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  • 特表-電気エネルギー貯蔵体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(54)【発明の名称】電気エネルギー貯蔵体
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20240124BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240124BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240124BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20240124BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240124BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240124BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240124BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240124BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240124BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/6561
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/293
H01M50/588
H01M50/593
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539820
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2022050635
(87)【国際公開番号】W WO2022167187
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021102338.6
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】フランケ・トルステン
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA37
5H040AS07
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC05
5H040CC13
5H040DD06
5H040JJ03
5H043AA17
5H043BA19
5H043CA21
5H043GA23
5H043GA24
5H043JA01F
5H043JA13F
(57)【要約】
本発明は、電気駆動部を備えた自動車に装着するための電気エネルギー貯蔵体であって、上側ハウジング部と、下側ハウジング部と、中間部材とからなり、貯蔵セルを収容するための少なくとも一つのハウジングを備え、隣接するハウジング部との中間部材の接続部が、横方向のせん断力を吸収すると同時に引っ張り力に対する強度を高めるために噛み合わせ部の形態で作られている電気エネルギー貯蔵体に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気駆動部を備えた自動車に装着するための電気エネルギー貯蔵体(EES)であって、上側ハウジング部(1)と、下側ハウジング部(12)と、中間部材(16)とからなり、貯蔵セル(20)を収容するための少なくとも一つのハウジングを備え、隣接するハウジング部(1,12)との前記中間部材(16)の接続部(29,30)が、横方向のせん断力を吸収すると同時に引っ張り力に対する強度を高めるために噛み合わせ部の形態で作られている電気エネルギー貯蔵体。
【請求項2】
請求項1に記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、前記噛み合わせ部は、前記上側ハウジング部(1)および前記下側ハウジング部(12)との前記中間部材(16)の側方接続部(30)並びに突き合せ接続部(29)の形態で形成されていることを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、前記噛み合わせ部は、前記上側ハウジング部(1)と、前記下側ハウジング部(12)とに形成されたビード(31)として作られていることを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、前記ビード(31)は、中間スペース(2)の補強部として且つ形状的な凹凸の写し取りのために前記上側ハウジング部(1)に形成されていることを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、前記ビード(31)は、前記セル(20)の下側の材料弱化部(32)を形状的に保護するために前記下側ハウジング部(12)に形成されていることを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、前記中間部材(16)は、力を吸収する前記セル(20)のケース延長部として機能する支持部材(33)の架台の形態に作られ、前記支持部材(33)は、前記セル(20)より長めに形成され、前記支持部材(33)が、前記上側ハウジング部(1)および前記下側ハウジング部(12)に向かって前記セル(20)を超えて突出していることで、前記セル(20)の断面に従った中空スペースを形成し、前記上側ハウジング部(1)および前記下側ハウジング部(12)は、前記ビード(31)がこれらの中空スペースに形状的にフィットし、深絞り加工された、前記中空スペースの閉鎖キャップとして機能するように成形されている
ことを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、前記上側ハウジング部(1)は、流れる冷却流体(3)のための中間スペース(2)を備え、前記ビード(31)は、前記上側ハウジング部(1)の下側に、少なくとも部分的にこの中間スペース(2)を形成することを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、前記下側ハウジング部(12)の上側における前記ビード(31)には、材料弱化部(32)が、前記組立スペース(10)の側に取り付けられたフィルムにより形成され、当該フィルムが前記下側ハウジング部(12)の開口部を閉鎖することを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、前記ハウジング部(1,12)をつなぐ前記中間部材(16)の領域は、セル壁の電気絶縁体を担うように作られていることを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のエネルギー貯蔵体EESにおいて、電気を通さない前記支持部材(33)を備えた前記中間部材(16)は、前記セル(20)の壁部を形成し、前記セル(20)を完全にカバーし、前記上側ハウジング部(1)から前記下側ハウジング部(12)まで貫通する中空スペースの形態の、前記セル(20)と前記中間部材(16)の間の前記中間スペース(34)には、補強部材(35)が導入され、当該補強部材が、前記上側ハウジング部(1)と前記下側ハウジング部(12)の間の隔たりを橋渡しすることを特徴とするエネルギー貯蔵体EES。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の電動化された駆動部のための電気エネルギー貯蔵体に関するものであって、車両で使用するためのエネルギー貯蔵体を組み立てる方法も考慮される。このようなエネルギー貯蔵体は、例えばリチウムイオン電池とすることができ、特に、高電圧貯蔵体、高電圧バッテリーまたはトラクションバッテリーとも称される。以下、電気エネルギー貯蔵体を略してエネルギー貯蔵体と称する。
【背景技術】
【0002】
未公開の独国特許出願102020126424.0号より、出願人は、対内的に、自動車に装着するためのエネルギー貯蔵体であって、少なくとも二つのハウジング部からなり、(自動車における装着のための)下側のハウジング部が、全ての貯蔵セルを収容するために設けられているエネルギー貯蔵体を認識している。上記の両方のハウジング部の間に、中央ハウジング部が配置され、この中央ハウジング部は、二つのハウジング部を水平面で分離するとともに、冷却流体が流れる中間スペースを内包している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、電動化された自動車のためのエネルギー貯蔵体をその強度に関してさらに改善することである。
【0004】
この課題は、特許請求項1の特徴部により解決される。従属請求項は、本発明の有利な発展形態である。
【0005】
本発明は、電気駆動部を備えた自動車に装着するための電気エネルギー貯蔵体であって、上側ハウジング部と、下側ハウジング部と、中間部材とからなり、貯蔵セル(複数)を収容するための少なくとも一つのハウジングを備え、隣接するハウジング部との中間部材の接続部が、横方向のせん断力を吸収すると同時に引っ張り力に対する強度を高めるために噛み合わせ(嵌め合わせ)部の形態で作られている電気エネルギー貯蔵体に関する。
【0006】
好ましくは、上記の噛み合わせ部は、上側ハウジング部および下側ハウジング部との中間部材の側方接続部並びに突き合せ接続部の形態で形成されている。
【0007】
本発明のさらに他の態様では、上記の噛み合わせ部は、上側ハウジング部と、下側ハウジング部とに形成されたビード(複数)として作られている。
【0008】
上側ハウジング部におけるビードは、好ましくは、冷却媒体のための中間スペースの補強部として且つ形状的(幾何学的)な凹凸の写し取り(再現、マッピング)(Abbildung)のために形成されている。
【0009】
加えて、下側ハウジング部におけるビードは、セルの下側の材料弱化部を形状的(幾何学的)に保護するために形成されていてもよい。
【0010】
本発明のさらに他の形態では、セル(複数)のケース延長部として支持部材(複数)が力を吸収する働きをし、中間部材は、これらの支持部材の架台(骨格)の形態に作られている。これらの支持部材はここで、セル(複数)よりも長めに形成され、これらの支持部材が、上側ハウジング部および下側ハウジング部に向かってセルを超えて突出していることで、セルの断面に従った中空スペースを形成する。上側ハウジング部および下側ハウジング部は、ビードがこれらの中空スペースに形状的にフィットし、深絞り加工された、中空スペースの閉鎖キャップとして機能するように成形されている。
【0011】
これらのセル(複数)と中間部材との間の中空スペース(複数)には、補強部材が、上側ハウジング部と下側ハウジング部の間の隔たりを一つながりに橋渡しして(繋ぎ合わせて)いることが好ましい。
【0012】
本発明およびエネルギー貯蔵体の有利で可能な実施態様は、以下の考察に基づいている:
【0013】
前から一般に知られている技術水準の上に、この水準を超えて以下の特性を備えるエネルギー貯蔵体を提案する:
- 引っ張り力を吸収する接続部のより高い強度、
- ボラードとの衝突の際に力を伝えるより高い強度、
- セルパックの電気接続部の容易に自動化可能なアセンブル、
- 車両外部に対して密閉された電子機器設置スペースの容易な作製、
- エネルギー貯蔵体における熱機械的な力の最小化。
【0014】
上記の未公開の内部先行技術に基づき、上述の詳細な課題設定から以下のことが分かる:
【0015】
上記の内部“先行技術”は、本発明においても、以下の特徴の基礎となり得る:下方の(車室内フロアの下の道路に面した)ハウジング部は、貯蔵セル(複数)(装着状態でそれら貯蔵セルのハウジングが垂直に配向している。)を備えたいわゆる“セルパック”と、さらには、そのセルパックの下側に配置されたフレームを含む。下に向けられたフレームは、支持部材(複数)の架台(以下、“中間部材”ともいう)を備え、これが、力を吸収するセルのケース延長部として機能する。これらの支持部材は、例えば、セルケースの下側に別体の担持体として形成されるか、或いは、セルケースの延長部として形成されるか、或いは、セルを完全に取り囲むとともにさらに中空スペースを備えた支持管として形成される。この内部“先行技術”は、中間部材と組み合わされた、中央ハウジング部と下側ハウジング部の間の支持部材の端面側の接続部に関し、気密なシール体により案内された、セルパックおよび貯蔵体電子部品の電気接続部用の配線を開示する。
【0016】
中央ハウジング部および下側ハウジング部への中間部材の接続の引っ張り強度の向上、ボラードとの衝突および熱機械的な力に対抗するより高い接続強度だけでなく、貯蔵体電子部品とのセルパックの電気接続の簡略化並びに電子機器設置スペースの構造の簡略化が、本発明の目的である。
【0017】
ここで説明する発明は、独国特許出願第102020126424.0号により説明されたより高い強度に関する原理、簡素化された製造性およびより少ない材料の使用を発展させるものである。
【0018】
本発明の主旨によれば、中間部材は、隣接するハウジング部の側において、複数の部分が互いに噛み合わされている(嵌め合わされている)ように作られている。横方向のせん断力に対する機械的な耐性は、形状結合により高められる。接続される要素間の接触面の拡大により、引っ張り力に対する強度も高められる。
【0019】
さらに、選択的に、ハウジング部を接続する中間部材の領域は、セル壁の電気的な絶縁を担い、ハウジングの下側とハウジングの上側の間に力を伝えるのに寄与する介装された補強部材を含むことができるように作られていてもよい。
【0020】
加えて、上側ハウジング部を貫く電気ブッシングへの電気接続部が中間部材に形状を保ったまま組み込まれてもよく、電気的にシールされたブッシングが、セルパックと貯蔵体電子部品の間並びに貯蔵体電子部品から外部へのたるんだ配線がなくなるように作られていてもよい。電子機器設置スペースは、貯蔵体側の電子機器のカプセル化およびそれに関連する電気的インターフェースが不要になるように簡略化される。ハウジング部は、貯蔵体アセンブリからの熱機械的なストレスを最小限に抑えるように鍛錬される。
【0021】
本発明の実施例を図に示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるエネルギー貯蔵体の有利な全体構造を示す図である。
図2】隣接するハウジング部の側の中間部材の接続部であって、それらを互いに噛み合わせるための本発明の接続部の特に有利な形態を詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に、多数の貯蔵セル20を備えたエネルギー貯蔵体EESが図示されており、これらの貯蔵セル20は、車室内フロア27の下側に配置されたハウジング若しくは(車両にまだ組み込まれていないのであれば)配置されるべきハウジングであって、上側ハウジング部1と下側ハウジング部12からなるハウジング内に、いわゆるセルパック11の形態で配置されている。上側ハウジング部1は、ポート4を通して外側の冷却流路5に接続することができ、冷却液3が流れる中間スペース2を内包している。
【0024】
可能な一実施形態では、上側ハウジング部1は、少なくとも部分的に、電気絶縁体6が設けられている。特に有利な実施形態では、電気絶縁体6は、その電気特性を保持したまま深絞り加工できる。上側ハウジング部1の上には、車室7の側に、車両の電気ネットワークに接続するために取り付けられた電気端子9を備えた貯蔵体電子部品8を組み付けることができる。下側の(道路に面した)車両外部の側では、セルパック11を収容するための組立スペース10が、下側ハウジング部12によって閉鎖される。好ましい実施形態では、上側ハウジング部1と下側ハウジング部12は、縁折り13によってつなぎ合わされる。セルパック11を取り巻く、組立スペース10の空いたスペースは、好ましくも、塑弾性材料14で満たされる。貯蔵体電子部品8とセルパック11は、上側ハウジング部1内に取り付けられた少なくとも一つの電気ブッシング15を用いて互いに接続されている。
【0025】
上側ハウジング部1と下側ハウジング部12は、中間部材16を介してつなぎ合わされている。この接続部の本発明によるより正確な形態は、図2により詳細に図示されている。
【0026】
中間部材16は、支持部材(複数)33の架台の形態で作られ、これらの支持部材は、セルのケース延長部として力を吸収する働きをする。これらの支持部材33は、例えば、セルケースの下側の別体の担持体として、或いは、セルケースの延長部として、或いは、セル(複数)を完全に取り囲み且つ中空スペースをさらに備えた支持管として形成されている。
【0027】
作用する力に対するセルパック11の安定性を高めるために、上側ハウジング部1と、下側ハウジング部12と、支持部材33を備えた中間部材16とは、上側ハウジング部1および下側ハウジング部12との中間部材16の突き合せ接続部29のための領域に加えて、ほぞ又はピン(Zapfen oder Duebeln)による接続部のように、上側ハウジング部1および下側ハウジング部12との中間部材16の側方接続部30を有する領域も形成されるように作られている。
【0028】
本発明に本質的な実施態様では、こうして上側ハウジング部1および下側ハウジング部12に形成されたビード(複数)31が、同時に、形状的な凹凸の再現のために、また、上側ハウジング部1における中間スペース2の補強部として、さらには、下側ハウジング部12におけるセルの下側の材料弱化部32の形状的な保護部に用いられる。
【0029】
換言すれば、セル20の壁部をなす支持部材33は、セル20よりも長く形成されている。支持部材33(従って中間部材16)は、従って、セル20を越えて上側ハウジング部1および/または下側ハウジング部12に向かって突出し、その結果、セル20の断面に従う中空スペースを形成する。上側ハウジング部1および/または下側ハウジング部12は、これらの中空スペースに形状的にフィットした、これらの中空スペースを閉鎖するビード31をこれらが備えるように成形されている。こうして、ビード31は、中空スペースの深絞り加工された閉鎖キャップとして機能し、この閉鎖キャップにより、セルパック11全体の機械的な安定化のための側方接続部30が提供可能とされている。
【0030】
上側ハウジング部1の下側に面するビード31はここで、好ましくは、少なくとも部分的に、冷却媒体3のための中間スペース2を形成する。
【0031】
下側ハウジング部12の上側に面するビード31には、組立スペース10の側に取り付けられたフィルムによる材料弱化部32が形成されるのでもよく、このフィルムが下側ハウジング部12における開口部を封止する。
【0032】
この場合、上側ハウジング部1と下側ハウジング部12の方を向いた中間部材16の輪郭は、上側ハウジング部1と下側ハウジング部12の凹凸に倣う。
【0033】
セルパック11は、セル接点(複数)17と、セル感知部18用の端子(複数)とを備えた中間部材16、電気ブッシング15との接続のための電気端子(複数)19、セル(複数)20、中間部材16とセル(複数)20間の接着部21、並びにセル接点(複数)17とセル感知部18用の端子(複数)周りのポッティング部(Weichverguss)22からなる。セル20はここで、その表面において、例えば箔押しや塗装によって部分的に電気的に絶縁することができる。電気端子(複数)19は、これら端子が形状を保ちつつそのまま電気ブッシング15に電気的に接続できるように構成されている。これは、例えば、差し込み、ねじ止めにより、或いは、ハンダ付けや溶接などの冶金的な接続により、実現することができる。電気ブッシング15は、このために、組立スペース10の方に向けられた電気端子19の接触用の内側接点(複数)23、並びに、それと電気的につながっている、車室7の方に向けられ、好ましくは触られないよう保護されて形成された、貯蔵体電子部品8の接触用の外側接点(複数)24を含む。貯蔵体電子部品8は、外側接点(複数)24に接触させるための相手側接点(複数)25を含む。好ましいセッティングでは、上側ハウジング部1にセルパック11を組み付ける一環として、電気端子(複数)19と内側接点(複数)23のそれぞれ対応関係にある接触は、例えば溶接により、互いに分離できないように接続され、上側ハウジング部1に貯蔵体電子部品8を組み付ける一環として、外側接点(複数)24と相手側接点(複数)25のそれぞれ対応関係にある接触は、例えば差し込みにより、互いに繰返し分離可能に接続される。貯蔵体電子部品8は、組み付け時に、ネジやスナップ嵌めなどの公知の要素により機械的に固定される。この組み付けは、EESの製造時に直接または車室から行うことができる。上側ハウジング部1における電気ブッシング15の組み付けは、例えば、二つの部品を溶接するかフランジにネジ止めし、電気ブッシング15を収容する上側ハウジング部1の凹部をプラスチック材料で充填することによって行われる。
【0034】
さらに他の実施態様では、電気ブッシング15は、塑弾性材料14を少なくとも部分的に中に入れられるようにする少なくとも一つの開口部を含む。さらに他の実施態様では、電気ブッシング15は、初めから中間部材16の構成部品であり、セルパック11を組み付ける際には、上側ハウジング部1を通して案内され、塑弾性材料14を中に入れることで正しい位置に固定され密封される。この実施態様では、触られないよう保護されて作られた外側接点24は、部品点数と接合箇所を減らすために、電気端子19並びに中間部材16を適切に成形することにより形成することができる。好ましくは、塑弾性材料14は、成形時には流動性のある電気絶縁材料であり、この絶縁材料が、中に入れた後は、互いに分離不能に接続される電気端子19と内側接点23のカプセル化も保証する。さらに他の実施態様では、塑弾性材料14は、外界の影響を断ち切る材料であり、この材料が、セルパック11と電気ブッシング15を外界の影響に対して完全に封印し、上側ハウジング部1と下側ハウジング部12と縁折り13の気密シールを不要にする。可能な製造プロセスにおいて、塑弾性材料は、湿気を排除して、例えば、CO保護ガス雰囲気中若しくは真空下で導入される。車両の外側の領域に対する車室7の領域での車両内空間の気密性は、上側ハウジング部1に取り付けられたシール体26により保証され、このシール体が、EESを車両に組み付ける際に車室内フロア27に押し付けられる。EESは、例えば、部品要素28により一定間隔で車室内フロア27にネジ止めされる。
【0035】
さらに、中間部材16は、電気的に非導電性の材料から作られており、セル(複数)20の壁部(複数)33を完全にカバーしている。有利な態様では、セル(複数)20と中間部材16との間に比較的広い適当な中間スペース(複数)が設けられていてもよく、これらが、上側ハウジング部1と下側ハウジング部12の間の隔たりを橋渡しする補強要素(複数)35を選択的に収容するための、上側ハウジング部1から下側ハウジング部12まで貫通する中空スペース(複数)34を形成し得る。補強要素35はここで、例えば端部が中間部材16に重なるようにして幅が変えられるように作られていてもよく、中間部材16の製造中に例えばオーバーモールドによって予め組み込まれてもよいし、或いは事後的に導入されてもよい。同様に、補強要素35は、貯蔵部組み付け時に、上側ハウジング部1および下側ハウジング部12にしっかりと接続することができる。例示的な実施態様では、補強要素35は、上側ハウジング部1および下側ハウジング部12と同じ材料からなり、貯蔵部を20閉じた後、上側ハウジング部1と下側ハウジング部12に既知の方法で溶接される。
図1
図2
【国際調査報告】