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特表2024-530302統合されたPCMおよびMRAMを有するAIアクセラレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】統合されたPCMおよびMRAMを有するAIアクセラレータ
(51)【国際特許分類】
   H10B 61/00 20230101AFI20240808BHJP
   H10N 70/00 20230101ALI20240808BHJP
   H10B 63/10 20230101ALI20240808BHJP
   H01L 29/82 20060101ALI20240808BHJP
   H10N 52/00 20230101ALI20240808BHJP
【FI】
H10B61/00
H10N70/00 A
H10B63/10
H01L29/82 Z
H10N52/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513145
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2022072546
(87)【国際公開番号】W WO2023025597
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】17/412,776
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ルイロン
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー、タオ
(72)【発明者】
【氏名】カン、ツン-シェン
【テーマコード(参考)】
4M119
5F083
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA11
4M119BB01
4M119JJ12
4M119JJ13
4M119KK04
5F083FZ10
5F083GA27
5F083JA60
5F083PR03
5F083PR07
5F083ZA14
5F092AC11
5F092EA04
5F092FA08
(57)【要約】
集積回路、システム、および相変化メモリと磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリとをシステム中の同じ集積回路内に統合する方法。集積回路は、MRAMおよびPCMを含んでもよい。MRAMは、MRAM下部電極、MRAMスタック、およびMRAM上部電極を含んでもよい。PCMは、MRAM下部電極よりも低い高さを有するPCM下部電極、相変化材料、およびPCM上部電極を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算ユニットに近接している集積回路であって、前記集積回路が、
MRAMであって、
MRAM下部電極、
MRAMスタック、および
MRAM上部電極
を備える、前記MRAMと、
PCMであって、
前記MRAM下部電極よりも低い高さを有する、PCM下部電極、
相変化材料、および
PCM上部電極
を備える、前記PCMと
を備えている、集積回路。
【請求項2】
前記MRAMスタックが、固定板および自由板の複数の層を備え、各板が絶縁体スペーサによって隔てられている、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記MRAMが、
前記MRAMスタックの露出端部を保護する複数のスペーサをさらに備える、請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記MRAMおよび前記PCMの上部部分に近接接続されたBEOL相互接続と、
前記MRAMおよび前記PCMの下部部分に近接接続されたMOL接点と
をさらに備える、請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記MRAMと前記PCMとが、前記集積回路の同じレベル内にある、請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
前記MRAMが、複数のMRAM下部電極、複数のMRAMスタック、および複数のMRAM上部電極を備え、
前記PCMが、複数のPCM下部電極、複数の相変化材料、および複数のPCM上部電極を備えている、請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
システムであって、
集積回路であって、前記集積回路が、
MRAMであって、
MRAM下部電極、および
MRAMスタック
を備える、前記MRAMと、
PCMであって、
前記MRAM下部電極よりも低い高さを有する、PCM下部電極、および
相変化材料
を備える、前記PCMと
を備える、前記集積回路と、
前記集積回路と近接している演算ユニットと
を備えている、システム。
【請求項8】
前記MRAMスタックが、固定板および自由板の複数の層を備え、各板が絶縁体スペーサによって隔てられている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記MRAMが、
前記MRAMスタックの露出端部を保護する複数のスペーサをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記演算ユニットが前記集積回路に近接接続されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記演算ユニットが論理モジュールである、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムがAIアクセラレータである、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記MRAMが、複数のMRAM下部電極および複数のMRAMスタックを備え、
前記PCMが、複数のPCM下部電極および複数の相変化材料を備えている、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
集積回路を形成する方法であって、
誘電体層の第1の部分に第1の下部電極を形成して、PCM下部電極を作ることと、
前記誘電体層の第2の部分に第2の下部電極を形成して、MRAM下部電極を作ることであって、前記誘電体層の前記第2の部分は前記第1の部分と同じレベルにある、前記第2の下部電極を形成することと、
前記PCM下部電極を凹化させることであって、前記凹化されたPCM下部電極は前記MRAM下部電極よりも低い高さを有する、前記凹化させることと、
前記MRAM下部電極に近接接続されたMRAMスタックを形成することと、
前記凹化されたPCM下部電極に近接接続された相変化材料を堆積することと
を含む、方法。
【請求項15】
前記凹化されたPCM下部電極の上に誘電体キャップを形成することと、
前記MRAMスタックを形成することであって、前記MRAMスタックの第1の部分は前記誘電体キャップに近接接続され、前記MRAMスタックの第2の部分は前記MRAM下部電極に近接接続される、前記MRAMスタックを形成することと、
前記MRAMスタックの前記第1の部分および前記第2の部分をパターニングすることと、
前記誘電体キャップを除去することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記MRAMスタックの前記第1の部分および前記第2の部分をパターニングすることが、
前記MRAMスタックの前記第1の部分を前記誘電体キャップから除去することと、
前記MRAMスタックの前記第2の部分を凹化することと
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記PCM下部電極を凹化する前に前記MRAM下部電極をマスクして、MRAMマスクを作ることと、
前記PCM下部電極が凹化された後に前記MRAMマスクを除去することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記誘電体層の前記第1の部分および前記誘電体層の前記第2の部分を凹化することと、
前記MRAMスタックを形成する前に前記MRAM下部電極を凹化することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記MRAM下部電極を前記凹化することが、前記PCM下部電極を前記凹化することと同時である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記PCM下部電極が、イオン・ビーム・エッチングおよび等方性エッチングのうちの少なくとも一方を使用して凹化される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、相変化メモリに関し、より具体的には、相変化メモリと磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリとをシステム内の同じ金属レベルで(すなわち、同じ集積回路内に)統合することに関する。
【背景技術】
【0002】
相変化メモリ(PCM:phase change memory)は、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM:non-volatile random access memory)である。PCMは、相変化材料(テルルを含有する合金など)を含有しており、熱を使用してPCMの状態(例えば、結晶相と非晶相)を変化させることができる。相変化材料は2つの電極の間に配置されてもよく、相変化材料が結晶状態にあるとき、相変化材料は高い導電性および低い抵抗率を有して(これは論理1に対応する)、電流が相変化材料の中および電極間を高速に伝わることを可能にする。相変化材料が非晶質状態にあるとき、材料は、低い導電性および高い抵抗率を有して(これは論理0に対応する)、電流が相変化材料の中および電極間を高速に伝わることを阻止する。相変化材料の非晶質である部分と結晶質である部分とを制御することで、アナログ・コンピューティングで使用するための中間の導電性値を実現し得る。データは、この複数の状態の抵抗間の違いを使用して記憶される。PCMは、電力が取り除かれた場合/ときに状態が存続することができるので、不揮発性メモリであり、電力がないときでもPCMがデータを保持することを可能にする。
【0003】
磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM:magnetoresistive random access memory)は、別の種類の不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)である。MRAMは、磁気トンネル接合(MTJ:magnetic tunnel junction)構成によってデータを記憶する。磁気トンネル接合構成は、薄い絶縁体層で隔てられた2枚の強磁性板を含み、一方の板は永久磁石であり、第2の板は変化可能な磁化を有している。MTJ構成は電子トンネル効果を作り出し、電子が一方の板から他方の板にトンネルすることができる。トンネル効果の量がMTJの抵抗を変化させ、データは、この抵抗の変化を使用してMRAMに記憶される。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、集積回路、システム、および相変化メモリと磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリとをシステム中の同じ集積回路内に統合する方法を提供する。集積回路は、MRAMおよびPCMを含んでもよい。MRAMは、MRAM下部電極、MRAMスタック、およびMRAM上部電極を含んでもよい。PCMは、MRAM下部電極よりも低い高さを有するPCM下部電極、相変化材料、およびPCM上部電極を含んでもよい。
【0005】
システムは、集積回路を含んでもよい。集積回路は、MRAMおよびPCMを含んでもよい。MRAMは、MRAM下部電極、およびMRAMスタックを含んでもよい。PCMは、MRAM下部電極よりも低い高さを有するPCM下部電極、および相変化材料を含んでもよい。集積回路はまた、集積回路に近接している演算ユニットを含んでもよい。
【0006】
集積回路を形成する方法は、誘電体層の第1の部分に第1の下部電極を形成して、PCM下部電極を作ることを含んでもよい。方法はまた、誘電体層の第2の部分に第2の下部電極を形成して、MRAM下部電極を作ることを含んでもよく、誘電体層の第2の部分は第1の部分と同じレベルにある。方法はまた、PCM下部電極を凹化させることを含んでもよく、凹化されたPCM下部電極はMRAM下部電極よりも低い高さを有する。方法はまた、MRAM下部電極に近接接続されたMRAMスタックを形成することを含んでもよい。方法はまた、凹化されたPCM下部電極に近接接続された相変化材料を堆積することを含んでもよい。
【0007】
上記の概要は、本開示の各説明される実施形態やあらゆる実装を記載することは意図されていない。
【0008】
本願に含まれる図面は、本明細書に組み込まれ、その一部をなす。それらは本開示の実施形態を例示し、説明と併せて、本開示の原理を説明する役割を果たす。図面は、特定の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMとを同じ集積回路内に有する、例示的なAIアクセラレータの概略図である。
図2】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第1の中間ステップの概略図である。
図3】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第2の中間ステップの概略図である。
図4】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第3の中間ステップの概略図である。
図5】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第4の中間ステップの概略図である。
図6】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第5の中間ステップの概略図である。
図7】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第6の中間ステップの概略図である。
図8】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第7の中間ステップの概略図である。
図9】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第8の中間ステップの概略図である。
図10】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第9の中間ステップの概略図である。
図11】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する形成された第1の例示的な集積回路の概略図である。
図12】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第2の例示的な集積回路を形成する中間ステップの概略図である。
図13】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第2の例示的な集積回路を形成する別の中間ステップの概略図である。
図14】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第2の例示的な集積回路を形成する別の中間ステップの概略図である。
図15】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する形成された第2の例示的な集積回路の概略図である。
図16】いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する集積回路を形成するための例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は様々な変形例および代替形態が可能であるが、その具体的詳細は、例として図面に示されており、以下で詳細に説明される。しかし、その意図は本発明を説明される特定の実施形態に限定することではないことが理解されるべきである。むしろ、その意図は、本発明の思想および範囲に該当するすべての変形例、同等形態、および代替形態を包含することである。
【0011】
本開示の態様は、相変化メモリに関し、より具体的には、相変化メモリと磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリとをシステム内の同じ金属レベルで統合することに関する。本開示は必ずしもそのような用途に制限されないが、本開示の様々な態様は、この文脈を使用した様々な例の説明を通じて理解されるであろう。
【0012】
人工知能(AI)ハードウェアでは、アクセラレータを使用してAIアプリケーションを高速化し、AIアクセラレータでは、処理を高速化するために、処理の大半がメモリの近くまたは中あるいはその両方で行われる。メモリの近くまたは中あるいはその両方における処理に耐えるために、AIアクセラレータ構成の中には、高密度メモリと不揮発性抵抗メモリの両方を含むものがある。高密度メモリは、個々のメモリ・チップ当たり多量のメモリを有し、それにより単一のメモリ・チップへのより多くの記憶を可能にする。一方、不揮発性抵抗メモリは、メモリの抵抗を変化させることを通じて、電力無しでデータを記憶することが可能である。高密度メモリと不揮発性抵抗メモリの両方を有することで、AIアクセラレータは高いメモリ密度を有することが可能となり、同時に、電力の有無にかかわらずデータを記憶/維持することができる不揮発性メモリをも有する。
【0013】
不揮発性抵抗メモリの1つのタイプは相変化メモリ(PCM)である。PCMは、相変化材料を間に挟んで下部電極および上部電極を含み得る。上記で述べたように、従来の相変化メモリ(PCM)およびそれらの対応する相変化材料は、非晶質状態と結晶状態の2つの状態を有する。非晶質状態はRESET状態と称されることがあり、結晶状態はSET状態と称されることがある。相変化材料を2つの状態間で切り替えるために、PCMは、ヒータ(下部電極または下部電極接点あるいはその両方と呼ばれることもある)も含むことがあり、ヒータは、ヒータを通じて相変化材料の中に電流パルスを送る。いくつかの実施形態では、ヒータは下部電極である。いくつかの実施形態では、ヒータは下部電極の上にパターニングされる。
【0014】
相変化材料が結晶状態にあるとき、ヒータは、短い高電流パルスを送って相変化材料を急速に加熱し、次いでそれを急冷または冷却することにより、材料を非晶質状態に変換させ得る。相変化材料が非晶質状態にあるとき、ヒータは、より長いがより低い電流のパルス(1つまたは複数)を送って、長い時間にわたって(材料を冷却することなく)相変化材料を結晶化温度まで加熱して、材料が結晶質になるのを可能にすることにより、材料を結晶状態に変換させ得る。
【0015】
(相変化メモリの)相変化材料が非晶質状態(または時折称されるようにRESET状態)にあるとき、相変化材料は、高い抵抗率および低い導電性(すなわち、高い電気抵抗率および低い電気伝導性)を有し得、電流は相変化材料を通って高速に伝わり得ない。代替として、相変化材料が結晶状態(または時折称されるようにSET状態)にあるとき、相変化材料は、低い抵抗率および高い導電性(すなわち、低い電気抵抗率および高い電気伝導性)を有し得、電流は相変化材料を通って高速に伝わり得る。データは、この2つの状態(または相)の抵抗間の違いを使用して相変化メモリ(PCM)に記憶され得る。例えば、各状態が2進値に対応してもよく、非晶質状態が0に対応し、結晶状態が1に対応する。PCMは、(他の種類のメモリと比べて)向上した速度、不揮発性の能力、より少ない電力要件などの多くの利点を有する。
【0016】
いくつかの例示的な高密度メモリには、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)および磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)があるが、MRAMは、多くの場合DRAMよりも高速であり、またDRAMよりも長い時間にわたって不揮発性である(すなわち、電力無しでデータを記憶することができる)。したがって、MRAMは、DRAMよりも有利であり得る。上記で述べたように、MRAMは、2枚の強磁性板(永久磁石のある板(すなわち固定板)および変化可能な磁化を有する板(すなわち自由板))と、それら2枚の板を隔てる薄い絶縁体層とを有する、磁気トンネル接合(MTJ)構成を使用する。この構成は、電子が一方の板から他方の板にトンネルすることを可能にする。MTJおよびMRAMの抵抗の大きさは、2枚の板の間の電子トンネル効果の量に基づいて変化する。場合によっては、MRAMは複数の層を含み、絶縁体層が、各永久磁石と、変化可能な磁化を有する各板とを隔てる。
【0017】
いくつかの実施形態では、層間の電子トンネル効果(および電流伝達)の量は、自由板の方向を変えることによって変化させてもよい。具体的には、自由板(1つまたは複数)は、その方向を(例えば磁場または分極電流を使用して)、固定板と同じ方向または異なる方向に変化させてもよい。自由板と固定板とが異なる方向を有するとき、それら層の間の電子トンネル効果の量はより少なくなり、2つの板の間により高い抵抗がある。自由板と固定板とが同じ方向にあるとき、それら層の間の電子トンネル効果の量はより多くなり、2つの板の間により低い抵抗がある。場合によっては、低い抵抗があるときに論理0が記憶され、高い抵抗があるときに論理1が記憶される。MRAMには、より高速な読み出し/書き込み速度、電力無しでデータを記憶する能力(すなわち不揮発性の能力)、経時的なデータの劣化がないこと、および他の種類のメモリと比べて低い電力消費レベルを含む多くの利点がある。
【0018】
従来のAIアクセラレータでは、高密度メモリ(例えばMRAM)と不揮発性抵抗メモリ(例えばPCM)とは、それらメモリを同じレベルに置くことを試みる場合に集積の課題があり得るため、AIアクセラレータの異なるレベルに格納されることがある。この理由から、高密度メモリおよび不揮発性抵抗メモリのうちの少なくとも一方は、演算ユニットの非常に近くにはないことがある。しかし、高密度メモリを不揮発性抵抗メモリと、同じ金属レベルで統合することにより、高密度メモリを演算ユニットに近づけることが望ましいことがある。高密度メモリを演算ユニットの近くに有することは、処理への近接性が増すために、AIアクセラレータの処理速度を向上させ、エネルギー消費を減らし得る。
【0019】
本開示は、集積回路、システム、および、相変化メモリ(PCM)と磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)とを、システム内の同じ金属レベルで(すなわち、同じ集積回路内に)統合する方法を提供する。集積回路は、様々な電子コンポーネントを単一のチップ上に含む。高密度メモリ(例えばMRAM)と不揮発性抵抗メモリ(例えばPCM)の両方を1つの集積回路に含めることにより、両方のメモリがAIアクセラレータ内で同じチップにあり、同じ金属レベルにあるようになる。このようにして、チップ/集積回路が、AIアクセラレータ内で演算ユニットおよび処理に近接して位置することができ、それが、次いでAIアクセラレータの処理速度を向上させ、エネルギー消費を低減し得る。
【0020】
ここで図1を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMとを同じ集積回路内に有する、例示的なAIアクセラレータ100が描かれている。AIアクセラレータ100は集積回路160を含み、集積回路160は、バック・エンド・オブ・ライン(BEOL)相互接続110と、PCM120と、MRAM130と、ミドル・オブ・ライン(MOL)接点140または下部BEOL相互接続140あるいはその両方のいずれかとを有する。AIアクセラレータ100は、PCM120をその不揮発性抵抗メモリとして使用してもよく、MRAM130をその高密度メモリとして使用してもよい。集積回路では、相互接続を使用して、集積回路(集積回路160など)の様々な要素を配線で接続する。したがって、BEOL相互接続140は、PCM120とMRAM130を接続してもよく、PCM120とMRAM130の両方を集積回路160内の配線により相互接続してもよい。MOL接点は、トランジスタ(または集積回路内の他のフロント・エンド・オブ・ライン(FEOL)コンポーネント)をBEOL相互接続によって接続してもよい。集積回路160の具体的詳細に応じて、モジュール140は、下部BEOL相互接続、MOL接点、または下部BEOL相互接続とMOL接点両方の組合せであってもよい。
【0021】
AIアクセラレータ100内の集積回路160は、BEOL相互接続110、PCM120、MRAM130、およびMOL/下部BEOL相互接続140を含む。集積回路160に加えて、AIアクセラレータ100は、集積回路160に近接接続されている論理モジュール150を含む。本明細書で使用される場合、用語「近接接続される(proximately connected)」は、2つのコンポーネント間の接続を、それらコンポーネントのうち1つの残りとの関係で表す。例えば、MOL/下部BEOL相互接続140が、論理モジュール150に近接接続されていると表されてもよく、集積回路160全体が、論理モジュール150に近接接続されていると表されてもよいが、BEOL相互接続110は、両者を隔てている複数のコンポーネントがあるため、論理モジュール150に近接接続されていない可能性がある。
【0022】
PCM120とMRAM130が集積回路160内で同じレベルにある状態で、PCM120およびMRAM130は、論理モジュール150の近接に接続される(集積回路160は論理モジュール150のすぐ隣にある(すなわち近接接続されている)ため)。PCM120とMRAM130とは、必要な配線(すなわち、BEOL相互接続140)または他の接点(すなわち、MOL140)によってのみ論理モジュール150から隔てられてもよい。いくつかの実施形態では、論理モジュール150は、AIアクセラレータ100内の演算ユニット(または演算ユニットのうちの少なくとも1つ)であってもよい。したがって、集積回路160を論理モジュール150に近接接続された状態にすることで、PCM120とMRAM130の両方がAIアクセラレータ100内で演算ユニットの非常に近くに位置し、それが次いでAIアクセラレータ100の処理速度を向上させ、エネルギー消費を低減し得る。
【0023】
図2を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第1の中間ステップ200の概略図が描かれている。中間ステップ200は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ200は、デバイスの上に層間誘電体(ILD:interlayer dielectric)を堆積することを含んでもよい。層間誘電体は、本明細書においてILDスタックと称することがある。具体的には、中間ステップ200は、デバイス202の上にILDスタック204(PCM領域210に対応)を堆積し、ILDスタック254(MRAM領域250に対応)をパターニングすることを含んでもよい。各ILDスタック(204および254)は、デバイス202を集積回路の残りのコンポーネント(図示せず)から保護し、集積回路の残りのコンポーネントをデバイス202から保護するために使用される、low-k誘電体であってもよい。いくつかの実施形態では、ILDスタック204および254は、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO)、または任意の他のlow-k誘電体材料からなってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、デバイス202は、集積回路がその上に形成されるAIアクセラレータの残りのデバイス・コンポーネントに相当してもよい。デバイス202は、場合によっては複数の個別のAIアクセラレータ・コンポーネントであってもよく、または他の場合には1つの同じAIアクセラレータ・コンポーネントであってもよい。例えば、デバイス202は、論理モジュール150(図1)であってもよい。他の場合には、デバイス202は、AIアクセラレータの中の何らかの他の演算ユニット(または複数の演算ユニット)であってもよい。
【0025】
図3を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第2の中間ステップ300の概略図が描かれている。中間ステップ300は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。ILDスタック204および254が形成されたら、デバイス202を集積回路の残りのコンポーネントに接続するために、下部電極220a、220b、260a、および260bがILDスタック204および254の中に形成されてもよい(例えば図4図11に描かれるように)。下部電極220aおよび220bは、まとめて下部電極220と参照されることがあり、下部電極260aおよび260bは、まとめて下部電極260と参照されることがある。
【0026】
いくつかの実施形態では、中間ステップ300は、ILDスタック204および254に開口またはビアをエッチングし、次いで、各開口に下部電極材料を堆積するメタライゼーション工程を行うことを含む。MRAM領域250の下部電極260は、場合によっては、PCM領域210の下部電極220よりも大きい幅を有してもよい。いくつかの実施形態では、下部電極220および260は、銅、タングステン、窒化チタン(TiN)等の1つまたは複数の金属材料からなる。
【0027】
図4を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第3の中間ステップ400の概略図が描かれている。中間ステップ400は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ400は、最初に、MRAM領域250の下部電極260を凹化から保護するために下部電極260およびMRAM領域250をマスクすることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、図4に描かれるように、マスク材料は、有機プラナリゼーション層(OPL:organic planarization layer)262であってもよいが、任意の適するマスク材料が使用されてもよい。MRAM領域250および下部電極260が(マスク材料を通じて)凹化から保護された状態になったら、中間ステップ400は続いて下部電極を凹化してもよい。下部電極260はマスクされているので、下部電極220が凹化される唯一の下部電極である。いくつかの実施形態では、下部電極220は、反応性イオン・エッチング(RIE)、または任意の他のエッチング法あるいはその両方を使用して凹化されてもよい。MRAM領域250をマスクし、下部電極220だけを凹化することにより、PCM領域210(およびその結果得られるPCM)は、MRAM領域250の下部電極260と比較して低い高さの下部電極220を有する。より簡単に言うと、下部電極220は下部電極260よりも背が低い。これは、後の中間ステップ(本明細書にさらに述べられる)で下部電極220を保護するのを助ける。
【0028】
図5を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第4の中間ステップ500の概略図が描かれている。中間ステップ500は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ500は、下部電極220の上に誘電体キャップ(222aおよび222b)を形成することを含む。誘電体キャップ222aおよび222bは、まとめて誘電体キャップ222と参照されることがある。誘電体キャップ222を形成するために、誘電体材料を下部電極220の上に堆積させて、中間ステップ400で下部電極220を凹化することによって作られた開口を埋めてもよい。場合によっては、誘電体キャップ222は、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO)、または任意の他の誘電体材料からなってもよい。
【0029】
中間ステップ500は、OPL262を除去することも含んでもよい。下部電極220のエッチングは中間ステップ400で完了しているので、OPL262は、MRAM部分250の下部電極260をマスクするためにはもう必要とされない可能性があり、下部電極260の上部部分が露出され得るように除去されてもよい。誘電体キャップ222の形成と、OPL262の除去は、同時に行われる必要はない可能性があるが、両動作は中間ステップ500の一部として行われてもよい。より簡単に言うと、OPL262の除去と誘電体キャップ222の形成は両方とも、図4図6との間で行われる。
【0030】
次いで図6を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第5の中間ステップ600の概略図が描かれている。中間ステップ600は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ600は、MRAMスタック225および265ならびにハード・マスク(HM)228および268を堆積することを含む。本明細書に述べられるように、MRAMは、永久磁石板(本明細書では固定板と称される)および変化可能な磁化を有する板(本明細書では自由板と称される)、ならびに各自由板と各固定板とを隔てる絶縁体層を含む。これら板および絶縁体は、MRAMスタック225および265を形成するように積層されてもよい。言い方を変えると、各MRAMスタック225および265は、自由板、固定板の層、およびそれら2枚の板を隔てる絶縁体層を備える。例えば、MRAMスタックは、自由板、絶縁体層、固定板、絶縁体層、自由板、絶縁体層、固定板、絶縁体層等を含み得る。MRAMスタックは通例はMRAMの一部に過ぎないが、場合によっては、PCM領域210とMRAM領域250が同じ集積回路の一部であるので、MRAMスタック(225および265)は、中間ステップ600においてPCM領域210とMRAM領域250の両方に堆積される。
【0031】
MRAMスタック225および265がそれぞれPCM領域210およびMRAM領域250に堆積されたら、中間ステップ600は、ハード・マスク(HM)228および268を各領域(210および250)に堆積することも含んでもよい。ハード・マスクは、エッチング工程から材料を保護するために使用されてもよい。HMの利益は本明細書にさらに述べられる。いくつかの実施形態では、HM228および268は、ケイ素(Si)を含んでもよい。
【0032】
図7を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第6の中間ステップ700の概略図が描かれている。中間ステップ700は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ700は、PCM領域210およびMRAM領域250をパターニングすることを含む。いくつかの実施形態では、パターニングは、イオン・ビーム・エッチなどのエッチングによって行われ、これは、イオン・ビーム・エッチが、HM268およびMRAMスタック265をエッチングして貫通するのに十分に強い高エネルギーのビームであるためである。例えば、イオン・ビーム・エッチ(または他の形態のエッチング)は、PCM領域210全体をエッチングしてもよく、また、MRAMスタック265aおよび265bならびにHM268aおよび268bだけが、先に堆積されたMRAMスタック265およびHM268から残るように、MRAM領域250をエッチングしてもよい。さらに、ILDスタック204とILDスタック254の両方が、パターニングを通じてわずかに凹化されてもよい。
【0033】
場合によっては、下部電極220または260あるいはその両方がイオン・ビーム・エッチによってエッチングされた場合、それがバック・スパッタリングを生じさせる可能性があり、金属の小さい破片がPCM領域210またはMRAM領域250あるいはその両方の中に飛ぶ可能性がある。これは、PCM領域210またはMRAM領域250のいずれかあるいはその両方への損傷を引き起こし得る。場合によっては、金属がMRAMスタック265aまたはMRAMスタック265bあるいはその両方の中に留まる可能性がある(それがMRAMスタック265aまたは265bあるいはその両方の機能を損なう)ため、MRAM領域250がバック・スパッタリングによって無効にされる/破壊される可能性がある。したがって、(特にPCM領域210からの)バック・スパッタリングを防止するために、誘電体キャップ222が中間ステップ500で堆積された。具体的には、中間ステップ400では下部電極220を凹化しており、その結果、下部電極220は下部電極260よりも低い高さを有している。この高さは、中間ステップ700で行われるエッチングよりも低くなるように、十分に低い必要があり得る。次いで、中間ステップ500が、下部電極220の上に誘電体キャップ222を堆積した。これらの誘電体キャップは、中間ステップ700の間に、凹化された下部電極220をエッチングおよびイオン・ビーム・エッチから保護し得る。このようにして、イオン・ビーム・エッチは、ILDスタック204および誘電体キャップ222(集積回路のPCM領域210部分にある)とだけ接触し得、バック・スパッタリングは発生しない可能性がある。
【0034】
集積回路のMRAM領域250では、イオン・ビーム・エッチは、下部電極260の周囲をエッチングし、それらと接触しない可能性がある。これは、下部電極260への損傷ならびに下部電極260からのバック・スパッタリングを防止するのを助け得る。イオン・ビーム・エッチは、MRAMスタック265aおよび265bからの少量の金属と接触し得るが、MRAMスタック265aおよび265bは、自由板、固定板の層、および絶縁体層を含んでいるので、イオン・ビーム・エッチは、下部電極260よりもはるかに少ない量の金属と接触し得、この少量の金属からのバック・スパッタリングは、PCM領域210またはMRAM領域250あるいはその両方の中で損傷を引き起こすには十分でない可能性がある。
【0035】
次いで図8を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第7の中間ステップ800の概略図が描かれている。中間ステップ800は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ800は、最初に、PCM領域210とMRAM領域250の両方の上に誘電体スペーサを堆積することを含んでもよい。この誘電体スペーサは、最終的に誘電体スペーサ270a、270b、272aおよび272b(下記でさらに述べられる)になってもよく、MRAMスタック265の側壁を、例えばその後の工程から保護するために使用されてもよい。例えば、スペーサは、MRAM領域250およびMRAMスタック265を、今後のエッチング、外部コンポーネントからの熱への曝露等から保護してもよい。堆積されたスペーサのうち余分な部分(すなわち、スペーサのうち、スペーサ270a、270b、272a、および272bでない部分)は除去されてもよい。これは、堆積されたスペーサの水平方向部分すべてを除去してもよく、スペーサ270a、270b、272a、および272b(それぞれまとめてスペーサ270および272と参照される)だけを残してもよい。いくつかの実施形態では、余分なスペーサは、異方性スペーサRIEによって除去されてもよい。
【0036】
余分なスペーサが除去されたら、ILDスタック204および254が凹化されてもよく、誘電体キャップ222が除去されてもよい。下部電極220は、もうイオン・ビーム・エッチングから保護される必要がない可能性があり、したがって、誘電体キャップ222はもう必要とされない可能性があり、除去されてもよい。場合によっては、ILDスタック204は、下部電極220と均一の高さになるように凹化されてもよい。さらに、ILDスタック254の部分(すなわち、MRAMスタック265およびHM268を支持していない部分)も、ILDスタック204と同じ高さまで凹化されてもよい。場合によっては、ILDスタック204および254の凹化および誘電体キャップ222の除去は、反応性イオン・エッチング(RIE:reactive ion etching)を使用して行われてもよい。場合によっては、誘電体キャップ222は、オーバーエッチングによってエッチングされて除去されてもよい。
【0037】
図9を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第8の中間ステップ900の概略図が描かれている。中間ステップ900は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ900は、GST230および280を堆積することを含んでもよい。GSTは、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(またはGeSbTe、本明細書ではGSTと称される)であり、これはPCMで使用される例示的な相変化材料である。GSTは、結晶相から非晶相に、およびその反対に変化することができ、これはデータを記憶するためにPCMにおいて非常に重要である。GST230および280が図9に描かれているが、GeTe/SbTeなどの他の相変化材料または他の代替の材料がここで使用されてもよい。
【0038】
GST230および280はPCMのみで使用される(したがって、集積回路のPCM領域210内でのみ必要とされる)が、PCM210とMRAM250は同じ集積回路の一部なので、GST(230および280)は、集積回路のPCM領域210とMRAM領域250の両方に堆積され得る。これは、相変化材料をPCM領域210だけに堆積することが実現可能でない使用事例において有益であり得る。
【0039】
図10を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第1の例示的な集積回路を形成する第9の中間ステップ1000の概略図が描かれている。中間ステップ1000は、場合によっては、集積回路1100(図11)を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ1000は、集積回路のMRAM領域250からGST280を完全に除去すること、ならびに集積回路のPCM領域210上のGST230をパターニングすることを含んでもよい。上記で述べたように、GSTは、PCMで使用されることがあるが、MRAMでは使用されないことがある。したがって、GST280は、集積回路のMRAM部分250では必要とされない。GST280を除去するために、GST280は、パターニングされる、またはエッチングされて除去される、あるいはその両方が行われてもよい。例えば、RIEを使用してGST280を除去してもよい。スペーサ270および272は、MRAMスタック265をエッチングから保護し得る。加えて、GST230は、GST230aおよび230b(下部電極220の上にあるGSTの部分)だけが残るようにGST230のいくつかの部分を除去するために、パターニングまたはエッチングされるかあるいはその両方が行われてもよい(例えばここでもRIEにより)。
【0040】
中間ステップ1000は、GST230aおよび230bの上にハード・マスク(HM)235aおよび235bを堆積することも含んでもよい。HM235aおよび235b(まとめてHM235と参照される)は、場合によっては、HM268と同様または同じである、あるいはその両方であってもよい。いくつかの実施形態では、HM235aおよび235bは、GST230aおよび230bがエッチングされた後に、GST230aおよび230bの上に堆積されてもよい。いくつかの実施形態では、HM235は、GST230の上に単一の層として堆積されてもよく(図9に描かれるように)、次いで、パターニングまたはエッチングされるかあるいはその両方が行われてもよく、同時にGST230もエッチング/パターニングされている(例えば、HM268を伴う中間動作700(図7)と同様)。
【0041】
図11を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する形成された集積回路1100の概略図が描かれている。集積回路1100の形成を終了するために、上部電極が下部電極ごとに形成されてもよい。例えば、上部電極240aは下部電極220aに対応してもよく、上部電極240bは下部電極220bに対応してもよく、上部電極290aは下部電極260aに対応してもよく、上部電極290bは下部電極260bに対応してもよい。場合によっては、電流が、各下部電極(220a、220b、260a、および260b)とそれに対応する上部電極(240a、240b、290a、および290b)との間に伝達されてもよく、熱を発生させてもよい。
【0042】
集積回路1100のPCM部分210では、下部電極220と上部電極240との間に伝達される電流が、熱を発生させてもよく、どのようにデータがPCMに記憶され、どのようにPCMが動作するかに相当する、GST230の相を変化させてもよい。
【0043】
集積回路1100のMRAM部分250では、下部電極260と上部電極290との間に伝達される電流は、MRAMスタック265を通って伝わる。本明細書に述べられるように、各MRAMスタックは、自由板(変化可能な磁化を有する板)と固定板(永久磁石のある板)の層を含み、各層が薄い絶縁体層によって隔てられている。MRAMスタック265を通って伝わる電流は、自由板と固定板との間に電子トンネル効果を形成し、自由板の方向が変更されることで、下部電極260と上部電極290の間の電子トンネル効果および電流伝達の量を変えることができる。変化する量の電子トンネル効果と電流伝達を通じて、データがMRAM250に記憶され得る(そしてMRAM250が動作し得る)(上記でさらに述べられている)。
【0044】
集積回路1100を完全に形成するために、誘電体245および295が、それぞれPCM210およびMRAM250に対応して堆積されてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体245および295が形成され、次いで、誘電体245および295が形成された後に、上部電極240がパターニングおよびメタライゼーションによって形成される。いくつかの実施形態では、誘電体245および295は層間誘電体(ILD)である。誘電体245および295は、上部電極240および290からの電流および熱が、集積回路1100の他のコンポーネントまたはAIアクセラレータの他のエリア(図示せず)あるいはその両方に伝達するのを防ぐ電気絶縁体の役割を果たしてもよい。
【0045】
集積回路1100は、PCM210とMRAM250の両方が同じ集積回路1100の中に(および集積回路1100内で同じレベルに)ある、集積回路の断面図を与え得る。いくつかの実施形態では、集積回路1100は集積回路160(図1)に対応し、PCM210はPCM120(図1)に対応し、MRAM250はMRAM130(図1)に対応する。PCM210とMRAM250を同じレベル内および同じ集積回路内に有することは、PCM210とMRAM250の両方がいずれの演算ユニット(AIアクセラレータ(AIアクセラレータ100(図1)など)内の論理モジュール150(図1)など)に対しても近接性を有することを可能にし得る。
【0046】
集積回路1100は、2つの下部電極220、2つのGST230、2つのHM235、および2つの上部電極240のあるPCM210を描いているが、任意の数の下部電極220、GST230、HM235、および上部電極240がPCM210に含まれてもよい。同様に、MRAM250は、2つの下部電極260、2つのMRAMスタック265、2つのHM268、および2つの上部電極290を有するものと描かれているが、MRAM250は、任意の数の下部電極260、MRAMスタック265、HM268、および上部電極290を含んでもよい。
【0047】
次いで図12を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第2の例示的な集積回路を形成する中間ステップ1200が描かれている。中間ステップ1200および1300(図13)は、集積回路を形成する代替の方法であってもよく、集積回路1500(図15)は、PCMとMRAMが集積回路内の同じレベルにある集積回路の代替実施形態であってもよい。中間ステップ1200は、場合によっては、集積回路1500を形成する際の中間ステップであってもよい。いくつかの実施形態では、集積回路1500を形成する際の第1および第2の中間ステップは、第1の中間ステップ200(図2)および第2の中間ステップ300(図3)と同じであってもよく、第3の中間ステップ1200が第2の中間ステップ300の後に続いてもよい。
【0048】
中間ステップ1200では、ILDスタック1204および1254がデバイス1202の上に堆積され(中間動作200(図2)と同じ/同様の方法で)、下部電極1220a、1220b、1260a、および1260bが形成される(中間動作300(図3)と同じ/同様の方法で)と、ILDスタック1204および1254が凹化されてもよい。これは、OPL262(図4)などのマスク動作の一部の必要をなくし得、それが、集積回路を形成するための費用および材料を低減する助けとなり得る。いくつかの実施形態では、ILDスタック1204および1254は、エッチング(RIEなど)を介して縮小されてもよい。
【0049】
図13を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第2の例示的な集積回路を形成する中間ステップ1300が描かれている。中間ステップ1300は、場合によっては、集積回路1500を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ1300は、下部電極1220および1260のいくつかの部分を除去することを含んでもよい。下部電極1220は、それらがILDスタック1204と一直線になるようにエッチングされてもよい。しかし、集積回路のMRAM部分1250では、下部電極1260の一部は、ILDスタック1254の上に露出したままである必要があり得る。したがって、下部電極1260は、下部電極1260のうちILDスタック1254よりも上にある部分が、下部電極1260のうち露出していない部分よりも小さい幅になるように、エッチングされてもよい。いくつかの実施形態では、下部電極1220および1250のエッチングは、等方性エッチングを使用して実行されてもよい。
【0050】
MRAMスタック(MRAMスタック1265(図15)など)の堆積の前に下部電極1220および1250を凹化することにより、バック・スパッタリングがPCM1210またはMRAM1250あるいはその両方への損傷を引き起こす最小のリスクからゼロのリスクとなり得る。前の実施形態(図7など)においてバック・スパッタリングによって引き起こされる損傷の主要なリスクは、下部電極が、MRAMスタックが堆積された後にエッチングされた場合に、下部電極からの金属が飛んでMRAMスタックに当たり、損傷を引き起こし、恐らくはMRAMスタックの動作性を損ない得るというものであった。しかし、中間動作1300では、下部電極1220および1260に対して行われるエッチングは、MRAMスタックの堆積よりも前に行われ、したがって、バック・スパッタリングによって損傷を与えるMRAMスタックが存在しない。下部電極1220および1260をエッチングすることによって引き起こされるバック・スパッタリングは、他の下部電極(1220もしくは1260あるいはその両方)またはILDスタック1204もしくは1254あるいはその両方のいずれかに当たる可能性があるが、これはPCM1210またはMRAM1250あるいはその両方に対する損傷は引き起こさない可能性がある。
【0051】
図14を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する第2の例示的な集積回路を形成する別の中間ステップが描かれている。中間ステップ1400は、場合によっては、集積回路1500を形成する際の中間ステップであってもよい。中間ステップ1400は、ILDスタックの追加的な層をPCM領域1210とMRAM領域1250の両方の上に堆積することを含んでもよい。これは、それぞれILDスタック1204bおよびILDスタック1254bとして描かれている。図14では、ILDスタックのうち前に堆積された部分(図12で説明された)が、ILDスタック1204aおよび1254aとして描かれている。図14は、ILDスタック1204aおよび1204bを別々の層として描き、ILDスタック1254aおよび1254bを別々の層として描いているが、これらのスタックは、同じ材料からなってもよく、単一のILDスタック1204および単一のILDスタック1254として共に統合されてもよい。層は、図14において、どのようにそれらの層が堆積されるのかを実証するのを助けるために別々に描かれている。
【0052】
下部電極が1220および1260が凹化されてエッチングされ、ILDスタック1204および1254の追加部分が堆積されたら、集積回路1500(図15)は、中間ステップ600~1000(図6図10)で述べられたのと同じまたは同様のあるいはその両方の方法を使用して形成を終了してもよい。例えば、ILDスタック1204および1254は、中間ステップ700(図7)と同様に、(例えば、イオン・ビーム・エッチにより)パターニングされ、凹化されてもよい。しかし、集積回路1500(図15)では、下部電極1220がすでに凹化されており、イオン・ビーム・エッチの間にバック・スパッタリングを引き起こす危険性がない可能性があるため、下部電極1220は、(例えば誘電体キャップ222(図7)で)キャップされる必要がない可能性がある。
【0053】
次いで図15を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する形成された集積回路1500の概略図が描かれている。集積回路1100(図11)と同様に、集積回路1500は、PCM1210およびMRAM1250を同じ集積回路1500の中に(および集積回路1500内の同じレベルに)含む。集積回路1500のPCM部分1210は、ILDスタック1204、下部電極1220、GST1230aおよび1230b、HM1235aおよび1235b、上部電極1240aおよび1240b、ならびに誘電体1240を含む。集積回路1500のMRAM部分1250は、ILDスタック1254、下部電極1260、MRAMスタック1265aおよび1265b、スペーサ1270a、1270b、1272a、および1272b、HM1268aおよび1268b、上部電極1290aおよび1290b、ならびに誘電体1295を含む。集積回路1500のコンポーネントは、集積回路1100(図11)のコンポーネントと同様または同じあるいはその両方であってもよく、同様のまたは同じあるいはその両方である機能を有してもよい。
【0054】
図16を参照すると、いくつかの実施形態による、PCMとMRAMの両方を有する集積回路(集積回路1100(図11)または集積回路1500(図15)など)を形成する方法1600が描かれている。図16は動作をある順番で描いているが、これらの動作は、代替の順番で実行されてもよく、または同時に/ほぼ同時に実行されてもよく、あるいはその両方であってもよい。
【0055】
方法1600は、誘電体層を堆積する動作1610を含む。いくつかの実施形態では、誘電体層は、ILDスタックであってもよい。動作1610は、場合によっては、中間ステップ200(図2)に対応してもよい。
【0056】
方法1600はまた、誘電体層の第1の部分に1つまたは複数の下部電極を形成し、誘電体層の第2の部分の上に下部電極を形成する動作1615を含む。1つまたは複数の下部電極を形成することは、少なくとも誘電体層の第1の部分に第1の開口および誘電体層の第2の部分に第2の開口をパターニングすることを含んでもよい。各開口は、次いで、メタライゼーション工程を通じて金属で充填されてもよく、したがって各開口内に下部電極を形成する。誘電体層の第1の部分は、集積回路のPCM部分と一致してもよく、誘電体層の第2の部分は、集積回路のMRAM部分と一致してもよい。集積回路の各部分(PCMおよびMRAM)は、少なくとも1つの下部電極を含んでもよい。集積回路のPCM領域内の下部電極(1つまたは複数)は、PCM下部電極(1つまたは複数)と称されることがあり、集積回路のMRAM領域内の下部電極(1つまたは複数)は、MRAM下部電極(1つまたは複数)と称されることがある。いくつかの実施形態では、動作1615は、中間ステップ300(図3)に対応してもよい。
【0057】
方法1600は、PCM下部電極(1つまたは複数)を凹化する動作1620を含む。凹化されたPCM下部電極(1つまたは複数)は、MRAM下部電極(1つまたは複数)よりも低い高さを有してもよい。これは、エッチングされている間のPCM下部電極(1つまたは複数)からのバック・スパッタリングを防止する助けとなり得る。いくつかの実施形態では、PCM下部電極(1つまたは複数)は、中間ステップ400(図4)と同様に凹化されてもよく、MRAM下部電極をエッチング/凹化から保護するために、マスク(OPL262など)がMRAM下部電極(1つまたは複数)の上に設置されてもよい。マスクは、PCM下部電極(1つまたは複数)が凹化された後に除去されてもよい。場合によっては、例えば集積回路1100(図11)を形成するとき、凹化されたPCM下部電極(1つまたは複数)は誘電体でキャップされてもよい。誘電体キャップは、凹化されたPCM下部電極を今後のエッチングから保護し得、バック・スパッタリングを防止し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、PCM下部電極(1つまたは複数)は、中間ステップ1300(図13)と同様に凹化されてもよい。場合によっては、誘電体層(1つまたは複数)(ILD層1204および1254(図13)など)は、エッチングの前に凹化されてもよく、その後、PCM下部電極(1つまたは複数)とMRAM下部電極(1つまたは複数)の両方が(例えば同時に)凹化されてもよい。
【0059】
方法1600は、MRAM下部電極上にMRAMスタックを形成する動作1625を含む。本明細書に述べられるように、MRAMスタックは、自由板と固定板の複数の層を含んでもよく、各板が薄い絶縁体層によって隔てられている。場合によっては、MRAMスタックは、MRAM下部電極(1つまたは複数)の上だけに堆積されて(例えばそれに近接接続されて)よい。場合によっては、中間動作600(図6)において述べたように、MRAMスタックは、MRAM電極(1つまたは複数)とPCM電極(1つまたは複数)の両方の上に堆積されるが、後にPCM電極(1つまたは複数)から除去されてもよい。場合によっては、ハード・マスクがMRAMスタックの上に堆積される(動作600(図6)と同様)。ハード・マスクは、場合によっては、MRAMとPCMの両方に堆積されてもよい。いくつかの実施形態では、MRAMスタックを形成することは、MRAMスタックを堆積し、パターニングして、MRAM下部電極の上にMRAMピラーを形成することを含んでもよい。MRAMスタックおよびMRAMハード・マスクは、本明細書に述べられるように、集積回路のPCM部分から除去されてもよい。これは、場合によっては、PCM下部電極(1つまたは複数)の上にまだ誘電体キャップがある間に行われてもよい。
【0060】
方法1600は、MRAMスタックの露出側部にMRAMスペーサを堆積する動作1630を含む。スペーサは、MRAMスタックを損傷または露出あるいはその両方から保護するのを助け得る。いくつかの実施形態では、スペーサは、中間ステップ800(図8)において述べたように堆積されてもよい。場合によっては、これらのスペーサは、MRAMスタックをその後の工程から保護するために、MRAMスタックが堆積された後に非常に迅速に堆積されてもよい。
【0061】
方法1600は、PCM下部電極上に相変化材料を堆積する動作1635を含む。場合によっては、相変化材料(GSTなど)は、PCM下部電極(1つまたは複数)の上だけに堆積されて(例えばそれに近接接続されて)よい。場合によっては、中間動作900(図9)において述べたように、相変化材料は、集積回路のPCM下部電極(1つまたは複数)とMRAM部分の両方に堆積されてもよいが、後に集積回路のMRAM部分から除去されてもよい。いくつかの実施形態では、相変化材料は、PCM領域とMRAM領域の両方に堆積されてもよく、その後、PCM領域ではパターニングされ、MRAM領域では完全に除去されてもよい。この結果、PCM領域ではトリミングされた相変化材料となり、MRAM領域には相変化材料が存在しなくなり得る。いくつかの実施形態では、ハード・マスクが相変化材料の上に堆積される(すなわち、それに近接接続される)。これは、相変化材料のいくつかの部分のパターニングおよび除去の前に行われてもよい。これらの場合、ハード・マスクは、相変化材料と共にMRAM部分から除去されてもよく、PCMピラーを形成するために(PCM部分の)相変化材料と共にパターニングされてもよい。
【0062】
方法1600は、相変化材料上およびMRAMスタック上に上部電極を形成する動作1640を含む。相変化材料の上の上部電極(1つまたは複数)は、PCM上部電極と称されることがあり、MRAMスタックの上の上部電極は、MRAM上部電極と称されることがある。PCM上部電極は相変化材料に近接接続されてもよく、MRAM上部電極はMRAMスタックに近接接続されてもよい。
【0063】
本発明は、任意の可能な技術的詳細の統合レベルにあるシステム、方法等であってもよい。図のフローチャートおよびブロック図は、本発明のいくつかの実施形態による、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を例示する。これに関して、フローチャートまたはブロック図内の各ブロックは、モジュール、セグメント、または命令の一部を表し得、それは、指定される論理機能(1つまたは複数)を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含む。一部の代替実装形態では、ブロックに記される機能は、図に記される順序から外れて行われてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはそれらブロックは、時に、関与する機能に応じて逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の中のブロックの組合せは、指定される機能を行うか、または特殊目的ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを動作させるもしくは実施する、特殊目的のハードウェア・ベース・システムによって実施され得ることに気づかれよう。
【0064】
本開示の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されたが、網羅的である、または開示される実施形態に制限されることは意図されない。記載された実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの変更および変形が当業者に明らかとなろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際的な応用、もしくは市場に見られる技術に対する技術的向上を最も良く説明するために、または当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。
図1
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【国際調査報告】