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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】適合性を増加したキャリア注入器
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/134 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
G02B6/134
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506868
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2022039628
(87)【国際公開番号】W WO2023015004
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/396,616
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520437076
【氏名又は名称】シルク テクノロジーズ インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルフィ、ブラッドレー ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】シャーマ、モニシュ
【テーマコード(参考)】
2H147
【Fターム(参考)】
2H147AB03
2H147AB04
2H147AB05
2H147BA05
2H147BE01
2H147BE13
2H147BE22
2H147CA01
2H147CA08
2H147CA09
2H147CA11
2H147CA13
2H147CA22
2H147CA24
2H147CA25
2H147CC14
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14B
2H147EA20D
2H147EA34A
2H147EA35A
2H147EA36A
2H147FA05
2H147FA09
2H147FB12
2H147FB13
2H147FC03
(57)【要約】
適合性を増加したキャリア注入器。LIDARシステムは、ソース信号を出力するように構成される光源を有している。LIDARチップは、LIDARチップから出ていくLIDAR出力信号を出力するようにも構成される。LIDARシステムは、アダプタ信号を受信するように構成される光アイソレータを有するアイソレータアダプタも有する。アダプタ信号は、ソース信号からの光であり、及び、光アイソレータで受信される前に、LIDARチップから出ていった光を有している。光アイソレータは、アイソレータ出力信号にアダプタ信号から光を出力するように構成される。加えて、LIDAR出力信号は、アイソレータ出力信号からの光を有している。
【選択図】 図1


























【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路に自由キャリアを注入するように構成されたキャリア注入器であって、
前記キャリア注入器は、
シリコンを有するが、前記シリコンのドープ領域を除外し、
前記導波路は、
前記シリコンの導波路の部分を通って光信号を案内するように構成され、
前記ドープ領域に印加される順方向バイアスが、前記ドープ領域から前記シリコンの前記導波路の部分に入る自由キャリアをもたらすように構成されるドープ領域を有するドーパントホスト媒体、
を有する光学装置。
【請求項2】
導波路は、前記シリコンを通って、前記光信号を案内するように構成され、
前記シリコンは、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハのシリコン層である、
請求項1の装置。
【請求項3】
前記ドーパントホスト媒体が、ゲルマニウムである、
請求項1の装置。
【請求項4】
前記シリコンは、前記ドーパントホスト媒体が配置される複数の凹部を有する、
請求項1の装置。
【請求項5】
前記ドーパントホスト媒体の前記ドープ領域は、前記シリコンの前記導波路部分が、前記ドープ領域の間にあるように、前記凹部に配置される、
請求項1の装置。
【請求項6】
シリコンのスラブ領域から離れるように延伸するシリコンのリッジを有する光導波路に自由キャリアを注入するように構成されるキャリア注入器、
前記シリコンスラブ領域は、第2のドープ領域を有し、
前記キャリア注入器は、前記スラブ領域に配置されるドーパントホスト媒体を有し、
前記ドーパントホスト媒体は、各々が、1つの前記第2のドープ領域と接するドープ領域を有し、
前記ドープ領域は、前記ドープ領域に印加される順方向バイアスが、前記ドープ領域から前記シリコンの前記導波路の部分に入る自由キャリアをもたらすように構成される、
を有する光学装置。
【請求項7】
前記シリコンのリッジは、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハの層からのシリコンに形成される、
請求項6の装置。
【請求項8】
前記ドーパントホスト媒体が、ゲルマニウムである、
請求項6の装置。
【請求項9】
前記リッジは、ドープ領域の間に配置される、
請求項1の装置。
【請求項10】
前記リッジは、側面を有し、及び、前記側面の各々は、前記ドーパントホスト媒体の異なる領域に接している、
請求項1の装置。
【請求項11】
導波路が、シリコンの層からのシリコンの導波路の部分を通って光信号を案内するように構成されるようなウェハの前記シリコンの前記層に前記導波路を規定し、
シリコンの前記層にドーパントホスト媒体を配置し、
前記層に前記ドーパントホスト媒体を配置した後、前記ドーパントホスト媒体にドープ領域を形成し、
前記ドープ領域は、前記ドープ領域に印加される順方向バイアスによって、前記ドープ領域から前記シリコンの前記導波路の部分に入る前記自由キャリアがもたらされるように、構成され、
シリコンの前記層は、前記ドーパントホスト媒体にドープ領域を形成する前に、ドープ領域を取り除くこと、
を有するキャリア注入器を製造する方法。
【請求項12】
前記ウェハが、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハである、
請求項11の方法
【請求項13】
前記導波路を規定することは、前記シリコンのリッジが前記シリコンのスラブ領域から上方に延伸
するように、前記シリコン層にリッジを形成することを含む、
請求項11の方法。
【請求項14】
前記ドーパントホスト媒体が、前記スラブ領域の凹部に配置される、
請求項13の方法。
【請求項15】
前記ドーパントホスト媒体の前記ドープ領域が、前記スラブ領域の前記凹部に配置される、
請求項14の方法。
【請求項16】
ウェハのシリコン層に第2のドープ領域を形成し、
前記第2のドープ領域を形成した後に、前記シリコン層からのシリコンにドーパントホスト媒体を配置し、
前記ドーパントホスト媒体に第1のドープ領域を、前記ドープ領域の各々が、1つの前記第2のドープ領域と接するように、形成し、
前記ドープ領域は、前記ドープ領域に印加される順方向バイアスによって、前記第2のドープ領域から光導波路に入る自由キャリアをもたらすように構成される、
キャリア注入器を形成する方法。
【請求項17】
前記導波路が、前記シリコン層からの前記シリコンの導波路の部分を通って光信号を案内するように構成されるように、前記光導波路を前記ウェハの前記シリコン層に規定する、
請求項16の方法。
【請求項18】
前記導波路を規定することは、前記シリコンのリッジが、前記シリコンのスラブ領域から上方に延伸するように、前記シリコン層にリッジを形成することを有する、
請求項17の方法。
【請求項19】
前記ドーパントホスト媒体が、前記スラブ領域の凹部に配置される、
請求項18の方法。
【請求項20】
前記第2のドープ領域を形成することは、アニールを有する、
請求項16の方法。


【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国特許出願シリアル番号17/396,616、出願日2021年8月6日、発明名称「適合性を増加したキャリア注入器」の継続であり、その出願は、本明細書に参照によって組み込まれる。
【分野】
【0002】
本発明は、光学装置に関する。特に、本発明は、キャリア注入器に関する。
【背景】
【0003】
光学集積回路チップは、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハのようなプラットフォームに統合される光導波路を有している。これらのチップの多くは、自由キャリアを導波路の1つに注入するキャリア注入器を用いる。導波路における自由キャリアの存在によって、キャリア注入器が、減衰器として、及び/又は、位相チューナとして作動することが許される。
【0004】
シリコン・オン・インシュレータ・ウェハのようなプラットフォームのキャリア注入器は、一般に、シリコンを添加し、アニールすることによって製造される。しかしながら、これらのチップのフォトニック回路は、典型的には、キャリア注入器に加えて、統合される他の光学構成要素を有している。他の構成要素は、しばしば、ゲルマニウムのようなウェハに存在しなかった材料を有している。シリコンの添加に伴うアニールは、一般的に1000℃程度の温度で生じる。しなしながら、ゲルマニウムのような材料は、1000℃程度の温度で損傷する可能性がある。したがって、キャリア注入器を製造するプロセスは、チップの他の構成要素に損傷を与える可能性がある。その結果、改良されたキャリア注入器、及び/又は、キャリア注入器を製造するための改良されたプロセスが、必要である。
【要約】
【0005】
キャリア注入器は、光導波路に自由キャリアを注入するように構成される。前記キャリア注入器は、シリコンを有するが、前記シリコンのドープ領域を除外する。前記導波路は、前記シリコンの導波路の部分を通って光信号を案内するように構成される。前記キャリア注入器は、前記ドープ領域に印加される順方向バイアスが、前記ドープ領域から前記シリコンの前記導波路の部分に入る自由キャリアをもたらすように構成されるドープ領域を有するドーパントホスト媒体も有する。
【0006】
他の実施形態のキャリア注入器は、シリコンのスラブ領域から離れるように延伸するシリコンのリッジを有する光導波路に自由キャリアを注入するように構成される。前記シリコンスラブ領域は、第2のドープ領域を有している。前記キャリア注入器は、前記スラブ領域に配置されるドーパントホスト媒体も有している。前記ドーパントホスト媒体は、各々が、1つの前記第2のドープ領域と接するドープ領域を有している。前記ドープ領域は、前記ドープ領域に印加される順方向バイアスが、前記ドープ領域から前記シリコンの前記導波路の部分に入る自由キャリアをもたらすように構成される。
【0007】
キャリア注入器を製造する方法は、導波路が、シリコンの層からのシリコンの導波路の部分を通って光信号を案内するように構成されるようなウェハの前記シリコンの前記層に前記導波路を規定することを有している。キャリア注入器を製造することは、シリコンの前記層にドーパントホスト媒体を配置することも有している。ドープ領域は、前記層に前記ドーパントホスト媒体を配置した後、前記ドーパントホスト媒体に形成される。前記ドープ領域は、前記ドープ領域に印加される順方向バイアスによって、前記ドープ領域から前記シリコンの前記導波路の部分に入る前記自由キャリアがもたらされるように、構成される。シリコンの前記層は、前記ドーパントホスト媒体にドープ領域を形成する前に、ドープ領域を取り除く。
【0008】
キャリア注入器を製造する方法は、ウェハのシリコン層に第2のドープ領域を形成することを有している。キャリア注入器を製造することは、前記第2のドープ領域を形成した後に、前記シリコン層からのシリコンにドーパントホスト媒体を配置することも有している。ドープ領域は、前記ドーパントホスト媒体に前記ドープ領域の各々が、1つの前記第2のドープ領域と接するように、形成される。前記ドープ領域は、前記ドープ領域に印加される順方向バイアスによって、前記第2のドープ領域から光導波路に入る自由キャリアをもたらすように構成される。
【0009】
キャリア注入器を、LIDARシステムのようなシステムに含めることができ、及び/又は、光集積回路チップのようなチップに含めることができる。キャリア注入器がチップにある場合、チップは、ドーパントホスト媒体も有する他の光学装置を有することができる。例えば、ウェハに添加されるドーパントホスト媒体を、1つ以上のキャリア注入器に、及び、1つ以上の補助デバイスにも、含めることができる。異なるキャリア注入器、及び/又は、補助装置に含まれるドーパントホスト媒体を、同じ処理でウェハに追加できる。例えば、異なるキャリア注入器、及び/又は、補助装置に含まれるドーパントホスティング媒体を、エピタキシャル成長処理でウェハに追加できる。場合によっては、ドーパントホスティング媒体は、ゲルマニウムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、LIDARシステムとして機能でき、又は、LIDARチップに追加の構成要素を有するLIDARシステムに含まれる可能性があるLIDARチップの概略の平面図である。
【0011】
図2は、LIDARシステムとして機能でき、又は、LIDARチップに追加の構成要素を有するLIDARシステムに含まれる可能性があるLIDARチップの他の実施形態の概略の平面図である。
【0012】
図3は、図1のLIDARチップと共に使用するのに好適なLIDARアダプタの例の平面図である。
【0013】
図4は、図2のLIDARチップと共に使用するのに好適なLIDARアダプタの例の平面図である。
【0014】
図5は、共通のマウントに図1のLIDARチップ、及び、図3のLIDARアダプタを有するLIDARシステムの平面図である。
【0015】
図6は、共通のマウントに図2のLIDARチップ、及び、図4のLIDARアダプタを有するLIDARシステムの平面図である。
【0016】
図7Aは、LIDARシステムで使用するための好適な処理ユニットの一例の概略図である。
【0017】
図7Bは、処理ユニットの電子機器と光センサとの関係の概略図である。
【0018】
図7Cは、システム出力信号のための好適な周波数パターンの一例を示す。
【0019】
図8Aから図8Cは、LIDARシステムから出力される信号のための光源として機能する光システムの例を示す。
【0020】
図9Aは、アイソレータアダプタと共に用いられるLIDARチップを有するLIDARシステムの一部の平面図である。
【0021】
図9Bは、アイソレータアダプタと共に用いられるLIDARチップを有するLIDARシステムの一部の平面図である。
【0022】
図10Aは、LIDARアダプタ、及び、アイソレータアダプタと共に用いられるLIDARチップを有するLIDARシステムの平面図である。
【0023】
図10Bは、LIDARアダプタ、及び、アイソレータアダプタと共に用いられるLIDARチップを有するLIDARシステムの平面図である。
【0024】
図11は、図8Aから図8Cの光システムでの使用に好適な光源の一例の平面図である。
【0025】
図12図は、8Aから図8Cの光システムに用いるのに好適な光アイソレータの一例の側
【0026】
図13は、図8Aから図8Cの光システムに用いるのに好適なコンポーネントの実施形態の概略図である。
【0027】
図14は、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハから構成されるLIDARチップの一部の断面図である。
【0028】
図15Aから図15Fは、ゲインチップと導波路との間の好適なインターフェイスの例を示す。図15Aは、インターフェイスを有するLIDARチップの一部の平面図である。
【0029】
図15Bは、Bでラベル付けられる線に沿ってとられた図15Aに示された導波路の断面である。
【0030】
図15Cは、ゲインチップの斜視図である。
【0031】
図15Dは、図15AにおいてCでラベル付けられるブラケットの間に伸びる線に沿ってとられたゲインチップの断面である。
【0032】
図15Eは、図15AにおいてDでラベル付けられるブラケットの間に伸びる線に沿ってとられたゲインチップの断面である。
【0033】
図15Fは、図15AにおいてEでラベル付けられるブラケットの間に伸びる線に沿ってとられた図15Aのゲインチップの断面である。
【0034】
図16は、光源で用いられるのに好適な部分帰還装置の一部の斜視図である。
【0035】
図17Aは、LIDARチップを増幅チップと光学的に結合するためのインターフェイスを有するLIDARチップの一部の斜視図である。
【0036】
図17Bは、増幅チップの一実施形態の斜視図である。
【0037】
図17C、及び、図17Dは、図17Bの増幅チップとインターフェイス接続する図17AのLIDARチップを有するLIDARシステムの一部を示す。図17Cは、LIDARシステムの平面図である。
【0038】
図17Dは、図17CにおいてBでラベル付けられたブラケットを通って伸びる線に沿ってとられたシステムの断面の側面図である。
【0039】
図18は、LIDARチップのためのプラットフォームとして機能できるウェハの斜視図である。
【0040】
図19は、導波路に自由キャリアを注入するように構成されるキャリア注入器の実施形態の断面図である。
【0041】
図20は、導波路に自由キャリアを注入するように構成されるキャリア注入器の実施形態の断面図である。
【0042】
図21Aから図21Gは、図19にしたがって構成されるキャリア注入器を製造するための方法を示す。図21Aは、ウェハ、又は、チップの断面である。
【0043】
図21Bは、図21Aのウェハ、又は、チップに形成される凹部を有する装置前駆体の断面である。
【0044】
図21Cは、図21Bのデバイス前駆体の凹部にドーパントホスト材料を有する装置前駆体の断面である。
【0045】
図21Dは、図21Cの装置前駆体にマスクを有する装置前駆体の断面である。
【0046】
図21Eは、マスクの形成後、露出されたドーパントホスト材料をエッチングする図21Dの装置前駆体の断面である。
【0047】
図21Fは、図21Eのドーパントホスト材料にドープ領域を有する装置前駆体の断面である。
【0048】
図21Gは、図21Fのドーパントホスト材料に導体を有する装置前駆体の断面である。
【0049】
図22Aから図22Gは、図20に示すように構成されたキャリア注入器を製造するための方法を示す。図22は、図21Bの装置前駆体を示す。
【0050】
図22Bは、図22Aの装置前駆体の光透過媒体に第2のドープ領域を有する装置前駆体の断面である。装置前駆体は、図21Aのウェハ、又は、チップに形成される凹部を有する。
【0051】
図22Cは、図22Bの装置前駆体の凹部にドーパントホスト材料を有する装置前駆体の断面である。
【0052】
図22Dは、図22Cの装置前駆体にマスクを有する装置前駆体の断面である。
【0053】
図22Eは、マスクの形成後、露出されたドーパントホスト材料をエッチングする図22Dの装置前駆体の断面である。
【0054】
図22Fは、図22Eのドーパントホスト材料にドープ領域を有する装置前駆体の断面である。
【0055】
図22Gは、図22Fのドーパントホスト材料に導体を有する装置前駆体の断面である。
【発明の詳細な説明】
【0056】
キャリア注入器に関する実施形態は、シリコンを通って光信号を案内する導波路に自由キャリアを注入し、及び/又は、シリコン内に光信号を閉じ込めるように構成されている。キャリア注入器は、シリコンのドープ領域を有していない。結果として、キャリア注入器を有する光集積回路は、シリコンの添加に関連付けられる高い温度に曝されない。
【0057】
キャリア注入器の別の実施形態は、シリコンを通って光信号を案内し、及び/又は、シリコン内に光信号を閉じ込める導波路に自由キャリを注入するように構成されている。キャリア注入器は、シリコンのドープ領域を有し、また、ドーパントホスト材料のドープ領域を有している。ドーパントホスト材料を、シリコンの添加、及び、アニールの後に、キャリア注入器に添加できる。結果として、ドーパントホスト材料は、シリコンのアニールに関連付けられる高い温度に曝されない。
【0058】
図1は、LIDARシステムとして機能することができる、又は、LIDARチップに加える構成要素を有するLIDARシステムに含めることができるLIDARチップの概略平面図である。LIDARチップは、光集積回路(PIC)を有することができ、及び、光集積回路チップにできる。LIDARチップは、光システム信号を出力する光システム10を有する。適切な光システム10は、これに限定されないが、外部共振器レーザ(ECL)、分布帰還レーザ(DFB)、離散モード(DM)レーザ、量子ドット(QD)レーザ、及び、分布ブラッグ反射器レーザ(DBR)のような半導体レーザを有する。
【0059】
LIDARチップは、光システム10からの光システム信号を受信するユーティリティ導波路11を有する。ユーティリティ導波路11は、光システム信号を受信するスプリッタ12を有する。スプリッタ12は、ユーティリティ導波路11上に出射LIDAR信号を出力する。
【0060】
ユーティリティ導波路11は、LIDARデータが生成される光信号を処理するLIDARエンジン13に出射LIDAR信号を搬送する。LIDARエンジン13は、ユーティリティ導波路11が終端するファセット14を有する。ユーティリティ導波路11は、出射LIDAR信号をファセット14に搬送する。
【0061】
ファセット14は、光増幅器16の第1のファセット15に、光学的に、位置合わせされている。光増幅器は、第2のファセット18で終端する増幅導波路17を有している。出射LIDAR信号は、ユーティリティ導波路11のファセット14を通って、第1のファセット15を通って、移動し、そして、増幅導波路17で受信される。増幅導波路17は、出射LIDAR信号を第2のファセット18に搬送する。第2のファセット18を、第2のファセット18を通って進む出射LIDAR信号がチップを出て、そして、LIDAR出力信号として機能するように配置できる。例えば、第2のファセット18を、LIDARチップの端部、又は、その近傍に配置し、第2のファセット18を通って進む出射LIDAR信号がチップを出て、そして、LIDAR出力信号として機能するようにできる。光増幅器16は、任意である。結果として、ユーティリティ導波路11のファセット14を通過するLIDAR出力信号の部分は、LIDARチップから出ていき、そして、LIDAR出力信号として機能できる。場合によっては、LIDARチップから出ていくLIDAR出力信号の部分も、システム出力信号とみなすことができる。一例として、LIDARチップからのLIDAR出力信号の出口が、LIDARシステムからのLIDAR出力信号の出口でもある場合、LIDAR出力信号も、システム出力信号とみなすことができる。
【0062】
LIDAR出力信号からの光は、システム出力信号においてLIDARシステムから離れるように移動する。システム出力信号は、LIDARシステムが配置される大気の自由空間を通って移動できる。システム出力信号は、システム出力信号の経路における1つ以上の物体によって反射される可能性がある。システム出力信号が反射されると、反射光の少なくとも一部は、システム戻り信号としてLIDARチップに向かって戻って来る。
【0063】
システム戻り信号からの光を、LIDARチップによって受信される第1のLIDAR入力信号に搬送できる。場合によっては、システム戻り信号の一部は、第1のLIDAR入力信号として機能できる。LIDARエンジン13は、ファセット20で終端する比較導波路19を有する。第1のLIDAR入力信号は、ファセット20を介して、比較導波路19に入り、そして、第1の比較信号として機能する。比較導波路19は、第1の比較信号を、LIDARデータ(LIDARシステムと、LIDARシステムの外部に位置する1つ以上の物体との間の半径速度、及び/又は、距離)が生成される電気信号に変換するように構成される処理ユニット21に搬送する。
【0064】
スプリッタ12は、ユーティリティ導波路11からの光システム信号の一部を、第1の参照信号として、参照導波路24に移動する。参照導波路24は、さらなる処理のために、第1参照信号を、処理ユニット21に搬送する。
【0065】
スプリッタ12によってユーティリティ導波路11から転送される光の割合を、固定、又は、実質的に固定できる。例えば、スプリッタ12を、参照導波路24に転送される第1の参照信号のパワーが、光システム信号のパワーの所定割合となるように構成できる。いくつかの例では、割合は、5%、10%、又は、20%より大きく、及び/又は、50%、又は、60%より小さい。適切なスプリッタ22は、これらに限定されないが、光カプラ、Y接合、傾斜カプラ、及び、マルチモード干渉(MMI)装置を含む。
【0066】
図2は、LIDARシステムとして機能できる、又は、LIDARチップに加える構成要素を有するLIDARシステムに含めることができるLIDARチップの概略平面図である。図2のLIDARチップは、複数のLIDAR入力信号を処理するように修正された図1のLIDARチップを示す。前述のように、システム出力信号からの光がLIDARシステムの外部に配置される物体によって反射されると、少なくとも反射光の一部は、システム戻り信号においてLIDARチップに向かって戻って来る可能性がある。
【0067】
システム戻り信号からの光を、LIDARチップによって受信される第2のシステムLIDAR入力信号に搬送できる。場合によっては、システム戻り信号の一部は、第2のLIDAR入力信号として機能できる。LIDARチップは、ファセット38で終端する第2の比較導波路36を有する。第2のLIDAR入力信号は、ファセット38を通って第2の比較導波路36に入り、そして、第2の比較信号として機能する。第2の比較導波路36は、第2の比較信号を、LIDARデータ(LIDARシステムと、LIDARシステムの外部に位置する1つ以上の物体との間の半径速度、及び/又は、距離)が生成される電気信号に変換するように構成される第2の処理ユニット40に搬送する。
【0068】
参照導波路24は、第1の参照信号をスプリッタ42に搬送する。スプリッタ42は、参照導波路24からの出射LIDAR信号の一部を第2の参照信号として第2の参照導波路44に移動する。第2参照導波路44は、さらなる処理のために、第2の参照信号を第2の処理ユニット40に搬送する。
【0069】
以下においてより詳細に説明されるように、第1の処理ユニット21、及び、第2の処理ユニット40は、それぞれ、比較信号を参照信号と組み合わせて、視野のサンプル領域のためのLIDARデータを搬送する合成信号を形成する。したがって、合成信号を、サンプル領域に関するLIDARデータ(1つ以上の反射物体材料インジケータ、LIDARシステムとLIDARシステムの外部の物体との間の半径方向速度、及び、LIDARシステムと物体との間の距離からなる群から選択される1つ以上のデータ)を抽出するように、処理できる。
【0070】
いくつかの例では、図1、又は、図2に従って構成されるLIDARチップを、LIDARアダプタと共に用いる。場合によっては、LIDARアダプタを、LIDARチップ、並びに、1つ以上の反射物体、並びに/若しくは、第1のLIDAR入力信号、及び/又は、LIDAR出力信号がLIDARチップから視野に移動する光路が、LIDARアダプタを通って進む視野との間に、物理的に、光学的に、配置できる。さらに、第1のLIDAR入力信号,及び、LIDAR出力信号が、LIDARアダプタとLIDARチップとの間で異なる光路であるが、LIDARアダプタと視野の反射物体との間で同じ光路で移動するように、LIDARアダプタを、システム戻り信号からの光、及び、LIDAR出力信号からの光で作動するように、構成できる。さらに、又は、あるいは、第2のLIDAR入力信号,及び、LIDAR出力信号が、LIDARアダプタとLIDARチップとの間で異なる光路であるが、LIDARアダプタと視野の反射物体との間で同じ光路で移動するように、LIDARアダプタを、システム戻り信号からの光、及び、LIDAR出力信号からの光で作動するように、構成できる。
【0071】
図1のLIDARチップと共に用いるのに適したLIDARアダプタの例を、図3に示す。LIDARアダプタは、ベースに配置される複数のコンポーネントを有している。例えば、LIDARアダプタは、ベース102上に配置されたサーキュレータ100を有する。図示された光サーキュレータ100は、3つのポートを有し、また、1つのポートに入る光が次のポートから出るように構成される。例えば、図示された光サーキュレータは、第1のポート104、第2のポート106、及び、第3のポート108を有する。LIDAR出力信号は、LIDARチップのユーティリティ導波路11から第1のポート104に入り、そして、アセンブリ出力信号として、第2のポート106から出て行く。
【0072】
アセンブリ出力信号は、LIDARチップから受信されるLIDAR出力信号からの光を、有し、構成し、又は、本質的に構成する。したがって、アセンブリ出力信号は、LIDARチップから受信されるLIDAR出力信号と、同じ、又は、実質的に同じになるだろう。しかしながら、LIDARチップから受信されるアセンブリ出力信号とLIDAR出力信号との間に差異があってもよい。例えば、LIDAR出力信号は、LIDARアダプタを通って進むにつれて、光損失を経験することがあり、及び/又は、LIDARアダプタは、LIDARアダプタを通って進むにつれて、LIDAR出力信号を増幅するように構成される増幅器110を、任意で、有してもよい。
【0073】
サンプル領域内の1つ以上の物体がアセンブリ出力信号からの光を反射するとき、少なくとも反射される光の一部は、アセンブリ戻り信号として、サーキュレータ100に戻って来る。少なくともアセンブリ戻り信号からの光の一部は、第2のポート106を通ってサーキュレータ100に入る。図3は、LIDAR出力信号、及び、同じ光路に沿ってLIDARアダプタとサンプル領域との間を移動するアセンブリ戻り信号を示す。
【0074】
アセンブリ戻り信号は、第3のポート108を通ってサーキュレータ100を出て、そして、LIDARチップの比較導波路19に方向付けられる。したがって、アセンブリ戻り信号からの光は、第1のLIDAR入力信号として機能でき、及び、第1のLIDAR入力信号は、アセンブリ戻り信号からの光を、有し、又は、構成する。
したがって、LIDAR出力信号、及び、第1のLIDAR入力信号は、異なる光路に沿ってLIDARアダプタとLIDARチップとの間を移動する。
【0075】
図3から明らかなように、LIDARアダプタは、サーキュレータ100に加えて、任意で、光学コンポーネントを有することができる。例えば、LIDARアダプタは、LIDAR出力信号、及び、LIDAR戻り信号の光路を方向付け、及び、制御するためのコンポーネントを有することができる。一例として、図3のアダプタは、LIDAR出力信号がサーキュレータ100に入る前にLIDAR出力信号を受信し、及び、増幅するように配置される任意の増幅器110を有している。増幅器110、及び/又は、増幅器16を、電子機器62によって操作し、電子機器62が、LIDAR出力信号のパワー制御するようできる。
【0076】
光学コンポーネントは、1つ以上のビーム整形コンポーネントを有することができる。例えば、図3は、任意の第1のレンズ112、及び、任意の第2のレンズ114を有するLIDARアダプタを示している。第1のレンズ112を、LIDAR出力信号を所望の位置に結合するように構成できる。場合によっては、第1のレンズ112を、所望の位置で、LIDAR出力信号を焦点に収束するように、又は、コリメートするように構成する。一例では、第1のレンズ112を、LIDARアダプタが増幅器110を有さない場合、LIDAR出力信号を第1のポート104に結合するように構成する。別の例として、LIDARアダプタが増幅器110を有する場合、第1のレンズ112を、入口ポートのLIDAR出力信号を増幅器110に結合するように構成できる。第2のレンズ114を、アセンブリ戻り信号を所望の位置で結合するように構成できる。場合によっては、第2のレンズ114を、アセンブリ戻り信号を所望の位置で焦点に集まるように、又は、コリメートするように構成する。例えば、第2のレンズ114を、アセンブリ戻り信号を比較導波路19のファセット20に結合するように構成できる。
【0077】
LIDARアダプタは、また、ミラー、又は、プリズムのような1つ以上の方向変更コンポーネントを有することができる。図3は、LIDAR戻り信号をサーキュレータ100から比較導波路19のファセット20にリダイレクトする方向変更コンポーネント115としてのミラー115を有するLIDARアダプタを示している。
【0078】
図4は、LIDARアダプタが図2のLIDARチップと共に用いるのに適しているように修正された図3のLIDARシステムを示している。光システム10からの光は、典型的には直線偏光である。したがって、典型的なシステム出力信号は、一次、又は、閉鎖偏光状態の光を搬送する。システム出力信号の反射は、システム出力信号の全部、又は、一部の偏光状態を変更できる。例えば、図4のLIDARシステムを、この反射に起因する偏光状態の変化を補償するように操作する。
【0079】
図4のLIDARアダプタは、サーキュレータ100からアセンブリ戻り信号を受信する偏光スプリッタ116を有する。偏光スプリッタ116は、アセンブリ戻り信号を第1の戻り信号と第2の戻り信号とに分割する。第1の戻り信号は、LIDARチップの比較導波路19に方向付けられ、そして、図1の内容に関して説明されている第1のLIDAR入力信号として機能する。第2の戻り信号は、偏光回転器118に方向付けられる。偏光回転器118は、LIDARチップの第2の比較導波路36に方向付けられ、そして、第2のLIDAR入力信号として機能する第2のLIDAR入力信号を出力する。
【0080】
偏光スプリッタ116の一例は、第1の戻り信号は、第1の偏光状態を有するが、第2の偏光状態を有さない、又は、実質的に有さず、並びに、第2の戻り信号は、第2の偏光状態を有するが、第1の偏光状態を有さない、又は、実質的に有さないように、構成される。第1の偏光状態、及び、第2の偏光状態は、直線偏光状態にでき、及び、第2の偏光状態は、第1偏光状態とは異なる。例えば、第1の偏光状態は、TEにでき、及び、第2の偏光状態はTMにでき、若しくは、第1の偏光状態は、TMにでき、及び、第2の偏光状態は、TEにできる。場合によっては、光システムは、LIDAR出力信号が第1の偏光状態を有するように、直線偏光されてもよい。適切な偏光スプリッタ116は、限定されないが、ウォラストロン・プリズム、MEMSベースの偏光ビームスプリッタを含む。
【0081】
偏光回転子を、システム戻り信号の第1の部分、及び/又は、システム戻り信号の第2の部分の偏光状態を変化させるように構成できる。例えば、図4に示す偏光回転子118を、システム戻り信号の第2の部分の偏光状態を第2の偏光状態から第1の偏光状態へ偏光するように構成できる。結果として、第2のLIDAR入力信号は、第1の偏光状態を有するが、第2の偏光状態を有さず、又は、実質的に有さない。したがって、第1のLIDAR入力信号、及び、第2のLIDAR入力信号は、それぞれ、同じ偏光状態(この例では、第1の偏光状態)を有する。同じ偏光状態の光を搬送するにもかかわらず、第1のLIDAR入力信号、及び、第2のLIDAR入力信号は、偏光ビームスプリッタの使用の結果として、異なる偏光状態に関連付けられる。例えば、第1のLIDAR入力信号は、第1の偏光状態で反射される光を搬送し、また、第2のLIDAR入力信号は、第2の偏光状態で反射される光を搬送する。結果として、第1のLIDAR入力信号は、第1の偏光状態に関連付けられ、また、第2のLIDAR入力信号は、第2の偏光状態に関連付けられる。
【0082】
第1のLIDAR入力信号、及び、第2のLIDAR入力信号は、同じ偏光状態の光を搬送するため、第1のLIDAR入力信号からの比較信号は、第2のLIDAR入力信号からの比較信号と同じ偏光状態を有する。その結果、偏光回転子118は、第1のLIDAR入力信号からの比較信号、及び、第1の参照信号が、同じ偏光状態を有し、並びに、第2のLIDAR入力信号からの比較信号、及び、第2の参照信号が、同じ偏光状態を有するように、配置される。この結果は、LIDARシステムのコンポーネントに関する他の配置で達成できる。例えば、システム戻り信号の第2の部分の偏光状態よりも、第2の参照信号の偏光状態を回転させるように、偏光回転子118を、配置できる。
【0083】
適切な偏光回転子118は、これらに限定されないが、変更保持ファイバの回転、ファラデー回転子、半波長板、MEMSベースの偏光回転子、並びに、非対称y-分岐、マッハ・ツェンダ干渉計、及び、マルチモード干渉カプラを用いる統合光偏光回転子を含む。
【0084】
出射LIDAR信号は直線偏光であるため、第1の参照信号は、第2の参照信号と同じ直線偏光状態を有することができる。
また、第1の参照信号、第2の参照信号、比較信号、及び、第2の比較信号が、それぞれ、同じ偏光状態を有するように、LIDARアダプタのコンポーネントを、選択できる。図4の内容で開示される例では、第1の比較信号、第2の比較信号、第1の参照信号、及び、第2の参照信号は、それぞれ、第1の偏光状態の光を有することができる。
【0085】
図4のLIDARアダプタは、受動光学部品を有する追加の光学コンポーネントを有することができる。例えば、LIDARアダプタは、任意の第3のレンズ126のようなビーム整形コンポーネントを有することができる。第3のレンズ126を、所望の位置で第2のLIDAR出力信号を結合するように、構成できる。場合によって、第3のレンズ126は、所望の位置で、第2のLIDAR出力信号を焦点に合わせ、又は、コリメートする。例えば、第2の比較導波路36のファセット38で第2のLIDAR出力信号を焦点に合わせ、又は、コリメートするように、第3のレンズ126を、構成できる。LIDARアダプタは、また、ミラー、及び、プリズムのような1つ以上の方向変更コンポーネント124を有する。図4は、サーキュレータ100からの第2の戻り信号を、第2の比較導波路36のファセット38に、及び/又は、第3のレンズ126に、リダイレクトする方向変更コンポーネントとしてのミラー124を有するLIDARアダプタを示している。
【0086】
LIDARチップは、1つ以上の光信号の光路を制約する1つ以上の導波路を有する。LIDARアダプタは、導波路を有することができる一方、 LIDARアダプタのコンポーネントの間、及び/又は、LIDARチップとLIDARアダプタのコンポーネントとの間で信号が移動する光路は、自由空間にできる。例えば、信号は、LIDARアダプタの異なるコンポーネントの間、及び/又は、LIDARアダプタのコンポーネントとLIDARチップとの間を移動する時に、LIDARチップ、LIDARアダプタ、及び/又は、ベース102が配置される大気を通って移動できる。結果として、LIDARアダプタのコンポーネントは、ベース102に取り付けられる分離した光学コンポーネントにできる。いくつかの例では、LIDARアダプタは、導波路を除外する。さらに、又は、あるいは、LIDARアダプタの少なくとも1対のコンポーネントの間を移動する光信号が、自由空間領域がどの方向にも光信号を閉じ込めない、少なくとも0.1mm、5mm、又は、10mmの距離の自由空間領域を通って移動するように、LIDARアダプタの光学コンポーネントを、配置できる。さらに、又は、あるいは、LIDARチップの光学コンポーネントは、LIDARチップの光学コンポーネントの間を移動する光信号が自由空間を通って移動しないように、又は、LIDARチップのコンポーネントの間を移動する光信号が、自由空間領域がどの方向にも光信号を閉じ込めない、1ミクロン、又は、100ミクロンより大きい距離の自由空間領域を通って移動しないように、LIDARアダプタの光学コンポーネントを、配置できる。
【0087】
LIDARアダプタのための適切なベース102は、これらに限定されないが、基板、プラットフォーム、及び、プレートを含む。好適な基板は、これらに限定されないが、ガラス、シリコン、及び、セラミックスを含む.いくつかの例では、ベースは、単層の材料からなる。これらのコンポーネントは、基板に取り付けられる分離したコンポーネントにできる。分離したコンポーネントをベース102に取り付けるための好適な技術は、これらに限定されないが、エポキシ、はんだ、及び、機械的クランプを含む。一例では、1つ以上のコンポーネントは、統合コンポーネントであり、また、残りのコンポーネントは、分離コンポーネントである。別の例では、LIDARアダプタは、1つ以上の集積増幅器を有し、また、残りのコンポーネントは、分離コンポーネントである。
【0088】
LIDARシステムが、LIDARチップ、及び、LIDARアダプタを有する場合、LIDARチップ、電子装置、及び、LIDARアダプタを、LIDARチップ、LIDARアダプタ、及び、全て、又は、一部の電子装置が、共通のマウント128に配置されるLIDARアセンブリに含めることができる。好適な共通マウント128は、これらに限定されないが、ガラス板、金属板、シリコン板、及び、セラミック板を含む。一例として、図5は、共通のマウント128に、図1のLIDARチップ、及び、電子装置62、並びに、図3のLIDARアダプタを有するLIDARシステムの平面図である。他の例として、図6は、共通のマウント128に、図2のLIDARチップ、及び、電子装置62、並びに、図4のLIDARアダプタを有するLIDARシステムの平面図である。
【0089】
図5、及び、図6は、共通マウント128に配置される電子装置62を示しているが、全部、又は、一部の電子装置を、共通マウント128から外して配置できる。光システム10がLIDARチップから外れて配置されている場合、光システムは、共通マウント128の上に、又は、共通マウント128から外して配置できる。LIDARチップ、電子装置、及び/又は、LIDARアダプタを共通のマウント128に取り付けるために好適なアプローチは、これらに限定されないが、エポキシ、はんだ、及び、機械的クランプを含む。
【0090】
図5、及び、図6のLIDARシステムは、共通マウント128から少なくとも部分的に外れて配置される1つ以上のシステムコンポーネントを有することができる。好適なシステムコンポーネントの例は、これらに限定されないが、光リンク、ビーム整形コンポーネント、偏光状態回転子、ビーム操舵コンポーネント、光スプリッタ、光増幅器、及び、光減衰器を有する。例えば、図5、及び、図6のLIDARシステムは、アダプタからアセンブリ出力信号を受信し、及び、整形された信号を出力する1つ以上のビーム整形コンポーネント130を有することができる。1つ以上のビーム整形コンポーネント130を、所望の形状を有する整形された信号を提供するように、構成できる。例えば、1つ以上のビーム整形コンポーネント130を、焦点合わせされ、分岐し、コリメートされた整形された信号を出力するように、構成できる。図5、及び、図6において、1つ以上のビーム整形コンポーネント130は、コリメートされた整形信号を出力するように構成されるレンズである。
【0091】
図5及び図6のLIDARシステムは、任意で、1つ以上のビーム整形コンポーネント130から整形された信号を受信し、及び、システム出力信号を出力する1つ以上のビーム操舵コンポーネント134を有することができる。例えば、図5、及び、図6は、ビーム整形コンポーネント130から整形された信号を受信するビーム操舵コンポーネント134を示している。電子装置は、1つ以上のビーム操舵コンポーネント134を動作させて、システム出力信号を異なるサンプル領域135に操舵できる。サンプル領域は、LIDARシステムが信頼できるLIDARデータを提供するように構成される最大距離までLIDARシステムから離れて延伸できる。サンプル領域、互いに繋ぎ合わせて、視野を画定できる。例えば、LIDARシステムのための視野は、サンプル領域の組み合わせによって占有される空間、を有し、又は、から構成される。
【0092】
好適なビーム操舵コンポーネントは、これらに限定されないが、可動ミラー、MEMSミラー、光フェーズドアレイ(OPA)、光学格子、作動光学格子、及び、LIDARチップ、LIDARアダプタ、及び/又は、共通マウント128を移動するアクチュエータを有する。
【0093】
システム出力信号がLIDARシステム、及び、LIDARの外側に配置される物体136によって反射されるとき、反射光の少なくとも一部は、システム戻り信号としてLIDARシステムに戻る。LIDARシステムが1つ以上のビーム操舵コンポーネント134を有する場合、1つ以上のビーム操舵コンポーネント134は、オブジェクト136からのシステム戻り信号の少なくとも一部を受信できる。1つ以上のビーム整形コンポーネント130は、物体136からの、又は、1つ以上のビーム操舵コンポーネント134からのシステム戻り信号の少なくとも一部を受信でき、及び、アダプタによって受信されるアセンブリ戻り信号を出力できる。
【0094】
図5、及び、図6のLIDARシステムは、アダプタから、LIDARチップから、及び/又は、共通マウントの1つ以上のコンポーネントから、1つ以上のシステムコンポーネントに、光信号を搬送する任意の光学リンク138を有している。例えば、図5、及び、図6のLIDARシステムは、アセンブリ出力信号をビーム整形コンポーネント130に搬送するように構成される光ファイバを有している。光リンク138の使用によって、システム出力信号のソースをLIDARチップから遠隔に配置できるようになる。図示の光リンク138は、光ファイバであるが、他の光リンク138を用いることができる。他の好適な光学リンク138は、これらに限定されないが、自由空間光リンク、及び、導波路を含む。LIDARシステムが光リンクを除外する場合、1つ以上のビーム整形コンポーネント130は、アダプタから直接的にアセンブリ出力信号を受信できる。
【0095】
図7Aから図7Bは、前述のLIDARシステムにおける処理ユニット21、及び/又は、処理ユニット40としての使用に適した処理ユニット138の一例を示す。処理ユニット138は、比較導波路150からの比較信号寄与、及び、参照導波路152からの参照信号寄与を受信する。図7Aの比較導波路150は、図1の比較導波路19を表すことができる一方、図7Aの参照導波路152は、図1の参照導波路24である。あるいは、図7Aの比較導波路150は、図2の比較導波路19を表すことができる一方、図7Aの参照導波路152は、図2の参照導波路24である。これにより、処理部138は、比較信号寄与としとして第1の比較信号を、及び、参照信号寄与として第1の参照信号を受信できる。あるいは、図7Aの比較導波路150は、図2の第2の比較導波路36を表すことができる一方、図7Aの参照導波路152は、図2の第2の参照導波路44を表す。これにより、処理部138は、比較信号寄与として第2比較信号を、及び、参照信号寄与として第2参照信号を受信する。
【0096】
比較導波路150は、比較信号寄与を光合成コンポーネント154に搬送する。参照導波路152は、参照信号寄与を光合成コンポーネント154に搬送する。光合成コンポーネント154は、比較信号寄与、及び、参照信号寄与を合成信号に合成する。第1のLIDAR入力信号、及び、第1の参照信号からの比較信号は、同じ偏光状態を有している。さらに、図6に示されるように、LIDARアセンブリが、第2のLIDAR入力信号を処理する場合、第2のLIDAR入力信号、及び、第2の基準信号からの比較信号は、同じ偏光状態を有する。その結果、光合成コンポーネント154によって合成される比較信号寄与、及び、参照信号寄与は、同じ偏光状態となる。比較信号寄与と参照信号寄与との間の周波数の差に起因して、合成信号は、比較信号寄与と参照信号寄与との間でうなっている。例えば、合成信号は、第1の偏光状態の第1の参照信号、及び、第1の比較信号の合成から生じることができ、及び、第2の偏光状態の光を除外、又は、実質的に除外することができ、若しくは、合成信号は、第2の偏光状態の第1の参照信号、及び、第1の比較信号の合成から生じ、及び、第1の偏光状態の光を除外、又は、実質的に除外する。
【0097】
光合成コンポーネント154は、また、結果として生じる合成信号を第1の検知器導波路156、及び、第2の検知器導波路158に分割する。第1の補助検知導波路156は、合成信号の第1の部分を、合成信号の第1の部分を第1の電気信号に変換する第1の光センサ160に搬送する。第2の検知導波路158は、合成信号の第2の部分を、合成信号の第2の部分を第2の電気信号に変換する第2の光センサ162に搬送する。好適な光センサの例は、ゲルマニウム・フォトダイオード(PD)、及び、アバランチ・フォトダイオード(APD)を含む。
【0098】
場合によっては、光合成コンポーネント154は、合成信号の第1の部分に含まれる比較信号寄与が、合成信号の第2の部分における比較信号に対して180°ずれた位相となるが、合成信号の第2の部分における参照信号寄与が、合成信号の第1の部分における参照信号寄与と同相となるように、合成信号を分割する。あるいは、光合成コンポーネント154は、合成信号の第1の部分における参照信号寄与が、合成信号の第2の部分における参照信号に対して180°ずれた位相となるが、合成信号の第1の部分における比較信号寄与が、合成信号の第2の部分における比較信号の部分と同相となるように、合成信号を分割する。好適な光センサの例は、ゲルマニウム・フォトダイオード(PD)、及び、アバランチ・フォトダイオード(APD)を含む。
【0099】
図7Bは、処理ユニット138の電子装置と光センサとの間の関係の概略を提供する。フォトダイオード用のシンボルを、第1の光センサ160、及び、第2の光センサ162を表すために用いるが、これらのセンサの1つ以上は、他の構成を有してもよい。いくつかの例では、図7Bの概略図に示される全てのコンポーネントは、LIDARチップに含まれる。いくつかの例では、図7Bの概略図に示されるコンポーネントは、LIDARチップとLIDARチップから外れた電子装置との間に分配される。
【0100】
電子装置62は、平衡検出器164として、第1光センサ160、及び、第2光センサ162を接続できる。例えば、電子装置は、図7Bに示すように、第1の光センサ160を、第2の光センサ162と直列に接続できる。第1光センサ160と第2光センサ162との間の直列接続は、データ信号として、平衡検出器からの出力を搬送する。データ信号を、センサ出力線166に搬送でき、また、データ信号は、複合信号の電気的表現として機能できる。
【0101】
電子装置62は、データ信号に対して数学的変換を実行するように構成される変換機構168を有している。変換機構168は、センサ出力線166からデータ信号を受信するアナログ-デジタル変換器(ADC)170を有している。アナログ-デジタル変換器(ADc)170は、データ信号をアナログ形式からデジタル形式に変換し、そして、デジタルデータ信号を出力する。デジタルデータ信号は、データ信号のデジタル表現である。
【0102】
変換機構168は、デジタルデータ信号を受信するように構成される数学的操作コンポーネント172を有している。数学的操作コンポーネント172は、受信されたデジタルデータ信号に対して数学的操作を実行するように構成される。好適な数学的操作の例は、これらに限定されないが、フーリエ変換のような数学的変換を含む。一例では、数学的操作コンポーネント172は、時間領域から周波数領域に変換するように、デジタル信号に対してフーリエ変換を実行する。数学的変換は、実高速フーリエ変換(FFT)などの実変換にできる。実高速フーリエ変換(FFT)は、周波数の関数として大きさを示す出力を提供できる。結果として、高速フーリエ変換の出力におけるピークは、うなり信号のうなり周波数に対する正しい解を生じ、及び/又は、示すことができる。数学的操作コンポーネント172は、ファームウェア、ハードウェア、又は、ソフトウェア、若しくは、それらの組み合わせを用いて、帰属される機能を実行できる。
【0103】
電子装置は、変換コンポーネント168から出力を受信するLIDARデータ生成器174を有する。LIDARデータ生成器174は、変換コンポーネント168の出力にピーク検知を実行し、変換コンポーネント168の出力の周波数におけるピークを識別できる。LIDARデータ生成器174は、特定されたピークの周波数を、それぞれが、全ての、又は、一部の参照信号に対してうなっている全ての、又は、一部の比較信号から生じるうなり信号のうなり周波数として取り扱う。LIDARデータ生成器174は、特定されたうなり周波数を、LIDAR出力信号、及び/又は、システム出力信号の周波数パターンと組み合わせて用い、LIDARデータを生成することができる。
【0104】
図7Bに示すように、データ信号を搬送するセンサ出力線166は、任意で、増幅器176を有することができる。好適な増幅器176は、これに限定されないが、トランスインピーダンス・アンプ(TIA)を含む。
【0105】
図7Cは、λAでラベル付けされた実線を有し、また、LIDAR出力信号、及び、それに応じたシステム出力信号に関する好適な周波数パターンの一例を示している。したがって、実線は、参照信号の周波数パターンも表す。図7Cは、周期j、及び、周期j+1でラベル付けされた2つの周期のシーケンスにわたる周波数対時間パターンを示している。いくつかの例では、周波数対時間パターンは、図7Cに示されるように、各周期において繰り返される。図示された周期は、再配置期間を含まず、及び/又は、再配置期間は、周期の間に再配置されない。結果として、図7Cは、視野の複数の異なるサンプル領域へのシステム出力信号の連続スキャンの結果を示している。
【0106】
各周期は、それぞれ、期間インデックスkに関連付けられ、また、DPでラベル付けられるk個のデータ期間を有している。図7Cの例では、各周期は、(k=1、及び、2の)2つのデータ期間を有している。場合によっては、周波数対時間パターンは、図7Cに示されるように、異なる周期で互いに対応するデータ期間と同じである。対応するデータ期間は、同じ周期インデックスのデータ期間である。結果として、各データ期間DPを、同じチャネルインデックス(i)に関する対応するデータ期間とみなすことができ、また、関連付けられる周波数対時間パターンは、図7Cにおいて同じである。周期の終わりで、電子装置は、前の周期を開始した同じ周波数レベルに、周波数を戻す。
【0107】
各データ期間の間、システム出力信号の周波数は、一定の割合で、変化する。その割合は、ゼロにできるが、各周期におけるデータ期間の少なくとも一部は、ゼロでない割合で変化するシステム出力信号を有する。周波数変化の方向、及び/又は、割合は、同じ周期からのデータ期間の変化で変化する。例えば、データ期間DP、及び、データ期間DP2の間、電子装置は、システム出力信号の周波数が、1次割合αで変化するように、光システムを操作する。データ期間DPの間の周波数変化の方向は、データ期間DP 2の間の周波数変化の方向と反対である。
【0108】
同じサイクルの2つ以上の異なるデータ期間からのうなり周波数(fLDP)を結合し、LIDARデータを生成できる。例えば、図7CのDPから決定されるうなり周波数を、図7CのDP2から決定されるうなり周波数と結合し、サンプル領域に関するLIDARデータを決定できる。一例として、電子装置が、図7Cのデータ期間DPに見られるような、データ期間中に出射LIDAR信号の周波数を増加させるデータ期間中に、以下の式が適用される。fub=-f+ατ、ここで、fubは、数学的処理コンポーネント172の出力から決定されるうなり周波であり、fは、ドップラーシフト(f=2νf/c)を表し、ここで、fは光周波数(f)を表し、cは光の速度を表し、νは反射物体とLIDARシステムとの間の半径速度を表し、νは反射物体とLIDARシステムとの間の半径速度であり、ここで、反射物体からLIDARシステムに向かう方向を、正の方向と仮定し、及び、cは光の速度である。電子回路部が、図7Cのデータ期間DPに見られるような、出射LIDAR信号の周波数を減少させるデータ期間中に、以下の式が適用される。fdb=-f-ατ、ここで、fdbは、数学的処理コンポーネント172の出力から決定される周波である。これらの2つの式において、f、及び、τは未知数である。電子装置は、2つの未知数に関するこれら2つの方程式を解く。そして、サンプル領域に関する半径速度を、ドップラシフト(ν=c×f/(2f))から、決定でき、及び/又は、サンプル領域に関する分離距離を、c×f/2から、決定できる。変換によって出力される対応する各周波数対に関して、LIDARデータを、生成できるので、サンプル領域の各物体に関する別々のLIDARデータを、生成できる。したがって、電子装置は、視野の単一のサンプル領域の単一のサンプリングから、1つ以上の半径方向速度、及び/又は、1つ以上の半径方向分離距離を決定することができる。
【0109】
図7Cに示される周波数対時間パターンは、λでラベル付けられる点線も有している。それぞれ、異なる波長(λ、λ、λ、・・・)で、それぞれ、異なるチャネルを搬送できる複数の異なる光システム信号を出力するように、光システム10を、構成できる。λでラベル付けられる点線で示されるように、電子装置は、各光システム信号に、図7Cにしたがう周波数対時間パターンを提供するように、光システム10を作動できる。
【0110】
図6のLIDARシステムは、LIDAR信号の一部を受信できる第2の処理ユニット40を有している。例えば、 物体によるシステム出力信号の反射は、システム戻り信号の全ての部分の偏光角を変化させることがある。したがって、LIDAR信号は、反射物体から離れる異なる偏光状態の光を搬送できる 例えば、LIDAR信号の第1の部分、及び、LIDAR信号の第2の部分は、異なる偏光状態の光を有することができる。結果として、偏光スプリッタ116は、LIDAR信号を、LIDAR信号の第1の部分、及び、LIDAR信号の第1の部分に分割できる。LIDAR信号の第1の部分は、第1の処理ユニット21に方向づけられ、及び、LIDAR信号の第2の部分は、第2の処理ユニット40に方向づけられる。
【0111】
第1の処理ユニット21によって受信されるLIDAR信号の一部は、第1の比較信号として機能でき、また、第2の処理ユニット40によって受信されるLIDAR信号の一部は、第2の比較信号として機能できる。電子装置62は、第2の処理ユニット40からの出力を用いて、LIDARデータを生成できる。結果として、電子装置は、第1の処理ユニット21の出力から生ずる第1のLIDARデータ、及び、第2の処理ユニット40の出力から生ずる第2のLIDARデータを生成できる。結果として、図6LIDARシステム構成は、複数の異なる合成信号(すなわち、第1の処理ユニット21からの第1の合成信号、及び、第2の処理ユニット40からの第2の合成信号)から生成される視野の単一のサンプル領域のためのLIDARデータをもたらすことができる。
【0112】
いくつかの例では、サンプル領域に関するLIDARデータを決定することは、異なる合成信号(すなわち、合成信号、及び、第2の合成信号)から生ずるLIDARデータを合成する電子装置を有する。LIDARデータを合成することは、異なる複合信号から生成されたLIDARデータの平均、中央値、又は、モードをとることを有することができる。例えば、電子装置は、合成信号から決定されるLIDARシステムと反射物体との間の距離と、第2の合成信号から決定される距離との平均をとることができ、及び/又は、電子装置は、合成信号から決定されるLIDARシステムと反射物体との間の半径方向速度と、第2の合成信号から決定される半径方向速度との平均をとることができる。
【0113】
いくつかの例では、サンプル領域のためのLIDARデータを決定することは、最も現実を表すLIDARデータ(代表LIDARデータ)のソースとして、1つ以上の合成信号(すなわち、合成信号、及び/又は、第2の合成信号)を識別する電子装置を有している。次いで、電子装置は、追加の処理に用いられる代表LIDARデータとして、識別された合成信号からのLIDARデータを用いることができる。例えば、電子装置は、代表LIDARデータを有するとして、より大きい振幅を有する信号(合成信号、又は、第2の合成信号)を識別でき、また、LIDARシステムによってさらに処理するために、識別された信号からのLIDARデータを用いることができる。いくつかの例では、電子装置は、代表LIDARデータを有する合成信号を識別することを、異なるLIDAR信号からのLIDARデータを合成することに、合成する。例えば、電子装置は、代表LIDARデータを有するとして、振幅閾値を超える振幅で各合成信号を識別でき、そして、代表LIDARデータを有するとして、2つ以上の合成信号が識別される場合、電子装置は、各識別された合成信号からのLIDARデータを合成できる。代表LIDARデータを有するとして、1つの合成信号が識別される場合、電子装置は、代表LIDARデータとして、その合成信号からのLIDARデータを用いることができる。代表LIDARデータを有するとして、いずれの合成信号も識別されない場合、電子装置は、これらの合成信号に関連付けられるサンプル領域に関するLIDARデータを破棄できる。
【0114】
図8Aから図8Cは、前述のLIDARシステムと共に用いるのに好適な複数の異なる光システム構成を示している。光システム10は、光源200、及び、第1の光アイソレータ202を有することができる。光システムは、また、光源200の動作を制御するための制御コンポーネント204を有することができる。例えば、電子装置は、フィードバック制御ループにおいて、制御コンポーネント204からの出力を用い、光源200から出力されるソース信号のプロセス変数を制御できる。好適なプロセス変数の例は、制御される光信号の周波数、及び/又は、制御される光信号の位相を含む。
【0115】
図8Aに示すように、第1の光アイソレータ202を、光源200と制御コンポーネント204との間の光学的経路上に配置できる。結果として、第1の光アイソレータ202は、光源200によって出力されるソース信号から光を受信し、また、通過させるように構成される。電子装置は、制御コンポーネント204が第1の光アイソレータ202から受信した光を用い、光源200を制御するように、制御コンポーネント204を操作でき、及び、予備光システム信号を出力できる。予備光システム信号は、ユーティリティ導波路11の光システム信号として機能できる。
【0116】
光システム10の構成要素は、他の構成を有することができる。例えば、制御コンポーネント204を、図8Bに示すように、光源200と第1の光アイソレータ202との間の光学的経路上に配置できる。この例では、制御コンポーネント204は、ソース信号から光を受信し、そして、第2のソース信号を出力できる。第1の光アイソレータ202は、制御コンポーネント204から第2のソース信号を受信し、そして、予備光システム信号を出力できる。予備光システム信号は、ユーティリティ導波路11の光システム信号として機能できる。
【0117】
第1の光アイソレータ202は、複数の光アイソレータのうちの1つであってもよい。例えば、図8Cは、光源200と制御コンポーネント204との間の光学的経路に配置された第1の光アイソレータ202、及び、第2の光アイソレータ206を示している。第1の光アイソレータ202は、ソース信号から光を受信し、及び、通過するように構成されている。第2の光アイソレータ206は、第1の光アイソレータ202からの光を受信し、及び、伝送するように構成されている。
【0118】
図8Aから図8Cには示されていないが、光システムは、光源、1つ以上のアイソレータ、及び、制御コンポーネント104に加える構成要素を有することができる。例えば、光システムは、1つ以上のミラー、回折格子、固体スキャナのようなビーム操舵コンポーネントを有することができ、及び/又は、1つ以上のレンズのようなビーム整形コンポーネントを有することができる。
【0119】
いくつかの例では、図1または図2に従って構成されるLIDARチップは、アイソレータアダプタと共に用いられる。いくつかの例では、アイソレータアダプタは、物理的、光学的に、アイソレータアダプタを通ってLIDARチップから延伸し、そして、LIDARチップに戻る光学的経路に沿うことができる。加えて、アイソレータアダプタを、光が光学的経路に沿って一方向にのみ伝送されるように、光源からの信号からの光で動作するように構成できる。例えば、アイソレータアダプタは、光源からの光が、光源から1つ以上のアイソレータに向かってのみ移動するが、1つ以上のアイソレータから光源に向かって移動しないように構成できる。
【0120】
図9Aは、アイソレータアダプタと共に用いられるLIDARチップを有するLIDARシステムの一部を示している。LIDARシステムは、図8Cに従って構成される光システムを有している。光システムは、LIDARチップに含まれ、及び/又は、LIDARチップと統合される光源200、及び、制御コンポーネント204を有している。アイソレータアダプタは、ベースに配置される1つ以上の構成要素を有している。例えば、光システムは、LIDARチップに代わって、ベースに配置される少なくとも1つの光アイソレータを有している。例えば、 図9Aのアイソレータアダプタは、ベース208に配置される第1の光アイソレータ202、及び、第2の光アイソレータ206を有している。
【0121】
図9AのLIDARシステムにおける光システムは、光源200、1つ以上のアイソレータ、及び、制御コンポーネント104に加えて、光学コンポーネントを有している。例えば、光システムは、アイソレータアダプタのベース208に配置され、及び、ビーム操舵コンポーネントとして機能する1つ以上のミラー212を有している。光システム10は、また、アイソレータアダプタのベースに配置され、及び、ビーム整形コンポーネントとして機能する1つ以上のレンズ214を有している。レンズは、それぞれ、レンズに受信される光信号のコリメートを提供するように構成されている。
【0122】
LIDARシステムの作動の間、光源200は、ソース信号を出力する。ソース信号は、ソース導波路216で受信されるソース導波路は、ソース信号を、ソース信号が通って、LIDARチップから出ることができるポート218に搬送する。例えば、ソース導波路は、ポート218として機能するファセットで終端でき、及び、ソース信号は、ファセットを通ってLIDARチップから出ることができる。LIDARチップから出るソース信号の一部は、アイソレータアダプタの1つ以上の構成要素によって受信される。例えば、ソース信号からの光は、レンズ14の1つを通過し、そして、第1の光アイソレータ202で受信され、そこで、アダプタ信号として機能できる。第1の光アイソレータ202は、アダプタ信号を通過し、そして、通過したアダプタ信号をアイソレータ出力信号として出力できる。第1の光アイソレータ202から出力されるアイソレータ出力信号は、レンズ214のうちの1つを通過し、そして、第2の光アイソレータ206に向かって、アイソレータ出力信号からの光を方向付ける他の1つのミラー212に向かって、アイソレータ出力信号を方向付けるミラー212によって受信される。アイソレータ出力信号からの光は、第2の光アイソレータ206で受信され、そこで、第2のアダプタ信号として機能できる。第2の光アイソレータ206は、第2のアダプタ信号を通過し、そして、通過した第2アダプタ信号を第2のアイソレータ出力信号として出力できる。第2のアイソレータ出力信号からの光は、レンズ214のうちの1つを通過し、そして、アダプタ出力信号としてアイソレータアダプタを出る。
【0123】
LIDARチップは、アダプタ出力信号を受信できる。例えば、LIDARチップは、アイソレータアダプタから出る第2のアイソレータ出力信号の一部を受信できる。一例として、LIDARチップは、アイソレータアダプタからの第2のアイソレータ出力信号の少なくとも一部を受信するLIDARチップ導波路215を有することができる。LIDARチップ導波路215は、第2のアイソレータ出力信号からの光を制御コンポーネント204に搬送できる。制御コンポーネント204は、アイソレータアダプタから受信される第2のアイソレータ出力信号で動作し、そして、ユーティリティ導波路11に補助光システム信号を出力できる。補助光システム信号は、光システム信号として機能できる。電子装置は、制御コンポーネント204が第2のアイソレータ出力信号から、したがって、光源から、受信する光を用いて、光源200、及び/又は、システム出力信号の光学特性を制御するように、制御コンポーネント204を操作できる。
【0124】
第1の光アイソレータ202、及び、第2の光アイソレータ206は、光を一方向に送信する一方、逆方向に移動する光の送信を止め、又は、止めるように構成されている。例えば、LIDARチップ、及び/又は、アダプタの1つ以上の構成要素によって、光が光源100に向かって戻って反射される可能性がある。少なくとも図1、及び、図2の内容に開示された増幅器16、並びに/若しくは、少なくとも図3、及び、図4の内容に開示された増幅器110のような増幅器は、この戻り反射の大きなソースになる可能性がある。これらの増幅器からの戻り反射の量は、LIDARシステムの性能に影響を与えるのに十分となる可能性がある。1つ以上の光アイソレータは、戻り反射される光が光源に到達することを止め、又は、実質的に止めるように構成でき、したがって、LIDARシステムが、LIDARシステムの性能を損なうことなく、増幅の利点を有することを可能にできる。
【0125】
前述したように、LIDARチップは、1つ以上の光信号の光路を制約する1つ以上の導波路を有している。アイソレータアダプタは、導波路を有することができる一方、アイソレータアダプタの構成要素の間で、及び/又は、LIDARチップとアイソレータアダプタの構成要素との間で信号が移動する光路は、自由空間にできる。例えば、信号は、アイソレータアダプタの異なる構成要素の間を移動するときに、LIDARチップ、LIDARアダプタ、及び/又は、アイソレータアダプタが配置される大気を通って移動できる。結果として、アイソレータアダプタの構成要素は、ベース208に取り付けられる分離した光学コンポーネントにできる。
【0126】
場合によっては、アイソレータアダプタは、導波路を除外する。加えて、又は、若しくは、アイソレータアダプタの光学部品を、アイソレータの少なくとも1対の構成要素の間を移動する光信号が、自由空間領域があらゆる方向に光信号を閉じ込めることがない、少なくとも0.1mm、5mm、又は、10mmの距離の自由空間領域を通って移動するように、配置できる。加えて、又は、若しくは、LIDARチップの光学部品を、LIDARチップの光学部品の間を移動する光信号が、自由空間を通って移動しないように、又は、LIDARチップの光学部品の間を移動する光信号が、自由空間領域があらゆる方向に光信号を閉じ込めることがない、1mm、10mm、又は、50mmより大きい距離の自由空間領域を通って移動しないように、配置できる。
【0127】
アイソレータアダプタのための好適なベース108は、これらに限定されないが、基板、プラットフォーム、及び、プレートを含む。好適な基板は、これらに限定されないが、ガラス、シリコン、及び、セラミックスを含む。いくつかの例では、ベースは、単層の材料からなる。構成要素は、基板に取り付けられる分離する構成要素にできる。分離する構成要素を基部208に取り付けるための好適な技術は、これらに限定されないが、エポキシ、はんだ、及び、機械的クランプを含む。一例では、ベース208の1つ以上の構成要素は、統合された構成要素であり、及び、残りの構成要素は、分離する構成要素である。
【0128】
図9AのLIDARシステムは、図8Cに従って構成される光システムを有するが、第1の光アイソレータ202、又は、第2の光アイソレータ206を取り除くことによって、光システムを、図8Aの光システムに変換できる。
【0129】
図9Bは、図8Bに従って構築されるが、第1の光アイソレータ202、及び、第2の光アイソレータ206を有する光システムを有するように修正された図9AのLIDARシステムを示している。図9BのLIDARシステムの作動の間、ソース導波路は、光源200からのソース信号を制御コンポーネント204に搬送する。制御コンポーネント204は、光源200から受信するソース信号で作動し、そして、第2のソース導波路220に第2のソース信号を出力する。第2のソース導波路220は、第2のソース信号を、ソース信号が通って、LIDARチップから出ることができる第2のポート222に搬送する。例えば、第2のソース導波路220は、第2のポート222として機能するファセットで終端でき、また、第2のソース信号は、第2のソース導波路220のファセットを通ってLIDARチップから出ることができる。電子装置は、制御コンポーネント204が第2のソース信号から、また、したがってソース信号から受信する光を用いて、光源200、及び/又は、システム出力信号の特性を制御するように、制御コンポーネント204を作動できる。
【0130】
LIDARチップから出る第2のソース信号の一部は、アイソレータアダプタの1つ以上の構成要素によって受信される。例えば、第2のソース信号は、レンズ14の1つを通過し、そして、第1の光アイソレータ202で受信され、そこで、アダプタ信号として機能できる。第1の光アイソレータ202は、アダプタ信号を通し、そして、アダプタ信号の通過した部分、をアイソレータ出力信号として、出力できる。第1の光アイソレータ202から出力されるアイソレータ出力信号は、レンズ214の1つを通過し、そして、アイソレータ出力信号からの光を、第2の光アイソレータ206に向かって方向付けるミラー212の1つに向かってアイソレータ出力信号を方向付けるミラー212によって受信される。第2光アイソレータ206は、第2アダプタ信号を通し、そして、通した第2アダプタ信号を第2アイソレータ出力信号として出力できる。第2のアイソレータ出力信号からの光は、レンズ214の1つを通過し、そして、アダプタ出力信号として、アイソレータアダプタから出る。
【0131】
LIDARチップは、アダプタ出力信号を受信できる。例えば、LIDARチップは、アイソレータアダプタから出る第2のアイソレータ出力信号の一部を受信できる。一例として、LIDARチップのユーティリティ導波路11は、第2のアイソレータ出力信号から、アイソレータアダプタ光から受信できる。ユーティリティ導波路11によって受信された第2のアイソレータ出力信号の一部は、ユーティリティ導波路11の光システム信号として機能できる。
【0132】
図10Aは、アイソレータアダプタ、及び、図9Aの光システムを有するように修正された図5のLIDARシステムを示している。
【0133】
アイソレータアダプタを、LIDARアダプタと結合できる。例えば、アイソレータアダプタの光学構成要素、及び/又は、分離構成要素を、LIDARアダプタのベース102に配置できる。一例として、図10Bは、アイソレータアダプタの光学構成要素がLIDARアダプタからの構成要素と共にLIDARアダプタのベース102に配置されるように修正された図10AのLIDARシステムを示している。結果として、LIDARアダプタのベース102は、アイソレータアダプタのベース208として機能できる。
【0134】
図11は、光源の好適な構成の一例の平面図である。光源200は、レーザキャビティを有し、又は、それから構成される。光源は、レーザのためのゲインチップ224を有し、又は、それから構成される。光源は、ゲインチップ224から光信号を受信するキャビティ導波路225を有している。ゲインチップ224を、凹部226に配置でき、その結果、ゲインチップ224のファセットは、キャビティ導波路225のファセットと光学的に位置合わせさ、ゲインチップ224、及び、キャビティ導波路225が光信号を交換できることを可能にする。キャビティ導波路225は、光信号を部分帰還装置228に搬送する。図示される部分帰還装置228は、ブラッグ格子のような光学格子である。しかしながら、エチェル回折格子、及び、アレイ導波路格子のような他の部分帰還装置を、用いることができる。
【0135】
部分帰還装置228は、戻り信号として、光信号の一部をキャビティ導波路225に戻す。例えば、キャビティ導波路225は、戻り信号がゲインチップ224の利得媒体を通って移動するように、戻り信号をゲインチップ224に戻す。ゲインチップ224は、戻り信号の少なくとも一部が、キャビティ洞導波路225で受信される光信号に付加されるように構成される。例えば、ゲインチップ224は、利得媒体から受信される戻り信号を利得媒体に戻って反射する、高度な、完全な、又は、部分的な反射装置230を有することができる。その結果、光は、部分帰還装置228と反射装置230との間で共振し、分布ブラッグ反射器(DBR)レーザキャビティを形成できる。DBRレーザキャビティは、DFBレーザよりも本質的に狭い線幅、及び、より長いコヒーレンス長を有する外部共振器レーザであり、したがって、チップからのLIDAR出力信号を反射する物体が、チップからさらに離れて配置されるときの性能を改善する。
【0136】
部分帰還装置228は、空洞導波路225から受信された光信号の一部を、LIDARチップに含まれるソース導波路216に通過する。ソース導波路216が部分帰還素子228から受信する光信号の一部は、光源200から出力されるソース信号として機能する。
【0137】
キャビティ導波路225は、キャリア注入器229を有している。電子装置は、キャリア注入器229が自由キャリアをキャビティ導波路225に注入するように、キャリア注入器229を作動できる。キャビティ導波路225の自由キャリアの存在によって、キャビティ導波路225の少なくとも一部の屈折率が変化する。屈折率の変化は、キャビティ導波路225の光信号の位相の変化につながる。この位相変化は、光源200から出力されるソース信号の周波数の変化につながる。結果として、電子装置は、光源200から出力されるソース信号の周波数を調整するように、キャリア注入器229を作動できる。
位相チューナ、及び、外部キャビティレーザの構成、及び、作動に関するさらなる詳細は、米国特許出願シリアル番号17/026,270、出願日2020年9月20日、発明の名称「位相シフタを有する外部キャビティレーザ」において提供され、また、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0138】
図11に示す光源は、外部キャビティレーザである。しかしながら、光源は、他の構成を有していてもよい。例えば、光源を、分布帰還型レーザ、分布ブラッグ反射器レーザ、離散モードレーザ、及び、外部キャビティレーザからなる群から選択できる。分布帰還レーザ、分布ブラッグ反射器レーザ、離散モードレーザ、及び、外部キャビティレーザは、FMCW LIDARシステムに望まれる狭い線幅を提供する光源の例である。しかしながら、これらの光源は、他の光源よりも戻り反射に敏感であり、したがって、アイソレータアダプタの存在から最も強く利益を得る。
【0139】
図12は、アイソレータアダプタの第2の光アイソレータ206を第1の光アイソレータ202として使用するのに好適なアイソレータ232の例を示す。アイソレータ232は、アイソレータアダプタのベース208に複数の構成要素を有する。例えば、アイソレータ232は、第1の構成要素234、第2の構成要素236、及び、第4の構成要素238を有している。構成要素の機能は、所望のアイソレータの種類に応じて変更できる。例えば、アイソレータ232が偏光従属アイソレータ(A polarization dependent isolator)である場合、第1の構成要素234は、入力偏光子にでき、第2の構成要素236は、ファラデー回転子にでき、及び、第4の構成要素238は、分析器のような出力偏光子にできる。アイソレータ232が偏光独立アイソレータである場合、第1の構成要素234は、入力複屈折ウェッジにでき、第2の構成要素236は、ファラデー回転子にでき、及び、第4の構成要素238は、出力複屈折ウェッジにできる。アイソレータ232は、任意で、追加の構成要素、又は、3つよりも少ない構成要素を有することができる。アイソレータ232がファラデー回転子を有する場合、アイソレータ232は、ファラデー回転子に関連付けられる磁石を有することができる。アイソレータ232が磁石を有する場合、磁石は、ベース208に、又は、ベース208から離れて、配置できる。結果として、1つ以上のアイソレータ232構成要素を、アイソレータアダプタから離れて配置できる。
【0140】
図13は、LIDARシステムと共に用いるのに好適な制御コンポーネント204の実施形態を示している。制御コンポーネント204を、図9A図9Bの例示的な光システムに示すように、又は、異なる配置で、配置できる。制御コンポーネント204は、入力導波路240から入力信号を受信する。例えば、光システムが、図9Aに示されるように構築される場合、図9AのLIDARチップ導波路215に搬送されるソース信号の一部(第2のアイソレータ出力信号)は、図13の入力導波路240の入力信号として機能できる。光システムが、図9Bに示されるように構築されると、図9Bのソース導波路216に搬送されるソース信号の一部は、図13の入力導波路240の入力信号として機能できる。
【0141】
制御コンポーネント204は、出力導波路241に、出力信号を出力する。光システムが、図9Aに示すように構築される場合、出力導波路241の出力信号は、ユーティリティ導波路11に搬送される光システム信号として機能できる。システム出力信号は、光システム信号からの光を有し、又は、それから構成される。光システムが、図9Bに示すように構築される場合、出力導波路241の出力信号は、第2のソース導波路220に搬送される第2のソース信号として機能できる。システム出力信号は、光システム信号からの光を有し、又は、それから構成されるため、システム出力信号は、入力信号からの光を有し、又は、それから構成される。
【0142】
制御コンポーネント204は、入力導波路240からの入力信号の一部を制御導波路244に移動する方向性カプラ242を有している。入力信号の合成された部分は、タップ信号として機能する。図13は、入力信号の一部を制御導波路244に移動する方向性カプラ242を示しているが、他の信号タップ構成要素を用いて、入力導波路240からの制御信号の一部を、制御導波路244に移動できる。好適な信号タップ構成要素の例は、これらに限定されないが、Y接合、及び、MMIを含む。
【0143】
制御導波路244は、タップ信号を、タップ信号を分割し、そして、タップ信号の部分の間の位相差を用いて、タップ信号の異なる部分を再合成する干渉計246に搬送する。図示される干渉計246は、マッハ・ツェンダ干渉計であるが、他の干渉計を用いることができる。
【0144】
干渉計246は、干渉計導波路248に制御光信号を出力する。干渉計導波路248は、制御光信号を電気制御信号として機能する電気信号に変換する制御光センサ250に、制御光信号を搬送する。干渉計信号は、入力信号の周波数の関数である強度を有する。例えば、マッハ・ツェンダ干渉計は、正弦波状の制御光信号を出力する。チャープ入力信号の線形性の変化は、制御光信号の周波数の変化をもたらす。したがって、 制御光センサ250から出力される電気制御信号は、チャープ入力信号の線形性の関数である。システム出力信号は、入力信号からの光を有し、又は、それから構成されるので、システム出力信号の線形性は、制御光センサ250から出力される電気制御信号の関数である。
【0145】
前述したように、電子装置は、LIDARシステムの作動の間、システム出力信号の周波数を制御する。LIDARシステムは、複数のLIDARエンジンを有することができ、また、各LIDARエンジンは、1つ以上のシステム出力信号に含まれる光を出力できるため、LIDARシステムは、1つ以上のシステム出力信号を出力できる。電子装置は、異なるシステム出力信号の各々によって搬送されるチャネルが、図7Cの内容で説明されるような周波数対時間パターンを有するように、光システム10を作動できる。
【0146】
電子装置は、フィードバック・ループにおいて電気制御信号を用いて、1つ以上のシステム出力信号に所望の周波数対時間パターンを提供できる。前述のように、入力信号、及び、システム出力信号の線形性は、制御光センサ250から出力される電気制御信号の周波数を監視することによって制御される。したがって、電子装置62は、電気制御信号の周波数に応じて、システム出力信号の周波数チャープ率を調整できる。例えば、データ期間の間に1つ以上のシステム出力信号の周波数をチャープする一方、電子装置62は、電気制御信号の振幅の適切な値の範囲を、時間の関数として、有することができる。データ期間の間の複数の異なる時間で、電子装置62は、電気制御信号の周波数を、現在の時間に関連付けられる値の範囲と比較できる。システム出力信号の周波数が、電気制御信号周波数に関連付けられた範囲外にあることを、電気制御信号周波数が、示す場合、電子装置62は、光源200を作動し、システム出力信号の周波数を変更し、それが関連付けられた範囲内に入るようできる。システム出力信号の周波数が、電気制御信号振幅の関連付けられた範囲にあることを、電気制御信号周波数が、示す場合、電子装置62は、システム出力信号の周波数を変更しない。ソース信号、したがって、システム出力信号の周波数の調整に好適な方法は、これらに限定されないが、キャリア注入器229に印加されるバイアスのレベル調整を含む。
【0147】
電子装置62は、他のフィードバック制御ループ機構を採用し、1つ以上のシステム出力信号に所望の周波数対時間パターンを提供できる。例えば、他の好適な機構が、米国特許出願シリアル番号16/87987、発明の名称「LIDAR出力信号における信号チャープの監視」に開示されており、また、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0148】
LIDARチップのための適切なプラットフォームは、これに限定されないが、シリカ、リン化インジウム、及び、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハを含む。図14は、シリコン・オン・インシュレータ・ウエハから構成されるLIDARチップの一部の断面図である シリコン・オン・インシュレータ(SOI)・ウェハは、基板312と光透過媒体314との間に埋め込み層310を有している。シリコン・オン・インシュレータ・ウェハでは、 埋め込み層310は、シリカである一方、基板312、及び、光透過媒体314は、シリコンである。SOIウェハのような光学プラットフォームの基板312は、LIDARチップ全体のベースとして機能できる。例えば、上記のLIDARチップに示される光学部品を、基板312の上に、上方に、及び/又は、側方に、配置できる。
【0149】
図14は、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハから構成されるLIDARチップでの使用に好適な導波管構造を有するLIDARチップの一部の断面図である。光伝送媒体のリッジ316は、光伝送媒体のスラブ領域318から離れるように延伸する。光信号は、リッジ316の頂部と埋め込み酸化物層310との間に拘束される。
【0150】
リッジ導波路の寸法は、図14においてラベル付けされている。例えば、リッジは、wでラベル付けられる幅、及び、Hでラベル付けられる高さを有している。スラブ領域の厚さは、Tでラベル付けられる。LIDAR用途では、他の用途で用いられるよりもより高いレベルの光パワーを用いる必要があるため、これらの寸法は、他の寸法よりも重要である可能性がある。リッジ幅(wでラベル付けられる)は、1μmより大きく、及び、4μmより小さく、リッジ高さ(Hでラベル付けられる)は、1μmより大きく、及び、4μmより小さく、スラブ領域の厚さは、0.1μmより大きく、及び、3μmより小さい。これらの寸法は、導波路の直線、又は、実質的に直線の部分、導波路の湾曲の部分、及び、導波路のテーパの部分に適用できる。したがって、導波路のこれらの部分は、シングルモードとなる。しかしながら、場合によっては、これらの寸法は、導波路の直線、又は、実質的に直線の部分に適用する。加えて、又は、若しくは、導波路の湾曲部での光損失を低減するために、導波路の湾曲の部分は、薄くされたスラブ厚さを有することができる。例えば、導波路の湾曲の部分は、0.0μm以上であり、及び、0.5μmより小さい厚さでスラブ領域から離れるように延伸するリッジを有することができる。前述の寸法は、一般に、導波路の直線、又は、実質的に直線の部分にシングルモード構造を提供する一方、それらは、マルチモードであるテーパの部分、及び/又は、湾曲も部分をもたらすことができる。シングルモード・ジオメトリとマルチモード・ジオメトリとの間を、より高次モードを実質的に励起しないテーパを用いて、結合できる。これにより、導波路に搬送される信号を、マルチモード寸法を有する導波路の部分で搬送する場合でも、シングルモードで搬送するように、導波路を、構成できる。図14の内容で開示される導波路構造は、前述のLIDARチップの導波路の全部、又は、一部に好適である。
【0151】
LIDARチップの導波路とインターフェイス接続される光センサは、チップから分離され、及び、チップに取り付けられる構成要素にできる。例えば、光センサは、フォトダイオード、又は、アバランチ・フォトダイオードにできる。好適な光センサコンポーネントの例は、これらに限定されないが、日本の浜松市に所在のハママツにより製造されるInGaAs PINフォトダイオード、又は、日本の浜松市に所在のハママツにより製造されるInGaAs APD(アバランチ・フォトダイオード)を含む。これらの光センサを、LIDARチップにおいて、中心に配置できる。あるいは、光センサで終端する導波路の全部、又は、一部は、チップの端部に配置されるファセットで終端でき、及び、光センサがファセットを通って通過する光を受信できるように、光センサを、チップの端部に取り付けることができる。チップから離れる部品である光センサの使用は、第1の光センサ、及び、第2の光センサからなる群から選択される光センサの全部、又は、一部に好適である。
【0152】
分離する構成要素である光センサの代わりに、光センサの全部、又は、一部を、チップと統合できる。例えば、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハから構成されるチップのリッジ導波路とインターフェイス接続される光センサの例を、光学エクスプレスVol.15、No 21、13965-13971(2007)、米国特許番号第8,093,080号、発行日2012年1月10日、米国特許第8,242,432号、発行日2012年8月14日、及び、米国特許番号第6,108,8472号、発行日2000年8月22日に見つけることができ、そのそれぞれは、全体として本明細書に組み込まれる。チップと統合される光センサの使用は、第1の光センサ、及び、第2の光センサからなる群から選択される光センサの全部、又は、一部に好適である。
【0153】
図15Aから図15Fは、シリコン・オン・インシュレータ・プラットフォーム、又は、他のLIDARチップ・プラットフォームと共に用いるのに好適な、ゲインチップ224とキャビティ導波路225との間の好適なインターフェイスの例を示している。図15Aは、インターフェイスを有するLIDARチップの一部の平面図である。図15Aは、実線で示される他の構成要素の下に配置される構成要素、又は、構成要素の部分を、それぞれが示す破線を有している。図15Aにおいて破線で示される構成要素と他の構成要素との間の関係は、図15Bから図15Fにも示されている。図15Bは、図15Aに示されるキャビティ導波路225のBでラベル付けられる線に沿ってとられた断面である。Bでラベル付けられる線は、キャビティ導波路225のリッジ316を通って延在する。したがって、図15Bは、キャビティ導波路2516の断面を有している。導波路を、図14の内容で開示されるように構成できる。図15Cは、ゲインチップの斜視図である。図15Dは、図15AにおいてCでラベル付けられるブラケットの間に延びる線に沿ってとられたゲインチップ224の断面である。図15Eは、図15AにおいてDでラベル付けられるブラケットの間に延びる線に沿ってとられたゲインチップ224の断面である。図15Fは、図15AにおいてEでラベル付けられるブラケットの間に延びる線に沿ってとられた図15Aのゲインチップ224の断面である。LIDARチップは、他のプラットフォームが可能であるが、シリコン・オン・インシュレータ・プラットフォーム上にあるものとして図示されている。
【0154】
凹部226は、光伝送媒体314の中に、又は、光伝送媒体314を貫通して、延在している。凹部226が光伝送媒体314を貫通して延在している場合、凹部226は、埋め込み層310の中に、又は、それを貫通して延在できる。第2の凹部372は、基板312が、第2の凹部372の底から上方に延びるピラー373を有するように、凹部226の底に延在している。電気接点374は、第2の凹部372の底に配置される。光伝送媒体314上の第1の導体375は、電気接点374と電気的に連絡している。光伝送媒体314上の第2の導体376は、凹部226に隣接して配置されている。第1の導体375、及び、第2の導体376は、それぞれ、光伝送媒体314上のコンタクトパッド377と電気的に連絡している。コンタクトパッド377を用いて、電子装置とゲインチップ224との間に電気連絡を提供できる。
【0155】
ゲインチップ224は、利得媒体379を有している。利得媒体379は、3つのリッジを有している。中央リッジは、ゲイン導波路383の一部を規定する。導体384は、中央リッジ上に配置される。導体384は、中央リッジと電気的に連絡できる。例えば、導体384は、中央リッジと接触できる。第2の導電層380は、利得媒体379のリッジとは反対側に配置される。利得媒体379の中央リッジは、導体384と第2の導電層380との間にある。
【0156】
ゲインチップ224は、凹部226に、及び、第2の凹部372に延在するリッジを有するピラー373上に配置される。ゲインチップ224を、フリップチップ技術を用いて、LIDARチップに取り付けできる。レーザ。チップとシリコン・オン・インシュレータ・ウェハから構築されるチップとの間の好適なインタ-フェイスの例を、米国特許第9,705,278号、発行日2017年11月11日、及び、米国特許番号第5,991,484号、発行日1999年11月23日に見つけることができ、それぞれが、全体に組み込まれる。
【0157】
第3の導体381は、ゲインチップの第2の導電層380と第2の導体376との間に電気的な連絡を提供する。第3の導体381によって提供される第2の導電層380と第2の導体376との間の電気連絡を、ワイヤボンディングのような伝統的技術を用いて達成できる。
【0158】
中央リッジの導体384は、はんだ、又は、導電性エポキシのような導電媒体393を介して電気接点374と電気的に連絡している。第1の導体375は、電気接点374と電気的に連絡しているので、第1の導体375は、導体384と、したがって、中央リッジと、電気的に連絡している。
【0159】
ゲイン導波路383に電流を流すことにより、光信号を、利得媒体379から生成できる。第2導電層380と導体384との間の利得媒体に電流を流すように、第1の導体375と第2の導体375との間に電位差を印加することによって、電流を生成できる、この電位差を、電子機器によって提供できる。電子装置は、装置に含まれてもよく、また、装置とは離れるが、電気的に装置と結合されていてもよい。
【0160】
ゲインチップ224は、利得媒体379上に反射デバイス230を有している。一例では、反射デバイス230は、ミラーのような高反射構造である。好適な反射デバイス230は、これ限定されないが、利得媒体379の層上の金属層、又は、高反率(HR)コーティングのように構成される1つ以上の絶縁層を含む。ゲイン導波路383からの光は、ファセット386を通って利得媒体379を出て行く。図示されていないが、ファセット386は、任意で、窒化ケイ素のような1つ以上の反射防止コーティングを有することができる。
【0161】
利得媒体379は、下部利得媒体392と上部利得媒体394との間にサブ層390を有している。下部利得媒体392、及び、上部利得媒体394は、同一でも、又は、異なってもよい。好適な下部利得媒質392は、これに限定されないが、InP、ドープされたInP、窒化ガリウム(GaN)、InGaAsP、及び、GaAsを含む。好適な上側利得媒体394は、これに限定されないが、InP、InGaAsP、及び、GaAsを含む。異なるサブ層390は、異なる組成を有することができる。例えば、各サブ層390は、1つ以上の隣接するサブ層390とは異なるドーパント、及び/又は、ドーパント濃度を有することができ、及び/又は、各サブ層390は、異なるドーパント、及び/又は、ドーパント濃度を有することができる。一例として、各サブ層390は、InP、Ga、及び、Asからなる群から選択される2以上の成分を有し、又は、それで構成することができる。別の例では、各サブ層390は、P、並びに、Al、Ga、及び、Alからなる群から選択される0、1つ、又は、2つの成分を有し、又は、それらから構成され、 また、異なるサブ層390の各々は、異なる比率でこれらの成分を有している。前述の群から選択される複数の要素を有する材料の例は、In(x)P(1-x)、又は、In-Ga-As-Pのようなドーパントを用いた、又は、用いないInPの異なる組成を有している。さらに、異なるサブ層390の組成の間の格子不整合による応力を補償するために存在する他のサブ層390が存在してもよい。レーザリッジにおけるレーザモードの配置は、異なる組成の屈折率の結果として、異なるサブ層390によって決定される。利得媒体を、利得構造に基づく量子井戸ベースの内容で開示するが、他の適切な半導体利得構造を、量子ドットを有し、又は、それらから構成される利得媒体のような他の適切な半導体利得構造を、用いることができる。
【0162】
キャビティ導波路が入力ファセット387を介して光信号を受信するように、ゲインチップを、キャビティ導波路と位置合わせする。図示されないが、入力ファセット387は、任意で、窒化ケイ素のような1つ以上の反射防止コーティングを有することができる。入力端ファセット387とファセット386との間の空間を、固体、又は、流体である伝送媒体で充填できる。例えば、ファセット386と入力ファセット387との間の空間を、エポキシ、空気、又は、ゲルで充填できる。その結果、レーザ信号は、ゲインチップ224と入力ファセット387との間を、透過媒体を介して、直接的に移動できる。
【0163】
導波路の入力ファセット387を、利得導波路383の伝搬方向に対して、90度より小さい角度で傾斜させることができる。入力ファセット387を90度より小さい角度で傾斜させることによって、光信号が、入力ファセット387で反射され、導波路の外へ反射させることができ、したがって、戻り反射に関連する問題を低減できる。さらに、又は、若しくは、ゲイン導波路383のファセットを、ゲイン導波路383の伝搬方向に対して、90度余地小さい角度で傾斜させることができる。
【0164】
図16は、ブラッグ格子のような部分帰還装置228の一部の斜視図である。図示される部分帰還装置228は、シリコン・オン・インシュレー・タウェハ上に示されており、また、図14にしたがって構築される導波路で用いるのに好適である。部分帰還装置は、導波路のリッジ316の頂部に延在する溝398を有している。しかしながら、溝398は、リッジ316の側面、スラブ領域318、及び、リッジの頂部からなる群から選択される1つ以上の位置のような異なる位置に延在できる。
【0165】
図17Aは、LIDARチップを増幅チップと光学的に結合するためのインターフェイスを有するLIDARチップの一部の斜視図である。増幅チップは、光増幅器16、及び/又は、増幅器110と用いるのに好適である。LIDARチップの図示された部分は、増幅チップを受容するようにサイズ決めされた停止凹部430を有している。停止凹部430は、光伝送媒体314を通って延在している。図示されたバージョンでは、停止凹部430は、光伝送媒体314、埋め込み層310を通って、及び、基板312に、延在している。
【0166】
ユーティリティ導波路11のファセット14は、停止凹部430の側面として機能する。図示しないが、ユーティリティ導波路11のファセット14は、反射防止コーティングを有することができる。好適な反射防止コーティングは、これに限定されないが、窒化ケイ素、又は、酸化アルミニウムのような単層コーティング、若しくは、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び/又は、シリカを有してもよい多層コーティングを有している。
【0167】
1つ以上の停止部432は、停止凹部430の底部から上方に延伸している。例えば、図17Aは、停止凹部430の底部から上方に延伸する4つの停止部432を示している。停止部432は、基部436に配置される被覆部434を有している。基板312は、停止部432の基部436として機能でき、また、停止部432は、埋め込み層310を除外できる。停止部432に含まれる基板312の一部は、停止凹部430の底部から埋め込み層310のレベルまで、延伸できる。例えば、停止部432を、埋め込み層310を通ってエッチングし、下にある基板312をエッチストップとして用いることによって、形成できる。結果として、埋め込み層82が第2の導波路の底部を規定するため、ユーティリティ導波路11における光信号の光学モードに関する基部436の頂部の位置は、よく知られており、基部436の頂部は、埋め込み層310の直下に配置される。ユーティリティ導波路11と増幅器チップの増幅導波路との間で所望の位置合わせを提供する高さを、停止部432に提供するように、被覆部434を、停止部432の基部436上に形成できる。
【0168】
LIDARチップは、停止凹部430の底部に配置される取り付けパッド438を有する導体437を有している。電体は、電子装置と電気的に連絡でき、及び、電子装置と取り付けパッド438との間で電気的な連絡を提供できる。増幅器チップがLIDARチップ上に配置されると、取り付けパッド438を、用いて、増幅器チップをLIDARチップに対して固定できる。LIDARチップは、光透過媒体314に配置される第2の取り付けパッド445を有する第2の導体444を有している。第2の電体は、電子装置と電気的に連絡でき、及び、電子装置と第2の取り付けパッド445との間で電気的な連絡を提供できる。好適な導体は、これに限定されないが、金属トレースを含む。
【0169】
図17Bは、増幅チップの一実施形態の斜視図である。図示される増幅チップは、平面光学装置として知られる装置のクラス内にある。増幅チップは、利得媒体440に規定される増幅導波路17を有している。好適な利得媒体は、これに限定されないが、InP、InGaAsP、及び、GaAsを含む。
【0170】
利得媒体440の中に延在するトレンチ474は、利得媒体440にリッジ476を規定する。リッジ476は、増幅導波路17を規定する。場合によっては、利得媒体440は、リッジに、及び/又は、リッジ476を横切って延在する1つ以上の層441を有している。1つ以上の層441を、利得媒体440の異なる領域の間に配置できる。1つ以上の層441の上方の利得媒体440の領域は、1つ以上の層441の下の利得媒体440の領域と、同じであっても、異なっていてもよい。増幅導波路17を通って、リッジ476に対する特定の位置に導かれる光信号を制約するように、層を、選択できる。層441の各々は、InP、Ga、及び、Asからなる群から選択される2つ以上の成分を有し、又は、それらから構成される材料の異なる組成を有することができる。一例では、利得媒体440は、InPであり、また、1つ以上の層441は、それぞれ、Ga、及び、Asを、異なる比率で、有している。
【0171】
増幅導波路17は、第1のファセット15と第2のファセット18との間に光学的経路を提供する。図示しないが、第1のファセット15、及び/又は、第2のファセット18は、任意で、反射防止コーティングを有することができる。好適な反射防止コーティングは、これ限定されないが、窒化ケイ素、又は、酸化アルミニウムのような単層コーティング、若しくは、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、及び/又は、シリカを有することができる多層コーティングを有している。
【0172】
増幅チップは、取り付けパッド452を有する導体453を有している。導体453のリッジ部を、増幅導波路17上に配置できる。例えば、導体453のリッジ部を、導体453のリッジ部がリッジ476と電気的に連絡するように、利得媒質440のリッジ476上に配置できる。第2の導電層455を、利得媒質440のリッジ476とは反対側に配置する。リッジ476は、導体453と第2の導電層455との間にある。
【0173】
増幅チップは、1つ以上の位置決め凹部456を有している。図17Bの点線は、位置決め凹部456の1つの深さ、及び、形状を示している。
【0174】
図17C、及び、図17Dは、図17Bの増幅チップとインターフェイス接続する図17AのLIDARチップを有するLIDARシステムの一部を示している。図17Cは、LIDARシステムの平面図である。図17Dは、LIDARチップのユーティリティ導波路11、及び、増幅チップの増幅導波路17を通ってとられたシステムの断面の側面図である。例えば、図17Dの断面を、図17CにおいてBでラベル付けられるブラケットを通って延びる線に沿ってとることができる。図17C、及び、図17Dは、それぞれ、システムにおいて他の特徴の背後に位置する特徴を示す点線を有する。例えば、図17Cは、リッジ476が利得媒質440の下に位置しているにもかかわらず、増幅導波路17のリッジ476を示す破線を有している。さらに、図17Dは、増幅導波路17のリッジ476の後方に位置する停止部432、及び、位置決め凹部456の一部の位置を示す破線を有している。図17Dは、ユーティリティ導波路11のリッジ316が、ユーティリティ導波路11を画定するスラブ領域318とインターフェイス接続する場所を示す点線も、増幅導波路17のリッジ476が、増幅チップのスラブ領域474とインターフェイス接続する場所を示す点線も、有している。
【0175】
増幅チップを、LIDARチップの停止凹部430に配置する。増幅チップを、増幅導波路17のリッジ476が、増幅チップの底部とLIDARチップの底部との間に位置するように配置する。したがって、増幅チップは、停止凹部430において反転される。はんだ、又は、他の接着剤458は、停止凹部430の底部の取り付けパッド438、及び、増幅チップの取り付けパッド454に接触する。例えば、はんだ、又は、他の接着剤458は、停止凹部430の底部の取り付けパッド438から増幅チップの取り付けパッド454まで延在する。したがって、はんだ、または、他の接着剤458は、LIDARチップに対して増幅チップを固定し、及び/又は、停止凹部430の底部の取り付けパッド438と増幅チップの取り付けパッド454との間の電気的な連絡を提供する。
【0176】
ユーティリティ導波路11、及び、増幅導波路17が、光信号を交換することができるように、ユーティリティ導波路11のファセット14を、増幅導波路17の第1のファセット15で位置決めする。Aでラベル付けられる線によって示されるように、システムは、LIDARチップと増幅チップとの間で移動する光信号が、基板312の上部、及び/又は、下部の面に対して平行、又は、実質的に平行である方向に、水平方向の移行経路を提供する。基板312の第1のファセット15の頂部は、ユーティリティ導波路のファセット18の頂部の下方のレベルにある。
【0177】
LIDARチップの1つ以上の停止部432は、それぞれ、増幅チップの位置決め凹部456の1つの中に受容される。各停止部432の頂部は、位置決め凹部456の底部と接触している。結果として、停止部432と位置決め凹部456の底部との間の相互作用は、LIDARチップへ向かう増幅チップのさらなる移動を防止する。場合によっては、増幅チップは、停止部432の上に置かれる。
【0178】
図17Dから明らかなように、増幅導波路17の第1のファセット15は、LIDARチップのユーティリティ導波路11のファセット14と垂直方向に位置決めされる。図17Cから明らかなように、増幅導波路17の第1のファセット15は、LIDARチップのユーティリティ導波路11のファセット14と水平方向に位置決めされる。水平方向の位置決めは、増幅チップ、及び、LIDARチップのマーク、及び/又は、特徴の位置決めによって、達成できる。
【0179】
垂直方向の位置決めは、LIDARチップの停止部432の高さを制御することによって、達成できる。例えば、停止部432の基部436の被覆部434を、LIDARチップのユーティリティ導波路11のファセット14に対して特定の高さに、増幅導波路17の第1のファセット15を配置する高さまで、成長させることができる。所望の被覆部434の厚さを、1つ以上の被覆層を堆積させる蒸着、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、及び/又は、スパッタリングのような堆積技術を用いることによって、正確に達成できる。結果として、1つ以上の被覆層を、停止部432の基部436に堆積させ、所望の垂直方向の位置決めを提供する高さに、停止部432を形成できる。被覆部434の層の好適な材料は、これらに限定されないが、シリカ、窒化ケイ素、及び、ポリマーを含む。
【0180】
第3の導体(図示せず)は、増幅チップの第2の導電層455とLIDARチップの第2の取り付けパッド445との間に電気的な連絡を提供する。第2の導電層455と第2の取り付けパッド445との間の電気的な連絡を、ワイヤボンディングのような伝統的な技術を用いて、達成できる。結果として、第2の導体444は、電子装置と増幅導波路17のリッジ476とは反対側の利得媒体の側面との間に電気的な連絡を提供できる。
【0181】
はんだ、又は、他の接着剤458は、停止凹部430の底部の取り付けパッド438と増幅チップの取り付けパッド454との間に電気的な連絡を提供できる。導体453は、取り付けパッド454と増幅導波路17のリッジ476との間に電気的な連絡に提供しているため、 導体437、及び、導体453は、電子装置と増幅導波路17のリッジとの間に電気的な連絡を提供する。
【0182】
電子装置は、増幅導波路17を介して電流を流すことによって、所望のレベルの増幅を提供できる。導体453のリッジの部分と第2導電層455との間の利得媒体を通って電流を流すように、導電体437と第2の導電体444との間に電位差を印加することによって、電流を生成できる。電位差を、電子装置によって提供できる。
【0183】
図17Dでは、第1のファセット15を、Dでラベル付けられる距離だけ、ファセット18から離して配置する。増幅導波路を、1つの導波路のみと光学的に位置決めするため、第1のファセット15は、以前の構成で可能であったよりも、ファセット18に近づくことができる。例えば、第1のファセット15とファセット18との間の距離は、5μm、3μm、又は1μmより小さく、及び/又は、0.0pμmより大きくできる。図17Dでは、LIDARチップが配置される大気が、第1のファセット15とファセット18との間のギャップに配置されるが、他のギャップ材料を、ギャップに配置できる。例えば、固体ギャップ材料を、ギャップに配置できる。適切なギャップ材料の例は、これらに限定されないが、エポキシ、及び、ポリマーを含む。
【0184】
ファセット14、第1のファセット15、及び、第2のファセット18からなる群から選択される1つ以上のファセットは、ファセットで終端する導波路の伝搬方向に対して垂直でない角度を有することができる。例えば、図12Aは、第2のファセット18が、ファセット14でユーティリティ導波路11を通った光信号の伝播方向に対して、角度βであるように修正された図17Cのシステムの平面図である。ユーティリティ導波路11、及び、増幅導波路17を通った光路に沿う光信号の伝播方向を、Dpropでラベル付けられた点線で示す。図12Aは、第1のファセット15が、第1のファセット15で増幅導波路17を通った光信号の伝播方向に対して、角度δであり、また、第2のファセット18で増幅導波路17を通った光信号の伝播方向に対して、角度εであることを示している。図17Dで明らかなように、いくつかの例では、ファセット18、第1のファセット15、及び、第2のファセット15からなる群から選択される1つ以上のファセットは、LIDARチップの底部のようなLIDARチップの平面に対して垂直である。例えば、ファセット18、第1のファセット15、及び、第2のファセット18からなる群から選択される1つ以上のファセットは、埋め込み層82、基板84、又は、増幅器20のような基板に対して垂直である。
【0185】
LIDARチップ上の構成要素の全部、又は、一部をLIDARチップに固定できる。例えば、フリップチップ部品を、接着剤、エポキシ、及び、はんだを用いて、LIDARチップに固定できる。一例として、図15Aから図15Fの内容で開示されたゲインチップを、はんだ、又は、導電性エポキシを用いて、LIDARチップに固定できる。さらに、シリコン・オン・インシュレータ・ウェハ(光伝送媒体314、及び、埋め込み層310)の一部は、図14の内容に開示されるように構成される導波路として機能する。
【0186】
LIDARチップの構成要素を、LIDARチップと完全に、又は、部分的に統合できる。例えば、集積光学構成要素は、LIDARチップが製造されるウェハの一部を有し、又は、それから構成できる。LIDARチップのためのプラットフォームとして機能できるウェハは、複数の材料の層を有することができる。異なる層の少なくとも一部は、異なる材料にできる。一例として、図18は、LIDARチップのためのプラットフォームとして機能できるウェハの斜視図である。ウェハは、矩形形状を有するとして図示されているが、ウェハは、ディスク形状を有してもよい。図示されたウェハは、基板312と光透過媒体314との間に埋め込み層310を有するシリコン・オン・インシュレータ・ウェハである。光伝送媒体314の構成要素の特徴を規定するためのエッチング、及び、マスキングの技術を用いることによって、統合されたオンチップ構成要素を、形成できる。例えば、導波路を規定するスラブ領域318、及び、帰還コンポーネントの凹部410を、ウェハに関する異なるエッチングを用いて、ウェハの所望の領域に形成できる。結果として、LIDARチップは、ウェハの一部を有し、また、統合されたオンチップ構成要素は、それぞれ、ウェハの一部を有し、又は、それから構成できる。さらに、構成要素を通って移動する光信号が、元々ウェハに含まれる1つ以上の層を通って移動するように、統合されたオンチップ構成要素を、構成できる。例えば、図14の導波路は、ウェハから光伝送媒体314を通って光信号を導く。統合された構成要素は、任意で、ウェハに存在される材料に加える材料を有することができる。例えば、統合された構成要素は、反射性材料、及び/又は、被覆部を有することができる。
【0187】
LIDARアダプタ、及び/又は、アイソレータアダプタの構成要素は、統合されていなくてもよい。例えば、LIDARアダプタ、及び/又は、アイソレータアダプタの構成要素は、ベース208、ベース102からの、及び/又は、共通マウント128からからの材料を有する必要はない。いくつかの例では、LIDARアダプタ、及び/又は、アイソレータアダプタの全ての構成要素は、ベース208、ベース102から、及び/又は、共通マウント128から分離している。例えば、LIDARアダプタ、及び/又は、アイソレータアダプタによって処理される光信号が、ベース208、ベース102、及び/又は、共通マウント128の任意の部分を通って移動しないように、LIDARアダプタ、及び/又は、アイソレータアダプタの構成要素を、構成できる。
【0188】
LIDARチップ構成要素の全部、又は、一部は、電気的な入力を必要とせず、及び、移動部分を排除しないという点で受動的な構成要素にできる。例えば、光源200は、オンチップ構成要素にできる能動的な構成要素の一例である一方、LIDARチップの導波路、部分帰還装置は、受動的なオンチップ構成要素にできる構成要素の例である。したがって、LIDARチップ構成要素の全部、又は、一部は、ウェハの一部を有し,又は、それから構成される受動的なオンチップ構成要素にできる。
【0189】
図19は、シリコン・オン・インシュレータ・プラットフォームでの使用に適するキャリア注入器の断面図である。キャリア注入器は、光伝送媒体314のスラブ領域318から離れるように伸びる光伝送媒体314のリッジ316によって規定されるキャリア受信導波路498を有している。キャリア受信導波路498は、光伝送媒体314のリッジ316に、及び、その下に、光信号を閉じ込める。光信号の一部は、リッジ316を越えて、スラブ領域318に延在できる。図10から明らかであるように、キャリア受信導波路498を、キャビティ導波路225のような他の導波路に統合し、及び/又は、含めることができる。結果として、キャリア受信導波路498は、図14の内容で開示された導波路寸法を有することができる。
【0190】
ドーパントホスティング領域500は、光透過性媒体314のスラブ領域318に延在している。ドーパントホスティング領域500の上面は、光透過性媒体314のスラブ領域318の上面と、同一平面に、又は、ほぼ同一平面にできる。ドーパントホスティング領域500は、光透過媒体314のリッジ316から離れて配置されるよう示されているが、光透過媒体314のリッジ316の側方に接することができる。
【0191】
ドーパントホスト材料502は、各ドーパントホスティング領域500に配置される。例えば、ドーパントホスト材料502を、それぞれ、光透過媒体314に延在し、また、ドーパントホスティング領域500の周囲を規定する凹部に、配置できる。好適なドーパントホスティング材料は、光透過媒体314とは異なり、また、ゲルマニウムを有し、又は、それから構成される材料を含んでいる。
【0192】
ドーパントホスト材料502は、ドープ領域504を有している。したがって、ドープ領域は、ドーパントホスト材料502の中に、及び、ドーパントホスティング領域500の中に、延在する。図19は、ドーパントホスト材料502に部分的にのみ延在する各ドープ領域を示しているが、1つ以上のドープ領域504は、ドーパントホスト材料502を通って延在できる。したがって、1つ以上のドープ領域504が、光透過媒体314に接することができる。
【0193】
ドープ領域504の1つは、p型ドーパントを有するができ、また、p型ドープ領域にできる一方、ドープ領域504の別の1つは、n型ドーパントを有することができ、また、n型ドープ領域にできる。例えば、光透過媒体314のリッジ316を、PIN接合を提供するように、n型ドープ領域504とp型ドープ領域504との間に配置できる。好適なn型ドーパントは、これらに限定されないが、リン、アンチモン、及び/又は、ヒ素を含む。好適なp型ドーパントは、これらに限定されないが、ホウ素、アルミニウム、及び、ガリウムを含む。ドープ領域504は、電気的に導通するように、ドープされている。p型ドープ領域におけるp型ドーパントの好適な濃度は、これ限定されないが、1×1015cm-3、1×1017cm-3、又は、1×1019cm-3よりも大きく、及び/又は、1×1020cm-3、1×1021cm-3、1×1022cm-3より小さい濃度を有している。n型ドープ領域におけるn型ドーパントの好適な濃度は、これ限定されないが、1×1015cm-3、1×1017cm-3、又は、1×1019cm-3よりも大きく、及び/又は、1×1017cm-3、1×1019cm-3、1×1021cm-3より小さい濃度を有している。一例では、光透過媒体314は、シリコンであり、ドーパントホスト材料502は、ゲルマニウムであり、n型ドーパントは、5×1019cm-3から1×1020cm-3の濃度のリンであり、及び、p型ドーパントは、5×1019cm-3から1×1020cm-3の濃度のホウ素である。
【0194】
導体506は、それぞれ、ドープ領域504の1つと電気的に連絡している。例えば、導体506は、それぞれ、1つのドープ領域504の一部に接触できる。結果として、光伝送媒体314にエネルギーを加えるために、電気エネルギーを、導体506に加えることができる。キャリア注入器の作動の間、キャリア受信導波路498を通って電流を生成するように、順バイアスを、導体506に加えることができる。結果としてのキャリア受信導波路498への自由キャリア(正孔、及び、電子)注入は、キャリア受信導波路498に案内される光信号の光減衰を提供し、及び/又は、キャリア受信導波路498に案内される光信号の位相シフトを提供する自由キャリア吸収を引き起こす。
【0195】
図20は、シリコン・オン・インシュレータ・プラットフォームでの使用に適するキャリア注入器の断面図である。キャリア注入器は、光伝送媒体314のスラブ領域318から離れるように伸びる光伝送媒体314のリッジ316によって規定されるキャリア受信導波路498を有している。キャリア受信導波路498は、光伝送媒体314のリッジ316に、及び、その下に、光信号を閉じ込める。光信号の一部は、リッジ316を越えて、スラブ領域318に延在できる。図10から明らかであるように、キャリア受信導波路498を、キャビティ導波路225のような他の導波路に統合し、及び/又は、含めることができる。結果として、キャリア受信導波路498は、図14の内容で開示された導波路寸法を有することができる。
【0196】
光透過性媒体314のスラブ領域318は、第2のドープ領域510を有している。第2のドープ領域510は、光透過性媒体314の上面から光透過性媒体314の中に延在できる。図20は、光透過媒体314を通って延在する第2のドープ領域510のそれぞれ示している。したがって、第2のドープ領域510は、埋め込み層310と接して延在できる。場合によっては、第2のドープ領域510は、光透過性媒体314中に部分的に延在し、及び、埋め込み層310に接触しない。
【0197】
1つの第2のドープ領域510は、p型ドーパントを有するができ、また、第2のp型ドープ領域にできる一方、他の1つのドープ領域504は、n型ドーパントを有することができ、また、第2のn型ドープ領域にできる。例えば、光透過媒体314のリッジ316を、PIN接合を提供するように、第2のn型ドープ領域510と第2のp型ドープ領域510との間に配置できる。第2のn型ドープ領域520の好適なn型ドーパントは、これらに限定されないが、リン、アンチモン、及び/又は、ヒ素を含む。p型ドープ下方領域510の好適なp型ドーパントは、これらに限定されないが、ホウ素、アルミニウム、及び、ガリウムを含む。第2のドープ領域510は、電気的に導通するように、ドープされる。第2のp型ドープ領域におけるp型ドーパントの好適な濃度は、これ限定されないが、1×1015cm-3、1×1017cm-3、又は、1×1019cm-3よりも大きく、及び/又は、1×1020cm-3、1×1021cm-3、1×1022cm-3より小さい濃度を有している。第2のn型ドープ領域におけるn型ドーパントの好適な濃度は、これ限定されないが、1×1015cm-3、1×1017cm-3、又は、1×1019cm-3よりも大きく、及び/又は、1×1020cm-3、1×1021cm-3、1×1022cm-3より小さい濃度を有している。一例では、光透過媒体314は、シリコンであり、ドーパントホスト材料502は、ゲルマニウムであり、n型ドーパントは、5×1018cm-3から1×1019cm-3の濃度のリンであり、及び、p型ドーパントは、5×1018cm-3から1×1019cm-3の濃度のホウ素である。
【0198】
ドーパントホスト材料502の層は、光伝送媒体314の各スラブ領域318に配置される。1つ以上のドーパントホスト材料502の層は、光伝送媒体314のリッジ316の側方に接触できる。ドーパントホスト材料502は、ドープ領域504を有している。ドープ領域504は、ドーパントホスト材料502の層の上面からドーパントホスト材料502の層の中に延在できる。ドープ領域504は、ドーパントホスト材料502を通って、光伝送媒体314と接触するように延在できる。しかしながら、このような構成は、光損失の発生源となる可能性がある。特に、各ドープ領域504は、第2のドープ領域の1つと接触するように延在している。
【0199】
1つのドープ領域504は、p型ドーパントを有するができ、また、p型ドープ領域にできる一方、他の1つのドープ領域504は、n型ドーパントを有することができ、また、n型ドープ領域にできる。例えば、光透過媒体314のリッジ316を、n型ドープ領域504とp型ドープ領域504との間に配置できる。さらに、各ドープ領域504は、ドープ領域によって接触される第2のドープ領域と同じドーパント極性有することができる。例えば、1つのドープ領域504は、第2のn型ドープ領域510と接触するn型ドープ領域にでき、また、他の1つのドープ領域504は、第2のp型ドープ領域と接触するp型ドープ領域にできる。
【0200】
n型ドープ領域504の好適なn型ドーパントは、これらに限定されないが、リン、アンチモン、及び/又は、ヒ素を含む。p型ドープ領域504の好適なp型ドーパントは、これらに限定されないが、ホウ素、アルミニウム、及び、ガリウムを含む。ドープ領域504は、電気的に導通するように、ドープされる。p型ドープ領域におけるp型ドーパントの好適な濃度は、これ限定されないが、1×1015cm-3、1×1017cm-3、又は、1×1019cm-3よりも大きく、及び/又は、1×1020cm-3、1×1021cm-3、1×1022cm-3より小さい濃度を有している。n型ドープ領域におけるn型ドーパントの好適な濃度は、これ限定されないが、1×1015cm-3、1×1017cm-3、又は、1×1019cm-3よりも大きく、及び/又は、1×1020cm-3、1×1021cm-3、1×1022cm-3より小さい濃度を有している。一例では、光透過媒体314は、シリコンであり、ドーパントホスト材料502は、ゲルマニウムであり、n型ドーパントは、5×1018cm-3から1×1019cm-3の濃度のリンであり、及び、p型ドーパントは、5×1018cm-3から1×1019cm-3の濃度のホウ素である。
【0201】
好適なドーパントホスト材料502は、光透過媒体314とは異なる材料を有し、また、ゲルマニウムを有し、又は、それから構成される。
【0202】
導体506は、それぞれ、ドープ領域504の1つと電気的に連通している。例えば、導体506は、それぞれ、1つのドープ領域504に接触できる。結果として、ドープ領域504は、それぞれ、1つの導体506と1つの第2のドープ領域510との間の電気的な連絡を提供できる。結果として、光伝送媒体314にエネルギーを加えるために、電気エネルギーを、導体506に加えることができる。キャリア注入器の作動の間、キャリア受信導波路498を通って電流を生成するように、順バイアスを、導体506に加えることができる。結果としての第2のドープ領域、及び/又は、ドープ領域504からのキャリア受信導波路498への自由キャリア注入は、キャリア受信導波路498に案内される光信号の光減衰を提供し、及び/又は、キャリア受信導波路498に案内される光信号の位相シフトを提供する自由キャリア吸収を引き起こす。
【0203】
図21Aから図21Gは、図19のキャリア注入器を生成する方法を示している。この方法は、図19Aに示すような、基板312と光透過媒体314との間に埋め込み層310を有するシリコン・オン・インシュレータ・ウェハ、又は、チップの断面に示される。図21Aのウェハ、又は、チップをマスクし、そして、図21Bの装置前駆体を形成するように、第1のエッチングが実行される。凹部512は、スラブ領域318として機能できる底部を有している。結果として、凹部512は、埋め込み層310の上方の所望の高さにスラブ領域318を配置する深さまで形成される。加えて、マスク、及び、第1のエッチングは、スラブ領域318の深さまで補助凹部514を形成するように、構成される。補助凹部514を、用いて、ウェハ、又は、チップにキャリア注入器から離れて配置されるキャリア注入器でない装置を形成できる。
【0204】
ドーパントホスト材料502は、図21Cの装置前駆体を形成するように、凹部512、及び、補助凹部514に配置される。凹部512、及び、補助凹部514にドーパントホスト材料502を配置するのに好適な方法は、これに限定されないが、化学気相堆積(CVD)を用いるエピタキシャル成長を含む。場合によっては、光透過媒体314の上面と面一になるドーパントホスト材料502の上面をもたらすように、装置前駆体の上面を、処理できる。ドーパントホスト材料502の上面を光透過媒体314の上面と面一にするのに好適な処理は、これに限定されないが、化学機械研磨(CMP)のような研磨処理を含む。
【0205】
図21Cの装置前駆体は、図21Dの装置前駆体を提供するようにマスクされる。例えば、補助凹部514のドーパントホスト材料502を保護する一方、凹部512のドーパントホスト材料502が露出したままとなるように、第2のマスク516を、装置前駆体上に形成できる。好適な第2のマスク516は、これらに限定されないが、フォトレジスト、シリカ、及び、窒化ケイ素を含む。
【0206】
図21Eのデバイス前駆体を提供するように、図21Dのデバイス前駆体が、マスクされ、また、エッチングされる。例えば、第3のマスク518を、第2のマスク516の上に形成する一方、凹部512のドーパントホスト材料502が露出したままにできる。露出されるドーパントホスト材料502をエッチングするように、第2のエッチングを、実行できる。第2のエッチングは、ドーパントホスト材料502に、ドーパントホスティング領域500に望まれる厚さを提供するように、実行される。第3のマスク518は、ドーパントホスト材料502と光透過媒体314との間の界面から、戻って配置されてもよい。結果として、第2のエッチングの前に、ドーパントホスト材料502に隣接する光透過媒体314の一部を、露出してもよい。第2のエッチングは、この配置の結果として露出される光透過媒体314をエッチングしてもよい。第2のエッチングは、ドーパントホスト材料502、及び、光透過媒体314を異なる速度でエッチングできる。例えば、図21Eでは、光透過媒体314よりも速くドーパントホスト材料502をエッチングする第2のエッチングの結果として、光透過媒体314に、肩部が、形成される。第2のエッチングが光伝送媒体314をエッチングする場合、第2のエッチングは、キャリア受信導波路498を規定できる。第2のエッチングが光透過媒体314をエッチングしない場合、図21Bの内容で開示されるエッチングが、キャリア受信導波路498を決定できる。好適な第2のエッチングは、これに限定されないが、ドライエッチングを含む。好適な第3のマスク518は、これに限定されないが、ドライエッチングを含む。
【0207】
前述したように、光信号の一部は、リッジ316を越えてスラブ領域318に延伸できるが、キャリア受信導波路498は、光伝送媒体314のリッジ316内に、及び、リッジ316の下に、光信号を閉じ込める。これにより、光信号が閉じ込められるシリコンの一部は、シリコンの導波路部として機能できる。図21Aから図21Gの方法では、シリコンの導波路の部分は、ウェハに追加されるよりは、むしろ、ウェハからである。したがって、キャリア受信導波路498は、元のウェハの一部である層を通って光信号を導く。結果として、キャリア注入器を、フォトニック回路に統合される統合キャリア注入器にできる。
【0208】
ドープ領域504を、図21Eの装置前駆体のドーパントホスト材料502に生成し、そして、第3のマスク518を、図2IFの装置前駆体を提供するために、除去する。第3のマスク518を、ドープ領域504を形成する前に、又は、後に、除去できる。ドープ領域504を生成することは、ドーパントホスト材料502にドーパントを配置した後、装置前駆体をアニールすることを含むことができる。ドープ領域504を生成するための好適な方法は、限定されないが、イオン注入を含む。好適なアニーリング温度は、これら限定されないが、400℃、500℃、又は、600℃を超える温度、及び/又は、700℃、800℃、及び/又は、お700℃より低い温度を含む。第3のマスク518を除去するための好適な方法は、これらに限定されないが、フォトレジスト、シリカ、及び、窒化ケイ素を含む。
【0209】
図21Fの装置前駆体のドーパントホスト材料502に、導体506を、形成し、図21Gのキャリア注入器を提供する。導体506を形成するための好適な方法は、これらに限定されないが、電子ビーム蒸着、及び、スパッタリングを含む。
【0210】
図21Aから図21Gは、キャリア注入器の製造の間に第2のマスク516によって保護される補助凹部514のドーパントホスト材料502を示す。結果として、同一のウェハ、又は、チップ上に作製造される補助デバイスを、キャリア注入器の製造の後に、製造できる。例えば、第2のマスク516を、除去でき、そして、キャリア注入器を保護するように、第4のマスク(図示せず)を形成できる。次いで、第4のマスクがキャリア注入器を保護している間に、補助デバイスを、製造できる。若しくは、キャリア注入器の前に、補助デバイスを、製造できる。例えば、凹部512のドーパントホスト材料502を、第5のマスクで保護し、そして、補助デバイスを、製造できる。補助デバイスを、製造した後、キャリア注入器を製造している間、補助デバイスを、マスクによって保護できる。
【0211】
図21Aから図21Gの方法では、光透過媒体314は、ドープされない。結果として、補助凹部514のドーパントホスト材料502は、シリコンのような光透過性媒体314にドープ領域を形成することに関連付けられる温度まで曝されない。したがって、ドーパントホスト材料502を有する1つ以上の補助装置を、補助装置のドーパントホスト材料502が、光透過性媒体314にドープ領域を形成することに関連付けられる温度に曝されることなく、1つ以上のキャリア注入器と同じウェハ、又は、チップに製造できる。例えば、ドーパントホスト材料502を有する1つ以上の補助デバイスを、補助デバイスのドーパントホスト材料502が、700℃、800℃、又は、900℃を超える温度に曝されることなく、1つ以上キャリア注入器と同じウェハ、又は、チップ上に製造できる。
【0212】
図22Aから図22Gは、図20のキャリア注入器を製造する方法を示している。この方法は、図22Aの装置前駆体として図21Bの装置前駆体を用いる。第2のドープ領域510を、図22Bの装置前駆体のドーパントホスト材料502に形成し、図21Fの装置前駆体を提供する。第2のドープ領域510を形成することは、光透過性媒体にドーパントを配置した後に、装置前駆体をアニールすることを有することができる。第2のドープ領域510を形成するための好適な方法は、これらに限定されないが、イオン注入、及び、熱拡散を含む。適切なアニーリング温度は、これに限定されないが、900℃、950℃、又は、1000℃を超える温度、及び/又は、1050℃、1100℃、又は、1150℃を超えない温度を含む。
【0213】
ドーパントホスト材料502は、図22Cの装置前駆体を形成するように、図22Bの装置前駆体上の凹部512に配置される。凹部512、及び、補助凹部514にドーパントホスト材料502を配置するのに好適な方法は、これに限定されないが、化学気相堆積(CVD)を用いるエピタキシャル成長を含む。場合によっては、装置前駆体の上面を、ドーパントホスト材料502の上面を光透過媒体314の上面と面一にするように、処理できる。ドーパントホスト材料502の上面を光透過媒体314の上面と面一にするのに好適な処理は、これに限定されないが、化学機械研磨(CMP)のような研磨処理を含む。
【0214】
図22Cの装置前駆体は、図22Dの装置前駆体を提供するように、マスクされ、及び、エッチングされる。例えば、補助凹部514のドーパントホスト材料502を保護するように、第2のマスク516を、装置前駆体に形成できる一方、凹部512のドーパントホスト材料502を露出させたままにする。好適な第2のマスク516は、これらに限定されないが、フォトレジスト、シリカ、及び、窒化ケイ素を含む。
【0215】
図22Dの装置前駆体は、図22Eのデバイス前駆体を提供するように、マスクされ、及び、エッチングされる。例えば、第3のマスク518を、第2のマスク516の上に形成できる一方、凹部512のドーパントホスト材料502を露出させたままにできる。露出されたドーパントホスト材料502をエッチングするように、第2のエッチングを実行できる。所望の厚さを有するドーパントホスト材料502を提供するように、第2のエッチングを、実行する。第3のマスク518を、ドーパントホスト材料502と光透過媒体314との間の界面から戻って配置していてもよい。結果として、第2のエッチングの前に、ドーパントホスト材料502に隣接する光透過媒体314の一部が、露出されてもよい。第2のエッチングは、この配置の結果として露出される光透過媒体314をエッチングしてもよい。第2のエッチングは、ドーパントホスト材料502、及び、光透過媒体314を異なる速度でエッチングできる。例えば、図22Eでは、光透過媒体314よりも速くドーパントホスト材料502をエッチングする第2のエッチングの結果として、肩部が、光透過媒体314に形成される。第2のエッチングが光透過媒体314をエッチングする場合、第2のエッチングは、キャリア受信導波路498を規定できる。第2のエッチングが光透過媒体314を実質的にエッチングしない場合、凹部512を形成するエッチングは、キャリア受信導波路498を規定できない。好適な第2のエッチングは、これに限定されないが、ドライエッチングを含む。好適な第3のマスク518は、これらに限定されないが、フォトレジスト、シリカ、及び、窒化ケイ素を含む。
【0216】
前述したように、光信号の一部は、リッジ316を越えてスラブ領域318に延伸できるものの、キャリア受信導波路498は、光伝送媒体314のリッジ316の中に、及び、の下に、光信号を閉じ込める。これにより、光信号が閉じ込められるシリコンの部分をシリコンは、シリコンの導波路の部分として機能できる。図22Aから図22Gの方法では、シリコンの導波路の部分は、ウェハに追加されるのよりは、むしろ、ウェハ由来である。したがって、キャリア受信導波路498は、元のウェハの一部である層を通って光信号を案内する。結果として、キャリア注入器は、フォトニック回路に一統合される統合キャリア注入器にできる。
【0217】
ドープ領域504を、図22Eの装置前駆体のドーパントホスト材料502に生成し、そして、第3のマスク518を、除去し、図22Fの装置前駆体を提供する。ドープ領域504を形成する前後で、第3のマスク518を除去できる。第3のマスク518を除去するための好適な方法は、これらに限定されないが、ドライエッチング、及び、ウェットエッチングを含む。ドープ領域504を生成することは、ドーパントホスト材料502にドーパントを配置した後に装置前駆体をアニーリングすることを含むことができる。ドープ領域504を生成するのに好適な方法は、これに限定されないが、イオン注入を含む。好適なアニール温度は、これらに限定されないが、400℃、500℃、又は600℃を超える温度、及び/又は、700℃、800℃、又は、900℃を超えない温度を含む。ドープ領域504にドーパントを配置するのに好適な方法は、これに限定されないが、イオン注入を含む。
【0218】
導電体506を、図22Fの装置前駆体のドーパントホスト材料502に形成し、図22Gのキャリア注入器を提供する。導体506を形成するための好適な方法は、これらに限定されないが、電子ビーム蒸着、及び、スパッタリングを含む。
【0219】
図22Aから図22Gは、キャリア注入器の製造の間に第2のマスク516によって保護される補助凹部514のドーパントホスト材料502を示す。結果として、同一のウェハ、又は、チップに製造される補助デバイスを、キャリア注入器の製造後に、製造できる。例えば、第2のマスク516を除去でき、そして、キャリア注入器を保護するように、第4のマスク(図示せず)を形成できる。次いで、補助デバイスを、第4のマスクがキャリア注入器を保護している間に、製造できる。あるいは、補助デバイスを、キャリア注入器の前に、製造できる。例えば、凹部512のドーパントホスト材料502を、第5のマスクで保護し、そして、補助デバイスを製造できる。補助デバイスを製造した後、キャリア注入器を製造している間、補助デバイスを、マスクによって保護できる。
【0220】
図22Aから図22Gの方法では、ドーパントホスト材料502を、光透過媒体314をドープする後まで、デバイス前駆体に添加しない。結果として、ドーパントホスト材料502は、シリコンのような光透過性媒体314にドープ領域を形成することに関連付けられる温度に曝されない。したがって、ドーパントホスティング材料502を、光透過媒体314にドープ領域を形成する温度に、曝すことなく、ドーパントホスト材料502を有する1つ以上の補助デバイスを、1つ以上のキャリア注入器と同じウェハ、又は、チップに製造できる。例えば、補助デバイスのドーパントホスト材料502を、700℃、800℃、又は、900℃を超える温度に、曝すことなく、ドーパントホスティング材料502を有する1つ以上の補助デバイスを、1つ以上のキャリア注入器と同じウェハ、又は、チップに製造できる。
【0221】
前述の補助凹部514のドーパントホスト材料502から製造できる補助デバイスの例は、これらに限定されないが、光検出器、及び、変調器を含む。結果として、図7Aの第1の光センサ160、及び、第2の光センサ162のような光検出器を、1つ以上の開示されたキャリア注入器とともにLIDARチップに集積できる。
【0222】
図21Aから図22Gは、ドーパントホスト材料502を補助凹部514に配置する方法を示しているが、補助凹部514は、任意である。例えば、図21Aから図22Gの方法を、補助凹部514を形成することなく、また、補助凹部514にドーパントホスト材料502を配置することなく、実施できる。結果として、補助凹部514のドーパントホスト材料502を保護するために用いられる第2のマスク516も、任意である。
【0223】
好適な電子機器は、これらに限定されないが、アナログ電気回路、デジタル電気回路、プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、 フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コンピュータ、マイクロコンピュータ、又は、操作、監視、及び、制御の実行に好適な前述の組み合わせを有するコントローラを有することができる。 いくつかの例では、コントローラは、操作、制御、及び、監視機能を実行する間、制御によって実行される指示を有する、メモリへのアクセスを有している。電子装置は、単一の位置に単一の構成要素として図示されているが、電子機器は、互いに独立し、及び/又は、異なる位置に配置される複数の異なる構成要素を有することができる。加えて、前述のように、開示された電子装置の全部、又は、一部を、チップと統合される電子装置を有するチップに含めることができる。
【0224】
増幅器によって、光源の安定をもたらす光源、及び、増幅器の両方を有するLIDARチップを有するとして、LIDARシステムは、開示されているが、所望のアイソレータアダプタに十分な後方反射をもたらすができる他の光学部品、又は、組み合わせがある。結果として、増幅器は、アイソレータアダプタと共に用いられるLIDARチップのために、LIDARチップ上に存在する必要はない。
【0225】
アイソレータアダプタはLIDARシステムの内容で開示されているが、アイソレータアダプタを、光集積回路チップのような集積光学チップを有する他のシステムに含めることができる。例えば、アイソレータアダプタを、リッジ導波路、リブ導波路、又は、埋め込み導波路のような集積導波路を有する光集積回路チップに含めることができる。光アイソレータによって受信される前に、光集積回路チップから射出されるソース信号からの光を有し、又は、それから構成されるアダプタ信号を受信するように、アイソレータアダプタのアイソレータを、構成できる。アイソレータは、アイソレータ出力信号にアダプタ信号からの光を出力できる。光集積回路チップの1つ以上の導波路は、アイソレータ出力信号からの光を含む光信号を案内できる。そのようなシステムの例は、これらに限定されないが、光通信システム、及び、センサを含む。
【0226】
キャリア注入器はLIDARシステムの内容で説明されているが、キャリア注入器は、光集積回路チップのような集積光学チップを有する他のシステムに含めることができる。キャリア注入器は、位相チューナのような電子装置によって操作されるようなLIDARシステムに記述されているが、電子装置は、LIDARシステムの中の、又は、LIDARシステム以外のシステムの異なるアプリケーションのための、可変光減衰器(VOA)として、開示されたキャリア注入器を操作できる。
【0227】
上記のシステムの異なる部分を、第2、第3などのような記述子を用いて、記述しているが、これらの記述子は、シーケンスを示さないが、代わりに、異なる構成要素、及び/又は、異なる動作の間を区別するために用いられる。一例として、第1のドープ領域、及び/又は、第2のドープ領域を、第2のドープ領域を形成でき、また、第2のドープ領域は、第1のドープ領域なしで存在できる。
【0228】
本発明の他の実施形態、組み合わせ、及び、修正は、これらの観点で、当業者にとって容易に行われる。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲のみによって限定されるものであり、前述の明細書、及び、添付図面と併せて見たときのそのような実施形態、及び、修正の全てを含む。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図21F
図21G
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図22G
【国際調査報告】