0062】
上述のように、SL UEがいかに省電力状態になるべきかまたはいかに省電力状態で動作すべきか、およびいかにSL UEが、例えば、特定の種類のサイドリンク信号を送信または受信するために自身の省電力と性能要件とのバランスをとるかが明らかではない。したがって、上記の課題の1つまたは複数に対処し、省電力状態で動作するための新しい通信装置および通信方法を開発する必要がある。
【0063】
本開示によれば、SL UEに対して複数の省電力状態が定義され、SL UEは、複数の省電力状態の1つを決定し、複数の省電力状態の1つにおいて動作するように設定される。複数の省電力状態の各々は、異なるレベルの省電力を特徴とする異なる特徴/能力に関連付けられる。省電力状態は、RRC設定パラメータ、MAC CE、PSCCHシグナリングによる新しいSCIフィールド/フォーマット、またはPDCCH信号による新たなDCIフィールド/フォーマットのいずれかによって設定または変更が可能である。
【0064】
図6に示されるように、通信装置600は、回路614と、少なくとも1つの無線送信部602と、少なくとも1つの無線受信部604と、少なくとも1つのアンテナ612とを含みうる(簡略化のため、説明を目的として1つのアンテナのみが
図6に示される)。回路614は、少なくとも1つの制御部1506を含んでよい。制御部606は、少なくとも1つの制御部606が実行するように設計されたタスクをソフトウェアおよびハードウェアの支援を受けて実行するように用いられる。タスクとは、無線ネットワーク内の1つまたは複数の他の通信装置との通信の制御を含む。回路614は、少なくとも1つの送信信号生成部608と、少なくとも1つの受信信号処理部610とをさらに含んでよい。少なくとも1つの制御部606は、少なくとも1つの制御部606の制御下で、少なくとも1つの無線送信部602を介して1つまたは複数の他の通信装置(例えば、基地通信装置)に送信される信号(例えば、サイドリンク/上りリンク/下りリンク信号)を生成するための少なくとも1つの送信信号生成部608と、少なくとも1つの制御部606の制御下で1つまたは複数の他の通信装置から少なくとも1つの無線受信部604を介して受信された信号(例えば、サイドリンク/上りリンク/下りリンク信号)を処理するための少なくとも1つの受信信号処理部610と、を制御することができる。少なくとも1つの送信信号生成部608および少なくとも1つの受信信号処理部610は、
図6に示されるように、上述の機能のために少なくとも1つの制御部606と通信する通信装置600のスタンドアロンモジュールでありうる。あるいは、少なくとも1つの送信信号生成部608および少なくとも1つの受信信号処理部610は、少なくとも1つの制御部606に含まれうる。様々な実施の形態では、動作時、少なくとも1つの無線送信部602、少なくとも1つの無線受信部604、および少なくとも1つのアンテナ612は、少なくとも1つの制御部606によって制御されうる。
【0065】
少なくとも1つの無線送信部602および少なくとも1つの無線受信部604は、通信装置600のスタンドアロンモジュールに含まれ得、それぞれ他の通信装置との信号の送受信の両方の機能を実行してよい。そのようなモジュールは、本開示の様々な実施の形態では送受信部と呼ばれうる。
【0066】
これらの機能モジュールの配置が柔軟であり、実際の必要性および/または要件に応じて変化してよいことは、当業者には明らかである。データ処理、仮想記憶、および他の関連する制御装置は、適切な回路基板上および/またはチップセット内に設けることができる。
【0067】
通信装置600は、動作時に、省電力状態で動作するために必要な機能を提供する。例えば、通信装置600は、サイドリンクUEまたはVRU-UEであってもよい。回路614(回路614の少なくとも1つの制御部606)は、動作時に、複数の省電力状態のうちの動作するための1つを決定してよく、送受信部(少なくとも1つの無線送信部602および少なくとも1つの無線受信部604を含む)は、動作時に、複数の省電力状態の1つの決定に応じた少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および/または受信してよい。実施の形態では、少なくとも1つの送信信号生成部608および少なくとも1つの受信信号処理部610は、それぞれ、少なくとも1つの無線送信部602および少なくとも1つの無線受信部604、または送受信部(少なくとも1つの無線送信部602および少なくとも1つの無線受信部604を含む)が動作時に少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および/または受信するように、少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および受信するようにそれぞれ設定されうる。
【0068】
一実施の形態では、送受信部は、他の通信装置から複数の省電力状態の1つに関する通知信号を受信してよく、通知信号は、複数の省電力状態の1つにおいて動作するようにとの要求を含むことができ、回路614(回路614の少なくとも1つの制御部606)は、通知信号の受信に応じて、複数の省電力状態の1つにおいて動作することを決定する。
【0069】
他の実施の形態では、動作する省電力状態を決定する際、回路614(回路614の少なくとも1つの制御部606)は、通信装置600に関するパラメータを取得し、回路614(回路614の少なくとも1つの制御部606)は、取得したパラメータに基づいて、複数の省電力状態の1つにおいて動作することを決定してよい。
【0070】
さらに他の実施の形態では、他の通信装置からの複数の省電力状態の1つ(例えば、省電力と、パラメータに基づいて決定される性能要件とのバランスがとれた、適した省電力状態)に関し、当該省電力状態で動作するように通信装置に通知する通知信号を他の通信装置から受信する前に、送受信部は、通信装置600に関する上記のようなパラメータを含む支援情報を他の通信装置に送信してよい。回路614(回路614の少なくとも1つの制御部606)は、次いで、通知信号の受信に応じて、複数の省電力状態の1つにおいて動作することを決定する。
【0071】
他の実施の形態では、通信装置600の回路614は、通信装置600に関するパラメータに基づいて、複数の省電力状態の1つを識別し、例えば、好ましい省電力状態で動作してよい(または好ましい省電力状態に切り替えてよい)。送受信部は、さらに、複数の省電力状態の1つにおいて動作する(または複数の省電力状態の1つに切り替える)ようにとの要求を示す要求信号を他の通信装置に送信してよい。次いで、送受信部は、要求を受け入れ、通信装置600が通信装置によって識別された当該省電力状態で動作することを可能にする応答信号を、他の通信装置から受信してよい。
【0072】
図7は、本開示の様々な実施の形態による、省電力状態で動作するための通信方法700を示すフロー図を示す。ステップ702における、複数の省電力状態の1つを決定するステップ。ステップ704における、複数の省電力状態の1つの決定に応じた少なくとも1種類のサイドリンク信号を送信および/または受信するステップ。本開示によれば、省電力状態は、様々なSL受信能力のためにUEに対して(事前に)定義されることにより、動作時の様々なレベルの省電力をそれぞれ特徴とする。
図8は、本開示の一実施の形態による、SL信号受信のための4つの省電力状態設定(状態D1~D4)を示すフロー
図800を示す。省電力状態(状態D1~D4)およびそれらの対応する設定は、以下のように(事前に)定義されうる。
・ 状態D1:UEは、全種類のSL信号の受信およびそれらSL信号の特徴をサポートする。
・ 状態D2:UEは、PSCCHおよびPSSCHの受信をサポートし、PSCCHセンシング、PSSCHの受信および復号等の、PSCCHおよびPSSCHの特徴のみをサポートし、省電力化に必要とされないときにSLSS/PSBCHを受信するなどの追加の特徴はサポートしない。
・ 状態D3:UEは、PSCCHの受信をサポートし、センシングのみのためのPSCCH受信のようなPSCCHの特徴のみをサポートし、UEがリソース選択のためのセンシングのみを実行する場合、PSSCH受信は許可されない。
・ 状態D4:UEは、いかなる種類のサイドリンク信号の受信も実行せず、送信動作のみを実行する。
【0073】
UEのための省電力状態(例えば、状態D1~D4の1つ)は、性能要件を保証するために、省電力目的および/またはシステム効率のために、UE自体、ネットワーク、または他のSL UEによって決定され得る。追加または代替として、SL受信またはSL送信のいずれかのための省電力状態は、フルセンシング/部分センシング、予備/プリエンプション、監視/送信用のSLSS/PSBCH、PSFCHなどの他のSL能力/特徴を含める/除外するように追加的に/別々に定義され得る。省電力状態は、例えば通知として通知信号を使用することによって設定する/切り替えることができる。そのような通知信号は、以下の1つまたはそれらの組合せでありうる。
・ 上位レイヤからのRRC設定(例えば、UE自体による、またはネットワークからのRRC設定)。そのようなシグナリングは、新しいRRCパラメータであるSwitchPowerSavingStateによって実現され得、状態インデックスに対するSEQUENCEとして、またはすべての状態に対するENUMERATEDとして定義されうる。
・ MAC CE、例えば、目的の省電力状態を示すための新しいインデックスを有する新しいMAC CE。
・ スタンドアロンPSCCHにおけるPSCCHシグナリングを介した第1段階のSCI、またはダミーPSSCHを有するPSCCH。そのようなPSCCHシグナリングは、変更される新たな省電力状態を示すために1つまたはいくつかのSCIビットのフィールド(特定のフィールドまたは再使用フィールドのいずれか)または新たなSCIフォーマットによって実現されうる。
・ PSSCHによる第2段階のSCI。
・ UEがgNBカバレッジ内にある場合のPDCCHシグナリング(モード1またはモード2のいずれか)。そのようなシグナリングは、DCIビットまたは新たなDCIフォーマットのフィールドによって実現されうる。
【0074】
図9は、本開示の一実施の形態による、UEの複数の省電力状態の1つにおいてUEが動作するように設定するための、上位レイヤからのRRC設定の使用を示すフローチャート900を示す。この実施の形態では、新たなRRCパラメータであるSwitchPowerSavingStateが使用され、当該新たなRRCパラメータの4つの異なる値は、それぞれ4つの省電力状態設定(状態D1~D4)を示す。簡単のために、新しいRRCパラメータであるSwitchPowerSavingStateのみが、RRC設定の使用に対して示されている。省電力状態設定シグナリングを実現するために、他のRRCパラメータが、追加的にまたは代替的に、通知として使用されうることが理解されよう。
【0075】
図10は、本開示の他の実施の形態による、複数の省電力状態の1つにおいて動作するようにUEを設定するためのPSCCHの使用を示すフローチャート1000を示す。本実施の形態では、4つの省電力状態設定(状態D1、D2、D3、D4)をそれぞれ示すために、「00」、「01」、「10」、および「11」の2つのSCIビットを有するPSCCHが用いられる。
【0076】
同様に、
図11は、本開示のさらに他の実施の形態による、複数の省電力状態の1つにおいて動作するようにUEを設定するためのPDCCHの使用を示すフローチャート1100を示す。この実施の形態では、「00」、「01」、「10」、および「11」の2つのDCIビットを有するPDCCHは、4つの省電力状態設定(状態D1、D2、D3、およびD4)のそれぞれを示すために使用される。
【0077】
本開示によれば、UEは、イベントトリガによって、1つの省電力状態から他の省電力状態に切り替えることができる。そのようなトリガイベントは、UE自体、他のUE、gNB、またはネットワークからのトリガイベントでありうる。一実施の形態では、UEの上位レイヤは、例えば、電力消費を低減するために、または(能力が増加した)より良好な性能を有するために、自身の省電力状態を他の省電力状態に切り替えることの好ましさを決定する。そのような他の省電力状態で動作することの好ましさは、UEに関するパラメータおよび関連するファクターに基づいて決定されうる。
【0078】
UEがネットワークカバレッジ下にある場合、UEは、自身の好ましい/望ましい省電力状態についてネットワークに知らせる。ネットワークが同意する場合、ネットワークは、省電力状態の切り替えについてUEに通知し、同意しない場合、切り替えは行われない。一方、UEがネットワークカバレッジ下にない場合、またはネットワークがUEの省電力状態の切り替えを制御しない場合、UEが好ましい/望ましい省電力状態に切り替えるように設定される。
【0079】
図12は、本開示の一実施の形態による、現在の省電力状態からUEの好ましい省電力状態に切り替えるためのプロセスを示すフローチャート1200を示す。ステップ1202において、UEは、好ましい省電力状態を決定するように設定される。ステップ1204において、UEは、自身がネットワーク(またはgNB)カバレッジ内にあるかを判定する。UEがネットワークカバレッジ内にある場合、ステップ1206が実行され、UEがネットワークカバレッジ内にない場合、ステップ1212が実行される。ステップ1206において、UEは、ネットワークがUEの省電力状態の切り替えを制御するかを判定するように設定される。ネットワークがスイッチングを制御する場合、ステップ1208が実行され、ネットワークがスイッチングを制御しない場合、ステップ1212が実行される。一実施の形態では、UEは、次いで、自身の好ましい省電力状態を示すための要求信号と、好ましい省電力状態に切り替えるための要求とをネットワークに送信するようにさらに設定される。ステップ1208において、UEは、例えば、要求を受け入れる応答信号をUEが受信するかを判定することによって、ネットワークがUEの好ましい省電力状態に切り替えることに同意するかを判定するように設定される。ネットワークが同意しない場合、ステップ1210が実行され、UEは、自身の好ましい省電力状態に切り替えず、自身の動作を現在の省電力状態に留め、ネットワークが同意する場合、ステップ1212が実行される。ステップ1212において、UEは、自身の好ましい省電力状態で動作する(または好ましい省電力状態に切り替える)ように設定される。
【0080】
好ましい省電力状態に切り替える要求を示す要求信号に加えてまたはそのような要求信号に代えて、UEは、UEに関する(関連する係数を有する)パラメータを含む支援情報をネットワーク(またはgNB)に送信してよい。
【0081】
図13は、本開示の一実施の形態による、通信装置によって現在動作している省電力状態から他の通信装置による他の省電力状態への切替えを示すプロセスを示すフローチャート1300を示す。簡単のために、ネットワークを使用してプロセスを示す。現在の省電力状態から他の省電力状態に切り替えるようにUEに通知するために、ネットワークの代わりに、gNBおよび他のサイドリンクUEなどの任意の他の通信装置がプロセスにおいて使用されうることが理解されよう。
【0082】
ステップ1302において、UEは、自身のパラメータおよび関連ファクターをネットワークに報告するように設定される。一実施の形態では、そのようなパラメータおよび関連ファクターは、ネットワークに送信されるUE支援情報に含まれる。ステップ1304において、ネットワークは、パラメータおよび関連ファクターを評価するように設定される。ステップ1306において、ネットワークは、UEが自身の省電力状態を切り替えることが必要であるかを判定するように設定される。ネットワークによって、UEの省電力状態の切替えが必要であると決定された場合(例えば、ある省電力状態が、UEが動作する現在の省電力状態と比較してUEが動作するのにより適している(省電力と性能要件とのバランスがとれている)とネットワークによって決定された場合)、ステップ1308が実行され、次いで、ネットワークは、例えば、他の省電力状態を示す前述の通知信号をUEに送信することによって、他の省電力状態に切り替えるようにUEに通知するように設定され、切替えが必要ない場合、ステップ1310が実行される。ステップ1310では、例えば、UEに切替えの必要がないと決定され、例えば、現在の省電力状態よりも適切な省電力状態がなく、UEは現在の省電力状態で動作するままである。
【0083】
様々な実施の形態において、UEは、特定の省電力状態、または特定の特徴/機能をサポートするかもしくはサポートしない省電力状態で動作する(または当該省電力状態に切り替える)ことを決定するように設定されうる。同様に、通知信号(例えば、
図10~12に示されるようなRRC信号、PSCCH信号、およびPDCCH信号)またはUEによる要求に対する応答信号は、特定の省電力状態で動作する(または特定の省電力状態に切り替える)ことをUEに直接的に知らせる通知、または特定の特徴/機能をサポートするかもしくはサポートしない省電力状態で動作する(または当該省電力状態に切り替える)ことをUEに知らせる通知を含んでよい。
【0084】
例えば、UEは、好ましい省電力状態D2に切り替えるための信号を受信してよく、UEが現在省電力状態D3で動作している場合、省電力状態D2で動作するように切り替える。あるいは、UEは、PSSCHをサポートする状態で動作するための信号を受信してよい。したがって、UEは、そのような省電力状態で動作する(または当該省電力状態に切り替える)ことを決定してよい。例えば、UEが状態D3で動作している場合、信号を受信すると、UEは状態D1またはD2に切り替える。一方、UEは、PSSCHをサポートしない状態で動作するための信号を受信してよく、したがって、UEは、そのような省電力状態で動作する(または、そのような省電力状態に切り替える)ことを決定することができる。例えば、UEが状態D1で動作している場合、上記信号を受信すると、UEは状態D3またはD4に切り替わる。
【0085】
先に述べたように、SL UEには、SL UEによって動作可能な複数の省電力状態のうちのデフォルト省電力状態/初期省電力状態が(事前に)設定され得る。SL UEが、自身のデフォルト省電力状態/初期省電力状態ではない省電力状態に切り替える場合、フォールバックタイマ、例えば、タイマに基づくフォールバックパラメータが開始されうる。フォールバックタイマは、満了すると、再びデフォルト省電力状態/初期省電力状態に切り替えるように使用されうる。そのようなタイマに基づくフォールバックパラメータは、パターン/タイマとしてRRCシグナリング、または不連続受信(DRX)と同様のMAC/PSCCHシグナリングの1つを使用して設定され得る。
【0086】
図14は、本開示の一実施の形態による、デフォルト省電力状態で動作するプロセスを示すフローチャート1400を示す。ステップ1402において、UEは、デフォルト省電力状態/初期省電力状態で動作するように設定され得る。ステップ1404において、UEは、動作する他の省電力状態を決定し、したがって、当該省電力状態に切り替えるようにさらに設定されうる。ステップ1406において、タイマが開始される。ステップ1408において、タイマが満了したかが判定される。タイマが満了していない場合、ステップ1410が実行され、タイマが1単位減少される。タイマが満了した場合、UEは、自身のデフォルト省電力状態で動作するように設定される。
【0087】
そのようなデフォルト省電力状態は、仕様書(例えば、3GPP)、政府規制当局、またはUEベンダのいずれかによって(事前に)設定され得るか、または(事前に)定義されうる。様々な省電力状態の挙動が、3GPP(RRC設定、UE能力など)において定義されるべきであることに留意されたい。どの状態を実施するか、および、特定の状態に対してどのようなユースケースを実施するかといった上位レイヤの動作は、国/地域の規制またはUEの実装および決定次第であるべきである。
【0088】
本開示の一実施の形態では、
図8の状態D3に示されるように、PSCCHの受信と、センシングのみのためのPSCCH受信のような特徴のみとをサポートするUEである場合、UEは、第2段階のSCIまたはPSSCH無しのPSCCHを監視するために、第1段階のSCI(例えば、SLスロット内の開始2シンボルまたは開始3シンボル)を受信するときにのみアクティブである必要がある。具体的には、UEには、PSCCHセンシング機会のみが定義され得、PSSCH受信スロット/サブフレームは定義されない。UEは、PSCCHのシンボル/スロットの残りの部分においては(マイクロ/ライト/ディープ)スリープモードになり得る。あるいは、PSSCH受信スロット/サブフレームは、PSSCH受信をサポートする受信状態と同一に定義され得、UEは、PSSCH受信スロット/サブフレーム内のPSCCHシンボルを監視する。
【0089】
さらに、PSCCHセンシングのみを行うSL UEにPSSCHによって搬送されるSLメッセージを送信しようとする他のSL UEがある場合、当該他のSL UEは、SL UEに、PSSCH受信が可能な他の省電力状態に切り替えるように通知するために、スタンドアロンPSCCHを送信する必要がありうる。スタンドアロンPSCCHは、特定の省電力状態、または機能(例えば、PSSCH受信)をサポートする状態に切り替えるように通知するために、SCIにおいて1つまたは複数のビットを搬送してよい。以下の段落では、いくつかの例示的な実施の形態が、5Gコアネットワークに関連する用語、ならびにサイドリンク報知のための通信装置および方法に関する本開示を参照して説明される。
【0090】
<制御信号>
本開示において、本開示に係る下りリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPDCCHを介して送信される信号(情報)であってもよく、上位レイヤまたはRRCのMAC Control Element(CE)を介して送信される信号(情報)でありうる。下りリンク制御信号は、予め定義された信号(情報)でありうる。本開示に係る上りリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPUCCHを介して送信される信号(情報)であってもよく、上位レイヤまたはRRCのMAC CEを介して送信される信号(情報)でありうる。また、上りリンク制御信号は、予め定義される信号(情報)でありうる。上りリンク制御信号は、上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)、第1段階サイドリンク制御情報(SCI:Sidelink Control Information)、または第2段階SCIでありうる。
【0091】
<基地局>
本開示において、基地局は、例えば、送受信点(TRP:Transmission Reception Point)、クラスタヘッド、アクセスポイント、遠隔無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)、基地局(BS:Base Station)、基地局送受信部(BTS:Base Transceiver Station)、ベースユニット(base unit)、またはゲートウェイでありうる。また、サイドリンク通信では、基地局の代わりに端末が用いられうる。基地局は、上位ノードと端末との間の通信を中継する中継装置でありうる。基地局は、路側機でありうる。
【0092】
<上りリンク/下りリンク/サイドリンク>
本開示は、上りリンク、下りリンク、およびサイドリンクのいずれに適用されてもよい。本開示は、例えば、PUSCH、PUCCH、およびPRACH等の上りリンクチャネル、PDSCH、PDCCH、およびPBCH等の下りリンクチャネル、ならびに物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)等のサイドリンクチャネルに適用されうる。PDCCH、PDSCH、PUSCH、およびPUCCHは、それぞれ、下りリンク制御チャネル、下りリンクデータチャネル、上りリンクデータチャネル、上りリンク制御チャネルの一例である。PSCCHおよびPSSCHは、それぞれ、サイドリンク制御チャネルおよびサイドリンクデータチャネルの例である。PBCHおよびPSBCHはそれぞれ、報知チャネルの例であり、PRACHは、ランダムアクセスチャネルの例である。
【0093】
<データチャネル/制御チャネル>
本開示は、データチャネルおよび制御チャネルのいずれに適用されてもよい。本開示におけるチャネルは、PDSCH、PUSCH、およびPSSCHを含むデータチャネル、ならびに/またはPDCCH、PUCCH、PBCH、PSCCH、およびPSBCHを含む制御チャネルと置き換えられうる。
【0094】
<参照信号>
本開示では、参照信号は、基地局と移動局の両方に既知の信号であり、各参照信号は、参照信号(RS)またはパイロット信号と呼ばれることがある。参照信号は、DMRS、チャネル状態情報-参照信号(CSI-RS:Channel State Information - Reference Signal)、トラッキング参照信号(TRS:Tracking Reference Signal)、位相トラッキング参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、およびサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)のうちのいずれかでありうる。
【0095】
<時間間隔>
本開示では、時間リソース単位は、スロットおよびシンボルの1つまたは組合せに限定されず、フレーム、スーパーフレーム、サブフレーム、スロット、タイムスロットのサブスロット、ミニスロット、またはシンボル、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA:Single Carrier-Frequency Division Multiplexing Access)シンボル、または他の時間リソース単位などの時間リソース単位であってよい。1スロットに含まれるシンボルの数は、上述した実施の形態で例示したシンボルの数に限定されるものではなく、他のシンボルの数であってもよい。
【0096】
<周波数帯域>
本開示は、ライセンスバンドおよびアンライセンスバンドのいずれに適用されてもよい。
【0097】
<通信>
本開示は、基地局と端末との通信(Uuリンク通信)、端末と端末との通信(サイドリンク通信)、およびV2X(Vehicle to Everything)通信のいずれに適用されてもよい。本開示におけるチャネルは、PSCCH、PSSCH、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)、PSBCH、PDCCH、PUCCH、PDSCH、PUSCH、およびPBCHと言い換えてもよい。また、本開示は、地上のネットワーク、または、衛星もしくは高度疑似衛星(HAPS:High Altitude Pseudo Satellite)を用いた地上ネットワーク以外のネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)のいずれにも適用することができる。また、本開示は、セルサイズが大きいネットワークや、超広帯域送信ネットワークのようにシンボル長またはスロット長に比べて遅延が大きい地上ネットワークにも適用されうる。
【0098】
<アンテナポート>
アンテナポートは、1つまたは複数の物理アンテナから形成される論理アンテナ(アンテナグループ)を指す。すなわち、アンテナポートとは、必ずしも1つの物理アンテナを指すもためはなく、複数のアンテナ等からなるアレーアンテナを指す場合もある。例えば、アンテナポートを構成する物理アンテナの数は定義されておらず、その代わりに、アンテナポートは、端末が参照信号を送信することを許可される最小単位として定義される。アンテナポートはまた、プリコーディングベクトル重み付けの乗算のための最小単位として定義されうる。
【0099】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、または、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的にまたは全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的にまたは全体的に、一つのLSIまたはLSIの組み合わせによって制御されうる。LSIは個々のチップから設定され得、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから設定されうる。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサまたは専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現されうる。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0100】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。
【0101】
通信装置は無線送受信部(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信部は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信部(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。
【0102】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物または移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、および上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0103】
通信装置は、持ち運び可能または移動可能なものに限定されず、持ち運びできないまたは固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーターまたは計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在してよいあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0104】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0105】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続または連結される、制御部やセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、制御部やセンサが含まれる。
【0106】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。当業者であれば、広く記載された本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の実施の形態に示されるように、本開示に対して多数の変形および/または修正を行うことができることを理解するであろう。したがって、本実施の形態は、あらゆる点で例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。
【国際調査報告】