(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/591 20210101AFI20240717BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/555 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/169 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/636 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240717BHJP
【FI】
H01M50/591 101
H01M50/586
H01M50/555
H01M50/169
H01M50/545
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/593
H01M50/636
H01M50/342 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579307
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 CN2022108783
(87)【国際公開番号】W WO2023006051
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110867172.9
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522442283
【氏名又は名称】チューハイ コスミクス バッテリー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ジダ
(72)【発明者】
【氏名】ペン,ニン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ビン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H023
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011BB03
5H011DD05
5H011DD13
5H012BB01
5H012DD05
5H012FF01
5H023AS02
5H023CC11
5H043AA04
5H043BA17
5H043CA04
5H043CA12
5H043EA02
5H043EA06
5H043EA32
5H043EA35
5H043EA39
5H043GA22
5H043GA24
5H043GA30
5H043HA02E
5H043HA06E
5H043HA11E
5H043JA07E
5H043JA13E
5H043KA35E
5H043KA45E
5H043LA01E
5H043LA11E
(57)【要約】
本願は電池を提供し、電池技術の分野に関し、従来のリチウム電池の製造中に安全性が低く、リチウム電池の作動安定性がよくないという技術的問題を解決する。当該電池の収容空洞内に第1導電材が設けられており、第1導電材とボトムカバーとの間には、第1導電材とボトムカバーとを接続する絶縁接着層が設けられている。ボトムカバーには、第1導電材によって覆われる貫通穴が設けられている。環状側壁は、ボトムカバーに近い側のエッジにおいてボトムカバーに溶接されかつ一周の溶接マークが形成されている。溶接マークと絶縁接着層との間には、幅が溶接マークの幅の3倍以上である第1間隔がある。セルの第1タブは第1導電材と電気的に接続され、セルの第2タブはケースと電気的に接続される。本願は、電池の製造中の安全性及び電池の作動安定性を向上させることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性のケースと電池セルとを備え、前記ケースはトップケースとボトムカバーとを有し、前記トップケースはトップカバーと前記トップカバーに接続された環状側壁とを備え、前記トップケースは前記ボトムカバーに覆い合い、かつ共通して収容空洞を取り囲むように設けられており、前記電池セルは前記収容空洞内に位置し、
前記収容空洞内に第1導電材が設けられており、前記第1導電材と前記ボトムカバーとの間には、前記第1導電材と前記ボトムカバーとを接続する絶縁接着層が設けられており、前記ボトムカバーには、前記第1導電材によって覆われる貫通穴が設けられており、前記環状側壁は、前記ボトムカバーに近い側のエッジにおいて、前記ボトムカバーに溶接され、かつ一周の溶接マークが形成されており、
前記溶接マークと前記絶縁接着層との間には、幅が前記溶接マークの幅の3倍以上である第1間隔があり、
前記電池セルの第1タブは前記第1導電材と電気的に接続され、前記電池セルの第2タブは前記ケースと電気的に接続される、電池。
【請求項2】
前記環状側壁は、前記ボトムカバーに近い側のエッジにフランジを有し、前記フランジは前記ボトムカバーに溶接され、一周の前記溶接マークが形成されており、前記溶接マークは前記環状側壁の外周を回るように設けられる、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記溶接マークの幅は0mmより大きくかつ1mm以下である、請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記第1導電材の前記ボトムカバーでの被覆面積と前記ボトムカバーの面積との比は0.4~0.99である、請求項1に記載の電池。
【請求項5】
前記セルは、少なくとも2つの極性が反対する極片を有し、前記セルは積層領域を有し、前記積層領域内に位置する少なくとも2つの前記極片は互いに積層され、かつ前記積層領域内に位置する前記極片は、前記ボトムカバーの表面及び/又は前記トップケースの頂面と平行であり、極性が反対する2つの前記極片の間にセパレータが設けられている、請求項1に記載の電池。
【請求項6】
前記第1導電材は、互いに接続された第1接続板と第1折曲板とを備え、前記第1接続板は前記ボトムカバーに貼り付けられており、前記第1折曲板は前記セルと前記環状側壁との間に位置し、前記第1タブは前記第1折曲板に溶接されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記第1接続板の前記収容空洞から離れた側には、前記貫通穴を貫通する突起を有する、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記突起の外周縁と前記貫通穴の穴壁との間には、幅が0.1~2mmの範囲内にある第1隙間があり、前記絶縁接着層は、前記第1隙間内に位置するオーバーフロー部分を有する、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記第1隙間内に密封絶縁材が装填されている、請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記第1折曲板と前記環状側壁との間には、0.2~3mmの範囲にある第2間隔がある、請求項6に記載の電池。
【請求項11】
前記第1折曲板と前記セルとの間に第1絶縁層が設けられており、及び/又は、前記第1折曲板と前記環状側壁との間に第2絶縁層が設けられている、請求項6に記載の電池。
【請求項12】
前記第2タブは前記環状側壁に溶接される、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項13】
前記第1タブと前記環状側壁との間の距離は、前記第2タブと前記環状側壁との間の距離より大きい、請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記収容空洞内には、少なくとも部分的に前記第2タブと前記ケースとの間に位置しかつ前記第2タブと前記ケースとを電気的に接続する第2導電材が設けられており、
前記第2導電材と前記第1導電材とは互いに絶縁される、請求項6に記載の電池。
【請求項15】
前記第2導電材は、互いに接続された第2接続板と第2折曲板とを備え、前記第2接続板は前記ボトムカバーに貼り付けられており、前記第2折曲板は前記セルと前記環状側壁との間に位置し、前記第2タブは前記第2折曲板に溶接される、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
前記第1接続板と前記第2接続板の高さの差は0.3mm未満であり、
前記第1接続板と前記第2接続板との間には第2隙間があり、
前記第2隙間の幅は0.5~5mmの範囲内にあり、及び/又は、前記第2隙間内に多孔質絶縁材が装填されている、請求項15に記載の電池。
【請求項17】
前記第1タブと前記第2タブとは前記セルの同一端に位置し、前記第1折曲板と前記第2折曲板とは前記セルの同一端に位置する、請求項15に記載の電池。
【請求項18】
前記第1タブは前記第1折曲板の前記セルから離反する側に位置し、及び/又は、前記第2タブは前記第2折曲板の前記セルから離反する側に位置する、請求項15に記載の電池。
【請求項19】
前記セルと前記第1導電材との間及び前記セルと前記第2導電材との間に位置する第3絶縁層をさらに備える、請求項15に記載の電池。
【請求項20】
前記第1タブの端部と前記第2タブの端部との間には、0mm以上かつ1mm以下である第3間隔がある、請求項14~19のいずれか1項に記載の電池。
【請求項21】
前記第1接続板の面積は前記第2接続板の面積より大きく、かつ前記第1接続板と前記第2接続板との面積の比は、1~9.9の範囲にある、請求項15~19のいずれか1項に記載の電池。
【請求項22】
前記環状側壁上には、補強片と液体注入口とが間隔を隔てて設けられており、前記補強片と前記第2タブは前記環状側壁の対向する両側に位置し、前記液体注入口は前記ケースの外部と前記収容空洞とを連通し、前記トップカバーには、前記第1タブ又は前記第2タブに近接して設けられた圧力逃がし溝が設けられており、
前記液体注入口には、前記液体注入口を密封する封止片が設けられており、
及び/又は、前記セルには、前記セルの前記トップカバーに近い側に位置する仕上げ用接着剤がさらに設けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術の分野に関し、特に、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム電池は、エネルギー密度が高く、使用寿命が長く、環境に優しいなどの利点がある。リチウム電池は、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、電気自動車、電動工具、新エネルギー自動車などの業界で広く使用されている。
【0003】
現在のリチウム電池は、一般的に電池セルと包装ケースを備え、電池セルは包装ケース内に位置し、包装ケースは互いに覆い合うトップケースとボトムカバーを有し、トップケースとボトムカバーは溶接により接続される。電池セルは、アノード電極とカソード電極を巻いて形成され、かつアノード電極とカソード電極との間にはスペーサが設けられている。電池セルのタブは電気的接続アセンブリを介して包装ケースと電気的に接続され、タブと包装ケースとの間、及び電池セルとボトムカバーとの間には、絶縁粘着紙が設けられている。
【0004】
しかしながら、現在のリチウム電池は、製造中に安全性が低く、かつリチウム電池の作動安定性も低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、背景技術における少なくとも1つの問題を解決するために、電池の製造過程における安全性及び電池の作動安定性を向上させる電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記の目的を達成するために電池を提供し、当該電池は、導電性のケースと電池セルとを備え、ケースはトップケースとボトムカバーとを有し、トップケースはトップカバーとトップカバーに接続された環状側壁とを有し、トップケースは、ボトムカバーに覆い合い、かつ共通して収容空洞を取り囲むように設けられており、電池セルは収容空洞内に位置する。
【0007】
収容空洞内に第1導電材が設けられており、第1導電材とボトムカバーとの間には、第1導電材とボトムカバーとを接続する絶縁接着層が設けられている。ボトムカバーには、第1導電材によって覆われる貫通穴が設けられている。環状側壁は、ボトムカバーに近い側のエッジにおいてボトムカバーに溶接され、一周の溶接マークが形成されている。
【0008】
溶接マークと絶縁接着層との間には、幅が溶接マークの幅の3倍以上である第1間隔がある。
【0009】
電池セルの第1タブは第1導電材と電気的に接続され、電池セルの第2タブはケースと電気的に接続される。
【0010】
本願により提供される電池は、トップケースとボトムカバーとを設けることで、トップケースとボトムカバーとにより形成された収容空洞内に電池セルを装填することができ、かつセルを装填した後にトップケースとボトムカバーとを溶接して密封することを容易にしている。第1導電材を設けることで、セルの第1タブを外接電極と電気的に接続することができる。絶縁接着層を設けることで、第1導電材とボトムカバーとの電気的接触を回避することができる。第1間隔を設けることで、溶接中に溶接マークと絶縁接着層が接触することを避け、安全上の問題を回避し、電池の製造過程のおける安全性を向上させることができる。一方、溶接によって発生する高温が絶縁接着層の接着性能に影響を及ぼすことを回避し、これによって、絶縁接着層の絶縁性能に影響を及ぼすことを回避し、電池の作動安定性を向上させる。
【0011】
上記の電池において、選択的に、環状側壁は、ボトムカバーに近い側のエッジにフランジを有し、フランジはボトムカバーに溶接され、かつ一周の溶接マークが形成されており、溶接マークは環状側壁の外周を回るように設けられる。
【0012】
上記の電池において、選択的に、溶接マークの幅は0mmより大きくかつ1mm以下である。
【0013】
上記の電池において、選択的に、第1導電材のボトムカバーでの被覆面積とボトムカバーの面積との比は0.4~0.99である。
【0014】
上記の電池において、選択的に、セルは、少なくとも2つの極性が反対する極片を有し、セルは積層領域を有し、積層領域内に位置する少なくとも2つの極片は互いに積層され、かつ積層領域内に位置する極片は、ボトムカバーの表面及び/又はトップケースの頂面と平行である。極性が反対する2つの極片の間にセパレータが設けられている。
【0015】
上記の電池において、選択的に、第1導電材は、互いに接続された第1接続板と第1折曲板とを備え、第1接続板はボトムカバーに貼り付けられており、第1折曲板はセルと環状側壁との間に位置し、第1タブは第1折曲板に溶接されている。
【0016】
上記の電池において、選択的に、第1接続板は、収容空洞から離れた側に突起を有し、突起は貫通穴を貫通して設けられる。
【0017】
上記の電池において、選択的に、突起の外周縁と貫通穴の穴壁との間には、第1隙間がある。第1隙間の幅は0.1~2mmの範囲内にある。絶縁接着層は第1隙間内に位置するオーバーフロー部分を有する。
【0018】
上記の電池において、選択的に、第1隙間内に密封絶縁材が装填されている。
【0019】
上記の電池において、選択的に、第1折曲板と環状側壁との間には、0.2~3mmの範囲にある第2間隔がある。
【0020】
上記の電池において、選択的に、第1折曲板とセルとの間に第1絶縁層が設けられており、及び/又は、第1折曲板と環状側壁との間に第2絶縁層が設けられている。
【0021】
上記の電池において、選択的に、第2タブは環状側壁に溶接されている。
【0022】
上記の電池において、選択的に、第1タブと環状側壁との間の距離は、第2タブと環状側壁との間の距離より大きい。
【0023】
上記の電池において、選択的に、収容空洞内には第2導電材が設けられており、、少なくとも部分の第2導電材は第2タブとケースとの間に位置し、かつ第2タブとケースを電気的に接続する。
【0024】
第2導電材と第1導電材とは互いに絶縁される。
【0025】
上記の電池において、選択的に、第2導電材は、互いに接続された第2接続板と第2折曲板とを備え、第2接続板はボトムカバーに貼り付けられており、第2折曲板はセルと環状側壁との間に位置し、第2タブは第2折曲板に溶接される。
【0026】
上記の電池において、選択的に、第1接続板と第2接続板の高さの差は0.3mm未満である。
【0027】
第1接続板と第2接続板との間には第2隙間がある。
【0028】
第2隙間の幅は0.5~5mmの範囲にあり、及び/又は、第2隙間内に多孔質絶縁材が装填されている。
【0029】
上記の電池において、選択的に、第1タブと第2タブはセルの同一端に位置する。第1折曲板と第2折曲板はセルの同一端に位置する。
【0030】
上記の電池において、選択的に、第1タブは第1折曲板のセルから離反する側に位置し、及び/又は、第2タブは第2折曲板のセルから離反する側に位置する。
【0031】
上記の電池において、選択的に、セルと第1導電材との間及びセルと第2導電材との間に位置する第3絶縁層をさらに備える。
【0032】
上記の電池において、選択的に、第1タブの端部と第2タブの端部との間には、0mm以上かつ1mm以下の第3間隔がある。
【0033】
上記の電池において、選択的に、第1接続板の面積は第2接続板の面積より大きく、かつ第1接続板と第2接続板の面積の比は、1~9.9の範囲にある。
【0034】
上記の電池において、選択的に、環状側壁上には、補強片と液体注入口が間隔を隔てて設けられており、補強片と第2タブは環状側壁の対向する両側に位置し、液体注入口はケースの外部と収容空洞とを連通する。トップカバーには、第1タブ又は第2タブに近接して設けられた圧力逃がし溝が設けられている。
【0035】
液体注入口には、液体注入口を密封する封止片が設けられている。
【0036】
及び/又は、セルには、セルの前記トップカバーに近い側に位置する仕上げ用接着剤がさらに設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
以下、本願の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【
図1】本願の実施例により提供される電池の第1視角での構造概略図である。
【
図2】本願の実施例により提供される電池の第2視角での構造概略図である。
【
図3】本願の実施例により提供される電池のケースの側面図である。
【
図4】本願の実施例により提供される電池のケースの平面図である。
【
図5】本願の実施例により提供される電池の導電材、ボトムカバー、及びセルの構造概略図である。
【
図6】本願の実施例により提供される電池の分解図である。
【
図7】本願の実施例により提供される電池のボトムカバー及び導電材の構造概略図である。
【
図8】本願の実施例により提供される電池のボトムカバー及び導電材の第1視角での分解図である。
【
図9】本願の実施例により提供される電池のボトムカバー及び導電材の第2視角での分解図である。
【
図10】本願の実施例により提供される電池の局部の構造概略図である。
【
図11】本願の実施例により提供される他の電池の分解図である。
【
図12】本願の実施例により提供される他の電池の局部の構造概略図である。
【
図13】本願の実施例により提供される電池のセル端部の構造概略図である。
【
図14】本願の実施例により提供される電池のセル尾部の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
背景技術で記載したように、関連技術において、リチウム電池の包装ケースはトップケースとボトムカバーとを溶接してなしたものであり、セルとボトムカバーとの間に絶縁粘着紙が設けられている。包装ケースを溶接するプロセスでは、溶接マークはセルと絶縁粘着紙に近いため、溶接マークはセル又は絶縁粘着紙と接触しやすく、安全上の危険が生じる一方、溶接時の高温は絶縁粘着紙の接着性能に影響を及ぼしやすく、絶縁粘着紙の溶接マークに近い領域で接着不良及び絶縁不良を引き起こし、その結果、リチウム電池の作動安定性に影響を及ぼす。
【0039】
本願により提供される電池は、トップケースとボトムカバーとを設けることで、トップケースとボトムカバーとにより形成された収容空洞内にセルを装填することができ、かつセルを装填した後にトップケースとボトムカバーとを溶接して密封することを容易にしている。第1導電材を設けることで、セルの第1タブを外接電極と電気的に接続することができる。絶縁接着層を設けることで、第1導電材とボトムカバーとの電気的接触を回避することができる。第1間隔を設けることで、溶接マークと絶縁接着層とが溶接中に接触しないようにして、安全上の問題を回避し、電池の製造中の安全性を向上させることができる一方、溶接によって発生する高温が絶縁接着層の接着性能に影響を及ぼすことを回避し、これによって、絶縁接着層の絶縁性能に影響を及ぼすことを回避し、電池の作動安定性を向上させる。
【0040】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本願の好ましい実施例に係る図面を参照しながら、本願の実施例に係る技術的解決手段についてより詳細に説明する。図面において、最初から最後まで同一又は類似の表記は同一又は類似の構成要素もしくは同一又は類似の機能を有する構成要素を表す。記載される実施例は本願の実施例の一部にすぎず、すべての実施例ではない。図面を参照して以下に説明する実施例は、本願を説明するためのものであり、本願を限定するものとして理解されるべきではない。当業者が本願における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく得た他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。以下、図面を参照して本願の実施例を詳細に説明する。
【0041】
図1は、本願の実施例により提供される電池の第1視角での構造概略図である。
図2は、本願の実施例により提供される電池の第2視角での構造概略図である。
図3は、本願の実施例により提供される電池のケースの側面図である。
図4は、本願の実施例により提供される電池のケースの平面図である。
図5は、本願の実施例により提供される電池の導電材、ボトムカバー、及びセルの構造概略図である。
図6は、本願の実施例により提供される電池の分解図である。
図7は、本願の実施例により提供される電池のボトムカバー及び導電材の構造概略図である。
図8は、本願の実施例により提供される電池のボトムカバー及び導電材の第1視角での分解図である。
図9は、本願の実施例により提供される電池のボトムカバー及び導電材の第2視角での分解図である。
図10は、本願の実施例により提供される電池の局部の構造概略図である。
図11は、本願の実施例により提供される他の電池の分解図である。
図12は、本願の実施例により提供される他の電池の局部の構造概略図である。
図13は、本願の実施例により提供される電池のセル端部の構造概略図である。
図14は、本願の実施例により提供される電池のセル尾部の構造概略図である。
【0042】
図1~
図14に示すように、本願の実施例は、電池を提供する。当該電池100は、導電性のケース10とセル60とを備え、ケース10は、トップケース11とボトムカバー12とを備え、トップケース11は、トップカバー112とトップカバー112に接続された環状側壁111とを備え、トップケース11はボトムカバー12に覆い合い、かつ共通して収容空洞20を取り囲むように設けられており、セル60は収容空洞20内に位置する。収容空洞20内に第1導電材31が設けられており、第1導電材31とボトムカバー12との間には、第1導電材31とボトムカバー12とを接続する絶縁接着層40が設けられており、絶縁接着層40は、第1導電材31とボトムカバー12とが電気的に接触しないようにすることができる。例示的に、絶縁接着層40は、絶縁接着剤又は射出成形された絶縁材であってもよく、ここで、射出成形された絶縁材に接着接着剤が設けられている。セル60の第1タブ61は第1導電材31と電気的に接続され、セル60の第2タブ62はケース10と電気的に接続される。ボトムカバー12には、第1導電材31によって覆われる貫通穴13が設けられており、このように、第1導電材31は、外部電極との電気的接続が容易になるように、収容空洞20の外部に部分的に露出されることができる。
【0043】
図10に示すように、環状側壁111は、ボトムカバー12に近い側のエッジにおいてボトムカバー12に溶接され、かつ一周の溶接マーク18が形成されている。溶接マーク18と絶縁接着層40との間には、幅が溶接マーク18の幅の3倍以上である第1間隔L1がある。このように、溶接中に溶接マーク18と絶縁接着層40が接触しないようにして、安全上の問題を回避し、電池100の製造中の安全性を向上させることができる一方、溶接によって発生する高温が絶縁接着層40の接着性能に影響を及ぼすことを回避し、これによって、絶縁接着層40の絶縁性能に影響を及ぼすことを回避し、電池100の作動安定性を向上させる。
【0044】
具体的に、
図10に示すように、環状側壁111は、ボトムカバー12に近い側のエッジにフランジ113を有し、フランジ113はボトムカバー12に溶接され且つ一周の溶接マーク18が形成されており、溶接マーク18は環状側壁111の外周を回るように設けられる。フランジ113を設けることで、トップケース11とボトムカバー12との貼り合わせ面積を増加させ、トップケース11とボトムカバー12との溶接を容易にするとともに、トップケース11とボトムカバー12との接続安定性を向上することができる。
【0045】
1つの実現可能な実施形態では、溶接マーク18の幅が0mmより大きくかつ1mm以下であり、ここで、溶接マーク18の幅は0.3mm、0.5mm、0.8mm、または1mmとすることができる。溶接マーク18の幅が上記の範囲内にあることにより、トップケース11とボトムカバー12とを強固に溶接して密封することができる一方、溶接作業量を減少して、製造コストを低減することができる。
【0046】
1つの実現可能な実施形態では、第1導電材31のボトムカバー12での被覆面積とボトムカバー12の面積との比は0.4~0.99であり、ここで、当該比は、0.4、0.6、0.8、または0.99とすることができる。当該比が上記の範囲内にあることで、第1導電材31とボトムカバー12との接触面積を合理的な範囲内にし、それにより、第1導電材31とボトムカバー12との接続安定性を改善し、第1導電材31がボトムカバー12上で相対的に摺動することを防止し、電池100の安定性を向上させる。
【0047】
なお、セル60は、少なくとも2つの極性が反対する極片(図示せず)を有し、セル60は積層領域を有し、積層領域内に位置する少なくとも2つの極片は互いに積層され、かつ積層領域内に位置する極片は、ボトムカバー12の表面及びトップケース11の頂面とと平行である。このように、収容空洞20内の高さ方向におけるセル60の占用スペースを最大化し、電池100のエネルギー密度を高めることができる。極性が反対する2つの極片の間にセパレータが設けられており、正極極片と負極極片との絶縁を保持することができる。
【0048】
本願の実施例では、平板状のセル60は2つの弧状の側縁を有し、2つの弧状の側縁の間の領域は積層領域となることを理解できる。
【0049】
具体的に、
図7に示すように、第1導電材31は互いに接続された第1接続板311と第1折曲板312とを備え、第1接続板311はボトムカバー12に貼り付けられており、第1折曲板312はセル60と環状側壁111との間に位置し、第1タブ61は第1折曲板312に溶接されている。ここで、第1接続板311と第1折曲板312とは板面が互に垂直であり、このように、セル60の端部と環状側壁111との間で第1折曲板312を直立させて、第1折曲板312の占用スペースを最小化することができるほか、第1折曲板312をタブと平行にすることができ、両者の電気的接続を容易にする。
【0050】
1つの実現可能な実施形態では、
図9に示すように、第1接続板311は、収容空洞20から離れた側に、貫通穴13を貫通して設けられる突起3111を有する。このように、第1導電材31は、突起3111を介して外部電極と電気的に接続されることができる。
【0051】
具体的に、突起3111の外周縁と貫通穴13の穴壁との間に第1隙間がある。第1隙間の幅は0.1~2mmの範囲内にあり、第1隙間の幅は具体的に0.1mm、0.5mm、1.5mm、または2mmとすることができ、当該隙間が0.1mm未満である場合には、突起3111とボトムカバー12との間の距離が近すぎるため、第1導電材31がずれたり、組み立てに誤差が生じる場合、突起3111とボトムカバー12とは接触して短絡が発生しやすくなり、当該隙間が2mmより大きい場合には、突起3111とボトムカバー12との間の隙間が大きすぎるため、ケース10の密封性能に影響を及ぼしやすくなる。
【0052】
また、絶縁接着層40は第1隙間内に位置するオーバーフロー部分を有し、このように、絶縁接着層40がボトムカバー12において摺動しないようにすることができる一方、突起3111を一部的に接着して、突起3111が摺動することにより、突起3111とボトムカバー12とが電気的に接触することを避けることができる。
【0053】
なお、第1隙間内に密封絶縁材が装填されることができる。このように、密封絶縁材により突起3111とボトムカバー12とが絶縁され、電池100は短絡しにくくなり、電池100の使用安定性が向上する。
【0054】
図10に示すように、第1折曲板312と環状側壁111との間には、0.2~3mmの範囲にある第2間隔L2がある。当該第2間隔L2は、0.2mm、0.8mm、1.3mm、2mm、2.5mm、または3mmとすることができる。第2間隔L2が0.2mm未満である場合、第1導電材31とセル60との組立の難易度が高くなる。当該間隔が3mmより大きい場合、電池100全体のサイズが大きくなり、電池100の小型化に不利になる。
【0055】
1つの実現可能な実施形態では、第1折曲板312とセル60との間には第1絶縁層(図示せず)が設けられており、第1折曲板312と環状側壁111との間には第2絶縁層50が設けられている。このように、第1折曲板312とトップケース11との間、第1折曲板312とセル60の間を絶縁保持し、第1導電材31の短絡を回避することができる。
【0056】
1つの実現可能な実施形態では、
図7に示すように、収容空洞20内には第2導電材32が設けられており、少なくとも部分の第2導電材32は第2タブ62とケース10との間に位置し、かつ第2タブ62とケース10とを電気的に接続する。第2導電材32と第1導電材31とは互いに絶縁される。このように、第2導電材32は部分的に第2タブ62と環状側壁111との間に位置するようになり、第2タブ62と環状側壁111とを電気的に接続している。
【0057】
なお、本願の実施例では、第1導電材31と第2導電材32を総称して導電材30と呼ぶことができ、導電材30の主たる役割は、ケース10又は外部電極にセル60のタブを電気的に接続することである。
【0058】
具体的に、第2導電材32は、互いに接続された第2接続板321と第2折曲板322とを備え、第2接続板321はボトムカバー12に貼り付けられており、第2折曲板322はセル60と環状側壁111との間に位置し、第2タブ62は第2折曲板322に溶接される。
【0059】
なお、具体的に組み立てる際、第1タブ61を第1折曲板312に溶接し、第2タブ62を第2折曲板322に溶接し、このように、ケース10を組み立てる前に溶接を行うことができるため、電池100の加工難易度を下げることに有利であり、また、第2タブ62を第2折曲板322を介して環状側壁111に溶接し、すなわち、第2タブ62を環状側壁111に間接的に固定し、第2タブ62を環状側壁111に直接的に溶接する場合と比較して、このような固定方式を採用して溶接すると、タブを貫通して溶接しにくくすることができる。
【0060】
なお、第1接続板311と第2接続板321の形状は同じ又は異なってもよく、具体的な形状は、規則的な形状であってもよく、不規則な形状であってもよく、本願の実施例はそれを限定しない。
【0061】
1つの実現可能な実施形態では、第1接続板311と第2接続板321の高さの差が0.3mm未満であり、このように、第1接続板311と第2接続板321とをできるだけ同じ平面上に位置させ、セル60のエネルギー密度をできるだけ最大化することができる。
【0062】
図7に示すように、第1接続板311と第2接続板321は、水平方向において、第2隙間を有する。第2隙間の幅Lは0.5~5mmであり、当該幅Lは具体的に、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmとすることができ、当該幅Lが0.5mm未満である場合、第1導電材31と第2導電材32との距離が近すぎるため、導電材30がずれたり、組み立てに誤差が生じる場合、第1導電材31と第2導電材32とは接触して短絡が発生しやすくなり、当該幅Lが5mmより大きい場合、第1導電材31と第2導電材32との間の幅Lが大きすぎるため、導電材30とボトムカバー12との接触面積が小さすぎるようになり、導電材30の組立安定性に影響を及ぼす。
【0063】
1つの実現可能な実施形態では、第2隙間内に多孔質絶縁材(図示せず)を装填することができる。第1導電材31と第2導電材32とを絶縁保持することができる一方、電解液を貯蔵することができ、具体的に、多孔質絶縁材は発泡綿であることができる。
【0064】
本願の実施例では、第1タブ61と第2タブ62はセル60の同一端に位置する。第1折曲板と第2折曲板322はセル60の同一端に位置する。第1タブ61は第1折曲板312のセル60から離反する側に位置し、第2タブ62は第2折曲板322のセル60から離反する側に位置する。このように、電池100の溶接及び組立に有利になる。
【0065】
本願の実施例では、第1タブ61は正極タブであり、第2タブ62は負極タブであり、ケース10は第2導電材32と電気的に接続され、ケース10全体は負極となり、第1導電材31は正極となり、セル60のタブと第1導電材31と第2導電材32とのを電気的接続方式を入れ替えると、ケース10全体は正極となり、第1導電材31は負極となることを理解できる。
【0066】
1つの実現可能な実施形態では、
図10、
図13、及び
図14に示すように、セル60と第1導電材31との間及びセル60と第2導電材32との間に位置する第3絶縁層70をさらに備える。このように、導電材30とセル60とが電気的に接触しないようにして、短絡を回避することができる。なお、第3絶縁層70は、タブとセル60の端部との間に位置する第1部分、セル60と接続板との間に位置する第2部分、及びセル60の尾部に位置する第3部分という3つの部分を備えることができる。
【0067】
1つの実現可能な実施形態では、第1タブ61の端部と第2タブ62の端部との間には、0mm以上かつ1mm未満の第3間隔がある。このように、第1タブ61の端部と第2タブ62の端部とをできるだけ同じ高さにして、第1タブ61と第2タブ62との組立難易度を下げることができる。なお、第1タブ61の端部とは、第1タブ61の環状側壁111に近い一端を指し、第2タブ62の端部とは、第2タブ62の環状側壁111に近い一端を指す。
【0068】
1つの実現可能な実施形態では、第1接続板311の面積が第2接続板321の面積より大きく、かつ第1接続板311と第2接続板321との面積の比は、1~9.9の範囲にある。具体的に、第1接続板311の面積が第2接続板321の面積の1倍、3倍、7倍、または9.9倍であってもよい。このように、第1導電材31と第2導電材32との配置方式を多様化して、導電材30を容易に配置することができる。
【0069】
1つの実現可能な実施形態では、環状側壁111には補強片14と液体注入口15とが間隔を隔てて設けられており、液体注入口15はケース10の外部と収容空洞20を連通する。このように、補強片14を介して外部電極に溶接することができ、ケース10の損傷を避けることができ、液体注入口15を設けることで電解液を容易に注入することができ、また、液体注入口15には、封止片16が設けられており、このように、電解液を注入した後に、封止片16を溶接によって液体注入口15に密封して、電池100から液体が漏れることを回避することができる。トップカバー112には、第1タブ61又は第2タブ62に近接して設けられる圧力逃がし溝17をさらに設けることができ、このように、電池100の圧力逃がしが容易になり、電池100の爆発を防止する。なお、トップカバー112を薄肉化して圧力逃がし溝17を形成してもよく、圧力逃がし溝17の形状は、「L」形状、「O」形状、または他の形状であってもよい。
【0070】
具体的に、セル60には、トップカバー112に近い極片平面に位置しかつトップカバー112の内壁面に接触する仕上げ用接着剤(図示せず)がさらに設けられており、このように、セル60の組立が容易になり、セル60が仕上げ用接着剤において接着不良を引き起こしにくくなる。
【0071】
なお、ケース10は負極であるため、外部負極の位置に応じて補強片14の位置を調整することができ、補強片14を外部負極に近い位置に設けると溶接が容易になり、補強片14と第2タブ62とが環状側壁111の対向する両側に位置するようにすると、溶接が容易になり、溶接時環状側壁111と第2タブ62とを貫通して溶接することを回避することができることを理解できる。
【0072】
図11及び
図12に示すように、本願の実施例は、他の電池を提供し、当該電池100の第2タブ62は環状側壁111に溶接され、ボトムカバー12における第1導電材31が設けられていない領域に支持板19を設けることができ、、支持板19の上面は第1導電材31の接続板の上面と高さが同じであり、このように、セル60の下面が完全な支持面を有し、セル60が安定状態う保持することが確保できる。
【0073】
なお、第2タブ62は、溶接によって環状側壁111に直接的に固定されているため、セル60が収容空洞20内で摺動することを効果的に防止し、電池100の安定性を向上させることができる。また、第1タブ61と環状側壁111との間の距離は、第2タブ62と環状側壁111との間の距離より大きく、このように、第1タブ61と環状側壁111とが接触しないようにして、電池100が短絡しないようにすることができる。
【0074】
当該電池100の他の技術的特徴は、第1種の電池と同じであるため、ここで繰り返して説明しない。
【0075】
本願の実施例の説明では、特に明記されていない限り、「取り付ける」、「連結する」、「接続する」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、中間媒介を介する間接的に接続であってもよいし、2つの構成要素内部の連通又は2つの構成要素間の相互作用関係であってもよいことを理解されたい。当業者にとって、本願における上記の用語の具体的な意味は、具体的の状況に応じて理解され得る。「上」、「下」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「トップ」、「ボトム」、「内」、「外」などの用語によって示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、単に本願の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものであり、示される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを明示又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解できない。本願の説明では、「複数」は、明記されていない限り、2つ以上を意味する。
【0076】
本願の明細書と特許請求の範囲、及び、上記の図面における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(存在する場合)は、類似の対象を区別するためのものであり、特定の順序又はシーケンスを説明するためのものである必要はない。本明細書で説明する本願の実施例を、例えば、本明細書に図示又は説明したもの以外の順序で実施できるように、そのように使用されるデータを適宜交換できると理解すべきである。また、「備える」及び「有する」という用語、及び、それらの全ての変形は、いずれも非排他的含有を網羅することを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、明示的にリストされているステップ又はユニットに限定される必要はなく、明示的にリストされていないか、又は、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0077】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本願を詳細に説明するが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱することもないと理解すべきである。
【0078】
本願は、2021年07月29日に中国特許局に提出した、出願番号が202110867172.9で、「電池」という出願名称の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性のケースと電池セルとを備え、前記ケースはトップケースとボトムカバーとを有し、前記トップケースはトップカバーと前記トップカバーに接続された環状側壁とを備え、前記トップケースは前記ボトムカバーに覆い合い、かつ共通して収容空洞を取り囲むように設けられており、前記電池セルは前記収容空洞内に位置し、
前記収容空洞内に第1導電材が設けられており、前記第1導電材と前記ボトムカバーとの間には、前記第1導電材と前記ボトムカバーとを接続する絶縁接着層が設けられており、前記ボトムカバーには、前記第1導電材によって覆われる貫通穴が設けられており、前記環状側壁は、前記ボトムカバーに近い側のエッジにおいて、前記ボトムカバーに溶接され、かつ一周の溶接マークが形成されており、
前記溶接マークと前記絶縁接着層との間には、幅が前記溶接マークの幅の3倍以上である第1間隔があり、
前記電池セルの第1タブは前記第1導電材と電気的に接続され、前記電池セルの第2タブは前記ケースと電気的に接続される、電池。
【請求項2】
前記環状側壁は、前記ボトムカバーに近い側のエッジにフランジを有し、前記フランジは前記ボトムカバーに溶接され、一周の前記溶接マークが形成されており、前記溶接マークは前記環状側壁の外周を回るように設けられ
、
前記溶接マークの幅は0mmより大きくかつ1mm以下であり、
前記第1導電材の前記ボトムカバーでの被覆面積と前記ボトムカバーの面積との比は0.4~0.99であり、又は
前記セルは、少なくとも2つの極性が反対する極片を有し、前記セルは積層領域を有し、前記積層領域内に位置する少なくとも2つの前記極片は互いに積層され、かつ前記積層領域内に位置する前記極片は、前記ボトムカバーの表面及び/又は前記トップケースの頂面と平行であり、極性が反対する2つの前記極片の間にセパレータが設けられている、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1導電材は、互いに接続された第1接続板と第1折曲板とを備え、前記第1接続板は前記ボトムカバーに貼り付けられており、前記第1折曲板は前記セルと前記環状側壁との間に位置し、前記第1タブは前記第1折曲板に溶接されている、請求項
1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記第1接続板の前記収容空洞から離れた側には、前記貫通穴を貫通する突起を有
し、
前記突起の外周縁と前記貫通穴の穴壁との間には、幅が0.1~2mmの範囲内にある第1隙間があり、前記絶縁接着層は、前記第1隙間内に位置するオーバーフロー部分を有し、
前記第1隙間内に密封絶縁材が装填されている、請求項
3に記載の電池。
【請求項5】
前記第1折曲板と前記環状側壁との間には、0.2~3mmの範囲にある第2間隔があ
り、又は、
前記第1折曲板と前記セルとの間に第1絶縁層が設けられており、及び/又は、前記第1折曲板と前記環状側壁との間に第2絶縁層が設けられている、請求項
3に記載の電池。
【請求項6】
前記第2タブは前記環状側壁に溶接され
、
前記第1タブと前記環状側壁との間の距離は、前記第2タブと前記環状側壁との間の距離より大きい、請求項
1又は2に記載の電池。
【請求項7】
前記収容空洞内には、少なくとも部分的に前記第2タブと前記ケースとの間に位置しかつ前記第2タブと前記ケースとを電気的に接続する第2導電材が設けられており、前記第2導電材と前記第1導電材とは互いに絶縁され
、
前記第2導電材は、互いに接続された第2接続板と第2折曲板とを備え、前記第2接続板は前記ボトムカバーに貼り付けられており、前記第2折曲板は前記セルと前記環状側壁との間に位置し、前記第2タブは前記第2折曲板に溶接される、請求項
3に記載の電池。
【請求項8】
前記第1接続板と前記第2接続板の高さの差は0.3mm未満であり、前記第1接続板と前記第2接続板との間には第2隙間があり、前記第2隙間の幅は0.5~5mmの範囲内にあり、及び/又は、前記第2隙間内に多孔質絶縁材が装填されて
おり、又は、
前記第1接続板の面積は前記第2接続板の面積より大きく、かつ前記第1接続板と前記第2接続板との面積の比は、1~9.9の範囲にある、請求項
7に記載の電池。
【請求項9】
前記第1タブと前記第2タブとは前記セルの同一端に位置し、前記第1折曲板と前記第2折曲板とは前記セルの同一端に位置
し、
前記第1タブは前記第1折曲板の前記セルから離反する側に位置し、及び/又は、前記第2タブは前記第2折曲板の前記セルから離反する側に位置し、
前記セルと前記第1導電材との間及び前記セルと前記第2導電材との間に位置する第3絶縁層をさらに備え、又は、
前記第1タブの端部と前記第2タブの端部との間には、0mm以上かつ1mm以下である第3間隔がある、請求項
7に記載の電池。
【請求項10】
前記環状側壁上には、補強片と液体注入口とが間隔を隔てて設けられており、前記補強片と前記第2タブは前記環状側壁の対向する両側に位置し、前記液体注入口は前記ケースの外部と前記収容空洞とを連通し、前記トップカバーには、前記第1タブ又は前記第2タブに近接して設けられた圧力逃がし溝が設けられており、
前記液体注入口には、前記液体注入口を密封する封止片が設けられており、
及び/又は、前記セルには、前記セルの前記トップカバーに近い側に位置する仕上げ用接着剤がさらに設けられている、請求項
1又は2に記載の電池。
【国際調査報告】