(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】物理的に動力が供給される機械的冷却材ポンプを備えた冷却装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/62 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61F2/62
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513732
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 EP2022073622
(87)【国際公開番号】W WO2023041298
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ノートハードジョノ、バディ
(72)【発明者】
【氏名】フー、ユアンチェン
(72)【発明者】
【氏名】ムラディ、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィッド、ミルンズ
(72)【発明者】
【氏名】キャンプベル、レヴィ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA02
4C097BB02
4C097TB20
(57)【要約】
冷却材ループを通る冷却材のポンピングを容易にするための機械的冷却材ポンプを含む製造の装置および方法が提供される。機械的冷却材ポンプは、人と結合されるものであり、冷却材をポンピングするために、人の指定された動きによって物理的に動力が供給される。機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、人と係合したデバイスを冷却するために、デバイスを通して冷却材ポンプによって循環される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
冷却材ループを通して冷却材のポンピングを容易にするための機械的冷却材ポンプであって、前記装置は人に結合され、前記機械的冷却材は、冷却材をポンピングするために、前記人の指定された動きによって物理的に動力が供給される、前記機械的冷却材ポンプを備えており、
前記機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、前記人と係合したデバイスを冷却するために、前記デバイスを通る前記冷却材ループによって循環される、装置。
【請求項2】
前記機械的冷却材ポンプは、
前記冷却材ループと流体連結するポンプ・ハウジングと、
前記ポンプ・ハウジング内で摺動可能なポンプ・ピストンであって、前記ポンプ・ピストンは、前記冷却材ループを通る冷却材のポンピングを少なくとも部分的に容易にするために、前記人の前記指定された動きによって物理的に動力が供給される、前記ポンプ・ピストンと
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ばねをさらに備えており、前記ばねが、前記ポンプ・ハウジング内の第1の方向に前記ポンプ・ピストンを付勢する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ポンプ・ピストンが、前記ポンプ・ハウジングを第1の冷却材室と第2の冷却材室とに分割し、
前記第1の冷却材室が第1の冷却材入口および第1の冷却材出口を有し、前記第2の冷却材室が第2の冷却材入口および第2の冷却材出口を有し、
前記第1および第2の冷却材入口および第1および第2の冷却材出口を前記冷却材ループと流体連結することによって、前記人の前記指定された動きが、前記ポンプ・ピストンを前記ポンプ・ハウジング内の第2の方向に動かし、前記ばねを圧縮させ、前記冷却材を前記第1の冷却材入口を通って前記第1の室に引き込み、同時に前記冷却材を前記第2の室から前記第2の冷却材出口を通って押し、および前記人の前記指定された動きからの解放によって、前記ばねは、前記ポンプ・ハウジング内の前記第1の方向に前記ポンプ・ピストンを動かし、前記冷却材を前記第2の冷却材入口を通して前記第2の冷却材室に引き込み、同時に前記冷却材を前記第1の冷却材室から前記第1の冷却材出口を通って押す、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ポンプ・ハウジングが細長いポンプ・ハウジングであり、前記装置がヒートシンクを備えており、前記ヒートシンクが、
前記ポンプ・ハウジングの少なくとも1つの冷却材室および前記冷却材ループを流体連結する少なくとも1つの冷却材管区分と、
前記冷却材から前記少なくとも1つの冷却材管区分を通過して前記装置の周りの周囲空気への熱の伝達を容易にするために、前記少なくとも1つの冷却材管区分に少なくとも部分的に機械的に結合される複数の熱伝導性フィンと
を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、前記複数の熱伝導性フィンにわたって空気を強制的に移動させるために、前記人の前記指定された動きおよび前記人の前記指定された動きの解放によって、前記室内で動作する空気弁をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の熱伝導性フィンが、第1の方向に配向された第1の複数の熱伝導性フィンと、第2の方向に配向された第2の複数の熱伝導性フィンとを備え、前記第1の方向と前記第2の方向とは、異なる方向である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
動作における前記機械的冷却材ポンプの減衰レベルを制御するために、前記少なくとも1つの冷却材管区分内に1つまたは複数の加減弁をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記機械的冷却材ポンプによって前記冷却材ループを通る冷却材流の制御を容易にするために、前記冷却材ループ内の冷却材の一部分が、前記ポンプ・ハウジングをバイパスできる、前記ポンプ・ハウジングにわたって結合されるバイパス弁をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記デバイスが、プロテーゼ・ソケットを冷却するために、前記人によって装着されたプロテーゼの前記プロテーゼ・ソケットであり、前記機械的冷却材ポンプが前記プロテーゼに結合される、請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記プロテーゼが義足であり、前記指定された動きが前記義足での前記人の足踏みアクションであり、前記機械的冷却材ポンプが前記義足の一部として一体化されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
方法であって、前記方法は、
冷却材ループを通る冷却材のポンピングを容易にするための機械的冷却材ポンプを提供することであって、前記機械的冷却材ポンプが人の指定された動きによって前記冷却材をポンピングするように物理的に動力が供給される、前記提供することを含み、
前記機械的冷却材ポンプが、前記人によって装着されるプロテーゼの一部として設けられており、動作において、前記機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、前記プロテーゼ・ソケットを冷却するために前記人によって装着されたときに、前記プロテーゼのプロテーゼ・ソケットを通る前記冷却材ループによって循環される、方法。
【請求項13】
前記プロテーゼが義足であり、前記指定された動きが前記義足での前記人の足踏みアクションであり、前記機械的冷却材ポンプが前記義足の一部として一体化されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記機械的冷却材ポンプは、
前記冷却材ループと流体連結するポンプ・ハウジングと、
前記ポンプ・ハウジング内で摺動可能なポンプ・ピストンであって、前記ポンプ・ピストンは、前記冷却材ループを通る前記冷却材のポンピングを少なくとも部分的に容易にするために、前記人の前記指定された動きによって物理的に動力が供給される、前記ポンプ・ピストンと、
前記ポンプ・ハウジング内の第1の方向に前記ポンプ・ピストンを付勢するばねと
を備えており、
前記ポンプ・ピストンが、前記ポンプ・ハウジングを第1の冷却材室と第2の冷却材室とに分割し、
前記第1の冷却材室が第1の冷却材入口および第1の冷却材出口を有し、前記第2の冷却材室が第2の冷却材入口および第2の冷却材出口を有し、
前記第1および第2の冷却材入口および第1および第2の冷却材出口を前記冷却材ループと流体連結することによって、前記人の前記指定された動きが、前記ポンプ・ピストンを前記ポンプ・ハウジング内の第2の方向に動かし、前記ばねを圧縮させ、前記冷却材を前記第1の冷却材入口を通って前記第1の室に引き込み、同時に前記冷却材を前記第2の室から前記第2の冷却材出口を通って押し、および前記人の前記指定された動きからの解放によって、前記ばねは、前記ポンプ・ハウジング内の前記第1の方向に前記ポンプ・ピストンを動かし、前記冷却材を前記第2の冷却材入口を通して前記第2の冷却材室に引き込み、同時に前記冷却材を前記第1の冷却材室から前記第1の冷却材出口を通って押す、
請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプロテーゼとともに使用される物理的に動力が供給される機械的冷却ポンプを備えた冷却装置に関する。プロテーゼは、脚または腕などの人(individual)の身体の一部のための人工代替物または補綴物である。プロテーゼは、機能的理由もしくは外観上の理由、またはその両方のために設計される。1つまたは複数の実施態様では、特定のプロテーゼが、例えば、人の残肢を義肢に接合するデバイスであるプロテーゼ・ソケットを含む。このプロテーゼ・ソケットは、残肢の状態および形状に基づいて人に合わせて調整される。プロテーゼが良好に機能するために、プロテーゼ・ソケットは、人に合致する必要がある。
【背景技術】
【0002】
プロテーゼ・ソケット内における人の熱および発汗は、義肢の使用者が述べる最大の問題のうちのいくつかである場合が多い。
【発明の概要】
【0003】
先行技術の特定の欠点が克服され、機械的冷却材ポンプを含む装置の1つまたは複数の態様における提供によって、さらなる利点が提供される。機械的冷却材ポンプは、冷却材ループを通る冷却材のポンピングを容易にする。本装置は人と結合されるものであり、機械的冷却材ポンプは、人の指定された動きによって物理的に動力が供給されて、冷却材をポンピングする。機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、人と係合したデバイスを冷却するために、デバイスを通る冷却材ループによって循環される。
【0004】
別の実施形態では、冷却材ループを通した冷却材のポンピングを容易にするための機械的冷却材ポンプを含む装置が提供される。本装置は、人と結合されるものであり、機械的冷却材ポンプは、人の指定された動きによって物理的に動力が供給されて、冷却材をポンピングする。機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、プロテーゼ・ソケットを冷却するために、人によって装着されたプロテーゼのプロテーゼ・ソケットを通る冷却材ループによって循環される。一実施形態では、機械的冷却材ポンプがプロテーゼに結合される。
【0005】
さらなる態様では、冷却材ループを通る冷却材のポンピングを容易にするために機械的冷却材ポンプを提供することを含む方法が提供される。機械的冷却材ポンプは、人の指定された動きによって冷却材をポンピングするために物理的に動力が供給され、機械的冷却材ポンプは、人によって装着されたプロテーゼの一部として提供される。動作において、機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、プロテーゼ・ソケットを冷却するために、人によって装着されたプロテーゼのプロテーゼ・ソケットを通る冷却材ループによって循環される。
【0006】
さらなる特徴および利点が、本明細書で説明する技術を通して実現される。本発明の他の実施形態および態様は、本明細書で詳細に説明され、主張される態様の一部として考慮される。
【0007】
本発明の1つまたは複数の態様は、本明細書の末尾の特許請求の範囲で例として特に指摘され、明確に主張されている。本発明の上述および他の目的、特徴、および利点は、添付図面と併せて使用される以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】プロテーゼを冷却するための装置の一実施形態であり、本発明の1つまたは複数の態様による、冷却材ループと、機械的冷却材ポンプを伴う冷却デバイスとを含む装置を示す図である。
【
図2】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1の装置の部分的破断図である。
【
図3A】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1および
図2の装置の立面図である。
【
図3B】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の代替実施形態を示す図である。
【
図4A】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の機械的冷却材ポンプの一実施形態の動作概略図である。
【
図4B】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の機械的冷却材ポンプの一実施形態の動作概略図である。
【
図4C】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の機械的冷却材ポンプの別の実施形態の概略図である。
【
図5A】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図5B】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図5C】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図5D】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図5E】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図5F】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図5G】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図5H】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図5I】本発明の1つまたは複数の態様による、
図1~
図3Aに図示するなどの冷却デバイスを含む、装置のより詳細な実施形態の図である。
【
図6】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の代替実施形態を示す図である。
【
図7A】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の別の実施形態を示す図である。
【
図7B】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の別の実施形態を示す図である。
【
図7C】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の別の実施形態を示す図である。
【
図7D】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の別の実施形態を示す図である。
【
図7E】本発明の1つまたは複数の態様による、装置の別の実施形態を示す図である。
【
図8A】本発明の1つまたは複数の態様による、装置のさらなる実施形態を示す図である。
【
図8B】本発明の1つまたは複数の態様による、装置のさらなる実施形態を示す図である。
【
図9】本発明の1つまたは複数の態様による、冷却デバイスの1つまたは複数の加減弁の制御を実施する、またはその実施を容易にするためのコンピューティング・システムの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の態様、ならびにその特定の特徴、利点、および詳細が、添付図面に示される非限定的な例を参照して以下に全体的に説明される。よく知られている材料、作製ツール、処理技術などは、本発明を詳細において不必要に曖昧にしないように省略されている。ただし、詳細な説明および特定の例は、本発明の態様を示しているが、例として与えられているに過ぎず、限定として与えられたものではないことを理解されたい。基礎となる新規概念の範囲内における様々な置換、修正、追加または配置あるいはその組合せは、本開示について当業者には明らかであろう。さらに、以下において図面を参照するが、それらの図面は理解を容易にするために一定の縮尺で描かれてはおらず、異なる図にわたって使用される同じ参照番号は、同一または類似の構成要素を指定することを留意されたい。また、多数の新規の態様および特徴が本明細書で開示されており、特段の矛盾がない限り、各々の開示される態様または特徴は、特定用途のための必要に応じて、任意の他の開示される態様または特徴と組合せ可能であることを留意されたい。
【0010】
本明細書では、人によって装着されるデバイスなど、人と係合されたデバイスの冷却を容易にする装置および方法が開示されている。一例として、1つまたは複数の実施形態において、冷却されるデバイスは、プロテーゼなどの人によって装着される医療デバイスの一部であり得る。特定の一実施形態では、冷却されるデバイスは、人によって装着される義肢のプロテーゼ・ソケットである。
【0011】
開示されている装置は、冷却されるデバイスが係合される人の指定された動きによって駆動される機械的冷却材ポンプを含む冷却デバイスを含む。指定された動きは、電力が全くなくても、装置の機械的冷却材ポンプに物理的に動力を供給する。1つまたは複数の実施形態では、人の動きは、冷却材ループを通ってデバイスを通過する、またはデバイスと係合された冷却液をポンピングするための機械的冷却材ポンプに物理的に動力を供給する。例えば、1つまたは複数の実施形態では、本装置は、人の身体とデバイスとの界面(interface)において、人の皮膚の冷却を容易にするように構成されている。例えば、装置は、物理的活動のレベルが旺盛となっている時などに例えばプロテーゼ・ソケット内の皮膚の温度を快適レベルに下げる、または維持することを容易にするように構成されている。皮膚温度を下げることによって、装置は、デバイスとの界面における人の皮膚上の発汗を効果的に低減または抑止できる。
【0012】
なお、プロテーゼに対して適用されると本明細書で最初に説明したが、説明される本装置および方法は、プロテーゼ・デバイスとともに使用することに限定されず、説明する本装置および方法は、デバイスと皮膚の界面の温度を調整するために、人の皮膚上、または人の皮膚に密着した多種多様なデバイスとともに使用されることに適合可能であることが、当業者には理解されよう。例えば、本明細書で説明する装置および方法は、外骨格デバイスまたは別のデバイスを装着した人の界面における皮膚温度を調整するために使用可能であり、このデバイスは、デバイスと人との界面における、またはその界面に隣り合ったデバイスを通過する冷却材ループを通る冷却液流によって快適さが向上可能なように、人の皮膚に少なくとも部分的にかぶせる。
【0013】
一例として、
図1は、強化プロテーゼ100に一体化され、その一部を形成する、本明細書で開示されるような装置の一実施形態を示す図である。本明細書で説明するように、本装置は、本発明の1つまたは複数の態様により、冷却材ループ、機械的冷却材ポンプ、および熱交換器を含む冷却デバイス110を含む。
図1のプロテーゼ100は、特に本明細書で説明するような冷却デバイスから利益を得ることができる義肢、特に義足の一実施形態のみを示している。
【0014】
図示されるように、プロテーゼ100は、一実施形態では、人とプロテーゼ・ソケットとの界面に快適性のために1つまたは複数の軟質インナーライナ103とともに、適合ソケット本体102(硬質材料から形成される適合ソケットなど)を有するプロテーゼ・ソケット101を含む。動作において、プロテーゼ・ソケット101は、プロテーゼ100を装着するために、人のそれぞれの身体部位を受容するように構成または調整される。図示された義足例では、プロテーゼ100は、冷却デバイスとともに、支持構造体104(金属棒など)、ばね105、および義足106を含み、一例として、プロテーゼを装着する人の動きを容易にするために設計されている。なお、プロテーゼ・ソケット101などのプロテーゼ・ソケットを含み、かつその部位用に構成された人のそれぞれの身体部位を受容する多種多様なプロテーゼが利用可能であることに留意されたい。上述したように、プロテーゼ・デバイスが人に取り付けられている界面における人の過度の熱および発汗は、プロテーゼ・デバイスを装着した人が述べる共通の苦情である。
【0015】
図2は、
図1のプロテーゼ100の部分的な断面図であり、一実施形態では、人の身体とソケットとの界面において、または界面近くに冷却液を通すのを容易にするために、プロテーゼ・ソケット101の内側、例えばソケット本体102の内面を通過する冷却材ループ200を図示している。1つまたは複数の実施態様では、冷却材ループ200のチューブ202は、1つまたは複数の軟質ライナ103と接触したプロテーゼ・デバイスの内面の例えば1つまたは複数の溝内に配置可能である。例えば、チューブは、ソケット本体の機械的強度に影響しないようなやり方で、ソケット本体102の内面内に成形され得る。必要に応じて、一実施形態では、ソケット内の人の皮膚温度に関連した温度を測定するために、1つまたは複数の温度センサ(図示せず)もまた、例えばソケット本体102の内面とライナ103とに設けられ得、
図4Cの実施形態を参照して以下で説明するような冷却デバイスの機械的冷却材ポンプと係合された1つまたは複数の調節可能な冷却材流弁を制御する、例えば電子コントローラに対してフィードバックを提供し得る。1つまたは複数の実施形態では、冷却材ループ200は、人とデバイス間の界面近く、またはその界面において、デバイスを装着している人の皮膚の冷却を容易にするために、必要に応じて、プロテーゼ・ソケットを通る1つまたは複数の流体流路を含むように構成されている。1つまたは複数の実施形態では、これらの流路は、ライナまたは人あるいはその両方と直接接触しているプロテーゼ・デバイスの内面上に配設されている。一例として、この流路は、ソケット本体の内面内に埋め込まれた太い銅チューブなどの相対的に太いチューブ202で形成可能であり、冷却デバイス110からソケット・チューブ202、または流路を接続するチューブもしくはホース201を介して冷却デバイスへ流体を受容するように構成され得る。
【0016】
例示的な実施形態では、本明細書で説明するような冷却デバイス110は、冷却液をポンピングするとともに、冷却液の温度を下げるように構成されている。一実施形態では、冷却液は、水または水性の冷却材であり得る。ただし、本明細書で開示される概念は、本発明の利点および独自の特徴を依然として維持しながら、他の種類の冷却材とともに使用するように容易に適合される。
【0017】
1つまたは複数の実施形態では、冷却デバイスは、例えば、機械的冷却材ポンプと、冷却材からの空気への熱交換器とを含み、機械的冷却材ポンプは、冷却デバイスと冷却されるデバイスとの間の冷却材ループ内で冷却液を循環させるように構成されている。一例として、
図3Aおよび
図3Bは、本発明の1つまたは複数の態様による、冷却デバイスを含む冷却される装置の例示的な実施形態を図示する。
【0018】
図3Aは、
図1~
図2の義足100を示し、この義足100は、上述したように、
図1および
図2と関連して上述したようなプロテーゼ・ソケット101、ならびに支柱104および義足106を含む。図示されている実施形態では、冷却材ループ200が、プロテーゼ・ソケット101内の例えばチューブ(または流路)と冷却デバイス110との間の冷却液の流れを容易にする冷却材供給ホースおよびリターン・ホース201を含む。
【0019】
図3Aに示すように、1つまたは複数の実施形態では、冷却デバイス110が、例えばプロテーゼの支柱104の一部として義足100と一体化されている。1つまたは複数の実施態様では、冷却デバイス110は、機械的冷却材ポンプ300と、ヒートシンク301とを含む。図示された実施形態では、ヒートシンク301は、例えば熱伝導性の支持構造体(円筒形支持体など)から延在する複数の熱伝導性フィンを含み、1つまたは複数のチューブ区分または流路において、複数の熱伝導性フィンにわたって、またはそこの中を冷却液が通り、冷却材は、機械的冷却材ポンプ300によってポンピングされる。
図3Aに示すように、プロテーゼを装着している人の歩行または走る動きを少なくとも部分的に容易にするために、義足100は、例えば支柱104の下方領域に配設されたばね105を含み得る。本明細書で説明するように、1つまたは複数の実施形態では、機械的冷却材ポンプ300のポンプ・ピストンは、歩行および走っている間の足踏み運動など、人の1つまたは複数の指定された動きで冷却材のポンピングを容易にするために、さらなるばね302に結合され得る。
【0020】
図3Bは、
図3Aのプロテーゼ100に類似しているが、刃型支持体などのばね型支持体310を用いるプロテーゼ100’の代替実施形態を図示する。
図3Bの実施形態では、冷却デバイス110が、
図3Aを参照して説明したものと類似して構築され得る。ただし、
図3Bでは、機械的冷却材ポンプ300のポンプ・ピストンをばね型支持体310(一実施形態において)へ接続することの図示を容易にするために、熱交換器が除去されている。さらに、
図3Bは、ポンプ・ピストンがポンプ・ハウジングを第1および第2の冷却材室に分割しており、
図3Bのチューブによって例解され
図4A~
図4Bを参照して以下でさらに説明されるように、その各々が、それぞれの冷却材リターン・ラインおよび冷却材供給ラインを伴う。
【0021】
図4Aおよび
図4Bは、本発明の1つまたは複数の態様による、装置の機械的冷却材ポンプ300の動作概略図である。上述したように、機械的冷却材ポンプを含む冷却装置が人に結合されている(例えば、装着されている)場合、冷却材ループを通した冷却材のポンピングを容易にするための機械的冷却材ポンプを含む冷却装置および方法が、本明細書で提供されている。このポンプは、歩行または走っている間の足踏みアクションなど、冷却材をポンピングするために、人の動きによって物理的に動力が供給される。機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、プロテーゼ・ソケットなどの冷却されるデバイスを通過する冷却材ループを通って循環する。有益なことに、機械的冷却材ポンプは、冷却液を移動させ、人とデバイスとの界面における温度低減を容易にする、例えばポンピング・アクションを誘発する人の最小限の動きによる自家動力である。1つまたは複数の実施態様において、機械的冷却材ポンプはプロテーゼ構造自体の内部に一体化されており、ポンプが機械的に動作し、ポンピング・アクションが冷却装置を装着している人の指定された動きに自然に続くため、ポンピング・アクションを生成するために外部の電源または電池は必要ない。
【0022】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、一実施形態では、機械的冷却材ポンプ300が、ポンプ・ハウジング400と、ポンプ・ピストン401とを含み、ポンプ・ピストン401は、人の動きに伴ってポンプ・ハウジング400内で往復し、ポンプ・ハウジング400の内側密封室を第1の冷却材室410と第2の冷却材室411とに分割する。図示されている実施形態では、ポンプ・ハウジングは、冷却材リターン・ラインおよび供給ライン201を含むか、またはそれらに結合されており、冷却材リターン・ラインは、第1の冷却材室410の第1の冷却材入口412および第2の冷却材室411の第2の冷却材入口413に冷却材を送給し、冷却材供給ラインは、それぞれの冷却材室から、ポンプ・ピストン401のアクションに応じてポンプ・ハウジング440の第1の冷却材出口414および第2の冷却材出口415を介して冷却材を受容する。一実施形態では、1つまたは複数の逆止弁420が、例えば、冷却材の逆流を防止し、冷却材ループのリターン・ラインおよび供給ライン201間の適切な方向においてポンプを通る冷却材の流れを確実にするために、第1および第2の冷却材入口412、413または第1および第2の冷却材出口414、415あるいはその両方に沿って設けられている。さらに、図示されるように、冷却材ループ内の冷却材の制御されている部分が、機械的冷却材ポンプ300のポンプ・ハウジング400を通過するのではなく、リターン・ラインおよび供給ライン201間を通過可能にするために、バイパス弁430が設けられ得る。バイパス弁430は、一実施形態では、人に、人の指定された動きによって装置内で発生する冷却材ポンプ圧の程度を制御する機能を提供する。
【0023】
一例として、デバイスが義足などのプロテーゼであって、機械的冷却材ポンプを含む冷却デバイスが本明細書で説明するなどのプロテーゼと一体化されている場合、義足上において人の足踏み運動450があると、この運動は、ばね402(
図3A~
図3Bのばね302または310など)を圧縮させる一方、ポンプ・ピストン401を(この例において)上向きに動かして冷却材を第1の冷却材入口412を通って第1の室410に引き込み、同時に、第2の室411から第2の冷却材出口415を通って冷却材を押す。
図4Bに示すような指定された動きからの解放によって、ばね402が、ポンプ・ピストン401を(一実施形態では)ポンプ・ハウジング400内で逆の下向き方向に動かすことを可能にし、冷却材を第1の冷却材出口414を通って第1の冷却材室410から押すことと同時に、冷却材を第2の冷却材入口413を通って第2の冷却材室411に引き込む。このようにして、人の動きは、機械的冷却材ポンプに物理的に動力を供給して冷却材ループを通して冷却材を駆動またはポンピングし、それにより、プロテーゼ・ソケットと肢との界面など、デバイスと人の界面の冷却を容易にする。なお、本説明は、1つまたは複数の実施形態で、冷却材が冷却デバイスを通過するときに、冷却材からの熱の抽出を容易にするために、冷却材ポンプの周りの外側構造などにおいて、熱交換器301(
図3A)が冷却デバイスと係合されていることを想定していることに留意されたい。
【0024】
図4Cは、
図3A~
図4Bと関連して上述した機械的冷却材ポンプ300と類似する機械的冷却材ポンプ300’の別の実施形態の概略図である。ただし、
図4Cの実施形態では、1つまたは複数の加減弁440が、例えば、ポンプ・ハウジングからの第1および第2の冷却材出口に設けられる。加減弁440は、人の動きによって装置の減衰を制御するために、例えば人の重量および活動レベルに基づいて機械的または電子的に制御され得る。加減弁440は、装置の冷却に顕著な影響を及ぼさないが、指定された人の動きおよびばねの付勢によってポンプ・ピストンが上昇および下降されるときの機械的冷却材ポンプの圧縮速度/展開速度または減衰動作を制御することによって、快適性レベルを追加できる。
【0025】
一例として、1つまたは複数の実施形態では、加減弁440は、調節可能な電子弁であり、コントロール460またはコントローラは、例えば義肢と一体化した装置と係合して設けられ得る。一実施形態では、コントロール460は、プロセッサ461もしくはマイクロコントローラと、メモリ462と、1つまたは複数の温度センサ463と、電源464と、任意選択で送受信機465とを含み得る。一実施形態では、プロセッサ461およびメモリ462は、ユーザの活動および快適さの設定に応じて加減弁440を制御するコードを用いてプログラムまたは構成されている。一実施形態では、プロセッサ461は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または例えば感知された温度に基づいて加減弁440の動作を制御するように構成された汎用プロセッサあるいはその組合せを含み得る。電源464は、電力をプロセッサに提供し、加減弁440を制御するためのコントロールに動作電力を提供する、電池などの1つまたは複数のエネルギー蓄積デバイスを含み得る。温度センサ463は、冷却デバイスの周囲の空気の温度、冷却されているデバイスに供給されている冷却材の温度、または冷却されているデバイスから返されている冷却材の温度あるいはその組合せのうちの1つまたは複数を監視するように構成され得る。1つまたは複数の実施態様では、設けられている場合、送受信機465は、加減弁440を制御するコントロール460と1つまたは複数の温度センサ463との間の通信を容易にするように構成され得る。別の実施形態では、送受信機465は、コントロール460と、個人ユーザのスマートフォン、タブレット、またはパーソナル・コンピュータなどの別個のコンピューティング・デバイス(図示せず)との間の通信を容易にするように構成され得る。
【0026】
さらなる例として、
図5A~
図5Iは、
図3A、
図4Aおよび4Bと関連して上述された冷却デバイス110のさらなる詳細を示す図である。
図5A~
図5Iをまとめて参照すると、冷却デバイス110は、一実施形態では、例えば義足の例における支持構造体の一部分を形成するプロテーゼ100内に一体化されている。冷却材リターン・ホースおよび供給ホース201は、説明するプロテーゼ・ソケット101の例におけるプロテーゼ・ソケットから人の肢の界面などで、冷却デバイス110と、冷却されるデバイス内の冷却材ループの部分とを接続する。冷却デバイス110は、機械的冷却材ポンプ300(ポンプ・ピストン401およびばね302を含む、本明細書で説明するようなもの)と、ヒートシンク301とを含む。一実施形態では、ヒートシンク301は、冷却デバイス110の周りの周囲空気への放散のために、熱が流路もしくは管区分502内の冷却材から熱伝導性構造体501を通って複数の熱伝導性フィン503を通過するように、例えば熱伝導性構造体501の内面と接触している1つまたは複数の流路もしくは管区分502を伴う熱伝導性構造体501を含む。
【0027】
図5A~
図5Iの実施形態では、複数の熱伝導性フィン503が、一例に過ぎないが、水平配向で示されている。1つまたは複数の実施態様では、熱伝導性構造体501、冷却材管区分502、および複数の熱伝導性フィン503は、同じ金属材料または異なる金属材料など、同じまたは異なる熱伝導性材料から形成され得る。冷却材が流路もしくは管区分502を通って流れるとき、冷却液は、熱伝導性構造体501をわたって熱伝導性フィン503への熱の伝導によって冷却する。1つまたは複数の管もしくはホース区分505は、ヒートシンク301内で流路もしくは管区分503を機械的冷却材ポンプ300の適切な冷却材入口もしくは冷却材出口に流体連結するように設けられ得る。
【0028】
一例として、
図5Hおよび
図5Iは、熱交換器チューブを通る冷却材の流れの一実施形態とともに、機械的冷却材ポンプを示す図である。図示されるように、冷却材は、ヒートシンク管区分502を通って流れ、周囲空気への放散のために、熱を、熱伝導性構造体501を介して熱伝導性フィン503に伝達し、冷却材は、例えば義足上で下方に足踏みをして、義足を持ち上げることによって人が移動するときに機械的冷却材ポンプによってポンピングされ、一実施形態では、機械的冷却材ポンプばねは、一例で下方向にポンプ・ピストンを付勢するように荷重がかけられる。当業者は、熱交換器300の他の構成が使用可能であることを認識するであろう。例えば、1つまたは複数の他の実施形態では、ヒートシンク301内の流路もしくはチューブ区分502は、複数の熱伝導性フィン503と直接接触し得る。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、複数の熱伝導性フィンは、熱伝導性構造体501と一体的に形成可能であり、または熱伝導性構造体の外面上へのはんだ付け、溶接、またはろう付けなどにより取り付けられ得る。当業者は、多かれ少なかれ、熱伝導性フィンおよび他の取り付け機構が用いられ得ることを理解されよう。さらに、熱伝導性フィンの配向は、用途に応じて様々であり得る。例えば、
図6は、
図5A~
図5Iの冷却デバイス110を示す図であり、熱交換器の複数の熱伝導性フィン503の構成または配向あるいはその両方は、例えばフィンにわたる自然な対流冷却空気流を促進し、それにより冷却デバイスの熱交換器を通過する冷却材からの熱の抽出を容易にするように角度が付けられている。
【0030】
図7A~
図7Eは、
図1~
図6と関連して上述した冷却デバイス110などの冷却デバイス110’を伴う冷却装置の代替実施形態を示す図である。
【0031】
図7Aおよび
図7Bに示すように、冷却デバイス110’は、この場合も、例えば義足の例における支持構造体の一部分を形成するプロテーゼ100内に一体化されているとして示されている。冷却材リターン・ホースおよび供給ホースもしくはラインは、冷却デバイス110’と、(一実施形態では)プロテーゼ・ソケットから人の肢の界面内またはその近くの冷却材ループの部分などの冷却されるデバイス内の冷却材ループの部分とを接続する。冷却デバイス110’は、一実施形態では、外部熱伝導性構造体701と、内部熱伝導性構造体702と、熱伝導性の外部および内部構造体701、702間で垂直方向に配向され、熱伝導性の外部および内部構造体701、702を結合する複数の熱伝導性フィン703とを含むヒートシンク700を含む。1つまたは複数の実施形態では、熱伝導性外部構造体701および熱伝導性内部構造体702は、例えば、それぞれの円筒状の構造体であってもよく、熱伝導性フィンは、両方の構造体に結合され、垂直に配向されている。1つまたは複数の実施形態では、熱伝導性構造体702は、冷却デバイスの周りの周囲空気への放散のために、熱が流路もしくは管区分内の冷却材から内部熱伝導性構造体702を通って複数の熱伝導性フィン703を通過するように、例えば熱伝導性内部構造体702の内面と接触している1つまたは複数の流路もしくは管区分を含む。
図7A~
図7Eの実施形態では、複数の熱伝導性フィン703が、一例に過ぎないが、垂直配向で示されている。また、1つまたは複数の実施態様では、内部および外部熱伝導性構造体701、702、ならびに熱伝導性フィン703は、同じ金属材料または異なる金属材料など、同じ熱伝導性材料または異なる熱伝導性材料から形成され得ることに留意されたい。冷却液が、内部熱伝導性構造体702内の流路もしくは管区分または内部熱伝導性構造体702と係合した流路もしくは管区分を通って流れるとき、冷却材は、周囲空気への放散のために、内部熱伝導性構造体702をわたって熱伝導性フィン703への熱の伝導によって冷却する。
【0032】
周囲空気への熱の対流は、冷却デバイス110’の空気室712内に空気弁710を設けることによって容易にされ得る。
図7C~
図7Eは、空気弁などの動作上の一実施形態を示す図である。
図7Cにおいて、空気弁710は、冷却デバイス実施形態の空気室712内で平坦に示されており、ばねは、名目上の非圧縮状態にある。
図7Dにおいて、人は、義足上で足踏みをし、図示するように、この人の重量がばね302を圧縮し、ポンプ・ピストンをポンプ・ハウジング内で上方に動かし、空気弁710を空気室712内で上方に動かす。このアクションの間、空気弁710は、基礎枠714に対して平坦なままであり、空気室712で上向きに移動して、冷却デバイス110’の垂直配向の複数の熱伝導性フィン703にわたって空気を押し上げる。このアクションとともに、ばね302が圧縮する。
図7Eに示すように、例えば義足を持ち上げることによって、人が自分の重量をプロテーゼから解放すると、ばね302は、ポンプ・ハウジング内のポンプ・ピストンを(
図7Eの例における)下向きに動かすとともに、空気弁710を下向きに動かす。一実施態様では、空気弁710は、可撓性を有する弁であり、弁が空気室712内で下向きに動くと、弁はその外縁部に向かって上向きに湾曲するように選択または作製され、空気が弁の周囲から空気室712内に移動可能にする。
【0033】
上述したように、熱伝導性フィンの配向は、用途に応じて様々であり得る。
図8Aおよび
図8Bは、本明細書で説明されたものなどのプロテーゼ内に一体化された冷却デバイス110”のさらなる変形例を示す図である。この実施形態では、冷却デバイス110”は、熱伝導性フィン503が垂直配向の熱伝導性フィン800の一部分を含むように修正されていることを除いて、
図1~
図5Iと関連して上述した冷却デバイス110と類似している。これは、例えば、垂直配向のフィン800の包含を可能にするために、熱伝導性フィン503の選択された部分を除去することによって、実現され得る。垂直配向のフィン800は、人が、例えばより小さく動いているときに冷却材の冷却を容易にでき、垂直配向の熱伝導性フィン800は、その状況において、冷却デバイス110”内の冷却材からの熱の放散を改善しながら、依然として、水平の熱伝導性フィン503は、人がプロテーゼの動きを増加させたときの熱放散を容易にできる。概して、多方向フィンは、例えば、座りながら、人の義足上での下方の足踏みをする場合を含む、多種多様なプロテーゼの動き中に、装置から周囲空気への効率的な熱放散を確実にするために、本明細書で開示されるものなどの冷却デバイスに含まれ得る。
【0034】
当業者は、冷却装置が、例えば、デバイスと人との界面においてデバイスの冷却を容易にするために、人によって装着されたデバイスとの一体化のために提示されていることを、本明細書で提供された説明から認識するであろう。一実施形態では、本装置は、冷却材ループを通る冷却材のポンピングを容易にするための機械的冷却材ポンプを含む。本装置は、人と結合され、機械的冷却材ポンプは、人の指定された動きによって物理的に動力が供給されて、冷却材をポンピングする。機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、人によって装着されたデバイスなどの人と係合した冷却されるデバイスを通る冷却材ループによって循環される。1つまたは複数の実施態様では、冷却装置は、プロテーゼの一部として一体化され、機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、プロテーゼ・ソケットを冷却するために、人によって装着されたプロテーゼのプロテーゼ・ソケットを通る冷却材ループによって循環される。1つまたは複数の実施態様では、冷却装置は、プロテーゼの支持構造体の一部など、プロテーゼの一部として一体化される。プロテーゼが義足の場合、指定された動きは、義足上における人の足踏みアクションであってもよい。
【0035】
1つまたは複数の実施態様では、機械的冷却材ポンプは、冷却材ループと流体連結するためのポンプ・ハウジングと、ポンプ・ハウジング内で摺動可能なポンプ・ピストンとを含む。ポンプ・ピストンは、冷却材ループを通る冷却材のポンピングを少なくとも部分的に容易にするために、人の指定された動きによって物理的に動力が供給される。
【0036】
一実施形態では、冷却装置は、ばねをさらに含み、このばねは、ポンプ・ハウジング内の第1の方向にポンプ・ピストンを付勢する。例示的な一実施形態では、ポンプ・ピストンは、ポンプ・ハウジングを第1の冷却材室と第2の冷却材室とに分割する。第1の冷却材室は第1の冷却材入口および第1の冷却材出口を有し、第2の冷却材室は第2の冷却材入口および第2の冷却材出口を有する。第1および第2の冷却材入口および第1および第2の冷却材出口を冷却材ループと流体連結することによって、人の指定された動きは、ポンプ・ピストンをポンプ・ハウジング内の第2の方向に動かし、ばねを圧縮させ、冷却材を第1の冷却材入口を通って第1の室に引き込み、同時に冷却材を第2の室から第2の冷却材出口を通って押す。人の指定された動きからの解放によって、ばねは、ポンプ・ハウジング内の第1の方向にポンプ・ピストンを動かし、冷却材を第1の冷却材入口を通して第2の冷却材室に引き込み、同時に冷却材を第1の冷却材室から第1の冷却材出口を通って押す。
【0037】
一実施形態では、ポンプ・ハウジングは細長いポンプ・ハウジングであり、冷却装置はヒートシンクをさらに含む。このヒートシンクは、ポンプ・ハウジングの少なくとも1つの冷却材室と冷却材ループとを流体連結する少なくとも1つの冷却材管区分を含み、複数の熱伝導性フィンは、冷却材から少なくとも1つの冷却材管区分を通過して装置の周りの周囲空気への熱の伝達を容易にするために、少なくとも1つの冷却材管区分に少なくとも部分的に機械的に結合される。1つまたは複数の実施形態では、冷却装置は、複数の熱伝導性フィンにわたって空気を強制的に移動させるために、人の指定された動きおよび人の指定された動きの解放によって、空気室内で動作する空気弁をさらに含み、一実施形態では、1つまたは複数の垂直配向の熱伝導性フィンを含む。
【0038】
一実施態様では、複数の熱伝導性フィンは、第1の方向に配向された第1の複数の熱伝導性フィンと、第2の方向に配向された第2の複数の熱伝導性フィンとを含み、ここで第1の方向と第2の方向とは、異なる方向である。
【0039】
1つまたは複数の実施態様では、動作における機械的冷却材ポンプの減衰レベルを制御するために、1つまたは複数の加減弁が、冷却デバイス内の冷却材管区分内など、冷却デバイス内に設けられ得る。1つまたは複数の実施態様では、加減弁は、冷却装置の一部として設けられているが、機械的冷却材ポンプ自体を駆動するためではない適切な制御を有する調整可能な電子弁であり得る。1つまたは複数の実施態様では、機械的冷却材ポンプによって冷却材ループを通る冷却材流の制御を容易にするために、冷却材ループ内の冷却材の一部分が、ポンプ・ハウジングをバイパスでき、それにより、例えば機械的冷却材ポンプの減衰効果を制御するために、バイパス弁がポンプ・ハウジングにわたって結合され得る。
【0040】
さらなる例として、
図9は、コンピューティング環境900の一実施形態を示す図であり、コンピューティング環境900は、本明細書で開示されるコントロールの1つまたは複数の態様を実施するように構成されたコンピューティング・システム912を含む。コンピューティング・システム912とともに使用されるのに適し得る、よく知られているコンピューティング・システム、環境、または構成あるいはその組合せは、ワイヤレス・コンピュータ、手持ち式もしくはラップトップ・コンピュータもしくはデバイス、携帯電話、プログラマブル・コンシューマ・エレクトロニック・デバイス、タブレット、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)などを含むが、それらに限定されない。
【0041】
コンピューティング・システム912は、コンピュータ・システムによって実行されている、プログラム・モジュールなどのコンピュータ・システム実行可能命令の一般的な文脈において説明され得る。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、ロジック、データ構造体などを含む。
【0042】
図9に図示するように、コンピューティング・システム912は、汎用計算デバイスの形態で示されている。コンピューティング・システム912のコンポーネントは、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニット916、システム・メモリ923、およびシステム・メモリ923を含む様々なシステム・コンポーネントをプロセッサ916に結合するバス918を含むが、これらに限定されない。
【0043】
一実施形態では、プロセッサ916は、International Business Machines Corporationによって提供されているz/Architecture(R)、またはInternational Business Machines Corporationもしくは他の企業によって提供されている他のアーキテクチャに基づき得る。
【0044】
バス918は、いくつかの種類のうちのいずれかの種類のバス構造体うちの1つまたは複数を表し、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、アクセラレイティッド・グラフィックス・ポート、および多種多様なバス・アーキテクチャのいずれかを使用したプロセッサまたはローカル・バスを含む。一例として、限定ではなく、上記のようなアーキテクチャは、インダストリ・スタンダード・アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダード・アソシエーション(VESA)ローカル・バス、および周辺機器相互接続(PCI)バスを含む。
【0045】
コンピューティング・システム912は、多種多様なコンピュータ・システム可読媒体を含み得る。そのような媒体は、コンピューティング・システム912によってアクセス可能な任意の利用可能な媒体でよく、揮発性媒体および不揮発性媒体の両方、取り外し可能媒体および取り外し可能でない媒体の両方を含む。
【0046】
システム・メモリ923は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)930またはキャッシュ・メモリ932、あるいはその両方など、揮発性メモリの形態のコンピュータ・システム可読媒体を含み得る。コンピューティング・システム912は、さらに、他の取り外し可能/取り外し可能でない、揮発性/不揮発性のコンピュータ・システム記憶媒体を含み得る。例に過ぎないが、取り外し可能でない不揮発性磁気媒体(図示しておらず、通常「ハード・ドライブ」と呼ばれる)から読み出され、そこに書き込むための記憶システム934が提供され得る。図示されていないが、取り外し可能で不揮発性の磁気ディスク(例えば、「フロッピー・ディスク」)から読み出し、そこへ書き込むための磁気ディスク・ドライブと、CD-ROM、DVD-ROM、または他の光学媒体などの取り外し可能で不揮発性の光ディスクから読み出し、またはそこに書き込むための光ディスク・ドライブが提供され得る。そのような事例において、それぞれは、1つまたは複数のデータ・メディア・インターフェースによってバス918に接続され得る。以下に説明されるように、メモリ923は、本発明の制御実施形態の機能を実行するように構成されているプログラム・モジュールまたはコードのセット(例えば、少なくとも1つ)を有する少なくとも1つのプログラム製品を含み得る。
【0047】
例として、限定ではなく、オペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データと同様に、プログラム・モジュール942のセット(少なくとも1つ)を有するプログラム/ユーティリティ940は、メモリ932に記憶され得る。オペレーティング・システム、1つまたは複数のアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、およびプログラム・データ、またはこれらの何らかの組合せのそれぞれは、ネットワーキング環境の実施態様を含み得る。プログラム・モジュール942は、全般的に、本明細書で説明するような本発明の実施形態の機能または方法論、あるいはその両方を実行する。代替的に、制御処理機能、モジュール、論理など901は、本明細書で開示されるように、コンピューティング環境912内に提供され得る。
【0048】
コンピューティング・システム912は、さらに、キーボード、ポインティング・デバイス、ディスプレイ924などの1つまたは複数の外部デバイス914、ユーザがコンピューティング・システム912とインタラクションを行うことができるようにする1つまたは複数のデバイス、またはコンピューティング・システム912が1つまたは複数の他の計算デバイスと通信できるようにする任意のデバイス(例えば、ネットワーク・カード、モデムなど)、あるいはその組合せと通信し得る。そのような通信は、入力/出力(I/O)インターフェース922を介して行われ得る。さらに、コンピューティング・システム912は、ネットワーク・アダプタ920を介して、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、一般的なワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、または公衆網(例えば、インターネット)、あるいはその組合せなどの1つまたは複数のネットワークと通信可能である。上記で示したように、ネットワーク・アダプタ920は、バス918を介してコンピューティング・システム912の他の構成要素と通信する。なお、図示されていないが、他のハードウェアまたはソフトウェア、あるいはその両方のコンポーネントは、コンピューティング・システム912と併せて使用され得ることを理解されたい。例は、マイクロコード、デバイス・ドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスク・ドライブ配列、RAIDシステム、テープ・ドライブ、およびデータ保存用記憶システムなどを含むが、これらに限定されない。
【0049】
本発明の様々な実施形態の説明が例示目的で提供されたが、網羅的である、または開示された実施形態に限定されることは意図されない。多くの修正および変形は、説明された実施形態の範囲から逸脱せずに、当業者にとって明らかであろう。実施形態の原理、市場に存在する技術の実用化または技術的改良を最も良く説明するため、または他の当業者が本明細書で開示される実施形態を理解できるようにするために、本明細書で使用される用語は選ばれた。
【0050】
本発明の制御態様は、完全性の任意の可能な技術詳細レベルにおけるシステム、方法またはプログラム製品、あるいはその組合せであり得る。このコンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0051】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持および記憶可能な有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または上記の任意の適切な組合せでもよいが、それに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー・ディスク、命令が記録されたパンチ・カードまたは溝の隆起構造などの機械的暗号化デバイス、および上記の任意の適切な組合せを含む。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体は、それ自体、電波または他の自由に伝搬する電磁波、導波路または他の伝送媒体(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)を通って伝搬する電磁波、または電線によって伝達される電気信号などの一次的信号であるとして解釈されるべきではない。
【0052】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理デバイスへ、または例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、またはワイヤレス・ネットワーク、あるいはその組合せなどのネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスへダウンロードされ得る。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組合せを含み得る。各計算/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれの計算/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体における記憶のために、そのコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0053】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、あるいは、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソース・コードまたはオブジェクト・コードのいずれかでもよく、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語とを含む。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータにおいて全体的に、ユーザのコンピュータにおいて部分的に、スタンド・アロン・ソフトウェア・パッケージとして、ユーザのコンピュータで部分的に、さらにリモート・コンピュータで部分的に、またはリモート・コンピュータもしくはサーバで全体的に実行されてもよい。後者の状況において、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、またはその接続は、外部コンピュータ(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介する)へなされてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行して電子回路をパーソナライズし得る。
【0054】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャートの図またはブロック図、あるいはその両方を参照して、本明細書で説明される。フローチャートの図またはブロック図、あるいはその両方の各ブロック、ならびにフローチャートの図またはブロック図、あるいはその両方のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施可能であることを理解されるであろう。
【0055】
コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックにおいて明示された機能/動作を実施するための手段を創出するように、上記のコンピュータ可読プログラム命令は、機械を製造するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供され得る。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、さらに、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体がフローチャートまたはブロック図、あるいはその両方のブロックに明示された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を備えるように、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、または他のデバイス、あるいはその組合せに特定のやり方で機能させ得るコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0056】
コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図、あるいはその両方のブロックにおいて明示された機能/動作を実施するように、上記のコンピュータ可読プログラム命令は、一連の動作ステップがコンピュータ実施プロセスを創出するようにコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行されるようにするためにコンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置、または他のデバイスにさらにロードされ得る。
【0057】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能性のある実施態様のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関連して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、特化した論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。いくつかの代替の実施態様では、ブロックに記載された機能は、図面に記載の順序とは異なる順序で発生し得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、ほぼ同時に実行されてもよく、またはブロックは、場合によっては、関連する機能に応じて、逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図またはフローチャート、あるいはその両方の図の各ブロックおよびブロック図またはフローチャート、あるいはその両方の図のブロックの組合せは、特化した機能または動作を実行する、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する専用ハードウェアをベースとしたシステムによって実施可能であることを留意されたい。
【0058】
上記に加えて、1つまたは複数の制御態様は、顧客環境の管理を提供するサービス・プロバイダによって、提供、提案、展開、管理、サービス提供などがされ得る。例えば、サービス・プロバイダは、1人または複数の顧客のために1つまたは複数の態様を実行するコンピュータ・コードまたはコンピュータ・インフラストラクチャあるいはその両方を作成、維持、支援などを行い得る。その見返りとして、サービス・プロバイダは、例として、売買契約書または費用契約書あるいはその両方の下で顧客から支払を受け得る。追加的または代替的に、サービス・プロバイダは、1人または複数の第三者への広告コンテンツの販売から支払を受領し得る。
【0059】
一態様では、1つまたは複数の実施形態を実行するためのアプリケーションが展開され得る。一例として、アプリケーションの展開は、1つまたは複数の制御実施形態を実行するように動作可能なコンピュータ・インフラストラクチャを提供することを含む。
【0060】
さらなる態様として、コンピュータ可読コードをコンピューティング・システムに統合することを含むコンピューティング・インフラストラクチャが展開されてもよく、コンピューティング・システムと組み合わされた制御コードは、1つまたは複数の実施形態を実行できる。
【0061】
さらなる態様として、コンピュータ可読コードをコンピュータ・システムに統合することを含む、制御コンピューティング・インフラストラクチャを統合するためのプロセスが提供され得る。このコンピュータ・システムは、コンピュータ可読媒体を含み、コンピュータ媒体は、1つまたは複数の実施形態を含む。コンピュータ・システムと組み合わせたコードは、1つまたは複数の制御実施形態を実行できる。
【0062】
様々な実施形態を以上で説明したが、これらは例に過ぎない。例えば、他のアーキテクチャのコンピューティング環境は、1つまたは複数の制御実施形態を組み込み、使用するために使用され得る。さらに、異なる命令、命令形式、命令フィールド、または命令値あるいはその組合せが使用され得る。多くの変形が可能である。
【0063】
さらに、他の種類のコンピューティング環境が利益を得ることができ、使用され得る。一例として、システムバスを介してメモリ要素に直接的または間接的に結合される少なくとも2つのプロセッサを含む、プログラム・コードを記憶または実行あるいはその両方に適したデータ処理システムが使用可能である。そのメモリ要素は、例えば、プログラム・コードの実際の実行中に用いられるローカル・メモリ、バルク・ストレージ、および実行中にバルク・ストレージからコードが取得されなければならない回数を減少させるために少なくともいくつかのプログラム・コードの一時的記憶を提供するキャッシュ・メモリを含む。
【0064】
入力/出力またはI/Oデバイス(キーボード、ディスプレイ、ポインティング・デバイス、DASD、テープ、CD、DVD、サム・ドライブ、および他のメモリ媒体などを含むが、これらの限定されない)は、直接または介在I/Oコントローラのいずれかでシステムに結合可能である。ネットワーク・アダプタはまた、データ処理システムが、介在私設ネットワークまたは公衆回線網を介して他のデータ処理システムまたはリモート・プリンタまたは記憶デバイスに結合されるようになることを可能にするために、システムに結合され得る。モデム、ケーブル・モデム、およびイーサネット(R)・カードは、利用可能な種類のネットワーク・アダプタのうちのほんのいくつかである。
【0065】
本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明する目的のみであり、本発明を限定することは、意図されない。本明細書で使用される場合、文脈が明確に示さない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は複数形も同様に含むことが意図される。「含む(comprise)」(ならびに「comprises」および「comprising」などのcompriseの任意の形態)、「有する(have)」(ならびに「has」および「having」などのhaveの任意の形態)、「含む(include)」(ならびに「includes」および「including」などのincludeの任意の形態)、および「含む(contain)」(ならびに「contains」および「containing」などのcontainの任意の形態)という用語は、オープン・エンド連結動詞である。その結果、1つまたは複数のステップまたは要素を「含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、または「含む(contains)」方法またはデバイスは、それらの1つまたは複数のステップまたは要素を所有するが、それらの1つまたは複数のステップまたは要素をのみを所有することに限定されない。同様に、1つまたは複数の特徴を「含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、または「含む(contains)」方法のステップまたはデバイスの要素は、それらの1つまたは複数の特徴を所有するが、それらの1つまたは複数の特徴のみを所有することに限定されない。さらに、特定のやり方で構成されているデバイスまたは構造体は、少なくともそのやり方で構成されるが、列挙されていないやり方でも構成され得る。
【0066】
存在する場合、以下の特許請求の範囲の全て手段またはステップならびに機能要素の対応する構造体、材料、行為、および等価物は、特に主張されている場合に、他の主張される要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造体、材料、または行為を含むことが意図される。本発明の記述は例示および説明のために提示されているが、網羅的であることまたは開示された形態の発明に限定されることは意図されていない。多くの修正および変形は、本発明の範囲から逸脱せずに、当業者にとって明らかであろう。実施形態は、本発明の1つまたは複数の態様の原理や実際の用途について最も良く説明するため、さらに他の当業者が、企図された特定の使用法に適するものとしての様々な修正形態を伴う様々な実施形態に関して本発明の1つまたは複数の態様を理解することを可能にするために、選択して説明されたものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
冷却材ループを通して冷却材のポンピングを容易にするための機械的冷却材ポンプであって、前記装置は人に結合され、前記機械的冷却材は、冷却材をポンピングするために、前記人の指定された動きによって物理的に動力が供給される、前記機械的冷却材ポンプを備えており、
前記機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、前記人と係合したデバイスを冷却するために、前記デバイスを通る前記冷却材ループによって循環される、装置。
【請求項2】
前記機械的冷却材ポンプは、
前記冷却材ループと流体連結するポンプ・ハウジングと、
前記ポンプ・ハウジング内で摺動可能なポンプ・ピストンであって、前記ポンプ・ピストンは、前記冷却材ループを通る冷却材のポンピングを少なくとも部分的に容易にするために、前記人の前記指定された動きによって物理的に動力が供給される、前記ポンプ・ピストンと
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ばねをさらに備えており、前記ばねが、前記ポンプ・ハウジング内の第1の方向に前記ポンプ・ピストンを付勢する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ポンプ・ピストンが、前記ポンプ・ハウジングを第1の冷却材室と第2の冷却材室とに分割し、
前記第1の冷却材室が第1の冷却材入口および第1の冷却材出口を有し、前記第2の冷却材室が第2の冷却材入口および第2の冷却材出口を有し、
前記第1および第2の冷却材入口および第1および第2の冷却材出口を前記冷却材ループと流体連結することによって、前記人の前記指定された動きが、前記ポンプ・ピストンを前記ポンプ・ハウジング内の第2の方向に動かし、前記ばねを圧縮させ、前記冷却材を前記第1の冷却材入口を通って前記第1の室に引き込み、同時に前記冷却材を前記第2の室から前記第2の冷却材出口を通って押し、および前記人の前記指定された動きからの解放によって、前記ばねは、前記ポンプ・ハウジング内の前記第1の方向に前記ポンプ・ピストンを動かし、前記冷却材を前記第2の冷却材入口を通して前記第2の冷却材室に引き込み、同時に前記冷却材を前記第1の冷却材室から前記第1の冷却材出口を通って押す、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ポンプ・ハウジングが細長いポンプ・ハウジングであり、前記装置がヒートシンクを備えており、前記ヒートシンクが、
前記ポンプ・ハウジングの少なくとも1つの冷却材室および前記冷却材ループを流体連結する少なくとも1つの冷却材管区分と、
前記冷却材から前記少なくとも1つの冷却材管区分を通過して前記装置の周りの周囲空気への熱の伝達を容易にするために、前記少なくとも1つの冷却材管区分に少なくとも部分的に機械的に結合される複数の熱伝導性フィンと
を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、前記複数の熱伝導性フィンにわたって空気を強制的に移動させるために、前記人の前記指定された動きおよび前記人の前記指定された動きの解放によって、前記室内で動作する空気弁をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の熱伝導性フィンが、第1の方向に配向された第1の複数の熱伝導性フィンと、第2の方向に配向された第2の複数の熱伝導性フィンとを備え、前記第1の方向と前記第2の方向とは、異なる方向である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
動作における前記機械的冷却材ポンプの減衰レベルを制御するために、前記少なくとも1つの冷却材管区分内に1つまたは複数の加減弁をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記機械的冷却材ポンプによって前記冷却材ループを通る冷却材流の制御を容易にするために、前記冷却材ループ内の冷却材の一部分が、前記ポンプ・ハウジングをバイパスできる、前記ポンプ・ハウジングにわたって結合されるバイパス弁をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記デバイスが、プロテーゼ・ソケットを冷却するために、前記人によって装着されたプロテーゼの前記プロテーゼ・ソケットであり、前記機械的冷却材ポンプが前記プロテーゼに結合される、請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記プロテーゼが義足であり、前記指定された動きが前記義足での前記人の足踏みアクションであり、前記機械的冷却材ポンプが前記義足の一部として一体化されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
方法であって、前記方法は、
冷却材ループを通る冷却材のポンピングを容易にするための機械的冷却材ポンプを提供することであって、前記機械的冷却材ポンプが人の指定された動きによって前記冷却材をポンピングするように物理的に動力が供給される、前記提供することを含み、
前記機械的冷却材ポンプが、前記人によって装着されるプロテーゼの一部として設けられており、動作において、前記機械的冷却材ポンプによってポンピングされた冷却材は、プロテーゼ・ソケットを冷却するために前記人によって装着されたときに、前記プロテーゼの前記プロテーゼ・ソケットを通る前記冷却材ループによって循環される、方法。
【請求項13】
前記プロテーゼが義足であり、前記指定された動きが前記義足での前記人の足踏みアクションであり、前記機械的冷却材ポンプが前記義足の一部として一体化されている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記機械的冷却材ポンプは、
前記冷却材ループと流体連結するポンプ・ハウジングと、
前記ポンプ・ハウジング内で摺動可能なポンプ・ピストンであって、前記ポンプ・ピストンは、前記冷却材ループを通る前記冷却材のポンピングを少なくとも部分的に容易にするために、前記人の前記指定された動きによって物理的に動力が供給される、前記ポンプ・ピストンと、
前記ポンプ・ハウジング内の第1の方向に前記ポンプ・ピストンを付勢するばねと
を備えており、
前記ポンプ・ピストンが、前記ポンプ・ハウジングを第1の冷却材室と第2の冷却材室とに分割し、
前記第1の冷却材室が第1の冷却材入口および第1の冷却材出口を有し、前記第2の冷却材室が第2の冷却材入口および第2の冷却材出口を有し、
前記第1および第2の冷却材入口および第1および第2の冷却材出口を前記冷却材ループと流体連結することによって、前記人の前記指定された動きが、前記ポンプ・ピストンを前記ポンプ・ハウジング内の第2の方向に動かし、前記ばねを圧縮させ、前記冷却材を前記第1の冷却材入口を通って前記第1の室に引き込み、同時に前記冷却材を前記第2の室から前記第2の冷却材出口を通って押し、および前記人の前記指定された動きからの解放によって、前記ばねは、前記ポンプ・ハウジング内の前記第1の方向に前記ポンプ・ピストンを動かし、前記冷却材を前記第2の冷却材入口を通して前記第2の冷却材室に引き込み、同時に前記冷却材を前記第1の冷却材室から前記第1の冷却材出口を通って押す、
請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】