(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-10
(54)【発明の名称】デジタルアシスタントヒューマンマシンインタラクションデバイス
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240501BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240501BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240501BHJP
B60K 35/10 20240101ALI20240501BHJP
B60K 35/22 20240101ALI20240501BHJP
B60K 35/53 20240101ALI20240501BHJP
B60K 35/26 20240101ALI20240501BHJP
B60K 35/20 20240101ALI20240501BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20240501BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20240501BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240501BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G09G5/00 510A
G06F3/01 510
G06F3/16 610
G06F3/16 650
G06F3/16 690
B60K35/10
B60K35/22
B60K35/53
B60K35/26
B60K35/20
G09G5/00 510X
G09G5/00 550C
G09G5/14 Z
G09G5/36 400
G09G5/37 600
G09G5/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567033
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2022056451
(87)【国際公開番号】W WO2022248094
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522296653
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】サンヤル・サプタク
(72)【発明者】
【氏名】トン・リン・チー・(ダニエル)
(72)【発明者】
【氏名】グレス・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】サンカラリンガム・マハラジャ
(72)【発明者】
【氏名】タム・ピクシー・ルー・ジン
(72)【発明者】
【氏名】リー・チョー・ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ブーン・チン
(72)【発明者】
【氏名】タン・ジェイソン・チョン・ロン
【テーマコード(参考)】
3D344
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
3D344AA19
3D344AA27
3D344AA30
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD05
3D344AD13
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA12
5C182AA27
5C182AB25
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA35
5C182BA54
5C182BA75
5C182CC02
5C182DA32
5E555AA64
5E555AA65
5E555AA71
5E555AA76
5E555BA23
5E555BA25
5E555BB23
5E555BB25
5E555BC04
5E555BD05
5E555CA15
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB64
5E555CB67
5E555DA01
5E555DA27
5E555FA00
(57)【要約】
デジタルアシスタントデバイス(10)は、デジタルアシスタントデバイス(10)の周囲の所定の領域内の複数のユーザから情報を取得し、且つ取得された情報を示す信号を出力するように構成される入力手段(12、14)と、入力手段(12、14)によって出力される信号を受信し、且つユーザの数人又は各々のための個々のユーザ出力情報を生成するように構成される処理手段(16)と、特定のユーザに一意に割り当てられる生成された出力情報をユーザ固有の方法で出力するように構成される出力手段(18)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルアシスタントデバイス(10)であって、
前記デジタルアシスタントデバイス(10)の周囲の所定の領域内の複数のユーザから情報を取得し、且つ前記取得された情報を示す信号を出力するように構成される入力手段(12、14)と、
前記入力手段(12、14)によって出力される前記信号を受信し、且つ前記ユーザの数人又は各々のための個々のユーザ出力情報を生成するように構成される処理手段(16)と、
特定のユーザに一意に割り当てられる前記生成された出力情報をユーザ固有の方法で出力するように構成される出力手段(18)と
を含むデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項2】
前記処理手段(16)は、前記入力手段(12、14)によって出力される前記信号から、前記デジタルアシスタントデバイス(10)に対するユーザの位置、又は数人のユーザの位置、又は各ユーザの位置を特定するように構成される、請求項1に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項3】
前記出力手段(18)は、ディスプレイ(20)を含む、請求項1又は2に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項4】
前記ディスプレイ(20)は、湾曲ディスプレイ部分(22)を含む、請求項3に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項5】
前記湾曲ディスプレイ部分(22)は、円筒形状又は円錐形状を有する、請求項4に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項6】
前記ディスプレイ(20)は、前記湾曲ディスプレイ部分(22)の端部にタッチ感応部分(24)を含む、請求項4又は5に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項7】
前記ディスプレイ(20)は、特定のユーザに一意に割り当てられる前記出力情報を、前記特定のユーザに一意に割り当てられる前記ディスプレイ(20)の一部に表示するように構成される、請求項3~6のいずれか一項に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項8】
前記ディスプレイ(20)は、特定のユーザに一意に割り当てられる出力情報を、前記特定のユーザの位置に面する前記湾曲ディスプレイ部分(22)の一部に表示するように構成される、請求項2若しくは7又は4~6のいずれか一項に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項9】
前記ディスプレイ(20)を収容するように構成される凹部(30)を画定するハウジング(28)と、前記ディスプレイ(20)を前記凹部(30)内に格納し、且つ前記ディスプレイ(20)を前記凹部(30)の外に移動させるように構成される駆動機構(32)とを更に含む、請求項3~8のいずれか一項に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項10】
前記ディスプレイ(20)の格納状態において、前記湾曲ディスプレイ部分(22)の前記端部における前記タッチ感応部分(24)は、前記ハウジング(28)の外側からアクセス可能である、請求項6又は9に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項11】
前記出力手段(18)は、前記ディスプレイ(20)とは別個に形成される照明手段(34)を更に含む、請求項3~10のいずれか一項に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項12】
ユーザ固有の静止画又は動画(36)を表示することにより、前記出力情報が一意に割り当てられる前記特定のユーザを視覚的に示すように構成される、請求項3~11のいずれか一項に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項13】
前記入力手段(12、14)は、1つ以上のデジタルカメラ(12)及び/又は1つ以上のマイクロフォン(14)、任意選択的に1つ以上の全指向性マイクロフォン(14)を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項14】
前記出力手段(18)は、1つ以上のスピーカ(38)を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【請求項15】
車載デジタルアシスタントデバイスとして構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のデジタルアシスタントデバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルアシスタントデバイスに関し、特に車載デジタルアシスタントデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
過去数年にわたり、ユーザとの人間のような相互作用を目指すデジタルアシスタントとして多様なデジタルアシスタントが提案されている。利用可能なデジタルアシスタントは、しかしながら、マルチユーザ環境において複数のユーザと個々に相互作用しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従って、マルチユーザ環境における複数のユーザとの個々の相互作用のために構成されるデジタルアシスタントデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この目的は、特許請求項1に記載するデジタルアシスタントデバイスであって、デジタルアシスタントデバイスの周囲の所定の領域内の複数のユーザから情報を取得し、且つ取得された情報を示す信号を出力するように構成される入力手段と、入力手段によって出力される信号を受信し、且つユーザの数人又は各々のための個々のユーザ出力情報を生成するように構成される処理手段と、特定のユーザに一意に割り当てられる生成された出力情報をユーザ固有の方法で出力するように構成される出力手段とを含むデジタルアシスタントデバイスによって達成される。デジタルアシスタントデバイスは、自動車のダッシュボードに任意選択的に取り付けられる車載デジタルアシスタントデバイスとして構成され得る。車内環境において、複数のユーザは、運転者及び交代運転者を含み得るか又はそれらからなり得る。
【0005】
デジタルアシスタントデバイスの周囲の所定の領域において、一方ではユーザ、ユーザの数人又は全てのユーザと、他方ではデジタルアシスタントデバイス又はそのコンポーネントの少なくとも幾つかとの間の距離は、数センチメートル~数メートルの範囲であり得る。車内アシスタントデバイスの場合、所定の領域は、本発明によるデジタルアシスタントデバイスを搭載する車の室内に対応し得る。
【0006】
本発明によるデジタルアシスタントデバイスは、複数のユーザからの入力を個別に取り扱い、複数のユーザから受信される情報を個別に処理し、ユーザ固有の方法で情報を出力するように構成される。その結果、本発明によるデジタルアシスタントデバイスは、マルチユーザ環境における複数のユーザとの個々の相互作用のために構成される。
【0007】
例示的な実施形態において、処理手段は、入力手段によって出力される信号から、デジタルアシスタントデバイスに対するユーザの位置、又は数人のユーザの位置、又は各ユーザの位置を特定するように構成され得る。これは、音像定位を利用して且つ/又は視覚感知(例えば、カメラデバイス)を用いて、いずれかの音声感知を通して行われ得る。ユーザ/複数のユーザの相対的な位置は、個々のユーザに対する出力手段の出力を最適化し、それによりユーザ体験を向上させるために用いられ得る。
【0008】
処理手段は、読み取り専用メモリ(ROM)及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)等の1つ以上のメモリに動作可能に結合される1つ以上のプロセッサを含み得る。処理手段は、組み込みシステム及び/又はクラウドベースの処理手段の一部であり得る。
【0009】
出力手段は、ディスプレイを含み得る。ディスプレイは、LCD、LED、μLED又はOLEDディスプレイとして構成され得るか若しくはそれを含み得、且つ/又は高解像度ディスプレイとして構成され得る。ディスプレイは、湾曲ディスプレイ部分を含み得る。湾曲ディスプレイ部分により、平面ディスプレイと比較して視野角を増大させることができ、従って複数のユーザと相互作用するデジタルアシスタントデバイスの能力を促進する。
【0010】
例示的な実施形態において、湾曲ディスプレイ部分は、円筒形又は円錐形であり得る。円筒形及び円錐形の湾曲ディスプレイ部分の両方により、高視野角を達成することができ、従って複数のユーザとの相互作用の観点から有利である。視野角は、270°~360°の範囲であり得る。従って、このようにして、部分的~完全な360°の相互作用を実装することができる。円錐形の湾曲ディスプレイ部分により、可視領域は、円筒形の湾曲ディスプレイ部分と比較して、視野角の複数の方向(水平及び垂直)に対して拡大することができる。
【0011】
例示的な実施形態において、ディスプレイは、特定のユーザに一意に割り当てられる出力情報を、特定のユーザに一意に割り当てられるディスプレイの一部に表示するように構成され得る。湾曲ディスプレイ部分を含むディスプレイの場合、ディスプレイは、特定のユーザに一意に割り当てられる出力情報を、特定のユーザの位置に面する湾曲ディスプレイ部分の一部に表示するように構成され得る。このようにして、ユーザは、ユーザ専用に宛てられる情報に完全に集中することができる。これは、車載デジタルアシスタントデバイスとして構成されるデジタルアシスタントデバイスに関連して特に重要であり得る。この場合、複数のユーザのうちの1人である運転者が、複数のユーザのうちの別の1人である交代運転者に宛てられた情報を視覚的に認識しない場合、運転者の注意散漫レベルを低減することができる。これは、従って、運転性能、従って運転安全性を高めることに寄与し得る。
【0012】
1つ以上の例示的な実施形態において、デジタルアシスタントデバイスは、ディスプレイを収容するように構成される凹部を画定するハウジングと、ディスプレイがデジタルアシスタントデバイスの外側から見えないようにディスプレイを凹部内に格納し、且つ外側から見えるようにディスプレイを凹部の外に移動させるように構成される機構とを更に含み得る。この構成により、ユーザのニーズは、常設的に見えるディスプレイと比較してより良好に考慮され得る。これは、ディスプレイを凹部内に格納することによって運転者の注意散漫レベルを効果的に低減することができる車載デジタルアシスタントデバイスに関連して特に重要であり得る。
【0013】
ディスプレイが湾曲ディスプレイ部分の端部にタッチ感応部分を含む場合、デジタルアシスタントデバイスは、ディスプレイが凹部に格納されている場合でも、タッチ感応部分が依然としてハウジングの外側からアクセス可能であるように構成され得る。このようにして、ディスプレイが外部から見えなくても、タッチ感応部分は、依然として入力手段として用いることができる。タッチ感応部分は、凹部の周囲のハウジングの輪郭と一致する輪郭を有し得る。このようにして、タッチ感応部分への容易なアクセスを確実にすることができる。
【0014】
1つ以上の例示的な実施形態において、出力手段は、ディスプレイとは別個に形成される照明手段を更に含み得る。照明手段は、ディスプレイが凹部内に格納されている場合、タッチ感応部分のインジケータとして機能し得る。照明手段は、ユーザ固有光を提供して、デジタルアシスタントデバイスと相互作用するユーザを明確に示すように構成され得る。照明手段は、ユーザへの多感覚入力の一部としてユーザに視覚的指示を提供するために利用され得る複数の色を含み得る。例は、アシスタントデバイスによる「肯定」若しくは「明確な」状態を示す緑色又は注意を払う必要があることを示す黄色であり得る。照明手段は、凹部を囲むように構成され得る。
【0015】
デジタルアシスタントデバイスは、ユーザ固有の静止画又は動画(アバター)を表示することにより、出力情報が一意に割り当てられる特定のユーザを視覚的に示すように構成され得る。例示的な実施形態において、ユーザ固有アバターは、デジタルアシスタントデバイスが異なるユーザ間で切り替わる場合又は情報が特定のユーザに出力される場合に表示され得る。
【0016】
1つ以上の例示的な実施形態において、入力手段は、1つ以上のデジタルカメラ及び/又は1つ以上のマイクロフォン、任意選択的に1つ以上の全指向性マイクロフォンを含み得る。このように構成される入力手段により、デジタルアシスタントデバイスに対するユーザの数及びユーザの相対位置を、例えば異なるデジタルカメラ又はマイクロフォンから受信される信号を比較することによって確実に特定することができる。これらのセンサにより、ユーザの感情状態を監視することで、デジタルアシスタントデバイスとユーザとの間の人間のような相互作用を促進することが可能である。加えて、入力手段は、ジェスチャ及び/又は健康感知のためのレーダ、ライダ及び赤外線センサを更に含み得る。
【0017】
デジタルアシスタントデバイスは、デジタルアシスタントデバイスと複数のユーザとの間の人間のような相互作用を可能にするために、出力手段として1つ以上のスピーカを更に含み得る。更に、音声のみのモードは、このように構成される出力手段によって実装されて、運転者の注意散漫レベルを低減し、異なるユーザが好む運転モードを可能にすることができる。音声のみのモードは、ディスプレイが凹部に格納されている場合に提供され得る。
【0018】
1つ以上の例示的な実施形態において、デジタルアシスタントデバイスは、ニューラルネットワーク若しくは単純なオブジェクト指向プログラミングによって実装されるオンボード若しくはクラウドベースの人工知能、部分的/限定的若しくは完全な車両ヘッドユニットアクセス、PCベースの若しくは完全に内部開発された組み込みソリューション及び/又はセキュアネットワークを備え得る。
【0019】
上で説明したように構成されるデジタルアシスタントデバイスにより、個々にユーザに対処することによるマルチユーザ環境における視覚的相互作用を実装することができる。加えて、感情及び他の感知入力を捕捉することで、例えばコネクテッドカー環境において、必要な情報を視覚的及び音声的に提供するか、又は関連する機能をトリガするように促すことが可能である。更に、ユーザが開始するか又はデジタルアシスタントデバイスを通して感知される異なる状況に適応することにより、様々なシナリオにおけるユーザのヒューマンマシンインタラクション(HMI)ニーズに対処することが可能である。
【0020】
情報及び機能の例は、顔検出を組み込んだウェルカムスクリーンを表示すること、車の状態の概要を表示すること、並びにサービス予約インターフェース、交通情報更新及びナビゲーション、疲労検出、自動運転の引き継ぎ及びムード検出に基づく曲の選択を提供することである。
【0021】
本発明は、添付図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】例示的なデジタルアシスタントデバイスの概略図である。
【
図2】ナビゲーション機能を実装する湾曲ディスプレイ部分を含むディスプレイの概略図である。
【
図3】ユーザ固有アバターを表示する湾曲ディスプレイ部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、デジタルアシスタントデバイス10の概略図である。デジタルアシスタントデバイス10は、デジタルアシスタントデバイス10の周囲の所定の領域内の複数のユーザから情報を取得し、且つ取得された情報を示す信号を出力するように構成される、1つ以上のデジタルカメラ(例えば、運転者監視システムのカメラ)12又は1つ以上のマイクロフォン(例えば、1つ以上の全指向性マイクロフォン)14等の入力手段と、入力手段12、14によって出力される信号を受信し、且つユーザの数人又は各々のための個々のユーザ出力情報を生成するように構成される処理手段16と、1人以上の特定のユーザに一意に割り当てられる生成された出力情報をユーザ固有の方法で出力するように構成される出力手段18とを含み得る。デジタルアシスタントデバイス10は、自動車のダッシュボードに任意選択的に取り付けられる車載デジタルアシスタントデバイスとして構成され得る。
【0024】
上記の構成により、デジタルアシスタントデバイス10は、複数のユーザからの入力を個別に取り扱い、複数のユーザから受信される情報を個別に処理し、単数/複数のユーザ固有の方法で情報を出力するように構成され得る。その結果、デジタルアシスタントデバイス10は、車内等のマルチユーザ環境における複数のユーザとの個々の相互作用のために構成され得る。車内環境において、複数のユーザは、運転者及び交代運転者を含み得るか又はそれらからなり得る。この場合、デジタルアシスタントデバイス10の周囲の所定の領域は、車内に対応し得る。
【0025】
処理手段10は、入力手段12、14によって出力される信号から、デジタルアシスタントデバイス10に対するユーザの位置を特定するように構成され得る。相対的なユーザの位置は、個々のユーザに対して出力手段18の出力を最適化し、それによりユーザ体験を向上させるために用いられ得る。
【0026】
処理手段16は、読み取り専用メモリ(ROM)及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)等の1つ以上のメモリに動作可能に結合される1つ以上のプロセッサを含み得る。
【0027】
出力手段18は、ディスプレイ20を含み得る。ディスプレイ20は、LCD、LED、μLED又はOLEDディスプレイとして構成され得るか若しくはそれを含み得、且つ/又は高解像度ディスプレイとして構成され得る。ディスプレイ20は、湾曲ディスプレイ部分22を含み得る。湾曲ディスプレイ部分22により、平面ディスプレイと比較して視野角を増大させることができ、従って複数のユーザと個別に相互作用するデジタルアシスタントデバイス10の能力を促進する。
【0028】
例示的な実施形態において、湾曲ディスプレイ部分22は、円筒形であり得るか、又は
図1~3に示すように円錐形であり得る。円筒形及び円錐形の湾曲ディスプレイ部分22の両方により、多方向(水平及び/又は垂直)の高視野角を達成することができ、従って複数のユーザとの相互作用の観点から有利である。加えて、このようにして、部分的~完全な360°の相互作用を実装することができる。視野角は、270°~360°の範囲であり得る。円錐形の湾曲ディスプレイ部分22により、可視領域は、円筒形の湾曲ディスプレイ部分と比較して拡大することができる。
【0029】
ディスプレイ20の少なくとも一部は、タッチ感応ディスプレイとして構成され得る。このようにして、ディスプレイ20は、入力手段として機能し得、即ち、入力手段及び出力手段は、共通のコンポーネントに組み合わされ、それによりコンパクトな全体的なセットアップに寄与する。例示的な実施形態において、ディスプレイ20は、湾曲ディスプレイ部分22から分離されるタッチ感応部分24を含み得る。タッチ感応部分24は、
図1~3に示すように、湾曲ディスプレイ部分22の端部(例えば、重力方向における上部)に設けられ得る。タッチ感応部分24は、ユーザの入力を容易にする人間工学的形状を有し得る。図に示す例では、タッチ感応部分24は、前方に傾斜している。この形状は、運転者及び交代運転者によって容易にアクセス可能であり、それによりタッチ感応部分24を介した運転者又は交代運転者による入力を容易にするため、自動車環境において有利であり得る。
【0030】
例示的な実施形態において、ディスプレイ20は、特定のユーザに一意に割り当てられる出力情報を、特定のユーザに一意に割り当てられるディスプレイ20の一部に表示するように構成され得る。
図1~3に示すように、湾曲ディスプレイ部分22を含むディスプレイ20の場合、ディスプレイ20は、特定のユーザに一意に割り当てられる出力情報を、特定のユーザの位置に面する湾曲ディスプレイ部分22の一部に表示するように構成され得る。このようにして、他のユーザは、自らに宛てられていない情報によって気を散らされない。
【0031】
これは、
図2に例示的に示されており、ナビゲーション指示26は、湾曲ディスプレイ部分22の一方の側において、他方の側から見えないように表示される。これは、ナビゲーション指示が運転者のみに関連し、交代運転者に関連しない車載デジタルアシスタントデバイスとして構成されるデジタルアシスタントデバイス10にとって特に重要であり得る。逆に、運転者にとって関係のない情報は、湾曲ディスプレイ部分22の運転者から見えない側に表示され得る。このようにして、運転者の注意散漫のレベルを最小限にすることができる。これは、従って、運転性能、従って運転安全性を高めることに寄与し得る。
【0032】
図1に示すように、デジタルアシスタントデバイス10は、ディスプレイ20を収容するように構成される凹部30を画定するハウジング28と、湾曲ディスプレイ部分22がデジタルアシスタントデバイス10の外側から見えないようにディスプレイ20を凹部30内に格納し、且つ湾曲ディスプレイ部分22が外側から見えるようにディスプレイ20を凹部30の外に移動させるように構成される駆動機構32とを更に含み得る。この構成により、ユーザのニーズは、デジタルアシスタントデバイス10の外側から常設的に見えるディスプレイ20と比較してより良好に考慮され得る。これは、ディスプレイ20を凹部30内に格納することによって運転者の注意散漫レベルを効果的に低減することができる車載デジタルアシスタントデバイスにとって特に重要であり得る。
【0033】
ディスプレイ20が湾曲ディスプレイ部分22の端部(上部)にタッチ感応部分24を含む場合、デジタルアシスタントデバイス10は、タッチ感応部分24が依然としてハウジング28の外側からアクセス可能であるように構成され得る。このようにして、ディスプレイ20が外部から見えなくても、タッチ感応部分24は、依然として入力手段として用いることができる。タッチ感応部分24は、凹部30の周囲のハウジング28の輪郭と一致する輪郭を有し得る。このようにして、タッチ感応部分24へのアクセスを容易にすることができる。
【0034】
図1に示すように、出力手段18は、ディスプレイ20とは別に形成される照明手段34を更に含み得る。照明手段34は、ディスプレイ20が凹部30内に格納されている場合、タッチ感応部分24のインジケータとして機能し得る。照明手段34は、ユーザ固有光を提供して、デジタルアシスタントデバイス10と相互作用するユーザを明確に示すように構成され得る。照明手段34は、ユーザへの多感覚入力の一部としてユーザに視覚的指示を提供するために利用され得る複数の色を含み得る。例は、アシスタントデバイスによる「肯定」若しくは「明確な」状態を示す緑色又は注意を払う必要があることを示す黄色であり得る。照明手段34は、
図1に示すように、凹部30を囲むように構成され得る。
【0035】
デジタルアシスタントデバイス10は、ユーザ固有の静止画又は動画の
図3(アバター)を表示することにより、出力情報が一意に割り当てられる特定のユーザを視覚的に示すように構成され得る。例示的な実施形態において、ユーザ固有アバター36は、デジタルアシスタントデバイス10が異なるユーザ間で切り替わる場合又は情報が特定のユーザに出力される場合に表示され得る。
【0036】
上述のように、入力手段は、1つ以上のデジタルカメラ12及び/又は1つ以上のマイクロフォン14を含み得る。このように構成される入力手段により、デジタルアシスタントデバイス10に対するユーザの数及びユーザの相対位置を、例えば異なるデジタルカメラ12又はマイクロフォン14から受信される信号を比較することによって確実に特定することができる。これらの入力手段により、ユーザの感情状態を監視することで、デジタルアシスタントデバイス10とユーザとの間の人間のような相互作用を促進することが可能である。加えて、入力手段は、ジェスチャ及び/又は健康感知のためのレーダ、ライダ及び赤外線センサを更に含み得る。
【0037】
デジタルアシスタントデバイス10は、デジタルアシスタントデバイス10と複数のユーザとの間の人間のような相互作用を可能にするために、出力手段18として1つ以上のスピーカ38を更に含み得る。更に、音声のみのモードは、このように構成される出力手段18によって実装されて、運転者の注意散漫レベルを低減し、異なるユーザが好む運転モードを可能にすることができる。
【0038】
1つ以上の例示的な実施形態において、デジタルアシスタントデバイス10は、ニューラルネットワーク若しくは単純なオブジェクト指向プログラミングによって実装されるオンボード若しくはクラウドベースの人工知能、部分的/限定的若しくは完全な車両ヘッドユニットアクセス、PCベースの若しくは完全に内部開発された組み込みソリューション及び/又はセキュアネットワークを備え得る。
【0039】
上で説明したように構成されるデジタルアシスタントデバイス10により、個々にユーザに対処することによるマルチユーザ環境における視覚的相互作用が可能である。加えて、感情及び他の感知入力を捕捉することで、例えばコネクテッドカー環境において、必要な情報を視覚的及び音声的に提供するか、又は関連する機能をトリガするように促すことが可能である。更に、ユーザが開始するか又はデジタルアシスタントデバイス10を通して感知される異なる状況に適応することにより、様々なシナリオにおけるユーザのヒューマンマシンインタラクション(HMI)ニーズに対処することが可能である。
【0040】
デジタルアシスタントデバイスの情報及び機能の例は、顔検出を組み込んだウェルカムスクリーンを表示すること、車の状態の概要を表示すること、並びにサービス予約インターフェース、交通情報更新及びナビゲーション、疲労検出、自動運転の引き継ぎ及びムード検出に基づく曲の選択を提供することである。
【符号の説明】
【0041】
10 デジタルアシスタントデバイス
12 デジタルカメラ
14 マイクロフォン
16 処理手段
18 出力手段
20 ディスプレイ
22 湾曲ディスプレイ部分
24 タッチ感応部分
26 ナビゲーション指示
28 ハウジング
30 凹部
32 駆動機構
34 照明手段
36 アバター
38 スピーカ
【国際調査報告】