(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-25
(54)【発明の名称】高含有量のシアバターを有するリップケア製品及びその調整方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20240618BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20240618BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240618BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/92
A61Q19/00
A61Q19/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507737
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2022092508
(87)【国際公開番号】W WO2023216191
(87)【国際公開日】2023-11-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523038366
【氏名又は名称】曼秀雷敦(中国)薬業有限公司
【氏名又は名称原語表記】MENTHOLATUM (CHINA) PHARMACEUTICALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】The Second Industrial Estates, San Xiang Zhongshan city, Guangdong 528463 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王 乃龍
(72)【発明者】
【氏名】林 新文
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC071
4C083AC471
4C083AC472
4C083AD661
4C083AD662
4C083BB04
4C083BB07
4C083BB12
4C083BB47
4C083CC02
4C083CC05
4C083DD11
4C083DD30
4C083DD32
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE13
(57)【要約】
本発明は、高含有量のシアバターを有するリップケア製品及びその調整方法であって、前記リップケア製品は、第1シアバター50~60質量%、第2シアバター19~24質量%、第3シアバター7~20質量%、シアバター不鹸化物0.1~3質量%、シアの実抽出物0.001~0.5質量%、残りは補助材料からなり、第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃である。本発明のリップケア製品は、80%以上のシアバター成分を含み、マイルドで刺激がなく、通気性が良く、皮膚に素早く吸収され、深い保湿効果と高効率の保湿効果があるだけでなく、日焼けや凍傷による唇の皮膚のさまざまな傷、ひび割れ、はがれ、白化、過敏症を効果的に修復できる。同時に、悪天候や紫外線から唇の皮膚を保護し、夏のリップケア効果を果たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シアバター50~60質量%、第2シアバター19~24質量%、第3シアバター7~20質量%、シアバター不鹸化物0.1~3質量%、シアの実抽出物0.001~0.5質量%、残りは補助材料からなる高含有量のシアバターを有するリップケア製品であって、
前記第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、
前記第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、
前記第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、
前記シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃であり、
前記補助材料は、ワックス類、油剤、界面活性剤、酸化防止剤の中の一種または二種以上を含み、
前記ワックス類は、天然植物ワックス、ミネラルワックス、合成ワックスから選択される一種または二種以上であり、
前記油剤は、半合成油脂、高級アルコール、動物および植物油脂、合成油脂から選択される一種または二種以上であり、
前記界面活性剤は、乳化、可溶化のための非イオン、両性界面活性剤の中の一種または二種であり、
前記酸化防止剤は、合成酸化防止剤または天然酸化防止剤であり、
前記第1シアバターは、AAKグループのLipex Sheasoftであり、
前記第2シアバターは、AAKグループのLipex 205であり、
前記第3シアバターは、AAKグループのLipex shea clearであり、
前記シアバター不鹸化物は、AAKグループのLipex SheaLightであり、
前記シアの実抽出物は、AAKグループのLipex Shea Trisである、高含有量のシアバターを有するリップケア製品。
【請求項2】
前記リップケア製品は、スティック状化粧品、エマルジョン状化粧品またはジェル状化粧品であることを特徴とする、請求項1に記載の高含有量のシアバターを有するリップケア製品。
【請求項3】
前記リップケア製品はリップクリームであり、下記の成分を含む:
主成分は、第1シアバター50~60質量%,第2シアバター19~24質量%,第3シアバター7~20質量%,シアバター不鹸化物0.1~3質量%,シアの実抽出物0.001~0.5質量%からなり、
前記第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、
前記第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、
前記第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、
前記シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃であり、
補助材料は、オリーブオイル1~2質量%,キャンデリラワックス4~5質量%,蜜蝋1~5質量%,カルナバワックス3~5質量%,セレシン1~4質量%,トコフェロール0.3~0.4質量%からなり、
前記成分の質量百分率の合計は100%であることを特徴とする、請求項1に記載の高含有量のシアバターを有するリップケア製品。
【請求項4】
前記リップケア製品はリップエッセンスであって、下記の成分を含む:
主成分は、第1シアバター50~60質量%、第2シアバター19~24質量%、第3シアバター7~20質量%、シアバター不鹸化物0.1~3質量%、シアの実抽出物0.001~0.5質量%からなり、
前記第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、
前記第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、
前記第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、
前記シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃であり、
補助材料は、蜜蝋5~6質量%、t-ブチルハイドロキノン0.03質量%からなり、
前記成分の質量百分率の合計は100%であることを特徴とする、請求項1に記載の高含有量のシアバターを有するリップケア製品。
【請求項5】
前記リップケア製品はリップジェルであって、下記の成分を含む:
主成分は、第1シアバター50~60質量%、第2シアバター19~24質量%、第3シアバター7~20質量%、シアバター不鹸化物0.1~3質量%、シアの実抽出物0.001~0.5質量%からなり、
前記第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、
前記第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、
前記第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、
前記シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃であり、
補助材料は、蜜蝋6質量%、t-ブチルハイドロキノン0.03質量%からなり、
上記の成分の質量百分率の合計は100%であるであることを特徴とする、請求項1に記載の高含有量のシアバターを有するリップケア製品。
【請求項6】
請求項3に記載の高含有量のシアバターを有するリップケア製品の調製方法であって、以下の過程を含む:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量のカルナバワックス、蜜蝋、キャンデリラワックス及びセレシンを加え、加熱開始、攪拌開始し、オリーブオイル、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にトコフェロール及びシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる;
3)品質検査と充填:検査合格後に充填する。
【請求項7】
請求項4に記載の高含有量のシアバターを有するリップケア製品の調製方法であって、以下の過程を含む:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量の蜜蝋を加え、加熱開始、攪拌開始し、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にt-ブチルハイドロキノン及びシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる;
3)室温まで冷却させ、調製を終了する;
4)品質検査と充填:室温まで冷却させた後、検査合格後に充填する。
【請求項8】
請求項5に記載の高含有量のシアバターを有するリップケア製品の調製方法であって、以下の過程を含む:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量の蜜蝋を加え、加熱開始、攪拌開始し、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にt-ブチルハイドロキノン及びシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる。
3)室温まで冷却させ、調製を終了する;
4)品質検査と充填:室温まで冷却させた後、検査合格後に充填する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品の技術分野に属し、具体的には高含有量のシアバターを有するリップケア製品及びその調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
唇の皮膚は血色が良く、滑らかで目立つが、皮下脂肪がなく、水分や油分を自ら分泌せず、人体の他の皮膚よりも繊細で敏感であり、パソコンや携帯電話の放射線、乾燥気候、紫外線、生活環境汚染、老化、仕事の疲れなど、外部環境の影響を受けやすく、乾燥、ひび割れ、たるみ、くすみ、しわなどの肌トラブルにつながる。
【0003】
リップケア製品の主な機能は、唇の肌を長時間保湿し、唇の肌を落ち着かせて修復し、唇の肌の乾燥、剥離、ひび割れなどの有害な現象を防ぐことである。リップケア製品の種類はますます増えており、その機能は徐々に多様化している。しかし、市販されている従来の保湿リップケア製品の多くは、ミネラルオイルを主原料としており、効果が顕著ではなく、副作用も出やすいため、長時間唇に使用すると、飲食中に一部の製品が体内に入り、長期間使用すると体に一定の影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は高含有量のシアバターを有するリップケア製品を提供することであり、前記リップケア製品は、80%以上のシアバター成分を含み、マイルドで刺激がなく、通気性が良く、皮膚に素早く吸収され、深い保湿効果と高効率の保湿効果があるだけでなく、日焼けや凍傷による唇の皮膚のさまざまな傷、ひび割れ、はがれ、白化、過敏症を効果的に修復できる。同時に、悪天候や紫外線から唇の皮膚を保護し、夏のリップケア効果を果たす。
【0005】
本発明は高含有量のシアバターを有するリップケア製品の調製方法をさらに提供する。
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明は下記の技術的特徴を有する。
第1シアバター50~60質量%、第2シアバター19~24質量%、第3シアバター7~20質量%、シアバター不鹸化物0.1~3質量%、シアの実抽出物0.001~0.5質量%、残りは補助材料からなる高含有量のシアバターを有するリップケア製品であって、第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃である。
【0007】
【0008】
本発明のリップケア製品は天然シアバターを主成分とし、この主成分をベースに補助材料を加えることで、保湿、抗炎症、補修効果のあるリップケア製品剤を調製する。
【0009】
本発明に記載されている補助材料は、ワックス類、油剤、界面活性剤、酸化防止剤またはその他の活性物質の中の一種または二種以上を含む。そのうち、前記ワックス類は、天然植物ワックス(例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、蜜蝋、ウッドワックス及びライスワックス等)、ミネラルワックス(例えば、オゾケライト及びセレシン等)または合成ワックス(例えば、ポリエチレンワックス等)から選択される一種または多種である。前記油剤は、半合成油脂、高級アルコール、動物および植物油脂または合成油脂から選択される一種または多種である。前記界面活性剤は、乳化、可溶化のための非イオンまたは両性界面活性剤から選択される一種または多種である。前記酸化防止剤は、合成酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン及びt-ブチルハイドロキノン等)または天然酸化防止剤(例えば、トコフェロール等)から選択される。
【0010】
本発明のリップケア製品は、スティック状化粧品、エマルジョン状化粧品またはジェル状化粧品である。
【0011】
好ましくは、前記リップケア製品はリップクリームであり、下記の成分を含む:
主成分は、第1シアバター50~60質量%,第2シアバター19~24質量%,第3シアバター7~20質量%,シアバター不鹸化物0.1~3質量%,シアの実抽出物0.001~0.5質量%からなり、そのうち、第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃である;
補助材料は、オリーブオイル1~2質量%,キャンデリラワックス4~5質量%,蜜蝋1~5質量%,カルナバワックス3~5質量%,セレシン1~4質量%,トコフェロール0.3~0.4質量%からなる;
前記成分の質量百分率の合計は100%である。
【0012】
好ましくは、前記リップケア製品の調製方法、以下の過程を含む:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量のカルナバワックス、蜜蝋、キャンデリラワックス及びセレシンを加え、加熱開始、攪拌開始し、オリーブオイル、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にトコフェロール及びシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる;
3)品質検査と充填:検査合格後に充填する。
【0013】
好ましくは、前記リップケア製品はリップエッセンスであって、下記の成分を含む:
主成分は、第1シアバター50~60質量%、第2シアバター19~24質量%、第3シアバター7~20質量%、シアバター不鹸化物0.1~3質量%、シアの実抽出物0.001~0.5質量%からなり、そのうち、第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃である;
補助材料は、蜜蝋5~6質量%、t-ブチルハイドロキノン0.03質量%からなる;
前記成分の質量百分率の合計は100%である。
【0014】
好ましくは、前記リップケア製品の調製方法は、以下の過程を含む:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量の蜜蝋を加え、加熱開始、攪拌開始し、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にt-ブチルハイドロキノン及びシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる;
3)室温まで冷却させ、調製を終了する;
4)品質検査と充填:室温まで冷却させた後、検査合格後に充填する。
【0015】
好ましくは、前記リップケア製品はリップエッセンスであって、下記の成分を含む:
主成分は、第1シアバター50~60質量%、第2シアバター19~24質量%、第3シアバター7~20質量%、シアバター不鹸化物0.1~3質量%、シアの実抽出物0.001~0.5質量%からなり、そのうち、第1シアバターのスライディング融点は51℃であり、第2シアバターのスライディング融点は16℃であり、第3シアバターのスライディング融点は12℃であり、シアバター不鹸化物のスライディング融点は10℃である;
補助材料は、蜜蝋5~6質量%、t-ブチルハイドロキノン0.03質量%からなる;
前記成分の質量百分率の合計は100%である。
【0016】
好ましくは、前記リップケア製品の調製方法は、以下の過程を含む:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量の蜜蝋を加え、加熱開始、攪拌開始し、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にt-ブチルハイドロキノン及びシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる。
3)室温まで冷却させ、調製を終了する;
4)品質検査と充填:室温まで冷却させた後、検査合格後に充填する。
【0017】
従来技術と比べて、本発明は以下のような効果を有する:
【0018】
1. 本発明により提供される高含有量のシアバターを有するリップケア製品は、天然シアバターを80%以上含有し、人工着色料、香料、防腐剤は添加されていないため、唇の皮膚に不快感を与えることなく、唇の皮膚に対する製品の刺激と影響を効果的に軽減し、唇の皮膚に不快感を与えなく、マイルドで刺激がなく、すべての肌タイプに適している。
【0019】
2. 本発明により提供される高含有量のシアバターを有するリップケア製品は、天然シアバターを80%以上含有する。シアバターには抗UVB不鹸化物が含まれているだけでなく、保湿脂肪酸トリグリセリドも含まれており、唇の皮膚を深く保湿して潤いを与え、皮膚が有効成分をより完全に吸収できるようにする。また、唇の皮膚に保護バリアを形成して、過酷な天候や紫外線から唇の皮膚を保護することもできる。
【0020】
3. 本発明により提供される高含有量のシアバターを有するリップケア製品は、天然シアバターを80%以上含有する。伸びが良く、経皮吸収性に優れているため、べたつかないスキンケア製品の調製に特に適している。
【0021】
4. 本発明により提供される高含有量のシアバターを有するリップケア製品は、通気性が良く、皮膚に素早く吸収され、深い保湿と高効率の保湿の効果があるだけでなく、
乾燥やはがれなどの唇の皮膚問題を修復する効果もある。同時に、肌に必要なさまざまな栄養素と抗酸化成分を含み、肌のバリア機能を改善し、肌の老化の問題に効果的に抵抗し、環境ストレス下での肌の問題を効果的に緩和し、唇の局所微小循環を改善し、正常な新陳代謝を回復し、唇をよりふっくらと滑らかにし、潤いを与える。
【0022】
5. 本発明により提供される高含有量のシアバターを有するリップケア製品は、天然植物油シアバター成分を80%以上含有し、マイルドで刺激がなく、通気性が良く、皮膚に素早く吸収され、深い保湿効果と高効率の保湿効果があるだけでなく、日焼けや凍傷による唇の皮膚のさまざまな傷、ひび割れ、はがれ、白化、過敏症を効果的に修復できる。同時に、悪天候や紫外線から唇の皮膚を保護し、夏のリップケア効果を果たす。本発明の主成分は天然植物油シアバターであ??り、特に唇の皮膚の保湿と修復効果に優れている。シアバターの主成分はトリグリセリド(一定量のリノール酸を含む)と不鹸化物であり、そのうちトリグリセリドの含有量は約80%で、植物性トリグリセリド成分が非常にバランスよく配合されており、保湿効果の高いオレイン酸比率(40~70%)を有する同時に一定割合のオメガ6脂肪酸(リノレン酸)を有し、皮膚に必須脂肪酸を供給し、深く栄養を与え、高い保湿力を与える。不鹸化物の含有量は、季節、原産地、抽出および精製方法によって異なるが、特に桂皮酸を含むトリアジエニルエステルは、UVBを吸収する効果があり、UV炎症によるダメージや環境による皮膚トラブルに効果的に抵抗し、天然の日焼け止め成分であり、コラーゲンの生成も促進および保護し、老化を遅らせることもできる。また、シアバターは飽和脂肪酸が多いため酸化安定性に優れており、これらの成分に対する肌への耐性も良好である。本発明はまた、シアの実抽出物および高含有量のトリテルペンエステルを含有する。表皮のバリア機能を改善し、皮膚の老化の問題に効果的に抵抗し、環境ストレス下での皮膚の問題を効果的に緩和し、よく知られている創傷治癒および抗炎症効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】被験者の亀裂にサンプルを塗布前の写真である。
【
図4】被験者の亀裂にサンプルを塗布した1週間後の写真である。
【
図5】被験者の亀裂にサンプルを塗布した2週間後の写真である。
【0024】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の実施例において、本発明に記載のリリップケア製品の配合割合は質量%を採用し、μg、mg、g、kgなどの医薬分野でよく知られている含有量の単位でもよい。
【0025】
本発明のリップケア製品における各成分は、化学工業または医薬品市場から購入することができ、製造業者を限定しない。例えば、本発明に使用されるのは、第1シアバター(AAKグループのLipex Sheasoft)、第2シアバター(AAKグループのLipex 205)、第3シアバター(AAKグループのLipex shea clear)、シアバター不鹸化物(AAKグループのLipex SheaLight)、シアの実抽出物(AAKグループのLipex Shea Tris)である。
【0026】
本発明に記載のリップケア製品の形態は限定されない。例えば、スティック状、エマルジョン状またはジェル状でもよい。
【0027】
実施例1~3:
本実施例に記載されているリップケア製品はリップクリームであり、その配合は表2に示す。
【0028】
【0029】
本実施例に記載されているリップクリームの調製方法は、以下の過程に従って行われる:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量のカルナバワックス、蜜蝋、キャンデリラワックス及びセレシンを加え、加熱開始、攪拌開始し、オリーブオイル、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にトコフェロール及びシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる;
3)品質検査と充填:検査合格後に充填する。
【0030】
実施例4~6:
本実施例に記載されているリップケア製品はリップエッセンスであり、その配合は表3に示す。
【0031】
【0032】
本実施例に記載されているリップエッセンスの調製方法は、以下の過程に従って行われる:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量の蜜蝋を加え、加熱開始、攪拌開始し、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にt-ブチルハイドロキノン及びシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる;
3)室温まで冷却させ、調製を終了する;
4)品質検査と充填:室温まで冷却させた後、検査合格後に充填する。
【0033】
実施例7~9 本実施例に記載されているリップケア製品はリップジェルであり、その配合は表4に示す。
【0034】
【0035】
本実施例に記載されているリップジェルの調製方法は、以下の過程に従って行われる:
1)器具の消毒:まず、反応釜を含む器具と器具を80℃~100℃の滅菌水で洗浄し、75%消毒用アルコールですすぎ、冷風で乾燥させる;
2)材料の投入:反応釜に配合量の蜜蝋を加え、加熱開始、攪拌開始し、第1シアバター、第2シアバター及び第3シアバターを反応釜に加え、均一になるように攪拌し、75~90°Cまでに加熱し、完全に溶解するまで30分間攪拌して保温し、溶解後にt-ブチルハイドロキノン及びシアバター不鹸化物を加え、攪拌して溶解させ、冷却を開始して55~60℃まで冷却した時にシアの実抽出物を加え、均一になるように攪拌して溶解させる。
3)室温まで冷却させ、調製を終了する;
4)品質検査と充填:室温まで冷却させた後、検査合格後に充填する。
【0036】
性能評価:
上記の実施例1~9で製造された製品および市販製品の保湿効果をそれぞれ評価する。
試験方法:皮膚が健康で皮膚疾患の既往歴やアレルギー歴のない30人を無作為に選択し、被験者の上腕屈曲側の適切な部位を試験部位とする。試験前に、試験部位をきれいな水で洗浄し、アルコールで均一に拭き取り、15分間自然乾燥させた後、皮膚水分量測定器(Corneometer(登録商標) CM825 皮膚計測機器)と水分損失量測定器(Tewameter(登録商標) TM300)を使用してサンプルを塗布前の肌水分量(ブランク)と肌水分損失量(ブランク)を測定する。被験者の前腕の内側3cm×3cmの範囲内に二種類のサンプル30mgを均等に塗布し、吸収されるまで均一塗布する。塗布30分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、7時間後、8時間後の肌水分量と肌水分損失量を皮膚水分量測定器と水分損失量測定器を使用して測定し、二種類のサンプルの各時間における平均肌水分量と平均肌水分損失量を比較する。
【0037】
【0038】
【0039】
試験データは、表5、表6、
図1及び
図2に示す。高含有量のシアバターを有するリップケア製品の塗布後の平均肌水分含有量は、市販品の塗布後の平均肌水分含有量よりわずかに高く、高含有量のシアバターを有するリップケア製品の塗布後の平均肌水分損失量は、市販品の塗布後の平均肌水分損失量よりわずかに低かった。これは、高含有量のシアバターを有するリップケア製品の保湿効果が良いことを示す。
【0040】
唇の皮膚の修復効果試験:
【0041】
試験サンプル:高含有量のシアバターを有するリップケア製品
【0042】
試験方法:
毎朝毎晩、サンプル0.02~0.05gを被験者の亀裂が形成された範囲内に塗布し、吸収されるまで均一に塗布する。サンプルの塗布前、1週間後、2週間後の亀裂の修復効果を観察する。
【0043】
観測結果は
図3、
図4及び
図5に示す。高含有量のシアバターを有するリップケア製品サンプルを塗布した2週間後の亀裂が大幅に改善されており、高含有量のシアバターを有するリップケア製品が亀裂の修復に効果があることを示す。
【0044】
上述の実施形態は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、本発明に基づいて当業者によってなされた実質的でない変更および置換は、本発明が主張する保護の範囲である。
【国際調査報告】