(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】パッシブ血液制御を備えた安全なカテーテルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240711BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M25/06 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505247
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-27
(86)【国際出願番号】 US2022038117
(87)【国際公開番号】W WO2023009402
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】307048044
【氏名又は名称】スミス メディカル エーエスディー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093067
【氏名又は名称】二瓶 正敬
(72)【発明者】
【氏名】ロール、クリストファー、ディー
(72)【発明者】
【氏名】コーラー、トーマス、ティー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA14
4C267BB02
4C267BB04
4C267CC08
4C267FF01
4C267GG03
(57)【要約】
安全なカテーテルデバイスは、デバイスが使用準備完了位置に送り出されるときから、その安全なカテーテルデバイスとしての使用を通じて、カテーテルハブから延在するカテーテルが患者の静脈又は動脈内に正しく配置された後にクリップガード及びクリップガードに封入された安全な針クリップがカテーテルハブから取り外されるときまで、針先端プロテクタ又は安全な針クリップを被覆するクリップガードを有する。クリップカップは、安全な針クリップと内部に収容された針の鋭利な遠位先端との保護を更なるレベルにするように追加され得る。安全なカテーテルデバイスとともに使用される、異なる構成の安全な針クリップが記載される。
【選択図】
図13b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端と開口近位端との間に延在する内部空洞を含む本体を有するカテーテルハブと、
前記カテーテルハブの前記内部空洞内に取り外し不能に位置決めされた孔を規定する略円筒形の壁を有する封止部材であって、前記封止部材に一体の膜は、前記封止部材を、中空遠位部と前記カテーテルハブの前記近位端に開口された中空近位部とに区画する封止部材と、
前記カテーテルハブの前記遠位端から延在する遠位端を有し、カテーテルの前記遠位端と前記膜の遠位の前記内部空洞との間に貫通通路を確立するカテーテルと、
針ハブに取り付けられた近位端、及び針の前記遠位先端が前記カテーテルの前記遠位端を超えて延在するまで、前記カテーテルを通じて延在するように適合された鋭利な遠位先端を有する針と、
少なくとも1つの障壁、及び互いから離れるように付勢されることで、前記針の前記遠位先端が前記障壁の遠位にあるとき、前記封止部材の前記中空近位部において前記壁と固定係合されるようにする対向ボスを有する、前記針に沿ってスライド可能に位置決めされる針先端プロテクタと、
前記針先端プロテクタが前記封止部材と固定係合にあるとき、前記カテーテルハブ近位端を含む前記カテーテルハブの近位部と結合関係にあるガードであって、前記安全なカテーテルデバイスが使用準備完了位置にあるとき、前記カテーテルハブの前記近位部に重なり合う少なくとも1つの伸張部を有するガードと、を備える安全なカテーテルデバイス。
【請求項2】
前記ガードは、前記針先端プロテクタを収容するように構成されたチャンバを備え、前記針の前記遠位先端が前記障壁の近位に位置決めされることで、前記対向ボスがもはや前記封止部材の前記壁に押し当てられないようにされるとき、前記カテーテルハブに対する前記近位方向への前記針の更なる移動により、前記針先端プロテクタを前記チャンバ内に収容させ、前記ガードを前記カテーテルハブの前記近位部から結合解除させる、請求項1に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項3】
前記ガードは、前記チャンバと、前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備完了位置にあるとき、前記カテーテルハブの前記開口近位端に当接するように構成された前記ガードの前記伸張部とを接続する肩部を備える、請求項2に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項4】
前記針ハブは、前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備位置にあるとき、前記ガードの前記チャンバの少なくとも近位部を受容するための開口遠位レセプタクルを有する針ハウジング内にある、請求項2に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項5】
前記カテーテルハブの前記遠位端から近位に延在する近位端を有する前記カテーテルハブの前記内部空洞内に位置決めされたアクチュエータであって、前記アクチュエータの前記近位端は、前記安全なカテーテルデバイスが使用準備完了位置にあるとき、前記膜から遠位に位置決めされるアクチュエータを更に備える、請求項1に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項6】
前記封止部材の前記遠位部は、アコーディオン形状を有し、前記封止部材の前記近位端が遠位力の影響を受けているときに圧縮可能であり、前記封止部材の前記遠位部は、前記遠位力が除去されたときにその本来の形状に戻る、請求項1に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項7】
前記膜は、前記遠位力により、前記封止部材を前記遠位方向に押して、前記アクチュエータの前記近位端内に前記膜を移動させるとき、前記アクチュエータの前記近位端にぶつかってこれにより開口される、請求項6に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項8】
前記針が通過できるようにするオリフィスを備えた近位基部を有する少なくとも前記針先端プロテクタの一部を封入するためのカップであって、前記カップは、前記針先端プロテクタを前記カップ内に受容するための遠位開口部を有し、前記カップの前記近位基部は、前記針先端プロテクタの前記基部に固定的に取り付けられるように、前記カップ及び前記針先端プロテクタが一斉に移動可能となるようにし、前記カップの前記近位基部は、前記安全なカテーテルデバイスが安全位置にあるとき、前記ガードのチャンバの近位端と当接するように移動可能に位置決めされるカップを更に備える、請求項1に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項9】
前記カップは、その基部から遠位に延在する周壁によって規定される円筒を備え、前記壁の前記遠位端は、前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備完了位置にあるとき、前記封止部材の近位端部と前記カテーテルハブの前記内部空洞との間に保持される、請求項8に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項10】
前記ガードの前記チャンバは、前記カップが前記チャンバ内に完全に後退させられるとき、前記針先端プロテクタとカップとの遠位の移動を防ぐように、前記先端プロテクタカップの前記遠位端に対抗して付勢する少なくとも1つの停止部を有する、請求項8に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項11】
前記針先端プロテクタは、前記針が通過するための開口部と、各々、基部から遠位に延在する前記対向ボスのうちの一方を有する2つの長尺アームとを有する基部を備え、前記アームは、前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備完了位置にあるとき、前記封止部材と固定係合するように押されるべく、前記針によって付勢され、前記針の前記遠位先端が前記先端プロテクタの前記障壁の近位に移動されるとき、前記針によってもはや付勢されていない前記アームは、前記対向ボスがもはや前記封止部材に固定係合されないように、それらの自然な位置に戻る、請求項1に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項12】
前記針ハウジングは、前記針ハブに取り付けられた前記針の前記近位端から流体を受け取るフラッシュ血液コンパートメントを含む長尺ハウジングを備え、前記フラッシュ血液コンパートメントは、フラッシュプラグによって閉鎖された近位端を有する、請求項4に記載の安全なカテーテルデバイス。
【請求項13】
安全なカテーテルデバイスを作製する方法であって、
遠位端と開口近位端との間に延在する内部空洞を含む本体を有するカテーテルハブを提供するステップと、
前記カテーテルハブの前記内部空洞に孔を規定する略円筒形の壁を有する封止部材であって、前記封止部材と一体である膜は、前記封止部材を、中空遠位部と前記カテーテルハブの前記近位端に開口された中空近位部とに区画する、前記封止部材を取り外し不能に位置決めするステップと、
前記カテーテルの前記遠位端と前記膜の遠位の前記内部空洞との間に貫通通路を確立するために、遠位端を有するカテーテルを前記カテーテルハブの前記遠位端に接続するステップと、
針の近位端を針ハブに取り付けるステップであって、前記針は、前記針の前記遠位先端が前記カテーテルの前記遠位端を超えて延在するまで、前記カテーテルを通じて延在するように適合された鋭利な遠位先端を有するステップと、
少なくとも1つの障壁及び対向ボスを有する前記針先端プロテクタを前記針に沿ってスライド可能に位置決めするステップと、
前記封止部材の前記中空近位部において前記壁と固定係合するように、前記対向ボスを付勢すべく、前記障壁の遠位に前記針の前記遠位先端を位置決めするステップと、
前記安全なカテーテルデバイスが使用準備完了位置にあるとき、少なくとも1つの伸張部が前記近位部と重なり合うように、前記針先端プロテクタが前記封止部材と固定係合にあるとき、前記伸張部を前記カテーテルハブの近位部に結合するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記対向ボスが前記封止部材の前記壁に対抗して付勢されず、前記カテーテルハブに対する前記針の前記近位方向への更なる移動により、前記針先端プロテクタを前記チャンバ内に収容させ、前記ガードを前記カテーテルハブの前記近位部から結合解除させるように、前記針の前記遠位先端が前記障壁の近位に位置決めされるとき、前記針先端プロテクタを収容するように構成されたガード内のチャンバを設けるステップ
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備完了位置にあるとき、肩部が前記カテーテルハブの前記開口近位端に当接するように適合されるべく、前記チャンバと前記ガードの前記伸張部を接続する肩部を含むように前記ガードを構成するステップを更に備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記針ハブが位置決めされる針ハウジングを設けるステップであって、前記針ハウジングは、前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備完了位置にあるとき、前記ガードの前記チャンバの少なくとも近位部を受け入れるための開口遠位レセプタクルを有するステップと、
前記針ハブに取り付けられた前記針の前記近位端から流体を受け取るために、前記針ハウジング内に近位端を有するフラッシュコンパートメントを設けるステップと、
フラッシュプラグを嵌合することによって前記フラッシュ血液コンパートメントの前記近位端を閉鎖するステップと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
アクチュエータの近位端が前記カテーテルハブの前記遠位端から近位に延在するように、前記カテーテルの前記内部空洞内に前記アクチュエータを位置決めするステップと、
前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備完了位置にあるとき、前記膜から遠位に前記アクチュエータの前記近位端を位置決めするステップと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記封止部材の前記近位端が遠位力によって影響されるとき、前記封止部材の前記遠位部が圧縮可能となるようにアコーディオン形状を有するべく、前記封止部材の前記遠位部を構成するステップであって、前記封止部材の前記遠位部は、前記遠位力が除去されたとき、その本来の形状に戻るステップ
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記針先端プロテクタの少なくとも一部を封入するために前記針を通過させることができるオリフィスを含む近位基部を有するカップを設けるステップであって、前記カップは、遠位開口部、及び前記針先端プロテクタを前記カップ内に受容するように適合された前記基部から遠位に延在する周壁を有するステップと、
前記カップ及び前記針先端プロテクタが一斉に移動可能となるように、前記針先端プロテクタの前記基部に前記カップの前記近位基部を固定的に取り付けるステップと、
前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備完了位置にあるとき、前記封止部材の近位端部と前記カテーテルハブの前記内部空洞との間に前記壁の前記遠位端を嵌合保持するステップと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記針を通過させるための開口部と、各々、基部から遠位に延在する前記対向ボスのうちの1つを有する2つの長尺アームとを有する基部を備えるように前記針先端プロテクタを構成するステップであって、前記アームは、前記安全なカテーテルデバイスが前記使用準備完了位置にあるとき、前記対向ボスが前記封止部材と固定係合するように、前記針によって付勢され、前記針の前記遠位先端が前記先端プロテクタの前記障壁の近位に移動されるとき、前記針によってもはや付勢されていない前記アームは、前記対向ボスが前記封止部材ともはや固定係合しないように、その自然な位置に戻るステップと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全なカテーテルアセンブリと、例えば、末梢静脈カテーテル(PIVC)を含むカテーテルデバイスとに関し、より具体的には、少なくともデバイスが使用準備完了状態にあるときから使用後のデバイスの廃棄まで、デバイスの針の鋭利な遠位先端を遮蔽するガード付パッシブ解放機構を有する安全なカテーテルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のPIVCのデバイスは、典型的に、カテーテルハブと、その遠位に延在するカテーテルチューブと、オーバーザニードル式でともに搭載された針アセンブリと、を有するカテーテルアセンブリを備える。針アセンブリは、典型的に、針ハブ又はサポートと、針ハブから遠位に延在する針カニューレとを備える。準備完了位置において、PIVCは、カテーテルチューブの遠位端を超えて遠位にその鋭利な遠位先端を露出するように、カテーテルチューブを通じて延在する針カニューレを有する。針カニューレの鋭利な遠位先端は、患者の血管系内へのカテーテルチューブの挿入のため、患者の組織を貫通するのに使用される。カテーテルチューブが血管系内に配置されると、カテーテルアセンブリが血管系との流体連通を維持したまま、針カニューレはカテーテルアセンブリから引っ込められる。PIVCはまた、使用後に、カニューレ全体ではないにしても、少なくとも針カニューレの鋭利な遠位先端を封入するための針プロテクタを備え得る。プロテクタを備えたPIVCは、安全なカテーテルデバイス、又は単に安全なカテーテルデバイスと称され得る。
【0003】
カテーテルハブは、典型的には、患者の血管系とルアーテーパとの間の流体接続を確立するために、雄型ルアーテーパをカテーテルハブの内部空洞に受け取るように適合された開口近位端を有する。近位端にはまた、例えば、ルアーテーパが雄型ルアーロックカラー又はナットに結合されて投与セット又はシリンジ端部などの雄型ルアーロックコネクタの一部を形成するとき、カテーテルハブ内にルアーテーパを固定するための外耳、フランジなども備え得る。正常な条件下では、針カニューレを引っ込めた後、ルアーテーパがカテーテルハブに挿入される前に、血液は、直ちに、カテーテルチューブを通って、カテーテルハブの内部空洞に流れ始める。
【0004】
本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第10,080,867号に記載されているように、封止部材は、カテーテルハブの内部空洞内に配設され、取り外し不能に保持される。封止部材は、膜と、膜から遠位に延在して、膜とカテーテルハブの遠位端部との間に封止された空洞を形成する少なくとも遠位部とを備える。略管状の構成を有するアクチュエータは、カテーテルの近位端も固定されているカテーテルハブの遠位端に固定されたその遠位端を有する。アクチュエータの近位開口端は、封止部材の近位端が遠位方向の力に影響を与えられる又は駆動されると、膜がカテーテルの遠位端とカテーテルハブの内部空洞との間の貫通通路に作用する開口位置に向かってアクチュエータの近位開口端に対抗して付勢されるように、膜の遠位に位置決めされる。遠位方向力が封止部材の近位端から除去されると、封止部材の遠位部は、アクチュエータの開口近位端から離れるように膜を移動させるべく、その自然な位置に戻る。もはやアクチュエータによって付勢されなくなると、膜は、流体が膜を超えて近位にカテーテルハブの内部空洞内に逆流するのを防ぐ区画を形成するように再封止する。
【0005】
場合によっては、安全なカテーテルデバイスは、針カニューレ又は単に針の少なくとも一部が通過する針先端プロテクタを備え得る。先端プロテクタは、それをカテーテルチューブから引っ込めた後、針の鋭利な遠位先端を封入又は遮蔽するように構成される。針の近位端は、スタンドアローンハブ、又は針ハウジングに一体化されたものであり得る針ハブに取り付けられる。針、針先端プロテクタ、及び針ハブの組み合わせは、針アセンブリ又は針挿入アセンブリ又はデバイスと称され得る。従来では、針の鋭利な遠位先端が針先端プロテクタに封入されると、針先端プロテクタは、カテーテルハブから引っ込められる。したがって、針ハブがスタンドアローンハブである場合、針先端プロテクタ、及び針ハブと先端プロテクタとの間の針の部分が露出される。針ハウジングが存在する場合でも、先端プロテクタは、カテーテルハブから引っ込められるときと針ハウジングの遠位端内に引っ張り込まれるときとの間に露出される。例えば、針の遠位部に付着した可能性のある汚染された血液などの流体が環境に曝され得る。
【発明の概要】
【0006】
本発明の安全なカテーテルデバイスは、その遠位端と近位端との間に規定された内部空洞を有するカテーテルハブを有するPIVCであり得る。カテーテルは、貫通流体通路がカテーテルの遠位端とカテーテルハブの内部空洞との間に確立され得るように、カテーテルハブの遠位端から延在する。孔を規定する本体を有する略円筒形の封止部材は、カテーテルハブの内部空洞の内壁に嵌合して取り付けられる。封止部材と一体の膜は、封止部材を近位部と遠位部とに区画する。封止部材の近位部は、膜が封止部材の遠位部と、膜の遠位のカテーテルハブの内部空洞の部分とを閉鎖している間、カテーテルハブの開口近位端に開口されている。
【0007】
本発明の安全なカテーテルデバイスは、鋭利な遠位先端と、針ハブに固定して取り付けられた近位端とを有する、針カニューレ、又は単に針を含み得る針アセンブリを更に備える。針アセンブリは、針ハブを収容する針ハウジングを備え得る。使用準備完了位置では、針は、カテーテルハブに挿入され、カテーテルハブの内部空洞を通り過ぎ、その遠位先端がカテーテルの遠位端を超えて延在するまで、カテーテルを通ってスライド可能に延在する。針先端プロテクタは、障壁の近位で針に沿ってスライド可能に位置決めされる。針先端プロテクタの少なくとも2つの対向頂点ボス、突起、又は突出部は、カテーテルアセンブリが使用準備完了位置にあるとき、封止部材の近位部によって規定される孔内に位置決めされる。ボスは、針先端プロテクタの遠位端の障壁と近位壁の開口部との間を通過する針によって、カテーテルハブの長手方向軸から離れるように外向きに付勢されるように適合される。このように外向きに付勢されると、ボスは、封止部材に摩擦保持されるように、封止部材の近位部における壁の内面と係合するように押される。次いで、封止部材は、カテーテルアセンブリが使用準備完了位置にあるとき、カテーテルハブの内壁に固定して保持される。
【0008】
針特徴部又は移行部が、針の遠位先端付近に設けられる。針特徴部は、針がカテーテルハブに対して近位に移動されるとき、針特徴部が針先端プロテクタの後壁における開口部を通過するのを防ぐ、例えばバンプのような寸法構成を有する。針特徴部が開口部に捕捉されると、針の更なる近位への移動により、針先端プロテクタをカテーテルハブに対して近位に移動させる。針特徴が針先端プロテクタの後壁に到達する前に、針の遠位先端は、封止部材と係合するようにボスを外向きに付勢するように作用する針先端プロテクタの障壁を通り過ぎる。結果として、ボスは、封止部材の内壁から離れるようにその自然な位置に戻ることにより、針先端プロテクタを封止部材とひいてはカテーテルハブから自由にする。次いで、針の鋭利な遠位先端が内部に封入された針先端プロテクタが、カテーテルハブから取り外され得る。
【0009】
針先端プロテクタ及びその内部に封入された針の遠位先端が、カテーテルアセンブリの動作ライフサイクル中、環境に露出されないことを保証するために、針先端プロテクタの移動と並行して移動可能な針先端プロテクタガード又はクリップガードが、針先端プロテクタ付近に設けられる。クリップガードは、針先端プロテクタの少なくとも近位部を受容するように適合されたチャンバをその近位端に有するように構成され得る。少なくとも一対の対向サイドウィング伸張部、カバー、又はシールドは、カテーテルアセンブリがその使用準備完了位置にあるとき、カテーテルハブの近位端部に重なるように、チャンバから遠位に延在する。ユーザがその親指又は指のうちの1つを押すことで、針の遠位先端、及び針がスライド可能に延在するカテーテルの遠位部を患者の静脈又は動脈内に案内するように遠位方向にデバイスを移動させることができるように、プッシュタブが対向カバー間に設けられ得る。
【0010】
針先端プロテクタカップ、又はクリップカップは、任意選択的に、針先端プロテクタ、又は安全な針クリップ、又は単に安全なクリップの少なくとも近位部を被覆し、安全なクリップの近位端に固定的に取り付けられるように設けられ得る。したがって、組み合わせられた安全なクリップ及びクリップカップは、一斉に移動する。安全なクリップ及びクリップカップの近位端壁に、同心の開口部が設けられる。開口部は、針カニューレの円筒形の壁にある突出又はバンプなどの針特徴部よりも小さな横寸法を有する。したがって、針がカテーテルハブに対して近位方向に移動するとき、針特徴部は、最終的に、針の更なる近位方向への移動で、針先端プロテクタ及びクリップカップをともに近位に移動するように開口部と接触し、ひいては最終的に針先端プロテクタ及びクリップカップをカテーテルハブから分離させる。
【0011】
本発明のカテーテルアセンブリ又は安全なカテーテルデバイスのための針先端プロテクタは、針の通路によって付勢されるように適合された部材と、更に針の鋭利な遠位先端が針先端プロテクタ内に引っ込められるとそれが露出されるのを防ぐ障壁と、が存在する限り、異なる構成を有し得る。
【0012】
したがって、本発明の安全なカテーテルデバイスは、遠位端と開口近位端との間に延在する内部空洞を含む本体を有するカテーテルハブと、カテーテルハブの内部空洞内に取り外し不能に位置決めされた孔を規定する略円筒形の壁を有する封止部材であって、封止部材に一体の膜は、封止部材を、中空遠位部とカテーテルハブの近位端に開口された中空近位部とに区画する封止部材と、カテーテルハブの遠位端から延在する遠位端を有し、カテーテルの遠位端と膜の遠位の内部空洞との間に貫通通路を確立するカテーテルと、針ハブに取り付けられた近位端、及び針の遠位先端がカテーテルの遠位端を超えて延在するまで、カテーテルを通じて延在するように適合された鋭利な遠位先端を有する針と、少なくとも1つの障壁、及び互いから離れるように付勢されることで、針の遠位先端が障壁の遠位にあるとき、封止部材の中空近位部において壁と固定係合されるようにする対向ボスを有する、針に沿ってスライド可能に位置決めされる針先端プロテクタと、針先端プロテクタが封止部材と固定係合にあるとき、カテーテルハブ近位端を含むカテーテルハブの近位部と結合関係にあるガードであって、カテーテルアセンブリが使用準備完了位置にあるとき、カテーテルハブの近位部に重なり合う少なくとも1つの伸張部を有するガードと、を備える。
【0013】
本発明はまた、安全なカテーテルデバイスを作製する方法であって、
遠位端と開口近位端との間に延在する内部空洞を含む本体を有するカテーテルハブを提供するステップと、
カテーテルハブの内部空洞に孔を規定する略円筒形の壁を有する封止部材であって、封止部材に一体の膜は、封止部材を、中空遠位部とカテーテルハブの近位端に開口された中空近位部とに区画する、封止部材を取り外し不能に位置決めするステップと、
カテーテルの遠位端と膜の遠位の内部空洞との間に貫通通路を確立するために、遠位端を有するカテーテルをカテーテルハブの遠位端に接続するステップと、
針の近位端を針ハブに取り付けるステップであって、針は、針の遠位先端がカテーテルの遠位端を超えて延在するまで、カテーテルを通じて延在するように適合された鋭利な遠位先端を有するステップと、
少なくとも1つの障壁及び対向ボスを有する針先端プロテクタを針に沿ってスライド可能に位置決めするステップと、
封止部材の中空近位部において壁と固定係合するように、対向ボスを付勢すべく、障壁の遠位に針の遠位先端を位置決めするステップと、
カテーテルアセンブリが使用準備完了位置にあるとき、少なくとも1つの伸張部が近位部と重なり合うように、針先端プロテクタが封止部材と固定係合にあるとき、伸張部を有するガードをカテーテルハブの近位部に結合するステップと、
を含む方法にも関する。
【0014】
本発明はまた、カテーテルハブとともに使用されるように適合された安全な針先端プロテクタであって、開口部を有する基部と、遠位方向において基部の両側から略直交して延在する一方又は他方の長尺アームであって、一方又は他方のアームは、各々、一方又は他方の遠位端障壁を有し、これらのアームは、障壁が互いを閉鎖する安全位置において互いに略平行するアームと、基部の中心を通って直交して延在する長手方向中心軸からオフセットした遠位方向において一方及び他方の長尺アームの間の基部の側方から各々延在する2つのタングと、を備えるカテーテルハブとともに使用されるように適合され、開口部は、針が通過できるようなサイズの寸法を有し、針は、障壁がカテーテルハブの内部空洞内に位置決めされたときに、一方及び他方の遠位端障壁間を通過するように適合されることで、障壁が中心軸から離れるように反対方向に付勢され、使用準備完了位置にあるカテーテルハブと取り外し不能な係合を有効にし、針がカテーテルハブに対して近位に移動されることによって遠位端がもはや針によって付勢されなくなり、針が開口部を通過するのを防ぐような寸法を有する針における特徴部により、針先端プロテクタがカテーテルハブから分離する際に針先端プロテクタが基部によってハウジング内に引っ張られるようにするとき、タングは、針先端プロテクタが遠位方向においてハウジングから出るのを防ぐように、ハウジング内で障害物に当接する針先端プロテクタにも関し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、添付の図面と併せて解釈される本発明の以下の説明を参照することで、明らかとなり、本発明自体が最もよく理解されるであろう。
【0016】
【
図1】本発明の安全なカテーテルデバイスの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図2a】安全なカテーテルデバイスの
図1の実施形態の側面図である。
【
図3a】本発明の安全なカテーテルデバイスのカテーテルハブの斜視図である。
【
図3e】
図3cのカテーテルハブの前方端面図である。
【
図4a】本発明の安全なカテーテルデバイスの封止部材の斜視図である。
【
図5a】本発明の安全なカテーテルデバイスのアクチュエータの斜視図である。
【
図5d】
図5aのアクチュエータの一端面図である。
【
図5e】
図5aのアクチュエータの別の端面図である。
【
図6a】本発明の安全なカテーテルデバイスの針ハウジングの斜視図である。
【
図6f】
図6dの針ハウジングの別の端面図である。
【
図7a】本発明の安全なカテーテルデバイスの針先端プロテクタ又はクリップガードの斜視図である。
【
図7c】
図7aのクリップガードの別の断面図である。
【
図7e】
図7aのクリップガードの近位端面図である。
【
図7f】
図7aのf-fに沿ったクリップガードの半断面遠位端面図である。
【
図8a】本発明の安全なカテーテルデバイスのフラッシュプラグの斜視図である。
【
図8b】
図8aのフラッシュプラグの断面図である。
【
図8c】
図8aのフラッシュプラグの側面図である。
【
図8d】
図8cのフラッシュプラグの端面図である。
【
図8e】
図8cのフラッシュプラグの別の端面図である。
【
図9a】本発明の安全なカテーテルデバイスの針先端プロテクタカップ又はクリップカップの斜視図である。
【
図9b】本発明のクリップカップの別の斜視図である。
【
図9g】
図9dのクリップカップの別の端面図である。
【
図10a】本発明の安全なカテーテルデバイスのシースの斜視図である。
【
図11a】本発明の安全なカテーテルデバイスの例示的な針先端プロテクタ又は安全なクリップの斜視図である。
【
図12a】ボックス型近位部を備えた本発明の安全なカテーテルデバイスの別の例示的な針先端プロテクタ又は安全なクリップの斜視図である。
【
図13a】使用準備完了位置にある本発明の安全なカテーテルデバイスの切り欠き上面図である。
【
図13b】使用準備完了位置にあるクリップカップを備えた本発明の安全なカテーテルデバイスの切り欠き上面図である。
【
図13c】
図13bの安全なカテーテルデバイスの側方切り欠き図である。
【
図13d】封止部材、針先端プロテクタ、針、クリップカップ、及びクリップハウジングの間の関係を示す、使用準備完了位置にある本発明の安全なカテーテルデバイスの拡大断面図である。
【
図14a】カテーテルハブから取り外されて安全位置にあるクリップガード及び針ハウジングを示す斜視図である。
【
図14e】
図14a~14cに示される針先端プロテクタガードの半透明断面図である。
【
図15a】針プロテクタクリップ及びクリップガードがカテーテルハブから取り外された後の本発明のカテーテルアセンブリのカテーテルハブへのコネクタの結合を示すための、カテーテルアセンブリ及び従来のルアーテーパコネクタを描く図である。
【
図15b】カテーテルハブの内部空洞における近位の血液又は流体の流動を遮断する封止部材の膜を示す、
図15aのカテーテルハブ及びルアーテーパを描いた部分断面図である。
【
図15c】カテーテルハブへのルアーテーパコネクタの結合を描き、封止部材の膜がアクチュエータの近位開口部に対抗して付勢されることで、コネクタとカテーテルとの間に貫通流体経路を確立するように、封止部材の近位端に対抗して遠位力を付与するルアーコネクタのテーパノーズを更に示す、断面図である。
【
図16a】角度付きタングを備えた例示的な針先端プロテクタ又は安全なクリップの異なるバリエーションの図である。
【
図16b】使用準備完了位置にある
図11a~11eの安全なクリップを備えた本発明の安全なカテーテルデバイス又はPIVCの断面図を示す。
【
図16c】
図16bの安全なカテーテルデバイスの関心対象部の拡大断面図である。
【
図16d】
図16bの安全なカテーテルデバイスの関心対象部の拡大上面図である。
【
図16e】封止部材から後退されてカテーテルハブから引っ込められた安全なクリップを示す。
【
図16f】安全位置にあるカテーテルハブから解放された針の遠位先端を封入するクリップハウジング及び安全なクリップを示す。
【
図17a】
図12a~12eの例示的なボックス型針先端プロテクタ又は安全なクリップのバリエーションである。
【
図17b】使用準備完了位置にある
図17aの安全なクリップを備えた本発明のカテーテルアセンブリの断面上面図である。
【
図17c】安全なクリップ、カテーテルハブ、及びクリップガードの間の関係を示す端面図である。
【
図17e】安全なクリップが、内部に封入された針の遠位先端を封止部材から後退させ、カテーテルハブから引っ込められている様子を示す断面図である。
【
図17f】安全位置にあるカテーテルハブから解放された針の遠位先端を封入するクリップハウジング及び安全なクリップを示す。
【
図18a】代替のクリップカップ実施形態の斜視図である。
【
図18c】代替実施形態のクリップカップの断面図である。
【
図19a】クリップカップの代替実施形態を伴う本発明の断面図である。
【
図19b】
図19aに示されるクリップガード及びカテーテルハブの拡大断面図である。
【
図19d】代替クリップカップとそのクリップガード及び安全なクリップに対する関係を示す斜視断面図である。
【
図20a】針ハウジングがクリップガードに対して近位に取り外されている半透明図である。
【
図20b】針ハウジングがクリップガードから分離されている様子と、クリップカップのそれに対する関係とを示す半透明側面図である。
【
図21a】内部にクリップカップを伴うクリップカップがカテーテルハブから分離された安全状態における安全なカテーテルデバイスを示す断面側面図である。
【
図21b】クリップガードに対するクリップカップ及び安全なクリップがカテーテルハブから分離された様子を示す斜視断面近位方向図である。
【
図21c】クリップガードに対するクリップカップ及び安全なクリップがカテーテルハブから分離された様子を示す斜視断面遠位方向図である。
【
図21d】安全係止位置にあるクリップガードとその内部に収容されたクリップカップとの半透明図である。
【
図21e】クリップガードがカテーテルハブから分離された安全係止状態にある安全なカテーテルデバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の検討のために、本明細書で使用される「遠位」という用語は、カテーテル挿入中に対象に最も近い安全なカテーテルアセンブリの針カニューレに平行に横たわる軸に沿った方向を指すことを理解されたい。逆に、本明細書で使用される「近位」という用語は、カテーテルが対象の静脈に挿入されたときに、遠位方向と反対に、対象から更に離れる、針カニューレに平行な軸に沿って横たわる方向を指す。安全なカテーテルデバイスの遠位端及び近位端を言及するために使用され得る他の用語には、それぞれ、「患者端部」及び「ユーザ端部」が含まれ得る。また、簡略化のために、カテーテルアセンブリデバイス、又はPIVCは、単に「カテーテルアセンブリ」又は「安全なカテーテル」と称されることがあり、針先端プロテクタは、「安全な針クリップ」又は単に「安全なクリップ」と称されることがあり、針先端プロテクタカップは、「クリップカップ」と称されることがあり、カテーテルハブの近位部に重なって、安全なクリップがカテーテルハブから取り外された後に環境から安全なクリップを隔離するガードアセンブリは、「クリップガード」と称されることがある。
【0018】
本出願と同一の譲受人に譲渡された以下の米国出願及び特許は、安全なカテーテルアセンブリに関する。出願第15/733,439号、米国第8,652,104号、米国10,080,867号、米国10,548,522号、及び米国10,675,440号である。’439号出願及び’104号、’867号、’522号、及び’440号特許の各開示は、参照により本願の開示に援用される。
【0019】
図1、
図2a、及び
図2bを参照すると、本発明のPIVCの例示的な実施形態、又は本発明のカテーテルアセンブリ2は、カテーテルハブ300、針ハウジング600、及び針先端プロテクタ又はクリップガード700を含む様子が示されている。従来既知のとおり、カテーテル4の遠位端4a及び内部空洞(
図3b中302)の間に貫通流体路を確立するように、カテーテルハブ300の遠位端から延在するカテーテルチューブ又は単にカテーテル4も示されている。図示のとおり、カテーテルアセンブリ2は、長手方向軸8に沿って整列して延在する。
図13aに最もよく示されるように、針6は、その鋭利な遠位先端6aがカテーテル4の遠位端4aを超えて露出されるように、カテーテル4に沿って内方にスライド可能に延在すべく、カテーテルハブ300の内部空洞を通じて延在する。米国出願第16/580,875号に記載のように、針カニューレの上に構成され得る、例えばバンプなどの針特徴部又は移行部6cが、遠位先端6aの近位の針6上に形成される。’875号出願の開示は、本願の開示に援用される。ノッチ6dもまた、針6の遠位部に設けられ得る。針6の近位端6bは、針ハブ602に固定取り付けされ、針ハブ602は、針ハウジング600の内部に一体形成される。例示的な実施形態に示されているものの、針ハウジングは、針の非患者端部が固定取り付けされる針ハブがある限り、本発明の実施に必要でない場合があることを理解されたい。
図1、
図2a、
図2b、及び
図13aに示されるとおり、カテーテルアセンブリ2は、使用準備完了位置にある。
【0020】
カテーテルハブ300は、
図3a~3eに示されている。詳細には、カテーテルハブ300は、壁303が内部空洞302を規定する本体部304と、カテーテル4の近位端が固定結合されているアパーチャ308を有する遠位部306と、
図3d及び3fに最もよく示されるとおり、2つのねじ切りリブ312により、従来既知のとおり、カテーテルハブがシリンジ、ポンプなどの相手方コネクタとねじ合わせ可能となるように設けられた開口近位端310と、を有する。近位端310及びリブ312の組み合わせられた端面が、近位接触面318を形成する。本体部304の外壁面に沿って長手方向に形成又は一体化された複数のスプライン314が設けられ、ユーザがカテーテルハブをより容易に把持できるようにしてもよい。溝又は段差316が、本体部304の壁の内面周りを周方向に設けられ、後述のとおり、カテーテルハブの内部空洞302に封止部材を固定するようにしてもよい。
【0021】
図13a~13dに示され、且つ、上述したとおり、弁又は封止部材400は、カテーテルハブ300の内部空洞302内に設けられる。封止部材400は、カテーテルハブ300の内部空洞に沿って軸方向にシフト可能である。封止部材400は、一般的に可撓性であり、例えば、シリコーン又はポリイソプレンなどの好適な材料を含み得るエラストマー材料で作製され得る。一実施形態において、封止部材400は、例えば、当技術分野で一般的に知られている注入成形プロセスを含む種々の成形プロセスを通じて、単一又はモノリシック部材として形成され得る。
【0022】
図4a~4fを参照すると、封止部材400は、孔411を規定する略円筒形状の壁410を有する。封止部材400は、近位円筒部402と遠位部404とを含む様子が示されている。近位部402を規定する壁410の部分は、その長さに沿って略均一であるが、遠位部404を規定する壁410の部分は、波形形状を有し、長さ406に沿ってアコーディオンの形状であり得る。一体膜418は、近位部402と遠位部404との間で孔411を区画する。封止部材の各遠位及び近位端面414及び416に対する接点として作用する、封止部材400の遠位端414における多数の突起412a及び近位端416における同様に多数の突起412bが存在する。溝420は、以下に述べるように、封止部材の作動中、空気逃がし通路を提供するために、その遠位端414から開始する封止部材の実質的部分に沿って形成される。カテーテルハブ300の内部空洞302に嵌合されるとき、封止部材400がエラストマー材料で作製されているとすれば、アコーディオン形状の遠位部404は、近位部402が圧力下にあるとき、又は近位端416で遠位駆動力による影響を受けているときに圧縮可能であり、その圧力又は衝撃力が近位端416から除去されるときにその本来の位置に戻る。封止部材400は、軸方向にシフト可能であるが、近位部402と遠位部404との間のほぼ接合部にある周方向フランジ408がカテーテルハブ300の内部空洞302において段差316に捕捉係合する際に、カテーテルハブ300の内部空洞302に対して取り外し不能に固定される。段差316は、封止部材400がカテーテルハブ300の開口近位端310によってカテーテルハブ300の内部空洞302内に嵌合挿入されて据付けられると、封止部材400がカテーテルハブ300から出て近位に移動するのを防ぐ。
【0023】
図13a~13dに更に示されるとおり、アクチュエータが内部空洞302の内部、且つ、膜418の遠位に設けられる。
図13a~13dに示されるものと必ずしも類似していなくてもよい例としてのアクチュエータが
図5a~5eに示されている。なお、
図13a~13dに示されるアクチュエータは、参照により援用された前述の’104号特許の
図19に示されるアクチュエータと同様である。
図5a~5eに示されるアクチュエータ500は、
図13a~13dに示されるアクチュエータと交換されるように、本発明の安全なカテーテルデバイスに使用され得る改良されたアクチュエータである。簡易にするため、
図13a~13dにおけるアクチュエータ及び
図5a~5eに置けるアクチュエータはともに、参照符号500で指定する。
【0024】
図5a~5eを参照すると、例示的なアクチュエータ500は、遠位部502、中間部504、及び開口近位開口部508で終端する円錐台状部506aを有する拡大部506を有する様子が示されている。部分506及び506aは、単一の円錐台状部と見なされ得る。従って、開口部508の直径は、直径横断部506よりも小さい。遠位部502は、遠位開口部510を有し、貫通通路が、アクチュエータ500の遠位開口部510と近位開口部508との間に延在するようにする。封止部材400の膜418は、円錐台状セクション506aを有することにより、’104号米国特許に記載のとおり、シリンジのルアーコネクタ又は他の同様のコネクタなど、封止部材400が衝撃力によって遠位方向において軸方向にシフトするように駆動されるとき、封止部材400の膜418がより容易に穿孔又は開口され得る。
【0025】
図6a~6fを参照すると、本発明の安全なカテーテルデバイスの針ハウジング600は、ユーザ又は臨床医が針ハウジングを容易に把持できるように、2つの側方把持部又は単にグリッパ604を有するハウジング602を備える様子が示されている。フラッシュチャンバ614は、
図8a~8eに示されるとおり、フラッシュプラグ800を受け取るように適合された近位開口部610を有する。
図6bは、
図13aに示されるような方式で針6の近位端6bを受容するように構成されたスロット611を有する針ハウジング600内の針ハブ602を示している。スロット611は、針6の近位端6bを固定的に保持する。
図6aに示されるように、上部で開口された孔618は、
図7aに示されるクリップガードの円筒部702を受容するように構成される。リブ620は、孔618の遠位端606に形成される。
図6fは、針ハウジング600の側方グリッパに相互接続された近位端面613を示している。
【0026】
針先端プロテクタガード又は単にクリップガード700が、
図7a~7fに示されている。クリップガード700は、2つの側方伸張部、円筒部702から一体的に延在するウィングカバー又はシールド704a及び704bを有する円筒部702を有する。特に、側方ウィングシールド704a及び704bの各々の遠位部は、円筒部702の遠位端706を超えて延在する。逆に、円筒部702の近位部は、側方シールド704a及び704bによって被覆されない。2つのウィングシールドが示されているが、1つの連続したシールド、又は2つを超える複数のシールドも、本発明のクリップガードに被覆を提供するのに使用され得ることを理解されたい。
図13a~13dにおける針6に示されるとおり、円筒部702の後壁又は近位端基部708には、針カニューレが円筒部702の内部チャンバ712内に通過することができるようにするアパーチャ710があり、そこから円筒部702の遠位端706から出て延在する。上部カバー728及び下部カバー730は、遠位端706から遠位に延在する。クリップガード700の上面のアップライト714は、安全なカテーテルの取り扱い時、ユーザ又は臨床医の親指置き又は指置きを提供する。円筒部702のテーパ面726は、針ハウジング600が、テーパ面726と針ハウジング600のリブ620との摩擦相互作用によって、クリップガード700に取り外し可能に結合することを可能にする。
図7bの断面図及び
図7eの端面図に示されるように、円筒部702の上部は、アップライト714と統合される。フィンガフック720は、近位端基部708から延在するカンチレバービーム722の遠位端にある。
図13a~13dに示される安全なカテーテルデバイスの動作には必要ではないが、内側肩部723は、後述の異なる針先端プロテクタ及び/又はクリップカップと共に使用するために、内部チャンバ712に設けられてもよく、捕捉停止部716は、円筒部702の近位端基部708に近接して設けられてもよい。クリップガードは、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの医療グレードのプラスチック材料から製作され得る。クリップガード700の近位端基部708の壁は、
図7b及び
図7eに示されるとおり、部分的開口部を有する。この開口部は、クリップガード700の成形プロセス中、フィンガフック720及び捕捉停止部716の形態に必要とされ得る。しかしながら、針が通過するための開口部のみを備えた、包囲された近位端壁を有するクリップガードも使用され得ることを理解されたい。
【0027】
図8a~8eは、
図9a~6fに記載の針ハウジング600の近位開口部610に挿入されるフラッシュプラグ800を示している。フラッシュプラグ800は、針ハウジング600の近位開口部610に嵌合するように適合された遠位円筒部802を有する。針からの血液又は他の流体は、このように好適化され、チャンバ内の空気がプラグ800の通路804へと通過するようにして、針ハウジング600のフラッシュチャンバ614内に引き込まれる。通路614内の空気透過性親水性フィルタ806は、通路804内の空気を通過させるが、血液などの流体の通過を防ぐ。フラッシュチャンバ614の壁は透明又は半透明であり、したがって、臨床医は、見えると、針が患者の静脈又は動脈に正しく入ることの示唆である血液の存在が臨床医によって視認され得る。フラッシュプラグ800の近位端808及び遠位端810の各端面図が、各々、
図8d及び
図8eに示されている。
【0028】
図9a~9fに示されるとおり、針先端プロテクタカップ、又は単にクリップカップ900が、本発明の安全なカテーテルデバイスに更に含まれる。クリップカップ900は、その遠位端906に開口部904を有する遠位部902を有した開口端円筒の形である。カップ900は、金属材料又は硬質の医療グレードプラスチックで作製され得る。遠位部902は、上部及び下部の対向する略平坦な表面908aを有する近位部908にテーパ状に統合される様子が示されている。遠位部902は、近位部908の直径よりも大きい直径を有する。中空シャフト912は、近位基部910から延在し、針6などの針カニューレをクリップカップ900の内部空洞916に通過させるが、上に検討した針特徴部又は移行部を通過させない断面を有する開口部914を有するように構成される。対向する平坦な表面908aは、ガイドとして作用して、クリップカップ900をクリップガード700のチャンバ712内に整列させ得る。
【0029】
図10a~10fは、
図1に示されるとおり、カテーテル4とそれに沿ってスライド可能に延在する針6を被覆する例示的なシース100の異なる図である。シース100の基部102は、
図1に示される方式で、カテーテルハブ300に重畳され、クリップガード700と取り外し可能に接触するように適合されることで、輸送のため及び安全なカテーテルデバイスの使用前に針及びカテーテルを保護するように構成される。基部102の近位端の内向きフランジ104は、従来の手法で、シース100をクリップガード700又はカテーテルハブ300に摩擦的に又はスナップして保持するのに使用され得る。安全なカテーテルデバイスの使用準備が完了すると、シース100は取り外される。
【0030】
針先端プロテクタ又は針プロテクタクリップ、又は単に安全なクリップ1100の第1の実施形態が、
図11a~11eに示されている。針先端プロテクタ又は安全なクリップ1100は、各々、ブリッジ部分1124及び1126によってそれに接続された2つの長尺アーム1104及び1106を有する近位基部1102を有する。ブリッジ部分1124及び2226は、各々、アームが基部1102から略直交して延在するように構成されるものの、平面において、アームと同一平面内に延在する両側の仮想平面によって挟まれるように基部1102の両側縁部から各アーム1104及び1106まで砂時計又はY字型の上半分のように狭まっている。したがって、アーム1104及び1106は、
図11a~11eに示されるように、安全なクリップ1100の基部1102の両側下方にある各並行面に沿って延在する。部分1124及び1126のY字型構成は、アーム1104及び1106に対してより可撓性を与える。アーム1104及び1106は、それらの自然な位置、すなわち非付勢位置にあるとき、互いに対して略並行である。
【0031】
アーム1104及び1106は、各々、アームの各長手方向の辺に沿って延在する側方リブ1104a及び1106aを有する。リブ1104a及び1106aは、安全なクリップ1100の長手方向中心軸に略直交するように構成される。
図11a~11cに示される位置にあるとき、アーム1104及び1106は、各リブ1104a及び1106aとともにケージ様の囲いを形成する。障壁1108及び1110は、安全なクリップは閉鎖又は安全位置にあるとき、遠位端障壁1110が遠位端障壁1108に重なり合った状態で、アーム1104及び1106の各遠位端に形成される。障壁1108は、針の遠位先端が遠位端障壁及び側方区画1108aによって囲まれるため、針の遠位部が安全なクリップ1100内に引き込まれ、封入されるとき、針の鋭利な遠位先端を保護する側方リブ又は区画1108aを有する。側方区画は、障壁1108の代わりに障壁1110に設けられ得ることを理解されたい。
【0032】
障壁1108及び1110は、各々、湾曲した遠位端又はフィンガ1108b及び1110bを有する。丸みを帯びた頂点、突出部、突起、又はボス1112及び1114は、アーム1104及び1106が対応する障壁1108及び1110に接続する接合部に形成される。開口部1116は、針6などの針カニューレは通過可能にするが、例えば、6cなどの針特徴部は通過させないようなサイズの直径を有して、基部1102に形成されている。針は、使用準備完了位置にあるカテーテルハブとの取り外し不能な係合に作用するように、障壁が中心軸から離れる反対方向に付勢されるように、障壁がカテーテルハブの内部空洞内に位置決めされるとき、一方及び他方の遠位端障壁間を通過するように適合される。2つの略剛性な突出シャンク、プロング、又はタング1118及び1120が、安全なクリップ1100の長手方向中心軸から離れる又はオフセットされる角度で、基部1102から更に延在する。安全なクリップは、針がフィンガ1108b及び1110bを通過し、これらを互いから離れるように付勢するとき、アーム1104及び1106が安全なクリップの長手方向軸から離れる方向において基部1102から鋏の様に付勢され得るように、ステンレス鋼などの金属材料で作製されるものの、十分な可撓性を備えるようにされ得る。一方、タング1118及び1120は、制限時、又は制限エリアを通過するとき、互いに向かって可撓性をもって移動され、もはや制限がなくなると、それらの外側に角度の付けられた自然な位置に戻る。
【0033】
代替の針先端プロテクタ又は安全なクリップ1200が
図12a~12eに示されている。安全なクリップ1200の場合、
図11a~11eに示される安全なクリップ1100と同一である、又は同一に機能する構成要素には、構成要素の最初の2桁が「11」から「12」に変更されている以外、同一のラベルが付されており、
図12a~12eにおける安全なクリップの構成要素は、「11××」の代わりに「12××」とラベル付けされている。安全なクリップ1200は、安全なクリップ1200の近位部1230が、各々、近位端壁の中心に開口部1226を有する近位端壁又は基部1202から直交する遠位方向に各々延在する上方プレート1232及び下方プレート1234を有するボックス様構造を有する点で、安全なクリップ1100とは異なる。上方プレート1232及び下方プレート1234は、互いに平行である。サポート1232a及び1232bは、上方プレート1232から下方に延在して、下部プレート1234上に据えられ、ボックス様近位部1230の構造的剛性を提供する。上方及び下方アーム1204及び1206は、各々、対応する湾曲屈曲部又はブリッジ部1236及び1238を有する、上方及び下方プレート1232及び1234からの一体伸張部である。よって、上方及び下方アーム204及び1206は、アームが安全位置にあるとき、上方及び下方プレート1232及び1234の同一平面上の平面によって挟まれる並行面内において各々に沿って延在する。「上方」及び「下方」という用語は、プレートを参照するために使用されているが、プレートは、「一方」及び「他の」プレート、又は「第1の」及び「第2の」、これらのプレートが異なることを区別する他の用語でも参照され得ることを理解されたい。
図11a~11e、
図12a~12eに示されるとおり、安全なクリップの長尺アームは、同様に、「上方」及び「下方」、「一方」及び「他方」、又は「第1の」及び「第2の」、並びに特許起草の用語用法において周知の他の同等の用語で示され得る。
【0034】
上述の針先端プロテクタ又は安全なクリップは、安全なクリップのボスが封止部材に係合することを必要としない他の安全なカテーテルデバイスにおいて使用され得ることを理解されたい。例えば、記載された針先端プロテクタ又は安全なクリップは、ボスが針によってカテーテルハブの内壁における内側溝部又は相手方係止機構と係合するように付勢され得るカテーテルハブとともに使用されてもよく、又は安全なクリップがカテーテルハブの内部空洞内のセプタムの近位に位置決めされる閉鎖カテーテルシステムにおいて使用されてもよい。したがって、本開示において説明するように、クリップカップとともに使用されるとき、組み合わせられた針先端保護デバイスは、封止部材又はセプタムの有無に関らず、使用後の針の恐らく汚染された鋭利な遠位先端を固定するために、異なる安全なカテーテルデバイス又はカテーテルアセンブリとともに使用され得る。
【0035】
図13a~13dにおいて、安全なカテーテルデバイスは、
図9a~9gに示されるクリップカップ900と、
図11a~11eに示される安全なクリップ1100からタングを差し引いたものとを組み込んでいる。単純にしておくため、
図13a~13dに示される安全なクリップ及びその構成要素は、
図11a~11eに示される安全なクリップ1110及びその同一の構成要素と同一の参照符号で指定されている。更に、
図13a~13dに示されるアクチュエータは、同一の機能を実施するように適合されているものの、
図5a~5eに示されるアクチュエータとはいくつかの構造的差異がある様子が示されていることに留意されたい。したがって、
図5a~5eに示されるアクチュエータと同一の機能を実施する、又は同一の機能を有するアクチュエータの構成要素には、同一の参照符号でラベル付けされている。更に、
図13a~13dに示される安全なカテーテルデバイスの実施形態の場合、捕捉停止部716は、必要ないため、安全なカテーテルデバイスとともに使用されるクリップガード700から取り外されている。
【0036】
図13a~13dの安全なカテーテルデバイスは、その使用準備完了位置にある。図示のとおり、カテーテル4は、カテーテルハブ300の遠位部306から遠位に延在する。上述の’104号米国特許に記載のとおり、カテーテル4は、アクチュエータ500の遠位部502によって遠位部306の孔に摩擦保持される。アクチュエータ500の遠位部502がカテーテルハブ300の遠位部306の孔308に堅固に据えられると、アクチュエータ500の近位端は、封止部材400の膜418の遠位に位置決めされる。封止部材400は、長手方向軸8に沿って軸方向にシフト可能であるものの、カテーテルハブ300の内周面に取り外し不能に固定される。膜418は、近位部402からアコーディオン部404を区画する。
【0037】
本発明の安全なカテーテルデバイスの場合、使用準備完了位置では、安全なクリップ1100の遠位部は、封止部材400の近位部402の内側にある。針6は、使用準備完了位置にあり、安全なクリップ1110を通って延在するため、アーム1104及び1106の遠位フィンガ1108b及び1110bは、各々、針6によって長手方向軸8から離れる方向に付勢される。結果として、アーム1104及び1106のボス1112及び1114は、安全なクリップ110が封止部材400に取り外し不能に取り付けられるように、封止部材400の壁410の内面に押し付けられる。封止部材400は、次いで、封止部材400の壁410が、ボス1112及び1114によってカテーテルハブ300の壁303に対して押し付けられるため、カテーテルハブ300と取り外し不能な摩擦接触にある。針6の長さは、その遠位先端6aが、カテーテル4の遠位端4aと針ハウジング600内の針ハブ602に取り付けられるその近位端を超えて延在するような長さであるため、安全なカテーテルデバイス2の構成は、使用準備完了位置にある、
図13a~13dに示されるようなものである。
【0038】
更に
図13a~13dを参照すると、針保護ガード又はクリップガード700は、カテーテルハブ300と針ハウジング600の双方との結合関係にある様子が示されている。特に、近位方向において、クリップガード700の円筒部702は、クリップガード700の近位端基部708の面が針ハウジング600の遠位面616と接触し、針ハウジング600の遠位端606における面612が、側方シールド704a及び704bの近位端722a及び722bと各々接触するように、針ハウジング600の孔618内に受容される。クリップガード700の遠位端706の表面は、遠位に、カテーテルハブ300の近位端面308と接触している。シールド704a及び704bは、それらの各遠位縁部704a1及び704b1がカテーテルハブ300の近位半分を実質的に被覆又は遮蔽するために、
図13a~13dに示されるような位置まで延在するように、遠位方向に延在する。
【0039】
クリップカップ900は、その遠位端906及び遠位部902の遠位部分が、封止部材400の近位端416の部分とカテーテルハブ300の内壁との間に周方向に嵌合されるか、又は挿入された状態で、クリップガード700のチャンバ712内に位置決めされる。したがって、クリップカップ900の遠位部902の遠位部分は、使用準備完了位置で、カテーテルハブ300と封止部材400の各近位端部によって挟まれ、摩擦保持される。クリップカップ900の遠位端部をこのように保持することで、クリップカップ900及び安全なクリップ1100をクリップガード700のチャンバ712内で安定化させるのに役立つ。クリップカップ900はまた、封止部材400がカテーテルハブ内にない場合、又はカップ900の遠位端906が封止部材と接触しない場合でさえ、それにもかかわらず、カップ900の遠位部902がカテーテルハブ300の内壁上に据えられるように、遠位端906はカテーテルハブ300の内壁と摩擦接触しているため、カテーテルハブ内で安全なクリップ1100を安定化するように作用することを理解されたい。カテーテルハブ300の内壁と封止部材400との間の遠位部902の遠位部分を挟むことは、カップ900の遠位部で起こり得る屈曲を防ぐのに好ましい。
【0040】
安全なクリップ1100の基部1102及びクリップカップ900の基部910は、溶着、接着、糊付け、はんだ付け、及び/又は、異なる接着手段のうちのいずれか1つを使用することなど、従来既知の方法のいずれか1つによって互いに固定的に取り付けられる。したがって、クリップカップ900及び安全なクリップ1100は、一斉に移動する。
図9gに示されるように、針6が通過できるように、開口部914が中空チューブ又はシャフト912に設けられる。クリップカップ900における開口部914及び安全なクリップ1100の基部1102における開口部1106は、整列され、開口部の横寸法は、針6がカテーテル4から引っ込められ、カテーテルハブ300に対して近位方向に移動されるとき、針特徴部又は移行部6c(
図2b)が通過するのを防ぐような横寸法である。
図13~13dに示されるように使用準備完了位置にあるとき、クリップカップ900の基部910は、クリップガード700の近位端基部708から遠位にある。クリップガード700の近位端基部708の開口部710は、クリップガード900のチューブ912が通過するのを可能にする横寸法を有する。
【0041】
使用中、ユーザ又は臨床医は、カテーテル4の遠位端4aが患者の所望の静脈又は動脈の内部に配置され得るように、鋭利な遠位先端6aによって患者の血管系に入れることができる。フラッシュチャンバ800内の血液を検出して、針6の遠位先端6aとひいてはカテーテル4とを正しく血管系に配置することを確認すると、ユーザは、カテーテルハブ300から針6を引っ込めるように、カテーテルハブ300に対して近位方向に針ハウジング600を移動させる。針6の遠位先端6aが安全なクリップ1100のフィンガ1108b及び1110bを通り過ぎて引っ込められるとき、これらはもはや互いから離間するように付勢されていないため、安全なクリップ1100のアーム1104及び1106は、
図11a~11cに示されるとおり、針6の汚染された鋭利な遠位先端6aを超えて障壁1108及び1110が顎様物を閉鎖した状態でそれらの自然な位置に戻るように、長手方向軸8に向かって移動される。したがって、針6の遠位先端6aは、環境から隔離された安全なクリップ110の内部に封入され、安全なクリップ1100から遠位に再度現れるのを防止される。
【0042】
アーム1104及び1106がそれらの自然な位置に戻った状態で、ボス1112及び1114は、もはや封止部材400の本体410に係合されていない。カテーテルハブ300に対して近位方向への更なる移動により、針特徴部6cを、安全なクリップ1100の基部1102及びクリップカップ900の基部910の同心開口部に接触させるようにする。針特徴部6cは、同心開口部よりも大きな寸法を有するため、針6の更なる近位方向への移動により、クリップカップ900の基部910がクリップガード700の近位端基部708と接触するまで、クリップガード700のチャンバ712内に向かって近位方向に安全なクリップ1100及びクリップカップ900を引き込む。その後、針6を移動させるための針ハウジング600の更なる近位方向への移動により、クリップガード700をカテーテルハブ300から近位に係合解除させる。
【0043】
このように取り外されたクリップガード700及び針ハウジング600が、
図14a~14cに示されている。
図14c及び
図14dは、クリップガード700の円筒部702のチャンバ712内の針先端プロテクタ1110の位置決めを示している。更に、シールド704a及び704bは、円筒部702の遠位端706を超えて延在するが、遠位端706を超えて延在する上方カバー728及び下部カバー730とともに、針先端プロテクタ1110を効果的に包囲し、それを環境から実質的に隔離する。
図14eは、針6がカテーテル4から引っ込められた後、針先端プロテクタ1100がクリップガード700によってよく保護されている様子を示す、クリップガード700の半透明側面図である。
図14a~14eは、係止安全位置における安全なカテーテルデバイスを示している。
【0044】
図7a~7f、
図9a~9g、及び
図13a~13dを参照して、クリップガード700のチャンバ712内における安全なクリップ1110のクリップカップ900の係止又は永続的保持について本明細書中に説明する。特に、
図13cに示されるとおり、使用準備完了位置において、遠位部902及び近位部908が統合される接合部は、ビーム722のフィンガフック720と接触している湾曲面を有する。針6が近位方向に引っ込むとき、針特徴部6cが安全なクリップ1100の基部1102に当接した後、クリップカップ900の基部910は、基部1102に固定的に取り付けられるため、クリップカップ900は、フィンガフック720がカンチレバービーム722の可撓性が故にクリップカップ900の外面と接触を続けるので、近位方向に引っ張られる。クリップカップ900の遠位端906がフィンガフック720を超えて移動し、もはや付勢されていないと、フィンガフック720は、そのフック面720aがクリップカップ900の遠位端906と接触してこれを捕捉することで、クリップカップ900とこれに固定的に取り付けられた安全なクリップ1100とがクリップガード700から再び出るように遠位方向に移動することを防ぐように、その非付勢位置に戻される。結果として、安全なクリップ1100及びクリップカップ900は、針6における遠位先端部が次いで安全なクリップ1100に収容された状態で、クリップガード700内部に取り外し不能に収容される。
【0045】
安全なクリップ1110が針の遠位先端6aを封入し、クリップガード700が次いでカテーテルハブ300から取り外された安全なクリップを保護している状態で、カテーテルハブを接続するためのルアーなどの外部コネクタを備えたカテーテルハブの、ポンプのシリンジなどの外部デバイスへの結合について、
図15a~15cを参照して、本明細書中に検討する。本発明のカテーテルアセンブリのような再封止可能な封止部材又は弁とカテーテルハブとの結合の詳細な議論については、参照により援用された前述の’104号米国特許及び’439号の同時係属米国出願から収集し得る。
【0046】
図15aは、ルアーテーパコネクタ又はルアーロックコネクタ(従来、ルアーテーパ及びルアーロックと称される)などのコネクタ150と整列されたカテーテルハブ300を示している。
図15bは、カテーテルハブ300とコネクタ150の両方の断面図である。図示のとおり、コネクタ150は、遠位端154を有するテーパノーズ部152を有する。カテーテルハブ300は、上述したように、その内部空洞封止部材400及びアクチュエータ500に、取り外し不能に、且つ、嵌合するように設けられていた。アクチュエータ500の遠位端502は、カテーテル4とともにカテーテルハブ300の遠位端部306に固定的に保持される。図示のように、アクチュエータ500の円錐台状の近位部506は、波形又はアコーディオン形状の構成406を有する遠位部404によって規定された孔内に位置決めされる。アクチュエータ500の近位端部506aは、
図15bに示されるように、封止部材400の内向きに突出した周方向封止422で封止嵌合状態にある。アクチュエータ500の近位端508は、針がカテーテルハブ300から取り外された後であるが、コネクタ150がカテーテルハブ300に結合される前に、封止部材400の膜418の遠位に位置決めされている様子が
図15bに示されている。上述の’104号米国特許及び’439号の同時係属米国出願に記載のとおり、膜418は、膜418がアクチュエータ500の近位開口端508に対抗して付勢されるとき、その開口を容易にする少なくとも1つの再封止可能なスリットを有し得る。
【0047】
図15cに示されるように、コネクタ150及びカテーテルハブ300は、テーパノーズ152がカテーテルハブ300の内部空洞内に挿入され、スライド可能な接触テーパにおけるその外壁がカテーテルハブ300の近位部の内壁に嵌合した状態で、互いに結合される。ノーズ152の遠位端154は、コネクタから、より精密にはコネクタ150を有するデバイスからの遠位力が封止部材400に付与されるように、封止部材400の近位端416と接触する。アコーディオン形状の遠位部406が圧力下で圧縮可能であれば、封止部材400は、カテーテルハブ300に対して遠位方向に軸方向にシフトされる。結果として、膜418は、アクチュエータ500の開口近位端508に対抗して付勢される。
図15cにおいて、コネクタがカテーテルハブ300に完全に結合されていると仮定すると、膜418は、そのスリットによって支援され、開口近位端508が膜418を過ぎて近位に延在して、カテーテルハブ300の遠位部306から延在するカテーテル(
図2a及び
図2b)と、例えば、コネクタ150がその一部であるシリンジ又は流体ポンプなどの流体コンテナとの間に貫通流体通路158を確立するように、アクチュエータの近位端508によって開口される。周方向封止422は、アクチュエータ500の円錐台状部506周辺で流体が漏れるのを防ぐ。
図15bに示されるように、封止部材400の弾性特性とアコーディオン遠位部406のばね様特性とが故に、コネクタ150がカテーテルハブ300から結合解除又は接続解除されるとき、封止部材400と、特にその近位部402は、カテーテルハブ300に対して近位方向において軸方向にシフトすることにより、その自然な位置に戻される。膜418は、もはや付勢されておらず、
図15bに示されるとおり、アクチュエータ500の開口近位端508の近位に位置決めされ、流体通路156を再封止して閉鎖する。
【0048】
図11a~11eに示される針先端プロテクタ又は安全なクリップの変形例が
図16aに示されている。図示の安全なクリップ1100は、
図16b~16fに示される安全なカテーテルデバイスにおいて使用される。
図13a~13dに示される実施形態と同一の構成要素には、同一のラベルが付されている。
図11a~11e及び
図16の安全なクリップは、安全なクリップ1100の長手方向軸1122から離れる角度で基部1102から略直交して延在する2つの側方シャンク、プロング、又はタング1118及び1120がある点で、先に述べた安全なクリップとは異なる。
図16b~16dに示されるとおり、安全なクリップ1100がカテーテルハブ300内の近位部402の孔内に部分的に配置されるとき、針6による障壁1108及び1110の付勢が故に、安全なクリップ1100のアーム1104及び1106の各々のボス1112及び1114は、封止部材400の壁410と押圧係合することで、安全なクリップ及びクリップガード700をカテーテルハブ300に保持する。針6が安全なクリップ1100内に収容されたその遠位先端6aでカテーテルハブ300から引っ込められるとき、障壁1108及び1110はもはや針6によって付勢されていないため、アーム1104及び1106は、
図16dに示されるとおり、ボス1112及び1114が封止部材400の壁410から解放されるように、それらの自然な位置に戻る。
【0049】
針特徴部6cが基部1102と接触した状態で、安全なクリップ1100は、タング1118及び1120を含む安全なクリップ1100の近位部がクリップガード700のチャンバ712の拡大部内に位置決めされるように、近位方向に引っ張られる。
図16a~16fに示された実施形態の場合、チャンバ712は、タングが近位方向に移動して圧縮可能となるため、タング1118及び1120を近位方向に通過させる逆円錐台状入口732の端部に周方向肩部724を有するように構成される。クリップガード700のチャンバ712の拡大空洞内において、タング1118及び1120は、圧縮し、安全なクリップの遠位方向への移動によりタング1118及び1120の遠位端縁部1118a及び1120aを肩部724に対して当接させて、安全なクリップ1110の更なる遠位方向への移動を防止することで、安全なクリップ1100がチャンバ712から再度出てくるのを防ぐように、それらの外向きに角度の付いた自然な位置へ戻る。針の汚染された遠位先端が安全なクリップ1100内に封入され、安全なクリップ1100が障壁1108及び1110によって遠位に移動するのを防ぐため、更に、安全なクリップ1110はクリップガード700のチャンバ712内で移動不能に収容され、針の遠位先端は、デバイスがその使用のために輸送されるときから廃棄まで環境に曝されるのが防止される。
【0050】
図17b~17eは、安全なカテーテルデバイスにおける、
図12a~12eの安全なクリップのバリエーションである、
図17aの安全なクリップ1200の使用を示している。安全なクリップ1100と異なる安全なクリップ1200の部分は、安全なクリップ1200の近位部におけるボックス様構造1230である。なお
図12fにおいて、サポート1232a及び1232bは、ボックス構造が十分な剛性を備えて作製された場合には不要となり得るため、図示されていない。ボックス様構造1230であることにより、その側壁1232及び1234が
図17aと、
図17bのb-bに沿った図とに示されるとおり、チャンバ712の側壁712a及び712bに沿ってぴったりと合ってスライド可能となる寸法を有するため、自由度のより低い遊びを提供し、安全なクリップ1200をチャンバ712内により容易に案内する。
図17dに示されるとおり、肩部724は、逆円錐台状開口部732及びチャンバ712の接合部に形成されており、安全なクリップ1200がチャンバ712に入るとき、タング1218及び1220が上述のとおり、それらの自然な外向きに角度の付いた位置に戻っているため、角度付きタング1218及び1220の各遠位縁部が肩部724に対して当接するので、ボックス構造1230がチャンバ712に入ると、安全なクリップ1200がクリップガード700を出て遠位方向に移動するのを防ぐ障害物として作用する。従って、肩部724と後壁又は近位端基部708との間で、安全なクリップ1210は、クリップガード700内に取り外し不能に収容される。なおチャンバ712の側壁712a及び712bが各々、ボックス構造1230の表面1232及び1234をチャンバ712内に案内するように互いに対して並行に形成されるため、肩部724は、1つの連続した周方向形成でなくてもよい。
図17fに示されるとおり、クリップガード700がカテーテルハブ300から取り外され、結合解除され、又は接続解除されると、クリップガード700とその内部に封入された安全なクリップ1200は、針6によってクリップガード700に繋がれた針ハウジング600とともに破棄され得る。
【0051】
本発明のクリップカップの代替実施形態が
図18a~18cに示されている。図示のとおり、クリップカップ1800は、遠位開口部1806を有する遠位部1802及び近位部1804を有する略円筒形のハウジングである。遠位部1802は、遠位部1802から近位部1804まで立ち上がった肩部1808によって近位部1804に一体接合される。近位部1804の内径は、遠位開口部1806と同一直径を有する遠位部1802の内径よりも大きい。近位端フランジ又はプレート1814を有するシャフト1812が、近位部1804の近位端基部又は壁1810から延在している。孔1816は、近位端壁1810における開口部を通じて、クリップカップ1800の内部空洞又はチャンバ1820にシャフト1812における近位端開口部1818を接続する。孔1816は、針カニューレを通過可能とするものの、針特徴部の通過を防ぐ断面を有する。
【0052】
クリップカップ1800は、
図19a~19dに示される安全なカテーテルデバイスの一部である。前述したものと同一である
図19a~19dの実施形態の安全なカテーテルデバイスにおける構成要素には、同一のラベルが付されている。クリップカップ1800に加え、
図5a~5eに示されるようなアクチュエータ500が、
図19a~19dに示される安全なカテーテルデバイスの一部でもある。
図19b~19dを参照すると、クリップガード700、安全なクリップ1100、及びクリップカップ1800の間の相互作用に着目した拡大図であるが、安全なカテーテルデバイスは使用準備完了位置又は状態にある様子が示されている。特に、安全なクリップ1100は、その基部1102が、
図13a~13dの実施形態において前述した方式でクリップカップ1800の近位端壁又は基部1810に固定された様子が示されている。したがって、安全なクリップ1100及びクリップ1800は、一斉に移動する。使用準備完了位置において、クリップカップ1800の肩部1808は、クリップガード700のチャンバ712内で内側肩部723(
図7b)と接触している。クリップカップ1800の肩部1808のクリップガード700の内側肩部723とのこの相互作用は、クリップカップ1800をクリップガード700内で安定化させるのに役立つ。これは、クリップカップ1800の遠位端部が封止部材400の近位端部とカテーテルハブ300の近位端部における内壁との間に位置決めされることによって提供される安定化に加えてなされる。
図19b及び
図19dに最もよく示されるとおり、クリップカップ1800の近位端壁1810の面取り縁部は、フィンガフック720の角度付き面720bと接触することで、クリップカップ1800の更なる安定性をもたらす。
図18a~18dに示される使用準備完了位置において、安全なクリップ1100は、針6がそれを通過しているため、封止部材400及びクリップカップ1800内に固定的に封入される。クリップカップ1800は、内部に収容された安全なクリップ1100とともに、クリップガード700によって取り囲まれ、環境から隔離される。
【0053】
図20a~20cは、安全なカテーテルデバイスが使用準備完了位置にあるものの、針6が近位方向に引っ込められている様子を示す半透明図である。図示のとおり、臨床医がカテーテルハブ300に対して近位方向に針を引っ張ると、安全なクリップ1100が引っ込められた針6によって付勢され続けているため、クリップカップ1800とクリップガード700との間の関係が以前と同様に維持されるにも関らず、針ハウジング600はクリップガード700の近位端部から分離し始める。
【0054】
図21a~21eは、クリップガード700がカテーテルハブ300から分離された安全位置の安全状態にある安全なカテーテルデバイスを示している。図示のとおり、クリップカップ1800と、それに取り付けられた安全なクリップ1100は、クリップガード700内に収容され、針6の遠位先端6aが安全なクリップ1100によって封入され、障壁1110及び1108によって遠位方向に更に露出することが防止される。
図21b及び
図21cを参照すると、各々、安全なクリップ1100とクリップカップ1800の近位端壁又は基部1202及び1810の組み合せが、針6によって(針特徴部6cは不図示)クリップガード700に対して近位方向に引っ張られることで、クリップカップ1800の近位端プレート1814がクリップガード700の近位端壁708及び捕捉停止部716の間で位置決めされるようにしている様子が示されている。これにより、結果として、近位端プレート1814がまず捕捉停止部716の遠位面716bと接触した後、停止部716を通過し、最終的に近位端壁708によって停止されるように、近位方向に針を引っ張ることなる。このように位置決めされた、近位端プレート1814は、捕捉停止部716の近位面716aにより、遠位方向に移動するのを防止されるため、トラップされる。フィンガフック720のフィンガ先端がクリップカップ1800の遠位部1802の外面と付勢接触にあるため、クリップカップ1800は、クリップガード700内で安定に維持される。捕捉フック720の近位面720aはまた、クリップカップ1800の肩部1808が接触するとき、クリップカップ1800の遠位方向への遠位の移動も防止する。したがって、クリップカップ1800と、これに取り付けられた安全なクリップ110とは、安全位置においてクリップガード700内に取り外し不能に収容される。その後、クリップガード700と、これに取り付けられた針ハウジング600とは、針6のシャフトにより安全に廃棄され得る。
【0055】
図21dは、クリップガード700内の安全なクリップのクリップカップと障壁との対向斜視図を示す半透明図である。
図21eは
図21dの立体図であり、特に、捕捉停止部716の伸張部734を挟む円筒部702への不規則な形状の開口部を示す。上述のとおり、クリップガード700の成形上、開口部が必要とされ得る。
【0056】
本明細書全体に記載され、添付の図面に示されるすべての事項が、例示としてのみ解釈され限定の意味として解釈されないことが、本発明者らの意図するところである。例えば、障壁1208及び1210を含む安全なクリップ1100の遠位部は、封止部材400の近位部によって規定された孔の内側にある様子が示されているが、障壁のボスは、実際には、使用準備完了位置にあるとき、カテーテルハブ300の内壁において内側の相手方溝部又は肩部と係合し得ることを理解されたい。したがって、本発明の安全なクリップは、封止部材と相互作用する必要なくカテーテルハブと連携し得る。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
本発明の安全なカテーテルデバイスの場合、使用準備完了位置では、安全なクリップ1100の遠位部は、封止部材400の近位部402の内側にある。針6は、使用準備完了位置にあり、安全なクリップ1110を通って延在するため、アーム1104及び1106の遠位フィンガ1108b及び1110bは、各々、針6によって長手方向軸8から離れる方向に付勢される。結果として、アーム1104及び1106のボス1112及び1114は、安全なクリップ110が封止部材400に取り外し不能に取り付けられるように、封止部材400の壁410の内面に押し付けられる。封止部材400は、次いで、封止部材400の壁410が、ボス1112及び1114によってカテーテルハブ300の壁303に対して押し付けられるため、カテーテルハブ300と取り外し不能な摩擦接触にある。針6の長さは、その遠位先端6aが、カテーテル4の遠位端4aと針ハウジング600内の針ハブ602に取り付けられるその近位端を超えて延在するような長さであるため、安全なカテーテル
アセンブリ2の構成は、使用準備完了位置にある、
図13a~13dに示されるようなものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
更に
図13a~13dを参照すると、針保護ガード又はクリップガード700は、カテーテルハブ300と針ハウジング600の双方との結合関係にある様子が示されている。特に、近位方向において、クリップガード700の円筒部702は、クリップガード700の近位端基部708の面が針ハウジング600の遠位面616と接触し、針ハウジング600の遠位端606における面612が、側方シールド704a及び704bの近位端722a及び722bと各々接触するように、針ハウジング600の孔618内に受容される。クリップガード700の遠位端706の表面は、遠位に、カテーテルハブ300の近位
接触面3
18と接触している。シールド704a及び704bは、それらの各遠位縁部704a1及び704b1がカテーテルハブ300の近位半分を実質的に被覆又は遮蔽するために、
図13a~13dに示されるような位置まで延在するように、遠位方向に延在する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
アーム1104及び1106がそれらの自然な位置に戻った状態で、ボス1112及び1114は、もはや封止部材400の壁410に係合されていない。カテーテルハブ300に対して近位方向への更なる移動により、針特徴部6cを、安全なクリップ1100の基部1102及びクリップカップ900の基部910の同心開口部に接触させるようにする。針特徴部6cは、同心開口部よりも大きな寸法を有するため、針6の更なる近位方向への移動により、クリップカップ900の基部910がクリップガード700の近位端基部708と接触するまで、クリップガード700のチャンバ712内に向かって近位方向に安全なクリップ1100及びクリップカップ900を引き込む。その後、針6を移動させるための針ハウジング600の更なる近位方向への移動により、クリップガード700をカテーテルハブ300から近位に係合解除させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
図15aは、ルアーテーパコネクタ又はルアーロックコネクタ(従来、ルアーテーパ及びルアーロックと称される)などのコネクタ150と整列されたカテーテルハブ300を示している。
図15bは、カテーテルハブ300とコネクタ150の両方の断面図である。図示のとおり、コネクタ150は、遠位端154を有するテーパノーズ部152を有する。カテーテルハブ300は、上述したように、その内部空洞封止部材400及びアクチュエータ500に、取り外し不能に、且つ、嵌合するように設けられていた。アクチュエータ500の遠位端502は、カテーテル4とともにカテーテルハブ300の遠
位部306に固定的に保持される。図示のように、アクチュエータ500の円錐台状の近位部506は、波形又はアコーディオン形状の構成406を有する遠位部404によって規定された孔内に位置決めされる。アクチュエータ500の近位端部506aは、
図15bに示されるように、封止部材400の内向きに突出した周方向封止422で封止嵌合状態にある。アクチュエータ500の近位端508は、針がカテーテルハブ300から取り外された後であるが、コネクタ150がカテーテルハブ300に結合される前に、封止部材400の膜418の遠位に位置決めされている様子が
図15bに示されている。上述の’104号米国特許及び’439号の同時係属米国出願に記載のとおり、膜418は、膜418がアクチュエータ500の近位開口端508に対抗して付勢されるとき、その開口を容易にする少なくとも1つの再封止可能なスリットを有し得る。
【国際調査報告】