IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リー オートモーティブ リミテッドの特許一覧

特表2024-527949車両コーナーモジュール及びその実装方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】車両コーナーモジュール及びその実装方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B62D21/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504866
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 IB2022056616
(87)【国際公開番号】W WO2023007308
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】2110885.7
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】17/715,117
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522046036
【氏名又は名称】リー オートモーティブ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】REE Automotive Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ケニオン, トロイ
(72)【発明者】
【氏名】プリンス, ゲイル マリー
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BA02
3D203BA12
3D203BC09
3D203BC10
3D203DA05
3D203DA11
3D203DA12
3D203DA72
3D203DA73
3D203DB05
(57)【要約】
いくつかの実施形態は、車両コーナーモジュール(VCM)に関連しており、前記VCMは、例えば車両の動きを調整するために、車両プラットフォームの基準フレームのVCM接続インターフェースに接続可能である。いくつかの実施形態は、マルチインターフェース接続要素に関連しており、前記マルチインターフェース接続要素は、車両の複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムをVCMに接続するためのものである。以上に関連する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両コーナーモジュール(VCM)であって、
前記VCMは、車両の動きを調整するために車両プラットフォームの基準フレームのVCM接続インターフェースに接続可能であるとともに、サブフレーム、ホイールハブアセンブリ及び前記車両の少なくとも一つのサブシステムを含み、
前記サブフレームは、ベース、前記ベースと交わるように配置された壁、および前記VCMを前記基準フレームの前記VCM接続インターフェースに可逆的且つ機械的に接続するための車両接続インターフェースを含み、
前記ホイールハブアセンブリは、ホイールが取り付けられるように適合されたホイールハブを備え、
前記少なくとも一つのサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたサブシステムユニットを備えるとともに、駆動サブシステム、ステアリングサブシステム、およびブレーキサブシステムからなるサブシステム群から選択され、
前記サブフレームの前記壁は、前記サブフレームの前記ベースと前記ホイールハブアセンブリとの間に配置される、VCM。
【請求項2】
車両コーナーモジュール(VCM)であって、
前記VCMは、車両の動きを調整するために車両プラットフォームの基準フレームのVCM接続インターフェースに接続可能であるとともに、サブフレーム、ホイールハブアセンブリ及び前記車両の少なくとも一つのサブシステムを含み、
前記サブフレームは、ベース、前記ベースと交わるように配置された壁、および前記VCMを前記基準フレームの前記VCM接続インターフェースに可逆的且つ機械的に接続するための車両接続インターフェースを含み、
前記ホイールハブアセンブリは、ホイールが取り付けられるように適合されたホイールハブを備え、
前記少なくとも一つのサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたサブシステムユニットを備えるとともに、駆動サブシステム、ステアリングサブシステム、およびブレーキサブシステムからなるサブシステム群から選択され、
前記ホイールが前記ホイールハブアセンブリに取り付けられると、前記サブフレームの前記ベースは少なくとも部分的に、前記ホイールの円筒形の設置面積内に配置される、VCM。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のVCMであって、
前記少なくとも一つのサブシステムユニットは、前記壁の第1面に隣接し、前記ホイールハブアセンブリは、前記壁の第2面であって前記第1面の反対側の面に隣接し、前記壁は、前記少なくとも一つのサブシステムユニットと前記ホイールハブアセンブリとの間に配置される、VCM。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか一つに記載のVCMであって、前記VCMは、
前記サブフレームと前記ホイールハブアセンブリの間において、前記サブフレームの前記壁に取り付けられたサスペンションサブシステムを含む、VCM。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか一つに記載のVCMであって、
前記少なくとも1つのサブシステムの前記サブシステムユニットは、前記サブフレームの前記壁に係合していない、VCM。
【請求項6】
請求項1~請求項4の何れか一つに記載のVCMであって、
前記少なくとも1つのサブシステムは、駆動サブシステム及び駆動シャフトを備え、
前記駆動サブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられた駆動モータを有する駆動サブシステムユニットを含み、
前記駆動シャフトは、前記サブフレームの前記壁を介して取り付けられ、
前記壁は、前記駆動モータと前記駆動シャフトとの間に配置される、VCM。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか一つに記載のVCMであって、
前記少なくとも1つのサブシステムは、前記ステアリングサブシステムを備え、
前記ステアリングサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたステアリングアクチュエータを有するステアリングサブシステムユニットを含む、VCM。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか一つに記載のVCMであって、
前記少なくとも1つのサブシステムは、前記ブレーキサブシステムを備え、
前記ブレーキサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたブレーキポンプを有するブレーキサブシステムユニットを含む、VCM。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか一つに記載のVCMであって、
前記ホイールが前記ホイールハブアセンブリに取り付けられると、前記車両接続インターフェースは前記ホイールの円筒形の設置面積内に配置される、VCM。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか一つに記載のVCMであって、
前記少なくとも1つのサブシステムのうちの少なくとも1つは、前記ホイールハブアセンブリと前記車両接続インターフェースとの間に収容される、VCM。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか一つに記載のVCMであって、
前記車両接続インターフェースは、前記サブフレームの前記ベースに形成された孔を備え、
前記孔は、前記サブフレームの前記ベースを前記基準フレームの下面に接続するためのベース接続締結具を収容するように適合されている、VCM。
【請求項12】
請求項1~請求項10の何れか一つに記載のVCMであって、
前記車両接続インターフェースは、前記サブフレームの前記壁に形成された孔を備え、
前記孔は、前記サブフレームの前記壁を前記基準フレームの側面に接続するための壁接続締結具を収容するように適合されている、VCM。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか一つに記載のVCMであって、
前記車両接続インターフェースと前記VCM接続インターフェースとの係合によって前記サブフレームが前記基準フレームに接続されると、前記車両接続インターフェースは、前記ホイールと前記基準フレームとの間に配置される、VCM。
【請求項14】
請求項1~請求項13の何れか一つに記載のVCMであって、
前記車両はさらに、少なくとも1つの電源を含み、
前記VCMはさらに、前記少なくとも1つの電源に接続するためのコネクタを少なくとも1つ備え、
前記VCMが前記車両に接続されると、前記少なくとも1つの電源は、前記少なくとも1つのサブシステムに電力を供給する、VCM。
【請求項15】
請求項1~請求項14の何れか一つに記載のVCMであって、
前記VCMは、マルチインターフェース接続要素のVCM部分をさらに備え、
前記マルチインターフェース接続要素の前記VCM部分は、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられるとともに、前記マルチインターフェース接続要素の車両プラットフォーム部分に接続されるように適合され、
前記車両プラットフォーム部分は、前記車両プラットフォームの前記基準フレームに取り付けられるとともに、前記車両の複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムに接続され、
前記マルチインターフェース接続要素の前記VCM部分は、前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に接続するための複数の接続インターフェースを含み、それにより前記VCMを前記車両の前記複数の電子サブシステムのそれぞれに接続し、
前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのそれぞれは、前記車両の電源、前記車両の制御回路、前記車両のコンピュータ化されたコントローラ、前記車両のネットワークバス、前記車両のネットワークインターフェース、前記車両の冷却剤フローサブシステム、前記車両のオイルフローサブシステム、及び前記車両のブレーキ液フローサブシステムからなる群から選択される、VCM。
【請求項16】
車両であって、前記車両は、
上面と下面を有する基準フレームを含む車両プラットフォームと、
請求項1~16の何れか一つに記載の少なくとも1つの車両コーナーモジュール(VCM)とを備え、
前記基準フレームは、少なくとも1つのVCM接続インターフェースを含み、
前記少なくとも1つのVCMは、前記基準フレームのVCM接続インターフェースに接続されている、車両。
【請求項17】
請求項1~15の何れか一つに記載のVCMを車両の基準フレームに設置する方法であって、前記方法は、
前記サブフレームが前記基準フレームの下に配置されると、前記基準フレームの長手方向において前記サブフレームを前記VCM接続インターフェースに位置合わせする工程と、
前記車両接続インターフェースと前記VCM接続インターフェースの係合を容易にするために、前記VCMを上方に移動する工程とを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の動きを調整するための車両コーナーモジュール(VCM)に関連するものである。特に、車両の動きを調整するためのシステムを備えるサブフレームを有する車両コーナーモジュール(VCM)及び当該VCMを車両の基準フレーム又はプラットフォームに実装する方法に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
未来における車両の所有は、個人による所有から、フリート(車両団)および共有モビリティとしての所有に移っていくため、そのような未来の車両に対するメンテナンスが、車両団を使った事業の収益性の重要な要素になりつつある。電気による駆動のために設計された車両プラットフォームは、車軸のないホイールアセンブリを含む可能性があり、そのような車軸のないホイールアセンブリは、車両のプラットフォームに設置されたホイールアセンブリ同士の間に、それぞれ独立した、サスペンションサブシステム、駆動トレインサブシステム、ブレーキサブシステムおよびステアリングサブシステムを有する。
【0003】
そのようなサブシステムを車両のプラットフォームに接続する作業又は前記プラットフォームから取り外す作業は、複雑で特殊な作業になり得る。
【0004】
したがって、1つまたは複数のホイールアセンブリを簡単且つ迅速に車両の基準フレームに取り付けるため及び車両の基準フレームから取り外すためのシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態は、L字型サブフレームを有するVCMを車両の基準フレームまたは車両のプラットフォーム上に取り付けるための方法およびシステムに関するものである。
【0006】
本発明の実施形態として、 車両コーナーモジュール(VCM)であって、
前記VCMは、車両の動きを調整するために車両プラットフォームの基準フレームのVCM接続インターフェースに接続可能であるとともに、サブフレーム、ホイールハブアセンブリ及び前記車両の少なくとも一つのサブシステムを含み、
前記サブフレームは、ベース、前記ベースと交わるように配置された壁、および前記VCMを前記基準フレームの前記VCM接続インターフェースに可逆的且つ機械的に接続するための車両接続インターフェースを含み、
前記ホイールハブアセンブリは、ホイールが取り付けられるように適合されたホイールハブを備え、
前記少なくとも一つのサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたサブシステムユニットを備えるとともに、駆動サブシステム、ステアリングサブシステム、およびブレーキサブシステムからなるサブシステム群から選択される、VCMが開示される。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記サブフレームの前記壁は、前記ホイールハブと前記ベースとの間に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記ホイールが前記ホイールハブに接続されると、前記ベースの少なくとも一部は、前記ホイールの円筒形の設置面積内に収まる。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも一つのサブシステムユニットは、前記壁の第1面に隣接し、前記ホイールハブアセンブリは、前記壁の第2面であって前記第1面の反対側の面に隣接し、前記壁は、前記少なくとも一つのサブシステムユニットと前記ホイールハブアセンブリとの間に配置される。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記VCMは、前記サブフレームと前記ホイールハブアセンブリの間において、前記サブフレームの前記壁に取り付けられたサスペンションサブシステムを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムの前記サブシステムユニットは、前記サブフレームの前記壁に係合していない。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムは、駆動サブシステム及び駆動シャフトを備え、
前記駆動サブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられた駆動モータを有する駆動サブシステムユニットを含み、
前記駆動シャフトは、前記サブフレームの前記壁を介して取り付けられ、
前記壁は、前記駆動モータと前記駆動シャフトとの間に配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムは、前記ステアリングサブシステムを備え、
前記ステアリングサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたステアリングアクチュエータを有するステアリングサブシステムユニットを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムは、前記ブレーキサブシステムを備え、
前記ブレーキサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたブレーキポンプを有するブレーキサブシステムユニットを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、ホイールが前記ホイールハブアセンブリに取り付けられると、前記車両接続インターフェースは前記ホイールの円筒形の設置面積内に配置される。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムのうちの少なくとも1つは、前記ホイールハブアセンブリと前記車両接続インターフェースとの間に収容される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記車両接続インターフェースは、前記サブフレームの前記ベースに形成された孔を備え、前記孔は、前記サブフレームの前記ベースを前記基準フレームの下面に接続するためのベース接続締結具を収容するように適合されている。いくつかの実施形態では、前記車両接続インターフェースは、前記サブフレームの前記壁に形成された孔を備え、前記孔は、前記サブフレームの前記壁を前記基準フレームの側面に接続するための壁接続締結具を収容するように適合されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記車両接続インターフェースと前記VCM接続インターフェースとの係合によって前記サブフレームが前記基準フレームに接続されると、前記車両接続インターフェースは、前記ホイールと前記基準フレームとの間に配置される。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記車両はさらに、少なくとも1つの電源を含み、
前記VCMはさらに、前記少なくとも1つの電源に接続するためのコネクタを少なくとも1つ備え、
前記VCMが前記車両に接続されると、前記少なくとも1つの電源は、前記少なくとも1つのサブシステムに電力を供給する。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記車両接続インターフェースと前記VCM接続インターフェースとの係合による前記サブフレームの前記基準フレームへの接続は、前記サブフレームを前記基準フレームの下に配置し、前記サブフレームを前記基準フレームの長手方向において前記VCM接続インターフェースと位置合わせし、前記VCMを上方に移動させて前記車両接続インターフェースと前記VCM接続インターフェースとの係合を容易にすることによって実行される。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記VCMは、マルチインターフェース接続要素のVCM部分をさらに備え、
前記マルチインターフェース接続要素の前記VCM部分は、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられるとともに、前記マルチインターフェース接続要素の車両プラットフォーム部分に接続されるように適合され、
前記車両プラットフォーム部分は、前記車両プラットフォームの前記基準フレームに取り付けられるとともに、前記車両の複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムに接続される。
前記マルチインターフェース接続要素の前記VCM部分は、前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に接続するための複数の接続インターフェースを含んでもよく、それにより前記VCMを前記車両の前記複数の電子サブシステムのそれぞれに接続する。
前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのそれぞれは、前記車両の電源、前記車両の制御回路、前記車両のコンピュータ化されたコントローラ、前記車両のネットワークバス、前記車両のネットワークインターフェース、前記車両の冷却剤フローサブシステム、前記車両のオイルフローサブシステム、及び前記車両のブレーキ液フローサブシステムからなる群から選択されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態として、車両がさらに開示され、前記車両は、
上面と下面を有するとともに少なくとも1つのVCM接続インターフェースを有する基準フレームを備える車両プラットフォーム、
前記基準フレームのVCM接続インターフェースに接続されるとともに前記車両の動きを調整するように適合された少なくとも1つの車両コーナーモジュール(VCM)、
ホイールが取り付けられるように適合されたホイールハブを有するホイールハブアセンブリ、及び、
駆動サブシステム、ステアリングサブシステム、およびブレーキサブシステムからなるサブシステム群から選択される少なくとも一つのサブシステムを含み、
前記VCMは、サブフレームを有し、
前記サブフレームは、ベース、前記ベースと交わるように配置された壁、及び前記基準フレームの前記VCM接続インターフェースと可逆的且つ機械的に係合する車両接続インターフェースを含み、
前記少なくとも一つのサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたサブシステムユニットを備える。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも一つのサブシステムユニットは、前記壁の第1面に隣接し、前記ホイールハブアセンブリは、前記壁の第2面であって前記第1面の反対側の面に隣接し、前記壁は、前記少なくとも一つのサブシステムユニットと前記ホイールハブアセンブリとの間に配置される。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記VCMは、前記サブフレームと前記ホイールハブアセンブリの間において、前記サブフレームの前記壁に取り付けられたサスペンションサブシステムを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムの前記サブシステムユニットは、前記サブフレームの前記壁に係合していない。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムは、駆動サブシステム及び駆動シャフトを備え、
前記駆動サブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられた駆動モータを有する駆動サブシステムユニットを含み、
前記駆動シャフトは、前記サブフレームの前記壁を介して取り付けられ、
前記壁は、前記駆動モータと前記駆動シャフトとの間に配置される。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムは、前記ステアリングサブシステムを備え、
前記ステアリングサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたステアリングアクチュエータを有するステアリングサブシステムユニットを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのサブシステムは、前記ブレーキサブシステムを備え、
前記ブレーキサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたブレーキポンプを有するブレーキサブシステムユニットを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記サブフレームの前記車両接続インターフェースは、前記基準フレームの前記VCM接続インターフェースに可逆的且つ機械的に接続される。いくつかの実施形態では、前記車両接続インターフェースは、前記ホイールと前記基準フレームとの間に配置される。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記車両はさらに、少なくとも1つの電源を含み、前記VCMは、前記少なくとも1つの電源が前記少なくとも1つのサブシステムに電力を供給するように、前記少なくとも1つの電源に接続される。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記車両接続インターフェースは、複数の締結具を含み、前記複数の締結具は、前記基準フレームの前記VCM接続インターフェースの一部を形成するとともに前記複数の締結具に対応する孔に前記VCMを固定する。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記車両はさらに、複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムおよびマルチインターフェース接続要素を含み、前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのそれぞれは、サブシステム群から選択される。前記サブシステム群は、電源、制御回路、コンピュータ化されたコントローラ、ネットワークバス、ネットワークインターフェース、冷却剤フローサブシステム、オイルフローサブシステム、およびブレーキ液フローサブシステムからなり、前記マルチインターフェース接続要素は、VCM部分を含み、前記VCM部分は、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられるとともに、前記基準フレームに取り付けられた車両プラットフォーム部分であって前記VCM部分に対応する車両プラットフォーム部分に可逆的に接続され、さらに前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムに接続される。前記VCM部分および前記車両プラットフォーム部分のそれぞれは、前記VCM部分および前記車両プラットフォーム部分が互いに接続するための複数の接続インターフェースを含む。前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に接続すると、前記VCMが前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムに接続される。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムの各電子サブシステム又は各フローサブシステムに対して、前記マルチインターフェース接続要素の前記VCM部分と前記マルチインターフェース接続要素の前記車両プラットフォーム部分のうちの一方は、ポートを含み、他方は、前記ポートに対応するプラグを含む。前記VCM部分と前記車両プラットフォーム部分が接続されると、前記プラグは、前記ポートに受容され、前記VCMを前記各電子サブシステム又は各フローサブシステムに接続する。
【0033】
本発明の実施形態として、車両プラットフォームの基準フレームのVCM接続インターフェースに接続可能な車両コーナーモジュール(VCM)がさらに開示される。
前記基準フレームには、マルチインターフェース接続要素の車両プラットフォーム部分が取り付けられており、前記車両プラットフォーム部分には、複数の接続インターフェースが含まれており、前記複数の接続インターフェースのそれぞれは、前記車両の複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムの1つに接続されている。
前記VCMは、サブフレーム、ホイールハブアセンブリ、前記車両の少なくとも1つのサブシステム、及び前記マルチインターフェース接続要素のVCM部分を備え、
前記サブフレームは、ベース、前記ベースと交わるように配置された壁、及び前記VCMを前記基準フレームの前記VCM接続インターフェースに可逆的且つ機械的に接続するための車両接続インターフェースを備え、
前記ホイールハブアセンブリは、ホイールが取り付けられるように適合されたホイールハブを備え、
前記少なくとも1つのサブシステムは、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられたサブシステムユニットを備えるとともに、駆動サブシステム、ステアリングサブシステム、およびブレーキサブシステムからなるサブシステム群から選択され、
前記VCM部分は、前記サブフレームの前記ベースに取り付けられるとともに、前記マルチインターフェース接続要素の前記車両プラットフォーム部分に接続可能であり、且つ前記車両プラットフォーム部分の接続インターフェースに接続するための複数の対応する接続インターフェースを含み、
前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に接続すると、前記VCMは、前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムに接続される。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記複数の対応する接続インターフェースのそれぞれは、前記VCMを前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのうちの1つに接続するように適合され、前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのそれぞれは、前記車両の電源、前記車両の制御回路、前記車両のコンピュータ化されたコントローラ、前記車両のネットワークバス、前記車両のネットワークインターフェース、前記車両の冷却剤フローサブシステム、前記車両のオイルフローサブシステム、および前記車両のブレーキ液フローサブシステムからなるサブシステム群から選択される。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記VCM部分の前記複数の対応する接続インターフェースのそれぞれは、前記車両プラットフォーム部分のポートに挿入されるように適合されたプラグ、または前記車両プラットフォーム部分のプラグを受容するように適合されたポートを含む。
【0036】
本発明の実施形態として、車両コーナーモジュール(VCM)を車両の車両プラットフォームに取り付ける方法がさらに開示される。前記VCMは、ベースを有するとともに前記ベースに対して垂直に配置された壁を有するサブフレームを備える。前記方法は、
前記ベースが、前記車両プラットフォームの基準フレームのVCM接続インターフェースと前記基準フレームの長手方向において位置合わせされ、前記基準フレームから前記基準フレームの短手方向において離れているとともに、前記基準フレームの高さ方向であるZ軸に沿って前記基準フレームの下に配置される工程、
前記VCMの車両接続インターフェースと前記基準フレームの間の前記長手方向における位置合わせを変えることなく、前記サブフレームと前記基準フレームの間の前記短手方向における距離がゼロになるまで、前記VCMを前記基準フレームに向かって前記短手方向に移動する工程、
前記車両接続インターフェースと前記基準フレームの間の前記長手方向または前記短手方向における位置合わせを変えることなく、前記ベースが前記基準フレームに係合するまで、前記VCMを前記基準フレームに向かって前記高さ方向に移動する工程、及び
前記車両接続インターフェースと前記VCM接続インターフェースを係合させることによって、前記VCMの少なくとも1つを前記基準フレームに機械的に接続する工程、を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、前記方法は、マルチインターフェース接続要素のVCM部分を前記マルチインターフェース接続要素の車両プラットフォーム部分に接続することによって、前記VCMを前記車両の複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムに接続する工程をさらに含む。前記VCM部分は、前記サブフレームに取り付けられており、前記車両プラットフォーム部分は、前記車両プラットフォームの一部を形成している。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記複数の電子サブシステム及び/又は複数のフローサブシステムの各サブシステムは、電源、制御回路、コンピュータ化されたコントローラ、ネットワークバス、ネットワークインターフェース、冷却剤フローサブシステム、オイルフローサブシステム、およびブレーキ液フローサブシステムからなるサブシステム群から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記機械的に接続する工程は、前記車両接続インターフェースおよび前記VCM接続インターフェースに係合する締結具を配置する工程を含む。
【0040】
本発明の実施形態として、車両の複数の電子サブシステム又は車両の複数のフローサブシステムを、前記車両の車両プラットフォームの基準フレームに取り付けられた車両コーナーモジュール(VCM)に接続するためのマルチインターフェース接続要素が開示される。
前記VCMは、前記車両の動きを調節するように適合されているとともに、ベースと前記ベースと交わるように配置された壁とを有するサブフレームを含む。
前記マルチインターフェース接続要素は、前記基準フレームに取り付け可能な車両プラットフォーム部分と、前記ベースに取り付け可能なVCM部分とを含み、
前記車両プラットフォーム部分は、複数の接続インターフェースを含み、当該複数の接続インターフェースのそれぞれは、前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのうちの1つに関連付けられるように適合されており、
前記VCM部分は、前記車両プラットフォーム部分の前記複数の接続インターフェースに接続するように適合された複数の接続インターフェースを含み、
前記車両プラットフォーム部分の前記複数の接続インターフェースと前記VCM部分の前記複数の接続インターフェースが接続されると、前記VCMが前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムに接続される。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのそれぞれは、サブシステム群から選択され、前記サブシステム群は、前記車両の電源、前記車両の制御回路、前記車両のコンピュータ化されたコントローラ、前記車両のネットワークバス、前記車両のネットワークインターフェース、前記車両の冷却剤フローサブシステム、前記車両のオイルフローサブシステム、および前記車両のブレーキ液フローサブシステムからなる。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記車両プラットフォーム部分の前記複数の接続インターフェースを前記VCM部分の前記複数の接続インターフェースに接続すると、少なくとも1つのVCMサブシステムは、前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのうちの少なくとも1つに接続される。
【0043】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つのVCMサブシステムは、駆動サブシステム、ステアリングサブシステム、ブレーキサブシステム、サスペンションサブシステム、VCMコントローラ、および冷却サブシステムのうちの少なくとも1つを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、前記VCM部分は、前記VCMの前記ベースの一部分であって前記VCMのホイールハブアセンブリから遠位に位置する一部分に取り付けられる。前記マルチインターフェース接続要素は、前記ベースと前記壁との間に延びるモーションアクチュエータをさらに含み、前記モーションアクチュエータは、前記VCM部分と前記車両プラットフォーム部分の接続のために、前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に対して動かすように適合されている。
【0045】
いくつかの実施形態では、前記モーションアクチュエータは、前記VCM部分にアクセスできない場合でも前記VCM部分を動かせるように、前記サブフレームの一部分であるとともに前記VCM部分とは異なる一部分に配置される。
【0046】
いくつかの実施形態では、前記モーションアクチュエータは、コネクタケーブルによって前記VCM部分に接続された締結具を含み、前記VCM部分の動作は、前記締結具を操作して動作作動力を前記締結具から前記VCM部分に伝達することによって作動される。
【0047】
いくつかの実施形態では、前記モーションアクチュエータは、液体の流れる導管によって前記VCM部分に接続された締結具を含み、前記VCM部分の動作は、前記導管を介して流体を前記締結具から前記VCM部分に伝達することによって作動される。
【0048】
いくつかの実施形態では、前記VCM部分を前記VCMのサブフレームに接続する接続アセンブリは、少なくとも1つのバネを含み、前記少なくとも1つのバネは、前記VCM部分に対して前記車両プラットフォーム部分に向かう方向の力を加えるように適合されている。
【0049】
本発明の実施形態として、車両コーナーモジュール(VCM)に取り付けられた少なくとも1つのVCMサブシステムを、車両の車両プラットフォームに取り付けられた少なくとも1つの電子サブシステム又はフローサブシステムに接続する方法が開示される。前記VCMは、ベースと前記ベースと交わるように配置された壁とを有するサブフレームを含む。
前記方法は、マルチインターフェース接続要素のVCM部分をマルチインターフェース接続要素の車両プラットフォーム部分に接続する工程を含み、前記VCM部分は、前記ベースに取り付けられるとともに前記少なくとも1つのVCMサブシステムに接続され、前記車両プラットフォーム部分は、前記車両プラットフォームの一部を形成するとともに前記少なくとも1つの電子サブシステム又はフローサブシステムに接続される。それにより、前記少なくとも1つのVCMサブシステムと車両の前記少なくとも1つの電子サブシステム又はフローサブシステムとの間の接続が形成される。前記VCM部分と前記車両プラットフォーム部分のそれぞれは、複数の接続インターフェースを含み、前記複数の接続インターフェースは、複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのうちの1つに関連付けられる。
【0050】
いくつかの実施形態では、前記複数の電子サブシステム又は複数のフローサブシステムのうちのそれぞれのサブシステムは、サブシステム群から選択される。前記サブシステム群は、電源、制御回路、コンピュータ化されたコントローラ、ネットワークバス、ネットワークインターフェース、冷却剤フローサブシステム、オイルフローサブシステム、およびブレーキ液フローサブシステムからなる。
【0051】
いくつかの実施形態では、前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に接続する前記工程は、前記VCM部分と前記車両プラットフォーム部分が接続されるまで前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に対して移動させる工程を含む。いくつかの実施形態では、前記VCM部分および前記車両プラットフォーム部分のうちの一方のみが可動であり、他方は静止している。
【0052】
いくつかの実施形態では、前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に対して移動させる前記工程は、機械的機構によって前記VCM部分を動かす工程を含み、前記機械的機構は、前記ベースと前記壁の間に延在する。いくつかの実施形態では、前記機械的機構は、前記VCM部分から遠位に位置する。
【0053】
いくつかの実施形態では、前記機械的機構は、コネクタケーブルによって前記VCM部分に接続された締結具を含み、前記VCM部分を動かす前記工程は、前記締結具を操作して動作作動力を前記締結具から前記VCM部分に伝達する工程を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、前記機械的機構は、導管によって前記VCM部分に接続された締結具を含み、前記VCM部分を動かす前記工程は、前記締結具を操作して前記導管を介した流体連通を引き起こすことによって前記VCM部分に動作作動力を伝達する工程を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、前記VCM部分および前記車両プラットフォーム部分のうちの少なくとも1つの動作の作動は、電気モータによって行われる。
【0056】
いくつかの実施形態では、前記VCM部分を前記車両プラットフォーム部分に接続する前記工程は、前記VCM内における前記VCM部分の位置に関係なく、前記VCM内の領域であって前記壁と前記VCMのホイールハブアセンブリとの間に配置された領域から実行される。
【0057】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明に関連する技術分野の当業者によって一般的に知られている意味と同じ意味を有する。本明細書による定義と当業者による一般的な定義が異なる用語がある場合は、本明細書による定義が優先される。
【0058】
本明細書で使用される「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」という用語およびそれらと同じ意味を有する用語は、記載された特徴、整数、工程、または構成要素を指定するが、指定された以外の1つまたは複数の特徴、整数、工程、構成要素、またはそれらの群が追加され得ることを除外しない。これらの用語は、「~からなる」、「~から構成される」、「本質的に~からなる」、および「本質的に~から構成される」という用語よりも広義に解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1は、本発明の一実施形態における、VCM及び前記VCMが搭載されるように適合された車両プラットフォームの概略ブロック図である。
【0060】
図2A及び図2Bは、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態におけるVCMの概略上面図および概略側面図である。
【0061】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態における、車両プラットフォームの基準フレーム上に設置された図2A図2BのVCMの概略上面図及び概略側面図である。
【0062】
図4は、本発明の一実施形態における、前記車両プラットフォームの基準フレームに設置された車両サブシステムにVCMを接続するためのマルチインターフェース接続要素の写真である。
【0063】
図5および図6は、図4のマルチインターフェース接続要素の車両プラットフォーム部分及びVCM部分それぞれの接続インターフェースの概略画像である。
【0064】
図7は、図4のマルチインターフェース接続要素のVCM部分の斜視図である。
【0065】
図8A及び図8Bは、それぞれ、いくつかの設置方法における、図2A図2BのVCMを前記車両プラットフォームの前記基準フレーム上に設置するための第1ステップを示す概略上面図及び概略側面図である。
【0066】
図8C及び図8Dは、いくつかの設置方法における、図2A図2BのVCMを前記車両プラットフォームの前記基準フレーム上に設置するための追加のステップを示す概略側面図である。
【0067】
図9A図9Dは、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態におけるVCMの斜視図、上面図、正面図及び側面図である。
【0068】
図9E及び図9Fは、本発明のいくつかの実施形態における、図9A図9DのVCMでの使用に適したサブフレームの正面および背面斜視図である。
【0069】
図10A図10Dは、本発明のいくつかの実施形態における、図9A図9Dと同様のVCMを基準フレームに接続するステップ及びそのような接続に必要な締結具を示す斜視図である。
【0070】
図11Aは、VCMを搭載する準備ができた基準フレームの底面図である。
【0071】
図11Bは、本発明のいくつかの実施形態における、図2のマルチインターフェース接続要素を使用してVCMを接続された図11Aの基準フレームの側面図である。
【0072】
図12は、本発明のいくつかの実施形態における、VCMのサブフレームと車両プラットフォームの基準フレームとが互いに分離されたときの斜視図である。
【0073】
図13A図13Cは、それぞれ、図12のサブフレーム及び基準フレームが互いに接続されたときの斜視図、上面図及び正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本発明は、いくつかの実施形態において、車両の基準フレームまたはプラットフォーム上に車両コーナーモジュール(VCM)を取り付けるための方法およびシステムに関連している。
本発明のVCMは、ベース部分と前記ベース部分と交わるように(例えば実質的に垂直に)配置された壁部分とを有するサブフレームを備える。前記車両の少なくとも1つのサブシステムは、前記ベース部分に取り付けられるとともに前記壁部分からは分離される。このような構造により、ホイールを前記VCMの様々なサブシステムから物理的に分離することが可能になり得る。このような構造により、前記VCMの少なくともいくつかのサブシステムを前記基準フレームの設置面積内に取り付けることが可能になり得る。このような構造により、前記ホイールから前記車両プラットフォームに向かって受けた荷重の効率的かつ安全な伝達(例えば、横方向及び/又は上下方向における伝達)も可能になる。いくつかの実施形態では、前記壁部分は、前記ベース部分に取り付けられたサブシステムを避けつつそのような荷重を保持および伝達するように設計される。
【0075】
本明細書において使用される用語がここに提示される。本出願において明示的または黙示的に用語の定義が与えられる限り、そのような定義は、同じ用語に対して関連分野の当業者によって用いられる定義と矛盾しないこととする。さらに、そのような定義は、関連分野の当業者によって用いられる定義と矛盾しない限りにおいて最も広義に解釈されることとする。
【0076】
特に明記しない限り、本明細書で使用される「車両コーナーモジュール」または「VCM」という用語は、本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、車両のホイールを支持するとともに車両の動きを調節するためのアセンブリを意味する。当該アセンブリには、ステアリングシステム、サスペンションシステム、油圧サブシステムを含むブレーキシステム、歯車アセンブリ、駆動モータ、駆動シャフト、ホイールハブアセンブリ、コントローラ、通信装置、電気配線などの構成要素が含まれる(これらが全ての構成要素とは限らない)。いくつかの実施形態では、VCMはホイールとタイヤを含んでもよい。VCMは、車両の「基準フレーム」、例えばシャーシ又はシャーシと同様の車両フレーム又はプラットフォーム、に取り付けられてもよい。VCMが車両内又は車両上に設置されていると説明されている場合、当該VCMは前記基準フレームに取り付けられている。VCMは、VCM構成要素の一部又は全てが設置又は取り付けられる「サブフレーム」を含み得る。場合によっては、前記サブフレームは、前記基準フレームと前記VCM構成要素の接続を緩衝する役割を果たす。
【0077】
「サブフレーム」は、任意の剛性フレーム又は1つ以上の構造要素が固定された組み合わせを意味すると解されることとする。「サブ」という接頭辞は、サブフレームを車両のメインフレーム又は基準フレームから区別するために使用される。VCMは、1つ以上の電気モータ及び/又はホイール(及びタイヤ)を含む場合がある。
【0078】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「車両」という用語は、1つまたは複数のホイールを有する車両を指すこととする。このような車両の定義によれば、車両の非限定的な例として、搭載エンジンによって動力が供給される車両及び走行中に1つまたは複数の搭載された電気モータ及びバッテリー又はその他のエネルギー貯蔵装置によって駆動される「電気自動車」がある。車両が走行するまでは、バッテリーは車両に供給される又は備え付けられる必要はない。「車両」という用語は、シャーシ(又はVCMを取り付けることができる他の「基準フレーム」)を含むとともに1つ以上のホイールを含む「車両プラットフォーム」を備えるものを指すということもできる。「車両プラットフォーム」は、車両プラットフォームを提供する時点で、必ずしも車体部品や内装品など乗客や貨物の輸送に必要な装備品の全てを備える必要はない。
【0079】
本明細書で使用される「コントローラ」という用語は、1つ以上の構成要素、システム又はサブシステムを監視、制御、調整及び/又は作動させるように構成されたコンピューティングデバイスを意味する。コントローラは、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体(例えば、一時的および/または非一時的記憶媒体)、通信装置、電源及び/又は電源への接続、ファームウェア及び/又はソフトウェア、のいずれかまたはすべてを含むこととするが、これら以外の構成要素を含んでもよい。本明細書で使用される、車両―コントローラ又はVCM―コントローラというハイフン(―)でつながれた用語は、それぞれ、車両および/または車両の構成要素および/またはサブシステムを制御するためのコントローラ、又はVCMおよび/またはVCMの構成要素および/またはサブシステムを制御するためのコントローラを意味する。特に断りのない限り、コントローラは制御対象要素(車両、VCMなど)の内部または上に設置されるが、「コントロールユニット」は、コントローラに類似でありつつも、制御対象要素の内部または上には設置されない。例えば、VCM―コントローラはVCM内またはVCM上に配置されるが、VCMコントロールユニットはそうではなく、車両上の他の場所、例えばシャーシユニット上、に配置される。コントローラ(およびコントロールユニット)は事前にプログラム可能であってもよい。例えば、コンピュータ可読媒体に格納されたプログラム命令をコントローラの1つまたは複数のプロセッサによって実行してもよい。したがって、本明細書では、ある機能を実行するように「構成された」コントローラは、その機能を実行するためにプログラムされている、つまり、格納されたプログラム命令を実行するためにそのプログラム命令にアクセスできるコントローラを意味する。
【0080】
以下の詳細な説明では、本発明を理解するために、多くの具体的な詳細情報が記載される。しかし、当業者であれば、本発明はそれらの詳細に限定されることなく実施され得る。留意点として、本発明の特徴から逸脱しないために、周知の方法、手順及び構成要素については詳細に説明していない場合があることに注意されたい。
【0081】
図1は、本発明の一実施形態における、VCM及びVCMを搭載するように適合された車両プラットフォームの概略ブロック図である。図2A及び図2Bは、それぞれ、本発明の一実施形態におけるVCMの概略上面図及び概略側面図である。さらに、図3A及び図3Bは、それぞれ、本発明の一実施形態における、車両プラットフォームの基準フレーム上に取り付けられたVCMの概略上面図と側面図である。
【0082】
図1に見られるように、車両カプセルを搭載するように適合された車両プラットフォーム10は、VCMへの接続に適合された4つのVCM接続インターフェース14を有する基準フレーム12を備える。図1の実施形態では、4つのVCM接続インターフェース14はすべて互いに同一である。しかし、いくつかの実施形態では、基準フレームは、例えば互いに異なるVCMに接続するために、複数の互いに異なるVCM接続インターフェースを備えてもよい。
【0083】
車両プラットフォーム10は、基準フレーム12上に取り付けられた1つまたは複数の電子サブシステム16を含んでもよく、1つまたは複数の電子サブシステム16は、車両の電源、車両の制御回路、車両のコンピュータ化されたコントローラ、車両のネットワークバス及び車両のネットワークインターフェースを含んでもよい。車両プラットフォーム10は、基準フレーム12上に取り付けられた1つまたは複数の流体フローサブシステム18をさらに含んでもよく、1つまたは複数の流体フローサブシステム18は、冷却剤フローサブシステム、オイルフローサブシステム及びブレーキ液フローサブシステムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基準フレーム12には、前部および/または後部バンパー19が取り付けられていてもよい。サブシステム16および18の例は、PCT特許出願第PCT/IB2020/062598号および米国特許第10,919,575号に記載されており、これら特許出願及び特許は、参照によりここに記載されているものとして本明細書に組み込まれる。
【0084】
本明細書で説明するように、車両の動きを調整するためのVCM20は基準フレーム12に接続可能である。いくつかの実施形態によれば、VCM20は、ベース22aを有するとともにベース22aに対して実質的に垂直な側壁22bを有するサブフレーム22を含む。サブフレーム22は、基準フレーム12のVCM接続インターフェース14への可逆的且つ機械的接続に適合した車両接続インターフェース24を含む。車両接続インターフェース24は、ベース22a上又は側壁22b上に配置されてもよい。若しくは、車両接続インターフェース24の一部が前記ベース上および前記側壁上に配置されてもよい。
【0085】
VCM20はさらに、ホイール28が取り付けられるように適合されたホイールハブアセンブリ26を含む。通常、ホイールハブアセンブリ26は、サブフレーム22の側壁22bに取り付けられるか又は機能的に関連付けられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、サブフレーム22の側壁22bは、ベース22aとホイールハブアセンブリ26との間に配置される。いくつかの実施形態では、図2Bおよび図3Bから明らかなように、サブフレーム22のベース22aの少なくとも一部はホイール28の円筒形の設置面積内に収まる。
【0087】
サブフレーム22には、車両の1つまたは複数のサブシステムが取り付けられており、前記1つまたは複数のサブシステムのそれぞれは機械的および/または電気的構成要素を備える。それらサブシステムのうちいくつかは、ホイールハブアセンブリ26に取り付けられてもよい。
【0088】
前記VCMに備えられるサブシステムには、駆動サブシステム30、ステアリングサブシステム32、サスペンションサブシステム34及び/又はブレーキサブシステム36が含まれてもよい。さらに、サブフレーム22は、サブシステム30、32、34及び36のうちの1つまたは複数の動作を制御するように且つ/又は車両の1つまたは複数の電子サブシステム16と通信するように適合されたVCM―コントローラ38を含んでもよい。1つまたは複数の電子サブシステム16としては、例えば、コンピュータ化されたコントローラや車両のネットワークインターフェースなどがある。
【0089】
いくつかの実施形態では、駆動サブシステム30の少なくとも1つの駆動サブシステムユニットは、側壁22bとホイールハブ26との間に取り付けられる。いくつかの実施形態では、サスペンションサブシステム34は、側壁22bとホイールハブ26との間に取り付けられる。
【0090】
いくつかの実施形態では、駆動サブシステム30、ステアリングサブシステム32及び制動サブシステム36のうちの少なくとも1つ、又はこれらのサブシステムの少なくとも1つのサブシステムユニットは、サブフレーム22のベース22a上に取り付けられる。いくつかの実施形態では、駆動サブシステム30、ステアリングサブシステム32及び制動サブシステム36のうちの2つ以上またはすべて、又はこれらのサブシステムのそれぞれの少なくとも1つのサブシステムユニットは、サブフレーム22のベース22a上に取り付けられる。いくつかの実施形態によれば、駆動サブシステム30、ステアリングサブシステム32及び制動サブシステム36のうちの少なくとも1つの電源またはアクチュエータは、サブフレーム22のベース22a上に取り付けられる。いくつかの実施形態では、駆動サブシステム30のアクチュエータはモータおよび/または変速機アセンブリを有する駆動トレインを含み、これらモータおよび/または変速機アセンブリはベース22a上に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ステアリングサブシステム32は、ベース22a上に取り付けられたステアリングアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、ブレーキサブシステム36は、ベース22a上に取り付けられたブレーキポンプおよび/または流体アキュムレータ、すなわち、ブレーキ圧力源を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、ベース22a上に取り付けられたサブシステムの電源またはアクチュエータの少なくとも1つ、またいくつかの実施形態では、ベース22a上に取り付けられたサブシステムの電源またはアクチュエータのすべては、側壁22bから物理的に分離されている。 換言すれば、少なくとも1つのサブシステムの少なくとも1つのサブシステムユニットは、ベース22a上に取り付けられており、側壁22bとは係合していない。いくつかの実施形態では、駆動サブシステム30の駆動トレインは、ベース22a上に取り付けられ、側壁22bから物理的に分離されている。いくつかの実施形態では、ステアリングサブシステム32のステアリングアクチュエータは、ベース22a上に取り付けられ、側壁22bから物理的に分離されている。いくつかの実施形態では、ブレーキサブシステム36のブレーキ圧力源は、ベース22a上に取り付けられ、側壁22bから物理的に分離されている。いくつかの実施形態では、サブシステム30、32及び36のうちの少なくとも1つのサブシステムユニットの少なくとも1つは、壁22bの第1面に隣接するベース22a上に取り付けられ、ホイールハブアセンブリは、壁22bの第2面であって前記第1面の反対側の面に隣接して配置されることで、壁22bは、前記ホイールハブアセンブリと前記サブシステムユニットとの間に配置される。
【0092】
図3Bに見られるように、いくつかの実施形態では、VCM20が基準フレーム12に取り付けられると、ベース22a上に配置されたサブシステムは、前記基準フレームのVCMキャビティ内に配置される。いくつかのそのような実施形態では、前記VCMキャビティは、車両プラットフォームのホイールウェルと同義であるか、又はホイールウェルの一部を形成する。いくつかのそのような実施形態では、前記VCMキャビティは、基準フレーム12の上面と基準フレーム12の下面との間に画定される。いくつかのそのような実施形態では、サブフレーム22の一部分のうち唯一基準フレーム12の設置面積外にある一部分は側壁22bである。他の実施形態では、例えば、図10A図10Cに示すように、VCMが基準フレーム12上に取り付けられると、サブフレーム22全体が基準フレーム12の設置面積内に配置される。いくつかの実施形態では、壁22bは、例えば図10A~11Bに示すように、車両プラットフォームに取り付けられたホイールフェンダー(またはホイールアーク)に取り付けられるように適合されている。
【0093】
以下にさらに詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、ホイール28がホイールハブアセンブリ26に取り付けられると、VCM20の車両接続インターフェース24の少なくとも一部又は全体が、前記ホイールの円筒形の設置面積内に配置される。本出願の文脈において、「ホイールの円筒形の設置面積」は、ホイールを当該ホイールの回転面(ホイールの回転軸に垂直な面)に平行な別の面へ投影することによって生じる領域である。
【0094】
以下でさらに詳細に説明するように、車両接続インターフェース24はサブフレーム22の一部を形成する。車両接続インターフェース24とVCM接続インターフェース14との係合によってVCM20が基準フレーム12に接続されると、サブフレーム22のベース22aは、前記基準フレームの上面の高さと前記基準フレームの下面の高さとの間の高さに配置され得る。たとえ前記車両接続インターフェースが前記上面と前記下面の間にあるとしても、この範囲外に前記サブフレームの一部(例えば、壁22b)が存在してもよい。いくつかの実施形態では、ベース22aの高さは、局所的に前記上面と前記下面の高さの間にある。このような実施形態では、ベース22aは、車両接続インターフェース24から20~50cmの距離内で、前記上面と前記下面の高さの間にある。しかし、前記上面と前記下面の高さは、前記基準フレームにおける図3Bに示される位置からより離れた位置では変化してもよい。したがって、そのようなより離れた位置では、前記車両接続インターフェースは前記上面と前記下面の間に存在しなくてもよい。
【0095】
駆動サブシステム30は、駆動シャフトを作動させてホイール28又は車両の他のホイールを回転させて車両を駆動するために必要な機械的および/または電気的構成要素のいずれか又はすべてを含んでもよく、前記機械的および/または電気的構成要素は、電気駆動モータ30a、モータ30aによって作動される駆動シャフト30b、ホイール28に回転を伝達するための変速機アセンブリ(例えば、一つ又は複数の歯車による変速機)及びホイール速度センサなどのセンサ(例えば、ロータリーエンコーダ)を含むが、これら以外の構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記駆動モータはVCMに含まれており、いくつかの実施形態では、前記駆動モータは車両上にあり、例えば基準フレーム12に設置されている。いくつかの実施形態では、前記駆動モータは、サブフレーム22のベース22bに取り付けられており、それによってバネ上質量となる。
【0096】
いくつかの実施形態では、VCM―コントローラ38は、車両からの電気入力を介して受け取った命令(例えば、ドライバーが操作するアクセルペダルなどの駆動機構又は自動運転ユニットから受け取った命令)に応答して、前記モータの出力および/またはホイール28の回転速度および/または変速機の歯車の選択を調節するように適合されている。
【0097】
いくつかの実施形態では、駆動サブシステム30は回生ブレーキ方式で使用してもよい。別の例では、そのような回生ブレーキの効力は、摩擦ブレーキ(すなわち、ブレーキサブシステム36の通常の動作)によって強化される(またはその逆で、摩擦ブレーキの効力は回生ブレーキによって強化される)。
【0098】
いくつかの実施形態では、回生ブレーキと摩擦ブレーキとを組み合わせる際の駆動サブシステム30とブレーキサブシステム36の「連携」は、VCM―コントローラ38によって制御されてもよい。さらに、前記VCM―コントローラが複数のサブシステムを相互に連携して制御するように構成されている(例えば、プログラムされている)別の例では、ステアリングサブシステム32は、前記ブレーキサブシステムと連携して、ブレーキを補助するために使用されてもよい。例えば、ホイールの向きをコントロールすると道路との摩擦が増加する(ブレーキバイステアリング)。このようなステアリングには、互いに対向するホイール同士を同時に同じ向きに動かす対称ステアリングや、互いに対向するホイール同士をそれぞれ異なる向きに動かす非対称ステアリングがある。同様の例では、前記VCM―コントローラは前記ブレーキサブシステムと連携してステアリングサブシステム32を制御し、ステアリングによって引き起こされるブレーキの引きの影響を軽減する。前記「ブレーキの引き」は、「ブレーキステア」または「ステアリングドリフト」としても知られる現象である。さらに別の例では、前記VCM―コントローラは、前記駆動サブシステム(回生ブレーキに関して)、前記ブレーキサブシステム(摩擦ブレーキに関して)及び前記ステアリングサブシステム(ブレーキバイステアリングに関して)を協調して制御することで、所望のブレーキ効果を実現する。
【0099】
ステアリングサブシステム32は、ステアリング、すなわちステアリング軸を中心に車両のホイールを旋回させること、のために必要な機械的および/または電気的構成要素のいずれかまたはすべてを含んでよく、前記機械的および/または電気的構成要素は、ステアリングアクチュエータ32a、ステアリングロッド32b、ステアリングシステムコントローラまたはコントロールユニット、ステアリングインバータ及びホイール角センサを含んでもよいが、これら以外の構成要素を含んでもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、VCM―コントローラ38は、車両から(例えばドライバーにより操作されるステアリング機構または自律ステアリングユニットから)電気及び電子入力としてステアリング命令を受信し、受け取った命令に応答してステアリングロッドを(例えばステアリングアクチュエータを介して)動かすことによって命令を実行し、(例えば前記ステアリングアクチュエータに送信される電流と電圧を調整したり、ステアリングシステムコントローラに高次の命令を送信したりすることによって)ホイールの向きをコントロールする。前記ステアリングアクチュエータは、前記基準フレーム内または前記基準フレーム上に取り付けられた電源などの外部電源(「外部」とはVCMの外部を意味する)から電力を受け取ってもよい。
【0101】
サスペンションサブシステム34は、VCM―コントローラ38が(例えばサスペンションシステムコントロールユニットを介して)制御可能なアクティブサスペンションシステムを任意に含んでもよい。
【0102】
ブレーキサブシステム36は、ブレーキアセンブリ(例えば、ブレーキディスク、ブレーキキャリパーなど)を作動させるための機械的および電気的構成要素のいずれかまたはすべてを含んでもよい。前記機械的および電気的構成要素は、1つまたは複数のブレーキ流体ポンプ及びブレーキ流体源を任意に含んでもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、VCM―コントローラ38は、車両からの電気入力(例えばドライバーによって操作されるブレーキ ペダルなどのブレーキ機構または自律ブレーキユニットからの電気入力)を介して受信された命令に応答して、前記ブレーキサブシステムの出力を調節するように(例えばブレーキ動作を引き起こすように)構成される。
【0104】
いくつかの実施形態では、VCM20内の複数のVCMサブシステムは、サブシステム30、32、34及び36のすべてを含む。他の実施形態では、VCM20内の複数のVCMサブシステムは、サブシステム30、32、34及び36のうち2つまたは3つを含んでもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、VCM20と基準フレーム12との間の接続インターフェースは、1つ以上の自由度を有する。このような実施形態では、前記基準フレームへの前記VCMの接続は調節可能であり、これにより例えば、ホイールのキャスター角、キャンバー角およびトー角のいずれかを制御または調節することができる。
【0106】
図4は、本発明の一実施形態における、VCMサブシステム(図1~3BのVCM20のサブシステムなど)を車両プラットフォームの基準フレーム上に設置された車両サブシステム(図1のサブシステム16および18など)に接続するためのマルチインターフェース接続要素50の写真である。さらに、図5及び図6は、図4のマルチインターフェース接続要素50の車両プラットフォーム部分及びVCM部分それぞれの接続インターフェースの概略画像である。
【0107】
図4図6に示されるように、マルチインターフェース接続要素50は、車両プラットフォームの基準フレーム(図1の基準フレーム12など)に接続可能な車両プラットフォーム部分52a及びVCMのサブフレーム(図1のサブフレーム22など)に接続可能なVCM部分52bを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、VCM部分52bは、サブフレーム22のベース22a上に取り付けられてもよい。以下にさらに詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、VCM部分52bは、ベース22aの遠位部分に配置されてもよく、当該遠位部分はホイールハブアセンブリ26から離れた位置にある。VCM部分52bをそのように配置すると、VCM部分52bの接続又は操作のためにVCM部分52bへのリモートアクセスが必要になる。このようなリモートアクセスおよび/または接続の方法は、例えば図7を参照しつつ以下に説明される。このようなリモートアクセスおよび/または接続により、VCMサブシステムと車両プラットフォーム間の接続を安全かつ効果的に維持することが容易になる。
【0109】
車両プラットフォーム部分52aとVCM部分52bは互いに可逆的に接続可能である。この可逆的な接続は、例えば、車両プラットフォーム部分52aとVCM部分52bのうちの一方の部分から延びる位置合わせピン54を他方の部分の対応する孔56内に挿入することによって行われる。部分52a及び52bは、それぞれ複数の接続インターフェースを含み、部分52aの複数の接続インターフェースと部分52bの複数の接続インターフェースは互いに対応する。
【0110】
例えば、図4図6の実施形態では、車両プラットフォーム部分52aは、一対の高電圧コネクタ60a、二対の12Vバッテリコネクタ62a、二対の48Vバッテリコネクタ64a、車両コントローラエリアネットワーク(CAN)バスコネクタ66a及び一対の冷却剤フローコネクタ68aを含む。VCM部分52bは、車両プラットフォーム部分52aに対応して、高電圧コネクタ60b、12Vバッテリコネクタ62b、48Vバッテリコネクタ64b、車両CANバスコネクタ66b及び冷却剤フローコネクタ68bを含む。いくつかの実施形態では、マルチインターフェース接続要素50の各部分の接続インターフェースは、
車両プラットフォームに取り付けられた電源、
車両プラットフォームに取り付けられた制御回路、
車両プラットフォームに取り付けられたコンピュータ化されたコントローラ、
車両プラットフォームに取り付けられたネットワークバス、
車両プラットフォームに取り付けられたネットワークインターフェース、
車両プラットフォームに取り付けられた冷却剤フローサブシステム、
車両プラットフォームに取り付けられたオイルフローサブシステム、
車両プラットフォームに取り付けられたブレーキ液フローサブシステム、
のうちの一つ又は複数に接続されている接続インターフェースを含んでもよい。
【0111】
マルチインターフェース接続要素50の車両プラットフォーム部分52aとVCM部分52bが機械的に接続されることにより、2つの部分(部分52a及び52b)内の対応する接続インターフェースが互いに接続される。車両プラットフォーム部分52aの接続インターフェースは、基準フレーム上に取り付けられた様々な車両プラットフォームサブシステム(例えば、図1のサブシステム16および18など)に接続される。VCM部分52bの接続インターフェースは、VCMのサブフレーム上に取り付けられたさまざまなサブシステム(例えば、図1のサブシステム30、32、34、36及び38など)に接続される。したがって、マルチインターフェース接続要素50の2つの部分(部分52a及び52b)の接続により、VCMサブシステムと車両サブシステムが機能的に接続される。たとえば、車両電源サブシステムへの接続を使用して、1つ以上のVCMサブシステムに電力を供給してもよい。別の例として、冷却剤フローサブシステムへの接続を使用して、図1の駆動サブシステム30の一部としてVCMに取り付けられたモータを冷却してもよく、さらに、ブレーキ液フローサブシステムへの接続は、図1のブレーキサブシステム36によって使用されてもよい。
【0112】
図7は、マルチインターフェース接続要素50のVCM部分52b(図4に示されるものと同様のもの)の斜視図であり、車両プラットフォームの基準フレームに取り付けられたさまざまなサブシステムへの接続を含む。マルチインターフェース接続要素の2つの部分(車両プラットフォーム部分とVCM部分)の接続インターフェースに含まれる特定の接続及び前記2つの部分内の接続インターフェースの配置は、特定の車両、車両プラットフォーム、VCM又は実装の要件に従う限り、マルチインターフェース接続要素の実装形態ごとに異なってもよい。
【0113】
図7に示されるように、冷却剤流コネクタ68bは、VCMの冷却サブシステムに接続可能なパイプ72に接続されている。前記冷却サブシステムは、VCM20の駆動サブシステム30の一部を形成してもよく、又はVCM20の駆動サブシステム30と機能的に関連付けられてもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、VCM部分52bと車両プラットフォーム部分52aとの係合は、部分52a/52bのうちの1つまたは複数を接続状態になるまで互いに向かって移動させることによって行われる。いくつかの実施形態では、部分52a/52bの一方は可動であり、他方は静止している。図7の例示的な実施形態に示されるように、VCM部分52bは、可動であり、車両プラットフォーム部分52a(図4)に接続するように機械的機構によって作動される。前記機械的機構は、VCMの前部とVCMの後部との間に延在してもよい。前記機械的機構により、VCM部分52bは、車両プラットフォーム部分に接続した状態と非接続した状態との間で移動が可能になる。この移動は、VCM部分52bの位置から離れたところから(例えば、VCM部分52bがVCMの後側にあれば、VCMの前側から)作動される。これにより、すべてのVCMサブシステムとサブフレームは、VCMの片側から車両プラットフォームへ取り付け及び接続することが可能になる。
【0115】
いくつかの実施形態によれば、前記機械的機構は、動作作動力を締結具88からVCM部分52bに伝達するように適合されたコネクタケーブル89によってVCM部分52bに接続される締結具88を含む。いくつかの実施形態では、作動力は、流体(例えば、空気圧、油圧)によって締結具88とVCM部分52bとの間で伝達され、コネクタケーブル89は、そのような流体で満たされたチューブによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、締結具88は、サブフレーム22の孔にねじ込まれるボルトに基づいて形成される。いくつかの実施形態では、締結具88は、ケーブル89に力を加えるレバーである。
【0116】
いくつかの実施形態では、VCM部分52b、又はVCM部分52bのサブフレーム22への接続は、図7に明確に示されるように、1つまたは複数のバネ92を含み得る。バネ92は、VCM部分52bを車両プラットフォーム部分に向かって押す、またはその逆で車両プラットフォーム部分をVCM部分52bに向かって押して、車両プラットフォーム部分とVCM部分52bの間、特に車両プラットフォーム部分とVCM部分52bの接続インターフェースの間の機能的な接続の形成および/または維持を支援するように適合されている。
【0117】
いくつかの実施形態では、VCM部分52bの作動は電気モータによって行われる。いくつかの実施形態では、VCM部分52bの機械的または電気的作動の制御は、機械的締結によるものではなく、リモートコントローラによって行われる。
【0118】
図8Aおよび図8Bは、それぞれ、いくつかの設置方法における、図2A図2BのL字型VCM20を図1に示される車両プラットフォーム10の基準フレーム12上に設置する第1ステップを示す概略上面図および概略側面図である。図8Cおよび8Dは、いくつかの設置方法における、L字型VCM20を基準フレーム12上に取り付ける追加のステップを示す概略側面図である。図8A図8Dの説明で使用した参照番号は、図1図3Bに示す参照番号と対応している。
【0119】
図8A図8Dの実施形態では、基準フレーム12は、車両プラットフォームのバンパー19の隣に延びるVCM受容セグメント14をVCM接続インターフェースとして含む。セグメント14は、図8Dに概略的に示されるように、VCM20のベース22aを受容するのに適した下面を有する。
【0120】
図8Aに見られるように、VCM20はまず、基準フレーム12の長手方向においてより狭いセグメント14と位置合わせされるように、基準フレーム12の長手方向に沿って配置される。図8Bに見られるように、この配置の第1ステップでは、基準フレーム12の長手方向x軸13に垂直な(または実質的に垂直な)横方向において、VCM20とセグメント14との間の距離d1が存在する。この配置では、サブフレーム22のベース22aは内側(プラットフォーム12に向かう方向)に面し、一方で、ホイールハブ26は外側(プラットフォーム12から離れる方向)に面する。ベース22aは、ベース22aの上面とセグメント14の下面との間に高さの差h1が存在するように、基準フレーム12のセグメント14の下方に配置される。
【0121】
VCM20を設置するために、VCM20は、図8Aの矢印100aおよび図8Bの矢印100bによって示されるように、セグメント14に向かって横方向に移動される。前記VCMは、図8Cに見られるように、壁22bの内面102がセグメント14の側面104に係合するまで前記横方向に移動される。続いて、VCM20は、図8Dに示すようにベース22aが基準フレーム12(またはセグメント14)の下面に取り付けられるまで、図8Cに示す矢印106の方向(z軸)に沿って上方に移動される。ベース22aの基準フレーム12(またはセグメント14)の下面への取り付けは、ベース22aの下面と基準フレーム12の下面が同一平面内にあれば、ベース22aを前記基準フレームに固定することによって行ってもよい。いくつかの実施形態では、ベース22aの基準フレーム12(またはセグメント14)の下面への取り付けは、ベース22aの上面が基準フレーム12の下面と同一平面内にあれば、ベース22aを前記基準フレームに固定することによって行ってもよい。
【0122】
あるいは、VCM20は、上方に移動させてもよいし、又はベース22aおよびベース22a上に配置されたサブシステムがセグメント14内の指定位置(例えば、基準フレーム12内の専用のキャビティ又は凹部)に収まるまで移動させてもよい。いくつかの実施形態では、上記設置は、例えば適切な締結具を使用して、VCM20のサブフレーム22を基準フレーム12(またはセグメント14)に固定することによって完了してもよい。以下に説明するように、サブフレーム22を基準フレーム12に固定することは、ベース22a及び/又は壁22bを基準フレーム12(またはセグメント14)に固定することを含んでもよい。
【0123】
例えば保守または交換のためにVCM20を取り外すには、図8A図8Dに示されるステップを逆にたどってもよい。言い換えると、基準フレーム12からVCM20を取り外すには、基準フレーム12とサブフレーム22を締結している締結具を取り外し、サブフレーム22を下方に移動して、そしてサブフレーム22を前記横方向に移動させて基準フレーム12から引き離すことになる。
【0124】
図9A、9B、9C及び9Dは、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態における、L字型VCM120の斜視図、上面図、正面図及び側面図である。VCM120は上述のVCM20と実質的に同様であり、同様の番号は同様の構成要素を表す。さらに、図9Eおよび図9Fは、それぞれ、本発明のいくつかの実施形態における、9A~9DのVCM120での使用に適したL字型サブフレーム122の正面および背面斜視図である。
【0125】
図9A図9Fに図示されるように、VCM120はL字型サブフレーム122を含み、L字型サブフレーム122はベース122a及びベース122aに対して実質的に垂直な側壁122bを含む。
【0126】
図9A図9Fの実施形態では、ベース122aは、平面ではなく、ベース表面を含み、前記ベース表面は、前記ベース表面に対して実質的に垂直な壁部分123aによって囲まれており、壁部分123aの各部分は、前記ベース表面に対して実質的に平行なフランジ123bで終端する。前記ベースは、壁部分123aとともに、車両サブシステムが配置される凹部121を形成する。図9Cおよび9Dに示されるように、側壁がフランジ123bから延びる。図9Bに見られるように、孔124aは、ベース122aのフランジ123bに形成されており、以下に説明するように、例えば適切な締結具によって車両の基準フレームに接続するように適合されている。
【0127】
図9Eおよび9Fが示すように、いくつかの実施形態では、フランジ123bは、フランジ123b上に形成された複数の位置合わせピン123cを有し得る。位置合わせピン123cは、ボルトまたはネジを使用してサブフレーム122を車両の基準フレームに接続する前に、サブフレーム122のベース122aを車両の基準フレームと位置合わせするのを支援するように適合されている(図10A図10Dに関して以下に説明するように)。これにより、精度を保ったまま取り付けプロセスが容易になる。
【0128】
同様に、図9A図9Dの実施形態では、側壁122bは、平面ではないが、リップ125aによって囲まれた主面を含み、前記リップはフランジ125bで終端する。前記主面は、フランジ125bがVCMの前側により近く配置されるように、フランジ125bと比べてベース122aの凹部により近く配置される。孔124bは、前記主面およびフランジ125bに形成されており、以下に説明するように、例えば適切な締結具によって車両の基準フレームに接続するように適合されている。
【0129】
VCM120はさらに、ホイールが取り付けられるように適合されたホイールハブアセンブリ126を含む。ホイールハブアセンブリ126は、ナックル150を介してサブフレーム122の側壁122bに取り付けられる。ナックル150は、ホイールハブアセンブリ126を上部サスペンションアーム154および下部サスペンションアーム152に接続し、これら両方のサスペンションアームは、VCM120のサスペンションサブシステム134の一部を形成する。サスペンションサブシステム134は、前記上部サスペンションアームと前記下部サスペンションアームとの間に配置されたショックアブソーバ156をさらに含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、例えば図9Cに示すように、サスペンションサブシステム134のショックアブソーバ156は、2つのアブゾーバ要素を有するデュアルショックアブソーバであってもよい。デュアルショックアブソーバは、耐荷重当たりでアブソーバが占有する上下方向のサイズ/スペースを削減し得る。デュアルショックアブソーバは、ホイールハブアセンブリ126とサブフレーム122に接続された駆動トレインユニットとの間を駆動シャフトで接続するために、前記アブソーバ要素間にスペースが存在することを可能にし得る。
【0131】
ホイールハブアセンブリ126およびサスペンションサブシステム134は、側壁122bの一面であってベース122aから離れた位置にある一面に取り付けられており、したがって、側壁122bの近くで且つ前記ベース上に取り付けられたサブシステムから分離されている。
【0132】
サブフレーム122のベース122aには、駆動シャフト130bと機能的に関連付けられた駆動モータ130aが取り付けられており、駆動シャフト130bと駆動モータ130aの両方は、前記VCMの駆動サブシステムの駆動サブシステムユニットを形成している。前記駆動サブシステムはさらに、ベース122a上に取り付けられる駆動トレイン130cを含む。図9Bから明らかなように、駆動シャフト130bは側壁122bを通過している。
【0133】
ベース122aにはさらに、ステアリングアクチュエータ132が取り付けられており、ステアリングアクチュエータ132は、前記VCMのステアリングサブシステムのステアリングサブシステムユニットを形成する。図9Bから明らかなように、ステアリングアクチュエータ132は側壁122bと係合していない。
【0134】
ブレーキ動力ユニット136は、ベース122aに取り付けられており、前記VCMのブレーキサブシステムのブレーキサブシステムユニットを形成する。ブレーキ動力ユニット136は、ブレーキポンプおよび/またはブレーキ動力源を含んでもよく、ブレーキディスク160およびブレーキキャリパー162と機能的に関連付けられている。ブレーキディスク160およびブレーキキャリパー162の両方は、ホイールハブアセンブリ126と機能的に関連付けられている。図9Aおよび9Bに示されるように、ブレーキディスク160およびブレーキキャリパー162は、側壁122bで隔てられた片側に配置され、一方、ブレーキ動力ユニット136は、前記側壁で隔てられた反対側に配置される。したがって、図示の実施形態では、ブレーキサブシステムユニットは側壁122bによって分離されている。あるいは、ブレーキ液貯蔵槽は、側壁122bで隔てられた片側であってホイールハブアセンブリ126に面する片側に配置されてもよく、それにより、ブレーキ液を点検および/または充填するために、VCM120を分解することなく、前記ブレーキ液貯蔵槽にアクセスすることが容易になる。
【0135】
ベース122aはさらに、電子ハブ166を搭載しており、電子ハブ166は、VCM―コントローラ及びVCMの他の電子的構成要素(通信要素、データバスなど)を含む。
【0136】
図9Bおよび9Dに示されるように、いくつかの実施形態では、マルチインターフェース接続要素のVCM部分170は、実質的に図4~7に関して上で説明したように、サブフレーム122のベース122a上に取り付けられる。図示されるように、VCM部分170は、ベース122aの一部であってホイールハブアセンブリ126の遠位にある一部に配置されてもよく、実質的に上述したように、車両のサブフレームからVCM120を取り外すことなくアクセス可能であり得る。
【0137】
図10A図10Dは、本発明のいくつかの実施形態における、L字型VCM120を基準フレーム112に接続するステップおよびそのような接続に必要な締結具を示す斜視図である。
【0138】
図10A図10Dに示されるように、且つ図8A図8Dに関して上述したように、設置の最初のステップにおいて、VCM120は、基準フレーム112から前記横方向に離れて配置され、且つ前記z軸上において前記基準フレームよりも下方に位置する。
【0139】
図10Bから明らかなように、VCM120が基準フレーム112と前記横方向において位置合わせされると、当該VCMは、取り付け位置まで矢印170で示される方向に沿って上方に移動される。位置合わせピン123cを含む実施形態では、これらのピンは通常、基準フレーム112内の適切な孔と位置合わせされ、その孔の中に挿入される。サブフレーム120は、フランジ123b上の孔124aを通って延びる複数の締結具172によって基準フレーム112に締結される。図10Cに示す追加の締結具174は、側壁122bを基準フレーム112に締結するように適合されている。
【0140】
いくつかの実施形態では、フェンダーまたはホイールエンクロージャ180は、基準フレーム112の上面より上に延在し、いくつかの実施形態では、基準フレーム112の長手方向においてVCM受容セグメント114と位置合わせされている。いくつかの実施形態では、VCM120は、例えば追加の締結具(明示的には示されていない)によってホイールエンクロージャ180に取り付けられてもよい。
【0141】
図11Aは、L字型VCM120を取り付ける準備ができた基準フレーム112の底面図であり、図11Bは、L字型VCM120が接続された基準フレーム112の側面図である。
【0142】
図11Aに見られるように、基準フレーム112の下面は、締結具172を受容するように適合された複数の孔115を含むことで、前記サブフレームを前記基準フレームに接続する。
【0143】
いくつかの実施形態(一例として図11Bに示される実施形態)では、基準フレーム112は、図4図7に関して上述したように、マルチインターフェース接続要素の車両部分182を搭載している。車両部分182は、実質的には上で説明したように、マルチインターフェース接続要素のVCM部分(明示的には示されていない)に接続されるように適合されている。
【0144】
さらに、図11Bに見られるように、VCM120が基準フレーム112内に設置されると、ベース122aは、前記基準フレームの下面より下に延在する。ただし、サブフレーム122全体は、基準フレーム112の設置面積内に収まる。
【0145】
図12は、本発明のいくつかの実施形態における、L字型VCM220のサブフレーム222と車両プラットフォームの基準フレーム212が互いに分離されて示されている斜視図である。図13A図13Cは、それぞれ、サブフレーム222と基準フレーム212が互いに接続されて示されている斜視図、上面図、および正面図である。
【0146】
図12の拡大部分に見られるように、VCM220は、基準フレーム212の長手方向および短手方向において、基準フレーム212のVCM受容セグメント214と位置合わせされており、VCM受容セグメント214のキャビティは前記VCMを受容するようなサイズと構成になっている。VCM220は、VCM受容セグメント214の下に配置されている。
【0147】
VCM220は、ベース222aとベース222aに対して実質的に垂直な側壁222bとを含むL字形のサブフレーム222を備える。ベース222aは、ベース222aの両側においてベース222aに対して実質的に平行なフランジ223を含み、且つ前記ベースの端部であって側壁222bから遠位の端部においてアーチ225を含む。孔224は、フランジ223に形成され、例えば締結具250によって基準フレーム212に接続するように適合されている。図示の実施形態では、側壁222bは基準フレーム212に締結されていない。
【0148】
図13A図13Cに示すように、VCM220は、サブフレーム222をさらに含む。第2のVCM220aは、第2のVCM受容セグメントに取り付けられ、VCM220の向かい側に配置される。
【0149】
サブフレーム222のベース222aには、インバータ230bおよび変速機230cを含む駆動モータ230aが取り付けられており、インバータ230b、変速機230c及び駆動モータ230aはすべて、駆動サブシステムの駆動サブシステムユニットを形成する。サブフレーム222のベース222aにはさらに、ステアリングアクチュエータ232およびブレーキアクチュエーター236が取り付けられており、ステアリングアクチュエータ232は、ステアリングサブシステムのステアリングサブシステムユニットを形成し、ブレーキアクチュエーター236は、ブレーキサブシステムのブレーキサブシステムユニットを形成する。駆動、ステアリング及びブレーキサブシステムのサブシステムユニットは、側壁222bで隔てられた片側に配置され、VCMのホイールは、前記側壁で隔てられた反対側に配置されるように適合されている。したがって、ベース222a上に取り付けられた、駆動サブシステム、ステアリングサブシステム及びブレーキサブシステムのサブシステムユニットは、側壁222bによってホイールから分離されている(ホイールがVCMに取り付けられている場合)。ベース222aはさらに、VCM―コントローラを含むとともに通信要素、データバスなどのVCMの他の電子的構成要素を含む電子ハブ266を搭載している。電気コネクタ270および/または冷却剤コネクタ270は、サブフレーム222上のシステムを基準フレーム212上に配置されたシステムに接続する。
【0150】
結びのコメント
【0151】
本明細書で引用されるすべての参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。参考文献の引用は、その参考文献が先行技術であることを認めるものではない。
【0152】
既述の実施形態はいずれも、添付の図とともに本明細書で説明された操作を実行する命令および/またはデータをコンピュータ可読媒体上で受信、送信又は保存することをさらに含み得る。一般的に言えば、コンピュータ可読媒体(例えば、非一時的媒体)は、磁気媒体、フラッシュ媒体または光媒体などの保存又はメモリ媒体(例えば、ディスクまたはCD―ROMなど)や揮発性又は不揮発性媒体(RAMやROMなど)を含んでもよい。
【0153】
本明細書では例示的な実施形態を説明したが、当業者には、以下に記載する特許請求の範囲および本質から逸脱することなく、既述の実施形態を変更、修正、改良および同等な実施形態で置換することが可能であることが明らかであろう。特に、異なる実施形態は、本明細書に記載された特徴以外の特徴の組み合わせを含んでもよい。したがって、特許請求の範囲は本明細書に記載の内容に限定されない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
【国際調査報告】