(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】植物ベースのフレーバー改変成分
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20240717BHJP
A23L 27/21 20160101ALI20240717BHJP
A23L 27/24 20160101ALI20240717BHJP
A23L 11/00 20210101ALI20240717BHJP
A23J 3/14 20060101ALI20240717BHJP
A23J 3/34 20060101ALI20240717BHJP
A23L 2/60 20060101ALI20240717BHJP
A23L 2/56 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/21 B
A23L27/24
A23L11/00 F
A23L27/00 E
A23J3/14
A23J3/34
A23L2/00 C
A23L2/56
A23L2/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500024
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 EP2022068261
(87)【国際公開番号】W WO2023275356
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボウミク,タルン
(72)【発明者】
【氏名】ミヤカ,ステフカ,イバノバ
(72)【発明者】
【氏名】オージェリー,ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】小沼 陽介
【テーマコード(参考)】
4B020
4B047
4B117
【Fターム(参考)】
4B020LB24
4B020LC02
4B020LG09
4B020LK07
4B020LK18
4B020LK19
4B020LP03
4B020LP18
4B020LP20
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4B047LB06
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4B117LL01
4B117LL02
4B117LP03
4B117LP05
4B117LP06
(57)【要約】
エンドウ豆タンパク質を酵素加水分解および発酵に供することを含む、フレーバー改変成分を製造するための方法;該方法によって得られるフレーバー改変成分;該フレーバー改変成分を含むフレーバー組成物および食品;該フレーバー改変成分の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーバー改変成分を製造するための方法であって、方法が、
iv.エンドウ豆タンパク質の水性スラリーを形成する工程;
v.エンドウ豆タンパク質を、1以上のタンパク質分解酵素を使用して酵素加水分解に供して、エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成する工程;
vi.エンドウ豆タンパク質加水分解物を、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、Bifidobacterium animalis lactisおよび/またはStreptococcus thermophilusからなる群から選択される1以上の乳酸菌を使用して発酵に供する工程;
を含む、前記フレーバー方法。
【請求項2】
エンドウ豆タンパク質が、エンドウ豆タンパク質液、エンドウ豆タンパク質単離物、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆粉およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エンドウ豆タンパク質が、水性スラリーの総重量に基づいて、約10重量%~約30重量%の量で存在する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成する前に水性スラリーを滅菌すること、好ましくは水性スラリーを約120~125℃で約30分間滅菌すること、および続いて水性スラリーを約50℃に冷却させることを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
1以上のタンパク質分解酵素が、プロテイナーゼ、ペプチダーゼ、グルタミナーゼおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、1以上のタンパク質分解酵素がエンドペプチダーゼ活性およびエキソペプチダーゼ活性の両方を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
2以上のタンパク質分解酵素を使用することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
エンドウ豆タンパク質を第1のタンパク質分解酵素で約10~約20時間、約40℃~60℃で加水分解すること、続いてエンドウ豆タンパク質を第2のタンパク質分解酵素で約1~約5時間、約40℃~60℃で加水分解すること、ここで、第1のタンパク質分解酵素は第2のタンパク質分解酵素とは異なる、好ましくは水性スラリーの総重量に基づいて約.5重量%~約1重量%の量で第1のタンパク質分解酵素を水性スラリーに添加すること、および続いて水性スラリーの総重量に基づいて約.01重量%~約0.1重量%の量で第2のタンパク質分解酵素を水性スラリーに添加することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
乳酸菌が、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus casei、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、L.delbrueckii ssp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium、Lactobacillus rhamnosusおよびそれらの組合せ、好ましくは、Bifidobacterium、Lactobacillus acidophilus、L.delbrueckii ssp.bulgaricus、Lactobacillus paracasei Streptococcus thermophilusおよびそれらの組合せを含む組合せからなる群から選択され、好ましくは、乳酸菌が、Lactobacillus plantarumである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
水性スラリーの総重量に基づいて、約0.1重量%~約1重量%の量で水性スラリーに乳酸菌を添加することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
エンドウ豆タンパク質加水分解物を約35℃~約40℃で約5~約10時間発酵に供することを含み、好ましくは、エンドウ豆タンパク質加水分解物を発酵に供することに続いて水性スラリーを滅菌することを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって得ることが可能および/または得られるフレーバー改変成分であって、好ましくはフレーバー改変成分が噴霧乾燥されている、フレーバー改変成分。
【請求項12】
請求項11に記載のフレーバー改変成分と、少なくとも1つの食品グレードの賦形剤とを含む、食品用のフレーバー組成物であって、好ましくは、フレーバー改変成分が、フレーバー組成物の総重量に基づいて約1%~約20%の量で存在し、好ましくは、1以上の甘味料を含み、好ましくは、1以上の甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオール配糖体(例として、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、ステビオサイド)、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、アドバンテーム、アガーブシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、水あめ、羅漢果エキス、モグロシド、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギンおよび糖アルコール(例として、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)から選択される、食品用のフレーバー組成物。
【請求項13】
請求項11に記載のフレーバー改変成分を含む食品であって、好ましくは、フレーバー改変成分が、食品の総重量に基づいて約1ppm~約100ppmの量で存在し、好ましくは、フレーバー改変成分が、食品の総重量に基づいて約0.1ppm~約20ppmの量で存在する、前記食品。
【請求項14】
食品が、柑橘類フレーバー飲料であり、好ましくは、柑橘類フレーバー飲料が、フレーバー飲料ベース、柑橘類フレーバーおよび甘味を改変する割合の請求項11に記載のフレーバー改変成分を含む、請求項13に記載の食品。
【請求項15】
1以上の甘味料を更に含み、好ましくは、1以上の甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオール配糖体(例として、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、ステビオサイド)、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、アドバンテーム、アガーブシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、水あめ、羅漢果エキス、モグロシド、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギン、および糖アルコール(例として、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)から選択される、請求項13または14に記載の食品。
【請求項16】
食品の甘味を改善するための、請求項11に記載のフレーバー改変成分の使用。
【請求項17】
食品の甘味を調節する方法であって、方法が、請求項11に記載のフレーバー改変成分を食品と混合する工程を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、エンドウ豆タンパク質を使用してフレーバー改変成分を製造するための方法、および該方法によって製造されたフレーバー改変成分に関する。本発明は更に、該フレーバー改変成分を含むフレーバー組成物および食品、ならびに例えば、食感を改善し、オフノートをマスキングし、および/または食品の甘味を改善するための食品における該フレーバー改変成分の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
食品業界では、例えば口当たりを改善し、オフノートをマスキングし、および/または甘味を改善するために、様々な食品のフレーバーを改変し得る原料を提供する必要が存在する。特に、クリーンラベルの食品を提供するために、天然のフレーバー改変成分を提供する必要性が存在する。したがって、本発明によって、新規なフレーバー改変成分および該フレーバー改変成分を製造するための方法が提供される。
【0003】
高甘味度甘味料(HIS)は、スクロースなどの低甘味度甘味料(LIS)の数百倍であり得る甘味を有する。したがって、HIS'は、組成物中の大量のLIS'を置き換え得、それによってそのカロリー値を大幅に低下させる。しかしながら、これらの物質は、一般に、食品に望ましくない異味、典型的には苦味、金属味もしくは甘草味、または望ましくない長引く甘味を与える場合があるという欠点を有する。HIS含有食品のフレーバープロファイルを効果的に変更することは、消費者の受け入れにとって重要である。
【0004】
驚くべきことに、エンドウ豆タンパク質を本明細書において記載の方法に供することにより、食品においてフレーバー改変効果を有する天然の健康的な成分を得ることができることが今や見出された。本明細書において記載の方法によって製造されたフレーバー改変成分は、より滑らかでより砂糖のような甘味および食感を提供することによってHIS'の甘味プロファイルを調節することができることが分かった。この成分はまた、トップノートありおよびなしの糖/ステビアハイブリッドベースで評価した場合、ステビアの甘味プロファイルをより滑らか/シロップ状に調節することが見出された。炭酸清涼飲料および非炭酸清涼飲料に使用される様々なハイブリッド系における高強度甘味料の負の属性のいくつかをマスキング/修飾することも見出された。これらの所見は、HIS'の使用を可能にして、改善されたより清潔な味および食感を有する健康的でクリーンラベルの食品および飲料を作り出す。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、エンドウ豆タンパク質を酵素加水分解および発酵に供することを含む、フレーバー改変成分を製造するための方法が提供される。
【0006】
例えば、本発明の第1の態様の方法は、エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを形成することと、エンドウ豆タンパク質を、1以上のタンパク質分解酵素および/またはカルボヒドラーゼ酵素を使用して酵素加水分解に供して、エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成することと、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactis、Streptococcus thermophilusおよびそれらの混合物から選択される1以上の乳酸菌を使用して、エンドウ豆タンパク質の加水分解物を発酵させることと、エンドウ豆タンパク質加水分解物の少なくとも一部を発酵させてフレーバー改変成分を形成するのに十分な期間インキュベートすることと、を含む。
【0007】
一定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質が、カルボヒドラーゼおよび/またはタンパク質分解酵素を使用して酵素加水分解に供される。
【0008】
特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、エンドウ豆タンパク質液、エンドウ豆タンパク質単離物、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆粉およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0009】
特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約1重量%~約60重量%の量で存在する。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約5重量%~約50重量%の量で存在する。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約5重量%~約40重量%の量で存在する。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約10重量%~約30重量%の量で存在する。
【0010】
特定の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成する前に、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを滅菌することを含む。
【0011】
特定の実施形態では、方法は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを約120~125℃で約30分間滅菌し、続いて水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを約50℃に冷却させることを含む。
【0012】
特定の実施形態では、1以上のタンパク質分解酵素は、プロテイナーゼ、ペプチダーゼ、グルタミナーゼおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0013】
特定の実施形態では、1以上のタンパク質分解酵素は、エンドペプチダーゼ活性およびエキソペプチダーゼ活性の両方を含む。
【0014】
特定の実施形態では、1以上のタンパク質分解酵素は、Aspergillus oryzae由来の酵素調製物を含み、加水分解は、約40℃~約60℃で行われる。
【0015】
特定の実施形態では、方法は、2以上のタンパク質分解酵素を使用する。
【0016】
特定の実施形態では、方法は、2以上のタンパク質分解酵素および1以上のアミドヒドロラーゼ酵素を使用する。
【0017】
特定の実施形態では、酵素加水分解は、約1時間~約48時間の範囲の期間行われる。
【0018】
特定の実施形態では、方法は、エンドウ豆タンパク質を約40℃~60℃で約10~約20時間、第1のタンパク質分解酵素で加水分解し、続いてエンドウ豆タンパク質を約40℃~60℃で約1~約5時間、第2のタンパク質分解酵素で加水分解することを含み、第1のタンパク質分解酵素は第2のタンパク質分解酵素とは異なる。
【0019】
特定の実施形態では、方法は、第1のタンパク質分解酵素をエンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースに、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて約5重量%~約1重量%の量で添加し、続いて第2のタンパク質分解酵素をエンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースに、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に対して約.01重量%~約0.1重量%の量で添加することを含む。
【0020】
特定の実施形態では、乳酸菌は、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus casei、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、L.delbrueckii ssp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0021】
特定の実施形態では、乳酸菌は、エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースに、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に対して約.1重量%~約1重量%の量で添加される。
【0022】
特定の実施形態では、方法は、エンドウ豆タンパク質加水分解物を約35℃~約40℃で約5時間~約10時間発酵に供することを含む。
【0023】
特定の実施形態では、方法は、エンドウ豆タンパク質加水分解物を発酵に供した後に、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを滅菌することを含む。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、いずれかの実施形態を包含する、本発明の第1の態様の方法によって得ることが可能および/または得られるフレーバー改変成分が提供される。
【0025】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様のフレーバー改変成分を含むフレーバー組成物が提供される。
【0026】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第2の態様のフレーバー改変成分を含む食品が提供される。
【0027】
本発明の第5の態様によれば、食品の食感を改善するための本発明の第2の態様のフレーバー改変成分の使用が提供される。
【0028】
本発明の第6の態様によれば、本発明の第2の態様のフレーバー改変成分を食品に混合することを含む、改善された食感を有する食品を提供する方法が提供される。
【0029】
本発明の第7の態様によれば、食品のオフノートをマスキングするための本発明の第2の態様のフレーバー改変成分の使用が提供される。
【0030】
本発明の第8の態様によれば、本発明の第2の態様のフレーバー改変成分を食品に混合することを含む、オフノートが低減された食品を提供する方法が提供される。
【0031】
本発明の第9の態様によれば、食品の甘味を改善するための、本発明の第2の態様のフレーバー改変成分の使用が提供される。
【0032】
本発明の第10の態様によれば、本発明の第2の態様のフレーバー改変成分を食品に混合することを含む、改善された甘味を有する食品を提供する方法が提供される。
【0033】
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、食品は飲料である。特定の実施形態では、飲料は柑橘類フレーバー飲料である。特定の実施形態では、飲料は炭酸ソーダ飲料である。特定の実施形態では、飲料はタンパク質飲料である。特定の実施形態では、飲料は植物ベースのタンパク質飲料である。
【0034】
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態では、食品は、1以上の甘味料を更に含む。特定の実施形態では、1以上の甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオールグリコシド(例として、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、ステビオサイド)、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、有利には、アガーブシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、水あめ、羅漢果抽出物、モグロシド、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギン、および糖アルコール(例として、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)から選択される。
【0035】
本発明のいずれかの態様の特定の実施形態は、以下の利点のうちの1以上を提供する場合がある。
・天然のクリーンラベル製品の製造;
・プロバイオティクス製品の製造;
・食感が改善された食品;
・オフノートが減少した食品;
・甘味が改善された食品;
・砂糖のような甘味および口当たりが改善され、オフノートが低減されたHIS含有食品。
【0036】
本発明の記載された態様のうちのいずれかの特定の1以上に関連して提供される詳細、例、および選好は、本明細書において更に説明され、本発明の全ての態様に等しく適用される。その全ての可能な変形形態における本明細書において記載の実施形態、例、および選好のいずれかの組合せは、本明細書において別段に指示されない限り、あるいは文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
詳細な説明
本発明は、少なくとも部分的には、エンドウ豆タンパク質を本明細書において記載の方法に従って酵素加水分解および発酵に供することにより、例えば食品の食感を改善するため、食品のオフノートをマスキングするため、および/または食品の甘味を改善するために、フレーバー改変成分として使用され得る製品を生成するという驚くべき発見に基づく。
【0038】
特に、本発明は、少なくとも部分的に、本明細書において記載のフレーバー改変成分が以下の感覚刺激的利点を提供するという驚くべき発見に基づいている。
・組成物の甘味の増加;
・少なくとも1つの甘味料を包含する組成物における甘味増強;
・所望の甘味を得るために必要なカロリー甘味料の量の減少;
・1以上の甘味特性を改善し、甘味を砂糖(ショ糖)により近い味にする;
・持続する甘味の弱化(例として、甘味が残っている時間の長さを減少させること、および/または甘味の強度をより迅速に減少させること);
・苦味および/または甘草味および/または金属味の弱化;
・乾燥および/または収斂性の口当たりの感覚知覚の弱化;
・甘味影響(例として、甘味の最大強度を増加させること、および/または甘味が検出される時間の長さを減少させること)の改善(例として、持続する甘味を減少させる)。
【0039】
エンドウ豆タンパク質
本明細書において使用されるエンドウ豆(複数可)という用語は、食用種子を含有する長い緑色の鞘を有するマメ科植物(Pisum sativumおよびその栽培品種の丸い種子を指す。本明細書において使用されるエンドウ豆またはエンドウ豆という用語は、ヒヨコ豆などのマメ科の他の種子を包含する。あるいは、エンドウ豆の種子の代わりに、エンドウ豆の芽が使用される場合がある。
【0040】
本明細書において記載の方法で使用するためのエンドウ豆タンパク質は、いずれかの適切な形態、例えばエンドウ豆の種子もしくは芽(完全もしくは粉砕種子および完全もしくは切断芽を包含する)の形態、またはエンドウ豆から単離されたタンパク質、またはエンドウ豆由来のタンパク質および場合により追加の成分を含有するいずれかの天然材料であり得る。
【0041】
特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、エンドウ豆タンパク質液、エンドウ豆タンパク質単離物、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆粉およびそれらの混合物からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、米国Department of Agriculture(USDA)認定有機物である。驚くべきことに、本明細書において記載の酵素加水分解および発酵方法は、官能的に望ましい様式で食品のフレーバーおよび食感を改変することができる植物ベースのクリーンラベル成分を提供することが見出された。
【0042】
いくつかの実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、エンドウ豆タンパク質液からなるか、またはエンドウ豆タンパク質液を含む。本明細書において使用される場合、「エンドウ豆タンパク質液」は、タンパク質抽出または分画プロセスから得られた水性エンドウ豆タンパク質濃縮スラリーを指す。いくつかの実施形態では、エンドウ豆タンパク質液は、本開示のプロセスにおいて直接使用される場合があり、または必要に応じて更に希釈または濃縮される場合がある。
【0043】
酵素加水分解
エンドウ豆タンパク質を酵素加水分解に供し、ここで、エンドウ豆タンパク質を、1以上の酵素と、1以上の酵素がエンドウ豆タンパク質を少なくとも部分的に分解するのに適した条件下および期間接触される。全ての酵素は食品グレードでなければならない。
【0044】
酵素加水分解に使用される酵素(複数可)は、例えば、カルボヒドラーゼおよびタンパク質分解酵素の1以上から選択される場合がある。2以上の酵素が使用される場合、酵素は、2以上のクラスの酵素および/または単一のクラス内の2以上の酵素である場合がある。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、少なくとも1以上のカルボヒドラーゼを包含する。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素(複数可)は、セルラーゼ、ペクチナーゼ、および他のカルボヒドラーゼの少なくとも1以上を包含する。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、セルラーゼおよびペクチナーゼの少なくとも1以上を包含する。一定の実施形態では、1以上のアミドヒドロラーゼ酵素が使用されてグルタミンがグルタマートに変換される。
【0045】
タンパク質分解酵素は、タンパク質およびペプチドの加水分解を触媒する。タンパク質分解酵素は、例えば、タンパク質を加水分解して小さなペプチドを形成するプロテイナーゼ、および小さなペプチドを更に加水分解してアミノ酸を形成するペプチダーゼを包含する。タンパク質分解酵素(複数可)は、例えば、エンドペプチダーゼ活性(攻撃内部ペプチド結合)および/またはエキソペプチダーゼ活性(アミノまたはカルボキシペプチダーゼなどのタンパク質またはペプチドの末端の攻撃ペプチド結合)を有する場合がある。
【0046】
タンパク質分解酵素は、例えば、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、グルタミナーゼ(例として、L-グルタミン-アミド-ヒドロラーゼ(EC 3.5.1.2))、エンドプロテアーゼ、セリンエンドペプチダーゼ、サブチリシンペプチダーゼ(EC 3.4.21.62)、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、トリプシン、キモトリプシン(EC 3.4.21.1)、ペプシン、パパイン、およびエラスターゼを包含する。
【0047】
タンパク質分解酵素(EC 3.4およびEC 3.5)は、EC番号(酵素コミッション番号)によって分類され、各クラスは、特定の反応タイプの様々な公知の酵素を含む。EC 3.4はペプチド結合に作用する酵素(ペプチダーゼ/プロテイナーゼ)を含み、EC 3.5はペプチド結合以外の炭素-窒素結合に作用する酵素を含む。
【0048】
EC 3.4の例は、例えば、以下:アミノペプチダーゼ(EC 3.4.11)、ジペプチダーゼ(3.4.13)、ジペプチジルペプチダーゼ(3.4.14)、ペプチジル-ジペプチダーゼ(3.4.15)、セリン-カルボキシペプチダーゼ(3.4.16)、メタロカルボキシペプチダーゼ(3.4.17)、システイン-カルボキシペプチダーゼ(3.4.18)、オメガペプチダーゼ(3.4.19)、セリン-エンドペプチダーゼ(3.4.21)、システイン-エンドペプチダーゼ(3.4.22)、アスパラギン酸-エンドペプチダーゼ(3.4.23)、メタロエンドペプチダーゼ(3.4.24)、トレオニン-エンドペプチダーゼ(3.4.25)を包含する。
【0049】
EC 3.5の例は、直鎖アミド(3.5.1)で切断するタンパク質分解酵素、例えば、限定されないが、グルタミナーゼ(EC 3.5.1.2)およびプロテイングルタミナーゼ(例として、遺伝子組換え微生物に由来しないAmano由来のプロテイングルタミナーゼ(登録商標)500)を包含する。
【0050】
食品用途に適した様々なタンパク質分解酵素は、Novozymes、Amano、Biocatalysts、Bio-Cat、Valey Research(現在はDSMの子会社)、EDC(Enzyme Development Corporation)などの供給業者から市販されている。いくつかの例は、Neutrase(登録商標)、Alcalase(登録商標)、特にAlcalase(登録商標)2.4 L FG、Protamex(登録商標)、Flavorzyme(登録商標)Protana(登録商標)Prime、Protana(登録商標)UBoost(Novozymesから入手可能);Promod(登録商標)シリーズ:例として、215P、278P、279P、280P、192P、および144 P、Flavorpro(登録商標)192、ペプチダーゼ433P、およびペプチダーゼ436P(Biocatalystsから入手可能);Protin PC10、Umamizyme(登録商標)、Peptidase R(または723)、Peptidase A、Peptidase M、Peptidase N、Peptidase P、Peptidase S、Acid protease II、およびThermoase GL30(Amanoから入手可能);ペプチダーゼ600(Bio-Catから入手可能);Validase(登録商標)AFPおよびValidase(登録商標)FPII(Valey Researchから入手可能);真菌プロテアーゼ、Exo-プロテアーゼ、パパイン、ブロメライン、およびEnzeco(登録商標)シリーズのプロテアーゼおよびペプチダーゼ(EDCから入手可能)を包含する。
【0051】
特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、セルラーゼ、ベータ-グルカナーゼ、およびアミノペプチダーゼを含む。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、セルラーゼ、ベータ-グルカナーゼ、アミノペプチダーゼ、ヘミセルロース、およびマンナナーゼを含む。特定の実施形態では、酵素加水分解に使用される酵素は、カルボヒドラーゼ(アルファ-アミラーゼおよび/またはグルコアミラーゼなど)ならびにプロテアーゼおよび/またはアミノペプチダーゼ(プロテイングルタミナーゼなど)を含む。
【0052】
アミラーゼ酵素の例は、(i)アミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解するのに有用なアルファ-アミラーゼ酵素(Kleistase(登録商標)SD-80、Amano Enzyme製)、ならびに/あるいは(ii)例えばアミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解するのに有用な、例えばマルトースおよび様々なグルコースおよび/またはNovozymes A/Sからのアルファ-アミラーゼ酵素および/またはNovozymes A/Sからのエンド-アミラーゼ酵素を放出するのに有用な、グルコアミラーゼ(Amano Enzyme(登録商標)NLP)、および/またはアミロースおよびアミロペクチンをマルトースおよび様々なデキストリンに分解するのに有用な、Novozymes A/Sからのエンド-アミラーゼ酵素を包含するが、これらに限定されない。
【0053】
酵素は、酵素混合物の一部である場合がある。Celluclast(商標)、Ceramix(商標)、Alcalase(商標)、特にAlcalase(商標)2.4 L FG、Viscozyme(商標)、Flavorzyme(商標)、およびUmamizyme(商標)などの多くの酵素調製物が市販されており、本明細書において記載の酵素加水分解で使用される場合がある。
【0054】
酵素(複数可)は、例えば、微生物源または植物源から得られるか、または得ることが可能である場合がある。例えば、Aspergillus oryzae,Bacillus licheniformis、パイナップル、パパイヤを包含する。
【0055】
酵素加水分解のために、2以上の酵素を含有し、プロテイナーゼおよびペプチダーゼ活性の両方を有する酵素または酵素調製物が、1以上の酵素に適した温度で使用され得る。適切な温度は、酵素の温度要件に従って選択され、例えば、Umamizyme(商標)は、約40℃~約60℃の温度に耐え、約55℃が最適である。有用な酵素は、プロテアーゼ酵素調製物、例えば、Umamizyme(Amano,Elgin,Illinois.である。プロテアーゼ製剤は、2種類の酵素;タンパク質を加水分解して小さなペプチドを形成するプロテイナーゼ、およびタンパク質およびペプチドの末端からアミノ酸を放出するペプチダーゼを含有する。Umamizyme(商標)は、Aspergillus oryzaeに由来し、エンドペプチダーゼおよびエキソペプチダーゼ活性に富む。
【0056】
特定の実施形態では、現在のGood Manufacturing Practicesの下でAspergillus oryzae発酵によって産生されるアミノ酸が豊富なタンパク質加水分解物のために開発された食品グレードのタンパク質分解酵素調製物である、Umamizyme-Kが使用される。Umamizyme-Kは、他の真菌プロテイナーゼ調製物とは対照的に、高いペプチダーゼ活性を有する。また、ウマミザイム-Kは、プロテイナーゼ活性も高く、タンパク質分解結合系は様々なタンパク質を高レベルで加水分解することが可能である。
【0057】
他の酵素は、Protana Prime、Protana UBoostおよびAlcalase 2.4 L(全てデンマークのBagsvardに本社を置くNovozymes A/S製)を包含する。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、例えば、タンパク質に対して約3~4%(酵素対タンパク質比)のProtana Primeで加水分解される場合がある。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、例えば、タンパク質に対して約1~2%(酵素対タンパク質比)のProtana UBoostおよび/またはAlcalaseで加水分解される場合がある。
【0058】
酵素の量は、十分な強度を確保するように選択され、酵素の活性、基質の量、およびそれが使用される条件に依存する。酵素の必要量は、異なる量を試験し、得られた生成物の効果を本明細書において記載の官能評価で試験することによって決定され得る。
【0059】
酵素:基質の比は、例えば、約0.05:20~約3:20、例えば約0.5:20~約3:20、例えば約1:20の範囲である場合がある。酵素は、例えば、エンドウ豆タンパク質の総重量に基づいて約0.1重量%~約20重量%の範囲の量で使用される場合がある。例えば、酵素は、エンドウ豆タンパク質の総重量に基づいて、約0.5重量%~約15重量%、または約1重量%~約10重量%、または約0.5重量%~約5重量%、または約0.5重量%~約1.5重量%、または約1重量%~約1.5重量%の範囲の量で使用される場合がある。
【0060】
(Ceremix(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり300ベータ-グルカナーゼ単位(BGU)の活性を有あし、Viscozyme(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり100の真菌ベータグルカナーゼ単位FBGの活性を有し、Alcalase(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり2.4のAnson untis(AU)の活性を有し、Celluclast(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり700エンド-グルカナーゼ単位(EGU)の活性を有し、Protana Prime(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり1067ロイシンアミノペプチダーゼ(LAPU)の活性を有し、Protana UBoost(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり100 EGLU-Aの活性を有し、Flavourzyme(商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)は、酵素1グラム当たり1000ロイシンアミノペプチダーゼ単位(LAPU)の活性を有し、Umamizyme(LGG法による単位、LGG=L-ロイシル-グリシル-グリシン)(Amano,Nagoya,Japan)は、70Uの活性を有し、Flavorpro 373(商標)、グルタミナーゼ(Biocatalysts,Cardiff,UK)は、30個のグルタミナーゼユニット(GU)の活性を有する。
【0061】
出発物質1グラム当たりの酵素単位の有用な量は、以下のいくつかのタイプの酵素について示される。
【0062】
出発物質(液体エンドウ豆タンパク質スラリー)1グラム当たりのベータグルカナーゼ単位(BGU)0.03~15BGU、例えば0.1から3BGU。
【0063】
真菌ベータグルカナーゼ単位FBG/グラム出発物質、0.002~3FBG、例えば0.01~1 FBG。
【0064】
出発物質1グラム当たりのAnson単位(AU)、0.0002~0.03AU、例えば0.0005~0.01。
【0065】
出発物質0.007~0.7Uグラム当たりのU(LGG法による単位、LGG=L-ロイシル-グリシル-グリシン)、例えば0.01~0.1Uが使用される。
【0066】
出発物質1グラム当たりのグルタミナーゼ単位(GU)、0.00075~0.075GU、例えば0.001~0.02GUが使用される。
【0067】
出発材料1グラム当たりのロイシンアミノペプチダーゼ単位(LAPU)、0.2から40LAPU、例えば2~30LAPUが使用される。
【0068】
酵素加水分解は、関与する全ての酵素に適した条件下で実施される。当業者に明らかなように、温度およびpHは、所望の程度まで加水分解が起こるのに適した範囲内であるべきである。インキュベーション長さはそれに応じて変化し、条件が最適条件に近いほどインキュベーションが短くなる。必要であれば、または選択された酵素にとって有益であれば、必要なイオンが存在する場合がある。インキュベートした混合物を、例えば撹拌(例として、50~500rpmまたは100~200rpmで)によって撹拌することにより、加水分解を改善する場合がある。
【0069】
酵素加水分解は、例えば、酵素が変性する温度よりも低い温度で行われる場合がある。温度は、例えば、所望の反応速度を与えるように選択される場合がある。酵素加水分解は、例えば、約25℃~約60℃の範囲の温度で行われる場合がある。例えば、酵素加水分解は、約30℃~約60℃または約35℃~約55℃または約40℃~約50℃または約50℃~約55℃の範囲の温度で行われる場合がある。
【0070】
ある特定の実施形態では、酵素加水分解は、約30℃~約60℃、例えば、約30℃~約40℃または約50℃~約55℃の範囲の温度で行われる。
【0071】
酵素加水分解は、例えば、酵素が変性しないpHで行われる場合がある。pHは、例えば、所望の反応速度を与えるように選択される場合がある。酵素加水分解は、例えば、約4~約8、例えば約5~約8、例えば約6~約8、例えば約6.5~約7.5の範囲のpHで行われる場合がある。
【0072】
酵素加水分解は、例えば、約1時間~約48時間の範囲の期間行われる場合がある。例えば、酵素加水分解は、約2時間~約48時間、または約4時間~約36時間、または約6時間~約24時間、または約8時間~約16時間、または約1~2時間、または5時間までの範囲の期間行われる場合がある。
【0073】
特定の実施形態では、酵素加水分解は、約1時間~約36時間、または約2時間~約36時間、または約4時間~約24時間、または約1~2時間、または最大5時間の範囲の期間起こる。
【0074】
特定の実施形態では、方法は、エンドウ豆タンパク質を約40℃~60℃で約10~約20時間、第1のタンパク質分解酵素で加水分解し、続いてエンドウ豆タンパク質を約40℃~60℃で約1~約5時間、第2のタンパク質分解酵素で加水分解することを含み、第1のタンパク質分解酵素は第2のタンパク質分解酵素とは異なる。
【0075】
特定の実施形態では、方法は、第1のタンパク質分解酵素をエンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースに、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて約5重量%~約1重量%の量で添加し、続いて第2のタンパク質分解酵素をエンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースに、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に対して約.01重量%~約0.1重量%の量で添加することを含む。
【0076】
発酵
エンドウ豆タンパク質加水分解物が発酵に供され、ここで、エンドウ豆タンパク質加水分解物は、エンドウ豆タンパク質加水分解物を少なくとも部分的に分解/代謝するために微生物に適した条件下および期間にわたって1以上の発酵微生物と接触させる。酵素加水分解の生成物であるエンドウ豆タンパク質は、加水分解または部分加水分解エンドウ豆タンパク質と呼ばれる場合がある。
【0077】
発酵は、例えば、1以上の種の微生物を使用する場合がある。
【0078】
発酵は、例えば、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、Streptococcus thermophilusおよび/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisなどの1以上の乳酸菌を使用する場合がある。
【0079】
特定の実施形態では、発酵はLactobacillus plantarumを使用する。例えば、発酵は、Lactobacillus plantarum,ATCC 14917を使用する場合がある。
【0080】
特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、および、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisの組合せを使用する。特定の実施形態では、発酵は、Streptococcus thermophilusおよび場合により1以上の異なる乳酸菌を使用する。
【0081】
特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、Streptococcus thermophilus、および/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される2以上の細菌を使用する。
【0082】
特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、Streptococcus thermophilus、および/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される3以上の細菌を使用する。
【0083】
特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、Streptococcus thermophilusおよび/または、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisからなる群から選択される4以上の乳酸菌を使用する。特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、BifidobacteriumおよびStreptococcus thermophilusからなる群から選択される細菌を使用する。
【0084】
Lactobacillus paracasei、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、BifidobacteriumおよびStreptococcus thermophilusを含む細菌培養組成物は、Chr Hansen(“Vega Harmony”製品情報バージョン7PI、EU EN 04-26-2021)から市販されている。Bifidobacterium animalis lactisは、Fonterra Co-Operative Group Ltd(New Zealand)から市販されているProbiotic BifidoBHN019またはDR10またはB019としても知られる。
【0085】
特定の実施形態では、フレーバー改変成分は、緑色エンドウ豆タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも1つのエンドウ豆タンパク質を水溶液中で混合すること、エンドウ豆タンパク質を、1以上のタンパク質分解酵素および/またはカルボヒドラーゼ酵素を使用して酵素加水分解に供して、エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成すること、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、Streptococcus thermophilus、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisおよびそれらの混合物からなる群から選択される1以上の細菌を混合物に添加すること、およびエンドウ豆タンパク質加水分解物の少なくとも一部を発酵させてるのに十分な期間、混合物をインキュベートしてフレーバー改変成分を形成することによって得られる。
【0086】
特定の実施形態では、フレーバー改変成分は、緑色エンドウ豆タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのエンドウ豆タンパク質を、水溶液中で混合すること、エンドウ豆タンパク質を、1以上のタンパク質分解酵素および/またはカルボヒドラーゼ酵素を使用して酵素加水分解に供して、エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成すること、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacteriumからなる群から選択される2以上の細菌を添加することによって得られる。
【0087】
特定の実施形態では、フレーバー改変成分は、緑色エンドウ豆タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質およびそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも1つのエンドウ豆タンパク質を水溶液中で混合すること、エンドウ豆タンパク質を、4つ以上のタンパク質分解酵素および/またはカルボヒドラーゼ酵素を使用して酵素加水分解に供して、エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成すること、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、Streptococcus thermophilus、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisおよびそれらの混合物からなる群から選択される3つ以上の細菌を混合物に添加すること、エンドウ豆タンパク質加水分解物の少なくとも一部を発酵るのに十分な期間、混合物をインキュベートしてフレーバー改変成分を形成することによって得られる。
【0088】
発酵は、例えば、L.delbrueckii ssp.bulgaricus、Streptococcus thermophilusおよび/またはLactobacillus acidophilusなどの1以上の乳酸菌を使用する場合がある。発酵は、例えば、Bifidobacteriumを使用する場合がある。
【0089】
発酵は、例えば、Fonterra Co-Operative Group Ltd(New Zealand)から市販されている、Lactobacillus rhamnosusおよびBifidobacterium animalis lactis(それぞれ、Chr.Hansen A/SからのLGG(登録商標)およびBB-12(登録商標))またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisを使用する場合がある。
【0090】
発酵は、例えば、Chr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L01 DA(Streptococcus thermophilus)などの乳酸菌Streptococcus thermophilusおよび/またはLactobacillus bulgaricus(Chr.Hansen A/SからのYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA)を使用する場合がある。
【0091】
発酵は、例えば、乳酸菌LGG(登録商標)(Lactobacillus rhamnosu)および/またはBB-12(登録商標)(Bifidobacterium animalis lactis)および/またはYOFLEX(登録商標)YF-L01 DA(Streptococcus thermophilus)および/またはYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA(Lactobacillus bulgaricus)および/またはL.Casei 431(Lactobacillus paracasei)を使用する場合がある。
【0092】
発酵は、例えば、Lactobacillus rhamnosusおよびLactobacillus bulgaricusの乳酸菌を使用する場合がある。
【0093】
発酵は、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどの乳酸菌Bifidobacterium animalis lactisおよびLactobacillus bulgaricusを使用する場合がある。
【0094】
発酵は、例えば、乳酸菌Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium ssp(ABY 421 from Vivolac Cultures Corporation of Indiana,USA)を使用する場合がある。
【0095】
発酵は、例えば、Aspergillus oryzae(コウジとしても知られる)およびAspergillus saitoiなどのAspergillus属真菌を使用する場合がある。特定の実施形態では、Aspergillus真菌はAspergillus oryzaeである。
【0096】
特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus rhamnosusおよび/またはBifidobacterium、好ましくは、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisなどの2以上の乳酸菌を使用する。
【0097】
特定の実施形態では、発酵は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus rhamnosusおよびBifidobacterium、好ましくは、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactisなどの3つ以上の乳酸菌を使用する。
【0098】
特定の実施形態では、発酵は、以下の微生物株Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophllus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium sspの組合せを使用する。
【0099】
適切な微生物培養物は、Vivolac Cultures Corporation of Indiana,USAから市販されているABY 424 NDおよびABY 421 NDなどのABYシリーズを包含する場合がある。
【0100】
ABY 421 NDと呼ばれる微生物培養物は、以下の微生物株:Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium sspを有する。ABY 424 NDと呼ばれる微生物培養物は、以下の微生物株:Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium sspを有する。
【0101】
ABY 421 NDおよびABY 424 NDは、同じ属種の株を用いて製剤化された。同じ属はいくつかの株(細菌)があり、それらはそれらの特徴ごとに分類されるが、それらのプラスミドプロファイルには、粘度産生およびラクトースを発酵する能力、ファージ感受性/耐性などのそれらの機能的特徴のいくつかを決定する違いがある。
【0102】
2つの微生物培養物のブレンドは、接種された株の比率に応じて異なる発酵速度を提供する場合がある。
【0103】
特定の実施形態では、発酵は100% ABY 421 NDを使用する。他の実施形態では、発酵は100%およびABY 424 NDを使用する。
【0104】
特定の実施形態では、発酵は、約50/50の比のABY 421 NDとABY 424 NDの組合せを使用する。特定の実施形態では、発酵は、それぞれ約70/30の比のABY 421 NDとABY 424 NDの組合せを使用する。
【0105】
特定の実施形態では、発酵は、それぞれ約30/70の比のABY 421 NDとABY 424 NDの組合せを使用する。
【0106】
発酵は、微生物(複数可)の一晩培養を使用してもよく、またはエンドウ豆タンパク質加水分解物、または酵素加水分解工程から得られる)に微生物クローンを直接接種される場合があり、発酵はそれに応じてわずかにより長い時間行われる。
【0107】
一晩培養物(シード発酵と呼ばれることもある)は、当技術分野で周知の方法によって調製される場合がある。これは、その微生物に適した温度で一晩、例えば12時間増殖される場合がある。約37℃は、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、例えば、Chr.HansenからのBB-12(登録商標)としても知られるBifidobacterium animalis lactis、またはProbiotic BifidoBHN019もしくはDR10もしくはB019としても知られるBifidobacterium animalis lactisなどのBifidobacterium animalis lactis、Streptococcus thermophilusおよび/またはAspergillus oryzaeを包含する多くの微生物に適切な温度である。いずれかの適切な培地、例えばMRSブロス(Difco、米国)が使用される場合がある。
【0108】
微生物は、例えば、担体上に投与される場合がある。例えば、微生物(例として、Aspergillus oryzae)は、米粒にコーティングされる場合がある。例えば、微生物(複数可)は、米粒上で増殖され、この形態で供給業者によって提供される場合がある(例として、Rhapsody Natural Foods,Cabot VT 05647から得ることが可能である)。これは、例えば、特定の内因性酵素および/または経路の産生を誘導し、それによって微生物に望ましい特徴を提供する場合がある。
【0109】
微生物の量は、十分な活性を確保するように選択され、微生物の活性、基質の量、およびそれが使用される条件に依存する。微生物の必要量は、異なる量を試験し、得られた生成物の効果を本明細書において記載の官能評価で試験することによって決定され得る。
【0110】
微生物の量は、例えば、エンドウ豆タンパク質の総重量に基づいて約0.1%~約1%の範囲である場合がある。例えば、使用される微生物の量は、エンドウ豆タンパク質の総重量に基づいて約0.1%~約0.5%または約0.3%~約0.7%の範囲である場合がある。
【0111】
発酵は、関与する全ての微生物に適した条件下で行われる。当業者に明らかなように、温度およびpHは、発酵が所望の程度まで起こるのに適した範囲内であるべきである。インキュベーション長さはそれに応じて変化し、条件が最適条件に近いほどインキュベーションが短くなる。選択された微生物にとって必要または有益である場合、必要な栄養素が存在する場合がある。インキュベートした混合物を、例えば撹拌(例として、50~500 rpmまたは100~200rpmで)によって撹拌することにより、発酵を改善する場合がある。乳酸菌などの一部の微生物は、嫌気性条件下でより速く増殖する場合があるため、撹拌を最小限に抑えることが好ましい場合がある。特定の実施形態では、耐気性はマンガン依存性である場合がある。
【0112】
発酵は、例えば、微生物が殺傷されるおよび/または数が減少する温度未満の温度で行われる場合がある。温度は、例えば、所望の反応速度を与えるように選択される場合がある。発酵は、例えば、約20℃~約45℃の範囲の温度で行われる場合がある。例えば、発酵は、約25℃~約40℃または約30℃~約40℃または約34℃~約40℃または約30℃~約37℃または約30℃~約35℃の範囲の温度で行われる場合がある。
【0113】
Lactobacilli、特にLactobacillus plantarum Lactiplantibacillus plantarumに有用な温度範囲は、例えば、約20℃~約40℃、または約30℃~約40℃、または約35℃~約40℃を包含し、最適温度は約36℃~約38℃である。
【0114】
Bifidobacteriaまたは乳酸菌、特にL.delbrueckii ssp.bulgaricus、Streptococcus thermophilusおよび/またはLactobacillus acidophilusに有用な温度範囲は、例えば、約20℃~約40℃、または約30℃~約40℃、または約35℃~約40℃を包含し、最適温度は約36℃~約38℃、または約30℃~約35℃、または約30℃~約37℃である。
【0115】
発酵は、例えば、微生物が変性する温度未満のpHで行われる場合がある。pHは、例えば、所望の反応速度を与えるように選択される。発酵は、例えば、約5~約8、例えば約5~約7または約6~約8または約6.5~約7.5の範囲のpHで行われる場合がある。
【0116】
発酵は、所望の生成物が形成されるまでの期間にわたって行われる場合がある。発酵は、例えば、発酵培地が約5.5以下のpH、例えば約4.5~約5.5のpHに達するまで行う場合がある。
【0117】
発酵は、例えば、約1日~約10日間の範囲の期間起こる場合がある。例えば、発酵は、約2日間~約9日間、または約3日間~約8日間、または約4日間~約7日間の範囲の期間起こる場合がある。
【0118】
特定の実施形態では、発酵は、約1日~約8日、または約2日~約6日、または約2日~約5日、または約2日~約4日、または約1~約2日の範囲の期間起こる場合がある。
【0119】
更なる処理工程
酵素加水分解および発酵の生成物は、例えば、フレーバー改変成分として直接使用される場合がある。しかしながら、方法は、例えば、1以上の追加の工程を含む場合がある。
【0120】
本明細書において記載の酵素加水分解および発酵に供されるエンドウ豆タンパク質は、例えば、エンドウ豆タンパク質の水性スラリーである場合がある。本明細書において記載の酵素加水分解および発酵に供されるエンドウ豆タンパク質はまた、例えば、エンドウ豆タンパク質ベースである場合がある。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、他の成分、例えば溶媒、結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、乳化剤、安定剤、固化防止剤、ガム、デンプン、デキストリン、ビタミン、ミネラル、機能性成分などと組み合わせて基材として使用される。したがって、特定の実施形態では、方法は、酵素加水分解および発酵の前にエンドウ豆タンパク質を水または他の成分と組み合わせることを含む場合がある。エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースは、例えば、少なくとも約5重量%のエンドウ豆タンパク質、例えば少なくとも約10重量%のエンドウ豆タンパク質、例えば少なくとも約15重量%のエンドウ豆タンパク質を含む場合がある。エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースは、例えば、最大約90重量%のエンドウ豆タンパク質または最大約50重量%のエンドウ豆タンパク質または最大約30重量%のエンドウ豆タンパク質を含む場合がある。
【0121】
特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースは、エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成する前に滅菌される。例えば、エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを約120~125℃に約30分間加熱し、続いて水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを約50℃まで冷却することによって、エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースが滅菌される場合がある。
【0122】
特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約5重量%~約60重量%の量で存在する。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約5重量%~約50重量%の量で存在する。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約5重量%~約40重量%の量で存在する。特定の実施形態では、エンドウ豆タンパク質は、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約10重量%~約30重量%の量で存在する。
【0123】
酵素加水分解および発酵は、滅菌容器内で行われるべきである。したがって、エンドウ豆タンパク質を添加する前に容器が滅菌される場合がある。
【0124】
エンドウ豆タンパク質(例として、エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベース)は、例えば、酵素加水分解および/または発酵の前に加熱される場合がある。例えば、エンドウ豆タンパク質は、酵素加水分解および/または発酵の前に、約50℃以上の温度に加熱されてもよく、例えば、50℃~約55℃の範囲の温度に加熱されてもよく、または約75℃以上、例えば約100℃以上または約110℃以上の温度に加熱される場合がある。例えば、エンドウ豆タンパク質は、酵素加水分解および/または発酵の前に、約140℃以下、例えば約130℃以下の温度に加熱される場合がある。例えば、酵素加水分解および/または発酵の前に、エンドウ豆タンパク質は、約121℃の温度に加熱される場合がある。これは、酵素加水分解および/または発酵の前に、いずれかの微生物汚染物質を不活性化および/または死滅させること、ならびに/あるいはエンドウ豆タンパク質(例として、エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベース)を水和および/または予熱することである場合がある。次いで、エンドウ豆タンパク質は、酵素(複数可)および/または微生物(複数可)が添加される前に、酵素加水分解および/または発酵に適した温度に維持され、および/または酵素加水分解および/または発酵に適した温度に冷却される。
【0125】
酵素(複数可)および/または微生物(複数可)は、例えば、フレーバー組成物または食品に組み込む前に失活される場合がある。これは、例えば、酵素および/または微生物(複数可)を不活性化するのに十分長い期間、例えば約60℃~約121℃、例えば約100℃の範囲の温度に加熱することによって行う場合がある。例えば、当技術分野で周知のいずれかの低温殺菌または滅菌方法が使用される場合がある。例えば、酵素および/または微生物は、約70℃、約90℃または約100℃以上に30分間または45分間または60分間加熱することによって失活される場合がある。約100℃、例えば約121℃を超えて約30分間加熱する場合、加圧下、例えば約12~約15psiで加熱する場合がある。
【0126】
酵素加水分解および発酵の生成物(フレーバー改変成分)は、例えば、大きな粒子を除去するために濾過または遠心分離される場合がある。酵素加水分解および発酵の生成物(フレーバー改変成分)は、例えば、例えば約100℃までの沸点を包含する蒸発によって濃縮される場合がある。酵素加水分解および発酵の生成物(フレーバー改変成分)は、例えば、当技術分野で公知の方法、例えば、およびマルトデキストリンおよび/または粘結防止剤などの担体を使用して噴霧乾燥される場合がある。
【0127】
濾過は、いずれかの適切な濾過方法によって行われる場合があり、そのような方法は、例えば、フィルタ遠心分離機内のフェルト製フィルタバッグを通過させることによって、当技術分野で周知である。濾過した培養物(残りのより小さな固体を含有する上清から、より大きな未消化タンパク質を包含するバイオマスを差し引いたもの)が濃縮され得、例えば100℃での蒸発/沸騰によって2倍濃縮され得る。得られた濃縮物の固形分は、水分分析器を使用して決定され得、例えば、適切な担体上に噴霧乾燥され得る。多くの担体、例えば限定されないが、ポテトマルトデキストリン担体(例えば、担体に対する2×濃縮物の固形分約1:1の比が適切である場合がある)は当技術分野で周知である。場合により、固化防止剤が添加される場合があり、そのような薬剤は周知である。適切な固化防止剤は、例えば、トリカルシウムホスフェート(TPC)であり、2倍濃縮物の総重量に基づいて約0.5%(wt/wt)が適切な量であろう。
【0128】
フレーバー改変成分は、例えば、濾過された形態および/または濃縮された形態で使用される場合がある。
【0129】
酵素加水分解および発酵の生成物(フレーバー改変成分)は、例えば、プロピレングリコールなどの1以上の安定剤と組み合わせられる場合がある。
【0130】
製品
本明細書において記載のプロセスによって作られたフレーバー改変成分は、フレーバー組成物および/または食品組成物中で直接使用される場合があり、または上記のように更なる処理を受ける場合がある。例えば、フレーバー改変成分は、濾過および/または濃縮および/またはペーストおよび/または噴霧乾燥形態である場合がある。フレーバー改変成分は、例えば、プロピレングリコールなどの安定剤と組み合わせてもよく、または噴霧乾燥プロセスで使用される1以上の担体および/または固化防止剤と組み合わせられる場合がある。フレーバー改変成分は、例えば、食品のラベリングおよび/または食品の規制の理由から天然のクリーンラベル製品であると考えられる場合がある。例として、フレーバー改変成分は、例えば、すぐに食べられる(Ready to Eat)(RTE)またはすぐに飲める(Ready to Drink)(RTD)製品およびすぐに食べられる(Ready to Eat)(RTE)またはすぐに飲める(Ready to Drink)(RTD)製品であると考えられる場合がある。
【0131】
フレーバー改変成分の最終形態は、当技術分野で周知の方法に従って選択される場合があり、特定の食品用途に依存する。液体食品、例えば飲料の場合、フレーバー改変成分は、その液体形態で更に処理することなく使用され得る。クラッカーなどの乾燥用途では、噴霧乾燥された濃縮フレーバー改変成分が使用され得る。
【0132】
フレーバー改変成分は、食品に直接添加されてもよく、または食品をフレーバー付けまたは調味するためのフレーバー組成物の一部として提供される場合がある。
【0133】
フレーバー組成物は、フレーバー改変成分と、任意選択的に1以上の食品等級賦形剤とを含有する。フレーバー組成物に適した賦形剤は、当技術分野で周知であり、例えば、限定されないが、溶媒(水、アルコール、エタノール、油脂、植物油、ミグリオールを包含する)、結合剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、香味剤、着色剤、保存剤、酸化防止剤、乳化剤、安定剤、フレーバー増強剤、甘味剤、粘結防止剤などを包含する。フレーバーのためのそのような担体または希釈剤の例は、例として、“Perfume and Flavour Materials of Natural Origin”,S.Arctander,Ed.,Elizabeth,N.J.,1960;in“Perfume and Flavor Chemicals”,S.Arctander,Ed.,Vol.I&II,Allured Publishing Corporation,Carol Stream,USA,1994;in“Flavourings”,E.Ziegler and H.Ziegler(ed.),Wiley-VCH Weinheim,1998,and“CTFA Cosmetic Ingredient Handbook”,J.M.Nikitakis(ed.),1st ed.,The Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association,Inc.,Washington,1988に見出される場合がある。
【0134】
フレーバー組成物は、フレーバー化合物、植物源を包含する天然源からのフレーバー、および発酵によって作られた成分を包含する追加のフレーバー成分を含有する場合がある。
【0135】
香味組成物は、いずれかの適切な形態、例えば、液体もしくは固体、湿潤もしくは乾燥、または担体/粒子に結合したもしくはコーティングされたカプセル化された形態、または粉末としての形態を有する場合がある。
【0136】
特定の実施形態では、フレーバー組成物は、例えば、フレーバー組成物の総重量に基づいて、約0.001%~約50%(wt/wt)のフレーバー改変成分を含む場合がある。特定の実施形態では、フレーバー組成物は、フレーバー組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約40%(wt/wt)のフレーバー改変成分を含む。特定の実施形態では、フレーバー組成物は、フレーバー組成物の総重量に基づいて、約1%~約30%(wt/wt)のフレーバー改変成分を含む。特定の実施形態では、フレーバー組成物は、フレーバー組成物の総重量に基づいて、約1%~約20%(wt/wt)のフレーバー改変成分を含む。特定の実施形態では、フレーバー組成物は、フレーバー組成物の総重量に基づいて、約2%~約20%(wt/wt)のフレーバー改変成分を含む。特定の実施形態では、フレーバー組成物は、フレーバー組成物の総重量に基づいて、約3%~約15%(wt/wt)のフレーバー改変成分を含む。
【0137】
「食品」という用語は、例えば、食品、飲料、栄養補助食品、およびマウスウォッシュを包含するデンタルケア製品を包含する、口腔内に配置されるが必ずしも摂取されないいずれかの製品を包含する広い意味で使用される。
【0138】
食品は、穀類製品、米製品、パスタ製品、ラビオリ、タピオカ製品、サゴ製品、ベーカーズ製品、ビスケット製品、製菓製品、パン製品、製菓製品、スイーツ製品、ガム、チューインガム、チョコレート、氷菓、ハチミツ製品、糖衣錠製品、酵母製品、食塩および香辛料製品、香辛料食品、マスタード製品、酢製品、ソース(調味料)、加工食品、調理済み果実および野菜製品、肉および肉製品、肉類似品/代用品/代替品、ゼリー、ジャム、フルーツソース、卵製品、乳製品(乳を包含する)、チーズ製品、バターおよびバター代替品、乳代替品、大豆製品(例として、大豆「ミルク」)、油脂製品、医薬品、飲料、ジュース、フルーツジュース、野菜ジュース、食品抽出物、植物抽出物、肉抽出物、栄養補助食品、ゼラチン、錠剤、ロゼンジ、ドロップ、エマルジョン、エリキシル、シロップ、およびそれらの組合せを包含する。
【0139】
例示的なフレーバーのある製品は、塩スナック(ポテトチップス、ポテトチップス、ナッツ類、トルティラートスターダ、プレッツェル類、チーズスナック、コーンスナック、ポテトスナック)、ready-to-eatポップコーン、電子レンジで調理可能なポップコーン、ポークリンド、ナッツ、クラッカー、クラッカースナック、朝食用穀類、肉、アスピック、硬化肉(ハム、ベーコン)、昼食/朝食用肉(ホットドッグ、コールドカット、ソーセージ)、トマト製品、マーガリン、ピーナッツバター、スープ(透明、缶詰、クリーム、即席、超高温「UHT」)、缶詰野菜、マヨネーズ、ビーガンマヨネーズおよびパスタソースを包含するが、これらに限定されない。
【0140】
特に興味深いのは、例えば、牛乳(例として、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、ラクダ乳)、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、およびカスタードなどの乳製品である。乳製品は、例えば、甘味料または非甘味料である場合がある。乳製品(例として、ミルク)は、例えば、全脂、低脂または無脂である場合がある。
【0141】
乳製品代替製品も特に興味深い。代替乳製品は、動物から得られた真の乳製品を含まない植物ベースの製品である。例えば、乳製品代替製品は、例えば、大豆、エンドウ豆、アーモンド、米、エンドウ豆、ココナッツ、およびナッツ(例として、カシュー)に由来する場合がある代替「ミルク」、「クリーム」、および「ヨーグルト」製品を包含する。乳製品代替製品は、例えば、甘味料化または非甘味料化される場合がある。
【0142】
更に特に興味深いのは、例えば、アルコール性および非アルコール性のすぐに飲める飲料および乾燥粉末飲料を包含する、飲料混合物および濃縮物を包含する飲料、炭酸飲料および非炭酸飲料、例として、ソーダ、フルーツジュースまたは野菜ジュース、アルコール飲料および非アルコール飲料である。飲料は、例えば、甘味をつけてもよいし、甘味をつけない場合がある。
【0143】
加工食品は、マーガリン、ピーナッツバター、スープ(透明、缶詰、クリーム、即席、UHT)、グレービー、缶入りジュース、缶入り野菜ジュース、缶入りトマトジュース、缶入りフルーツジュース、缶入りジュース飲料、缶入り野菜、パスタソース、冷凍主菜、冷凍主菜、乾燥包装主菜(マカロニ&チーズ、ドライディナーズアド肉、ドライサラダ/惣菜ミックス、ドライディナーズウィズ肉)を包含する。スープは、濃縮ウェット、レディ・トゥ・サービング、ラーメン、ドライ、およびブイヨン、加工および事前調製された低ナトリウム食品を包含する様々な形態である場合がある。
【0144】
特に興味深いのは、例えば、アルコール性および非アルコール性のすぐに飲める飲料および乾燥粉末飲料を包含する、飲料混合物および濃縮物を包含する飲料、炭酸飲料および非炭酸飲料、例として、ソーダ、フルーツジュースまたは野菜ジュース、アルコール飲料および非アルコール飲料である。飲料は、例えば、甘味をつけてもよいし、甘味をつけない場合がある。更に特に興味深いのは、低カロリーの柑橘類フレーバー飲料である。
【0145】
特定の実施形態では、食品は、例えば、食品の総重量に基づいて、約0.1ppm~約200ppmのフレーバー改変成分を含む場合がある。特定の実施形態では、食品は、例えば、食品の総重量に基づいて、約1ppm~約100ppmのフレーバー改変成分を含む場合がある。特定の実施形態では、食品は、例えば、食品の総重量に基づいて、約1ppm~約50ppmのフレーバー改変成分を含む場合がある。特定の実施形態では、食品は、例えば、食品の総重量に基づいて、約1ppm~約20ppmのフレーバー改変成分を含む場合がある。特定の実施形態では、食品は、例えば、食品の総重量に基づいて、5ppm未満のフレーバー改変成分を含む場合がある。特定の実施形態では、食品は、例えば、食品の総重量に基づいて約1ppmのフレーバー改変成分、または食品の総重量に基づいて約1~約2ppmのフレーバー改変成分、または食品の総重量に基づいて約0.1~約5ppmのフレーバー改変成分、または食品の総重量に基づいて約0.1~約2ppmのフレーバー改変成分を含む場合がある。
【0146】
フレーバー改変成分は、濃縮されていない形態または濃縮された形態で使用されてもよく、または濃縮物は、当技術分野で公知の方法によってペーストまたは粉末に製剤化される場合がある。この場合、使用される量はそれに応じて調整されなければならない。スパイスなどのフレーバー組成物は、多くの場合、例えば10倍濃縮物など、より濃縮されており、濃度はそれに応じてより高く調整される(250ppm~3000ppm)。
【0147】
適切な濃度のフレーバー改変成分は、感覚刺激滴定によって容易に試験することができる。この技術は、官能分析の分野でよく知られている。
【0148】
フレーバー組成物および食品は、例えば、1以上の甘味料を含む場合がある。甘味組成物に使用される場合がある甘味料の例は、例えば、国際公開第2016/038617号に開示されており、その内容は参照により本明細書において組み込まれる。
【0149】
1以上の甘味料は、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオール配糖体(例として、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドG、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM、レバウディオサイドN、レバウディオサイドO、ズルコシドA、ズルコシドB、ルブソシド、ナリンジンジヒドロカルコン、ステビオシド)、モグロシド(例として、グロベノリンII、グロベノリンI、11-O-モグロサイドII(I)、11-O-モグロサイドII(II)、11-O-モグロサイドII(III)、モグロサイドII(I)、モグロサイドII(III)、11デヒドロキシ-モグロサイドIII、11-O-モグロサイドIII、モグロサイドIII(I)、モグロサイドIII(II)、モグロサイドIIIe、モグロサイドIIIx、モグロサイドIV(I)(シロメノシド)、モグロサイドIV(II)、モグロサイドIV(III)、モグロサイドIV(IV)、デオキシモグロサイドV(I)、デオキシモグロサイドV(II)、11-O-モグロサイドV(I)、モグロサイドV異性体、モグロサイドV、イソモグロサイドV、7-O-モグロサイドV、11-O-モグロサイドVI、モグロサイドVI(I)、モグロサイドVI(II)、モグロサイドVI(III)(ネオモグロサイド)およびモグロサイドVI(IV))、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、アドバンターム、アガルブシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、水あめ、羅漢果抽出物、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギン、糖アルコール(例として、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)、セロビオース、プシコース、およびシクラメートから選択される場合がある。
【0150】
1以上の甘味料は、例えば、高強度甘味料および/または低強度甘味料から選択される場合がある。
【0151】
「高甘味度甘味料」という用語は、スクロースの甘味の少なくとも100倍の甘味を有する化合物を指す。特定の実施形態では、高甘味度甘味料は、スクロースの甘味の少なくとも約120または少なくとも約140または少なくとも約150または少なくとも約160または少なくとも約180または少なくとも約200または少なくとも約220または少なくとも約240または少なくとも約250または少なくとも約260または少なくとも約280または少なくとも約300または少なくとも約320または少なくとも約340または少なくとも約350または少なくとも約360または少なくとも約380または少なくとも約400または少なくとも約420または少なくとも約440または少なくとも約450倍の甘味を有する。高甘味度甘味料は、例えば、スクロースの甘味の最大1000倍の甘味を有する場合がある。
【0152】
1以上の高甘味度甘味料は、例えば、1以上のステビオール配糖体および/または1以上のモグロシドである場合がある。例えば、1以上の高強度甘味料は、ステビオール配糖体およびモグロシドの混合物である場合がある。例えば、1以上の高強度甘味料は、1以上のステビオール配糖体である場合がある。例えば、1以上の高強度甘味料は、1以上のモグロシドである場合がある。
【0153】
ステビオール配糖体の例は、例えば、ステビオサイド(CAS:57817-89-7)、レバウディオサイドA(CAS:58543-16-1)、レバウディオサイドB(CAS:58543-17-2)、レバウディオサイドC(CAS:63550-99-2)、レバウディオサイドD(CAS:63279-13-0)、レバウディオサイドE(CAS:63279-14-1)、レバウディオサイドF(CAS:438045-89-7)、レバウディオサイドG(CAS:127345-21-5)、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI(CAS:1220616-34-1)、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM(CAS:1220616-44-3)、レバウディオサイドN(CAS:1220616-46-5)、レバウディオサイドO(CAS:1220616-48-7)、ズルコシドA(CAS:64432-06-0)、ズルコシドB(CAS:63550-99-2)、ルブソシド(CAS:64849-39-4)およびナリンギンジヒドロカルコン(CAS:18916-17-1)を包含する。
【0154】
特定の実施形態では、高強度甘味料は、モグロシドIV、シアメノシド、ネオモグロシドおよびモグロシドV(それらの全ての異性体を包含する)の1以上である場合がある。例えば、高甘味度甘味料は、モグロシドIV、シアメノシドおよびモグロシドV(それらの全ての異性体を包含する)の混合物である場合がある。
【0155】
特定の実施形態では、フレーバー改変成分は、甘味食品に添加される。特定の実施形態では、食品は、少なくとも1つの高強度甘味料および/または少なくとも1つの低強度甘味料で甘味付けされる。
【0156】
フレーバー組成物または食品に添加される1つ以上の甘味料は、天然、人工、および/または高強度である場合があり、製品をより魅力的にするように機能する場合がある。ステビアまたはステビア誘導体などの天然の高甘味度甘味料は、他の天然の高甘味度甘味料、糖(例として、液体糖、結晶化糖、ハチミツ、アガベ、サトウキビジュースなど)、および/または人工甘味料(例として、スクラロース、アスパルテーム、サッカリンなど)などの他の甘味料の代替として、または他の甘味料と組み合わせて低カロリーとして使用される場合がある。いくつかの実施形態では、天然の高甘味度甘味料と組み合わせる糖の量は、選択された甘味レベルおよび選択されたカロリー数をもたらすように選択さる場合があり、一方、天然の高甘味度甘味料のみに関連する場合がある金属または苦味を最小限に抑える。
【0157】
特定の実施形態では、砂糖ブレンドは、フレーバー組成物または食品に添加される。砂糖ブレンドは、飲料などの低カロリーまたは中カロリー用途に使用される場合がある。特定の実施形態では、糖ブレンドは、少なくとも1つの高強度甘味料および少なくとも1つの低強度甘味料を含む。例示的な低強度甘味料は、スクロース、デキストロース、フルクトース、またはそれらの組合せを包含する。例示的な高甘味度甘味料は、レバウディオサイドA、アセスルファムカリウム、スクラロースを包含する。適切な糖ブレンドは、例えば、アセスルファムカリウム、スクラロースおよびスクロースを含む場合がある。別の適切な糖ブレンドは、例えば、レバウディオサイドAおよびスクロースを含む場合がある。
【0158】
使用
本明細書において記載の方法によって得られるおよび/または得ることが可能なフレーバー改変成分は、例えば、食品のフレーバーまたは食感を改変するために食品(例として、フレーバー組成物の一部として)に添加される場合がある。
【0159】
本明細書において記載の方法によって得られるおよび/または得ることが可能なフレーバー改変成分は、例えば、食品の食感を改善するため、および/または食品のオフノートをマスキングするため、および/または食品の甘味を改善するため、および/または食品中のプレバイオティクスとして作用するため、および/または食品中のプレバイオティクスとして作用するために使用する場合がある。
【0160】
したがって、改善された食感および/または低減されたオフノートおよび/または改善された甘味および/またはプレバイオティクスとしての使用および/またはプレバイオティクスとしての使用を有する食品を提供する方法であって、本明細書において記載の方法によって得られたおよび/または得ることが可能なフレーバー改変成分を食品と混合することを含む方法も本明細書において提供される。
【0161】
一般的な用語では、「食感」は、食品および飲料製品の香り、味、および食感品質によって影響されるような、口の中で経験される知覚の複雑さを指す。しかしながら、技術的観点から、口当たり感覚は、三叉神経を介して口で知覚される物理的(例として、触感、温度)および/または化学的(例として、疼痛)特性に特に関連する。したがって、それらは口腔触覚刺激の結果であり、口腔粘膜、唇、舌、頬、口蓋および咽喉に位置する機械的、疼痛および温度受容体に関与する。
【0162】
口当たり知覚は、例えば、食感-収斂性、灼熱感、冷たさ、刺痛、濃厚、噛み込み、脂肪、油性、ぬめり、泡立ち、融解、砂質、チョーク状、水様性、酸性、リンガリング、金属性、ボディ、ボディスイート、炭酸塩化、冷却、加温、高温、肉汁状、口中乾燥、麻痺、辛味、唾液分泌性、海綿状、べたつき、ふんわり感、凝集性、密度、破砕性、粒状性、粒状性、ゴム状性、硬度、重さ、吸湿性、水分放出、食感、食感、粗さ、滑り性、滑らかさ、均一性、噛みの均一性、吸い上げの均一性、粘度、急速拡散、フルボディ、唾液分泌および保持のうちの1以上を包含する。
【0163】
前述のように、食品または飲料の知覚される食感は、テクスチャ特性に加えて香りおよび味の属性の存在によって広く影響を受ける可能性がある。したがって、多数の他の属性は、例えば、甘味、塩味、旨味、酸味、苦味、クリーミーな酸味、酸性、酸性の乳製品、ネギ、焼きオニオンおよびパセリなどの味または香りの1以上を包含する、製品の経験した全体的な食感に影響を及ぼし得る。
【0164】
「食感の改善」とは、いずれかの1以上の所望の食感知覚が強化されること、および/またはいずれかの1以上の望ましくない食感知覚が低減されることを意味する。特に、本明細書において記載の製品および方法によって、甘味、滑らかさ、シロップ状、砂糖のような知覚の1以上が増強される場合がある。
【0165】
「オフノートのマスキング」とは、訓練されたパネリストによって分析されるように、オフノートのマスキングを有する材料を含む食品を、追加されたオフノートのマスキング材料を含まない食品と比較するとき、食品中の望ましくない属性の知覚の強度および/または長さが低減されることを意味する。
【0166】
「甘味の改善」とは、甘味改善効果を有する成分を含む食品を、甘味改善成分を添加していない食品と比較した場合に、訓練されたパネリストによって分析されたように、より好ましいことが分かった食品の甘味特性に対するフレーバー改変成分の効果を意味する。
【0167】
甘味の改善は、例えば、スクロース(糖)の甘味特性により類似した甘味特性を提供する場合がある。
【0168】
甘味特性は、フレーバープロファイル(味プロファイル)を指し得、これは、所与の化合物のフレーバーおよび知覚属性の強度を指す場合がある。甘味の例示的なフレーバー属性は、甘味強度、苦味、黒甘草などである。
【0169】
甘味特性は、経時的な甘味の知覚の変化を指す時間プロファイルを指す場合がある。全ての甘味料は、特徴的な外観時間(AT)および消滅時間(ET)を示す。ほとんどの高強度甘味料は、ETの延長(滞留)を示す。一般に、検出されたスクロース当量は、最大応答レベルまでスパイクし、次いで経時的に漸減する。テーパーが長いほど、化合物の検出された甘味リンガーは大きくなる。
【0170】
甘味改善は、例えば、フレーバー改変成分が甘味食品に使用される場合に特に得られる場合がある。甘味の改善は、例えば、飲料、例えば甘味飲料において特に得られる場合がある。
【0171】
特定の実施形態では、フレーバー改変成分は、食品の長引く甘味を弱めるために使用される場合がある(例として、甘味食品)。言い換えれば、フレーバー改変成分は、食品(例として、甘味食品)の消滅時間(ET)を減少させるために使用される場合がある。これは、食品が最初に摂取または吐き出された後の口の中の甘味の望ましくない持続に関する。長引く甘味とは、例えば、最初に検出された後に甘味が残っている時間の長さ、最初に検出された後に甘味の強さがどれだけ急速に減少または消失するか、および最初に検出された後の甘味の強さを指す場合がある。フレーバー改変成分は、例えば、甘味が最初に検出された後に残る時間の長さを減少させ、および/または甘味が最初に検出された後に減少する速度を増加させ、および/または甘味が最初に検出された後に甘味の強度を減少させる場合がある。
【0172】
特定の実施形態では、フレーバー改変成分は、食品(例として、甘味食品)の苦味および/または収斂味および/または金属味および/または甘草味を弱めるために使用される場合がある。
【0173】
特定の実施形態では、フレーバー改変成分は、食品(例として、甘味食品)の甘味影響を強化するために使用される場合がある。甘味影響は、甘味が最初に検出されるまでにかかる時間の長さおよび甘味が最初に検出される強度に関する。フレーバー改変成分は、例えば、甘味が最初に検出されるまでの時間を減少させ、および/または甘味が最初に検出される強度を増加させる場合がある。
【0174】
本明細書において記載される甘味度および他の甘味特性は、例えば以下の例に記載されるように、訓練された専門家の試飲パネルによって評価される場合がある。
【0175】
「プレバイオティクス」とは、例えば腸内細菌叢の活性を増加させることによって、および/または腸内細菌叢の集団を増加させることによって、腸内細菌叢の効果を改善するためのフレーバー改変成分の効果を意味する。「プロバイオティクス」とは、生菌、例えば本明細書において記載の微生物株または株のブレンド、発酵物質、例えばエンドウ豆タンパク質が意味される。
【0176】
本明細書および以下の特許請求の範囲を通して、文脈上別段の要求がない限り、「備える」という単語、ならびに「備える」および「を含む」などの変形は、記載された整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を含むが、いずれかの他の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を除外しないことを意味すると理解される。「を含む」という用語はまた、「包含する」ならびに「からなる」を意味し、例として、組成物「を含む」Xは、Xのみからなってもよく、または何らかの追加のもの、例えばX+Yを包含する場合がある。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「a」および「」は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を包含することにも留意されたい。例として、「遺伝子(a gene)」または「酵素(an enzyme)」への言及は、「1以上の遺伝子」または「1以上の酵素」への言及である。
【0177】
本明細書およびその特許請求の範囲において、「含む」という動詞およびその活用形は、その語に続く項目が包含されるが、具体的に言及されていない項目は除外されないことを意味するためにその非限定的な意味で使用される。加えて、「~からなる」という動詞は、本明細書において記載の組成物が具体的に特定されたもの以外の追加の構成要素を含む場合があることを意味する「~から本質的になる」に置き換えられてもよく、該追加の構成要素は本発明の固有の特性を変化させない。更に、「~からなる」という動詞は、本明細書において記載の方法または使用が、具体的に特定されたもの以外の追加の工程を含む場合があることを意味する「~から本質的になる」に置き換えられる場合があり、該追加の工程は、本発明の固有の特性を変更しない。更に、「からなる」という動詞は、本明細書において記載のヌクレオチドまたはアミノ酸配列が、具体的に同定されたものよりも追加のヌクレオチドまたはアミノ酸を含む場合があることを意味する「から本質的になる」に置き換えられてもよく、該追加のヌクレオチドまたはアミノ酸は、本発明の固有の特徴を変化させない。
【0178】
本明細書において使用される場合、「少なくとも」特定の値は、その特定の値以上を意味する。例えば、「少なくとも2つ」は、「2以上」、すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、...などと同じであると理解される。
【0179】
「約」または「およそ」という用語は、数値(例として、約10)に関連して使用される場合、好ましくは、その値がその値の1%以上または以下の所与の値(10の)である場合があることを意味する。
【0180】
本明細書において使用される場合、「および/または」という用語は、「および/または」という用語によって接続された群の全てのメンバーが、いずれかの組合せで互いに対して累積的に表され、あるいは互いに対して累積的に表されることを意味すると理解される。例えば、「A、Bおよび/またはC」という表現に関して、以下の開示は、それに基づいて理解されるべきである:i)(AまたはBまたはC)、またはii)(AおよびB)、またはiii)(AおよびC)、またはiv)(BおよびC)、またはv)(AおよびBおよびC)、またはvi)(AおよびBまたはC)、またはvii)(AまたはBおよびC)、またはviii)(AおよびCまたはB)。
【0181】
様々な実施形態が本明細書において記載される。本明細書において特定される各実施形態は、特に明記しない限り、一緒に組み合わされる場合がある。本開示は、本明細書において記載の特定の方法論、プロトコルおよび試薬に限定されず、これらは変化する場合があることを理解されたい。本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本開示の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本開示によれば、当技術分野の技能の範囲内である従来の分子生物学、微生物学、および組換えDNA技術が使用される場合がある。
【0182】
本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成要素の構造および配置の詳細に限定されない。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。また、本明細書において使用される表現および用語は、説明のためのものであり、限定と見なされるべきではない。好ましくは、本明細書において使用される用語は、“A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)”,Leuenberger,H.G.W,Nagel,B.and Kolbl,H.eds.(1995),Helvetica Chimica Acta,CH-4010 Basel,Switzerland)に記載されるように定義される。
【0183】
本明細書の本文を通して、いくつかの文献が引用される。本明細書において引用される各文献(全ての特許、特許出願、科学出版物、製造業者の仕様書、説明書、GenBank受託番号配列提出物などを包含する)は、上記であろうと下記であろうと、その全体が参照により本明細書において組み込まれる。
【0184】
本明細書において記載の例は、本開示を例示するものであり、限定することを意図するものではない。本開示の様々な実施形態を本開示に従って説明されてきた。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載および例示された技術に対して多くの修正および変形がなされる場合がある。したがって、例は例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0185】
態様
1.フレーバー改変成分を製造するための方法であって、方法が、
i.エンドウ豆タンパク質の水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを形成する工程;
ii.エンドウ豆タンパク質を、1以上のタンパク質分解酵素を使用して酵素加水分解に供して、エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成する工程;
iii.エンドウ豆タンパク質加水分解物を、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus casei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactiplantibacillus plantarum、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、Bifidobacterium、Bifidobacterium animalis lactisおよび/またはStreptococcus thermophilusからなる群から選択される1以上の乳酸菌を使用して発酵に供する工程;
を含む、フレーバー改変成分を製造するための方法。
【0186】
2.エンドウ豆タンパク質が、エンドウ豆タンパク質液、エンドウ豆タンパク質単離物、エンドウ豆タンパク質濃縮物、エンドウ豆粉およびそれらの混合物からなる群から選択される、態様1に記載の方法。
【0187】
3.エンドウ豆タンパク質が、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて、約10重量%~約30重量%の量で存在する、態様1または2に記載の方法。
【0188】
4.エンドウ豆タンパク質加水分解物を形成する前に、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを滅菌することを更に含む、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
5.水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを約120~125℃で約30分間滅菌し、続いて水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを約50℃に冷却させることを更に含む、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
6.1以上のタンパク質分解酵素が、プロテイナーゼ、ペプチダーゼ、グルタミナーゼおよびそれらの混合物からなる群から選択される、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
7.1以上のタンパク質分解酵素がエンドペプチダーゼ活性およびエキソペプチダーゼ活性の両方を含む、態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
8.2以上のタンパク質分解酵素を使用することを含む、態様1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
9.エンドウ豆タンパク質を約40℃~60℃で約10~約20時間、第1のタンパク質分解酵素で加水分解し、続いてエンドウ豆タンパク質を約40℃~60℃で約1~約5時間、第2のタンパク質分解酵素で加水分解することを含み、第1のタンパク質分解酵素は第2のタンパク質分解酵素とは異なる、態様1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0194】
10.第1のタンパク質分解酵素を水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースに、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に基づいて約5重量%~約1重量%の量で添加し、続いて第2のタンパク質分解酵素を水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースに、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に対して約.01重量%~約0.1重量%の量で添加することを含む、態様9に記載の方法。
【0195】
11.乳酸菌が、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus casei、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus brevis、Lactobacillus helveticus、L.delbrueckii ssp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium、Lactobacillus rhamnosusおよびそれらの組合せ、好ましくは、Bifidobacterium、Lactobacillus acidophilus、L.delbrueckii ssp.bulgaricus、Lactobacillus paracasei Streptococcus thermophilusおよびそれらの組合せを含む組合せからなる群から選択される、態様1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
12.乳酸菌が、Lactobacillus plantarumである、態様11に記載の方法。
【0197】
13.水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースの総重量に対して、乳酸菌を1重量%~約1重量%(重量基準)の量で水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースに添加することを含む、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
14.エンドウ豆タンパク質加水分解物を約35℃~約40℃で約5~約10時間発酵に供することを含む、態様1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
15.エンドウ豆タンパク質加水分解物を発酵に供した後に、水性スラリーまたはエンドウ豆タンパク質ベースを滅菌することを含む、態様1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
16.態様1~15のいずれか1つに記載の方法によって得ることが可能および/または得られるフレーバー改変成分。
【0201】
17.フレーバー改変成分が噴霧乾燥されている、態様16に記載のフレーバー改変成分。
【0202】
18.態様16または17に記載のフレーバー改変成分と、少なくとも1つの食品グレードの賦形剤とを含む、食品用のフレーバー組成物。
【0203】
19.フレーバー改変成分が、フレーバー組成物の総重量に基づいて、約1%~約20%の量で存在する、態様18に記載のフレーバー組成物。
【0204】
20.1以上の甘味料を更に含む、態様18または19に記載のフレーバー組成物。
【0205】
21.1以上の甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオールグリコシド(例として、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、ステビオサイド)、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、有利には、アガーブシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、水あめ、羅漢果抽出物、モグロシド、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギン、および糖アルコール(例として、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)から選択される、態様20に記載のフレーバー組成物。
【0206】
22.態様16または17に記載のフレーバー改変成分を含む食品。
【0207】
23.フレーバー改変成分が、食品の総重量に基づいて約1ppm~約100ppmの量で存在する、態様22に記載の食品。
【0208】
24.フレーバー改変成分が、食品の総重量に基づいて約0.1ppm~約20ppmの量で存在する、態様23に記載の食品。
【0209】
25.食品が柑橘類フレーバー飲料である、態様22~24のいずれか1つに記載の食品。
【0210】
26.更に、1以上の甘味料を含む、態様22~25のいずれか1つに記載の食品。
【0211】
27.1以上の甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオールグリコシド(例として、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドM、ステビオサイド)、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、有利には、アガーブシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、水あめ、羅漢果抽出物、モグロシド、ネオヘスピリジン、ジヒドロカルコン、ナリンギン、および糖アルコール(例として、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)から選択される、態様26に記載の食品。
【0212】
28.食品の甘味を改善するための、請求項16または17に記載のフレーバー改変成分の使用。
【0213】
29.食品の甘味を調節する方法であって、方法は、態様16または17に記載のフレーバー改変成分を食品と混合する工程を含む、食品の甘味を調節する方法。
【0214】
30.飲料ベース、柑橘類フレーバーおよび甘味を改変する割合の態様16または17のフレーバー改変成分を含む、柑橘類フレーバー飲料。
【0215】
例
例1-エンドウ豆タンパク質を使用したフレーバー改変成分の調製
水中15%のエンドウ豆タンパク質単離物を用いてスラリーが調製された。
【0216】
次いで、スラリー中のエンドウ豆タンパク質が、0.1から1%レベルで添加したUmamizyme(Amano)によって50℃で約4時間、部分的に加水分解された。
【0217】
次いで、スラリーが45分間121℃に加熱されて、出発物質からの微生物汚染を除去し、酵素を不活性化し、次いで、培養物BB-12(登録商標)(Bifidobacterium animalis lactis)またはLGG(登録商標)(Lactobacillus rhamnosus)で約24時間発酵させた。
【0218】
6.18の初期pHは、LGG(登録商標)では5.35に、BB-12(登録商標)では4.9に低下した。
【0219】
サンプルの最終熱処理は、121℃で15分間行われた。
【0220】
官能評価は、訓練された専門パネリストによって、非乳製品ヨーグルトベースで0.15%で行われた。両方のサンプルは、心地よいフレーバーおよび良好な食感特性を提供すると考えられた。
【0221】
例2-有機エンドウ豆タンパク質単離物を使用したフレーバー改変成分の調製
0.1% NaClを添加した水中約18%の有機エンドウ豆タンパク質単離物(Wisconsin,USAのPuris,LLCから入手)を用いてスラリーが調製された。
【0222】
スラリーが121℃で30分間滅菌されて、出発物質からの微生物汚染が除去され、50℃まで冷却された。
【0223】
次いで、スラリー中のエンドウ豆タンパク質が、50℃で約16時間、約0.6%(または4%酵素対タンパク質比)で添加されたUmamizyme(Amano)で加水分解された。
【0224】
次いで、グルタミナーゼPG-500(Amano)が、0.02%(またはタンパク質に対して0.13%)で添加され、プロセスを50℃で更に2時間続けた。
【0225】
次いで、スラリーが37℃に冷却され、約0.3%で添加したLb plantarumが接種され、最小限の撹拌で37℃で6時間インキュベートされた。
【0226】
スラリーの最終滅菌は121℃で45分間であった。
【0227】
材料は、そのまま、またはプロピレングリコール(30%)で更に安定化した後に使用され得る。
【0228】
例3-フレーバー改変成分を含有する柑橘類フレーバー飲料
3%スクロース、0.05%クエン酸および0.008%レバウディオサイドAを含む水中ステビア/糖ハイブリッドベースを使用して、柑橘類フレーバー飲料が調製された。
【0229】
例2に記載されたプロセスに従って製造されたフレーバー改変成分が1ppmの濃度で柑橘類フレーバー飲料に添加された。
【0230】
官能的に訓練された専門パネリストによって、改変柑橘類フレーバー飲料の官能評価が行われた。パネリストは、改変柑橘類フレーバー飲料が心地よい砂糖の味および食感を提供することを見出した。パネリストによって使用/提供された官能的記述子/コメントは以下の通りであった:オフノートをマスキング、口当たりの追加、および糖質の増加。砂糖のような味は、砂糖が低減/部分的に置換された炭酸清涼飲料において非常に望ましい。柑橘類フレーバー飲料はまた、飲料を調製するために使用される糖ブレンド(ステビア/糖ハイブリッドベース)のために低いカロリー値を有していた。
【0231】
例4-フレーバー改変成分を含有する植物系タンパク質飲料
水中で3%スクロース、3%エンドウ豆タンパク質および0.03%ジェランガムを使用して、植物ベースのタンパク質飲料が調製された。
【0232】
例2に記載されたプロセスに従って製造されたフレーバー改変成分が1ppmの濃度で植物ベースタンパク質飲料に添加された。
【0233】
官能的に訓練された専門パネリストによって、改変植物ベースタンパク質飲料の官能評価が行われた。パネリストは、改変植物ベースタンパク質飲料が心地よい味および食感を提供することを見出した。パネリストによって使用/提供された官能的記述子/コメントは以下の通りであった:オフノートをマスキング、口当たりの追加、および糖質の増加。
【0234】
例5-フレーバー改変成分を含有するレモンライム炭酸清涼飲料
以下の組成を有するレモンライム炭酸清涼飲料(100カロリー)が調製された。
【表1】
【0235】
例2に記載されたプロセスに従って製造されたフレーバー改変成分が、1ppmの濃度でレモン石灰炭酸清涼飲料に添加された。
【0236】
フレーバー改変成分を含まないレモン石灰炭酸清涼飲料(対照)およびフレーバー改変成分を含有する改変レモン石灰炭酸清涼飲料の官能評価は、官能訓練された専門パネリストによって行われた。パネリストは、以下を見出した。
・改質レモンライムカーボネート化ソフトドリンクは、対照と比較して、より良い立ち上がりスイートインパクト、より明るいフレーバーおよびより薄いボディを有していた。
・改質レモンライムカーボネート化ソフトドリンクは、良好な甘味、清浄な仕上がりを有し、対照に存在する不快な長引く甘味を付与しなかった。
・改質レモンライムカーボネート化ソフトドリンクは、対照と比較してスクロース(砂糖)の味により近い低減された「人工」甘味ピークを提供した。
・改質レモンライムカーボネート化ソフトドリンクは、対照と比較して、サトウキビの特徴が強く、砂糖が多い。
【0237】
例6-フレーバー改変成分を含有するレモンライム炭酸清涼飲料
以下の組成を有するレモンライム炭酸清涼飲料(100カロリー)が調製された。
【表2】
【0238】
例2に記載されたプロセスに従って製造されたフレーバー改変成分が、1ppmの濃度でレモン石灰炭酸清涼飲料に添加された。
【0239】
フレーバー改変成分を含まないレモン石灰炭酸清涼飲料(対照)およびフレーバー改変成分を含有する改変レモン石灰炭酸清涼飲料の官能評価は、官能訓練された専門パネリストによって行われた。パネリストは、以下を見出した。
・改質レモンライム炭酸清涼飲料は対照と比較してより清潔な仕上がりを有していた。
・改質レモンライムカーボネート化ソフトドリンクは、対照と比較して非常にクリーンで、よく丸く、強化されたフレーバープロファイルを有していた。
・対照と比較して、改質レモンライム炭酸清涼飲料の甘味は丸みを帯びており、苦味が有意に低減されていた。
・改質レモンライムカーボネート化ソフトドリンクは、対照と比較してより「レモンの味の」フルーティーな仕上がりを有していた。
【0240】
例7-フレーバー改変成分を含有する非乳製品チョコレートタンパク質シェイク(25gタンパク質)
例2に記載される方法に従って製造されるフレーバー改変成分が、1ppmの濃度でMuscle Milk(登録商標)(Pepsico;Purchase,New York)非乳製品チョコレートタンパク質シェイクに添加された。
【0241】
フレーバー改変成分を含まない非乳製品チョコレートタンパク質シェイク(対照)およびフレーバー改変成分を含有する改変非乳製品チョコレートタンパク質シェイクの官能評価が、官能訓練された専門パネリストによって行われた。パネリストは、以下を見出した。
・改変された非乳製品チョコレートタンパク質振盪は、対照と比較して、よりクリーンな仕上がり、より低いチョーク様オフノート、ならびにより豊かで甘いチョコレートの味および食感を有していた。
・対照と比較して、苦味および渋味が低減され、後味がより良好であった。
【0242】
パネリストによって使用/提供された官能的記述子/コメントは、チョコレートフレーバーがより多く、チョーク様がより少なかった。
【0243】
例8-フレーバー改変成分を含有する植物ベースのチョコレートタンパク質シェイク(タンパク質20g)
例2に記載されたプロセスに従って製造されたフレーバー改変成分が、Evolve(登録商標)(Pepsico;Purchase,New York)植物ベースのチョコレートタンパク質シェイクに1ppmの濃度で添加された。
【0244】
フレーバー改変成分を含まない植物ベースのチョコレートタンパク質シェイク(対照)およびフレーバー改変成分を含有する改変植物ベースのチョコレートタンパク質シェイクの官能評価が、官能訓練された専門パネリストによって行われた。パネリストは、以下を見出した。
・改変植物ベースのチョコレートタンパク質振盪は、対照と比較して苦味および渋味が減少した。
・改変植物ベースのチョコレートタンパク質振盪は、対照と比較して土状のオフノートが減少した。
・改変植物ベースのチョコレートタンパク質振盪は、対照と比較してより全体的な香りを有していた。
【0245】
例9-発酵試験
発酵試験は、異なる微生物培養物を使用して、非乳ヨーグルトベース、すなわちエンドウ豆タンパク質ベースで行われた。試験の目的は、良好なタイムラインで正しいpH範囲を決定することであった。非乳製品ベースは、重量%(g)で、75.74%の水、13.30%のエンドウ豆タンパク質単離物(PURIS(登録商標)P870)、9.00%のUHTココナッツクリーム、1.00%のショ糖、0.50%のカルシウム錯体、0.050%の柑橘類繊維(CITRI-FI 100M40;200メッシュ)、および0.010%のエンドウ豆タンパク質結合剤を含有した。以下の工程に従って、非乳製品ベースが調製された:i)エンドウ豆タンパク質単離物およびエンドウ豆タンパク質結合剤フレーバーを55~60℃の水に添加する;ii)55~60℃で高剪断で30分間、タンパク質を水で水和する;iii)全ての乾燥成分を混合し、タンパク質を水和させながら添加する;iv)ココナッツ脂肪を溶融および添加し、15分間混合を続ける;v)スラリーを62℃に加熱する;vi)2500/500psiで均質化する;vii)95℃で8分間熱処理;およびviii)40℃に冷却する。
【0246】
2つの培養物は、以下の微生物株を用いて製剤化された:Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus acidophilus、およびBifidobacterium ssp株は、それらの特徴ごとに分類されたが、粘度産生およびラクトースを発酵させる能力、ならびにファージ感受性/耐性などのそれらの機能的特徴のいくつかを決定するそれらのプラスミドプロファイルの違いがあった。培養1(Vivolac製のC1-ABY 421)は発酵が非常に遅く、非常に穏やかなほぼ中性のフレーバーで高粘度を与える。培養2(Vivolac製のC2-ABY 424)は、粘度が高く、アセトアルデヒド(ヨーグルトフレーバー)がわずかに強い、より速い酸産生菌である。
【0247】
実施した試験
ベース試験-ベースのpHは、冷蔵温度で6.87であると試験された。基部を、大腸菌の存在および標準プレート数についてもプレートした。
【0248】
固形分の割合は18.43%であると決定された。
【0249】
一晩発酵手順:
・10個の150mLの非乳ヨーグルトベースのサンプルが滅菌ジャーに割り当てられた。
・超高温(UHT)ミルク(貯蔵安定性)の二つの150mLサンプルが滅菌ジャーに割り当てられた。
・5つの非乳ヨーグルトベースサンプルおよび1つのUHTミルクサンプルの一方のセットが、40℃で調温され、他方のセットが42℃で調温された。
・表1に記載の比率で0.4%の割合でサンプルが接種され、撹拌されて、未接種対照として滅菌ジャーに少量のUHTミルクおよび非乳ヨーグルトベースのそれぞれが添加された。
・サンプルは16時間インキュベートされた。
・16時間の終了時にpHが測定された。
【0250】
【0251】
UHT乳および非乳ヨーグルトベースの両方の未接種対照は、16時間のインキュベーション後に酸性化しなかった。
【0252】
昼間発酵手順:
・2個の150mLの非乳ヨーグルトベースのサンプルが滅菌ジャーに割り当てられた。
・UHTミルクの1個の150mLサンプルが滅菌ジャーに割り当てられた。
・サンプルが40℃に調温された。
・サンプルに、表2に列挙した比率で0.4%の割合で接種され、撹拌してブレンドされた。
・未接種対照として、滅菌ジャー中のUHTミルクおよび無乳ヨーグルトベースのそれぞれが少量ずつ添加された。
・サンプルは40℃で7時間半インキュベートされた。
・pHレベルは、5時間および30分毎~7時間半またはpH 4.4に達するまで測定された。
【0253】
【0254】
UHT乳中の50%/50% C1~C2の活性は5時間以内にpH 4.4に達したが、無乳ヨーグルトベースでは同じ接種比での活性は7時間半でpH 4.66に達した。無乳ヨーグルトベースへの100% C2接種は、7時間半でpH 4.55に達した。UHT乳および非乳ヨーグルトベースの両方の未接種対照は、7時間半のインキュベーション後に酸性化しなかった。
【0255】
結論
接種されていない対照ベースサンプルは、いずれの発酵においてもpHが低下せず、ベース自体に酸産生細菌が存在しなかったことを示した。UHTミルクと比較して、非乳ヨーグルトベースに同じ速度で接種した場合、培養活性はより遅かった。42℃で発酵させたサンプルの活性は、40℃で発酵させたサンプルよりも速かった。100% C2活性は100% C1活性より速かった。2つの培養物のブレンドは、接種された微生物株の比率に応じて異なる発酵速度を与えた。C2の比率が高いブレンドは、C2が少ない(およびC1が多い)ブレンドよりも速かった。pH 4.4に達したサンプルは、両方の温度で100% C2の16時間発酵であった。16時間でpH 4.4に達する次に近いサンプルは、42℃で発酵した30%/70% C1/C2であった。カードサイズに多少の違いが見られた。C1は、小さいサイズおよび良好な食感を有する滑らかなカードを生成した。
【0256】
【0257】
表4に列挙した最初の5つの微生物培養物(すなわち、716593、716594、720758、704993および716628)が、Horsholm,DenmarkのChr.Hansen A/Sから得られた。
【0258】
表4に列挙した残りの2つの微生物培養物(すなわち、ABY 421 NDおよびABY 424 ND)は、Indiana,USAのVivolac Cultures Corporationから得られた。Bifidobacterium animalis lactis(BB-12(登録商標))およびLactobacillus rhamnosus(LGG(登録商標))の細胞表面構造は、フレーバー用途において良好な食感および食感を提供することが見出されている。
【0259】
例10-株または株のブレンドの更なる感覚評価
サンプル7、8、9および11の株または株のブレンドで発酵が継続された(例9の表1に詳述)。各株または株のブレンドの2~3つのサンプルが異なるpHレベルで採取され、官能特性が評価されて、乳製品代替品に近い最適な溶液を見つけた。発酵前に5~6pHで水を予備酸性化し、官能特性を検討する。糖および培養を増加させて、それがpHおよび官能特性にどのように影響するかを見出す。
【0260】
例11-ヒヨコ豆粉の発酵
水に10%のヒヨコ豆粉(California,USAのCambridge Commodities Inc.から入手したOrganic Chickpea FlourまたはNorth Dakota,USAのFirebird Artisan Millsから入手したOrganic Chickpea Flour)を用いてスラリーが調製された。スラリーが121℃で45分間滅菌されて、出発物質からの微生物汚染が除去され、37℃まで冷却された。次いで、0.4%で添加したLGG(登録商標)(Lactobacillus rhamnosus)またはBB-12(登録商標)(Bifidobacterium animalis lactis)またはYOFLEX(登録商標)YF-L01 DA(Streptococcus thermophilus)またはYOFLEX(登録商標)YF-L02 DA(Lactobacillus bulgaricus)またはL.Casei 431(Lactobacillus paracasei)がスラリーに接種され、最小限の撹拌下、30~37℃で24時間インキュベートされた。次いで、最終スラリーが121℃で15分間加熱された。約6の初期pHは、LGG(登録商標)を使用した場合を除いて全ての場合において4未満に低下しており、最終pHは約5であった。0.15%での発酵ヒヨコ豆粉の官能評価が、ビーガンアルフレッドソースおよび無刺激の非乳製品ソースにおいて訓練された専門パネリストを用いて行われた。ビーガンアルフレッドソースのためにパネリストによって使用された官能的記述子は以下の通りであった:クリーミーな乳製品ノート、ならびに塩、旨味、ブロシーを追加する;ベースからビーニーオフノートをマスキングする。無刺激で乳製品を含まないソースのためにパネリストによって使用された官能的記述子は、培養/乳製品印象を有するクリーム状で心地よい食感であった。これらのフレーバー改変剤は、固体出発材料のレベルを改変し、微生物の最終的な不活性化が任意であるようにプロセスを調整することによって、ready-to-eatおよび/またはready-to-drink製品に形成され得る。
【0261】
上記は、本発明の特定の実施形態を制限なく広く説明している。当業者に容易に明らかになる変形および修正は、添付の特許請求の範囲に定義され、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあることが意図されている。
【国際調査報告】