(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-16
(54)【発明の名称】充電回路、充電方法、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240509BHJP
【FI】
H02J7/02 C
H02J7/02 H
H02J7/02 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573003
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2022088306
(87)【国際公開番号】W WO2022262415
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】202110672804.6
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】于冰
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB01
(57)【要約】
充電回路、充電方法、電子機器、コントローラ及び記憶媒体を提供する。前記充電回路は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出する検出モジュール(110)と、入力側が検出モジュール(110)の出力側に接続され、前記状態情報に基づいて制御命令を出力する充電制御モジュール(120)と、充電制御モジュール(120)からの制御命令を受信し、チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える切り替えモジュール(130)と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電回路であって、
チャージポンプ充電システムの状態情報を検出する検出モジュールと、
入力側が前記検出モジュールの出力側に接続され、前記状態情報に基づいて対応する制御命令を出力する充電制御モジュールと、
充電制御モジュールからの制御命令を受信し、前記チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える切り替えモジュールと、を含む回路。
【請求項2】
前記状態情報は、
充電器のタイプ、充電ケーブルのタイプ、負荷の消費電力、及びバッテリー電圧状態のうちの1つ又は複数を含む請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記切り替えモジュールは、
前記制御命令に基づいて充電ユニットの接続経路を切り替える充電ユニット切り替えサブモジュールと、
前記制御命令に基づいてバッテリーの接続方式を切り替えるバッテリーパック切り替えサブモジュールと、のうちの1つ又は複数を含む請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記充電ユニット切り替えサブモジュールは、
電圧変換に用いられる複数の異なるタイプの充電ユニットと、
複数のスイッチと、を含み、
前記スイッチは、一端が充電器に接続され、他端が充電ユニットに接続されるか、又は、前記スイッチは、異なるタイプの充電ユニット間に接続されるか、又は、前記スイッチは、一端が充電ユニットに接続され、他端がバッテリーに接続され、
前記スイッチは充電制御モジュールからの制御命令に基づいてオンオフ状態を切り替えることで、充電ユニットの接続経路を切り替える請求項3に記載の回路。
【請求項5】
複数の異なるタイプの充電ユニットは低電圧分圧充電ユニット及び高電圧分圧充電ユニットを含み、複数の前記スイッチは第1スイッチ、第2スイッチ、第3スイッチ、第4スイッチ及び第5スイッチを含み、
前記第1スイッチは、一端が充電器に接続され、他端が前記高電圧分圧充電ユニットの入力側に接続され、前記第2スイッチは、一端が前記高電圧分圧充電ユニットの出力側に接続され、他端が接続バッテリーに接続され、前記第3スイッチは、前記高電圧分圧充電ユニットの出力側と前記低電圧分圧充電ユニットの入力側との間に接続され、前記第4スイッチは、一端が充電器に接続され、他端が前記低電圧分圧充電ユニットの入力側に接続され、前記第5スイッチは、一端が前記低電圧分圧充電ユニットの出力側に接続され、他端がバッテリーに接続される請求項4に記載の回路。
【請求項6】
充電方法であって、
チャージポンプ充電システムの状態情報を取得するステップと、
前記状態情報に基づいて、対応する制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えるステップと、を含む方法。
【請求項7】
前記状態情報は、充電器のタイプ、充電ケーブルのタイプ、負荷の消費電力、及びバッテリー電圧状態のうちの1つ又は複数を含み、
前記チャージポンプ充電システムの充電経路の切り替えは、充電ユニットの接続経路の切り替え、及び/又は、バッテリーの接続方式の切り替えを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記状態情報に基づいて制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える前記ステップは、
前記状態情報に基づいて充電器のタイプを判断するステップと、
前記充電器のタイプが低電圧充電器である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を、
低電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、前記バッテリーの接続方式が並列接続であるように切り替えるステップと、を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記状態情報に基づいて制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える前記ステップは、
前記状態情報に基づいて充電器のタイプを判断するステップと、
前記充電器のタイプが高電圧充電器である場合、前記状態情報に基づいて充電ケーブルのタイプを判断するステップと、
前記充電ケーブルのタイプが高電力ケーブルである場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を、
低電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、前記バッテリーの接続方式が並列接続であるように切り替えるステップと、を含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記状態情報に基づいて充電ケーブルのタイプを判断する前記ステップの後、
前記充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルである場合、前記状態情報に基づいて負荷の消費電力を判断するステップと、
前記負荷の消費電力が低消費電力である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を、
高電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、前記バッテリーの接続方式が直列接続であり、
低電圧分圧充電ユニットを使用して、負荷に電力を供給するバッテリーを補償充電するように切り替えるステップと、
又は、
高電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、前記バッテリーの接続方式が直列接続であり、
前記状態情報に基づいてバッテリー電圧を判断し、
前記バッテリー電圧に基づいて、低電圧分圧充電ユニットを使用して、負荷に電力を供給するバッテリーを補償充電するように切り替えるステップと、をさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記状態情報に基づいて充電ケーブルのタイプを判断する前記ステップの後、
前記充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルである場合、前記状態情報に基づいて負荷の消費電力を判断するステップと、
前記負荷の消費電力が高消費電力である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を、
高電圧分圧充電ユニットと低電圧分圧充電ユニットを順に経由してバッテリーを充電し、前記バッテリーの接続方式が並列接続であるように切り替えるステップと、
又は、
高電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、前記バッテリーの接続方式が直列接続であり、
前記状態情報に基づいてバッテリー電圧を判断し、
前記バッテリー電圧に基づいて、高電圧分圧充電ユニットと低電圧分圧充電ユニットを順に経由してバッテリーを充電し、前記バッテリーの接続方式が並列接続であるように切り替えるステップと、をさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶されており、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項5~11のいずれか一項に記載の充電方法を実現する電子機器。
【請求項13】
コンピュータ実行可能命令が記憶されており、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサにより実行されると、請求項5~11のいずれか一項に記載の充電方法を実現するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号が202110672804.6、出願日が2021年6月17日の中国特許出願に基づいて提案され、該中国特許出願の優先権を主張し、該中国特許出願の全内容は引用により参考として本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、充電の技術分野に関し、特に充電回路、充電方法、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、スマート端末ユーザーはますます短い充電時間の要件を持っている。より高い急速充電要件を満たすために、チャージポンプ充電回路は登場し、1組又は複数組のコンデンサによって充電及び放電を行い、電圧と電流の比例的な増減を完了し、充電電流が大きく、充電効率が高いなどの利点を持つ。
【0004】
現在、チャージポンプ充電回路を備えた急速充電システムの充電回路及び充電形態は一定であり、様々な応用シーンでは、充電効率が低く、充電速度が遅いなどの問題が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下は本明細書で詳細に説明される主題の概要である。本概要は請求項の保護範囲を制限するためのものではない。
【0006】
本願の実施例は、充電方法、電子機器、コントローラ及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様では、本願の実施例は、充電回路を提供する。前記充電回路は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出する検出モジュールと、入力側が検出モジュールの出力側に接続され、前記状態情報に基づいて制御命令を出力する充電制御モジュールと、充電制御モジュールからの制御命令を受信し、チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える切り替えモジュールと、を含む。
【0008】
第2態様では、本願の実施例は、充電回路をさらに提供する。前記充電回路は、入力側が充電器に接続され、出力側がバッテリーパックを充電する高電圧分圧充電ユニットであって、前記バッテリーパックは、直列接続される少なくとも2つのバッテリーを含む高電圧分圧充電ユニットと、入力側が前記高電圧分圧充電ユニットの出力側に接続され、出力側がバッテリーパックの少なくとも1つのバッテリーを補償充電する低電圧分圧充電ユニットと、を含む。
【0009】
第3態様では、本願の実施例は、充電システムをさらに提供する。前記充電システムは、少なくとも2つのバッテリーを含むバッテリーパックと、前記バッテリーを充電する第1態様又は第2態様に記載の充電回路と、を含む。
【0010】
第4態様では、本願の実施例は、充電方法を提供する。前記充電方法は、チャージポンプ充電システムの状態情報を取得するステップと、前記状態情報に基づいて、対応する制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えるステップと、を含む。
【0011】
第5態様では、本願の実施例は、電子機器を提供する。前記電子機器は、メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶されており、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行すると第4態様に記載の充電方法を実現する。
【0012】
第6態様では、本願の実施例は、プロセッサにより実行されると第4態様に記載の充電方法を実現するコンピュータ実行可能命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0013】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下で説明される図面は本願の実施例のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずにこれらの図面からほかの図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願の一実施例に係る充電回路のアーキテクチャ概略図である。
【
図2】本願の別の実施例に係る充電回路のアーキテクチャ概略図である。
【
図3】本願の別の実施例に係る充電回路のアーキテクチャ概略図である。
【
図4】本願の別の実施例に係る充電回路のアーキテクチャ概略図である。
【
図5】本願の別の実施例に係る充電回路のアーキテクチャ概略図である。
【
図6】本願の一実施例に係る充電システムのアーキテクチャ概略図である。
【
図7】本願の一実施例に係る充電システムの動作のフローチャートである。
【
図8】本願の一実施例に係る充電方法のフローチャートである。
【
図9】本願の別の実施例に係る充電方法のフローチャートである。
【
図10】本願の別の実施例に係る充電方法のフローチャートである。
【
図11】本願の別の実施例に係る充電方法のフローチャートである。
【
図12】本願の別の実施例に係る充電方法のフローチャートである。
【
図13】本願の別の実施例に係る充電回路のアーキテクチャ概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明では、本願の実施例を十分に理解するために、限定ではなく例示的に特定のシステム構造、技術などの詳細を提案する。しかしながら、本願の実施例がこれらの詳細なしにほかの実施例においても実現され得る。ほかの場合において、周知のシステム、装置、回路及び方法についての詳細な説明は不必要な詳細が本願の実施例の説明を妨げないように省略される。
【0016】
なお、フローチャートにはロジック順序が示されているが、場合によっては、フローチャートとは異なる順序で示される又は説明されるステップを実行してもよい。明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」、「第2」などは類似のオブジェクトを区別するために使用され、特定の順序又は順番を説明するためのものではない。
【0017】
また、本願の実施例の明細書で説明される「一実施例」又は「いくつかの実施例」などへの言及は、本願の実施例の1つ又は複数の実施例に該実施例を参照して説明された特定の特徴、構造又は特性が含まれることを意味する。従って、本明細書の様々な箇所における文「一実施例では」、「いくつかの実施例では」、「ほかのいくつかの実施例では」、「別のいくつかの実施例では」などは必ずしも同じ実施例を参照するわけではなく、特に別途断らない限り、「すべてではなく1つ又は複数の実施例」を意味する。用語「含む」、「包含」、「有する」及びそれらの変形は、特に別途断らない限り、「含むがこれらに限定されない」を意味する。
【0018】
近年、スマート端末ユーザーはますます短い充電時間の要件を持っている。より高い急速充電要件を満たすために、チャージポンプ充電回路は登場し、1組又は複数組のコンデンサによって充電及び放電を行い、電圧と電流の比例的な増減を完了し、充電電流が大きく、充電効率が高いなどの利点を持つ。また、関連する技術的解決手段では、バッテリーパックが直列ダブルセル設計を使用してもよく、即ち、バッテリーパックを2つのバッテリーに分割して同時充電を行うことで、充電効率を向上させる。
【0019】
例えば、チャージポンプ充電ユニットは主に、高電圧分圧充電ユニット(例えば、4:2充電ユニット、4:1充電ユニット、9:3充電ユニット、6:3充電ユニット)及び低電圧分圧充電ユニット(例えば、2:1充電ユニット、3:1充電ユニット)の2種類がある。なお、M:N充電ユニットにおけるM:Nは、バッテリー電圧に対する充電ユニットの入力電圧及び出力電圧の倍数を示す。例えば、4:2は充電ユニットの入力電圧がバッテリー電圧の4倍、出力電圧がバッテリー電圧の2倍であることを示す。
【0020】
高電圧分圧充電ユニットは、例えば、20V程度と高い上限電圧をサポートし、小さなステップで電圧調整を行い、一般的に2つの直列セルリチウムバッテリーを充電することに使用される。一方、低電圧分圧充電ユニットは、例えば10V程度と低い上限電圧をサポートし、小さなステップで電圧調整を行い、一般的に1つの直列セルリチウムバッテリーを充電することに使用される。
【0021】
スマート端末の充電システムでは、主に以下の2種類がある。
【0022】
1種類のバッテリーはシングルセル構造であり、急速充電システムでは低電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、充電経路全体の導通インピーダンスが比較的良好で、充電効率が比較的高いという利点がある。
【0023】
もう1種類のバッテリーは直列ダブルセル構造であり、急速充電システムでは高電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、充電電力の上限が大きいという利点がある。バッテリー電圧が高いため、システム負荷に直接電力を供給することができず、低電圧分圧降圧処理を行っておく必要がある。このプロセスは新たな回路損失をもたらすとともに、充電システムのアーキテクチャは複雑になってしまう。
【0024】
現在、チャージポンプ充電回路を備えた急速充電システムの充電回路及び充電形態は一定である。つまり、関連する技術的解決手段の充電システムでは、充電手段及び回路設計は広電圧範囲の充電器の入力及び広電圧範囲のバッテリーの出力に自ら適応できず、様々な応用シーンでは、充電効率が低く、充電速度が遅いなどの問題が発生しやすい。
【0025】
例えば、低電圧充電のみをサポートする低電圧充電器を使用し、高電圧二分圧充電ユニットとダブル直列セルリチウムバッテリーとで構成された充電システムに接続する場合、高電圧二分圧充電ユニットで充電することはできず、もう1つのBUCK-BOOST充電ユニットで充電するしかできない。その結果、効率が低下し、発熱が深刻で、充電速度が遅くなる。また、例えば、高電圧充電をサポートする高電圧充電器を使用し、低電圧二分圧充電ユニットとシングルセルリチウムバッテリーとで構成された充電システムに接続する場合、高電圧充電器の下位互換性によって低電圧で充電するしかできない。使用される充電ケーブルが高電力ケーブルではない(例えば、3Aの電流をサポートするケーブル)場合、電流が増加できず、このとき、総充電電力が上昇できず、充電速度が最適なレベルに到達できない。
【0026】
上記事情に鑑みて、本願の実施例は充電回路、充電システム、充電方法、電子機器及び記憶媒体を提供する。本願の実施例は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいてチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによって、充電システムが充電中に充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行うことを実現し、より好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0027】
なお、スマート端末は、携帯型端末機器であってもよいし、固定型端末機器であってもよい。携帯型端末機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末、車載端末機器、ウェアラブルデバイス、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ、ネットブック、パーソナルデジタルアシスタント、CPE(Customer Premise Equipment、顧客宅内機器)、UFI(WiFiホットスポット機器)などであってもよい。固定型端末機器はパーソナルコンピュータ、テレビ、現金自動預け払い機又はセルフサービス機器などであってもよい。本願の実施手段について特に限定しない。スマート端末はバッテリーパックを含み、バッテリーパックは複数のセル(バッテリー)を含む。例えば、バッテリーパックは2つのセル又は3つのセル又は4つのセルなどを含んでもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、バッテリーパックが2つのセルを含む場合、高電圧分圧充電ユニットは4:2充電ユニット又は4:1充電ユニットを使用でき、低電圧分圧充電ユニットは2:1充電ユニットを使用できる。バッテリーパックが3つのセルを含む場合、高電圧分圧充電ユニットは9:3充電ユニット又は6:3充電ユニットを使用でき、低電圧分圧充電ユニットは3:1充電ユニットを使用できる。マルチセルのシーンでは、同様に類推することができる。なお、M:N充電ユニットにおけるM:Nはバッテリー電圧に対する充電ユニットの入力電圧と出力電圧の倍数を示す。例えば、4:2は、充電ユニットの入力電圧がバッテリー電圧の4倍、出力電圧がバッテリー電圧の2倍であることを示す。説明の便宜上、以下の複数の実施例では、バッテリーパックが2つのセルを含むことのみを例として説明を行う。バッテリーパックが3つのセル又は4つのセルを含むなどのシーンについて、これと同様であり、重複説明を省略する。以下、図面を参照しながら本願の実施例をさらに説明する。
【0029】
図1に示すように、充電回路100は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出する検出モジュール110と、入力側が検出モジュール110の出力側に接続され、状態情報に基づいて制御命令を出力する充電制御モジュール120と、充電制御モジュール120からの制御命令を受信し、チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える切り替えモジュール130と、を含む。
【0030】
いくつかの実施例では、充電回路100はスマート端末に内蔵された回路であってもよいし、外部回路であってもよい。例えば、充電回路100はスマート端末に内蔵され、充電インターフェース(例えば、Type-C充電インターフェース)を介して外部充電器200に接続されてもよい。
【0031】
いくつかの実施例では、充電回路100はチャージポンプ充電回路であり、チャージポンプ充電回路はチャージポンプ充電モジュール(例えば、高電圧分圧充電モジュール、低電圧分圧充電モジュールなど)を有する。充電回路100はチャージポンプ充電システムに適用できる。チャージポンプ充電システムはチャージポンプ充電回路を備えた充電システムである。チャージポンプ充電システムの充電経路は切り替え可能であり、即ち、チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによってチャージポンプ充電システムの充電経路の切り替えを実現することができる。いくつかの実施例では、チャージポンプ充電システムは順に接続される充電器、充電回路、及びバッテリーパックを含み、バッテリーパックは少なくとも2つのバッテリーを含む(例えば、以下の実施例は第1セルBattery1及び第2セルBattery2の2つのバッテリーを含む)。
【0032】
いくつかの実施例では、本願の充電回路100は検出モジュール110、充電制御モジュール120及び切り替えモジュール130を含む。
【0033】
検出モジュール110は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、例えば、充電入力電圧、電流、ケーブルタイプ、バッテリーパックの電圧及び充放電電流などを検出する。いくつかの実施例では、充電器200が差し込まれ、即ち、充電器200と充電回路100との接続が確立されると、検出モジュール110をトリガーして状態情報検出を行う。
【0034】
充電制御モジュール120は、入力側が検出モジュール110の出力側に接続され、状態情報に基づいて制御命令を出力する。例えば、同時に入出力検出モジュール110により報告された電圧値に基づいて、制御信号を切り替えモジュール130に提供する。いくつかの実施例では、充電制御モジュールはプロセッサにおいて実現されてもよく、プロセッサは1つ又は複数の処理ユニットを含んでもよく、異なる処理ユニットは独立したデバイスであってもよいし、1つ又は複数のプロセッサに統合されてもよい。
【0035】
切り替えモジュール130は、入力側が充電制御モジュール120の出力側に接続され、充電制御モジュール120からの制御命令を受信し、チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える。切り替えモジュール130はバッテリーパックに接続され、バッテリーパックを充電する。
【0036】
いくつかの実施例では、チャージポンプ充電システムはチャージポンプ充電ユニットを含む充電回路100システムである。関連する技術的解決手段のチャージポンプ充電システムでは、広電圧範囲の充電器200の入力及び広電圧範囲のバッテリーの出力に自ら適応できないという問題に対して、本願の実施例は、充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行い、1つのより好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0037】
例えば、関連する技術的解決手段では、低電圧充電のみをサポートする充電器200を使用し、高電圧二分圧充電ユニットとダブル直列セルリチウムバッテリーとで構成された充電システムに接続する場合、もう1つのBUCK-BOOST充電ユニットで充電するしかできない。その結果、効率が低下し、発熱が深刻で、充電速度が遅くなる。本願の実施例は、検出モジュール110によってチャージポンプ充電システムの状態情報を検出することができ、例えば、検出された状態情報は低電圧充電器P1である。充電制御モジュール120は状態情報に基づいて制御命令を出力して切り替えモジュール130を制御することができる。切り替えモジュール130は制御命令を受信し、チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える。例えば、充電ユニット切り替えサブモジュール131を使用して充電ユニットを低電圧二分圧充電ユニットとして設定するとともに、バッテリーパック切り替えサブモジュール132を使用して直列セルを並列セルに変更してもよい。この場合、充電ユニットを低電圧二分圧充電形態に切り替え、このように、低電圧充電のみをサポートする充電器200を使用しても高効率の二分圧急速充電を実現することができる。
【0038】
また例えば、関連する技術的解決手段では、高電圧充電をサポートする充電器200を使用し、低電圧二分圧充電ユニットとシングルセルリチウムバッテリーとで構成された充電システムに接続する場合、充電器200の下位互換性によって低電圧で充電するしかできない。使用される充電ケーブルが高電力ケーブルではない(例えば、3Aの電流をサポートするケーブル)場合、電流が増加できず、このとき、総充電電力が上昇できず、充電速度が最適なレベルに到達できない。本願の実施例は、検出モジュール110がチャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいて制御命令を出力して切り替えモジュール130を制御することで、充電形態を低電圧二分圧と高電圧二分圧間で切り替えることができる。切り替え制御の根拠はシステム負荷の消費電力に応じて決定される。例えば、システム負荷の消費電力が小さい場合、バッテリーパック切り替えサブモジュール132をダブルセル直列方式に設定してもよい。このように、高電圧二分圧形態では、ケーブル電流が増加できなくても、高電圧充電のため、電力をできるだけ増加させることができる。負荷が小さい場合、2つのバッテリー(セル)の電圧上昇速度はほぼ同じであり、1つのバッテリーが満充電される前に、高電圧充電下で長時間充電することができる。その反面、システム負荷の消費電力が大きい場合、1つのバッテリーが満充電されるまで高電圧充電下で充電し続けることができ、その後、バッテリーパック切り替えサブモジュール132を使用してダブルセル並列形態に切り替えて充電を継続する。
【0039】
本願の実施例は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいてチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによって、充電システムが充電中に充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行うことを実現し、より好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0040】
いくつかの実施例では、状態情報は、充電器のタイプ、充電ケーブルのタイプ、負荷の消費電力、及びバッテリー電圧状態などのうちの1つ又は複数を含む。
【0041】
いくつかの実施例では、検出モジュール110は、充電器200と通信可能に接続され、充電器のタイプを取得してもよく、充電入力電圧、電流を状態情報として検出して充電制御モジュール120にアップロードしてもよい。例えば、充電器のタイプが低電圧充電器P1又は高電圧充電器P2であると検出してもよい。いくつかの実施例では、低電圧充電器P1の出力電圧は3V-11V、高電圧充電器P2の出力電圧は3V-20Vである。いくつかの実施例では、検出モジュール110は充電制御モジュール120とともに1つのプロセッサに統合されて充電器タイプの検出機能を実現してもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、充電ケーブルのタイプは低電力充電ケーブル及び高電力充電ケーブルを含む。例えば、充電ケーブルが標準Type-C充電ケーブルである場合、接続されたType-Cインターフェースは24個のピンを有し、検出モジュール110はA5ピンCC1とB5ピンCC2の情報を読み取ることで充電ケーブルのタイプを識別してもよい。
【0043】
いくつかの実施例では、負荷の消費電力は低消費電力及び高消費電力を含む。例えば、検出モジュール110は検出した消費電力を所定の消費電力閾値と比較し、低消費電力又は高消費電力であるか否かを判断してもよい。いくつかの実施例では、検出モジュールは電力センサを含み、電力センサを使用してシステムの消費電力をテストしてもよい。
【0044】
いくつかの実施例では、バッテリー電圧状態は現在のバッテリー電圧値であってもよいし、バッテリーの満充電又は非満充電の状態であってもよい。検出モジュール110は各バッテリー(セル)の電圧を検出してもよい。いくつかの実施例では、検出モジュールは電流電圧検出サブモジュールを含み、電流電圧検出サブモジュールを使用してバッテリー電圧状態をテストしてもよい。別のいくつかの実施例では、検出モジュールはスマート端末(例えば、携帯電話)の制御チップと接続することで、バッテリー電圧情報を直接取得してもよい。
【0045】
図2に示すように、いくつかの実施例では、切り替えモジュール130は、入力側が充電制御モジュール120の出力側に接続され、制御命令に基づいて充電ユニットの接続経路を切り替える充電ユニット切り替えサブモジュール131と、入力側が充電制御モジュール120の出力側に接続され、制御命令に基づいてバッテリーの接続方式を切り替えるバッテリーパック切り替えサブモジュール132とのうちの1つ又は複数を含む。
【0046】
いくつかの実施例では、充電ユニット切り替えサブモジュール131は、電圧変換に用いられる複数の異なるタイプの充電ユニットと、複数のスイッチとを含む。スイッチは、一端が充電器200に接続され、他端が充電ユニットに接続されるか、又は、スイッチは、異なるタイプの充電ユニット間に接続されるか、又は、スイッチは、一端が充電ユニットに接続され、他端がバッテリーに接続される。スイッチの制御側は、充電制御モジュール120の出力側に接続され、充電制御モジュール120からの制御命令に基づいてオンオフ状態を切り替えることで、充電ユニットの接続経路を切り替える。
【0047】
いくつかの実施例では、異なるタイプの充電ユニットは、高電圧二分圧充電ユニット、低電圧二分圧充電ユニットU1、高電圧四分圧ユニット、低電圧Buck充電ユニットなどの部分を含んで構成されてもよい。いくつかの実施例では、高電圧二分圧充電ユニット、低電圧二分圧充電ユニットU1、及び高電圧四分圧ユニットはいずれもチャージポンプ充電チップで実現されてもよい。高電圧二分圧充電ユニットは、4:2充電ユニットであり、充電ユニットの入力電圧はバッテリー電圧の4倍、出力電圧はバッテリー電圧の2倍である。低電圧二分圧充電ユニットは、2:1充電ユニットであり、充電ユニットの入力電圧はバッテリー電圧の2倍、出力電圧はバッテリー電圧の1倍である。高電圧四分圧ユニットは4:1充電ユニットであり、充電ユニットの入力電圧はバッテリー電圧の4倍、出力電圧はバッテリー電圧の1倍である。低電圧Buck充電ユニットは普通充電(非急速充電)に使用される充電ユニットであり、例えば、非PPS(Programmable Power Supply、プログラマブル電源)充電器200の場合、低電圧Buck充電ユニットに切り替えて充電するか、又は、充電の開始後もしくは終了前、低電圧Buck充電ユニットに切り替えて充電するようにしてもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、バッテリーパック切り替えサブモジュール132は直並列切り替え回路で構成され、バッテリーパック内のバッテリーの接続方式を切り替える。いくつかの実施例では、バッテリーパック切り替えサブモジュール132は、制御命令に基づいてバッテリー(セル)の接続方式を直列接続又は並列接続に切り替える。
【0049】
いくつかの実施例では、スイッチはサイリスタ、トランジスタ、電界効果トランジスタ、シリコン制御整流子、リレーなどであってもよい。
【0050】
図3、
図4及び
図5に示すように、いくつかの実施例では、複数の異なるタイプの充電ユニットは低電圧分圧充電ユニットU1及び高電圧分圧充電ユニットU2を含む。複数のスイッチは第1スイッチK1、第2スイッチK2、第3スイッチK3、第4スイッチK4及び第5スイッチK5を含む。
【0051】
第1スイッチK1は、一端が充電器200に接続され、他端が高電圧分圧充電ユニットU2の入力側に接続される。第2スイッチK2は、一端が高電圧分圧充電ユニットU2の出力側に接続され、他端がバッテリーに接続される。第3スイッチK3は、高電圧分圧充電ユニットU2の出力側と低電圧分圧充電ユニットU1の入力側との間に接続される。第4スイッチK4は、一端が充電器200に接続され、他端が低電圧分圧充電ユニットU1の入力側に接続される。第5スイッチK5は、一端が低電圧分圧充電ユニットU1の出力側に接続され、他端がバッテリーに接続される。複数のスイッチのオンオフ状態を切り替えることで、充電ユニットの接続経路の切り替えを実現する。
【0052】
例えば、いくつかの実施例では、充電制御モジュール120は状態情報に基づいて充電器のタイプを判断してもよい。充電器のタイプが低電圧充電器P1である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を充電経路(1)に切り替え、低電圧二分圧充電ユニットを使用して充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。充電器のタイプが高電圧充電器P2である場合、状態情報に基づいて充電ケーブルのタイプを判断する。充電ケーブルのタイプが高電力ケーブルである場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を充電経路(2)に切り替え、低電圧分圧充電ユニットU1を使用して充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルである場合、状態情報に基づいて負荷の消費電力を判断する。負荷の消費電力が低消費電力である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を充電経路(3-1)又は充電経路(3-2)に切り替える。充電経路(3-1)について、高電圧分圧充電ユニットU2を使用して充電し、バッテリーの接続方式が直列接続であり、低電圧分圧充電ユニットU1を使用して、負荷に電力を供給するバッテリーを補償充電する。充電経路(3-2)について、高電圧分圧充電ユニットU2を使用して充電し、バッテリーの接続方式が直列接続であり、状態情報に基づいてバッテリー電圧を判断し、バッテリー電圧に基づいて、低電圧分圧充電ユニットU1を使用して、負荷に電力を供給するバッテリーを補償充電する。充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルである場合、状態情報に基づいて負荷の消費電力を判断する。負荷の消費電力が高消費電力である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を充電経路(4-1)又は充電経路(4-2)に切り替える。充電経路(4-1)について、高電圧分圧充電ユニットU2と低電圧分圧充電ユニットU1を順に経由してバッテリーを充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。充電経路(4-2)について、高電圧分圧充電ユニットU2を使用して充電し、バッテリーの接続方式が直列接続であり、状態情報に基づいてバッテリー電圧を判断し、バッテリー電圧に基づいて高電圧分圧充電ユニットU2と低電圧分圧充電ユニットU1を順に経由してバッテリーを充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。
【0053】
以下、3種類の充電方式を例として本願のアイディアを詳細に説明する。
【0054】
いくつかの実施例では、充電システムが高電圧二分圧充電ユニットとダブルセル直列形態を使用して充電する場合、システム負荷の電流は第1セルBattery1により供給される。特にシステム負荷の消費電力が大きいほど、バッテリーパック電圧が上昇するにつれて、第1セルBattery1の電圧は第2セルBattery2の電圧よりも著しく低くなる。その結果、バッテリーパック内の第2セルBattery2が第1セルBattery1よりも先に満充電される。本願の実施例の充電システムはいくつかの形態で最適化されてもよい。
【0055】
例1
図3に示すように、充電器200が高電圧充電器P2であり、使用される充電ケーブルのタイプが例えば3A仕様などの低電力ケーブルである場合、ダブルセル直列方式を継続的に維持し、高電圧二分圧充電ユニットを使用して充電してもよい。それによって、充電電力が大きい利点を持つ。第3スイッチK3と第5スイッチK5を同時にオンにし、低電圧二分圧充電ユニットを使用して第1セルBattery1(負荷に電力を供給するセル)を補償充電する。それによって、システム負荷の消費電力の影響を受けることなく第1セルBattery1と第2セルBattery2の電圧をできるだけ同期して上昇させ、最適な充電レートを確保する。充電形態は
図3に示され、即ち、第1スイッチK1がオン、第2スイッチK2がオン、第3スイッチK3がオン、第4スイッチK4がオフ、第5スイッチK5がオンであり、第1セルBattery1と第2セルBattery2が直列接続される。充電器200、第1スイッチK1、高電圧分圧充電ユニットU2、第2スイッチK2、第2セルBattery2及び第1セルBattery1は順に直列接続されて高電圧充電経路を形成する。高電圧二分圧充電ユニットの出力側は、順に第3スイッチK3、低電圧二分圧充電ユニットU1、第5スイッチK5及び第1セルBattery1を経由して第1セルBattery1を補償充電する。
【0056】
例2
図4に示すように、充電器200が低電圧充電器P1であり、使用される充電ケーブルのタイプが例えば5-6A仕様などの高電力ケーブルである場合、低電圧二分圧充電ユニットに切り替えて充電してもよい。入力電流が充電ケーブルの電力によって制限されないため、ダブルセル並列形態に切り替えることができる。この場合、第1セルBattery1と第2セルBattery2は完全に並列接続され、入力電流は第1セルBattery1と第2セルBattery2の間で自動的に分配され、第1セルBattery1と第2セルBattery2の電圧は同期して上昇し、充電電力の好適な状態を確保することもできる。高電圧充電器P2の下位互換性によって低電圧出力を供給できるため、この充電方式は高電圧充電器P2にも適用してもよい。充電形態は
図4に示され、即ち、第1スイッチK1がオフ、第2スイッチK2がオフ、第3スイッチK3がオフ、第4スイッチK4がオン、第5スイッチK5がオンであり、第1セルBattery1と第2セルBattery2が並列接続される。充電器200、第4スイッチK4、低電圧分圧充電ユニットU1及び第5スイッチK5は順に直列接続されて低電圧充電回路100を形成する。
【0057】
例3
図5に示すように、充電器200が高電圧充電器P2であり、使用される充電ケーブルのタイプが例えば3A仕様の低電力ケーブルである場合、高電圧二分圧充電ユニットと低電圧二分圧充電ユニットを直列接続した充電形態に切り替えるか、又は高電圧四分圧充電ユニットで充電する形態(図示せず)に切り替え、バッテリーパックをダブルセル並列形態に切り替えてもよい。第1セルBattery1と第2セルBattery2が完全に並列接続されるにもかかわらず、高電圧入力によってバッテリーに入る電流をできるだけ大きくすることができ、充電電力の好適な状態を確保することもできる。充電形態は
図5に示され、即ち、第1スイッチK1がオン、第2スイッチK2がオフ、第3スイッチK3がオン、第4スイッチK4がオフ、第5スイッチK5がオンであり、第1セルBattery1と第2セルBattery2が並列接続される。充電器200、第1スイッチK1、高電圧分圧充電ユニットU2、第3スイッチK3、低電圧分圧充電ユニットU1及び第5スイッチK5は順に直列接続されて高電圧充電経路を形成する。
【0058】
本願の実施例は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいてチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによって、充電システムが充電中に充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行うことを実現し、より好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0059】
また、本願の実施例は広電圧範囲の充電器200の入力及び広電圧範囲のバッテリーの出力に自ら適応することができる。例えば、充電器200は低電圧と高電圧の両方をサポートでき、バッテリーセルは並列状態(対応する出力充電電圧は低電圧状態)であってもよいし、直列状態(対応する出力充電電圧は高電圧状態)であってもよい。
【0060】
また、
図13に示すように、本願は充電回路をさらに提供する。充電回路は、高電圧分圧充電ユニットU2と、低電圧分圧充電ユニットU1と、を含む。高電圧分圧充電ユニットU2は、入力側が充電器P2に接続され、出力側がバッテリーパックを充電し、前記バッテリーパックは直列接続される少なくとも2つのバッテリーを含む。低電圧分圧充電ユニットU1は、入力側が前記高電圧分圧充電ユニットU2の出力側に接続され、出力側がバッテリーパックの少なくとも1つのバッテリーを補償充電する。
【0061】
なお、バッテリーパックは少なくとも2つのセル(バッテリー)を含んでもよく、それぞれ第1セルBattery1及び第2セルBattery2である。明らかなように、バッテリーパックは2つのセル又は3つのセル又は4つのセルなどを含んでもよく、説明の便宜上、バッテリーパックが2つのセルを含むことのみを例として説明を行う。バッテリーパックが3つのセル又は4つのセルを含むなどのシーンについて、これと同様であり、重複説明を省略する。
【0062】
図13に示すように、高電圧分圧充電ユニットU2とダブルセル直列形態を使用する場合、システム負荷の電流は第1セルBattery1により供給される。この場合、システム負荷の消費電力が大きいほど、バッテリーパック電圧が上昇するにつれて、第1セルBattery1の電圧は第2セルBattery2の電圧よりも著しく低くなる。その結果、バッテリーパック内の第2セルBattery2が第1セルBattery1よりも先に満充電される。従って、高電圧分圧充電ユニットU2を使用して充電し、低電圧分圧充電ユニットU1を使用して、負荷に電力を供給するバッテリー(第1セルBattery1)を補償充電してもよい。
【0063】
いくつかの実施例では、充電器P2が高電圧充電器P2であり、使用される充電ケーブルのタイプが例えば3A仕様などの低電力ケーブルである場合、ダブルセル直列方式を継続的に維持し、高電圧二分圧充電ユニット(即ち、高電圧分圧充電ユニットU2)を使用して充電してもよい。それによって、充電電力が大きい利点を持つ。同時に、低電圧二分圧充電ユニットを使用して第1セルBattery1(負荷に電力を供給するセル)を補償充電することで、システム負荷の消費電力の影響を受けることなく第1セルBattery1と第2セルBattery2の電圧をできるだけ同期して上昇させ、最適な充電レートを確保する。充電形態は
図13に示され、第1セルBattery1と第2セルBattery2が直列接続され、充電器P2、高電圧分圧充電ユニットU2、第2セルBattery2、第1セルBattery1が順に直列接続されて高電圧充電経路を形成する。高電圧二分圧充電ユニットの出力側が低電圧二分圧充電ユニットU1と第1セルBattery1を順に経由して第1セルBattery1を補償充電する。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0064】
また、
図6に示すように、本願の実施例は充電システムをさらに提供する。充電システムは、少なくとも2つのバッテリーを含むバッテリーパック300と、バッテリーを充電する上記充電回路100と、を含む。例えば、充電回路100は上記
図1又は
図2に示す実施例における充電回路100である。
【0065】
いくつかの実施例では、充電回路100及びバッテリーパック300はいずれもスマート端末に内蔵されてもよい。
【0066】
いくつかの実施例では、充電システムはチャージポンプ充電システムである。チャージポンプ充電システムはチャージポンプ充電回路を備えた充電システムであり、チャージポンプ充電回路はチャージポンプ充電モジュール(例えば、高電圧分圧充電モジュール、低電圧分圧充電モジュールなど)を有する。チャージポンプ充電システムの充電経路は切り替え可能であり、即ち、チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによってチャージポンプ充電システムの充電経路の切り替えを実現することができる。いくつかの実施例では、チャージポンプ充電システムは順に接続される充電器200、充電回路100、及びバッテリーパック300を含み、バッテリーパック300は少なくとも2つのバッテリー(セル)を含む。充電回路100における検出モジュール110の入力側は充電器200の出力側に接続される。充電回路100における切り替えモジュール110の入力側は充電器200の出力側に接続される。充電回路100における切り替えモジュール110の出力側はバッテリーパックの入力側に接続される。
【0067】
本願の実施例は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいてチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによって、充電システムが充電中に充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行うことを実現し、より好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0068】
いくつかの実施例では、充電システムは、出力側が充電回路100の入力側に接続される充電器200をさらに含む。
【0069】
いくつかの実施例では、充電器200はPPS(Programmable Power Supply)充電器200であってもよい。充電器200は充電ケーブルを介して充電回路100に接続される。
【0070】
図7に示すように、いくつかの実施例では、充電システムの動作プロセスは以下のステップA101-A406を含む。
【0071】
A101:充電器を差し込み、充電器の充電能力を読み取る。例えば、充電回路は検出モジュールによって充電器のタイプを検出してもよい。
【0072】
A102:高電圧充電器であるか否かを判断する。いくつかの実施例では、第1種類の充電器は低電圧充電器であり、第2種類の充電器は高電圧充電器である。
【0073】
A103:充電器のタイプが高電圧充電器であると、検出モジュールによって充電ケーブルのタイプを判断する(低電力ケーブルであるか否かを判断する)。
【0074】
A203:充電器のタイプが低電圧充電器であると、充電制御モジュールによって充電切り替えユニットモジュールとバッテリーパック切り替えサブモジュールを操作し、充電を2:1充電ユニット(低電圧二分圧充電ユニット)に切り替え、セルを並列形態に切り替える。
【0075】
A104:充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルであると、検出モジュールによって負荷の消費電力の大きさを判断する(負荷の消費電力が大きいか否かを判断する)。
【0076】
A304:充電ケーブルのタイプが高電力ケーブルであると、充電制御モジュールによって充電ユニット切り替えサブモジュールとバッテリーパック切り替えサブモジュールを操作し、セルを並列形態に切り替え、充電を2:1ユニット(低電圧二分圧充電ユニット)に切り替える。
【0077】
A105:負荷の消費電力が大きいと、充電制御モジュールによって充電ユニット切り替えサブモジュールとバッテリーパック切り替えサブモジュールを操作し、セルを並列形態に切り替え、充電を4:1ユニット(高電圧四分圧充電ユニット)に切り替える。
【0078】
A405:負荷の消費電力が小さいと、充電制御モジュールによって充電ユニット切り替えサブモジュールとバッテリーパック切り替えサブモジュールを操作し、セルを直列形態に切り替え、充電を4:2ユニット(高電圧二分圧充電ユニット)に切り替える。
【0079】
A406:検出モジュールによって第1セル(負荷に電力を供給するセル)の電圧を判断し、2:1充電ユニット(低電圧二分圧充電ユニット)によって第1セルを同期して補償充電する。さらにステップA104を繰り返して実行して充電経路を動的に調整してもよい。
【0080】
本願の実施例は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいてチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによって、充電システムが充電中に充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行うことを実現し、より好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0081】
なお、本願の実施例において説明されるシステムアーキテクチャ及び応用シーンは本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するためのものであり、本願の実施例に係る技術的解決手段を限定するものではない。システムアーキテクチャの進化及び新しい応用シーンの出現に伴い、本願の実施例に係る技術的解決手段は同様の技術的問題にも適用できる。
【0082】
図1、
図2又は
図6に示すシステムアーキテクチャは本願の実施例を限定するものではなく、図示よりも多い又は少ない要素を含むか、又はいくつかの要素を組み合わせるか、又は異なる要素配置を行うようにしてもよい。
【0083】
図1、
図2又は
図6に示すシステムアーキテクチャでは、充電制御モジュールはそれに記憶される充電プログラムをそれぞれ呼び出して充電方法を実行してもよい。
【0084】
本願の一実施例に係る充電方法はプロセッサにおいて実行されてもよく、プロセッサは1つ又は複数の処理ユニットを含んでもよい。異なる処理ユニットは独立したデバイスであってもよいし、1つ又は複数のデバイスに統合されてもよい。
【0085】
上記システムアーキテクチャに基づいて本願の実施例における充電方法の各実施例を提案する。
【0086】
図8に示すように、充電方法はステップS1100及びステップS1200を含む。ステップS1100では、チャージポンプ充電システムの状態情報を取得する。いくつかの実施例では、状態情報は、充電器のタイプ、充電ケーブルのタイプ、負荷の消費電力、及びバッテリー電圧状態などのうちの1つ又は複数を含む。
【0087】
いくつかの実施例では、検出モジュールからの状態情報を取得してもよい。検出モジュールは充電入力電圧、電流、ケーブルタイプ、バッテリーパック電圧及び充放電電流などを検出することによって状態情報を得てもよい。
【0088】
例えば、検出モジュールは、充電器と通信可能に接続され、充電器のタイプを取得してもよく、充電入力電圧、電流を状態情報として検出して充電制御モジュールにアップロードしてもよい。例えば、充電器のタイプが低電圧充電器又は高電圧充電器であると検出してもよい。いくつかの実施例では、低電圧充電器の出力電圧は3V-11V、高電圧充電器の出力電圧は3V-20Vである。いくつかの実施例では、検出モジュールは充電制御モジュールとともに1つのプロセッサに統合されて充電器タイプの検出機能を実現してもよい。いくつかの実施例では、充電器が差し込まれ、即ち、充電器と充電回路との接続が確立されると、検出モジュールをトリガーして状態情報検出を行い、充電制御モジュールにチャージポンプ充電システムの状態情報を取得させるようにしてもよい。
【0089】
いくつかの実施例では、充電ケーブルのタイプは低電力充電ケーブル及び高電力充電ケーブルを含む。例えば、充電ケーブルが標準Type-C充電ケーブルである場合、接続されるType-Cインターフェースは24個のピンを有し、検出モジュールはA5ピンCC1とB5ピンCC2の情報を読み取ることで充電ケーブルのタイプを識別してもよい。
【0090】
いくつかの実施例では、負荷の消費電力は低消費電力及び高消費電力を含む。例えば、検出モジュールは検出した消費電力を所定の消費電力閾値と比較し、低消費電力又は高消費電力であるか否かを判断してもよい。いくつかの実施例では、検出モジュールは電力センサを含み、電力センサを使用してシステム消費電力をテストしてもよい。
【0091】
いくつかの実施例では、バッテリー電圧状態は現在のバッテリー電圧値であってもよいし、バッテリーの満充電又は非満充電の状態であってもよい。検出モジュールは各バッテリー(セル)の電圧を検出してもよい。
【0092】
ステップS1200では、状態情報に基づいて制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える。
【0093】
本願の実施例は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいてチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによって、充電システムが充電中に充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行うことを実現し、より好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0094】
いくつかの実施例では、状態情報は、充電器のタイプ、充電ケーブルのタイプ、負荷の消費電力、及びバッテリー電圧状態のうちの1つ又は複数を含む。
【0095】
チャージポンプ充電システムの充電経路の切り替えは、充電ユニットの接続経路の切り替え、及び/又は、バッテリーの接続方式の切り替えを含む。
【0096】
充電器のタイプは、低電圧充電器及び高電圧充電器を含む。充電ケーブルのタイプは、低電力充電ケーブル及び高電力充電ケーブルを含む。負荷の消費電力は、低消費電力及び高消費電力を含む。
【0097】
充電ユニットは低電圧分圧充電ユニット及び高電圧分圧充電ユニットを含む。
【0098】
バッテリーの接続方式は直列接続及び並列接続を含む。
【0099】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、状態情報に基づいて制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えるステップはステップS1211~ステップS1212を含む。ステップS1211では、状態情報に基づいて充電器のタイプを判断する。ステップS1212では、充電器のタイプが低電圧充電器である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を充電経路(1)に切り替え、低電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。
【0100】
いくつかの実施例では、バッテリーパックは2つのバッテリーを含み、低電圧分圧充電ユニットは低電圧二分圧充電ユニット(2:1充電ユニット)である。充電器のタイプが低電圧充電器である場合、並列接続されるバッテリーを低電圧二分圧充電ユニットで充電して充電電流を大きくし、充電電流を2つのバッテリー間に自動的に分配する。
【0101】
いくつかの実施例では、
図10に示すように、状態情報に基づいて制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えるステップはステップS1221~ステップS1223を含む。ステップS1221では、状態情報に基づいて充電器のタイプを判断する。ステップS1222では、充電器のタイプが高電圧充電器である場合、状態情報に基づいて充電ケーブルのタイプを判断する。ステップS1223では、充電ケーブルのタイプが高電力ケーブルである場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を充電経路(2)に切り替え、低電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。
【0102】
いくつかの実施例では、バッテリーパックは2つのバッテリーを含み、低電圧分圧充電ユニットは低電圧二分圧充電ユニット(2:1充電ユニット)である。充電器のタイプが高電圧充電器である場合、ステップS1222を実行し、充電ケーブルのタイプをさらに判断する。充電ケーブルのタイプが高電力ケーブルである場合、並列接続されるバッテリーを低電圧二分圧充電ユニットで充電して充電電流を大きくし、充電電流を2つのバッテリー間に自動的に分配する。
【0103】
いくつかの実施例では、
図11に示すように、状態情報に基づいて充電ケーブルのタイプを判断した後、ステップS1224と、ステップS1225と、をさらに含む。ステップS1224では、充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルである場合、状態情報に基づいて負荷の消費電力を判断する。ステップS1225では、負荷の消費電力が低消費電力である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を充電経路(3-1)又は充電経路(3-2)に切り替える。
【0104】
充電経路(3-1)について、高電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、バッテリーの接続方式が直列接続であり、低電圧分圧充電ユニットを使用して、負荷に電力を供給するバッテリーを補償充電する。
【0105】
充電経路(3-2)について、高電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、バッテリーの接続方式が直列接続であり、状態情報に基づいてバッテリー電圧を判断し、バッテリー電圧に基づいて、低電圧分圧充電ユニットを使用して、負荷に電力を供給するバッテリーを補償充電する。
【0106】
いくつかの実施例では、バッテリーパックは2つのバッテリーを含み、低電圧分圧充電ユニットは低電圧二分圧充電ユニット(2:1充電ユニット)であり、高電圧分圧充電ユニットは高電圧二分圧充電ユニット(4:2充電ユニット)である。充電器のタイプが高電圧充電器であり、充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルである場合、ステップS1224を実行し、負荷の消費電力をさらに判断する。負荷の消費電力が低消費電力である場合、充電経路(3-1)に切り替え、即ち、直列接続されるバッテリーを高電圧二分圧充電ユニットで充電すると同時に、低電圧分圧充電ユニットを使用して、負荷に電力を供給するバッテリーを補償充電する。それによって、充電効率及び速度を向上させる。又は、充電経路(3-2)に切り替え、即ち、直列接続されるバッテリーを高電圧二分圧充電ユニットで充電すると同時に、バッテリー電圧を検出し、第1バッテリー又は第2バッテリーの電圧が第1所定条件(例えば、所定閾値未満)を満たす場合、低電圧分圧充電ユニットを使用して、負荷に電力を供給するバッテリーを補償充電する。それによって、充電効率及び速度を向上させる。
【0107】
いくつかの実施例では、
図12に示すように、状態情報に基づいて充電ケーブルのタイプを判断した後、ステップS1224と、ステップS1226と、をさらに含む。ステップS1224では、充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルである場合、状態情報に基づいて負荷の消費電力を判断する。ステップS1226では、負荷の消費電力が高消費電力である場合、制御命令を出力してチャージポンプ充電システムの充電経路を充電経路(4-1)又は充電経路(4-2)に切り替える。
【0108】
充電経路(4-1)について、高電圧分圧充電ユニットと低電圧分圧充電ユニットを順に経由してバッテリーを充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。
【0109】
充電経路(4-2)について、高電圧分圧充電ユニットを使用して充電し、バッテリーの接続方式が直列接続であり、状態情報に基づいてバッテリー電圧を判断し、バッテリー電圧に基づいて高電圧分圧充電ユニットと低電圧分圧充電ユニットを順に経由してバッテリーを充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。
【0110】
いくつかの実施例では、バッテリーパックは2つのバッテリーを含み、低電圧分圧充電ユニットは低電圧二分圧充電ユニット(2:1充電ユニット)、高電圧分圧充電ユニットは高電圧二分圧充電ユニット(4:2充電ユニット)である。充電器のタイプが高電圧充電器であり、充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルである場合、ステップS1224を実行し、負荷の消費電力をさらに判断する。負荷の消費電力が高消費電力である場合、充電経路(4-1)に切り替え、即ち、高電圧分圧充電ユニットと低電圧分圧充電ユニットを順に経由してバッテリーを充電し、バッテリーの接続方式が並列接続である。それによって、充電効率及び速度を向上させる。又は、充電経路(4-2)に切り替え、即ち、まず直列接続されるダブルセルを高電圧分圧充電ユニットで充電し、それと同時にバッテリー電圧を検出し、第1バッテリー又は第2バッテリーの電圧が第2所定条件を満たす場合、高電圧分圧充電ユニットと低電圧分圧充電ユニットを順に経由してバッテリーを充電するように切り替え、バッテリーの接続方式を並列接続に切り替える。それによって、2つのバッテリーの電圧が大きくなることを回避し、充電効率及び速度を向上させる。所定条件は、1つのバッテリーが満充電されるか、又は負荷が大きくなって長時間持続する(バッテリー電圧閾値と時間閾値によって判断できる)などであってもよい。
【0111】
図7に示すように、いくつかの実施例では、充電システムの動作プロセスは以下のステップA101-A406を含む。
【0112】
A101:充電器を差し込み、充電器の充電能力を読み取る。例えば、充電回路は検出モジュールによって充電器のタイプを検出してもよい。
【0113】
A102:高電圧充電器であるか否かを判断する。いくつかの実施例では、第1種類の充電器は低電圧充電器であり、第2種類の充電器は高電圧充電器である。
【0114】
A103:充電器のタイプが高電圧充電器であると、検出モジュールによって充電ケーブルのタイプを判断する(低電力ケーブルであるか否かを判断する)。
【0115】
A203:充電器のタイプが低電圧充電器であると、充電制御モジュールによって充電切り替えユニットモジュールとバッテリーパック切り替えサブモジュールを操作し、充電を2:1充電ユニット(低電圧二分圧充電ユニット)に切り替え、セルを並列形態に切り替える。
【0116】
A104:充電ケーブルのタイプが低電力ケーブルであると、検出モジュールによって負荷の消費電力の大きさを判断する(負荷の消費電力が大きいか否かを判断する)。
【0117】
A304:充電ケーブルのタイプが高電力ケーブルであると、充電制御モジュールによって充電ユニット切り替えサブモジュールとバッテリーパック切り替えサブモジュールを操作し、セルを並列形態に切り替え、充電を2:1ユニット(低電圧二分圧充電ユニット)に切り替える。
【0118】
A105:負荷の消費電力が大きいと、充電制御モジュールによって充電ユニット切り替えサブモジュールとバッテリーパック切り替えサブモジュールを操作し、セルを並列形態に切り替え、充電を4:1ユニット(高電圧四分圧充電ユニット)に切り替える。
【0119】
A405:負荷の消費電力が小さいと、充電制御モジュールによって充電ユニット切り替えサブモジュールとバッテリーパック切り替えサブモジュールを操作し、セルを直列形態に切り替え、充電を4:2ユニット(高電圧二分圧充電ユニット)に切り替える。
【0120】
A406:検出モジュールによって第1セル(負荷に電力を供給するセル)の電圧を判断し、2:1充電ユニット(低電圧二分圧充電ユニット)によって第1セルを同期して補償充電する。さらにステップA104を繰り返して実行して充電経路を動的に調整してもよい。
【0121】
本願の実施例は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいてチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによって、充電システムが充電中に充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行うことを実現し、より好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0122】
また、本願の実施例は電子機器をさらに提供する。電子機器は、メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶されており、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを含み、プロセッサがコンピュータプログラムを実行すると上記充電方法を実現する。
【0123】
非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、メモリは非一時的ソフトウェアプログラム及び非一時的コンピュータ実行可能プログラムを記憶することができる。また、メモリは高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、例えば少なくとも1つのディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又はほかの非一時的ソリッドステートメモリデバイスなどの非一時的メモリをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、メモリはプロセッサから遠隔して設置されるメモリを含んでもよく、これらのリモートメモリはネットワークを介して該プロセッサに接続されてもよい。上記ネットワークの例はインターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0124】
なお、本実施例における電子機器は、
図1、
図2又は
図6に示す実施例のシステムアーキテクチャにおける電子機器として使用してもよい。また、本実施例における電子機器は、
図3又は
図10に示す実施例における充電方法を実行してもよい。即ち、本実施例における電子機器、
図1、
図2又は
図6に示す実施例のシステムアーキテクチャにおける電子機器、及び
図3又は
図10に示す実施例における充電方法はいずれも同じ発明アイディアに属する。従って、これらの実施例は同じ実現原理及び技術的効果を有し、ここで重複説明を省略する。
【0125】
上記実施例における充電方法を実現することに必要な非一時的ソフトウェアプログラム及び命令はメモリに記憶され、プロセッサにより実行されると、上記実施例における充電方法を実行する。例えば、以上説明された
図8における方法のステップS1100~ステップS1200、
図9における方法のステップS1100~ステップS1212、
図10における方法のステップS1100~ステップS1223、
図11における方法のステップS1100~ステップS1225、
図12における方法のステップS1100~ステップS1226を実行する。
【0126】
また、本願の実施例はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記充電方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されている。
【0127】
いくつかの実施例では、該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータ実行可能命令が記憶されている。該コンピュータ実行可能命令が1つのプロセッサ又はコントローラにより実行され、例えば、上記診断分析システム100の実施例における1つのプロセッサにより実行されると、上記プロセッサが例えば
図8における方法のステップS1100~ステップS1200、
図9における方法のステップS1100~ステップS1212、
図10における方法のステップS1100~ステップS1223、
図11における方法のステップS1100~ステップS1225、
図12における方法のステップS1100~ステップS1226などの上記実施例における充電方法を実行する。
【0128】
本願の実施例の第1態様は充電回路を提供する。前記充電回路は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出する検出モジュールと、入力側が検出モジュールの出力側に接続され、前記状態情報に基づいて対応する制御命令を出力する充電制御モジュールと、充電制御モジュールからの制御命令を受信し、チャージポンプ充電システムの充電経路を切り替える切り替えモジュールと、を含む。本願の実施例は、チャージポンプ充電システムの状態情報を検出し、状態情報に基づいてチャージポンプ充電システムの充電経路を切り替えることによって、充電システムが充電中に充電システムの状態変化に応じて回路切り替えを行うことを実現し、より好ましい充電経路及び充電形態を選択して充電を完了することができる。それによって、高い充電速度と高い充電効率のユーザー要件をよりよく満たすことができる。
【0129】
上記で開示された方法におけるステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実装されてもよい。物理的構成要素の一部又はすべては、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、又はハードウェアとして、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実装されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的な媒体)及び通信媒体(又は一時的な媒体)を含んでもよいコンピュータ読み取り可能な媒体上に配布してもよい。コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えば、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な、及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波又は他の送信機構のような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含み得る。
【0130】
以上、本願の実施例のいくつかの実施形態を具体的に説明したが、本願の実施例は上記実施形態に限定されるものではなく、当業者は本願の実施例の範囲から逸脱することなく種々の同等変形や置換を行ってもよく、これらの同等変形や置換はすべて本願の実施例の特許請求の範囲に含まれる。
【国際調査報告】