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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】収納領域
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/005 20060101AFI20240312BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20240312BHJP
   B60N 2/22 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B60N2/005
B60N2/06
B60N2/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558283
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 US2022021973
(87)【国際公開番号】W WO2022212207
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/170,131
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ, フィリップ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダウル, ジェームズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アイザックソン, ペール ジー.
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA02
3B087BB01
3B087BC17
3B087BD03
3B087BD17
3B087DE10
(57)【要約】
本体は、区分室を画定する。底部及び背部は、区分室内に配置され、第1の構成と第2の構成との間で再構成可能である。底部は、その下に収納領域を画定する。底部及び背部は、本体に結合されて支持される。第2の構成に対する第1の構成において、底部は、区分室の中央部分に向かって配置され、背部は、中央部分から離れるように枢動される。収納領域は、区分室の中央部分からアクセス可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用車両であって、
車室を画定する車両本体であって、床部を有する、車両本体と、
直立構成とリクライニング構成との間で再構成可能な座席底部及び座席背部を有する座席と、を備え、
前記座席が、前記座席底部が前記床部の上方に間隔をあけて配置されて、それらの間に座席下容積を画定するように、前記車室内に配置されており、
前記座席が、前記床部から独立して前記車両本体に結合されて支持され、
前記直立構成に対する前記リクライニング構成において、前記座席底部が、前記車室の中央部分に向かって配置され、前記座席背部が、前記中央部分から離れるように枢動され、
前記座席下容積が、前記車室の前記中央部分からアクセス可能である、乗用車両。
【請求項2】
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記座席から前記床部に伝達される全ての力が、前記車両本体の前記左側部、前記右側部、前記前側部、又は前記後側部のうちの1つ以上を通って前記床部に伝達され、
前記座席下容積が、前記床部と前記座席底部との間で遮られずに垂直に延び、
前記座席下容積が、前記座席底部の全幅にわたって、前記床部と前記座席底部との間で遮られずに垂直に延び、
前記座席を前記直立構成と前記リクライニング構成との間で再構成することにより、前記座席背部が前記中央部分から離れるように枢動するのと同時に、前記座席底部を前記車室の前記中央部分に向かって移動させ、
前記床部が、前記車室を画定するとともに前記座席底部の垂直下方に配置された前記車両本体の任意の部分を含む、
請求項1に記載の乗用車両。
【請求項3】
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記座席から前記床部に伝達される全ての力が、前記車両本体の前記左側部、前記右側部、前記前側部、又は前記後側部のうちの1つ以上を通って前記床部に伝達される、
請求項1に記載の乗用車両。
【請求項4】
前記座席が、前記座席から前記床部に伝達される前記力が前記後側部を通って伝達されるように、前記床部から独立して前記後側部に結合される、請求項3に記載の乗用車両。
【請求項5】
前記座席下容積が、前記床部と前記座席底部との間で遮られずに垂直に延びる、請求項1に記載の乗用車両。
【請求項6】
前記座席下容積が、前記座席底部の内側部と外側部との間の中間点において、前記床部から前記座席底部まで遮られずに延びる少なくとも20センチメートルの高さを有する、請求項5に記載の乗用車両。
【請求項7】
前記座席下容積が、前記座席底部の全幅にわたって、前記床部と前記座席底部との間で遮られずに垂直に延びる、請求項6に記載の乗用車両。
【請求項8】
前記座席底部が変位機構を含み、前記変位機構によって、前記座席底部が前記直立構成と前記リクライニング構成との間で移動され、かつ前記座席が前記車両本体に結合されて支持され、前記座席下容積の前記高さが前記床部から前記変位機構まで遮られずに延びる、請求項6に記載の乗用車両。
【請求項9】
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記座席下容積が、前記車両本体の前記左側部と前記右側部との間で遮られずに延びる、
請求項5に記載の乗用車両。
【請求項10】
前記座席に横方向に隣接して配置されて、前記座席下容積を更に画定する、別の座席を更に備える、請求項9に記載の乗用車両。
【請求項11】
前記座席を前記直立構成と前記リクライニング構成との間で再構成することにより、前記座席背部が前記中央部分から離れるように枢動するのと同時に、前記座席底部を前記車室の前記中央部分に向かって移動させる、請求項1に記載の乗用車両。
【請求項12】
前記床部が、前記車室を画定するとともに前記座席底部の垂直下方に配置される、前記車両本体の任意の部分を含む、請求項1に記載の乗用車両。
【請求項13】
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記左側部、前記右側部、前記前側部、又は前記後側部のうちの1つ以上が、前記床部から上方に延びる直立構造体である、
請求項12に記載の乗用車両。
【請求項14】
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記座席が、前記車室を、前記車室の外側からアクセス可能な収納室、又は前記乗用車両のバッテリ、モータ、ギアボックス、若しくは駆動システムのコントローラのうちの1つ以上を収容する車両システム室のうちの1つ以上から分離する前記前側部又は前記後側部のうちの1つに結合されて支持される、
請求項1に記載の乗用車両。
【請求項15】
前記座席が、前記座席底部と前記座席背部の上端部との間にある前記座席に隣接する位置まで延びる前記車両本体の直立構造体に結合されて支持される、請求項1に記載の乗用車両。
【請求項16】
乗用車両用の座席であって、
座席底部であって、第1の底部構成と、前記座席底部が前記第1の底部構成に対して前方に配置された第2の底部構成との間で移動可能な、座席底部と、
座席背部であって、第1の背部位置と、前記座席背部が前記第1の背部位置に対して後方に傾けられている第2の背部位置との間で移動可能な、座席背部と、
前記座席背部が前記座席底部に対して枢動可能である、底部枢動軸と、
前記座席を、前記乗用車両の直立構造体に、指示されるために結合し、前記座席底部を前記第1の底部構成と前記第2の底部構成との間で選択的に移動させ、かつ前記座席背部を前記第1の背部位置と前記第2の背部位置との間で移動させる、ように構成された、移動及び支持システムと、を備える、座席。
【請求項17】
前記移動及び支持システムが、
前記座席背部を前記第1の背部位置及び前記第2の背部位置に選択的に維持する、角度機構と、
前記座席底部を前記第1の底部構成及び前記第2の底部構成に選択的に維持する変位機構であって、前記座席底部を前記乗用車両の床部の上方に支持するために、前記乗用車両の直立構造体に結合可能である、変位機構と、
を含む、請求項16に記載の座席。
【請求項18】
前記移動及び支持システムが、前記座席背部上の固定位置に結合されて、前記乗用車両の前記直立構造体上の固定位置に枢動可能に結合するように構成された、上部枢動軸を更に含み、
前記角度機構が、前記座席背部を前記第1の背部位置及び前記第2の背部位置に選択的に維持するために、前記座席底部と前記座席背部との間でトルクを選択的に伝達し、
前記変位機構がリンケージとリニアアクチュエータとを含み、前記リンケージが、一端において前記座席底部に、かつ他端において前記リニアアクチュエータに枢動可能に結合され、前記リニアアクチュエータが、前記リンケージの前記他端を前記直立構造体に沿って移動させて、前記座席底部を前記第1の底部構成と前記第2の底部構成との間で移動させるように構成されている、
請求項17に記載の座席。
【請求項19】
前記変位機構が、前記直立構造体に結合可能なトラックと、前記座席底部に結合されて、前記トラックに沿って摺動可能なキャリッジとを含み、
前記角度機構が、前記座席背部に、前記座席背部上の固定位置で枢動可能に結合され、かつ前記キャリッジに、前記キャリッジ上の別の固定位置で枢動可能に結合される、リンケージを含み、前記リンケージが、前記座席背部を前記第1の背部位置及び前記第2の背部位置に選択的に維持するように選択的に伸長可能である、
請求項17に記載の座席。
【請求項20】
乗用車両用の座席であって、
座席底部と、
座席背部と、
前記座席背部が前記座席底部に枢動可能に結合される、底部枢動軸と、
前記座席背部が車両本体の直立構造体に枢動可能に結合可能な上部枢動軸であって、前記座席背部上の固定位置にある、上部枢動軸と、
前記座席底部と前記座席背部との間で力を選択的に伝達して、前記座席背部を、第1の背部位置と、前記座席背部と前記座席底部との間の角度が前記第1の背部位置よりも大きい第2の背部位置との各々において選択的に維持する、角度機構と、
前記車両の直立構造体に結合されて、前記座席底部を、第1の底部位置と、前記座席底部が前記第1の底部位置よりも前記直立構造体から離れている第2の底部位置との各々において選択的に維持するように構成される、変位機構と、を備える、座席。
【請求項21】
前記変位機構がリンケージとリニアアクチュエータとを含み、前記リンケージが、その第1の端部において前記座席底部に、かつその第2の端部において前記リニアアクチュエータに枢動可能に結合される、剛性の細長い構造体であり、前記リニアアクチュエータが、前記車両本体の前記直立構造体に結合し、前記リンケージの前記第2の端部を前記直立構造体に沿って選択的に移動させて、前記座席底部を、第1の底部位置と、前記座席底部が前記第1の底部位置よりも前記直立構造体から離れている第2の底部位置との各々において選択的に維持するように構成されている、請求項20に記載の座席。
【請求項22】
前記変位機構がトラックとキャリッジとを含み、前記トラックが、前記座席底部を前記車両本体の床部の上方に支持するために前記車両本体の前記直立構造体に固定的に結合可能であり、前記キャリッジが、前記座席底部に固定的に結合されて、前記座席底部を、第1の底部位置と、前記座席底部が前記第1の底部位置よりも前記直立構造体から更に離れるように変位された第2の底部位置とに選択的に維持するために前記トラックに沿って選択的に摺動可能である、請求項20に記載の座席。
【請求項23】
前記角度機構が、前記座席背部上の固定位置における前記上部枢動軸と前記キャリッジとの間に延びて、前記上部枢動軸に枢動可能に結合された伸長可能なリンケージを含み、前記伸長可能なリンケージが、前記座席底部及び前記座席背部を、前記第1の背部位置と前記第2の背部位置との各々において選択的に維持するように選択的に伸長可能である、請求項20に記載の座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年4月2日出願の米国特許仮出願第63/170,131号の利益を主張するものであり、この出願の内容は、その開示全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、座席に関し、特に、乗用車両の座席及び座席を有する乗用車両に関する。
【背景技術】
【0003】
乗用車両の座席は、その上に乗員を支持する。座席は、乗員に快適さを提供するために、及び/又は着席位置を変更するために調整可能である場合があり、例えば、前後位置、高さ、座席底部角度、及び/又は座席背部角度が調整可能である。しかしながら、より大きな調節可能性を有する座席は、座席自体の動き、並びに座席及びその機構の増大したサイズとの両方を考慮すると、車室内により大きな空間を必要とする。その結果、車室内部の空間は、乗員の所持品(例えば、手荷物又は荷物)を受容し、収納し、及び/又は輸送するなどの他の目的のために利用可能でない、又は専用ではない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示されるのは、座席及び座席を有する乗用車両の実装形態である。
【0005】
一実装形態では、本体は、互いに結合され、協働して区分室を画定する、下側部、左側部、右側部、前側部、及び後側部を含む。底部及び背部は、区分室内に配置され、第1の構成と第2の構成との間で再構成可能である。底部は、その下に収納領域を画定する。底部及び背部は、下側部から独立して本体に結合されて支持される。第2の構成に対する第1の構成において、底部は、区分室の中央部分に向かって配置され、背部は、中央部分から離れるように枢動される。収納領域は、区分室の中央部分からアクセス可能である。
【0006】
一実装形態では、乗用車両は、車両本体と座席とを含む。車両本体は、互いに結合され、協働して車室を画定する構造体である、床部、左側部、右側部、前側部、及び後側部を含む。座席は、直立構成とリクライニング構成との間で再構成可能な、座席底部及び座席背部を含む。座席は車室内に配置され、座席底部が床部の上方に間隔をあけて配置されて、それらの間に座席下容積を画定する。座席は、床部とは独立して、車両本体に結合されて支持される。直立構成に対するリクライニング構成では、座席底部は、車室の中央に向かって配置され、座席背部は、中央部分から離れるように枢動される。座席下容積は、車室の中央部分からアクセス可能である。
【0007】
一実装態様では、乗用車両用の座席は、座席底部と、座席背部と、底部枢動軸と、移動及び支持システムと、を含む。座席底部は、第1の底部構成と、座席底部が第1の底部構成に対して前方に配置された第2の底部構成との間で移動可能である。座席背部は、第1の背部位置と、座席背部が第1の背部位置に対して後方に傾けられている第2の背部位置との間で移動可能である。底部枢動軸は枢動を提供し、そのことで座席背部を座席底部に対して枢動可能になる。移動及び支持システムは、座席を乗用車両の直立構造体に結合してそれによって支持されるように、座席底部を第1の底部構成と第2の底部構成との間で選択的に移動させるように、及び座席背部を第1の背部位置と第2の背部位置との間で移動させるように、構成されている。
【0008】
一実装形態では、乗用車両用の座席は、座席底部と、座席背部と、底部枢動軸と、上部枢動軸と、角度機構と、変位機構と、を含む。底部枢動軸は、座席背部を座席底部に枢動可能に結合する枢動軸である。上部枢動軸は、座席背部を車両本体の直立構造体に枢動可能に結合する枢動であり、上部枢動軸は、座席背部上の固定位置にある。角度機構は、座席底部と座席背部との間で力を選択的に伝達し、座席背部を、第1の背部位置と、座席背部と座席底部との間の角度が第1の背部位置よりも大きい第2の背部位置との各々において選択的に維持する。変位機構は、リンケージとリニアアクチュエータとを含む。リンケージは、その第1の端部において座席底部に、及びその第2の端部においてリニアアクチュエータに枢動可能に結合された、剛性の細長い構造体である。リニアアクチュエータは、車両本体の直立構造体に結合し、リンケージの第2の端部を直立構造体に沿って選択的に移動させて、座席底部を、第1の底部位置と、座席底部が第1の底部位置よりも直立構造体から離れている第2の底部位置との各々において選択的に維持するように構成されている。
【0009】
一実装形態では、乗用車両用の座席は、座席底部と、座席背部と、変位機構と、角度機構と、を含む。座席背部は、底部枢動軸において座席底部に枢動可能に結合されている。変位機構は、トラックとキャリッジとを含む。トラックは、車両本体の床部の上方で座席底部を支持するために車両本体の直立構造体に固定的に結合可能である。キャリッジは、座席底部に固定的に結合され、トラックに沿って選択的に摺動可能であり、座席底部を、第1の底部位置と、座席底部が第1の底部位置よりも直立構造体から更に離れるように変位された第2の底部位置とにおいて選択的に維持する。角度機構は、座席背部上の固定位置にある上部枢動軸とキャリッジとの間に延び、上部枢動軸に枢動可能に結合された伸長可能なリンケージを含む。伸縮可能なリンケージは、座席底部及び座席背部を、第1の背部位置と、座席背部と座席底部との間の角度が第1の背部位置よりも大きい第2の背部位置との各々において選択的に維持するように、選択的に伸縮可能である。
【0010】
一実装態様では、乗用車両用の座席は、座席底部と、座席背部と、座席背部を座席底部に枢動可能に結合する底部枢動軸と、座席背部を車両本体の直立構造体に枢動可能に結合する上部枢動軸と、を含み、上部枢動軸は、座席背部上の固定位置にある。座席はまた、座席底部と座席背部との間で力を選択的に伝達して、座席背部を、第1の背部位置と、座席背部と座席底部との間の角度が第1の背部位置よりも大きい第2の背部位置との各々において選択的に維持する角度機構と、車両の直立構造体に結合され、座席底部を、第1の底部位置と、座席底部が第1の底部位置よりも直立構造体から離れている第2の底部位置との各々において選択的に維持するように構成された、変位機構と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】乗用車両の上面図である。
【0012】
図2図1の線2-2に沿って切り取られた乗用車両の断面図である。
【0013】
図3】第1の構成における座席を示す、図1の線3-3に沿って切り取られた乗用車両の部分断面図である。
【0014】
図4】第2の構成における座席を示す、図1の線4-4に沿って切り取られた乗用車両の部分断面図である。
【0015】
図5】乗用車両の概略図である。
【0016】
図6】乗用車両の制御システムについての例示的なハードウェア構成の概略図である。
【0017】
図7】概略的に示された座席の移動及び支持システムを有する座席を備えた乗用車両の部分断面図である。
【0018】
図8】座席が第1の構成にあり、移動及び支持システムの第1の実施形態を有する、乗用車両の部分断面図である。
【0019】
図9】座席が第1の構成にあり、移動及び支持システムの第1の実施形態を有する、乗用車両の部分断面図である。
【0020】
図10】座席が第1の構成にあり、移動及び支持システムの第2の実施形態を有する、乗用車両の部分断面図である。
【0021】
図11】座席が第1の構成にあり、移動及び支持システムの第2の実施形態を有する、乗用車両の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下で更に詳細に説明するように、車両は、ユーザに快適さを提供するためにリクライニングするとともに、乗員が自分の所持品又は他の物体を置くための空間を車室内に提供もする(例えば、保つ)ように構成された、1つ以上の座席を含むことができる。
【0023】
図1図4を参照すると、車両100は、車室130を画定する車両本体110と、車室130内に配置された1つ以上の座席150と、を含む。車両本体110は、概して、それらの間に車室130を画定するように互いに結合された、床部112と、天井部114と、左側部116と、右側部118と、前側部120と、後側部122と、を含む。床部112及び天井部114は、互いに直立方向に間隔をあけて配置されている。左側部116及び右側部118は、車内車外方向に互いに間隔をあけて配置された直立構造体であり、各々が、床部112から天井部114まで直立して延び、前側部120から後側部122まで前後に延びている。左側部116及び右側部118は、車室130を車両100の外部環境から分離する構造体であってもよい。前側部120及び後側部122は、直立構造体であり、前後方向に互いから間隔をあけて配置されており、各々が、床部112から天井部114に向かって直立して延び、左側部116から右側部118まで車内車外方向に延びている。前側部120及び/又は後側部122は、座席150に隣接する領域において、座席150の高さの一部のみ(例えば、以下で更に詳細に説明するように、座席底部160と座席背部170の上部との間)で上方に延びてもよい。前側部120及び後側部122は、車室130を車両100の外部環境から分離する構造体であってもよく、また、車室130を、車室130の外側にある車両システム室126から、及び/又は車両100の他の区分室、例えば、車室130の外側からアクセス可能な収納室(例えば、トランク若しくはフランク)又は車両100の駆動システムの構成要素が配置される車両システム室若しくは他の領域(例えば、後述するモータ、ギアボックス、バッテリ、及び/又はコントローラ)から、更に分離してもよい。車両本体110はまた、本体と呼ばれ得る。床部112及び天井部114はまた、それぞれ、下側部及び上側部と呼ばれ得る。左側部116、右側部118、前側部120、及び後側部122はまた、直立側部又は構造体と呼ばれ得る。車両本体110の様々な側部及び/又は構造体はまた、互いから区別するために、数字(例えば、第1、第2、第3など)で識別されてもよい。車室130はまた、区分室と呼ばれ得る。
【0024】
天井部114、左側部116、右側部118、前側部120、及び後側部122の各々は、下にある構造体を視界から隠して、車室130の内側面を形成するカバー(例えば、トリムパネル)を含んでもよい。天井部114、左側部116、右側部118、前側部120、及び後側部122の各々は、乗員が車室130から車両100の物理的環境を見るための窓(ラベル付けせず)を含んでもよい。左側部116及び/又は右側部118は、車室130からの乗員の出入りを可能にする開口部(図示せず)と、開口部を選択的に開閉する可動ドア(図示せず)とを更に含んでもよい。
【0025】
図5を参照すると、車両100は、車両100の環境を(例えば、道路に沿って目的地まで)通るために車両本体110に動作可能に結合された、駆動システム512と、制動システム514と、操舵システム516と、制御システム518とを更に含んでもよい。駆動システム512は、例えば、モータと、モータを動作させるための電気エネルギーを貯蔵するバッテリと、モータによって回転されて車両100を道路に沿って推進させる車輪と、を含む。上述したように、モータ、バッテリ、及び/又はギアボックスなどの駆動システムの構成要素は、車両システム室126内に収納されてもよく、又は他の方法で(例えば、車両100の通常動作中に乗員が物理的にアクセスできないように)車室130の外部に収納されてもよい。制動システム514は、例えば、車輪の回転を遅くする摩擦ブレーキ(例えば、ロータ及びブレーキキャリパ)を含む。操舵システム516は、例えば、道路に沿って車両100を操舵する(すなわち、横方向を変更する)ために車輪を枢動させるようにモータによって動作されるラックアンドピニオン操舵ラックを含む。制御システム518は、例えば、物理的環境を通るように駆動システム512、制動システム514、及び操舵システム516を動作させるための、コントローラ518a及びセンサ518bを含む。センサ518bは、物理的環境の様々な状態(例えば、道路、車両などの障害物、歩行者、及び/若しくは環境内の物体の位置並びに/又は状態)を感知する。コントローラ518aは、センサ518b(例えば、それによって感知された状態)に従って駆動システム512、制動システム514、及び操舵システム516を動作させて、環境を通り、その中の障害物をナビゲートする。車両100は、制御システム518が車両100の他のシステムを動作させて、車両100の乗員(例えば、運転者)による直接制御とは実質的に独立して環境を通る自律車両であってもよい。例えば、制御システム518は、乗員から目的地入力を受け、次いで物理的環境を通って目的地に到達するように、駆動システム512、制動システム514、及び操舵システム516を制御することができる。車両100が自律車両である場合、車両100は、依然として手動入力(例えば、スロットルペダル、ブレーキペダル、及び操舵車輪)を含んでもよく、それによって、人間の運転者は、駆動システム512、制動システム514、及び/又は操舵システム516のうちの1つ以上を直接制御するための入力を提供することができる。
【0026】
図6を参照すると、コントローラ518aの例示的なハードウェア構成が示されている。コントローラ518aは、概して、プロセッサ618aと、メモリ618bと、記憶装置618cと、通信インターフェース618dと、コントローラ518aの他の構成要素が互いに通信するバス618eと、を含む。コントローラ518aは、本明細書で説明するような車両100の様々なシステムを動作させるための任意の好適なタイプのコンピューティングデバイスであってもよく、車両100の様々なデバイスに関連付けられた様々な他のコントローラを含むと考えられ得る。プロセッサ618aは、様々な入力に従って命令(たとえば、ソフトウェアコード)を実行することができる、中央処理ユニットなどの任意の好適な処理デバイスであってもよい。メモリ618bは、ランダムアクセスメモリなどの短期揮発性記憶デバイスである。記憶装置618cは、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブなどの、プロセッサ618aによって実行及び/若しくは使用される命令並びに他の情報を記憶することができる、長期不揮発性記憶デバイスである。通信インターフェース618dは、コントローラ518aから送信された命令及び/又はセンサ518bから受信された情報などの、コントローラ518aからの情報を送受信することができる。
【0027】
再び図1図4を参照すると、車両100は、車室130内に配置されて、その上に乗員を支持するように構成された、1つ以上の座席150を含む。1つ以上の座席150は、1つ以上の前部座席150f(例えば、図に示すように2つ)及び1つ以上の後部座席150r(例えば、図に示すように2つ)を含んでもよい。前部座席150fは、車両100の進行の前方(例えば、主)方向に対して後部座席150rの前方に配置され、一方、後部座席150rは、前部座席150fの後方に配置されている。図に示すように、前部座席150fは、乗員が通常は後方方向に面するように構成された後向き座席であってもよいが、代わりに、乗員が概ね前方方向に面するように構成された前向き座席であってもよい。後部座席150rは、前向き座席である。
【0028】
座席150のうちの1つを参照すると、座席150は、概して、座席底部160と、座席背部170と、移動及び支持システム180と、を含む。座席底部160は、その上に着席した乗員を支持するように構成され、例えば、フレーム構造体(例えば、座席パン)と、フレーム構造体を覆うクッション(例えば、発泡体若しくは他の圧縮性材料)と、発泡体及び/又はフレームを覆うカバー(例えば、布、革、又は他の可撓性座席材料)とを含んでもよい。座席底部160は、その内側部160iとその外側部160eとの間で前後方向に延びている。内側部160iは、車室130の中央部分に向かって配置された(例えば、面する)座席150の側部であり、一方、外側部160eは、車室130の中央部分から離れて配置された(例えば、離れて面する)座席150の側部である。前向きである座席150(例えば、図に示すように、後部座席150r)について、内側部160iは、その外側部160eの前方に配置され、一方、後向きである座席150(例えば、図に示すように、前部座席150f)について、内側部160iは、外側部160eの後方に配置されている。
【0029】
座席背部170は、座席底部160に対して上方に延び、それに対して乗員がもたれかかる(例えば、それに対して背中がもたれかかる)ように構成されている。座席底部160と同様に、座席背部170は、概して、フレーム構造体と、フレーム構造体を覆うクッションと、発泡体及び/又はフレーム構造体を覆うカバーと、を含む。座席背部170は、座席底部160の外側部160eに配置されている。
【0030】
移動及び支持システム180は、座席150がリクライニングするように構成されている。例えば、座席150は、第1の構成(例えば、直立構成)と第2の構成(例えば、リクライニング構成)との間で再構成するように構成されている。第2の構成において、座席背部170は、第1の構成に対してリクライニングされる(すなわち、座席底部160の内側部160iから離れるなど、座席底部160から離れるように枢動される)。例えば、座席背部170(例えば、そのフレーム構造体)は、第1の構成と第2の構成との間で少なくとも10、20、30度以上枢動するように構成されてもよい。第1の構成における座席背部170の構成は、第1又は直立位置(例えば、第1又は直立背部位置)と呼ばれてもよく、一方、第2の構成における座席背部170の構成は、第2又はリクライニング位置(例えば、第2又はリクライニング背部若しくは座席背部位置)と呼ばれてもよい。
【0031】
更に、第2の構成において、座席底部160は、第1の構成に対して内側に配置されてもよい。例えば、第2の構成において、座席底部160は、第1の構成に対して5、10センチメートルだけ、又はそれ以上、内側に(すなわち、前向き座席の場合は前方に、後向き座席の場合は後方に)配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の構成において、座席底部160は、第1の構成に対して上方に配置されてもよい。第1の構成における座席底部160の構成は、第1の位置又は後退位置と呼ばれてもよく、第2の構成における座席底部160の構成は、第2の位置又は伸長位置と呼ばれてもよい。
【0032】
座席底部160は、第1の構成及び第2の構成の各々において、床部112の上方に間隔をあけて配置されて、収納領域又は空間とも呼ばれ得る座席下容積124を画定する。座席下容積124は、乗員が座席150の内側部160iからアクセス可能であり、例えば、物体を配置又は収納するために使用される。座席下容積124は、車室130の外側からはアクセス不能であり、例えば、左側部116、右側部118、前側部120、又は後側部122を通って(例えば、車両100の外部環境から、及び/又は車室130に到達若しくは通過することなく)直接アクセス可能ではない。例えば、座席下容積124は、車室130内からのみアクセス可能であり得る。図に示すように、座席下容積124は、車室130に対して開いていてもよいが、座席下容積124を車室130の中央部分から(すなわち、前部座席150fと後部座席150rとの間から)物理的に分離するドア又は他の固定若しくは可動パーティションを含んでもよい。
【0033】
座席下容積124は、高さH、幅W、及び/又は深さDを有すると考えられ得る。座席下容積124は、高さH、幅W、及び/又は深さDの各々にわたって、座席150及び/又は車両本体110の構造体又は構成要素によって遮られていなくてもよく、その結果、乗員は、その下に所有物及び他の物体(例えば、手荷物、箱、食料品など)を置くことができる。
【0034】
座席下容積124の高さHは、床部112のカバー(例えば、上述のようなカーペット)を含み得る、床部112から座席底部160又はその下にある座席150の他の構造体(例えば、以下で更に詳細に説明する移動及び支持システム180の一部)までの、垂直方向及び/又は鉛直方向の距離である。座席下容積124の高さHは、座席150及び/又は車両本体110の他の構造体若しくは構成要素によって遮られていない。座席下容積124の高さHは、異なる位置において変化してもよい。座席下容積124の高さHは、例えば、最小で5、10、15、20センチメートル、又は他の好適な高さであってもよい。
【0035】
座席下容積124の幅Wは、車両本体110の左側部116と右側部118との間の車幅方向(例えば、左から右)の水平距離であり、その任意のトリムカバー(上記を参照)を含んでもよい。座席下容積124の幅Wは、座席150及び/又は車両本体110の他の構造体若しくは構成要素によって遮られていない。座席下容積124の幅Wは、異なる位置において変化してもよい。座席下容積124の幅Wは、例えば、100~200センチメートルであってもよい。
【0036】
座席下容積124の深さDは、座席底部160の内側部160iから外側部160eに向かって測定される前後方向(例えば、前方方向)の水平距離である。座席下容積124の深さDは、座席150及び/又は車両本体110の他の構造体又は構成要素によって遮られていない。座席下容積124の深さDは、異なる位置において変化してもよい。座席下容積124の深さDは、例えば、20、30、40、50、60センチメートル以上、又は外側の好適な深さであってもよい。座席下容積124の深さDは、代わりに又は加えて、座席底部160の内側部160iと外側部160eとの間で水平に測定された座席底部160の深さに対して画定されてもよい。例えば、座席下容積124の深さDは、座席底部160の全深さの75%、80%、85%、90%、又はそれ以上であってもよい。座席下容積124の深さDは、車両本体110の前側部120又は後側部122で終端してもよい。
【0037】
特定の例では、座席下容積124は、少なくとも15センチメートル(例えば、少なくとも20センチメートル)の高さH、少なくとも100センチメートル(例えば、少なくとも120センチメートル)の幅W、及び少なくとも30センチメートル(例えば、少なくとも40又は50センチメートル)の深さDを有する、座席150又は車両本体110によって遮られていない、線的な容積を含むことができる。
【0038】
座席下容積124は、例えば、左側部116と右側部118との間の車室130の全幅に及ぶ、150のうちの1つのみの下に画定されてもよい。あるいは、座席下容積124は、複数の座席150(例えば、車室130の幅にわたって互いに隣接して配置された2つ又は3つの座席)の下に画定されてもよい。
【0039】
遮られていない座席下容積124を提供するために、座席150のうちの1つ以上が車両本体110に結合され、床部112から独立して床部112の上方に支持される。例えば、床部112の上方に独立して支持されるために、座席150は、車両本体110の別の部分(例えば、左側部116、右側部118、前側部120、及び/又は後側部122)に結合されて支持されてもよく、それによって、座席150から床部112に伝達される全ての力が、車両本体110の他の部分によって伝達される。例えば、座席150は、床部112の上方で後側部122に結合されて支持されてもよく、一方、座席150から床部112に伝達される全ての力(もしあれば)は、後側部122を通って伝達される。車両100は、車室を画定する直立構造体の他に、そのような直立構造体を通って力を伝達することなく座席150から床部112に力を伝達するように機能する他の構造体を含まなくてもよい。
【0040】
1つ以上の座席150は、各々が床部の上方にある車両本体110の直立構造体のうちの1つ以上によって支持されてもよい。例えば、座席150は、左側部116、右側部118、前側部120、及び/又は後側部122の任意の好適な組み合わせを用いて、車両本体110に結合されて車両本体110によって支持されてもよい。例えば、座席150の各々は、前側部120又は後側部122に結合及び/若しくは支持されている又はされていない状態で、左側部116のみ、右側部118のみ、前側部120のみ、後側部122のみ、左側部116及び前側部120若しくは後側部122のいずれか、右側部118及び前側部120若しくは後側部122のいずれか、又は(例えば、車室130の幅にわたって延びている)左側部116及び右側部118に結合されて支持されてもよい。
【0041】
図7を参照すると、移動及び支持システム180は、座席150を車両本体110に結合させて支持し、かつ、座席下容積124を維持しながら、座席底部160及び座席背部170を車両本体110に対して及び互いに移動させることによって、座席150を第1の構成と第2の構成との間で再構成するように構成されている。
【0042】
図7に概略的に示すように、移動及び支持システム180は、概して、上部枢動軸782と、下部枢動軸784と、角度機構786と、変位機構788と、を含む。上部枢動軸782は、座席背部170の固定位置に配置され、別の構造体又は機構(例えば、車両本体110又は移動及び支持システム180)に枢動可能に結合されて、座席背部170がそれに対して枢動するように構成されている。下部枢動軸784は、座席底部160(例えば、その外側部160e)及び座席背部170(例えば、その底端部)の各々の固定位置に配置されて、座席底部160及び座席背部170が互いに対して枢動するように構成されている。角度機構786は、座席底部160及び/又は座席背部170の一方又は両方に結合され、座席底部160と座席背部170との間の角度を制御する(例えば、変更して選択的に維持する)ように構成されている。変位機構788は、車両本体110に対する座席底部160の位置を制御する(例えば、変更して選択的に維持する)ために、座席底部160又は座席背部170のうちの1つに結合されている。選択的動作は、例えば、乗員によって実行されてもよく、又は乗員によって開始されて制御システム518によって実行されてもよい。
【0043】
図8図9を参照すると、座席850は、座席150の変形例であり、概して、座席底部860と、座席背部870と、移動及び支持システム880と、を含む。座席底部860、座席背部870、並びに移動及び支持システム880の各々は、座席底部160、座席背部170、並びに移動及び支持システム180に関して、それぞれ概略的に上述した通りであり、かつ以下に更に詳細に説明する通りである。移動及び支持システム880は、概して、上部枢動軸882、下部枢動軸884、角度機構886、及び変位機構888を含み、これらは、上部枢動軸782、下部枢動軸784、角度機構786、及び変位機構788に関して、それぞれ概略的に上述したように、かつ以下に更に詳細に説明するように構成されている。
【0044】
座席850は、移動及び支持システム880によって、車両本体110の(図に示すように)前側部120又は後側部122のいずれかに結合されて支持される。
【0045】
上部枢動軸882は、座席背部870を車両本体110に、例えば、その後側部122(図に示すように)又は代替的に前側部120に枢動可能に結合する。上部枢動軸882は、座席背部870に、座席背部870上の固定位置で結合されている。上部枢動軸882は、座席背部870に、座席背部870上の固定位置で枢動可能に結合されている。上部枢動軸882は、座席背部870が、実質的に車幅方向(例えば、前方方向に対して垂直、例えば、その15度、10度、5度以下の範囲内)に延びる実質的に水平(例えば、15度、10度、5度以下の範囲内)な軸線を中心として車両本体110に対して枢動するように構成されている。上部枢動軸882はまた、車両本体110に対して座席背部870を支持するように構成されている。上部枢動軸882は、1つ以上のヒンジ又は他の枢動デバイス(例えば、リンケージ、摺動ジョイント、ボールジョイント)によって形成されてもよい。上部枢動軸882は、代わりに関節ジョイントによって形成されてもよく、その場合、座席背部は車両本体110に対して並進する。
【0046】
下側枢動軸884は、座席底部860を座席背部870に枢動可能に結合する。下部枢動軸884は、座席底部860に、座席底部860の外側部(例えば、前述の外側部160e)などの、座席底部860上の固定位置で結合されている。下部枢動軸884は、座席背部870に、その下端部などの、座席背部870上の固定位置で結合されている。下側枢動軸884は、座席背部870が、車幅方向(例えば、前方方向に対して垂直、例えば、その15度、10度、5度以下の範囲内)に実質的に延びる、実質的に水平(例えば、15度、10度、5度以下の範囲内)な軸線を中心として、座席底部860に対して枢動するように構成されている。下部枢動軸884は、座席850の左側部及び右側部上などに、1つ以上のヒンジ又は他の枢動軸デバイス(例えば、リンケージ、摺動ジョイント、ボールジョイント)によって形成されてもよい。下部枢動軸884の枢動軸線は、座席底部860又は座席背部870の一方を通って延び、その他方から間隔をあけて配置されてもよい。
【0047】
角度機構886は、座席底部860と座席背部870との間の角度を制御するように構成されている。図に示す例では、角度機構886は、座席底部860と座席背部870との間で力(例えば、トルク)を伝達する。例えば、角度機構886は、座席底部860から座席背部870にトルクを伝達することによって座席底部860上の乗員座席の重量を支持するように、十分な強度で構成されてもよい。角度機構886は概略的に示されており、座席背部870を第1の背部位置及び第2の背部位置の各々に維持するために座席底部860から座席背部870にトルクを選択的に伝達するのに好適な、任意の好適な機構であってもよい。角度機構886は、例えば、ロッキングギアシステム(例えば、従来のリクライニング機構などの、互いに選択的に係合されてそれらの間でトルクを伝達する、座席底部860及び座席背部870の各々に固定されたギア)、クラッチシステム、又は(例えば、電気モータと、電気モータによって回転されて座席底部860及び座席背部870の各々に結合されたギアとを有する)モータシステムであってもよい。角度機構886は、(例えば、制御システム518によって)電気的に動作されてもよく、又は手動で動作されてもよい。概略的に示すように、角度機構886は、下部枢動軸884と一体化され(例えば、単一機構として提供され)てもよい。
【0048】
変位機構888は、概して、リンケージ888aとリニアアクチュエータ888bとを含む。リンケージ888aは、実質的に剛性の細長い部材(例えば、ロッド)である。リンケージ888aの第1の端部は、座席底部860に、その外側部(例えば、上述したような外側部160e)で枢動可能に結合されている。リンケージ888aの第2の端部は、リニアアクチュエータ888bに枢動可能に結合されている。リニアアクチュエータ888bは、座席背部870の後ろにある車両本体110の直立構造体の1つ(例えば、図に示すように、前側部120又は後側部122)に結合されている。リニアアクチュエータ888bは、座席底部860を、第1の底部構成(例えば、直立座席構成)と第2の底部構成(例えば、リクライニング座席構成)との間で移動させて選択的に維持するように、車両本体110の直立構造体に沿ってリンケージの第2の端部を選択的に移動させるように構成されている。例えば、リニアアクチュエータ888bは、リンケージ888aの第2の端部を概ね後側部122に沿って下方に移動させるように選択的に動作されてもよく、これにより、次いで、リンケージ888aを概ね直立した向きと概ね水平な向きとの間で枢動させて、座席底部860を直立構造体(例えば後側部122)から離れるように押す。上部枢動軸882が座席背部870及び車両本体110に固定的に結合されて、下部枢動軸884が座席背部870及び座席底部860に固定的に結合されているため、下部枢動軸884、したがって座席底部860は、上部枢動軸882を中心として枢動し、それによって座席を床部112から離れるように上方に更に変位させることに留意されたい。
【0049】
リニアアクチュエータ888bは、電気モータによって動作されるボールねじアクチュエータ又はリードねじアクチュエータなど、任意の好適なアクチュエータであってもよい。リニアアクチュエータ888b及び角度機構886は、座席底部860と座席背部870との間の角度が、座席底部860が車両本体110の直立構造体から離れるように変位されるにつれて変化するように、同時に動作するように構成されてもよい。
【0050】
図10図11を参照すると、座席1050は座席150の変形例であり、概して、座席底部1060と、座席背部1070と、移動及び支持システム1080と、を含む。座席底部1060、座席背部1070、及び移動及び支持システム1080の各々は、座席底部160、座席背部170、及び移動及び支持システム180に関して、それぞれ概略的に上述した通りであり、かつ以下に更に詳細に説明する通りである。移動及び支持システム1080は、概して、上部枢動軸1082、下部枢動軸1084、角度機構1086、及び変位機構1088を含み、これらは、上部枢動軸782、下部枢動軸784、角度機構786、及び変位機構788に関して、それぞれ概略的に上述したように、かつ以下に更に詳細に説明するように構成されている。
【0051】
座席1050は、移動及び支持システム1080によって、車両本体110の(図に示すように)前側部120又は後側部122などの車両本体110の直立構造体に結合されて支持される。
【0052】
上部枢動軸1082は、以下で更に詳細に説明するように、座席背部1070を、座席背部1070上の固定位置で角度機構1086に枢動可能に結合する。
【0053】
下側枢動軸1084は、座席底部1060を、座席背部1070に枢動可能に結合する。下部枢動軸1084は、座席底部1060に、座席底部1060の外側部(例えば、前述の外側部160e)などの、座席底部1060上の固定位置で結合されている。下部枢動軸は、座席背部1070に、その下端部などの、座席背部1070上の固定位置で結合される。下側枢動軸1084は、座席背部1070が、車幅方向(例えば、前方方向に対して垂直、例えば、その15度、10度、5度以下の範囲内)に実質的に延びる、実質的に水平(例えば、15度、10度、5度以下の範囲内)な軸線を中心として座席底部1060に対して枢動するように構成されている。下部枢動軸1084は、座席1050の左側部及び右側部上などに、1つ以上のヒンジ又は他の枢動軸デバイス(例えば、リンケージ、摺動ジョイント、ボールジョイント)によって形成されてもよい。下部枢動軸1084の枢動軸線は、座席底部1060又は座席背部1070の一方を通って延び、その他方から間隔をあけて配置されてもよい。
【0054】
角度機構1086は、以下で更に詳細に説明するように、座席底部1060と座席背部1070との間の角度を制御するように構成されている。
【0055】
変位機構1088は、座席底部1060と車両本体110の直立構造体との間の変位を制御するように構成されている。図に示すように、変位機構1088は、概して、トラック1088aと、トラック1088aに沿って摺動又は並進するキャリッジ1088bとを含む。トラック1088aは、車両本体110の直立構造体(例えば、図に示すように後側部122、又は前側部120、左側部116、及び/又は右側部118)に固定的に結合されている。トラック1088aは、使用中に、座席1050及びその上にいる任意の乗員を床部112の上方で支持するのに十分な強度である。キャリッジ1088bは、座席底部1060に固定的に結合され、例えば、ローラ、ベアリング、及び/又はブッシングを使用して、トラック1088aに沿って前後方向に摺動可能である。変位機構1088は、ラチェットデバイスなどの任意の好適なデバイスを使用して、キャリッジ1088bをトラック1088a上の静止位置に選択的に維持するように更に構成されている。変位機構1088は、キャリッジ1088bをトラック1088aに沿って移動させる、ボールねじアクチュエータ、リードねじ、又は電気モータによって動作されるラックアンドピニオンなどの、アクチュエータ(図示せず)を更に含んでもよい。
【0056】
上部枢動軸1082及び角度機構1086を再び参照すると、角度機構は、上部枢動軸1082とキャリッジ1088bとの間に延びて、それらに枢動可能に結合された、伸長可能なリンケージ(例えば、シリンダ及びピストン、ボールねじ、又はリードねじ)として構成される。角度機構1086の伸長可能なリンケージの長さが選択的に変更されて維持されると、座席背部1070とキャリッジ1088bとの間の角度、ひいては座席底部1060が変更されて(例えば、第1の背部位置及び第2の背部位置に)維持される。例えば、図に示すように、図10の伸長構成から図11の収縮構成に変化すると、伸長可能なリンケージが短くなり、その結果、座席背部1070がリクライニングする。角度機構1086は、手動で動作されてもよく、又は伸長可能なリンケージを伸長及び後退させる(例えば、ボールねじ又はリードねじを動作させる)電気モータなどのアクチュエータを含んでもよい。
【0057】
変位機構1088及び角度機構1086は、座席底部1060が車両本体110の直立構造体から離れるように変位されるにつれて座席底部1060と座席背部1070との間の角度が変化するように、同時に動作するように構成されてもよい。例えば、変位機構及び角度機構1086のアクチュエータを同時に動作させてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用車両であって、
車室を画定する車両本体であって、床部を有する、車両本体と、
直立構成とリクライニング構成との間で再構成可能な座席底部及び座席背部を有する座席と、を備え、
前記座席が、前記座席底部が前記床部の上方に間隔をあけて配置されて、それらの間に座席下容積を画定するように、前記車室内に配置されており、
前記座席が、前記床部から独立して前記車両本体に結合されて支持され、
前記直立構成に対する前記リクライニング構成において、前記座席底部が、前記車室の中央部分に向かって配置され、前記座席背部が、前記中央部分から離れるように枢動され、
前記座席下容積が、前記車室の前記中央部分からアクセス可能である、乗用車両。
【請求項2】
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記座席から前記床部に伝達される全ての力が、前記車両本体の前記左側部、前記右側部、前記前側部、又は前記後側部のうちの1つ以上を通って前記床部に伝達され、
前記座席下容積が、前記床部と前記座席底部との間で遮られずに垂直に延び、
前記座席下容積が、前記座席底部の全幅にわたって、前記床部と前記座席底部との間で遮られずに垂直に延び、
前記座席を前記直立構成と前記リクライニング構成との間で再構成することにより、前記座席背部が前記中央部分から離れるように枢動するのと同時に、前記座席底部を前記車室の前記中央部分に向かって移動させ、
前記床部が、前記車室を画定するとともに前記座席底部の垂直下方に配置された前記車両本体の任意の部分を含む、
請求項1に記載の乗用車両。
【請求項3】
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記座席から前記床部に伝達される全ての力が、前記車両本体の前記左側部、前記右側部、前記前側部、又は前記後側部のうちの1つ以上を通って前記床部に伝達される、
請求項1に記載の乗用車両。
【請求項4】
前記座席が、前記座席から前記床部に伝達される前記力が前記後側部を通って伝達されるように、前記床部から独立して前記後側部に結合される、請求項3に記載の乗用車両。
【請求項5】
前記座席下容積が、前記床部と前記座席底部との間で遮られずに垂直に延びる、請求項1に記載の乗用車両。
【請求項6】
前記座席下容積が、前記座席底部の内側部と外側部との間の中間点において、前記床部から前記座席底部まで遮られずに延びる少なくとも20センチメートルの高さを有し、
前記座席下容積が、前記座席底部の全幅にわたって、前記床部と前記座席底部との間で遮られずに垂直に延びる、請求項5に記載の乗用車両。
【請求項7】
前記座席底部が変位機構を含み、前記変位機構によって、前記座席底部が前記直立構成と前記リクライニング構成との間で移動され、かつ前記座席が前記車両本体に結合されて支持され、前記座席下容積の前記高さが前記床部から前記変位機構まで遮られずに延びる、請求項6に記載の乗用車両。
【請求項8】
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記座席下容積が、前記車両本体の前記左側部と前記右側部との間で遮られずに延びる、
請求項5に記載の乗用車両。
【請求項9】
前記座席に横方向に隣接して配置されて、前記座席下容積を更に画定する、別の座席を更に備える、請求項8に記載の乗用車両。
【請求項10】
前記座席を前記直立構成と前記リクライニング構成との間で再構成することにより、前記座席背部が前記中央部分から離れるように枢動するのと同時に、前記座席底部を前記車室の前記中央部分に向かって移動させる、請求項1に記載の乗用車両。
【請求項11】
前記床部が、前記車室を画定するとともに前記座席底部の垂直下方に配置される、前記車両本体の任意の部分を含み、
前記車両本体が、互いにかつ前記床部に結合される、左側部、右側部、前側部、及び後側部を有し、
前記左側部、前記右側部、前記前側部、又は前記後側部のうちの1つ以上が、前記床部から上方に延びる直立構造体である、
請求項1に記載の乗用車両。
【請求項12】
前記座席が、前記座席底部と前記座席背部の上端部との間にある前記座席に隣接する位置まで延びる前記車両本体の直立構造体に結合されて支持される、請求項1に記載の乗用車両。
【請求項13】
乗用車両用の座席であって、
座席底部であって、第1の底部構成と、前記座席底部が前記第1の底部構成に対して前方に配置された第2の底部構成との間で移動可能な、座席底部と、
座席背部であって、第1の背部位置と、前記座席背部が前記第1の背部位置に対して後方に傾けられている第2の背部位置との間で移動可能な、座席背部と、
前記座席背部が前記座席底部に対して枢動可能である、底部枢動軸と、
前記座席を、前記乗用車両の直立構造体に、指示されるために結合し、前記座席底部を前記第1の底部構成と前記第2の底部構成との間で選択的に移動させ、かつ前記座席背部を前記第1の背部位置と前記第2の背部位置との間で移動させる、ように構成された、移動及び支持システムと、を備える、座席。
【請求項14】
前記移動及び支持システムが、
前記座席背部を前記第1の背部位置及び前記第2の背部位置に選択的に維持する、角度機構と、
前記座席底部を前記第1の底部構成及び前記第2の底部構成に選択的に維持する変位機構であって、前記座席底部を前記乗用車両の床部の上方に支持するために、前記乗用車両の直立構造体に結合可能である、変位機構と、
を含む、請求項13に記載の座席。
【請求項15】
前記移動及び支持システムが、前記座席背部上の固定位置に結合されて、前記乗用車両の前記直立構造体上の固定位置に枢動可能に結合するように構成された、上部枢動軸を更に含み、
前記角度機構が、前記座席背部を前記第1の背部位置及び前記第2の背部位置に選択的に維持するために、前記座席底部と前記座席背部との間でトルクを選択的に伝達し、
前記変位機構がリンケージとリニアアクチュエータとを含み、前記リンケージが、一端において前記座席底部に、かつ他端において前記リニアアクチュエータに枢動可能に結合され、前記リニアアクチュエータが、前記リンケージの前記他端を前記直立構造体に沿って移動させて、前記座席底部を前記第1の底部構成と前記第2の底部構成との間で移動させるように構成されている、
請求項14に記載の座席。
【請求項16】
前記変位機構が、前記直立構造体に結合可能なトラックと、前記座席底部に結合されて、前記トラックに沿って摺動可能なキャリッジとを含み、
前記角度機構が、前記座席背部に、前記座席背部上の固定位置で枢動可能に結合され、かつ前記キャリッジに、前記キャリッジ上の別の固定位置で枢動可能に結合される、リンケージを含み、前記リンケージが、前記座席背部を前記第1の背部位置及び前記第2の背部位置に選択的に維持するように選択的に伸長可能である、
請求項14に記載の座席。
【請求項17】
乗用車両用の座席であって、
座席底部と、
座席背部と、
前記座席背部が前記座席底部に枢動可能に結合される、底部枢動軸と、
前記座席背部が車両本体の直立構造体に枢動可能に結合可能な上部枢動軸であって、前記座席背部上の固定位置にある、上部枢動軸と、
前記座席底部と前記座席背部との間で力を選択的に伝達して、前記座席背部を、第1の背部位置と、前記座席背部と前記座席底部との間の角度が前記第1の背部位置よりも大きい第2の背部位置との各々において選択的に維持する、角度機構と、
前記車両の直立構造体に結合されて、前記座席底部を、第1の底部位置と、前記座席底部が前記第1の底部位置よりも前記直立構造体から離れている第2の底部位置との各々において選択的に維持するように構成される、変位機構と、を備える、座席。
【請求項18】
前記変位機構がリンケージとリニアアクチュエータとを含み、前記リンケージが、その第1の端部において前記座席底部に、かつその第2の端部において前記リニアアクチュエータに枢動可能に結合される、剛性の細長い構造体であり、前記リニアアクチュエータが、前記車両本体の前記直立構造体に結合し、前記リンケージの前記第2の端部を前記直立構造体に沿って選択的に移動させて、前記座席底部を、第1の底部位置と、前記座席底部が前記第1の底部位置よりも前記直立構造体から離れている第2の底部位置との各々において選択的に維持するように構成されている、請求項17に記載の座席。
【請求項19】
前記変位機構がトラックとキャリッジとを含み、前記トラックが、前記座席底部を前記車両本体の床部の上方に支持するために前記車両本体の前記直立構造体に固定的に結合可能であり、前記キャリッジが、前記座席底部に固定的に結合されて、前記座席底部を、第1の底部位置と、前記座席底部が前記第1の底部位置よりも前記直立構造体から更に離れるように変位された第2の底部位置とに選択的に維持するために前記トラックに沿って選択的に摺動可能である、請求項17に記載の座席。
【請求項20】
前記角度機構が、前記座席背部上の固定位置における前記上部枢動軸と前記キャリッジとの間に延びて、前記上部枢動軸に枢動可能に結合された伸長可能なリンケージを含み、前記伸長可能なリンケージが、前記座席底部及び前記座席背部を、前記第1の背部位置と前記第2の背部位置との各々において選択的に維持するように選択的に伸長可能である、請求項17に記載の座席。
【国際調査報告】