(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-04
(54)【発明の名称】5G NRのリリース17のタイプIIポート選択コードブック用のCSI報告の方法
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0417 20170101AFI20240328BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240328BHJP
【FI】
H04B7/0417 100
H04W24/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561655
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 US2022023087
(87)【国際公開番号】W WO2022216550
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルパシンハ ナディサンカ
(72)【発明者】
【氏名】松村 祐輝
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
ユーザ装置(UE:User Equipment)の無線通信方法が開示され、この無線通信方法は、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信するステップと、前記設定情報に基づいて、且つビットマップがユーザ装置(UE)から基地局に報告されているか否かに基づいて、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)報告用のフォーマットを設定するステップと、を有する。前記CSI報告は、パート1及びパート2を含む。前記パート1は、固定のペイロードサイズを有し、且つ前記パート2における情報ビットの数を識別するために用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信するステップと、
前記設定情報に基づいて、且つビットマップがユーザ装置(UE)から基地局に報告されているか否かに基づいて、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)報告用のフォーマットを設定するステップと、を有し、
前記CSI報告は、パート1及びパート2を含み、
前記パート1は、固定のペイロードサイズを有し、且つ前記パート2における情報ビットの数を識別するために用いられる、UEの無線通信方法。
【請求項2】
前記ビットマップが報告されている場合、前記パート1は、ランクインジケータ(RI:rank indicator)、チャネル品質情報(CQI:channel quality information)、及びレイヤにわたるノンゼロ振幅係数の総数の指示を含む、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記RI、前記CQI及び前記レイヤにわたるノンゼロ振幅係数の総数は、別個にコーディングされる、請求項2記載の無線通信方法。
【請求項4】
前記ビットマップが報告されている場合、前記パート2は前記ビットマップを含む、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項5】
前記ビットマップが報告されていない場合、前記パート1は、ランクインジケータ(RI:rank indicator)、チャネル品質情報(CQI:channel quality information)を含むが、レイヤにわたるノンゼロ振幅係数の総数の指示は含まない、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項6】
前記RI及び前記CQIは、別個にコーディングされる、請求項5記載の無線通信方法。
【請求項7】
前記パート2は、プリコーディング行列インジケータ(PMI:precoding matrix indicator)を含む、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項8】
前記ビットマップが報告されている場合、前記パート2は前記ビットマップを含む、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項9】
前記UEは、前記基地局からの指示に基づいて前記ビットマップを報告するか否かを決定する、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項10】
前記パート1及び前記パート2は、別個にコーディングされる、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項11】
前記ビットマップが報告されていない場合、プリコーディング行列インジケータ(PMI:precoding matrix indicator)のインデックスは、前記パート2に対応する異なるCSI情報に関連付けられている、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項12】
前記パート2における情報は、異なるインデックスにそれぞれ関連付けられているグループにグループ化されている、請求項1記載の無線通信方法。
【請求項13】
下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信する受信部と、
前記設定情報に基づいて、且つビットマップがユーザ装置(UE)から基地局に報告されているか否かに基づいて、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)報告用のフォーマットを設定する制御部と、を有し、
前記CSI報告は、パート1及びパート2を含み、
前記パート1は、固定のペイロードサイズを有し、且つ前記パート2における情報ビットの数を識別するために用いられる、ユーザ装置(UE)。
【請求項14】
下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報をユーザ装置(UE)に送信する送信部と、
前記設定情報に基づいて、且つビットマップがユーザ装置(UE)から基地局に報告されているか否かに基づいて設定されるフォーマットを有するチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)報告の受信を制御する制御部と、を有し、
前記CSI報告は、パート1及びパート2を含み、
前記パート1は、固定のペイロードサイズを有し、且つ前記パート2における情報ビットの数を識別するために用いられる、基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示する1つ以上の実施形態は、より高いランクの送信のためにタイプII(Type II)ポート選択コードブックを拡張する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NR(New Radio)では、ランク(rank)1及びランク2のタイプII(Type II)チャネル状態情報(CSI:channel state information)フィードバックがサポートされている(NRのRelease 15)。
【0003】
NRのRelease 17のNR多入力多出力(MIMO:Multiple Input Multiple Output)に関する1つ以上の新たな作業項目では、タイプIIポート選択コードブックを更に拡張するための要件が確認されている。
【0004】
例えば、CSIの測定及び報告の拡張に関して、FR1及びFR2の両方を対象として、NCJTのためのより動的なチャネル/干渉仮定(hypotheses)を可能するために、DLマルチTRP及び/又はマルチパネル送信用のCSI報告が評価され、また必要に応じて仕様化されてもよい。
【0005】
更に、(Rel.15/16のタイプIIポート選択に基づく)タイプIIポート選択コードブックの拡張が評価され、また必要に応じて仕様化されてもよく、そこでは、角度及び遅延に関する情報が、角度及び遅延の下りリンク(DL)/上りリンク(UL)のレシプロシティを利用して、サウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)に基づいて、gNB(gNode-B)において推定され、また、主に周波数分割多重(FDD:Frequency Division Duplexing)周波数レンジ1(FR1:Frequency Range 1)を対象として、UEの複雑性、性能及び報告オーバーヘッド間のより良いトレードオフを達成するために、残りのDLチャネル状態情報(CSI)が、ユーザ装置(UE)によって報告される。
【0006】
換言すれば、本明細書においては、複数の空間領域(SD:spatial domain)-周波数領域(FD:frequency domain)基底ペアの、DLビームフォーミング用のCSI-RSポートへのマッピングによって、タイプIIポート選択コードブックをどのように拡張し得るかについて検討される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP RP 193133, “New WID: Further enhancements on MIMO for NR”、2019年12月
【非特許文献2】3GPP RAN1 #104-e, ‘Chairman’s Notes’、2021年2月
【非特許文献3】3GPP TS 38.214, “NR; Physical procedures for data (Release 16。)”
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つ以上の実施形態は、ユーザ装置(UE:User Equipment)の無線通信方法を提供し、この無線通信方法は、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信するステップと、設定情報に基づいて、且つビットマップがユーザ装置(UE)から基地局に報告されているか否かに基づいて、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)報告用のフォーマットを設定するステップと、を有する。CSI報告は、パート1及びパート2を含み、パート1は、固定のペイロードサイズを有し、且つパート2における情報ビットの数を識別するために用いられる。
【0009】
本発明の1つ以上の実施形態では、ビットマップが報告されている場合、パート1は、ランクインジケータ(RI:rank indicator)、チャネル品質情報(CQI:channel quality information)、及びレイヤにわたるノンゼロ振幅係数の総数の指示を含む。1つ以上の実施形態では、RI、CQI及びレイヤにわたるノンゼロ振幅係数の総数の指示は、別個にコーディングされる。
【0010】
1つ以上の実施形態では、ビットマップが報告されている場合、パート2は、ビットマップを含む。1つ以上の実施形態では、ビットマップが報告されていない場合、パート1は、RI、CQIを含むが、レイヤにわたるノンゼロ振幅係数の総数の指示は含まない。1つ以上の実施形態では、RI及びCQIは、別個にコーディングされる。
【0011】
1つ以上の実施形態では、パート2は、プリコーディング行列インジケータ(PMI:precoding matrix indicator)を含む。1つ以上の実施形態では、ビットマップが報告されている場合、パート2は、ビットマップを含む。1つ以上の実施形態では、UEは、基地局からの指示に基づいてビットマップを報告するか否かを決定する。
【0012】
1つ以上の実施形態では、パート1及びパート2は、別個にコーディングされる。1つ以上の実施形態では、ビットマップが報告されていない場合、PMIのインデックスは、パート2に対応する異なるCSI情報に関連付けられている。1つ以上の実施形態では、パート2における情報は、異なるインデックスにそれぞれ関連付けられているグループにグループ化されている。
【0013】
本発明の1つ以上の実施形態は、UEを提供し、UEは、DCI又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報を受信する受信部と、設定情報に基づいて、且つビットマップがUEから基地局に報告されているか否かに基づいて、CSI報告用のフォーマットを設定する制御部と、を有する。CSI報告は、パート1及びパート2を含み、パート1は、固定のペイロードサイズを有し、且つパート2における情報ビットの数を識別するために用いられる。
【0014】
本発明の1つ以上の実施形態は、基地局を提供し、基地局は、DCI又は上位レイヤシグナリングを介して、設定情報をUEに送信する送信部と、設定情報に基づいて、且つビットマップがUEから基地局に報告されているか否かに基づいて設定されるフォーマットを有するCSI報告の受信を制御する制御部と、を有する。CSI報告は、パート1及びパート2を含み、パート1は、固定のペイロードサイズを有し、且つパート2における情報ビットの数を識別するために用いられる。
【0015】
有利なことに、CSIの測定及び報告の拡張が、NRのRelease 17の展開において議論されている。そのような拡張の1つとして、周波数レンジ1(FR1)(すなわち、410MHz~7,125MHz、サブ6GHz)及び周波数レンジ2(FR2)(すなわち、24,250MHz~52,600MHz、ミリ波)の両方を対象とした、ノンコヒーレントジョイント送信(NCJT:non-coherent joint transmission)のためのより動的なチャネル/干渉仮定を可能にするための、下りリンク(DL)マルチ送信受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)及び/又はマルチパネル送信についてのCSI報告の評価、また必要に応じての仕様化が挙げられる。別の拡張としては、角度及び遅延のDL/ULレシプロシティを利用することによって、角度及び遅延に関連する情報がサウンディング参照信号(SRS)に基づいてgNBにおいて推定される、(Release 15/16のタイプIIポート選択に基づいた)タイプIIポート選択コードブックの拡張の評価、また必要に応じての仕様化が挙げられる。残りのDL CSIは、UEの複雑さ、性能及び報告オーバーヘッド間でより良いトレードオフを達成するために、主に周波数分割多重(FDD:Frequency Division Duplex)FR1 を対象として、UEによって報告される。
【0016】
本発明の他の実施形態及び利点は、以下の説明及び図面から認識される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る無線通信システムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】1つ以上の実施形態に係る、基地局(BS)の概略的な構成を示す。
【
図3】1つ以上の実施形態に係る、ユーザ装置(UE)の概略的な構成を示す。
【
図4】K個のポートのCSI-RS送信の一例、及びそれに付随する周波数応答の一例を示す。
【
図6】DFT報告に基づいたプリコーダ選択の一例を示す。
【
図7】追加のDFT報告が行われるCSI報告のフォーマットの一例を示す。
【
図8】PMI(プリコーディング行列インジケータ)インデックスとCSI情報との関連付けのテーブルの一例を示す。
【
図9】1つ以上の実施形態に係る、追加のDFT報告が行われる場合のCSI報告のフォーマットの一例を示す。
【
図10】1つ以上の実施形態に係る、追加のDFT報告が行われる場合のCSI報告のフォーマットの一例を示す。
【
図11】1つ以上の実施形態に係る、PMIインデックスとCSI情報との関連付けのテーブルの一例を示す。
【
図12】1つ以上の実施形態に係る、PMIインデックスとCSI情報との関連付けの一例を示す。
【
図13】1つ以上の実施形態に係る、追加のDFT報告が行われる場合のCSI報告のフォーマットの一例を示す。
【
図14】1つ以上の実施形態に係る、PMIインデックスとCSI情報との関連付けのテーブルの一例を示す。
【
図15】1つ以上の実施形態に係る、追加のDFT報告が行われる場合のCSI報告のフォーマットの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。異なる図面における同様の要素には、一貫性を維持するために同様の参照符号を付している。
【0019】
本発明の実施形態の以下の説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、当業者であれば、それらの具体的な詳細がなくとも、本発明を実施できることは明らかである。他の例では、本発明が不明確になることを回避するために、公知の特徴については詳細には説明しない。
【0020】
図1は、本発明の1つ以上の実施形態に係る無線通信システム1を表す。無線通信システム1は、ユーザ装置(UE)10と、基地局(BS)20と、コアネットワーク30と、を含む。無線通信システム1は、NRシステムであってもよい。無線通信システム1は、本明細書において説明する特定の構成に限定されるものではなく、LTE/LTE-Advanced(LTE-A)システムなど、任意の種類の無線通信システムであってもよい。
【0021】
BS20は、そのBS20のセル内のUE10と、上り(UL:uplink)信号及び下り(DL:downlink)信号を通信してもよい。DL信号及びUL信号は、制御情報及びユーザデータを含んでもよい。BS20は、バックホールリンク31を介して、コアネットワーク30とDL信号及びUL信号を通信してもよい。BS20は、gNB(gNodeB)であってもよい。BS20は、ネットワーク(NW)と呼ばれてもよい。
【0022】
BS20は、アンテナ、隣接するBS20と通信するための通信インターフェース(例えば、X2インターフェース)、コアネットワーク30と通信するための通信インターフェース(例えば、S1インターフェース)、UE10との間で送受信された信号を処理するためのプロセッサ又は回路などのCPU(Central Processing Unit)を含む。BS20の動作は、メモリに格納されたデータ及びプログラムをプロセッサが処理又は実行することで実現されてもよい。しかしながら、BS20は、上述のハードウェア構成に限定されるものではなく、当業者であれば分かるように、他の任意の適切なハードウェア構成によって実現されてもよい。多数のBS20が、無線通信システム1のより広範なサービスエリアをカバーするように配置されてもよい。
【0023】
UE10は、多入力多出力(MIMO:Multi Input Multi Output)技術を用いて、制御情報及びユーザデータを含むDL信号及びUL信号をBS20と通信してもよい。UE10は、移動局、スマートフォン、携帯電話、タブレット、モバイルルータ、又はウェアラブルデバイスなどの無線通信機能を有する情報処理装置であってもよい。無線通信システム1は、1つ以上のUE10を含んでもよい。
【0024】
UE10は、CPU、例えばプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、及びBS20とUE10との間で無線信号を送受信するための無線通信装置を含んでもよい。例えば、以下において説明するUE10の動作は、メモリに格納されたデータ及びプログラムをCPUが処理又は実行することで実現されてもよい。しかしながら、UE10は、上述のハードウェア構成に限定されるものではなく、例えば、以下に説明する処理を実現するための回路を備えた構成であってもよい。
【0025】
図1に示すように、BS20は、CSI参照信号(CSI-RS)をUE10に送信してもよい。これに応答して、UE10は、CSI報告をBS20に送信してもよい。同様に、UE10は、SRSをBS20に送信してもよい。
【0026】
(BSの構成)
以下では、
図2を参照しながら、本発明の実施形態に係るBS20を説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るBS20の概略的な構成を説明するための図である。BS20は、複数のアンテナ(アンテナ素子群)201と、アンプ部202と、送受信部(送信部/受信部)203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206と、を含んでもよい。
【0027】
BS20からUE10へのDLにおいて送信されるユーザデータは、コアネットワークから、伝送路インターフェース206を介して、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0028】
ベースバンド信号処理部204では、信号に対して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御送信処理などのRLCレイヤの送信処理、例えばHARQ送信処理を含むMAC(Medium Access Control)再送制御、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などが行われてもよい。続いて、結果として得られた信号が、各送受信部203に転送される。DL制御チャネルの信号に関しては、チャネル符号化及び逆高速フーリエ変換を含む送信処理が行われ、結果として得られた信号が各送受信部203に転送される。
【0029】
ベースバンド信号処理部204は、セル内の通信のための制御情報(システム情報)を、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング及びブロードキャストチャネル)によって各UE10に通知する。セル内の通信のための情報は、例えば、ULシステム帯域幅又はDLシステム帯域幅を含む。
【0030】
各送受信部203では、アンテナ毎にプリコーディングされて、ベースバンド信号処理部204から出力されるベースバンド信号に対して、無線周波数帯域への周波数変換処理が行われる。アンプ部202は、周波数変換が行われた無線周波数信号を増幅し、結果として得られた信号は、アンテナ201から送信される。
【0031】
UE10からBS20へのULにおいて送信されるデータに関しては、無線周波数信号が、各アンテナ201において受信され、アンプ部202において増幅され、送受信部203において周波数変換が行われてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0032】
ベースバンド信号処理部204は、受信したベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号処理、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理を行う。続いて、結果として得られた信号が、伝送路インターフェース206を介してコアネットワークに転送される。呼処理部205は、通信チャネルの設定・解放などの呼処理を行い、BS20の状態を管理し、また無線リソースを管理する。
【0033】
(UEの構成)
以下では、
図3を参照しながら、本発明の実施形態に係るUE10を説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るUE10の概略的な構成である。UE10は、1つ以上のUEアンテナ101と、アンプ部102と、送受信部(送信部/受信部)1031を含む回路103と、制御部104と、アプリケーション部105と、を有する。
【0034】
DLに関しては、UEアンテナ101において受信された無線周波数信号が、各アンプ部102において増幅され、送受信部1031においてベースバンド信号へと周波数変換される。制御部104では、これらのベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送信制御などの受信処理が行われる。DLユーザデータは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤ及びMACレイヤよりも上位のレイヤに関する処理を行う。下りリンクデータでは、ブロードキャスト情報もアプリケーション部105に転送される。
【0035】
一方、ULユーザデータは、アプリケーション部105から制御部104に入力される。制御部104では、再送制御(Hybrid ARQ)送信処理、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理などが行われ、結果として得られた信号が各送受信部1031に転送される。送受信部1031では、制御部104から出力されたベースバンド信号が無線周波数帯域に変換される。その後、周波数変換された無線周波数信号がアンプ部102において増幅され、続いて、アンテナ101から送信される。
【0036】
本発明の1つ以上の実施形態は、角度及び/又は遅延のDL/ULレシプロシティ(reciprocity)を利用する、ポート選択(PS:port selection)コードブックの拡張に関する。更に、1つ以上の実施形態は、コードブック構造W=W1W2Wf
Hをサポートし、ここで
W1は、自由選択行列(free selection matrix)であって、特別な構成としての単位行列であり、潜在的な偏波(polarization)-共通(common)/固有(specific)選択が考慮される;
Wfは、DFTベースの圧縮行列であり、N3=NCQISubband*R、Mv≧1である。
これに関して、Mv>1の少なくとも1つの値がサポートされる。また、Mvの潜在的な値、例えばMv=2も考慮される。
【0037】
コードブックパラメータに関するUEの複雑性を考慮してもよいRel-17のPSコードブックの拡張をUEがサポートする場合、Mv>1のサポートはUEのオプション機能となり得ることを検討する。また、Rの(1つ以上の)潜在的な候補値、UEに対する設定/指示についてのメカニズム、及び/又はUEによるWfの選択/報告についてのメカニズムも検討する。
【0038】
Wfは、gNBによってオフにすることができる。オフにされた場合、Wfは、オールワンベクトル(all-one vector)、つまり全ての要素が1となるベクトルとなるが、オフにされた場合には、オールワンベクトルの長さも考慮される。更に、シグナリングオーバーヘッド、UEの複雑性及びUPT利得とトレードオフになり得る他の潜在的なシグナリング/CSI報告メカニズムも検討する。また、関連付けられたコードブック構成及びCSI報告は、Wfのオン/オフに基づいて異なってもよい。
【0039】
5G NR Rel.17のタイプIIポート選択コードブック構造(Type II Port Selection Codebook Structure)に関して、l番目のレイヤのポート選択コードブックは次式(1)により与えられてもよい:
【数1】
上記式(1)において、パラメータは以下のように与えられてもよい:
W
1(K×2L):ブロック対角行列。ここで、各行列ブロックは、(K×K)単位行列のL個の列から成る;
W
f,l(N
3×M
ν):(N
3×N
3)DFT行列のM
ν個の基底ベクトルから成る行列;及び
【数2】
:線形結合係数行列。
【0040】
W
f,lは、gNBによってオフにすることができる。更に、gNBは、K個のビームフォーミングされたCSI-RSポートを送信する。各CSI-RSポートは、空間領域(SD:spatial doman)ビーム及び周波数領域(FD:frequency domain)基底ベクトルでもってビームフォーミングされる。つまり、各ポートはSD-FDペアに関連付けられている。続いて、UEは、K個のポートからL個のポートを選択し、それらL個のポートを、PMI(W
1,l)の一部としてgNBに報告する。更に、UEはPMIの一部として、
【数3】
に取り込まれた線形結合(LC:linear combination)係数も報告する。
【0041】
次に、SD-FDペアを考慮したCSI-RSビームフォーミングの物理的な意味を理解するために、周波数応答の特性について説明する。例えば、
図4を参照して、CSI-RS送信についてK個のポートを想定する。この場合、n番目のポートに関連付けられたUEにおいて観測されるチャネルの周波数応答が、
図4に示されるように表されると考えられる。W
f,lがオフにされていない場合、UEは、遅延事前補償チャネルの周波数選択性を更に抑制するために、追加のDFTを報告してもよい。
【0042】
シミュレーション解析について検討すると、追加の遅延を用いて、チャネル周波数応答が解析される。例えば、
図5A及び
図5Bを参照して、4タップチャネルを検討する。この例では、UEは、観測された、遅延事前補償されたチャネルに基づいて、1つの追加のDFTを報告する。遅延事前補償されたチャネルの周波数選択性は、最終的なプリコーダ生成用にUEによって報告された追加のDFTを考慮することによって、更に低減することができる。
【0043】
5G NR Rel.17のタイプIIポート選択コードブック構造に関連する1つ以上の実施形態は、UEが追加のDFTを報告するように設定されているかに依存する。従って、式(1)におけるW
f,lの存在に基づいて、
図6に示した2つのプリコーダの内の1つが選択されることになる。つまり、
図6は、追加のDFT報告が設定されているか否かについてのプリコーダの判定図を示す。ビームフォーミングのために考慮されたSD-FDペアは、{b
1,f
1},{b
2,f
2},…{b
K,f
K}であり、選択されたSD基底及びFD基底のインデックスは、s(1),s(2)…s(L)であると仮定されてもよい。
【0044】
図6に示した式では、以下が定義されてもよい:
【数4】
(K×K)の単位行列からの列ベクトルである。特に、このベクトルは、インデックスs(i)を有するSD-FD基底を選択する;
【数5】
(N
3×N
3)のDFT行列からの列ベクトルであり、s(j)は、選択された追加のj番目のDFT基底のインデックスを表す;
c
i,j、c
i:LC係数である。
【0045】
また、追加のDFT報告に関連付けられたCSI報告オーバーヘッドは、追加のDFTを報告しない場合に比べて高くなる可能性があることに留意されたい。更に、プリコーダの選択は、UEの観点に基づいていることに留意されたい。
【0046】
当業者であれば、追加のDFT報告が潜在的な利点又は欠点に結びつく可能性があることを理解するであろう。追加のDFT報告が設定される場合、UEにおいて観測されたチャネルの周波数選択性を更に抑制することができる。従って、より良い性能が期待され得る。その一方で、CSI報告のオーバーヘッドは、追加のDFTを報告しない場合に比べて高くなる可能性がある。追加のDFT報告が設定されない場合に関して、CSI報告のオーバーヘッドは、追加のDFTを報告する場合に比べて小さくなる可能性がある。その一方で、DLにおいてUEによって観測されるチャネルは分からないので、性能が低下する可能性がある。
【0047】
以下において更に詳細に説明するように、拡張タイプIIコードブック(enhanced Type II Codebook[非特許文献3](以下、[3]と記す)のCSI報告のフォーマットを検討する。特に、[3]によれば、PUSCHにおける拡張タイプII CSIフィードバックは、2つのパートを含む。パート1は、固定のペイロードサイズを有し、パート2における情報ビットの数を識別するために用いられる。[3]のセクション5.2.3では以下のように記載されている:“[f]or Enhanced Type II CSI feedback, Part 1 contains RI (rank indicator), CQI (channel quality information), and an indication of the overall number of non-zero amplitude coefficients across layers for the Enhanced Type II CSI (see Clause 5.2.2.2.5).The fields of Part 1 - RI, CQI, and the indication of the overall number of non-zero amplitude coefficients across layers - are separately encoded. Part 2 contains the PMI of the Enhanced Type II CSI. Part 1 and 2 are separately encoded.”
図7は、CSI報告のフォーマットの一例を示す。
【0048】
次に
図8を参照すると、PMIインデックスは、拡張タイプIIコードブック[3]の各CSI情報に関連付けられてもよい。特に、DFT基底報告では、PMIインデックスi
1,5、i
1,6,lが使用されてもよい。例えば、
図8に示されているように、N
3>19の場合、DFT基底は、DFTウィンドウから選択される。選択されるDFTウィンドウのサイズは、予め定義されていてもよい。ただし、DFTウィンドウの初期開始位置は、UEによって報告される。つまり、PMIインデックスi
1,5。ここで、ビットマップは、l番目のレイヤについて、0以外のビットによって(1)における
【数6】
内のどの係数がUEによって報告されるかが識別される行列である。これは、PMIの一部として報告される。
【0049】
以下において更に説明するように、特に追加のDFT報告が設定されるか否かを考慮して、Rel.17のタイプIIポート選択コードブック(Type II Port Selection Codebook)に関して可能なCSI報告フォーマットを検討する。
【0050】
第1の実施例
上述したように、タイプIIポート選択コードブック構造が検討されている。本明細書において説明する1つ以上の実施形態では、Rel.17のタイプIIポート選択コードブックに追加のDFT報告が設定される場合、ビットマップが報告されるか否かに基づいて、CSI報告のフォーマットの決定に関して2つのケースを考慮することができる。
【0051】
考慮される第1のオプションとして、ビットマップが報告される場合のCSI報告は、
図9に示すように取り込まれてもよい。上述した拡張タイプIIコードブックと同様に、PMIインデックスが、CSIパート2における情報に関連付けられてもよいことに留意されたい。
【0052】
考慮される第2のオプションとして、ビットマップが報告されない場合のCSI報告は、
図10に示すように取り込まれてもよい。第1のオプション、即ちビットマップが報告される場合と比較すると、ここでは、CSIパート1には、ノンゼロ振幅係数の数が取り込まれている必要はない。このことは、このシナリオでは、UEが全てのLC係数を報告すべきことによる。更に、CSIパート2は、ビットマップを含まない。その理由は、やはり、UEが全てのLC係数を報告すべきことによる。
【0053】
考慮される第3のオプションとして、NWは、Mν(即ち、報告される追加のDFTの数)に基づいて、ビットマップ報告が必要であるか否かを決定してもよい。この場合、NWは、ビットマップ報告が必要か否かに基づいて、UE動作を第1のオプションと第2のオプションとの間で切り替えてもよい。
【0054】
例えば、Mνが大きい場合、全てのLC係数の報告は、大きなオーバーヘッドを占める可能性がある。この場合、NWは、第1のオプションの場合のように、最上位のLC係数のみを選択して報告するビットマップを報告するようにUEを設定してもよい。これに対し、Mνが小さい場合、NWは、全てのLC係数を報告するようにUEを設定してもよい。従って、このシナリオでは、第2のオプションの場合のように、ビットマップ報告は必要ない。
【0055】
付加的に又は代替的に、UEがビットマップを報告すべきか否かを決定するために、予め定義されたルールが仕様に取り込まれていてもよい。例えば、仕様には、次のルールが定義されていてもよい:
「Mν<2の場合、ビットマップを報告しない;その他の場合は、ビットマップを報告する。」
値2は単なる一例であり、当業者であれば、他の値が排除されるわけではないことを理解できるであろうことに留意されたい。
【0056】
第1のオプションに関して、上位レイヤによってRel.17のタイプII PSコードブックが設定される場合に、ビットマップ報告が行われる場合、以下の動作が考慮されるべきである。拡張タイプII CSIフィードバックについて、パート1は、拡張タイプII CSIのレイヤにわたるノンゼロ振幅係数の総数の指示、RI及びCQIを含む([3]の5.2.2.2.5節参照)。パート1のフィールド、つまりRI、CQI及びレイヤにわたるノンゼロ振幅係数の総数の指示は、別個にコーディングされる。パート2は、拡張タイプII CSIのPMIを含む。パート1及びパート2は、別個にコーディングされる。この動作は、ビットマップが常に報告される場合は、第1のオプションに適用可能であってもよいし、NWがビットマップ報告を設定する場合は、第3のオプションに適用可能であってよい。
【0057】
第2のオプションに関して、上位レイヤによって、Rel.17のタイプII PSコードブックが設定される場合に、ビットマップ報告が行われない場合、以下の動作が考慮されるべきである。拡張タイプIIポート選択コードブックCSI フィードバックでは、パート1が、拡張タイプII CSIのRI及びCQIを含む([3]の5.2.2.2.5節参照)。パート1のフィールド、つまりRI、CQIは、別個にコーディングされる。パート2は、拡張タイプII CSIのPMIを含む。パート1及びパート2は、別個にコーディングされる。この動作は、ビットマップが報告されない場合は、第2のオプションに適用可能であってもよいし、NWがビットマップ報告を設定しない場合は、第3のオプションに適用可能であってよい。
【0058】
第2の実施例
上述したように、タイプIIポート選択コードブック構造が検討されている。本明細書において説明する1つ以上の実施形態では、追加のDFT報告が行われる場合、PMIインデックスとCSI情報との間に関連付けが形成されてもよい。即ち、
図11に示すように、ビットマップ報告が行われない場合、PMIインデックスが異なるCSIパート2情報に関連付けられてもよい。第1の実施例と比較すると、ビットマップ報告に関連付けられたPMIインデックス、即ちi
1,7,lは削除されていることに留意されたい。更に別のオプションとして、ビットマップ報告に関連付けられている、i
1,7,lのPMIインデックスが含まれたままであってもよい。ただし、これはUCI内では0ビットを占める。UE及びNWのいずれもこのシナリオを認識していることに留意されたい。
【0059】
図12は、ビットマップ報告有りのPMI及びビットマップ報告無しのPMIの一例を示す。
【0060】
第3の実施例
上述したように、タイプIIポート選択コードブック構造が検討されている。本明細書において説明する1つ以上の実施形態では、追加のDFT報告を伴うCSIパート2情報のグループ化が実行されてもよい。
【0061】
ビットマップ報告が行われる場合、[3]におけるセクション5.2.3において議論されているCSIパート2情報のグループ化が以下のように更新されてもよい:
・グループ0は、インデックスi
1,1、i
1,2及びi
1,8,l(l=1,…,ν)を含む。
・グループ1は、インデックスi
1,5(報告される場合)、i
1,6,l(報告される場合)、
【数7】
を含む。
・グループ2は、
【数8】
を含む。
【0062】
ビットマップについてのこの動作は、例えば、ビットマップが常に報告される第1のオプションにおける第1の実施例に適用可能であってもよいし、NWがビットマップ報告を設定する場合は、第3のオプションに適用可能であってよい。
【0063】
ビットマップ報告が行われない場合、[3]のセクション5.2.3において議論されているCSIパート2情報のグループ化が以下のように更新されてもよい:
・グループ0は、インデックスi
1,1、i
1,2及びi
1,8,l(l=1,…,ν)を含む。
・グループ1は、インデックスi
1,5(報告される場合)、i
1,6,l(報告される場合)、
【数9】
を含む。
・グループ2は、
【数10】
を含む。
【0064】
ここでは、ビットマップ報告に関連付けられたPMIインデックス、即ちi1,7,lは削除されていることに留意されたい。更に、このシナリオにおける動作は、例えば、ビットマップが報告されない第2のオプションにおける第1の実施例に適用可能であってもよいし、NWがビットマップ報告を設定しない場合は、第3のオプションに適用可能であってよいことに留意されたい。付加的又は代替的に、i1,7,lのPMIインデックスは、存在したままであってもよい。ただし、これはUCI内では0ビットを占める。UE及びNWのいずれもこのシナリオを認識していることに留意されたい。
【0065】
第4の実施例
上述したように、タイプIIポート選択コードブック構造が検討されている。本明細書において説明する1つ以上の実施形態では、追加のDFT報告が行われない場合のCSI報告のフォーマットが考慮居される。即ち、Rel.17のタイプIIポート選択コードブックに対して追加のDFT報告が設定されない場合、CSI報告のフォーマットを決定するために、CSI報告のフォーマットの決定に関して、やはり2つのケースが考慮されてもよい。ただし、異なるケースは、CSI報告が広帯域であるかサブバンドであるかに基づいている。
【0066】
第1のオプションとして、広帯域CSI報告の場合のCSI報告を考慮するための可能なフォーマットは、
図13に示されているように与えられてもよい。追加のDFT報告が行われるシナリオと比較すると、ここでは、CSIパート2は、DFT基底報告に関連付けられた情報を取り込む必要はないことに留意されたい。更に、ビットマップ報告も行われない。第1の実施例に関連させて上記において述べたように、第2のオプションでは、[3]のセクション5.2.3が、実質的に同様の方式で更新されてもよい。
【0067】
1つ以上の実施形態では、追加のDFT報告を伴わない、PMIインデックスとCSI情報との間に関連付けが形成されてもよい。
図14は、テーブルに示すように、PMIインデックスを異なるCSIパート2情報に関連付けることができる広帯域CSI報告が行われるシナリオの一例が取り込まれている。追加のDFT報告が行われる場合と比較すると、i
1,7,l、i
1,6,l、i
1,5のPMIインデックス(即ち、ビットマップ及びDFT報告)が、この関連付けでは削除されている。
【0068】
第2のオプションとして、サブバンドCSI報告の場合のCSI報告についての可能なフォーマットは、
図15に示されているように与えられてもよい。このシナリオでは、広帯域報告が行われる場合と比較すると、サブバンドベースのCSI報告に関連付けられたオーバーヘッドが著しく大きくなる可能性があることに留意されたい。更に、CSIパート2では、振幅/位相量子化が、Rel.16と同様になることに留意されたい。ただし、追加のDFT報告及びビットマップ報告は行われない。また、広帯域での報告と同様に、PMIインデックスは、例えば
図13に示すように、CSIパート2情報に関連付けられてもよい。付加的又は代替的に、サブバンドベースのCSI報告のフォーマットを決定するために、Rel.15の動作を考慮することも可能である。ここで、Rel.15では、広帯域振幅報告が行われることに留意されたい。更に、そのようなシナリオでは、サブバンド報告は、1ビット振幅量子化に基づく。
【0069】
変形例
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0070】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0071】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理されてもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0072】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI(Downlink Control Information))、上り制御情報(UCI(Uplink Control Information)))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB(Master Information Block))、システム情報ブロック(SIB(System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリングなど)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0073】
ソフトウェアは、「ソフトウェア」、「ファームウェア」、「ミドルウェア」、「マイクロコード」、「ハードウェア記述言語」と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0074】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、デジタル加入者回線(DSL(Digital Subscriber Line))など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0075】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0076】
本開示においては、用語「基地局(BS(Base Station))」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネント」、「コンポーネントキャリア」は、互換的に使用されてもよい。基地局は、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(Transmission Point(TP))」、「受信ポイント(Reception Point(RP))」、「フェムトセル」、「スモールセル」などと呼ばれてもよい。
【0077】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(「セクタ」とも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH(Remote Radio Head)))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0078】
本開示においては、「移動局(MS(Mobile Station))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE(User Equipment))」、「端末」という用語は、互換的に使用されてもよい。
【0079】
移動局は、「加入者局」、「モバイルユニット」、「加入者ユニット」、「ワイヤレスユニット」、「リモートユニット」、「モバイルデバイス」、「ワイヤレスデバイス」、「ワイヤレス通信デバイス」、「リモートデバイス」、「モバイル加入者局」、「アクセス端末」、「モバイル端末」、「ワイヤレス端末」、「リモート端末」、「ハンドセット」、「ユーザエージェント」、「モバイルクライアント」、「クライアント」又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0080】
また、本開示における無線基地局は、ユーザ端末と解釈されてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、ユーザ端末20が上述の無線基地局10の機能を有してもよい。また、「上りリンク(uplink)」、「下りリンク(downlink)」などの文言は、「サイド(side)」)と解釈されてもよい。例えば、上りリンクチャネルは、サイドチャネルと解釈されてもよい。
【0081】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、無線基地局と解釈されてもよい。この場合、無線基地局が上述のユーザ端末の機能を有してもよい。
【0082】
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われてもよい。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0083】
本開示において説明した1つ以上の実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において態様/実施形態を説明するために用いた処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した様々な方法は、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示したが、そこで提示した特定の順序に限定されない。
【0084】
本開示において説明した1つ以上の実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。
【0085】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0086】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用されてもよい。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0087】
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含してもよい。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、本開示において使用する「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、推定(assuming)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであると解釈されてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであると解釈されてもよい。
【0088】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含んでもよい。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と解釈されてもよい。
【0089】
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えられてもよい。
【0090】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0091】
さらに、明細書又は特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0092】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく様々な修正及び様々な変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【0093】
別の例
上記の実施例及び修正実施例は、相互に組み合わされてもよく、またそれらの実施例の様々な特徴を、様々な組み合わせで相互に組み合わせてもよい。本発明は、本開示における特定の組み合わせに限定されるものではない。
【0094】
本開示を、限られた数の実施形態のみに関して説明したが、本開示の恩恵を受ける当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な他の実施形態に想到し得ることは明らかであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【国際調査報告】