(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】電動弁
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20240405BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
F16K27/00 B
F16K31/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559682
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2022093315
(87)【国際公開番号】W WO2022267753
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110706425.4
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121420800.0
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼忠波
(72)【発明者】
【氏名】金▲鉅▼
(72)【発明者】
【氏名】王傅▲鋼▼
(72)【発明者】
【氏名】沙海建
【テーマコード(参考)】
3H051
3H062
【Fターム(参考)】
3H051AA00
3H051BB02
3H051CC14
3H051DD01
3H062AA01
3H062BB31
3H062CC01
3H062FF38
3H062GG04
(57)【要約】
電動弁は、弁座(10)、弁体(20)、コイル部(30)及び接続部(40)を含み、弁座(10)は、端面(11)及び係止溝(12)を含み、弁体(20)は、一部が弁座(10)内に挿設され、別の一部が端面(11)から突出し、コイル部(30)は、弁体(20)に外嵌され、コイル部(30)と係止溝(12)がそれぞれ端面(11)の両側に位置し、接続部(40)は、接続部材(41)と、接続部材(41)に設置された支持部材(42)及び係止部材(43)とを含み、接続部材(41)は、コイル部(30)に固定的に接続され、支持部材(42)は、端面(11)に当接し、係止部材(43)は、係止溝(12)に係止される。該電動弁は、ネジの使用を回避し、信頼性が高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座(10)、弁体(20)、コイル部(30)及び接続部(40)を含み、
前記弁座(10)は、端面(11)及び係止溝(12)を含み、
前記弁体(20)は、一部が前記弁座(10)内に挿設され、別の一部が前記端面(11)から突出し、
前記コイル部(30)は、前記弁体(20)に外嵌され、前記コイル部(30)と前記係止溝(12)がそれぞれ前記端面(11)の両側に位置し、
前記接続部(40)は、接続部材(41)と、前記接続部材(41)に設置された支持部材(42)及び係止部材(43)とを含み、前記接続部材(41)は、前記コイル部(30)に固定的に接続され、前記支持部材(42)は、前記端面(11)に当接し、前記係止部材(43)は、前記係止溝(12)に係止される、ことを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記支持部材(42)は、弾性を有する構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記支持部材(42)は、互いに接続された弧状板(44)及び位置制限板(45)を含み、前記弧状板(44)は、前記接続部材(41)に接続され、前記位置制限板(45)は、前記端面(11)に当接し、前記位置制限板(45)は、前記接続部材(41)から離間し、前記端面(11)に対して傾斜して設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項4】
前記支持部材(42)は、複数あり、複数の前記支持部材(42)は、前記弁体(20)を囲んで設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項5】
前記弁座(10)は、本体(13)及び位置制限部(14)を含み、前記端面(11)は、前記本体(13)に位置し、前記本体(13)は、段差構造を有し、前記位置制限部(14)は、前記段差構造の側面(15)に位置し、前記位置制限部(14)と前記段差構造の底面(16)との間の領域は、前記係止溝(12)を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項6】
前記位置制限部(14)は、前記弁体(20)の軸方向に沿って延在する位置制限溝(17)を含み、
前記係止部材(43)は、接続板(46)及び係止フック(47)を含み、前記接続板(46)の両端は、それぞれ、前記接続部材(41)と前記係止フック(47)に接続され、前記係止フック(47)は、前記係止溝(12)に係止され、前記接続板(46)は、前記位置制限溝(17)に位置制限されて係合される、ことを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
【請求項7】
前記接続部(40)は、前記係止部材(43)の中部に接続された引き部材(48)をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項8】
前記接続部材(41)は、複数の貫通孔(49)が分布した環状構造であり、前記コイル部(30)は、複数の前記貫通孔(49)に一対一で位置制限されて係合される複数の凸柱(31)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項9】
前記接続部(40)は、金属材料で製造された一体構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項10】
前記接続部材(41)と前記係止部材(43)との接続箇所には、凹み構造(411)が設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電動弁の技術分野に関し、具体的には、電動弁に関する。
【背景技術】
【0002】
電動弁は、主に、弁座、弁体及びコイル部を含み、コイル部に通電して磁界を発生させ、磁界により移動するように弁体内の弁頭を駆動することにより、弁口を開閉するなどの動作が実現される。従来技術において、コイル部を取り付ける場合、いずれもネジなどの締結具を用いて弁座に接続する必要があり、これは、ネジをネジ孔と位置合わせしてねじ込む操作を行う必要があるため、電動弁の組立効率が低くなり、電動弁が振動しやすい状況で動作する場合、ネジが緩みやすいため、電動弁の信頼性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、組立効率及び信頼性を向上させる電動弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本願に係る電動弁は、弁座、弁体、コイル部及び接続部を含み、弁座は、端面及び係止溝を含み、弁体は、一部が弁座内に挿設され、別の一部が端面から突出し、コイル部は、弁体に外嵌され、コイル部と係止溝がそれぞれ端面の両側に位置し、接続部は、接続部材と、接続部材に設置された支持部材及び係止部材とを含み、接続部材は、コイル部に固定的に接続され、支持部材は、端面に当接し、係止部材は、係止溝に係止される。
【0005】
さらに、支持部材は、弾性を有する構造である。
【0006】
さらに、支持部材は、互いに接続された弧状板及び位置制限板を含み、弧状板は、接続部材に接続され、位置制限板は、端面に当接し、位置制限板は、接続部材から離間し、端面に対して傾斜して設置される。
【0007】
さらに、支持部材は、複数あり、複数の支持部材は、弁体を囲んで設置される。
【0008】
さらに、弁座は、本体及び位置制限部を含み、端面は、本体に位置し、本体は、段差構造を有し、位置制限部は、段差構造の側面に位置し、位置制限部と段差構造の底面との間の領域は、係止溝を形成する。
【0009】
さらに、位置制限部は、弁体の軸方向に沿って延在する位置制限溝を含み、係止部材は、接続板及び係止フックを含み、接続板の両端は、それぞれ、接続部材と係止フックに接続され、係止フックは、係止溝に係止され、接続板は、位置制限溝に位置制限されて係合される。
【0010】
さらに、接続部は、係止部材の中部に接続された引き部材をさらに含む。
【0011】
さらに、接続部材は、複数の貫通孔が分布した環状構造であり、コイル部は、複数の貫通孔に一対一で位置制限されて係合される複数の凸柱を含む。
【0012】
さらに、接続部は、金属材料で製造された一体構造である。
【0013】
さらに、弁体は、弁座に螺合される。
【0014】
さらに、接続部材と係止部材との接続箇所には、凹み構造が設置される。
【発明の効果】
【0015】
本願の技術的解決手段に係る電動弁は、弁座、弁体、コイル部及び接続部を含み、弁座は、端面及び係止溝を含み、弁体は、一部が弁座内に挿設され、別の一部が端面から突出し、コイル部は、弁体に外嵌され、コイル部と係止溝とは、それぞれ端面の両側に位置し、接続部は、接続部材と、接続部材に設置された支持部材及び係止部材とを含み、接続部材は、コイル部に固定的に接続され、支持部材は、端面に当接し、係止部材は、係止溝に係止される。該解決手段を用いることにより、コイル部を取り付ける場合、接続部の係止部材と弁座における係止溝とを係止すればよく、係止が完了した後、支持部材が弁座の端面に当接することで、コイル部の軸方向の2つの方向に対して位置制限を行うことができるため、コイル部と弁座との確実な接続が実現される。該解決手段を用いることにより、コイル部を弁体に挿入すると同時に接続を実現することができ、ネジをねじ込む必要がないため、組立効率が向上し、振動環境においても接続が緩むことがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本願の一部を構成する図面は、本願への理解を深めるためのものであり、本願の例示的な実施例及びそれらの説明は、本願を説明するためのものであり、本願を限定するものではない。
【
図1】本願の実施例に係るインライン式電動弁の概略構造図である。
【
図2】
図1におけるインライン式電動弁の取付方式を示す概略図である。
【
図4】
図3における接続部の別の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明された実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。以下、少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、本質的に例示的なものに過ぎず、本願及びその適用又は使用を限定するものでは決してない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得る他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。
【0018】
図1~
図5に示すように、本願の実施例に係る電動弁は、弁座10、弁体20、コイル部30及び接続部40を含み、弁座10は、端面11及び係止溝12を含み、弁体20は、一部が弁座10内に挿設され、別の一部が端面11から突出し、コイル部30は、弁体20に外嵌され、コイル部30と係止溝12がそれぞれ端面11の両側に位置し、接続部40は、接続部材41と、接続部材41に設置された支持部材42及び係止部材43とを含み、接続部材41は、コイル部30に固定的に接続され、支持部材42は、端面11に当接し、係止部材43は、係止溝12に係止される。
【0019】
本実施例では、弁体20は、一部が弁座10内に挿設され、別の一部が端面11から突出し、このような設置により、コイル部30と接続部40と弁座10との間の対応設置が容易になる。コイル部30は、端面11の上方に位置し、係止溝12は、端面11の側下方に位置することにより、コイル部30に接続された接続部40と弁座10との接続が容易になる。接続部材41は、コイル部30に固定的に接続され、支持部材42は、端面11に当接し、係止部材43は、係止溝12に係止されるため、接続部40と弁座10との固定的な接続が実現される。
【0020】
該解決手段を用いることにより、コイル部30を取り付ける場合、接続部40の係止部材43と弁座10における係止溝12とを係止すればよく、係止が完了した後、支持部材42が弁座10の端面11に当接することで、コイル部30の軸方向の2つの方向に対して位置制限を行うことができるため、コイル部30と弁座10との確実な接続が実現される。該解決手段を用いることにより、コイル部30を弁体20に挿入すると同時に接続を実現することができ、ネジをねじ込む必要がないため、組立効率が向上し、振動環境においても接続が緩むことがない。
【0021】
さらに、支持部材42は、弾性を有する構造である。支持部材42は、弾性構造を用い、接続部40によりコイル部30及び弁座10を接続するときに支持及び位置制限の作用をよりよく果たすことができ、コイル部30及び弁座10を固定した後に締結作用をよりよく果たすことができる。組立及び取り外しの際に、支持部材42が弾性変形することができるため、係止部材43を係止溝12内に係止するか又は係止溝12から取り出すことを容易にすることができる。
【0022】
さらに、支持部材42は、互いに接続された弧状板44及び位置制限板45を含み、弧状板44は、接続部材41に接続され、位置制限板45は、端面11に当接し、位置制限板45は、接続部材41から離間し、端面11に対して傾斜して設置される。支持部材42は、弧状板44を用い、支持部材42が端面11に当接するときに両者の当接時に生じる径方向の力に対して緩衝作用を果たし、支持部材42と接続部材41との間の接続を保護することができる。また、位置制限板45が端面11に対して傾斜して設置される方式を用いることにより、位置制限板45が弾性変形しやすくなり、支持部材42の位置制限板45が端面11に当接すると、良好な位置制限作用を果たすことができる。
【0023】
好ましくは、支持部材42は、複数あり、複数の支持部材42は、弁体20を囲んで設置される。複数の支持部材42が協働して作用することにより、各支持部材42が受ける当接時の圧力を減少させ、接続部40の全体に対して保護作用を果たすとともに、支持部材42と弁座10とが係合された後の締結効果がより高くなる。
【0024】
図3~
図5に示すように、弁座10は、本体13及び位置制限部14を含み、端面11は、本体13に位置し、本体13は、段差構造を有し、位置制限部14は、段差構造の側面15に位置し、位置制限部14と段差構造の底面16との間の領域は、係止溝12を形成する。上記構造により、弁座10に係止溝12を形成して、接続部40と係合することができる。
【0025】
本実施例では、弁座10における本体13は、段差構造を有し、位置制限部14は、段差構造に位置するとともに、段差構造の側面15と段差構造の底面16との間に係止溝12が形成され、このような設計により係止溝12の加工及び位置制限部14の配置を容易にするとともに、本体13に付属する段差構造により係止溝を形成することができ、構造が簡単で、加工が便利である。
【0026】
具体的には、位置制限部14は、弁体20の軸方向に沿って延在する位置制限溝17を含み、係止部材43は、接続板46及び係止フック47を含み、接続板46の両端は、それぞれ、接続部材41と係止フック47に接続され、係止フック47は、係止溝12に係止され、接続板46は、位置制限溝17に位置制限されて係合される。
【0027】
係止フック47は、係止溝12に係止され、接続板46は、位置制限溝17に位置制限して係合され、このような設計により係止フック47と係止溝12との係止を容易にするとともに、接続板46と位置制限溝17との位置制限係合によって接続板46を周方向に位置制限して、コイル部30を周方向に位置制限することができる。接続板46の両端がそれぞれ接続部材41と係止フック47に接続され、係止が完了した後、支持部材42が弁座10の端面11に当接することで、コイル部30の軸方向の2つの方向に対して位置制限を行うことができるため、コイル部30と弁座10との確実な接続が実現される。
【0028】
図3及び
図4に示すように、接続部40は、係止部材43の中部に接続される引き部材48をさらに含む。作業者は、操作時に、引き部材48を引いて係止部材43を移動させることができる。引き部材48は、係止部材43の中部に設置され、係止過程において、接続部40における係止フック47の係止又は取り外しが難しくならないように、一定の調整作用を果たすことができる。
【0029】
図2に示すように、接続部材41は、環状構造であり、環状構造は、弁体20を逃がすことができ、これにより、弁体20は、接続部材41を貫通することができる。接続部材41には、複数の貫通孔49が分布し、コイル部30は、複数の貫通孔49に一対一で位置制限されて係合される複数の凸柱31を含む。このような係合方式により、コイル部30及び接続部40をよりよく位置制限することができ、また、複数の凸柱31が貫通孔49に一対一で位置制限して係合されることにより、構造の安定性をよりよく保証することができる。凸柱31と貫通孔49とは、リベット継ぎ又は溶接などの方式により固定的に接続されてもよい。
【0030】
具体的には、接続部40は、金属材料で製造された一体構造である。接続部40は、金属材料で製造され、高い機械的強度を有するため、弁座10とコイル部30との接続強度を高めることができる。接続部40は、板金又はプレス部品とすることができ、このようにして加工が容易になり、コストが低い。
【0031】
具体的には、弁体20は、弁座10に螺合される。螺合により、取付が容易になり、取り外しが簡単で、操作が簡単である。
【0032】
図4に示すように、接続部材41と係止部材43との接続箇所には、凹み構造が設置される。このような設計により、係止部材43の剛性が大きすぎて取り外しが難しくなるという問題を回避し、弾性を向上させることができる。
【0033】
以上の記載は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は、様々な変更及び変化が可能である。本願の精神と原則内に行われるいかなる修正、同等置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0034】
10 弁座
11 端面
12 係止溝
13 本体
14 位置制限部
15 側面
16 底面
17 位置制限溝
20 弁体
30 コイル部
31 凸柱
40 接続部
41 接続部材
411 凹み構造
42 支持部材
43 係止部材
44 弧状板
45 位置制限板
46 接続板
47 係止フック
48 引き部材
49 貫通孔
【国際調査報告】