(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-01
(54)【発明の名称】コネクタ、スイッチング電源及び通信用電源システム
(51)【国際特許分類】
H02M 3/00 20060101AFI20240423BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H02M3/00 Y
G06F1/18 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563321
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 CN2022087171
(87)【国際公開番号】W WO2022218421
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202110414448.8
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 成
(72)【発明者】
【氏名】塗 大 鋭
(72)【発明者】
【氏名】周 囲
(72)【発明者】
【氏名】程 爽
(72)【発明者】
【氏名】周 浄 軒
(72)【発明者】
【氏名】徐 先 鋒
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA02
5H730AA14
5H730AA20
5H730CC01
5H730XC09
5H730ZZ01
5H730ZZ05
5H730ZZ11
5H730ZZ12
(57)【要約】
本開示は、コネクタ、スイッチング電源及び通信用電源システムを提供し、当該コネクタは、第1コンタクトと、第2コンタクトと、キャパシタプリチャージ回路と、制御回路とを含む。第1コンタクトは、第2コンタクトに取り外し可能に接続され、電源装置の出力端に接続され、第2コンタクトは、直流バスに接続され、キャパシタプリチャージ回路及び制御回路は、いずれも第1コンタクトに設けられ、キャパシタプリチャージ回路は、キャパシタ回路に接続され、制御回路は、電源装置のオン及びオフを制御する。これにより、第1コンタクトを第2コンタクトに挿入する工程において、直流バスがキャパシタプリチャージ回路を介してキャパシタ回路を充電してから、制御回路が電源装置をオンにするように制御し、第1コンタクトを第2コンタクトから引き抜く工程において、電源装置と直流バスとの接続が切断される前に、制御回路が先に前記電源装置をオフにするように制御する。これから分かるように、本開示は、スイッチング電源の消費電力を低減するとともに、スイッチング電源の構造を簡略化することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置の出力端に接続された第1コンタクトであって、前記電源装置の出力端には、キャパシタ回路が設けられる第1コンタクトと、
前記第1コンタクトに取り外し可能に接続され、かつ通信用電源システムの直流バスに接続された第2コンタクトと、
前記第1コンタクトに設けられ、前記キャパシタ回路に接続されたキャパシタプリチャージ回路と、
前記第1コンタクトに設けられ、かつ前記電源装置に接続され、前記電源装置のオン及びオフを制御する制御回路と、を含み、
前記第1コンタクトを前記第2コンタクトに挿入する工程において、前記直流バスが前記キャパシタプリチャージ回路を介して前記キャパシタ回路を充電してから、前記制御回路が前記電源装置をオンにするように制御し、前記第1コンタクトを前記第2コンタクトから引き抜く工程において、前記電源装置と前記直流バスとの接続が切断される前に、前記制御回路が先に前記電源装置をオフにするように制御する、コネクタ。
【請求項2】
前記キャパシタ回路が充電された後に前記制御回路に動作電源を提供するように、前記制御回路は、前記キャパシタ回路に接続される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1コンタクトには、複数の第1金具が設けられ、前記第2コンタクトには、各前記第1金具に対応する第2金具が設けられ、
前記複数の第1金具は、パワープラス金具、パワーグランド金具、プリチャージ金具、及びインポジション金具を含み、前記インポジション金具の長さは、前記パワープラス金具の長さよりも小さく、前記パワープラス金具の長さは、それぞれ前記パワーグランド金具の長さ及び前記プリチャージ金具の長さよりも小さく、
前記パワープラス金具は、前記電源装置の正側出力端に接続され、前記パワーグランド金具は、前記電源装置の負側出力端に接続され、
前記プリチャージ金具が前記キャパシタプリチャージ回路に接続されるため、前記第1コンタクトを前記第2コンタクトに挿入する工程において、前記プリチャージ金具が対応する第2金具に接触し、前記パワーグランド金具が対応する第2金具に接触する場合、前記直流バスと前記キャパシタ回路とが充電回路を形成し、それにより、前記直流バスが前記キャパシタ回路を充電し、
前記インポジション金具が前記制御回路に接続されるため、前記第1コンタクトを前記第2コンタクトに挿入する工程において、前記インポジション金具が対応する第2金具に接触する場合、前記制御回路は、前記電源装置をオンにするように制御し、前記第1コンタクトを前記第2コンタクトから引き抜く工程において、前記インポジション金具が対応する第2金具から離れる場合、前記制御回路は、前記電源装置をオフにするように制御する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記キャパシタプリチャージ回路は、ダイオード及び電流制限抵抗を含み、前記ダイオードは、アノードが前記プリチャージ金具に接続され、カソードが前記キャパシタ回路に接続され、前記電流制限抵抗は、前記キャパシタ回路と前記プリチャージ金具との間に接続される、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記制御回路は、コントローラ及びインポジション検出回路を含み、前記インポジション検出回路は、前記インポジション金具と前記コントローラとの間に接続され、前記コントローラは、前記電源装置の制御端に接続され、
前記インポジション金具が対応する第2金具に接触した場合、前記インポジション検出回路が第1電気信号を前記コントローラに伝送し、前記インポジション金具が対応する第2金具から離れた場合、前記インポジション検出回路が第2電気信号を前記コントローラに伝送し、それにより、前記コントローラは、前記インポジション検出回路によって伝送された電気信号が所定の変化を満たすことを検出する場合、前記電源装置をオン又はオフにするように制御する、請求項3又は4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記インポジション金具に対応する第2金具は、前記パワーグランド金具に対応する第2金具に接続され、
前記インポジション検出回路は、信号源回路及び信号処理回路を含み、前記信号源回路は、前記信号処理回路に接続され、前記信号処理回路は、前記インポジション金具と前記コントローラとの間に接続され、
前記インポジション金具が対応する第2金具に接触した場合、前記信号源回路は、前記信号処理回路を介して第1電気信号を前記コントローラに伝送し、前記インポジション金具が対応する第2金具から離れた場合、前記信号源回路は、前記信号処理回路を介して第2電気信号を前記コントローラに伝送する、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記信号処理回路は、第1抵抗及び第2抵抗を含み、前記第1抵抗は、第1端が前記インポジション金具に接続され、第2端が前記コントローラに接続され、前記第2抵抗は、前記信号源回路と、前記第1抵抗の第2端との間に接続され、或いは、
前記信号処理回路は、第3抵抗、第4抵抗、及びスイッチトランジスタを含み、前記スイッチトランジスタは、制御端が前記第3抵抗を介して前記インポジション金具に接続され、第1スイッチ端が前記第4抵抗を介して前記信号源回路に接続され、第2スイッチ端が接地される、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記インポジション検出回路は、信号フィルタ回路を介して前記コントローラに接続される、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項9】
電源装置と、請求項1~8のいずれか一項に記載のコネクタとを含み、前記電源装置の出力端は、前記コネクタに接続される、スイッチング電源。
【請求項10】
直流バスと、請求項9に記載のスイッチング電源とを含み、前記直流バスは、前記スイッチング電源に接続される、通信用電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本開示は、2021年4月16日に提出した、発明名称が「コネクタ、スイッチング電源及び通信用電源システム」の中国特許出願CN202110414448.8に基づくものであり、当該特許出願についての優先権を主張し、その全ての開示内容は、参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
[技術分野]
本開示は、電気の技術分野に関し、具体的には、コネクタ、スイッチング電源及び通信用電源システムに関する。
【背景技術】
【0003】
信頼性を確保するために、通常、通信システムの重要な構成部分としての通信用電源システムには、複数のスイッチング電源が設けられる。これにより、通信用電源システムの柔軟性を実現するために、スイッチング電源は、通常、活線挿抜をサポートすることができ、即ち、スイッチング電源の挿抜は、通信用電源システムの正常な動作に影響を与えない。
【0004】
スイッチング電源の活線挿抜は、アーク放電の発生(スパークと呼ばれる)を招く可能性があり、アーク放電による高温は、スイッチング電源におけるコネクタを損傷させる。したがって、関連技術において、アーク放電の発生を抑制するために、通常、スイッチング電源の出力キャパシタに電流制限抵抗を直列に接続し、スイッチング電源に電流検出装置及び消弧構造などを別途設けるが、前述の実施形態によれば、スイッチング電源の消費電力が高すぎ、スイッチング電源の構造が複雑になりすぎる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これにより、本開示の実施例は、スイッチング電源の消費電力を低減し、スイッチング電源の構造を簡素化するために、コネクタ、スイッチング電源及び通信用電源システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様において、本開示の実施例は、
電源装置の出力端に接続された第1コンタクトであって、前記電源装置の出力端には、キャパシタ回路が設けられる第1コンタクトと、
前記第1コンタクトに取り外し可能に接続され、かつ通信用電源システムの直流バスに接続された第2コンタクトと、
前記第1コンタクトに設けられ、前記キャパシタ回路に接続されたキャパシタプリチャージ回路と、
前記第1コンタクトに設けられ、かつ前記電源装置に接続され、前記電源装置のオン及びオフを制御する制御回路と、を含み、
前記第1コンタクトを前記第2コンタクトに挿入する工程において、前記直流バスが前記キャパシタプリチャージ回路を介して前記キャパシタ回路を充電してから、前記制御回路が前記電源装置をオンにするように制御し、前記第1コンタクトを前記第2コンタクトから引き抜く工程において、前記電源装置と前記直流バスとの接続が切断される前に、前記制御回路が先に前記電源装置をオフにするように制御する、コネクタを提供する。
【0007】
第2態様において、本開示の実施例は、電源装置と、第1態様に記載のコネクタとを含み、前記電源装置の出力端が前記コネクタに接続される、スイッチング電源を提供する。
【0008】
第3態様において、本開示の実施例は、直流バスと、第2態様に記載のスイッチング電源とを含み、前記直流バスが前記スイッチング電源に接続される、通信用電源システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施例は、コネクタ、スイッチング電源及び通信用電源システムを提供し、当該コネクタは、第1コンタクトと、第2コンタクトと、キャパシタプリチャージ回路と、制御回路とを含む。第1コンタクトは、第2コンタクトに取り外し可能に接続され、電源装置の出力端に接続され、第2コンタクトは、直流バスに接続され、キャパシタプリチャージ回路及び制御回路は、いずれも第1コンタクトに設けられ、キャパシタプリチャージ回路は、キャパシタ回路に接続され、制御回路は、電源装置のオン及びオフを制御する。これにより、第1コンタクトを第2コンタクトに挿入する工程において、直流バスがキャパシタプリチャージ回路を介してキャパシタ回路を充電してから、制御回路が電源装置をオンにするように制御し、第1コンタクトを第2コンタクトから引き抜く工程において、電源装置と直流バスとの接続が切断される前に、制御回路が先に前記電源装置をオフにするように制御する。関連技術に比べて、本開示の実施例は、スイッチング電源の出力キャパシタに電流制限抵抗を別途設ける必要がないため、スイッチング電源の消費電力を低減することができ、同時に、電流検出装置及び消弧構造を別途設ける必要もないため、スイッチング電源の構造を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施例に係る通信用電源システムの回路構成の一例を示す図である。
【
図2】通信用電源システムの例示的な回路構成の一例を示す図である。
【
図3】本開示の実施例に係るスイッチング電源の回路構成の一例を示す図である。
【
図4】スイッチング電源の回路構成の一例を示す図である。
【
図5】本開示の実施例に係るコネクタの回路構成の一例を示す図である。
【
図7】第1コンタクト及び第2コンタクトの回路構成の一例を示す図である。
【
図8】キャパシタプリチャージ回路の回路構成の一例を示す図である。
【
図10】インポジション検出回路の回路構成の一例を示す図である。
【
図11】信号処理回路の回路構成の一例を示す図である。
【
図12】信号処理回路の別の回路構成を示す図である。
【
図13】信号フィルタ回路の回路構成の一例を示す図である。
【
図14】本開示の実施例に係るコネクタの例示的な回路構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本明細書の実施例における図面を参照しながら、本明細書の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、本明細書の一部の実施例に過ぎず、全てではない。本明細書の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で、取得した全ての他の実施例は、いずれも本明細書の保護範囲に属する。
【0012】
図面に示されるフローチャートは、単なる例示的な説明であり、必ずしも全ての内容及び操作/ステップを含むわけではなく、また、必ずしも説明された順序で実行するわけでもない。例えば、一部の操作/ステップが分解されたり、合併又は部分的に合併されたりすることができるので、実際の実行順序は、実際の状況によって異なる可能性がある。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本明細書のいくつかの実施形態を詳細に説明する。下記実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0014】
図1に示すように、本開示の実施例に係る通信用電源システムは、スイッチング電源10と、直流バス20とを含んでもよく、スイッチング電源10は、直流バス20に接続される。本実施例において、スイッチング電源10の数は、1つ又は複数であってもよく、具体的には、実際の状況に応じて合理的に設定することができる。例示的には、
図2に示すように、スイッチング電源10の数は、複数であってもよく、各スイッチング電源10の第2コンタクトは、それぞれ直流バス20に接続され、理解できるように、各スイッチング電源10がそれぞれから出力された電力を直流バス20に集めることにより、直流バス20が1つ又は複数の電力消費機器に動作電源を提供することができる。
【0015】
図3に示すように、本開示の実施例に係るスイッチング電源10は、電源装置110と、コネクタ120とを含んでもよい。本実施例において、電源装置110は、直流電力を出力することができ、かつ、電源装置110のオン及びオフは、制御可能であり、例えば、電源装置は、1つ又は複数のスイッチトランジスタを含んでもよく、スイッチトランジスタが制御可能であるため、電源装置110のオン及びオフも制御可能であり、コネクタ120は、電源装置110の出力端に接続され、かつ直流バス20に接続される。これから分かるように、電源装置110が出力する直流電力は、コネクタ120を介して直流バス20に供給される。例示的には、
図4に示すように、電源装置110は、AC/DC整流器を含んでもよく、AC/DC整流器は、入力端が交流電源に接続されてもよく、出力端がコネクタ120に接続されてもよく、このように、電源装置110がオンになった場合、交流電源から出力された交流電力は、整流された後に直流電力になり、コネクタ120を介して直流バス20に供給される。
【0016】
図5に示すように、本開示の実施例に係るコネクタ120は、第1コンタクト121と、第2コンタクト122と、キャパシタプリチャージ回路123と、制御回路124とを含んでもよい。また、本実施例において、電源装置110の出力端には、キャパシタ回路111が設けられ、即ち、キャパシタ回路111は、電源装置110の出力端に並列に接続され、理解できるように、キャパシタ回路111がスイッチング電源10の出力の安定性を確保することができ、それにより、スイッチング電源10は、より良い電力を出力する。
【0017】
第1コンタクト121と第2コンタクト122は、取り外し可能に接続されるため、スイッチング電源10は、プラグで活線挿抜を行うことができ、第1コンタクト121は、電源装置110の出力端に接続され、第2コンタクト122は、直流バス20に接続される。一実施形態において、第2コンタクト122は、直流バス20に対して固定的に設けられてもよく、これにより、第1コンタクト121の挿抜を容易にすることができる。例示的には、第1コンタクト121及び第2コンタクト122は、それぞれプラグ及びコンセントであってもよく、かつコンセントは、直流バス20に対して固定的に設けられる。
【0018】
キャパシタプリチャージ回路123及び制御回路124は、いずれも第1コンタクト121に設けられてもよい。キャパシタプリチャージ回路123は、キャパシタ回路111に接続され、制御回路124は、電源装置110のオン及びオフを制御するものであり、例示的には、制御回路124が電源装置110におけるスイッチトランジスタに接続されてもよいため、制御回路124は、スイッチトランジスタをオンにするように制御する方式で電源装置110をオンにしてもよく、同様に、スイッチトランジスタをオフにするように制御する方式で電源装置110をオフにしてもよい。
【0019】
本実施例において、第1コンタクト121を第2コンタクト122に挿入する(即ち、活線挿入)工程において、直流バス20がキャパシタプリチャージ回路123を介してキャパシタ回路111を充電してから、制御回路124が電源装置110をオンにするように制御し、具体的には、活線挿入の前に、キャパシタ回路が充電されていないため、スイッチング電源の両端の電圧が低く、このとき、電源装置をオンにすると、キャパシタ回路と直流バスとの間の電圧差が大きすぎるため、アーク放電が発生する。したがって、本実施例において、第1コンタクト121を第2コンタクト122に挿入する工程において、キャパシタプリチャージ回路123が先に直流バス20に接続し、それにより、直流バス20は、先にキャパシタ回路111を充電し、理解できるように、充電後、キャパシタ回路111の両端の電圧が直流バスの電圧に近いため、キャパシタ回路111が充電された後、制御回路124は、電源装置110をオンにするように制御し、このとき、キャパシタ回路111の電圧が直流バス20の電圧に近いため、アーク放電の発生を回避できる。また、第1コンタクト121を第2コンタクト122から引き抜く(即ち、活線抜去)工程において、電源装置110と直流バス20との接続が切断される前に、制御回路124は、先に電源装置110をオフにするように制御し、具体的には、スイッチング電源が活線抜去を行う場合、電源装置と直流バスとの接続が切断されるときにアーク放電が発生する。したがって、本実施例において、第1コンタクト121を第2コンタクト122から引き抜く工程において、制御回路124は、電源装置110と直流バス20との接続が切断される前に、先に電源装置110をオフにするように制御し、このように、アーク放電の発生を回避することができる。したがって、本実施例に係るコンタクトがスイッチング電源に用いられる場合、スイッチング電源は、活線挿抜をサポートするだけでなく、活線挿抜時にアーク放電の発生を回避することができ、それにより、アーク放電のスパークによる安全事故などを効果的に減少させる。
【0020】
したがって、上記説明から分かるように、本実施例は、関連技術に比べて、スイッチング電源の出力キャパシタ(即ち、上記キャパシタ回路111)に電流制限抵抗を別途設ける必要がないため、スイッチング電源の消費電力を低減することができ、同時に、電流検出装置及び消弧構造を別途設ける必要もないため、スイッチング電源の構造を簡略化することができる。
【0021】
一実施例において、
図6に示すように、キャパシタ回路111が充電された後に制御回路124に動作電源を提供するように、制御回路124は、キャパシタ回路111に接続されてもよい。具体的には、第1コンタクト121を第2コンタクト122に挿入する工程において、何らかの異常(例えば、接触不良又は導線破断など)により直流バス20がキャパシタ回路111を充電することができない場合、制御回路124は、電源装置110をオンにするように制御すると、アーク放電の発生を招く恐れがある。これにより、本実施例において、キャパシタ回路111が制御回路124に給電する場合、前述の異常状況があると、キャパシタ回路111は、充電されていないため、制御回路124に給電することができず、それにより、電源装置110をオンにすることを回避して、アーク放電の発生を回避することができる。また、異常がない場合、直流バス20は、キャパシタ回路111を充電することができ、言い換えれば、キャパシタ回路111は、正常に制御回路124に給電することができ、このように、挿入工程において制御回路124による電源装置110の制御に影響を与えない。例示的には、キャパシタ回路111は、補助回路を介して制御回路124に給電し、例えば、boost降圧回路を介して制御回路124に給電することができる。
【0022】
一実施例において、第1コンタクト121には、複数の第1金具が設けられ、第2コンタクト122には、各第1金具に対応する第2金具が設けられ、理解できるように、第1金具は、第2金具に取り外し可能に接続され、例示的には、第1金具及び第2金具は、それぞれ金属栓刃及び金属刃受けであってもよい。一実施形態において、第1金具と第2金具の数は、一致してもよく、かつ1つの第1金具が1つの第2金具に対応し、即ち、一対一に対応する。
【0023】
図7に示すように、複数の第1金具は、パワープラス金具1211と、パワーグランド金具1212と、プリチャージ金具1213と、インポジション金具1214とを含んでもよい。パワープラス金具1211は、電源装置110の正側出力端に接続され、パワーグランド金具1212は、電源装置110の負側出力端に接続され、それに応じて、パワープラス金具1211に対応する第2金具1221は、直流バス20の正極に接続され、パワーグランド金具1212に対応する第2金具1212は、直流バス20の負極に接続され、プリチャージ金具1213は、キャパシタプリチャージ回路123に接続され、インポジション金具1214は、制御回路124に接続され、一実施形態において、プリチャージ金具1213に対応する第2金具1223は、第2金具1221に接続されてもよく、即ち、直流バス20の正極に接続されてもよい。
【0024】
本実施例において、インポジション金具1214の長さは、パワープラス金具1211の長さよりも小さく、パワープラス金具1211の長さは、それぞれパワーグランド金具1212の長さ及びプリチャージ金具1213の長さよりも小さい。このように、第1コンタクト121を第2コンタクト122に挿入する工程において、最初に、パワーグランド金具1212とプリチャージ金具1213がそれぞれ対応する第2金具に接触し、次に、パワープラス金具1211が対応する第2金具に接触し、最後に、インポジション金具1214が対応する第2金具に接触し、逆に、第1コンタクト121を第2コンタクト122から引き抜く工程において、最初に、インポジション金具1214が対応する第2金具から離れ、次に、パワープラス金具1211が対応する第2金具から離れ、最後に、パワーグランド金具1212とプリチャージ金具1213がそれぞれ対応する第2金具から離れる。一実施形態において、パワーグランド金具1212の長さは、プリチャージ金具1213の長さと等しくてもよい。
【0025】
これにより、第1コンタクト121を第2コンタクト122に挿入する工程において、プリチャージ金具1213が第2金具1223に接触し、パワーグランド金具1212が第2金具1222に接触する場合、直流バス20とキャパシタ回路111とが充電回路を形成し、それにより、直流バス20がキャパシタ回路111を充電し、その後、インポジション金具1214が第2金具1224に接触する場合、制御回路124は、電源装置110をオンにするように制御する。具体的には、活線挿入の工程において、プリチャージ金具1213とパワーグランド金具1212がそれぞれ対応する第2金具に最初に接触し、直流バス20が電力を出力しているため(例えば、他のスイッチング電源が直流バス20に電力を伝送する)、直流バス20が先にキャパシタ回路111を充電することができ(即ち、直流バス20がキャパシタ回路111に給電する)、図から分かるように、充電回路は、直流バス20の正極-第2金具1223-プリチャージ金具1213-キャパシタプリチャージ回路123-キャパシタ回路111-パワーグランド金具1212-第2金具1222-直流バス20の負極であり、次に、パワープラス金具1211が第2金具1221に接触し、その後、キャパシタ回路111と直流バス20との給電関係が正常に回復し、即ち、キャパシタ回路111が直流バス20に給電することであり、これから分かるように、パワープラス金具1211の長さがそれぞれパワーグランド金具1212の長さ及びプリチャージ金具1213の長さよりも小さいと、キャパシタ回路111が先に充電されることを確保することができ、最後に、インポジション金具1214が第2金具1224に接触し、インポジション金具1214の長さがパワープラス金具1211の長さよりも小さいため、電源装置110と直流バス20との間に接続関係が既に存在し、かつこのとき、キャパシタ回路111の電圧が直流バス20の電圧に近いため、制御回路124は、電源装置110をオンにするように制御することができ、このように、アーク放電の発生を回避することができる。なお、理解できるように、電源装置110をオンにした後、スイッチング電源10は、直流バス20に給電し続けることができる。
【0026】
また、第1コンタクト121を第2コンタクト122から引き抜く工程において、インポジション金具1214が第2金具1224から離れる場合、制御回路124は、電源装置110をオフにするように制御する。具体的には、活線抜去の工程において、インポジション金具1214が最初に第2金具1224から離れ、インポジション金具1214の長さがパワープラス金具1211の長さよりも小さいため、このとき、電源装置110と直流バス20との間に接続関係が依然として存在し、このように、制御回路124は、電源装置110をオフにするように制御することができ、同様に、アーク放電の発生を回避することもできる。
【0027】
一実施例において、
図8に示すように、キャパシタプリチャージ回路123は、ダイオードD及び電流制限抵抗Rcを含み、ダイオードDは、アノードがプリチャージ金具1213に接続され、カソードがキャパシタ回路111に接続され、電流制限抵抗Rcは、キャパシタ回路111とプリチャージ金具1213との間に接続される。具体的には、ダイオードDは、プリチャージ金具1213とパワープラス金具1211との間に回路が形成されることを防止することができ、電流制限抵抗Rcは、キャパシタ回路111を流れる充電電流を制限することができる。
【0028】
一実施例では、
図9に示すように、制御回路124は、コントローラ1241及びインポジション検出回路1242を含んでもよく、インポジション検出回路1242は、インポジション金具1214とコントローラ1241との間に接続され、コントローラ1241は、マイクロコントローラユニット(Microcontroller Unit、MCU)を含んでもよく、電源装置110の制御端に接続される。これにより、インポジション金具1214が第2金具1224に接触した場合、インポジション検出回路1242は、第1電気信号をコントローラ1241に伝送し、インポジション金具1214が第2金具1224から離れた場合、インポジション検出回路1242は、第2電気信号をコントローラ1241に伝送し、それにより、コントローラ1241は、インポジション検出回路1242によって伝送された電気信号が所定の変化を満たすことを検出する場合、電源装置110をオン又はオフにするように制御する。具体的には、活線挿入の工程において、インポジション金具1214と第2金具1224との間の関係が離れてから接触するまでになると、インポジション検出回路1242からコントローラ1241に伝送された電気信号が第2電気信号から第1電気信号に変化するため、コントローラ1241は、インポジション検出回路1242から伝送された電気信号がこの所定の変化を満たすことを検出する場合、このときにインポジション金具1214が第2金具1224に接触したと決定することができ、それにより、電源装置110をオンにするように制御することができ、逆に、活線抜去の工程において、インポジション金具1214と第2金具1224との間の関係が接触してから離れるまでになると、インポジション検出回路1242からコントローラ1241に伝送された電気信号が第1電気信号から第2電気信号に変化するため、コントローラ1241は、インポジション検出回路1242から伝送された電気信号がこの所定の変化を満たすことを検出する場合、このときにインポジション金具1214が第2金具1224から離れたと決定することができ、それにより、電源装置110をオフにするように制御することができる。
【0029】
一実施形態において、
図10に示すように、インポジション検出回路1242は、信号源回路VCC及び信号処理回路1243を含んでもよく、信号源回路VCCは、コントローラ1241の電源出力回路を含んでもよいが、これに限定されず、信号処理回路1243に接続され、信号処理回路1243は、インポジション金具1214とコントローラ1241との間に接続され、また、第2金具1224は、第2金具1222に接続される。これにより、インポジション金具1214が第2金具1224に接触した場合、信号源回路VCCは、信号処理回路1243を介して第1電気信号をコントローラ1241に伝送し、逆に、インポジション金具1214が第2金具1224から離れた場合、信号源回路VCCは、信号処理回路1243を介して第2電気信号をコントローラ1241に伝送する。
【0030】
例示的には、
図11に示すように、信号処理回路1243は、第1抵抗R1及び第2抵抗R2を含んでもよく、第1抵抗R1は、第1端がインポジション金具1214に接続され、第2端がコントローラ1241に接続され、第2抵抗R2は、信号源回路VCCと第1抵抗R2の第2端との間に接続される。このように、インポジション金具1214が第2金具1224に接触した場合、信号源回路VCCは、第2抵抗R2を介して2つの電気信号を出力し、一方は、コントローラ1241に出力され、他方は、第1抵抗R1を介してアース(その電気回路は、VCC-R2-R1-1214-1224-1222-1212である)に出力され、これから分かるように、信号源回路VCCがコントローラ1241に出力する第1電気信号は、他の回路によって分圧されるため、第1電気信号は、ローレベル信号であると考えられ、インポジション金具1214が第2金具1224から離れた場合、信号源回路VCCは、第2抵抗R2を介して直接コントローラ1241に第2電気信号を出力し、このとき、分圧されないため、第2電気信号は、ハイレベル信号であると考えられる。
【0031】
例示的には、
図12に示すように、信号処理回路1243は、第3抵抗R3、第4抵抗R4及びスイッチトランジスタQを含んでもよく、スイッチトランジスタQは、トランジスタ、及びMOSトランジスタなどを含んでもよく、スイッチトランジスタQは、制御端が第3抵抗R3を介してインポジション金具1214に接続され、第1スイッチ端が第4抵抗R4を介して信号源回路VCCに接続され、第2スイッチ端が接地される。このように、インポジション金具1214が第2金具1224に接触した場合、スイッチトランジスタQの制御端とパワーグランド金具1212との間に接続関係が存在するため(具体的な原理は、前述の説明を参照できる)、スイッチトランジスタQの制御端に電流が入力され、即ち、スイッチトランジスタQがオン状態にあるため、信号源回路VCCが第4抵抗R4を介して出力した電気信号は、主にアースに入力され、即ち、信号源回路VCCがコントローラ1241に出力した第1電気信号は、ローレベル信号であると考えられ、インポジション金具1214が第2金具1224から離れた場合、スイッチトランジスタQの制御端に電流入力がなく、即ち、スイッチトランジスタQがオフ状態にあるため、信号源回路VCCが第4抵抗R4を介して出力した電気信号は、主にコントローラ1241に入力され、即ち、信号源回路VCCがコントローラ1241に出力した第1電気信号は、ハイレベル信号であると考えられる。
【0032】
一実施形態において、
図13に示すように、インポジション検出回路1242は、信号フィルタ回路1244を介してコントローラ1241に接続されてもよく、信号フィルタ回路1244は、フィルタを含んでもよく、理解できるように、信号フィルタ回路1244を介してコントローラ1244に、より良い電気信号を出力することができる。
【0033】
以上より、
図14は、本開示の実施例に係るコネクタの例示的な回路構造の一例を示す図であり、具体的な接続関係などについては、図面を参照し、ここでは説明を省略する。この例では、第1コンタクト121を第2コンタクト122に挿入する工程において、プリチャージ金具1213及びパワーグランド金具1212がそれぞれ対応する第2金具に最初に接触し、直流バス20が先にキャパシタ回路111を充電し、理解できるように、キャパシタ回路111が充電された後にコントローラに給電することができ、インポジション金具1214が第2金具1224に接触した後、コントローラは、電気信号が所定の変化(即ち、ハイレベルからローレベルに変化する)を満たすことを検出することにより、電源装置110をオンにするように制御し、理解できるように、インポジション金具1214の長さがパワープラス金具1211の長さよりも小さいため、電源装置110と直流バス20との間に接続関係が既に存在し、このとき、キャパシタ回路111の電圧が直流バス20の電圧に近いため、アーク放電の発生を回避することができる。第1コンタクト121を第2コンタクト122から引き抜く工程において、インポジション金具1214が最初に第2金具1224から離れ、コントローラは、電気信号が所定の変化を満たす(即ち、らローレベルがハイレベルに変化する)ことを検出することにより、電源装置110をオフにするように制御し、理解できるように、インポジション金具1214の長さがパワープラス金具1211の長さよりも小さいため、このとき、電源装置110と直流バス20との間に接続関係が依然として存在し、アーク放電の発生を回避することができる。
【0034】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲がこれに限定されず、当業者は、本開示に開示された技術的範囲内で、様々な等価な修正又は置換を容易に想到することができ、これらの修正又は置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。
【国際調査報告】