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特表2024-534336貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置
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  • 特表-貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置 図1
  • 特表-貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置 図2a
  • 特表-貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置 図2b
  • 特表-貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置 図3
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  • 特表-貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置 図5a
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  • 特表-貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置 図6
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  • 特表-貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A47J37/12 391
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514632
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 KR2021014496
(87)【国際公開番号】W WO2023042952
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0123643
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521471420
【氏名又は名称】シスピアテク カンパニー リミテツド
(71)【出願人】
【識別番号】503038889
【氏名又は名称】エスケイジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】シン, ジュン ホ
【テーマコード(参考)】
4B059
【Fターム(参考)】
4B059AA01
4B059AB02
4B059AD14
4B059BD02
4B059BF08
4B059CA17
(57)【要約】
本発明は、フライ用油槽のフライ油排出および供給の流れ方向に合わせて油槽の底面を流体工学的な傾斜構造に形成し、油槽内の貯留沈降物の全てを自然に排出してフライ油を濾過した後、濾過されたフライ油を油槽に循環させて再補充することにより、油槽のフライ油をより長時間に亘りきれいに維持できるようにするフライ装置に関するもので、第1筐体部と、前記第1筐体部の後方上部に位置した第2筐体部とを備えた本体と;前記第1筐体部に設置され、底面に近接するように位置した中央の排出口と、前記排出口の両側上部に配列された供給口とを備えたフライ油槽と;前記第2筐体部に設置されるフィルター部材と;前記フィルター部材を経由しながら前記排出口と供給口とを連結するように設置された循環配管と、前記循環配管上に設置されて前記油槽のフライ油を吸入して圧送させ、前記フィルター部材を経由したフライ油が前記油槽に循環して再補充されるようにするモーターポンプとを備えたフライ油濾過ユニットとを含み、前記油槽の底面は、前記供給口から前方に連結された水平底部と、前記水平底部の間において前記排出口に向けて後方に下向き傾斜するように連結された傾斜底部と、前記水平底部と傾斜底部との間において内側に下向き傾斜するように連結された傾斜側壁部とから構成されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体部と、前記第1筐体部の後方上部に位置した第2筐体部とを備えた本体と、
前記第1筐体部に設置され、底面に近接するように位置した中央の排出口と、前記排出口の両側上部に配列された供給口とを備えたフライ用油槽と、
前記第2筐体部に設置されるフィルター部材と、
前記フィルター部材を経由しながら前記排出口と供給口とを連結するように設置された循環配管と、前記循環配管上に設置されて前記油槽のフライ油を吸入して圧送させ、前記フィルター部材を経由したフライ油が前記油槽に循環して再補充されるようにするモーターポンプとを備えたフライ油濾過ユニットと
を含むことを特徴とするフライ装置。
【請求項2】
前記フィルター部材は、メッシュバスケットと、前記メッシュバスケットが被せられたフィルター紙とから構成され、前記第2筐体部から脱着可能であり、
前記本体は、前記第2筐体部の前面および上面を開閉するカバーを含むことを特徴とする請求項1に記載のフライ装置。
【請求項3】
前記第2筐体部の前面カバーは、下側端が前記第2筐体部にヒンジ結合されて上下に回動開閉可能であり、
前記前面カバーは、下向き開口角度が90度未満に制限されていながら、下側端には、前記フィルター部材を支えて据置されるようにする支え部が備えられていることを特徴とする請求項2に記載のフライ装置。
【請求項4】
前記油槽の底面は、前記供給口から前方に連結された水平底部と、前記水平底部の間において前記排出口に向かって後方に下向き傾斜するように連結された傾斜底部と、前記水平底部と傾斜底部の間において内側に下向き傾斜するように連結された傾斜側壁部とから構成されることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のフライ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯留沈降物の除去および濾過フライ油の循環再補充が可能なフライ装置に関するもので、フライ用油槽のフライ油の排出および供給の流れ方向に合わせて油槽の底面を流体工学的な傾斜構造に形成して、油槽内の貯留沈降物の全てを自然に排出してフライ油を濾過した後、濾過されたフライ油を油槽に循環させて再補充することにより、油槽のフライ油をより長時間に亘りきれいに維持できるようにするフライ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フライや天ぷらなどの揚げ物は、高温のフライ油に各種の食べ物を浸して揚げる料理で、揚げ物材料に小麦粉やチヂミの粉などを付けて調理する場合が多い。
【0003】
このような揚げ方式で料理をするために、事業所では大容量のフライ機を使用するが、事業所用(業務用)のフライ機は、ヒーターが内蔵された油槽に食用油などのフライ油を入れた状態で、これを加熱してから材料を入れて揚げ物料理を完成する。
【0004】
揚げ物料理は、揚げ物材料を最適の温度で素早く揚げてこそ食感と味を高めることができるため、従来の事業所用のフライ機は、多量の揚げ物材料をより素早く迅速に揚げることに主眼が置かれてきた。
【0005】
一方、揚げ物料理がなされる油槽の内部には、揚げ物材料から離脱した残渣、これらが長時間に亘り熱を受けて焦げてしまった残渣、外部から流入する異物などが、混ざり合って不純物として残存するようになる。
【0006】
このように不純物が混ざったフライ油(食用油)は、簡単に傷み、再使用するとフライ油自体が酸化されて使用できなくなり、揚げ物材料を汚すことはもちろん、揚げ色が暗く悪くなり、その味も落ちるため、油槽内のフライ油を可能な限りきれいに維持しつつ、周期的にフライ油を交換することが非常に重要である。
【0007】
ここで、フライ油を頻繁に交換することがきれいなフライ油を維持することに有利であるが、フライ油をあまりにも頻繁に交換すると、それだけフライ油に対する費用負担が大きくなる。このため使用者は、厨房用の網じゃくしでフライ油に含まれた不純物をすくって除去する方法でフライ油を管理し、フライ油の適正使用限度においてフライ油を最大限きれいに維持できるようにしてきた。
【0008】
ところが、油槽内の不純物は、フライ油に浮遊するものだけでなく、油槽の底に沈降して浮遊するものがある。このため、事業所用の大容量のフライ機を使用するときに、厨房用の網じゃくしで油槽内の奥深くに沈降した不純物をすくって除去することは非常に苦労するだけでなく、火傷などの安全事故発生の恐れが大きいため、油槽内の沈降不純物に対する除去が容易ではない問題がある。
【0009】
このような問題点を解決するための従来技術として、大韓民国 登録特許第10-1211833号がある。前記登録特許は、フライ槽の食用油を自動的に濾過して処理する自動濾過装置を含むが、前記自動濾過装置は、フライ槽の食用油を吸入して圧送する流体ポンプと、前記流体ポンプから圧送された食用油を濾過するフィルター部材とを含み、濾過された食用油を前記フライ槽にリターンさせて、食用油を濾過して再使用することで、食用油の交換周期を伸ばしつつ食用油を最大限きれいに維持できるようにする。
【0010】
ところが前記登録特許は、食用油が排出される排出口近傍の沈降不純物だけが主に吸入され、大容量の油槽全体に沈降した不純物全体を全て吸入して濾過するには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明は、前述のような問題点を解決するためになされたもので、
フライ用油槽のフライ油の排出および供給の流れ方向に合わせて油槽の底面を流体工学的に設計された傾斜構造に形成して、油槽内の貯留沈降物の全てを自然に排出してフライ油を濾過した後、濾過されたフライ油を油槽に循環させて再補充することにより、油槽のフライ油をより長時間に亘りきれいに維持できるようにするフライ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような目的を達成するために、本発明に係るフライ装置は、
第1筐体部と、前記第1筐体部の後方上部に位置した第2筐体部とを備えた本体と、
前記第1筐体部に設置され、底面に近接するよう位置した中央の排出口と、前記排出口の両側上部に配列された供給口とを備えたフライ用油槽と、
前記第2筐体部に設置されるフィルター部材と、
前記フィルター部材を経由しながら前記排出口と供給口とを連結するように設置された循環配管と、前記循環配管上に設置されて前記油槽のフライ油を吸入して圧送させ、前記フィルター部材を経由したフライ油が前記油槽に循環して再補充されるようにするモーターポンプとを備えたフライ油濾過ユニットとを含むことを特徴とする。
【0013】
そして、本発明に係るフライ装置において、
前記フィルター部材は、メッシュバスケットと、前記メッシュバスケットが被せられたフィルター紙とから構成され、前記第2筐体部から脱着可能であり、
前記本体は、前記第2筐体部の前面および上面を開閉するカバーを含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るフライ装置において、
前記第2筐体部の前面カバーは、下側端が前記第2筐体部にヒンジ結合されて上下に回動開閉可能であり、前記フィルター部材が前記前面カバーに脱着可能に結合されており、
前記前面カバーの下向き開口角度が90度未満に制限されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るフライ装置において、
前記油槽の底面は、前記供給口から前方に連結された水平底部と、前記水平底部の間において前記排出口に向かって後方に下向き傾斜するように連結された傾斜底部と、前記水平底部と傾斜底部との間において内側に下向き傾斜するように連結された傾斜側壁部とから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るフライ装置は、
フライ用油槽の底面が油槽の供給口から前方に連結された水平底部と、前記水平底部との間において油槽の排出口に向かって後方に下向き傾斜するように連結された傾斜底部と、前記水平底部と傾斜底部との間において内側に下向き傾斜するように連結された傾斜側壁部とから構成され、フライ用油槽のフライ油の排出および供給の流れ方向に合わせて油槽の底面を流体工学的な傾斜構造に形成して、油槽内の貯留沈降物の全てを自然に排出してフライ油を濾過した後、濾過したフライ油を油槽に循環させて再補充することにより、油槽のフライ油をより長時間に亘りきれいに維持することができ、
メッシュバスケットと、前記メッシュバスケットに被せられたフィルター紙とから構成されたフィルター部材を脱着可能に形成し、濾過された貯留沈降物の分離、排出およびフィルター紙の交換が便利で、
前記フィルター部材が、上下に回動して開閉する前面カバーに脱着可能に結合され、前記前面カバーの下向き回動開口角度が90度未満に形成されることによって、フィルター紙に吸収されたフライ油やフィルター紙で濾過された貯留沈降物がこぼれ出ないため、火傷などの安全事故を予防することができ、
フライ装置の電源供給を担当する配電盤が、本体の下部に前後に回動可能に備えられ、機器点検時に配電盤を前面に露出させて便利に作業ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るフライ装置の斜視図である。
図2a】本発明に係るフライ装置の断面図である。
図2b】本発明に係るフライ装置の断面図である。
図3】本発明に係るフライ装置の正面図である。
図4】本発明に係るフライ用油槽の側面図、平面図、背面図である。
図5a】本発明に係るヒーターを説明するための平面図である。
図5b】本発明に係るヒーターを説明するための平面図である。
図6】本発明に係る循環管の平面図である。
図7】本発明に係るフライ装置の要部斜視図である。
図8】本発明に係る高さ調節部の緩み防止ボルトを説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、多様な変更を加えることができて、様々な形態を有することができるが、各具現例(態樣、aspect)(または実施例)を本文において詳細に説明することにする。しかしこれは、本発明を特定の掲示形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されたい。
【0019】
各図面において、同一の参照符号、特に十の位および一の位の数、または十の位、一の位、およびアルファベットが同一の参照符号は、同一または類似する機能を有する部材を示し、特別な言及がない場合は、図面の各参照符号が指す部材はこのような基準に準ずる部材と理解されたい。
【0020】
また各図面において、理解の便宜などを考慮して、各構成要素は、大きさや厚さを誇張するように、大きく(または厚く)表現したり、小さく(または薄く)表現したり、単純化して表現しているが、これによって本発明の保護範囲が制限的に解釈されるべきではない。
【0021】
本明細書で使用した用語は、単に特定の具現例(態様、態様、aspect)(または実施例)を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上で明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0022】
本出願において、「含む」、または「構成される」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意図するものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0023】
別に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含め、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者によって一般的に理解されることと同じ意味を有している。一般的に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上に有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されるべきではない。
【0024】
本明細書において記載した「第1」、「第2」などは、互いに異なる構成要素であることを区分するためにのみ用いるものであり、製造された順序に捉われないものであり、発明の詳細な説明と請求範囲においてその名称が一致しない場合がある。
【0025】
本発明に係るフライ装置を説明するに当たり、便宜のために、厳密でない概略の方向基準を、図1を参考にして特定すれば、重力が作用する方向を下向きにして見える方向のまま上向き、下向き、左向き、右向きを定め、他の図面に関連した発明の詳細な説明および特許請求の範囲でも、他に特別な言及がない限り、方向は、この基準に従って指定して記述する。
【0026】
以下では、本発明に係るフライ装置を、添付された図面を参照して説明することにする。
【0027】
本発明に係るフライ装置は、図1図6に示すように、大まかには、本体10と、フライ用油槽20と、フィルター部材30と、フライ油濾過ユニット40と、ドレン手段50とを含む。
【0028】
具体的に、本発明は、
第1筐体部11と、前記第1筐体部11の後方上部に位置した第2筐体部12とを備えた本体10と、
前記第1筐体部11に設置され、底面に近接するように位置した中央の排出口221と、前記排出口221の両側上部に配列された供給口222とを備えたフライ用油槽20と、
前記第2筐体部12に設置されるフィルター部材30と、
前記フィルター部材30を経由しながら前記排出口221と供給口222とを連結するように設置された循環配管と、前記循環配管上に設置され、前記油槽20のフライ油を吸入して圧送させ、前記フィルター部材30を経由したフライ油が前記油槽20に循環して再補充されるようにするモーターポンプ41とを備えたフライ油濾過ユニット40とを含む。
【0029】
前記本体10は、前記第1筐体部11が上部蓋111で開閉可能に形成され、フレームおよび側板構造を通して第1筐体部11の後方上部に前記第2筐体部12が連結されており、前記第1筐体部11の後方側における第2筐体部12の下部空間に、前記フライ油濾過ユニット40が設置されている。
【0030】
前記のフライ用油槽20は、上面を除いた前後左右および下面が密閉されており、底面21の上部にヒーター24が近接して設置され、油槽20内のフライ油を高温に加熱することで、油槽20内で揚げ物料理が調理されるようにする。
【0031】
本発明のヒーター24は、三重ヒーターロッド241の形態で、
図5aのように、前記油槽20の底面21に設けられた装着孔214に各ヒーターロッド241の両端が結合され、底面21全体をヒーターロッド241でカバーするように形成してもよい。
【0032】
または、図5bのように、油槽20の両側壁部23に装着孔231を設け、各ヒーターロッド241の両端が結合されるようにしている。この場合、前記装着孔231には回動ブロック242が回転可能に設けられ、ヒーターロッド241を上向きに回動させて引き上げた状態として、油槽20の底面21の洗浄を実施するようにすることができる。
【0033】
このような油槽20は、後面壁体22の下側端に、中央に1つの排出口221と、両側に2つの供給口222が備えられ、前記排出口221と供給口222に前記フライ油濾過ユニット40の循環配管に連結される。
【0034】
このとき、前記油槽20の底面21は、前記供給口222から前方に連結された水平底部211と、前記水平底部211の間において前記排出口221に向かって後方に下向き傾斜するように連結された傾斜底部212と、前記水平底部211と傾斜底部212との間において内側に下向き傾斜するように連結された傾斜側壁部213とから構成されることを特徴とする。
【0035】
前記水平底部211は、前記供給口222の左右幅より大きい幅を有する「-」字形の水平面で、油槽20の底面21の左右両側を前後にカバーする。
【0036】
前記傾斜底部212は、前端部から後端部に向かって所定角度で傾斜するように連結され、前記排出口221に連結された形態で、左右幅が前広後狭の構造に形成され、このとき、傾斜底部212の後端部の左右幅は、前記排出口221より大きく形成される。
【0037】
前記傾斜側壁部213は、左右の水平底部211と中央の傾斜底部212とを連結し、内側に下向き傾斜した形態である。
【0038】
これにより、後述するモーターポンプ41の作動により、前記排出口221に吸入されたフライ油が、前記フィルター部材30を経由しながら貯留沈降物を濾過させた後、濾過されたフライ油が前記供給口222に循環して再補充される。
【0039】
このとき、前記油槽20の底面21上部のフライ油は、供給口222で発生する排出圧力により、油槽20の左右両側の後方から前方に流入した後、油槽20の前端部で中央に旋回して前方から後方に流れる。
これにより、水平底部211上部の貯留沈降物は、フライ油とともに流れて、傾斜底部212に誘導されるか、または傾斜側壁部213に沿って流れて傾斜底部212に集まるようになり、このように傾斜底部212に集められた貯留沈降物は、傾斜底部212に沿って流れて、排出口221で発生した吸入圧力により排出されるフライ油の流れに追従して前記排出口221へ吸入されて排出される。これにより、油槽20内の貯留沈降物を全て排出させてフライ油の濾過がなされるので、フライ油をより長時間に亘りきれいに維持して、揚げ物料理の味が低下することを防止することはもちろん、フライ油の汚れを減らしてフライ油の交換周期をより長くできるようになる。
【0040】
図面符号25は、油槽20内の揚げ物料理が前記ヒーター24のヒーターロッド241に直接接触しないようにするフィルターネットであり、図面符号26は、前記ヒーターロッド241を据置支持するヒーターブラケットである。
【0041】
前記フィルター部材30は、前記モーターポンプ41によって前記循環配管に流入して流れるフライ油と一緒に排出された貯留沈降物を分離させて濾過する。
【0042】
このようなフィルター部材30は、上面が開口したメッシュバスケット31と、前記メッシュバスケット31に被せたフィルター紙(F、図6参照)とから構成され、前記第2筐体部12から脱着可能である。
前記本体10は、前記第2筐体部12の前面および上面を開閉するカバー13,14を含むことを特徴とする。
【0043】
前記メッシュバスケット31は、上端に連結されたハンドル311と、底面に連結されたスタンド312とを含むもので、前記スタンド312は、前記第2筐体部12の底支持部121に支持されて装着される。
【0044】
前記フィルター紙Fは、紙、綿織物などのシート形態で、微細気孔によりフライ油だけ通過させながら貯留沈降物が濾過されるようにし、フィルター紙Fの交換が可能である。
【0045】
そして、前記第2筐体部12の前面カバー13および上面カバー14は、何れも第2筐体部12に蝶番によりヒンジ結合されて回動開閉可能に設けられている。
このとき、前記前面カバー13は、下側端が前記第2筐体部12にヒンジ結合されて上下に回動開閉可能とされている。
前記上面カバー14は、後端部が前記第2筐体部12にヒンジ結合されて上下に回動開閉可能とされている。
【0046】
特に、前記前面カバー13は、下向き開口角度が90度未満に制限されていて、下側端には、前記フィルター部材30を支えて据置されるようにする支え部131が備えられていることを特徴とする。
【0047】
前記前面カバー13は、別途のストッパーにより、開口角度が90度未満、より好ましくは80度未満に制限される。
【0048】
前記支え部131は、前記前面カバー13の下側端から内側に折り曲げられて突出した形態とし、前記前面カバー13と上面カバー14を開放した後、前記フィルター部材30を前方に傾けながら取り出すと、前記メッシュバスケット31が前記支え部131に引っ掛かって保持される。
【0049】
このとき、前記前面カバー13の下向き回動開度が90度未満、より好ましくは80度未満に制限されているので、前記フィルター部材30が前方へ完全に倒れないようになり、フィルター紙Fで濾過された貯留沈降物やフィルター紙Fに吸収されたフライ油が前方に流れ落ちることによる火傷などの安全事故発生を予防することができ、
【0050】
前面カバー13の傾きによってフィルター紙Fの内部に残存するフライ油が自然に落下して排出された状態で、フィルター部材30全体またはフィルター紙Fだけを別に取り出して、貯留沈降物を分離排出することができる。
【0051】
このとき、前記第2筐体部12は、前記支え部131が接する部位に第1磁石122を内蔵しているので、前記前面カバー13が意図せずに開放することが防止される。
【0052】
前記循環配管は、前記モーターポンプ41と前記第2筐体部12との間を連結する循環管42と、前記第2筐体部12と第1筐体部11との間を連結する供給管(未図示)とで構成される。
この場合、前記循環管42は、前記排出口221に連結された前記モーターポンプ41のポンプハウジング412に結合されながら両側に分岐して上向き連結された分岐管421を備え、各分岐管421が第2筐体部12の上端部に連結されることにより、前記フィルター部材30にフライ油と貯留沈降物が広く分散して投入されるようにする。
【0053】
前記供給管は、2つに分離された別管の形態として、各供給管は、上側端と下側端が前記第2筐体部12の底支持部121の両側に形成された排出孔と前記供給口222とに連結されて、濾過されたフライ油を前記油槽20に循環して再補充されるようにしている。図面では、図示しない供給管が連結される部分で油槽20の後面両側に溶接により結合された供給管連結部43を確認することができる。
【0054】
前記モーターポンプ41は、前記排出口221に連結され、インペラ411が内蔵されたポンプハウジング412と、前記ポンプハウジング412の上部に設置されて、前記インペラ411を回転させるモーター42とを備える。
【0055】
モーター42の作動によって前記インペラ411が回転することでポンプハウジング412内に吸入圧力を発生させ、油槽20内のフライ油を吸入排出させて、前記循環管42を通して前記第2筐体部12に圧送されるようにする。
【0056】
したがって、前述したように、前記モーターポンプ41の作動により、前記排出口221には吸入圧力が発生し、前記供給口222では落下による排出圧力が発生することにより、油槽20内のフライ油は前記フィルター部材30を経由して濾過された状態で循環し、フライ油に対する濾過が行われる。
【0057】
なお、前記本体10は、配電盤15を備えている。
前記配電盤15は、一側端を前記第1筐体部11の一方の下側にヒンジ結合されて、前後に回動可能に装着されていることを特徴とする。
【0058】
前記配電盤15は、フライ装置の電源供給のための制御盤の一種であり、一方の側先端部を回動軸として設けて、前後開閉方式として回動する。
【0059】
この場合、前記本体10は、前記配電盤15が設けられた方向に配設された前後フレームの間に支え板16を連結して、前記支え板16が前記配電盤15の底部の一部を常に支持することで、荷重の偏りによる配電盤15の破損を防止する。
【0060】
また、前記配電盤15には、前記支え板16の上部に連結された側板17に取り付け可能な第2磁石151が装着され、側板17に取り付けられた配電盤15が意図せず前方に回動することを防止する。
【0061】
フライ装置の使用中、配電盤15は後方に回動させて本体10の側板17に密着させることにより使用の利便性を図り、機器点検や部品交換の際には、配電盤15を前方に回動させて前面を露出させることにより、点検作業などの利便性を大幅に高めるようにする。
【0062】
また本発明は、前記油槽20内のフライ油の除去または交換のためのドレン手段50を設けている。
【0063】
前記ドレン手段50は、前記ポンプハウジング412の下部に連結され、内蔵バルブ(典型的にはボールバルブ)が設けられたドレン管51と、前記バルブを開閉するレバー52と、前記ドレン管51に排出されたフライ油が貯留されるドレンバスケット53とを備える。
【0064】
したがって、前記モーターポンプ41を停止させた状態で、前記レバー52を用いて前記ドレン管51のバルブを開放すると、油槽20内のフライ油が、前記油槽20の下向き傾斜した底面21構造に沿って流れ、前記ドレン管51を介して前記ドレンバスケット53へ完全に排出される。
【0065】
一方、図7に示すように、前記ヒーター24は、各ヒーターロッド241の端部が連結されたフランジを油槽20の底面21に挿入して取り付け、ヒーターカバーCは、ヒーターロッド241の端部を覆いながら油槽20の装着ブロック215にボルトBで結合されて、各ヒーターロッド241に連結された電線を保護するが、モーターポンプ41の振動などにより前記ボルトBが緩んでヒーターカバーCが外れることがある。
【0066】
そこで本発明は、一般のボルトBと異なる構造の緩み防止ボルトB’を導入して、前記した問題点を解決する。
【0067】
先ず、前記装着ブロック215は、緩み防止ボルトB’が締結されるネジ孔215aの周方向に沿って、複数列に配列された係止溝Gが設けられている。
前記緩み防止ボルトB’は、
前記ネジ孔215aに締結されるネジ部B11と後端側のヘッド部B12とを備え、前記ヘッド部B12の前方外周面に、長さ方向へ形成されたスライド溝B13を備えたボルト本体B1と、
前記ボルト本体B1に外挿され、内周面から突出して前記スライド溝B13に挟まれるガイド突起B21と、前面から突出して前記係止溝Gのうちの1つに挟まれるロッキング突起B22とを備えた結束部材B2と、
前記ヘッド部B12と結束部材B2との間に介在され、前記結束部材B2を前方に加圧する圧縮スプリングB3とで構成している。
【0068】
前記ボルト本体B1は、前後長さが所定の円柱形状で、前方にネジ部B11が突出して連結され、後端側にヘッド部B12が連結されている。
【0069】
このようなボルト本体B1は、ネジ孔215aに前記ネジ部B11を締結した状態で回転可能であるが、このとき、ボルト本体B1は前記結束部材B2とともに回転する。
【0070】
前記結束部材B2は、六角ナット形状をしており、前記ガイド突起B21によって前記ボルト本体B1とともに回転可能である。
【0071】
この場合、前記スライド溝B13の幅は、前記ガイド突起B21の幅よりも広く形成され、ボルト本体B1に対して結束部材B2のみが所定の角度で回転自由となるようにしている。
【0072】
複数の前記ロッキング突起B22は、結束部材B2の前面に沿って円形に配列されている。
【0073】
前記圧縮スプリングB3は、外力が加わらない場合には、前記結束部材B2を前方に付勢して、前記結束部材B2を前記装着ブロック215に密着させる。
【0074】
緩み防止ボルトB’は、前記スライド溝B13とガイド突起B21の係止構造によって、前記結束部材B2をモンキースパナやバイスプライヤーで把持して後方に引いた状態で、前記ボルト本体B1を左または右に回転させることで締めたり緩めたりすることができる。
【0075】
これにより、前記結束部材B2を引っ張った状態で緩み防止ボルトB’を締め付けると、前記ボルト本体B1が前記装着ブロック215に密着した状態で締め付けられて、ヒーターカバーCが固定される。
【0076】
締め付け完了後、前記結束部材B2を離すと、前記圧縮スプリングB3の弾性力によって結束部材B2が装着ブロック215に密着して、ロッキング突起B22のうちの1つが前記係止溝Gのうちの1つに挿入係止されることで、前記ボルト本体B1が前記結束部材B2に拘束されているので、ロッキング突起B22が係止溝Gから抜けない限り、ボルト本体B1の回転が制限され、振動などにより緩み防止ボルトB’が緩まないようになる。
【0077】
この場合、締め付け角度によっては、前記ロッキング突起B22が係止溝Gのうちの1つに正確に位置合わせされないことがあるが、本発明は、前記スライド溝B13とガイド突起B21との間の遊びにより、結束部材B2のみの独立回転が可能であるため、ボルト本体B1の締め付け後に、結束部材B2を離す際に、結束部材B2の角度を調整することで、ロッキング突起B22を係止溝Gに挿入することができる。
【0078】
以上、本発明を説明するに当たり、添付された図面を参照してフライ装置を中心に説明したが、本発明は、当業者によって多様な修正、変更および置換が可能であり、このような修正、変更および置換は、本発明の保護範囲に属するものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0079】
10 :本体
11 :第1筐体部
12 :第2筐体部
13 :前面カバー
14 :上面カバー
15 :配電盤
16 :支え板
17 :側板
20 :油槽
21 :底面
22 :背面壁体
23 :側壁部
24 :ヒーター
25 :フィルターネット
26 :ヒーターブラケット
30 :フィルター部材
31 :メッシュバスケット
40 :フライ油濾過ユニット
41 :ポンプモーター
42 :循環管
50 :ドレン手段
51 :ドレン管
52 :レバー
53 :ドレンバスケット
111 :上部蓋
121 :底支持部
122 :第1磁石
131 :支え部
151 :第2磁石
211 :水平底部
212 :傾斜底部
213 :傾斜側壁部
214 :装着孔
221 :排出口
222 :供給口
241 :ヒーターロッド
311 :ハンドル
312 :スタンド
411 :インペラ
412 :ポンプハウジング
413 :モーター
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
【国際調査報告】