(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-21
(54)【発明の名称】核酸の送達のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/88 20060101AFI20240214BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240214BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240214BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240214BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240214BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20240214BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240214BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240214BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20240214BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240214BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240214BHJP
C12N 15/52 20060101ALN20240214BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20240214BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20240214BHJP
C12N 15/63 20060101ALN20240214BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20240214BHJP
【FI】
C12N15/88 Z ZNA
A61K48/00
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61P1/16
A61P3/00
A61P7/04
A61K9/16
A61K47/22
A61K47/28
A61K47/24
A61K47/10
C12N15/52 Z
C12N15/12
C12N15/09 110
C12N15/63 Z
C12N15/62 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550218
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2022017570
(87)【国際公開番号】W WO2022182792
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519331338
【氏名又は名称】ポセイダ セラピューティクス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100225598
【氏名又は名称】桐島 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ライチャック
(72)【発明者】
【氏名】ショーン エセックス
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ブッチャー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター グリフィン
(72)【発明者】
【氏名】ブレア マディソン
(72)【発明者】
【氏名】レナタ マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ネハ パラヤス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイ.ベネット
(72)【発明者】
【氏名】カーリド エー.ハッジ
(72)【発明者】
【氏名】オスカー アルバレス
(72)【発明者】
【氏名】ダン ジェイ.スミス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076CC14
4C076CC16
4C076CC21
4C076CC26
4C076CC29
4C076DD60
4C076DD63
4C076DD70
4C076EE23
4C084AA13
4C084MA41
4C084NA14
4C084ZA531
4C084ZA751
4C084ZB211
4C084ZC191
4C084ZC211
(57)【要約】
本開示は、限定されるものではないが、肝細胞を含む、細胞の遺伝子改変のための組成物及び方法を提供する。組成物及び方法は、脂質ナノ粒子を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質、少なくとも1つの構造脂質、少なくとも1つのリン脂質、及び少なくとも1つのPEG化脂質を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
約53モル%~約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約34モル%~約41モル%のコレステロールと、
約4モル%~約11モル%のDOPC、DSPC、又はDOPEと、
約0.5モル%~約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約70:1~約105:1(w/w)である、組成物。
【請求項2】
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約40モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.5モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約40モル%のコレステロールと、
約5モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.5モル%のコレステロールと、
約5モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約5モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
前記少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含み、前記少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記RNA分子が、mRNA分子であり、好ましくは、前記mRNA分子が、5’-CAPを更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1つのRNA分子が、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードする核酸配列を含み、好ましくは、前記トランスポサーゼが、piggyBac(商標)(PB)トランスポサーゼ、piggyBac様(PBL)トランスポサーゼ、Super piggyBac(商標)(SPB)トランスポサーゼポリペプチド、Sleeping Beautyトランスポサーゼ、Hyperactive Sleeping Beauty(SB100X)トランスポサーゼ、ヘリトロントランスポサーゼ、Tol2トランスポサーゼ、TcBusterトランスポサーゼ、又は変異型TcBusterトランスポサーゼである、請求項1~13又は15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記DNA分子が、環状DNA分子、DoggyBone DNA分子、DNAプラスミド、DNAナノプラスミド、又は直鎖状DNA分子であり、好ましくは、前記DNA分子が、DoggyBone DNA分子又はDNAナノプラスミドである、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1つのDNA分子が、少なくとも1つのトランスポゾンをコードする核酸配列を含む、請求項14又は17に記載の組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする核酸配列を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのトランスポゾンをコードする核酸配列を含み、前記トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする核酸配列を含む、請求項14、17及び18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記少なくとも1つの治療用タンパク質が、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、メチルマロニル-CoAムターゼ(MUT1)、第VIII因子、又は第IX因子である、請求項19又は20に記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも1つの核酸を少なくとも1つの細胞に送達する方法であって、前記少なくとも1つの細胞を、先行請求項のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項23】
少なくとも1つの細胞を遺伝子改変する方法であって、前記少なくとも1つの細胞を、先行請求項のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの細胞が、少なくとも1つの肝臓細胞であり、好ましくは、前記少なくとも1つの肝臓細胞が、肝細胞、肝星細胞、Kupffer細胞、又は肝類洞内皮細胞である、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの疾患又は障害を治療することを必要とする対象においてそれを行う方法であって、少なくとも1つの治療有効量の請求項1~21のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの疾患又は障害が、肝臓疾患又は障害であり、好ましくは、前記肝臓疾患又は障害が、代謝性肝臓障害であり、好ましくは、前記代謝性肝臓障害が、
i)尿素サイクル異常症、又は
ii)N-アセチルグルタミン酸合成酵素(NAGS)欠損症、カルバモイルリン酸合成酵素I欠損症(CPSI欠損症)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症(ASSD)(シトルリン血症I)、シトリン欠損症(シトルリン血症II)、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症(アルギニノコハク酸尿症)、アルギナーゼ欠損症(高アルギニン血症)、オルニチントランスロカーゼ欠損症(HHH症候群)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC1)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC2)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC3)、若しくはそれらの任意の組み合わせである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの疾患又は障害が、血友病疾患であり、好ましくは、前記血友病疾患が、血友病A、血友病B、血友病C、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つのRNA分子が、融合タンパク質をコードする核酸配列を含み、前記融合タンパク質が、(i)不活性化Cas9(dCas9)タンパク質又はその不活性化ヌクレアーゼドメイン、(ii)Clo051タンパク質又はそのヌクレアーゼドメインを含む、請求項1~13、15及び16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
前記組成物が、少なくとも1つのガイドRNA分子を更に含む、請求項28に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年2月23日出願の米国仮特許出願第63/152,517号、2021年3月4日出願の米国仮特許出願第63/156,649号、2021年3月22日出願の米国仮特許出願第63/164,174号、及び2021年6月7日出願の米国仮特許出願第63/197,946号の優先権及び利益を主張する。上述の特許出願の各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、EFS-Webを介してASCII形式で提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。2022年2月23日に作成されたASCIIコピーは、「POTH-066_001WO_SeqList.txt」と名付けられ、サイズは約320,338バイトである。
【0003】
本開示は、概して、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含む新規の脂質ナノ粒子(LNP)、これらのLNPを調製する方法、並びに遺伝子療法及び細胞ベースの療法用途のためのこれらのLNPの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
細胞に核酸を送達するための、並びにインビボ、エクスビボ、及びインビトロで細胞を遺伝子改変するための組成物及び方法について、当該技術分野では長年求められているが満たされていない必要性が存在する。AAVを含むウイルスベクターの使用など、広く受け入れられている遺伝子送達及び遺伝子改変技術は、患者に急性毒性及び有害な副作用を引き起こし得る。本開示は、インビボ、エクスビボ、及びインビトロで肝細胞を含む様々なタイプの細胞への核酸の送達のための改善された組成物、方法、及びキットを提供する。より具体的には、本開示は、改善された脂質ナノ粒子組成物及びそれを使用する方法を提供する。これらの脂質ナノ粒子組成物及び方法は、高効率かつ低毒性による肝臓細胞への特定のタイプの核酸(例えば、RNA)の送達を可能にする。更に、本開示の脂質ナノ粒子組成物は、改善された保存安定性を呈し、これは、臨床及び商業の場で有利である。したがって、本開示の組成物及び方法は、遺伝子療法及び細胞ベースの治療薬の産生を含む、多様な分野に対する幅広い適用可能性を有する。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの態様では、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含む新規の脂質ナノ粒子(LNP)が提供される。一態様では、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、Coatsome SS-OPである。
【0006】
一態様では、本開示の組成物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤又は希釈剤と、を含む、医薬組成物が提供される。
【0007】
一態様では、少なくとも1つの核酸を少なくとも1つの細胞に送達する方法であって、少なくとも1つの細胞を本開示の少なくとも1つの組成物と接触させることを含む、方法が提供される。
【0008】
一態様では、少なくとも1つの細胞を遺伝子改変する方法であって、少なくとも1つの細胞を本開示の少なくとも1つの組成物と接触させることを含む、方法が提供される。
【0009】
一態様では、少なくとも1つの疾患又は障害を治療することを必要とする対象においてそれを行う方法であって、少なくとも1つの治療有効量の本開示の少なくとも1つの組成物を対象に投与することを含む、方法が提供される。
【0010】
一態様では、少なくとも1つの核酸を少なくとも1つの細胞に送達する方法であって、少なくとも1つの細胞を本開示の少なくとも1つの組成物と接触させることを含む、方法が提供される。
【0011】
一態様では、本開示の方法に従って改変された細胞が提供される。
【0012】
上記態様のいずれも、任意の他の態様と組み合わせられ得る。
【0013】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書では、単数形はまた、文脈が別途明確に示さない限り、複数形を含み、例として、「a」、「an」、及び「the」という用語は単数形又は複数形であると理解され、「or」という用語は、包括的であると理解される。一例として、「要素」は、1つ以上の要素を意味する。本明細書全体を通して、「含む(comprising)」という単語、又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変形は、記載された要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップのグループの包含を暗示するが、いかなる他の要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップのグループの排除を暗示するものではないと理解されるであろう。約は、記載される値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%以内であると理解され得る。文脈上別段の明確性がない限り、本明細書に提供される全ての数値は、「約」という用語によって修飾される。
【0014】
本明細書に説明されるものと同様又は同等の方法及び材料が、本開示の実施又は試験に使用され得るが、適切な方法及び材料が以下に説明される。本明細書に述べられる全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。本明細書に引用される参考文献は、請求される発明の先行技術であるとは認められない。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先することになる。加えて、材料、方法、及び実施例は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。本開示の他の特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」及び「特許請求の範囲」から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
上記の及び更なる特徴は、添付図面と併せて考えるとき、以下の「発明を実施するための形態」からより明確に理解されるであろう。
【0016】
【
図1】本開示のLNPを投与された成体マウスにおけるヒトFVIIIの発現を示す一連のグラフである。
【
図2】本開示のLNPを投与されたマウスにおけるヒトFIXの発現を示す一連のグラフである。
【
図3】0.1mg/mLかつ4℃の温度における7日間のインキュベーションの過程にわたる、本開示の様々なLNP組成物の平均直径及び多分散度指数(PDI)を示す一連のグラフである。
【
図4】本開示のLNPを投与されたマウスにおけるヒトFVIIIの発現を示すグラフである。
【
図5】本開示のLNPを投与された非ヒト霊長類(NHP)におけるヒトエリスロポエチン(hEPO)の発現を示すグラフである。
【
図6】本開示のLNPを投与されたNHPにおける肝臓酵素のレベルを示す一連のグラフである。
【
図7】ヒトOTC(hOTC)トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子、及び本開示のSPB LNPと組み合わせてヒトOTC(hOTC)トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子を投与されたマウスの生存を示すグラフである。
【
図8】本開示のSPB LNPと組み合わせてヒトOTC(hOTC)トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子を投与されたマウスにおける、組み込みウイルスコピー数(VCN)及びhOTC mRNAレベルを示す一連のグラフである。
【
図9】本開示のSPB LNPと組み合わせてヒトOTC(hOTC)トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子を投与されたマウスにおける、生存及びオロチン酸レベルを示す一連のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含む新規の脂質ナノ粒子(LNP)組成物、当該組成物を調製するための方法、及び当該組成物を使用する方法を提供する。非限定的な例では、本開示の組成物及び方法は、遺伝子療法の文脈において遺伝子送達に使用され得る。別の非限定的な例では、本開示の組成物及び方法は、細胞ベースの治療薬の文脈において使用され得る。別の非限定的な例では、本開示の組成物及び方法は、限定されるものではないが、分泌治療用タンパク質を含む治療用タンパク質の発現を誘起する核酸を送達するために広く使用され得る。非限定的な例では、本開示の組成物及び方法は、特定の肝臓障害の治療のために、インビボ、エクスビボ、又はインビトロで、核酸を肝臓細胞に送達するために広く使用され得る。
【0018】
本開示の生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、生分解性であり、それによって、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質が分解され、動物において代謝されることを可能にする。理論に拘束されることを意図するものではないが、この生体還元性は、有利には、カチオン性脂質関連細胞傷害を低減する。
【0019】
本開示の組成物及び方法のいくつかの態様では、LNP組成物で使用するための生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、ssPalmO-Ph-P4C2であり得る。当業者によって理解されるように、ssPalmO-Ph-P4C2は、以下の構造を有する。
【化1】
【0020】
当業者によって理解されるように、ssPalmO-Ph-P4C2は、Coatsome(登録商標)SS-OP、ssPalmO-Phe-P4C2、ssPalmO-Phenyl-P4C2、ssPalmO-Phe、及びssPalmO-Phとも称され得る。したがって、式Iで表される化学構造を有する生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を指すために、ssPalmO-Ph-P4C2、Coatsome(登録商標)SS-OP、ssPalmO-Phe-P4C2、ssPalmO-Phenyl-P4C2、ssPalmO-Phe、及びssPalmO-Phが本明細書において互換的に使用される。
【0021】
理論に拘束されることを意図するものではないが、ssPalmO-Ph-P4C2の3つの特定のセグメントは、その生分解を促進する。第一に、各ピペルジン環の三級アミンは、酸性pH反応性カチオン荷電単位である。エンドサイトーシス時、三級アミン部分は、酸性の細胞内エンドソーム区画に応答して正に荷電される。これらは、ここで、膜を相互作用させ、不安定化させることができ、これは、エンドソーム脱出につながる。サイトゾル中に入ると、ジスルフィド結合は、グルタチオンによる還元の影響を受け易く、2つの遊離スルフヒドリル基を生成する。結果として生じる高濃度の遊離チオールは、求核反応に更につながり、粒子は、チオエステル化を介して自己分解/崩壊し、サイトゾル中にペイロードを放出する。これは、反応物の粒子内濃縮によって加速されるHyPER又は加水分解として定義され、一般的に、カチオン性脂質の潜在的毒性副作用を潜在的に排除する。
【0022】
本開示の組成物-脂質ナノ粒子
本開示は、少なくとも1つのカチオン性脂質と、少なくとも1つの核酸分子と、を含む、少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含む組成物を提供する。いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの構造脂質を更に含み得る。いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのリン脂質を更に含み得る。いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのPEG化脂質を更に含み得る。
【0023】
したがって、本開示は、少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含む組成物を提供し、少なくとも1つの脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのカチオン性脂質、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つの構造脂質、少なくとも1つのリン脂質、及び少なくとも1つのPEG化脂質を含む。
【0024】
生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質
いくつかの態様では、カチオン性脂質は、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質であり得る。したがって、本開示は、少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含む組成物を提供し、少なくとも1つの脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含む。
【0025】
本明細書で使用される場合、「生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質」という用語は、その最も広い意味で、少なくとも1つの三級アミン、少なくとも1つのジスルフィド基、チオエステル化による切断に感受性である結合を含み、少なくとも2つの飽和又は不飽和炭化水素鎖を更に含む少なくとも1つの基を含む、カチオン性脂質を指すために使用される。例示的な生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質としては、限定されるものではないが、Akita et al.,(2020)Biol.Phar.Bull.43:1617-1625に説明されるものが挙げられ、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
いくつかの態様では、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、少なくとも2つの三級アミンを含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの三級アミンは、置換ピペリジニル基であり得る。いくつかの態様では、各三級アミンは、置換ピペリジニル基であり得る。いくつかの態様では、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、少なくとも1つのジスルフィド結合を含み得る。いくつかの態様では、ジスルフィド結合の硫黄原子は、アルキレン基を介してピペルジニル環の窒素に結合され、それによって、ジスルフィド結合に隣接する2つの三級アミン基を形成する。いくつかの態様では、アルキレン基のうちの少なくとも1つは、エチレン基である。いくつかの態様では、アルキレン基の各々は、エチレン基である。
【0027】
いくつかの態様では、チオエステル化による切断に感受性である結合を含む少なくとも1つの基は、フェニルエステル基であり得る。いくつかの態様では、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、少なくとも2つのフェニルエステル基を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも2つの飽和又は不飽和炭化水素鎖のうちの少なくとも1つは、不飽和炭化水素鎖である。いくつかの態様では、少なくとも2つの飽和又は不飽和炭化水素鎖の各々は、不飽和炭化水素鎖である。いくつかの態様では、不飽和炭化水素鎖は、オクタデセンであり得る。いくつかの態様では、オクタデセンは、(Z)-オクタデック-9-エンであり得る。いくつかの態様では、(Z)-オクタデック-9-エン基は、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質のフェニルエステル基に結合され得る。
【0028】
例示的な生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質及び本開示の方法に有用なそのような脂質を調製する方法は、WO/2016/121942として公開されている国際特許出願第PCT/JP2016/052690号、及びWO/2019/188867として公開されている国際特許出願第PCT/JP2019/012302号に開示されているものを含み、それらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。したがって、本開示は、少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含む組成物を提供し、少なくとも1つの脂質ナノ粒子は、WO/2016/121942及びWO/2019/188867に記載される生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質のうちのいずれか1つを含む。
【0029】
したがって、本開示は、少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含む組成物を提供し、少なくとも1つの脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つの構造脂質、少なくとも1つのリン脂質、及び少なくとも1つのPEG化脂質を含む。
【0030】
いくつかの態様では、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、式Iで表される構造を有するssPalmO-Ph-P4C2であり得る(Akita et al.,(2020)Biol.Phar.Bull.43:1617-1625参照、その内容は参照によりその全体が組み込まれる)。
【0031】
本明細書に説明されるように、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含む本開示のLNP組成物は、有利には、非生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含むLNP組成物と比較して、動物において有意に低減された毒性を呈する。特に、本開示のLNP組成物の投与は、驚くべきことに、いかなる体重損失ももたらさない。実際に、本開示のLNP組成物は、非生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含むLNP組成物の致死量を超えるLNPの量が投与されたときでも、LNPを投与された動物が実際に体重を増加させるほど、非毒性である。
【0032】
LNP成分
いくつかの態様では、本開示のLNPは、約2.5モル%、又は約5モル%、又は約7.5モル%、又は約10モル%、又は約12.5モル%、又は約15モル%、又は約17.5モル%、又は約20モル%、又は約22.5モル%、又は約25モル%、又は約27.5モル%、又は約30モル%、又は約32.5モル%、又は約35モル%、又は約37.5モル%、又は約40モル%、又は約42.5モル%、又は約45モル%、又は約47.5モル%、又は約50モル%、又は約52.5モル%、又は約55モル%、又は約57.5モル%、又は約60モル%、又は約62.5モル%、又は約65モル%、又は約67.5モル%、又は約70モル%の少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含み得る。
【0033】
いくつかの態様では、本開示のLNPは、少なくとも約2.5モル%、又は少なくとも約5モル%、又は少なくとも約7.5モル%、又は少なくとも約10モル%、又は少なくとも約12.5モル%、又は少なくとも約15モル%、又は少なくとも約17.5モル%、又は少なくとも約20モル%、又は少なくとも約22.5モル%、又は少なくとも約25モル%、又は少なくとも約27.5モル%、又は少なくとも約30モル%、又は少なくとも約32.5モル%、又は少なくとも約35モル%、又は少なくとも約37.5モル%、又は少なくとも約40モル%、又は少なくとも約42.5モル%、又は少なくとも約45モル%、又は少なくとも約47.5モル%、又は少なくとも約50モル%、又は少なくとも約52.5モル%、又は少なくとも約55モル%、又は少なくとも約57.5モル%、又は少なくとも約60モル%、又は少なくとも約62.5モル%、又は約65モル%、又は少なくとも約67.5モル%、又は少なくとも約70モル%の少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含み得る。
【0034】
いくつかの態様では、本開示のLNPは、約2.5モル%、又は約5モル%、又は約7.5モル%、又は約10モル%、又は約12.5モル%、又は約15モル%、又は約17.5モル%、又は約20モル%、又は約22.5モル%、又は約25モル%、又は約27.5モル%、又は約30モル%、又は約32.5モル%、又は約35モル%、又は約37.5モル%、又は約40モル%、又は約42.5モル%、又は約45モル%、又は約47.5モル%、又は約50モル%、又は約52.5モル%、又は約55モル%、又は約57.5モル%、又は約60モル%、又は約62.5モル%、又は約65モル%、又は約67.5モル%、又は約70モル%の少なくとも1つの構造脂質を含み得る。
【0035】
いくつかの態様では、本開示のLNPは、少なくとも約2.5モル%、又は少なくとも約5モル%、又は少なくとも約7.5モル%、又は少なくとも約10モル%、又は少なくとも約12.5モル%、又は少なくとも約15モル%、又は少なくとも約17.5モル%、又は少なくとも約20モル%、又は少なくとも約22.5モル%、又は少なくとも約25モル%、又は少なくとも約27.5モル%、又は少なくとも約30モル%、又は少なくとも約32.5モル%、又は少なくとも約35モル%、又は少なくとも約37.5モル%、又は少なくとも約40モル%、又は少なくとも約42.5モル%、又は少なくとも約45モル%、又は少なくとも約47.5モル%、又は少なくとも約50モル%、又は少なくとも約52.5モル%、又は少なくとも約55モル%、又は少なくとも約57.5モル%、又は少なくとも約60モル%、又は少なくとも約62.5モル%、又は約65モル%、又は少なくとも約67.5モル%、又は少なくとも約70モル%の少なくとも1つの構造脂質を含み得る。
【0036】
いくつかの態様では、本開示のLNPは、約2.5モル%、又は約5モル%、又は約7.5モル%、又は約10モル%、又は約12.5モル%、又は約15モル%、又は約17.5モル%、又は約20モル%、又は約22.5モル%、又は約25モル%、又は約27.5モル%、又は約30モル%、又は約32.5モル%、又は約35モル%、又は約37.5モル%、又は約40モル%、又は約42.5モル%、又は約45モル%、又は約47.5モル%、又は約50モル%、又は約52.5モル%、又は約55モル%、又は約57.5モル%、又は約60モル%、又は約62.5モル%、又は約65モル%、又は約67.5モル%、又は約70モル%の少なくとも1つのリン脂質を含み得る。
【0037】
いくつかの態様では、本開示のLNPは、少なくとも約2.5モル%、又は少なくとも約5モル%、又は少なくとも約7.5モル%、又は少なくとも約10モル%、又は少なくとも約12.5モル%、又は少なくとも約15モル%、又は少なくとも約17.5モル%、又は少なくとも約20モル%、又は少なくとも約22.5モル%、又は少なくとも約25モル%、又は少なくとも約27.5モル%、又は少なくとも約30モル%、又は少なくとも約32.5モル%、又は少なくとも約35モル%、又は少なくとも約37.5モル%、又は少なくとも約40モル%、又は少なくとも約42.5モル%、又は少なくとも約45モル%、又は少なくとも約47.5モル%、又は少なくとも約50モル%、又は少なくとも約52.5モル%、又は少なくとも約55モル%、又は少なくとも約57.5モル%、又は少なくとも約60モル%、又は少なくとも約62.5モル%、又は約65モル%、又は少なくとも約67.5モル%、又は少なくとも約70モル%の少なくとも1つのリン脂質を含み得る。
【0038】
いくつかの態様では、本開示のLNPは、約0.25モル%、又は約0.5モル%、又は約0.75モル%、又は約1.0モル%、又は約1.25モル%、又は約1.5モル%、又は約1.75モル%、又は約2.0モル%、又は少なくとも約若しくは約2.5モル%、又は約5モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。
【0039】
いくつかの態様では、本開示のLNPは、少なくとも約0.25モル%、又は少なくとも約0.5モル%、又は少なくとも約0.75モル%、又は少なくとも約1.0モル%、又は少なくとも約1.25モル%、又は少なくとも約1.5モル%、又は少なくとも約1.75モル%、又は少なくとも約2.0モル%、又は少なくとも約若しくは少なくとも約2.5モル%、又は少なくとも約5モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。
【0040】
構造脂質
いくつかの態様では、構造脂質は、ステロイドであり得る。いくつかの態様では、構造脂質は、ステロールであり得る。いくつかの態様では、構造脂質は、コレステロールを含み得る。いくつかの態様では、構造脂質は、エルゴステロールを含み得る。いくつかの態様では、構造脂質は、フィトステロールであり得る。
【0041】
リン脂質
本明細書で使用される場合、「リン脂質」という用語は、リン酸及び2つの疎水性脂肪酸鎖を含む極性(親水性)頭部基を含む任意の両親媒性分子を指すように最も広い意味で使用される。
【0042】
本開示の脂質ナノ粒子のいくつかの態様では、リン脂質は、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を含み得る。
【0043】
本開示の脂質ナノ粒子のいくつかの態様では、リン脂質は、DOPC(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)を含み得る。
【0044】
本開示の脂質ナノ粒子のいくつかの態様では、リン脂質は、DSPC(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)を含み得る。
【0045】
いくつかの態様では、リン脂質は、DDPC(1,2-ジデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DEPA-NA(1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩))、DEPC(1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DEPE(1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DEPG-NA(1,2-ジエルコイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(ナトリウム塩))、DLOPC(1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DLPA-NA(1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩))、DLPC(1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DLPE(1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DLPG-NA(1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(ナトリウム塩))、DLPG-NH4(1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(アンモニウム塩))、DLPS-NA(1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホセリン(ナトリウム塩))、DMPA-NA(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩))、DMPC(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DMPE(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DMPG-NA(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(ナトリウム塩))、DMPG-NH4(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(アンモニウム塩))、DMPG-NH4/NA(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(ナトリウム/アンモニウム塩))、DMPS-NA(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホセリン(ナトリウム塩))、DOPA-NA(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスフェート(ナトリウム塩))、DOPC(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DOPE(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DOPG-NA(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(ナトリウム塩))、DOPS-NA(1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホセリン(ナトリウム塩))、DPPA-NA(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-リン酸(ナトリウム塩))、DPPC(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DPPE(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DPPG-NA(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(ナトリウム塩))、DPPG-NH4(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(アンモニウム塩))、DPPS-NA(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホセリン(ナトリウム塩))、DSPA-NA(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-リン酸(ナトリウム塩))、DSPC(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、DSPE(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、DSPG-NA(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(ナトリウム塩))、DSPG-NH4(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)(アンモニウム塩))、DSPS-NA(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホセリン(ナトリウム塩))、EPC(Egg-PC)、HEPC(水素添加Egg PC)、HSPC(水素添加Soy PC)、LYSOPC MYRISTIC(1-ミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、LYSOPC PALMITIC(1-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、LYSOPC STEARIC(1-ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、ミルクスフィンゴミエリン(MPPC、1-ミリストイル-2-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、MSPC(1-ミリストイル-2-ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、PMPC(1-パルミトイル-2-ミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、POPC(1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、POPE(1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン)、POPG-NA(1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3[ホスホ-rac-(1-グリセロール)](ナトリウム塩))、PSPC(1-パルミトイル-2-ステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、SMPC(1-ステアロイル-2-ミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、SOPC(1-ステアロイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、SPPC(1-ステアロイル-2-パルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0046】
PEG化脂質
本明細書で使用される場合、「PEG化脂質」という用語は、改変(例えば)少なくとも1つのポリエチレングリコール分子(に共有結合)される任意の脂質を指すために使用される。いくつかの態様では、PEG化脂質は、以下、DMG-PEG2000と称される1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メトキシポリエチレングリコール-2000を含み得る。
【0047】
核酸
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの核酸分子を含み得る。いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、複数の核酸分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子、又は複数の核酸分子は、脂質ナノ粒子において製剤化され得る。
【0048】
いくつかの態様では、核酸分子は、合成核酸分子であり得る。いくつかの態様では、核酸分子は、非天然由来の核酸分子であり得る。いくつかの態様では、非天然由来の核酸分子は、少なくとも1つの非天然由来のヌクレオチドを含み得る。少なくとも1つの非天然由来のヌクレオチドは、当該技術分野で既知の任意の非天然由来のヌクレオチドであり得る。いくつかの態様では、核酸分子は、改変核酸分子であり得る。いくつかの態様では、改変核酸分子は、少なくとも1つの改変ヌクレオチドを含み得る。少なくとも1つの改変ヌクレオチドは、当該技術分野で既知の任意の改変核酸であり得る。
【0049】
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、脂質及び核酸を、指定された比率(重量/重量)で含み得る。
【0050】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、脂質及び核酸を、約5:1~約15:1、又は約10:1~約20:1、又は約15:1~約25:1、又は約20:1~約30:1、又は約25:1~約35:1、又は約30:1~約40:1、又は約35:1~約45:1、又は約40:1~約50:1、又は約45:1~約55:1、又は約50:1~約60:1、又は約55:1~約65:1、又は約60:1~約70:1、又は約65:1~約75:1、又は約70:1~約80:1、又は約75:1~約85:1、又は約80:1~約90:1、又は約85:1~約95:1、又は約90:1~約100:1、又は約95:1~約105:1、又は約100:1~約110:1、又は約105:1~約115:1、又は約110:1~約120:1、又は約115:1~約125:1、又は約120:1~約130:1、又は約125:1~約135:1、又は約130:1~約140:1、又は約135:1~約145:1、又は約140:1~約150:1の脂質:核酸重量/重量比率で含み得る。
【0051】
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、脂質及び核酸を、約5:1、又は約10:1、又は約15:1、又は約20:1、又は約25:1、又は約30:1、又は約35:1、又は約40:1、又は約45:1、又は約50:1、又は約55:1、又は約60:1、又は約65:1、又は約70:1、又は約75:1、又は約80:1、又は約85:1、又は約90:1、又は約95:1、又は約100:1、又は約105:1、又は約110:1、又は約115:1、又は約120:1、又は約125:1、又は約130:1、又は約135:1、又は約140:1、又は約145:1、又は約150:1、又は約200:1の脂質:核酸重量/重量比率で含み得る。
【0052】
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、脂質及び核酸を、約10:1、又は約17.5:1、又は約25:1の脂質:核酸重量/重量比率で含み得る。
【0053】
いくつかの態様では、核酸分子は、RNA分子であり得る。したがって、いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのRNA分子を含み得る。いくつかの態様では、RNA分子は、mRNA分子であり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを含み得る。
【0054】
いくつかの態様では、mRNA分子は、任意の方法及び/又は当該技術分野で既知のキャッピング部分を使用してキャッピングされ得る。mRNA分子は、m7G(5’)ppp(5’)G部分でキャッピングされ得る。m7G(5’)ppp(5’)G部分はまた、本明細書では「Cap0」とも称される。mRNA分子は、CleanCap(登録商標)部分でキャッピングされ得る。CleanCap(登録商標)部分は、m7G(5’)ppp(5’)(2’OMeA)(CleanCap(登録商標)AG)部分を含み得る。CleanCap(登録商標)部分は、m7G(5’)ppp(5’)(2’OMeG)(CleanCap(登録商標)GG)部分を含み得る。mRNA分子は、アンチリバースキャップアナログ(ARCA(登録商標))部分でキャッピングされ得る。ARCA(登録商標)部分は、m7(3’-O-メチル)G(5’)ppp(5’)G部分を含み得る。mRNA分子は、CleanCap(登録商標)3’OMe部分(CleanCap(登録商標)+ARCA(登録商標))でキャッピングされ得る。
【0055】
いくつかの態様では、mRNA分子は、少なくとも1つの改変核酸を含み得る。
【0056】
改変核酸は、限定されるものではないが、5-メトキシウリジン(5moU)、N1-メチルシュードウリジン(me1Ψ)、シュードウリジン(Ψ)、5-メチルシチジン(5-MeC)を含み得る。
【0057】
いくつかの態様では、核酸分子は、DNA分子であり得る。したがって、いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、DNA分子は、限定されるものではないが、DNAプラスミドなどの環状DNA分子であり得る。いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、DNAプラスミドを含み得る。いくつかの態様では、DNA分子は、限定されるものではないが、直鎖状DNAプラスミドなどの直鎖状DNA分子であり得る。いくつかの態様では、DNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、DNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。
【0058】
DNAプラスミドは、少なくとも約0.25kb、又は少なくとも約0.5kb、又は少なくとも約0.75kb、又は少なくとも約1.0kb、又は少なくとも約1.25kb、又は少なくとも約1.5kb、又は少なくとも約1.75kb、又は少なくとも約2.0kb、又は少なくとも約2.25kb、又は少なくとも約2.5kb、又は少なくとも約2.75kb、又は少なくとも約3.0kb、又は少なくとも約3.25kb、又は少なくとも約3.5kb、又は少なくとも約3.75kb、又は少なくとも約4.0kb、又は少なくとも約4.25kb、又は少なくとも約4.5kb、又は少なくとも約4.75kb、又は少なくとも約5.0kb、又は少なくとも約5.25kb、又は少なくとも約5.5kb、又は少なくとも約5.75kb、又は少なくとも約6.0kb、又は少なくとも約6.25kb、又は少なくとも約6.5kb、又は少なくとも約6.75kb、又は少なくとも約7.0kb、又は少なくとも約7.25kb、又は少なくとも約7.5kb、又は少なくとも約7.75kb、又は少なくとも約8.0kb、又は少なくとも約8.25kb、又は少なくとも約8.5kb、又は少なくとも約8.75kb、又は少なくとも約9.0kb、又は少なくとも約9.25kb、又は少なくとも約9.5kb、又は少なくとも約9.75kb、又は少なくとも約10.0kb、又は少なくとも約10.25kb、又は少なくとも約10.5kb、又は少なくとも約10.75kb、又は少なくとも約11.0kb、又は少なくとも約11.25kb、又は少なくとも約11.5kb、又は少なくとも約11.75kb、又は少なくとも約12kb、又は少なくとも約12.25kb、又は少なくとも約12.5kb、又は少なくとも約12.75kb、又は少なくとも約13.0kb、又は少なくとも約13.25kb、又は少なくとも約13.5kb、又は少なくとも約13.75kb、又は少なくとも約14.0kb、又は少なくとも約14.25kb、又は少なくとも約14.5kb、又は少なくとも約14.75kb、又は少なくとも約15.0kbの長さであり得るものを含み得る。
【0059】
LNP組成物
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質、及び少なくとも1つの構造脂質を含み得る。いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質、及び少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、ssPalmO-Ph-P4C2であり得る。
【0060】
いくつかの態様では、少なくとも1つの構造脂質は、2つの構造脂質の混合物であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのPEG化脂質は、2つのPEG化脂質の混合物であり得る。
【0061】
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質、少なくとも1つの構造脂質、少なくとも1つのPEG化脂質、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、ssPalmO-Ph-P4C2であり得る。
【0062】
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質、少なくとも1つの構造脂質、及び少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、ssPalmO-Ph-P4C2であり得る。
【0063】
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質、少なくとも1つの構造脂質、少なくとも1つのリン脂質、少なくとも1つのPEG化脂質、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、ssPalmO-Ph-P4C2であり得る。
【0064】
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質、少なくとも1つの構造脂質、少なくとも1つのリン脂質、及び少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質は、ssPalmO-Ph-P4C2であり得る。
【0065】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約28モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約60モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約2モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約10:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0066】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約29.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約0.5モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0067】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約32.92モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.92モル%のコレステロール、約32.92モル%のDOPE、及び約1.25モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約55:1(w/w)であり得る。
【0068】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約10モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約29.5モル%のコレステロール、約60モル%のDOPE、及び約0.5モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0069】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約28モル%~29モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1.25モル%~2モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0070】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約28モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約2モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0071】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約28.75モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1.25モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0072】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0073】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約27.84モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約56.25モル%のコレステロール、約13.46モル%のDOPE、及び約2.45モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約88:1(w/w)であり得る。
【0074】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約27.9モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約51.51モル%のコレステロール、約18.59モル%のDOPE、及び約2モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0075】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約26.4モル%のコレステロール、約11.6モル%のDOPE、及び約2モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約70:1(w/w)であり得る。
【0076】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約30.37モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.27モル%のコレステロール、約30.36モル%のDOPE、及び約2モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0077】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%~59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%~40モル%のコレステロール、約5モル%~10モル%のDOPC、DSPC、又はDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1~約100:1(w/w)であり得る。
【0078】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0079】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0080】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0081】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0082】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0083】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0084】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0085】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0086】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0087】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0088】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0089】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0090】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0091】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0092】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0093】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0094】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0095】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0096】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0097】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0098】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0099】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0100】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0101】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0102】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0103】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0104】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0105】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0106】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0107】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0108】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0109】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0110】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0111】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0112】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0113】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0114】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約49モル%~60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32モル%~44モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1.5モル%~3.0モル%のDMG-PEG2000を含み得、少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約40:1~約100:1(w/w)である。
【0115】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%~59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%~40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1~約100:1(w/w)である。
【0116】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1~約100:1(w/w)である。
【0117】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1~約100:1(w/w)である。
【0118】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1~約100:1(w/w)である。
【0119】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約49.4モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約44モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1.6モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。
【0120】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.8モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約2.2モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。
【0121】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約34モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。
【0122】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約41.8モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約52.2モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのmRNA分子を更に含む。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。
【0123】
いくつかの態様では、核酸分子は、DNA分子である。したがって、本開示は、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子を提供し、これは、約22.71モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約55.21モル%のコレステロール、約20.89モル%のDOPE、及び約1.25モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る(WO/2020/154645参照)。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0124】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約38.6モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1.4モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る(WO/2020/154645参照)。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約200:1(w/w)であり得る。
【0125】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約34.69モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約39.74モル%のコレステロール、約24.69モル%のDOPE、及び約1.25モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約50:1(w/w)であり得る。
【0126】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約20モル%のコレステロール、約29.5モル%のDOPE、及び約0.5モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0127】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約20モル%のコレステロール、約28.7モル%のDOPE、及び約1.3モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約50:1(w/w)であり得る。
【0128】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%~59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%~40モル%のコレステロール、約5モル%~10モル%のDOPC、DSPC、又はDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1~約100:1(w/w)であり得る。
【0129】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0130】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0131】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0132】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0133】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0134】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0135】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0136】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0137】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0138】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0139】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0140】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDOPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0141】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0142】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0143】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0144】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0145】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0146】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0147】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0148】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0149】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0150】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0151】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0152】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDSPC、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0153】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0154】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0155】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0156】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.5モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0157】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0158】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約30モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0159】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0160】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0161】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0162】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0163】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0164】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのDNA分子を更に含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子であり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、共有結合で閉じた末端DNAであり得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。
【0165】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約48モル%~約61モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約31モル%~約53モル%のコレステロール、約4モル%~約11モル%のリン脂質、及び約0.5モル%~約3モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約30:1~約110:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0166】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約41.8モル%~約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.8モル%~約52.2モル%のコレステロール、約5モル%~約10モル%のリン脂質、及び約1モル%~約2.2モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約30:1~約110:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0167】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のリン脂質、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約30:1~約110:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0168】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約49.4モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約44モル%のコレステロール、約5モル%のリン脂質、及び約1.6モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約30:1~約110:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0169】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約32.8モル%のコレステロール、約5モル%のリン脂質、及び約2.2モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約30:1~約110:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0170】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約34モル%のコレステロール、約5モル%のリン脂質、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約30:1~約110:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0171】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約41.8モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約52.2モル%のコレステロール、約5モル%のリン脂質、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約30:1~約110:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0172】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のリン脂質、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約30:1~約110:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約40:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約60:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0173】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約53モル%~約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約34モル%~約41モル%のコレステロール、約4モル%~約11モル%のリン脂質、及び約0.5モル%~約2モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約70:1~約105:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0174】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%~約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%~約40モル%のコレステロール、約5モル%~約10モル%のリン脂質、及び約0.5モル%~約1.5モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約70:1~約105:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0175】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約10モル%のリン脂質、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約70:1~約105:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0176】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約35モル%のコレステロール、約5モル%のリン脂質、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約70:1~約105:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0177】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約40モル%のコレステロール、約5モル%のリン脂質、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約70:1~約105:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0178】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2、約37.5モル%のコレステロール、約5モル%のリン脂質、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのRNA分子は、mRNAであり得る。いくつかの態様では、mRNA分子は、5’-CAPを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも1つのDNA分子を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA又はDNAナノプラスミドであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPEであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DOPCであり得る。いくつかの態様では、リン脂質は、DSPCであり得る。いくつかの態様では、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約70:1~約105:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約75:1(w/w)であり得る。いくつかの態様では、脂質と核酸との比率は、約100:1(w/w)であり得る。
【0179】
本開示のいくつかの態様では、脂質ナノ粒子、又は複数の脂質ナノ粒子は、約2℃~約6℃、又は約4℃で、少なくとも約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、又は約14日間安定であり得る。本開示のいくつかの態様では、脂質ナノ粒子は、約4℃で少なくとも約7日間安定であり得る。
【0180】
本開示のいくつかの態様では、脂質ナノ粒子、又は複数の脂質ナノ粒子は、約2℃~約6℃、又は約4℃で、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、又は約14日間安定であり得る。本開示のいくつかの態様では、脂質ナノ粒子、又は複数の脂質ナノ粒子は、約4℃で約7日間安定であり得る。
【0181】
いくつかの態様では、脂質ナノ粒子、又は複数の脂質ナノ粒子は、約0.5%以下、約1%以下、又は約5%以下、又は約10%以下、又は約15%以下、又は約20%以下、又は約25%以下の機会、又は約30%以下、又は約35%以下、又は約40%以下、又は約45%以下、又は約50%以下の直径(単一の脂質ナノ粒子の場合)又は平均直径(複数の脂質ナノ粒子の場合)の変化がある場合、安定であると言うことができる。脂質ナノ粒子の直径又は複数のナノ粒子の平均直径は、当業者によって理解されるように、当該技術分野で既知の任意の標準的な方法を使用して決定され得る。
【0182】
いくつかの態様では、複数の脂質ナノ粒子は、約0.5%以下、約1%以下、又は約5%以下、又は約10%以下、又は約15%以下、又は約20%以下、又は約25%以下の機会、又は約30%以下、又は約35%以下、又は約40%以下、又は約45%以下、又は約50%以下の多分散度指数(PDI)又は複数の脂質ナノ粒子の変化がある場合、安定であると言うことができる。複数の脂質ナノ粒子のPDIは、当業者によって理解されるように、当該技術分野で既知の任意の標準的な方法を使用して決定され得る。
【0183】
本開示のC12-200LNP
本開示はまた、少なくとも1つの核酸分子、少なくとも1つのリピドイド、少なくとも1つの構造脂質、少なくとも1つのリン脂質、少なくとも1つのPEG化脂質、又はそれらの任意の組み合わせを含む、脂質ナノ粒子を提供する。
【0184】
リピドイドは、1,1’-((2-(4-(2-((2-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチル)アザンジイル)ビス(ドデカン-2-オール)とも称される、C12-200であり得、以下、「C12-200」と称される(米国特許第8,450,298号、同第8,969,353号、同第9,556,110号、及び同第10,189,802号を参照されたい。米国特許公開第2019-0177289号も参照されたい)。
【0185】
したがって、本開示の少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約25モル%~約45モル%のC12-200、約32モル%~約52モル%の少なくとも1つの構造脂質、約10モル%~約30モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約0.1モル%~約13モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約30モル%~約40モル%のC12-200、約37モル%~約47モル%の少なくとも1つの構造脂質、約15モル%~約25モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約0.1モル%~約8モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約32.5モル%~約37.5モル%のC12-200、約39.5モル%~約44.5モル%の少なくとも1つの構造脂質、約17.5モル%~約22.5モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約0.5モル%~約5.5モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約35モル%のC12-200、約42モル%の少なくとも1つの構造脂質、約20モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約3モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約35モル%のC12-200、約41.84モル%の少なくとも1つの構造脂質、約20モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約3.16モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得る。いくつかの態様では、上記の脂質ナノ粒子は、脂質及び核酸を、約60:1~約100:1、又は約70:1~約90:1、又は約75:1~約85:1の脂質:核酸重量/重量比率で含み得る。いくつかの態様では、上記の脂質ナノ粒子は、脂質及び核酸を、約80:1の脂質:核酸重量/重量比率で含み得る。リン脂質は、DOPEであり得る。リン脂質は、DPSCであり得る。リン脂質は、DOPCであり得る。構造脂質は、コレステロールであり得る。PEG化脂質は、DMG-PEG2000であり得る。
【0186】
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子は、DNA分子又はRNA分子である。いくつかの態様では、核酸分子は、DNA分子(例えば、DoggyBone DNA分子)である。したがって、本開示は、約35モル%のC12-200、約42モル%の少なくとも1つの構造脂質、約20モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約3モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含む、脂質ナノ粒子を提供し、少なくとも1つの核酸が、少なくとも1つのDNA分子を含む。本開示はまた、約35モル%のC12-200、約41.84モル%の少なくとも1つの構造脂質、約20モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約3.16モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含む、脂質ナノ粒子を提供し、少なくとも1つの核酸が、少なくとも1つのDNA分子を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DoggyBone DNA分子である。いくつかの態様では、少なくとも1つのDNA分子は、DNAナノプラスミドである。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約35モル%の少なくとも1つの滴定可能なカチオン性脂質、約42モル%の少なくとも1つの構造脂質、約20モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約3モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得、少なくとも1つの核酸が、DNA分子(例えば、DoggyBone DNA分子、DNAナノプラスミド)であり、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約80:1(重量/重量)である。いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸分子を含む脂質ナノ粒子は、約35モル%の少なくとも1つの滴定可能なカチオン性脂質、約41.84モル%の少なくとも1つの構造脂質、約20モル%の少なくとも1つのリン脂質、及び約3.16モル%の少なくとも1つのPEG化脂質を含み得、少なくとも1つの核酸が、DNA分子(例えば、DoggyBone DNA分子、DNAナノプラスミド)であり、ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約80:1(重量/重量)である。いくつかの態様では、上記の脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの肝臓細胞への少なくとも1つのDNA分子(例えば、DoggyBone DNA分子、DNAナノプラスミド)の送達に使用され得る。リン脂質は、DOPEであり得る。リン脂質は、DPSCであり得る。リン脂質は、DOPCであり得る。構造脂質は、コレステロールであり得る。PEG化脂質は、DMG-PEG2000であり得る。
【0187】
本開示の代替的なLNP実施形態
実施形態1.組成物であって、
約23モル%~約33モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約55モル%~約65モル%のコレステロールと、
約5モル%~約15モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約7モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態2.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約25.5モル%~約30.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約57.5モル%~約62.5モル%のコレステロールと、
約7.5モル%~約12.5モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約4.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態1の組成物。
実施形態3.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約27モル%~約29モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約59モル%~約61モル%のコレステロールと、
約9モル%~約11モル%のDOPEと、
約1モル%~約3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態1又は実施形態2の組成物。
実施形態4.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約28モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約60モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態1~3のいずれか1つの組成物。
実施形態5.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約5:1~約15:1(w/w)である、実施形態1~4のいずれか1つの組成物。
実施形態6.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約10:1(w/w)である、実施形態1~5のいずれか1つの組成物。
実施形態7.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態1~6のいずれか1つの組成物。
実施形態8.少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態1~7のいずれか1つの組成物。
実施形態9.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約28モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約60モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約10:1(w/w)である、実施形態1~8の組成物。
実施形態10.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約28モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約60モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態1~9のいずれか1つの組成物。
実施形態11.組成物であって、
約55モル%~約65モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約24.5モル%~約34.5モル%のコレステロールと、
約5モル%~約15モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約5.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態12.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約57.5モル%~約62.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約27モル%~約32モル%のコレステロールと、
約7.5モル%~約12.5モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態11の組成物。
実施形態13.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%~約61モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約28.5モル%~約30.5モル%のコレステロールと、
約9モル%~約11モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約1.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態11又は実施形態12の組成物。
実施形態14.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約29.5モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約0.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態11~13のいずれか1つの組成物。
実施形態15.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態11~14のいずれか1つの組成物。
実施形態16.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態11~15のいずれか1つの組成物。
実施形態17.少なくとも1つのナノ粒子が、
約60モル%のCoatsome SS-OPと、
約29.5モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約0.5モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態11~16のいずれか1つの組成物。
実施形態18.組成物であって、
約27.92モル%~約37.92モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約27.92モル%~約37.92モル%のコレステロールと、
約27.92モル%~約37.92モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約6.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態19.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約30.42モル%~約35.42モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約30.42モル%~約35.42モル%のコレステロールと、
約30.42モル%~約35.42モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3.75モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態18の組成物。
実施形態20.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約31.92モル%~約32.92モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約31.92モル%~約32.92モル%のコレステロールと、
約31.92モル%~約32.92モル%のDOPEと、
約0.25モル%~約2.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態18又は実施形態19の組成物。
実施形態21.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約32.92モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.92モル%のコレステロールと、
約32.92モル%のDOPEと、
約1.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態18~20のいずれか1つの組成物。
実施形態22.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約50:1~約60:1(w/w)である、実施形態18~21のいずれか1つの組成物。
実施形態23.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約55:1(w/w)である、実施形態18~22のいずれか1つの組成物。
実施形態24.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約32.92モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.92モル%のコレステロールと、
約32.92モル%のDOPEと、
約1.25モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約55:1(w/w)である、実施形態18~23のいずれか1つの組成物。
実施形態25.組成物であって、
約5モル%~約15モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約24.5モル%~約34.5モル%のコレステロールと、
約55モル%~約65モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約5.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態26.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約7.5モル%~約12.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約27モル%~約32モル%のコレステロールと、
約57.5モル%~約62.5モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態25の組成物。
実施形態27.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約9モル%~約11モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約28.5モル%~約30.5モル%のコレステロールと、
約59モル%~約61モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約1.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態25又は実施形態26の組成物。
実施形態28.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約10モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約29.5モル%のコレステロールと、
約60モル%のDOPEと、
約0.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態25~27のいずれか1つの組成物。
実施形態29.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態25~28のいずれか1つの組成物。
実施形態30.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1である、実施形態25~29のいずれか1つの組成物。
実施形態31.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約10モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約29.5モル%のコレステロールと、
約60モル%のDOPEと、
約0.5モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態25~30のいずれか1つの組成物。
実施形態32.組成物であって、
約55モル%~約65モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約23モル%~約33モル%のコレステロールと、
約5モル%~約15モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約7モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態33.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約57.5モル%~約62.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約25.5モル%~約30.5モル%のコレステロールと、
約7.5モル%~約12.5モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約4.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態32の組成物。
実施形態34.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%~約61モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約27モル%~約29モル%のコレステロールと、
約9モル%~約11モル%のDOPEと、
約1モル%~約3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態32又は実施形態33の組成物。
実施形態35.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約28モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態32~34のいずれか1つの組成物。
実施形態36.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態32~35のいずれか1つの組成物。
実施形態37.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態32~36のいずれか1つの組成物。
実施形態38.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約28モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態32~27のいずれか1つの組成物。
実施形態39.組成物であって、
約55モル%~約65モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約23.75モル%~約33.75モル%のコレステロールと、
約5モル%~約15モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約6.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態40.少なくとも1つのナノ粒子が、
約57.5モル%~約62.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約26.25モル%~約31.25モル%のコレステロールと、
約7.5モル%~約12.5モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3.75モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態39の組成物。
実施形態41.少なくとも1つのナノ粒子が、
約59モル%~約61モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約27.75モル%~約29.75モル%のコレステロールと、
約9モル%~約11モル%のDOPEと、
約0.25モル%~約2.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態39又は実施形態40の組成物。
実施形態42.少なくとも1つのナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約28.75モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態39~41のいずれか1つの組成物。
実施形態43.少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態39~42のいずれか1つの組成物。
実施形態44.少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態39~43のいずれか1つの組成物。
実施形態45.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約28.75モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1.25モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態39~44のいずれか1つの組成物。
実施形態46.組成物であって、
約17.71モル%~約27.71モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約50.21モル%~約60.21モル%のコレステロールと、
約23.83モル%~約33.83モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約6.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含む、組成物。
実施形態47.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約20.21モル%~約25.21モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約52.71モル%~約57.71モル%のコレステロールと、
約26.33モル%~約31.33モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3.75モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態46の組成物。
実施形態48.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約21.71モル%~約23.71モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約54.21モル%~約56.21モル%のコレステロールと、
約27.83モル%~約29.83モル%のDOPEと、
約0.25モル%~約2.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態46又は実施形態47の組成物。
実施形態49.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約22.71モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約55.21モル%のコレステロールと、
約28.83モル%のDOPEと、
約1.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態46~48のいずれか1つの組成物。
実施形態50.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態46~49のいずれか1つの組成物。
実施形態51.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態46~50のいずれか1つの組成物。
実施形態52.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約22.71モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約55.21モル%のコレステロールと、
約28.83モル%のDOPEと、
約1.25モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態46~51のいずれか1つの組成物。
実施形態53.組成物であって、
約45モル%~約55モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約33.6モル%~約43.6モル%のコレステロールと、
約5モル%~約15モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約6.4モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含む、組成物。
実施形態54.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約47.5モル%~約52.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約36.1モル%~約41.1モル%のコレステロールと、
約7.5モル%~約12.5モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3.9モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態53の組成物。
実施形態55.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約49モル%~約51モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.6モル%~約39.6モル%のコレステロールと、
約9モル%~約11モル%のDOPEと、
約0.4モル%~約2.4モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態53又は実施形態54の組成物。
実施形態56.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約38.6モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1.4モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態53~55のいずれか1つの組成物。
実施形態57.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約195:1~約205:1(w/w)である、実施形態53~56のいずれか1つの組成物。
実施形態58.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約200:1(w/w)である、実施形態53~57のいずれか1つの組成物。
実施形態59.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約38.6モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1.4モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約200:1(w/w)である、実施形態53~58のいずれか1つの組成物。
実施形態60.組成物であって、
約29.69モル%~約39.69モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約34.74モル%~約44.74モル%のコレステロールと、
約19.69モル%~約29.69モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約6.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含む、組成物。
実施形態61.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約32.19モル%~約37.19モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.24モル%~約42.24モル%のコレステロールと、
約22.19モル%~約27.19モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3.75モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態60の組成物。
実施形態62.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約33.69モル%~約35.69モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約38.74モル%~約40.74モル%のコレステロールと、
約23.69モル%~約25.69モル%のDOPEと、
約0.25モル%~約2.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態60又は実施形態61の組成物。
実施形態63.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約34.69モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約39.74モル%のコレステロールと、
約24.69モル%のDOPEと、
約1.25モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態60~62のいずれか1つの組成物。
実施形態64.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約45:1~約55:1(w/w)である、実施形態60~63のいずれか1つの組成物。
実施形態65.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約50:1(w/w)である、実施形態60~64のいずれか1つの組成物。
実施形態66.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約34.69モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約39.74モル%のコレステロールと、
約24.69モル%のDOPEと、
約1.25モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約50:1(w/w)である、実施形態60~65のいずれか1つの組成物。
実施形態67.組成物であって、
約45モル%~約55モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約15モル%~約25モル%のコレステロールと、
約24.5モル%~約34.5モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約5.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含む、組成物。
実施形態68.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約47.5モル%~約52.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約17.5モル%~約22.5モル%のコレステロールと、
約27モル%~約32モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態67の組成物。
実施形態69.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約49モル%~約51モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約19モル%~約21モル%のコレステロールと、
約28.5モル%~約30.5モル%のDOPEと、
約0.25モル%~約1.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態67又は実施形態68の組成物。
実施形態70.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約20モル%のコレステロールと、
約29.5モル%のDOPEと、
約0.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態67~69のいずれか1つの組成物。
実施形態71.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態67~70のいずれか1つの組成物。
実施形態72.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態67~71のいずれか1つの組成物。
実施形態73.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約20モル%のコレステロールと、
約29.5モル%のDOPEと、
約0.5モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態67~71のいずれか1つの組成物。
実施形態74.組成物であって、
約49モル%~約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約30モル%~約40モル%のコレステロールと、
約5モル%~約15モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約6モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態75.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約51.5モル%~約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.5モル%~約37.5モル%のコレステロールと、
約7.5モル%~約12.5モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約3.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態74の組成物。
実施形態76.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約53モル%~約55モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約59モル%~約61モル%のコレステロールと、
約9モル%~約11モル%のDOPEと、
約0.5モル%~約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態74又は実施形態75の組成物。
実施形態77.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態74~76のいずれか1つの組成物。
実施形態78.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態74~77のいずれか1つの組成物。
実施形態79.少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態74~78のいずれか1つの組成物。
実施形態80.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態74~79のいずれか1つの組成物。
実施形態81.組成物であって、
約22.84モル%~約32.84モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約51.25モル%~約61.25モル%のコレステロールと、
約8.46モル%~約18.46モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約7.45モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態82.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約25.34モル%~約30.34モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約53.75モル%~約58.75モル%のコレステロールと、
約10.96モル%~約15.96モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約4.95モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態81の組成物。
実施形態83.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約26.84モル%~約28.84モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約55.25モル%~約57.25モル%のコレステロールと、
約12.46モル%~約13.46モル%のDOPEと、
約1.45モル%~約3.45モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態81又は実施形態82の組成物。
実施形態84.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約27.84モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約56.25モル%のコレステロールと、
約13.46モル%のDOPEと、
約2.45モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態81~83のいずれか1つの組成物。
実施形態85.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約83:1~約93:1(w/w)である、実施形態81~84のいずれか1つの組成物。
実施形態86.少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約88:1(w/w)である、実施形態81~85のいずれか1つの組成物。
実施形態87.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約27.84モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約56.25モル%のコレステロールと、
約13.46モル%のDOPEと、
約2.45モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約88:1(w/w)である、実施形態81~86のいずれか1つの組成物。
実施形態88.組成物であって、
約22.9モル%~約32.9モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約46.51モル%~約モル%のコレステロールと、
約13.59モル%~約23.59モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約7モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態89.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約25.4モル%~約30.4モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約49.01モル%~約モル%のコレステロールと、
約16.09モル%~約21.09モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約4.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態88の組成物。
実施形態90.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約26.9モル%~約28.9モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約50.51モル%~約52.51モル%のコレステロールと、
約17.59モル%~約19.59モル%のDOPEと、
約1モル%~約3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態88又は実施形態89の組成物。
実施形態91.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約27.9モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約51.51モル%のコレステロールと、
約18.59モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態88~90のいずれか1つの組成物。
実施形態92.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態88~91のいずれか1つの組成物。
実施形態93.少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態88~92のいずれか1つの組成物。
実施形態94.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約27.9モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約51.51モル%のコレステロールと、
約18.59モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態88~93のいずれか1つの組成物。
実施形態95.組成物であって、
約55モル%~約65モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約21.4モル%~約31.4モル%のコレステロールと、
約6.6モル%~約16.6モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約7モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態96.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約57.5モル%~約62.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約23.9モル%~約28.9モル%のコレステロールと、
約9.1モル%~約14.1モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約4.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態95の組成物。
実施形態97.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%~約61モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約25.4モル%~約27.4モル%のコレステロールと、
約10.6モル%~約12.6モル%のDOPEと、
約1モル%~約3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態95又は実施形態96の組成物。
実施形態98.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約26.4モル%のコレステロールと、
約11.6モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態95~97のいずれか1つの組成物。
実施形態99.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約65:1~約75:1(w/w)である、実施形態95~98のいずれか1つの組成物。
実施形態100.少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約70:1(w/w)である、実施形態95~99のいずれか1つの組成物。
実施形態101.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約26.4モル%のコレステロールと、
約11.6モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約70:1(w/w)である、実施形態95~100のいずれか1つの組成物。
実施形態102.組成物であって、
約25.37モル%~約35.37モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.27モル%~約42.27モル%のコレステロールと、
約25.36モル%~約35.36モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約7モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含む、組成物。
実施形態103.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約27.87モル%~約32.87モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約34.77モル%~約39.77モル%のコレステロールと、
約27.86モル%~約32.86モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約4.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態102の組成物。
実施形態104.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約29.37モル%~約31.37モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約36.27モル%~約38.27モル%のコレステロールと、
約29.36モル%~約31.36モル%のDOPEと、
約1モル%~約3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態102又は実施形態103の組成物。
実施形態105.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約30.37モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.27モル%のコレステロールと、
約30.36モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態102~104のいずれか1つの組成物。
実施形態106.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約95:1~約105:1(w/w)である、実施形態102~105のいずれか1つの組成物。
実施形態107.少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態102~106のいずれか1つの組成物。
実施形態108.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約30.37モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.27モル%のコレステロールと、
約30.36モル%のDOPEと、
約2モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態102~107のいずれか1つの組成物。
実施形態109.組成物であって、
約45モル%~約55モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約15モル%~約25モル%のコレステロールと、
約23.7モル%~約33.7モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約6.3モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含む、組成物。
実施形態110.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約47.5モル%~約52.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約17.5モル%~約22.5モル%のコレステロールと、
約26.2モル%~約31.2モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約4モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態109の組成物。
実施形態111.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約49モル%~約51モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約19モル%~約21モル%のコレステロールと、
約27.7モル%~約29.7モル%のDOPEと、
約0.25モル%~約2.3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態109又は実施形態110の組成物。
実施形態112.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約20モル%のコレステロールと、
約28.7モル%のDOPEと、
約1.3モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態109~111のいずれか1つの組成物。
実施形態113.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約45:1~約55:1(w/w)である、実施形態109~112のいずれか1つの組成物。
実施形態114.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約50:1(w/w)である、実施形態109~113のいずれか1つの組成物。
実施形態115.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約50モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約20モル%のコレステロールと、
約28.7モル%のDOPEと、
約1.3モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約50:1(w/w)である、実施形態109~114のいずれか1つの組成物。
実施形態116.組成物であって、
約49モル%~約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約30モル%~約40モル%のコレステロールと、
約5モル%~約15モル%のリン脂質と、
約0.01モル%~約6モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態117.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約51.5モル%~約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.5モル%~約37.5モル%のコレステロールと、
約7.5モル%~約12.5モル%のリン脂質と、
約0.1モル%~約3.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態116の組成物。
実施形態118.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約53モル%~約55モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約34モル%~約36モル%のコレステロールと、
約9モル%~約11モル%のリン脂質と、
約0.25モル%~約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態116又は実施形態117の組成物。
【0188】
実施形態119.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のリン脂質と、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態116~118のいずれか1つの組成物。
実施形態120.組成物であって、
約54モル%~約64モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約30モル%~約40モル%のコレステロールと、
約0.1モル%~約10モル%のリン脂質と、
約0.01モル%~約6モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態121.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約56.5モル%~約61.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.5モル%~約37.5モル%のコレステロールと、
約2.5モル%~約7.5モル%のリン脂質と、
約0.1モル%~約3.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態120の組成物。
実施形態122.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約58モル%~約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約34モル%~約36モル%のコレステロールと、
約4モル%~約6モル%のリン脂質と、
約0.25モル%~約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態120又は実施形態121の組成物。
実施形態123.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約5モル%のリン脂質と、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態120~122のいずれか1つの組成物。
実施形態124.組成物であって、
約49モル%~約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%~約45モル%のコレステロールと、
約0.1モル%~約10モル%のリン脂質と、
約0.01モル%~約6モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態125.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約51.5モル%~約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.5モル%~約42.5モル%のコレステロールと、
約2.5モル%~約7.5モル%のリン脂質と、
約0.1モル%~約3.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態124の組成物。
実施形態126.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約53モル%~約55モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約39モル%~約41モル%のコレステロールと、
約4モル%~約6モル%のリン脂質と、
約0.25モル%~約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態124又は実施形態125の組成物。
実施形態127.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約40モル%のコレステロールと、
約5モル%のリン脂質と、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態124~126のいずれか1つの組成物。
実施形態128.組成物であって、
約51.5モル%~約61.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.5モル%~約42.5モル%のコレステロールと、
約0.1モル%~約10モル%のリン脂質と、
約0.01モル%~約6モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態129.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%~約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%~約40モル%のコレステロールと、
約2.5モル%~約7.5モル%のリン脂質と、
約0.1モル%~約3.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態128の組成物。
実施形態130.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約55.5モル%~約57.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約36.5モル%~約38.5モル%のコレステロールと、
約4モル%~約6モル%のリン脂質と、
約0.25モル%~約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態128又は実施形態129の組成物。
実施形態131.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.5モル%のコレステロールと、
約5モル%のリン脂質と、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態128~130のいずれか1つの組成物。
実施形態132.組成物であって、
約44.4モル%~約54.4モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約39モル%~約49モル%のコレステロールと、
約0.1モル%~約10モル%のリン脂質と、
約0.01モル%~約6.6モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態133.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約46.9モル%~約51.9モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約41.5モル%~約46.5モル%のコレステロールと、
約2.5モル%~約7.5モル%のリン脂質と、
約0.1モル%~約4.1モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態132の組成物。
実施形態134.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約48.4モル%~約50.4モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約43モル%~約45モル%のコレステロールと、
約4モル%~約6モル%のリン脂質と、
約0.6モル%~約2.6モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態132又は実施形態133の組成物。
実施形態135.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約49.4モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約44モル%のコレステロールと、
約5モル%のリン脂質と、
約1.6モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態132~134のいずれか1つの組成物。
実施形態136.組成物であって、
約55モル%~約65モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約27.8モル%~約37.8モル%のコレステロールと、
約0.1モル%~約10モル%のリン脂質と、
約0.01モル%~約7.2モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態137.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約57.5モル%~約62.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約30.3モル%~約35.3モル%のコレステロールと、
約2.5モル%~約7.5モル%のリン脂質と、
約0.1モル%~約4.7モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態136の組成物。
実施形態138.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%~約61モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約31.8モル%~約33.8モル%のコレステロールと、
約4モル%~約6モル%のリン脂質と、
約1.2モル%~約2.2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態136又は実施形態137の組成物。
実施形態139.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.8モル%のコレステロールと、
約5モル%のリン脂質と、
約2.2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態136~138のいずれか1つの組成物。
実施形態140.組成物であって、
約55モル%~約65モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約29モル%~約39モル%のコレステロールと、
約0.1モル%~約10モル%のリン脂質と、
約0.01モル%~約6モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態141.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約57.5モル%~約62.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約31.5モル%~約36.5モル%のコレステロールと、
約2.5モル%~約7.5モル%のリン脂質と、
約0.1モル%~約3.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態140の組成物。
実施形態142.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%~約61モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約33モル%~約35モル%のコレステロールと、
約4モル%~約6モル%のリン脂質と、
約0.25モル%~約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態140又は実施形態141の組成物。
実施形態143.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約34モル%のコレステロールと、
約5モル%のリン脂質と、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態140~142のいずれか1つの組成物。
実施形態144.組成物であって、
約36.8モル%~約46.8モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約47.2モル%~約57.2モル%のコレステロールと、
約0.1モル%~約10モル%のリン脂質と、
約0.01モル%~約6モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態145.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約39.3モル%~約44.3モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約49.7モル%~約54.7モル%のコレステロールと、
約2.5モル%~約7.5モル%のリン脂質と、
約0.1モル%~約3.5モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態144の組成物。
実施形態146.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約40.8モル%~約42.8モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約51.2モル%~約53.2モル%のコレステロールと、
約4モル%~約6モル%のリン脂質と、
約0.25モル%~約2モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態144又は実施形態145の組成物。
実施形態147.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約41.8モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約52.2モル%のコレステロールと、
約5モル%のリン脂質と、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態144~146のいずれか1つの組成物。
実施形態148.少なくとも1つの核酸分子が、RNA分子である、実施形態116~147のいずれか1つの組成物。
実施形態149.RNA分子が、mRNA分子である、実施形態148の組成物。
実施形態150.mRNA分子が、5’-CAPを更に含む、実施形態149の組成物。
実施形態151.少なくとも1つの核酸分子が、DNA分子である、実施形態116~147のいずれか1つの組成物。
実施形態152.DNA分子が、DoggyBone DNA分子である、実施形態151の組成物。
実施形態153.DNA分子が、DNAナノプラスミドである、実施形態151の組成物。
実施形態154.リン脂質が、DOPEである、実施形態116~153のいずれか1つの組成物。
実施形態155.リン脂質が、DOPCである、実施形態116~153のいずれか1つの組成物。
実施形態156.リン脂質が、DSPCである、実施形態116~153のいずれか1つの組成物。
実施形態157.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約55:1~約110:1(w/w)である、実施形態116~156のいずれか1つの組成物。
実施形態158.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約20:1(w/w)である、実施形態116~156のいずれか1つの組成物。
実施形態159.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約40:1(w/w)である、実施形態116~156のいずれか1つの組成物。
実施形態160.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約60:1(w/w)である、実施形態116~156のいずれか1つの組成物。
実施形態161.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1(w/w)である、実施形態116~156のいずれか1つの組成物。
実施形態162.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約80:1(w/w)である、実施形態116~156のいずれか1つの組成物。
実施形態163.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態116~156のいずれか1つの組成物。
実施形態164.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態165.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態166.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態167.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態168.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約5モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態169.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約40モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態170.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約40モル%のコレステロールと、
約5モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態171.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.5モル%のコレステロールと、
約5モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態172.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約56.5モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約37.5モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態173.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態174.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態175.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約59モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態176.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態177.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPEと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約60:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態178.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約60:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態179.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約49.4モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約44モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1.6モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約60:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態180.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約32.8モル%のコレステロールと、
約5モル%のDSPCと、
約2.2モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約60:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態181.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約60モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約34モル%のコレステロールと、
約5モル%のDOPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約40:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態182.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約41.8モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約52.2モル%のコレステロールと、
約5モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約60:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態183.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2と、
約35モル%のコレステロールと、
約10モル%のDSPCと、
約1モル%のDMG-PEG2000と、を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのRNA分子を含み、少なくとも1つのナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約60:1(w/w)である、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態184.mRNAが、5-メチルシチジン(5-MeC)であるシチジン残基を含む、先行する実施形態のいずれか1つの組成物。
実施形態185.組成物であって、
約30モル%~約40モル%のC12-200と、
約36.84モル%~約46.84モル%のコレステロールと、
約15モル%~約25モル%のDOPEと、
約0.01モル%~約8.16モル%のDMG-PEG2000と、を含む少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含み、
少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、少なくとも1つの核酸分子を含む、組成物。
実施形態186.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約32.5モル%~約37.5モル%のC12-200と、
約39.34モル%~約44.34モル%のコレステロールと、
約17.5モル%~約22.5モル%のDOPEと、
約0.1モル%~約5.66モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態185の組成物。
実施形態187.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約34モル%~約36モル%のC12-200と、
約40.84モル%~約42.84モル%のコレステロールと、
約19モル%~約21モル%のDOPEと、
約2.16モル%~約4.16モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態185又は実施形態186の組成物。
実施形態188.少なくとも1つの脂質ナノ粒子が、
約35モル%のC12-200と、
約41.84モル%のコレステロールと、
約20モル%のDOPEと、
約3.16モル%のDMG-PEG2000と、を含む、実施形態185~187のいずれか1つの組成物。
実施形態189.少なくとも1つの核酸分子が、少なくとも1つのDNA分子である、実施形態185~188のいずれか1つの組成物。
実施形態190.DNA分子が、DoggyBone DNA分子である、実施形態189の組成物。
実施形態191.DNA分子が、DNAナノプラスミドである、実施形態190の組成物。
実施形態192.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約70:1~約90:1(w/w)である、実施形態185~191のいずれか1つの組成物。
実施形態193.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約20:1(w/w)である、実施形態185~191のいずれか1つの組成物。
実施形態194.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約40:1(w/w)である、実施形態185~191のいずれか1つの組成物。
実施形態195.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約60:1(w/w)である、実施形態185~191のいずれか1つの組成物。
実施形態196.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約75:1(w/w)である、実施形態185~191のいずれか1つの組成物。
実施形態197.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約80:1(w/w)である、実施形態185~191のいずれか1つの組成物。
実施形態198.少なくとも1つの脂質ナノ粒子中の脂質と核酸との比率が、約100:1(w/w)である、実施形態185~191のいずれか1つの組成物。
【0189】
本開示の医薬組成物
いくつかの態様では、本開示は、本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含む医薬組成物を提供する。
【0190】
いくつかの態様では、本開示は、本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含む医薬組成物を提供する。いくつかの態様では、本開示は、本開示の少なくとも1つの第1のナノ粒子と、本開示の少なくとも1つの第2のナノ粒子とを含む医薬組成物を提供し、少なくとも1つの第1のナノ粒子が、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードする少なくとも1つの核酸分子を含み、少なくとも1つの第2のナノ粒子が、少なくとも1つのトランスポゾンをコードする少なくとも1つの核酸分子を含む。
【0191】
いくつかの態様では、本開示は、本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子が接触している少なくとも1つの細胞を含む組成物を提供する。いくつかの態様では、本開示は、本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子を使用して遺伝子改変されている少なくとも1つの細胞を含む組成物を提供する。いくつかの態様では、本開示は、本開示の任意の方法を使用して遺伝子改変されている少なくとも1つの細胞を含む組成物を提供する。
【0192】
本開示の方法
本開示は、少なくとも1つの核酸を少なくとも1つの細胞に送達する方法であって、少なくとも1つの細胞を本開示の少なくとも1つの組成物と接触させることを含む、方法を提供する。本開示は、少なくとも1つの核酸を少なくとも1つの細胞に送達する方法であって、少なくとも1つの細胞を本開示の少なくとも1つのナノ粒子と接触させることを含む、方法を提供する。
【0193】
本開示の全ての方法、組成物、及びキットにおいて、少なくとも1つの細胞は、肝臓細胞であり得る。肝臓細胞は、限定されるものではないが、肝細胞、肝星細胞、Kupffer細胞、又は肝類洞内皮細胞を含み得る。
【0194】
本開示のいずれかの方法のうちのいくつかの態様では、細胞は、インビボ、エクスビボ、又はインビトロであり得る。いくつかの態様では、本開示の方法のうちのいずれかは、インビボ、エクスビボ、又はインビトロで適用され得る。
【0195】
本開示は、少なくとも1つの細胞を遺伝子改変する方法であって、少なくとも1つの細胞を本開示の少なくとも1つの組成物と接触させることを含む、方法を提供する。本開示は、少なくとも1つの細胞を遺伝子改変する方法であって、少なくとも1つの細胞を本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子と接触させることを含む、方法を提供する。
【0196】
いくつかの態様では、細胞を遺伝子改変することは、細胞が別途通常発現しない少なくとも1つのタンパク質を細胞が発現するように、又は細胞が少なくとも1つのタンパク質を別途通常発現するレベルよりも高いレベルで少なくとも1つの細胞が少なくとも1つのタンパク質を発現するように、又は細胞が別途通常発現するレベルよりも低いレベルで細胞が少なくとも1つのタンパク質を発現するように、少なくとも1つの外因性核酸を細胞に送達することを含み得る。いくつかの態様では、細胞を遺伝子改変することは、少なくとも1つの外因性核酸が少なくとも1つの細胞のゲノムに組み込まれるように、少なくとも1つの外因性核酸を細胞に送達することを含み得る。
【0197】
いくつかの態様では、少なくとも1つの細胞を本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子と接触させることは、少なくとも1つの細胞を少なくとも1つの対照脂質ナノ粒子と接触させることによって誘起される外因性タンパク質の発現レベルと比較して、少なくとも約2倍、又は少なくとも約3倍、又は少なくとも約4倍、又は少なくとも約5倍、又は少なくとも約6倍、又は少なくとも約7倍、又は少なくとも約8倍、又は少なくとも約9倍、又は少なくとも約10倍、少なくとも15倍、又は少なくとも約20倍、又は少なくとも約25倍、又は少なくとも約30倍、又は少なくとも約50倍増加するレベルで少なくとも1つの外因性タンパク質を発現する少なくとも1つの細胞を結果的にもたらし得る。
【0198】
いくつかの態様では、本開示の方法は、複数の細胞を産生し得、複数の細胞のうちの少なくとも約1%、又は少なくとも約2%、又は少なくとも約3%、又は少なくとも約4%、又は少なくとも約5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%、又は少なくとも35%、又は少なくとも40%、又は少なくとも45%、又は少なくとも50%、又は少なくとも55%、又は少なくとも60%、又は少なくとも約65%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約99%が、本開示のナノ粒子を介して複数の細胞に送達された少なくとも1つの核酸にコードされた少なくとも1つのタンパク質を発現する。
【0199】
いくつかの態様では、本開示の方法は、複数の細胞を産生し得、複数の細胞のうちの少なくとも約1%、又は少なくとも約2%、又は少なくとも約3%、又は少なくとも約4%、又は少なくとも約5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%、又は少なくとも35%、又は少なくとも40%、又は少なくとも45%、又は少なくとも50%、又は少なくとも55%、又は少なくとも60%、又は少なくとも約65%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約99%が、肝細胞、肝星細胞、Kupffer細胞、又は肝類洞内皮細胞である。
【0200】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子に製剤化された核酸分子は、少なくとも1つのゲノム編集組成物を含み得る。
【0201】
遺伝子編集組成物は、DNA結合ドメインをコードする少なくとも1つの核酸配列と、ヌクレアーゼタンパク質又はそのヌクレアーゼドメインをコードする核酸配列と、を含む、少なくとも1つの核酸分子を含み得る。ヌクレアーゼタンパク質をコードする核酸配列、又はそのヌクレアーゼドメインをコードする配列は、DNA配列、RNA配列、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0202】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子に製剤化されたゲノム編集組成物は、融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子を含み得、融合タンパク質は、ヌクレアーゼ不活性化Cas(dCas)タンパク質又はそのヌクレアーゼドメインと、エンドヌクレアーゼタンパク質又はそのヌクレアーゼドメインと、を含む。
【0203】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子に製剤化されたゲノム編集組成物は、融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子を含み得、融合タンパク質は、(i)不活性化Cas9(dCas9)タンパク質又はその不活性化ヌクレアーゼドメイン、(ii)Clo051タンパク質又はそのヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの態様では、融合タンパク質は、少なくとも1つの核局在化シグナル(NLS)を更に含み得る。いくつかの態様では、融合タンパク質は、少なくとも2つのNLSを更に含み得る。いくつかの態様では、核酸分子は、DNA、RNA、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの態様では、核酸分子は、RNAを含み得る。例示的なdCas9-Clo051融合タンパク質(当該技術分野では「Cas-CLOVER」タンパク質と称される)、及び当該dCas9-Clo051融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、米国特許公開第2022/0042038号に詳細に説明されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。Cas-CLOVERを含む遺伝子編集組成物、及びこれらの組成物を遺伝子編集に使用する方法は、米国特許公開第2017/0107541号、同第2017/0114149号、同第2018/0187185号、及び米国特許第10,415,024号に詳細に説明されており、それらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0204】
いくつかの態様では、Cas-CLOVERタンパク質は、配列番号31に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0205】
いくつかの態様では、Clo051タンパク質又はヌクレアーゼドメインは、配列番号32に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0206】
いくつかの態様では、不活性化Cas9(dCas9)タンパク質又はその不活性化ヌクレアーゼドメインは、配列番号33に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0207】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子に製剤化されたゲノム編集組成物は、少なくとも1つのガイド分子を更に含み得る。いくつかの態様では、ガイド分子は、ガイドRNA(gRNA分子)であり得る。
【0208】
したがって、本開示は、本明細書に説明される脂質ナノ粒子組成物のいずれかを提供し、脂質ナノ粒子が、少なくとも1つのゲノム編集組成物を含み、少なくとも1つのゲノム編集組成物が、a)融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子であって、融合タンパク質が、(i)不活性化Cas9(dCas9)タンパク質又はその不活性化ヌクレアーゼドメイン、(ii)Clo051タンパク質又はそのヌクレアーゼドメインを含む、核酸分子と、b)少なくとも1つのgRNA分子と、を含む。いくつかの態様では、融合タンパク質は、少なくとも1つのNLSを更に含み得る。いくつかの態様では、少なくとも1つのゲノム編集組成物は、少なくとも2種のgRNA分子を含み得る。
【0209】
本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの核酸を含む、少なくとも1つの治療有効量の本開示の少なくとも1つの組成物を対象に投与することを含む。
【0210】
本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、少なくとも1つの治療有効量の細胞を投与することを含み、細胞は、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの核酸を含む本開示の少なくとも1つのナノ粒子と接触している。本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、少なくとも1つの治療有効量の細胞を投与することを含み、細胞は、本開示の組成物及び/又は方法を使用して遺伝子改変されている。
【0211】
いくつかの態様では、少なくとも1つの疾患は、代謝性肝臓障害(MLD)であり得る。MLDは、限定されるものではないが、N-アセチルグルタミン酸合成酵素(NAGS)欠損症、カルバモイルリン酸合成酵素I欠損症(CPSI欠損症)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症(ASSD)(シトルリン血症I)、シトリン欠損症(シトルリン血症II)、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症(アルギニノコハク酸尿症)、アルギナーゼ欠損症(高アルギニン血症)、オルニチントランスロカーゼ欠損症(HHH症候群)、メチルマロン酸血症(MMA)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC1)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC2)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC3)、若しくはそれらの任意の組み合わせである。
【0212】
いくつかの態様では、少なくとも1つの疾患は、血友病疾患であり得る。いくつかの態様では、血友病疾患は、血友病Aである。いくつかの態様では、血友病疾患は、血友病Bである。いくつかの態様では、血友病疾患は、血友病Cである。
【0213】
いくつかの態様では、少なくとも1つの疾患は、増加したLDLコレステロールによって特徴付けられる疾患及び/又は障害であり得る。したがって、本開示は、LDLコレステロールを減少させることを必要とする対象においてそれを行う方法を提供する。
【0214】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子に製剤化された核酸分子は、少なくとも1つの導入遺伝子配列を含み得る。いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み得る。いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含み得る。
【0215】
いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、少なくとも1つのトランスポゾンをコードするヌクレオチド配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列及び少なくとも1つのプロトマー配列を含み得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、少なくとも1つのプロモーター配列に作用可能に結合されている。いくつかの態様では、トランスポゾンは、少なくとも1つの逆方向末端反復(ITR)を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、第1のITR及び少なくとも第2のITRを含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、少なくとも1つのインスレーター配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、第1のインスレーター配列及び少なくとも第2のインスレーター配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、少なくとも1つの5’UTR配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、少なくとも1つの3’UTR配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、第1の3’UTR配列及び少なくとも第2の3’UTR配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、少なくとも1つのポリA配列を含み得る。
【0216】
いくつかの態様では、トランスポゾンは、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列及び3’UTR配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、5’から3’方向に、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列及び3’UTR配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、続いて3’UTR配列を含み得る。
【0217】
いくつかの態様では、トランスポゾンは、第1のITR、第1のインスレーター配列、少なくとも1つのプロモーター配列、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、3’UTR配列、ポリA配列、第2のインスレーター配列、及び第2のITRを含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、5’から3’方向に、第1のITR、第1のインスレーター配列、少なくとも1つのプロモーター配列、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、3’UTR配列、ポリA配列、第2のインスレーター配列、及び第2のITRを含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、第1のITR、続いて第1のインスレーター配列、続いて少なくとも1つのプロモーター配列、続いて少なくとも1つのプロモーター配列、続いて少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、続いて3’UTR配列、続いてポリA配列、続いて第2のインスレーター配列、続いて第2のITRを含み得る。
【0218】
上記のトランスポゾンのいくつかの態様では、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列は、FVIII-BDDポリペプチドをコードする配列であり得、FVIII-BDDポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、FVIII-BDDポリペプチドをコードする配列は、配列番号22の核酸配列を含み得る。
【0219】
上記のトランスポゾンのいくつかの態様では、3’UTR配列は、配列番号27の核酸配列を含み得る。
【0220】
したがって、非限定的な例では、トランスポゾンは、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列及び3’UTR配列を含み得、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列は、FVIII-BDDポリペプチドをコードする配列であり、FVIII-BDDポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含み、3’UTR配列は、配列番号27の核酸配列を含む。
【0221】
いくつかの態様では、トランスポゾンは、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、第1の3’UTR配列、及び第2の3’UTR配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、5’から3’の配列において、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、第1の3’UTR配列、及び第2の3’UTR配列を含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、続いて第1の3’UTR配列、続いて第2の3’UTR配列を含み得る。
【0222】
いくつかの態様では、トランスポゾンは、第1のITR、第1のインスレーター配列、少なくとも1つのプロモーター配列、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、第1の3’UTR配列、第2の3’UTR配列、ポリA配列、第2のインスレーター配列、及び第2のITRを含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、5’から3’方向に、第1のITR、第1のインスレーター配列、少なくとも1つのプロモーター配列、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、第1の3’UTR配列、第2の3’UTR配列、ポリA配列、第2のインスレーター配列、及び第2のITRを含み得る。いくつかの態様では、トランスポゾンは、第1のITR、続いて第1のインスレーター配列、続いて少なくとも1つのプロモーター配列、続いて少なくとも1つのプロモーター配列、続いて少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、続いて第1の3’UTR配列、続いて第2の3’UTR配列、続いてポリA配列、続いて第2のインスレーター配列、続いて第2のITRを含み得る。
【0223】
上記のトランスポゾンのいくつかの態様では、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列は、FVIII-BDDポリペプチドをコードする配列であり得、FVIII-BDDポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、FVIII-BDDポリペプチドをコードするta配列は、配列番号22の核酸配列を含み得る。
【0224】
上記のトランスポゾンのいくつかの態様では、第1の3’UTR配列は、AES 3’UTR配列であり得、AES 3’UTR配列は、配列番号25の核酸配列を含む。
【0225】
上記のトランスポゾンのいくつかの態様では、第2の3’UTR配列は、mtRNR1 3’UTR配列であり得、mtRNR1 3’UTR配列は、配列番号26の核酸配列を含む。
【0226】
したがって、非限定的な例では、トランスポゾンは、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列、第1の3’UTR配列、及び第2の3’UTR配列を含み得、治療用タンパク質をコードする少なくとも1つの配列は、FVIII-BDDポリペプチドをコードする配列であり、FVIII-BDDポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含み、第1の3’UTR配列は、配列番号25の核酸配列を含み、第2の3’UTR配列は、配列番号26の核酸配列を含む。
【0227】
いくつかの態様では、トランスポゾンは、配列番号28に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0228】
いくつかの態様では、トランスポゾンは、配列番号34に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0229】
いくつかの態様では、トランスポゾンは、配列番号35に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0230】
いくつかの態様では、治療用タンパク質は、メチルマロニルCoAムターゼ(MUT1)ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0231】
いくつかの態様では、治療用タンパク質は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0232】
いくつかの態様では、治療用タンパク質は、第VIII因子(FVIII)ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、FVIIIポリペプチドは、Bドメインを欠くFVIIIポリペプチド(以下、FVIII-BDDポリペプチドと称される)であり得る。当業者によって理解されるように、第VIII-BDD因子ポリペプチドは、インビトロ及びインビボで生物活性を保持する(Kessler et al.Haemophilia,2005,11(2):84-91参照)。
【0233】
いくつかの態様では、FVIII-BDDポリペプチドは、配列番号21に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの態様では、FVIII-BDDポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号22又は36に記載された配列のうちのいずれかに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0234】
いくつかの態様では、治療用タンパク質は、第IX因子(FIX)ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、FIXポリペプチドは、R338L変異を含み得る。当業者によって理解されるように、R338L変異は、Padua変異と称され得る(VandenDriessche and Chuah,Molecular Therapy,2018,Vol.26,Issue 1,P14-16参照、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0235】
本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)トランスポゾンを含む核酸分子を含む少なくとも1つの治療有効量の組成物であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、組成物と、b)少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む少なくとも1つの治療有効量の組成物と、を投与することを含む。
【0236】
上記の方法のいくつかの態様では、トランスポゾンを含む核酸分子を含む組成物は、本開示の少なくとも1つのLNPを含む組成物であり得、LNPは、トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含み、トランスポゾンは、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含み、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、LNPと、b)少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む少なくとも1つの治療有効量の組成物と、を投与することを含む。
【0237】
上記の方法のいくつかの態様では、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む組成物は、本開示の少なくとも1つのLNPを含む組成物であり得、LNPは、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸分子を含む。したがって、本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)トランスポゾンを含む核酸を含む、少なくとも1つの治療有効量の組成物であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、組成物と、b)本開示の少なくとも1つの治療有効量のLNPであって、LNPが、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸を含む、LNPと、を投与することを含む。
【0238】
追加的に、本開示はまた、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含み、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、LNPと、b)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸分子を含む、LNPと、を投与することを含む。
【0239】
上記の方法のいくつかの態様では、少なくとも1つのトランスポゾンをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む組成物は、トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ウイルスベクター粒子を含む組成物であり得、トランスポゾンは、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。したがって、本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含む少なくとも1つの治療有効量のAAVウイルスベクター粒子であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、AAVウイルスベクター粒子と、b)少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む少なくとも1つの治療有効量の組成物と、を投与することを含む。
【0240】
追加的に、本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含む、少なくとも1つの治療有効量のAAVウイルスベクター粒子であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、AAVウイルスベクター粒子と、b)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸分子を含む、LNPと、を投与することを含む。
【0241】
上記の方法のいくつかの態様では、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む組成物は、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸分子を含むAAVウイルスベクター粒子を含む組成物であり得る。したがって、本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)トランスポゾンを含む核酸を含む、少なくとも1つの治療有効量の組成物であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、組成物と、b)少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸分子を含む、少なくとも1つの治療有効量のAAVウイルスベクター粒子と、を投与することを含む。
【0242】
追加的に、本開示は、対象において少なくとも1つの疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含み、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、LNPと、b)少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸分子を含む、少なくとも1つの治療有効量のAAVウイルスベクター粒子と、を投与することを含む。
【0243】
非限定的な例では、トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含むAAVウイルスベクター粒子であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、治療用タンパク質が、OTCである、AAVウイルスベクター粒子は、配列番号1~6のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的にからなるか、又はそれからなり得る。
【0244】
非限定的な例では、トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含むAAVウイルスベクター粒子であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、治療用タンパク質が、第VIII因子である、AAVウイルスベクター粒子は、配列番号8~14のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的にからなるか、又はそれからなり得る。
【0245】
非限定的な例では、トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含むAAVウイルスベクター粒子であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、治療用タンパク質が、第IX因子である、AAVウイルスベクター粒子は、配列番号15~20のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的にからなるか、又はそれからなり得る。
【0246】
非限定的な例では、トランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの核酸分子を含むAAVウイルスベクター粒子は、配列番号7に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的にからなるか、又はそれからなり得る。
【0247】
上記の方法のいくつかの態様では、トランスポゾンを含む核酸分子を含む組成物であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、組成物と、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む組成物と、が同時に投与され得る。いくつかの態様では、トランスポゾンを含む核酸分子を含む組成物であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、組成物と、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む組成物と、が順次投与され得る。いくつかの態様では、トランスポゾンを含む核酸分子を含む組成物であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、組成物と、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む組成物と、が時間的に近接して投与され得る。
【0248】
本明細書で使用される場合、「時間的に近接して」という用語は、1つの治療用組成物(例えば、トランスポゾンを含む組成物)の投与が、別の治療用組成物(例えば、トランスポサーゼを含む組成物)の投与の前又は後のある時間内に発生し、それにより、1つの治療剤の治療効果が、他の治療剤の治療効果と重複することを指す。いくつかの実施形態では、1つの治療剤の治療効果は、他の治療剤の治療効果と完全に重複している。いくつかの実施形態では、「時間的に近接して」とは、1つの治療剤の投与が、別の治療剤の投与の前又は後のある時間内に発生し、それにより、1つの治療剤と他の治療剤との間に相乗効果が存在することを意味する。「時間的に近接して」は、限定されるものではないが、治療剤が投与されることになる対象、疾患又は状態が治療又は改善される対象、治療結果が達成される対象の年齢、性別、体重、遺伝的背景、病状、病歴、及び治療歴、治療剤の用量、投与頻度、及び投与期間、治療剤の薬物動態及び薬力学、並びに治療剤が投与される経路を含む、様々な因子に従って変動し得る。いくつかの実施形態では、「時間的に近接して」とは、15分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、6時間以内、8時間以内、12時間以内、18時間以内、24時間以内、36時間以内、2日以内、3日以内、4日以内、5日以内、6日以内、1週間以内、2週間以内、3週間以内、4週間以内、6週間以内、又は8週間以内を意味する。いくつかの実施形態では、1つの治療剤の複数回投与は、別の治療剤の単回投与と時間的に近接して発生し得る。いくつかの実施形態では、時間的近接性は、治療サイクル中又は投与レジメン内で変化し得る。
【0249】
非限定的な例では、本開示は、対象において代謝性肝臓障害を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、トランスポゾンを含む少なくとも1つのDNA分子を含み、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、LNPと、b)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つのRNA分子を含む、LNPと、を投与することを含む。いくつかの態様では、代謝性肝臓障害は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症であり得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)ポリペプチドを含み得る。いくつかの態様では、代謝性肝臓障害は、メチルマロン酸血症(MMA)であり得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、メチルマロニルCoAムターゼ(MUT1)ポリペプチドを含み得る。
【0250】
非限定的な例では、本開示は、対象において血友病疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、トランスポゾンを含む少なくとも1つのDNA分子を含み、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、LNPと、b)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つのRNA分子を含む、LNPと、を投与することを含む。いくつかの態様では、血友病疾患は、血友病Aであり得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、第VIII因子を含み得る。いくつかの態様では、血友病疾患は、血友病Bであり得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、第IX因子を含み得る。
【0251】
非限定的な例では、本開示は、対象において代謝性肝臓障害を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含む、少なくとも1つの治療有効量のAAVウイルスベクター粒子であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、AAVウイルスベクター粒子と、b)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つのRNA分子を含む、LNPと、を投与することを含む。いくつかの態様では、代謝性肝臓障害は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症であり得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)ポリペプチドを含み得る。いくつかの態様では、代謝性肝臓障害は、メチルマロン酸血症(MMA)であり得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、メチルマロニルCoAムターゼ(MUT1)ポリペプチドを含み得る。
【0252】
非限定的な例では、本開示は、対象において血友病疾患を治療する方法を提供し、方法は、対象に、a)トランスポゾンを含む少なくとも1つの核酸分子を含む、少なくとも1つの治療有効量のAAVウイルスベクター粒子であって、トランスポゾンが、少なくとも1つの治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、AAVウイルスベクター粒子と、b)少なくとも1つの治療有効量の本開示のLNPであって、LNPが、少なくとも1つのトランスポサーゼをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1つのRNA分子を含む、LNPと、を投与することを含む。いくつかの態様では、血友病疾患は、血友病Aであり得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、第VIII因子を含み得る。いくつかの態様では、血友病疾患は、血友病Bであり得、少なくとも1つの治療用タンパク質は、第IX因子を含み得る。
【0253】
本開示は、増加したLDLコレステロールによって特徴付けられる疾患及び/又は障害を治療する方法であって、ゲノム編集組成物を含む本開示の少なくとも1つのLNPを対象に投与することを含み、ゲノム編集組成物が、融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子を含み、融合タンパク質が、(i)不活性化Cas9(dCas9)タンパク質又はその不活性化ヌクレアーゼドメイン、(ii)Clo051タンパク質又はそのヌクレアーゼドメインを含む、方法を提供する。いくつかの態様では、融合タンパク質は、Cas-CLOVERタンパク質であり得る。いくつかの態様では、ゲノム編集組成物は、pcsk9遺伝子を標的とする少なくとも1種のガイドRNA(gRNA)分子を更に含み得る。いくつかの態様では、ゲノム編集組成物は、pcsk9遺伝子を標的とする少なくとも2つのgRNA分子を更に含み得る。pcsk9遺伝子を標的とするgRNA分子は、配列番号29、30のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になり得る。
【0254】
本開示は、LDLコレステロールを減少させることを必要とする対象においてそれを行う方法を提供し、方法は、ゲノム編集組成物を含む本開示の少なくとも1つのLNPを対象に投与することを含み、ゲノム編集組成物が、融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子を含み、融合タンパク質が、(i)不活性化Cas9(dCas9)タンパク質又はその不活性化ヌクレアーゼドメイン、(ii)Clo051タンパク質又はそのヌクレアーゼドメインを含む。いくつかの態様では、融合タンパク質は、Cas-CLOVERタンパク質であり得る。いくつかの態様では、ゲノム編集組成物は、pcsk9遺伝子を標的とする少なくとも1種のガイドRNA(gRNA)分子を更に含み得る。いくつかの態様では、ゲノム編集組成物は、pcsk9遺伝子を標的とする少なくとも2つのgRNA分子を更に含み得る。pcsk9遺伝子を標的とするgRNA分子は、配列番号29、30のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になり得る。
【0255】
本開示の治療方法のいくつかの態様では、対象への本開示の少なくとも1つの組成物及び/又はナノ粒子の投与は、対象における少なくとも1つの器官及び/又は組織内の外因性タンパク質(例えば、治療用タンパク質、トランスポサーゼなど)の発現を結果的にもたらし得る。
【0256】
いくつかの態様では、本開示の少なくとも1つの組成物及び/又はナノ粒子の投与が、組織及び/又は器官内の細胞の少なくとも約10%、又は少なくとも約15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約45%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約55%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約65%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約99%における外因性タンパク質の発現を結果的にもたらす。
【0257】
いくつかの態様では、本開示の少なくとも1つの組成物及び/又はナノ粒子の投与が、組織及び/又は器官内の細胞の特定の部分集団の少なくとも約10%、又は少なくとも約15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも約25%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約35%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約45%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約55%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約65%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約99%における外因性タンパク質の発現を結果的にもたらす。
【0258】
いくつかの態様では、本開示の少なくとも1つの組成物及び/又はナノ粒子の投与は、組織及び/又は器官内で、少なくとも約1日、又は少なくとも約2日、又は少なくとも約3日、又は少なくとも約4日、又は少なくとも約5日、又は少なくとも約6日、又は少なくとも約7日、又は少なくとも約8日、又は少なくとも約9日、又は少なくとも約10日間、外因性タンパク質の発現を結果的にもたらす。
【0259】
いくつかの態様では、本開示の少なくとも1つの組成物及び/又はナノ粒子の投与は、組織及び/又は器官内の特定の部分集団で、少なくとも約1日、又は少なくとも約2日、又は少なくとも約3日、又は少なくとも約4日、又は少なくとも約5日、又は少なくとも約6日、又は少なくとも約7日、又は少なくとも約8日、又は少なくとも約9日、又は少なくとも約10日間、外因性タンパク質の発現を結果的にもたらす。
【0260】
いくつかの態様では、本開示の少なくとも1つの組成物及び/又はナノ粒子の投与は、組織及び/又は器官内で、約1日間以下、又は約2日間以下、又は約3日間以下、又は約4日間以下、又は約5日間以下、又は約6日間以下、又は約7日間以下、又は約8日間以下、又は約9日間以下、又は約10日間以下、外因性タンパク質の発現を結果的にもたらす。
【0261】
いくつかの態様では、本開示の少なくとも1つの組成物及び/又はナノ粒子の投与は、組織及び/又は器官内の特定の部分集団で、約1日間以下、又は約2日間以下、又は約3日間以下、又は約4日間以下、又は約5日間以下、又は約6日間以下、又は約7日間以下、又は約8日間以下、又は約9日間以下、又は約10日間以下、外因性タンパク質の発現を結果的にもたらす。
【0262】
いくつかの態様では、本開示の組成物の投与時に外因性タンパク質を発現する細胞のパーセンテージは、対照ナノ粒子を含む組成物の投与時に外因性タンパク質を発現する細胞のパーセンテージと比較して、少なくとも約2倍、又は少なくとも約3倍、又は少なくとも約4倍、又は少なくとも約5倍、又は少なくとも約6倍、又は少なくとも約7倍、又は少なくとも約8倍、又は少なくとも約9倍、又は少なくとも約10倍、少なくとも15倍、又は少なくとも約20倍、又は少なくとも約25倍、又は少なくとも約30倍、又は少なくとも約50倍増加し得る。
【0263】
いくつかの態様では、組織及び/又は器官は、肝臓であり得る。いくつかの態様では、細胞の特定の部分集団は、限定されるものではないが、肝細胞、肝星細胞、Kupffer細胞、若しくは肝類洞内皮細胞、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0264】
いくつかの態様では、本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子を含む組成物の投与は、少なくとも1つの対照脂質ナノ粒子を含む組成物の投与よりも低毒性である。
【0265】
いくつかの態様では、低下した毒性は、本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子の投与後の少なくとも1つの肝臓酵素のレベルの増加の減衰として顕在化し得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの肝臓酵素は、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、及びアルカリホスファターゼ(ALP)のうちの1つ以上であり得る。
【0266】
いくつかの態様では、低下した毒性は、本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子の投与後の少なくとも1つの炎症性サイトカインのレベルの増加の減衰として顕在化し得る。いくつかの態様では、少なくとも1つの炎症性サイトカインは、インターロイキン-6(IL-6)、インターフェロンガンマ(INF-G)、及び腫瘍壊死因子アルファ(TNF-a)のうちの1つ以上であり得る。
【0267】
いくつかの態様では、低下した毒性は、本開示の少なくとも1つの脂質ナノ粒子の投与後の体重の減少の減衰として顕在化し得る。
【0268】
いくつかの態様では、対照脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質が生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質ではない点を除いて、他の点では同一である脂質ナノ粒子である。
【0269】
いくつかの態様では、対照脂質ナノ粒子は、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含まない脂質ナノ粒子である。
【0270】
いくつかの態様では、対照脂質ナノ粒子は、ssPalmO-Ph-P4C2を含まない脂質ナノ粒子である。
【0271】
いくつかの態様では、対照脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質がssPalmO-Ph-P4C2ではない点を除いて、他の点では同一である脂質ナノ粒子である。
【0272】
いくつかの態様では、対照脂質ナノ粒子は、より多い量の生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子である。
【0273】
いくつかの態様では、対照脂質ナノ粒子は、より少ない量の生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子である。
【0274】
いくつかの態様では、対照脂質ナノ粒子は、当該技術分野で既に開示されている脂質ナノ粒子組成物を含む。
【0275】
いくつかの態様では、対照脂質ナノ粒子は、本開示の脂質ナノ粒子と同じ用量で対象に投与される。
【0276】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子は、マイクロ流体混合プラットフォームを使用して生成され得る。いくつかの態様では、マイクロ流体混合プラットフォームは、非乱流マイクロ流体混合プラットフォームであり得る。
【0277】
いくつかの態様では、マイクロ流体混合プラットフォームは、マイクロ流体デバイスを使用して、ナノ粒子の脂質成分を含む混和性溶媒相と、脂質ナノ粒子カーゴ(例えば、核酸、DNA、mRNAなど)を含む水相とを組み合わせることによって、本開示の脂質ナノ粒子を生成し得る。いくつかの態様では、混和性溶媒相及び水相は、2つの相の即時の混合を可能にしない層流条件下でマイクロ流体デバイス内で混合される。2つの相がマイクロ流体チャネルの層流下で移動すると、チャネルの顕微鏡的特徴が、制御された均質な混合を可能にして、本開示の脂質ナノ粒子を生成し得る。
【0278】
いくつかの態様では、マイクロ流体混合プラットフォームは、限定されるものではないが、NanoAssemblr(登録商標)Spark(Precision NanoSystems)、NanoAssemblr(登録商標)Ignite(商標)(Precision NanoSystems)、NanoAssemblr(登録商標)Benchtop(Precision NanoSystems)、NanoAssemblr(登録商標)Blaze(Precision NanoSystems)、又はNanoAssemblr(登録商標)GMP System(Precision NanoSystems)を含み得る。
【0279】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子は、マイクロ流体混合プラットフォームを使用して生成され得、マイクロ流体混合プラットフォームは、少なくとも約2.5ml/分、又は少なくとも約5ml/分、又は少なくとも約7.5ml/分、又は少なくとも約10ml/分、又は少なくとも約12.5ml/分、又は少なくとも約15ml/分、又は少なくとも約17.5ml/分、又は少なくとも約20ml/分、又は少なくとも約22.5ml/分、又は少なくとも約25ml/分、又は少なくとも約27.5ml/分、又は少なくとも約30ml/分の速度で混合する。
【0280】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子は、T-ミキサーを使用して生成され得、T-ミキサーは、少なくとも約2.5ml/分、又は少なくとも約5ml/分、又は少なくとも約7.5ml/分、又は少なくとも約10ml/分、又は少なくとも約12.5ml/分、又は少なくとも約15ml/分、又は少なくとも約17.5ml/分、又は少なくとも約20ml/分、又は少なくとも約22.5ml/分、又は少なくとも約25ml/分、又は少なくとも約27.5ml/分、又は少なくとも約30ml/分の速度で混合する。
【0281】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子は、マイクロ流体混合プラットフォームを使用して生成され得、マイクロ流体混合プラットフォームは、約10:1、又は約9:1、又は約8:1、又は約7:1、又は約6:1、又は約5:1、又は約4:1、又は約3:1、又は約2:1、又は約1:1、又は約1:2、又は約1:3、又は約1:4、又は約1:5、又は約1:6、又は約1:7、又は約1:8、又は約1:9、又は約1:10、溶媒:水、v:vの比率で混和性溶媒相と水相とを混合する。
【0282】
いくつかの態様では、本開示の脂質ナノ粒子は、T-ミキサーを使用して生成され得、T-ミキサーは、約10:1、又は約9:1、又は約8:1、又は約7:1、又は約6:1、又は約5:1、又は約4:1、又は約3:1、又は約2:1、又は約1:1、又は約1:2、又は約1:3、又は約1:4、又は約1:5、又は約1:6、又は約1:7、又は約1:8、又は約1:9、又は約1:10、溶媒:水、v:vの比率で混和性溶媒相と水相とを混合する。
【0283】
piggyBac ITR配列
いくつかの態様では、核酸分子は、piggyBac ITR配列を含み得る。いくつかの態様では、核酸分子は、第1のpiggyBac ITR配列及び第2のpiggyBac ITR配列を含み得る。
【0284】
いくつかの態様では、piggyBac ITR配列は、当該技術分野で既知の任意のpiggyBac ITR配列を含み得る。
【0285】
本開示の方法のいくつかの態様では、第1のpiggyBac ITR配列及び/又は第2のpiggyBac ITR配列などのpiggyBac ITR配列は、Sleeping BeautyトランスポゾンITR、HelraiserトランスポゾンITR、Tol2トランスポゾンITR、TcBusterトランスポゾンITR、又はそれらの任意の組み合わせを含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなり得る。
【0286】
インスレーター配列
いくつかの態様では、インスレーター配列は、配列番号146、147に記載された配列のうちのいずれかに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0287】
プロモーター配列
いくつかの態様では、核酸分子は、プロモーター配列を含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、当該技術分野で既知の任意のプロモーター配列を含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、当該技術分野で既知の任意の肝臓特異的プロモーター配列を含み得る。
【0288】
いくつかの態様では、プロモーター配列は、ハイブリッド肝臓プロモーター(HLP)を含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、LP1プロモーターを含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、pp52(LSP1)ロングプロモーターの白血球特異的発現を含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、チロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーターを含み得る。
いくつかの態様では、プロモーター配列は、wTBGプロモーターを含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、肝コンビナトリアルバンドル(HCB)プロモーターを含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、2xApoE-hAATプロモーターを含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、pp52(LSP1)プラスキメライントロンプロモーターの白血球特異的発現を含み得る。いくつかの態様では、プロモーター配列は、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを含み得る。
【0289】
導入遺伝子配列
いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、メチルマロニルCoAムターゼ(MUT1)ポリペプチドをコードする核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、MUT1ポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号40~51に記載された配列のうちのいずれかに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0290】
いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)ポリペプチドをコードする核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、MUT1ポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号56~59に記載された配列のうちのいずれかに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0291】
いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、iCAS9ポリペプチドをコードする核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0292】
いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、第VIII因子(FVIII)ポリペプチドをコードする核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、FVIIIポリペプチドは、Bドメインを欠くFVIIIポリペプチド(以下、FVIII-BDDポリペプチドと称される)であり得る。
【0293】
いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、FVIII-BDDポリペプチドをコードする核酸配列を含み得る。いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、FVIII-BDDポリペプチドをコードする核酸配列を含み得、FVIII-BDDポリペプチドは、配列番号21に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。いくつかの態様では、FVIII-BDDポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号22に記載された配列のうちのいずれかに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0294】
いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、第IX因子(FIX)ポリペプチドをコードする核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、FIXポリペプチドは、R338L変異を含み得る。当業者によって理解されるように、R338L変異は、Padua変異と称され得る。いくつかの態様では、FIXポリペプチドをコードする核酸配列は、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は65の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0295】
いくつかの態様では、導入遺伝子配列は、当該技術分野で既知の方法に従ってコドン最適化され得る。
【0296】
いくつかの態様では、少なくとも1つの導入遺伝子配列は、同じポリヌクレオチド中に存在する少なくとも1つのプロモーター配列に作用可能に結合され得る。
【0297】
治療用タンパク質
いくつかの態様では、治療用タンパク質は、メチルマロニルCoAムターゼ(MUT1)ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、MUT1ポリペプチドは、配列番号52~55のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0298】
いくつかの態様では、治療用タンパク質は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、OTCポリペプチドは、配列番号60~63のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0299】
いくつかの態様では、治療用タンパク質は、第VIII因子(FVIII)ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、FVIIIポリペプチドは、Bドメインを欠くFVIIIポリペプチド(以下、FVIII-BDDポリペプチドと称される)であり得る。
【0300】
いくつかの態様では、治療用タンパク質は、第IX因子(FIX)ポリペプチドを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。いくつかの態様では、FIXポリペプチドは、R338L変異を含み得る。当業者によって理解されるように、R338L変異は、Padua変異と称され得る。いくつかの態様では、FIXポリペプチドは、配列番号64のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなる。
【0301】
3’UTR配列
いくつかの態様では、3’UTR配列は、AES 3’UTR配列であり得る。AES 3’UTR配列は、配列番号25に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0302】
いくつかの態様では、3’UTR配列は、mtRNR1 3’UTR配列であり得る。mtRNR1 3’UTR配列は、配列番号26に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0303】
いくつかの態様では、3’UTR配列は、配列番号27に対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一の核酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0304】
ポリA配列
いくつかの態様では、核酸分子は、ポリA配列を含み得る。いくつかの態様では、ポリA配列は、当該技術分野で既知の任意のポリA配列を含み得る。
【0305】
自己切断ペプチド配列
いくつかの態様では、核酸分子は、自己切断ペプチド配列を含み得る。いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、当該技術分野で既知の任意の自己切断ペプチド配列を含み得る。いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、当該技術分野で既知の2A自己切断ペプチド配列を含み得る。自己切断ペプチドの非限定的な例としては、T2Aペプチド、GSG-T2Aペプチド、E2Aペプチド、GSG-E2Aペプチド、F2Aペプチド、GSG-F2Aペプチド、P2Aペプチド、又はGSG-P2Aペプチドが挙げられる。
【0306】
いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、T2Aペプチドをコードする核酸配列を含み得る。
【0307】
いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、GSG-T2Aペプチドをコードする核酸配列を含み得る。
【0308】
いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、E2Aペプチドをコードする核酸配列を含み得る。
【0309】
いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、GSG-E2Aペプチドをコードする核酸配列を含み得る。
【0310】
いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、F2Aペプチドをコードする核酸配列を含み得る。
【0311】
いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、GSG-F2Aペプチドをコードする核酸配列を含み得る。
【0312】
いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、P2Aペプチドをコードする核酸配列を含み得る。
【0313】
いくつかの態様では、自己切断ペプチド配列は、GSG-P2Aペプチドをコードする核酸配列を含み得る。
【0314】
転位システム
いくつかの態様では、核酸分子は、第1の核酸配列を含む、トランスポゾン又はナノトランスポゾンを含み得、第1の核酸配列が、(a)第1の逆方向末端反復(ITR)又は第1のITRをコードする配列、(b)第2のITR又は第2のITRをコードする配列、及び(c)イントラITR配列又はイントラITRをコードする配列を含み、イントラITR配列は、トランスポゾン配列又はトランスポゾンをコードする配列を含む。
【0315】
いくつかの態様では、核酸分子は、第1の核酸配列であって、(a)第1の逆方向末端反復(ITR)又は第1のITRをコードする配列、(b)第2のITR又は第2のITRをコードする配列、及び(c)イントラITR配列又はイントラITRをコードする配列を含み、イントラITR配列が、トランスポゾン配列又はトランスポゾンをコードする配列を含む、第1の核酸配列と、インターITR配列又はインターITRをコードする配列を含む第2の核酸配列であって、インターITR配列の長さが、700ヌクレオチド以下である、第2の核酸配列と、を含む、トランスポゾン又はナノトランスポゾンを含み得る。
【0316】
本開示のトランスポゾン又はナノトランスポゾンは、治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。トランスポゾン又はナノトランスポゾンは、2つのシス調節インスレーターエレメントに隣接した治療用タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むプラスミドDNAトランスポゾンであり得る。トランスポゾン又はナノトランスポゾンは、トランスポサーゼをコードする配列を含むプラスミドを更に含み得る。トランスポサーゼをコードする配列は、DNA配列又はRNA配列であり得る。好ましくは、トランスポサーゼをコードする配列は、mRNA配列である。
【0317】
本開示のトランスポゾン又はナノトランスポゾンは、piggyBac(商標)(PB)トランスポゾンであり得る。いくつかの態様では、トランスポゾンがPBトランスポゾンであるとき、トランスポサーゼは、piggyBac(商標)(PB)トランスポサーゼ、piggyBac様(PBL)トランスポサーゼ、又はSuper piggyBac(商標)(SPB若しくはsPB)トランスポサーゼである。好ましくは、SPBトランスポサーゼをコードする配列は、mRNA配列である。
【0318】
PBトランスポゾン、並びにPB、PBL、及びSPBトランスポサーゼの非限定的な例は、米国特許第6,218,182号、米国特許第6,962,810号、米国特許第8,399,643号、及びPCT公開第2010/099296号に詳細に説明されている。
【0319】
PB、PBL、及びSPBトランスポサーゼは、トランスポゾンの末端でトランスポゾン特異的逆方向末端反復配列(ITR)を認識し、染色体部位内の配列5’-TTAT-3’(TTAT標的配列)で、又は染色体部位内の配列5’-TTAA-3’(TTAA標的配列)で、ITR間に内容物を挿入する。PB又はPBLトランスポゾンの標的配列は、5’-CTAA-3’、5’-TTAG-3’、5’-ATAA-3’、5’-TCAA-3’、5’AGTT-3’、5’-ATTA-3’、5’-GTTA-3’、5’-TTGA-3’、5’-TTTA-3’、5’-TTAC-3’、5’-ACTA-3’、5’-AGGG-3’、5’-CTAG-3’、5’-TGAA-3’、5’-AGGT-3’、5’-ATCA-3’、5’-CTCC-3’、5’-TAAA-3’、5’-TCTC-3’、5’TGAA-3’、5’-AAAT-3’、5’-AATC-3’、5’-ACAA-3’、5’-ACAT-3’、5’-ACTC-3’、5’-AGTG-3’、5’-ATAG-3’、5’-CAAA-3’、5’-CACA-3’、5’-CATA-3’、5’-CCAG-3’、5’-CCCA-3’、5’-CGTA-3’、5’-GTCC-3’、5’-TAAG-3’、5’-TCTA-3’、5’-TGAG-3’、5’-TGTT-3’、5’-TTCA-3’5’-TTCT-3’、及び5’-TTTT-3’を含むか、又はそれらからなり得る。PB又はPBLトランスポゾンシステムは、ITRの間に含められ得る関心対象の遺伝子に対するペイロード限界がない。
【0320】
1つ以上のPB、PBL、及びSPBトランスポサーゼの例示的なアミノ酸配列は、米国特許第6,218,185号、米国特許第6,962,810、及び米国特許第8,399,643号に開示されている。
【0321】
PB又はPBLトランスポサーゼは、30位、165位、282位、又は538位の各々で2つ以上又は3つ以上のアミノ酸置換を有するアミノ酸配列を含むか、又はそれからなり得る。トランスポサーゼは、アミノ酸配列を含むか、又はそれからなるSPBトランスポサーゼであり得、30位のアミノ酸置換は、イソロイシン(I)に対するバリン(V)の置換であり得、165位のアミノ酸置換は、グリシン(G)に対するセリン(S)の置換であり得、282位のアミノ酸置換は、メチオニン(M)に対するバリン(V)の置換であり得、538位のアミノ酸置換は、アスパラギン(N)に対するリジン(K)の置換であり得る。
【0322】
トランスポサーゼが30位、165位、282位、及び/又は538位に上記の変異を含む特定の態様では、3位、46位、82位、103位、119位、125位、177位、180位、185位、187位、200位、207位、209位、226位、235位、240位、241位、243位、258位、296位、298位、311位、315位、319位、327位、328位、340位、421位、436位、456位、470位、486位、503位、552位、570位、及び591位のうちの1つ以上にアミノ酸置換を更に含み得るPB、PBL、及びSPBトランスポサーゼが、PCT公開第2019/173636号、PCT/US2019/049816により詳細に説明される。
【0323】
PB、PBL、又はSPBトランスポサーゼは、PCT公開第2019/173636号及びPCT/US2019/049816により詳細に説明されるように、昆虫、脊椎動物、甲殻類、又は尾索動物から単離又は誘導され得る。好ましい態様では、PB、PBL、又はSPBトランスポサーゼは、昆虫Trichoplusia ni(GenBankアクセッション番号AAA87375)又はBombyx mori(GenBankアクセッション番号BAD11135)から単離されるか、又は誘導される。
【0324】
過活性PB又はPBLトランスポサーゼは、それが誘導される天然由来のバリアントよりも活性が高いトランスポサーゼである。好ましい態様では、過活性PB又はPBLトランスポサーゼは、Bombyx mori又はXenopus tropicalisから単離されるか、又は誘導される。過活性PB又はPBLトランスポサーゼの例は、米国特許第6,218,185号、米国特許第6,962,810号、米国特許第8,399,643号、及びWO2019/173636に開示されている。過活性アミノ酸置換のリストは、米国特許第10,041,077号に開示されている。
【0325】
いくつかの態様では、PB又はPBLトランスポサーゼは、組み込み欠損である。組み込み欠損PB又はPBLトランスポサーゼは、その対応するトランスポゾンを切除し得るが、対応する野生型トランスポサーゼよりも低い頻度で切除されたトランスポゾンを組み込み得るトランスポサーゼである。組み込み欠損PB又はPBLトランスポサーゼの例は、米国特許第6,218,185号、米国特許第6,962,810号、米国特許第8,399,643号、及びWO2019/173636に開示されている。組み込み欠損アミノ酸置換のリストは、米国特許第10,041,077号に開示されている。
【0326】
いくつかの態様では、PB又はPBLトランスポサーゼは、核局在化シグナルに融合される。核局在化シグナルに融合されるPB又はPBLトランスポサーゼの例は、米国特許第6,218,185号、米国特許第6,962,810号、米国特許第8,399,643号、及びWO2019/173636に開示されている。
【0327】
いくつかの態様では、sPBタンパク質は、配列番号37~39のうちのいずれか1つに対し、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又はそれらの間の任意のパーセンテージ)同一のアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、又はそれからなり得る。
【0328】
本開示のトランスポゾン又はナノトランスポゾンは、Sleeping Beautyトランスポゾンであり得る。いくつかの態様では、トランスポゾンがSleeping Beautyトランスポゾンであるとき、トランスポサーゼは、Sleeping Beautyトランスポサーゼ(例えば、米国特許第9,228,180号に開示されている)又は過活性Sleeping Beauty(SB100X)トランスポサーゼである。
【0329】
本開示のトランスポゾン又はナノトランスポゾンは、Helraiserトランスポゾンであり得る。例示的なHelraiserトランスポゾンは、Helibat1を含む。いくつかの態様では、トランスポゾンがHelraiserトランスポゾンであるとき、トランスポサーゼは、Helitronトランスポサーゼである(例えば、WO2019/173636に開示されているように)。
【0330】
本開示のトランスポゾン又はナノトランスポゾンは、Tol2トランスポゾンであり得る。いくつかの態様では、トランスポゾンがTol2トランスポゾンであるとき、トランスポサーゼは、Tol2トランスポサーゼである(例えば、WO2019/173636に開示されているように)。
【0331】
本開示のトランスポゾン又はナノトランスポゾンは、TcBusterトランスポゾンであり得る。いくつかの態様では、トランスポゾンがTcBusterトランスポゾンであるとき、トランスポサーゼは、TcBusterトランスポサーゼ又は過活性TcBusterトランスポサーゼである(例えば、WO2019/173636に開示されているように)。TcBusterトランスポサーゼは、天然由来のアミノ酸配列又は非天然由来のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなり得る。TcBusterトランスポサーゼをコードするポリヌクレオチドは、天然由来の核酸配列又は非天然由来の核酸配列を含むか、又はそれからなり得る。
【0332】
いくつかの態様では、変異型TcBusterトランスポサーゼは、PCT公開第2019/173636号及びPCT/US2019/049816により詳細に説明されるように、野生型TcBusterトランスポサーゼと比較したとき、1つ以上の配列変動を含む。
【0333】
本明細書に開示される細胞送達組成物(例えば、トランスポゾン)は、治療用タンパク質又は治療剤をコードする核酸分子を含み得る。治療用タンパク質の例は、PCT公開第2019/173636号及びPCT/US2019/049816に開示されたものを含む。
【0334】
本開示の細胞及び改変細胞
本開示の細胞及び改変細胞は、哺乳動物細胞であり得る。好ましくは、細胞及び改変細胞は、ヒト細胞である。一態様では、本開示のLNP組成物を使用した改変のために標的化された細胞は、肝細胞、肝星細胞、Kupffer細胞、又は肝類洞内皮細胞である。一実施形態では、LNP組成物は、トランスポサーゼをコードする少なくとも1つのmRNA分子を含み、改変細胞は、インビボで生成される。一実施形態では、LNP組成物は、トランスポゾンをコードする少なくとも1つのDNA分子を含み、改変細胞は、インビボで生成される。一実施形態では、トランスポゾンは、肝臓特異的プロモーターに作用可能に結合された治療用遺伝子をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0335】
本開示の細胞及び改変細胞は、体細胞であり得る。本開示の細胞及び改変細胞は、分化細胞であり得る。本開示の細胞及び改変細胞は、自己細胞又は同種細胞であり得る。同種細胞は、対象への投与後の生着に対する有害反応を防止するように操作される。同種細胞は、任意のタイプの細胞であり得る。同種細胞は、幹細胞であってもよく、又は幹細胞から誘導されてもよい。同種細胞は、分化した体細胞であり得る。
【0336】
製剤、用量、及び投与モード
本開示は、本明細書に説明される組成物の投与のための製剤、用量、及び方法を提供する。
【0337】
開示される組成物及び医薬組成物は、限定されるものではないが、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなどの、任意の好適な補助剤のうちの少なくとも1つを更に含み得る。薬学的に許容される補助剤が好ましい。そのような滅菌溶液の非限定的な例及び調製方法は、当該技術分野で周知であるが、例えば、Gennaro,Ed.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(Easton,Pa.)1990、及び“Physician’s Desk Reference”,52nd ed.,Medical Economics(Montvale,N.J.)1998に限定される。当該技術分野で周知であるか、又は本明細書に説明される、組成物の投与モード、溶解性、及び/又は安定性に好適である薬学的に許容される担体が、通例的に選択され得る。
【0338】
例えば、本開示の開示されたLNP組成物は、希釈剤を更に含み得る。いくつかの組成物では、希釈剤は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)であり得る。いくつかの組成物では、希釈剤は、酢酸ナトリウムであり得る。
【0339】
使用に好適な医薬賦形剤及び添加剤の非限定的な例としては、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、及び炭水化物(例えば、単糖、ジ-、トリ-、テトラ-、及びオリゴ糖を含む糖類、アルディトール、アルドニン酸、エステル化糖類などの誘導体化糖類、及び多糖又は糖ポリマー)が挙げられ、これらは、単独又は1~99.99重量%又は体積%の組み合わせを含む、単一又は組み合わせで存在し得る。タンパク質賦形剤の非限定的な例としては、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼインなどの血清アルブミンが挙げられる。緩衝能でも機能し得る代表的なアミノ酸/タンパク質成分としては、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパラギンなどが挙げられる。1つの好ましいアミノ酸は、グリシンである。
【0340】
組成物はまた、緩衝剤又はpH調整剤を含み得、典型的には、緩衝剤は、有機酸又は塩基から調製された塩である。代表的な緩衝剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、又はフタル酸の塩などの有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、又はリン酸緩衝剤が挙げられる。好ましい緩衝剤は、クエン酸塩などの有機酸塩である。
【0341】
多くの公知及び開発済みのモードは、治療有効量の本明細書に開示される組成物又は医薬組成物を投与するために使用され得る。投与モードの非限定的な例としては、ボーラス投与、口腔、注入、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内、細胞内、小脳内、脳室内、結腸内、子宮頸部内、胃内、肝臓内、病変内、筋肉内、心筋内、鼻腔内、眼内、骨内、骨膜内、骨盤内、心包内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑膜内、胸腔内、子宮内、腫瘍内、静脈内、膀胱内、経口、非経口、直腸内、舌下、皮下、経皮、又は膣内手段が挙げられる。
【0342】
本開示の組成物は、非経口(皮下、筋肉内、若しくは静脈内)、若しくは特に液体溶液若しくは懸濁液の形態の任意の他の投与のための使用のために、限定されるものではないが、クリーム及び座薬などの特に半固体形態における膣内若しくは直腸投与で使用するために、限定されるものではないが、錠剤若しくはカプセルの形態における口腔若しくは舌下投与のために、又は限定されるものではないが、粉末、点鼻薬、若しくはエアロゾル、若しくは特定の薬剤などの鼻腔内、又は限定されるものではないが、皮膚構造を改変するか、若しくは経皮パッチ中の薬物濃度を増加させるためにジメチルスルホキシドなどの化学増強剤を用いる、ゲル、軟膏、ローション、懸濁液、若しくはパッチ送達システムなどの経皮的に(Junginger,et al.In“Drug Permeation Enhancement;”Hsieh,D.S.,Eds.,pp.59-90(Marcel Dekker,Inc.New York 1994)、又はエレクトロポレーションなどの一時的輸送経路を作成する電場の適用、イオントフォレシスなどの皮膚を通した荷電薬物の移動性を増加させるために、又はソノフォレシスなどの超音波の適用(米国特許第4,309,989号及び同第4,767,402号)のために調製され得る(上記の刊行物及び特許は参照により本明細書に完全に組み込まれる)。
【0343】
非経口投与について、本明細書に開示される任意の組成物は、薬学的に許容される非経口ビヒクルと関連する、又は別個に提供される、溶液、懸濁液、エマルジョン、粒子、粉末、又は凍結乾燥粉末として製剤化され得る。非経口投与のための製剤は、一般的な賦形剤として、滅菌水又は生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物由来の油、水素化ナフタレンなどを含有し得る。注射用の水性又は油性の懸濁液は、既知の方法に従って、適切な乳化剤又は加湿剤及び懸濁剤を使用して調製され得る。注射のための薬剤は、水溶液、滅菌注射可能な溶液、又は溶媒中の懸濁液などの非毒性、非経口投与可能な希釈剤であり得る。使用可能なビヒクル又は溶媒として、水、リンゲル溶液、等張性生理食塩水などが許容され、通常の溶媒又は懸濁溶媒として、滅菌不揮発性オイルが使用され得る。これらの目的のために、天然又は合成又は半合成脂肪酸又は脂肪酸、天然又は合成又は半合成のモノグリセリド又はジグリセリド又はトリグリセリドを含む、任意の種類の不揮発性オイル及び脂肪酸が使用され得る。親投与は、当該技術分野で既知であり、限定されるものではないが、米国特許第5,851,198号に説明される従来の注射手段、ガス加圧無針注射デバイス、及び米国特許第5,839,446号に説明されるレーザー穿孔デバイスを含む。
【0344】
経肺投与について、好ましくは、本明細書に説明される組成物又は医薬組成物は、肺又は洞の気道の下部に到達するために有効な粒子サイズで送達される。組成物又は医薬組成物は、吸入による治療剤の投与のために当該技術分野で既知の様々な吸入又は鼻腔デバイスのいずれかによって送達され得る。患者の洞腔又は肺胞にエアロゾル化製剤を堆積させることができるこれらのデバイスとしては、定量噴霧式吸入器、噴霧器(例えば、ジェット噴霧器、超音波噴霧器)、乾燥粉末発生器、噴霧器などが挙げられる。全てのそのようなデバイスは、エアロゾルにおける本明細書に説明される組成物又は医薬組成物の分注のための投与に好適な製剤を使用し得る。そのようなエアロゾルは、溶液(水性及び非水性の両方)又は固体粒子のいずれかからなり得る。追加的に、本明細書に説明される組成物又は医薬組成物を含むスプレーが、少なくとも1つのタンパク質足場の懸濁液又は溶液を、圧力下でノズルに強制的に通すことによって生成され得る。定量噴霧式吸入器(MDI)では、本明細書に説明される推進剤、組成物、又は医薬組成物、並びに任意の賦形剤又は他の添加剤は、液化圧縮ガスを含む混合物としてキャニスタ内に含有される。定量弁の作動は、混合物をエアロゾルとして放出する。肺投与、製剤、及び関連デバイスのより詳細な説明は、PCT公開第2019/049816号に開示されている。
【0345】
粘膜表面を通した吸収について、組成物は、複数のサブミクロン粒子を含むエマルジョン、粘性高分子、生理活性ペプチド、及び水性連続相を含み、これは、エマルジョン粒子の粘膜接着を達成することによって、粘膜表面を通した吸収を促進する(米国特許第5,514,670号)。本開示のエマルジョンの適用に好適な粘液表面は、角膜、結膜、口腔、舌下、鼻腔、膣、肺、胃、腸、及び直腸の投与経路を含み得る。膣又は直腸投与のための製剤、例えば、座薬は、賦形剤として、例えば、ポリアルキレングリコール、ワセリン、ココアバターなどを含有し得る。鼻腔内投与のための製剤は、固体であってもよく、賦形剤、例えば、ラクトースとして含有されてもよく、又は鼻腔滴の水性若しくは油性溶液であってもよい。口腔投与について、賦形剤としては、糖類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、プレゲリン化デンプンなどが挙げられる(米国特許第5,849,695号)。粘膜投与及び製剤のより詳細な説明が、PCT公開第2019/049816号に開示されている。
【0346】
経皮投与について、本明細書に開示される組成物又は医薬組成物は、リポソーム又はポリマーナノ粒子、マイクロ粒子、マイクロカプセル、又は小球体(別途記載されない限り、まとめてマイクロ粒子と称される)などの、送達デバイスに封入される。ポリ乳酸、ポリグリコール酸、及びその共重合体などのポリヒドロキシ酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、並びにポリホスファゼンなどの合成ポリマーと、コラーゲン、ポリアミノ酸、アルブミン、及び他のタンパク質、アルギン酸塩及び他の多糖類などの天然ポリマーと、それらの組み合わせと、から作製された微粒子を含む、いくつかの好適なデバイスが既知である(米国特許第5,814,599号)。経皮投与、製剤、及び好適なデバイスのより詳細な説明は、PCT公開第2019/049816号に開示されている。
【0347】
開示された化合物を、長期間、例えば、単回投与から1週間~1年間にわたって対象に送達することが望ましい場合がある。様々な徐放剤形、デポ剤形、又はインプラント剤形が利用され得る。
【0348】
好適な用量は、当該技術分野で周知である。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,Conn.(2000)、PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,Calif.(2000)、Nursing 2001 Handbook of Drugs,21st edition,Springhouse Corp.,Springhouse,Pa.,2001、Health Professional’s Drug Guide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Prentice-Hall,Inc,Upper Saddle River,N.Jを参照されたい。好ましい用量は、任意選択的に、約0.1~99及び/若しくは100~500mg/kg/投与、又はその任意の範囲、値、若しくは画分を含み得るか、あるいは単回若しくは複数回投与当たり約0.1~5000μg/mlの血清濃度、又はその任意の範囲、値、若しくは画分の血清濃度を達成するためのものであり得る。本明細書に開示される組成物又は医薬組成物の好ましい用量範囲は、対象の体重において約1mg/kg、最大約3、約6、又は約12mg/kgである。
【0349】
あるいは、投与される用量は、特定の薬剤の薬力学的特徴、並びにその投与モード及び投与経路、レシピエントの年齢、健康、及び体重、症状の性質及び程度、併用療法の種類、治療頻度、並びに望ましい効果などの既知の因子に応じて変化し得る。
【0350】
非限定的な例として、ヒト又は動物の治療は、1~40日目のうちの少なくとも1日、又は代替的に若しくは追加的に、1~52週目のうちの少なくとも1週、又は代替的に若しくは追加的に、1~20年のうちの少なくとも1年、又はそれらの任意の組み合わせにおいて、本明細書に開示される組成物又は医薬組成物の1回又は定期的な用量として、約0.1~100mg/kg、又は1日当たりの任意の範囲、値、若しくは画分として提供され得る。
【0351】
本明細書に開示されるように、組成物を必要とする対象に投与される組成物が改変細胞である態様では、細胞は、約1×103~1×1015個の細胞、1×103~1×1015個の細胞、約1×104~1×1012個の細胞、約1×105~1×1010個の細胞、約1×106~1×109個の細胞、約1×106~1×108個の細胞、約1×106~1×107個の細胞、又は約1×106~25×106個の細胞を投与され得る。一態様では、細胞は、約5×106~25×106個を投与される。
【0352】
本開示の組成物及び医薬組成物の投与の薬学的に許容される賦形剤、製剤、用量、及び方法のより詳細な説明は、PCT公開第2019/04981号に開示されている。
【0353】
本開示は、開示される組成物及び医薬組成物を使用して、例えば、組成物又は医薬組成物の治療有効量を細胞、組織、器官、動物、又は対象に投与又は接触させて、当該技術分野で既知のように、又は本明細書に説明されるように、細胞、組織、器官、動物、又は対象における疾患又は障害の治療のための開示される組成物又は医薬組成物の使用を提供する。一態様では、対象は、哺乳動物である。好ましくは、対象は、ヒトである。「対象」及び「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0354】
本開示の任意の使用又は方法は、有効量の本明細書に開示される任意の組成物又は医薬組成物を、そのような改変、治療、又は療法を必要とする細胞、組織、器官、動物、又は対象に投与することを含み得る。そのような方法は、そのような疾患又は障害を治療するための併用投与又は併用療法を任意選択的に更に含み、本明細書に開示される任意の組成物又は医薬組成物の投与は、少なくとも1つの化学療法剤(例えば、アルキル化剤、有糸分裂阻害剤、放射性医薬品)の前、それと同時、及び/又はその後に投与することを更に含む。
【0355】
いくつかの態様では、対象は、投与後に移植片対宿主(GvH)及び/又は宿主対移植片(HvG)を発現しない。一態様では、投与は、全身的である。全身投与は、当該技術分野で既知の、及び本明細書で詳細に説明される任意の手段であり得る。好ましくは、全身投与は、静脈内注射又は静脈内注入によるものである。一態様では、投与は、局所的である。局所投与は、当該技術分野で既知の、及び本明細書で詳細に説明される任意の手段であり得る。好ましくは、局所投与は、腫瘍内注射若しくは注入、脊髄内注射若しくは注入、脳室内注射若しくは注入、眼内注射若しくは注入、又は骨内注射若しくは注入による。
【0356】
いくつかの態様では、治療有効用量は、単回用量である。いくつかの態様では、単回用量は、少なくとも2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、又は同時に製造される間の任意の数の用量のうちの1つである。組成物が自己細胞又は同種細胞であるいくつかの態様では、用量は、細胞が疾患又は障害を治療するのに十分な時間にわたって生着及び/又は持続するのに十分な量である。
【0357】
本明細書に説明される治療の方法のいくつかの態様では、治療は、修正又は終了され得る。具体的には、治療に使用される組成物が誘導性アポトーシス促進性ポリペプチドを含む態様では、アポトーシスは、細胞を誘導剤と接触させることによって細胞内に選択的に誘導され得る。治療は、例えば、回復の徴候、若しくは疾患の重症度/進行の減少の徴候、疾患寛解/障害の徴候、及び/又は有害事象の発生に応答して、修正又は終了され得る。いくつかの態様では、方法は、細胞療法の修正を阻害するために誘導剤の阻害剤を投与するステップを含み、それによって、細胞療法の機能及び/又は有効性を回復させる(例えば、疾患再発若しくは重症度の増加の徴候又は症状、及び/又は有害事象が解決されたとき)。
【0358】
核酸分子
治療用タンパク質をコードする本開示の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNA、若しくは任意の他の形態などのRNAの形態、又は限定されるものではないが、クローニングによって得られるか、若しくは合成的に生成されたcDNA及びゲノムDNAを含むDNAの形態、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。DNAは、三本鎖、二本鎖若しくは一本鎖、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。DNA又はRNAの少なくとも1つの鎖の任意の部分は、センス鎖としても知られるコード鎖であってもよく、又はアンチセンス鎖とも呼ばれる非コード鎖であってもよい。
【0359】
本開示の単離された核酸分子は、1つ以上のイントロン、例えば、限定されるものではないが、治療用タンパク質の少なくとも1つの特定の酵素活性部分を任意選択的に含む、オープンリーディングフレーム(ORF)を含む核酸分子と、治療用タンパク質のためのコード配列を含む核酸分子、並びに上記に説明されたものとは実質的に異なるが、遺伝子コードの縮重に起因して、本明細書に説明されるように、及び/又は当該技術分野で既知であるように、治療用タンパク質を依然としてコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子と、を含み得る。当然ながら、遺伝子コードは、当該技術分野で周知である。したがって、本開示の特定のタンパク質足場をコードするそのような縮重核酸バリアントを生成することは、当業者にとって通例であろう。例えば、上記のAusubelらを参照すると、そのような核酸バリアントが本開示に含まれる。
【0360】
本明細書で示されるように、治療用タンパク質をコードする核酸分子を含む本開示の核酸分子は、限定されるものではないが、それ自体によって治療用タンパク質の酵素活性断片のアミノ酸配列をコードするもの、治療用タンパク質全体又はその一部分のコード配列、転写において、スプライシング及びポリアデニル化シグナルを含むmRNA処理の役割を果たす(例えば、リボソーム結合及びmRNAの安定性)、転写された非翻訳配列などの、非コード5’及び3’配列を含むが限定されるものではない、追加の非コード配列と一緒に、少なくとも1つのイントロンなどの、上述の追加のコード配列を有するか、又は有していない、少なくとも1つのシグナルリーダー又は融合ペプチドのコード配列などの治療用タンパク質に対するコード配列、追加の機能を提供するものなどの、追加のアミノ酸に対してコードする追加のコード配列を含み得る。したがって、治療用タンパク質をコードする配列は、融合治療用タンパク質の精製を容易にするペプチドをコードする配列などの、マーカー配列に融合され得る。
【0361】
核酸の構築
本開示の単離された核酸は、当該技術分野で周知の、(a)組換え方法、(b)合成技術、(c)精製技術、及び/又は(d)それらの組み合わせを使用して作製され得る。
【0362】
核酸は、本開示のポリヌクレオチドに加えて配列を簡便に含み得る。例えば、1つ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチクローニング部位が核酸に挿入されて、ポリヌクレオチドの単離を支援し得る。また、本開示の翻訳されたポリヌクレオチドの単離を支援するために、翻訳可能な配列が挿入され得る。例えば、ヘキサヒスチジンマーカー配列は、本開示のタンパク質を精製するための簡便な手段を提供する。本開示の核酸は、コード配列を除いて、任意選択的に、本開示のポリヌクレオチドのクローニング及び/又は発現のためのベクター、アダプター、又はリンカーである。
【0363】
追加の配列が、そのようなクローニング及び/又は発現配列に追加されて、クローニング及び/又は発現におけるそれらの機能を最適化して、ポリヌクレオチドの単離を支援するか、又は細胞内へのポリヌクレオチドの導入を改善し得る。クローニングベクター、発現ベクター、アダプター、及びリンカーの使用は、当該技術分野で周知である。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい)。
【0364】
核酸を構築するための組換え方法
RNA、cDNA、ゲノムDNA、又はそれらの任意の組み合わせなどの本開示の単離された核酸組成物は、当業者に既知の任意の数のクローニング方法論を使用して、生物学的起源から得られ得る。いくつかの態様では、厳格な条件下で、本開示のポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブが、cDNA又はゲノムDNAライブラリー中の所望の配列を識別するために使用される。RNAの単離、並びにcDNA及びゲノムライブラリーの構築は、当業者に周知である。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい)。
【0365】
核酸スクリーニング及び単離方法
cDNA又はゲノムライブラリーは、本開示のポリヌクレオチドの配列に基づくプローブを使用してスクリーニングされ得る。プローブは、ゲノムDNA又はcDNA配列とハイブリダイズして、同一又は異なる生物において相同遺伝子を単離するために使用され得る。当業者であれば、ハイブリダイゼーションの様々な程度の厳密性がアッセイに採用され得、ハイブリダイゼーション又は洗浄培地のいずれかが厳密であり得ることを理解するであろう。ハイブリダイゼーションの条件がより厳密になると、二本鎖形成が起こるためのプローブと標的との間の相補性がより高度でなければならない。厳密性の程度は、温度、イオン強度、pH、及びホルムアミドなどの部分的に変性する溶媒の存在のうちの1つ以上によって制御され得る。例えば、ハイブリダイゼーションの厳密性は、例えば、0%~50%の範囲内のホルムアミドの濃度の操作を通して、反応物溶液の極性を変化させることによって簡便に変化する。検出可能な結合に必要な相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイゼーション培地及び/又は洗浄培地の厳密性に応じて変化することになる。相補性の程度は、100%、又は70~100%、又はその任意の範囲若しくは値であることが最適となる。しかしながら、プローブ及びプライマーのわずかな配列変化は、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄培地の厳密性を低減することによって補償され得ることが理解されるべきである。
【0366】
RNA又はDNAの増幅の方法は、当該技術分野で周知であり、本明細書に提示される教示及びガイダンスに基づいて、過度の実験なしで、本開示に従って使用され得る。
【0367】
DNA又はRNA増幅の公知の方法としては、限定されるものではないが、以下が含まれる。限定されるものではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及び関連する増幅プロセス(例えば、Mullisらの米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、同第4,800,159号、同第4,965,188号、Taborらの米国特許第4,795,699号及び同第4,921,794号、Innisの同第5,142,033号、Wilsonらの同第5,122,464号、Innisの同第5,091,310号、Gyllenstenらの同第5,066,584号、Gelfandらの同第4,889,818号、Silverらの同第4,994,370号、Biswasの同第4,766,067号、Ringoldの同第4,656,134号)、並びに二本鎖DNA合成の鋳型として標的配列に対するアンチセンスRNAを使用するRNA媒介性増幅(商品名NASBAのMalekらの米国特許第5,130,238号)が挙げられ、これらの内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい。)
【0368】
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術は、ゲノムDNA又はcDNAライブラリーから直接、本開示のポリヌクレオチド及び関連遺伝子の配列を増幅するために使用され得る。PCR及び他のインビトロ増幅方法はまた、例えば、発現されるタンパク質をコードする核酸配列をクローニングし、試料中の所望のmRNAの存在を検出するための、核酸シーケンシングのための、又は他の目的のためのプローブとして使用するために核酸を作製するためにも有用であり得る。インビトロ増幅方法を通して当業者を導くのに十分な技術の例は、上記のBerger、上記のSambrook、及び上記のAusubel、並びにMullisらの米国特許第4,683,202号(1987)、及びInnis,et al.,PCR Protocols A Guide to Methods and Applications,Eds.,Academic Press Inc.,San Diego,Calif.(1990)に見出される。ゲノムPCR増幅のための市販のキットは、当該技術分野で既知である。例えば、Advantage-GC Genomic PCR Kit(Clontech)を参照されたい。加えて、例えば、T4遺伝子32タンパク質(Boehringer Mannheim)が、ロングPCR生成物の収率を改善するために使用され得る。
【0369】
核酸を構築するための合成方法
本開示の単離された核酸はまた、既知の方法による直接的な化学合成によって調製され得る(例えば、上記のAusubelらを参照されたい)。化学合成は、一般に、一本鎖オリゴヌクレオチドを生成し、これは、相補配列とのハイブリダイゼーション、又は鋳型として一本鎖を使用したDNAポリメラーゼとの重合によって二本鎖DNAに変換され得る。当業者は、DNAの化学合成が、約100塩基以上の配列に限定され得るが、より長い配列が、より短い配列のライゲーションによって得られ得ることを認識するであろう。
【0370】
組換え発現カセット
本開示は、本開示の核酸を含む組換え発現カセットを更に提供する。本開示の核酸配列、例えば、cDNA又は本開示のタンパク質足場をコードするゲノム配列は、少なくとも1つの所望の宿主細胞に導入され得る組換え発現カセットを構築するために使用され得る。組換え型発現カセットは、典型的には、意図される宿主細胞中のポリヌクレオチドの転写を方向付ける転写開始制御配列に作用可能に結合された本開示のポリヌクレオチドを含むことになる。異種及び非異種(すなわち、内因性)プロモーターの両方が、本開示の核酸の発現を方向付けるために用いられ得る。
【0371】
いくつかの態様では、プロモーター、エンハンサー、又は他の要素として機能する単離された核酸は、本開示のポリヌクレオチドの発現を上方又は下方に制御するために、本開示のポリヌクレオチドの非異種形態の適切な位置(上流、下流、又はイントロン)に導入され得る。例えば、内因性プロモーターは、変異、欠失、及び/又は置換によって、インビボ又はインビトロで修飾され得る。
【0372】
発現ベクター及び宿主細胞
本開示はまた、本開示の単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子操作された宿主細胞、及び組換え技術による少なくとも1つの治療用タンパク質の産生に関するものであり、当該技術分野で周知である。例えば、各々が参照により完全に本明細書に組み込まれる、上記のSambrook,et al.、上記のAusubel,et al.を参照されたい。
【0373】
ポリヌクレオチドは、任意選択的に、宿主における増殖のための選択可能なマーカーを含有するベクターに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物などの沈殿物、又は荷電脂質との複合体に導入される。ベクターがウイルスである場合、適切なパッケージング細胞株を使用してインビトロでパッケージングされ、次いで、宿主細胞に形質導入され得る。
【0374】
DNA挿入物は、適切なプロモーターに作用可能に結合されるべきである。発現構築物は、転写開始、終了のための部位、及び転写された領域内の翻訳のためのリボソーム結合部位を更に含有することになる。構築物によって発現される成熟転写物のコード部分は、好ましくは、開始における翻訳開始と、翻訳されるmRNAの末端に適切に位置付けられた終止コドン(例えば、UAA、UGA、又はUAG)と、を含むことになり、哺乳動物又は真核細胞の発現にはUAA及びUAGが好ましい。
【0375】
発現ベクターは、好ましくは、任意選択的に、少なくとも1つの選択可能なマーカーを含むことになる。そのようなマーカーは、例えば、限定されるものではないが、アンピシリン、ゼオシン(Sh bla遺伝子)、ピューロマイシン(pac遺伝子)、ハイグロマイシンB(hygB遺伝子)、G418/Geneticin(neo遺伝子)、DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードし、メトトレキサートに対する耐性を付与する)、ミコフェノール酸、又はグルタミン合成酵素(GS、米国特許第5,122,464号、同第5,770,359号、同第5,827,739号)、ブラストシジン(bsd遺伝子)、真核細胞培養並びにアンピシリン、ゼオシン(Sh bla遺伝子)、ピューロマイシン(pac遺伝子)、ハイグロマイシンB(hygB遺伝子)、G418/Geneticin(neo遺伝子)、カナマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、カルベニシリン、ブレオマイシン、エリスロマイシン、ポリミキシンBに対する耐性遺伝子、又はE.coli及び他の細菌又は原核生物中で培養するためのテトラサイクリン耐性遺伝子(上記の特許は参照により完全に本明細書に組み込まれる)を含む。上記の宿主細胞に対する適切な培養培地及び条件は、当該技術分野で既知である。好適なベクターは、当業者に容易に明らかとなるであろう。宿主細胞へのベクター構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、カチオン性脂質媒介性トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、又は他の既知の方法によって行われ得る。そのような方法は、上記のSambrook、チャプター1~4及び16~18、上記のAusubel、チャプター1、9、13、15、16などの、当該技術分野で説明される。
【0376】
発現ベクターは、好ましくは、任意選択的に、本開示の組成物及び方法によって改変された細胞の単離のための少なくとも1つの選択可能な細胞表面マーカーを含むことになる。本開示の選択可能な細胞表面マーカーは、細胞又は細胞の部分集団を別の細胞の定義済み部分集団から区別する、表面タンパク質、糖タンパク質、又はタンパク質群を含む。好ましくは、選択可能な細胞表面マーカーは、本開示の組成物又は方法によって改変された細胞を、本開示の組成物又は方法によって改変されていない細胞から区別する。そのような細胞表面マーカーは、例えば、限定されるものではないが、CD19、CD271、CD34、CD22、CD20、CD33、CD52、又はそれらの任意の組み合わせの短縮化又は全長形態などの「分化抗原群(cluster of designation又はclassification determinant)」タンパク質(多くの場合、「CD」と略される)を含む。細胞表面マーカーは、自殺遺伝子マーカーRQR8(Philip B et al.Blood.2014 Aug 21;124(8):1277-87)を更に含む。
【0377】
発現ベクターは、好ましくは、任意選択的に、本開示の組成物及び方法によって改変された細胞の単離のための少なくとも1つの選択可能な薬物耐性マーカーを含むことになる。本開示の選択可能な薬物耐性マーカーは、野生型若しくは変異型Neo、DHFR、TYMS、FRANCF、RAD51C、GCS、MDR1、ALDH1、NKX2.2、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0378】
本開示の少なくとも1つのタンパク質足場は、融合タンパク質などの改変形態で発現され得、分泌シグナルのみならず、追加の異種官能領域も含み得る。例えば、追加のアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、タンパク質足場のN末端に追加されて、精製中、又はその後の取り扱い及び保管中の宿主細胞における安定性及び持続性を改善し得る。また、ペプチド部分が本開示のタンパク質足場に追加されて、精製を容易にし得る。そのような領域は、タンパク質足場又はその少なくとも1つの断片の最終調製前に除去され得る。そのような方法は、上記のSambrook、チャプター17.29~17.42及び18.1~18.74、上記のAusubel、チャプター16、17及び18などの、多くの標準的な研究室マニュアルに説明されている。
【0379】
当業者は、本開示のタンパク質をコードする核酸分子の発現に利用可能な多数の発現系に精通している。あるいは、本開示の核酸は、本開示のタンパク質足場をコードする内因性DNAを含有する宿主細胞中でオンにすることによって(操作によって)宿主細胞中で発現され得る。そのような方法は、例えば、米国特許第5,580,734号、同第5,641,670号、同第5,733,746号、及び同第5,733,761号に説明されるように当該技術分野で周知であり、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0380】
タンパク質足場、その特定の部分又はバリアントの生成に有用な細胞培養物の例示は、当該技術分野で既知の細菌、酵母、及び哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞系は、多くの場合、細胞の単層の形態であるが、哺乳動物細胞懸濁液又はバイオリアクターも使用され得る。無傷のグリコシル化タンパク質を発現することができるいくつかの好適な宿主細胞株が、当該技術分野で開発されており、COS-1(例えば、ATCC CRL 1650)、COS-7(例えば、ATCC CRL-1651)、HEK293、BHK21(例えば、ATCC CRL-10)、CHO(例えば、ATCC CRL 1610)及びBSC-1(例えば、ATCC CRL-26)細胞株、Cos-7細胞、CHO細胞、hep G2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0-Ag14、293細胞、HeLa細胞などを含み、これらは、例えば、American Type Culture Collection、Manassas、Va.(www.atcc.org)から容易に入手可能である。好ましい宿主細胞は、骨髄腫及びリンパ腫細胞などのリンパ系起源の細胞を含む。特に好ましい宿主細胞は、P3X63Ag8.653細胞(ATCCアクセッション番号CRL-1580)及びSP2/0-Ag14細胞(ATCCアクセッション番号CRL-1851)である。好ましい態様では、組換え細胞は、P3X63Ab8.653又はSP2/0-Ag14細胞である。
【0381】
これらの細胞に対する発現ベクターは、限定されるものではないが、複製の起源、プロモーター(例えば、後期又は初期SV40プロモーター、CMVプロモーター(米国特許第5,168,062号、同第5,385,839号)、HSV tkプロモーター、pgk(ホスホグリセリン酸キナーゼ)プロモーター、EF-1アルファプロモーター(米国特許第5,266,491号)、少なくとも1つのヒトプロモーター、エンハンサー、及び/又はリボソーム結合部位、RNAスライス部位、ポリアデニル化部位などの処理情報部位(例えば、SV40ラージT AgポリA付加部位)、並びに転写終了配列などの発現制御配列のうちの1つ以上を含み得る。例えば、上記のAusubelら、上記のSambrookらを参照されたい。本開示の核酸又はタンパク質の生成に有用な他の細胞は、既知である、及び/あるいは、例えば、American Type Culture Collection Catalogue of Cell Lines and Hybridomas(www.atcc.org)又は他の既知の若しくは商業的供給源から入手可能である。
【0382】
真核宿主細胞が用いられるとき、ポリアデニル化又は転写終了配列が、典型的には、ベクターに組み込まれる。終了配列の例は、ウシ成長ホルモン遺伝子由来のポリアデニル化配列である。転写物の正確なスプライシングのための配列も含まれ得る。スプライシング配列の例は、SV40由来のVP1イントロンである(Sprague,et al.,J.Virol.45:773-781(1983))。追加的に、当該技術分野で既知のように、宿主細胞における複製を制御するための遺伝子配列がベクターに組み込まれ得る。
【0383】
アミノ酸コード
本開示のタンパク質足場を構成するアミノ酸は、多くの場合、省略される。アミノ酸指定は、当該技術分野で良く理解されているように、その単一文字コード、その3文字コード、名称、又は3つのヌクレオチドコドンによってアミノ酸を指定することによって示され得る(Alberts,B.,et al.,Molecular Biology of The Cell,Third Ed.,Garland Publishing,Inc.,New York,1994を参照されたい)。本開示の治療用タンパク質は、本明細書に指定されるように、自然発生的又は突然変異及び/又はヒトの操作からの1つ以上のアミノ酸置換、欠失、又は付加を含み得る。機能に必須である本開示の治療用タンパク質中のアミノ酸は、部位特異的変異導入又はアラニンスキャニング変異導入などの、当該技術分野で既知の方法によって識別され得る(例えば、上記のAusubel、チャプター8、15、Cunningham and Wells,Science 244:1081-1085(1989))。後者の手順は、分子中の全ての残基に単一のアラニン変異を導入する。次いで、得られた変異型分子が、限定されるものではないが、少なくとも1つの中和活性などの生物活性について試験される。治療用タンパク質の活性を維持するのに重要である部位は、結晶化、核磁気共鳴、又は光親和性標識などの構造解析によっても識別され得る(Smith,et al.,J.Mol.Biol.224:899-904(1992)及びde Vos,et al.,Science 255:306-312(1992))。
【0384】
当業者であれば理解するであろうように、本開示は、本開示の少なくとも1つの生物活性治療用タンパク質を含む。生物活性治療用タンパク質は、天然(非合成)、内因性、又は関連及び既知のタンパク質足場の特異的活性の少なくとも20%、30%、又は40%、及び、好ましくは、少なくとも50%、60%、又は70%、及び、最も好ましくは、少なくとも80%、90%、又は95%~99%以上の特異的活性を有する。酵素活性及び基質特異性の測定をアッセイ及び定量化する方法は、当業者に周知である。
【0385】
別の態様では、本開示は、本明細書に説明される治療用タンパク質及び断片に関し、これらは、有機部分の共有結合によって改変される。そのような改変は、改善された薬物動態特性(例えば、インビボの血清半減期の増加)を有するタンパク質足場断片を生成し得る。有機部分は、直鎖状又は分岐状の親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基であり得る。特定の態様では、親水性ポリマー基は、約800~約120,000ダルトンの分子量を有し得、ポリアルカングリコール(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマー、又はポリビニルピロリドンであり得、脂肪酸又は脂肪酸エステル基は、約8~約40個の炭素原子を含み得る。
【0386】
本開示の改変された治療用タンパク質及び断片は、抗体に直接的又は間接的に共有結合される1つ以上の有機部分を含み得る。本開示のタンパク質足場又は断片に結合される各有機部分は、独立して、親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基であり得る。本明細書で使用される場合、「脂肪酸」という用語は、モノ-カルボン酸及びジ-カルボン酸を包含する。本明細書で使用される用語である「親水性ポリマー基」は、オクタン中よりも水中でより可溶性である有機ポリマーを指す。例えば、ポリリシンは、オクタン中よりも水中でより可溶性である。したがって、ポリリシンの共有結合によって改変される治療用タンパク質は、本開示によって包含される。本開示の治療用タンパク質を改変するのに好適な親水性ポリマーは、直鎖状又は分岐状であり、例えば、ポリアルカングリコール(例えば、PEG、モノメトキシ-ポリエチレングリコール(mPEG)、PPGなど)、炭水化物(例えば、デキストラン、セルロース、オリゴ糖、多糖類など)、親水性アミノ酸のポリマー(例えば、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸など)、ポリアルカン酸化物(例えば、ポリエチレン酸化物、ポリプロピレン酸化物など)、及びポリビニルピロリドンを含み得る。好ましくは、本開示の治療用タンパク質を改変する親水性ポリマーは、別個の分子実体として約800~約150,000ダルトンの分子量を有する。例えば、添え字がダルトン単位のポリマーの平均分子量であるPEG5000及びPEG20,000が使用され得る。親水性ポリマー基は、1つ~約6つのアルキル基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基で置換され得る。脂肪酸又は脂肪酸エステル基で置換される親水性ポリマーは、好適な方法によって調製され得る。例えば、アミン基を含むポリマーは、脂肪酸又は脂肪酸エステルのカルボキシレートに結合され得、脂肪酸又は脂肪酸エステル上の活性化カルボキシレート(例えば、N,N-カルボニルジイミダゾールで活性化される)は、ポリマー上のヒドロキシル基に結合され得る。
【0387】
本開示の治療用タンパク質を改変するのに好適な脂肪酸及び脂肪酸エステルは、飽和であってもよく、又は1つ以上の不飽和単位を含有してもよい。本開示のタンパク質足場を改変するのに好適である脂肪酸としては、例えば、n-ドデカノエート(C12、ラウレート)、n-テトラデカノエート(C14、ミリスチン酸)、n-オクタデカノエート(C18、ステアリン酸塩)、n-エイコサノエート(C20、アラチデート)、n-ドコサノエート(C22、ベヘネート)、n-トリアコンタン酸(C30)、n-テトラコンタン酸(C40)、シス-Δ9-オクタデカノエート(C18、オレイン酸塩)、全てシス-Δ5,8,11,14-エイコサテトラエン酸(C20、アラキドン酸)、オクタン二ケイ酸、テトラデカン二ケイ酸、オクタデカン二酸、ドコサネディオン酸、などが挙げられる。好適な脂肪酸エステルは、直鎖状又は分岐状の低級アルキル基を含むジカルボン酸のモノエステルを含む。下側アルキル基は、炭素原子を1個~約12個、好ましくは、1個~約6個含み得る。
【0388】
改変された治療用タンパク質及び断片は、例えば、1つ以上の改変剤との反応などの、好適な方法を使用して調製され得る。本明細書で使用される用語としての「改変剤」は、活性化基を含む好適な有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を指す。「活性化基」は、適切な条件下で、第2の化学基と反応し、それによって、改変剤と第2の化学基との間に共有結合を形成することができる化学部分又は官能基である。例えば、アミン反応性活性化基は、トシレート、メシル酸塩、ハロ(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード)、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)などの求電子基を含む。チオールと反応し得る活性化基としては、例えば、マレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、5-チオール-2-ニトロ安息香酸チオール(TNB-チオール)などが挙げられる。アルデヒド官能基は、アミン又はヒドラジド含有分子に結合され得、アジド基は、三価リン基と反応して、ホスホラミデート又はホスホルイミド結合を形成し得る。活性化基を分子に導入するための好適な方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:San Diego,Calif.(1996)参照)。活性化基は、有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接結合され得るか、又はリンカー部分、例えば、二価C1-C12基を介して結合され得、1つ以上の炭素原子は、酸素、窒素、又は硫黄などのヘテロ原子によって置換され得る。好適なリンカー部分は、例えば、テトラエチレングリコール、-(CH2)3-、-NH-(CH2)6-NH-、-(CH2)2-NH-、及び-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH-NH-を含む。リンカー部分を含む改変剤は、例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下で、モノ-Boc-アルキルジアミン(例えば、モノ-Boc-エチレンジアミン、モノ-Boc-ジアミノヘキサン)を脂肪酸と反応させて、遊離アミンと脂肪酸カルボキシレートとの間にアミド結合を形成することによって、生成され得る。Boc保護基は、トリフルオロ酢酸(TFA)による処理によって生成物から除去されて、説明されるように、別のカルボキシレートに結合され得る一級アミンを曝露するか、又は無水マレイン酸と反応させ、得られた生成物を環化して、脂肪酸の活性化マレイミド誘導体を生成し得る。(例えば、教示全体が参照により本明細書に組み込まれるThompsonらのWO92/16221を参照されたい。)
【0389】
本開示の改変された治療用タンパク質は、タンパク質足場又は断片を改変剤と反応させることによって生成され得る。例えば、有機部分は、アミン反応性改変剤、例えば、PEGのNHSエステルを用いることによって、非部位特異的様式でタンパク質足場に結合され得る。本開示のタンパク質足場の特定の部位に結合される有機部分を含む改変された治療用タンパク質及び断片は、逆タンパク質分解などの好適な方法(Fisch et al.,Bioconjugate Chem.,3:147-153(1992)、Werlen et al.,Bioconjugate Chem.,5:411-417(1994)、Kumaran et al.,Protein Sci.6(10):2233-2241(1997)、Itoh et al.,Bioorg.Chem.,24(1):59-68(1996)、Capellas et al.,Biotechnol.Bioeng.,56(4):456-463(1997))、及びHermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press:San Diego,Calif.(1996)に説明される方法を使用して調製され得る。
【0390】
定義
本開示全体を通して使用される場合、単数形「a」、「and」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、「方法」への言及は、複数のそのような方法を含み、「用量」への言及は、当業者に既知の1つ以上の用量及び均等物への言及を含む。
【0391】
「約」又は「およそ」は、当業者によって決定される特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味し、これは、値がどのように測定又は決定されるか、例えば、測定システムの限界に部分的に依存することになる。例えば、「約」は、1つ以上の標準偏差以内を意味し得る。あるいは、「約」は、最大20%、又は最大10%、又は最大5%、又は最大1%の所定の値の範囲を意味し得る。あるいは、特に生物学的システム又はプロセスに関して、この用語は、1桁以内、好ましくは、5倍以内、より好ましくは、2倍以内の値を意味し得る。特定の値が本出願及び特許請求の範囲に説明されている場合、別段の記載がない限り、その特定の値について許容可能な誤差範囲内を意味する「約」という用語が想定されるべきである。
【0392】
本明細書に開示される化合物は、特定の構成なし(例えば、特定の立体化学なし)で提示され得ることが理解されるであろう。そのような提示は、化合物の全ての利用可能な異性体、互変異性体、位置異性体、及び立体異性体を包含することを意図している。いくつかの実施形態では、特定の構成なしの本明細書の化合物の提示は、化合物の利用可能な異性体、互変異性体、位置異性体、及び立体異性体の各々、又はそれらの任意の混合物を指すことを意図している。
【0393】
本明細書に説明される化合物は、適用可能な場合、化合物自体、並びにそれらの塩、及びそれらの溶媒和化合物を含むことが理解されるべきである。例えば、塩は、アニオンと、本明細書に開示される置換化合物上の正電荷基(例えば、アミノ)との間に形成され得る。好適なアニオンとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、グルクロン酸塩、グルタル酸、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、サリチル酸塩、乳酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、及び酢酸塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)が挙げられる。
【0394】
本開示は、単離又は実質的に精製されたポリヌクレオチド又はタンパク質組成物を提供する。「単離された」又は「精製された」ポリヌクレオチド若しくはタンパク質、又はその生物活性部分は、その天然由来環境中に見出されるポリヌクレオチド若しくはタンパク質に通常伴うか、又はそれと相互作用する成分を実質的に又は本質的に含まない。したがって、単離又は精製されたポリヌクレオチド又はタンパク質は、組換え技術によって作製されたときに他の細胞材料又は培養培地を実質的に含まないか、又は化学的に合成されたときに化学前駆体又は他の化学物質を実質的に含まない。最適には、ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが誘導される生物のゲノムDNAにおいて、ポリヌクレオチドに天然に隣接する配列(すなわち、ポリヌクレオチドの5’及び3’末端に位置する配列)(最適なタンパク質コード配列)を含まない。例えば、様々な態様では、単離されたポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが誘導される細胞のゲノムDNAにおいて、ポリヌクレオチドに天然に隣接する約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、又は0.1kb未満のヌクレオチド配列を含有し得る。細胞物質を実質的に含まないタンパク質は、約30%、20%、10%、5%、又は1%(乾燥重量による)未満の汚染タンパク質を有するタンパク質の調製物を含む。本開示のタンパク質又はその生物活性部分が組換え的に生成されるとき、最適な培養培地は、約30%、20%、10%、5%、又は1%(乾燥重量による)未満の化学前駆体又は非関心対象のタンパク質化学物質を表す。
【0395】
本開示は、これらのDNA配列によってコードされる本開示のDNA配列及びタンパク質の断片及びバリアントを提供する。本開示全体を通して使用される場合、「断片」という用語は、DNA配列の一部分、又はアミノ酸配列の一部分、したがって、それによってコードされるタンパク質を指す。コード配列を含むDNA配列の断片は、天然タンパク質の生物活性を保持するタンパク質断片、したがって、本明細書に説明される標的DNA配列へのDNA認識又は結合活性をコードし得る。あるいは、ハイブリダイゼーションプローブとして有用であるDNA配列の断片は、概して、生物活性を保持するか、又はプロモーター活性を保持しないタンパク質をコードしない。したがって、DNA配列の断片は、少なくとも約20ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、及び本開示の全長ポリヌクレオチドまでの範囲であり得る。
【0396】
本開示の核酸又はタンパク質は、標的ベクター中の単量体単位及び/又は反復単位をプリアセンブルし、その後、最終目的ベクターにアセンブルされ得ることを含む、モジュール式アプローチによって構築され得る。本開示のポリペプチドは、本開示の反復単量体を含み得、標的ベクター中の反復単位をプリアセンブルし、その後、最終目的ベクターにアセンブルされ得ることによる、モジュール式アプローチによって構築され得る。本開示は、本方法によって生成されるポリペプチド、並びにこれらのポリペプチドをコードする核酸配列を提供する。本開示は、このモジュール式アプローチを生成したポリペプチドをコードする核酸配列を含む宿主生物体及び細胞を提供する。
【0397】
「結合」は、巨大分子間(例えば、タンパク質と核酸との間)の配列特異的な非共有結合性相互作用を指す。全体としての相互作用が配列特異的である限り、結合相互作用の全ての成分が配列特異的である(例えば、DNA骨格中のリン酸残基と接触する)必要はない。
【0398】
「含む」という用語は、組成物及び方法が列挙された要素を含むが、他のものを排除しないことを意味することを意図している。組成物及び方法を定義するために使用されるとき、「から本質的になる」は、意図される目的のために使用されるとき、組み合わせにとって任意の本質的に重要要素の他の要素を除外することを意味するものとする。したがって、本明細書に定義される要素から本質的になる組成物は、微量汚染物質又は不活性担体を排除しない。「からなる」とは、他の成分の微量要素及び実質的な方法ステップ以上のものを排除することを意味する。これらの転換語の各々によって定義される態様は、本開示の範囲内である。
【0399】
「エピトープ」という用語は、ポリペプチドの抗原決定基を指す。エピトープは、空間構造内に、エピトープに固有である3つのアミノ酸を含み得る。一般に、エピトープは、少なくとも4、5、6、又は7個のそのようなアミノ酸からなり、より一般的には、少なくとも8、9、又は10個のそのようなアミノ酸からなる。アミノ酸の空間構造を決定する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、X線結晶構造解析及び二次元核磁気共鳴を含む。
【0400】
本明細書で使用される場合、「発現」という用語は、ポリヌクレオチドがmRNAに転写されるプロセス、及び/又は転写されたmRNAがその後ペプチド、ポリペプチド、若しくはタンパク質に翻訳されるプロセスを指す。ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来する場合、発現は、真核細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。
【0401】
「遺伝子発現」は、遺伝子生成物への遺伝子内に含まれる情報の変換を意味する。遺伝子生成物は、遺伝子(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、shRNA、マイクロRNA、構造RNA、若しくは任意の他のタイプのRNA)、又はmRNAの翻訳によって生成されるタンパク質の直接転写生成物であり得る。遺伝子生成物はまた、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化、及び編集などのプロセスによって改変されるRNA、並びに、例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADP-リボシル化、ミリスチル化、及びグリコシル化によって改変されるタンパク質も含む。
【0402】
遺伝子発現の「調節」又は「制御」は、遺伝子の活性の変化を指す。発現の調節は、限定されるものではないが、遺伝子活性化及び遺伝子抑制を含み得る。
【0403】
「作用可能に結合された」という用語又はその等価物(例えば、作用可能に結合された)は、2つ以上の分子が相互作用して、一方又は両方の分子又はその組み合わせに起因する機能に影響を及ぼすことができるように、互いに対して位置付けられることを意味する。
【0404】
非共有結合成分、並びに非共有結合成分を作製及び使用する方法が開示される。様々な成分は、本明細書に説明されるように、様々な異なる形態をとり得る。例えば、非共有結合(すなわち、作用可能に結合された)タンパク質は、当該技術分野における1つ以上の問題を回避する一時的な相互作用を可能にするために使用され得る。タンパク質などの非共有結合成分が会合及び解離する能力は、そのような会合が所望の活性に必要とされる状況下のみで、又は主にそのような状況下で機能的会合を可能にする。結合は、所望の効果を可能にするのに十分な持続時間のものであり得る。
【0405】
生物のゲノム中の特定の遺伝子座にタンパク質を誘導する方法が開示されている。方法は、DNA局在化成分を提供し、エフェクター分子を提供するステップを含み得、DNA局在化成分及びエフェクター分子は、非共有結合を介して作用可能に結合することができる。
【0406】
「scFv」という用語は、単鎖可変断片を指す。scFvは、リンカーペプチドと接続された免疫グロブリンの重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域の融合タンパク質である。リンカーペプチドは、約5~40アミノ酸、又は約10~30アミノ酸、又は約5、10、15、20、25、30、35、若しくは40アミノ酸長であり得る。一本鎖可変断片は、完全な抗体分子に見出される定常Fc領域、したがって、抗体を精製するために使用される共通結合部位(例えば、プロテインG)を欠く。用語は、細胞内抗体であるscFv、細胞の細胞質内で安定であり、細胞内タンパク質に結合し得る抗体を更に含む。
【0407】
「単一ドメイン抗体」という用語は、特定の抗原に選択的に結合することができる単一単量体可変抗体ドメインを有する抗体断片を意味する。単一ドメイン抗体は、概して、重鎖抗体の、又は一般的なIgGの1つの可変ドメイン(VH)を含む約110アミノ酸長のペプチド鎖であり、これは、概して、抗体全体と抗原に対する同様の親和性を有するが、洗剤及び高濃度の尿素に対してより耐熱性及び安定である。例は、ラクダ科動物抗体又は魚類抗体に由来するものである。あるいは、単一ドメイン抗体は、4つの鎖を有する共通のマウス又はヒトIgGから作製され得る。
【0408】
本明細書において使用される場合、「特異的に結合する」及び「特異的結合」という用語は、異なる抗原の均質な混合物中に存在する特定の抗原に優先的に結合する抗体、抗体断片、又はナノボディの能力を指す。いくつかの態様では、特異的結合相互作用は、試料中の望ましい抗原と望ましくない抗原とを区別することになる。いくつかの態様では、約10倍~100倍以上(例えば、約1000倍又は10,000倍超)。「特異性」は、ナノボディなどの、イムノグロブリン又はイムノグロブリン断片が、異なる抗原標的に対して1つの抗原標的に優先的に結合する能力を指し、必ずしも高い親和性を意味するものではない。
【0409】
「標的部位」又は「標的配列」は、結合に十分な条件が存在する場合、結合分子が結合することになる核酸の一部分を画定する核酸配列である。
【0410】
「核酸」又は「オリゴヌクレオチド」又は「ポリヌクレオチド」という用語は、一緒に共有結合した少なくとも2つのヌクレオチドを指す。一本鎖の描写はまた、相補鎖の配列を画定する。したがって、核酸はまた、図示された一本鎖の相補鎖を包含し得る。本開示の核酸はまた、同じ構造を保持するか、又は同じタンパク質をコードする、実質的に同一の核酸及びその相補体を包含する。
【0411】
本開示のプローブは、厳密なハイブリダイゼーション条件下で標的配列にハイブリダイズし得る一本鎖核酸を含み得る。したがって、本開示の核酸は、厳密なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブを指し得る。
【0412】
本開示の核酸は、一本鎖又は二本鎖であってもよい。本開示の核酸は、分子の大部分が一本鎖であるときでも、二本鎖配列を含有し得る。本開示の核酸は、分子の大部分が二本鎖であるときでも、一本鎖配列を含有し得る。本開示の核酸は、ゲノムDNA、cDNA、RNA、又はそのハイブリッドを含み得る。本開示の核酸は、デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドとの組み合わせを含有し得る。本開示の核酸は、ウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチンヒポキサンチン、イソシトシン、及びイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含有し得る。本開示の核酸は、非天然アミノ酸改変を含むように合成され得る。本開示の核酸は、化学合成方法又は組換え方法によって得られ得る。
【0413】
本開示の核酸、その配列全体、又はその一部分のいずれかは、非天然由来であってもよい。本開示の核酸は、天然由来ではない1つ以上の変異、置換、欠失、又は挿入を含有し得、核酸配列全体を非天然由来にする。本開示の核酸は、1つ以上の重複、逆方向、又は反復配列を含有し得、結果として生じる配列は、天然由来ではなく、核酸配列全体を非天然由来にする。本開示の核酸は、天然由来ではない改変、人工、又は合成ヌクレオチドを含有し得、核酸配列全体を非天然由来にする。
【0414】
遺伝子コードにおける冗長性を考慮すると、複数のヌクレオチド配列は、任意の特定のタンパク質をコードし得る。全てのそのようなヌクレオチド配列が本明細書で企図されている。
【0415】
本開示全体を通して使用される場合、「作用可能に結合された」という用語は、それが空間的に接続されるプロモーターの制御下にある遺伝子の発現を指す。プロモーターは、その制御下にある遺伝子の5’(上流)又は3’(下流)に位置付けられ得る。プロモーターと遺伝子との間の距離は、そのプロモーターと、プロモーターが誘導される遺伝子内のプロモーターが制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じであり得る。プロモーターと遺伝子との間の距離の変動は、プロモーター機能を失うことなく適応され得る。
【0416】
本開示全体を通して使用される場合、「プロモーター」という用語は、細胞内の核酸の発現を付与、活性化、又は増強することができる合成又は天然由来分子を指す。プロモーターは、発現を更に増強する、並びに/又はその空間的発現及び/若しくは時間的発現を変化させるために、1つ以上の特異的転写制御配列を含み得る。プロモーターはまた、転写の開始部位から数千塩基対程度に位置し得る、遠位エンハンサー又はリプレッサー要素を含み得る。プロモーターは、ウイルス、細菌、真菌、植物、昆虫、及び動物を含む供給源から誘導され得る。プロモーターは、発現が起こる細胞、組織、若しくは器官に関して、又は発現が起こる発生段階に関して、又は生理学的ストレス、病原体、金属イオン、若しくは誘導剤などの外部刺激に応答して、構成的又は差次的に遺伝子成分の発現を制御し得る。プロモーターの代表例としては、バクテリオファージT7プロモーター、バクテリオファージT3プロモーター、SP6プロモーター、lacオペレーター-プロモーター、tacプロモーター、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター、RSV-LTRプロモーター、CMV IEプロモーター、EF-1アルファプロモーター、CAGプロモーター、SV40初期プロモーター、又はSV40後期プロモーター、及びCMV IEプロモーターが挙げられる。
【0417】
本開示全体を通して使用される場合、「実質的に相補的」という用語は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、180、270、360、450、540以上のヌクレオチド若しくはアミノ酸の領域にわたって第2の配列の相補体に対し、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、若しくは99%同一である第1の配列を指すか、又は2つの配列が、厳密なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを指す。
【0418】
本開示全体を通して使用される場合、「実質的に同一」という用語は、第1及び第2の配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、180、270、360、450、540以上のヌクレオチド若しくはアミノ酸の領域にわたって少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、若しくは99%同一であること、又は核酸に関して、第1の配列が、第2の配列の相補体に対して実質的に相補的である場合を指す。
【0419】
本開示全体を通して使用される場合、核酸を説明するために使用されるとき、「バリアント」の用語は、(i)参照されるヌクレオチド配列の一部分若しくは断片、(ii)参照されるヌクレオチド配列若しくはその一部分の相補体、(iii)参照される核酸若しくはその相補体と実質的に同一である核酸、又は(iv)参照される核酸、その相補体、若しくはそれと実質的に同一な配列に、厳密な条件下でハイブリダイズする核酸を指す。
【0420】
本開示全体を通して使用される場合、「ベクター」という用語は、複製の起源を含有する核酸配列を指す。ベクターは、ウイルスベクター、バクテリオファージ、細菌人工染色体、又は酵母人工染色体であり得る。ベクターは、DNA又はRNAベクターであり得る。ベクターは、自己複製染色体外ベクターであり得、好ましくは、DNAプラスミドである。ベクターは、DNA配列、RNA配列、又はDNA及びRNA配列の両方を有するアミノ酸の組み合わせを含み得る。
【0421】
本開示全体を通して使用される場合、ペプチド又はポリペプチドを説明するために使用されるとき、「バリアント」という用語は、アミノ酸の挿入、欠失、又は保存的置換によってアミノ酸配列が異なるが、少なくとも1つの生物活性を保持するペプチド又はポリペプチドを指す。バリアントはまた、少なくとも1つの生物活性を保持するアミノ酸配列を有する参照タンパク質と実質的に同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質を意味し得る。
【0422】
アミノ酸の保存的置換、すなわち、アミノ酸を同様の特性(例えば、親水性、荷電領域の程度及び分布)の異なるアミノ酸で置換することは、典型的には、軽微な変化を伴うものとして当該技術分野で認識される。これらの軽微な変化は、部分的には、当該技術分野で理解されるように、アミノ酸のハイドロパシー指数を考慮することによって識別され得る。Kyte et al.,J.Mol.Biol.157:105-132(1982)。アミノ酸のハイドロパシー指数は、その疎水性及び電荷の考慮に基づく。同様のハイドロパシー指数のアミノ酸が置換され、タンパク質機能を依然として保持し得る。一態様では、±2のハイドロパシー指数を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性はまた、生物学的機能を保持するタンパク質を結果的にもたらす置換を明らかにするために使用され得る。ペプチドの文脈でアミノ酸の親水性を考慮すると、そのペプチドの最大の局所平均親水性の計算を可能にし、これは、抗原性及び免疫原性と良好に相関することが報告された有用な尺度である。参照により本明細書に完全に組み込まれる米国特許第4,554,101号。
【0423】
同様の親水性値を有するアミノ酸の置換は、生物活性、例えば、免疫原性を保持するペプチドを結果的にもたらし得る。置換は、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸を用いて実施され得る。アミノ酸の疎水性指数及び親水性値の両方は、そのアミノ酸の特定の側鎖によって影響される。その観察と一貫して、生物学的機能と適合するアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、サイズ、及び他の特性によって明らかにされるように、アミノ酸、特にそれらのアミノ酸の側鎖の相対的な類似性に依存すると理解される。
【0424】
本明細書で使用される場合、以下の表A、B、又はCに記載されるように、「保存的」アミノ酸置換が定義され得る。いくつかの態様では、そのような融合ポリペプチドをコードする融合ポリペプチド及び/又は核酸は、本開示のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの改変によって導入された保存的置換を含む。アミノ酸は、物理的特性並びに二次及び三次タンパク質構造への寄与に従って分類され得る。保存的置換は、同様の特性を有する別のアミノ酸に対する1つのアミノ酸の置換である。例示的な保存的置換が表1に記載される。
【表1】
【0425】
あるいは、保存的アミノ酸は、表2に記載されるように、Lehninger(Biochemistry,Second Edition;Worth Publishers,Inc.NY,N.Y.(1975),pp.71-77)に説明されるようにグループ化され得る。
【表2】
【0426】
あるいは、例示的な保存的置換が表3に記載される。
【表3】
【0427】
本開示のポリペプチドは、アミノ酸残基の1つ以上の挿入、欠失、若しくは置換、又はそれらの任意の組み合わせ、並びにアミノ酸残基の挿入、欠失、又は置換以外の改変を有するポリペプチドを含むことが意図されることが理解されるべきである。本開示のポリペプチド又は核酸は、1つ以上の保存的置換を含有し得る。
【0428】
本開示全体を通して使用される場合、上述のアミノ酸置換のうちの「1つ超」という用語は、列挙されたアミノ酸置換のうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個以上を指す。「1つ超」という用語は、列挙されたアミノ酸置換のうちの2、3、4、又は5個を指してもよい。
【0429】
本開示のポリペプチド及びタンパク質、その配列全体、又はその一部分のいずれかは、非天然由来であってもよい。本開示のポリペプチド及びタンパク質は、天然由来ではない1つ以上の変異、置換、欠失、又は挿入を含有し得、アミノ酸配列全体を非天然由来にする。本開示のポリペプチド及びタンパク質は、1つ以上の重複、逆方向、又は反復配列を含有し得、結果として生じる配列は、天然由来ではなく、アミノ酸配列全体を非天然由来にする。本開示のポリペプチド及びタンパク質は、天然由来ではない改変、人工、又は合成アミノ酸を含有し得、アミノ酸配列全体を非天然由来にする。
【0430】
本開示全体を通して使用される場合、「配列同一性」は、デフォルトパラメータ(Tatusova and Madden,FEMS Microbiol Lett.,1999,174,247-250、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を使用して、National Center for Biotechnology Information(NCBI)ftpサイトから取得され得る、2つの配列をブラストするためのスタンドアロン実行可能なBLASTエンジンプログラム(bl2seq)を使用することによって決定され得る。2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈で使用されるとき、「同一」又は「同一性」という用語は、配列の各々の指定された領域にわたって同じである指定された残基のパーセンテージを指す。パーセンテージは、2つの配列を最適に整列させ、指定された領域にわたって2つの配列を比較し、両方の配列で同一の残基が発生する位置の数を決定して、一致した位置の数を得て、一致した位置の数を指定された領域内の位置の総数で除算し、結果を100で乗算して、配列同一性のパーセンテージを得ることによって計算され得る。2つの配列の長さが異なる場合、又は整列が1つ以上の互い違いの端を生成し、指定された比較領域が単一の配列のみを含む場合、単一の配列の残基は、計算の分母に含まれるが分子には含まれない。DNA及びRNAを比較するとき、チミン(T)及びウラシル(U)は、同等であるとみなされ得る。同一性は、手動で、又はBLAST若しくはBLAST2.0などのコンピュータシーケンスアルゴリズムを使用することによって、実施され得る。
【0431】
本開示全体を通して使用される場合、「内因性」という用語は、それが導入される標的遺伝子又は宿主細胞と天然に関連付けられた核酸又はタンパク質配列を指す。
【0432】
本開示全体を通して使用される場合、「外因性」という用語は、標的遺伝子又は導入される宿主細胞と天然に関連付けられていない核酸又はタンパク質配列を指し、天然由来の核酸、例えば、DNA配列、又は非天然由来のゲノム位置に位置する天然由来の核酸配列の非天然由来の複数のコピーを含む。
【0433】
本開示は、DNA配列を含むポリヌクレオチド構築物を宿主細胞に導入する方法を提供する。「導入」によって、構築物が宿主細胞の内部へのアクセスを得るような様式で、ポリヌクレオチド構築物を細胞に提示することが意図される。本開示の方法は、ポリヌクレオチド構築物を宿主細胞に導入するための特定の方法に依存せず、ポリヌクレオチド構築物が宿主の1つの細胞の内部へのアクセスを得ることのみに依存する。細菌、植物、真菌、及び動物にポリヌクレオチド構築物を導入するための方法は、限定されるものではないが、安定的形質転換方法、一過性形質転換方法、及びウイルス媒介方法を含み、当該技術分野で既知である。
【0434】
実施例1-LNP組成物のためのmRNAの調製
DNAプラスミドpRT-HA-SPB-CC-AGは、アミノ酸98~106に対応する5’-ヘマグルチニンタグを含むSuper piggyBacトランスポサーゼ(「HA-SPB」)をコードする。このプラスミドを、5’-CAPを更に含むHA-SPBをコードするmRNAを生成するためのインビトロ転写反応の鋳型として使用した。
【0435】
簡潔に述べると、約10ugのスーパーコイル化pRT-HA-SPB-CC-AGを、1X CutSmart Buffer、200単位の制限酵素SpeI(New England Biolabs、カタログ番号R3133l)を含む1.5mlのEppendorf管に100μlの総体積で追加した。プラスミドDNAを、37℃で一晩インキュベートすることによって直鎖状にして、完全な消化を確保した。
【0436】
直鎖状プラスミドを、製造業者の説明書に従ってDNA QIAquick PCR精製キット(Qiagen、カタログ番号28104)を使用して精製し、精製DNAを40μlのヌクレアーゼ遊離水中で溶出した。溶出液のDNA濃度を、製造業者の説明書に従って、NanoDropマイクロボリューム分光光度計(ThermoFisher)を使用して決定した。
【0437】
精製プラスミドを、製造業者の説明書に従って、インビトロ転写mMESSAGE mMACHINE T7 Transcription Kit(ThermoFisher、カタログ番号AM1344)を使用してmRNAを生成するためのDNA鋳型として使用した。簡潔に述べると、ヌクレオチドGTP、ATP、UTP、及び5MeC(5-メチルシチジン-5’-トリリン酸)(TriLink #N=1014)及びCleanCap試薬AG(m7G(5’)ppp(5’)(2’OMeA)pG、Trilink #N-7113)の100mMストックを調製した。ATP、UTP、及び5MeCの各々15μl、並びにGTP及びCleanCap試薬AGの各々12uLを100μlの総体積に追加した。
【0438】
約1.67μgの直鎖状pRT-HA-SPB-CC-AG DNA、20μlの10X T7 Transcription Buffer、及び20μlのT7 RNAポリメラーゼミックスを、1.5mlのEppendorf管(200μlの最終容量)に追加し、管を37℃で3時間インキュベートした。TURBO DNase酵素(ThermoFisher)の10μlアリコートを追加し、管を更に37℃で15分間インキュベートして、DNA鋳型を分解した。
【0439】
ポリ(A)テールを、mMESSAGE mMACHINE T7 Transcriptionキット(ThermoFisherカタログ番号AM1344)に供給される試薬及び手順を使用して、5’-CleanCap(登録商標)-HA-SPB mRNAの3’末端に追加した。
【0440】
5’-CleanCap(登録商標)-HA-SPB-ポリ(A)-5MeC mRNAを、製造業者の説明書に従ってRNeasy Midi Purification Kit(Qiagen、カタログ番号75144)を使用して精製した。簡潔に述べると、Buffer RLTの3.5mlの溶液を、35μlの2-メルカプトエタノールを使用して新たに調製し、2.5mlの100%エタノールと組み合わせ、最終mRNA生成物を、300μlのヌクレアーゼ遊離水を使用してカラムから溶出した。このプロセスからの平均mRNA収率は、約600~800μgである。
【0441】
実施例2-mRNAを含む本開示のLNPの調製及びインビボスクリーニング
A.調製
以下は、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質及びmRNAを含む複数の多成分LNP組成物を製剤化するための例示的な方法を提供する非限定的な例である。
【0442】
LNPを製剤化するために、様々なパーセンテージの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質ssPalmO-Ph-P4C2、リン脂質DOPE、構造脂質コレステロール(Chol)、及び1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(DMG-PEG2000、Avanti Polar Lipids、Alabama、USA)を組み合わせて、LNP組成物を調製した。
【0443】
個別の25mg/mlのストック溶液を、200プルーフHPLCグレードのエタノール中で脂質を可溶化することによって調製し、ストック溶液を製剤化されるまで-80℃で保存した。製剤化時に、脂質ストック溶液を室温に平衡化することを一時的に可能にし、次いで、50~55℃の温度範囲で維持されたホットプレート上に配置した。次いで、高温脂質ストック溶液を組み合わせて、所望の最終モルパーセンテージを得た。LNP組成物の部分集団が表4a及び4bに示される。
【表4】
【表5】
【0444】
LNPに組み込まれる5’-CleanCap-5MeC-fLuciferase mRNA(TriLink Biotech)の1mg/mlの溶液を、150mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)に追加して、ストック溶液を形成し、氷上で保存した。脂質相を、NanoAssemblr(登録商標)機器(Precision Nanosystems、Vancouver、BC、Canada)を使用してマイクロ流体チップ内の水性mRNA相と混合して、カプセル化されたmRNAを含むLNP組成物を形成した。mRNAカプセル化のためのナノアセンブリプロセスパラメータが表5に示される。
【表6】
【0445】
次いで、結果的に得られたmRNA LNP組成物を、8~10kDaの分子量カットオフ(MWCO)を有するRepligen Float-A-Lyzer透析デバイス(Spectrum Chemical Mfg.Corp,CA,USA)に移し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に対する透析(透析液:透析緩衝液体積が少なくとも1:200v/v)によって、pH7.4、4℃で一晩(又は代替的に室温で少なくとも4時間)処理して、25%エタノールを除去し、完全な緩衝液交換を達成する。いくつかの実験では、LNPをAmicon(登録商標)Ultra-4遠心フィルターユニットで更に濃縮し、MWCO-30kDa(Millipore Sigma、USA)を超遠心機内で約4100×gで回転させた。次いで、mRNA LNPを、更に使用するまで4℃で保存した。
【0446】
LNPの平均粒子サイズ直径は、約70nmであった。
【0447】
B.インビボスクリーニング
メスの成体BALB/Cマウス(n=2/群)に、表4に示されるLNP組成物を用いて製剤化された0.5mg/kgの5’-CleanCap-5MeC-fLuciferase mRNA(TriLink Biotech)を静脈内投与した。マウスの一群を、陰性対照としてビヒクル(PBS、Thermo Fisher Scientific、USA)で処置した。
【0448】
処置及び対照マウスにおけるルシフェラーゼ発現の場所及び程度を、製造業者の説明書に従って、IVIS Luminaインビボ撮像システム(Perkin Elmer)を使用して、麻酔をかけたマウスの生物発光撮像(BLI)によって4時間で決定した。簡潔に述べると、マウスを、酸素中のイソフルランを使用して麻酔し、仰臥位で加熱されたステージ上に配置した。次いで、マウスにD-ルシフェリン(Perkin-Elmer#122799)IPを投与し、BLIを実施した。結果が表6に示される。
【表7】
【0449】
表6に示されるように、LNP組成物3、9、11、13、24、28、及び29は、インビボで、主に肝臓の細胞にmRNAを送達することができ、その後にコードされたタンパク質の発現を行うことができた。更に、LNP組成物3、9、11、13、24、28、及び29の投与は、LNP組成物0の投与と比較して、大幅に改善した肝臓ルシフェラーゼシグナルを結果的にもたらした。LNP組成物0は、当該技術分野で使用されるLNP組成物と最も類似したLNP組成物である(Tanaka et al.Advanced Functional Materials(2020)Vol:30,34を参照されたい)。したがって、本開示のLNP組成物は、当該技術分野で使用される標準的なLNP組成物と比較して、優れた遺伝子送達活性を呈する。
【0450】
加えて、表4aのLNP組成物で処置されたマウスの体重を、静脈内投与前及び投与後24時間で評価し、ベースライン及び処置後の体重を比較した。表7の各LNP組成物で処置されたマウスの各群に対する平均体重変化率が表7に示される。
【表8】
【0451】
表7に示されるように、本開示のLNP組成物は、元の体重を保持するか、又はわずかに体重増加さえする、ほとんどの処置マウスで忍容性良好であった。
【0452】
実施例3-肝臓へのmRNAのインビボLNP-送達
A.肝臓細胞へのsPB mRNAの送達
以下は、本開示の組成物が、インビボで肝細胞を含む肝臓細胞にmRNAを送達するために使用され得ることを実証する非限定的な実施例である。
【0453】
この実施例では、HAタグ付きSPBタンパク質をコードする配列を含む5MeC-mRNA分子を、約28モル%のCoatsome SS-OP、約60モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約2モル%のDMG-PEG2000を含む、本開示の脂質ナノ粒子中にカプセル化した。ナノ粒子中の脂質と核酸との比率は、約100:1(重量/重量)であり、総脂質は10mMであった。mRNA分子を、CleanCap(登録商標)を使用して更にキャッピングした。陰性染色対照として、非HAタグ付きsPBタンパク質をコードする配列を含むmRNAを使用した。
【0454】
mRNAを含む脂質ナノ粒子を、メスの成体BALB/Cマウスに投与した。ナノ粒子を、1mg/kgの量で単回用量として静脈内投与した。マウスは、処置後4時間で人道的に安楽死させ、マウスの肝臓を処理し、例えば、血液を、約10mLのHBSS+2.5mM EDTAを門脈を通してフラッシングすることによって肝臓から除去し、HAタグ並びにELISA及びWestern Blotの免疫染色を使用して分析した。
【0455】
HA染色を、処置されたマウスの肝臓全体にわたって肝細胞で観察し、1匹のマウス由来の全肝臓細胞の約62%、及び別のマウス由来の全肝臓細胞の66%が、sPB発現に対して試験陽性であった。更に、sPBのインビボ発現を、主肝葉、内側並びに左及び右外側葉の各々を均一なスループットで検出した。したがって、本開示のナノ粒子組成物は、インビボで肝臓全体にわたって肝細胞にmRNAを効果的に送達し、その後、送達されたmRNAがタンパク質に翻訳される。
【0456】
B.肝臓細胞へのmRNAの用量依存性LNP送達及び忍容性
以下は、本開示の脂質ナノ粒子組成物が、インビボで肝臓細胞にmRNAを送達するために、及び良好な忍容性を有する広範な用量範囲にわたるコードされたタンパク質の発現のために使用され得ることを実証する非限定的な実施例である。
【0457】
メスの成体BALB/Cマウス(n=3/群)に、実施例1に従って調製されたLNP組成物中に製剤化されたHAタグ付きsPBタンパク質をコードする配列を含む、0.5、1.0、2.0、又は3.0mg/kgのmRNA分子を静脈内投与した。マウスの一群を、陰性対照として未処置のままにした。
【0458】
処置後4時間でマウスの一群を殺傷し、マウスの肝臓を、HAタグ並びにELISA及びWestern Blotの免疫染色を使用して分析した。結果が表8に示される。
【表9】
【0459】
表8に示されるように、0.5~3mg/kgのHAタグ付きsPB mRNAの単回投与で処置されたマウスに対して、線形用量応答が観察された。
【0460】
別の実験では、HAタグ付きsPBタンパク質発現の持続時間を経時的に測定した。メスの成体BALB/Cマウス(n=3/群)に、実施例2に従って調製されたLNP組成物9中に製剤化されたHAタグ付きsPBタンパク質をコードする配列を含む、0.5、1.0、又は3.0mg/kgのmRNA分子を静脈内投与した。マウスの一群を、陰性対照として未処置のままにした。
【0461】
各濃度のマウスの一群を4時間で殺傷し、各濃度のマウスの一群を24時間で殺傷し、各濃度のマウスの一群を処置の7日後に殺傷し、マウスの肝臓を、HAタグ及びELISAに対する免疫染色を使用して分析した。結果が表9に示される。
【表10】
【0462】
表9に示されるように、HAタグ付きsPBタンパク質の発現は、試験された各濃度で経時的に減少し、sPB発現は、7日目までにほぼベースラインレベルまで低下した。
【0463】
加えて、血清中に存在する3つの肝臓酵素のレベルを、潜在的な肝毒性の尺度として、試験された濃度の各々について、LNP投与後24時間及び7日目に評価した。簡潔に述べると、血液を24時間及び7日目に採血し、各試料を20分間凝固させ、13Krpmで3分間遠心分離して、望ましくない細胞及び破片を除去することを可能にした。試料を、輸送のために濡れた氷上に配置し、分析されるまで-80℃で保存した。酵素レベルを、標準化されたアッセイ(Idexx)を使用して決定した。
【0464】
24時間及び7日目の肝臓酵素アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、及びアルカリホスファターゼ(ALP)のレベルが、それぞれ、表10a~cに示される。
【表11】
【表12】
【表13】
【0465】
表10a~cに示されるように、本開示のLNP組成物のインビボ投与は、24時間で血清中のAST及びALTレベルの用量依存的な非常にわずかな増加(<2×)を結果的にもたらしたが、7日目までに全ての3つの酵素レベルがベースラインまで回復し、肝臓酵素上昇の程度が低かったことを実証する。
【0466】
血清肝臓酵素に加えて、血清中に存在する3つの炎症性サイトカインのレベルを、試験された濃度の各々について、LNP投与の4時間後に評価した。簡潔に述べると、血清試料を肝臓酵素分析について説明されるように調製し、各サイトカインの血清濃度を、市販のELISAキット(例えば、R&D Systems Quantikine ELISAキット)を使用して決定した。4時間における炎症性サイトカインインターロイキン-6(IL-6)、インターフェロンガンマ(INF-G)、及び腫瘍壊死因子アルファ(TNF-a)のレベルが、それぞれ、表11a~cに示される。
【表14】
【表15】
【表16】
【0467】
表11a~cに示されるように、本開示のLNP組成物のインビボ投与は、応答の程度が他の非生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質に照らして控えめであったが、血清炎症性サイトカインの用量依存性の増加を結果的にもたらした。
【0468】
更に別の実験では、実施例2からのLNP組成物9を、非生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質C12-200を含むLNP粒子と比較した。メスの成体BALB/Cマウス(n=3/群)に、LNP組成物中に製剤化されたHAタグ付きsPBタンパク質をコードする配列を含む、0.5、1.0、又は3.0mg/kgのmRNA分子を静脈内投与した。マウスの一群を、陰性対照として未処置のままにした。SB陽性肝細胞、ALT肝臓酵素測定値、及びIL-6サイトカイン放出測定値のパーセンテージを、各群について処置された動物間で比較し、1mg/kg用量(C12-200 LNP組成物に対するMTD用量)における各々の値が表12に報告される。
【表17】
【0469】
表12に示されるように、LNP組成物9は、肝細胞にSB mRNAを送達する際に同様の有効性を呈したが、同時に、C12-200 LNPと比較して、低減したIL-6サイトカイン放出及び低減したALT肝臓酵素によって示されるようにC12-200 LNP組成物と比較して、有意に低減した毒性プロファイルを呈する。
【0470】
C.本開示のLNP組成物は、インビボで肝臓に高い特異性を有するRNAを送達する。
【0471】
第3の実験では、メスの成体BALB/Cマウスの一群(n=3/群)に、実施例1に従って調製されたナノ粒子組成物中に製剤化された1mg/kgのHAタグ付きsPB mRNAを静脈内投与し、第2の群を対照として未処置のままにした。投与後4時間後、各群からのマウスを人道的に安楽死させ、肝臓、脾臓、肺、及び腎臓の4つの組織タイプを収集した。
【0472】
収集した組織を処理し、例えば、門脈を通して約10mLのHBSS+2.5mM EDTAをフラッシングすることによって血液を肝臓から除去した。タンパク質抽出緩衝液を、プロテアーゼ阻害剤(HALT、ThermoFisher #78439)を1:50(v:v)の比率でT-PER(ThermoFisher #78510)に追加することによって調製した。タンパク質抽出緩衝液を、室温で最大1時間保存した。組織試料を、RNAse-free Eppendorf管(Invitrogen #Am12425)中の1gの組織当たり9mLの比率でタンパク質抽出緩衝液に追加した。1つのタングステンカーバイドビーズ(3mm、Qiagen#69997)を溶液に追加し、管を組織ディスラプター(Qiagen TissueLyzer II)中の予め冷却されたアダプターブロック内に配置した。試料を、25Hzで5分間振盪することによって溶解した。試料を、4℃、14.8kで10分間、遠心分離することによって澄ませた。上清を収集し、ペレットを廃棄した。
【0473】
総タンパク質を、市販のキット(BCA Assay Kit、Pierce # 23225)を使用してBCAアッセイによって測定した。澄ませた肝臓溶解物を、200×で希釈し、37℃で30分間インキュベートし、562nmで吸光度を読み取った。結果が表13に示される。
【表18】
【0474】
表13に示されるように、HAタグ付きsPB発現は、処置された動物の肝臓においてほぼ排他的に検出され、脾臓における最小限の発現を有するが、肺又は腎臓における検出可能な発現はなく、これは、肝臓にインビボでmRNAを優先的に送達する本開示のLNP組成物の能力、及び肝臓肝細胞におけるコードされたポリペプチドのその後の発現を実証する。
【0475】
実施例3に提示された結果は、本開示のLNP組成物が、mRNAをインビボで肝臓に効果的に送達することができ、次いで、肝臓の細胞内で発現され、タンパク質発現が、広範囲にわたって投与された用量によって制御され得ることを実証する。更に、本開示のLNP組成物は、忍容性良好であり、低レベルの毒性を呈する。
【0476】
実施例4-DNAを含む本開示のLNP組成物の調製
以下は、DNAナノプラスミド(環状DNA)が本開示のLNP組成物に組み込まれ得ることを実証する非限定的な実施例である。
【0477】
本開示のLNP組成物は、DNA、piggyBacトランスポゾンをコードするナノプラスミドを含み、piggyBacトランスポゾンは、CMVプロモーター(本明細書では、pB-nanofluc2と称される)の制御下におけるルシフェラーゼ、並びにCoatsome SS-OP、リン脂質DOPE、構造脂質コレステロール(Chol)、及び1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(DMG-PEG2000)を、表14の以下のパーセンテージで含んだ。
【表19】
【0478】
成体BALB/Cマウスに、表14に列挙されたLNP組成物D1~D5の各々の1.0mg/kgの総DNA(n=4)を投与した。処置及び対照マウスにおけるルシフェラーゼ発現の場所及び程度を、製造業者の説明書に従って、IVIS Luminaインビボ撮像システム(Perkin Elmer)を使用して、麻酔をかけたマウスの生物発光撮像(BLI)によって4時間で決定した。簡潔に述べると、マウスを、酸素中のイソフルランを使用して麻酔し、仰臥位で加熱されたステージ上に配置した。次いで、マウスにD-ルシフェリン(Perkin-Elmer#122799)IPを投与し、BLIを実施した。結果が表15に示される。
【表20】
【0479】
表15に示されるように、LNP組成物の全てが、肝臓細胞にDNAを送達し、肝臓細胞においてコードされた導入遺伝子を発現することができた。
【0480】
実施例5-血友病の治療のための本開示のLNP
以下は、本開示の組成物及び方法が、血友病の治療、より具体的には、血友病Aの治療に使用され得ることを実証する非限定的な実施例である。
【0481】
成体マウス
メス、成体(8~9週間)、野生型BALB/cに、まず、実験の0日目に0.5mg/kgのFVIIIトランスポゾンLNPを投与し、次いで、7日目に3.0mg/kgのHA-SPB LNPを投与した。0日目及び7日目の両方の総注射量は、マウス当たり200μLであった。投与時に、マウスを拘束し、29ゲージのインスリンシリンジを使用して尾静脈を通して静脈内に注射した。
【0482】
FVIIIトランスポゾンLNPは、トランスポゾンを含むナノプラスミドDNAを含むC12-200含有LNPであり、トランスポゾンが、第1のpiggyBac逆方向末端反復(ITR)、続いて、第1のインスレーター配列、続いて、Transthyretin(TTR)エンハンス/プロモーター及びマウス微小ウイルス(MVM)イントロン配列、続いて、Bドメインを欠くヒト第VIII因子(FVIII)(以下、FVIII-BDDと称される)をコードするコドン最適化核酸配列、続いて、SV40ポリA配列、続いて、第2のインスレーター配列、続いて、第2のpiggyBac ITRを含んだ。トランスポゾンの配列は、配列番号35に記載される。FVIIIトランスポゾンLNPは、0.35:0.2:0.4184:0.0316のモル比でC12-200、DOPE、コレステロール、及びDMG-PEG2000を含み、80:1(w/w)の脂質:DNA比率を有した。
【0483】
HA-SPB LNPは、活性SPBをコードするmRNAを含む本開示のssPalmO-Ph-P4C2含有LNPであった。mRNA中の全てのシチジン残基は、5-メチルシチジン(5-MeC)であった。HA-SPB LNPは、28:10:60:2のモル比でssPalmO-Ph-P4C2、DOPE、コレステロール、及びDMG-PEG2000を含み、100:1(w/w)の脂質:RNA比率を有した。
【0484】
最初の0日目の注射後、6日目及び13日目に、後眼窩静脈叢からの採血によって血漿を収集した。簡潔に述べると、プレーンな未被覆のパスツールピペットを使用して、後球静脈洞を破壊し、全血を収集し、3.2%の緩衝クエン酸ナトリウムと体積で9:1の比率で混合した。この混合物を、22℃で15分間、15,000gで遠心分離し、血漿上清を収集し、-80℃で保存した。試料中のヒトFVIIIタンパク質レベルを、製造業者の説明書に従って、Affinity Biologicals(商標)、Inc.VisuLize(商標)Factor FVIII Antigen Plus Kitを使用して分析した。
【0485】
この分析の結果が
図1に示される。
図1は、ヒトFVIIIタンパク質レベルが、試料において、6日目のHA-SPB LNPの投与後の13日目に、正常なヒトFVIIIの1~5%に相当するレベルで観察されたことを示す。
【0486】
本実施例に提示される結果は、本開示のLNPが、成体マウスであっても、インビボで高レベルのFVIII発現を駆動するために使用され得ることを実証し、それによって、本開示の組成物及び方法が、血友病Aを治療するために使用され得ることを実証する。
【0487】
実施例6-血友病の治療のための本開示のLNP
以下は、本開示の組成物及び方法が、血友病の治療、より具体的には、血友病Bの治療に使用され得ることを実証する非限定的な実施例である。
【0488】
幼若マウス
3週齢の幼若C57BL/6マウスは、未処置のままであったか、又は以下の2つの処置のうちの1つを投与された。
処置#1:第IX因子トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子
処置#2:SPB LNPとの組み合わせにおける第IX因子トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子
【0489】
第IX因子トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子は、piggyBacトランスポゾンを含むAAVウイルスベクター粒子であり、piggyBacトランスポゾンは、R338L変異を有するヒト第IX因子ポリペプチドをコードする核酸を含んだ。
【0490】
SPB LNPは、活性SPBをコードするmRNAを含む本開示のssPalmO-Ph-P4C2含有LNPであった。SPB LNPは、28:10:60:2のモル比でssPalmO-Ph-P4C2、DOPE、コレステロール、及びDMG-PEG2000を含み、100:1(w/w)の脂質:RNA比率を有した。
【0491】
処置の投与後3週間で、マウスの血漿中のヒト第IX因子ポリペプチドの量を決定するためにELISA実験を実施した。これらのELISA実験の結果が
図2に示される。
図2は、ヒト第IX因子タンパク質レベルが、試料において、本開示のLNPを含む処置#2の投与後に、正常なヒト第IX因子の約40~85%に相当するレベルで観察されたことを示す。
【0492】
本実施例に提示される結果は、本開示のLNPが、インビボで高レベルの第IX因子発現を駆動するために使用され得ることを実証し、それによって、本開示の組成物及び方法が、血友病Bを治療するために使用され得ることを実証する。より具体的には、本開示のLNPは、健常な個人で観察される第IX因子レベルの範囲内である、インビボの第IX因子発現のレベルを駆動するために使用され得る。
【0493】
実施例7-mRNAを含む本開示のLNPの調製、インビボスクリーニング、及び安定性試験
A.調製
以下は、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質及びmRNAを含む複数の多成分LNP組成物を製剤化するための例示的な方法を提供する非限定的な実施例である。
【0494】
LNPを製剤化するために、様々なパーセンテージの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質ssPalmO-Ph-P4C2、リン脂質DOPE、構造脂質コレステロール(Chol)、及び1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(DMG-PEG2000、Avanti Polar Lipids、Alabama、USA)を組み合わせて、LNP組成物を調製した。
【0495】
個別の25mg/mlのストック溶液を、200プルーフHPLCグレードのエタノール中で脂質を可溶化することによって調製し、ストック溶液を製剤化されるまで-80℃で保存した。製剤化時に、脂質ストック溶液を室温に平衡化することを一時的に可能にし、次いで、50~55℃の温度範囲で維持されたホットプレート上に配置した。次いで、高温脂質ストック溶液を組み合わせて、所望の最終モルパーセンテージを得た。LNP組成物の部分集団が表16に示される。
【表21】
【0496】
LNPに組み込まれる5meC 5’-CleanCap-5MeC-SPB-HA mRNA(特定の実施例1のように調製された)の1mg/mlの溶液を、150mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)又はマレイン酸塩(pH5.0)に追加して、ストック溶液を形成し、氷上で保存した。mRNAは、HAタグ付きSBPポリペプチドをコードする核酸配列を含んだ。脂質相を、NanoAssemblr(登録商標)機器(Precision Nanosystems、Vancouver、BC、Canada)を使用してマイクロ流体チップ内の水性mRNA相と混合して、カプセル化されたmRNAを含むLNP組成物を形成した。LNP組成物の各々に対するmRNAカプセル化のための、使用される緩衝液、緩衝液濃度、及び流量を含む、ナノアセンブリプロセスパラメータが表17に示される。
【表22】
【0497】
次いで、結果的に得られたmRNA LNP組成物を、8~10kDaの分子量カットオフ(MWCO)を有するRepligen Float-A-Lyzer透析デバイス(Spectrum Chemical Mfg.Corp,CA,USA)に移し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に対する透析(透析液:透析緩衝液体積が少なくとも1:200v/v)によって、pH7.4又は6.5、4℃で一晩(又は代替的に室温で少なくとも4時間)処理して、25%エタノールを除去し、完全な緩衝液交換を達成する。いくつかの実験では、LNPをAmicon(登録商標)Ultra-4遠心フィルターユニットで更に濃縮し、MWCO-100kDa又は50kDa(Millipore Sigma、USA)を超遠心機内で約4000×gで回転させた。次いで、mRNA LNPを、更に使用するまで4℃で保存した。
【0498】
B.インビボスクリーニング
メスの成体BALB/Cマウス(n=2/群)に、1.0mg/kgの表16に示されるHA-SBP mRNAを含むLNP組成物を静脈内投与した。マウスの一群を、陰性対照としてビヒクル(PBS、Thermo Fisher Scientific、USA)で処置した。
【0499】
マウスを投与後4時間で安楽死させ、その肝臓を収集した。HA-SBPの発現をELISAによって評価した。この分析の結果が表18に示される。
【表23】
【0500】
表18に示されるように、LNP ID 2.6、LNP ID 2.10、LNP ID 2.11、LNP 2.14、及びLNP 2.16は、インビボで、特に肝臓の細胞にmRNAを送達することができ、その後にコードされたタンパク質の発現があった。
【0501】
C.安定性試験
LNP組成物の保存安定性を評価するために、LNP ID 2.6、LNP ID 2.10、LNP ID 2.11、LNP 2.14、及びLNP 2.16のアリコートを、各々、4℃で0.1mg/mLで7日間保存した。LNP組成物の各々の平均直径及び多分散度指数(PDI)を、7日間のインキュベーションの開始時(0日目)、及びインキュベーションの1日目、4日目、及び7日目に分析した。この分析の結果が
図3に示される。
図3に示されるように、LNP ID 2.6、LNP ID 2.10、LNP ID 2.11、LNP 2.14、及びLNP 2.16の各々のサイズ及びPDIは、7日間のインキュベーションの過程にわたって安定しており、これは、これらの組成物が、臨床的及び商業的設定において有利である、増強された保存安定性を示すことを示している。
【0502】
まとめると、本実施例に説明された結果は、本開示のLNP組成物が、肝臓細胞を含む細胞にインビボでmRNAを効果的に送達し得、これらの組成物が、長期間にわたって標準保存温度で安定していることを実証する。
【0503】
実施例8-mRNAを含む本開示のLNPの調製及びインビボスクリーニング
A.調製
以下は、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質及びmRNAを含む複数の多成分LNP組成物を製剤化するための例示的な方法を提供する非限定的な実施例である。
【0504】
LNPを製剤化するために、様々なパーセンテージの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質ssPalmO-Ph-P4C2、リン脂質(DOPE、DSPC、又はDOPC)、構造脂質コレステロール(Chol)、及び1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(DMG-PEG2000、Avanti Polar Lipids、Alabama、USA)を組み合わせて、LNP組成物を調製した。
【0505】
個別の25mg/mlのストック溶液を、200プルーフHPLCグレードのエタノール中で脂質を可溶化することによって調製し、ストック溶液を製剤化されるまで-80℃で保存した。製剤化時に、脂質ストック溶液を室温に平衡化することを一時的に可能にし、次いで、50~55℃の温度範囲で維持されたホットプレート上に配置した。次いで、高温脂質ストック溶液を組み合わせて、所望の最終モルパーセンテージを得た。LNP組成物の部分集団が表19に示される。
【表24】
【0506】
LNPに組み込まれる5’-CleanCap-5MeC-fLuciferase mRNA(TriLink Biotech)の1mg/mlの溶液を、150mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)に追加して、ストック溶液を形成し、氷上で保存した。脂質相を、NanoAssemblr(登録商標)機器(Precision Nanosystems、Vancouver、BC、Canada)を使用してマイクロ流体チップ内の水性mRNA相と混合して、カプセル化されたmRNAを含むLNP組成物を形成した。mRNAカプセル化のためのナノアセンブリプロセスパラメータが表20に示される。
【表25】
【0507】
次いで、結果的に得られたmRNA LNP組成物を、8~10kDaの分子量カットオフ(MWCO)を有するRepligen Float-A-Lyzer透析デバイス(Spectrum Chemical Mfg.Corp,CA,USA)に移し、25mM酢酸ナトリウムに対する透析(透析液:透析緩衝液体積が少なくとも1:200v/v)によって、pH5.5、4℃で一晩(又は代替的に室温で少なくとも4時間)処理して、25%エタノールを除去し、完全な緩衝液交換を達成する。いくつかの実験では、LNPをAmicon(登録商標)Ultra-4遠心フィルターユニットで更に濃縮し、MWCO-30kDa(Millipore Sigma、USA)を超遠心機内で約4100×gで回転させた。スクロースを、5%(w/v)の最終濃度までmRNA LNPに追加し、次いで、更なる使用まで4℃で保存又は-80℃で凍結した。
【0508】
LNPの平均粒子サイズ直径は、約84~121nmの範囲であった。
【0509】
B.インビボスクリーニング
メスの成体BALB/Cマウス(n=2/群)に、表19に示されるLNP組成物を用いて製剤化された0.5mg/kgの5’-CleanCap-5MeC-fLuciferase mRNA(TriLink Biotech)を、静脈内投与した。マウスの一群を、陰性対照としてビヒクル(PBS、Thermo Fisher Scientific、USA)で処置した。
【0510】
処置及び対照マウスにおけるルシフェラーゼ発現の場所及び程度を、製造業者の説明書に従って、IVIS Luminaインビボ撮像システム(Perkin Elmer)を使用して、麻酔をかけたマウスの生物発光撮像(BLI)によって4時間で決定した。簡潔に述べると、マウスを、酸素中のイソフルランを使用して麻酔し、仰臥位で加熱されたステージ上に配置した。次いで、マウスにD-ルシフェリン(Perkin-Elmer#122799)IPを投与し、BLIを実施した。結果が表21に示される。
【表26】
【0511】
表21に示されるように、LNP組成物3.1~3.10は、インビボで、主に肝臓の細胞にmRNAを送達することができ、その後にコードされたタンパク質の発現を行うことができる。
【0512】
実施例9-mRNAを含む本開示のLNPの調製及びインビボスクリーニング
A.調製
以下は、生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質及びmRNAを含む複数の多成分LNP組成物を製剤化するための例示的な方法を提供する非限定的な実施例である。
【0513】
LNPを製剤化するために、様々なパーセンテージの生体還元性のイオン化可能なカチオン性脂質ssPalmO-Ph-P4C2、リン脂質(DOPE、DSPC、又はDOPC)、構造脂質コレステロール(Chol)、及び1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(DMG-PEG2000、Avanti Polar Lipids、Alabama、USA)を組み合わせて、LNP組成物を調製した。
【0514】
個別の25mg/mlのストック溶液を、200プルーフHPLCグレードのエタノール中で脂質を可溶化することによって調製し、ストック溶液を製剤化されるまで-80℃で保存した。製剤化時に、脂質ストック溶液を室温に平衡化することを一時的に可能にし、次いで、50~55℃の温度範囲で維持されたホットプレート上に配置した。次いで、高温脂質ストック溶液を組み合わせて、所望の最終モルパーセンテージを得た。LNP組成物の部分集団が表22に示される。
【表27】
【0515】
LNPに組み込まれる5’-CleanCap-5MeC-fLuciferase mRNA(TriLink Biotech)の1mg/mlの溶液を、150mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)に追加して、ストック溶液を形成し、氷上で保存した。脂質相を、NanoAssemblr(登録商標)機器(Precision Nanosystems、Vancouver、BC、Canada)を使用してマイクロ流体チップ内の水性mRNA相と混合して、カプセル化されたmRNAを含むLNP組成物を形成した。mRNAカプセル化のためのナノアセンブリプロセスパラメータが表23に示される。
【表28】
【0516】
次いで、結果的に得られたmRNA LNP組成物を、8~10kDaの分子量カットオフ(MWCO)を有するRepligen Float-A-Lyzer透析デバイス(Spectrum Chemical Mfg.Corp,CA,USA)に移し、25mM酢酸ナトリウムに対する透析(透析液:透析緩衝液体積が少なくとも1:200v/v)によって、pH5.5、4℃で一晩(又は代替的に室温で少なくとも4時間)処理して、25%エタノールを除去し、完全な緩衝液交換を達成する。いくつかの実験では、LNPをAmicon(登録商標)Ultra-4遠心フィルターユニットで更に濃縮し、MWCO-30kDa(Millipore Sigma、USA)を超遠心機内で約4100×gで回転させた。スクロースを、5%(w/v)の最終濃度までmRNA LNPに追加し、次いで、更なる使用まで4℃で保存又は-80℃で凍結した。
【0517】
LNPの平均粒子サイズ直径は、約80~103nmの範囲であった。
【0518】
B.インビボスクリーニング
メスの成体BALB/Cマウス(n=2/群)に、表22に示されるLNP組成物の部分集団を用いて製剤化された0.5mg/kgの5’-CleanCap-5MeC-fLuciferase mRNA(TriLink Biotech)を静脈内投与した。マウスの一群を、陰性対照としてビヒクル(PBS、Thermo Fisher Scientific、USA)で処置した。
【0519】
別の実験では、メスの成体BALB/Cマウス(n=3、4/群)に、表22に示されるLNP組成物の部分集団を用いて製剤化された1mg/kgの5’-CleanCap-5MeC-fLuciferase mRNA(TriLink Biotech)を静脈内投与した。マウスの一群を、陰性対照としてビヒクル(PBS、Thermo Fisher Scientific、USA)で処置した。
【0520】
処置及び対照マウスにおけるルシフェラーゼ発現の場所及び程度を、製造業者の説明書に従って、IVIS Luminaインビボ撮像システム(Perkin Elmer)を使用して、麻酔をかけたマウスの生物発光撮像(BLI)によって4時間で決定した。簡潔に述べると、マウスを、酸素中のイソフルランを使用して麻酔し、仰臥位で加熱されたステージ上に配置した。次いで、マウスにD-ルシフェリン(Perkin-Elmer#122799)IPを投与し、BLIを実施した。0.5mg/kgの用量実験の結果は表24に示され、1mg/kgの用量実験は表25に示される。
【表29】
【表30】
【0521】
表24及び25に示されるように、本開示のLNP組成物は、インビボで、主に肝臓の細胞にmRNAを送達し、その後、コードされたタンパク質を発現することができる。
【0522】
加えて、表22のLNP組成物の部分集団で処置されたマウスの体重を、静脈内投与前及び投与後24時間で評価し、ベースライン及び処置後の体重を比較した。表22の各LNP組成物で処置されたマウスの各群に対する平均体重変化率が表26に示される。
【表31】
【0523】
表26に示されるように、本開示のLNP組成物は、元の体重を保持するか、又はわずかに体重増加さえする、ほとんどの処置マウスで忍容性良好であった。
【0524】
実施例10-本開示のLNP組成物は、免疫応答及び毒性を低減する
A.本開示のLNPに対する免疫応答
以下は、本開示の特定のLNP組成物のインビトロ投与が、ヒト血清中のC3aの血清レベルによって測定される補体活性化の低下を結果的にもたらしたことを実証する非限定的な実施例である。
【0525】
LNP組成物を、表27に示される、以下のモルパーセンテージで、実施例8に説明されるように調製した。LNP組成物は、HAタグ付きSPBをコードする配列を含むRNA分子をカプセル化した。
【表32】
【0526】
正常なヒト血清(NHS)を37℃で解凍し、100μLを1.5mLの遠心分離管に等分した。次いで、NHSを、0.1mg/mLの16μLのLNP組成物で処理し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、反応混合物を1:5000で希釈し、C3a ELISAキット(Quidel)を使用して分析した。
【0527】
本開示のLNP組成物で処理された試料中のC3aのレベルは、ベンチマークホスホエタノールアミン(PE)ベースのリン脂質を含むLNP組成物で処理された試料中のC3aのレベルと比較され、値が表28に報告される。
【表33】
【0528】
表28に示されるように、本開示のLNP組成物5.2及び5.3は、低減したC3a血清レベルによって示されるように、ベンチマークLNP組成物と比較して、免疫応答プロファイルの有意な低減を呈した。
【0529】
B.毒性プロファイル
別の評価では、血清中に存在する4つの肝臓酵素のレベルを、潜在的な肝毒性の尺度として、LNP投与後4時間及び24時間で評価した。LNP組成物を、表29に示される、以下のモルパーセンテージで、実施例9に説明されるように調製した。実施例9に説明されるように、LNP組成物は、5’-CleanCap-5MeC-fLuciferase mRNA(TriLink Biotech)をカプセル化した。
【表34】
【0530】
簡潔に述べると、血液を4時間及び24時間に採血し、各試料を20分間凝固させ、13Krpmで3分間遠心分離して、望ましくない細胞及び破片を除去することを可能にした。試料を、輸送のために濡れた氷上に配置し、分析されるまで-80℃で保存した。酵素レベルを、標準化されたアッセイ(IDEXX)を使用して決定した。
【0531】
24時間の肝臓酵素アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ(ALP)、及びクレアチンキナーゼ(CK)のレベルが、それぞれ、表30a~dに示される。本開示のLNP組成物で処理された試料中の各肝臓酵素のレベルは、ベンチマークホスホエタノールアミン(PE)ベースのリン脂質を含むLNP組成物で処理された試料中の各肝臓酵素のレベルと比較され、値が表30a~dに報告される。
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【0532】
表30a~dに示されるように、本開示のLNP組成物は、低減した血清肝臓酵素レベルによって示されるように、ベンチマークLNP組成物と比較して、毒性プロファイルの有意な低減を呈した。
【0533】
実施例11-肝臓へのDNAのインビボLNP-送達
以下は、本開示のLNP組成物が、インビボで肝臓細胞にDNAを送達するために、及びコードされたタンパク質の発現のために使用され得ることを実証する非限定的な実施例である。
【0534】
ホタルルシフェラーゼ(以下、「Fluc」、TriLink)をコードするDNAを含む本開示のLNP組成物を、表31に提示されるモルパーセンテージで、ssPalmO-Ph-P4C2、リン脂質DOPC、構造脂質コレステロール(Chol)、及び1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(DMG-PEG2000)を組み合わせることによって、実施例9に説明されるように調製した。
【表39】
【0535】
成体BALB/Cマウスに、表31に列挙されたLNP組成物の0.5mg/kgの総DNA(n=4)を投与した。処置及び対照マウスにおけるルシフェラーゼ発現の場所及び程度を、製造業者の説明書に従って、IVIS Luminaインビボ撮像システム(Perkin Elmer)を使用して、麻酔をかけたマウスの生物発光撮像(BLI)によって4時間で決定した。簡潔に述べると、マウスを、酸素中のイソフルランを使用して麻酔し、仰臥位で加熱されたステージ上に配置した。次いで、マウスにD-ルシフェリン(Perkin-Elmer#122799)IPを投与し、BLIを実施した。結果が表32に示される。
【表40】
【0536】
表32に示されるように、本開示のLNP組成物が、肝臓細胞にDNAを送達し、肝臓細胞においてコードされた導入遺伝子を発現することができた。
【0537】
実施例12-血友病の治療のための本開示のLNP
以下は、本開示の組成物及び方法が、血友病の治療、より具体的には、血友病Aの治療に使用され得ることを実証する非限定的な実施例である。
【0538】
新生仔の野生型BALB/cマウス(n=5、6)に0.25mg/kgのFVIIIトランスポゾンLNPを、1)機能的SPBをカプセル化している1mg/kgのLNP(「機能的SPB」)、又は2)触媒的に欠損したSPBをカプセル化している0.5mg/kgのLNP(「欠損SPB」)のいずれかと同時送達で投与した。
【0539】
FVIIIトランスポゾンLNPは、トランスポゾンを含むナノプラスミドDNAを含む本開示のssPalmO-Ph-P4C2含有LNPであり、トランスポゾンが、第1のpiggyBac逆方向末端反復(右ITR)、続いて、第1のインスレーター配列、続いて、SERPINA1エンハンサーの3つのタンデムコピー、続いて、Transthyretin(TTR)エンハンス/プロモーター及びマウス微小ウイルス(MVM)イントロン配列、続いて、改変ヒト第VIII因子(FVIII)をコードするコドン最適化核酸配列、続いて、AES非翻訳領域(UTR)、続いて、mTRNR1 UTR、続いて、SV40後期ポリアデニル化及び切断シグナル配列、続いて、第2のインスレーター配列、続いて、第2のpiggyBac逆方向末端反復(左ITR)を含んだ。トランスポゾンの配列は、配列番号34に記載される。FVIIIトランスポゾンLNPは、54:10:35:1のモル比でssPalmO-Ph-P4C2、DOPE、コレステロール、及びDMG-PEG2000を含み、100:1(w/w)の脂質:DNA比率を有した。
【0540】
機能的SPB LNPは、活性SPBをコードするmRNAと、54:10:35:1のモル比でssPalmO-Ph-P4C2、DOPE、コレステロール、及びDMG-PEG2000と、100:1(w/w)の脂質:RNA比率を含む、本開示のssPalmO-Ph-P4C2含有LNPであった。欠損SPB LNPは、触媒的に欠損したSPBをコードするmRNA、並びに33.5:32:33.5:1のモル比でC12-200、DOPE、コレステロール、及びDMG-PEG2000を含む、本開示のC12-200含有LNPであった。機能的SPB又は欠損SPBのいずれかをコードするmRNA中の全てのシチジン残基は、5-メチルシチジン(5-MeC)であった。
【0541】
LNPの投与前に、麻酔を誘起するために、新生仔を短時間(約3分)氷上に配置した。同時送達投与について、DNA-LNP及びmRNA-LNPの両方を管内で一緒に混合し、30μLを単一の29ゲージインスリンシリンジに引き込み、顔面静脈を通して静脈内(IV)を介して送達した。新生仔を、その母親と戻す前に、37℃の加熱パッドで正常な体温に戻した。処置後の2、4、6、及び8週目に、処置されたマウスから血漿を収集した。血漿収集について、処置されたマウスをイソフルランを用いて麻酔下に置き、約150μLの全血を後眼窩に収集し、全血を10%の体積の3.2%クエン酸ナトリウムと混合し、15,000g、20℃で15分間遠心分離し、血漿上清を採取した。hFVIII抗原レベルを、Visualize(商標)Factor VIII Antigen Plus Kit(Affinity Biologicals(商標)Inc.)を使用して測定した。
【0542】
この分析の結果が
図4に示される。
図4は、SPB LNPの投与後8週までに、上記の治療ヒトFVIIIタンパク質レベルが試料で観察されたことを示す。
【0543】
本実施例に提示される結果は、本開示のLNPが、インビボで高レベルのFVIII発現を駆動するために使用され得ることを実証し、それによって、本開示の組成物及び方法が、血友病Aを治療するために使用され得ることを実証する。
【0544】
実施例13-本開示のLNP組成物は、インビボで肝臓に高い特異性を有するRNAを送達する
この実験は、一対のgRNAによってpsk9遺伝子に標的化され、結果として、その後のpsk9遺伝子のインビボ遺伝子編集をもたらす、Cas-CLOVER mRNAを肝臓に送達する本開示のLNP組成物の能力を示す。Pcsk9タンパク質は、肝細胞によって分泌され、LDL受容体に結合し、その内部移行及びリソソーム分解を誘起し、結果として、LDLコレステロールの増加した循環レベルをもたらす。
【0545】
この実験では、メスの成体BALB/Cマウス(n=2/群)の各群を、5’-CleanCap-5MeC-Cas-CLOVER(配列番号31)をコードするmRNA、及びマウスpcsk9遺伝子の第1のエクソンに標的化された一対のgRNA(配列番号29、30)を静脈内に同時投与した。mRNA及びgRNA分子を、54:10:35:1のモル比(表33~36のLNP組成物6.1、6.2、6.3、6.4、及び6.5と称される)で、ssPalmO-Ph-P4C2、DOPE、コレステロール、及びDMG-PEG2000を含む、本開示のLNP組成物内で製剤化した。mRNA中の全てのシチジン残基は、5-メチルシチジン(5-MeC)であった。
【0546】
表33に示される総RNA用量を含む本開示のLNP組成物を、各群からマウスに投与した。マウスの一群に、Cas-CLOVER mRNA及び一対のpcsk9 gRNAの用量を投与し、両方、ベンチマークC12-200 LNP組成物中に共カプセル化した。マウスの一群を、陰性対照としてビヒクル(PBS、Thermo Fisher Scientific、USA)で処置した。
【表41】
【0547】
投与後7日後、DNAを、各群におけるマウスから、肝臓、脾臓、肺、及び腎臓の4つの組織タイプから単離した。簡潔に述べると、組織を安楽死後に切除し、液体窒素中で急速凍結し、溶解緩衝液(200uLの溶解緩衝液+10uLのプロテイナーゼK中の15mgの組織)と混合し、Triple-Pureジルコニウムビーズ(Fisher Scientific)を使用してTissueLyser II(Qiagen)で粉砕した。次いで、均質化された組織を、56Cで30分間インキュベートし、製造業者の説明書に従って、New England BiolabsからのMonarch Genomic DNA Purificationキットを使用してカラム精製した。最終的なDNA溶出を、50uLの溶出緩衝液(10mMのTris-Cl、pH8.5)中で行った。DNA試料の濃度及び純度を、Nanodropを使用して260及び280nmにおける吸光度を測定することによって評価した。また、LDL-C定量化のために血液試料を採取した。簡潔に述べると、2mlのシリンジ及び25G針を使用して心臓穿刺を介して安楽死させた後、500uLの血液を収集し、微量遠心分離管に移し、室温で1時間インキュベートし、1500gで15分間遠心分離して、血清から細胞画分を分離した。血清画分(200uL)を新しい管に移し、更なる分析まで-80Cで保存した。
【0548】
加えて、表33のLNP組成物で処置されたマウスの体重を、投与後7日間評価し、ベースライン及び処置後の体重を比較した。表33の各LNP組成物で処置されたマウスの各群に対する処置後7日後の平均体重変化率が表34に示される。
【表42】
【0549】
表34に示されるように、本開示のLNP組成物は、元の体重を保持するか、又はわずかに体重増加さえする、ほとんどの処置マウスで忍容性良好であった。
【0550】
マウスに送達されたCas-CLOVER mRNAによる遺伝子編集を、次世代シーケンス(NGS)によって測定した。簡潔に述べると、ゲノムDNA試料を、まず、Pcsk9エクソン1に隣接し、Illumina部分アダプターを含有するプライマーで増幅した。結果的に得られたアンプリコンは、Illumina P5及びP7配列、並びに固有のインデックス配列(New England Biolabs)を含有するプライマーを用いて、第2のPCR反応を受けた。最終アンプリコンを等モル濃度でプールし、Miseq Micro Kit v2 300サイクル(Illumina)に装填し、Amplicon-seqの標準Illumina手順に従ってMiseqベンチトップシーケンサーで実行した。次いで、CRISPResso2を使用してシーケンシングデータを分析して、各試料における挿入/欠失(インデル)の頻度を決定した。NGSの結果は、pcsk9遺伝子に見出されるインデルパーセンテージとして表35に提供される。
【表43】
【0551】
表35に示されるように、本開示のLNP組成物は、pcsk9遺伝子のその後の遺伝子編集によって示されるように、肝臓にCas-CLOVER mRNAを正常に送達し、1.5mg/kg以上の総RNA用量に対して、ベンチマークC12-200組成物以上に良好なインデル率を伴った。
【0552】
マウスにおけるpcsk9タンパク質の血清レベルもまた、投与の7日後に測定され、結果が表36に示される。簡潔に述べると、マウスPcsk9 ELISAキット(Biolegend)を使用して、製造業者の説明書に従って各血清試料中のPcsk9を決定した。全ての血清試料を3回アッセイし、結果をPBS処置マウスのPcsk9レベルと比較して、Pcsk9レベルのパーセンテージ低減として表した。
【表44】
【0553】
まとめると、表35及び36の結果は、本開示のLNP組成物によって送達されるCas-CLOVER mRNAが、インビボで肝臓のpcsk9遺伝子を編集するのに効果的であることを示す。ベンチマークと比較して高いインデル%率、及びベースラインと比較して低いpcsk9タンパク質発現レベルによって示されるように、遺伝子編集有効性は、2mg/kgの総RNAで最大である。
【0554】
実施例14-本開示のLNPは、mRNAを非ヒト霊長類に送達する
以下は、本開示の組成物が、インビボでmRNAを非ヒト霊長類(NHP)に送達するために使用され得、送達されたmRNAがNHPで忍容性良好であったことを実証する非限定的な実施例である。
【0555】
第1の研究では、ヒトエリスロポエチン(hEPO)をコードする配列を含むmRNA分子を、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2 SS-OP、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含む、本開示の脂質ナノ粒子中にカプセル化した(
図5ではPoseida mRNA LNPと称される)。
【0556】
hEPO mRNAをカプセル化した本開示のLNPを2匹のサルに投与し、ベンチマーク脂質ナノ粒子組成物MC3を1匹のサルに投与した。サルに、1日目に0.25mg/kgの用量、及び21日目に0.5mg/kgの用量で、漸増用量のLNPを投与した。採血を、0時間、1時間、4時間、12時間、24時間、48時間、72時間、及び168時間において、各注入後1週間にわたって行った。全ての採血を絶食下で行い、収集された量は各々2mLであった。
【0557】
1日目の投与(0.25mg/kg用量)後の採血試料中のヒトエリスロポエチン(hEPO)のレベルを、標準化されたアッセイを使用して決定した。簡潔に述べると、全血を標準化された方法で血清に処理した。hEPOを、NHPに最適化されたELISAキット(R&D Systems)を用いて血清中で検出した。
図5は、本開示のLNPで処理されたサルからの試料のhEPOレベルが、注入後の168時間にわたってベンチマーク組成物で処理されたサルからの試料のhEPOレベルよりも高かったことを示す。本開示のLNPの投与後のピークEPOレベルには、
図5に示されるように、注入後約12時間で到達し、また、
図5に示されるように、ピークEPOレベルは、168時間の経過にわたってベンチマークLNPの投与後のピークhEPOレベルの3倍程度高かった。
【0558】
この研究の結果は、血清中で測定されたhEPOの増加したレベルによって実証されるように、mRNAがインビボでNHPに送達されたことを示す。
【0559】
別の研究では、2つの肝臓酵素のレベルが、潜在的な肝毒性の尺度として、本開示のLNPで処置されたラット及びNHPの血清中で測定された。この研究の実験では、HAタグ付きSPBをコードする配列を含む5MeC-mRNA分子を、約54モル%のssPalmO-Ph-P4C2 SS-OP、約35モル%のコレステロール、約10モル%のDOPE、及び約1モル%のDMG-PEG2000を含む、本開示の脂質ナノ粒子中にカプセル化した。
【0560】
第1の実験では、成体ラットの血清中に存在する肝臓酵素アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)及びアラニントランスアミナーゼ(ALT)のレベルを、0、0.25、0.5及び1mg/kgの濃度で本開示のLNPの投与の4時間後、24時間後、及び7日後に評価した。ラット(n=3)に尾静脈を介して本開示のLNP又はビヒクル(PBS)を静脈内に注入し、4時間後、24時間後、及び7日後に採血した。
【0561】
別個の実験では、メスのカニクイザルの血清中に存在するAST及びALTのレベルを、0、0.1、及び0.25mg/kgの濃度で本開示のLNPの投与の0時間後、24時間後、及び7日後に評価した。サル(n=2、3)に本開示のLNP又はビヒクル(PBS)を注入し、0時間後、24時間後、及び7日後に採血した。
【0562】
血清試料を採取した後、各試料を20分間凝固させ、13Krpmで3分間遠心分離して、望ましくない細胞及び破片を除去することを可能にした。試料を、輸送のために濡れた氷上に配置し、分析されるまで-80℃で保存した。酵素レベルを、標準化されたアッセイを使用して決定した。
【0563】
この研究の2つの異なる実験からの試験対象における7日後のAST及びALTのレベルが、
図6に示される。
図6に示されるように、本開示のLNP組成物のインビボ投与は、ラット及びNHPの両方で、7日後の血清中のAST及びALTレベルの有意な増加を結果的にもたらさなかった。
【0564】
実施例15-オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症の治療のための本開示のLNP
以下は、本開示の組成物及び方法が、OTC欠損症の治療に使用され得ることを実証する非限定的な実施例である。
【0565】
1日齢のB6EiC3SnオスOTCD新生仔(n=4~9)に、以下の処置を施した。
処置#1:ヒトOTC(hOTC)トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子
処置#2:SPB LNPとの組み合わせにおけるヒトOTC(hOTC)トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子
【0566】
ヒトOTC(hOTC)トランスポゾンAAVウイルスベクター粒子は、piggyBacトランスポゾンを含むAAVウイルスベクター粒子であり、piggyBacトランスポゾンは、ヒトOTCポリペプチドをコードする核酸を含んだ。
【0567】
SPB LNPは、活性SPBをコードするmRNAを含む本開示のssPalmO-Ph-P4C2含有LNPであった。SPB LNPは、54:10:35:1のモル比でssPalmO-Ph-P4C2、DOPE、コレステロール、及びDMG-PEG2000を含み、100:1(w/w)の脂質:RNA比率を有した。
【0568】
内因性マウスOTCを標的とするshRNAをコードする配列を含む別個のAAV8ウイルスベクター粒子を利用して、残留内因性マウスOTCを除去することによってOTCDモデルにおいて重篤な疾患を誘起し、このモデルでは、ヒトOTC導入遺伝子を用いた遺伝子療法のみが、重度のOTCDを救済することができた。
【0569】
両方の処置について、マウスにhOTCトランスポゾンAAVウイルスベクターの用量を増加させて投与し、処置#2群のマウスにも0.5mg/kgのSPB LNPを投与した。
図7は、重度のOTC疾患誘起時に全用量範囲にわたって重度のOTCD罹患率を結果的にもたらしたAAV単独の処置と比較して、処置の投与の47日後、AAVの低用量範囲内の処置#2群でOTC欠損マウスの100%の生存が観察されたことを示す。
【0570】
更に、処置#2群のマウスの肝臓における組み込みウイルスコピー数(VCN)及びhOTC mRNAのレベルを、それぞれ、液滴デジタルPCR(ddPCR)及びリアルタイムqPCRによって測定した。簡潔に述べると、DNA Rapidlyseキット(Macherey-Nagel)を使用して、粉末化された肝臓組織からDNAを単離し、ベクターコピーを、エピソーマルベクターコピーと組み込みベクターコピーとを区別するために、hOTC導入遺伝子の3’UTR及びpiggyBac ITRの外部のAAV骨格を標的とする別個のプライマーを利用して、QX200 Auto DG液滴デジタルPCRシステム(Biorad)を用いて分析した。HMBS(ヒドロキシメチルビランシンターゼ)遺伝子に対するプライマーを、マウス細胞数を正規化するために利用した。mRNA定量化のために、RNeasy miniキット(Qiagen)を用いて、粉末化された肝臓組織からmRNAを単離し、cDNAへの変換後(high capacity RNA to cDNAキット、ThermoFisher)、遺伝子発現を、hOTC及びmActb(ベータアクチン)を標的とする特定のプライマーセットを使用して、リアルタイム定量的qPCR(Applied Biosystems QuantStudio 6)によって分析した。
図8は、組み込みVCN及びhOTC mRNAレベルの両方のAAV用量依存性の増加を示し、本開示のSPB LNPと組み合わせたhOTCトランスポゾンAAVウイルスベクター粒子の投与が、機能的OTC遺伝子を肝臓内に正常に組み込んだことを実証する。
【0571】
別の研究では、OTCDで増加するバイオマーカーであるオロチン酸のレベルが、処置されたマウスの尿で測定された。簡潔に述べると、1日齢のB6EiC3Snオス新生仔(21日齢の遺伝子型確認のみ)(最低用量群はn=3、残りの群は6~8)に、2E13vg/kg用量のhOTCトランスポゾンAAVウイルスベクター粒子を、SPB LNPの増加する用量と組み合わせて投与した。オロチン酸レベルを、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)によって測定した。簡潔に述べると、希釈尿試料を逆相UPLCカラム、続いて、陰イオン化モードのMicromass Quattroを用いたMS/MS検出で分析した。親水性相互作用LC-MS/MSを用いて尿中のクレアチニンレベルを測定することによって結果を正規化し、陽イオン化モードでデータを収集した。
図9は、処置の投与の47日後、マウスの100%の生存が、重度のOTC疾患誘起時のオロチン酸の用量依存性の減少とともに、SPB LNPの全用量範囲にわたって観察されたことを示す。
【0572】
本実施例に提示される結果は、本開示のLNPが、インビボで高レベルのヒトOTCポリペプチド発現を駆動するために使用され得ることを実証し、それによって、本開示の組成物及び方法が、OTCDを治療するために使用され得ることを実証する。更に、本開示のLNPは、OTC遺伝子を肝臓に正常に組み込み、オロチン酸によって測定される際に、疾患表現型を決定するために使用され得る。
【配列表】
【国際調査報告】