(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-12
(54)【発明の名称】無線電力デバイスの磁力式整列システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20240305BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240305BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558435
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2022020737
(87)【国際公開番号】W WO2022203934
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】シューウォーツ アダム エル
(57)【要約】
電子デバイス間で電力が無線で送信され得る。セルラー電話機、無線充電パック、及び他の機器などのデバイスは、コイルを有する無線電力回路を有し得る。無線電力回路は、インバータ回路と整流回路とを有し得る。インバータ回路と、インバータ回路から交流信号を受信するコイルとを使用して、無線電力信号を送信してもよい。相手デバイス内のコイルによって受信された無線電力信号は、そのデバイス内の整流回路を使用することにより整流されて、直流電力が生成されてもよい。コイル間の電力伝送に向けて第1及び第2のデバイスを整列させるために、デバイスに整列磁石が備えられてもよい。整列磁石は、第1のデバイスが、第1のデバイスと同じタイプの第2のデバイスなどの第2のデバイスと背中合わせに接合できるように構成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器コイルを有する外部機器と対になるように構成された無線電力デバイスであって、
ハウジングと、
無線電力コイルを含む無線電力回路と、
前記外部機器コイルを前記無線電力コイルに整列させるように構成された複数の整列磁石であって、前記整列磁石の複数の極が極位置に位置し、前記極位置が、ある軸について鏡映対称性を呈し、所与の極位置における各極が、前記軸について鏡映された前記所与の極位置に対応する極位置に位置する極の磁極性とは反対の磁極性を有する、整列磁石と、
を備える、無線電力デバイス。
【請求項2】
前記無線電力デバイスが前部及び後部を有し、前記整列磁石が、前記後部において前記外部機器コイルを前記無線電力コイルに整列させるように構成されている、請求項1に記載の無線電力デバイス。
【請求項3】
前記後部が平面内にあり、前記軸が前記平面に平行である、請求項2に記載の無線電力デバイス。
【請求項4】
前記軸が、前記ハウジングがそれに沿って縦長に延在する長手方向軸を含む、請求項3に記載の無線電力デバイス。
【請求項5】
前記ハウジングがセルラー電話機ハウジングを含み、前記外部機器コイルが追加の無線電力コイルを含む、請求項4に記載の無線電力デバイス。
【請求項6】
前記整列磁石の各々が、前記平面内にあるN極及びS極を有する、請求項3に記載の無線電力デバイス。
【請求項7】
前記整列磁石が、中心を囲む円環状に構成されている、請求項6に記載の無線電力デバイス。
【請求項8】
前記円環内の各整列磁石が、前記中心を通るそれぞれの磁軸を有する、請求項7に記載の無線電力デバイス。
【請求項9】
前記整列磁石からなる円環が、外側円環であって、前記外側円環の中心周りの角度の関数として交互に替わる複数の極からなる外側円環を有し、かつ、前記中心周りの角度の関数として交互に替わる複数の極からなる内側円環を有する、請求項8に記載の無線電力デバイス。
【請求項10】
前記ハウジングが所与のモデルのデバイスの電子デバイスハウジングを備え、前記外部機器が同じ所与のモデルのデバイスである、請求項9に記載の無線電力デバイス。
【請求項11】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記無線電力コイルの中心周りで90°以下の回転倍数で前記整列磁石と接合できるように構成されている、請求項9に記載の無線電力デバイス。
【請求項12】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記無線電力コイルの中心周りで45°以下の回転倍数で前記整列磁石と接合できるように構成されている、請求項11に記載の無線電力デバイス。
【請求項13】
前記無線電力回路が、前記無線電力コイルに交流信号を供給するように構成されたインバータ回路を備え、かつ、前記無線電力コイルからの交流信号を整流するように構成された整流回路を備える、請求項9に記載の無線電力デバイス。
【請求項14】
前記外部機器が複数の追加の整列磁石を備え、前記整列磁石が前記追加の整列磁石と接合するように構成され、前記追加の整列磁石が追加の整列磁極を有し、前記追加の整列磁極が追加の整列磁極位置に位置し、前記追加の整列磁極位置が、ある追加の軸について鏡映対称性を呈し、所与の追加の整列磁極位置における各前記追加の整列磁極が、前記追加の軸について鏡映された、前記所与の前記追加の整列磁極位置に対応する追加の整列磁極位置に位置する前記追加の整列磁極の磁極性とは反対の磁極性を有する、請求項9に記載の無線電力デバイス。
【請求項15】
前記無線電力コイルが中心を有し、前記外部機器コイルが前記無線電力コイルと整列する前記中心周りにおいて前記外部機器と前記ハウジングとの間の個別の回転配向の有限集合のみを許容するように前記整列磁石が構成されている、請求項10に記載の無線電力デバイス。
【請求項16】
前記外部機器がセルラー電話機を含み、前記ハウジングがセルラー電話機ハウジングを含む、請求項15に記載の無線電力デバイス。
【請求項17】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記無線電力コイルの中心周りで22.5°の回転倍数で前記整列磁石と接合できるように構成されている、請求項16に記載の無線電力デバイス。
【請求項18】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記無線電力コイルの中心周りで90°の回転倍数で前記整列磁石と接合できるように構成されている、請求項16に記載の無線電力デバイス。
【請求項19】
所与のモデルの無線電力デバイスであって、同じ所与のモデルの外部デバイスと背中合わせに接合されている間に前記外部デバイスから無線電力を受信するように構成されており、
無線電力回路と、
背面及び前面を有するハウジングと、
前記背面において、前記背面に前記外部デバイスのハウジング背面が面する背中合わせの構成で前記外部デバイスを前記ハウジングに整列させるように構成された磁力式整列構造と、
を備える、無線電力デバイス。
【請求項20】
前記無線電力回路がコイルを備え、前記ハウジングがセルラー電話機ハウジングを備え、前記外部デバイスがセルラー電話機を備え、前記磁力式整列構造が、無線電力が前記コイルによって受信されている間、前記セルラー電話機ハウジングを前記外部デバイスの前記ハウジング背面に対して引き付けるように構成されている、請求項19に記載の無線電力デバイス。
【請求項21】
前記無線電力回路が、前記コイルに交流信号を供給するように構成されたインバータ回路を備え、かつ、前記コイルからの交流信号を整流するように構成された整流回路を備える、請求項20に記載の無線電力デバイス。
【請求項22】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記コイルの中心周りで22.5°の角回転倍数で前記セルラー電話機ハウジングと背中合わせに接合できるように構成されている、請求項21に記載の無線電力デバイス。
【請求項23】
所与のモデルのポータブル電子デバイスとともに動作可能な無線充電パックであって、
両側の第1及び第2の側部を有するハウジングと、
少なくとも1つのコイルを含む無線電力回路であって、前記第1及び第2の側部を介して無線電力信号を送信するように構成された、無線電力回路と、
前記所与のモデルの前記ポータブル電子デバイスのうち第1のものと前記第1の側部上で接合しながら、同時に前記所与のモデルの前記ポータブル電子デバイスのうち第2のものと前記第2の側部上で接合するように構成された、整列磁石からなる円環と、
を備える、無線充電パック。
【請求項24】
前記整列磁石からなる円環が、前記第1の側部の面法線に平行な磁極軸を各々が有する複数の磁石を備える、請求項23に記載の無線充電パック。
【請求項25】
前記ポータブル電子デバイスのうちの前記第1のものが前記中心周りで90°以下の角回転倍数で前記ハウジングと接合できるように、かつ、
前記ポータブル電子デバイスのうちの前記第2のものが前記中心周りで90°以下の角回転倍数で前記ハウジングと接合できるように、
前記整列磁石が構成されている、請求項24に記載の無線電力デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、電力システムに関し、より具体的には、電子デバイスを充電するための無線電力システムに関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、2022年2月11日に出願された米国特許出願第17/669,929号、及び2021年3月26日に出願された米国仮特許出願第63/166,771号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
無線充電システムでは、無線送電デバイスが無線受電デバイスに電力を無線送信する。無線送電デバイスと無線受電デバイスとを整列させるために、磁石が使用され得る。
【0003】
動作中、無線送電デバイスは、無線送電コイルを使用して無線電力信号を無線受電デバイスに送信する。無線受電デバイスは、コイルと整流回路とを有する。無線受電デバイスのコイルは、無線送電デバイスから交流無線電力信号を受信する。整流回路は、受信した信号を直流電力に変換する。
【発明の概要】
【0004】
電力は電子デバイス間にて無線で送信され得る。セルラー電話機、無線充電パック、及び他の機器などのデバイスは、無線電力コイルを有し得る。インバータ回路及び整流回路などの無線電力回路が、そのデバイスに含まれてもよい。あるデバイスでは、インバータ回路と、インバータ回路から交流信号を受信するコイルとを使用して無線電力信号を送信してもよい。相手デバイス内のコイルによって受信された無線電力信号は、そのデバイスの整流回路を使用することにより整流されて、直流電力が生成されてもよい。
電力を送信するデバイス内のコイルと受信するデバイス内のコイルとを、磁力で整列させることができる。
【0005】
無線で電力を送信するデバイス内のコイルを、それに重なる、無線で電力を受信するデバイス内のコイルに整列させることによって、適切な動作が確保され得る。
【0006】
第1のデバイスと第2のデバイスとを、それらのデバイスのコイル間の電力伝送のために磁力で整列させて吸着させるために、第1のデバイス及び第2のデバイスは、それぞれの相手方の複数の整列磁石を備えてもよい。整列磁石は、円環などのパターンで構成されてもよい。
【0007】
デバイスは、軸線によって二等分された、整列磁石からなる円環を有してもよい。軸線の一方の側の磁石は極を有してもよく、それらの位置は、軸線の反対側の、逆の磁極性をもつ対応する極の鏡映である。この構成によって、第1のデバイスを、同じモデル又はタイプの第2のデバイスに背中合わせに磁力で整列させて吸着させられるようになる。背中合わせの接合を許容することにより、デバイスは、ピアデバイスから無線電力を送信及び/又は受信し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による、例示的な無線電力システムの概略図である。
【
図2】一実施形態による、無線電力伝送のための背中合わせの構成にある例示的な第1の電子デバイス及び第2の電子デバイスの斜視図である。
【
図7】一実施形態による、無線電力伝送のための背中合わせの構成にある例示的な第1の電子デバイス及び第2の電子デバイスの側断面図である。
【
図8】複数の実施形態による、例示的な整列磁石の構成の上面図である。
【
図9】複数の実施形態による、例示的な整列磁石の構成の上面図である。
【
図10】複数の実施形態による、例示的な整列磁石の構成の上面図である。
【
図11】複数の実施形態による、例示的な整列磁石の構成の上面図である。
【
図12】複数の実施形態による、例示的な整列磁石の構成の上面図である。
【
図13】一実施形態による、無線電力伝送のための背中合わせの構成にある、電子デバイスを接合するための例示的な整列磁石の側断面図である。
【
図14】一実施形態による、両面充電パックの両側に結合された同じタイプの第1のデバイス及び第2のデバイスなどの、磁力で整列された3つの無線電力デバイスの積層体の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
無線電力システムには、腕時計、セルラー電話機、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、取り外し可能なバッテリケース、電子デバイスアクセサリ、無線充電マット、無線充電パック、及び/又は他の電子機器などの電子デバイスが含まれる。これらの電子デバイスは無線電力回路を有する。例えば、電子デバイスは無線電力コイルを有してもよい。いくつかのデバイスは、無線電力コイルを使用して無線電力信号を送信する。他のデバイスは、送信された無線電力信号を、無線電力コイルを使用して受信する。所望であれば、無線電力システム内のデバイスのうちのいくつかは、無線信号を送信する能力と無線信号を受信する能力との両方を有してもよい。セルラー電話機又は他のポータブル電子デバイスは、一例として、充電パック又は他の無線送信デバイスから無線電力信号を受信するために使用され得る、また、別の無線電力デバイス(例えば別のセルラー電話機)に無線電力を送信するためにも使用され得る、コイルを有してもよい。無線電力信号を送信及び/又は受信するために使用される1つ以上の無線電力コイルを有するデバイスは、無線電力デバイスと呼ばれ得る。送電能力を有するデバイスは、ときには無線送電デバイス又は無線電力デバイスと呼ばれ得る。受電能力を有するデバイスは、ときには無線受電デバイス又は無線電力デバイスと呼ばれ得る。
【0010】
図1に、2つ以上の無線電力デバイスを含む無線電力システムを示す。
図1に示すように、無線電力システム8は、無線電力デバイス10を含んでもよい。システム8内の各無線電力デバイスは、電源14、制御回路16、電力回路18、入出力デバイス24、及び整列磁石26などの1つ以上の構成要素を収容するハウジング28を含んでもよい。ハウジング28は、ポリマー、金属、ガラス、セラミック、他の材料、又はこれらの材料の組み合わせから形成されてもよい。
【0011】
電源14には、デバイス10の回路に電力を供給するために、壁電源(商用電力)を交流電源から直流電力に変換する交流-直流電力アダプタが含まれてもよく、かつ/又はバッテリなどの直流電力源が含まれてもよい。所望であれば、バッテリを有するデバイスを、無線送電デバイスから無線電力信号を受信することによって無線で充電することができる。
【0012】
システム8の各デバイス10内の制御回路16は、システム8の動作の制御において使用される。この制御回路は、マイクロプロセッサ、電力管理ユニット、ベースバンドプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、及び/又は処理回路を有する特定用途向け集積回路に関連する処理回路を含んでもよい。処理回路は、所望の制御及び通信の機能をデバイス10内で実施する。例えば、処理回路は、ユーザ入力の処理、デバイス10間のネゴシエーションの処理、インバンド及びアウトオブバンドのデータの送受信、測定の実行、電力損失の推定、電力伝送レベルの決定、並びに、システム8の動作のその他の制御において使用されてもよい。
【0013】
システム8内の制御回路16は、ハードウェア(例えば、専用のハードウェア又は回路)、ファームウェア及び/又はソフトウェアを使用して、システム8内で動作を実行するように構成されていてもよい。システム8内で動作を実行するためのソフトウェアコード、及び他のデータは、制御回路8内の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、有形のコンピュータ可読記憶媒体)に記憶される。ソフトウェアコードは、ソフトウェア、データ、プログラム命令、命令、又はコードと称されることがあり得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(Non-Volatile Random-Access Memory、NVRAM)などの不揮発性メモリ、1つ以上のハードドライブ(例えば、磁気ドライブ又はソリッドステートドライブ)、1つ以上の着脱可能フラッシュドライブ、又は他の着脱可能媒体などを含むことができる。非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェアは、制御回路16の処理回路において実行されてもよい。処理回路は、処理回路を備える特定用途向け集積回路、1つ以上のマイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、又は他の処理回路を含んでもよい。
【0014】
デバイス10は電力回路18を使用して、無線電力を送信し、かつ/又は受信する。各デバイスの電力回路は、1つ以上のコイル22を含む。本明細書には、ときには、デバイス10が単一のコイルを有する構成が一例として記載されることがある。
【0015】
各デバイス内の電力回路は、1つ以上のコイル22に結合された回路20などのインバータ及び/又は整流回路を含む。無線電力を送信するよう所望される場合、第1のデバイス内のインバータ(例えば回路20内のインバータ)を使用して、そのインバータに結合されたコイル22に交流(AC)電流信号を送り込む。そのAC電流信号は、任意の好適な周波数を有してもよい(例えば、100~250kHzなど)。AC電流が第1のデバイス内のコイル22を通過すると、交流電磁場(例えば磁場)(無線電力信号30)が生成されて、第2のデバイス内の対応するコイル22によって受信され、それにより、関連するAC信号が第2のデバイス内で誘導される。これらのAC信号は第2のデバイス内で、第2のデバイスの回路20内の整流器を使用して整流される。整流器の整流された出力は、第2のデバイスの回路に給電する働きをする(例えば、内部構成要素を動作させるため、内部バッテリを充電するためなど)。
【0016】
システム10の各デバイス10は、任意選択の入出力デバイス24を含んでもよい。入出力デバイス24には、ユーザ入力を収集し、かつ/又は環境測定を行う入力デバイスが含まれてもよく、また、ユーザに出力を提供する出力デバイスが含まれてもよい。例として、入出力デバイス24には、視覚出力を生成するディスプレイ、出力をオーディオ信号として提供するスピーカ、状態情報及び/若しくは他の情報をユーザに提供する、発光ダイオード状態インジケータライト及び他の光を発する発光構成要素、振動及び他の触覚出力を生成する触覚デバイス、並びに/又は他の出力デバイスが含まれてもよい。入出力デバイス24にはまた、ユーザからの入力を収集し、かつ/又はシステム8の周囲環境の測定を行うセンサが含まれてもよい。入出力デバイス24に含まれてもよい例示的なセンサとしては、三次元センサ(例えば、光ビームを放射し、二次元デジタル画像センサを使用して、標的が光ビームによって照射されると生成される光スポットから三次元画像のための画像データを収集する、構造化光センサなどの三次元画像センサ、双眼撮像構成で2つ以上のカメラを使用して三次元画像を収集する双眼三次元画像センサ、三次元ライダー(光検出及び測距)センサ、三次元高周波センサ、又は三次元画像データを収集する他のセンサ)、カメラ(例えば、対応する赤外線及び/若しくは可視デジタル画像センサを有する赤外線及び/若しくは可視カメラ、並びに/又は紫外光カメラ)、視線追跡センサ(例えば、画像センサに基づく視線追跡システム、及び、所望であれば、ユーザの眼から反射した後に画像センサを使用して追跡される1つ以上の光ビームを放射する光源)、タッチセンサ、ボタン、容量性近接センサ、赤外線近接センサなどの光ベースの(光学)近接センサ、他の近接センサ、力センサ、スイッチに基づく接触センサなどのセンサ、ガスセンサ、圧力センサ、湿度センサ、磁気センサ、オーディオセンサ(マイクロフォン)、周囲光センサ、スペクトル測定及び標的オブジェクトに関する他の測定を(例えば、光を放射し、反射光を測定することによって)行うための光学センサ、音声コマンド及び他のオーディオ入力を収集するためのマイクロフォン、距離センサ、動き、位置、及び/若しくは向きに関する情報を収集するように構成された動き、位置、及び/若しくは向きセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、及び/又はこれらのセンサの全て若しくはこれらのセンサのうちの1つ若しくは2つのサブセットを含む慣性測定ユニット)、ボタン押圧入力を検出するボタンなどのセンサ、ジョイスティック移動を検出するセンサを有するジョイスティック、キーボード、並びに/又は他のセンサが挙げられる。各デバイス10では、デバイス24のうちの一部又は全部が省略されてもよく、あるいはデバイス24のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0017】
システム8内のデバイス10は整列磁石26を有し、一対のデバイス10が容易に互いに対して磁力で吸着して整列できるようになる。例えば、各デバイス10は磁石26を有してもよく、これらの磁石は、デバイス10を別のデバイスに整列させて、それぞれのデバイス内のコイルが重なり合い、無線電力伝送のために配置されるようにするために役立つ。コイルの整列のために磁石26を使用することにより、デバイス間で電力を十分に伝送することができる。
【0018】
デバイス10は、インバンド通信又はアウトオブバンド通信を使用して無線で通信することができる。例えば、デバイス10は、無線アウトオブバンド信号を、アンテナを使用して送受信する無線送受信機回路を有してもよい。デバイス10間のインバンド送信を、コイル22を使用して行ってもよい。1つの例示的な構成では、周波数シフトキーイング(FSK)を使用して無線送電デバイスから無線受電デバイスへインバンドデータを搬送し、振幅シフトキーイング(ASK)を使用して受信デバイスから送信デバイスへインバンドデータを搬送する。これらのFSK送信及びASK送信の間に、デバイス間にて無線で電力が伝送されてもよい。
【0019】
デバイス10は、無線電力伝送を制御するために、受信された電力、バッテリ充電状態、格納されたデータ、測定結果などの情報を通信できることが望ましい。ただし、上述した技術が機能するために、個人特定可能な情報の送信を伴う必要はない。慎重を期して、この充電技術の実装形態が個人特定可能な情報の使用を伴うことがある限り、実装者は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たすか、それを上回ると一般に認識されているプライバシーポリシー及び慣行に従うべきであることを強調しておく。特に、個人特定可能な情報データは、意図されない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0020】
同じタイプの2つのデバイス(例えば、同じモデルの第1のセルラー電話機と第2のセルラー電話機)の間で電力を伝送することが所望されることがある。各デバイスは、デバイスのハウジング内に搭載されたコイルを有してもよい。コイルは、ハウジングの後壁(背壁)に隣接して搭載されてもよく、後壁を通して無線信号を送受信するように構成されていてもよい。後壁は、ある例示的な構成では、ガラス又はポリマーなどの誘電体から形成されていてもよい。第1のデバイスと第2のデバイスとの間で電力を伝送することが所望されるとき、第2のデバイスは、
図2に示すタイプの背中合わせの構成で第1のデバイスの上に置かれてもよい。
図2の例に示すように、第1の電子デバイス10Aは、前面(前部)FAと、その反対側の後面(後部又は背部)RAとを有する。第2の電子デバイス10Bは、
図2の向きで第1の電子デバイス10Aの上に載っており、前面(前部)FBを有し、また、反対側の後面(後部又は背部)RBを有する。デバイス10A及び10Bがそれぞれのコイルを整列させるために背中合わせに置かれているとき、後面RA及びRBは、
図2に示すように互いに面する。後面RA及びRBは、例えば、デバイス10A及び10Bが接合されるときに互いに接触してもよい。
【0021】
図3は、デバイスの前面から見た、電子デバイス整列磁石の上面(前面)図である。
図3に示すように、磁石26Cの各々が、N極(N)及び横方向に隣接するS極(S)を有し、中心40の周りに円環状に構成されている。
図3及び他の図面のN(北極を表す)及びS(南極を表す)の指示は、例示である。本記載の全体を通して、これらの指示は一般性を失うことなく逆転することができる(例えば、どのような所与の実施形態においても、SをNと交換することができ、逆もまた同様である)ことが理解される。
【0022】
図4は、
図3の磁石26Cの、
図3の線42に沿ってとられた側断面図を方向44に見たものである。
図4の内向きの水平矢印及び他の図面の同様の矢印は、磁極性の方向を示すために使用される。
図5は、整列磁石26Cを有する充電パックの上面(前面)図である。
図6は、
図5の磁石26Cの、
図5の線46に沿ってとられた側断面図を方向48に見たものである。
図6に示すように、充電パックは垂直の磁石26Cを有してもよく、各磁石は、第2の反対極の上に垂直に積み重ねられた第1の極を有する。これにより、磁石26Cからの磁束が垂直に配向される。フェライト50は、磁石26Cの底部で磁束をとどめるために役立つ。
【0023】
図3、
図4、
図5、及び
図6の構成では、整列磁石は、中心40の周りの回転によって本質的に変化することはない磁極パターンを呈する。充電パックの整列磁石は、中心40を中心とする南(S)磁極性の複数の極を有する外側円環と、北(N)磁極性の複数の極を有する同心の内側円環とを形成する(例えば、
図5参照)。磁石が中心40の周りをどれだけ回転するかにかかわらず、外側円環はS極性を保持し、内側円環はN極性を保持する。電子デバイスの磁石はこれと類似した回転対称の複数の磁極を有するが、極性は逆である。
図3に示すように、電子デバイスの磁石26Cは、中心40を中心とする北(N)磁極性の外側円環と、南(S)磁極性の同心の内側円環とを有する(例えば、
図3参照)。したがって、電子デバイスが充電パックの上に置かれると、
図3の電子デバイスの磁石は、
図5の対応する充電パックの磁石と接合する(例えば、
図3の各N極は
図5の対応するS極と整列されて引き付けられ、
図3の各S極は
図5の対応するN極と整列されて引き付けられる)。
【0024】
図3、
図4、
図5、及び
図6の構成では、電子デバイスは充電パックとは接合できるが、
図3に示すタイプの磁石を備えた第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとは互いに接合することはできない。その理由は、磁石26Cを整列しようとして第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとが背中合わせに置かれると、第1の電子デバイスのN極からなる外側円環が、第2の電子デバイスのN極からなる対応する外側円環をはね返すからである。第1のデバイスのS極と第2のデバイスのS極もまた、重なり合うと互いに反発する。その結果、これらの整列磁石を使用して、ピアデバイス間の無線充電のための整列及び吸着の機能を実行することは不可能である。
【0025】
図7を参照すると、システム8のデバイス10は、一対のデバイス10が背中合わせに(コイル22の中心周りの、デバイス10の少なくともいくつかの回転配向で)置かれたときに互いに引き付け合う磁石を使用することによって、この課題を克服してもよい。
図7に示すように、デバイス10Aは、
図7に示すようにデバイス10Aの背面RAがデバイス10Bの背面RBに面した状態でデバイス10A及び10Bが配向されているときでも対応する磁石26B(例えば磁石からなる円環)を引き付ける、磁石26A(例えば磁石からなる円環)を有してもよい。これにより、デバイス10Aの整列磁石がデバイス10Bの対応する整列磁石を整列させて引き付けて、デバイス10Bの無線電力コイル22Bがデバイス10Aの無線電力コイル22Aと整列されて電磁的に結合できるようになる。
【0026】
デバイス10内の整列磁石間で背中合わせの整列及び引き付けができるように、デバイス10は、円環の極が円環の周りの距離の関数として変化する(例えば、円環の周りの距離の関数として交互に替わり、したがって、円環の中心周りの角度位置又は角度の関数として交互に替わる極)、磁石からなる円環を有してもよい。
図8は、デバイス10Bの前面図(前面FBの図)である。
図9は、デバイス10Aの後面図(後面RAの図)である。デバイス10Aと10Bとの間で無線電力を伝送することが望まれるとき、デバイス10Aは、
図7に示すように、前面を下にしてテーブル又は他の表面に置かれてもよい。次いで、デバイス10Bは、
図7に示すように、前面を上にしてデバイス10Aの上に積まれてもよい。この構成では、デバイス10Aの磁気円環の中心52とデバイス10Bの磁気円環の中心52とが整列される。
【0027】
図8に示すように、整列磁石26は、交互に替わる複数の磁極からなる外側円環と、複数の磁極からなる同心の内側円環とを含む円環状に形成される。各磁石26の磁軸は、例示的な軸(極性方向)53によって示すように、中心52を通る。磁極の位置は、軸51について鏡映対称性である。軸51は、セルラー電話機のハウジングがそれに沿って縦長に延在する、長手方向軸と一致してもよい(一例として)。
図8に示すように、軸51は、コイル22及び、磁石26からなる円環(及びデバイス10のハウジング)を二等分してもよく、したがって、二等分軸と呼ばれることもある。磁石26は、軸51に対して鏡映対称性(鏡面対称性と呼ばれることもある)を呈する極位置に位置する、複数の極を有する。軸51について鏡映された極の磁極性は、互いに反対である。例えば、軸51の左側の所与の極位置では、磁極はN磁極性を有してもよい。この場合、軸51の右側の所与の極位置の鏡映に、S磁極性を有する磁極が存在する。
【0028】
このタイプの磁気構成では、デバイス10Aとデバイス10Bとが背中合わせの構成で置かれたとき、デバイス10Aの磁石26の外側円環のN極は、デバイス10Bの磁石26の対応する外側円環のS極と整列され、それらを引き付ける。デバイス10Aの磁石26の外側円環のS極は、デバイス10Aの外側円環のN極と交互になっており、同様に、デバイス10Bの対応する外側円環のN極を引き付ける。その理由は、デバイス10の外側円環内の磁極の磁極性が、外側円環に沿って交互に替わるからである。デバイス10A及び10B内の、磁極からなる内側円環も同様に、互いに接合してもよい。
【0029】
所望であれば、接合中に、デバイス10A及び10Bを中心52の周りで回転させてもよい。中心52の周りのデバイス10Aの磁石とデバイス10Bの磁石との間の相対的角度方向のどれもが、デバイス10Aの磁極がデバイス10Bの対向する磁極と整列されるという結果を生むわけではない。デバイス10Aの磁石とデバイス10Bの磁石とが互いに引き付け合うことのできる、異なった回転配向の数は、磁石円環の円周の周りの異なった磁極の数に関連する。
図8及び
図9の例では、磁石の極性は、磁石円環の円周の周りで交互に16回替わり(例えば、複数の極からなる外側円環は交互になった16のN/S極を有し、内側円環は、交互になった16のS/N極を有する)、デバイス10A及び10Bは、中心52の周りで互いに対して22.5°回転するたびに互いを引き付けることができる(一例として)。
【0030】
磁極が磁石円環の円周の周りに構成されるピッチが粗いほど、接合する配向の数は少なくなり、磁極が磁石円環の円周の周りに構成されるピッチが細かいほど、第1のデバイスの整列磁石と第2のデバイスの整列磁石とが互いに引き付け合う潜在的な配向が多くなり得る。
図10(
図7のデバイス10B内の磁石26の前面図)及び
図11(
図7のデバイス10A内の磁石26の後面図)の例示的な例では、磁石26は粗めのピッチを有する(例えば、磁石からなる円環の極性は、円環の円周の周りで4回しか変化しない)。このタイプの構成では、背中合わせの一対のデバイスは90°の回転倍数で互いに接合できる。一般に、磁石円環には、任意の好適な極パターンを使用してもよい(例えば、90°以下の回転倍数又は他の好適な回転倍数が可能になるように)。
【0031】
磁石26の磁極は、中心52を通る二等分軸(例えば、
図8及び
図9のY軸に平行に延びる軸51)について鏡映対称性である極場所と、軸51について鏡映されたときに逆になる磁極性とによって特徴付けられるので、ある特定のモデルのデバイスが同じモデルの別のデバイスに磁力で整列する能力が生じる。その結果、デバイス10のうちの所与の1つが上向きになっているときに所与の極性を有する整列磁石の極場所は、その所与のデバイス(又は整列磁石のパターンが同じである別のデバイス)が下向きになっているときは、反対の極性を有することになる。
【0032】
図12は、コイル22の外側の周りに正方形に極が構成された整列磁石26をデバイス10が有する、例示的な構成である。磁石26(例えば、Z軸に平行に延びる極性方向を有する垂直磁石であってもよい)は、軸51について鏡面対称性を呈する複数の極を有してもよい。この構成では、左上のN極の極性は右上のその鏡像極(S)の極性と反対であり、左下のS極の極性は右下のその鏡像極(N)の極性と反対である。その結果、一対のデバイス内の磁石26は、デバイスが無線電力伝送のために背中合わせに置かれたときに互いに引き付け合い、また、180°の回転が斟酌される。所望であれば、他の構成を使用してもよい(例えば、90°回転を斟酌するために、交互になった8つの極からなる円環を有する構成)。例えば、単一の水平磁石(又は磁石の列)が、磁石のN極が軸51の左側にあり、磁石のS極が軸51の右側にあるようにして、軸51をまたいでもよい。鏡面対称性を呈し、また、背中合わせの構成で使用される際に許容される回転整列の数量を変化させることのできる、磁石26の他のパターンを有する構成を、所望であれば使用してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、コイル22は、整列磁石からなる円環と同心であってもよい(例えば、
図8の磁石26からなる円環の、円環形状をした内側縁部内に入れ子になった
図8のコイル22を参照)。
図12に示すタイプの構成では、コイル22は、4つの磁石26のセットに囲まれてもよい。
【0034】
図8、
図9、
図10及び
図11の例では、磁石26は水平に配向されている(対向するN極とS極とがX-Y平面内にある)。このタイプの水平磁石では、NS極配向(例えば、各磁石のNS磁極軸又は極性方向53)は、X-Y平面(例えば、デバイス10のハウジングの平坦な後部表面の平面に平行な平面)内にあり、デバイス10の前面及び後面の表面法線(例えば、
図7のデバイス10Aの後面RAの表面法線nを参照)に垂直である。
【0035】
所望であれば、整列磁石26に垂直磁石を使用してもよい。例えば、磁石26は、垂直軸(Z軸)に平行な磁軸を有する磁石を含んでもよい。磁石は、鏡映軸(例えば、
図8の軸51などの二等分軸)についての鏡映対称性によって特徴付けられる極位置を有してもよく、二等分軸の両側で反対になっている磁極性によって特徴付けられてもよい。このタイプの垂直磁石構成を
図13に示し、デバイス10A及び10Bが互いに背中合わせに置かれたときに、この垂直磁石構成によって、デバイス10Aなどの1つのデバイス内の磁石26が、デバイス10Bなどの別のデバイス内の対応する磁石26を引き付け、整列させる様子が明示されている。所望であれば、磁石26を通して磁束を方向付けるのを助けるために、フェライト64の層がデバイス10に含まれてもよい。
【0036】
このタイプの垂直磁石パターンを
図14に示す。
図14に示すように、磁石の極性方向は、中央のデバイス10Cの外部ハウジング表面T及びLの表面法線に平行である。
図14の整列磁石パターンを使用して、中央の無線電力デバイス10C(例えば、両面充電パック)を背中合わせの無線電力デバイス10A及び10B(例えば、セルラー電話機、腕時計、又は他のポータブル電子デバイス)と積み重ねることができるようにしてもよい。この例の各ポータブルデバイス(10A、10B)は、
図8、
図9、
図10、及び
図11に関連して説明したとおりに極が配向された水平整列磁石26からなる円環を有することができる(一例として)。デバイス10A及び10B内で水平磁石(X-Y平面に平行な磁軸を有する磁石)を使用することは、磁石の占める高さ(Z寸法)の量を低減するのに役立ち得る。
【0037】
図14の両面無線電力デバイス10Cでは、整列磁石26の垂直配向によって、デバイス10Cの一方の側がデバイス10A内の磁石26を引き付け、それに整列することができ、同時に、デバイス10Cの別の側がデバイス10B内の磁石26を引き付け、それに整列することができる。デバイス10A及び10Bは、同じタイプの2つの異なるデバイス(例えば、同じモデルのセルラー電話機の2つのデバイス)であってもよいし、かつ/又は同じパターンの磁石26を有する他のデバイスであってもよい。
【0038】
所望であれば、これらのポータブルデバイスのいずれかを、デバイス10Cの両側の2つの表面T及びBのどちらかに吸着させてもよい。例えば、デバイス10Aを、デバイス10Aの後面RAがデバイス10Cの上部表面Tに面するようにしてデバイス10Cに磁力で吸着させてもよく、又は(上下反転された場合)、後面RAがデバイス10Cの下部表面Lに面するようにしてデバイス10Cに吸着させてもよい。どちらの場所でも、デバイス10Cの反対側は占有されていなくてもよく、又は、別のデバイス10を受容してもよい。デバイス10C内のインバータ回路を使用して、デバイス10C内の1つ以上のコイル22を通して信号を送り込み、それによって無線電力信号30を生成し、その信号を、上部表面T及び/又は下部表面L上に整列及び接合された任意のデバイス10のコイルによって受信することによって、無線充電が実行されてもよい。
【0039】
一実施形態によれば、外部機器コイルを有する外部機器と対になるように構成された無線電力デバイスであって、ハウジングと、無線電力コイルと、外部機器コイルを無線電力コイルに整列させるように構成された複数の整列磁石であって、整列磁石の極が極位置に位置し、極位置が、ある軸について鏡映対称性を呈し、所与の極位置における各極が、その軸について鏡映された、その所与の極位置に対応する極位置に位置する極の磁極性とは反対の磁極性を有する、整列磁石と、を含む、無線電力デバイスが提供される。
【0040】
別の実施形態によれば、無線電力デバイスは前部及び後部を有し、整列磁石は、後部において無線電力コイルに外部機器コイルを整列させるように構成される。
【0041】
別の実施形態によれば、後部は平面内にあり、軸はその平面に平行である。
【0042】
別の実施形態によれば、軸は、ハウジングがそれに沿って縦長に延在する長手方向軸を含む。
【0043】
別の実施形態によれば、ハウジングはセルラー電話機ハウジングを含み、外部機器コイルは追加の無線電力コイルを含む。
【0044】
別の実施形態によれば、整列磁石の各々が、平面内にあるN極及びS極を有する。
【0045】
別の実施形態によれば、整列磁石は、中心を囲む円環状に構成されている。
【0046】
別の実施形態によれば、円環内の各整列磁石は、中心を通るそれぞれの磁軸を有する。
【0047】
別の実施形態によれば、整列磁石からなる円環は、外側円環であって、外側円環の中心周りの角度の関数として交互に替わる複数の極からなる外側円環を有し、かつ、その中心周りの角度の関数として交互に替わる複数の極からなる内側円環を有する。
【0048】
別の実施形態によれば、ハウジングは、所与のモデルのデバイスの電子デバイスハウジングを含み、外部機器は、その同じ所与のモデルのデバイスである。
【0049】
別の実施形態によれば、整列磁石は、外部機器が、無線電力コイルの中心周りで90°以下の回転倍数で整列磁石と接合できるように構成される。
【0050】
別の実施形態によれば、整列磁石は、外部機器が、無線電力コイルの中心周りで45°以下の回転倍数で整列磁石と接合できるように構成される。
【0051】
別の実施形態によれば、無線電力回路は、無線電力コイルに交流信号を供給するように構成されたインバータ回路を含み、かつ、無線電力コイルからの交流信号を整流するように構成された整流回路を含む。
【0052】
別の実施形態によれば、外部機器は複数の追加の整列磁石を含み、整列磁石は追加の整列磁石と接合するように構成され、追加の整列磁石は追加の整列磁極を有し、追加の整列磁極は追加の整列磁極位置に位置し、追加の整列磁極位置は、ある追加軸について鏡映対称性を呈し、所与の追加の整列磁極位置における各追加の整列磁極は、その追加軸について鏡映された、その所与の追加の整列磁極位置に対応する追加の整列磁極位置に位置する追加の整列磁極の磁極性とは反対の磁極性を有する。
【0053】
別の実施形態によれば、無線電力コイルは中心を有し、整列磁石は、外部機器コイルがそこで無線電力コイルと整列する中心周りにおいて、外部機器とハウジングとの間の個別の回転配向の有限集合のみを許容するように構成される。
【0054】
別の実施形態によれば、外部機器はセルラー電話機を含み、ハウジングはセルラー電話機ハウジングを含む。
【0055】
別の実施形態によれば、整列磁石は、外部機器が無線電力コイルの中心周りで22.5°の回転倍数で整列磁石と接合できるように構成される。
【0056】
別の実施形態によれば、整列磁石は、外部機器が無線電力コイルの中心周りで90°の回転倍数で整列磁石と接合できるように構成される。
【0057】
一実施形態によれば、所与のモデルの無線電力デバイスであって、その同じ所与のモデルの外部デバイスと背中合わせに接合されている間にその外部デバイスから無線電力を受信するように構成された無線電力デバイスが提供され、無線電力回路と、背面及び前面を有するハウジングと、その背面において、その背面に外部デバイスのハウジング背面が面する背中合わせの構成で外部デバイスをハウジングに整列させるように構成された、磁力式整列構造と、を含む。
【0058】
別の実施形態によれば、無線電力回路はコイルを含み、ハウジングはセルラー電話機ハウジングを含み、外部デバイスはセルラー電話機を含み、磁力式整列構造は、無線電力がコイルによって受信されている間、セルラー電話機ハウジングを外部デバイスのハウジング背面に対して引き付けるように構成される。
【0059】
別の実施形態によれば、無線電力回路は、コイルに交流信号を供給するように構成されたインバータ回路を含み、また、コイルからの交流信号を整流するように構成された整流回路を含む。
【0060】
別の実施形態によれば、整列磁石は、外部機器がコイルの中心周りで22.5°の角回転倍数でセルラー電話機ハウジングと背中合わせに接合できるように構成される。
【0061】
一実施形態によれば、所与のモデルのポータブル電子デバイスとともに動作可能な無線充電パックが提供され、両側の第1及び第2の側部を有するハウジングと、少なくとも1つのコイルを含む無線電力回路であって、第1及び第2の側部を通して無線電力信号を送信するように構成された、無線電力回路と、所与のモデルのポータブル電子デバイスのうちの第1のものと第1の側部上で接合しながら、同時に所与のモデルのポータブル電子デバイスのうちの第2のものと第2の側部上で接合するように構成された、整列磁石からなる円環と、を含む。
【0062】
別の実施形態によれば、整列磁石からなる円環は、第1の側部の面法線に平行な磁極軸を各々が有する複数の磁石を含む。
【0063】
別の実施形態によれば、整列磁石は、第1のポータブル電子デバイスが中心周りで90°以下の角回転倍数でハウジングと接合できるように、かつ、第2のポータブル電子デバイスが中心周りで90°以下の角回転倍数でハウジングと接合できるように構成される。
【0064】
上記は、単に例示に過ぎず、様々な修正を記載の実施形態に行ってもよい。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器コイルを有する外部機器と対になるように構成された無線電力デバイスであって、
ハウジングと、
無線電力コイルを含む無線電力回路と、
前記外部機器コイルを前記無線電力コイルに整列させるように構成された複数の整列磁石であって、前記整列磁石の極が極位置に位置し、前記極位置が、ある軸について鏡映対称性を呈し、所与の極位置における各極が、前記軸について鏡映された前記所与の極位置に対応する極位置に位置する極の磁極性とは反対の磁極性を有し、前記整列磁石が、中心を囲む円環状に構成され、前記円環内の各整列磁石が、前記中心を通るそれぞれの磁軸を有する、整列磁石と、
を備える、無線電力デバイス。
【請求項2】
前記無線電力デバイスが前部及び後部を有し、前記整列磁石が、前記後部において前記無線電力コイルに前記外部機器コイルを整列させるように構成されている、請求項1に記載の無線電力デバイス。
【請求項3】
前記後部が平面内にあり、前記軸が前記平面に平行である、請求項2に記載の無線電力デバイス。
【請求項4】
前記軸が、前記ハウジングがそれに沿って縦長に延在する長手方向軸を含む、請求項3に記載の無線電力デバイス。
【請求項5】
前記ハウジングがセルラー電話機ハウジングを含み、前記外部機器コイルが追加の無線電力コイルを含む、請求項4に記載の無線電力デバイス。
【請求項6】
前記整列磁石の各々が、前記平面内にあるN極及びS極を有する、請求項3に記載の無線電力デバイス。
【請求項7】
前記整列磁石からなる円環が、外側円環であって、前記外側円環の中心周りの角度の関数として交互に替わる複数の極からなる外側円環を有し、かつ、前記中心周りの角度の関数として交互に替わる複数の極からなる内側円環を有する、請求項6に記載の無線電力デバイス。
【請求項8】
前記ハウジングが所与のモデルのデバイスの電子デバイスハウジングを備え、前記外部機器が同じ所与のモデルのデバイスである、請求項7に記載の無線電力デバイス。
【請求項9】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記無線電力コイルの中心周りで90°以下の回転倍数で前記整列磁石と接合できるように構成されている、請求項7に記載の無線電力デバイス。
【請求項10】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記無線電力コイルの中心周りで45°以下の回転倍数で前記整列磁石と接合できるように構成されている、請求項9に記載の無線電力デバイス。
【請求項11】
前記無線電力回路が、前記無線電力コイルに交流信号を供給するように構成されたインバータ回路を備え、かつ、前記無線電力コイルからの交流信号を整流するように構成された整流回路を備える、請求項7に記載の無線電力デバイス。
【請求項12】
前記外部機器が複数の追加の整列磁石を備え、前記整列磁石が前記追加の整列磁石と接合するように構成され、前記追加の整列磁石が追加の整列磁極を有し、前記追加の整列磁極が追加の整列磁極位置に位置し、前記追加の整列磁極位置が、ある追加の軸について鏡映対称性を呈し、所与の追加の整列磁極位置における各追加の整列磁極が、前記追加の整列磁極位置について鏡映された、前記所与の追加の整列磁極位置に対応する追加の整列磁極位置に位置する前記追加の磁極の磁極性と反対の磁極性を有する、請求項7に記載の無線電力デバイス。
【請求項13】
前記無線電力コイルが中心を有し、前記外部機器コイルが前記無線電力コイルと整列する前記中心周りにおいて前記外部機器と前記ハウジングとの間の個別の回転配向の有限集合のみを許容するように前記整列磁石が構成されている、請求項8に記載の無線電力デバイス。
【請求項14】
前記外部機器がセルラー電話機を含み、前記ハウジングがセルラー電話機ハウジングを含む、請求項13に記載の無線電力デバイス。
【請求項15】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記無線電力コイルの中心周りで22.5°の回転倍数で前記整列磁石と接合できるように構成されている、請求項14に記載の無線電力デバイス。
【請求項16】
前記整列磁石が、前記外部機器が前記無線電力コイルの中心周りで90°の回転倍数で前記整列磁石と接合できるように構成されている、請求項14に記載の無線電力デバイス。
【請求項17】
所与のモデルの無線電力デバイスであって、同じ所与のモデルの外部デバイスと背中合わせに接合されている間に前記外部デバイスから無線電力を受信するように構成されており、
無線電力回路と、
背面及び前面を有するハウジングと、
前記背面において、前記背面に前記外部デバイスのハウジング背面が面する背中合わせの構成で前記外部デバイスを前記ハウジングに整列させるように構成された磁力式整列構造であって、中心を囲む円環上に構成された複数の整列磁石を備え、前記円環内の各前記整列磁石が、前記中心を通るそれぞれの磁軸を有する、磁力式整列構造と、
を備える、無線電力デバイス。
【請求項18】
前記無線電力回路がコイルを備え、前記ハウジングがセルラー電話機ハウジングを備え、前記外部デバイスがセルラー電話機を備え、前記磁力式整列構造が、無線電力が前記コイルによって受信されている間、前記セルラー電話機ハウジングを前記外部デバイスの前記ハウジング背面に対して引き付けるように構成されており、
前記無線電力回路が、前記コイルに交流信号を供給するように構成されたインバータ回路を備え、かつ、前記コイルからの交流信号を整流するように構成された整流回路を備え、
前記整列磁石が、前記外部機器が前記コイルの中心周りで22.5°の角回転倍数で前記セルラー電話機ハウジングと背中合わせに接合できるように構成されている、請求項17に記載の無線電力デバイス。
【請求項19】
所与のモデルのポータブル電子デバイスとともに動作可能な無線充電パックであって、
両側の第1及び第2の側部を有するハウジングと、
少なくとも1つのコイルを含む無線電力回路であって、前記第1及び第2の側部を介して無線電力信号を送信するように構成された、無線電力回路と、
前記所与のモデルの前記ポータブル電子デバイスのうちの第1のものと前記第1の側部上で接合しながら、同時に前記所与のモデルの前記ポータブル電子デバイスのうちの第2のものと前記第2の側部上で接合するように構成された整列磁石からなる円環と、
を備える、無線充電パック。
【請求項20】
前記整列磁石からなる円環が、前記第1の側部の面法線に平行な磁極軸を各々が有する複数の磁石を備え、
前記整列磁石が、
前記ポータブル電子デバイスのうちの前記第1のものが前記中心周りで90°以下の角回転倍数で前記ハウジングと接合できるように、かつ、
前記ポータブル電子デバイスのうちの前記第2のものが、前記中心周りで90°以下の角回転倍数で前記ハウジングと接合できるように構成されている、請求項19に記載の無線充電パック。
【国際調査報告】