(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】デュアルバンドアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
H01Q13/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024513861
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022044199
(87)【国際公開番号】W WO2023049149
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596024851
【氏名又は名称】ロジャーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】パンディ、シャイレッシュ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ヤジー
(72)【発明者】
【氏名】ヤング、ランス
(72)【発明者】
【氏名】パンセ、クリスティ
(72)【発明者】
【氏名】ブロック、ロリ
【テーマコード(参考)】
5J045
【Fターム(参考)】
5J045AA02
5J045AA03
5J045AA05
5J045AA16
5J045AB05
5J045DA10
5J045MA07
(57)【要約】
デュアルバンドアンテナは、磁気誘電材料を有する基板と、基板上に配置された導電性パッチと、を備え、パッチは、パッチの平面視により観察されるとき、H字形またはI字形を有する1つ以上の面内切欠きを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルバンドアンテナであって、
磁気誘電材料を含む基板と、
前記基板上に配置されている導電性パッチと、を備え、
前記パッチは、前記パッチの平面視により観察されるとき、H字形またはI字形を有する1つ以上の面内切欠きを備える、デュアルバンドアンテナ。
【請求項2】
前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの中心x-y-z直交基準フレームに対し斜角に配置されている、請求項1に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項3】
前記基板は前記磁気誘電材料の単一層である、請求項1または2に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項4】
前記基板と前記パッチとの組合せは、前記デュアルバンドアンテナの第1層を提供し、さらに、
前記組合せの第2層は、多層デュアルバンドアンテナを形成するように前記第1層上に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項5】
前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの外周の内側に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項6】
前記1つ以上の切欠きの前記H字形または前記I字形は、前記パッチの平面視の平面に直交する2つの平面において鏡像対称性を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項7】
前記パッチの外周は、前記基板の外周未満であるか、前記基板の外周内に配置されており、前記パッチの大きさは、前記設計周波数に基づいて、磁気誘電基板と同一の大きさであることが可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項8】
前記基板の前記外周は、矩形であるかまたは円形である平面視プロファイルを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項9】
前記パッチの前記外周は、少なくとも部分的には円形である平面視プロファイルを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項10】
前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの中心z軸から径方向にずれており、前記中心z軸は、前記パッチの平面視に対し垂直に延びている、請求項1~9のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項11】
前記1つ以上の切欠きは、2つの長尺状脚部と前記2つの長尺状脚部を連結させるブリッジ脚部とを有し、前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの平面視により観察されるとき、前記パッチの中心に配置されているx軸と中心に配置されているy軸との両方に対し0度でない角度かつ90度でない角度に配向している、請求項1~10のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項12】
前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの前記x軸と前記y軸との両方に対し45度の角度に各々配向している、請求項11に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項13】
前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々に対し直交して配向している、請求項11または12に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項14】
前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々の各端部から等距離に配置されている、請求項11~13のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項15】
前記パッチの前記外周は、1つまたは複数のノッチを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項16】
前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周上に対称に配置されている、請求項15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項17】
前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周上に非対称に配置されている、請求項15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項18】
前記1つまたは複数のノッチは、互いとは直径方向に反対にある1対以上のノッチを含む、請求項15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項19】
前記1つまたは複数のノッチは、各々互いとは直径方向に反対にある2対以上のノッチを含む、請求項15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項20】
前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2対以上のノッチのうちの第1の対は、前記パッチのx軸上に配置されており、前記2対以上のノッチのうちの第2の対は、前記パッチのy軸上に配置されている、請求項19に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項21】
前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周の周りに等距離に配置されている、請求項15~20のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項22】
前記1つまたは複数のノッチは、同一のプロファイルを有する、請求項15~21のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項23】
前記1つまたは複数のノッチは、部分的に矩形であるプロファイルを各々有する、請求項15~22のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項24】
2つの信号プローブをさらに備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項25】
前記2つの信号プローブの各信号プローブは、前記パッチの前記中心z軸に平行に配向している、請求項24に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項26】
前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2つの信号プローブのうちの第1の信号プローブは、前記パッチのy軸ではなくx軸上に配置されており、前記2つの信号プローブのうちの第2の信号プローブは、前記パッチの前記x軸ではなく前記y軸上に配置されている、請求項24または25に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項27】
電気接地基準をさらに備え、前記基板は前記電気接地基準上に配置されている、請求項24~26のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項28】
前記パッチと信号通信するように配置されている信号フィードネットワークをさらに備える、請求項27に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項29】
前記信号フィードネットワークは、前記基板の下に配置されている、請求項28に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項30】
前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の上に配置されている、請求項28または29に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項31】
前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の下に配置されている、請求項28または29に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項32】
前記信号フィードネットワークは、信号ポートコネクタおよび前記2つの信号プローブと電気的に接続されており前記信号ポートコネクタと前記2つの信号プローブとの間にある電力分割器回路を含む、請求項28~31のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項33】
前記基板の外周は、前記電気接地基準の外周未満であるか、前記電気接地基準の外周内に配置されている、請求項27~32のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項34】
前記電気接地基準は、前記基板に近接し前記基板の外周の内側にある接地材料の空隙を含む、請求項27~33のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項35】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、請求項34に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項36】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にある、請求項34または35に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項37】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にあり、かつ、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、請求項34~36のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項38】
接地材料の前記空隙は矩形の形態にある、請求項34~37のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項39】
2つ以上の周波数バンドにわたって動作可能である、請求項1~38のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項40】
前記2つ以上の周波数バンドのうちの個々の周波数バンド間において周波数を弁別するように動作可能である、請求項39に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項41】
前記2つ以上の周波数バンドのうちの第1の周波数バンドはL5バンドである、請求項39または40に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項42】
前記2つ以上の周波数バンドのうちの第2の周波数バンドはL2バンドである、請求項41に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項43】
前記2つ以上の周波数は、1.17GHzから1.23GHzまでの公称周波数範囲内において動作可能である、請求項39に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項44】
各それぞれの動作可能なバンドにて3dBi以上の利得により動作可能である、請求項1~43のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項45】
前記デュアルバンドアンテナの各放射ボアサイトから±30度にて、3dB以下の軸比により動作可能である、請求項1~44のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項46】
右円偏波または左円偏波により動作可能である、請求項1~45のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項47】
51%以上の効率により動作可能である、請求項1~46のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項48】
10MHz以上、これに代えて50MHz以上、さらにこれに代えて100MHz以上の3dBにおける広い軸比帯域幅にて動作可能である、請求項47に記載のデュアルバンドアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にアンテナに関し、詳細には、デュアルバンドアンテナに関し、より詳細には、デュアルバンド、デュアルフィード、デュアル偏波アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
緊急呼び出し(eCall)および自動運転を含む応用は、複数の衛星コンステレーションからの2つ以上の周波数バンドの正確なポイント測位および追跡を必要とする。既存のアンテナは、そうした用途におけるそれらの意図された目的に適し得るが、より小型の設計の改善されたアンテナが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態は、添付の独立請求項によって定義されるデュアルバンドアンテナを含む。デュアルバンドアンテナのさらなる有利な変更形態は、添付の従属請求項によって定義される。
【0004】
一実施形態では、デュアルバンドアンテナは、磁気誘電材料を有する基板と、基板上に配置された導電性パッチと、を備え、パッチは、パッチの平面視により観察されるとき、H字形またはI字形を有する1つ以上の面内切欠きを有する。
【0005】
本発明の上記の特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、添付の図面に関連して考慮されるとき、本発明の以下の詳細な説明から容易に明らかになる。
例示的であり非限定的な図面を参照する。添付の図面では、同様の要素には同様の番号が付されているか、または同様に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に従う例示的な設計-1アンテナの平面図。
【
図2】一実施形態に従う
図1の例示的な設計-1アンテナの回転等角図。
【
図3】一実施形態に従う、例示的な製造の詳細を伴う
図1の例示的な設計-1アンテナの平面図。
【
図4】一実施形態に従う、他の例示的な製造の詳細を伴う
図1の例示的な設計-1アンテナの別の平面図。
【
図5】一実施形態に従う、例示的なフィードネットワークを伴う
図1の例示的な設計-1アンテナの別の平面図。
【
図6】一実施形態に従う
図1の例示的な設計-1アンテナの性能特性を示す図。
【
図7】一実施形態に従う
図1の例示的な設計-1アンテナの他の性能特性を示す図。
【
図8】一実施形態に従う、
図1のアンテナに相当する例示的な設計-2アンテナの平面図。
【
図9】一実施形態に従う
図8の例示的な設計-2アンテナの回転等角図。
【
図10】一実施形態に従う、例示的な製造の詳細を伴う
図8の例示的な設計-2アンテナの平面図。
【
図11】一実施形態に従う
図8の例示的な設計-2アンテナの性能特性を示す図。
【
図12】一実施形態に従う
図8の例示的な設計-2アンテナの他の性能特性を示す図。
【
図13】一実施形態に従う、接地平面上の2つ以上の積層アンテナの拡張アセンブリおよび最終アセンブリの側面図。
【
図14】一実施形態に従う、
図1の例示的な設計-1アンテナと組み合わせた例示的なフィードネットワークのボトムアップ透過平面図。
【
図15】一実施形態に係る、
図14の例示的なフィードネットワークおよび設計-1アンテナの端面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
当業者は、本明細書において以下にさらに記載される図面は、例示を目的とするに過ぎないことを理解する。説明を単純かつ明確にするために、図面に示される要素は、必ずしも一定の縮尺に描かれていないことが認識される。例えば、要素のうちのいくつかの寸法または縮尺は、明確さのため、他の要素に対して誇張されていることがある。さらに、適切であると考えられる場合、参照番号は、対応する要素または類似の要素を示すように図面間において繰り返されてよく、または類似の要素は、すべての図面において繰り返し列挙されなくてよく、そうした列挙は、存在しない場合、本質的に開示されることが認識および理解される。
【0008】
本明細書において使用される際、「実施形態」という語句は、「本明細書において開示および/または示される実施形態」を意味する。これは、添付の特許請求の範囲に係る発明の特定の実施形態を必ずしも包含しないことがあるが、それにもかかわらず、添付の特許請求の範囲に係る発明の完全な理解に有用であるものとして本明細書において提供される。
【0009】
以下の詳細な説明は、例示を目的として多くの詳細を含むが、当業者は、以下の詳細に対する多くの変形形態および代替形態が添付の特許請求の範囲内にあることを理解する。例えば、記載される特徴が他の記載される特徴に関して互いに排他的でない場合、互いに排他的でない特徴のそうした組み合わせは、本明細書において本質的に開示されていると考えられる。これに加えて、共通する特徴は、様々な図において共通して示され得るが、簡単のためにすべての図において具体的に列挙されない場合があるが、特定の図において列挙されない場合であっても、明示的に開示された特徴であるとして当業者によって認識される。したがって、以下の例示的な実施形態は、本明細書に開示される特許請求の範囲に記載の発明に対する一般性を失うことなく、かつ、特許請求の範囲に記載の発明に限定を課すことなく記載される。
【0010】
自動運転用途におけるGPS(全地球測位システム)周波数がGPS L2バンドよりも大きい場合の正確なポイント測位は、例えばGPS L5およびガリレオE5bなどの複数の衛星コンステレーションからの2つ以上の周波数バンドの追跡を必要とする。既存のマルチバンドGPSアンテナは、典型的には、単一のGPS L5およびGPS L1バンドを組み合わせて積層パッチアンテナにするが、アンテナが大型でない限り(例えば、50mm×50mmまたは70mm×70mm)、複数の衛星コンステレーションに対処しない。各パッチアンテナの瞬時バンド幅を増加させることによって、単一のアンテナが、2つ以上、潜在的には3つのコンステレーションを、各々2つの帯域でカバーするようにすることができる。従来技術では、第1の現在のカバレッジシナリオは、GPS L5およびガリレオE5bバンドに及ぶが、GPS L2帯域には及ばず、第2の現在のカバレッジシナリオは、BDS B2、GPS L1、およびGLO L1帯域に及ぶ。本明細書で以下に説明するように、本明細書で開示されるアンテナの改善されたカバレージシナリオは、GPS L5バンドおよびGPS L2バンドに及び、ガリレオE5bバンドを弁別する。
【0011】
本明細書で開示されるアンテナの一実施形態は、磁気誘電体基板上に導電性パッチをプリントするかまたは他の方法で堆積させることによって製造され得るデュアルフィードおよびデュアル偏波アンテナである。一実施形態では、デュアル偏波は、信号プローブにおける位相を交互にすることによる、円偏波、より詳細には右円偏波(RHCP)または左円偏波(LHCP)である。
【0012】
本明細書に開示される一実施形態に従うプロトタイプアンテナ設計は、実験室で開発された達成された特性(すなわち、誘電率、および損失を伴う透磁率)を有する磁気誘電材料上に製作された。目標は、この材料を使用し、特定の用途のためのアンテナの小型化を実証することであった。本明細書で言及される技術的応用は、GPS(全地球測位システム)のためのものである。開示されるアンテナが動作可能なGPSバンドは、2つ以上の異なるバンド、GPS L2バンドおよびGPS L5バンドを含み、L2バンドの公称中心周波数は、11MHzのバンド幅を有する1227.6MHzであり、L5バンドの公称中心周波数は、12.5MHzのバンド幅を有する1176.45MHzである。開示されるアンテナが動作可能である第3のバンドは、15.345MHzのバンド幅を有する1575.42MHzの公称中心周波数を有するGPS L1バンドである。EMエネルギーを能動的に放射する導電性パッチの形状は、改善された帯域幅、ならびに動作バンド全体のチューニングに寄与する、スロット、形状、およびノッチを有する一意に定められたプロファイルを有する。磁性材料上に開発されたアンテナ設計は、ガリレオE5bおよびE5aのより低いバンドも含む必要な動作バンドをカバーする。
【0013】
本明細書で開示される開示されたアンテナ設計の一実施形態は、動作バンド内で、75MHz以上の広いインピーダンスバンド幅、1.5dBi以下の広い軸比バンド幅、52%以上の放射効率、および3dBiにおいて10MHz以上、これに代えて50MHz以上、さらにこれに代えて100MHz以上の超広い軸比バンド幅を提供する。設計は、市場における同様の市販のアンテナ設計の既存の積層と比較して、単一層の磁気誘電材料スラブ上で行われた。
【0014】
開示されるアンテナの一実施形態は、誘電率と透磁率との両方の値を有する誘電特性を有する磁気誘電体基板上に設計され配置された、成形された内部切欠きと、周縁上のノッチとを有するほぼ円形である成形された導電性パッチアンテナを有する。戦略的に配置された2つの電気信号プローブは、パッチに電磁(EM)通電を提供する。磁気誘電体基板の利点は、電磁気的に励起されたときに電流および磁流が存在することであり、その理由は、材料の透磁率成分が、放射および整合バンド幅のようなアンテナ性能を改善するために利用されるためである。誘電率および透磁率の値は、本明細書で開示されるアンテナの小型化係数に寄与する。アンテナ設計の利点は、アンテナの小型化に寄与し、所望のアンテナ性能特性を達成する設計をもたらす材料特性である。
【0015】
本明細書において開示される目的に適した磁気誘電体基板は、磁性粒子または磁性粒子-ポリマー複合体であってよい。一実施形態では、100MHz~2GHzの周波数バンドにわたって、透磁率が1.5~15であり、磁気損失正接が0.01~0.10であり、誘電率が5~15であり、誘電損失正接が0.002~0.01である。一実施形態において、磁気誘電性複合体は、10~80体積%の磁性フィラー(フェライトまたは金属粒子)と、20~90体積%のポリマーとを含むことができる。
【0016】
本明細書に開示される目的に有用であることが見出された例示的な磁気誘電体基板は、Ba1.5Sr1.5Co2.12Mo0.12Fe22.16 0 41、45体積%フェライト、55体積%LDPEである。この特定の磁気誘電体基板は、1.2GHzにおいて、1.80に等しい透磁率、0.03に等しい磁気損失正接、6.269に等しい誘電率、および0.0037に等しい誘電損失正接という特性を有する。
【0017】
様々な図および添付の文章によって示され説明される一実施形態は、例えば、eCallおよび自動運転用途において有用なデュアルバンドアンテナを提供する。考えられる別の用途は、自動車用途のための6バンド全地球航法衛星システム(GNSS)チップセットである。
【0018】
本明細書において開示されるアンテナの一実施形態は、GNSS用の低Lバンド(1164~1300 MHz)全体、例えば、L5/L2、E5a/E5b/E6、G2/G3、B2/B3、BDS B2、GPS L1、およびGLO L1バンドをカバーする用途に適している。
【0019】
本明細書において使用される際、モノリシックという用語は、単一の材料組成物から一体的に形成された構造を意味する。
本明細書に図示および説明される実施形態は、特に面内切欠きに関して、特定の2次元(2D)平面視形状を有する導電性パッチを伴う例示的なデュアルバンドアンテナを示すが、この形状は、デュアルバンドアンテナの所望の性能特性(偏波、動作周波数、バンド幅、利得、反射損失、放射パターン等)に応じて、本明細書に開示されるデュアルバンドアンテナの設計において採用され得る多くの形状の単なる一例であることが理解される。開示される幾何形状は、本発明の範囲から逸脱することなく修正され得ることも理解される。したがって、本明細書における開示は、添付の特許請求の範囲内に入る任意のデュアルバンドアンテナ設計に適用され、本明細書における開示の範囲内に入り、本明細書に開示される目的に適した導電性パッチの任意の2D形状は、本明細書に開示される特定の実施形態に対して相補的であると企図され、考慮される。
【0020】
これより、
図1~
図5を組み合わせて参照する。
図1は、例示的な設計-1アンテナ1000の平面図を示す。
図2は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の回転等角図を示す。
図3は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の平面図を示し、例示的な製造の詳細が提示されている。
図4は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の別の平面図を示し、他の例示的な製造の詳細が示されている。
図5は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の別の平面図を示し、例示的な信号プローブ1550を有する例示的な信号フィードネットワーク1500が示されている。信号プローブ1550は
図2にも示されており、2つのプローブのうちの一方は、同軸フィードを介してパッチ1200から絶縁されパッチ1200を通過する信号注入プローブであり、2つのプローブのうちの他方は、パッチ1200に対し電気的に接続されている。一実施形態では、
図4に示されるように、2つの信号プローブ1550のうちの第1の信号プローブ1551は、パッチ1200のy軸上ではなくx軸上に配置され、2つの信号プローブ1550のうちの第2の信号プローブ1552は、パッチ1200のx軸上ではなくy軸上に配置される。
【0021】
一実施形態では、アンテナ1000は、導電性接地面1600上に配置された磁気誘電体(MD)基板1400上に配置された導電性パッチ1200を備える。パッチ1200は、H字形またはI字形(本明細書では一般にH字型と呼ばれる)を有する面内縁部切欠きまたは空隙1220および面内内部切欠きまたは空隙1240を含む特定の2D平面視形状を有する。一実施形態では、空隙1220、1240の領域における基板1400の材料は、誘電体のみの材料を含んでよく、これは、パッチ材料に空隙を戦略的に配置することによって、電界および磁界を基板の縁部に押し付けてフリンジ電界を効果的に改善することができる。
【0022】
アンテナ1000の例示的な設計仕様は、以下を含む。MD基板1400は、ε=6.3、μ=1.8、tanδ=0.004、tanμ=0.03であり、アンテナ1000は、小型化係数=11.34であり、パッチ1200は、全径D1=431.8mm(1.7インチ)であり、基板1400は、厚さT1=7.52mm(
図1の面内)、x寸法Sx1=49.96mm、およびy寸法Sy1=49.96mmであり、接地面1600は、x寸法Gx1=101.6mm、およびy寸法Gy1=101.6 mmであり、信号プローブ1550は、径Pd1=1.27mmである。ここで、設計-1アンテナ1000の性能特性を分析的にモデル化するために使用された、アンテナ1000および基板厚さT1の特定の寸法が提示される。また、特定の寸法が提示されているが、これらは例示を目的とするに過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて変更されてよいことが理解される。
【0023】
特に
図3を参照すると、パッチ1200、パッチ1200の切欠き1240、およびパッチ1200の周辺ノッチ1220の特定の寸法が提示されている。特定の寸法が提示されているが、これらは例示の目的のために過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて修正されてよいことが理解される。
図3はまた、パッチ1200の切欠き1240およびノッチがある1220周辺に対する2つの信号プローブ1550の特定の位置を示す。
【0024】
一実施形態では、H字形切欠き1240は、2つの平行な脚部1242、1244と、2つの脚部1242、1244に垂直なブリッジ1246とを有する。一実施形態では、2つの脚部1242、1244の各々は、全長HL、幅HW、および長さHTを有する尾部を有する。一実施形態では、H字形切欠き1240のブリッジ1246は、長さHBを有する。一実施形態では、H字形切欠き1240は、ブリッジ1246の幅が(HL-(2×HT))に等しくなるように、またH字形切欠き1240の全幅が(HB+(2×HW))に等しくなるように、パッチ1200の平面視の平面に直交する2つの平面において鏡像対称性を有する。一実施形態では、H字形切欠き1240の脚部1242、1244は、パッチ1200の中心x-y-z直交基準フレームのy軸に対して角度αで配置され、H字形切欠き1240は、パッチ1200の中心z軸1201から径方向にずれており、中心z軸1201は、パッチ1200の平面に垂直に延びる(例えば、
図3参照)。
【0025】
一実施形態では、パッチ1200の全径D1は、複数の縁部切欠き(周辺ノッチ)1220を有し、各切欠きは幅NWおよび長さNLを有する。一実施形態では、パッチ1200は、パッチ1200の周囲に均一に分散された4つの縁部切欠き1220を有する。
【0026】
一実施形態では、2つの信号プローブ1550はそれぞれ、パッチ1200の中心z軸1201に対してx次元PXおよびy次元PYに位置する。
解析モデリングに使用された特定の実施形態では、HL=15mm、HW=2.5mm、HT=5mm、HB=5mm、NW=10mm、NL=5mm、PX=8mm、PY=8mm、およびα=40度である。
【0027】
これより、パッチ1200の中心z軸1201に対するH形切欠き1240の特定の位置および配向について、
図4を参照して説明する。図示されるように、4つの縁部切欠き1220は、パッチ1200の周囲に90度の間隔で均一に分散されており、x軸が切欠き1220のうちの2つの対向する切欠きを分岐し、y軸が切欠きのうちの別の2つの対向する切欠きを分岐するように配置されている。一実施形態では、切欠き1220のうちの1つの内側縁部は、x軸に沿って中心z軸1201からX1の距離に位置する。一実施形態では、H字形切欠き1240は、「H」字形の画定されたコーナー点P1、P2、P3、およびP4を有する外側プロファイルを有し、コーナー点P1~P4の各々は、x-y-z直交座標系のx-y平面におけるz軸に対するH形切欠き1240の特定の配向を確立する画定されたx、y座標に位置する。一実施形態では、距離X1=19.1mmであり、P1は(-8.6mm,-3.2mm)のx,y座標を有し、P2は(2.9mm,-12.8mm)のx,y座標を有し、P3は(9.2mm,-5.2mm)のx,y座標を有し、P4は(-2.2mm,4.4mm)のx,y座標を有する。P1~P4の特定の座標が
図4に提示されているが、これらは例示の目的のために過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて変更されてよいことが理解される。
【0028】
図5は、接地面1600の下に配置され、信号プローブ1550を介してデュアルフィードを提供するように構成されている例示的なフィードネットワーク1500を示し、フィードネットワーク1500は、例えば、GPS L5およびGPS L2バンドを通じた通信に適している。一実施形態では、フィードネットワーク1500は、コネクタ1560を介して他のシステムコンポーネント(図示せず)に対し接続される。
【0029】
一実施形態では、デュアルバンド性能のための
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の他の仕様は、1.164~1.189GHzおよび1.215~1.239GHzの-10dBiのデュアル周波数範囲、3dBiの利得、3dBiの軸比ARバンド幅、50%を超える効率、およびRHCP(右円偏波)の偏波を含む。
【0030】
特定の仕様が定められているが、これらは例示に過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて変更されてよいことが理解される。
図6は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の性能特性を示す。ここで、周波数に対するアンテナ1000の反射係数、効率、およびRHCP利得がグラフにより示されている。
【0031】
図7は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の他の性能特性を示す。ここで、周波数に対するアンテナ1000の軸比(AR)がグラフにより示されている。
ここで
図8~
図10を組み合わせて参照すると、同様の要素には同様の番号が付されている。
図8は、例示的な設計-2アンテナ2000の平面図を示す。
図9は、
図8の例示的な設計-2アンテナ2000の回転等角図を示す。
図10は、
図8の例示的な設計-2アンテナ2000の平面図を示し、例示的な製造の詳細が示されている。
【0032】
設計-2アンテナ2000は、接地面1600’上にエッチング除去されたリング1610を導入することによって設計-1アンテナ1000とは異なり、これは、アンテナ1000の接地面1600を電磁的に縮小し、より多くのEMエネルギーを基板1400へと向けることによってアンテナ2000の性能を向上させるように機能する。一実施形態では、アンテナ2000の接地面1600’は、エッチング除去されたリング1610の領域において接地面1600’の材料が全く存在しない。
【0033】
アンテナ2000の例示的な設計仕様は、アンテナ1000の設計仕様と同一であり、関連する図面にすべてが詳細に示されているわけではないが、同様の参照番号を使用することによって少なくとも暗黙的に開示されており、以下を含む。MD基板1400は、ε=6.3、μ=1.8、tanδ=0.004、tanμ=0.03であり、アンテナ2000は、小型化係数=11.34であり、パッチ1200は、全径D1=431.8mm(1.7インチ)であり、基板1400は、厚さT1=7.52mm(
図8の平面内)、x寸法Sx1=49.96mmおよびy寸法Sy1=49.96mmであり、接地面1600’はx寸法Gx1=101.6mmおよびy寸法Gy1=101.6mmであり、信号プローブ1550は直径Pd1=1.27mmである。アンテナ2000の他の設計仕様もアンテナ1000と同一であり、HL=15mm、HW=2.5mm、HT=5mm、HB=5mm、NW=10mm、NL=5mm、PX=8mm、PY=8mm、α=40度などである。さらに、パッチ1200の中心z軸1201に対するアンテナ2000のH形切欠き1240の位置および配向は、アンテナ1000のものと同一である。例えば、4つの縁部切欠き1220は、パッチ1200の周囲に90度の間隔で均一に分散されており、x軸が切欠き1220のうちの2つの対向する切欠きを分岐し、y軸が切欠きのうちの別の2つの対向する切欠きを分岐するように配置されている。一実施形態では、切欠き1220のうちの1つの内側縁部は、x軸に沿って中心z軸1201からX1の距離に位置する。一実施形態では、H字形切欠き1240は、「H」字形の画定されたコーナー点P1、P2、P3、およびP4を有する外側プロファイルを有し、コーナー点P1~P4の各々は、x-y-z直交座標系のx-y平面におけるz軸に対するH形切欠き1240の特定の配向を確立する画定されたx、y座標に位置する。一実施形態では、距離X1=19.1mmであり、P1は(-8.6mm,-3.2mm)のx,y座標を有し、P2は(2.9mm,-12.8mm)のx,y座標を有し、P3は(9.2mm,-5.2mm)のx,y座標を有し、P4は(-2.2mm,4.4mm)のx,y座標を有する。
【0034】
ここで特に
図10を参照すると、アンテナ1000のものと同一のパッチ1200および基板1400を有し、アンテナ1000のものとほぼ同一の接地面1600’を有するが、接地面1600’上にエッチング除去されたリング1610を有する、アンテナ2000が示されている。ここで、パッチ1400に対するエッチング除去されたリング1610の特定の寸法が提示され、一実施形態では、矩形のエッチング除去されたリング1610は、例えばWi=36mmである内側切欠き寸法Wiと、例えばWo=38mmである外側切欠き寸法Woとを有するか、これに代えてWa=1mmである環状切欠き寸法を有する。アンテナ2000に関して特定の寸法が提示されているが、これらは例示の目的のために過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて変更されてよいことが理解される。
【0035】
図11および
図12は、例示的な設計-2アンテナ2000の性能パラメータおよび特性を示し、パラメータは、
図6および
図7に示される例示的な設計-1アンテナ1000のパラメータと同様である。
図11および
図12の性能特性を
図6および
図7の性能特性と比較すると、接地面1600’にエッチング除去されたリング1610を含めることにより、L2バンドの上端にて性能の向上が達成可能であることが分かる。
【0036】
これより
図13を参照すると、接地面1600上の2つ以上の積層アンテナ1000.1、1000.2(また一般に参照番号1000によって参照される)の拡張アセンブリおよび最終アセンブリ3000の側面図が示されている。ここで、各積層アンテナ1000は、本明細書で開示されるような磁気誘電体基板1400上に配置されたパッチ1200を備え、これらは組み合わせて接地面1600上に配置されている。2つの積層アンテナしかが示されていないが、3つ以上のアンテナが組み合わされてよいことが理解される。そうした構成は、動作の異なる周波数バンドに寄与し得ることが考えられる。
図13は接地面1600上のアンテナ1000を示しているが、接地面1600’上のアンテナ2000を使用して同様の構成を構築できることが理解される。
【0037】
これより
図14および
図15を参照すると、
図14は、本明細書で開示されるアンテナ1000に接続された例示的な任意選択のフィードネットワーク1500’の底面図を示し、
図15は、本明細書で開示されるアンテナ1000に接続された例示的な任意選択のフィードネットワーク1500’の端面図を示し、フィードネットワーク1500’の位置は、特定の用途に応じて変化してよい。したがって、
図14および
図15に示されるフィードネットワーク1500’の位置は、例示の目的のために過ぎず、本明細書で特許請求される本発明を決して限定することを意図するものではない。一実施形態では、フィードネットワーク1500’は、信号ポートコネクタ1560と2つの信号プローブ1550との間に接続された電力分割器回路1570を含む。
【0038】
図1~
図15を集合的に参照すると、少なくとも以下の態様および/または態様の組合せに従うがこれらに限定されない、実施形態の様々な態様が本明細書で開示されることが理解される。
【0039】
態様1:デュアルバンドアンテナ1000,2000であって、磁気誘電材料を含む基板1400と、前記基板上に配置されている導電性パッチ1200と、を備え、前記パッチは、前記パッチの平面視により観察されるとき、H字形またはI字形を有する1つ以上の面内切欠き1240を備える、デュアルバンドアンテナ。
【0040】
態様2:前記1つ以上の切欠き1240は、前記パッチの中心x-y-z直交基準フレームに対し斜角に配置されている、態様1に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様3:前記基板は前記磁気誘電材料の単一層である、態様1または2に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0041】
態様4:前記磁気誘電基板と前記パッチとの組合せは、前記デュアルバンドアンテナの第1層1000.1を提供し、さらに、前記組合せの第2層1000.2は、多層デュアルバンドアンテナ3000を形成するように前記第1層上に配置されている、態様1~3のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0042】
態様5:前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの外周の内側に配置されている、態様1~4のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様6:前記1つ以上の切欠きの前記H字形または前記I字形は、前記パッチの平面視の平面に直交する2つの平面において鏡像対称性を有する、態様1~5のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0043】
態様7:前記パッチの外周は、前記基板の外周未満であるか、前記基板の外周内に配置されている、態様1~6のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。これに代えて、前記パッチの外周は、磁気誘電基板の外周と同一の大きさである。磁気誘電基板に対するパッチの大きさは、所望される動作周波数に基づく。
【0044】
態様8:前記基板の前記外周は、矩形であるかまたは円形である平面視プロファイルを有する、態様1~7のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様9:前記パッチの前記外周は、少なくとも部分的には円形である平面視プロファイルを有する、態様1~8のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0045】
態様10:前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの中心z軸から径方向にずれており、前記中心z軸は、前記パッチの平面視に対し垂直に延びている、態様1~9のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0046】
態様11:前記1つ以上の切欠きは、2つの長尺状脚部と前記2つの長尺状脚部を連結させるブリッジ脚部とを有し、前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの平面視により観察されるとき、前記パッチの中心に配置されているx軸と中心に配置されているy軸との両方に対し0度でない角度かつ90度でない角度に配向している、態様1~10のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。前記切欠きの前記長尺状脚部(スロット)を斜角に配向させることによって、2つの直交EMモードが生成され得る。
【0047】
態様12:前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの前記x軸と前記y軸との両方に対し45度の角度に各々配向している、態様11に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様13:前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々に対し直交して配向している、態様11または12に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0048】
態様14:前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々の各端部から等距離に配置されている、態様11~13のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様15:前記パッチの前記外周は、1つまたは複数のノッチを備える、態様1~14のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0049】
態様16:前記1つまたは複数のノッチ(例えば4つのノッチなど)は、前記パッチの前記外周上に対称に配置されている、態様15に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様17:前記1つまたは複数のノッチ(例えば、示される4つのノッチのうちの最も近く隣接する2つのノッチのみなど)は、前記パッチの前記外周上に非対称に配置されている、態様15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0050】
態様18:前記1つまたは複数のノッチは、互いとは直径方向に反対にある1対以上のノッチを含む、態様15に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様19:前記1つまたは複数のノッチは、各々それぞれ互いとは直径方向に反対にある2対以上のノッチを含む、態様15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0051】
態様20:前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2対以上のノッチのうちの第1の対は、前記パッチのx軸上に配置されており、前記2対以上のノッチのうちの第2の対は、前記パッチのy軸上に配置されている、態様19に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0052】
態様21:前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周の周りに等距離に配置されている、態様15~20のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様22:前記1つまたは複数のノッチは、同一のプロファイルを有する、態様15~21のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0053】
態様23:前記1つまたは複数のノッチは、部分的に矩形であるプロファイルを各々有する、態様15~22のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様24:2つの信号プローブ1550をさらに備える、態様1~23のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0054】
態様25:前記2つの信号プローブの各信号プローブは、前記パッチの前記中心z軸に平行に配向している、態様24に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様26:前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2つの信号プローブ1550のうちの第1の信号プローブ1551は、前記パッチのy軸ではなくx軸上に配置されており、前記2つの信号プローブ1550のうちの第2の信号プローブ1552は、前記パッチの前記x軸ではなく前記y軸上に配置されている、態様24または25に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0055】
態様27:電気接地基準1600をさらに備え、前記基板は前記電気接地基準上に配置されている、態様24~26のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様28:前記パッチと信号通信するように配置されている信号フィードネットワーク1500をさらに備える、態様27に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0056】
態様29:前記信号フィードネットワークは、前記基板の下に配置されている、態様28に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様30:前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の上に配置されている、態様28または29に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0057】
態様31:前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の下に配置されている、態様28または29に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様32:前記信号フィードネットワークは、信号ポートコネクタ1560および前記2つの信号プローブ1550と電気的に接続されており前記信号ポートコネクタと前記2つの信号プローブとの間にある電力分割器回路1570を含む、態様28~31のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0058】
態様33:前記基板の外周は、前記電気接地基準の外周未満であるか、前記電気接地基準の外周内に配置されている、態様27~32のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0059】
態様34:前記電気接地基準は、前記基板に近接し前記基板の外周の内側にある接地材料の空隙1610を含む、態様27~33のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。正方形にエッチングされた空隙1610を基板の下の接地材料に配置することによって、インピーダンスバンド幅、利得、おより効率の改善が実現され得る。
【0060】
態様35:接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、態様34に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0061】
態様36:接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にある、態様34または35に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0062】
態様37:接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にあり、かつ、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、態様34~36のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0063】
態様38:接地材料の前記空隙は矩形の形態にある、態様34~37のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様39:2つ以上の周波数バンドにわたって動作可能である、態様1~38のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0064】
態様40:前記2つ以上の周波数バンドのうちの個々の周波数バンド間において周波数を弁別するように動作可能である、態様39に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様41:前記2つ以上の周波数バンドのうちの第1の周波数バンドはL5バンドである、態様39または40に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0065】
態様42:前記2つ以上の周波数バンドのうちの第2の周波数バンドはL2バンドである、態様41に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様43:前記2つ以上の周波数は、1.17GHzから1.23GHzまでの公称周波数範囲内において動作可能である、態様39に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0066】
態様44:各それぞれの動作可能なバンドにて3dBi以上の利得により動作可能である、態様1~43のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様45:前記デュアルバンドアンテナの各放射ボアサイトから±30度にて、3dB以下の軸比により動作可能である、態様1~44のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0067】
態様46:各信号プローブにおける位相を交互にすることによって、右円偏波または左円偏波により動作可能である、態様1~45のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0068】
態様47:51%以上の効率により動作可能である、態様1~46のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様48:10MHz以上、これに代えて50MHz以上、さらにこれに代えて100MHz以上の3dBiにおける広い軸比帯域幅にて動作可能である、態様47に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0069】
本明細書で使用される際、「約・・・に等しい」という句は、本明細書で開示される目的から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内に入る、製造公差および/または公称値からのわずかな偏差を考慮することが意図される。
【0070】
個々の特徴の特定の組合せが本明細書に記載され図示されているが、特徴のこれらの特定の組合せは例示する目的に過ぎず、そうした組合せが明示的に図示されているか否かにかかわらず、そうした個々の特徴のいずれかの任意の組合せを実施形態に従って使用してよく、本明細書の開示と一致することが理解される。本明細書に開示される特徴のあらゆるそうした組合せは、本明細書において企図され、本出願を全体として考慮するときに当業者の理解の範囲内であると見なされ、当業者によって理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内にある限り、本明細書に開示される本発明の範囲内であると見なされる。
【0071】
例示的な実施形態を参照して本明細書において本発明を説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてよく、その要素を均等物により置き換えてよいことが当業者に理解される。本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるように、多くの修正がなされてよい。したがって、本発明は、本発明を実施するために想定される最良の形態または唯一の形態として本明細書に開示された特定の1つまたは複数の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図される。図面および記載では、例示的な実施形態が開示されており、特定の用語および/または寸法が使用されている場合があるが、それらは、特に明記しない限り、一般的な、例示的な、および/または説明的な意味においてのみ使用され、限定する目的ではなく、したがって、特許請求の範囲はそのように限定されない。層、膜、領域、基板、または他の記載された特徴などの要素が、別の要素の「上に」ある、またはそれと「係合して」いると称されるとき、それは、他の要素の直接上にある、またはそれと係合していることがあり、または介在要素が存在することもある。対照的に、要素が別の要素の「直接上にある」または「直接係合されている」と称されるとき、介在要素は存在しない。第1、第2などの用語の使用は、順序または重要性を示すものではなく、むしろ、第1、第2などの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用される。用語「1つの(a)」、「1つの(an)」などの使用は、量の限定を示すのではなく、参照された項目の1つ以上の存在を示す。「上部」、「底部」、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語の使用、または配向に対する任意の参照は、構造を2つ以上の配向から観察され得るので、構造の限定を示すものではなく、むしろ、本明細書に開示される関連する特徴のうちの1つまたは複数の間の相対的な構造的関係を示す。本明細書において使用される「含む(comprising)」という用語は、1つまたは複数の追加の特徴の可能な包含を排除するものではない。また、本明細書に提供される任意の背景情報は、本明細書に開示される本発明に関連する可能性があると出願人が考える情報を明らかにするように提供される。そうした背景情報のいずれかが、本明細書に開示される本発明の実施形態に対する先行技術を構成することを必ずしも容認することを意図するものではなく、そのように解釈されるものでもない。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルバンドアンテナ
(1000)であって、
磁気誘電材料を含む基板
(1400)と、
前記基板上に配置されている導電性パッチ
(1200)と、を備え、
前記パッチは、前記パッチの平面視により観察されるとき、H字形またはI字形を有する1つ以上の面内切欠き
(1240)を備え
、
前記H字形または前記I字形は、ブリッジ切欠き脚部によって連結している2つの平行な切欠き脚部を含み、前記ブリッジ切欠き脚部は前記2つの平行な切欠き脚部に対し垂直に配置されており、前記2つの平行な切欠き脚部のうちの1つ以上は全長HLを有し、
前記パッチの中心x-y-z直交基準フレームの前記z軸は前記パッチの前記平面視に対し垂直に延びる、デュアルバンドアンテナ。
【請求項2】
前記1つ以上の切欠き
のHLは、前記パッチの
前記中心x-y-z直交基準フレーム
のx軸およびy軸に対し斜角に配置されている、請求項1に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項3】
前記基板は前記磁気誘電材料の単一層である、請求項
2に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項4】
前記基板と前記パッチとの組合せは、前記デュアルバンドアンテナの第1層を提供し、さらに、
前記組合せの第2層は、多層デュアルバンドアンテナを形成するように前記第1層上に配置されている、請求項
2または3に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項5】
前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの外周の内側に配置されている、請求項
2~4のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項6】
前記1つ以上の切欠きの前記H字形または前記I字形は、前記パッチの平面視の平面に直交する2つの平面において鏡像対称性を有する、請求項
2~5のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項7】
前記パッチの外周は、前記基板の外周未満であ
り、前記基板の外周内に配置されて
いる、請求項
2~6のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項8】
前記基板の前記外周は、矩形であるかまたは円形である平面視プロファイルを有する、請求項
2~7のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項9】
前記パッチの前記外周は、少なくとも部分的には円形である平面視プロファイルを有する、請求項
2~8のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項10】
前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの中心z軸から径方向にずれており、前記中心z軸は、前記パッチの平面視に対し垂直に延びている、請求項
2~9のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項11】
前記1つ以上の切欠きは、2つの長尺状脚部と前記2つの長尺状脚部を連結させるブリッジ脚部とを有し、前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの
前記平面視により観察されるとき、前記パッチの中心に配置されているx軸と中心に配置されているy軸との両方に対し0度でない角度かつ90度でない角度に配向している、請求項
2~10のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項12】
前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの前記x軸と前記y軸との両方に対し45度の角度に各々配向している、請求項11に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項13】
前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々に対し直交して配向している、請求項11または12に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項14】
前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々の各端部から等距離に配置されている、請求項11~13のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項15】
前記パッチの前記外周は、1つまたは複数のノッチを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項16】
前記1つまたは複数のノッチは、
前記中心x-y-z直交基準フレームの前記x軸または前記y軸に対し、前記パッチの前記外周上に対称に配置されている、請求項15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項17】
前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周上に非対称に配置されている、請求項15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項18】
前記1つまたは複数のノッチは、互いとは直径方向に反対にある1対以上のノッチを含む、請求項15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項19】
前記1つまたは複数のノッチは、各々互いとは直径方向に反対にある2対以上のノッチを含む、請求項15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項20】
前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2対以上のノッチのうちの第1の対は、前記パッチのx軸上に配置されており、前記2対以上のノッチのうちの第2の対は、前記パッチのy軸上に配置されている、請求項19に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項21】
前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周の周りに等距離に配置されている、請求項15~20のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項22】
前記1つまたは複数のノッチは、同一のプロファイルを有する、請求項15~21のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項23】
前記1つまたは複数のノッチは、部分的に矩形であるプロファイルを各々有する、請求項15~22のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項24】
2つの信号プローブをさらに備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項25】
前記2つの信号プローブの各信号プローブは、前記パッチの前記中心z軸に平行に配向している、請求項24に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項26】
前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2つの信号プローブのうちの第1の信号プローブは、前記パッチのy軸ではなくx軸上に配置されており、前記2つの信号プローブのうちの第2の信号プローブは、前記パッチの前記x軸ではなく前記y軸上に配置されている、請求項24または25に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項27】
電気接地基準をさらに備え、前記基板は前記電気接地基準上に配置されている、請求項24~26のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項28】
前記パッチと信号通信するように配置されている信号フィードネットワークをさらに備える、請求項27に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項29】
前記信号フィードネットワークは、前記基板の下に配置されている、請求項28に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項30】
前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の上に配置されている、請求項28または29に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項31】
前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の下に配置されている、請求項28または29に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項32】
前記信号フィードネットワークは、信号ポートコネクタおよび前記2つの信号プローブと電気的に接続されており前記信号ポートコネクタと前記2つの信号プローブとの間にある電力分割器回路を含む、請求項28~31のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項33】
前記基板の外周は、前記電気接地基準の外周未満であるか、前記電気接地基準の外周内に配置されている、請求項27~32のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項34】
前記電気接地基準は、前記基板に近接し前記基板の外周の内側にある接地材料の空隙を含む、請求項27~33のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項35】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、請求項34に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項36】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にある、請求項34または35に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項37】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にあり、かつ、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、請求項34~36のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項38】
接地材料の前記空隙は矩形の形態にある、請求項34~37のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項39】
2つ以上の周波数バンドにわたって動作可能である、請求項1~38のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項40】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、前記2つ以上の周波数バンドのうちの個々の周波数バンド間において周波数を弁別するように動作可能である、請求項39に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項41】
前記2つ以上の周波数バンドのうちの第1の周波数バンドはL5バンドである、請求項39または40に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項42】
前記2つ以上の周波数バンドのうちの第2の周波数バンドはL2バンドである、請求項41に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項43】
前記2つ以上の周波数
バンドは、1.17GHzから1.23GHzまでの公称周波数範囲内において動作可能である、請求項39に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項44】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、各それぞれの動作可能なバンドにて3dBi以上の利得により動作可能である、請求項1~43のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項45】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、前記デュアルバンドアンテナの各放射ボアサイトから±30度にて、3dB以下の軸比により動作可能である、請求項1~44のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項46】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、右円偏波または左円偏波により動作可能である、請求項1~45のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項47】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、51%以上の効率により動作可能である、請求項1~46のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項48】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、10MHz以上、これに代えて50MHz以上、さらにこれに代えて100MHz以上の3dBにおける広い軸比帯域幅にて動作可能である、請求項47に記載のデュアルバンドアンテナ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にアンテナに関し、詳細には、デュアルバンドアンテナに関し、より詳細には、デュアルバンド、デュアルフィード、デュアル偏波アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
緊急呼び出し(eCall)および自動運転を含む応用は、複数の衛星コンステレーションからの2つ以上の周波数バンドの正確なポイント測位および追跡を必要とする。以下の文献、すなわち、非特許文献1、非特許文献2、特許文献1は、有用な背景技術と考えられ得る。既存のアンテナは、そうした用途におけるそれらの意図された目的に適し得るが、より小型の設計の改善されたアンテナが依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/251824号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ルナ・ボニーラ・ハビエルA(LUNA BONILLA JAVIER A)ら「金属面上において915MHzにて動作する受動タグRFID用の磁気誘電基板を有するマイクロストリップアンテナの小型化(Miniaturization of a Microstrip Antenna with Magneto-Dielectrics Substrates for a Passive Tag RFID operating at 915 MHz on a Metallic Surface)」、2014年9月25日、IEEE、2014 IEEE BRASIL RFID、61-63頁、XP032787687、DOI:10.1109/BRASILRFID.20147128967、ISBN:978-1-4799-7045-2
【非特許文献2】モサラシH(MOSALLACI H)ら「新しいアンテナ設計用の組込み回路およびRISメタ基板(Embedded-Circuit and RIS Meta-Substrates for Novel Antenna Designs)」、2004年6月20~25日、アメリカ合衆国、カリフォルニア州、モントレー、IEEE、2004年6月20日、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、ピスカタウェイ、IEEE、アンテナおよび伝搬学会シンポジウム2004、301-304頁、XP010721285、DOI:10.1109/APS/2004.1329632、ISBN:978-0-7803-8302-9
【発明の概要】
【0005】
一実施形態は、添付の独立請求項によって定義されるデュアルバンドアンテナを含む。デュアルバンドアンテナのさらなる有利な変更形態は、添付の従属請求項によって定義される。
【0006】
一実施形態では、デュアルバンドアンテナは、磁気誘電材料を有する基板と、基板上に配置された導電性パッチと、を備え、パッチは、パッチの平面視により観察されるとき、H字形またはI字形を有する1つ以上の面内切欠きを有する。
【0007】
本発明の上記の特徴および利点ならびに他の特徴および利点は、添付の図面に関連して考慮されるとき、本発明の以下の詳細な説明から容易に明らかになる。
例示的であり非限定的な図面を参照する。添付の図面では、同様の要素には同様の番号が付されているか、または同様に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に従う例示的な設計-1アンテナの平面図。
【
図2】一実施形態に従う
図1の例示的な設計-1アンテナの回転等角図。
【
図3】一実施形態に従う、例示的な製造の詳細を伴う
図1の例示的な設計-1アンテナの平面図。
【
図4】一実施形態に従う、他の例示的な製造の詳細を伴う
図1の例示的な設計-1アンテナの別の平面図。
【
図5】一実施形態に従う、例示的なフィードネットワークを伴う
図1の例示的な設計-1アンテナの別の平面図。
【
図6】一実施形態に従う
図1の例示的な設計-1アンテナの性能特性を示す図。
【
図7】一実施形態に従う
図1の例示的な設計-1アンテナの他の性能特性を示す図。
【
図8】一実施形態に従う、
図1のアンテナに相当する例示的な設計-2アンテナの平面図。
【
図9】一実施形態に従う
図8の例示的な設計-2アンテナの回転等角図。
【
図10】一実施形態に従う、例示的な製造の詳細を伴う
図8の例示的な設計-2アンテナの平面図。
【
図11】一実施形態に従う
図8の例示的な設計-2アンテナの性能特性を示す図。
【
図12】一実施形態に従う
図8の例示的な設計-2アンテナの他の性能特性を示す図。
【
図13】一実施形態に従う、接地平面上の2つ以上の積層アンテナの拡張アセンブリおよび最終アセンブリの側面図。
【
図14】一実施形態に従う、
図1の例示的な設計-1アンテナと組み合わせた例示的なフィードネットワークのボトムアップ透過平面図。
【
図15】一実施形態に係る、
図14の例示的なフィードネットワークおよび設計-1アンテナの端面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者は、本明細書において以下にさらに記載される図面は、例示を目的とするに過ぎないことを理解する。説明を単純かつ明確にするために、図面に示される要素は、必ずしも一定の縮尺に描かれていないことが認識される。例えば、要素のうちのいくつかの寸法または縮尺は、明確さのため、他の要素に対して誇張されていることがある。さらに、適切であると考えられる場合、参照番号は、対応する要素または類似の要素を示すように図面間において繰り返されてよく、または類似の要素は、すべての図面において繰り返し列挙されなくてよく、そうした列挙は、存在しない場合、本質的に開示されることが認識および理解される。
【0010】
本明細書において使用される際、「実施形態」という語句は、「本明細書において開示および/または示される実施形態」を意味する。これは、添付の特許請求の範囲に係る発明の特定の実施形態を必ずしも包含しないことがあるが、それにもかかわらず、添付の特許請求の範囲に係る発明の完全な理解に有用であるものとして本明細書において提供される。
【0011】
以下の詳細な説明は、例示を目的として多くの詳細を含むが、当業者は、以下の詳細に対する多くの変形形態および代替形態が添付の特許請求の範囲内にあることを理解する。例えば、記載される特徴が他の記載される特徴に関して互いに排他的でない場合、互いに排他的でない特徴のそうした組み合わせは、本明細書において本質的に開示されていると考えられる。これに加えて、共通する特徴は、様々な図において共通して示され得るが、簡単のためにすべての図において具体的に列挙されない場合があるが、特定の図において列挙されない場合であっても、明示的に開示された特徴であるとして当業者によって認識される。したがって、以下の例示的な実施形態は、本明細書に開示される特許請求の範囲に記載の発明に対する一般性を失うことなく、かつ、特許請求の範囲に記載の発明に限定を課すことなく記載される。
【0012】
自動運転用途におけるGPS(全地球測位システム)周波数がGPS L2バンドよりも大きい場合の正確なポイント測位は、例えばGPS L5およびガリレオE5bなどの複数の衛星コンステレーションからの2つ以上の周波数バンドの追跡を必要とする。既存のマルチバンドGPSアンテナは、典型的には、単一のGPS L5およびGPS L1バンドを組み合わせて積層パッチアンテナにするが、アンテナが大型でない限り(例えば、50mm×50mmまたは70mm×70mm)、複数の衛星コンステレーションに対処しない。各パッチアンテナの瞬時バンド幅を増加させることによって、単一のアンテナが、2つ以上、潜在的には3つのコンステレーションを、各々2つの帯域でカバーするようにすることができる。従来技術では、第1の現在のカバレッジシナリオは、GPS L5およびガリレオE5bバンドに及ぶが、GPS L2帯域には及ばず、第2の現在のカバレッジシナリオは、BDS B2、GPS L1、およびGLO L1帯域に及ぶ。本明細書で以下に説明するように、本明細書で開示されるアンテナの改善されたカバレージシナリオは、GPS L5バンドおよびGPS L2バンドに及び、ガリレオE5bバンドを弁別する。
【0013】
本明細書で開示されるアンテナの一実施形態は、磁気誘電体基板上に導電性パッチをプリントするかまたは他の方法で堆積させることによって製造され得るデュアルフィードおよびデュアル偏波アンテナである。一実施形態では、デュアル偏波は、信号プローブにおける位相を交互にすることによる、円偏波、より詳細には右円偏波(RHCP)または左円偏波(LHCP)である。
【0014】
本明細書に開示される一実施形態に従うプロトタイプアンテナ設計は、実験室で開発された達成された特性(すなわち、誘電率、および損失を伴う透磁率)を有する磁気誘電材料上に製作された。目標は、この材料を使用し、特定の用途のためのアンテナの小型化を実証することであった。本明細書で言及される技術的応用は、GPS(全地球測位システム)のためのものである。開示されるアンテナが動作可能なGPSバンドは、2つ以上の異なるバンド、GPS L2バンドおよびGPS L5バンドを含み、L2バンドの公称中心周波数は、11MHzのバンド幅を有する1227.6MHzであり、L5バンドの公称中心周波数は、12.5MHzのバンド幅を有する1176.45MHzである。開示されるアンテナが動作可能である第3のバンドは、15.345MHzのバンド幅を有する1575.42MHzの公称中心周波数を有するGPS L1バンドである。EMエネルギーを能動的に放射する導電性パッチの形状は、改善された帯域幅、ならびに動作バンド全体のチューニングに寄与する、スロット、形状、およびノッチを有する一意に定められたプロファイルを有する。磁性材料上に開発されたアンテナ設計は、ガリレオE5bおよびE5aのより低いバンドも含む必要な動作バンドをカバーする。
【0015】
本明細書で開示される開示されたアンテナ設計の一実施形態は、動作バンド内で、75MHz以上の広いインピーダンスバンド幅、1.5dBi以下の広い軸比バンド幅、52%以上の放射効率、および3dBiにおいて10MHz以上、これに代えて50MHz以上、さらにこれに代えて100MHz以上の超広い軸比バンド幅を提供する。設計は、市場における同様の市販のアンテナ設計の既存の積層と比較して、単一層の磁気誘電材料スラブ上で行われた。
【0016】
開示されるアンテナの一実施形態は、誘電率と透磁率との両方の値を有する誘電特性を有する磁気誘電体基板上に設計され配置された、成形された内部切欠きと、周縁上のノッチとを有するほぼ円形である成形された導電性パッチアンテナを有する。戦略的に配置された2つの電気信号プローブは、パッチに電磁(EM)通電を提供する。磁気誘電体基板の利点は、電磁気的に励起されたときに電流および磁流が存在することであり、その理由は、材料の透磁率成分が、放射および整合バンド幅のようなアンテナ性能を改善するために利用されるためである。誘電率および透磁率の値は、本明細書で開示されるアンテナの小型化係数に寄与する。アンテナ設計の利点は、アンテナの小型化に寄与し、所望のアンテナ性能特性を達成する設計をもたらす材料特性である。
【0017】
本明細書において開示される目的に適した磁気誘電体基板は、磁性粒子または磁性粒子-ポリマー複合体であってよい。一実施形態では、100MHz~2GHzの周波数バンドにわたって、透磁率が1.5~15であり、磁気損失正接が0.01~0.10であり、誘電率が5~15であり、誘電損失正接が0.002~0.01である。一実施形態において、磁気誘電性複合体は、10~80体積%の磁性フィラー(フェライトまたは金属粒子)と、20~90体積%のポリマーとを含むことができる。
【0018】
本明細書に開示される目的に有用であることが見出された例示的な磁気誘電体基板は、Ba1.5Sr1.5Co2.12Mo0.12Fe22.16 0 41、45体積%フェライト、55体積%LDPEである。この特定の磁気誘電体基板は、1.2GHzにおいて、1.80に等しい透磁率、0.03に等しい磁気損失正接、6.269に等しい誘電率、および0.0037に等しい誘電損失正接という特性を有する。
【0019】
様々な図および添付の文章によって示され説明される一実施形態は、例えば、eCallおよび自動運転用途において有用なデュアルバンドアンテナを提供する。考えられる別の用途は、自動車用途のための6バンド全地球航法衛星システム(GNSS)チップセットである。
【0020】
本明細書において開示されるアンテナの一実施形態は、GNSS用の低Lバンド(1164~1300 MHz)全体、例えば、L5/L2、E5a/E5b/E6、G2/G3、B2/B3、BDS B2、GPS L1、およびGLO L1バンドをカバーする用途に適している。
【0021】
本明細書において使用される際、モノリシックという用語は、単一の材料組成物から一体的に形成された構造を意味する。
本明細書に図示および説明される実施形態は、特に面内切欠きに関して、特定の2次元(2D)平面視形状を有する導電性パッチを伴う例示的なデュアルバンドアンテナを示すが、この形状は、デュアルバンドアンテナの所望の性能特性(偏波、動作周波数、バンド幅、利得、反射損失、放射パターン等)に応じて、本明細書に開示されるデュアルバンドアンテナの設計において採用され得る多くの形状の単なる一例であることが理解される。開示される幾何形状は、本発明の範囲から逸脱することなく修正され得ることも理解される。したがって、本明細書における開示は、添付の特許請求の範囲内に入る任意のデュアルバンドアンテナ設計に適用され、本明細書における開示の範囲内に入り、本明細書に開示される目的に適した導電性パッチの任意の2D形状は、本明細書に開示される特定の実施形態に対して相補的であると企図され、考慮される。
【0022】
これより、
図1~
図5を組み合わせて参照する。
図1は、例示的な設計-1アンテナ1000の平面図を示す。
図2は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の回転等角図を示す。
図3は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の平面図を示し、例示的な製造の詳細が提示されている。
図4は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の別の平面図を示し、他の例示的な製造の詳細が示されている。
図5は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の別の平面図を示し、例示的な信号プローブ1550を有する例示的な信号フィードネットワーク1500が示されている。信号プローブ1550は
図2にも示されており、2つのプローブのうちの一方は、同軸フィードを介してパッチ1200から絶縁されパッチ1200を通過する信号注入プローブであり、2つのプローブのうちの他方は、パッチ1200に対し電気的に接続されている。一実施形態では、
図4に示されるように、2つの信号プローブ1550のうちの第1の信号プローブ1551は、パッチ1200のy軸上ではなくx軸上に配置され、2つの信号プローブ1550のうちの第2の信号プローブ1552は、パッチ1200のx軸上ではなくy軸上に配置される。
【0023】
一実施形態では、アンテナ1000は、導電性接地面1600上に配置された磁気誘電体(MD)基板1400上に配置された導電性パッチ1200を備える。パッチ1200は、H字形またはI字形(本明細書では一般にH字型と呼ばれる)を有する面内縁部切欠きまたは空隙1220および面内内部切欠きまたは空隙1240を含む特定の2D平面視形状を有する。一実施形態では、空隙1220、1240の領域における基板1400の材料は、誘電体のみの材料を含んでよく、これは、パッチ材料に空隙を戦略的に配置することによって、電界および磁界を基板の縁部に押し付けてフリンジ電界を効果的に改善することができる。
【0024】
アンテナ1000の例示的な設計仕様は、以下を含む。MD基板1400は、ε=6.3、μ=1.8、tanδ=0.004、tanμ=0.03であり、アンテナ1000は、小型化係数=11.34であり、パッチ1200は、全径D1=431.8mm(1.7インチ)であり、基板1400は、厚さT1=7.52mm(
図1の面内)、x寸法Sx1=49.96mm、およびy寸法Sy1=49.96mmであり、接地面1600は、x寸法Gx1=101.6mm、およびy寸法Gy1=101.6 mmであり、信号プローブ1550は、径Pd1=1.27mmである。ここで、設計-1アンテナ1000の性能特性を分析的にモデル化するために使用された、アンテナ1000および基板厚さT1の特定の寸法が提示される。また、特定の寸法が提示されているが、これらは例示を目的とするに過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて変更されてよいことが理解される。
【0025】
特に
図3を参照すると、パッチ1200、パッチ1200の切欠き1240、およびパッチ1200の周辺ノッチ1220の特定の寸法が提示されている。特定の寸法が提示されているが、これらは例示の目的のために過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて修正されてよいことが理解される。
図3はまた、パッチ1200の切欠き1240およびノッチがある1220周辺に対する2つの信号プローブ1550の特定の位置を示す。
【0026】
一実施形態では、H字形切欠き1240は、2つの平行な脚部1242、1244と、2つの脚部1242、1244に垂直なブリッジ1246とを有する。一実施形態では、2つの脚部1242、1244の各々は、全長HL、幅HW、および長さHTを有する尾部を有する。一実施形態では、H字形切欠き1240のブリッジ1246は、長さHBを有する。一実施形態では、H字形切欠き1240は、ブリッジ1246の幅が(HL-(2×HT))に等しくなるように、またH字形切欠き1240の全幅が(HB+(2×HW))に等しくなるように、パッチ1200の平面視の平面に直交する2つの平面において鏡像対称性を有する。一実施形態では、H字形切欠き1240の脚部1242、1244は、パッチ1200の中心x-y-z直交基準フレームのy軸に対して角度αで配置され、H字形切欠き1240は、パッチ1200の中心z軸1201から径方向にずれており、中心z軸1201は、パッチ1200の平面に垂直に延びる(例えば、
図3参照)。
【0027】
一実施形態では、パッチ1200の全径D1は、複数の縁部切欠き(周辺ノッチ)1220を有し、各切欠きは幅NWおよび長さNLを有する。一実施形態では、パッチ1200は、パッチ1200の周囲に均一に分散された4つの縁部切欠き1220を有する。
【0028】
一実施形態では、2つの信号プローブ1550はそれぞれ、パッチ1200の中心z軸1201に対してx次元PXおよびy次元PYに位置する。
解析モデリングに使用された特定の実施形態では、HL=15mm、HW=2.5mm、HT=5mm、HB=5mm、NW=10mm、NL=5mm、PX=8mm、PY=8mm、およびα=40度である。
【0029】
これより、パッチ1200の中心z軸1201に対するH形切欠き1240の特定の位置および配向について、
図4を参照して説明する。図示されるように、4つの縁部切欠き1220は、パッチ1200の周囲に90度の間隔で均一に分散されており、x軸が切欠き1220のうちの2つの対向する切欠きを分岐し、y軸が切欠きのうちの別の2つの対向する切欠きを分岐するように配置されている。一実施形態では、切欠き1220のうちの1つの内側縁部は、x軸に沿って中心z軸1201からX1の距離に位置する。一実施形態では、H字形切欠き1240は、「H」字形の画定されたコーナー点P1、P2、P3、およびP4を有する外側プロファイルを有し、コーナー点P1~P4の各々は、x-y-z直交座標系のx-y平面におけるz軸に対するH形切欠き1240の特定の配向を確立する画定されたx、y座標に位置する。一実施形態では、距離X1=19.1mmであり、P1は(-8.6mm,-3.2mm)のx,y座標を有し、P2は(2.9mm,-12.8mm)のx,y座標を有し、P3は(9.2mm,-5.2mm)のx,y座標を有し、P4は(-2.2mm,4.4mm)のx,y座標を有する。P1~P4の特定の座標が
図4に提示されているが、これらは例示の目的のために過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて変更されてよいことが理解される。
【0030】
図5は、接地面1600の下に配置され、信号プローブ1550を介してデュアルフィードを提供するように構成されている例示的なフィードネットワーク1500を示し、フィードネットワーク1500は、例えば、GPS L5およびGPS L2バンドを通じた通信に適している。一実施形態では、フィードネットワーク1500は、コネクタ1560を介して他のシステムコンポーネント(図示せず)に対し接続される。
【0031】
一実施形態では、デュアルバンド性能のための
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の他の仕様は、1.164~1.189GHzおよび1.215~1.239GHzの-10dBiのデュアル周波数範囲、3dBiの利得、3dBiの軸比ARバンド幅、50%を超える効率、およびRHCP(右円偏波)の偏波を含む。
【0032】
特定の仕様が定められているが、これらは例示に過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて変更されてよいことが理解される。
図6は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の性能特性を示す。ここで、周波数に対するアンテナ1000の反射係数、効率、およびRHCP利得がグラフにより示されている。
【0033】
図7は、
図1の例示的な設計-1アンテナ1000の他の性能特性を示す。ここで、周波数に対するアンテナ1000の軸比(AR)がグラフにより示されている。
ここで
図8~
図10を組み合わせて参照すると、同様の要素には同様の番号が付されている。
図8は、例示的な設計-2アンテナ2000の平面図を示す。
図9は、
図8の例示的な設計-2アンテナ2000の回転等角図を示す。
図10は、
図8の例示的な設計-2アンテナ2000の平面図を示し、例示的な製造の詳細が示されている。
【0034】
設計-2アンテナ2000は、接地面1600’上にエッチング除去されたリング1610を導入することによって設計-1アンテナ1000とは異なり、これは、アンテナ1000の接地面1600を電磁的に縮小し、より多くのEMエネルギーを基板1400へと向けることによってアンテナ2000の性能を向上させるように機能する。一実施形態では、アンテナ2000の接地面1600’は、エッチング除去されたリング1610の領域において接地面1600’の材料が全く存在しない。
【0035】
アンテナ2000の例示的な設計仕様は、アンテナ1000の設計仕様と同一であり、関連する図面にすべてが詳細に示されているわけではないが、同様の参照番号を使用することによって少なくとも暗黙的に開示されており、以下を含む。MD基板1400は、ε=6.3、μ=1.8、tanδ=0.004、tanμ=0.03であり、アンテナ2000は、小型化係数=11.34であり、パッチ1200は、全径D1=431.8mm(1.7インチ)であり、基板1400は、厚さT1=7.52mm(
図8の平面内)、x寸法Sx1=49.96mmおよびy寸法Sy1=49.96mmであり、接地面1600’はx寸法Gx1=101.6mmおよびy寸法Gy1=101.6mmであり、信号プローブ1550は直径Pd1=1.27mmである。アンテナ2000の他の設計仕様もアンテナ1000と同一であり、HL=15mm、HW=2.5mm、HT=5mm、HB=5mm、NW=10mm、NL=5mm、PX=8mm、PY=8mm、α=40度などである。さらに、パッチ1200の中心z軸1201に対するアンテナ2000のH形切欠き1240の位置および配向は、アンテナ1000のものと同一である。例えば、4つの縁部切欠き1220は、パッチ1200の周囲に90度の間隔で均一に分散されており、x軸が切欠き1220のうちの2つの対向する切欠きを分岐し、y軸が切欠きのうちの別の2つの対向する切欠きを分岐するように配置されている。一実施形態では、切欠き1220のうちの1つの内側縁部は、x軸に沿って中心z軸1201からX1の距離に位置する。一実施形態では、H字形切欠き1240は、「H」字形の画定されたコーナー点P1、P2、P3、およびP4を有する外側プロファイルを有し、コーナー点P1~P4の各々は、x-y-z直交座標系のx-y平面におけるz軸に対するH形切欠き1240の特定の配向を確立する画定されたx、y座標に位置する。一実施形態では、距離X1=19.1mmであり、P1は(-8.6mm,-3.2mm)のx,y座標を有し、P2は(2.9mm,-12.8mm)のx,y座標を有し、P3は(9.2mm,-5.2mm)のx,y座標を有し、P4は(-2.2mm,4.4mm)のx,y座標を有する。
【0036】
ここで特に
図10を参照すると、アンテナ1000のものと同一のパッチ1200および基板1400を有し、アンテナ1000のものとほぼ同一の接地面1600’を有するが、接地面1600’上にエッチング除去されたリング1610を有する、アンテナ2000が示されている。ここで、パッチ1400に対するエッチング除去されたリング1610の特定の寸法が提示され、一実施形態では、矩形のエッチング除去されたリング1610は、例えばWi=36mmである内側切欠き寸法Wiと、例えばWo=38mmである外側切欠き寸法Woとを有するか、これに代えてWa=1mmである環状切欠き寸法を有する。アンテナ2000に関して特定の寸法が提示されているが、これらは例示の目的のために過ぎず、特定の用途のための所望のアンテナ性能特性に応じて変更されてよいことが理解される。
【0037】
図11および
図12は、例示的な設計-2アンテナ2000の性能パラメータおよび特性を示し、パラメータは、
図6および
図7に示される例示的な設計-1アンテナ1000のパラメータと同様である。
図11および
図12の性能特性を
図6および
図7の性能特性と比較すると、接地面1600’にエッチング除去されたリング1610を含めることにより、L2バンドの上端にて性能の向上が達成可能であることが分かる。
【0038】
これより
図13を参照すると、接地面1600上の2つ以上の積層アンテナ1000.1、1000.2(また一般に参照番号1000によって参照される)の拡張アセンブリおよび最終アセンブリ3000の側面図が示されている。ここで、各積層アンテナ1000は、本明細書で開示されるような磁気誘電体基板1400上に配置されたパッチ1200を備え、これらは組み合わせて接地面1600上に配置されている。2つの積層アンテナしかが示されていないが、3つ以上のアンテナが組み合わされてよいことが理解される。そうした構成は、動作の異なる周波数バンドに寄与し得ることが考えられる。
図13は接地面1600上のアンテナ1000を示しているが、接地面1600’上のアンテナ2000を使用して同様の構成を構築できることが理解される。
【0039】
これより
図14および
図15を参照すると、
図14は、本明細書で開示されるアンテナ1000に接続された例示的な任意選択のフィードネットワーク1500’の底面図を示し、
図15は、本明細書で開示されるアンテナ1000に接続された例示的な任意選択のフィードネットワーク1500’の端面図を示し、フィードネットワーク1500’の位置は、特定の用途に応じて変化してよい。したがって、
図14および
図15に示されるフィードネットワーク1500’の位置は、例示の目的のために過ぎず、本明細書で特許請求される本発明を決して限定することを意図するものではない。一実施形態では、フィードネットワーク1500’は、信号ポートコネクタ1560と2つの信号プローブ1550との間に接続された電力分割器回路1570を含む。
【0040】
図1~
図15を集合的に参照すると、少なくとも以下の態様および/または態様の組合せに従うがこれらに限定されない、実施形態の様々な態様が本明細書で開示されることが理解される。
【0041】
態様1:デュアルバンドアンテナ1000,2000であって、磁気誘電材料を含む基板1400と、前記基板上に配置されている導電性パッチ1200と、を備え、前記パッチは、前記パッチの平面視により観察されるとき、H字形またはI字形を有する1つ以上の面内切欠き1240を備える、デュアルバンドアンテナ。
【0042】
態様2:前記1つ以上の切欠き1240は、前記パッチの中心x-y-z直交基準フレームに対し斜角に配置されている、態様1に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様3:前記基板は前記磁気誘電材料の単一層である、態様1または2に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0043】
態様4:前記磁気誘電基板と前記パッチとの組合せは、前記デュアルバンドアンテナの第1層1000.1を提供し、さらに、前記組合せの第2層1000.2は、多層デュアルバンドアンテナ3000を形成するように前記第1層上に配置されている、態様1~3のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0044】
態様5:前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの外周の内側に配置されている、態様1~4のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様6:前記1つ以上の切欠きの前記H字形または前記I字形は、前記パッチの平面視の平面に直交する2つの平面において鏡像対称性を有する、態様1~5のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0045】
態様7:前記パッチの外周は、前記基板の外周未満であるか、前記基板の外周内に配置されている、態様1~6のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。これに代えて、前記パッチの外周は、磁気誘電基板の外周と同一の大きさである。磁気誘電基板に対するパッチの大きさは、所望される動作周波数に基づく。
【0046】
態様8:前記基板の前記外周は、矩形であるかまたは円形である平面視プロファイルを有する、態様1~7のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様9:前記パッチの前記外周は、少なくとも部分的には円形である平面視プロファイルを有する、態様1~8のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0047】
態様10:前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの中心z軸から径方向にずれており、前記中心z軸は、前記パッチの平面視に対し垂直に延びている、態様1~9のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0048】
態様11:前記1つ以上の切欠きは、2つの長尺状脚部と前記2つの長尺状脚部を連結させるブリッジ脚部とを有し、前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの平面視により観察されるとき、前記パッチの中心に配置されているx軸と中心に配置されているy軸との両方に対し0度でない角度かつ90度でない角度に配向している、態様1~10のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。前記切欠きの前記長尺状脚部(スロット)を斜角に配向させることによって、2つの直交EMモードが生成され得る。
【0049】
態様12:前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの前記x軸と前記y軸との両方に対し45度の角度に各々配向している、態様11に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様13:前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々に対し直交して配向している、態様11または12に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0050】
態様14:前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々の各端部から等距離に配置されている、態様11~13のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様15:前記パッチの前記外周は、1つまたは複数のノッチを備える、態様1~14のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0051】
態様16:前記1つまたは複数のノッチ(例えば4つのノッチなど)は、前記パッチの前記外周上に対称に配置されている、態様15に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様17:前記1つまたは複数のノッチ(例えば、示される4つのノッチのうちの最も近く隣接する2つのノッチのみなど)は、前記パッチの前記外周上に非対称に配置されている、態様15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0052】
態様18:前記1つまたは複数のノッチは、互いとは直径方向に反対にある1対以上のノッチを含む、態様15に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様19:前記1つまたは複数のノッチは、各々それぞれ互いとは直径方向に反対にある2対以上のノッチを含む、態様15に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0053】
態様20:前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2対以上のノッチのうちの第1の対は、前記パッチのx軸上に配置されており、前記2対以上のノッチのうちの第2の対は、前記パッチのy軸上に配置されている、態様19に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0054】
態様21:前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周の周りに等距離に配置されている、態様15~20のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様22:前記1つまたは複数のノッチは、同一のプロファイルを有する、態様15~21のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0055】
態様23:前記1つまたは複数のノッチは、部分的に矩形であるプロファイルを各々有する、態様15~22のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様24:2つの信号プローブ1550をさらに備える、態様1~23のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0056】
態様25:前記2つの信号プローブの各信号プローブは、前記パッチの前記中心z軸に平行に配向している、態様24に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様26:前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2つの信号プローブ1550のうちの第1の信号プローブ1551は、前記パッチのy軸ではなくx軸上に配置されており、前記2つの信号プローブ1550のうちの第2の信号プローブ1552は、前記パッチの前記x軸ではなく前記y軸上に配置されている、態様24または25に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0057】
態様27:電気接地基準1600をさらに備え、前記基板は前記電気接地基準上に配置されている、態様24~26のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様28:前記パッチと信号通信するように配置されている信号フィードネットワーク1500をさらに備える、態様27に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0058】
態様29:前記信号フィードネットワークは、前記基板の下に配置されている、態様28に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様30:前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の上に配置されている、態様28または29に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0059】
態様31:前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の下に配置されている、態様28または29に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様32:前記信号フィードネットワークは、信号ポートコネクタ1560および前記2つの信号プローブ1550と電気的に接続されており前記信号ポートコネクタと前記2つの信号プローブとの間にある電力分割器回路1570を含む、態様28~31のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0060】
態様33:前記基板の外周は、前記電気接地基準の外周未満であるか、前記電気接地基準の外周内に配置されている、態様27~32のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0061】
態様34:前記電気接地基準は、前記基板に近接し前記基板の外周の内側にある接地材料の空隙1610を含む、態様27~33のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。正方形にエッチングされた空隙1610を基板の下の接地材料に配置することによって、インピーダンスバンド幅、利得、おより効率の改善が実現され得る。
【0062】
態様35:接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、態様34に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0063】
態様36:接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にある、態様34または35に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0064】
態様37:接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にあり、かつ、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、態様34~36のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0065】
態様38:接地材料の前記空隙は矩形の形態にある、態様34~37のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様39:2つ以上の周波数バンドにわたって動作可能である、態様1~38のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0066】
態様40:前記2つ以上の周波数バンドのうちの個々の周波数バンド間において周波数を弁別するように動作可能である、態様39に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様41:前記2つ以上の周波数バンドのうちの第1の周波数バンドはL5バンドである、態様39または40に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0067】
態様42:前記2つ以上の周波数バンドのうちの第2の周波数バンドはL2バンドである、態様41に記載のデュアルバンドアンテナ。
態様43:前記2つ以上の周波数は、1.17GHzから1.23GHzまでの公称周波数範囲内において動作可能である、態様39に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0068】
態様44:各それぞれの動作可能なバンドにて3dBi以上の利得により動作可能である、態様1~43のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様45:前記デュアルバンドアンテナの各放射ボアサイトから±30度にて、3dB以下の軸比により動作可能である、態様1~44のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0069】
態様46:各信号プローブにおける位相を交互にすることによって、右円偏波または左円偏波により動作可能である、態様1~45のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
【0070】
態様47:51%以上の効率により動作可能である、態様1~46のいずれか1つに記載のデュアルバンドアンテナ。
態様48:10MHz以上、これに代えて50MHz以上、さらにこれに代えて100MHz以上の3dBiにおける広い軸比帯域幅にて動作可能である、態様47に記載のデュアルバンドアンテナ。
【0071】
本明細書で使用される際、「約・・・に等しい」という句は、本明細書で開示される目的から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内に入る、製造公差および/または公称値からのわずかな偏差を考慮することが意図される。
【0072】
個々の特徴の特定の組合せが本明細書に記載され図示されているが、特徴のこれらの特定の組合せは例示する目的に過ぎず、そうした組合せが明示的に図示されているか否かにかかわらず、そうした個々の特徴のいずれかの任意の組合せを実施形態に従って使用してよく、本明細書の開示と一致することが理解される。本明細書に開示される特徴のあらゆるそうした組合せは、本明細書において企図され、本出願を全体として考慮するときに当業者の理解の範囲内であると見なされ、当業者によって理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内にある限り、本明細書に開示される本発明の範囲内であると見なされる。
【0073】
例示的な実施形態を参照して本明細書において本発明を説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてよく、その要素を均等物により置き換えてよいことが当業者に理解される。本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるように、多くの修正がなされてよい。したがって、本発明は、本発明を実施するために想定される最良の形態または唯一の形態として本明細書に開示された特定の1つまたは複数の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図される。図面および記載では、例示的な実施形態が開示されており、特定の用語および/または寸法が使用されている場合があるが、それらは、特に明記しない限り、一般的な、例示的な、および/または説明的な意味においてのみ使用され、限定する目的ではなく、したがって、特許請求の範囲はそのように限定されない。層、膜、領域、基板、または他の記載された特徴などの要素が、別の要素の「上に」ある、またはそれと「係合して」いると称されるとき、それは、他の要素の直接上にある、またはそれと係合していることがあり、または介在要素が存在することもある。対照的に、要素が別の要素の「直接上にある」または「直接係合されている」と称されるとき、介在要素は存在しない。第1、第2などの用語の使用は、順序または重要性を示すものではなく、むしろ、第1、第2などの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用される。用語「1つの(a)」、「1つの(an)」などの使用は、量の限定を示すのではなく、参照された項目の1つ以上の存在を示す。「上部」、「底部」、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語の使用、または配向に対する任意の参照は、構造を2つ以上の配向から観察され得るので、構造の限定を示すものではなく、むしろ、本明細書に開示される関連する特徴のうちの1つまたは複数の間の相対的な構造的関係を示す。本明細書において使用される「含む(comprising)」という用語は、1つまたは複数の追加の特徴の可能な包含を排除するものではない。また、本明細書に提供される任意の背景情報は、本明細書に開示される本発明に関連する可能性があると出願人が考える情報を明らかにするように提供される。そうした背景情報のいずれかが、本明細書に開示される本発明の実施形態に対する先行技術を構成することを必ずしも容認することを意図するものではなく、そのように解釈されるものでもない。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルバンドアンテナ
(1000)であって、
磁気誘電材料を含む基板
(1400)と、
前記基板上に配置されている導電性パッチ
(1200)と、を備え、
前記パッチは、前記パッチの平面視により観察されるとき、H字形またはI字形を有する1つ以上の面内切欠き
(1240)を備え
、
前記H字形または前記I字形は、ブリッジ切欠き脚部によって連結している2つの平行な切欠き脚部を含み、前記ブリッジ切欠き脚部は前記2つの平行な切欠き脚部に対し垂直に配置されており、
前記パッチの中心x-y-z直交基準フレームの前記z軸は前記パッチの前記平面視に対し垂直に延びる、デュアルバンドアンテナ。
【請求項2】
前記2つの平行な切欠き脚部の各々は全長HLを有する、請求項1に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項3】
前記2つの平行な切欠き脚部の各々のHLは、前記パッチの前記中心x-y-z直交基準フレームのx軸およびy軸に対し斜角に配置されている、請求項2に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項4】
前記基板は前記磁気誘電材料の単一層である、請求項
3に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項5】
前記基板と前記パッチとの組合せは、前記デュアルバンドアンテナの第1層を提供し、さらに、
前記組合せの第2層は、多層デュアルバンドアンテナを形成するように前記第1層上に配置されている、請求項
2~4のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項6】
前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの外周の内側に配置されている、請求項
2~5のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項7】
前記1つ以上の切欠きの前記H字形または前記I字形は、前記パッチの平面視の平面に直交する2つの平面において鏡像対称性を有する、請求項
2~6のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項8】
前記パッチの外周は、前記基板の外周未満であるか、前記基板の外周内に配置されて
いる、請求項
2~7のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項9】
前記基板の前記外周は、矩形であるかまたは円形である平面視プロファイルを有する、請求項
2~8のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項10】
前記パッチの前記外周は、少なくとも部分的には円形である平面視プロファイルを有する、請求項
2~9のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項11】
前記1つ以上の切欠きは、前記パッチの中心z軸から径方向にずれており、前記中心z軸は、前記パッチの平面視に対し垂直に延びている、請求項
2~10のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項12】
前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの
前記平面視により観察されるとき、前記パッチの中心に配置されているx軸と中心に配置されているy軸との両方に対し0度でない角度かつ90度でない角度に配向している、請求項
2~11のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項13】
前記2つの長尺状脚部は、前記パッチの前記x軸と前記y軸との両方に対し45度の角度に各々配向している、請求項
12に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項14】
前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々に対し直交して配向している、請求項
12または
13に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項15】
前記ブリッジ脚部は、前記2つの長尺状脚部の各々の各端部から等距離に配置されている、請求項
12~14のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項16】
前記パッチの前記外周は、1つまたは複数のノッチを備える、請求項1~
15のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項17】
前記1つまたは複数のノッチは、
前記中心x-y-z直交基準フレームの前記x軸または前記y軸に対し、前記パッチの前記外周上に対称に配置されている、請求項
16に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項18】
前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周上に非対称に配置されている、請求項
16に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項19】
前記1つまたは複数のノッチは、互いとは直径方向に反対にある1対以上のノッチを含む、請求項
16に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項20】
前記1つまたは複数のノッチは、各々互いとは直径方向に反対にある2対以上のノッチを含む、請求項
16に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項21】
前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2対以上のノッチのうちの第1の対は、前記パッチのx軸上に配置されており、前記2対以上のノッチのうちの第2の対は、前記パッチのy軸上に配置されている、請求項
20に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項22】
前記1つまたは複数のノッチは、前記パッチの前記外周の周りに等距離に配置されている、請求項
16~
21のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項23】
前記1つまたは複数のノッチは、同一のプロファイルを有する、請求項
16~
22のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項24】
前記1つまたは複数のノッチは、部分的に矩形であるプロファイルを各々有する、請求項
16~
23のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項25】
2つの信号プローブをさらに備える、請求項1~
24のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項26】
前記2つの信号プローブの各信号プローブは、前記パッチの前記中心z軸に平行に配向している、請求項
25に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項27】
前記パッチの中心z軸に対する前記パッチの平面視により観察されるとき、前記2つの信号プローブのうちの第1の信号プローブは、前記パッチのy軸ではなくx軸上に配置されており、前記2つの信号プローブのうちの第2の信号プローブは、前記パッチの前記x軸ではなく前記y軸上に配置されている、請求項
25または
26に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項28】
電気接地基準をさらに備え、前記基板は前記電気接地基準上に配置されている、請求項
25~
27のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項29】
前記パッチと信号通信するように配置されている信号フィードネットワークをさらに備える、請求項
28に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項30】
前記信号フィードネットワークは、前記基板の下に配置されている、請求項
29に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項31】
前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の上に配置されている、請求項
29または
30に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項32】
前記信号フィードネットワークは、前記電気接地基準の下に配置されている、請求項
29または
30に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項33】
前記信号フィードネットワークは、信号ポートコネクタおよび前記2つの信号プローブと電気的に接続されており前記信号ポートコネクタと前記2つの信号プローブとの間にある電力分割器回路を含む、請求項
29~
32のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項34】
前記基板の外周は、前記電気接地基準の外周未満であるか、前記電気接地基準の外周内に配置されている、請求項
28~
33のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項35】
前記電気接地基準は、前記基板に近接し前記基板の外周の内側にある接地材料の空隙を含む、請求項
28~
34のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項36】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、請求項
35に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項37】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にある、請求項
35または
36に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項38】
接地材料の前記空隙は、前記パッチの平面視により観察されるとき、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の外側にあり、かつ、少なくとも部分的には前記パッチの前記外周の内側にある、請求項
35~
37のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項39】
接地材料の前記空隙は矩形の形態にある、請求項
35~
38のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項40】
2つ以上の周波数バンドにわたって動作可能である、請求項1~
39のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項41】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、前記2つ以上の周波数バンドのうちの個々の周波数バンド間において周波数を弁別するように動作可能である、請求項
40に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項42】
前記2つ以上の周波数バンドのうちの第1の周波数バンドはL5バンドである、請求項
40または
41に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項43】
前記2つ以上の周波数バンドのうちの第2の周波数バンドはL2バンドである、請求項
42に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項44】
前記2つ以上の周波数
バンドは、1.17GHzから1.23GHzまでの公称周波数範囲内において動作可能である、請求項
40に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項45】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、各それぞれの動作可能なバンドにて3dBi以上の利得により動作可能である、請求項1~
44のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項46】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、前記デュアルバンドアンテナの各放射ボアサイトから±30度にて、3dB以下の軸比により動作可能である、請求項1~
45のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項47】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、右円偏波または左円偏波により動作可能である、請求項1~
46のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項48】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、51%以上の効率により動作可能である、請求項1~
47のいずれか一項に記載のデュアルバンドアンテナ。
【請求項49】
前記デュアルバンドアンテナの前記パッチにおける前記H字形または前記I字形は、10MHz以上、これに代えて50MHz以上、さらにこれに代えて100MHz以上の3dBにおける広い軸比帯域幅にて動作可能である、請求項
48に記載のデュアルバンドアンテナ。
【国際調査報告】