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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】改良型のイオンチャンバ
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/18 20060101AFI20240829BHJP
   H01J 47/06 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
G01T1/18 A
H01J47/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514647
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-05-03
(86)【国際出願番号】 IB2022058181
(87)【国際公開番号】W WO2023031826
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】2112564.6
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524085352
【氏名又は名称】ザ セクレタリー オブ ステート フォー ディフェンス
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【弁理士】
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ モーガン
【テーマコード(参考)】
2G188
5C038
【Fターム(参考)】
2G188CC01
2G188DD42
2G188DD45
5C038CC02
(57)【要約】
本発明は、空気中の放射性ガスの検出に適したイオンチャンバを提供する。チャンバは、環状の収集電極と環状の分極電極を有し、各電極は、直径、近位端および遠位端を有し、両者の電極の近位端はベースプレートに固定されており、各電極は絶縁体によって支持され、分極電極を支持する絶縁体は、外側のリングと内側のリングとを備え、外側のリングは、分極電極の直径に対応する直径を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の収集電極と環状の分極電極を有し、各電極は、直径、近位端および遠位端を有し、両者の電極の前記近位端はベースプレートに固定されているイオンチャンバであって、
各電極は絶縁体によって支持され、前記分極電極を支持する前記絶縁体は、外側のリングと内側のリングとを備え、前記外側のリングは、前記分極電極の直径に対応する直径を有する、イオンチャンバ。
【請求項2】
前記収集電極が一対の同心リング上に支持され、前記内側のリングの直径は前記収集電極の直径と対応し、前記分極電極を支持する前記絶縁体の2つの前記リングは、互いに同心であり、かつ、前記内側のリングおよび前記外側のリングの間の電気抵抗材料を使用して所定の位置に保持される、請求項1に記載のイオンチャンバ。
【請求項3】
前記電気抵抗材料がスポークの形状に形成されている、請求項1または2に記載のイオンチャンバ。
【請求項4】
等間隔に配置された3つのスポークが存在する、請求項3に記載のイオンチャンバ。
【請求項5】
前記スポークが中空の断面を有する、請求項3または4に記載のイオンチャンバ。
【請求項6】
前記収集電極を支持する前記絶縁体が中実のディスクからなる、請求項1に記載のイオンチャンバ。
【請求項7】
前記収集電極を分極される中心ハブからシールドし、前記分極電極に対応する前記リングの間を保護する接地された導電性ディスクがさらに設けられている、請求項1から6のいずれかに記載のイオンチャンバ。
【請求項8】
前記収集電極の環状部内に延在する接地された導電性要素がさらに設けられる、請求項1から7のいずれかに記載のイオンチャンバ。
【請求項9】
前記電極が前記遠位端で第2のベースプレートによって固定され、前記電極のそれぞれが、一対の同心の絶縁性のリングに取り付けられている、請求項1から8のいずれかに記載のイオンチャンバ。
【請求項10】
絶縁性の前記リングがPETから作られている、請求項1から9のいずれかに記載のイオンチャンバ。
【請求項11】
絶縁性の前記リングがPLAから作られている、請求項1から10のいずれかに記載のイオンチャンバ。
【請求項12】
絶縁性の前記リングが3Dプリント技術を使用して作製される、請求項1から11のいずれかに記載のイオンチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイオンチャンバに関する。イオンチャンバは、イオン放射線の検出に使用できる比較的安価で単純な検出器であり、大気中の放射性ガスの検出が必要な環境で役立つ。
【背景技術】
【0002】
最も単純な場合、それらは2つの同軸円筒で構成され、多くの場合、外側に環状の分極電極と内側に収集電極を備える。これらは一端で固定されており、これらの間のガスが、イオン放射線が相互作用するときに電子イオン対を生成する手段を提供する。最も安価で最も容易に入手できるガスは大気である。
【0003】
中心電極は電位計に接続され、分極電極は躯体から実質的に絶縁されたディスク上に支持されている。このように用いられると、ディスクは、断面積が大きく、長さが短く、抵抗が最小化するので、絶縁体としては不適切な形状である。
【0004】
ハム音に悩まされることなく1桁ファムトアンペア(fA)までの測定を可能にするために、大気中のガスモニタに用いられるチャンバは、分極電極を多孔質(丸めた多孔シート)とし、かつ、完全に密閉されているがガスが透過可能な接地された導電性の外側のスクリーンを必要とする。分極電極に分極電圧(通常、1kV未満)を印加すると、電子イオン対が分割され、分極電極と中心電極の間の外部回路に電流が流れる。中心電極に接続された電位計がこの外部電流を感知し、電子イオン対の数に比例する電圧、つまりガスに蓄積された放射線エネルギーに比例する電圧に変換する。
【0005】
空気は電子イオン対を形成するための約32eVの蓄積エネルギーを必要とするため、電流が小さく、干渉と電子ノイズが大きくなる。ハム音が除去されると、次のノイズ源は分極電源である。非常に単純化すると、分極電源、イオンチャンバ、および電位計の組み合わせは、静電容量の比によってゲインが設定される反転オペアンプになる。
【数1】
ここで、
fbkは、電位計のフィードバック容量の値であり、
chamberは、中心電極から分極電極までの静電容量である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
典型的なチャンバの静電容量は電位計のフィードバック静電容量と同様に4~7pFであり、効果的にユニティゲインインバータを構成する。電位計の出力が1mV以下になることは珍しくない。したがって、分極電源のノイズは1kV電源で1mV以下である必要があり、効果を得るにはノイズが最大でも100万分の1となる必要があることを意味する。検出される非常に小さな電流(fAレンジ)でのノイズを制御することは重要な課題である。
【0007】
分極時に供給されるノイズの問題を緩和するために、イオンチャンバは一般にチャンバの静電容量を最小化するように設計されており、これを達成する1つの方法は、中心の収集電極の長さをチャンバの半径1つ分だけ切り詰めて短縮化することである。チャンバのアスペクト比に応じて、この短縮化により静電容量が約20%減少する。残念なことに、現在において、電極は一端で支持された梁状である。電極には質量とコンプライアンスがあるため、機械的に共振する。移動により、チャンバの静電容量の変化、および電位計からの不要な電気出力の生成がなされ、これらは機械的共振によってさらに悪化する。このような静電容量の変化により、システムがマイクロフォンとして機能することになるが、これは望ましくないことであり、システムの精度が低下する。この問題は、中心の電極を管状アルミニウムや真鍮などの金属で作成して質量を最小化し、剛性を最大化することで最小限に抑えられるが、この設計は依然としてマイクロフォニック的な影響を受けやすい。
【0008】
短縮化する電極設計により、分極電極の形状が半球状の端部(収集電極の先端の中心)を備えるように変更されてもよく、これがシンブル(thimble)チャンバとして知られている。このような形状は強固であるため、封入されたガスを加圧することによって(流入するガンマと相互作用する原子が増加して)ガンマ感度を向上できるかもしれない。
【0009】
中央の収集電極は絶縁体上で支持されており、漏洩抵抗を最大化することで漏洩電流を最小化できることは明らかであるため、セラミック(アルミナ、酸化アルミニウム、販売上はサファイアと呼ばれることもある)またはパースペックス(メタクリル酸メチル)の絶縁体が一般的である。すべての接続と取り付け治具が一端にあると便利なので、シンブルチャンバは通常、十分なベースプレートから構築される。ベースプレートが導電性の場合、中央の収集電極と分極電極の間に電気的ガードが形成され、漏洩電流が大幅に減少する。大気モニターの分極電極は、通常、穴のあいたアルミニウムシートを円筒形に丸めることによって形成され、穴のあいたアルミニウムのディスクが一端に溶接されて多孔質の缶を形成し、その開口端がベースプレートから絶縁された金属ハブに取り付けられている。
【0010】
明らかに自明な解決策は、内側の環状部の自由端を何らかの方法でクランプまたは固定することである。ただし、信号出力が非常に低いため、新しくクランプされた端部での電流漏洩の可能性が大きくなる。中心電極と分極電極を両端から支持することでより堅牢な構造となるが、2箇所での支持では漏洩抵抗が半減してしまう。さらに、中央の収集電極を長くすると、チャンバの静電容量が増加する。より強固な固定であれば、許容できないほど大きな漏洩が発生する可能性が高く、安定性の低い固定であれば、建物の振動やポンプなどの外部発生源によって引き起こされるマイクロフォニーが増加する。
【0011】
電気抵抗を最大化するには、絶縁体を長くて薄くする必要がある。上で述べたように、イオンチャンバでは分極電極のサポートが短く太くなる傾向があるが、これは単純で簡単な解決策である。この形状が安定性のために漏洩抵抗を犠牲にしていることは明らかであるが、設計上の妥協により性能が低下し、それによって読み取り誤差が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、空気中の低レベルの放射性ガスをより正確に検出するための安価なイオンチャンバを提供することである。したがって、本発明は、環状の収集電極と環状の分極電極を有し、各電極は、直径、近位端および遠位端を有し、両者の電極の前記近位端はベースプレートに固定されているイオンチャンバであって、各電極は絶縁体によって支持され、分極電極を支持する絶縁体は、外側のリングと内側のリングとを備え、外側のリングは、分極電極の直径に対応する直径を有する、イオンチャンバを提供する。理想的には、両者の電極は、同心リングのこの構成を備える。収集電極については、内側のリングのハブはそのリングを取り付けるためにより小さい径を有するが、分極電極を取り付けるように構成されたリングのハブはより大きな直径を有するので、収集電極が通過できる。
【0013】
好適には、各電極の支持体は、電極の直径に対応する直径の一対の同心リングから作られてもよい。2つの同心リングは、同じ絶縁材料で製造されたスペーサー、スポーク、またはリムによって接続されてもよい。これを行うと、電気経路は、大きな断面積を通る短い導電経路から、小さな断面積を通る長い経路に変化する。
【0014】
リングと電極の直径は正確に同じである必要はないが、効果的な絶縁マウントを提供するために十分に類似している必要がある。
【0015】
絶縁リング(本事例では3本のスポークホイール)の形状を慎重に選択することにより、従来技術の絶縁ブロックと比較して漏洩抵抗が桁違いに増加する。
【0016】
製造を容易にするために、収集電極を絶縁ディスクの中心に取り付け、取り外し可能な取り付け部としてチャンバに固定することが可能である。これにより、製造の容易さと簡素化のために、ある程度の抵抗が犠牲になるかもしれない。
【0017】
積層造形などの3D製造技術を使用して、スポークを中空にできる。これにより、所定の電気的な断面領域におけるリムの剛性が向上し、振動制御などが促進される。
【0018】
安定性を考慮し、120°で円周上に等間隔に配置された3本のスポークが用いられ、中空断面により剛性を最大限に高めている。
【0019】
適切な絶縁材を選択し、スポークが中空であることを確実にすることで、抵抗を十分に低くして、上記のトレードオフの必要性を排除することができる。典型的な形状は3本スポークのホイールであり、これにより、マイクロフォニー効果を最小化するのに十分な剛性が得られるが、漏洩経路数が減少するため抵抗を最大化できる。
【0020】
導電性電極に沿ってそのような支持体を複数設けることも可能であるが、剛性のバランスを取り、電気漏洩を最小化するという点では、遠位端の場所またはその近くに単一の支持体を設けるのが最適であろう。
【0021】
スポークの中空断面の構成は、円形、楕円形、またはシステムが要求するその他の形状にすることができ、同様に、漏洩と動作を考慮すると、直径を最小化した堅牢な構成が最適である可能性が高くなる。これは細いスポークとならないかもしれず、用途内のその検出器の特定の配置によって決定される可能性がある。
【0022】
これらのスポークの配置の検証により、より効果的な絶縁性や安定性が得られる可能性があることが認められている。これらはイオンチャンバの機能に依存する設計上の考慮事項である。ただし、これらのデバイスのローテクの用途を考慮すると、製造コストの他のトレードオフも考慮すべきであり、ほとんどの用途では、2つの電極の2つの端部を取り付ける単純な3本スポークのホイールが電流検出の要件を満たすと考えられる。
【0023】
今回の例では、絶縁リングは3Dプリントの標準材料であるポリ乳酸(PLA)から作られている。ただし、この電気的性能は劣っており、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの明示的な絶縁体や、特定の設計用途に合わせて選択できるその他の材料を使用すると、より良い結果が得られるだろう。しかしながら、PLAのように電気的性能が劣っていても、その設計と配置は従来技術に比べて大幅な改善を示した。
【0024】
材料は3Dプリント技術を使用して製造されるため、複雑な製造技術を最小化しながら中空構造を作成する能力を最大限に高めることができる。
【0025】
大気中トリチウムモニターは、スイッチオン後にかなりの整定時間を必要とすることで評判が悪いことが知られている。現在の設計でこのような遅延が生じる理由の1つは、収集側のホイールのスポークが分極電極の(導電性の)内側ハブに近く、高い確率で収集側のホイールのスポークに電荷を誘導したためであると考えられる。
【0026】
これは、2つのホイールの間を保護するために接地された導電性ディスクを配置し、分極側の中央のハブから収集側のホイールをシールドすることによって軽減できる。その保護が、分極電極内に短距離で侵入する中央の接地された導電性スリーブをさらに含む場合、その影響はチャンバの静電容量に大きく影響する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
次に、以下の図面を参照して本発明を説明する。
【0028】
図1】従来技術によるイオンチャンバ内の電極の一般的な代表図である。
図2】本発明により取り付けられたイオンチャンバの電極の一端の概略図である。
図3】同心リングと導電性ディスクの2つのセットの詳細を示す図である。
図4】絶縁性の襟状部の配置を示す、本発明によるチャンバの平面図を示す。
図5】一対の同心リングと1つの絶縁性ディスクのみを備える代替的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1には、標準的な汎用的なイオンチャンバ(10)が示されている。中心の収集電極(12)は、漏洩抵抗を最大化するために絶縁手段(18)上に取り付けられている。セラミック(アルミナ、酸化アルミニウム、流通においてサファイアと呼ばれることもある)やパースペックス(メタクリル酸メチル)などの絶縁体が一般的である。
【0030】
中心の収集電極の周りに同軸にある分極電極(14)は、この場合、チャンバに出入りする空気の流れを可能にする缶を作るために、丸められた穴のあいた金属で作られている。従来のシンブルチャンバの場合、静電容量を減らすために、中心電極は通常、分極電極の内径に等しい距離だけ先端が切り取られている。
【0031】
図2では、イオンチャンバ(10)で本発明が使用されているのが示されている。
【0032】
この簡略化された図では、イオンチャンバ(10)の一端が示されている。絶縁手段は、各電極に対して一対の同心リング(30、30’および32、32’)で構成されている。同様の同心リングの第2のセットが他端に設けられ、その全容量が穴あき金属などの多孔質の堅牢なケースに囲まれている。これらは、図4に示されている。
【0033】
図3は、絶縁リングをより詳細に示している。2つのリング(30、32)は3本のスポーク(34、34’、34’’、および35、35’、35’’)で結合されている。2つの電極の間には導電性ディスク(36)があり、2つの電極は接触しない。
【0034】
絶縁リングは全体が中空であり、これに限定されないがPETなどの電気絶縁材料で作られており、この場合は3Dプリント技術によって製造される。この中空構造によりシステムの剛性が高まり、振動による干渉が軽減される。設計上の考慮事項に応じて、より一般的に3Dプリントで使用される材料であるPLA、またはその他の適切な絶縁体も使用できる。
【0035】
各リングはハブとリムを備え、スポークで接続されている。これらのリムは同じ直径であり、分極電極を取り付けるために選択されたものであるので、分極電極と同様の直径になる。ボス(38)も存在しており、これらは一組の導電性ボルトによりベースに固定可能である。1つのホイールのボス(複数)には金属スペーサーなどの導体が並設され、2つのホイールのボス(複数)の間には金属ワッシャーが挟まれる。これにはアース(保護)への経路を与える効果があり、分極電極から収集電極までのリングを通した漏洩の可能性がさらに減少し、システムの有効性が高まる。
【0036】
上部リングのハブ(32’)は下部リング(30’)よりも直径が大きいため、上部リングと接触せずに通過して、収集電極をリングのハブに取り付けることができる。
【0037】
整定時間を短縮するために、接地された導電性ディスク(36)が2つのホイールの間を保護するように配置され、分極された中央のハブの絶縁リングから収集側のホイールをシールドする。このようなディスクを用いると、上記のワッシャーは必要ない。
【0038】
ディスクを採用することにより、この設計を使用した実験では、整定時間が15分から10秒に短縮された。電位計では、7pF//100GΩでτ=0.7秒が得られ、5τでコンデンサが最終電圧の99%に達することができた。このような場合、整定時間は3.5秒程度であるが、これは分極電源の10MΩで47nFのフィルタ(τ=0.47秒)と連結されているため、観察された10秒の整定時間は電子機器によるものが支配的に見える。
【0039】
静電容量をさらに低減するために、アースに接続され、分極電極と収集電極の間の中空の環状部内にわずかに突出する導電性スリーブ(42)が設けられる。これが図4に示されている。この構成要素は、2つの絶縁リング(30、32)および導電性ディスク(36)と同一平面上にあるが、その中心に向かって襟状のハブに形成されている。これは、どちらの電極とも電気的に接続されていない。これによりチャンバの静電容量が半分になり、分極電源からのノイズがさらに低減されることが示された。
【0040】
図4では、4つのスポークが描かれていることに留意されたい。120度で3つが最適である可能性が高いが、設計により別の数が有益であると示されるかもしれない。
【0041】
図5には、別の実施形態が示されている。図5aにおいて、ねじ山付きホルダー(51)に取り付けられた絶縁性ディスク(53)は、同心の開口部(52)を有する。これは、収集電極が振動を止めるのに十分な剛性を持って中心に収まるように構成されている。そして、この構成をチャンバ(55)の端部への嵌入や他の方法で取り付けることができる。
【0042】
図5bでは、ホルダー(51)のディスクが同心のリング(32)の中心にどのように嵌入するかを示している。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の収集電極と環状の分極電極を有し、各電極は、直径、近位端および遠位端を有し、両者の電極の前記近位端はベースプレートに固定されているイオンチャンバであって、
各電極は絶縁体によって支持され、前記分極電極を支持する前記絶縁体は、外側のリングと内側のリングとを備え、前記外側のリングは、前記分極電極の直径に対応する直径を有する、イオンチャンバ。
【請求項2】
前記収集電極が一対の同心リング上に支持され、前記内側のリングの直径は前記収集電極の直径と対応し、前記分極電極を支持する前記絶縁体の2つの前記リングは、互いに同心であり、かつ、前記内側のリングおよび前記外側のリングの間の電気抵抗材料を使用して所定の位置に保持される、請求項1に記載のイオンチャンバ。
【請求項3】
前記電気抵抗材料がスポークの形状に形成されている、請求項に記載のイオンチャンバ。
【請求項4】
等間隔に配置された3つのスポークが存在する、請求項3に記載のイオンチャンバ。
【請求項5】
前記スポークが中空の断面を有する、請求項3または4に記載のイオンチャンバ。
【請求項6】
前記収集電極を支持する前記絶縁体が中実のディスクからなる、請求項1に記載のイオンチャンバ。
【請求項7】
前記収集電極を分極される中心ハブからシールドし、前記分極電極に対応する前記リングの間を保護する接地された導電性ディスクがさらに設けられている、請求項に記載のイオンチャンバ。
【請求項8】
前記収集電極の環状部内に延在する接地された導電性要素がさらに設けられる、請求項に記載のイオンチャンバ。
【請求項9】
前記電極が前記遠位端で第2のベースプレートによって固定され、前記電極のそれぞれが、一対の同心の絶縁性のリングに取り付けられている、請求項に記載のイオンチャンバ。
【請求項10】
絶縁性の前記リングがPETから作られている、請求項に記載のイオンチャンバ。
【請求項11】
絶縁性の前記リングがPLAから作られている、請求項に記載のイオンチャンバ。
【請求項12】
絶縁性の前記リングが3Dプリント技術を使用して作製される、請求項に記載のイオンチャンバ。
【国際調査報告】