IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コアンチョウ オキュサン オフサルミック バイオテクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2024-509993セレコキシブのプロドラッグ及びその調製方法並びに適用
<>
  • 特表-セレコキシブのプロドラッグ及びその調製方法並びに適用 図1
  • 特表-セレコキシブのプロドラッグ及びその調製方法並びに適用 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(54)【発明の名称】セレコキシブのプロドラッグ及びその調製方法並びに適用
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/12 20060101AFI20240227BHJP
   A61K 31/635 20060101ALI20240227BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240227BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240227BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240227BHJP
【FI】
C07D231/12 Z CSP
A61K31/635
A61P27/02
A61K9/08
A61K47/14
A61K47/02
A61K47/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556887
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2021098759
(87)【国際公開番号】W WO2022193449
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202110276245.7
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521556440
【氏名又は名称】コアンチョウ オキュサン オフサルミック バイオテクノロジー カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】Room 402, No. 223 West Huanshi Road, Nansha District, Guangzhou, Guangdong 511400 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤントン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】クオチアン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・リウ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB24
4C076CC10
4C076CC42
4C076DD09
4C076DD19
4C076DD23
4C076DD46
4C076EE23
4C076EE53
4C076FF11
4C076FF33
4C076FF34
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC36
4C086DA20
4C086MA01
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA58
4C086NA02
4C086NA03
4C086NA13
4C086NA15
4C086ZA33
(57)【要約】
本発明は、式Iで表されるセレコキシブのプロドラッグ及びその調製方法並びに適用を開示する。該化合物は、適切な溶解度を有し、貯蔵条件下で相対的に安定であり、薬物動態実験により、眼組織においてセレコキシブが検出され、且つ角膜、結膜、房水にいずれも分布があり、高い薬物濃度に達し、優れたセレコキシブプロドラッグであるが、対照化合物SZY1907-P4はほとんど分布が検出されず、セレコキシブを用いて調製された点眼液は、角膜、結膜、房水における濃度も低く、式Iの化合物は顕著な吸収優位性を有し、眼組織における薬物濃度がセレコキシブ群及び対照群SZY1907-P4よりも顕著に高く、液体製剤、例えば点眼液や注射液などに調製され、炎症反応に用いられることができることが示された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
【請求項2】
前記式Iで表される化合物の薬学的に許容される塩は、クエン酸塩、trans-2-ブテン二酸塩、サリチル酸塩、L-酒石酸塩、フマル酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、塩酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、アセテート、シュウ酸塩、乳酸塩、リジン塩、アスパラギン酸塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
1)式IIで表される化合物と式IIIで表される化合物をEDCI/DMAP/トリエチルアミンの存在下で反応させて、式IVで表される化合物を得る工程と、
【化2】
2)式IVで表される化合物を塩化水素の酢酸エチル溶液と反応させて、式Iで表される化合物を得る工程と、を含む、請求項1に記載の式Iで表される化合物の調製方法。
【請求項4】
前記工程1)において、前記式IIで表される化合物と式IIIで表される化合物とのモル比は1:1.4であり、
前記工程1)において、前記式IIで表される化合物とEDCI、DMAP、トリエチルアミンとのモル比は順に2.3:0.31:3であり、
前記工程1)において、前記反応は溶媒中で行われ、前記溶媒はDCMであり、
前記工程1)において、前記反応は室温で撹拌しながら行われ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングすることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記工程1)において、前記反応が終了した後、3%の希塩酸で1回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで1回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥させて白色固体を得、白色固体をエタノールに溶解させ、等量の水を加え、完全に溶解清澄するまで昇温還流し、徐々に降温し、製品を析出させ、吸引ろ過し、乾燥させて、式IVで表される化合物を得る後処理工程をさらに含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記工程2)において、前記式IVで表される化合物と塩化水素とのモル比は0.05:1.71であり、
前記工程2)において、前記反応の反応条件は室温で撹拌し、反応過程で固体を徐々に析出させ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングすることを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記工程2)において、前記反応が終了した後、回転乾燥させ、酢酸エチルで固体をリンスし、ケーキを収集し、一定重量になるまで回転乾燥させて、式Iで表される化合物を得る後処理工程をさらに含むことを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の、眼組織の炎症を予防及び/又は治療する薬物の調製における適用。
【請求項9】
活性成分は、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、眼組織の炎症を予防及び/又は治療するための薬物又は薬物組成物。
【請求項10】
眼組織の炎症を予防及び/又は治療するための点眼液であって、100mlあたりの前記点眼液が、式Iで表される化合物0.1g、Tween80 0.05g、ポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油0.45g、塩化ナトリウム0.9g、塩化ベンザルコニウム0.01gを含有し、残部が蒸留水であり、前記点眼液のpH値が5.5-6.5である点眼液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬分野に属し、具体的にはセレコキシブのプロドラッグ及びその調製方法並びに適用に関する。
【背景技術】
【0002】
セレコキシブは、シクロオキシゲナーゼ-2を選択的に抑制する消炎鎮痛薬であり、プロスタグランジンの発生を抑制し、炎症浮腫及び疼痛を軽減することができる。臨床的には主に膝関節の変形性関節炎による関節痛及び活動制限を治療する。リウマチ、関節リウマチに対しても良好な治療効果がある。また、急性痛、慢性痛を効果的に緩和することもできる。急性痛は、例えば、外傷、手術による疼痛である。慢性痛は、例えば、筋性腰痛症、頚部脊椎症及び上腕骨内外側上顆炎である。直接にセレコキシブで製造された点眼液製剤は、眼組織における濃度が低い。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、セレコキシブのプロドラッグ及びその薬学的に許容される塩を提供することである。
【0004】
前記セレコキシブのプロドラッグの構造式は式Iで表される。
【化1】
【0005】
式Iで表される化合物の薬学的に許容される塩とは、信頼性のある医学的判断範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を生じることなく、ヒト及び低等動物の組織と接触するのに適し、且つ合理的な効果/リスク比に見合った塩である。式Iで表される化合物の薬学的に許容される塩は、クエン酸塩、trans-2-ブテン二酸塩、サリチル酸塩、L-酒石酸塩、フマル酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、塩酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、アセテート、シュウ酸塩、乳酸塩、リジン塩、アスパラギン酸塩などを含むが、それらに限定されない。
【0006】
本発明は、上記式Iで表される化合物の調製方法をさらに提供する。
【0007】
本発明が提供する式Iで表される化合物の調製方法は、
1)式IIで表される化合物(セレコキシブ)と式IIIで表される化合物(Boc-β-アラニン)をEDCI/DMAP/トリエチルアミンの存在下で反応させ、式IVで表される化合物(SZY1907-05)を得る工程と、
【化2】
2)式IVで表される化合物を塩化水素の酢酸エチル溶液と反応させて、式Iで表される化合物を得る工程と、を含む。
【0008】
上記方法の工程1)において、前記式IIで表される化合物式IIIで表される化合物とのモル比は1:1.4である。
【0009】
上記方法の工程1)において、前記式IIで表される化合物とEDCI、DMAP、トリエチルアミンとのモル比は、順に2.3:0.32:3である。
【0010】
上記方法の工程1)において、前記反応は溶媒中で行われ、前記溶媒は具体的にDCM(ジクロロメタン)であってもよい。
【0011】
上記方法の工程1)において、前記反応は室温で撹拌しながら行われ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングする。
【0012】
上記方法の工程1)において、前記反応が終了した後、3%の希塩酸で1回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで1回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥させて白色固体を得、白色固体をエタノールに溶解させ、等量の水を加え、完全に溶解清澄するまで昇温還流し、徐々に降温し、製品を析出させ、吸引ろ過し、乾燥させ、SZY1907-05を得る後処理工程をさらに含む。
【0013】
前記方法の工程2)において、前記式IVで表される化合物と塩化水素とのモル比は0.05:1.71である。
【0014】
上記方法の工程2)において、前記反応の反応条件は室温で撹拌し、反応過程で固体を徐々に析出させ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングする。
【0015】
上記方法の工程2)において、前記反応が終了した後、回転乾燥させ、酢酸エチルで固体をリンスし、ケーキを収集し、一定重量になるまで回転乾燥させ、製品である式Iで表される化合物を得る後処理工程をさらに含む。
【0016】
本発明の別の目的は、上記式Iで表される化合物の適用を提供することである。
【0017】
本発明が提供する適用は、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の、眼組織の炎症を予防及び/又は治療する薬物の調製における適用である。
【0018】
式Iで表される化合物を活性成分として調製される眼組織の炎症を予防及び/又は治療する薬物も本発明の保護範囲に属する。
【0019】
前記薬物は、注射、噴射、点鼻、点眼、浸透、吸収、物理的又は化学的媒介の方法によって、筋肉、皮内、皮下、静脈、粘膜組織などの生体に導入され、又は他の物質によって混合又は被覆された後に生体に導入される。
【0020】
必要に応じて、上記薬物に一種又は多種の薬学的に許容される担体を加えてもよい。前記担体は、薬学分野の通常の希釈剤、賦形剤、充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、吸収促進剤、界面活性剤、吸着担体、潤滑剤などを含む。
【0021】
本発明は、その活性成分は、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、眼組織の炎症を予防及び/又は治療するための薬物又は薬物組成物をさらに提供する。
【0022】
上記薬物又は薬物組成物は、当業者に既知の通常の方法に従って液体製剤、例えば点眼液や注射液などの剤形に調製することができる。
【0023】
本発明は、眼組織の炎症を予防及び/又は治療するための点眼液をさらに保護する。
【0024】
本発明の保護された点眼液は、100mlあたりの前記点眼液が、式Iで表される化合物0.1g、Tween80 0.05g、ポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油0.45g、塩化ナトリウム0.9g、塩化ベンザルコニウム0.01gを含有し、残部が蒸留水であり、前記点眼液のpH値が5.5-6.5である。
【0025】
本発明の式Iで表される化合物は、適切な溶解度を有し、貯蔵条件下で相対的に安定であり、薬物動態実験により、眼組織においてセレコキシブが検出され、且つ角膜、結膜、房水にいずれも分布があり、高い薬物濃度に達し、優れたセレコキシブプロドラッグであるが、対照化合物SZY1907-P4はほとんど分布が検出されず、セレコキシブを用いて調製された点眼液は、角膜、結膜、房水における濃度も低く、式Iの化合物は顕著な吸収優位性を有し、眼組織における薬物濃度がセレコキシブ群及び対照群SZY1907-P4よりも顕著に高く、液体製剤、例えば点眼液や注射液などに調製され、炎症反応に用いられることができることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、SZY1907-P3のHNMRスペクトルである。
図2図2は、SZY1907-P3のLC-MSスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。前記方法は、特に断らない限り、いずれも常法である。前記原材料は、特に断らない限り、いずれも公開商業的に入手可能である。
【0028】
実施例1 式Iで表される化合物SZY1907-P3の調製
【化3】

SZY1907-05の調製
三ツ口フラスコにセレコキシブ(20.00g、0.0525mol)、DCM(400mL)を加え、Boc-β-アラニン(0.0735mol)、EDCI(0.121mol)、トリエチルアミン(0.158mol)、DMAP(0.0164mol)を順に加え、室温で撹拌し、原料がなくなるまでTLCでモニタリングした。
後処理:3%の希塩酸で1回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで1回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥させて白色固体を得、白色固体をエタノールに溶解させ、等量の水を加え、完全に溶解清澄するまで昇温還流し、徐々に降温し、製品を析出させ、吸引ろ過し、乾燥させて、SZY1907-05を得、収率が約95%であり、純度が98%を超えた。
状態:白色固体。
SZY1907-P3の調製
三ツ口フラスコにSZY1907-05(28.00g、0.05mol)を加えた後、塩化水素の酢酸エチル溶液(3.8mol/L、450mL)を加え、反応過程で固体を徐々に析出させ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングした。
後処理:回転乾燥させ、200mL酢酸エチルで固体をリンスし、ケーキを収集し、一定重量になるまで回転乾燥させ、製品を得、収率が約85%であり、純度が99%を超えた。
状態:白色固体。
1HNMR H2O δ: 7.55-7.53 (d, J=7.6Hz,2H), 6.83-6.81 (d, J=6.8Hz,2H),6.54-6.46 (m, 4H),6.15 (s, 1H),3.05-3.04 (m, 2H),2.64 (m, 2H),1.76 (m, 3H),
LC-MS: m/z = 453.5(M+1).
構造の確認結果を図1図2に示す。
【0029】
実施例2 SZY1907-P3の異なる塩型の調製
1、SZY1907-P3のクエン酸塩の調製
SZY1907-P3を水に溶解させ、固体が析出するまで1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下し、吸引ろ過し、乾燥させ、100mgを取ってメタノールに溶解させ、42mgのクエン酸を加え、清澄になるまで30分間撹拌し、メタノールを回転乾燥させ、140mgのクエン酸塩を得た。
2、SZY1907-P3のtrans-2-ブテン二酸塩の調製
SZY1907-P3を水に溶解させ、固体が析出するまで1mol/L水酸化ナトリウムを滴下し、吸引ろ過し、乾燥させ、100mgを取ってメタノールに溶解させ、26mgのtrans-2-ブテン二酸を加え、清澄になるまで30分間撹拌し、メタノールを回転乾燥させ、110mgのtrans-2-ブテン二酸塩を得た。
3、SZY1907-P3のサリチル酸塩の調製
SZY1907-P3を水に溶解させ、固体が析出するまで1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下し、吸引ろ過し、乾燥させ、100mgを取ってサリチル酸に溶解させ、31mgのサリチル酸を加え、清澄になるまで30分間撹拌し、メタノールを回転乾燥させ、120mgのサリチル酸塩を得た。
4、SZY1907-P3のL-酒石酸塩の調製
SZY1907-P3を水に溶解させ、固体が析出するまで1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下し、吸引ろ過し、乾燥させ、100mgを取ってメタノールに溶解させ、33mgのL-酒石酸を加え、清澄になるまで30分間撹拌し、メタノールを回転乾燥させ、125mgのL-酒石酸塩を得た。
【0030】
実施例3 ZY1907-P3の溶解性及び安定性の概略検討
SZY1907-P3の初期の溶解性試験において、その塩酸塩の溶解度がpH値に関連し、一定のpH依存性を示すことを発見したため、その原型及び塩型の異なるpH値での溶解度曲線を測定しようとする。
現在、原型、クエン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩などが測定されており、具体的なデータは以下の表1に示される。
【0031】
【表1】
【0032】
P3の原型及びその異なる塩の溶解性は強いpH依存性を有し、pH≧4の場合、溶解度は1mg/mL未満であることが分かる。
【0033】
同時に、その原型の異なるpHでの安定性データを測定し、具体的には、下記表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
表2から分かるように、5d放置しても純度に明らかな変化は見られなかった。
【0036】
比較例1 化合物SZY1907-P4の調製
【化4】
SZY1907-06の調製
三ツ口フラスコにセレコキシブ(1.34g、3.5mmol)、DCM(26mL)を加え、N-メチル-Boc-β-アラニン(4.9mmol)、EDCI(8.05mmol)、トリエチルアミン(10.5mmol)、DMAP(1mmol)を順に加え、室温で撹拌し、原料がなくなるまでTLCでモニタリングした。
後処理:3%の希塩酸で1回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで1回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥させて白色固体を得、白色固体を試料と混合してカラムに通し、ジクロロメタン/メタノールで30:1(v/v)まで洗い流して製品を得、収集して回転乾燥させて、1.3gの白色固体を得た。
状態:白色固体。
SZY1907-P4の調製
三ツ口フラスコにSZY1907-04(1.00g、1.77mmol)を加えた後、塩化水素の酢酸エチル溶液(3.8mol/L、30mL)を加え、撹拌して反応させ原料がなくなるまでTLCでモニタリングした。
後処理:回転乾燥させて白色固体を得、メタノールに溶解させ、2mLのトリエチルアミンを加え、試料と混合してカラムに通し、ジクロロメタンメタノールで15:1(v/v)まで洗い流して製品を得、有機相を収集し、5mLの塩酸酢酸エチルを加え、回転乾燥させて0.6gの白色固体を得た。
状態:白色固体。
1HNMR H2
δ: 7.56-7.54 (d, J=8.0Hz,2H), 6.87-6.84 (d, J=7.6Hz,2H),6.59-6.50 (m, 4H),6.20(s, 1H),3.06-3.03 (m, 2H),2.63-254 (m, 5H),1.78 (m, 3H),
LC-MS: m/z = 467.5(M+1).
【0037】
実施例4 化合物SZY1907-P3及び化合物SZY1907-P4の眼部薬物動態試験
試験目的:ニュージーランドウサギの眼部にSZY1907-P3、SZY1907-P4、セレコキシブを投与した後、眼部の各組織における活性化合物であるセレコキシブの含有量を比較して、薬物動態の優れたリード化合物を選別した。
実験材料 供試品:SZY1907-P3:白色粉末、分子式:C20H20ClF3N4O3S、分子量:488.91、バッチ番号:20201106、純度:99.85%、保存条件:2~8℃、有効期限2021.05.05まで。
SZY1907-P4:白色固体、分子式:C21H22ClF3N4O3S、分子量:502.9、バッチ番号:20200801、純度:98.99%、保存条件:2~8℃、有効期限2021.07.31まで。
セレコキシブ:白色粉末状固体、分子式:C17H14F3N3O2S、分子量:381.37、バッチ番号:20190701、再検査純度:99.87%、保存条件:2~8℃、遮光、有効期限:2021.06.27。
溶媒:SZY1907-P3/P4点眼液の処方を表3に示す。
【0038】
表3 溶媒組成及び作用
【表3】
【0039】
セレコキシブ溶媒:2%のポリエチレングリコール400+98%の7.5%メチル化-β-シクロデキストリン水溶液。
ツール薬及び主な試薬:
メタノール(クロマトグラフィー純):ドイツメルク。
ギ酸(クロマトグラフィー純):Aladdin。
メチル化-β-シクロデキストリン:MedChem Express社。
ポリエチレングリコール400:Solarbio Life Sciences社。
蒸留水:広州屈臣氏食品飲料有限公司。
Tween80:VETEC社。
ポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油:Croda社。
塩化ベンザルコニウム溶液(濃度80%):国薬集団化学試薬有限公司。
塩化ナトリウム:VETEC社。
ジアゼパムメタノール溶液:河北以嶺医薬研究院有限公司新薬評価センターにより提供される。
【0040】
実験システム
動物種:ニュージーランドウサギ。
動物グレード:普通グレード。
動物の性別及び数量:雄12匹を購入、その中から9匹を選んで本試験に用い、残りの3匹は空白組織サンプルを採取した。
購入時動物年齢:3~5月齢。
購入時動物体重:1.5~2.0kg。
適応飼育:新たに受領した動物を3-5日間適応飼育した。その間、動物の飲水、摂食及び健康状態、並びに疾患及び死亡兆候の有無を観察した。
標識:耳にマーカペンで番号を付す。
【0041】
試験設計根拠
採用する標準:国家食品薬品監督管理局が発表した薬物非臨床薬物動態研究技術指導原則。
【0042】
用量及び群分け
群分け:9匹の雄性ニュージーランドウサギを、ランダムに3群に分け、群毎に3匹とした。
用量:広州中山眼科の製剤処方によると、SZY1907-P3/P4の点眼液濃度はいずれも0.1%であった。従って、SZY1907-P3/P4の投与量を0.100mg/匹のニュージーランドウサギに設定し、セレコキシブ投与量を0.075mg/匹のニュージーランドウサギに設定した(SZY1907-P3/P4の等モル用量に近い)。具体的な群分け及び投与量を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
投与方法は、臨床投与と一致する投与方式、即ち眼投与、ウサギ左右眼同時投与を採用する。
【0045】
供試品の調製及び保存(以下の操作は実際の需要に応じて調製体積を調整できる)
0.1%のSZY1907-P3点眼液製剤:0.01000gのSZY1907-P3を秤量し、0.00500gのTween80及び0.04500gのポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油を加え、ガラス棒で撹拌して溶液が乳状になるまで膨潤させた。撹拌しながら5mLの蒸留水を徐々に加え、溶解した後、用意した。0.09000gの塩化ナトリウム及び0.00125gの80%塩化ベンザルコニウムを秤量し、2mLの蒸留水を加え、撹拌して溶解した。2つの溶液を合わせ、10mLに定容した。1mol/LのNaOH溶液を用いて、PH値を5.5-6.5の間に調整した。
0.1%のSZY1907-P4点眼液:0.01000gのSZY1907-P4を秤量し、0.00500gのTween80及び0.04500gのポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油を加え、ガラス棒で撹拌して溶液が乳状になるまで膨潤させた。撹拌しながら5mLの蒸留水を徐々に加え、溶解した後、用意した。0.09000gの塩化ナトリウム及び0.00125gの80%塩化ベンザルコニウムを秤量し、2mLの蒸留水を加え、撹拌して溶解した。2つの溶液を合わせ、10mLに定容した。1mol/LのNaOH溶液を用いて、PH値を5.5-6.5の間に調整した。
0.075%セレコキシブ点眼液:0.00750gのセレコキシブを秤量し1.5mLの遠心管に移し、まず200μLのポリエチレングリコール400を加えて、12000rpmで60s遠心し、次に10mLのメスフラスコに移し、7.5%メチル化-β-シクロデキストリン水溶液を加えて定容し、溶液が清澄で透明になるまで振とうして得た。
【0046】
供試品の投与:ウサギの左右眼に同時に投与し、投与体積は眼あたり50μLであった。ピペットを用いて正確に投与し、ウサギの瞼を軽くカップ状に引き下げ、ピペットで点眼液50μLを正確に吸い取って瞼に滴下し、ウサギの眼を10秒間受動的に閉じた。
【0047】
観測の指標、時間及び内容:サンプルの採集:投与後1h時点を選択して房水、角膜、結膜の採集を行った。房水の採取:殺した動物に対して、1mLのシリンジで瞳孔と虹彩の境界から約200μLの房水を針入して抽出した(房水の噴出を防止するために、房水を抽出する際にシリンジ針の接面が下向きになるように注意する)。角膜の採取:ピンセットで眼球を固定し、曲刃ハサミにより角膜と虹彩を切断し、両者の境界に沿って角膜を切り出す。取り出した角膜を超純水で洗浄した後、ろ紙で表面液を吸い取り、精秤し、冷凍保存した。結膜の採取:上下の結膜をピンセットで挟み、ハサミで切り離した。取り出した結膜を超純水で洗浄した後、ろ紙で表面液を吸い取り、精秤し、冷凍保存した。
【0048】
組織サンプルの処理:角膜/結膜ホモジネート液の調製:まず、小さいハサミで左右の角膜/結膜を小塊に切断し、その後、50%メタノール水溶液(質量体積比1:10)を加え、研磨機で研磨し(プロセスは循環研磨4回、各循環は6500rpmで30s研磨、20s待つ)、低速遠心分離機により4000rpmで10min遠心分離し、上澄み液を吸い取り、冷凍保存して測定のために用意する。
【0049】
サンプル測定前の前処理:房水サンプル:50μLの房水を取り、200μLの内部標準作動液(100ng/mLジアゼパムメタノール溶液)を加え、5minボルテックス混合した後、高速遠心機により12000rpmで10min遠心分離し、上澄み液を取ってオートサンプラーバイアルに入れて測定のために用意する。
【0050】
角膜、結膜サンプル:50μLのホモジネート上澄み液を取り、200μLの内部標準作動液(100ng/mLジアゼパムメタノール溶液)を加え、5minボルテックス混合した後、高速遠心機により12000rpmで10min遠心分離し、上澄み液を取ってオートサンプラーバイアルに入れて測定のために用意する。
【0051】
機器システム:液体クロマトグラフィー装置:エレクトロスプレーイオン化源(ESI源)を備える、Waters Xevo TQD/PDA ACQUITY UPLC液体クロマトグラフィー装置(Waters社)。
【0052】
データシステム:Masslynx V4.1(Waters社)。
【0053】
データ処理:サンプルと内部標準のピーク面積比で計算する。加重(W=1/X2)最小二乗法を用いて回帰計算を行い、直線回帰式を求め、比を式に代入して薬物濃度を計算する。
【0054】
実験結果:
ニュージーランドウサギの眼部にそれぞれ0.1%のSZY1907-P3/P4、
0.075%のセレコキシブを投与し、1h後の房水中のセレコキシブの平均薬物濃度
【表5】
ニュージーランドウサギの眼部にそれぞれ0.1%のSZY1907-P3/P4、
0.075%のセレコキシブを投与し、1h後の角膜中のセレコキシブの平均薬物濃度
【表6】
ニュージーランドウサギの眼部にそれぞれ0.1%のSZY1907-P3/P4、
0.075%のセレコキシブを投与し、1h後の結膜中のセレコキシブの平均薬物濃度
【表7】
【0055】
上記結果から分かるように、眼組織においてセレコキシブが検出され、且つ角膜、結膜、房水のいずれにも分布があり、高い薬物濃度に達し、優れたセレコキシブプロドラッグであるが、対照化合物SZY1907-P4はほとんど分布が検出されず、セレコキシブを用いて調製された点眼液は角膜、結膜、房水における濃度も低く、式Iの化合物SZY1907-P3は顕著な吸収優位性を有し、眼組織における薬物濃度はセレコキシブ群及び対照群SZY1907-P4よりも顕著に高く、液体製剤、例えば点眼液や注射液などに調製され、炎症反応に用いられることができる。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
【請求項2】
前記式Iで表される化合物の薬学的に許容される塩は、クエン酸塩、サリチル酸塩、L-酒石酸塩、フマル酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、塩酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、シュウ酸塩、乳酸塩、リジン塩、アスパラギン酸塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
1)式IIで表される化合物と式IIIで表される化合物をEDCI/DMAP/トリエチルアミンの存在下で反応させて、式IVで表される化合物を得る工程と、
【化2】
2)式IVで表される化合物を塩化水素の酢酸エチル溶液と反応させて、式Iで表される化合物を得る工程と、を含む、請求項1に記載の式Iで表される化合物の調製方法。
【請求項4】
前記工程1)において、前記式IIで表される化合物と式IIIで表される化合物とのモル比は1:1.4であり、
前記工程1)において、前記式IIで表される化合物とEDCI、DMAP、トリエチルアミンとのモル比は順に1:2.3:0.31:3であり、
前記工程1)において、前記反応は溶媒中で行われ、前記溶媒はDCMであり、
前記工程1)において、前記反応は室温で撹拌しながら行われ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングすることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記工程1)において、前記反応が終了した後、3%の希塩酸で1回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで1回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥させて白色固体を得、白色固体をエタノールに溶解させ、等量の水を加え、完全に溶解清澄するまで昇温還流し、徐々に降温し、製品を析出させ、吸引ろ過し、乾燥させて、式IVで表される化合物を得る後処理工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記工程2)において、前記式IVで表される化合物と塩化水素とのモル比は0.05:1.71であり、
前記工程2)において、前記反応の反応条件は室温で撹拌し、反応過程で固体を徐々に析出させ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングすることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記工程2)において、前記反応が終了した後、回転乾燥させ、酢酸エチルで固体をリンスし、ケーキを収集し、一定重量になるまで回転乾燥させて、式Iで表される化合物を得る後処理工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の、眼組織の炎症を予防及び/又は治療する薬物の調製における適用。
【請求項9】
活性成分として請求項1に記載の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、眼組織の炎症を予防及び/又は治療するための薬物又は薬物組成物。
【請求項10】
眼組織の炎症を予防及び/又は治療するための点眼液であって、100mlあたりの前記点眼液が、請求項1に記載の式Iで表される化合物0.1g、Tween80 0.05g、ポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油0.45g、塩化ナトリウム0.9g、塩化ベンザルコニウム0.01gを含有し、残部が蒸留水であり、前記点眼液のpH値が5.5-6.5である点眼液。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬分野に属し、具体的にはセレコキシブのプロドラッグ及びその調製方法並びに適用に関する。
【背景技術】
【0002】
セレコキシブは、シクロオキシゲナーゼ-2を選択的に抑制する消炎鎮痛薬であり、プロスタグランジンの発生を抑制し、炎症浮腫及び疼痛を軽減することができる。臨床的には主に膝関節の変形性関節炎による関節痛及び活動制限を治療する。リウマチ、関節リウマチに対しても良好な治療効果がある。また、急性痛、慢性痛を効果的に緩和することもできる。急性痛は、例えば、外傷、手術による疼痛である。慢性痛は、例えば、筋性腰痛症、頚部脊椎症及び上腕骨内外側上顆炎である。直接にセレコキシブで製造された点眼液製剤は、眼組織における濃度が低い。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、セレコキシブのプロドラッグ及びその薬学的に許容される塩を提供することである。
【0004】
前記セレコキシブのプロドラッグの構造式は式Iで表される。
【化1】
【0005】
式Iで表される化合物の薬学的に許容される塩とは、信頼性のある医学的判断範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を生じることなく、ヒト及び低等動物の組織と接触するのに適し、且つ合理的な効果/リスク比に見合った塩である。式Iで表される化合物の薬学的に許容される塩は、クエン酸塩、サリチル酸塩、L-酒石酸塩、フマル酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、塩酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、シュウ酸塩、乳酸塩、リジン塩、アスパラギン酸塩などを含むが、それらに限定されない。
【0006】
本発明は、上記式Iで表される化合物の調製方法をさらに提供する。
【0007】
本発明が提供する式Iで表される化合物の調製方法は、
1)式IIで表される化合物(セレコキシブ)と式IIIで表される化合物(Boc-β-アラニン)をEDCI/DMAP/トリエチルアミンの存在下で反応させ、式IVで表される化合物(SZY1907-05)を得る工程と、
【化2】
2)式IVで表される化合物を塩化水素の酢酸エチル溶液と反応させて、式Iで表される化合物を得る工程と、を含む。
【0008】
上記方法の工程1)において、前記式IIで表される化合物式IIIで表される化合物とのモル比は1:1.4である。
【0009】
上記方法の工程1)において、前記式IIで表される化合物とEDCI、DMAP、トリエチルアミンとのモル比は、順に1:2.3:0.31:3である。
【0010】
上記方法の工程1)において、前記反応は溶媒中で行われ、前記溶媒は具体的にDCM(ジクロロメタン)であってもよい。
【0011】
上記方法の工程1)において、前記反応は室温で撹拌しながら行われ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングする。
【0012】
上記方法の工程1)において、前記反応が終了した後、3%の希塩酸で1回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで1回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥させて白色固体を得、白色固体をエタノールに溶解させ、等量の水を加え、完全に溶解清澄するまで昇温還流し、徐々に降温し、製品を析出させ、吸引ろ過し、乾燥させ、SZY1907-05を得る後処理工程をさらに含む。
【0013】
前記方法の工程2)において、前記式IVで表される化合物と塩化水素とのモル比は0.05:1.71である。
【0014】
上記方法の工程2)において、前記反応の反応条件は室温で撹拌し、反応過程で固体を徐々に析出させ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングする。
【0015】
上記方法の工程2)において、前記反応が終了した後、回転乾燥させ、酢酸エチルで固体をリンスし、ケーキを収集し、一定重量になるまで回転乾燥させ、製品である式Iで表される化合物を得る後処理工程をさらに含む。
【0016】
本発明の別の目的は、上記式Iで表される化合物の適用を提供することである。
【0017】
本発明が提供する適用は、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩の、眼組織の炎症を予防及び/又は治療する薬物の調製における適用である。
【0018】
式Iで表される化合物を活性成分として調製される眼組織の炎症を予防及び/又は治療する薬物も本発明の保護範囲に属する。
【0019】
前記薬物は、注射、噴射、点鼻、点眼、浸透、吸収、物理的又は化学的媒介の方法によって、筋肉、皮内、皮下、静脈、粘膜組織などの生体に導入され、又は他の物質によって混合又は被覆された後に生体に導入される。
【0020】
必要に応じて、上記薬物に一種又は多種の薬学的に許容される担体を加えてもよい。前記担体は、薬学分野の通常の希釈剤、賦形剤、充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、吸収促進剤、界面活性剤、吸着担体、潤滑剤などを含む。
【0021】
本発明は、その活性成分は、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、眼組織の炎症を予防及び/又は治療するための薬物又は薬物組成物をさらに提供する。
【0022】
上記薬物又は薬物組成物は、当業者に既知の通常の方法に従って液体製剤、例えば点眼液や注射液などの剤形に調製することができる。
【0023】
本発明は、眼組織の炎症を予防及び/又は治療するための点眼液をさらに保護する。
【0024】
本発明の保護された点眼液は、100mlあたりの前記点眼液が、式Iで表される化合物0.1g、Tween80 0.05g、ポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油0.45g、塩化ナトリウム0.9g、塩化ベンザルコニウム0.01gを含有し、残部が蒸留水であり、前記点眼液のpH値が5.5-6.5である。
【0025】
本発明の式Iで表される化合物は、適切な溶解度を有し、貯蔵条件下で相対的に安定であり、薬物動態実験により、眼組織においてセレコキシブが検出され、且つ角膜、結膜、房水にいずれも分布があり、高い薬物濃度に達し、優れたセレコキシブプロドラッグであるが、対照化合物SZY1907-P4はほとんど分布が検出されず、セレコキシブを用いて調製された点眼液は、角膜、結膜、房水における濃度も低く、式Iの化合物は顕著な吸収優位性を有し、眼組織における薬物濃度がセレコキシブ群及び対照群SZY1907-P4よりも顕著に高く、液体製剤、例えば点眼液や注射液などに調製され、炎症反応に用いられることができることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、SZY1907-P3のHNMRスペクトルである。
図2A図2A及び2Bそれぞれ、SZY1907-P3のLC及びMSスペクトルである。
図2B図2A及び2Bはそれぞれ、SZY1907-P3のLC及びMSスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。前記方法は、特に断らない限り、いずれも常法である。前記原材料は、特に断らない限り、いずれも公開商業的に入手可能である。
【0028】
実施例1 式Iで表される化合物SZY1907-P3の調製
【化3】
SZY1907-05の調製
三ツ口フラスコにセレコキシブ(20.00g、0.0525mol)、DCM(400mL)を加え、Boc-β-アラニン(0.0735mol)、EDCI(0.121mol)、トリエチルアミン(0.158mol)、DMAP(0.0164mol)を順に加え、室温で撹拌し、原料がなくなるまでTLCでモニタリングした。
後処理:3%の希塩酸で1回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで1回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥させて白色固体を得、白色固体をエタノールに溶解させ、等量の水を加え、完全に溶解清澄するまで昇温還流し、徐々に降温し、製品を析出させ、吸引ろ過し、乾燥させて、SZY1907-05を得、収率が約95%であり、純度が98%を超えた。
状態:白色固体。
SZY1907-P3の調製
三ツ口フラスコにSZY1907-05(28.00g、0.05mol)を加えた後、塩化水素の酢酸エチル溶液(3.8mol/L、450mL)を加え、反応過程で固体を徐々に析出させ、原料がなくなるまでTLCでモニタリングした。
後処理:回転乾燥させ、200mL酢酸エチルで固体をリンスし、ケーキを収集し、一定重量になるまで回転乾燥させ、製品を得、収率が約85%であり、純度が99%を超えた。
状態:白色固体。
1HNMR H2O δ: 7.55-7.53 (d, J=7.6Hz,2H), 6.83-6.81 (d, J=6.8Hz,2H),6.54-6.46 (m, 4H),6.15 (s, 1H),3.05-3.04 (m, 2H),2.64 (m, 2H),1.76 (m, 3H),
LC-MS: m/z = 453.5(M+1).
構造の確認結果を図1図2A及び2Bに示す。
【0029】
実施例2 SZY1907-P3の異なる塩型の調製
1、SZY1907-P3のクエン酸塩の調製
SZY1907-P3を水に溶解させ、固体が析出するまで1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下し、吸引ろ過し、乾燥させ、100mgを取ってメタノールに溶解させ、42mgのクエン酸を加え、清澄になるまで30分間撹拌し、メタノールを回転乾燥させ、140mgのクエン酸塩を得た。
2、SZY1907-P3のtrans-2-ブテン二酸塩の調製
SZY1907-P3を水に溶解させ、固体が析出するまで1mol/L水酸化ナトリウムを滴下し、吸引ろ過し、乾燥させ、100mgを取ってメタノールに溶解させ、26mgのtrans-2-ブテン二酸を加え、清澄になるまで30分間撹拌し、メタノールを回転乾燥させ、110mgのtrans-2-ブテン二酸塩を得た。
3、SZY1907-P3のサリチル酸塩の調製
SZY1907-P3を水に溶解させ、固体が析出するまで1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下し、吸引ろ過し、乾燥させ、100mgを取ってサリチル酸に溶解させ、31mgのサリチル酸を加え、清澄になるまで30分間撹拌し、メタノールを回転乾燥させ、120mgのサリチル酸塩を得た。
4、SZY1907-P3のL-酒石酸塩の調製
SZY1907-P3を水に溶解させ、固体が析出するまで1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下し、吸引ろ過し、乾燥させ、100mgを取ってメタノールに溶解させ、33mgのL-酒石酸を加え、清澄になるまで30分間撹拌し、メタノールを回転乾燥させ、125mgのL-酒石酸塩を得た。
【0030】
実施例3 ZY1907-P3の溶解性及び安定性の概略検討
SZY1907-P3の初期の溶解性試験において、その塩酸塩の溶解度がpH値に関連し、一定のpH依存性を示すことを発見したため、その原型及び塩型の異なるpH値での溶解度曲線を測定しようとする。
現在、原型、クエン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩などが測定されており、具体的なデータは以下の表1に示される。
【0031】
【表1】
【0032】
P3の原型及びその異なる塩の溶解性は強いpH依存性を有し、pH≧4の場合、溶解度は1mg/mL未満であることが分かる。
【0033】
同時に、その原型の異なるpHでの安定性データを測定し、具体的には、下記表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
表2から分かるように、5d放置しても純度に明らかな変化は見られなかった。
【0036】
比較例1 化合物SZY1907-P4の調製
【化4】
SZY1907-06の調製
三ツ口フラスコにセレコキシブ(1.34g、3.5mmol)、DCM(26mL)を加え、N-メチル-Boc-β-アラニン(4.9mmol)、EDCI(8.05mmol)、トリエチルアミン(10.5mmol)、DMAP(1mmol)を順に加え、室温で撹拌し、原料がなくなるまでTLCでモニタリングした。
後処理:3%の希塩酸で1回洗浄し、飽和塩化アンモニウムで1回洗浄し、飽和塩化ナトリウムで中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転乾燥させて白色固体を得、白色固体を試料と混合してカラムに通し、ジクロロメタン/メタノールで30:1(v/v)まで洗い流して製品を得、収集して回転乾燥させて、1.3gの白色固体を得た。
状態:白色固体。
SZY1907-P4の調製
三ツ口フラスコにSZY1907-04(1.00g、1.77mmol)を加えた後、塩化水素の酢酸エチル溶液(3.8mol/L、30mL)を加え、撹拌して反応させ原料がなくなるまでTLCでモニタリングした。
後処理:回転乾燥させて白色固体を得、メタノールに溶解させ、2mLのトリエチルアミンを加え、試料と混合してカラムに通し、ジクロロメタンメタノールで15:1(v/v)まで洗い流して製品を得、有機相を収集し、5mLの塩酸酢酸エチルを加え、回転乾燥させて0.6gの白色固体を得た。
状態:白色固体。
1HNMR H2
δ: 7.56-7.54 (d, J=8.0Hz,2H), 6.87-6.84 (d, J=7.6Hz,2H),6.59-6.50 (m, 4H),6.20(s, 1H),3.06-3.03 (m, 2H),2.63-254 (m, 5H),1.78 (m, 3H),
LC-MS: m/z = 467.5(M+1).
【0037】
実施例4 化合物SZY1907-P3及び化合物SZY1907-P4の眼部薬物動態試験
試験目的:ニュージーランドウサギの眼部にSZY1907-P3、SZY1907-P4、セレコキシブを投与した後、眼部の各組織における活性化合物であるセレコキシブの含有量を比較して、薬物動態の優れたリード化合物を選別した。
実験材料 供試品:SZY1907-P3:白色粉末、分子式:C20H20ClF3N4O3S、分子量:488.91、バッチ番号:20201106、純度:99.85%、保存条件:2~8℃、有効期限2021.05.05まで。
SZY1907-P4:白色固体、分子式:C21H22ClF3N4O3S、分子量:502.9、バッチ番号:20200801、純度:98.99%、保存条件:2~8℃、有効期限2021.07.31まで。
セレコキシブ:白色粉末状固体、分子式:C17H14F3N3O2S、分子量:381.37、バッチ番号:20190701、再検査純度:99.87%、保存条件:2~8℃、遮光、有効期限:2021.06.27。
溶媒:SZY1907-P3/P4点眼液の処方を表3に示す。
【0038】
表3 溶媒組成及び作用
【表3】
【0039】
セレコキシブ溶媒:2%のポリエチレングリコール400+98%の7.5%メチル化-β-シクロデキストリン水溶液。
ツール薬及び主な試薬:
メタノール(クロマトグラフィー純):ドイツメルク。
ギ酸(クロマトグラフィー純):Aladdin。
メチル化-β-シクロデキストリン:MedChem Express社。
ポリエチレングリコール400:Solarbio Life Sciences社。
蒸留水:広州屈臣氏食品飲料有限公司。
Tween80:VETEC社。
ポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油:Croda社。
塩化ベンザルコニウム溶液(濃度80%):国薬集団化学試薬有限公司。
塩化ナトリウム:VETEC社。
ジアゼパムメタノール溶液:河北以嶺医薬研究院有限公司新薬評価センターにより提供される。
【0040】
実験システム
動物種:ニュージーランドウサギ。
動物グレード:普通グレード。
動物の性別及び数量:雄12匹を購入、その中から9匹を選んで本試験に用い、残りの3匹は空白組織サンプルを採取した。
購入時動物年齢:3~5月齢。
購入時動物体重:1.5~2.0kg。
適応飼育:新たに受領した動物を3-5日間適応飼育した。その間、動物の飲水、摂食及び健康状態、並びに疾患及び死亡兆候の有無を観察した。
標識:耳にマーカペンで番号を付す。
【0041】
試験設計根拠
採用する標準:国家食品薬品監督管理局が発表した薬物非臨床薬物動態研究技術指導原則。
【0042】
用量及び群分け
群分け:9匹の雄性ニュージーランドウサギを、ランダムに3群に分け、群毎に3匹とした。
用量:広州中山眼科の製剤処方によると、SZY1907-P3/P4の点眼液濃度はいずれも0.1%であった。従って、SZY1907-P3/P4の投与量を0.100mg/匹のニュージーランドウサギに設定し、セレコキシブ投与量を0.075mg/匹のニュージーランドウサギに設定した(SZY1907-P3/P4の等モル用量に近い)。具体的な群分け及び投与量を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
投与方法は、臨床投与と一致する投与方式、即ち眼投与、ウサギ左右眼同時投与を採用する。
【0045】
供試品の調製及び保存(以下の操作は実際の需要に応じて調製体積を調整できる)
0.1%のSZY1907-P3点眼液製剤:0.01000gのSZY1907-P3を秤量し、0.00500gのTween80及び0.04500gのポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油を加え、ガラス棒で撹拌して溶液が乳状になるまで膨潤させた。撹拌しながら5mLの蒸留水を徐々に加え、溶解した後、用意した。0.09000gの塩化ナトリウム及び0.00125gの80%塩化ベンザルコニウムを秤量し、2mLの蒸留水を加え、撹拌して溶解した。2つの溶液を合わせ、10mLに定容した。1mol/LのNaOH溶液を用いて、PH値を5.5-6.5の間に調整した。
0.1%のSZY1907-P4点眼液:0.01000gのSZY1907-P4を秤量し、0.00500gのTween80及び0.04500gのポリオキシエチレン40硬化ヒマシ油を加え、ガラス棒で撹拌して溶液が乳状になるまで膨潤させた。撹拌しながら5mLの蒸留水を徐々に加え、溶解した後、用意した。0.09000gの塩化ナトリウム及び0.00125gの80%塩化ベンザルコニウムを秤量し、2mLの蒸留水を加え、撹拌して溶解した。2つの溶液を合わせ、10mLに定容した。1mol/LのNaOH溶液を用いて、PH値を5.5-6.5の間に調整した。
0.075%セレコキシブ点眼液:0.00750gのセレコキシブを秤量し1.5mLの遠心管に移し、まず200μLのポリエチレングリコール400を加えて、12000rpmで60s遠心し、次に10mLのメスフラスコに移し、7.5%メチル化-β-シクロデキストリン水溶液を加えて定容し、溶液が清澄で透明になるまで振とうして得た。
【0046】
供試品の投与:ウサギの左右眼に同時に投与し、投与体積は眼あたり50μLであった。ピペットを用いて正確に投与し、ウサギの瞼を軽くカップ状に引き下げ、ピペットで点眼液50μLを正確に吸い取って瞼に滴下し、ウサギの眼を10秒間受動的に閉じた。
【0047】
観測の指標、時間及び内容:サンプルの採集:投与後1h時点を選択して房水、角膜、結膜の採集を行った。房水の採取:殺した動物に対して、1mLのシリンジで瞳孔と虹彩の境界から約200μLの房水を針入して抽出した(房水の噴出を防止するために、房水を抽出する際にシリンジ針の接面が下向きになるように注意する)。角膜の採取:ピンセットで眼球を固定し、曲刃ハサミにより角膜と虹彩を切断し、両者の境界に沿って角膜を切り出す。取り出した角膜を超純水で洗浄した後、ろ紙で表面液を吸い取り、精秤し、冷凍保存した。結膜の採取:上下の結膜をピンセットで挟み、ハサミで切り離した。取り出した結膜を超純水で洗浄した後、ろ紙で表面液を吸い取り、精秤し、冷凍保存した。
【0048】
組織サンプルの処理:角膜/結膜ホモジネート液の調製:まず、小さいハサミで左右の角膜/結膜を小塊に切断し、その後、50%メタノール水溶液(質量体積比1:10)を加え、研磨機で研磨し(プロセスは循環研磨4回、各循環は6500rpmで30s研磨、20s待つ)、低速遠心分離機により4000rpmで10min遠心分離し、上澄み液を吸い取り、冷凍保存して測定のために用意する。
【0049】
サンプル測定前の前処理:房水サンプル:50μLの房水を取り、200μLの内部標準作動液(100ng/mLジアゼパムメタノール溶液)を加え、5minボルテックス混合した後、高速遠心機により12000rpmで10min遠心分離し、上澄み液を取ってオートサンプラーバイアルに入れて測定のために用意する。
【0050】
角膜、結膜サンプル:50μLのホモジネート上澄み液を取り、200μLの内部標準作動液(100ng/mLジアゼパムメタノール溶液)を加え、5minボルテックス混合した後、高速遠心機により12000rpmで10min遠心分離し、上澄み液を取ってオートサンプラーバイアルに入れて測定のために用意する。
【0051】
機器システム:液体クロマトグラフィー装置:エレクトロスプレーイオン化源(ESI源)を備える、Waters Xevo TQD/PDA ACQUITY UPLC液体クロマトグラフィー装置(Waters社)。
【0052】
データシステム:Masslynx V4.1(Waters社)。
【0053】
データ処理:サンプルと内部標準のピーク面積比で計算する。加重(W=1/X2)最小二乗法を用いて回帰計算を行い、直線回帰式を求め、比を式に代入して薬物濃度を計算する。
【0054】
実験結果:
ニュージーランドウサギの眼部にそれぞれ0.1%のSZY1907-P3/P4、
0.075%のセレコキシブを投与し、1h後の房水中のセレコキシブの平均薬物濃度
【表5】
ニュージーランドウサギの眼部にそれぞれ0.1%のSZY1907-P3/P4、
0.075%のセレコキシブを投与し、1h後の角膜中のセレコキシブの平均薬物濃度
【表6】
ニュージーランドウサギの眼部にそれぞれ0.1%のSZY1907-P3/P4、
0.075%のセレコキシブを投与し、1h後の結膜中のセレコキシブの平均薬物濃度
【表7】
【0055】
上記結果から分かるように、眼組織においてセレコキシブが検出され、且つ角膜、結膜、房水のいずれにも分布があり、高い薬物濃度に達し、優れたセレコキシブプロドラッグであるが、対照化合物SZY1907-P4はほとんど分布が検出されず、セレコキシブを用いて調製された点眼液は角膜、結膜、房水における濃度も低く、式Iの化合物SZY1907-P3は顕著な吸収優位性を有し、眼組織における薬物濃度はセレコキシブ群及び対照群SZY1907-P4よりも顕著に高く、液体製剤、例えば点眼液や注射液などに調製され、炎症反応に用いられることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2A
図2B
【国際調査報告】