(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】バッファータンク及びバッファータンクを備える供給ブロックと、ガス供給装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
C23C16/455
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504520
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 KR2022010987
(87)【国際公開番号】W WO2023013952
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0101956
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0090981
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ジ フン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ダイ ス
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030EA03
4K030EA04
4K030EA11
4K030FA01
4K030GA02
4K030HA01
4K030KA17
4K030KA22
4K030KA23
(57)【要約】
本発明の実施形態は、基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するバッファータンクであって、内部にガスを収容可能な第1の空間を有する第1のボディと、前記第1の空間に比べて体積が小さく、ガスを収容可能な第2の空間を有し、前記第1の空間に配設された第2のボディと、前記第2の空間に位置するように前記第2のボディに配設されたフィルターと、を備える。
したがって、本発明の実施形態によれば、ガス提供部からのガスをバッファータンクの内部において所定の時間の間に留めることができ、このため、バッファータンクの内部の圧力を増加させることができる。したがって、バッファータンクから排出されるガスの圧力を増加させることができ、これにより、バッファータンクと連絡されたチャンバーの内部に噴射されるガスの噴射圧力を増加させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するバッファータンクであって、
内部にガスを収容可能な第1の空間を有する第1のボディと、
前記第1の空間に比べて体積が小さく、ガスを収容可能な第2の空間を有し、前記第1の空間に配設された第2のボディと、
前記第2の空間に位置するように前記第2のボディに配設されたフィルターと、
を備える、バッファータンク。
【請求項2】
前記第1の空間に位置するように前記第1のボディにヒーターが配設されている、請求項1に記載のバッファータンク。
【請求項3】
前記第2の空間とチャンバーとの間に配設された弁を備える、請求項1に記載のバッファータンク。
【請求項4】
基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給する供給ブロックであって、
ガスを収容可能な第1の空間と、前記第1の空間に比べて体積が小さく、前記第1の空間と画成された第2の空間及び前記第2の空間に配設されたフィルターを備えるバッファータンクと、
前記第2の空間と連絡可能な第1の流路及び前記チャンバーの内部と連絡可能な第2の流路を備え、前記バッファータンクの一方の側に位置付けられたガスブロックと、
を備える、供給ブロック。
【請求項5】
前記第1の流路と第2の流路との間の連通を制御するように前記ガスブロックに接続された弁を備える、請求項4に記載の供給ブロック。
【請求項6】
前記第1の空間に位置するように前記バッファータンクに配設されたヒーターを備える、請求項4に記載の供給ブロック。
【請求項7】
基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するガス供給装置であって、
前記チャンバーの内部と連通する流路を備え、前記チャンバーの上部に配設されたベースと、
ガスを収容可能な内部空間を備え、前記流路にガスを供給できるように前記ベースの上部に配設されたバッファータンクと、
を備え、
前記内部空間は、第1の空間と、前記第1の空間に比べて体積が小さく、前記第1の空間と画成された第2の空間と、を備え、
前記バッファータンクは、前記第2の空間に位置付けられたフィルターを備える、ガス供給装置。
【請求項8】
前記バッファータンクは、
内部に前記第1の空間が設けられた第1のボディと、
内部に前記第1の空間に比べて小さな体積の前記第2の空間が設けられ、前記第1の空間に位置付けられた第2のボディと、
を備え、
前記第2の空間とチャンバーとの間に配設された弁を備える、請求項7に記載のガス供給装置。
【請求項9】
前記バッファータンクは、
内部に前記第1の空間が設けられた第1のボディと、
内部に前記第1の空間に比べて小さな体積の第2の空間が設けられ、前記第1の空間に位置付けられた第2のボディと、
前記第2の空間と接続された排出管と、
を備え、
前記排出管と連絡可能な第1の流路及び前記ベースの流路と連絡可能な第2の流路を備え、前記ベースの上部に配設可能なガスブロックを備える、請求項7に記載のガス供給装置。
【請求項10】
前記第1の流路と第2の流路との間の連通を制御するように前記ガスブロックの上に配設された弁を備える、請求項9に記載のガス供給装置。
【請求項11】
基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するバッファータンクであって、
内部にガスを収容可能な第1の空間を有する第1のボディを備え、
前記第1の空間にヒーターが配設されている、バッファータンク。
【請求項12】
前記第1の空間に比べて体積が小さな第2の空間を有し、前記第1の空間に配設された第2のボディと、
前記第2の空間に位置するように前記第2のボディに配設されたフィルターと、
を備える、請求項11に記載のバッファータンク。
【請求項13】
前記第2の空間と連通可能な第1の流路及び前記チャンバーの内部と連通可能な第2の流路を備えるガスブロックが前記第1のボディに接続されている、請求項12に記載のバッファータンク。
【請求項14】
前記第2の空間及び前記チャンバーの内部と連通可能な流路を備え、前記チャンバーの上部に配設されたベースの上部に前記第1のボディが配設されている、請求項12又は請求項13に記載のバッファータンク。
【請求項15】
一方の面に前記ヒーターが接続され、前記第1のボディの開口を閉鎖するように前記第1のボディに配設され、内部に前記第1の空間と連通する流路が設けられたカバーを備える、請求項11に記載のバッファータンク。
【請求項16】
周方向に包み込むように前記ヒーターに配設された逆圧防止部を備え、
前記第1の空間は、ガスが流れ込む流入口と連通している空間であって、前記逆圧防止部の一方の側に位置付けられた空間である一方側の空間と、前記一方の側の空間に比べて相対的に前記流入口から遠ざかるように位置付けられた空間であって、前記逆圧防止部の他方の側に位置付けられた空間である他方側の空間と、を備える、請求項11に記載のバッファータンク。
【請求項17】
前記一方側の空間に比べて他方側の空間の体積が大きい、請求項16に記載のバッファータンク。
【請求項18】
基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するガス供給装置であって、
前記チャンバーの内部と連通する流路を備え、前記チャンバーの上部に配設されたベースと、
ガスを収容可能な内部空間を備え、前記流路にガスを供給できるように前記ベースの上部に配設されたバッファータンクと、
を備え、
前記ベースと前記バッファータンクとの間に接続されるフィルターを備える、ガス供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッファータンク及びバッファータンクを備える供給ブロックと、ガス供給装置に関し、より詳細には、チャンバーに供給されるガスの圧力を増加させることのできるバッファータンク及びバッファータンクを備える供給ブロックと、ガス供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の上に薄膜を蒸着する基板処理装置は、チャンバーと、基板を支持できるようにチャンバーの内部に配設された支持台と、チャンバーの内部に配設されて支持台に向かってガスを噴射する噴射部と、を備える。
【0003】
噴射部は、チャンバーの外部に配設された搬送管と接続され、搬送管は、基板処理工程のためのガスが貯留された貯留部と接続される。このため、貯留部のガスが搬送管を経て噴射部に流れ込んだ後、噴射部を介してチャンバーの内部に噴射される。
【0004】
一方、貯留部は、チャンバーから遠い距離に位置付けられ、このため、搬送管の延長長さが長い。このため、貯留部のガスが搬送管を通過して噴射部から噴射されるとき、ガスの噴射圧が低いという問題がある。
【0005】
そして、原子層蒸着の場合、ソースガスの噴射後に、又はリアクタントガスの噴射後に未反応ガス又は反応副産物をパージするために、パージガスをチャンバーの内部に噴射する。ところが、遠い距離にある貯留部から排出されたパージガスが搬送管を通過した後、噴射部から噴射されるため、パージガスの噴射圧力が低い。したがって、パージガスによるパージ効率が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録特許第0458140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、チャンバーの内部に供給されるガスの圧力を増加させることのできるバッファータンク及びバッファータンクを備える供給ブロックと、ガス供給装置を提供する。
【0008】
本発明は、不純物がチャンバーの内部に供給されることを防止もしくは抑止することのできるバッファータンク及びバッファータンクを備える供給ブロックと、ガス供給装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するバッファータンクであって、内部にガスを収容可能な第1の空間を有する第1のボディと、前記第1の空間に比べて体積が小さく、ガスを収容可能な第2の空間を有し、前記第1の空間に配設された第2のボディと、前記第2の空間に位置するように前記第2のボディに配設されたフィルターと、を備えていてもよい。
【0010】
前記第1の空間に位置するように前記第1のボディにヒーターが配設されてもよい。
【0011】
前記バッファータンクは、前記第2の空間とチャンバーとの間に配設された弁を備えていてもよい。
【0012】
本発明の実施形態は、基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給する供給ブロックであって、ガスを収容可能な第1の空間と、前記第1の空間に比べて体積が小さく、前記第1の空間と画成された第2の空間及び前記第2の空間に配設されたフィルターを備えるバッファータンクと、前記第2の空間と連絡可能な第1の流路及び前記チャンバーの内部と連絡可能な第2の流路を備え、前記バッファータンクの一方の側に位置付けられたガスブロックと、を備えていてもよい。
【0013】
前記供給ブロックは、前記第1の流路と第2の流路との間の連通を制御するように前記ガスブロックに接続された弁を備えていてもよい。
【0014】
前記供給ブロックは、前記第1の空間に位置するように前記バッファータンクに配設されたヒーターを備えていてもよい。
【0015】
本発明の実施形態は、基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するガス供給装置であって、前記チャンバーの内部と連通する流路を備え、前記チャンバーの上部に配設されたベースと、ガスを収容可能な内部空間を備え、前記流路にガスを供給できるように前記ベースの上部に配設されたバッファータンクと、を備え、前記内部空間は、第1の空間と、前記第1の空間に比べて体積が小さく、前記第1の空間と画成された第2の空間と、を備え、前記バッファータンクは、前記第2の空間に位置付けられたフィルターを備えていてもよい。
【0016】
前記バッファータンクは、内部に前記第1の空間が設けられた第1のボディと、内部に前記第1の空間に比べて小さな体積の前記第2の空間が設けられ、前記第1の空間に位置付けられた第2のボディと、を備え、前記第2の空間とチャンバーとの間に配設された弁を備えていてもよい。
【0017】
前記バッファータンクは、内部に前記第1の空間が設けられた第1のボディと、内部に前記第1の空間に比べて小さな体積の第2の空間が設けられ、前記第1の空間に位置付けられた第2のボディと、前記第2の空間と接続された排出管と、を備え、前記排出管と連絡可能な第1の流路及び前記ベースの流路と連絡可能な第2の流路を備え、前記ベースの上部に配設可能なガスブロックを備えていてもよい。
【0018】
前記ガス供給装置は、前記第1の流路と第2の流路との間の連通を制御するように前記ガスブロックの上に配設された弁を備えていてもよい。
【0019】
本発明の実施形態は、基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するバッファータンクであって、内部にガスを収容可能な第1の空間を有する第1のボディを備え、前記第1の空間にヒーターが配設されてもよい。
【0020】
前記バッファータンクは、前記第1の空間に比べて体積が小さな第2の空間を有し、前記第1の空間に配設された第2のボディと、前記第2の空間に位置するように前記第2のボディに配設されたフィルターと、を備えていてもよい。
【0021】
前記第2の空間と連通可能な第1の流路及び前記チャンバーの内部と連通可能な第2の流路を備えるガスブロックが前記第1のボディに接続されてもよい。
【0022】
前記バッファータンクは、前記第2の空間及び前記チャンバーの内部と連通可能な流路を備え、前記チャンバーの上部に配設されたベースの上部に前記第1のボディが配設されてもよい。
【0023】
前記バッファータンクは、一方の面に前記ヒーターが接続され、前記第1のボディの開口を閉鎖するように前記第1のボディに配設され、内部に前記第1の空間と連通する流路が設けられたカバーを備えていてもよい。
【0024】
前記バッファータンクは、周方向に包み込むように前記ヒーターに配設された逆圧防止部を備え、前記第1の空間は、ガスが流れ込む流入口と連通している空間であって、前記逆圧防止部の一方の側に位置付けられた空間である一方側の空間と、前記一方の側の空間に比べて相対的に前記流入口から遠ざかるように位置付けられた空間であって、前記逆圧防止部の他方の側に位置付けられた空間である他方側の空間と、を備えていてもよい。
【0025】
前記一方側の空間に比べて他方側の空間の体積が大きくてもよい。
【0026】
本発明の実施形態は、基板を処理するチャンバーの内部にガスを供給するガス供給装置であって、前記チャンバーの内部と連通する流路を備え、前記チャンバーの上部に配設されたベースと、ガスを収容可能な内部空間を備え、前記流路にガスを供給できるように前記ベースの上部に配設されたバッファータンクと、を備え、前記ベースと前記バッファータンクとの間に接続されるフィルターを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態によれば、ガス提供部からのガスをバッファータンクの内部において所定の時間の間に留めることができ、このため、バッファータンクの内部の圧力を増加させることができる。したがって、バッファータンクから排出されるガスの圧力を増加させることができ、これにより、バッファータンクと連絡されたチャンバーの内部に噴射されるガスの噴射圧力を増加させることができる。
【0028】
このとき、チャンバーの内部に噴射されるガスがパージガスである場合、パージガスを用いたパージ効率を増加させることができる。そして、チャンバーの内部に噴射されるガスが薄膜蒸着の原料となるガスである場合、基板に行き届くガスの量を増加させることができて、薄膜蒸着効率を増加させることができる。
【0029】
そして、ガスが通過するバッファータンクの内部にフィルターが設けられることにより、チャンバーの内部に噴射されるガスに不純物が混入されることを防止もしくは抑止することができる。このため、不純物による基板又は薄膜の汚れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るガス供給装置を備える基板処理装置を示す図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係るガス供給装置を備える基板処理装置を示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係るガス供給装置の弁の動作によるガスの流れを説明するための図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係るガス供給装置の弁の動作によるガスの流れを説明するための図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態に係るガス供給装置を示す図である。
【
図6】本発明の第4の実施形態に係るガス供給装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明の実施形態を説明するために図面は誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガス供給装置を備える基板処理装置を示す図である。
【0033】
図1を参照すると、基板処理装置は、基板Sを処理可能な内部空間を有するチャンバー100と、チャンバー100内に装入された基板Sを支持する支持台200と、支持台200と向かい合うようにチャンバー100内に配設されてガスを噴射する噴射部400と、噴射部400から噴射される圧力が増加するように前記噴射部400にガスを供給し、チャンバー100の外部に配設されたガス供給装置1000と、を備えていてもよい。
【0034】
また、基板処理装置は、チャンバー100の内部に噴射するためのガスを貯留し、ガス供給装置1000と接続されたガス提供部500と、ガス提供部500とガス供給装置1000とを接続する接続管600と、チャンバー100内にプラズマ(plasma)を生じさせるように噴射部400に電源を供給するRF電源部700と、支持台200に昇降動作及び回転動作のうちの少なくともどちらか一方の動作を行わせる駆動部300と、チャンバー100の内部のガス及び副産物のうちの少なくともどちらか一方を排気するようにチャンバー100に接続された排気部800と、を備えていてもよい。
【0035】
チャンバー100は、基板Sを処理可能な内部空間を有し、前記内部空間を気密に保持する。このようなチャンバー100は、例えば、内部空間を有する胴体110及び胴体110の上側の開口を覆う蓋体120を備えるように設けられてもよい。
【0036】
支持台200は、噴射部400と向かい合うようにチャンバー100の内部に配設されて、チャンバー100の内部に装入された基板Sを支持する。支持台200は、基板Sに比べて大きく作製されてもよく、基板Sと対応する形状、例えば、四角い形状に設けられてもよい。そして、支持台200は、接地されてもよい。また、支持台200の内部には、ヒーター210が設けられてもよい。このため、ヒーター210を動作させると、支持台200の上に載置された基板S及びチャンバー100の内部が加熱されることが可能になる。
【0037】
噴射部400は、支持台200と向かい合うようにチャンバー100の内部に配設されて、支持台200に向かってガスを噴射する。このとき、噴射部400は、後述するガス供給装置1000からガスの提供を受け、これをチャンバー100の内部に噴射する。
【0038】
噴射部400は、例えば、複数本の噴射孔420を有するシャワーヘッド状のものであってもよい。すなわち、噴射部400は、支持台200の延在方向に延設され、ガスを収容可能な内部空間430を有する噴射ボディ410及び支持台200を向くように噴射ボディ410の下部に設けられ、支持台200の延在方向に隔設された複数本の噴射孔420を備えていてもよい。また、噴射部400は、内部に噴射ボディ410の内部空間430と連通する通路を有し、ガス供給装置1000と噴射ボディ410とを接続する供給管440を備えていてもよい。複数本の噴射孔420のそれぞれは、内部空間430の下側において前記内部空間430と連通するように噴射ボディ410の下部に設けられる。このため、供給管440を通過して噴射ボディ410の内部空間430に流れ込んだガスは、複数本の噴射孔420を通過してチャンバー100の内部に噴射される。
【0039】
噴射部400は、上述した構成又は形状に何ら限定されるものではなく、ガスをチャンバー100の内部又は支持台200に向かって噴射可能である限り、いかなる構成又は形状に設けられても構わない。
【0040】
ガス提供部500は、ガス供給装置1000と接続されて前記ガス供給装置1000にガスを提供又は供給する。そして、基板の処理のために、チャンバー100の内部に複数種のガスを噴射する場合、ガス提供部500は、複数で設けられてもよい。より具体例を挙げると、基板処理装置が原子層蒸着(ALD:Atomic Layer Deposition)法により基板Sの上に薄膜を蒸着する装置である場合、ガス提供部500は、ソースガス(source gas)を提供する第1のガス提供部500aと、リアクタントガス(reactant gas)を提供する第2のガス提供部500b及びパージガス(purge gas)を提供する第3のガス提供部500cを備えていてもよい。
【0041】
そして、第1乃至第3のガス提供部500a、500b、500cのそれぞれは、ガス貯留部510a、510b、510cと、ガス貯留部510a、510b、510cとガス供給装置1000とを接続する搬送部520a、520b、520cと、ガス貯留部510a、510b、510cとガス供給装置1000との間の連通を制御するように搬送部520a、520b、520cに配設された弁530a、530b、530cと、を備えていてもよい。このとき、第1のガス貯留部510aにはソースガス、第2のガス貯留部510bにはリアクタントガス、第3のガス貯留部510cにはパージガスが貯留されてもよい。
【0042】
上記においては、ガス提供部500が3つのガス提供部500a、500b、500cを備えることについて説明した。しかしながら、3つ未満又は3つを超える数でガス提供部が設けられてもよい。また、ガス提供部からのガスとしては、原子層の蒸着に用いられるソースガス、リアクタントガス、パージガスに何ら限定されず、チャンバー100の内部に噴射される多種多様なガスが適用可能である。
【0043】
ガス供給装置1000は、噴射部400から噴射される圧力が増加するように前記噴射部400にガスを供給する。すなわち、ガス供給装置1000は、ガス提供部500のガスが噴射部400に直ちに又は直接的に供給されるときに比べて、噴射部400からチャンバー100の内部に噴射される噴射圧力が増加するようにする。
【0044】
このようなガス供給装置1000は、噴射部400にガスを供給する手段であって、チャンバー100の外部に配設されてもよい。より具体的には、ガス供給装置1000は、
図1に示されているように、チャンバーの蓋体1120の上部に取り付けられてもよい。いうまでもなく、ガス供給装置1000の配設位置は、チャンバー100の上部に何ら限定されるものではなく、チャンバー100の外部において噴射部400と接続可能である限り、いかなる位置に配設されても構わない。
【0045】
ガス供給装置1000は、噴射部400に移動又は排出されるガスの圧力を増加させることが可能なように、ガス提供部500からのガスを一時的に収容する内部空間が設けられたバッファータンク1110を備える供給ブロック1100と、供給ブロック1100が締結及び分離できるようにチャンバー100の上部に配設されたベース1200と、を備えていてもよい。
【0046】
供給ブロック1100は、ガスを収容可能な内部空間1112を有し、不純物をフィルターリング可能なフィルター1115を備えるバッファータンク1110を備えていてもよい。また、供給ブロック1100は、ガスを加熱するようにバッファータンク1110の内部に配設されたヒーター1120をさらに備えていてもよい。また、供給ブロック1100は、バッファータンク1110の内部の圧力を測定する圧力測定部(図示せず)を備えていてもよく、圧力測定部は、例えば、ヒーター1120に配設されてもよい。
【0047】
バッファータンク1110は、ガス提供部500から供給されたガスを一時的に貯留していて、高い圧力のガスをチャンバー100の内部又は噴射部400に供給する手段である。このようなバッファータンク1110は、内部空間1112を有し、前記内部空間1112は、第1の空間1112aと、第1の空間1112aと画成されるように設けられた第2の空間1112bと、を備える。このとき、第1の空間1112aの体積は、第2の空間1112bに比べて大きくてもよく、第2の空間1112bにフィルター1115が配設されてもよい。
【0048】
バッファータンク1110についてより具体的に説明すれば、バッファータンク1110は、内部にガスを収容可能な第1の空間1112aが配備された第1のボディ1111aと、内部にガスを収容可能な第2の空間1112bが配備され、第1のボディ1111aの第1の空間1112aに配設された第2のボディ1111bと、第2のボディ1111bの第2の空間1112bに配設されたフィルター1115と、一方の端が第2のボディ1111bに接続され、他方の端が噴射部400に接続された排出管1116及び噴射部400との連通を制御するように排出管1116に配設された弁(以下、バッファー弁1117)を備えていてもよい。
【0049】
第1のボディ1111aは、バッファータンク1110の最外郭の壁体をなす手段であってもよい。このような第1のボディ1111aは、ガスを収容可能な内部空間、すなわち、第1の空間1112aを有する。このとき、第1の空間1112aの体積又はボリュームは、上述したように、第2の空間1112bに比べて大きくなるように設けられてもよい。
【0050】
そして、第1のボディ1111aには、接続管600及び第1の空間1112aと連通する第1の流入口1113aが配備される。このとき、第1の流入口1113aは、第2のボディ1111bの外側に位置するように設けられてもよい。別の言い方をすれば、第2のボディ1111bは、第1の流入口1113aと排出管1116との間に位置するように第1の空間1112aに配設されてもよい。このため、第1の流入口1113aは、その位置が第2のボディ1111bと重なり合わず、前記第2のボディ1111bの外側に位置付けられる。
【0051】
第2のボディ1111bは、ガスを収容可能な内部空間、すなわち、第2の空間1112bを有する。そして、このような第2のボディ1111bは、第1のボディ1111aの内部に配設される。ここで、第2のボディ1111bが第1のボディ1111aの内部に配設されるということは、第2のボディ1111bが第1のボディ1111aの第1の空間1112aに収容されるように配設されるということを意味し得る。このとき、第2の空間1112bの体積又はボリュームは、第1の空間1112aに比べて小さくなるように設けられてもよい。
【0052】
第2のボディ1111bには、第1の空間1112aに流れ込んだガスが第2の空間1112bに流れ込む通路である第2の流入口1113b及び第2の空間1112bのガスが排出管1116に排出される通路である排出口1114が設けられる。このため、第2の空間1112bは、第2の流入口1113bと排出口1114との間の空間であるものと説明可能である。そして、第1の流入口1113aを介して第1のボディ1111aの第1の空間1112aに流れ込んだガスは、第2のボディ1111bの第2の流入口1113bを介して第2の空間1112bに流れ込んだ後、排出口1114及び排出管1116を経て外部に排出されてもよい。
【0053】
排出管1116は、バッファータンク1110の内部のガスを外部、すなわち、噴射部400に排出する手段である。より具体的には、排出管1116は、第2のボディ1111bの第2の空間1112bに流れ込んだガスを噴射部400に供給する。このために、排出管1116は、一方の端が第2のボディ1111bの排出口1114と接続され、他方の端が噴射部400の供給管440と接続できるように設けられる。このとき、排出管1116は、
図1に示すように、第1のボディ1111aを一部貫通して設けられてもよい。すなわち、第1のボディ1111aのうち、第2のボディ1111bと噴射部400との間の領域の一部を貫通するように設けられたり配設されたりしてもよい。
【0054】
バッファー弁1117は、第2の空間1112bと噴射部400との間の連通を制御するように排出管1116に配設される。すなわち、バッファー弁1117は、排出管1116の延長経路の上に位置するように前記排出管1116に配設されてもよい。このとき、バッファー弁1117は、外部から加えられる信号又は力により動作可能な手段であってもよい。また、バッファー弁1117は、圧力測定部において測定されたバッファータンクの内部の圧力により動作するように設けられてもよい。
【0055】
フィルター1115は、第2のボディ1111bの内部、すなわち、第2の空間1112bに配置されてガスに混入されている固体相の粒子、粉末などの不純物を濾し取る。ここで、フィルター1115は、例えば、濾し取ろうとする粒子に比べて小さな大きさの開口が複数設けられた手段であってもよい。他の例を挙げると、フィルター1115は、例えば、静電気を用いてガス中に混入された微小粒子を吸着する静電フィルターであってもよい。いうまでもなく、フィルター1115は、上述した例に何ら限定されるものではなく、ガスに混入されている不純物を濾し取れる限り、多種多様な手段が使用可能である。
【0056】
ヒーター1120は、バッファータンク1110の内部に流れ込んだガスの液化を防ぐために設けられた手段であって、バッファータンク1110の内部空間にあるガスを加熱する。このようなヒーター1120は、第1のボディ1111aの内部に位置するように配設される。すなわち、ヒーター1120は、第1の空間1112aに位置するように第1のボディ1111aに配設されてもよい。このとき、ヒーター1120は、第2のボディ1111b又は第2の空間1112bの外部に位置するように第1の空間1112aに配置される。
【0057】
ヒーター1120は、例えば、印加される電流による抵抗によって発熱する金属発熱体を備える手段であってもよい。このような場合、ヒーター1120には電流を印加する電源部1130が接続されてもよく、電源部1130は、バッファータンク1110の外部に位置付けられてもよい。
【0058】
ベース1200は、供給ブロック1100を支持し、前記供給ブロック1100がチャンバー100に取り付けられるようにする手段である。すなわち、ベース1200は、供給ブロック1100が有する複数の構成要素がチャンバー100の上に容易に取り付けられるようにする役割を果たす。
【0059】
例えば、供給ブロック1100が一つのバッファータンク1110を備えるとき、ベース1200は、バッファータンク1110が締結及び分離できるように設けられる。このとき、バッファータンク1110がベース1200の上部に配設されるため、ベース1200には、バッファータンク1110から排出されたガスをチャンバー100の内部又は噴射部400に行き届かせることが可能な流路1210が設けられる。より具体的には、ベース1200には、バッファータンク1110の排出管1116と接続される流路1210が設けられる。このため、バッファータンク1110の排出管1116から排出されたガスがベース1200の流路1210を通過した後、噴射部400を介してチャンバー100の内部に噴射される。
【0060】
そして、供給ブロック1100は、複数の構成要素を備えていてもよい。例えば、供給ブロック1100は、複数のバッファータンク1110を備えるか、あるいは、バッファータンク1110とは異なる構成要素をさらに備えていてもよい。このとき、バッファータンク1110と他の構成要素は、例えば、ガスが収容又は通過可能な空間が設けられた手段であってもよい。このため、必要に応じて、バッファータンク1110を複数締結したり、バッファータンク1110に加えて他の構成要素がさらに締結されたりできるように、ベース1200には複数本の流路1210が設けられてもよい。このとき、複数本の流路1210は、互いに異なる位置に設けられてもよい。
【0061】
このように、ベース1200が互いに異なる位置に設けられた複数本の流路1210を備えることにより、必要に応じて、前記ベース1200に複数のバッファータンク1110を取り付けたり、バッファータンク1110に加えて他の構成要素をさらに取り付けたり組み付けたりすることができる。別の言い方をすれば、必要に応じて、チャンバー100に複数のバッファータンク1110又はバッファータンク1110に加えて他の構成要素をさらに組み付け易い。すなわち、チャンバー100の内部に供給されるガスを制御、例えば、ガスの種類、流量、圧力などを制御するために、必要に応じて、複数のバッファータンク1110を取り付けたり、バッファータンク1110に加えて他の構成要素をさらに取り付けたり組み付けたりすることができる。
【0062】
そして、供給ブロック1100とベース1200とを互いに締結したり分離したりするための別途の締結部材を用いてもよい。例えば、供給ブロック1100が一つのバッファータンク1110を備えるとき、バッファータンク1110とベース1200とを互いに締結したり分離したりできる締結部材が設けられてもよい。例えば、締結部材は、一部がバッファータンク1110の第1のボディ1111aとベース1200に嵌入される締結体及び第1のボディ1111aの外部から締結体を第1のボディ1111aに固定する固定体を備えていてもよい。このとき、締結体は、その外周面にねじ山が形成されたボルトであってもよく、固定体は、その内周面にねじ山が形成されたナットであってもよい。そして、バッファータンク1110及びベース1200のそれぞれには締結体が嵌入又は貫通可能な締結孔が設けられてもよい。このような締結部材及び締結孔によりバッファータンク1110がベース1200に締結又は結合されることができ、前記ベース1200と取り外されることが可能になる。
【0063】
そして、上述したように、供給ブロック1100は、バッファータンク1110を複数備えていてもよく、バッファータンク1110に加えて他の構成要素をさらに備えていてもよい。このとき、複数のバッファータンク1110又はバッファータンク1110に加えて他の構成要素のそれぞれは、締結部材を用いてベース1200の上に締結されてもよい。そして、ベース1200には、複数の締結体のそれぞれが嵌入可能なように複数本の締結孔が設けられてもよく、複数本の締結孔は互いに異なる位置に設けられてもよい。
【0064】
このように、ベース1200が互いに異なる位置に設けられた複数本の流路1210と複数本の締結孔を備えることにより、必要に応じて、前記ベース1200に複数のバッファータンク1110を取り付けたり、バッファータンク1110に加えて他の構成要素をさらに取り付けたり組み付けたりすることができる。すなわち、上述したように、チャンバー100の内部に供給されるガスを制御、例えば、ガスの種類、流量、圧力などを制御するために、必要に応じて、複数のバッファータンク1110を取り付けたり、バッファータンク1110に加えて他の構成要素をさらに取り付けたり組み付けたりすることができる。
【0065】
このように、第1の実施形態に係るガス供給装置1000の供給ブロック1100は、ガス提供部500からのガスを一時的に収容可能なバッファータンク1110を備える。別の言い方をすれば、ガス供給装置1000は、ガス提供部500と噴射部400との間に接続されるバッファータンク1110を備える。
【0066】
このようなバッファータンク1110は、ガス提供部500から提供された、又はガス提供部500から排出されたガスが噴射部400にそのまま移動せず、高い圧力にて噴射部400に移動できるようにする。より具体的に説明すれば、バッファー弁1117を閉じた状態で、ガス提供部500のガスを接続管600に供給する。このため、接続管600を通過したガスがバッファータンク1110の内部空間1112に流れ込む。すなわち、接続管600を通過したガスが第1の流入口1113aを介して第1のボディ1111aの第1の空間1112aに流れ込み、子の後、ガスは、第2のボディ1111bの第2の空間1112bに流れ込む。そして、バッファー弁1117を閉じた状態で、第1の空間1112aにガスを供給し続けると、バッファータンク1110の内部空間1112、すなわち、第1の空間1112a及び前記第1の空間1112aと連通している第2の空間1112bの圧力が上昇する。
【0067】
この後、バッファータンク1110の内部空間1112の圧力が所定の圧力又は予め設定された圧力に達すると、ガス提供部500からのガスの供給を中断し、バッファー弁1117を開く。
【0068】
このとき、バッファータンク1110の内部空間1112の圧力は、例えば、ヒーター1120に配設された圧力調節部を用いて測定することができる。そして、バッファー弁1117は、圧力測定部において測定された圧力が予め設定された圧力に達すると開かれるように動作してもよい。
【0069】
バッファー弁1117が開かれれば、前記バッファータンク1110の内部空間1112のガスが排出管1116とベース1200の流路1210を通過して噴射部400に供給された後、前記噴射部400を介してチャンバー100の内部に噴射される。すなわち、バッファータンク1110の第2のボディ1111bの内部又は第2の空間1112bのガスが排出管1116を介してバッファータンク1110の外部に排出された後、ベース1200に設けられた流路1210を経て噴射部400に供給され、この後、噴射部400の噴射孔420を介して噴射される。このとき、バッファータンク1110の内部空間1112の圧力が高い状態であるため、前記バッファータンク1110の内部空間1112のガスが排出管1116を介して排出される圧力が高く、このため、噴射部400を介してチャンバーの内部に噴射される噴射圧力が高い。
【0070】
したがって、ガス提供部500からのガスを直ちに噴射部400に供給するときに比べて、実施形態のように、バッファータンク1110に一時的に収容した後に噴射部400に供給する場合に、高い圧力にてガスをチャンバー100の内部に噴射することができる。
【0071】
そして、このとき、ガス提供部500からのガスが、例えば、パージガスである場合、高い噴射圧にてパージガスを噴射することができて、パージ効率が向上するという効果がある。これは、噴射されるパージガスの量が同量であるとき、実施形態のように、噴射圧力が高い場合に、チャンバーの内部にパージ(purge)される副産物又は不純物の量が相対的に増えるからである。
【0072】
他の例を挙げると、ガス提供部500からのガスが薄膜の蒸着のためのガス、例えば、ソースガス又はリアクタントガスである場合、噴射部400を介して高い噴射圧にてソースガス又はリアクタントガスを噴射することができて、蒸着率が向上するという効果がある。特に、基板Sに設けられたトレンチに薄膜を蒸着する場合、ソースガス又はリアクタントガスの噴射圧が高くて、ガスをトレンチの内部に容易に行き届かせることができる。このため、ソースガス又はリアクタントガスの噴射量が同量であるとき、噴射圧力が高い場合に、トレンチに行き届くガスの量が相対的に増えて蒸着率が増加するという効果がある。
【0073】
そして、実施形態においては、ヒーター1120を用いてバッファータンク1110の内部空間1112のガスを加熱してもよい。すなわち、第1の空間1112a及び第2の空間1112bにあるガスを加熱してもよい。このため、バッファータンク1110の内部空間1112にガスを所定の時間の間に収容又は貯留する間に、ガスの温度が落ち込んで液化されることを防ぐことができる。
【0074】
また、バッファータンク1110の内部空間1112には、フィルター1115が設けられる。すなわち、第2のボディ1111bの第2の空間1112bにフィルター1115が配置される。そして、排出管1116が第2のボディ1111bの第2の空間1112bと接続されるように設けられ、排出管1116にバッファー弁1117が配設されるため、バッファータンク1110の内部空間1112のガスは、第2のボディ1111bの第2の空間1112bに流れ込んだ後、排出管1116を介して排出される。すなわち、バッファータンク1110のガスは、第2の空間1112bを経て排出管1116を介して排出される。このため、ガスが排出管1116に向かって移動しながら、フィルター1115を通過するように流れることになる。このように、フィルター1115を通過するとき、ガスに混入された不純物は、前記フィルター1115を通過することができない。すなわち、フィルター1115により不純物が濾し取られる。このため、不純物の濾し取られた、又は不純物の取り除かれたガスが排出管1116を介して噴射部400に供給される。したがって、噴射部400に不純物が供給されることを防止もしくは抑止することができ、このため、基板Sの処理品質、例えば、薄膜品質が向上するという効果がある。
【0075】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るガス供給装置を備える基板処理装置を示す図である。
図3及び
図4は、本発明の第2の実施形態に係るガス供給装置の弁の動作によるガスの流れを説明するための図である。
【0076】
上述した第1の実施形態においては、供給ブロック1100がバッファータンク1110を備え、バッファータンク1110が噴射部400と直結され、排出管1116にバッファー弁1117が配設されることについて説明した。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、
図2から
図4に示されている第2の実施形態のように、供給ブロック1100は、バッファータンク1110及びバッファータンク1110と噴射部400とを接続するガスブロック1150をさらに備えるように設けられてもよい。
【0077】
以下、
図2から
図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係るガス供給装置1000について説明する。このとき、第1の実施形態と重複する内容は省略したり簡略に説明したりする。
【0078】
図2を参照すると、第2の実施形態に係るガス供給装置1000の供給ブロック1100は、ガスを一時的に収容可能な内部空間1112を有し、不純物をフィルターリング可能なフィルター1115を備えるバッファータンク1110と、バッファータンク1110と連絡される第1の流路1152a及びベース1200の流路1210と連絡される第2の流路1152bを備えるガスブロック1150と、第1及び第2の流路1152a、1152bのそれぞれを閉鎖又は開放できるようにガスブロック1150に配設された弁1160と、を備えていてもよい。また、供給ブロック1100は、ガスを加熱するようにバッファータンク1110の内部空間1112に配設されたヒーター1120をさらに備えていてもよい。また、供給ブロック1100は、バッファータンク1110の内部の圧力を測定する圧力測定部(図示せず)を備えていてもよく、圧力測定部は、例えば、ヒーター1120に配設されてもよい。
【0079】
バッファータンク1110は、上述した第1の実施形態と構成又は構造が略同様である。但し、第2の実施形態に係るバッファータンク1110は、排出管1116がベース1200の流路1210と接続されず、後述するガスブロック1150の第1の流路1152aと接続される。
【0080】
ガスブロック1150は、胴体1151と、バッファータンク1110と弁1160とを接続するように胴体1151内に設けられた第1の流路1152a及び弁1160と噴射部400とを接続するように胴体1151内に設けられた第2の流路1152bを備える。
【0081】
胴体1151は、例えば、横断面が四角形である六面体の形状を呈していてもよい。いうまでもなく、胴体1151は、上述した例に何ら限定されるものではなく、内部に第1及び第2の流路1152a、1152bが設けることが可能な多種多様な形状に変更可能である。
【0082】
第1の流路1152aは、その一方の端がバッファータンク1110の排出管1116と接続され、他方の端が弁1160と接続されるように胴体1151の内部に設けられる。このとき、バッファータンク1110がガスブロック1150の側部に位置付けられ、弁1160がガスブロック1150の上部に位置付けられる場合、第1の流路1152aは、胴体110の側部から上部に向かって延びた形状を呈していてもよい。このような場合、第1の流路1152aは、その一方の端が胴体1151の側面に露出され、他方の端が胴体1151の上面に露出されるように設けられてもよい。
【0083】
第2の流路1152bは、一方の端が弁1160と接続され、他方の端がベース1200の流路1210と接続されるように胴体1151の内部に設けられる。このとき、弁1160がガスブロック1150の上部に位置付けられ、ベース1200がガスブロック1150の下部に位置付けられる場合、第2の流路1152bは胴体1151の上部から下部に向かって延びた形状を呈していてもよい。このような場合、第2の流路1152bは、その一方の端が胴体1151の上面に露出され、他方の端が胴体1151の下面に露出されるように設けられてもよい。
【0084】
弁1160は、ガスブロック1150の第1の流路1152aと第2の流路1152bとの間の連通を制御する。このとき、弁1160は、圧力測定部において測定されたバッファータンク1110の内部の圧力により動作するように設けられてもよい。このような弁1160は、例えば、ダイアフラム弁(diaphragm valve)であってもよい。
【0085】
図示はしないが、ダイアフラム弁(diaphragm valve)である弁1160について例にとって説明すれば、下記の通りである。弁1160は、例えば、内部にガスブロック1150の第1及び第2の流路1152a、1152bとそれぞれ連絡可能な第1及び第2の通路が設けられた本体部と、ガスブロック1150に向かって前進又は前記ガスブロック1150とは反対側に後進移動可能に本体部の内部に配設された調節部と、調節部と向かい合うように位置するように本体部の内部に配設された堰(weir)と、調節部と堰との間に位置付けられて前記調節部の下部に接続されたダイアフラム(diaphragm)と、を備えていてもよい。
【0086】
本体部は、互いに分離及び締結可能な第1のボディと第2のボディを備えていてもよい。そして、第1のボディと第2のボディとの間にダイアフラムが配設されてもよい。このとき、第1のボディの下部と第2のボディの上部との間にダイアフラムの周縁部が配置され、前記第1のボディとダイアフラムと第2のボディとが互いに結合されるように配設されてもよい。例えば、別設された締結部材が第1のボディの下部、ダイアフラム、第2のボディに貫通するように配設されて、前記第1のボディとダイアフラムと第2のボディとが互いに結合されてもよい。このため、ダイアフラムの周縁部は、第1のボディと第2のボディに固定されている状態となり、残りは第1のボディと第2のボディの内部空間に露出されている。したがって、本体部の内部空間は、ダイアフラムにより前記ダイアフラムの上側空間と下側空間とに仕切られることが可能になる。
【0087】
ダイアフラムは、伸張及び収縮可能な手段である。そして、上述したように、ダイアフラムの周縁部は、第1のボディの下部と第2のボディの上部との間に固定されており、残りは本体部の内部空間に露出されている。このとき、本体部の内部空間に露出されたダイアフラムの上部面は、調節部の下部に結合又は接続される。
【0088】
したがって、調節部の動作によりダイアフラムの形状が変形され、この変形によりダイアフラムと堰とが互いに接離される。このとき、調節部は、圧力測定部において測定されたバッファータンク1110の内部の圧力により動作するように設けられてもよい。
【0089】
すなわち、調節部が、堰が位置付けられた方向に前進移動すれば、調節部の下部に接続されたダイアフラムが前記堰に向かって凸状になるようにその形状が変形される。このとき、ダイアフラムの下部面が堰と接触される場合、弁1160の第1の通路と第2の通路とが連通しない。すなわち、第1の通路と第2の通路とがダイアフラム又は堰により遮られる。これにより、ガスブロック1150の第1の流路1152aと第2の流路1152bとが連通しない。このような場合、ガス提供部500からのガスは、バッファータンク1110の内部空間1112と、ガスブロック1150の第1の流路1152a、及び弁1160の第1の通路に収容される。すなわち、バッファータンク1110から排出されたガスは、
図3に示すように、ガスブロック1150の第1の流路1152aを介して弁1160の内部である第1の通路に流れ込む。このとき、ガスは、第2の通路には流れ込まず、このため、
図3に示すように、ガスブロック1150の外にガスが排出されない。そして、ガス提供部500からバッファータンク1110にガスが供給され続けられれば、バッファータンク1110の内部空間1112と、ガスブロック1150の第1の流路1152a、及び弁1160の第1の通路の圧力が増加する。
【0090】
逆に、調節部が堰とは反対側に後進移動すれば、ダイアフラムが前記堰とは反対側に凸状になるようにその形状が変形される。このとき、ダイアフラムの下部面が堰と分離されてそこから離れる場合、弁1160の第1の通路と第2の通路とが連通する。すなわち、第1の通路と第2の通路とがダイアフラムと堰との間の離隔空間を介して互いに連通する。このため、ガスブロック1150の第1の流路1152aと第2の流路1152bとが連通する。これにより、ガスブロック1150の第1の流路1152aを通過したガスは、弁1160の第1の通路と第2の通路を経て、
図4に示すように、再びガスブロック1150の第2の流路1152bに流れ込む。この後、ガスは、第2の流路1152bと連絡されたベース1200の流路1210を経て噴射部400に流れ込む。
【0091】
このとき、バッファータンク1110の内部空間1112と、ガスブロック1150の第1の流路1152a及び弁1160の第1の通路の圧力が高い状態であるため、ガスが第2の通路に流れ込む圧力が高い。これにより、ガスが第2の通路と、ガスブロック1150の第2の流路1152b及びベース1200の流路1210を通過して噴射部400に供給される圧力が高いため、噴射部400を介して噴射されるガスの噴射圧力が高い。別の言い方をすれば、ガス提供部500からのガスを直ちに噴射部400に供給するときに比べて、第2の実施形態のように、バッファータンク1110に一時的に収容した後に噴射部400に供給する場合に、高い圧力にてガスをチャンバー100の内部に噴射することができる。
【0092】
図5は、本発明の第3の実施形態に係るガス供給装置を示す図である。
【0093】
第3の実施形態に係るガス供給装置のバッファータンク1110は、第1の空間1112aに配設される逆圧防止部1117をさらに備えていてもよい。
【0094】
以下、
図5を参照して、第3の実施形態に係るバッファータンク1110について説明する。このとき、第1の実施形態と重複する内容は省略したり簡略に説明したりする。
【0095】
図5を参照すると、第3の実施形態に係るバッファータンク1110は、内部にガスを収容可能な第1の空間1112aが配備された第1のボディ1111aと、内部にガスを収容可能な第2の空間1112bが配備され、第1のボディ1111aの第1の空間1112aに配設された第2のボディ1111bと、第2のボディ1111bの第2の空間1112bに配設されたフィルター1115と、一方の端が第2のボディ1111bに接続され、他方の端が噴射部400に接続された排出管1116と、噴射部400との連通を制御するように排出管1116に配設されたバッファー弁1117と、第1の空間1112aに配設された逆圧防止部1117と、を備える。
【0096】
そして、第1の実施形態と同様に、第1のボディ1111aの第1の空間1112aにはヒーター1120が配設される。逆圧防止部1117は、
図5に示すように、第1の空間1112aに位置付けられるようにヒーター1120の外周面に取り付けられてもよい。別の言い方をすれば、逆圧防止部1117は、ヒーター1120を周方向又は直径方向に包み込むようにヒーター1120の外周面に配設されてもよい。このとき、逆圧防止部1117は、接続管600の後方に位置付けられるようにヒーター1120に配設される。より具体的に説明すれば、接続管600から供給されたガスが排出口1114に流れる方向を基準として、第1の空間において接続管600の後方に位置するようにヒーター1120の外周面に取り付けられる。逆圧防止部1117が第1の空間1112aに位置付けられるということは、第2の空間1112bの外側に位置付けられるということを意味し得る。
【0097】
上述したように、逆圧防止部1117は、第1の空間1112aに位置付けられ、接続管600の後方に位置付けられる。このため、第1のボディ1111aの第1の空間1112aは、逆圧防止部1117の一方の側に位置付けられた空間(以下、一方側の空間A1と称する。)と逆圧防止部1117の他方の側に位置付けられた空間(以下、他方側の空間A2と称する。)を備えるものであると説明可能である。したがって、逆圧防止部1117は、第1の空間1112aの一方側の空間A1と他方側の空間A2との間に位置付けられるものであると説明可能である。
【0098】
そして、接続管600は、一方側の空間A1と連通するように第1のボディ1111aに接続される。また、他方側の空間A2の大きさが一方側の空間A1の大きさに比べて大きくなるように、逆圧防止部1117の位置が調節される。
【0099】
逆圧防止部1117は、
図5に示されているように、その外周面が斜面を有する形状に設けられる。すなわち、逆圧防止部1117は、一方側の空間A
1側から他方側の空間A
2に向かって進むにつれて第1のボディ1111aの内壁に次第に近づく斜面を有するように設けられる。別の言い方をすれば、逆圧防止部1117は、一方側の空間A
1側から他方側の空間A
2に向かって進むにつれて外径が次第に拡径する形状に設けられてもよい。このため、逆圧防止部1117は、その外周面が傾斜するように設けられてもよい。
【0100】
また、逆圧防止部1117の外周面は、第1のボディ1111aの内壁と所定の間隔だけ離れる。このため、一方側の空間A1に流れ込んだガスは、逆圧防止部1117と第1のボディ1111aの内壁との間の空間を介して他方側の空間A2に移動することができる。
【0101】
このような逆圧防止部1117は、第1の空間1112aの一方側の空間A1から他方側の空間A2へのガスの逆圧の発生を防ぐことができる。
【0102】
図6は、本発明の第4の実施形態に係るガス供給装置を示す図である。
【0103】
第4の実施形態に係るガス供給装置1000のバッファータンク1110は、ヒーター1120が通過するように配設されたバッファータンク1110の開口を閉じながら、内部にガスが通過可能な流路Pが設けられたカバー1118を備えていてもよい。
【0104】
以下、
図6を参照して、第4の実施形態に係るバッファータンク1110について説明する。このとき、第1の実施形態と重複する内容は省略したり簡略に説明したりする。
【0105】
図6を参照すると、第4の実施形態に係るバッファータンク1110は、内部にガスを収容可能な第1の空間1112aが配備された第1のボディ1111aと、第1のボディ1111aの開口を閉じながら、内部にガスが通過可能な流路Pが設けられたカバー1118と、内部にガスを収容可能な第2の空間1112bが配備され、第1のボディ1111aの第1の空間1112aに配設された第2のボディ1111bと、第2のボディ1111bの第2の空間1112bに配設されたフィルター1115と、一方の端が第2のボディ1111bに接続され、他方の端が噴射部400に接続された排出管1116と、噴射部400との連通を制御するように排出管1116に配設されたバッファー弁1117と、を備える。
【0106】
第1のボディ1111aには、ヒーター1120が通過可能な開口が設けられている。このとき、開口は、例えば、排出管1116と向かい合う位置に設けられてもよい。
【0107】
カバー1118は、第1のボディ1111aに設けられた開口を閉じる手段である。このようなカバー1118は、一部が第1のボディ1111aの開口に嵌入され、残りは第1のボディ1111aの外部に突出するように配設されてもよい。そして、第1のボディ1111aの開口に嵌入されて第1の空間1112aに露出されたカバー1118の一方の面には、ヒーター1120が接続又は取り付けられてもよい。
【0108】
カバー1118の内部には、ガスが移動又は通過可能な流路Pが設けられる。そして、このように、バッファータンク1110がカバー1118を備える場合、接続管は、カバー1118に接続されるように配設される。すなわち、接続管600は、カバー1118に設けられた流路Pと連通するように前記カバー1118に配設される。このため、流路Pは、その一方の端が接続管と連通し、他方の端が第1のボディ1111aの第1の空間1112aと連通する。したがって、接続管600に供給されたガスは、カバー1118に設けられた流路Pを介して第1のボディ1111aの第1の空間1112aに供給される。
【0109】
このように、第4の実施形態においては、流路が設けられたカバー1118を用いて第1のボディ1111aの開口を覆い、前記カバー1118に接続管600を接続する。また、カバー1118は、ヒーター1120に接続されるように配設される。このため、第1のボディ1111aからカバー1118を取り外すことにより、ヒーター1120及び接続管600を第1のボディ1111a又はバッファータンク1110から取り外すことができる。また、カバー1118を第1のボディに取り付けることにより、ヒーター1120を第1のボディ1111aの第1の空間1112aに配設することができ、接続管600をバッファータンク1110に接続することができる。したがって、カバー1118を第1のボディ1111aに取り付けたり取り外したりすることにより、バッファータンク1110からヒーター1120及び接続管600を手軽に取り外したりそれらに取り付けたりすることができる。
【0110】
上述した実施形態においては、フィルター1115がバッファータンク1110の内部に配設されることについて説明した。しかしながら、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、フィルター1115は、バッファータンク1110と別設され、バッファータンク1110の外部に配設されてもよい。また、フィルター1115は、バッファータンク1110とベース1200との間に位置付けられてもよく、バッファータンク1110とベース1200とを接続するようにフィルター1115が配設されてもよい。
【0111】
このように、フィルターは、バッファータンク1110の内部に配設されるか、あるいは、バッファータンク1110とベース1200とを接続するように配設される。すなわち、実施形態に係るフィルター1115は、バッファータンク1110と隣り合う位置に配設される。
【0112】
以下、
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係るガス供給装置を備える基板処理装置の動作について説明する。このとき、原子層蒸着法により基板の上に薄膜を蒸着する方法を例にとって説明する。
【0113】
まず、支持台200の上に基板Sを載置する。このとき、基板Sを載置する前に、支持台200に設けられたヒーター1120を動作させたり、基板Sが載置された後、ヒーター1120を動作させたりして、基板Sを所要の工程温度に加熱してもよい。
【0114】
次いで、原子層蒸着法により基板Sの上に薄膜を蒸着する。このために、噴射部400を用いてチャンバー100の内部にソースガス、パージガス、リアクタントガス、パージガスをこの順に噴射する。すなわち、「ソースガスの噴射、パージガスの噴射、リアクタントガスの噴射、パージガスの噴射」を一つの工程サイクルにし、前記工程サイクルを複数回繰り返し行う。また、リアクタントガスの噴射時にRF電源部700を用いて噴射部400にRF電源を供給してもよい。このため、チャンバー100の内部にリアクタントガスのイオン化によるプラズマが生じることが可能になる。
【0115】
チャンバー100の内部に噴射されたソースガスは、基板Sの上に吸着される。そして、リアクタントガスは、プラズマにイオン化され、イオン化されたリアクタントガスは、基板Sの上に吸着されたソースガスと反応し、このため、基板Sの上にソースガスとリアクタントガスとの反応による薄膜が形成される。そして、上述したような工程サイクルを複数回繰り返し行って目標の膜厚の薄膜を形成する。
【0116】
以下、噴射部400にガスが供給される方法について説明する。このとき、噴射部400にパージガスが供給される方法を例にとって説明する。
【0117】
噴射部400にパージガスを供給するために、第3のガス提供部500cを用いてパージガスを噴射部400に供給する。すなわち、第3の弁1160を開いて第3の貯留部510cのパージガスを第3の搬送部520bに排出する。このため、第3の貯留部510cのソースガスは、第3の搬送部520b及び接続管600を通過した後、ガス供給装置1000のバッファータンク1110に供給される。より具体的に説明すれば、第3の搬送部520b及び接続管600を通過したパージガスは、バッファータンク1110の第1の流入口1113aを介してバッファータンク1110の内部空間1112に流れ込む。別の言い方をすれば、パージガスは、第1のボディ1111aに設けられた第1の流入口1113aを通過して前記第1のボディ1111aの第1の空間1112aに流れ込む。
【0118】
このとき、バッファータンク1110のバッファー弁1117は閉じられている状態である。このため、バッファータンク1110に流れ込んだパージガスが外部に排出されずに前記バッファータンク1110の内部空間1112にと留まっていることになる。また、これにより、第3のガス提供部500cを用いて、バッファータンク1110にパージガスを供給し続けると、閉じられているバッファータンク1110の内部空間1112の圧力が次第に増加する。
【0119】
そして、バッファータンク1110の内部空間1112にパージガスが留まっている間に、前記パージガスは、ヒーター1120の動作により加熱されてもよい。別の言い方をすれば、内部空間1112のパージガスは、ヒーター1120の動作により所定の温度以下にその温度が落ち込まないように加熱されてもよい。このため、パージガスが所定の時間の間にバッファータンク1110の内部空間1112に留まっているとしても、液化されることを防ぐことができる。
【0120】
バッファータンク1110の内部空間1112の圧力が予め設定された圧力まで増加すれば、第3のガス提供部500cにおけるパージガスの供給を中断し、バッファー弁1117を開く。このために、バッファータンク1110には、内部空間の圧力を測定する手段が配設されてもよい。いうまでもなく、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、バッファータンク1110の内部空間1112の圧力が目標の圧力となるようにする時間を設定し、ガス提供部500から設定された時間の間にバッファータンク1110へとガスを供給してもよい。
【0121】
バッファー弁1117が開かれれば、バッファータンク1110の内部空間のパージガスが排出管1116を介して外部に排出される。すなわち、第1のボディ1111aの第1の空間1112aにあるパージガスは、第2のボディ1111bの第2の空間1112bに流れ込み、第2の空間1112bのパージガスは、排出管1116を介して排出される。このとき、バッファータンク1110の内部空間1112の圧力が高い状態であるため、パージガスが排出管1116を介して排出される圧力が高い。
【0122】
そして、排出管1116を通過したパージガスは、前記排出管1116と接続されたベース1200の流路1210を経て噴射部400に供給される。この後、パージガスは、噴射部400に設けられた噴射孔420を介してチャンバー100の内部に排出される。
【0123】
このとき、バッファータンク1110の排出管1116から排出されるパージガスの圧力が高いため、前記排出管1116から排出されたパージガスがベース1200の流路1210、噴射部400に供給される圧力が高く、これにより、噴射部400を介して噴射されるパージガスの噴射圧力が高い。したがって、パージガスの噴射によるパージ効率が向上する。すなわち、ソースガスの噴射後、又はリアクタントガスの噴射後にチャンバー100の内部の未反応ガス、反応副産物などをパージするためにパージガスを噴射するが、このとき、パージガスの噴射圧力が増加することにより、パージガスによるパージ効率を向上させることができる。別の言い方をすれば、同量のパージガスを用いて有効にパージを行うことができる。
【0124】
そして、第1及び第2のガス提供部500a、500bのソースガス及びリアクタントガスをガス供給装置1000を介して噴射部400に供給する方法についての詳しい説明は省略するが、上述したパージガスの供給方法と同一の過程を経て噴射部400に供給される。このため、噴射部400から噴射されるソースガス及びリアクタントガスの噴射圧を増加させることができる。したがって、基板Sの上に行き届くソースガス及びリアクタントガスの量が増えて、蒸着率が向上するという効果がある。
【0125】
そして、ガスがバッファータンク1110の外部に排出されるとき、前記バッファータンク1110の内部に配設されたフィルター1115を通過する。このとき、ガスに混入されている不純物がフィルター1115によりフィルターリングされたり濾し取られたりする。このため、チャンバー100の内部に噴射されるガスに不純物が混入されることを防止もしくは抑止することができる。このため、不純物による基板又は薄膜の汚れを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明の実施形態によれば、ガス提供部からのガスをバッファータンクの内部において所定の時間の間に留めることができ、このため、バッファータンクの内部の圧力を増加させることができる。したがって、バッファータンクから排出されるガスの圧力を増加させることができ、これにより、バッファータンクと連絡されたチャンバーの内部に噴射されるガスの噴射圧力を増加させることができる。
【国際調査報告】