(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ブリッジ・チップによるチップ間相互接続
(51)【国際特許分類】
H01L 25/04 20230101AFI20240801BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505587
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 IB2022057503
(87)【国際公開番号】W WO2023021378
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 豊広
(72)【発明者】
【氏名】久田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】堀部 晃啓
(57)【要約】
ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法は、キャリア基板を用意することを含む。方法は、所定のレイアウトでキャリア基板上に複数のチップを配置することをさらに含む。各チップは、端子のセットが形成された前面を有する。方法は、複数のチップ間およびキャリア基板上に成形材料を堆積させることをさらに含む。方法は、成形材料で固定された複数のチップからキャリア基板を除去することをさらに含む。方法は、成形材料で固定された複数のチップのうちの少なくとも2つのチップの端子の対応するセットにブリッジ・チップをボンディングすることをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法であって、
キャリア基板を用意することと、
所定のレイアウトで前記キャリア基板上に複数のチップを配置することであって、前記複数のチップのそれぞれが、端子のセットが形成された前面を有する、前記配置することと、
前記複数のチップ間および前記キャリア基板上に成形材料を堆積することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップから前記キャリア基板を除去することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップのうちの少なくとも2つのチップの端子の対応するセットにブリッジ・チップをボンディングすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記チップの前記前面が、有機基板に接続するためのバンプのセットを含み、
前記チップの前記前面が前記キャリア基板に向けられるように、前記複数のチップが前記キャリア基板上に配置され、
前記キャリア基板を用意することが、
前記キャリア基板上に樹脂材料を塗布することと、
前記複数のチップを配置し、前記成形材料を堆積させたときに、前記チップのバンプのセットが収容される空間を提供するように、前記樹脂材料をパターン形成することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記成形材料で固定された前記複数のチップの前記前面上に、有機基板に接続するためのバンプのセットを形成すること
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップを固定する前記成形材料の一部が、前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップの前記前面と同一平面にある表面を有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記チップの前記前面が、有機基板に接続するためのバンプのセットを含み、
前記ブリッジ・チップの裏面と前記複数のチップの前記前面の平面との間の距離が、前記バンプの高さより短い、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ブリッジ・チップを設置することが、
前記端子の対応するセットを介して、前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップと前記ブリッジ・チップとの間のジョイントを形成することと、
前記ブリッジ・チップと前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップとの間の前記ジョイントに対応する位置の周囲に、アンダーフィル材料を適用することと
を含む、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記成形材料を堆積することが、
各チップの裏面が露出するように、前記複数のチップ間のギャップに、前記成形材料を堆積すること
を含む、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記成形材料を堆積することが、
前記複数のチップ間および前記複数のチップの上に前記成形材料を堆積することと、
前記複数のチップ、および前記成形材料の一部を含む、事前成形されたマルチチップ構造体が一様な厚さになるように、前記成形材料を前記複数のチップの裏側から薄くすることと
を含む、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリア基板が、ウエハ形状を有し、
前記成形材料を堆積することが、前記複数のチップ、および前記成形材料の一部を含む、ウエハ形状の構造体をもたらし、
前記方法が、1つのブリッジ・マルチチップ・アセンブリを取得するために、前記ウエハ形状の構造体をダイシングすることをさらに含む、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ブリッジ・チップを有する前記複数のチップを有機基板にボンディングすることと、
前記ブリッジ・チップ、および前記複数のチップと前記有機基板との間のジョイントを、封入材料で封入することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のチップの前記前面が、有機基板に接続するためのバンプのセットを含み、
前記キャリア基板が、前記チップのそれぞれが配置されることになるマイクロパッドのアレイを含み、
前記複数のチップを配置することが、前記バンプのセットおよび前記マイクロパッドのアレイを一時的に固定することを含み、
前記複数のチップから前記キャリア基板を除去することが、前記バンプのセットから前記マイクロパッドのアレイをデボンディングすることを含む、
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体であって、
所定のレイアウトで配置された複数のチップであって、前記チップのそれぞれが、端子のセットを含む前面を有する、前記複数のチップと、
前記複数のチップを固定し、前記チップの前記前面を露出させる成形材料と、
前記端子のセットを介して前記複数のチップのうちの少なくとも2つのチップを接続するブリッジ・チップと
を備える、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項13】
前記複数のチップに接続された有機基板であって、各チップの前記前面が、前記チップと前記有機基板との間のジョイントのセットを含む、有機基板と、
前記ブリッジ・チップ、および前記複数のチップと前記有機基板との間の前記ジョイントのセットを封入するための封入材料と
をさらに備える、請求項12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項14】
前記有機基板の底面に形成された、外部基板に接続するための端子のアレイであって、前記底面が、前記複数のチップが設置された上面の反対側に配置される、前記端子のアレイ
をさらに備える、請求項13に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項15】
前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップを固定する前記成形材料の一部が、前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップの前記前面と同一平面にある表面を有する、請求項12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項16】
各チップの前記前面が、有機基板に接続するジョイントのセットをさらに備え、
前記ブリッジ・チップの裏面と前記複数のチップの前記前面の平面との間の距離が、前記ジョイントの高さより短い、
請求項12または15に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項17】
前記端子のセットが、前記ブリッジ・チップと前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップとの間のジョイントのセットを形成し、
前記ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体が、前記ジョイントの周囲に形成されたアンダーフィル材料をさらに備える、
請求項12、15、または16のいずれか一項に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項18】
各チップが、露出した裏面を有し、
前記複数のチップ、および前記成形材料の拡張部分を含む、事前成形されたマルチチップ構造体が、一様な厚さを有する、
請求項12、15、16、または17のいずれか一項に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項19】
前記成形材料が、前記複数のチップを強固に固定するための充填剤および樹脂材料を含む、請求項12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項20】
前記ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体が、ウエハ形状であり、前記複数のチップの複数のセット、および拡張部分を含む、請求項12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項21】
マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法であって、
キャリア基板を用意することと、
前記キャリア基板上に複数のチップを配置することであって、前記チップのそれぞれが、端子のセットが形成された前面を有し、前記前面の反対側に裏面を有し、前記複数のチップが、それぞれの前面と裏面との間が実質的に一様なチップ厚さを有する、前記配置することと、
前記複数のチップの前記裏面に密着させて鋳型を設置することと、
成形材料が前記鋳型と接触しており、前記成形材料が、前記複数のチップ間、および前記キャリア基板上にあるように、前記成形材料を堆積することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップから前記キャリア基板を除去することと
を含む、方法。
【請求項22】
マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法であって、
キャリア基板を用意することと、
前記キャリア基板上に複数のチップを配置することであって、前記チップのそれぞれが、端子のセットが形成された前面を有し、前記前面の反対側に裏面を有し、前記複数のチップが、それぞれの前面と裏面との間が異なるチップ厚さを有する、前記配置することと、
前記複数のチップの前記裏面から間を空けて鋳型を配置することと、
成形材料が前記鋳型と接触しており、前記成形材料が、前記複数のチップ間、および前記キャリア基板上にあるように、前記成形材料を堆積することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップから前記キャリア基板を除去することと
を含む、方法。
【請求項23】
前記複数のチップのうちの少なくとも1つのチップの前記裏面を露出させるために成形材料を除去すること
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法であって、
表面を有するキャリア基板を用意することであって、前記キャリア基板が、前記表面と直接接触して配置された剥離層を含み、前記剥離層と直接接触して配置されたパターン層を含む、前記用意することと、
前記キャリア基板の前記パターン層上に複数のチップを配置することであって、前記チップのそれぞれが、端子のセットが形成された前面を有する、前記配置することと、
前記複数のチップ間および前記キャリア基板の前記パターン層上に、成形材料を堆積することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップから前記キャリア基板および前記剥離層を除去することと
を含む、方法。
【請求項25】
前記キャリア基板および前記剥離層を前記除去することが、前記剥離層と前記パターン層との間の前記接触を解除することを含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、マルチチップ相互接続技術に関し、より詳細には、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作するための方法、および方法によって製作されたブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のコンピューティング技術は、中央処理ユニット(CPU)とメモリとの間、および人工知能(AI)アクセラレータとメモリとの間など、複数チップ間の高密度相互接続を必要とする。複数チップを相互接続するための1つの構造体は、ブリッジ構造体であり、複数チップは、高密度相互接続を実施するブリッジ・チップによって接続される。
【0003】
組込み型マルチダイ相互接続ブリッジ(EMIB:Embedded Multi-die Interconnect Bridge)構造体は、2つの相互接続ダイの縁部の下にある有機基板にスモール・シリコン・ダイが組み込まれており、複数のチップを相互接続するための構造体として使用されてきた。しかし、このような構造体には、組立ての問題がある。例えば、チップと有機基板との間の熱膨張係数の違いにより、チップとブリッジ・ダイとの間のジョイントの周囲の機械的応力は比較的大きい。このような機械的応力は、チップと有機基板との間のボンディング・プロセス中に故障を引き起こすことがあり、パッケージ製品の歩留まりを悪化させる。したがって、チップとブリッジ・チップとの間のジョイントの周囲に生成された機械的応力を軽減させながら、ブリッジ・チップによって複数のチップを接続可能な、斬新なマルチチップ相互接続技術を開発することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本開示の1つの実施形態によれば、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法が提供される。方法は、キャリア基板を用意することを含む。方法は、所定のレイアウトでキャリア基板上に複数のチップを配置することをさらに含む。各チップは、端子のセットが形成された前面を有する。方法は、複数のチップ間およびキャリア基板上に成形材料を堆積させることをさらに含む。方法は、成形材料で固定された複数のチップからキャリア基板を除去することをさらに含む。方法は、成形材料で固定された複数のチップのうちの少なくとも2つのチップの端子の対応するセットにブリッジ・チップをボンディングすることをさらに含む。
【0005】
本開示の実施形態による方法は、複数のチップを強固に固定することによってチップとブリッジ・チップとの間のジョイントの周囲に生成された応力を軽減させながら、ブリッジ・チップによって複数のチップを接続するブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作することを可能にする。
【0006】
少なくとも1つの実施形態によれば、各チップの前面は、有機基板に接続するためのバンプのセットを含んでもよい。複数のチップは、各チップの前面がキャリア基板に向けられるようにキャリア基板の層の上に配置されてもよい。キャリア基板を用意することは、キャリア基板を用意することと、キャリア基板上に樹脂材料を塗布することと、複数のチップを配置し、成形材料を堆積させたときに、各チップのバンプのセットが収容される空間を有するキャリア基板の層を生み出すように、樹脂材料をパターン形成することとを含んでもよい。
【0007】
このような実施形態では、チップの前面は、成形材料に埋まらないようにされ、バンプのセットは、チップの配置および成形材料の堆積の前に、バンプのセットがチップ上に形成された場合でも、変形を阻止される。
【0008】
少なくとも1つの実施形態によれば、方法は、成形材料で固定された複数のチップの前面上に、有機基板に接続するためのバンプのセットを形成することをさらに含んでもよい。このような実施形態では、キャリア基板の層は、接着剤層でもよい。
【0009】
少なくとも1つの実施形態によれば、各チップの前面は、有機基板に接続するためのバンプのセットを含んでもよい。ブリッジ・チップの裏面と複数のチップの前面の平面との間の距離、またはブリッジ・チップの厚さと、チップとブリッジ・チップとの間のジョイントの高さとの合計は、バンプの高さより小さくてもよい。このような実施形態では、これは、ブリッジ・チップと有機基板との干渉を回避するために、有機基板にくぼみ、空洞、またはトレンチを形成する必要をなくし、製作コストを減少させる。
【0010】
少なくとも1つの実施形態によれば、ブリッジ・チップを設置することは、端子の対応するセットを介した、複数のチップのうちの2つ以上とブリッジ・チップとの間のジョイントを形成することを含んでもよい。ブリッジ・チップを設置することは、ブリッジ・チップと複数のチップのうちの2つ以上との間のジョイントに対応する少なくとも位置に、アンダーフィル材料を適用することをさらに含んでもよい。このような実施形態では、複数のチップのうちの2つ以上とブリッジ・チップとは、有機基板にボンディングする前に、互いにさらにしっかりと固定される。
【0011】
少なくとも1つの実施形態によれば、成形材料を堆積させることは、各チップの裏面が露出するように、少なくとも、複数のチップ間のギャップに、成形材料を堆積させることを含んでもよい。このような実施形態では、もたらされる構造体は、(例えば、チップの裏面に熱シンクを取り付けることによって)チップの露出した裏面が熱除去のために使用可能になるので、高性能チップに適している。
【0012】
少なくとも1つの実施形態によれば、成形材料を堆積させることは、複数のチップ間および複数のチップ間の上に成形材料を堆積させることを含んでもよい。成形材料を堆積させることは、複数のチップ、および成形材料の一部を含む、事前成形されたマルチチップ構造体が一様な厚さになるように、少なくとも成形材料をチップの裏側から薄くすることをさらに含んでもよい。このような実施形態では、チップの厚さの変動または逸脱あるいはその両方が、受け入れ可能になる。
【0013】
少なくとも1つの実施形態によれば、キャリア基板は、ウエハまたはパネル形式でもよく、成形材料を堆積させると、ウエハまたはパネル形状の構造体が、複数のチップ、および成形材料の一部を含むようになることがある。方法は、1つのブリッジ・マルチチップ・アセンブリを取得するために、ウエハまたはパネル形状の構造体をダイシングすることをさらに含んでもよい。このような実施形態では、ウエハ・レベル製作プロセスが利用可能になるので、チップ間、および各チップとブリッジ・チップとの間の、整列の正確度、および製作の効率が改善可能になる。
【0014】
少なくとも1つの実施形態によれば、各チップの前面は、有機基板に接続するためのバンプのセットを含んでもよく、キャリア基板は、各チップが配置されることになるマイクロパッドのアレイを含んでもよい。複数のチップを配置することは、バンプのセットおよびマイクロパッドのアレイを一時的に固定することを含んでもよい。複数のチップからキャリア基板および層を除去することは、バンプのセットからマイクロパッドのアレイをデボンディングすることを含んでもよい。このような実施形態では、複数のチップは、成形材料の堆積中にキャリア基板にしっかりと接着されることが可能である。
【0015】
本開示の別の実施形態によれば、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体が提供される。ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体は、所定のレイアウトで配置された複数のチップを含む。チップのそれぞれが、端子のセットを含む前面を有する。ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体は、複数のチップを固定し、各チップの前面を露出させる成形材料をさらに含む。ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体は、端子の対応するセットを介して複数のチップのうちの少なくとも2つのチップを接続するブリッジ・チップをさらに含む。
【0016】
このような実施形態では、各チップの前面全体は、成形材料で覆われない。このような実施形態では、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体は、その製作プロセス中にチップとブリッジ・チップとの間のジョイントの周囲に生成された応力を軽減させることができる。したがって、その製造歩留まりは、改善されることが可能になる。
【0017】
少なくとも1つの実施形態によれば、各チップの前面は、有機基板に接続するジョイント(すなわち、チップ-基板ジョイント)のセットをさらに含んでもよい。ブリッジ・チップの裏面と複数のチップの前面の平面との間の距離、またはブリッジ・チップの厚さと、チップとブリッジ・チップとの間のジョイント(すなわち、チップ-ブリッジ・ジョイント)の高さとの合計は、ジョイント(すなわち、チップ-基板ジョイント)の高さより小さくてもよい。このような実施形態では、これは、ブリッジ・チップとの干渉を回避するために、有機基板にくぼみ、空洞、またはトレンチを形成する必要をなくし、これにより、製作コストを減少させる。
【0018】
本開示の別の実施形態によれば、マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法が開示される。方法は、キャリア基板を用意することを含む。方法は、キャリア基板上に複数のチップを配置することをさらに含む。各チップは、端子のセットが形成された前面を有する。各チップは、前面の反対側に裏面を有する。複数のチップのうちのチップは、それぞれの前面と裏面との間に一様なチップの厚さを有する。方法は、複数のチップの裏面に密着させて鋳型(mold)を設置することをさらに含む。方法は、成形材料が鋳型と接触しており、複数のチップ間にあり、キャリア基板上にあるように、成形材料を堆積させることをさらに含む。方法は、成形材料で固定された複数のチップからキャリア基板を除去することをさらに含む。
【0019】
このような実施形態では、鋳型は、成形材料を堆積させることを容易にするために使用可能であり、所望の配置で成形材料を堆積させる、より簡単かつ効率的な方式になり得る。このような実施形態では、実質的に一様なチップの厚さを有するチップの裏面(本明細書で使用されるように、実質的に一様なチップの厚さを有するチップには、チップの厚さに差違があってもよく、差違は、無視できるほどのもの、またはもたらされる構造体にインパクトを与えないもの、あるいはその両方である)は、鋳型を単純に除去することによって容易に露出されてもよい。
【0020】
本開示の別の実施形態によれば、マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法が開示される。方法は、キャリア基板を用意することを含む。方法は、キャリア基板上に複数のチップを配置することをさらに含む。各チップは、端子のセットが形成された前面を有する。各チップは、前面の反対側に裏面を有する。複数のチップのうちのチップは、それぞれの前面と裏面との間に異なるチップの厚さを有する。方法は、複数のチップの裏面から間を空けて鋳型を配置することをさらに含む。方法は、成形材料が鋳型と接触しており、複数のチップ間にあり、キャリア基板上にあるように、成形材料を堆積させることをさらに含む。方法は、成形材料で固定された複数のチップからキャリア基板を除去することをさらに含む。
【0021】
このような実施形態では、鋳型は、成形材料を堆積させることを容易にするために使用可能であり、所望の配置で成形材料を堆積させる、より簡単かつ効率的な方式になり得る。このような実施形態では、無視できないもの、またはもたらされる構造体にインパクトを与えるはずのもの、あるいはその両方の、チップの厚さに差違があるチップの裏面は、所望の裏面が露出するまで、鋳型を除去すること、および材料を除去することによって、容易に露出させてもよい。したがって、このような実施形態では、チップの厚さの差違は受け入れ可能になる。
【0022】
本開示の別の実施形態によれば、マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法が開示される。方法は、表面を有するキャリア基板を用意することを含む。キャリア基板は、表面と直接接触して配置された剥離層を含み、剥離層と直接接触して配置されたパターン層を含む。方法は、キャリア基板の層上に複数のチップを配置することをさらに含む。各チップは、端子のセットが形成された前面を有する。方法は、複数のチップ間およびキャリア基板のパターン層上に、成形材料を堆積させることをさらに含む。方法は、成形材料で固定された複数のチップからキャリア基板および剥離層を除去することをさらに含む。
【0023】
このような実施形態では、方法は、鋳型を使用する必要がなく、これは、成形材料の堆積の柔軟性をもたらすことによって、特定の状況で有利になり得る。より詳細には、このような実施形態では、隣接チップ間のギャップだけが充填される一方で、チップの周囲の空間が成形材料で充填されないような様式で、成形材料を堆積させることが可能である。
【0024】
上記の概要は、本開示の例示された各実施形態またはあらゆる実装形態を説明することを意図するものではない。本開示の技術を通じて追加の特徴および利点が実現される。本開示の他の実施形態および態様は、本明細書で詳細に説明され、特許請求される開示の一部であるとみなされる。
【0025】
本開示に含まれる図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。図面は、説明と共に本開示の実施形態を例示し、本開示の原理を説明する役割がある。図面は、典型的な実施形態を例示するものにすぎず、本開示を限定するものではない。図面の要素および層の大きさおよび相対位置は、必ずしも拡大縮小するように描かれていないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の実施形態によるブリッジ・チップによって複数のチップを相互接続するブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法の例のフローチャートである。
【
図2A】本開示の実施形態による、有機基板にボンディングした後のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体の概略断面図である。
【
図2B】本開示の実施形態による、有機基板にボンディングした後のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体の概略上面図である。
【
図3A】本開示の実施形態による、有機基板にボンディングする前のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体の概略断面図である。
【
図3B】本開示の実施形態による、有機基板にボンディングする前のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体の概略上面図である。
【
図4】(A)~(G)は、本開示の実施形態によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製造するためのプロセスの一部の実施後の構成要素の例の図である。
【
図5A】本開示の実施形態による、プロセス中にキャリア基板上に形成されたパターン層の概略断面図である。
【
図5B】本開示の実施形態による、プロセス中にキャリア基板上に形成されたパターン層の概略上面図である。
【
図6】(A)~(F)は、本開示の実施形態によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製造するためのプロセスの一部の実施後の構成要素の例の図である。
【
図7】(A)~(C)は、本開示の実施形態による、複数のチップ間およびその周囲に、ならびにキャリア基板上に形成されたパターン層上に、成形材料を堆積させるためのプロセスの一部の実施後の構成要素の例の図である。
【
図8】(A)~(C)本開示の実施形態による、複数のチップ間およびその周囲に、ならびにキャリア基板上に形成されたパターン層上に、成形材料を堆積させるための別のプロセスの一部の実施後の構成要素の例の図である。
【
図9A】本開示の実施形態による、複数のチップ間およびその周囲に、ならびにキャリア基板上に形成されたパターン層上に、成形材料を堆積させる例の図である。
【
図9B】本開示の実施形態による、複数のチップをキャリア基板のパターン層にしっかりと固定するために使用される構造体の例の図である。
【
図10】(A)~(G)は、本開示の実施形態によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製造するためのプロセスの一部の実施後の構成要素の例の図である。
【
図11】本開示の実施形態による、くぼんだ有機基板にボンディングした後のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下において、本開示は、特定の実施形態に関して説明されることになるが、以下に記載の実施形態は例として言及されるにすぎず、本開示の範囲を限定することを意図していないことが当業者によって理解されよう。
【0028】
本開示による1つまたは複数の実施形態は、ブリッジ・チップによって複数のチップを相互接続するブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法、および方法によって製作されたブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を対象としている。
【0029】
ブリッジされることになる各チップには、端子のセットが形成された第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面とがある。各チップの端子のセットは、ブリッジングのために使用される。ブリッジングのための端子のセットが形成された第1の表面は、「前面」と呼ばれることもあり、前面の反対側の第2の表面は、「裏面」と呼ばれることもある。特定の実施形態では、各チップの前面はまた、有機基板に接続するために使用されるバンプのセットを含む。端子は、任意の適切な形式でよい。特定の実施形態では、ブリッジングのための端子のセットは、事前はんだ付けの有無に関わらず、接触パッドのセットである。
【0030】
図1は、本開示の実施形態によるブリッジ・チップによって複数のチップを相互接続するブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法10の例のフローチャートを示している。方法10は、動作12において、層を有するキャリア基板を用意することを含む。方法10は、動作14において、所定のレイアウトでキャリア基板の層上に複数のチップを配置することをさらに含む。方法10は、動作16において、複数のチップ間およびキャリア基板の層上に成形材料を堆積させることをさらに含む。方法10は、動作18において、成形材料で固定された複数のチップからキャリア基板および層を除去することをさらに含む。方法10は、動作20において、端子の対応するセットを介して成形材料で固定された複数のチップのうちの2つ以上にブリッジ・チップをボンディングすることをさらに含む。
【0031】
図2A~
図2Bおよび
図3A~
図3Bを参照すると、本開示の実施形態の例によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体の図が記載されている。
【0032】
図2A~
図2Bは、有機基板140にボンディングされた4つのチップ100A~100Dを含むブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150を示している。
図3A~
図3Bは、有機基板140にボンディングする前のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150を示している。
図2A~
図2Bおよび
図3A~
図3Bに示されたブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150は、3つのブリッジ・チップ120AB、120AC、および120BDによって、4つのチップ100A~100Dを相互接続するための相互接続構造体を含む。しかし、これは、例にすぎない。相互接続されることになるチップの数は限定されず、チップを相互接続するために使用されることになるブリッジ・チップの数も限定されない。特定の例では、4つのチップのそれぞれの隅と重なり合った単一のブリッジ・チップによってブリッジされた4つのチップを含む構造体も想定され得る。一般に、本開示の実施形態によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体は、1つまたは複数のブリッジ・チップで2つ以上のチップを相互接続する構造体である。
【0033】
チップ100A~100Dは、まとめてチップ100と呼ばれることもある。チップ100A~100Dのそれぞれは、特定のチップの識別が重要でないとき、対応する文字がなくても、単にチップ100と呼ばれることもある。同様に、ブリッジ・チップ120AB、120AC、および120BDは、まとめてブリッジ・チップ120と呼ばれることもある。ブリッジ・チップのそれぞれは、特定のブリッジ・チップの識別が重要でないとき、対応する文字がなくても、単にブリッジ・チップ120と呼ばれることもある。
【0034】
図2Aおよび
図3Aは、有機基板140にボンディングする前と後のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150の断面図をそれぞれ示している。
図2Bは、有機基板140にボンディングした後のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150の上面図を示している。
図3Bは、有機基板140にボンディングする前のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150の底面図を示している。
図2Aおよび
図3Aに示された断面図は、
図2Bおよび
図3Bの上面図および底面図に示された一点鎖線A~A’で表された横断面にそれぞれ対応することに留意されたい。
【0035】
図2Aおよび
図2Bに示されたブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150は、4つのチップ100A、100B、100C、および100D、ならびに3つのブリッジ・チップ120AB、120AC、および120BDを含んでいる。各ブリッジ・チップ120は、チップ100A~100Dのうちの2つと重なり合い、これらを接続する。例えば、ブリッジ・チップ120ABは、2つの隣接チップ100A、100Bを、対応するチップ-ブリッジ・ジョイント130A、130Bを介して接続する。ブリッジ・チップ120ACは、2つの隣接チップ100A、100Cを接続し、ブリッジ・チップ120BDは、他の2つの隣接チップ100B、100Dを接続する。
図2A~
図2Bおよび
図3A~
図3Bに示されたブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150では、チップ100Aは、ブリッジ・チップ120ACによって隣接チップ100Cに接続され、チップ100Bは、ブリッジ・チップ120BDによって隣接チップ100Dに接続され、チップ100Aおよびチップ100Bは、ブリッジ・チップ120ABによって互いに接続される。しかし、複数のチップ100の間の接続形式は限定されず、任意の接続形式が想定されてもよい。
【0036】
各チップ100には、前面102Aおよび裏面104Aがある。4つのチップ100A~100Dは、
図2Aに示されているように、有機基板140に逆さまに(例えば、前面を下にして)結合される。4つのチップ100A~100Dは、
図2Bに示されているように、所定のレイアウトで配置される。各ブリッジ・チップ120は、2つの隣接チップ100の前面102に配置される。
【0037】
各チップ100は、集積回路を含む半導体チップ(「ダイ」とも呼ばれる)を含んでもよいがこれらに限定されない。各チップ100の集積回路は、その中に製作された電気素子、電気光学素子、または電磁気素子、あるいはその組合せ、および、これらの素子を、チップ100の前面102Aに形成された端子に接続するための、配線を含んでもよい。各チップ100は、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用コンピューティング・オン・グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPGPU)、メモリ、AIアクセラレータ、システム・オン・チップ(SoC)などの、プロセッサの1つまたは複数の機能を有してもよい。各チップ100は、例えば、Si、SiGe、Ge、GaAs、GaP、InSb、または、類似の関連した特性を有する別の半導体材料などの、半導体材料から作成されてもよい。このような半導体チップは一般に、熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)が小さい。
【0038】
図2Aおよび
図2Bならびに
図3Aおよび
図3Bに示された実施形態では、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150は、異なる機能を有する少なくとも2つのチップが1つのパッケージに統合された、異種混合の統合パッケージである。しかし、他の実施形態では、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150は、同じ機能を有する複数のチップが1つのパッケージに統合された、同種の統合パッケージでもよい。また、さらに他の実施形態では、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150は、このような同種または異種混合の統合パッケージの半完成品でもよい。
【0039】
前面102は、ブリッジングのための端子のセット(
図2Aおよび
図2Bでは、チップ-ブリッジ・ジョイント130のセットが各チップ100の端子のセット上に既に形成されていることに留意されたい)、ならびに、有機基板140に接続するためのバンプのセット(
図2Aおよび
図2Bでは、チップ-基板ジョイント146のセットが各チップ100のバンプのセットを使用することによって既に形成されていることに留意されたい)を含む。端子は、パッド(事前はんだ付けの有無を問わない)、バンプ等を含む、任意の適切な形式でよい。有機基板140に接続するためのバンプは、コントロールド・コラプス・チップ接続(C4)はんだバンプでもよい。
【0040】
複数のチップ100は、成形材料から作られた拡張部分110で囲まれ、成形材料で互いにチップ100を強固に固定している。拡張部分110は、隣接チップ100のあらゆるペアとの間、および複数のチップ100の周囲に、形成される。記載の実施形態では、
図2Aおよび
図2Bならびに
図3Aおよび
図3Bに示されているように、複数のチップ100は、単一チップ形状の形を与えるように拡張部分110に組み込まれている。拡張部分110は、チップ100の前面102のエリアを拡張する。
図3Aに示されているように、チップ100の間のギャップに充填された拡張部分110の一部は、ギャップ部分110Gと呼ばれ、その一方で、複数のチップ100の周囲に充填された拡張部分110の一部は、周辺部分110Pと呼ばれる。複数のチップ100と、複数のチップ100を囲む拡張部分110とを含む構造体114は、事前成形されたマルチチップ構造体と呼ばれる。事前成形されたマルチチップ構造体114の厚さは、実質的に一様であることが好ましい。
【0041】
拡張部分110は、成形材料から作られ、成形材料は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または複合化合物を含んでもよいがこれらに限定されない。特定の実施形態では、主要な構成要素としてエポキシ樹脂を含んだエポキシ・ベースの樹脂材料が使用されることが好ましくなり得る。成形材料はまた、複数のチップ100を互いに強固に固定するために樹脂材料に加えて充填剤を含んでもよい。
【0042】
記載の実施形態では、チップ100の裏面104は、成形材料から露出している。チップ100の裏面104が成形材料から露出した(さらに、パッケージから露出した)このような構造体は、露出した裏面104が熱除去のために使用可能になるので、高性能チップに適している。例えば、チップ100の裏面104に熱シンクが取り付けられてもよい。
【0043】
各ブリッジ・チップ120は、相互接続が製作された半導体チップを含んでもよいがこれらに限定されない。ブリッジ・チップ120(例えば、120AB)は、一方の側に形成された各端子を、他方の側に形成された対応する端子に相互接続してもよく、一方の側に形成された各端子は、1つのチップ(例えば、100A)に結合され、他方の側に形成された対応する端子は、別のチップ(例えば、100B)に結合される。
【0044】
特定の実施形態では、各ブリッジ・チップ120は、例えば、Si、SiGe、Ge、GaAs、GaP、InSbなどの、半導体材料から作られてもよい。
図3Aに示されているように、ブリッジ・チップ120ABにはまた、前面122AB、および前面122ABの反対側の裏面124ABがあってもよい。各ブリッジ・チップ120には、それぞれのブリッジ・チップ120に対応する文字で図に指示されたような表面があってもよい。前面122ABは、チップ-ブリッジ・ジョイント130のセットが形成された表面である。ブリッジ・チップ120ABのチップ-ブリッジ・ジョイント130は、チップ100Aにつなげるための第1のサブセット130Aと、チップ100Bにつなげるための第2のサブセット130Bとを含む、2つのサブセットに分割されてもよい。
【0045】
ブリッジ・チップ120は一般に、ブリッジされることになるチップ100より小さい。ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150では、ブリッジ・チップ120は、チップ-ブリッジ・ジョイント130A、130Bのセットによって、ブリッジ・チップ120の端部で、隣接した2つのチップ100の両方にボンディングされる。チップ-ブリッジ・ジョイント130のそれぞれは、典型的なC4バンプよりずっと小さいマイクロバンプでもよい。
【0046】
図2Aならびに
図3Aおよび
図3Bに示されているように、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150は、ブリッジ・チップ120と、対応する隣接チップ100との間のチップ-ブリッジ・ジョイント130の周囲に形成された、アンダーフィル材料132をさらに含む。アンダーフィル材料132は、それぞれのブリッジ・チップ120に対応する文字で図に指示されている。アンダーフィル材料132(例えば、132AB)は、チップ-ブリッジ・ジョイント130(例えば、130A、130B)を封入し、ブリッジ・チップ120(例えば、120AB)と、対応する隣接チップ100(例えば、100A、100B)とを互いに強固に固定する。アンダーフィル材料132の例は、エポキシ・ベースの樹脂材料を含んでもよい。
【0047】
2つの隣接チップ100(例えば、100A、100B)を固定する拡張部分110のギャップ部分110Gには、対応するアンダーフィル材料132に接触した界面112がある。界面112は、2つの隣接チップ100(例えば、100A、100B)の前面102(例えば、102A)の平面とほぼ同一平面にある。
【0048】
図3Bに示されているように、有機基板140にボンディングする前に、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150の各チップ100用のバンプ106のセットがある。バンプ106は、それぞれのチップ100に対応する文字で図に指示されている。各バンプ106は、はんだバンプおよびソルダ・キャップドCuピラー・バンプを含むがこれらに限定されない任意の適切な形式でよい。各バンプ106は、
図2Aおよび
図2Bに示されているような、有機基板140にボンディングした後のチップ-基板ジョイント146になるはずである。各チップ100用のバンプ106のセット(また、もたらされるチップ-基板ジョイント146)は、対応するブリッジ・チップ120が重なり合った1つまたは複数のノッチ・エリアを有する2次元アレイを形成する。ジョイント146は、それぞれのチップ100に対応する文字で図に指示されている。特定のチップ100(例えば、100A)および特定のブリッジ・チップ120(例えば、120AB)用のチップ-ブリッジ・ジョイント130のセット(例えば、130A)はまた、チップ100(例えば、100A)のバンプ106(例えば、106A)の2次元アレイのノッチ・エリアに置かれた2次元アレイを形成する。各ノッチ・エリアは、2つの隣接チップ100(例えば、100A、100B)の中心に対応する位置の周囲に置かれる。
【0049】
特定の例では、各チップ100は、寸法がおよそ10~30ミリメートル×およそ10~30ミリメートル、および、300mmウエハを考えるとき、厚さがおよそ750~800マイクロメートル、または、バック・グラインディングを考えるとき、厚さが50マイクロメートルの、ほぼ正方形でもよい。各チップ100には、例えば、ピッチがおよそ100~200マイクロメートル、例えば、直径がおよそ50~100マイクロメートル、および、例えば、高さがおよそ50~100マイクロメートルの、バンプがあってもよい。
【0050】
特定の例では、ブリッジ・チップ120は、寸法がおよそ1~5ミリメートル×およそ2~10ミリメートル、および、厚さがおよそ30~250マイクロメートルでもよい。ブリッジ・チップ120には、ピッチがおよそ20~80マイクロメートル、直径がおよそ10~40マイクロメートル、および、高さがおよそ10~40マイクロメートルの、マイクロバンプがあってもよい。
【0051】
特定の実施形態では、ブリッジ・チップ120の裏面124と、隣接チップ100の前面102の平面との間の距離、または、ブリッジ・チップの厚さと、チップ100とブリッジ・チップ120との間のマイクロバンプまたはジョイントの高さとの合計は、チップ100と有機基板140との間のバンプ106またはジョイント146の高さより小さい。
【0052】
ブリッジ・チップ120が薄くなればなるほど、こわれやすくなる。したがって、ブリッジ・チップ120は一般に、ブリッジ・チップ120に作用する機械的応力に耐えるために、特定の最小の厚さを有する必要がある。特に、ブリッジ・チップ120の周囲の部分に作用する力は、ブリッジ・チップ120にボンディングされた隣接チップ100が分離されると、相対的に大きくなる。さらに、機械的応力は、チップ100と有機基板140との間のCTE差が大きくなると、相対的に大きくなる。しかし、ブリッジ・チップ120が特定の厚さより厚くなると、ブリッジ・チップ120は、バンプ106またはジョイント146の高さによってギャップの距離が限定されるので、チップ100と有機基板140との間のギャップにフィットしなくなる。
【0053】
したがって、より厚いブリッジ・チップを収容する1つの方式は、より厚いブリッジ・チップと有機基板との干渉を回避するために、有機基板の前面にくぼみ、空洞、またはトレンチを形成することを含むことができる。対照的に、複数のチップ100を強固に固定する成形材料の拡張部分110(特に、そのギャップ部分110G)がある場合、より薄いブリッジ・チップが可能になり、これにより、有機基板140にこのようなくぼみ、空洞、またはトレンチを形成する必要がなくなる。
【0054】
図2Aに示されているように、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150は、ブリッジ・チップ120の下にくぼみ、空洞、またはトレンチを含んでいない。これは、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体の製作コストを減少させる。しかし、これは、有機基板140へのくぼみ、空洞、またはトレンチの形成を妨げるものではない。
【0055】
図2Aおよび
図2Bに示されているように、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150は、事前成形されたマルチチップ構造体114と有機基板140との間に形成された封入材料148をさらに含む。封入材料148は、複数のチップ100と有機基板140との間に、ブリッジ・チップ120とチップ-基板ジョイント146のセットとを封入する。チップ-ブリッジ・ジョイント130の周囲に形成されたアンダーフィル材料132は、封入材料148に吸収されてもよい。アンダーフィル材料132および封入材料148は、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150の不安定な構成要素を強固に固定する。封入材料148の例は、エポキシ・ベースの樹脂材料を含んでもよい。アンダーフィル材料132および封入材料148は異なる名前で呼ばれているが、アンダーフィル材料132および封入材料148は、実質的に同じでもよい。
【0056】
有機基板140は、チップ-基板ジョイント146のセットによって複数のチップ100に接続されている。有機基板140には、複数のチップ100がボンディングされた上面141の反対側の有機基板の底面142に形成された端子144のアレイがある。端子144のアレイは、マザー・ボードなどの次のレベルのアセンブリへの、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150のその後の取付けのために提供される。端子144のアレイは、例えば、ボール・グリッド・アレイ(BGA:ball grid array)、ランド・グリッド・アレイ(LGA)、またはピン・グリッド・アレイ(PGA)でもよい。
【0057】
有機基板140は、有機ラミネートまたは類似の材料でもよい。有機基板140は、はんだ付けおよび接着のための表面仕上げ、配線およびバイアの大部分を含むビルドアップ層、ならびに、機械的強度を提供するコアという、3つの別個の部分を含んでもよい。任意選択として、ソルダ・マスクが、ラミネート上に提供されてもよく、または、ビルドアップ誘電体が、上面141に提供されることが可能である。したがって、有機基板140は、複数の配線層および絶縁層を含むことができる。
【0058】
有機基板140のコアは、典型的には、サブトラクティブ回路化された銅シートで被覆されたガラス繊維強化エポキシから構成される。コアは、多層コアが使用可能であるが、最も一般的には、従来のラミネート状のプリント回路基板処理技術によって形成された単一の誘電体層から成る。有機基板140内の配線は、上部のチップ-基板ジョイント146と、対応する下部の端子144とを接続する。このような有機または樹脂材料は、典型的には、チップ100の材料より高いCTEを有する。
【0059】
図4(A)~
図4(G)、
図5Aおよび
図5B、ならびに
図6(A)~
図6(F)を参照しながら、概略的な図面が、本開示の実施形態の例によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製造するプロセスを例示している。
図4(A)~
図4(G)および
図6(A)~
図6(F)は、
図2Aおよび
図2Bならびに
図3Aおよび
図3Bに示された、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150を製造するプロセスを例示している。
図4(A)~
図4(G)および
図6(A)~
図6(F)は、構造体の断面図を示していることに留意されたい。
【0060】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、
図4(A)~
図4(C)および
図5A~
図5Bは、
図1に示された方法10の動作12の実施の結果を例示している。
【0061】
図4(A)に示されているように、製造プロセスは、キャリア基板300を用意または提供することを含んでもよく、キャリア基板300は、ウエハまたはパネル形式でもよい。キャリア基板300は、その上面に形成された構造体を支持するために、剛体でもよい。キャリア基板300の例は、シリコン・ウエハなどの半導体ウエハ、ガラス・パネル、および同様のものを含むが、これらに限定されない。
【0062】
図4(B)に示されているように、製造プロセスはまた、樹脂層302を形成するために、キャリア基板300上に樹脂材料を塗布することを含んでもよい。樹脂材料は、フォトレジスト樹脂でもよい。任意のポジまたはネガ型フォトレジスト樹脂を使用することができる。樹脂層302の製作は、例えばスピン・コーティングを含む、従来のコーティング技術を実施することを含んでもよい。
【0063】
図4(C)に示されているように、製造プロセスは、空間(または開口部)306を有するパターン層304をキャリア基板300上に与えるように、樹脂材料をパターン形成することをさらに含んでもよい。
図4(C)には、例示のために、代表として、ただ1つの要素に数字が割り当てられている。しかし、同じ数字が、
図4(A)~
図4(G)、
図5Aおよび
図5B、ならびに
図6(A)~
図6(F)に示された他の対応する構成要素に適用される。配置される各チップ100のバンプ106のセットは、その後の手順を実施する際に、収容される。樹脂層302のパターン形成は、典型的には、予備焼成、露出、露出後焼成、現像、および後焼成を含み得る、従来のフォトリソグラフィ技術を実施することを含んでもよい。
【0064】
図4(A)~
図4(C)を参照しながら上記で論じられた動作を実施することによって、複数のチップ100の所定のレイアウトを定義するようにパターン形成されたパターン層304を有するキャリア基板300が提供される。
【0065】
図5Aおよび
図5Bは、
図4(C)で例示されたプロセスによってキャリア基板300に形成されたパターン層304の図を例示している。より詳細には、
図5Aは、キャリア基板300に形成されたパターン層304の断面図を示しており、
図5Bは、パターン層304の上面図を示している。
図5Aに示された断面図は、
図5Bの上面図に示された一点鎖線B~B’で表された横断面に対応することに留意されたい。
【0066】
図5Aおよび
図5Bでは、配置されることになるチップ100の輪郭は、破線の長方形308で指示されている。図では、代表として、ただ1つの破線の長方形に、数字308がラベル付けられている。
図5Aおよび
図5Bに示されているように、各チップ100のための層304に製作された空間306は、チップ100の輪郭308より、幅および高さ寸法がわずかに小さい。したがって、パターン層304には、チップ100の周辺領域と重なり合うことになる(
図5Aに示された)部分305がある。この部分305は、チップ100がキャリア基板300に配置されたとき、周辺領域にあるチップ100の前面を支持することになる。参考として、チップ100毎に周辺領域がある。少なくとも1つの実施形態では、チップ100毎の周辺領域には、数百マイクロメートルの幅がある。この重複部分305があると、チップ100の前面102が同一平面になり、チップ100の厚さに無視できないほどの変動/逸脱があっても、チップ100の間の垂直整列が容易になる。
【0067】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、
図4(D)は、
図1に示された方法10の動作14の実施の結果を例示している。
図4(D)に示されているように、製造プロセスは、各前面102がキャリア基板300に向けられた所定のレイアウトで、パターン層304に複数のチップ100を配置することを含んでもよい。各チップ100の前面102は、ブリッジングのための端子108のセット、および有機基板140へのボンディングのためのバンプ106のセットを含み、キャリア基板300上に逆さまに設置されている。各チップ100のバンプ106のセットは(および端子108のセットも)、複数のチップ100を配置したとき、パターン層304に形成された空間306に収容される。
【0068】
所定のレイアウトでキャリア基板300に複数のチップ100を配置することは、適切な整列マークを使用することを含んでもよい。チップ側の整列マークは、各チップ100の前面102Aに形成可能である。キャリア基板300の整列マークは、キャリア基板300の上面に形成可能である。標準リソグラフィ・プロセスにおける後焼成の実施は、チップ100とパターン層304とを、よりしっかり接着するために、チップ100の配置後まで遅らせてもよい。
【0069】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、
図4(E)は、
図1に示された方法10の動作16の実施の結果を例示している。
図4(E)に示されているように、製造プロセスは、
図2Aおよび
図2Bならびに
図3Aおよび
図3Bに示された拡張部分110に対応する部分を形成するために、複数のチップ100の間およびその周囲、ならびにパターン層304に、成形材料310を堆積させることをさらに含んでもよい。成形材料を堆積させると、複数のチップ100および成形材料310を含むウエハまたはパネル形状の構造体312(事前成形されたマルチチップ構造体とも呼ばれる)になる。各チップ100のバンプ106のセットは(および端子108のセットも)、複数のチップ100の間およびその周囲に成形材料310を堆積させると、パターン層304に形成された空間306に収容される。
【0070】
ウエハまたはパネル形状の構造体312の製作は、従来の成形技術を実施することによって完了されてもよい。キャリア基板300の構成要素(パターン層304およびチップ100を含む)、ならびに外部剛構造体は、溶融または液体材料が適用される鋳型(mold)として使用されてもよい。また、成形材料はまた、構造体の表面全体に成形材料を拡散させるためにスクイージ、または他のコーティング技術、あるいはその両方を使用して、隣接チップ100の間のギャップに成形材料を供給することによって、チップ100の間に適用可能である。
【0071】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、
図4(F)は、
図1に示された方法10の動作18の実施の結果を例示している。
図4(F)に示されているように、製造プロセスは、ウエハまたはパネル形状の構造体312からキャリア基板300およびパターン層304を除去するステップを含んでもよい。特定の実施形態では、ウエハまたはパネル形状の構造体312からのキャリア基板300の分離は、レーザ放出可能一時ボンディングおよびデボンディング技術を使用することによって、完了されてもよい。特定の実施形態では、パターン層304の除去は、溶媒に溶解させることによって、完了されてもよい。
【0072】
図4(G)に示されているように、製造プロセスは、ウエハまたはパネル形状の構造体312をダイシングして、複数のブリッジ・マルチチップ・アセンブリにすることを含んでもよい。ダイシングは、ブレード・ダイシング、レーザ・ダイシング(例えば、ステルス・ダイシング、レーザ・アブレーション・ダイシング)、および同様のものなど、従来のダイシング技術を実施することによって、完了されてもよい。
図4(G)では、ステルス・ダイシング後のダイシング・テープ320の拡大が、例として例示されている。
図4(G)に示されているように、複数の事前成形されたマルチチップ330-1が取得され、そのそれぞれが、チップ100の所定のセット、およびチップ100の所定のセットを囲む拡張部分110を含む。
【0073】
図6(A)に示されているように、製造プロセスは、事前成形されたマルチチップ330(例えば、
図4(G)に例示された事前成形されたマルチチップ330-1のうちの1つでもよい)をピックアップすること、および、必要なブリッジング・ロケーション毎にブリッジ・チップ120を用意することを含んでもよい。事前成形されたマルチチップ330は、チップ100A、110Bの所定のセット、および拡張部分110を含む。各チップ100には、露出したバンプ106のセットならびに端子108のセット(108Aおよび108B)を含む、前面102がある。用意されたブリッジ・チップ120には、(
図3Aに示された)その前面122に形成された端子のセット126A、126Bがあってもよい。端子126のセットは、マイクロバンプでもよい。
【0074】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、
図6(B)は、
図1に示された方法10の動作20の実施の結果を例示している。
図6(B)に示されているように、製造プロセスは、チップ-ブリッジ・ジョイント130A、130Bのセットを形成するために、事前成形されたマルチチップ330内の対応する隣接チップ100A、100Bに、用意されたブリッジ・チップ120をボンディングすることを含んでもよい。
図6(B)に示されているように、ブリッジ・チップ120と、対応する隣接チップ100A、100Bとの間のチップ-ブリッジ・ジョイント130A、130Bのセットは、チップ100A、100Bの端子108A、108Bの対応するセット、およびブリッジ・チップ120の端子126A、126Bの対応するセットを使用することによって、形成されてもよい。
【0075】
図6(C)に示されているように、製造プロセスは、各ブリッジ・チップ120と、対応する隣接チップ100との間のブリッジ-チップ・ジョイント130のセットの周囲にアンダーフィル材料132を適用することを含んでもよい。アンダーフィル材料132を適用することは、例えば、キャピラリ・アンダーフィリング・プロセスなど、従来のアンダーフィル技術を含んでもよい。
【0076】
アンダーフィル材料132は、用意されたブリッジ・チップ120を、対応する隣接チップ100A、100Bにボンディングした後に適用されてもよい。しかし、代替実施形態では、非伝導性ペーストなどの事前に適用されたアンダーフィルがさらに使用されてもよい。このような実施形態では、用意されたブリッジ・チップ120を、対応する隣接チップ100A、100Bにボンディングする前に、製造プロセスは、各ブリッジ・チップ120と、対応する隣接チップ100との間のブリッジ-チップ・ジョイント130のセットが、その後のボンディング・プロセスによって形成されることになる端子108の位置の周囲に、アンダーフィル材料132を適用することを含んでもよい。製品の歩留まりは、事前に適用されたアンダーフィルの代わりにキャピラリ・アンダーフィリングを使用することによって、改善可能であることに留意されたい。ブリッジ・チップ120と、ブリッジ・チップ120が設置された対応するチップ100とは、成形材料の拡張部分110(特にそのギャップ部分110G)によって互いに強固に固定されるので、ボンディング直後に強度をもたらすことが可能な、事前に適用されたアンダーフィルの有用性は低下し、省かれる可能性がある。
【0077】
図6(D)に示されているように、製造プロセスは、チップ-基板ジョイント146A、146Bのセットを形成するために、複数のチップ100A、100B、およびブリッジ・チップ120を含む事前成形されたマルチチップ330を、有機基板140にボンディングすることを含んでもよい。
図6(D)に示されているように、事前成形されたマルチチップ330は、有機基板140の上面141に設置される。
【0078】
図6(D)に示されているように、および
図6(E)に示される封入の前に、チップ100とブリッジ・チップ120との間のチップ-ブリッジ・ジョイント130の周囲の機械的応力は、チップ100と有機基板140との間のCTEの差による(ボンディング・プロセスで使用される)熱によって生成される。このような機械的応力は、パッケージ製品の歩留まりを低下および悪化させるおそれがある。しかし、本開示の実施形態は、チップ100が、成形材料の拡張部分110(特にそのギャップ部分110G)によって互いに強固に固定されており、ブリッジ・チップ120が、このような強固に固定されたチップ100にボンディングされるので、ジョイントの故障を阻止することができる。したがって、CTE差による、有機基板140に接続したときの、ブリッジされたチップ100の間の変位を阻止することができる。
【0079】
図6(E)に示されているように、製造プロセスは、ブリッジ・チップ120、および複数のチップ100と有機基板140との間のチップ-基板ジョイント146のセットを封入材料148で封入することを含んでもよい。
【0080】
図6(F)に示されているように、製造プロセスは、最終的な統合パッケージ350を取得するために、有機基板140の底面142に(
図6(F)に示された例ではBGAである)端子144のアレイを製作することを含んでもよい。統合パッケージ350は、マザー・ボードなど、次のレベルのアセンブリへのその後の取付けプロセスに提供可能である。
【0081】
前述の実施形態では、ブリッジ・チップ120は、単体化された事前成形されたマルチチップ330にボンディングされる。しかし、他の実施形態では、ダイシングの前に、ブリッジ・チップ120は、ダイシング後に、事前成形されたマルチチップ構造体330になるはずの、ウエハまたはパネル形状の構造体312の各部分にボンディングされてもよい。
【0082】
図7(A)~
図7(C)を参照しながら、本開示の実施形態の例による、複数のチップ100の間およびその周囲に成形材料を堆積させることが、より詳細に説明される。特に、
図7(A)~
図7(C)は、複数のチップ100が一様なチップの厚さを有する事例に適した様式で成形材料を堆積させた結果を例示している。したがって、
図7(A)~
図7(C)は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図1に示された方法10の動作16の実施の結果を例示している。
【0083】
図7(A)に示されているように、成形材料を堆積させることは、複数のチップ100、パターン層304、およびキャリア基板300を含む構造体を、金型340A、340Bの間に設置することを含んでもよい。金型340Aは、チップ100の裏面104に密着していてもよい。
【0084】
図7(B)に示されているように、成形材料を堆積させることはまた、複数のチップ100の間のギャップに成形材料を注入することを含んでもよい。
図7(C)に示されているように、複数のチップ100の間のギャップに成形材料を注入すると、成形材料310と、チップ100のそれぞれの裏面104が露出するような複数のチップ100とを含む、ウエハまたはパネル形状の構造体312になる。
【0085】
図8(A)~
図8(C)を参照しながら、本開示の実施形態の別の例による成形材料を堆積させることが、より詳細に説明される。特に、
図8(A)~
図8(C)は、チップ100の厚さに無視できないほどの変動/逸脱がある事例に適した様式で、成形材料を堆積させた結果を例示している。このような変動は、各チップ100がそこから単体化された個々のウエハの違い、またはチップ100の機能の違い、あるいはその両方によって引き起こされることがある。したがって、
図8(A)~
図8(C)は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図1に示された方法10の動作16の実施の結果を例示している。
【0086】
図8(A)に示されているように、成形材料を堆積させることは、パターン層304、キャリア基板300、および、異なるチップの厚さを有する複数のチップ100A、100Bを含む構造体を、金型340A、340Bの間に設置することを含んでもよい。金型340Aは、チップ100の裏面に密着していない。
【0087】
図8(A)にさらに示されているように、成形材料を堆積させることはまた、複数のチップ100の間のギャップ、および複数のチップ100の上に、成形材料310を注入することを含んでもよい。
【0088】
図8(B)に示されているように、成形材料を堆積させることは、成形材料の注入後に金型を除去することをさらに含んでもよい。
【0089】
図8(C)に示されているように、成形材料を堆積させることは、複数のチップ100と成形材料310とを含むウエハまたはパネル形状の構造体312(事前成形されたマルチチップ構造体)が一様な厚さになるように、チップ100A、100Bの裏側から成形材料およびチップ100を薄くすることをさらに含んでもよい。成形材料およびチップ100を薄くすることは、いくらかの量の成形材料およびチップ100を除去することを含む。薄くすることは、例えば、バック・グラインディング・プロセスを実施することによって、完了されてもよい。
【0090】
図8(C)に示されているように、薄くすると、成形材料310と複数のチップ100とを含むウエハまたはパネル形状の構造体312になり、複数のチップ100のそれぞれが、その裏面104を露出させている。記載の実施形態では、ウエハまたはパネル形状の構造体312は、どのチップ100の裏面104も露出するように、薄くされることに留意されたい。しかし、他の実施形態では、ウエハまたはパネル形状の構造体312は、裏面が成形材料310で覆われたままの、1つまたは複数のチップを有してもよい。
【0091】
図9Aを参照しながら、本開示の実施形態の別の例による成形材料を堆積させることが、より詳細に説明される。特に、
図9Aは、金型340A、340Bを使用しない事例に適した様式で、成形材料を堆積させた結果を例示している。したがって、
図9Aは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図1に示された方法10の動作16の実施の結果を例示している。
【0092】
図9Aに示されているように、成形材料を堆積させることは、隣接チップ100の間のギャップ352、および複数のチップ100の周囲に、成形材料の小滴356を供給することを含んでもよい。
図9Aにさらに示されているように、成形材料を堆積させることはまた、構造体(300、304、100)の表面全体にスクイージ354を引っ張ることによって、塗布された成形材料を拡散させることを含んでもよい。
【0093】
記載の実施形態では、ウエハまたはパネル形状の構造体312を形成するために、隣接チップ100の間のギャップだけでなく、チップ100の周囲の空間も、成形材料310で充填されることに留意されたい。しかし、他の実施形態では、隣接チップ100の間のギャップだけが充填され、チップ100の所定のセットの周辺に対応する空間は充填されなくてもよい。
【0094】
図9Bを参照しながら、実施形態の特定の例による、キャリア基板300に複数のチップ100を配置すること、ならびにウエハまたはパネル形状の構造体からキャリア基板300およびパターン層304を除去することが、説明される。
【0095】
図9Bに示されているように、バンプ106のセットは、各チップ100の前面102に製作されたアンダー・バンプ・メタラジ(UBM:under bump metallurgy)360上に形成される。さらに、キャリア基板300の上面364は、各チップが配置されることになるマイクロパッド362のアレイを含む。複数のチップ100を配置することは、一時的なボンディングによって、バンプ106のセットおよびマイクロパッド362のアレイを一時的に固定することを含む。キャリア基板300およびパターン層304を複数のチップ100から除去することは、熱することによってバンプ106のセットからマイクロパッド362のアレイをデボンディングすることを含む。デボンディング後のはんだバンプのボリューム変化を最小化するために、各マイクロパッド362は、対応するUBM360より小さく、はんだ組成の変化をなくすために、あまりインパクトのない材料のセット(例えば、TiまたはAu)から作られることが好ましい場合がある。
【0096】
図9Bにさらに示されているように、キャリア基板300とパターン層304との間に剥離層370がある。特定の実施形態では、剥離層370は、レーザ放出可能一時ボンディングおよびデボンディング技術で使用されるレーザ放出可能層である。成形後に、キャリア基板300の裏側からレーザ(例えば、シリコン・ウエハを使用するときは赤外線レーザ、またはガラス・パネルを使用するときはUVレーザ)を剥離層370に照射することによって、キャリア基板300は、ウエハまたはパネル形状の構造体312から容易に分離可能である。
【0097】
上述の実施形態では、バンプ106のセットは、チップ配置前に製作される。しかし、バンプの形成は、このタイミングに限定されない。
図10(A)~
図10(G)を参照しながら、本開示の実施形態の別の例によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製造するプロセスの結果の図が説明される。
図10(A)~
図10(G)は(
図6(A)~
図6(F)と一緒に)、
図2Aおよび
図2Bならびに
図3Aおよび
図3Bに示された、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体150を製造するプロセスの結果を例示している。
図10(A)~
図10(G)はまた、構造体の断面図を示していることに留意されたい。したがって、
図10(A)~
図10(G)は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、
図1に示された方法10の実施の結果を例示している。
【0098】
図10(A)に示されているように、製造プロセスは、キャリア基板300を用意することを含んでもよい。
図10(B)に示されているように、製造プロセスはまた、接着剤層402を形成するために、キャリア基板300に接着材料を塗布することを含んでもよい。接着材料は、樹脂材料でもよい。接着剤層402は、例えばスピン・コーティングなどの、従来のコーティング技術を実施することによって、製作されてもよい。
図10(A)および
図10(B)を参照しながら上記で論じられた動作を実施することによって、複数のチップ100の所定のレイアウトを定義するためにパターン形成されたパターン層304を有するキャリア基板300が提供される。したがって、
図10(A)および
図10(B)は、本開示の1つの実施形態による、方法10の動作12の実施の結果を例示している。
【0099】
図10(C)に示されているように、製造プロセスは、各チップ100の前面102がキャリア基板300に向けられた所定のレイアウトで、接着剤層402に複数のチップ100を配置することを含んでもよい。したがって、
図10(C)は、本開示の1つの実施形態による、方法10の動作14の実施の結果を例示している。
【0100】
図10(A)~
図10(G)に示された実施形態では、各チップ100の前面102を下に向けて、キャリア基板300に複数のチップ100を設置する必要はない。しかし、各チップ100の前面102をキャリア基板300に向けて、キャリア基板300に複数のチップ100を配置するのが好ましい。各チップ100の前面102はまだ、バンプ106のセットを含んでいないが、
図10(D)に示されているように、複数のチップ100の間に成形材料を堆積させると、チップ100の前面は、接着剤層402によって保護される。したがって、各チップ100の前面102をキャリア基板300に向けて、複数のチップ100を配置すると、チップ100の前面102が同一平面になり、チップ100の厚さに無視できないほどの変動/逸脱があっても、チップ100の間の垂直整列が容易になる。さらに、この平坦さは、バンプの形成中に利点をもたらす。
【0101】
複数のチップ100は、適切な整列マークを使用することによって、キャリア基板300に配置されてもよい。キャリア基板300の整列マークは、キャリア基板300の表面に形成可能である。接着剤層402の厚さは、ウエハのエリア全てが接着剤層402で覆われても、キャリア基板300に形成された整列マークが検出可能になるように、薄いことが好ましい。
【0102】
図10(D)に示されているように、製造プロセスは、
図2Aおよび
図2Bならびに
図3Aおよび
図3Bに示された拡張部分110に対応する部分を形成するために、複数のチップ100の間およびその周囲、ならびに接着剤層402に、成形材料310を堆積させることをさらに含んでもよい。したがって、
図10(D)は、本開示の1つの実施形態による、方法10の動作16の実施の結果を例示している。成形材料を堆積させると、ウエハまたはパネル形状の構造体312になる。
【0103】
図10(E)に示されているように、製造プロセスは、ウエハまたはパネル形状の構造体312からキャリア基板300および接着剤層402を除去することを含んでもよい。したがって、
図10(E)は、本開示の1つの実施形態による、方法10の動作18の実施の結果を例示している。
【0104】
図10(F)に示されているように、製造プロセスは、ウエハまたはパネル形状の構造体312における複数のチップ100の前面102に、バンプ106のセットおよび端子108のセット(接触パッド)を形成することを含んでもよい。バンプは、例えば、はんだ蒸発、はんだ合金の電気めっき、はんだペースト・スクリーニング、はんだボール設置、射出成形はんだ付けプロセス、等を含む、従来のバンプ形成技術を実施することによって、製作されてもよい。
【0105】
図10(G)に示されているように、製造プロセスは、ウエハまたはパネル形状の構造体312をダイシングして、複数のブリッジ・マルチチップ・アセンブリにすることを含んでもよい。複数の事前成形されたマルチチップ330-1が取得され、そのそれぞれは、
図4(G)に示されたものと同一である。
図10(G)に示されたステップの後、
図6(A)~
図6(F)に示された同じプロセスは、一連の
図4(A)~
図4(G)および
図6(A)~
図6(F)を参照しながら説明されたプロセスのように、実施可能である。
【0106】
図11を参照しながら、本開示の実施形態の別の例によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体が説明される。
図11は、その上面141にくぼみ143が形成された、くぼんだ有機基板140へのボンディング後の、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体の図を例示している。したがって、
図11は、本開示の1つの実施形態による、方法10の動作20の実施の結果を例示している。
【0107】
有機基板140のくぼみ、空洞、またはトレンチを形成する必要をなくすことが好ましいが、有機基板100のくぼみ、空洞、またはトレンチの形成は阻止されない。
図11に示された実施形態では、有機基板140は、ブリッジ・チップ120ABと有機基板140との干渉を回避するためのくぼみ143を含む。ブリッジ・チップ120を厚くすると、ブリッジ・チップ120に作用する機械的応力に耐えるのに十分な機械的強度が得られる。
図11に示された実施形態は、より薄いブリッジ・チップが採用された事例より優れた、さらなる強度をもたらす。
【0108】
本開示の実施形態によれば、複数のチップを強固に固定することによってチップとブリッジ・チップとの間のジョイントの周囲に生成された応力を軽減させながら、ブリッジ・チップによって複数のチップを接続するブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作することができる方法が提供される。追加として、本開示の実施形態によれば、方法によって製作されたブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体が提供される。
【0109】
本開示の実施形態による方法およびブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体には、以下の利点がある。ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体のパッケージは、高帯域幅、低コスト、および、ブリッジ-チップ・ジョイント周囲の低応力を伴う、異種混合のチップ統合を可能にする。有機基板(ラミネート)のコストは、有機ラミネート上に特別設計の配線が必要な2.1D技術、および、特別設計のシリコン・ブリッジ組み込みラミネートが必要なEMIB技術より小さい。また、ブリッジ・チップ120を使用すると、シリコンおよび有機インターポーザがそれぞれ必要な2.5Dおよび2.3D技術より、コストが減少する。スモール・ブリッジ・チップは一般に、高密度ラミネートおよびシリコン・インターポーザより安いことに留意されたい。また、本開示は、高価なフリップ・チップ・ボンディング・プロセスが実施される回数の低減を可能にし、このプロセスは、ブリッジ・チップ・ボンディングのためだけに必要になってもよい。実施形態による方法は、配置されることになるチップの数と同じ回数、有機基板へのフリップ・チップ・ボンディングが必要になるEMIBに比べて、1回だけ有機基板にC4はんだ付けを実施する必要がある。さらに、アセンブリに生成された応力は、2.3D技術およびEMIB技術より小さくなることがある。追加として、本開示の実施形態によるブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体は、ファンアウトされたチップ表面上に有機再配布層が必要なファンアウト・ウエハ・レベル・パッケージング・プロセスより高密度の相互接続に適している場合がある。
【0110】
チップと有機基板との間のCTE差による製作プロセス中の機械的応力は、以下を理由として、軽減されることに留意されたい。(i)複数のチップ100が、成形材料の拡張部分110(特にギャップ部分110G)によって互いに強固に固定されていること、および(ii)ブリッジ・チップ120が、このような強固に固定されたチップ100にボンディングされていること。CTE差による、有機基板140に接続したときのブリッジされたチップ100の間の変位は、したがって、阻止可能である。これは、パッケージ製品の歩留まりの低下および悪化を防ぐことができる。
【0111】
成形材料は、複数のチップを強固に固定するので、より薄いブリッジ・チップが可能になり、これにより、ラミネート・コストをさらに低減させる。チップの裏面を露出させると、多くのチップレットから成る将来のハイエンド・モジュールにさらに適した構造体が得られる。
【0112】
本開示による1つまたは複数の特定の実施形態に関して取得された利点が説明されてきたが、一部の実施形態には、これらの潜在的な利点がない場合もあり、これらの潜在的な利点は、必ずしも全ての実施形態に必要なわけではないことを理解されたい。
【0113】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態だけを説明するためものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別途明らかに指示しない限り、複数形を同様に含むことが意図されている。用語「備える」または「備えること」あるいはその両方は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、ステップ、層、要素、または構成要素、あるいはその組合せの存在を指定しているが、1つまたは複数の他の特徴、ステップ、層、要素、構成要素、またはそのグループ、あるいはその組合せの存在または追加を排除していないことがさらに理解されよう。
【0114】
下記の特許請求の範囲における全ての手段またはステップと機能要素の対応する構造体、材料、行為、および同等物は、もしあれば、具体的に特許請求されるような、他の請求要素と組み合せて機能を実施するための、いずれかの構造体、材料、または行為を含むことを意図している。本開示の1つまたは複数の態様の説明は、例示および説明のために提示されてきたが、網羅的であること、または開示の形の本開示に限定されることを意図するものではない。
【0115】
記載の実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの変更形態および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される専門用語は、実施形態の原理、実用的用途、もしくは市場で見つかる技術に対する技術的改善を最もよく説明するように、または、本明細書で開示された実施形態を当業者が理解できるように、選ばれた。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法であって、
キャリア基板を用意することと、
所定のレイアウトで前記キャリア基板上に複数のチップを配置することであって、前記複数のチップのそれぞれが、端子のセットが形成された前面を有する、前記配置することと、
前記複数のチップ間および前記キャリア基板上に成形材料を堆積することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップから前記キャリア基板を除去することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップのうちの少なくとも2つのチップの端子の対応するセットにブリッジ・チップをボンディングすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数のチップの前記前面上に、有機基板に接続するためのバンプのセットを形成すること
をさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記チップの前記前面が、有機基板に接続するためのバンプのセットを含み、
前記チップの前記前面が前記キャリア基板に向けられるように、前記複数のチップが前記キャリア基板上に配置され、
前記キャリア基板を用意することが、
前記キャリア基板上に樹脂材料を塗布することと、
前記複数のチップを配置し、前記成形材料を堆積させたときに、前記チップのバンプのセットが収容される空間を提供するように、前記樹脂材料をパターン形成することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップを固定する前記成形材料の一部が、前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップの前記前面と同一平面にある表面を有する、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記チップの前記前面が、有機基板に接続するためのバンプのセットを含み、
前記ブリッジ・チップの裏面と前記複数のチップの前記前面の平面との間の距離が、前記バンプの高さより短い、
請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記ブリッジ・チップを設置することが、
前記端子の対応するセットを介して、前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップと前記ブリッジ・チップとの間のジョイントを形成することと、
前記ブリッジ・チップと前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップとの間の前記ジョイントに対応する位置の周囲に、アンダーフィル材料を適用することと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記成形材料を堆積することが、
各チップの裏面が露出するように、前記複数のチップ間のギャップに、前記成形材料を堆積すること
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記成形材料を堆積することが、
前記複数のチップ間および前記複数のチップの上に前記成形材料を堆積することと、
前記複数のチップ、および前記成形材料の一部を含む、事前成形されたマルチチップ構造体が一様な厚さになるように、前記成形材料を前記複数のチップの裏側から薄くすることと
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記ブリッジ・チップを有する前記複数のチップを有機基板にボンディングすることと、
前記ブリッジ・チップ、および前記複数のチップと前記有機基板との間のジョイントを、封入材料で封入することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のチップの前記前面が、有機基板に接続するためのバンプのセットを含み、
前記キャリア基板が、前記チップのそれぞれが配置されることになるマイクロパッドのアレイを含み、
前記複数のチップを配置することが、前記バンプのセットおよび前記マイクロパッドのアレイを一時的に固定することを含み、
前記複数のチップから前記キャリア基板を除去することが、前記バンプのセットから前記マイクロパッドのアレイをデボンディングすることを含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記キャリア基板が、ウエハ形状を有し、
前記成形材料を堆積することが、前記複数のチップ、および前記成形材料の一部を含む、ウエハ形状の構造体をもたらし、
前記方法が、1つのブリッジ・マルチチップ・アセンブリを取得するために、前記ウエハ形状の構造体をダイシングすることをさらに含む、
請求項1ないし
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体であって、
所定のレイアウトで配置された複数のチップであって、前記チップのそれぞれが、端子のセットを含む前面を有する、前記複数のチップと、
前記複数のチップを固定し、前記チップの前記前面を露出させる成形材料と、
前記端子のセットを介して前記複数のチップのうちの少なくとも2つのチップを接続するブリッジ・チップと
を備える、ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項13】
前記複数のチップに接続された有機基板であって、各チップの前記前面が、前記チップと前記有機基板との間のジョイントのセットを含む、有機基板と、
前記ブリッジ・チップ、および前記複数のチップと前記有機基板との間の前記ジョイントのセットを封入するための封入材料と
をさらに備える、請求項12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項14】
前記有機基板の底面に形成された、外部基板に接続するための端子のアレイであって、前記底面が、前記複数のチップが設置された上面の反対側に配置される、前記端子のアレイ
をさらに備える、請求項13に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項15】
前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップを固定する前記成形材料の一部が、前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップの前記前面と同一平面にある表面を有する、請求項12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項16】
各チップの前記前面が、有機基板に接続するジョイントのセットをさらに備え、
前記ブリッジ・チップの裏面と前記複数のチップの前記前面の平面との間の距離が、前記ジョイントの高さより短い、
請求項
12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項17】
前記端子のセットが、前記ブリッジ・チップと前記複数のチップのうちの前記少なくとも2つのチップとの間のジョイントのセットを形成し、
前記ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体が、前記ジョイントの周囲に形成されたアンダーフィル材料をさらに備える、
請求項1
2に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項18】
各チップが、露出した裏面を有し、
前記複数のチップ、および前記成形材料の拡張部分を含む、事前成形されたマルチチップ構造体が、一様な厚さを有する、
請求項1
2に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項19】
前記成形材料が、前記複数のチップを強固に固定するための充填剤および樹脂材料を含む、請求項12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項20】
前記ブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体が、ウエハ形状であり、前記複数のチップの複数のセット、および拡張部分を含む、請求項12に記載のブリッジ・マルチチップ・アセンブリ構造体。
【請求項21】
マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法であって、
キャリア基板を用意することと、
前記キャリア基板上に複数のチップを配置することであって、前記チップのそれぞれが、端子のセットが形成された前面を有し、前記前面の反対側に裏面を有し、前記複数のチップが、それぞれの前面と裏面との間が実質的に一様なチップ厚さを有する、前記配置することと、
前記複数のチップの前記裏面に密着させて鋳型を設置することと、
成形材料が前記鋳型と接触しており、前記成形材料が、前記複数のチップ間、および前記キャリア基板上にあるように、前記成形材料を堆積することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップから前記キャリア基板を除去することと
を含む、方法。
【請求項22】
マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法であって、
キャリア基板を用意することと、
前記キャリア基板上に複数のチップを配置することであって、前記チップのそれぞれが、端子のセットが形成された前面を有し、前記前面の反対側に裏面を有し、前記複数のチップが、それぞれの前面と裏面との間が異なるチップ厚さを有する、前記配置することと、
前記複数のチップの前記裏面から間を空けて鋳型を配置することと、
成形材料が前記鋳型と接触しており、前記成形材料が、前記複数のチップ間、および前記キャリア基板上にあるように、前記成形材料を堆積することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップから前記キャリア基板を除去することと
を含む、方法。
【請求項23】
前記複数のチップのうちの少なくとも1つのチップの前記裏面を露出させるために成形材料を除去すること
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
マルチチップ・アセンブリ構造体を製作する方法であって、
表面を有するキャリア基板を用意することであって、前記キャリア基板が、前記表面と直接接触して配置された剥離層を含み、前記剥離層と直接接触して配置されたパターン層を含む、前記用意することと、
前記キャリア基板の前記パターン層上に複数のチップを配置することであって、前記チップのそれぞれが、端子のセットが形成された前面を有する、前記配置することと、
前記複数のチップ間および前記キャリア基板の前記パターン層上に、成形材料を堆積することと、
前記成形材料で固定された前記複数のチップから前記キャリア基板および前記剥離層を除去することと
を含む、方法。
【請求項25】
前記成形材料で固定された前記複数のチップを有機基板にボンディングすることと、
前記複数のチップと前記有機基板との間のジョイントを、封入材料で封入することと
をさらに含む、請求項21ないし24のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】