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特表2024-535796ゼリーロール電極組立体およびこれを含む円筒型リチウム二次電池
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  • 特表-ゼリーロール電極組立体およびこれを含む円筒型リチウム二次電池 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ゼリーロール電極組立体およびこれを含む円筒型リチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240925BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20240925BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20240925BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20240925BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20240925BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240925BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/531
H01M10/0587
H01M4/13
H01M4/02 Z
H01M50/107
H01M50/152
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515725
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 KR2022019823
(87)【国際公開番号】W WO2023106835
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0174846
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジャンバエ
(72)【発明者】
【氏名】キ、ヒェオンセオ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソイェオン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソ ヒー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョウン クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、キュンミン
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H028AA05
5H028CC08
5H028CC12
5H029AJ14
5H029AK02
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL11
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029BJ14
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA12
5H043EA06
5H050AA19
5H050BA17
5H050CA02
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB07
5H050CB11
5H050FA05
(57)【要約】
本出願は、ゼリーロール電極組立体およびこれを含む円筒型リチウム二次電池に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1セパレータ;
前記第1セパレータの一側面に積層され、正極集電体を含む正極;
前記正極の前記第1セパレータと接する面の反対面に設けられた第2セパレータ;および
前記第2セパレータの前記正極と接する面の反対面に設けられた負極集電体を含む負極;を含み、前記負極を中心に、コア部にゼリーロール中空部を形成して巻き取った構造からなるゼリーロール電極組立体であって、
前記負極集電体は、負極活物質が塗布される負極活物質塗布部、および前記負極活物質が塗布されていない負極無地部を含み、
前記負極無地部は、前記負極の両端に形成され、前記両端の前記負極無地部のうち少なくとも一つは、負極タブを有し、
前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に保護テープを含み、前記保護テープは、下記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体:
[式1] 50%≦a≦100%
前記式1において、
aは、(前記負極無地部に付着する保護テープの長さ/前記負極無地部の全長)×100%である。
【請求項2】
前記負極無地部は、前記負極タブが設けられた第1負極無地部面;および前記第1負極無地部面の反対面である第2負極無地部面を含み、
前記保護テープは、前記第1負極無地部面および前記第2負極無地部面に形成され、
前記保護テープは、下記式2および式3を満たす、請求項1に記載のゼリーロール電極組立体:
[式2] 25%≦a1≦100%
[式3] 25%≦b1≦100%
前記式2および前記式3において、
a1は、(第1負極無地部に付着する保護テープの長さ/前記第1負極無地部の全長)×100%であり、
b1は、(第2負極無地部に付着する保護テープの長さ/前記第2負極無地部の全長)×100%であり、
前記a1および前記b1のうち少なくとも一つが50%以上である。
【請求項3】
前記正極集電体は、正極活物質が塗布される正極活物質塗布部、および前記正極活物質が塗布されていない正極無地部を含み、
前記正極無地部上に正極タブを含む、請求項1に記載のゼリーロール電極組立体。
【請求項4】
前記a1が100%であり、前記b1が100%である、請求項2に記載のゼリーロール電極組立体。
【請求項5】
前記正極タブおよび前記負極タブをそれぞれ一つ含む、請求項3に記載のゼリーロール電極組立体。
【請求項6】
前記正極集電体の前記正極活物質塗布部の両面に設けられた正極活物質層;および
前記負極集電体の前記負極活物質塗布部の両面に設けられた負極活物質層;を含む、請求項3に記載のゼリーロール電極組立体。
【請求項7】
前記保護テープは、PET(polyethylene terephthalate)、PP(Polypropylene)、ポリエステル(polyester)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycylicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択されるいずれか一つである、請求項1に記載のゼリーロール電極組立体。
【請求項8】
前記保護テープの厚さが10μm以上100μm以下である、請求項1に記載のゼリーロール電極組立体。
【請求項9】
前記ゼリーロール電極組立体は、負極集電体最外郭構造である、請求項1に記載のゼリーロール電極組立体。
【請求項10】
電池外装材;
前記電池外装材の内部に設けられた請求項1~9のいずれか一項に記載のゼリーロール電極組立体;および
前記電池外装材の開口部に電極が設けられた外装キャップ;
を含む、円筒型リチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月08日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0174846号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【0002】
本出願は、ゼリーロール電極組立体およびこれを含む円筒型リチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料使用の急激な増加により代替エネルギーやクリーンエネルギーの使用に対する要求が増加しており、その一環として最も活発に研究されている分野が電気化学反応を用いた発電、蓄電の分野である。
【0004】
現在、このような電気化学的エネルギーを用いる電気化学素子の代表的な例として二次電池が挙げられ、その使用領域が益々拡大している傾向にある。
【0005】
モバイル機器に関する技術開発および需要が増加するにつれ、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。このような二次電池の中でも、高いエネルギー密度および電圧を有し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化されて広く用いられている。また、このような高容量のリチウム二次電池用電極として、単位体積当たりのエネルギー密度がさらに高い高密度電極を製造するための方法に関する研究が活発に行われている。
【0006】
一般に、二次電池は、正極、負極、電解質、およびセパレータで構成される。負極は、正極から出たリチウムイオンを挿入し脱離させる負極活物質を含み、前記負極活物質としては、放電容量の大きいシリコン系粒子を用いることができる。
【0007】
このようなリチウム二次電池は、通常、正極としてLiCoO、LiMnなどのリチウムが挿入されている化合物を用い、負極として炭素系、Si系などのリチウムが挿入されていない物質を用いて製造され、充電時には正極に挿入されたリチウムイオンが電解質を介して負極に移動し、放電時には再びリチウムイオンが負極から正極に移動することになる。
【0008】
リチウム二次電池は、その用途に応じて円筒型、パウチ型、角型などの様々な形態が用いられ、従来の円筒型セルは、巻き取った後に最外側にセパレータが来る場合であり、セル全体を囲んでいるセパレータ外郭構造であって、正極および負極タブを介して電池外装缶と電気的に連結される形態を有する。
【0009】
従来の円筒型セルは、正極/セパレータ/負極/セパレータの順に巻き取られ、最外郭にセパレータが露出する構造を有するのに対し、Cu foil最外郭構造は、負極/セパレータ/正極/セパレータが巻き取られ、最外郭にCu foilが露出する。これは、円筒型セルの電池外装缶の内壁と直接接触が可能であり、電気的に連結され、外側の負極タブを代替できるという利点を有することになる。
【0010】
しかし、Cu foilと電池外装缶の接触が良くない場合、抵抗が増加し、ゼリーロールの外径の大きさに応じて抵抗が異なる問題が発生し、従来のセパレータ外郭構造とは異なり、Cu foilが最外郭に来るため、2枚のセパレータ2が正極を囲んで内部に存在することになる。
【0011】
負極集電体であるCu foilの厚さが次第に薄くなっており、特に負極集電体のコア部の無地部にタブを取り付け、コア部を中心に巻き取りを開始してゼリーロール電極組立体を形成する。この際、巻き取りと同時に負極集電体のコア部の無地部にしわが寄り、そのしわが負極のしわに伝播し、その状態で巻き取られたゼリーロール電極組立体を形成する問題も発生している。
【0012】
したがって、負極集電体であるCu foilが最外郭を形成するゼリーロール電極組立体において、コア部の電極のしわを改善できる研究が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】日本国公開特許第2009-080971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本出願は、ゼリーロール電極組立体およびこれを含む円筒型リチウム二次電池に関する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書の一実施態様は、第1セパレータ;前記第1セパレータの一側面に積層され、正極集電体を含む正極;前記正極の前記第1セパレータと接する面の反対面に設けられた第2セパレータ;および前記第2セパレータの前記正極と接する面の反対面に設けられた負極集電体を含む負極;を含み、前記負極を中心に、コア部にゼリーロール中空部を形成して巻き取った構造からなるゼリーロール電極組立体であって、前記負極集電体は、負極活物質が塗布される負極活物質塗布部、および前記負極活物質が塗布されていない負極無地部を含み、前記負極無地部は、前記負極の両端に形成され、前記両端の負極無地部のうち少なくとも一つは、負極タブを有し、前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に保護テープを含み、前記保護テープは、下記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0016】
[式1] 50%≦a≦100%
前記式1において、
aは、(前記負極無地部に付着する保護テープの長さ/前記負極無地部の全長)×100%である。
【0017】
他の一実施態様において、電池外装材;前記電池外装材の内部に設けられた本出願に係るゼリーロール電極組立体;および前記電池外装材の開口部に電極が設けられた外装キャップ;を含む、円筒型リチウム二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本出願に係るゼリーロール電極組立体は、負極集電体最外郭構造を実現するために、前記負極を中心に、コア部にゼリーロール中空部を形成して巻き取った構造からなるゼリーロール電極組立体であって、前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に式1を満たす保護テープを含む。これにより、厚さの薄い負極集電体の中心部を起点として巻き取る工程を含んでも、保護テープにより負極集電体に剛性を付与して巻き取る際のしわの生成を防止し、これにより、電極全体の電極のしわを改善することができるため、しわが形成されていないゼリーロール電極組立体を提供できるという特徴を有することになる。
【0019】
すなわち、本出願に係るゼリーロール電極組立体は、前記負極集電体の前記負極無地部の少なくとも片面を50%以上覆うように保護テープが形成されるものであり、無地部の片面または両面に形成されることを特徴とし、これにより、電極のしわを改善することで、これを含む円筒型リチウム二次電池の寿命および効率を増大できるという特徴を有することになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本出願の一実施態様によるゼリーロール電極組立体を巻き取る方法に関する図である。
図2】セパレータ最外郭構造のゼリーロール電極組立体を製造する方法に関する図である。
図3】本出願の一実施態様によるゼリーロール電極組立体の巻き取り前の側面図である。
図4】本出願に係る負極のコア部を示す図である。
図5】本出願の実施例1による負極を示す図である。
図6】本出願の比較例1による負極を示す図である。
図7】本出願の比較例1による負極のしわの発生有無を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 ・・・負極
2 ・・・第2セパレータ
3 ・・・正極
4 ・・・第1セパレータ
10 ・・・負極タブ
11 ・・・第1負極無地部面に付着する保護テープ
12 ・・・第2負極無地部面に付着する保護テープ
13 ・・・正極タブ
14 ・・・正極無地部
15 ・・・負極無地部
16 ・・・負極活物質層
17 ・・・正極活物質層
21 ・・・第1負極無地部の全長
22 ・・・第2負極無地部の全長
23 ・・・第1負極無地部面に付着する保護テープの長さ
24 ・・・第2負極無地部面に付着する保護テープの長さ
100 ・・・ゼリーロール中空部
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を説明する前に、先ず、いくつかの用語を定義する。
【0023】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0024】
本明細書において、「p~q」とは、「p以上q以下」の範囲を意味する。
【0025】
本明細書において、「比表面積」は、BET法により測定されたものであって、具体的には、BEL Japan社製のBELSORP-mino IIを用いて、液体窒素温度下(77K)での窒素ガス吸着量から算出されたものである。すなわち、本出願において、BET比表面積とは、前記測定方法により測定された比表面積を意味し得る。
【0026】
本明細書において、「Dn」とは、平均粒径を意味し、粒径に応じた粒子数累積分布のn%地点での粒径を意味する。すなわち、D50は、粒径に応じた粒子数累積分布の50%地点での粒径であり、D90は、粒径に応じた粒子数累積分布の90%地点での粒径であり、D10は、粒径に応じた粒子数累積分布の10%地点での粒径である。一方、平均粒径は、レーザ回折法(laser diffraction method)を用いて測定することができる。具体的に、測定対象粉末を分散媒中に分散させた後、市販中のレーザ回折粒度測定装置(例えば、Microtrac S3500)に導入し、粒子がレーザビームを通過する際に粒子の大きさに応じた回折パターンの差を測定して粒度分布を算出する。
【0027】
本明細書において、重合体がある単量体を単量体単位として含むとは、その単量体が重合反応に参加して重合体中で繰り返し単位として含まれることを意味する。本明細書において、重合体が単量体を含むという場合、これは重合体が単量体を単量体単位として含むことと同様に解釈される。
【0028】
本明細書において、「重合体」とは、「単独重合体」と明示しない限り、共重合体を含む広義の意味で用いられるものと理解する。
【0029】
本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、分子量測定用として市販中の多様な重合度の単分散ポリスチレン重合体(標準試料)を標準物質とし、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)により測定されたポリスチレン換算分子量である。本明細書において、分子量とは、特に記載しない限り、重量平均分子量を意味する。
【0030】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように図面を参照して詳しく説明する。ただし、本発明は、種々の異なる形態で実現されてもよく、以下の説明に限定されない。
【0031】
本明細書の一実施態様は、第1セパレータ;前記第1セパレータの一側面に積層され、正極集電体を含む正極;前記正極の前記第1セパレータと接する面の反対面に設けられた第2セパレータ;および前記第2セパレータの前記正極と接する面の反対面に設けられた負極集電体を含む負極;を含み、前記負極を中心に、コア部にゼリーロール中空部を形成して巻き取った構造からなるゼリーロール電極組立体であって、前記負極集電体は、負極活物質が塗布される負極活物質塗布部、および負極活物質が塗布されていない負極無地部を含み、前記負極無地部は、前記負極の両端に形成され、前記両端の負極無地部のうち少なくとも一つは、負極タブを有し、前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に保護テープを含み、前記保護テープは、下記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0032】
[式1] 50%≦a≦100%
前記式1において、
aは、(負極無地部に付着する保護テープの長さ/負極無地部の全長)×100%である。
【0033】
本出願に係るゼリーロール電極組立体は、負極集電体最外郭構造を実現するために、前記負極を中心に、中心部にゼリーロール中空部を形成して巻き取った構造からなるゼリーロール電極組立体であって、前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に式1を満たす保護テープを含む。これにより、厚さの薄い負極集電体の中心部を起点として巻き取る工程を含んでも、保護テープにより負極集電体に剛性を付与して巻き取る際のしわの生成を防止し、これにより、電極全体の電極のしわを改善することができるため、しわが形成されていないゼリーロール電極組立体を提供できるという特徴を有することになる。
【0034】
本出願の一実施態様は、第1セパレータ、前記第1セパレータの一側面に積層され、正極集電体を含む正極、前記正極の一側面に積層される第2セパレータ、および前記第2セパレータ上に負極集電体を含む負極を電極シートと表すことができる。
【0035】
すなわち、第1セパレータ;前記第1セパレータの一側面に積層され、正極集電体を含む正極;前記正極の前記第1セパレータと接する面の反対面に設けられた第2セパレータ;および前記第2セパレータの前記正極と接する面の反対面に設けられた負極集電体を含む負極;を含み、前記負極を中心に、コア部にゼリーロール中空部を形成して巻き取った構造からなるゼリーロール電極組立体は、前記電極シートを巻き取った構造からなるゼリーロール電極組立体と表すことができる。
【0036】
本出願の一実施態様において、ゼリーロール電極組立体を製造するために、正極、負極、第1セパレータ、および第2セパレータをそれぞれ準備して積層するステップを含む。
【0037】
上記ステップにおいて、第1セパレータ、正極、第2セパレータ、負極の順に積層し、前記負極を中心に、コア部にゼリーロール中空部を形成して巻き取った構造であり、上記のような積層および巻き取り方法により負極集電体最外郭構造のゼリーロール電極組立体を形成することができる。
【0038】
図1は、本出願の一実施態様による電極シートをゼリーロール電極組立体の形態で巻き取る方法に関する図である。具体的に、第1セパレータ4、第1セパレータの一側面に積層され、正極集電体を含む正極3、前記正極3の一側面に積層される第2セパレータ2、および前記第2セパレータ2上に負極集電体を含む負極1が積層された構造であり、中心部にゼリーロール中空部100を形成し、負極1を中心に巻き取られることを確認することができる。さらに、図1から確認できるように、負極集電体を含む負極1のみを別に再度巻き取り、負極集電体最外郭のゼリーロール電極組立体が形成されることを確認することができる。
【0039】
図2は、従来のセパレータ最外郭構造であり、正極3/第2セパレータ2/負極1/第1セパレータ4の形態であり、中心部にゼリーロール中空部100を形成し、正極3を中心に巻き取られる構造であり、最終的にこれより生成されるゼリーロール電極組立体は、第1セパレータ4の最外郭構造を示すことができる。
【0040】
本出願の一実施態様において、正極は、正極集電体、および前記正極集電体の片面または両面に形成され、正極活物質を含む正極活物質層を含んでもよい。
【0041】
本出願の一実施態様において、前記正極集電体は、正極活物質が塗布される正極活物質塗布部、および正極活物質が塗布されていない正極無地部を含み、前記正極無地部上に正極タブを含む、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0042】
本出願の一実施態様において、前記正極活物質層は、前記正極集電体の活物質塗布部に形成され、前記正極活物質層が設けられていない面を正極無地部と表すことができる。
【0043】
具体的に、図3から確認できるように、正極3は、第1セパレータ4と第2セパレータ2との間に設けられ、正極3は、正極活物質層17が塗布されていない正極無地部14を含み、前記無地部上に正極タブ13が設けられていることを確認することができる。
【0044】
前記正極において、正極集電体は、電池に化学的変化を誘発せず、かつ、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものが用いられてもよい。また、前記正極集電体は、通常、3~500μmの厚さを有してもよく、前記集電体の表面上に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めてもよい。例えば、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態で用いられてもよい。
【0045】
前記正極活物質は、通常用いられる正極活物質であってもよい。具体的に、前記正極活物質としては、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;LiFeなどのリチウム鉄酸化物;化学式Li1+c1Mn2-c1(0≦c1≦0.33)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-c2Mc(ここで、MはCo、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、B、およびGaからなる群より選択された少なくともいずれか一つであり、0.01≦c2≦0.3を満たす)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-c3c3(ここで、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn、およびTaからなる群より選択された少なくともいずれか一つであり、0.01≦c3≦0.1を満たす)、またはLiMnMO(ここで、MはFe、Co、Ni、Cu、およびZnからなる群より選択された少なくともいずれか一つである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMnなどが挙げられるが、これに限定されはない。前記正極は、Li-金属であってもよい。
【0046】
前記正極活物質層は、前述した正極活物質と共に、正極導電材および正極バインダーを含んでもよい。
【0047】
この際、前記正極導電材は、電極に導電性を付与するために用いられるものであり、構成される電池において、化学変化を引き起こすことなく電子伝導性を有するものであれば特に限定なく使用可能である。具体例としては、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、炭素繊維などの炭素系物質;銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;またはポリフェニレン誘導体などの導電性高分子などが挙げられ、この中の1種の単独または2種以上の混合物が用いられてもよい。
【0048】
また、前記正極バインダーは、正極活物質粒子間の付着および正極活物質と正極集電体との接着力を向上させる役割をする。具体例としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンポリマー(EPDM)、スルホン化-EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、またはこれらの多様な共重合体などが挙げられ、この中の1種の単独または2種以上の混合物が用いられてもよい。
【0049】
本出願の一実施態様において、前記正極集電体は、正極無地部を含んでもよく、前記正極無地部に形成された正極タブを含み、本出願に係るゼリーロール電極組立体は、正極タブを一つ含んでもよい。
【0050】
この際、正極無地部は、正極の中心部に形成されてもよい。
【0051】
本出願の一実施態様において、負極は、負極集電体;および負極活物質層を含んでもよく、前記負極集電体は、負極活物質が塗布される負極活物質塗布部、および負極活物質が塗布されていない負極無地部を含んでもよい。
【0052】
具体的に、図3から確認できるように、負極1は、第2セパレータ2上に設けられ、負極1は、負極活物質層16が塗布されていない負極の両端に負極無地部15を含み、前記両端の負極無地部のうち少なくとも一つは、負極タブ10が設けられていることを確認することができる。
【0053】
本出願に係るゼリーロール電極組立体は、負極の両端に負極無地部を含み、両端の負極無地部のうち少なくとも一つは、負極タブを含む。具体的に、負極無地部のうち巻き取りコア部側の負極無地部が負極タブを含んでもよい。
【0054】
本出願の一実施態様において、前記負極活物質層は、シリコン系物質および炭素系物質からなる群より選択される1以上を含む負極活物質を含んでもよい。
【0055】
また、本出願の一実施態様において、前記負極活物質層は、負極導電材;および負極バインダーを含んでもよい。
【0056】
本出願の一実施態様において、前記負極活物質;負極導電材;および負極バインダーは、当業界で用いられる物質を限定なく使用可能である。
【0057】
本出願の一実施態様において、前記負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せず、かつ、導電性を有するものであればよく、特に限定されない。例えば、前記集電体としては、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものが用いられてもよい。具体的には、銅、ニッケルのような炭素をよく吸着する遷移金属を集電体として用いてもよい。前記集電体の厚さは6μm~20μmであってもよいが、前記集電体の厚さはこれに限定されるものではない。
【0058】
前記負極バインダーは、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidenefluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸、エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ポリアクリル酸(poly acrylic acid)、およびこれらの水素がLi、Na、またはCaなどで置換された物質からなる群より選択される少なくともいずれか一つを含んでもよく、また、これらの多様な共重合体を含んでもよい。
【0059】
前記負極導電材は、当該電池に化学的変化を誘発せず、かつ、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;カーボンナノチューブなどの導電性チューブ;フルオロカーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性材料などが用いられてもよい。
【0060】
本出願の一実施態様において、第1セパレータおよび第2セパレータとしては、負極と正極を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものであり、通常、二次電池においてセパレータとして用いられるものであれば特に限定なく使用可能であり、特に電解質のイオン移動に対して低抵抗であり、かつ、電解質含湿能力に優れることが好ましい。具体的には、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、およびエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子から製造された多孔性高分子フィルム、またはこれらの2層以上の積層構造体が用いられてもよい。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が用いられてもよい。また、耐熱性または機械的強度を確保するために、セラミック成分または高分子物質が含まれたコーティングされたセパレータが用いられてもよく、選択的に単層または多層構造として用いられてもよい。
【0061】
本出願の一実施態様において、前記負極集電体は、負極活物質が塗布される負極活物質塗布部、および負極活物質が塗布されていない負極無地部を含み、前記負極無地部は、前記負極の両端に形成され、前記両端の負極無地部のうち少なくとも一つは、負極タブを有し、前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に保護テープを含み、前記保護テープは、下記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0062】
[式1] 50%≦a≦100%
前記式1において、
aは、(前記負極無地部に付着する保護テープの長さ/負極無地部の全長)×100%である。
【0063】
本出願の一実施態様において、前記負極無地部は、負極の両端に形成され、そのうち一つがゼリーロール中空部に形成されてもよい。具体的に、図1における100の位置に該当し、図3から確認できるように、負極の端部のうち巻き取りが始まる部分を意味し得る。
【0064】
本出願の一実施態様において、前記負極集電体は、負極活物質が塗布される負極活物質塗布部、および負極活物質が塗布されていない負極無地部を含み、前記負極無地部は、前記負極の両端に形成され、前記両端の負極無地部のうち一つは、負極タブを有し、前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に保護テープを含み、前記保護テープは、前記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0065】
本出願の一実施態様において、前記負極集電体は、負極活物質が塗布される負極活物質塗布部、および負極活物質が塗布されていない負極無地部を含み、前記負極無地部は、前記負極の両端に形成され、前記両端の負極無地部のうち一つは、負極タブを有し、前記負極タブは、前記負極無地部の両端のうち負極のゼリーロール中空部に位置した端部に位置し、前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に保護テープを含み、前記保護テープは、前記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0066】
本出願の一実施態様において、前記負極集電体の前記負極無地部は、少なくとも片面に保護テープを含み、前記保護テープは、前記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0067】
他の一実施態様において、前記負極集電体の前記負極無地部は、片面に保護テープを含み、前記保護テープは、前記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0068】
また他の一実施態様において、前記負極集電体の前記負極無地部は、両面に保護テープを含み、前記保護テープは、前記式1を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0069】
本出願に係るゼリーロール電極組立体は、前記負極集電体の前記負極無地部の少なくとも片面に前記式1を満たす保護テープを含むことで、厚さの薄い負極集電体の中心部を起点として巻き取る工程を含んでも、保護テープにより負極集電体に剛性を付与して巻き取る際のしわの生成を防止することができる。これにより、電極全体の電極のしわを改善することができるため、しわが形成されていないゼリーロール電極組立体を提供できるという特徴を有することになる。
【0070】
すなわち、本出願に係るゼリーロール電極組立体の前記負極無地部のうち少なくとも一つの面に上記の長さを満たす保護テープを付着する場合、従来の電極のしわが形成される問題を解決できるという特徴を有することが本発明の主な目的である。
【0071】
本出願の一実施態様において、前記負極無地部は、前記負極タブが設けられた第1負極無地部面;および前記第1負極無地部面の反対面である第2負極無地部面を含み、前記保護テープは、前記第1負極無地部面および第2負極無地部面に形成され、前記保護テープは、下記式2および式3を満たす、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0072】
[式2] 25%≦a1≦100%
[式3] 25%≦b1≦100%
前記式2および式3において、
a1は、(第1負極無地部に付着する保護テープの長さ/第1負極無地部の全長)×100%であり、
b1は、(第2負極無地部に付着する保護テープの長さ/第2負極無地部の全長)×100%であり、
前記a1およびb1のうち少なくとも一つが50%以上である。
【0073】
具体的に、図4から上記の内容を確認することができる。図4は、本出願に係る負極のコア部を示す図である。具体的に、負極両端中のコア部に含まれる負極無地部上に負極タブ10を設けるものであり、前記第1負極無地部に付着する保護テープの長さ23および第1負極無地部の全長21を確認することができ、前記第2負極無地部に付着する保護テープの長さ24および第2負極無地部の全長22をそれぞれ確認することができる。
【0074】
本出願の一実施態様において、前記式2は、25%≦a1≦100%の範囲を満たしてもよく、50%≦a1≦100%の範囲を満たしてもよく、70%≦a1≦100%の範囲を満たしてもよい。
【0075】
本出願の一実施態様において、前記第1負極無地部に付着する保護テープは、負極タブを覆う構造で形成され、負極タブを固定するとともに、巻き取る際の負極集電体の無地部のしわ現象を改善できるという特徴を有することになる。
【0076】
本出願の一実施態様において、前記式3は、25%≦b1≦100%の範囲を満たしてもよく、50%≦b1≦100%の範囲を満たしてもよく、70%≦b1≦100%の範囲を満たしてもよい。
【0077】
本出願の一実施態様において、前記負極無地部のうち負極タブが設けられた第1負極無地部に保護テープを含むとともに、反対面である第2負極無地部に上記範囲を満たす保護テープを共に含む場合、片面のみに保護テープを有する場合に比べて、コアしわ発生率が大幅に低下するという特徴を有することになる。
【0078】
すなわち、ゼリーロール電極組立体の前記負極無地部のうち一つの面に前記長さを満たす保護テープを付着する場合、従来の電極のしわが形成される問題を解決することができる。同時に、特に負極無地部のうち、第1負極無地部および第2負極無地部ともに保護テープを備える場合、しわ形成の問題に加え、ゼリーロール状のコア部が剛性を有するため、コア部の崩れの改善効果にさらに優れるという特徴を有することになる。
【0079】
本出願の一実施態様において、前記a1が100%であり、前記b1が100%である、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0080】
本出願において、前記a1が100%であり、前記b1が100%であるとは、負極タブが設けられた負極無地部の両面の全面が保護テープで覆われていることを意味し得る。
【0081】
本出願の一実施態様において、前記正極タブおよび前記負極タブをそれぞれ一つ含む、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0082】
図3から確認できるように、本発明によるゼリーロール電極組立体の負極タブは、負極の両端のうち負極のコア部に位置した端部に位置し、正極タブは、正極の外郭ではなく、正極の中心部に形成されることを確認することができ、正極タブおよび負極タブをそれぞれ一つずつ含むことができる。
【0083】
上記のように正極タブおよび負極タブをそれぞれ一つ含む場合には、2個以上含む場合に比べて抵抗が高くなり得るが、一つずつ含むことで、無地部の領域を減らし、正極活物質および負極活物質がさらに含まれることができるため、容量が大幅に増加するという効果を有することになる。
【0084】
すなわち、本願発明によるゼリーロール電極組立体の場合、正極タブおよび負極タブをそれぞれ一つ含むものであり、その用途が高出力の用途として用いられるのではなく、高容量の用途として用いられるものであり、正極タブおよび負極タブの数に応じてその目的の違いを確認することができる。
【0085】
本出願の一実施態様において、前記正極集電体の前記正極活物質塗布部の両面に設けられた正極活物質層;および前記負極集電体の前記負極活物質塗布部の両面に設けられた負極活物質層;を含む、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0086】
上記のように両面ともに活物質層を含む場合、活物質がさらに多く含まれることができるため、容量が極大化されるという特徴を有することになる。
【0087】
本出願の一実施態様において、前記ゼリーロール電極組立体は、負極集電体最外郭構造である、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0088】
負極集電体最外郭構造を有する製造方法を図1から確認することができる。図1から確認できるように、中心部にゼリーロール中空部100を形成し、負極1を中心に巻き取られる構造であり、最後に負極1に含まれた負極集電体のみをゼリーロール電極組立体の外郭に再度巻き取り、負極集電体の最外郭露出構造を形成することができる。
【0089】
すなわち、前記負極集電体最外郭構造は、正極と負極の巻き取り順を変え、負極集電体が最外郭に露出するように作製された構造であり、負極集電体と後述する電池外装材の内壁との直接接触を可能にし、外側負極タブが存在しなくても、缶との電気的連結が可能であるという特徴を有することになる。すなわち、前述したように、本発明によるゼリーロール電極組立体は、正極タブおよび負極タブをそれぞれ一つずつ備えるものであり、これにより、高容量の電池を実現することができ、負極集電体が最外郭に形成されることで上記特徴を実現できるという特徴を有することになる。
【0090】
本出願の一実施態様において、前記保護テープは、PET(polyethylene terephthalate)、PP(Polypropylene)、ポリエステル(polyester)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycylicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択されるいずれか一つである、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0091】
前記保護テープは、負極タブを固定することができ、巻き取る際の負極無地部の折り曲げを防止する程度の剛性を有するテープであれば限定なく使用可能であり、具体的にはPETを用いてもよい。
【0092】
本出願の一実施態様において、前記保護テープの厚さが10μm以上100μm以下である、ゼリーロール電極組立体を提供する。
【0093】
本出願の一実施態様において、電池外装材;前記電池外装材の内部に設けられた本出願に係るゼリーロール電極組立体;および前記電池外装材の開口部に電極が設けられた外装キャップ;を含む、円筒型リチウム二次電池を提供する。
【0094】
ゼリーロール電極組立体に含まれる内容は前述したとおりである。
【0095】
本出願の一実施態様において、前記電池外装材の内部には、電解質を含んでもよい。
【0096】
前記電解質としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル型高分子電解質、固体無機電解質、溶融型無機電解質などが挙げられ、これに限定されない。
【0097】
具体的に、前記電解質は、非水系有機溶媒および金属塩を含んでもよい。
【0098】
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒が用いられてもよい。
【0099】
特に、前記カーボネート系有機溶媒のうち環状カーボネートであるエチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートは、高粘度の有機溶媒として、誘電率が高く、リチウム塩をよく解離させるため好ましく用いることができ、このような環状カーボネートにジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートのような低粘度、低誘電率の直鎖状カーボネートを適した割合で混合して用いると、高い電気伝導率を有する電解質を作製することができるためさらに好ましく用いることができる。
【0100】
前記金属塩としては、リチウム塩を用いてもよく、前記リチウム塩は、前記非水電解液に溶解しやすい物質であり、例えば、前記リチウム塩のアニオンとしては、F、Cl、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、PF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN、および(CFCFSOからなる群より選択される1種以上を用いてもよい。
【0101】
前記電解質には、前記電解質の構成成分の他にも、電池の寿命特性の向上、電池容量の減少抑制、電池の放電容量の向上などを目的に、例えば、ジフルオロエチレンカーボネートなどのようなハロアルキレンカーボネート系化合物、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n-グリム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N-置換オキサゾリジノン、N,N-置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2-メトキシエタノール、または三塩化アルミニウムなどの添加剤が1種以上さらに含まれてもよい。
【0102】
本発明によるゼリーロール電極組立体は、円筒型電池に含まれてもよく、前記円筒型電池とは、正極、負極、セパレータ、および電解質を含む組立体が含まれている電池自体の形状が円筒状であることを意味し得、具体的に、円筒型缶、円筒型缶の内部に設けられた電池組立体、およびトップキャップで構成されることができる。
【実施例
【0103】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、該実施例は本記載を例示するためのものにすぎず、本記載の範囲および技術思想の範囲内で多様な変更および修正が可能であることは当業者にとって明らかであり、このような変形および修正が添付の特許請求の範囲に属することは当然である。
【0104】
<実施例1>
図3のような方式で第1セパレータ/正極/第2セパレータ/負極を積層し、負極集電体無地部の巻き取り中心部側に負極タブを設け、負極タブが設けられた負極集電体無地部の両面に、aが100%であり、具体的にはa1が100%およびb1が100%を満たす保護テープを付着し、巻き取ってゼリーロール電極組立体を形成した。
【0105】
<実施例2>
前記実施例1において、負極タブが設けられた負極集電体無地部の片面に、aが100%であり、具体的にはa1が100%を満たす保護テープを付着したことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール電極組立体を形成した。
【0106】
<実施例3>
前記実施例1において、負極タブが設けられた負極集電体無地部の両面に、aが80%であり、具体的にはa1が80%およびb1が30%を満たす保護テープを付着したことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール電極組立体を形成した。
【0107】
<実施例4>
前記実施例1において、負極タブが設けられた負極集電体無地部の両面に、aが80%であり、具体的にはa1が30%およびb1が80%を満たす保護テープを付着したことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール電極組立体を形成した。
【0108】
<比較例1>
前記実施例1において、負極タブが設けられた負極集電体無地部の片面に、aが40%であり、具体的にはa1が40%を満たす保護テープを付着したことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール電極組立体を形成した。
【0109】
<比較例2>
前記実施例1において、負極タブが設けられた負極集電体無地部の両面に、aが40%であり、具体的にはa1が40%およびb1が30%を満たす保護テープを付着したことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール電極組立体を形成した。
【0110】
<比較例3>
前記実施例1において、負極タブが設けられた負極集電体無地部の両面に保護テープを付着しないことを除いては、前記実施例1と同様の方法でゼリーロール電極組立体を形成した。
【0111】
前記実施例1~4のゼリーロール電極組立体は、前記負極集電体の前記負極無地部の少なくとも片面を50%以上覆うように保護テープが形成されるものであり、無地部の片面または両面に形成されることを特徴とし、これにより、電極のしわを改善することで、これを含む円筒型リチウム二次電池の寿命および効率を増大できるという特徴を有することを確認することができた。
【0112】
具体的に、前記実施例1の場合、負極タブが設けられた負極集電体無地部の両面に保護テープを100%付着した場合であり、前記実施例2の場合、負極集電体無地部の負極タブが設けられた面に保護テープを100%付着した場合である。
【0113】
前記実施例1および実施例2を比較すると、実施例1の場合、比較例1~3に比べて電極のしわの改善効果があり、特に実施例2(片面に保護テープの形成)と比較しても電極のしわの改善効果に非常に優れることを確認することができた。これは、剛性の保護テープを無地部の両面に形成することによる結果である。
【0114】
特に、図5は、本出願の実施例1による負極を示す図である。具体的に、負極無地部(点線で表示)の両面に、aが100%を満たすように保護テープを付着したことが分かる。この場合、負極にしわが発生しないことを確認することができ、これにより、電極のしわの改善効果があることが分かった。
【0115】
前記実施例3および実施例4は、負極タブが設けられた負極集電体無地部の両面に保護テープを設けるが、ただし、a1およびb1がそれぞれ100%でない場合である。実施例1に比べて電極のしわが少量発生するが、電極の駆動には問題ない程度に電極のしわが改善されることを確認することができた。
【0116】
前記比較例1は、負極無地部の片面、比較例2は、負極無地部の両面に保護テープを形成するが、それぞれ50%未満の場合であり、保護テープが設けられても、電極組立体の巻き取りにより依然として電極のしわが発生することを確認し、これにより、リチウム二次電池の性能低下およびリチウムの析出による安全性の問題を引き起こし得る。
【0117】
図6は、本出願の比較例1による負極を示す図である。具体的に、負極無地部(細い点線で表示)において、片面にaが40%を満たすように保護テープを付着し、負極無地部の60%が露出していることが分かる。この場合、図6および7から確認できるように、保護テープの長さを満たすことができず、負極無地部にしわが発生(太い点線表示の拡大)することを確認することができ、これにより、負極全体にしわが発生し、リチウム二次電池の性能低下を引き起こすことを確認することができた。
【0118】
前記比較例3は、保護テープを両面に有しない場合であり、この場合、電極組立体の巻き取り時にしわが多く発生し、リチウム二次電池の早期性能劣化およびリチウムの析出による安全性の問題を引き起こし得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】