(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-28
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/543 20210101AFI20240521BHJP
H01M 50/109 20210101ALI20240521BHJP
H01M 50/153 20210101ALI20240521BHJP
H01M 50/56 20210101ALI20240521BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20240521BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20240521BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240521BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240521BHJP
【FI】
H01M50/543
H01M50/109
H01M50/153
H01M50/56
H01M50/566
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/548 201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573135
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 CN2021114620
(87)【国際公開番号】W WO2023023996
(87)【国際公開日】2023-03-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522442283
【氏名又は名称】チューハイ コスミクス バッテリー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リン,ホンカイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,ユシャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヨンワン
(72)【発明者】
【氏名】スー,ディシェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ロンユン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA04
5H011AA07
5H011BB04
5H011DD13
5H011EE04
5H011FF03
5H011KK01
5H011KK02
5H043AA02
5H043AA11
5H043CA07
5H043DA01
5H043DA20
5H043HA11D
5H043JA13D
5H043LA02D
5H043LA23D
(57)【要約】
本願は、ケース、トップカバー、セル、及び第2アダプタを備える電池を提供し、トップカバーはケースの上端に密封して覆設し、ケースとともに空洞を囲んで設けられており、セルは空洞内に位置し、ケースは、空洞を取り囲む側壁と側壁の下端に設けられたボトムカバーとを備え、セルは、反対の極性を有する第1タブと第2タブとを有し、ここで、ボトムカバーは第2タブと電気的に接続され、第2アダプタは第2接続シートと第2ピンとを備え、第2アダプタは第2接続シートを介してボトムカバーに接続され、第2ピンは一端が第2接続シートに接続され、第2ピンは他端がボトムカバーの外縁から伸び出す。本願は、電池の安定性などの性能を向上させることができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース、トップカバー、セル、及び第2アダプタを備え、前記トップカバーは前記ケースの上端に密封して覆設し、前記ケースとともに空洞を囲んで設けられており、前記セルは前記空洞内に位置し、前記ケースは、前記空洞を取り囲む側壁と、前記側壁の下端に設けられたボトムカバーと、を備え、前記セルは、反対の極性を有する第1タブと第2タブとを有し、ここで、前記ボトムカバーは前記第2タブと電気的に接続され、前記第2アダプタは第2接続シートと第2ピンとを備え、前記第2アダプタは前記第2接続シートを介してボトムカバーに接続され、前記第2ピンは一端が前記第2接続シートに接続され、前記第2ピンは他端がボトムカバーの外縁から伸び出す、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備え、
前記第4接続部は頂面が前記第3接続部の頂面よりも高く、及び/又は、前記第4接続部は底面が前記第3接続部の底面よりも高い、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記ボトムカバーには第2絶縁層がさらに設けられており、前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第2絶縁層を介して前記ボトムカバーに接続された第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記トップカバーは、第1金属シート、第1絶縁シート、及び第2金属シートを備え、前記第1金属シートは前記ケースの上端に接続され、それによって、前記トップカバーが前記ケースの上端に密封して覆設することは実現され、前記第2金属シートは前記第1絶縁シートを介して前記第1金属シートに絶縁接続され、
前記トップカバーには、前記第1金属シートと第2金属シートとを貫通する貫通穴が設けられており、前記貫通穴は前記空洞と連通し、前記第2金属シートは、第1接続部と前記第1接続部に接続された第2接続部とを備え、前記第1接続部は前記第1絶縁シートに接続され、前記第2接続部は前記貫通穴に設けられておりかつ前記貫通穴を封止し、
前記電池は、第1接続シートと第1ピンとを備える第1アダプタをさらに備え、前記第1ピンは一端が前記第1接続シートに接続され、前記第1ピンは他端がトップカバーの外縁から伸び出し、
前記第2接続部は前記第1タブと電気的に接続され、前記第1アダプタは前記第1接続シートを介して前記第2接続部に接続される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記第1金属シートは外周縁が前記側壁の上端に溶接され、それによって、前記トップカバーが前記ケースの上端に密封して覆設することは実現される、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記第1接続シートは第2接続部に溶接され、当該溶接によって生じた第1溶接痕は、第1接続シートを貫通して第2接続部の厚さの1/3~2/3まで延在する、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項7】
前記第1アダプタは、前記第2金属シートの前記空洞と反対する側に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項8】
前記第2接続部には、前記空洞と連通する注液孔と前記注液孔を封止する封止シートとが設けられており、前記封止シートは前記第2接続部の前記空洞と反対する側に位置し、前記封止シートは前記第2接続部を介して前記第1タブと電気的に接続され、前記第1接続シートは前記封止シートに溶接される、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項9】
前記溶接によって生じた第1溶接痕は、前記第1接続シートを貫通して前記封止シートの厚さの1/3~2/3まで延在する、ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記封止シートの前記空洞と反対する面は前記第1接続部の前記空洞と反対する面より高くない、ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
【請求項11】
前記ケースの側壁には、第1絶縁層が設けられており、かつ次の特徴の少なくとも1つが満たされ、
前記トップカバーの外縁から伸び出す前記第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタとなり、前記第1ピンは前記ケースの側壁まで延在する第1延伸部をさらに備え、前記第1延伸部は一端が前記第1接続シートに接続され、前記第1延伸部は他端が前記第1中継コネクタに接続され、前記第1延伸部は前記第1絶縁層を介して前記側壁から絶縁され、
前記ボトムカバーの外縁から伸び出す前記第2ピンの他端の部分は第2中継コネクタとなり、前記第2ピンは前記ケースの側壁まで延在する第2延伸部をさらに備え、前記第2延伸部は一端が前記第2接続シートに接続され、前記第2延伸部は他端が前記第2中継コネクタに接続され、前記第2延伸部は前記第1絶縁層を介して前記ケースの側壁と接続している、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項12】
前記第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、前記ボトムカバーから前記トップカバーに向かう方向において、前記位置決めピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離は、前記導電ピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離より大きい又は等しく、及び/又は、前記位置決めピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離は、前記第1ピンの第1中継コネクタから前記トップカバーまでの距離より大きい又は等しい、ことを特徴とする請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直な前記電池の投影中に、前記位置決めピンは前記導電ピンと前記第1ピンとの間に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項14】
前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備え、前記第4接続部は頂面が前記第3接続部の頂面よりも高く、及び/又は、前記第4接続部は底面が前記第3接続部の底面よりも高く、
前記トップカバーの外縁から伸び出す前記第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタとなり、前記ボトムカバーの外縁から伸び出す前記第2ピンの他端の部分は第2中継コネクタとなり、前記第2ピンは導電ピンと位置決めピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直なケースの投影中に、前記位置決めピンは第2中継コネクタが前記第1ピンの第1中継コネクタと前記導電ピンの第2中継コネクタとの間に位置し、第1連結線と第2連結線との間の角度がαであることが満たされ、α>30°とし、前記第1連結線は、前記トップカバーの正投影の中心点を通りかつ前記渡り部を二等分する直線であり、前記第2連結線は、前記トップカバーの正投影の中心点を通りかつ前記位置決めピンの第2中継コネクタを二等分する直線である、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項15】
前記第2ピンは、前記第4接続部に設けられている、ことを特徴とする請求項2、3、又は14のいずれか1項に記載の電池。
【請求項16】
前記溶接によって生じた第2溶接痕は、前記第3接続部を貫通して前記ボトムカバーの厚さの1/3~2/3まで延在する、ことを特徴とする請求項2、3、又は14のいずれか1項に記載の電池。
【請求項17】
60°≦α≦140°とする、ことを特徴とする請求項14に記載の電池。
【請求項18】
100°≦α≦125°とする、ことを特徴とする請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記第2絶縁層は、厚さが0.05mm~0.1mmである、ことを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項20】
当該第2接続シートの厚さ方向に垂直な前記第2接続シートの断面は、開口を有する非完全な半円形リング状とする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項21】
前記第2接続シートの外縁が円弧であり、前記円弧が前記ケースの外縁とほぼ同心である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項22】
前記第2アダプタは、前記ボトムカバーの前記空洞と反対する側に位置する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項23】
前記トップカバーの空洞と反対する側に設けられた第2絶縁シートをさらに備え、前記トップカバーの厚さ方向に垂直な前記第2絶縁シートの正投影は、前記トップカバーの厚さ方向に垂直な前記トップカバーの正投影を覆う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項24】
前記第1タブは正極タブであり、前記第2タブは負極タブである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項25】
前記電池はボタン電池である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池に関し、電池の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
電池は、一般的な電気化学的エネルギー貯蔵装置として、電子製品などで広く使用されており、例えば、ボタン電池は常にウェアラブル電子製品に応用されており、ウェアラブル電子製品の発展に伴い、ボタン電池の安定性などの性能に対する要求も高まっている。電池PACKとは、一般的に電池の包装、封入、組み立てなどを指し、電池の不可欠な部分であり、電池の安定性などの性能に影響を与える重要な要素であり、具体的に、電池は、セルとセルを封止するPACK構造とを有し、セルは、積層して設けられた正極シート、セパレータ、負極シート、正極シートに接続された正極タブ、及び負極シートに接続された負極タブを備え、PACK構造において、正極タブと電気的に接続された正極アダプタ(正極PIN)と、負極タブと電気的に接続された負極アダプタ(負極PIN)とを設けることにより、正極PINと負極PINとを電池内部回路と周辺回路とを接続する接続配線として機能することを実現する。しかしながら、現在、電池PACK構造は電池の安定性などの性能に不利であり、例えば、一般的な正極PINと負極PINとは、正極タブと負極タブとにそれぞれ接続される導線であり、電池PACKにおける正極PINと負極PINとの配置が丈夫でないなどの欠陥が存在し、電池の安定性などの性能に影響を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、良好な安定性などの性能を備え、従来の技術に存在する欠陥を効果的に克服できる電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、ケース、トップカバー、セル、及び第2アダプタを備える電池を提供し、前記トップカバーは前記ケースの上端に密封して覆設し、前記ケースとともに空洞を囲んで設けられており、前記セルは前記空洞内に位置し、前記ケースは、前記空洞を取り囲む側壁と前記側壁の下端に設けられたボトムカバーとを備え、前記セルは、反対の極性を有する第1タブと第2タブとを有し、前記ボトムカバーは前記第2タブと電気的に接続され、前記第2アダプタは第2接続シートと第2ピンとを備え、前記第2アダプタは前記第2接続シートを介してボトムカバーに接続され、前記第2ピンは一端が前記第2接続シートに接続され、前記第2ピンは他端がボトムカバーの外縁から伸び出す。
【0005】
本願の一実施形態によれば、前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備え、前記第4接続部は頂面が前記第3接続部の頂面よりも高く、及び/又は、前記第4接続部は底面が前記第3接続部の底面よりも高い。
【0006】
本願の一実施形態によれば、前記ボトムカバーには第2絶縁層がさらに設けられており、前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第2絶縁層を介して前記ボトムカバーに接続された第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備える。
【0007】
本願の一実施形態によれば、前記トップカバーは、第1金属シート、第1絶縁シート、及び第2金属シートを備え、前記第1金属シートは前記ケースの上端に接続され、それによって、前記トップカバーが前記ケースの上端に密封して覆設することは実現され、前記第2金属シートは前記第1絶縁シートを介して前記第1金属シートに絶縁接続され、前記トップカバーには、前記第1金属シートと第2金属シートとを貫通する貫通穴が設けられており、前記貫通穴は前記空洞と連通し、前記第2金属シートは、第1接続部と前記第1接続部に接続された第2接続部とを備え、前記第1接続部は前記第1絶縁シートに接続され、前記第2接続部は前記貫通穴に設けられておりかつ前記貫通穴を封止し、前記電池は、第1接続シートと第1ピンとを備える第1アダプタをさらに備え、前記第1ピンは一端が前記第1接続シートに接続され、前記第1ピンは他端がトップカバーの外縁から伸び出し、前記第2接続部は前記第1タブと電気的に接続され、前記第1アダプタは前記第1接続シートを介して前記第2接続部に接続される。
【0008】
本願の一実施形態によれば、前記第1金属シートは外周縁が前記側壁の上端に溶接され、それによって、前記トップカバーが前記ケースの上端に密封して覆設することは実現される。
【0009】
本願の一実施形態によれば、前記第1接続シートは第2接続部に溶接され、当該溶接によって生じた第1溶接痕は、第1接続シートを貫通して第2接続部の厚さの1/3~2/3まで延在する。
【0010】
本願の一実施形態によれば、前記第1アダプタは、前記第2金属シートの前記空洞と反対する側に位置する。
【0011】
本願の一実施形態によれば、前記第2接続部には、前記空洞と連通する注液孔と前記注液孔を封止する封止シートとが設けられており、前記封止シートは前記第2接続部の前記空洞と反対する側に位置し、前記封止シートは前記第2接続部を介して前記第1タブと電気的に接続され、前記第1接続シートは前記封止シートに溶接される。
【0012】
本願の一実施形態によれば、前記溶接によって生じた第1溶接痕は、前記第1接続シートを貫通して前記封止シートの厚さの1/3~2/3まで延在する。
【0013】
本願の一実施形態によれば、前記封止シートの前記空洞と反対する面は前記第1接続部の前記空洞と反対する面より高くない。
【0014】
本願の一実施形態によれば、前記ケースの側壁には、第1絶縁層が設けられており、かつ次の特徴の少なくとも1つが満たされる。前記トップカバーの外縁から伸び出す前記第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタとなり、前記第1ピンは前記ケースの側壁まで延在する第1延伸部をさらに備え、前記第1延伸部は一端が前記第1接続シートに接続され、前記第1延伸部は他端が前記第1中継コネクタに接続され、前記第1延伸部は前記第1絶縁層を介して前記側壁から絶縁され、前記ボトムカバーの外縁から伸び出す前記第2ピンの他端の部分は第2中継コネクタとなり、前記第2ピンは前記ケースの側壁まで延在する第2延伸部をさらに備え、前記第2延伸部は一端が前記第2接続シートに接続され、前記第2延伸部は他端が前記第2中継コネクタに接続され、前記第2延伸部は前記第1絶縁層を介して前記ケースの側壁と接続する。
【0015】
本願の一実施形態によれば、前記第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、前記ボトムカバーから前記トップカバーに向かう方向において、前記位置決めピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離は、前記導電ピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離より大きい又は等しく、及び/又は、前記位置決めピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離は、前記第1ピンの第1中継コネクタから前記トップカバーまでの距離より大きい又は等しい。
【0016】
本願の一実施形態によれば、前記第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直な前記電池の投影中に、前記位置決めピンは前記導電ピンと前記第1ピンとの間に位置する。
【0017】
本願の一実施形態によれば、前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備え、前記第4接続部は頂面が前記第3接続部の頂面よりも高く、及び/又は、前記第4接続部は底面が前記第3接続部の底面よりも高く、前記トップカバーの外縁から伸び出す前記第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタとなり、前記ボトムカバーの外縁から伸び出す前記第2ピンの他端の部分は第2中継コネクタとなり、前記第2ピンは導電ピンと位置決めピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直なケースの投影中に、前記位置決めピンは第2中継コネクタが前記第1ピンの第1中継コネクタと前記導電ピンの第2中継コネクタとの間に位置して、第1連結線と第2連結線との間の角度がαであることが満たされ、α>30°とし、前記第1連結線は、前記トップカバーの正投影の中心点を通りかつ前記渡り部を二等分する直線であり、前記第2連結線は、前記トップカバーの正投影の中心点を通りかつ前記位置決めピンの第2中継コネクタを二等分する直線である。
【0018】
本願の一実施形態によれば、前記第2ピンは、前記第4接続部に設けられている。
【0019】
本願の一実施形態によれば、前記溶接によって生じた第2溶接痕は、前記第3接続部を貫通して前記ボトムカバーの厚さの1/3~2/3まで延在する。
【0020】
本願の一実施形態によれば、60°≦α≦140°とする。
【0021】
本願の一実施形態によれば、100°≦α≦125°とする。
【0022】
本願の一実施形態によれば、前記第2絶縁層は、厚さが0.05mm~0.1mmである。
【0023】
本願の一実施形態によれば、当該第2接続シートの厚さ方向に垂直な前記第2接続シートの断面は、開口を有する非完全な半円形リング状とする。
【0024】
本願の一実施形態によれば、前記第2接続シートの外縁が円弧であり、前記円弧が前記ケースの外縁とほぼ同心である。
【0025】
本願の一実施形態によれば、前記第2アダプタは、前記ボトムカバーの前記空洞と反対する側に位置する。
【0026】
本願の一実施形態によれば、前記トップカバーの空洞と反対する側に設けられた第2絶縁シートをさらに備え、前記トップカバーの厚さ方向に垂直な前記第2絶縁シートの正投影は、前記トップカバーの厚さ方向に垂直な前記トップカバーの正投影を覆う。
【0027】
本願の一実施形態によれば、前記第1タブは正極タブであり、前記第2タブは負極タブである。
【0028】
本願の一実施形態によれば、前記電池はボタン電池である。
【発明の効果】
【0029】
本願では、第2アダプタは、第2接続シートを介して電池PACK構造のボトムカバーに設けられており、ケースを介して第2タブと電気的に接続され、その第2ピンがボトムカバーの外縁から伸び出し、周辺回路と接続するためのコネクタとして機能することができるとともに、位置決めの役割を果たすこともでき、電子製品に組み立てられた電池の安定性の向上に有利であり、かつ第2アダプタと第2タブとの電気的接続の安定性を確保することができ、電池PACK構造から第1アダプタと第2アダプタとが破裂するなどの現象が発生することを回避し、その結果、電池の安定性などの性能を確保し、電池の機能発揮を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本願の一実施形態の電池の構造概略図である。
【
図2】本願の一実施形態の電池の底面視した構造概略図である。
【
図3】本願の一実施形態の電池のボトムカバーの厚さ方向に垂直なボトムカバーの正投影の概略図である。
【
図4】本願の一実施形態の電池の平面視した構造概略図である。
【
図5】本願の一実施形態の電池の断面の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願の解決手段を当業者によりよく理解させるために、本願をさらに詳細に説明する。本願の説明において、特に明記されていない限り、用語「配置する」、「接続する」、「連結する」、「接する」は、広義に解釈されるべきであり、例えば、固定的接続されてもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、一体となって接続されてもよく、機械的に接続されてもよいし、電気的に接続されてもよく、直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの構成要素が内部で連通するように接続されてもよい。当業者は、本願における上記の用語の意味を特定の状況に応じて理解することができる。また、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」という用語は、例えば、技術的解決手段をより明確に説明/解釈するために部品を区別するために使用されるように、説明目的のためだけに使用され、示される技術的特徴の数又は実質的に意味のある順序などの意味を明示又は示唆するものとして理解されない。「上方」、「下方」などの方位を表す用語は、いずれも、トップカバーが配置された側を上、ボトムカバーが配置された側を下、トップカバーとボトムカバーとの間に介在する空洞壁の外面を側面とすることを基準としている用語であり、各部材の相対的な位置関係を表すものである。
【0032】
図1から
図6までの図面に示すように、本願の電池は、ケース1、トップカバー2、セル、及び第2アダプタ4を備え、トップカバー2は側壁の上端に密封して覆設し、ケース1とともに空洞6を囲んで設けられており、セル9は空洞6内に位置し、ケース1は、空洞6を取り囲む側壁と当該側壁の下端に設けられたボトムカバー15とを備え、セル9は、反対の極性を有する第1タブと第2タブとを有し、ここで、ボトムカバーは第2タブと電気的に接続され、第2アダプタ4は第2接続シートと第2ピンとを備え、第2アダプタ4は第2接続シートを介してボトムカバーに接続され、第2ピンは一端が第2接続シートに接続され、第2ピンは他端がボトムカバーの外縁から伸び出す。
【0033】
一般的に、上記の電池は、第1接続シート34と第1接続シート34に設けられた第1ピンとを備える第1アダプタ3をさらに備え、第1アダプタ3は第1接続シート34を介してトップカバーに設けられており、第1ピンは一端が第1接続シート34に接続され、第1ピンは他端がトップカバーの外縁から伸び出す。
【0034】
上記のトップカバーは、具体的に、2層の金属シートと絶縁シートとを熱圧着複合して形成されたものであってもよく、絶縁シートは当該2層の金属シート間に位置する。いくつかの好ましい実施例では、トップカバーは、第1金属シート21、第1絶縁シート23、及び第2金属シート22を備え、第1金属シート21はケース1の上端に接続され、それによって、トップカバーがケース1の上端に密封して覆設することは実現され、第2金属シート22は第1絶縁シート23を介して第1金属シート21に絶縁接続され、トップカバーには、第1金属シート21と第2金属シート22とを貫通する貫通穴が設けられており、貫通穴は空洞6と連通し、第2金属シート22は、第1接続部221と第1接続部221に接続された第2接続部222とを備え、第1接続部221は第1絶縁シート23に接し、第2接続部222は貫通穴に設けられておりかつ貫通穴を封止し、第1アダプタ3は、第1接続シート34と第1接続シート34に設けられた第1ピンとを備え、第1ピンは一端が第1接続シート34に接続され、第1ピンは他端がトップカバーの外縁から伸び出し、第2接続部222は第1タブと電気的に接続され、第1アダプタ3は第1接続シート34を介して第2接続部222に接続され、それによって、第1アダプタ3は第1タブと電気的に接続される。
【0035】
具体的に、第1アダプタ3は第1タブと電気的に接続されかつ第2タブから絶縁され、第2アダプタ4は第2タブと電気的に接続されかつ第1タブから絶縁され、第1アダプタ3は、第2金属シート22の空洞6と反対する側に位置することができ、第2アダプタ4は、ボトムカバーの空洞6と反対する側に位置することができる。第1金属シート21、第1絶縁シート23、及び第2金属シート22を順次積層して設けることで、第1金属シート21と第2金属シート22とは第1絶縁シート23を介して絶縁接続され、上記の貫通穴は第1金属シート21と第1絶縁シート22とを貫通し、すなわち、上記の貫通穴は、第1金属シート21を貫通する第1貫通穴と第1絶縁シート23を貫通する第2貫通穴とを備え、第1貫通穴と第2貫通穴とは、空洞6と連通しかつほぼ同心であるように設けられている。選択的に、第1貫通穴は、第2貫通穴よりも直径がわずかに大きく、かつ第1絶縁シート23の第2貫通穴に近い側が下へ延びて第1貫通穴内に位置する突起部が形成され、当該突起部は第1金属シート21と第2金属シート22の第2接続部222との間に位置するようにすることにより、第1金属シート21と第2接続部222とは第1絶縁シート23によって絶縁されるとともに、第1接続部221は第1絶縁シート23を介して第1金属シート21に接続され、すなわち、第1接続部221も、第1絶縁シート23を介して第1金属シート21から絶縁され、これによって、第1金属シート21と第2金属シート22とは、第1絶縁シート23によって絶縁される。
【0036】
本願では、トップカバーを側壁の上端に密封させることを実現するために、トップカバーの外周縁を側壁の上端に溶接することができ、例えば、いくつかの好ましい実施例では、上記の第1金属シート21は外周縁が側壁の上端に溶接され、これによって、トップカバーが側壁の上端に密封して覆設することは実現される。また、ケース1はボトムカバー15と一体成形されてもよいし、またはケース1の下端にボトムカバー15の外周縁を溶接してもよく、本願は、それについて特に制限しない。
【0037】
本願では、第1接続シート34は第2接続部222に溶接されることができ、当該溶接によって生じた第1溶接痕は第1接続シート34を貫通して第2接続部222の厚さの1/3~2/3まで延在し、これは、電池の密封性及び安定性などの性能のさらなる向上に有利である。具体的に実施するとき、レーザ溶接法を採用して溶接を行い、溶接中に、第1接続シート34と第2接続部222とを積層して置き、そして、第1接続シート34にレーザを投射して溶接を行いながら、レーザ溶接パラメータを調整することによって溶接強度を制御し、生じた溶接痕が第1接続シート34を貫通して第2接続部222の厚さの1/3~2/3まで延在するようにし、すなわち、第2接続部222に生じた溶接痕の第2接続部222の厚さ方向における長さが第2接続部222の厚さの約1/3~2/3(当該溶接による第2接続部222の溶接深さは第2接続部222の厚さの約1/3~2/3である)となるようにする。
【0038】
いくつかの実施例では、第2接続部222には、空洞6と連通する注液孔と、当該注液孔を封止する封止シート5とが設けられてもよく、封止シート5は第2接続部222の空洞6と反対する側に位置し、封止シート5は第2接続部222を介して第1タブと電気的に接続され、第1接続シート34は封止シート5に溶接され、当該溶接によって生じた第1溶接痕は第1接続シート34を貫通して封止シート5の厚さの1/3~2/3まで延在し(当該溶接による封止シート5の溶接深さは封止シート5の厚さの約1/3~2/3である)、注液孔は、例えば電解液の注入などに使用され得る。選択的に、第1タブは第2接続部222に溶接され、封止シート5は第2接続部222に溶接される。
【0039】
一般的に、第2金属シート22は、第2接続部222に接続された第1接続部221をさらに備え、封止シート5の空洞6と反対する面は第1接続部221の空洞6と反対する面より高くない。具体的に、第2金属シート22には、第2接続部222の上方に位置する溝が設けられており、当該溝は第1接続部221によって囲まれるように設けられており(すなわち、当該溝は側壁が第1接続部221、当該溝は底部が第2接続部222となる)、封止シート5は当該溝内に位置し、当該溝は、封止シート5の空洞6と反対する面が第1接続部221の空洞6と反対する面より高くないという条件が満たされている深さとし、好ましくは、封止シート5の空洞6と反対する面が第1接続部221の空洞6と反対する面より低く(すなわち、封止シート5の空洞6と反対する面が第1接続部221の空洞6と反対する面の下方に位置する)することにより、電池PACK構造の頂面をより平坦にして、電池の体積を小さくし、電池性能をさらに最適化することができる。封止シート5は上記の溝内に位置し、封止シート5は、具体的に、当該溝の下部の第2接続部222に溶接されたものとすることができ、溶接を容易にするために、一般的に、封止シート5と溝の側壁(すなわち、第1接続部221)との間に空隙を設け、例にすると、封止シート5の厚さ方向に垂直な封止シート5と溝との断面を円形にし、封止シート5と溝とが同心であるように設けられ、封止シート5の外径を溝の内径よりも小さくすることで、封止シート5と溝の側壁との間に空隙が存在するようにする。上記の第1金属シート21、第1絶縁シート23、及び第2金属シートの第1接続部221は、順次積層して設けられており、第2金属シート22は、具体的に、第1接続部221を介して第1絶縁シート23に接することができる。
【0040】
本願では、第2接続部222は貫通穴に設けられており、通常、貫通穴を貫通し、空洞6に面する面が第1タブに接続され、空洞6と反対する面が第1接続シート34に接続され、通常、第2接続部222の空洞6に面する面が第1金属シート21の空洞6に面する面とほぼ同じ高さにするか、または第1金属シート21の空洞6に面する面の下方に位置し(すなわち、第1金属シート21の空洞6に面する面よりも空洞6に近い)、これは、第1タブと第2接続部222との接続に有利であり、選択的に、第1タブはセル9に接続されたストレート部8を備えることができ、当該ストレート部8の厚さ方向に垂直な当該ストレート部8の面が第2接続部222の厚さ方向に垂直な当該第2接続部222の面にほぼ平行であり、当該ストレート部8は第2接続部222に溶接され、これによって、第2接続部222は第1タブに接続される。また、第1金属シート21の空洞6に面する面において第1金属シート21と第1タブのストレート部8との間に位置する第3絶縁層13を設けることで、第1タブを第3絶縁層13によって第1金属シート21から絶縁させることができる。
【0041】
一般的に、第1接続シート34、封止シート5、第2金属シート22、第1絶縁シート23、第2金属シート22、注液孔、貫通穴、及び空洞6は、ほぼ同心であるように設けられており、第1接続シート34の厚さ方向に垂直な断面及び封止シート5の厚さ方向に垂直な断面は、例えば円形の形状とすることができ、第2金属シート22の厚さ方向に垂直な断面、第1絶縁シート23の厚さ方向に垂直な断面、及び第2金属シート22の厚さ方向に垂直な断面は、例えば円形リング状の形状とすることができ、ケース1は、例えば円筒状の形状とし、当該電池は例えばボタン電池とするが、それに限定されない。上記の厚さ方向は、ボトムカバー15からトップカバー2に向かう方向(すなわち、電池の軸方向)と同じである。
【0042】
本願では、第1アダプタ3及び第2アダプタ4は、電池と周辺回路とを接続する接続配線とし、トップカバーの外縁から伸び出す第1アダプタ3の部分及びボトムカバーの外縁から伸び出す第2アダプタ4の部分は、周辺回路に接続される中継コネクタ(すなわち、下記の第1中継コネクタ及び第2中継コネクタ)とすることで、電池が搭載された電子製品における回路などの周辺回路に、当該中継コネクタを介して当該電池を接続させる。
【0043】
本願では、第1ピンは直線状のものとすることができ、すなわち、第1ピンは、第1接続シート34から外へ伸びる平板構造のものとすることができ、当該平板構造の厚さ方向に垂直な面が第1接続シート34の厚さ方向に垂直な面に平行であり、第1ピンはL状など他の形状とすることができる。いくつかの好ましい実施例では、ケースの側壁には、第1絶縁層11が設けられており、トップカバーの外縁から伸び出す第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタ31となり、第1ピンはケースの側壁まで延在する第1延伸部32をさらに備え、第1延伸部32は一端が第1接続シート34に接続され、第1延伸部32は他端が第1中継コネクタ31に接続され、第1延伸部32は第1絶縁層11によって側壁から絶縁され、当該構造は、第1中継コネクタ31によって電池を電子製品に搭載することに有利な構造であり、電池を電子製品における回路と連通することを実現するだけでなく、電子製品において第1中継コネクタ31によって電池を位置決めすることにも有利であり、電池の電子製品における安定性を向上させる。
【0044】
一般的に、電池の軸方向に垂直な第2金属シート22の正投影は、電池の軸方向に垂直な第1接続シート34の正投影を覆い、すなわち、第1接続シート34は第2金属シート22の外縁を越えずに設けられており、例にして説明すると、第2金属シート22の厚さ方向に垂直な断面は円形リング状であり、第1接続シート34の厚さ方向に垂直な断面は円形であり、第2金属シート22は第1接続シート34と同心であるように設けられており、第2金属シート22は第1接続シート34より外径が大きくしている。第1ピンは、トップカバーとケースの側壁との接合部位において折り曲げられ、第1延伸部32によってケースの側壁まで延在し、これによって、第1中継コネクタ31はケースの側面(側壁の空洞6と反対する表面)に位置するようになり、具体的に、第1ピンは、水平部33、第1屈曲部、及び第1延伸部32を備えることができ、第1接続シート34、水平部33、第1屈曲部、及び第1延伸部32は順次接続され、第1ピンは、トップカバーと側壁との接合部位において第1屈曲部によって折り曲げられ、これによって、第1延伸部32はケース1の側壁に位置するように、すなわち、水平部33はトップカバーに位置するようになり、水平部33の面が第1接続シート34の面にほぼ平行であり、第1屈曲部は一端が水平部33に接続され、第1屈曲部は他端が第1延伸部32の一端に接続され、第1延伸部32は他端が第1中継コネクタ31に接続される(
図4及び
図5に示されている)。ここで、第1屈曲部と第1延伸部32とは、第1絶縁層11によってケースの側壁から絶縁されるため、第1アダプタ3は第2タブから絶縁されるようになり、短絡などの現象は避けられる。
【0045】
選択的に、第1中継コネクタ31はシート状のものとすることができ、第1中継コネクタ31の厚さ方向に垂直な当該第1中継コネクタ31の面が配置された平面と電池の軸方向との間の角度が90°以下、好ましくは90°ほどとし、すなわち、第1中継コネクタ31の厚さ方向に垂直な面が電池の軸方向にほぼ垂直である。第1アダプタは、一体成形されることができ、例えば、上記の第1接続シート、水平部、第1延伸部、及び第1中継コネクタによって一体成形されてなる。
【0046】
一般的に、第1絶縁層11は、ケースの側壁の周囲を取り囲んでおり、ケースの側壁が第1絶縁層11によって囲まれるように設けられた空洞内に位置する構成に相当する。いくつかの実施例では、第1金属シート21、第1絶縁シート23、第2金属シート22、封止シート5、及び第1接続シート34は同心であるように設けられており、第1金属シート21の外径、第1絶縁シート23の外径、第2金属シート22の外径、封止シート5の直径、第1接続シート34の直径は順次減少し、第2金属シート22の空洞6と反対する面において第1絶縁シート23によって覆われていない領域には、一方側が第1絶縁シート23に接続され、他方側が側壁の第1絶縁層11に接続される第4絶縁層14をさらに設けており、当該第4絶縁層14は、第1ピンの水平部33と第1金属シート21との間に位置しているため、第1ピンは第4絶縁層14によって第1金属シート21から絶縁されるようになり、短絡などの現象は避けられる。
【0047】
本願では、第2ピンは、直線状のものとすることができ、すなわち、第2ピンは、第2接続シートから外へ伸びる平板構造のものであり、当該平板構造の厚さ方向に垂直な面が第2接続シートの厚さ方向に垂直な面にほぼ平行であり、第2ピンはL状など他の形状とすることができる。いくつかの好ましい実施例では、第2ピンは、ボトムカバーの外縁から伸び出す他端の部分が第2中継コネクタ(
図1から
図4の第2中継コネクタ41及び第2中継コネクタ41’など)となり、第2ピンは、ケース1の側壁まで延在する第2延伸部(
図1の導電ピンの第2延伸部42及び位置決めピンの第2延伸部42’など)をさらに備え、第2接続シートは第2延伸部の一端に接続され、第2中継コネクタは第2延伸部の他端に接続され、第2延伸部は第1絶縁層11を介してケースの側壁に接し(すなわち、第1絶縁層11は第2延伸部と側壁との間に位置する)、当該構造は、第2中継コネクタによって電池を電子製品に搭載することに有利な構造であり、電池を電子製品における回路と連通することを実現するだけでなく、電子製品において第2中継コネクタによって電池を位置決めすることにも有利であり、電池の電子製品における安定性を向上させる。
【0048】
一般的に、電池の軸方向に垂直なボトムカバー15の正投影は、電池の軸方向に垂直な第2接続シートの正投影を覆い、すなわち、第2接続シートはボトムカバーの外縁を越えずに設けられており、例にして説明すると、ボトムカバーの厚さ方向に垂直な断面は円形リング状であり、第2接続シートの厚さ方向に垂直な断面は半円形リング状であり、ボトムカバーは第2接続シートと同心であるように設けられており、ボトムカバーは外径が第2接続シートの外径より小さくなく、通常、第2接続シートの外径より大きくしており、第2ピンは、ボトムカバーと側壁との接合部位において折り曲げられ、第2延伸部によってケースの側壁まで延在し、これによって、第2中継コネクタはケースの側面に位置するようになる。具体的に、第2ピンは、第2屈曲部及び第2延伸部を備え、第2接続シート、第2屈曲部、及び第2延伸部は順次接続され、第2ピンは、ボトムカバーと側壁との接合部位において第2屈曲部によって折り曲げられ、これによって、第2延伸部はケースの側壁に位置するようになり、すなわち、第1屈曲部は一端がボトムカバーに位置する第2接続シートに接続され、他端がケースの側壁に位置する第2延伸部の一端に接続され、第2延伸部は他端が第2中継コネクタに接続され、第2屈曲部及び第2延伸部は、第1絶縁層11を介してケースの側壁に接する。
【0049】
選択的に、第2中継コネクタはシート状のものとすることができ、第2中継コネクタの厚さ方向に垂直な当該第2中継コネクタの面が配置された平面と電池の軸方向との間の角度が90°以下、好ましくは90°ほどとし、すなわち、第2中継コネクタの厚さ方向に垂直な面が電池の軸方向にほぼ垂直である。第2アダプタは、一体成形されることができ、例えば、上記の第2接続シート、第2屈曲部、第2延伸部、及び第1中継コネクタによって一体成形されてなる。
【0050】
本願では、第2ピンは、数が1つ又は複数であってもよく、少なくとも2つであることが好ましく、そのうちの少なくとも1つは、導電ピンとして、周辺回路に接続される接続配線の機能を発揮し、少なくとも1つは、位置決めピンとして、電池を電子製品に搭載する位置決め構造の機能を発揮するようにするとともに、第2アダプタに一体成形された導電ピンと位置決めピンとを設けることにより、電池構造のさらなる簡素化に有利であり、電池の構造安定性などの性能を向上させる。
【0051】
いくつかの実施例では、第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直な電池の投影中に、位置決めピンは導電ピンと第1ピンとの間に位置することができる。
【0052】
また、ボトムカバー15からトップカバーに向かう方向において、位置決めピンの第2中継コネクタ41’からトップカバーまでの距離は、導電ピンの第2中継コネクタ41からトップカバーまでの距離より大きいか又は等しく、及び/又は、位置決めピンの第2中継コネクタ41’からトップカバーまでの距離は、第1ピンの第1中継コネクタ41からトップカバーまでの距離より大きいか又は等しく、すなわち、位置決めピンの第2中継コネクタ41’は、導電ピンの第2中継コネクタ41及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31より高くなくすることができ、位置決めピンの第2中継コネクタ41’からボトムカバー15までの距離は、導電ピンの第2中継コネクタ41からボトムカバー15までの距離及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31からボトムカバーまでの距離より小さい又は等しい。通常、好ましくは、位置決めピンの第2中継コネクタ41’は、導電ピンの第2中継コネクタ41及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31より低くしており(すなわち、位置決めピンの第2中継コネクタ41’が第2中継コネクタ41及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31の下方に位置し、導電ピンの第2中継コネクタ41及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31は、位置決めピンの第2中継コネクタ41’よりもトップカバーに近いようにする)、例にして説明すると、位置決めピンの第2中継コネクタ41’は、導電ピンの第2中継コネクタ41の下方に位置してもよいし、または第1ピンの第1中継コネクタ31の下方に位置してもよいし、または第1ピンの第1中継コネクタ31と導電ピンの第2中継コネクタ41との下方に同時に位置してもよく(
図1に示されている)、ここで、導電ピンの第2中継コネクタ41と第1ピンの第1中継コネクタ31とからトップカバーまでの距離は、ほぼ等しいかまたは等しくなく、すなわち、導電ピンの第2中継コネクタ41と第1ピンの第1中継コネクタ31とのケースの側壁における高さが同じまたは異なるようにすることができ、本願は、それについて特に制限しない。前記した距離は、第1中継コネクタ又は第2中継コネクタからトップカバーまでの垂直距離である。
【0053】
本願では、第2アダプタ4は、具体的に、ボトムカバー15に溶接され、ボトムカバー15を介して第2タブと電気的に接続され得る。いくつかの実施例では、第2接続シートは、ボトムカバー15に溶接された第3接続部43、第4接続部44、及び第3接続部43と第4接続部44との間に接続された渡り部を備え、第4接続部44は頂面(ボトムカバーに面する面)が第3接続部の頂面(ボトムカバーに面する面)より高く、及び/又は、第4接続部は底面(ボトムカバーと反対する面)が第3接続部の底面(ボトムカバーと反対する面)より高く、すなわち、第4接続部44は頂面が第3接続部43の頂面よりもボトムカバー15からより遠い、及び/又は、第4接続部44は底面が第3接続部43の底面よりもボトムカバー15からより遠く、第2接続シートが渡り部によって折り曲げられ、第3接続部43と第4接続部44とが形成される構造に相当し、当該構造の設計を通じて、磁気遮蔽の役割を果たすことができ、すなわち、電池作業中に電流によって発生する磁界を遮蔽し、当該電池が適用された電子製品に磁界の影響を避けることができ、例えば、磁界に起因する電子製品の雑音などの現象を避け、電池の使用性能をさらに向上させる。
【0054】
いくつかの実施例では、ボトムカバー15には第2絶縁層がさらに設けられており、第2接続シートは、ボトムカバー15に溶接された第3接続部43、第2絶縁層12を介してボトムカバー15に接する第4接続部44(すなわち、第2絶縁層12が第4接続部44とボトムカバー15との間に位置する)、及び第3接続部43と第4接続部44との間に接続された渡り部を備える。上記のように、通常、第4接続部44は頂面が第3接続部の頂面よりも高く及び/又は第4接続部は底面が第3接続部の底面よりも高い(ボトムカバーと反対する面)。
【0055】
いくつかの実施例では、第2絶縁層12は、例えば0.05mm、0.08mm、0.1mmなど、0.05mm~0.1mmの厚さとすることができる。第4接続部44の厚さ方向に垂直な第2絶縁層12の正投影は、第4接続部44の厚さ方向に垂直な第4接続部44の正投影を覆い、第2絶縁層12は、表面積がボトムカバーの表面積の約1/3~1/2とし、例えば半円形の形状(
図1及び
図2に示される)とすることができるが、それに限定されない。
【0056】
いくつかの実施例では、第3接続部43はボトムカバー15に溶接され、当該溶接によって生じた第2溶接痕は第3接続部43を貫通してボトムカバー15の厚さの1/3~2/3まで延在し、電池の構造安定性などの性能のさらなる向上に有利である。具体的に実施するとき、レーザ溶接法を採用して溶接を行うことができ、溶接中に、第2接続シートの第3接続部43をボトムカバー15に重ねて、そして、第3接続部43にレーザを投射して溶接を行いながら、レーザ溶接パラメータを調整することによって溶接強度を制御し、生じた溶接痕が第3接続部43を貫通してボトムカバー15の厚さの1/3~2/3まで延在するようにし、すなわち、ボトムカバー15に生じた溶接痕のボトムカバー15の厚さ方向における長さが15の厚さの約1/3~2/3(当該溶接による15の溶接深さは15の厚さの約1/3~2/3である)となるようにする。
【0057】
本願では、第2ピンは、具体的に、第4接続部44に設けられることができ、すなわち、第2ピンは一端が第4接続部44に接続され、他端が周辺回路に接続されるコネクタとする。いくつかの実施例では、第2ピンは導電ピンと位置決めピンとを備え、位置決めピンは第2中継コネクタ41’が第1ピンの第1中継コネクタ31と導電ピンの第2中継コネクタ41との間に位置し、ボトムカバー15からトップカバーに向かう方向に垂直なケースの正投影中に、位置決めピンは第2中継コネクタ41’が第1ピンの第1中継コネクタ31と導電ピンの第2中継コネクタ41との間に位置し、第1連結線と第2連結線との間の角度がαであることが満たされ、α>30°とし、第1連結線は、ボトムカバー15の正投影の中心点を通りかつ上記の渡り部を二等分する直線であり、第2連結線は、ボトムカバー15の正投影の中心点を通りかつ位置決めピンの第2中継コネクタ41’を二等分する直線である。ここで、第1連結線は渡り部を二等分し、すなわち、当該第1連結線から渡り部と第3接続部43との接合部位までの距離は、当該第1接続配線から渡り部と第4接続部44との接合部位までの距離にほぼ等しく、第2連結線は位置決めピンの第2中継コネクタ41’を二等分し、すなわち、当該第2連結線から位置決めピンの第2中継コネクタ41’の一方側(第1側と記す)までの距離は、当該第2連結線から位置決めピンの第2中継コネクタ41’の他方側(第2側と記す)までの距離にほぼ等しく、第1側と第2側とは対向し、ボトムカバー15の正投影の中心点はトップカバーの正投影の中心に位置し、例にして説明すると、ボトムカバー15の正投影は円形であり、当該中心点はボトムカバー15の正投影の円心であるか、または、ボトムカバー15の正投影は長方形(又は正方形)、当該中心点は当該長方形(又は正方形)の2本の対角線の交差点である。選択的に、αは、40°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、140°、またはそのうちの任意の2つから構成される範囲に介在する角度値であり、通常、60°≦α≦140°とすることが好ましく、100°≦α≦125°とすることがより好ましく、例えば108°とする(
図3に示される)。
【0058】
具体的に実施するとき、導電ピンを電池と周辺回路との接続配線とし、導電ピンの第2中継コネクタを周辺回路に接続されるコネクタとすることができ、位置決めピンは、電池を電子製品に搭載する位置決め構造として、位置決めピンの第2中継コネクタ(又は位置決めシートと呼ばれる)によって電池を電子製品に係止させるように接続し、電池を電子製品に搭載することを実現するが、それに限定されなく、位置決めピン及び導電ピンは、第2接続シートと一体成形され、導電性を有しているため、位置決めピンと導電ピンとは、機能が必要に応じて交換することができ、すなわち、位置決めピンは、電池と周辺回路との接続配線とし、導電ピンは、電池を電子製品に搭載する位置決め構造として使用される。
【0059】
具体的に、第2接続シートの厚さ方向に垂直な当該第2接続シートの断面は、開口を有する非完全な円形リング状(又はアーチ状と呼ばれる)のものとすることができ、すなわち、第3接続部43は一端が第4接続部44の一端に接し、第3接続部43は他端が第4接続部44の他端に接しないようにすることで、円形リング状の開口を形成し、第2接続シートの断面を、開口を有する非完全な円形リング状のもの、例えば半円形リング状などのものにする。一般的に、第2接続シートは、外縁がケースの外縁とほぼ同心である円弧であり、電池の加工及び位置決めに有利であり、ほぼ同心であることは、第2接続シートとケースとが誤差の範囲内で同心であり、すなわち、加工上の誤差が存在するため、通常、完全に同心であるようにすることができず、可能な限り同心になるようにするだけである。
【0060】
本願では、上記の電池は、トップカバーの空洞6と反対する側に設けられた第2絶縁シート7をさらに備え、トップカバーの厚さ方向に垂直な第2絶縁シート7の正投影は、トップカバーの厚さ方向に垂直なトップカバーの正投影を覆い、すなわち、第1接続シート34、第1ピンの水平部33、第2金属シート22、及び第1金属シート21などのトップカバーに位置する部分はすべて、第2絶縁シート7によって覆われており、電池の安全性などの性能のさらなる向上に有利であり、電池を端末製品(ウェアラブル電子製品など)に搭載する際、または運輸や使用する際、短絡などの現象が発生しないようにする。
【0061】
上記のセル9は、正極シート、負極シート、及び正極シートと負極シートとの間に位置するセパレータを備え、セパレータは、正極シートと負極シートとを隔離して、正極シートと負極シートとの接触による短絡を避けるために使用され、本願は、本分野における従来の正極シート、負極シート、及びセパレータを採用することができるが、それについて特に制限しない。上記の第1タブと第2タブとは反対の極性を有し、その一方は正極タブとして正極シートと電気的に接続され、その他方は負極タブとして負極シートと電気的に接続され、通常、好ましくは、第1タブは正極タブであり、第2タブは負極タブである。
【0062】
上記のセル9は、巻き付け式構造をしている巻き付け式セル9(又は巻き付けセルと呼ばれる)とすることができ、すなわち、正極シート、セパレータ、及び負極シートは、順次積層して放置された後、巻き付けられて巻き付け構造が形成され、セル9は、積層式構造の積層式セル9とすることもでき、すなわち、正極シート、セパレータ、及び負極シートは、順次積層して放置されて積層式構造が形成されるが、これに限定されない。
【0063】
また、空洞6に位置するセル9は数が1つ又は複数とすることができ、セル9は複数ある場合に、すべてのセル9の正極シートは上記の正極タブに接続され、すべてのセル9の負極シートは上記の負極タブに接続される。
【0064】
本願では、上記のケース1、第1金属シート21、封止シート5、第2金属シート22、第1タブ、第2タブ、第1アダプタ3、及び第2アダプタ4は、金属材質などの本分野の従来の導電性材質のものとすることができ、例にして説明すると、第1アダプタ3は、ニッケル材質又はステンレス材質のものであってもよく、すなわち、ニッケル製シート又はステンレス製シートであってもよく、第2アダプタ4は、ニッケル材質又はステンレス材質のものであってもよく、すなわち、ニッケル製シート又はステンレス製シートであってもよい。上記の第1絶縁シート23、第1絶縁層11、第2絶縁シート7、第2絶縁層12、第3絶縁層13、及び第4絶縁層14は、ポリプロピレンから形成されたPP接着剤などの本分野の従来の絶縁接着剤であってもよい。具体的に、まず、第2金属シート22の空洞6に近い面かつ第1タブのストレート部8に対応する領域において、絶縁接着剤の層を付着させた後、第1タブのストレート部8を第2金属シート22の第2接続部222に溶接し、ケース1の外側面(すなわち、上記の空洞壁の前体と離れている面)、第1金属シート21の第1ピンの水平部33に対応する領域、及びケース1の底面の第2アダプタ4の第4接続部44に対応する領域において、絶縁接着剤の層を付着させた後、第2アダプタ4の第2接続シートの第3接続部43をケース1の底面に溶接して、第4接続部44を絶縁接着剤によってケース1の底面に接着させ、第1アダプタ3の第1接続シート34を封止シート5に溶接して、第1ピンをケース1と第1絶縁層11とから絶縁させることができる。通常、空洞壁外側(すなわち、ケース1側面)のすべての領域には、第1絶縁層11が設けられており、空洞壁が第1絶縁層11によって囲まれて設けられた空洞6内に位置する構成に相当する。
【0065】
以上、本願の実施形態について説明した。ただし、本願は、上記の実施形態に限定されるものではない。本願の精神及び原則の範囲内で行われるいかなる修正、等価置換、及び改善などは、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0066】
1 ケース
2 トップカバー
3 第1アダプタ
4 第2アダプタ
5 封止シート
6 空洞
7 第2絶縁シート
8 第1タブのストレート部
9 セル
11 第1絶縁層
12 第2絶縁層
13 第3絶縁層
14 第4絶縁層
15 ボトムカバー
21 第1金属シート
22 第2金属シート
23 第1絶縁シート
31 第1中継コネクタ
32 第1延伸部
33 水平部
34 第1接続シート
41、41’ 第2中継コネクタ
42、42’ 第2延伸部
43 第3接続部
44 第4接続部
45 渡り部
221 第1接続部
222 第2接続部
α 角度
【手続補正書】
【提出日】2023-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース、トップカバー、セル、及び第2アダプタを備え、前記トップカバーは前記ケースの上端に密封して覆設し、前記ケースとともに空洞を囲んで設けられており、前記セルは前記空洞内に位置し、前記ケースは、前記空洞を取り囲む側壁と、前記側壁の下端に設けられたボトムカバーと、を備え、前記セルは、反対の極性を有する第1タブと第2タブとを有し、ここで、前記ボトムカバーは前記第2タブと電気的に接続され、前記第2アダプタは第2接続シートと第2ピンとを備え、前記第2アダプタは前記第2接続シートを介してボトムカバーに接続され、前記第2ピンは一端が前記第2接続シートに接続され、前記第2ピンは他端がボトムカバーの外縁から伸び出す、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備え、
前記第4接続部は頂面が前記第3接続部の頂面よりも高く、及び/又は、前記第4接続部は底面が前記第3接続部の底面よりも高い、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記ボトムカバーには第2絶縁層がさらに設けられており、前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第2絶縁層を介して前記ボトムカバーに接続された第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記トップカバーは、第1金属シート、第1絶縁シート、及び第2金属シートを備え、前記第1金属シートは前記ケースの上端に接続され、それによって、前記トップカバーが前記ケースの上端に密封して覆設することは実現され、前記第2金属シートは前記第1絶縁シートを介して前記第1金属シートに絶縁接続され、
前記トップカバーには、前記第1金属シートと第1絶縁シートとを貫通する貫通穴が設けられており、前記貫通穴は前記空洞と連通し、前記第2金属シートは、第1接続部と前記第1接続部に接続された第2接続部とを備え、前記第1接続部は前記第1絶縁シートに接続され、前記第2接続部は前記貫通穴に設けられておりかつ前記貫通穴を封止し、
前記電池は、第1接続シートと第1ピンとを備える第1アダプタをさらに備え、前記第1ピンは一端が前記第1接続シートに接続され、前記第1ピンは他端がトップカバーの外縁から伸び出し、
前記第2接続部は前記第1タブと電気的に接続され、前記第1アダプタは前記第1接続シートを介して前記第2接続部に接続される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記第1金属シートは外周縁が前記側壁の上端に溶接され、それによって、前記トップカバーが前記ケースの上端に密封して覆設することは実現され、及び/又は、
前記第1接続シートは第2接続部に溶接され、当該溶接によって生じた第1溶接痕は、第1接続シートを貫通して第2接続部の厚さの1/3~2/3まで延在し、及び/又は、
前記第1アダプタは、前記第2金属シートの前記空洞と反対する側に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記第2接続部には、前記空洞と連通する注液孔と前記注液孔を封止する封止シートとが設けられており、前記封止シートは前記第2接続部の前記空洞と反対する側に位置し、前記封止シートは前記第2接続部を介して前記第1タブと電気的に接続され、前記第1接続シートは前記封止シートに溶接され、及び/又は、
前記溶接によって生じた第1溶接痕は、前記第1接続シートを貫通して前記封止シートの厚さの1/3~2/3まで延在し、及び/又は、
前記封止シートの前記空洞と反対する面は前記第1接続部の前記空洞と反対する面より高くない、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項7】
前記ケースの側壁には、第1絶縁層が設けられており、かつ次の特徴の少なくとも1つが満たされ、
前記トップカバーの外縁から伸び出す前記第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタとなり、前記第1ピンは前記ケースの側壁まで延在する第1延伸部をさらに備え、前記第1延伸部は一端が前記第1接続シートに接続され、前記第1延伸部は他端が前記第1中継コネクタに接続され、前記第1延伸部は前記第1絶縁層を介して前記側壁から絶縁され、
前記ボトムカバーの外縁から伸び出す前記第2ピンの他端の部分は第2中継コネクタとなり、前記第2ピンは前記ケースの側壁まで延在する第2延伸部をさらに備え、前記第2延伸部は一端が前記第2接続シートに接続され、前記第2延伸部は他端が前記第2中継コネクタに接続され、前記第2延伸部は前記第1絶縁層を介して前記ケースの側壁と接続している、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項8】
前記第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、前記ボトムカバーから前記トップカバーに向かう方向において、前記位置決めピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離は、前記導電ピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離より大きい又は等しく、及び/又は、前記位置決めピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離は、前記第1ピンの第1中継コネクタから前記トップカバーまでの距離より大きい又は等しい、ことを特徴とする請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直な前記電池の投影中に、前記位置決めピンは前記導電ピンと前記第1ピンとの間に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項10】
前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備え、前記第4接続部は頂面が前記第3接続部の頂面よりも高く、及び/又は、前記第4接続部は底面が前記第3接続部の底面よりも高く、
前記トップカバーの外縁から伸び出す前記第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタとなり、前記ボトムカバーの外縁から伸び出す前記第2ピンの他端の部分は第2中継コネクタとなり、前記第2ピンは導電ピンと位置決めピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直なケースの投影中に、前記位置決めピンは第2中継コネクタが前記第1ピンの第1中継コネクタと前記導電ピンの第2中継コネクタとの間に位置し、第1連結線と第2連結線との間の角度がαであることが満たされ、α>30°とし、前記第1連結線は、前記トップカバーの正投影の中心点を通りかつ前記渡り部を二等分する直線であり、前記第2連結線は、前記トップカバーの正投影の中心点を通りかつ前記位置決めピンの第2中継コネクタを二等分する直線である、ことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項11】
前記第2ピンは、前記第4接続部に設けられており、及び/又は、
前記溶接によって生じた第2溶接痕は、前記第3接続部を貫通して前記ボトムカバーの厚さの1/3~2/3まで延在する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電池。
【請求項12】
60°≦α≦140°、又は、100°≦α≦125°とする、ことを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項13】
前記第2絶縁層は、厚さが0.05mm~0.1mmである、ことを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項14】
当該第2接続シートの厚さ方向に垂直な前記第2接続シートの断面は、開口を有する非完全な半円形リング状とし、及び/又は、
前記第2接続シートの外縁が円弧であり、前記円弧が前記ケースの外縁とほぼ同心でおり、及び/又は、
前記第2アダプタは、前記ボトムカバーの前記空洞と反対する側に位置する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項15】
前記トップカバーの空洞と反対する側に設けられた第2絶縁シートをさらに備え、前記トップカバーの厚さ方向に垂直な前記第2絶縁シートの正投影は、前記トップカバーの厚さ方向に垂直な前記トップカバーの正投影を覆い、及び/又は、
前記第1タブは正極タブであり、前記第2タブは負極タブであり、及び/又は、
前記電池はボタン電池である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池に関し、電池の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
電池は、一般的な電気化学的エネルギー貯蔵装置として、電子製品などで広く使用されており、例えば、ボタン電池は常にウェアラブル電子製品に応用されており、ウェアラブル電子製品の発展に伴い、ボタン電池の安定性などの性能に対する要求も高まっている。電池packとは、一般的に電池の包装、封入、組み立てなどを指し、電池の不可欠な部分であり、電池の安定性などの性能に影響を与える重要な要素であり、具体的に、電池は、セルとセルを封止するpack構造とを有し、セルは、積層して設けられた正極シート、セパレータ、負極シート、正極シートに接続された正極タブ、及び負極シートに接続された負極タブを備え、pack構造において、正極タブと電気的に接続された正極アダプタ(正極pin)と、負極タブと電気的に接続された負極アダプタ(負極pin)とを設けることにより、正極pinと負極pinとを電池内部回路と周辺回路とを接続する接続配線として機能することを実現する。しかしながら、現在、電池pack構造は電池の安定性などの性能に不利であり、例えば、一般的な正極pinと負極pinとは、正極タブと負極タブとにそれぞれ接続される導線であり、電池packにおける正極pinと負極pinとの配置が丈夫でないなどの欠陥が存在し、電池の安定性などの性能に影響を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、良好な安定性などの性能を備え、従来の技術に存在する欠陥を効果的に克服できる電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、ケース、トップカバー、セル、及び第2アダプタを備える電池を提供し、前記トップカバーは前記ケースの上端に密封して覆設し、前記ケースとともに空洞を囲んで設けられており、前記セルは前記空洞内に位置し、前記ケースは、前記空洞を取り囲む側壁と前記側壁の下端に設けられたボトムカバーとを備え、前記セルは、反対の極性を有する第1タブと第2タブとを有し、前記ボトムカバーは前記第2タブと電気的に接続され、前記第2アダプタは第2接続シートと第2ピンとを備え、前記第2アダプタは前記第2接続シートを介してボトムカバーに接続され、前記第2ピンは一端が前記第2接続シートに接続され、前記第2ピンは他端がボトムカバーの外縁から伸び出す。
【0005】
本願の一実施形態によれば、前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備え、前記第4接続部は頂面が前記第3接続部の頂面よりも高く、及び/又は、前記第4接続部は底面が前記第3接続部の底面よりも高い。
【0006】
本願の一実施形態によれば、前記ボトムカバーには第2絶縁層がさらに設けられており、前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第2絶縁層を介して前記ボトムカバーに接続された第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備える。
【0007】
本願の一実施形態によれば、前記トップカバーは、第1金属シート、第1絶縁シート、及び第2金属シートを備え、前記第1金属シートは前記ケースの上端に接続され、それによって、前記トップカバーが前記ケースの上端に密封して覆設することは実現され、前記第2金属シートは前記第1絶縁シートを介して前記第1金属シートに絶縁接続され、前記トップカバーには、前記第1金属シートと第1絶縁シートとを貫通する貫通穴が設けられており、前記貫通穴は前記空洞と連通し、前記第2金属シートは、第1接続部と前記第1接続部に接続された第2接続部とを備え、前記第1接続部は前記第1絶縁シートに接続され、前記第2接続部は前記貫通穴に設けられておりかつ前記貫通穴を封止し、前記電池は、第1接続シートと第1ピンとを備える第1アダプタをさらに備え、前記第1ピンは一端が前記第1接続シートに接続され、前記第1ピンは他端がトップカバーの外縁から伸び出し、前記第2接続部は前記第1タブと電気的に接続され、前記第1アダプタは前記第1接続シートを介して前記第2接続部に接続される。
【0008】
本願の一実施形態によれば、前記第1金属シートは外周縁が前記側壁の上端に溶接され、それによって、前記トップカバーが前記ケースの上端に密封して覆設することは実現される。
【0009】
本願の一実施形態によれば、前記第1接続シートは第2接続部に溶接され、当該溶接によって生じた第1溶接痕は、第1接続シートを貫通して第2接続部の厚さの1/3~2/3まで延在する。
【0010】
本願の一実施形態によれば、前記第1アダプタは、前記第2金属シートの前記空洞と反対する側に位置する。
【0011】
本願の一実施形態によれば、前記第2接続部には、前記空洞と連通する注液孔と前記注液孔を封止する封止シートとが設けられており、前記封止シートは前記第2接続部の前記空洞と反対する側に位置し、前記封止シートは前記第2接続部を介して前記第1タブと電気的に接続され、前記第1接続シートは前記封止シートに溶接される。
【0012】
本願の一実施形態によれば、前記溶接によって生じた第1溶接痕は、前記第1接続シートを貫通して前記封止シートの厚さの1/3~2/3まで延在する。
【0013】
本願の一実施形態によれば、前記封止シートの前記空洞と反対する面は前記第1接続部の前記空洞と反対する面より高くない。
【0014】
本願の一実施形態によれば、前記ケースの側壁には、第1絶縁層が設けられており、かつ次の特徴の少なくとも1つが満たされる。前記トップカバーの外縁から伸び出す前記第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタとなり、前記第1ピンは前記ケースの側壁まで延在する第1延伸部をさらに備え、前記第1延伸部は一端が前記第1接続シートに接続され、前記第1延伸部は他端が前記第1中継コネクタに接続され、前記第1延伸部は前記第1絶縁層を介して前記側壁から絶縁され、前記ボトムカバーの外縁から伸び出す前記第2ピンの他端の部分は第2中継コネクタとなり、前記第2ピンは前記ケースの側壁まで延在する第2延伸部をさらに備え、前記第2延伸部は一端が前記第2接続シートに接続され、前記第2延伸部は他端が前記第2中継コネクタに接続され、前記第2延伸部は前記第1絶縁層を介して前記ケースの側壁と接続する。
【0015】
本願の一実施形態によれば、前記第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、前記ボトムカバーから前記トップカバーに向かう方向において、前記位置決めピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離は、前記導電ピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離より大きい又は等しく、及び/又は、前記位置決めピンの第2中継コネクタから前記トップカバーまでの距離は、前記第1ピンの第1中継コネクタから前記トップカバーまでの距離より大きい又は等しい。
【0016】
本願の一実施形態によれば、前記第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直な前記電池の投影中に、前記位置決めピンは前記導電ピンと前記第1ピンとの間に位置する。
【0017】
本願の一実施形態によれば、前記第2接続シートは、前記ボトムカバーに溶接された第3接続部、第4接続部、及び第3接続部と第4接続部との間に接続された渡り部を備え、前記第4接続部は頂面が前記第3接続部の頂面よりも高く、及び/又は、前記第4接続部は底面が前記第3接続部の底面よりも高く、前記トップカバーの外縁から伸び出す前記第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタとなり、前記ボトムカバーの外縁から伸び出す前記第2ピンの他端の部分は第2中継コネクタとなり、前記第2ピンは導電ピンと位置決めピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直なケースの投影中に、前記位置決めピンは第2中継コネクタが前記第1ピンの第1中継コネクタと前記導電ピンの第2中継コネクタとの間に位置して、第1連結線と第2連結線との間の角度がαであることが満たされ、α>30°とし、前記第1連結線は、前記トップカバーの正投影の中心点を通りかつ前記渡り部を二等分する直線であり、前記第2連結線は、前記トップカバーの正投影の中心点を通りかつ前記位置決めピンの第2中継コネクタを二等分する直線である。
【0018】
本願の一実施形態によれば、前記第2ピンは、前記第4接続部に設けられている。
【0019】
本願の一実施形態によれば、前記溶接によって生じた第2溶接痕は、前記第3接続部を貫通して前記ボトムカバーの厚さの1/3~2/3まで延在する。
【0020】
本願の一実施形態によれば、60°≦α≦140°とする。
【0021】
本願の一実施形態によれば、100°≦α≦125°とする。
【0022】
本願の一実施形態によれば、前記第2絶縁層は、厚さが0.05mm~0.1mmである。
【0023】
本願の一実施形態によれば、当該第2接続シートの厚さ方向に垂直な前記第2接続シートの断面は、開口を有する非完全な半円形リング状とする。
【0024】
本願の一実施形態によれば、前記第2接続シートの外縁が円弧であり、前記円弧が前記ケースの外縁とほぼ同心である。
【0025】
本願の一実施形態によれば、前記第2アダプタは、前記ボトムカバーの前記空洞と反対する側に位置する。
【0026】
本願の一実施形態によれば、前記電池は前記トップカバーの空洞と反対する側に設けられた第2絶縁シートをさらに備え、前記トップカバーの厚さ方向に垂直な前記第2絶縁シートの正投影は、前記トップカバーの厚さ方向に垂直な前記トップカバーの正投影を覆う。
【0027】
本願の一実施形態によれば、前記第1タブは正極タブであり、前記第2タブは負極タブである。
【0028】
本願の一実施形態によれば、前記電池はボタン電池である。
【発明の効果】
【0029】
本願では、第2アダプタは、第2接続シートを介して電池pack構造のボトムカバーに設けられており、ケースを介して第2タブと電気的に接続され、その第2ピンがボトムカバーの外縁から伸び出し、周辺回路と接続するためのコネクタとして機能することができるとともに、位置決めの役割を果たすこともでき、電子製品に組み立てられた電池の安定性の向上に有利であり、かつ第2アダプタと第2タブとの電気的接続の安定性を確保することができ、電池pack構造から第1アダプタと第2アダプタとが破裂するなどの現象が発生することを回避し、その結果、電池の安定性などの性能を確保し、電池の機能発揮を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本願の一実施形態の電池の構造概略図である。
【
図2】本願の一実施形態の電池の底面視した構造概略図である。
【
図3】本願の一実施形態の電池のボトムカバーの厚さ方向に垂直なボトムカバーの正投影の概略図である。
【
図4】本願の一実施形態の電池の平面視した構造概略図である。
【
図5】本願の一実施形態の電池の断面の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願の解決手段を当業者によりよく理解させるために、本願をさらに詳細に説明する。本願の説明において、特に明記されていない限り、用語「配置する」、「接続する」、「連結する」、「接する」は、広義に解釈されるべきであり、例えば、固定的接続されてもよいし、取り外し可能に接続されてもよいし、一体となって接続されてもよく、機械的に接続されてもよいし、電気的に接続されてもよく、直接的に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの構成要素が内部で連通するように接続されてもよい。当業者は、本願における上記の用語の意味を特定の状況に応じて理解することができる。また、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」という用語は、例えば、技術的解決手段をより明確に説明/解釈するために部品を区別するために使用されるように、説明目的のためだけに使用され、示される技術的特徴の数又は実質的に意味のある順序などの意味を明示又は示唆するものとして理解されない。「上方」、「下方」などの方位を表す用語は、いずれも、トップカバーが配置された側を上、ボトムカバーが配置された側を下、トップカバーとボトムカバーとの間に介在する空洞壁の外面を側面とすることを基準としている用語であり、各部材の相対的な位置関係を表すものである。
【0032】
図1から
図6までの図面に示すように、本願の電池は、ケース1、トップカバー2、セル、及び第2アダプタ4を備え、トップカバー2は側壁の上端に密封して覆設し、ケース1とともに空洞6を囲んで設けられており、セル9は空洞6内に位置し、ケース1は、空洞6を取り囲む側壁と当該側壁の下端に設けられたボトムカバー15とを備え、セル9は、反対の極性を有する第1タブと第2タブとを有し、ここで、ボトムカバーは第2タブと電気的に接続され、第2アダプタ4は第2接続シートと第2ピンとを備え、第2アダプタ4は第2接続シートを介してボトムカバーに接続され、第2ピンは一端が第2接続シートに接続され、第2ピンは他端がボトムカバーの外縁から伸び出す。
【0033】
一般的に、上記の電池は、第1接続シート34と第1接続シート34に設けられた第1ピンとを備える第1アダプタ3をさらに備え、第1アダプタ3は第1接続シート34を介してトップカバーに設けられており、第1ピンは一端が第1接続シート34に接続され、第1ピンは他端がトップカバーの外縁から伸び出す。
【0034】
上記のトップカバーは、具体的に、2層の金属シートと絶縁シートとを熱圧着複合して形成されたものであってもよく、絶縁シートは当該2層の金属シート間に位置する。いくつかの好ましい実施例では、トップカバーは、第1金属シート21、第1絶縁シート23、及び第2金属シート22を備え、第1金属シート21はケース1の上端に接続され、それによって、トップカバーがケース1の上端に密封して覆設することは実現され、第2金属シート22は第1絶縁シート23を介して第1金属シート21に絶縁接続され、トップカバーには、第1金属シート21と第1絶縁シート23とを貫通する貫通穴が設けられており、貫通穴は空洞6と連通し、第2金属シート22は、第1接続部221と第1接続部221に接続された第2接続部222とを備え、第1接続部221は第1絶縁シート23に接し、第2接続部222は貫通穴に設けられておりかつ貫通穴を封止し、第1アダプタ3は、第1接続シート34と第1接続シート34に設けられた第1ピンとを備え、第1ピンは一端が第1接続シート34に接続され、第1ピンは他端がトップカバーの外縁から伸び出し、第2接続部222は第1タブと電気的に接続され、第1アダプタ3は第1接続シート34を介して第2接続部222に接続され、それによって、第1アダプタ3は第1タブと電気的に接続される。
【0035】
具体的に、第1アダプタ3は第1タブと電気的に接続されかつ第2タブから絶縁され、第2アダプタ4は第2タブと電気的に接続されかつ第1タブから絶縁され、第1アダプタ3は、第2金属シート22の空洞6と反対する側に位置することができ、第2アダプタ4は、ボトムカバーの空洞6と反対する側に位置することができる。第1金属シート21、第1絶縁シート23、及び第2金属シート22を順次積層して設けることで、第1金属シート21と第2金属シート22とは第1絶縁シート23を介して絶縁接続され、上記の貫通穴は第1金属シート21と第1絶縁シート23とを貫通し、すなわち、上記の貫通穴は、第1金属シート21を貫通する第1貫通穴と第1絶縁シート23を貫通する第2貫通穴とを備え、第1貫通穴と第2貫通穴とは、空洞6と連通しかつほぼ同心であるように設けられている。選択的に、第1貫通穴は、第2貫通穴よりも直径がわずかに大きく、かつ第1絶縁シート23の第2貫通穴に近い側が下へ延びて第1貫通穴内に位置する突起部が形成され、当該突起部は第1金属シート21と第2金属シート22の第2接続部222との間に位置するようにすることにより、第1金属シート21と第2接続部222とは第1絶縁シート23によって絶縁されるとともに、第1接続部221は第1絶縁シート23を介して第1金属シート21に接続され、すなわち、第1接続部221も、第1絶縁シート23を介して第1金属シート21から絶縁され、これによって、第1金属シート21と第2金属シート22とは、第1絶縁シート23によって絶縁される。
【0036】
本願では、トップカバーを側壁の上端に密封させることを実現するために、トップカバーの外周縁を側壁の上端に溶接することができ、例えば、いくつかの好ましい実施例では、上記の第1金属シート21は外周縁が側壁の上端に溶接され、これによって、トップカバーが側壁の上端に密封して覆設することは実現される。また、ケース1はボトムカバー15と一体成形されてもよいし、またはケース1の下端にボトムカバー15の外周縁を溶接してもよく、本願は、それについて特に制限しない。
【0037】
本願では、第1接続シート34は第2接続部222に溶接されることができ、当該溶接によって生じた第1溶接痕は第1接続シート34を貫通して第2接続部222の厚さの1/3~2/3まで延在し、これは、電池の密封性及び安定性などの性能のさらなる向上に有利である。具体的に実施するとき、レーザ溶接法を採用して溶接を行い、溶接中に、第1接続シート34と第2接続部222とを積層して置き、そして、第1接続シート34にレーザを投射して溶接を行いながら、レーザ溶接パラメータを調整することによって溶接強度を制御し、生じた溶接痕が第1接続シート34を貫通して第2接続部222の厚さの1/3~2/3まで延在するようにし、すなわち、第2接続部222に生じた溶接痕の第2接続部222の厚さ方向における長さが第2接続部222の厚さの約1/3~2/3(当該溶接による第2接続部222の溶接深さは第2接続部222の厚さの約1/3~2/3である)となるようにする。
【0038】
いくつかの実施例では、第2接続部222には、空洞6と連通する注液孔と、当該注液孔を封止する封止シート5とが設けられてもよく、封止シート5は第2接続部222の空洞6と反対する側に位置し、封止シート5は第2接続部222を介して第1タブと電気的に接続され、第1接続シート34は封止シート5に溶接され、当該溶接によって生じた第1溶接痕は第1接続シート34を貫通して封止シート5の厚さの1/3~2/3まで延在し(当該溶接による封止シート5の溶接深さは封止シート5の厚さの約1/3~2/3である)、注液孔は、例えば電解液の注入などに使用され得る。選択的に、第1タブは第2接続部222に溶接され、封止シート5は第2接続部222に溶接される。
【0039】
一般的に、第2金属シート22は、第2接続部222に接続された第1接続部221をさらに備え、封止シート5の空洞6と反対する面は第1接続部221の空洞6と反対する面より高くない。具体的に、第2金属シート22には、第2接続部222の上方に位置する溝が設けられており、当該溝は第1接続部221によって囲まれるように設けられており(すなわち、当該溝は側壁が第1接続部221、当該溝は底部が第2接続部222となる)、封止シート5は当該溝内に位置し、当該溝は、封止シート5の空洞6と反対する面が第1接続部221の空洞6と反対する面より高くないという条件が満たされている深さとし、好ましくは、封止シート5の空洞6と反対する面が第1接続部221の空洞6と反対する面より低く(すなわち、封止シート5の空洞6と反対する面が第1接続部221の空洞6と反対する面の下方に位置する)することにより、電池pack構造の頂面をより平坦にして、電池の体積を小さくし、電池性能をさらに最適化することができる。封止シート5は上記の溝内に位置し、封止シート5は、具体的に、当該溝の下部の第2接続部222に溶接されたものとすることができ、溶接を容易にするために、一般的に、封止シート5と溝の側壁(すなわち、第1接続部221)との間に空隙を設け、例にすると、封止シート5の厚さ方向に垂直な封止シート5と溝との断面を円形にし、封止シート5と溝とが同心であるように設けられ、封止シート5の外径を溝の内径よりも小さくすることで、封止シート5と溝の側壁との間に空隙が存在するようにする。上記の第1金属シート21、第1絶縁シート23、及び第2金属シートの第1接続部221は、順次積層して設けられており、第2金属シート22は、具体的に、第1接続部221を介して第1絶縁シート23に接することができる。
【0040】
本願では、第2接続部222は貫通穴に設けられており、通常、貫通穴を貫通し、空洞6に面する面が第1タブに接続され、空洞6と反対する面が第1接続シート34に接続され、通常、第2接続部222の空洞6に面する面が第1金属シート21の空洞6に面する面とほぼ同じ高さにするか、または第1金属シート21の空洞6に面する面の下方に位置し(すなわち、第1金属シート21の空洞6に面する面よりも空洞6に近い)、これは、第1タブと第2接続部222との接続に有利であり、選択的に、第1タブはセル9に接続されたストレート部8を備えることができ、当該ストレート部8の厚さ方向に垂直な当該ストレート部8の面が第2接続部222の厚さ方向に垂直な当該第2接続部222の面にほぼ平行であり、当該ストレート部8は第2接続部222に溶接され、これによって、第2接続部222は第1タブに接続される。また、第1金属シート21の空洞6に面する面において第1金属シート21と第1タブのストレート部8との間に位置する第3絶縁層13を設けることで、第1タブを第3絶縁層13によって第1金属シート21から絶縁させることができる。
【0041】
一般的に、第1接続シート34、封止シート5、第2金属シート22、第1絶縁シート23、第1金属シート21、注液孔、貫通穴、及び空洞6は、ほぼ同心であるように設けられており、第1接続シート34の厚さ方向に垂直な断面及び封止シート5の厚さ方向に垂直な断面は、例えば円形の形状とすることができ、第2金属シート22の厚さ方向に垂直な断面、第1絶縁シート23の厚さ方向に垂直な断面、及び第1金属シート21の厚さ方向に垂直な断面は、例えば円形リング状の形状とすることができ、ケース1は、例えば円筒状の形状とし、当該電池は例えばボタン電池とするが、それに限定されない。上記の厚さ方向は、ボトムカバー15からトップカバー2に向かう方向(すなわち、電池の軸方向)と同じである。
【0042】
本願では、第1アダプタ3及び第2アダプタ4は、電池と周辺回路とを接続する接続配線とし、トップカバーの外縁から伸び出す第1アダプタ3の部分及びボトムカバーの外縁から伸び出す第2アダプタ4の部分は、周辺回路に接続される中継コネクタ(すなわち、下記の第1中継コネクタ及び第2中継コネクタ)とすることで、電池が搭載された電子製品における回路などの周辺回路に、当該中継コネクタを介して当該電池を接続させる。
【0043】
本願では、第1ピンは直線状のものとすることができ、すなわち、第1ピンは、第1接続シート34から外へ伸びる平板構造のものとすることができ、当該平板構造の厚さ方向に垂直な面が第1接続シート34の厚さ方向に垂直な面に平行であり、第1ピンはL状など他の形状とすることができる。いくつかの好ましい実施例では、ケースの側壁には、第1絶縁層11が設けられており、トップカバーの外縁から伸び出す第1ピンの他端の部分は第1中継コネクタ31となり、第1ピンはケースの側壁まで延在する第1延伸部32をさらに備え、第1延伸部32は一端が第1接続シート34に接続され、第1延伸部32は他端が第1中継コネクタ31に接続され、第1延伸部32は第1絶縁層11によって側壁から絶縁され、当該構造は、第1中継コネクタ31によって電池を電子製品に搭載することに有利な構造であり、電池を電子製品における回路と連通することを実現するだけでなく、電子製品において第1中継コネクタ31によって電池を位置決めすることにも有利であり、電池の電子製品における安定性を向上させる。
【0044】
一般的に、電池の軸方向に垂直な第2金属シート22の正投影は、電池の軸方向に垂直な第1接続シート34の正投影を覆い、すなわち、第1接続シート34は第2金属シート22の外縁を越えずに設けられており、例にして説明すると、第2金属シート22の厚さ方向に垂直な断面は円形リング状であり、第1接続シート34の厚さ方向に垂直な断面は円形であり、第2金属シート22は第1接続シート34と同心であるように設けられており、第2金属シート22は第1接続シート34より外径が大きくしている。第1ピンは、トップカバーとケースの側壁との接合部位において折り曲げられ、第1延伸部32によってケースの側壁まで延在し、これによって、第1中継コネクタ31はケースの側面(側壁の空洞6と反対する表面)に位置するようになり、具体的に、第1ピンは、水平部33、第1屈曲部、及び第1延伸部32を備えることができ、第1接続シート34、水平部33、第1屈曲部、及び第1延伸部32は順次接続され、第1ピンは、トップカバーと側壁との接合部位において第1屈曲部によって折り曲げられ、これによって、第1延伸部32はケース1の側壁に位置するように、すなわち、水平部33はトップカバーに位置するようになり、水平部33の面が第1接続シート34の面にほぼ平行であり、第1屈曲部は一端が水平部33に接続され、第1屈曲部は他端が第1延伸部32の一端に接続され、第1延伸部32は他端が第1中継コネクタ31に接続される(
図4及び
図5に示されている)。ここで、第1屈曲部と第1延伸部32とは、第1絶縁層11によってケースの側壁から絶縁されるため、第1アダプタ3は第2タブから絶縁されるようになり、短絡などの現象は避けられる。
【0045】
選択的に、第1中継コネクタ31はシート状のものとすることができ、第1中継コネクタ31の厚さ方向に垂直な当該第1中継コネクタ31の面が配置された平面と電池の軸方向との間の角度が90°以下、好ましくは90°ほどとし、すなわち、第1中継コネクタ31の厚さ方向に垂直な面が電池の軸方向にほぼ垂直である。第1アダプタは、一体成形されることができ、例えば、上記の第1接続シート、水平部、第1延伸部、及び第1中継コネクタによって一体成形されてなる。
【0046】
一般的に、第1絶縁層11は、ケースの側壁の周囲を取り囲んでおり、ケースの側壁が第1絶縁層11によって囲まれるように設けられた空洞内に位置する構成に相当する。いくつかの実施例では、第1金属シート21、第1絶縁シート23、第2金属シート22、封止シート5、及び第1接続シート34は同心であるように設けられており、第1金属シート21の外径、第1絶縁シート23の外径、第2金属シート22の外径、封止シート5の直径、第1接続シート34の直径は順次減少し、第2金属シート22の空洞6と反対する面において第1絶縁シート23によって覆われていない領域には、一方側が第1絶縁シート23に接続され、他方側が側壁の第1絶縁層11に接続される第4絶縁層14をさらに設けており、当該第4絶縁層14は、第1ピンの水平部33と第1金属シート21との間に位置しているため、第1ピンは第4絶縁層14によって第1金属シート21から絶縁されるようになり、短絡などの現象は避けられる。
【0047】
本願では、第2ピンは、直線状のものとすることができ、すなわち、第2ピンは、第2接続シートから外へ伸びる平板構造のものであり、当該平板構造の厚さ方向に垂直な面が第2接続シートの厚さ方向に垂直な面にほぼ平行であり、第2ピンはL状など他の形状とすることができる。いくつかの好ましい実施例では、第2ピンは、ボトムカバーの外縁から伸び出す他端の部分が第2中継コネクタ(
図1から
図4の第2中継コネクタ41及び第2中継コネクタ41’など)となり、第2ピンは、ケース1の側壁まで延在する第2延伸部(
図1の導電ピンの第2延伸部42及び位置決めピンの第2延伸部42’など)をさらに備え、第2接続シートは第2延伸部の一端に接続され、第2中継コネクタは第2延伸部の他端に接続され、第2延伸部は第1絶縁層11を介してケースの側壁に接し(すなわち、第1絶縁層11は第2延伸部と側壁との間に位置する)、当該構造は、第2中継コネクタによって電池を電子製品に搭載することに有利な構造であり、電池を電子製品における回路と連通することを実現するだけでなく、電子製品において第2中継コネクタによって電池を位置決めすることにも有利であり、電池の電子製品における安定性を向上させる。
【0048】
一般的に、電池の軸方向に垂直なボトムカバー15の正投影は、電池の軸方向に垂直な第2接続シートの正投影を覆い、すなわち、第2接続シートはボトムカバーの外縁を越えずに設けられており、例にして説明すると、ボトムカバーの厚さ方向に垂直な断面は円形リング状であり、第2接続シートの厚さ方向に垂直な断面は半円形リング状であり、ボトムカバーは第2接続シートと同心であるように設けられており、ボトムカバーは外径が第2接続シートの外径より小さくなく、通常、第2接続シートの外径より大きくしており、第2ピンは、ボトムカバーと側壁との接合部位において折り曲げられ、第2延伸部によってケースの側壁まで延在し、これによって、第2中継コネクタはケースの側面に位置するようになる。具体的に、第2ピンは、第2屈曲部及び第2延伸部を備え、第2接続シート、第2屈曲部、及び第2延伸部は順次接続され、第2ピンは、ボトムカバーと側壁との接合部位において第2屈曲部によって折り曲げられ、これによって、第2延伸部はケースの側壁に位置するようになり、すなわち、第1屈曲部は一端がボトムカバーに位置する第2接続シートに接続され、他端がケースの側壁に位置する第2延伸部の一端に接続され、第2延伸部は他端が第2中継コネクタに接続され、第2屈曲部及び第2延伸部は、第1絶縁層11を介してケースの側壁に接する。
【0049】
選択的に、第2中継コネクタはシート状のものとすることができ、第2中継コネクタの厚さ方向に垂直な当該第2中継コネクタの面が配置された平面と電池の軸方向との間の角度が90°以下、好ましくは90°ほどとし、すなわち、第2中継コネクタの厚さ方向に垂直な面が電池の軸方向にほぼ垂直である。第2アダプタは、一体成形されることができ、例えば、上記の第2接続シート、第2屈曲部、第2延伸部、及び第1中継コネクタによって一体成形されてなる。
【0050】
本願では、第2ピンは、数が1つ又は複数であってもよく、少なくとも2つであることが好ましく、そのうちの少なくとも1つは、導電ピンとして、周辺回路に接続される接続配線の機能を発揮し、少なくとも1つは、位置決めピンとして、電池を電子製品に搭載する位置決め構造の機能を発揮するようにするとともに、第2アダプタに一体成形された導電ピンと位置決めピンとを設けることにより、電池構造のさらなる簡素化に有利であり、電池の構造安定性などの性能を向上させる。
【0051】
いくつかの実施例では、第2ピンは位置決めピンと導電ピンとを備え、ボトムカバーからトップカバーに向かう方向に垂直な電池の投影中に、位置決めピンは導電ピンと第1ピンとの間に位置することができる。
【0052】
また、ボトムカバー15からトップカバーに向かう方向において、位置決めピンの第2中継コネクタ41’からトップカバーまでの距離は、導電ピンの第2中継コネクタ41からトップカバーまでの距離より大きいか又は等しく、及び/又は、位置決めピンの第2中継コネクタ41’からトップカバーまでの距離は、第1ピンの第1中継コネクタ31からトップカバーまでの距離より大きいか又は等しく、すなわち、位置決めピンの第2中継コネクタ41’は、導電ピンの第2中継コネクタ41及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31より高くなくすることができ、位置決めピンの第2中継コネクタ41’からボトムカバー15までの距離は、導電ピンの第2中継コネクタ41からボトムカバー15までの距離及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31からボトムカバーまでの距離より小さい又は等しい。通常、好ましくは、位置決めピンの第2中継コネクタ41’は、導電ピンの第2中継コネクタ41及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31より低くしており(すなわち、位置決めピンの第2中継コネクタ41’が第2中継コネクタ41及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31の下方に位置し、導電ピンの第2中継コネクタ41及び/又は第1ピンの第1中継コネクタ31は、位置決めピンの第2中継コネクタ41’よりもトップカバーに近いようにする)、例にして説明すると、位置決めピンの第2中継コネクタ41’は、導電ピンの第2中継コネクタ41の下方に位置してもよいし、または第1ピンの第1中継コネクタ31の下方に位置してもよいし、または第1ピンの第1中継コネクタ31と導電ピンの第2中継コネクタ41との下方に同時に位置してもよく(
図1に示されている)、ここで、導電ピンの第2中継コネクタ41と第1ピンの第1中継コネクタ31とからトップカバーまでの距離は、ほぼ等しいかまたは等しくなく、すなわち、導電ピンの第2中継コネクタ41と第1ピンの第1中継コネクタ31とのケースの側壁における高さが同じまたは異なるようにすることができ、本願は、それについて特に制限しない。前記した距離は、第1中継コネクタ又は第2中継コネクタからトップカバーまでの垂直距離である。
【0053】
本願では、第2アダプタ4は、具体的に、ボトムカバー15に溶接され、ボトムカバー15を介して第2タブと電気的に接続され得る。いくつかの実施例では、第2接続シートは、ボトムカバー15に溶接された第3接続部43、第4接続部44、及び第3接続部43と第4接続部44との間に接続された渡り部を備え、第4接続部44は頂面(ボトムカバーに面する面)が第3接続部の頂面(ボトムカバーに面する面)より高く、及び/又は、第4接続部は底面(ボトムカバーと反対する面)が第3接続部の底面(ボトムカバーと反対する面)より高く、すなわち、第4接続部44は頂面が第3接続部43の頂面よりもボトムカバー15からより遠い、及び/又は、第4接続部44は底面が第3接続部43の底面よりもボトムカバー15からより遠く、第2接続シートが渡り部によって折り曲げられ、第3接続部43と第4接続部44とが形成される構造に相当し、当該構造の設計を通じて、磁気遮蔽の役割を果たすことができ、すなわち、電池作業中に電流によって発生する磁界を遮蔽し、当該電池が適用された電子製品に磁界の影響を避けることができ、例えば、磁界に起因する電子製品の雑音などの現象を避け、電池の使用性能をさらに向上させる。
【0054】
いくつかの実施例では、ボトムカバー15には第2絶縁層がさらに設けられており、第2接続シートは、ボトムカバー15に溶接された第3接続部43、第2絶縁層12を介してボトムカバー15に接する第4接続部44(すなわち、第2絶縁層12が第4接続部44とボトムカバー15との間に位置する)、及び第3接続部43と第4接続部44との間に接続された渡り部を備える。上記のように、通常、第4接続部44は頂面が第3接続部の頂面よりも高く及び/又は第4接続部は底面が第3接続部の底面よりも高い(ボトムカバーと反対する面)。
【0055】
いくつかの実施例では、第2絶縁層12は、例えば0.05mm、0.08mm、0.1mmなど、0.05mm~0.1mmの厚さとすることができる。第4接続部44の厚さ方向に垂直な第2絶縁層12の正投影は、第4接続部44の厚さ方向に垂直な第4接続部44の正投影を覆い、第2絶縁層12は、表面積がボトムカバーの表面積の約1/3~1/2とし、例えば半円形の形状(
図1及び
図2に示される)とすることができるが、それに限定されない。
【0056】
いくつかの実施例では、第3接続部43はボトムカバー15に溶接され、当該溶接によって生じた第2溶接痕は第3接続部43を貫通してボトムカバー15の厚さの1/3~2/3まで延在し、電池の構造安定性などの性能のさらなる向上に有利である。具体的に実施するとき、レーザ溶接法を採用して溶接を行うことができ、溶接中に、第2接続シートの第3接続部43をボトムカバー15に重ねて、そして、第3接続部43にレーザを投射して溶接を行いながら、レーザ溶接パラメータを調整することによって溶接強度を制御し、生じた溶接痕が第3接続部43を貫通してボトムカバー15の厚さの1/3~2/3まで延在するようにし、すなわち、ボトムカバー15に生じた溶接痕のボトムカバー15の厚さ方向における長さがボトムカバー15の厚さの約1/3~2/3(当該溶接によるボトムカバー15の溶接深さはボトムカバー15の厚さの約1/3~2/3である)となるようにする。
【0057】
本願では、第2ピンは、具体的に、第4接続部44に設けられることができ、すなわち、第2ピンは一端が第4接続部44に接続され、他端が周辺回路に接続されるコネクタとする。いくつかの実施例では、第2ピンは導電ピンと位置決めピンとを備え、位置決めピンは第2中継コネクタ41’が第1ピンの第1中継コネクタ31と導電ピンの第2中継コネクタ41との間に位置し、ボトムカバー15からトップカバーに向かう方向に垂直なケースの正投影中に、位置決めピンは第2中継コネクタ41’が第1ピンの第1中継コネクタ31と導電ピンの第2中継コネクタ41との間に位置し、第1連結線と第2連結線との間の角度がαであることが満たされ、α>30°とし、第1連結線は、ボトムカバー15の正投影の中心点を通りかつ上記の渡り部を二等分する直線であり、第2連結線は、ボトムカバー15の正投影の中心点を通りかつ位置決めピンの第2中継コネクタ41’を二等分する直線である。ここで、第1連結線は渡り部を二等分し、すなわち、当該第1連結線から渡り部と第3接続部43との接合部位までの距離は、当該第1接続配線から渡り部と第4接続部44との接合部位までの距離にほぼ等しく、第2連結線は位置決めピンの第2中継コネクタ41’を二等分し、すなわち、当該第2連結線から位置決めピンの第2中継コネクタ41’の一方側(第1側と記す)までの距離は、当該第2連結線から位置決めピンの第2中継コネクタ41’の他方側(第2側と記す)までの距離にほぼ等しく、第1側と第2側とは対向し、ボトムカバー15の正投影の中心点はトップカバーの正投影の中心に位置し、例にして説明すると、ボトムカバー15の正投影は円形であり、当該中心点はボトムカバー15の正投影の円心であるか、または、ボトムカバー15の正投影は長方形(又は正方形)、当該中心点は当該長方形(又は正方形)の2本の対角線の交差点である。選択的に、αは、40°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、140°、またはそのうちの任意の2つから構成される範囲に介在する角度値であり、通常、60°≦α≦140°とすることが好ましく、100°≦α≦125°とすることがより好ましく、例えば108°とする(
図3に示される)。
【0058】
具体的に実施するとき、導電ピンを電池と周辺回路との接続配線とし、導電ピンの第2中継コネクタを周辺回路に接続されるコネクタとすることができ、位置決めピンは、電池を電子製品に搭載する位置決め構造として、位置決めピンの第2中継コネクタ(又は位置決めシートと呼ばれる)によって電池を電子製品に係止させるように接続し、電池を電子製品に搭載することを実現するが、それに限定されなく、位置決めピン及び導電ピンは、第2接続シートと一体成形され、導電性を有しているため、位置決めピンと導電ピンとは、機能が必要に応じて交換することができ、すなわち、位置決めピンは、電池と周辺回路との接続配線とし、導電ピンは、電池を電子製品に搭載する位置決め構造として使用される。
【0059】
具体的に、第2接続シートの厚さ方向に垂直な当該第2接続シートの断面は、開口を有する非完全な円形リング状(又はアーチ状と呼ばれる)のものとすることができ、すなわち、第3接続部43は一端が第4接続部44の一端に接し、第3接続部43は他端が第4接続部44の他端に接しないようにすることで、円形リング状の開口を形成し、第2接続シートの断面を、開口を有する非完全な円形リング状のもの、例えば半円形リング状などのものにする。一般的に、第2接続シートは、外縁がケースの外縁とほぼ同心である円弧であり、電池の加工及び位置決めに有利であり、ほぼ同心であることは、第2接続シートとケースとが誤差の範囲内で同心であり、すなわち、加工上の誤差が存在するため、通常、完全に同心であるようにすることができず、可能な限り同心になるようにするだけである。
【0060】
本願では、上記の電池は、トップカバーの空洞6と反対する側に設けられた第2絶縁シート7をさらに備え、トップカバーの厚さ方向に垂直な第2絶縁シート7の正投影は、トップカバーの厚さ方向に垂直なトップカバーの正投影を覆い、すなわち、第1接続シート34、第1ピンの水平部33、第2金属シート22、及び第1金属シート21などのトップカバーに位置する部分はすべて、第2絶縁シート7によって覆われており、電池の安全性などの性能のさらなる向上に有利であり、電池を端末製品(ウェアラブル電子製品など)に搭載する際、または運輸や使用する際、短絡などの現象が発生しないようにする。
【0061】
上記のセル9は、正極シート、負極シート、及び正極シートと負極シートとの間に位置するセパレータを備え、セパレータは、正極シートと負極シートとを隔離して、正極シートと負極シートとの接触による短絡を避けるために使用され、本願は、本分野における従来の正極シート、負極シート、及びセパレータを採用することができるが、それについて特に制限しない。上記の第1タブと第2タブとは反対の極性を有し、その一方は正極タブとして正極シートと電気的に接続され、その他方は負極タブとして負極シートと電気的に接続され、通常、好ましくは、第1タブは正極タブであり、第2タブは負極タブである。
【0062】
上記のセル9は、巻き付け式構造をしている巻き付け式セル9(又は巻き付けセルと呼ばれる)とすることができ、すなわち、正極シート、セパレータ、及び負極シートは、順次積層して放置された後、巻き付けられて巻き付け構造が形成され、セル9は、積層式構造の積層式セル9とすることもでき、すなわち、正極シート、セパレータ、及び負極シートは、順次積層して放置されて積層式構造が形成されるが、これに限定されない。
【0063】
また、空洞6に位置するセル9は数が1つ又は複数とすることができ、セル9は複数ある場合に、すべてのセル9の正極シートは上記の正極タブに接続され、すべてのセル9の負極シートは上記の負極タブに接続される。
【0064】
本願では、上記のケース1、第1金属シート21、封止シート5、第2金属シート22、第1タブ、第2タブ、第1アダプタ3、及び第2アダプタ4は、金属材質などの本分野の従来の導電性材質のものとすることができ、例にして説明すると、第1アダプタ3は、ニッケル材質又はステンレス材質のものであってもよく、すなわち、ニッケル製シート又はステンレス製シートであってもよく、第2アダプタ4は、ニッケル材質又はステンレス材質のものであってもよく、すなわち、ニッケル製シート又はステンレス製シートであってもよい。上記の第1絶縁シート23、第1絶縁層11、第2絶縁シート7、第2絶縁層12、第3絶縁層13、及び第4絶縁層14は、ポリプロピレンから形成されたPP接着剤などの本分野の従来の絶縁接着剤であってもよい。具体的に、まず、第2金属シート22の空洞6に近い面かつ第1タブのストレート部8に対応する領域において、絶縁接着剤の層を付着させた後、第1タブのストレート部8を第2金属シート22の第2接続部222に溶接し、ケース1の外側面(すなわち、上記の空洞壁の空洞と離れている面)、第1金属シート21の第1ピンの水平部33に対応する領域、及びケース1の底面の第2アダプタ4の第4接続部44に対応する領域において、絶縁接着剤の層を付着させた後、第2アダプタ4の第2接続シートの第3接続部43をケース1の底面に溶接して、第4接続部44を絶縁接着剤によってケース1の底面に接着させ、第1アダプタ3の第1接続シート34を封止シート5に溶接して、第1ピンをケース1と第1絶縁層11とから絶縁させることができる。通常、空洞壁外側(すなわち、ケース1側面)のすべての領域には、第1絶縁層11が設けられており、空洞壁が第1絶縁層11によって囲まれて設けられた空洞6内に位置する構成に相当する。
【0065】
以上、本願の実施形態について説明した。ただし、本願は、上記の実施形態に限定されるものではない。本願の精神及び原則の範囲内で行われるいかなる修正、等価置換、及び改善などは、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0066】
1 ケース
2 トップカバー
3 第1アダプタ
4 第2アダプタ
5 封止シート
6 空洞
7 第2絶縁シート
8 ストレート部
9 セル
11 第1絶縁層
12 第2絶縁層
13 第3絶縁層
14 第4絶縁層
15 ボトムカバー
21 第1金属シート
22 第2金属シート
23 第1絶縁シート
31 第1中継コネクタ
32 第1延伸部
33 水平部
34 第1接続シート
41、41’ 第2中継コネクタ
42、42’ 第2延伸部
43 第3接続部
44 第4接続部
45 渡り部
221 第1接続部
222 第2接続部
α 角度
【国際調査報告】