(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-02
(54)【発明の名称】バッテリーパックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20240925BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240925BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240925BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240925BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20240925BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20240925BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/211
H01M50/507
H01M50/262 S
H01M50/264
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516505
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 KR2023009955
(87)【国際公開番号】W WO2024019412
(87)【国際公開日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089943
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0090047
(32)【優先日】2023-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ウヨン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュンモ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ジュネ・チ
(72)【発明者】
【氏名】スン・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】セユン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ミュンウ・イ
(72)【発明者】
【氏名】インス・キム
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA01
5H040AA03
5H040AS01
5H040AS04
5H040AS05
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC20
5H040CC34
5H040DD03
5H040JJ02
5H040NN03
5H043AA05
5H043AA13
5H043AA19
5H043CA08
5H043CA21
5H043FA04
5H043JA03F
(57)【要約】
本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、一方向に並んで配置された複数のセルユニットを含むバッテリーアセンブリー、および内部空間に前記バッテリーアセンブリーを収納するパックケースを含み、前記セルユニットは、少なくとも一つのバッテリーセル、および前記バッテリーセルの一部を覆うセルカバーを含み、前記バッテリーアセンブリーは、前記セルカバーを貫通することによって前記複数のセルユニットの相対的な移動を制限する固定ユニットを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並んで配置された複数のセルユニットを含むバッテリーアセンブリー、および
内部空間に前記バッテリーアセンブリーを収納するパックケースを含み、
前記セルユニットは、少なくとも一つのバッテリーセル、および前記バッテリーセルの一部を覆うセルカバーを含み、
前記バッテリーアセンブリーは、前記セルカバーを貫通することによって前記複数のセルユニットの相対的な移動を制限する固定ユニットを含むバッテリーパック。
【請求項2】
前記セルカバーにはセルカバー締結ホールが形成され、
前記固定ユニットは、前記セルカバー締結ホールを貫通することによって前記複数のセルユニットを固定する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記バッテリーセルは一縁が前記パックケースの底面と対応するように垂直に配置され、
前記セルカバーは、垂直に配置された前記バッテリーセルの上側縁は覆い、前記バッテリーセルの下側縁は開放する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記セルカバーは、前記バッテリーセルの一面と平行に配置される第2面と第3面、および前記第2面と前記第3面との間に延びる第1面を含み、
前記セルカバーの横断面はn字形状を有する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記第2面および前記第3面には前記固定ユニットが挿入されるセルユニット結合ホールが形成される、請求項4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記セルユニットは、前記セルカバーの長さ方向の端部と結合するバスバーフレームをさらに含み、
前記セルカバーに収容された前記バッテリーセルの電極リードは前記バスバーフレームに装着されたバスバーと電気的に連結される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記バスバーフレームの一面にはバスバーフレーム溝が形成され、
前記バスバーフレーム溝の形状は前記固定ユニットの外周面の形状と対応する 、請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記バッテリーアセンブリーは、複数の前記セルユニットのうち、最外側のセルユニットの一面と接触する支持プレートを含み、
前記固定ユニットは前記支持プレートを貫通することによって、前記複数のセルユニットと前記支持プレートとの相対的な移動を制限する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記支持プレートにはプレート締結ホールが形成され、
前記セルカバーにはセルカバー締結ホールが形成され、
前記固定ユニットは前記プレート締結ホールと前記セルカバー締結ホールを貫通することによって、複数の前記セルユニットと前記支持プレートを結合する、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記バッテリーアセンブリーは、複数の前記セルユニットの長さ方向の端部に位置するエンドカバーをさらに含み、
前記エンドカバーは前記支持プレートと結合する、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記エンドカバーは、前記複数のセルユニットの長さ方向の端部を覆うボディー部、および前記ボディー部の一縁から前記支持プレートに向かって延びるカバー延長部を含み、
前記カバー延長部は前記支持プレートの長さ方向の端部と対応する、請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記固定ユニットは前記カバー延長部を貫通することによって、前記エンドカバーと前記支持プレートを結合する、請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記セルカバーにはセルカバー締結ホールが形成され、
前記支持プレートにはプレート締結ホールが形成され、
前記カバー延長部にはカバー締結ホールが形成され、
前記固定ユニットは前記セルカバー締結ホール、前記プレート締結ホールおよび前記カバー締結ホールを貫通することによって、前記複数のセルユニット、前記支持プレートおよび前記エンドカバーを結合する、請求項12に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記バッテリーアセンブリーは、第2固定ユニットをさらに含み、
前記第2固定ユニットにより前記カバー延長部と前記支持プレートの端部が固定される、請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
前記支持プレートには第2プレート締結ホールが形成され、
前記カバー延長部にはカバー締結ホールが形成され、
前記第2固定ユニットは前記第2プレート締結ホールと前記カバー締結ホールを貫通することによって、前記エンドカバーと前記支持プレートが結合する、請求項14に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
前記支持プレートには前記カバー延長部と対応する位置にカバー結合部が形成され、
前記カバー結合部の外側面と前記カバー延長部の内側面が接触するように配置される、請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項17】
前記カバー結合部の外側面は内側面に向かって陥没した形状を有し、
前記陥没した前記カバー結合部の外側面に前記カバー延長部の内側面が位置する、請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項18】
前記エンドカバーは、前記ボディー部の一縁から前記セルユニットの下面に向かって延びるカバー支持部を含む、請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項19】
前記セルカバーは、一つの板材が折り曲げられて形成される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項20】
請求項1に記載のバッテリーパックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2022年07月20日付韓国特許出願第10-2022-0089943号および2023年07月11日付韓国特許出願第10-2023-0090047号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーパックおよびこれを含むデバイスに関し、より詳しくは、セルツーパック(Cell To Pack)方式で製造されるバッテリーパックおよびこれを含むデバイスなどに関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池が携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコンなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源として多くの関心を集めることに伴い、二次電池の需要が急激に増加している。
【0004】
最近は電気自動車やエネルギー貯蔵システムのような中大型装置に駆動用やエネルギー貯蔵用としてバッテリーパックが幅広く使用されている。従来のバッテリーパックは、パックケース内部に一つ以上のバッテリーモジュールとバッテリーパックの充放電を制御する制御ユニット、例えばBMS(Battery Management System)を含む。ここで、バッテリーモジュールは、モジュールケースの内部に多数のバッテリーセルを含む形態で構成される。つまり、従来のバッテリーパックの場合、多数のバッテリーセル(二次電池)がモジュールケース内部に収納されてそれぞれのバッテリーモジュールを構成し、このようなバッテリーモジュールが一つ以上パックケース内部に収納されてバッテリーパックを構成する。
【0005】
しかし、先行文献(韓国登録特許公報第10-2379227号)などに開示されたように、このようなバッテリーの組立方式はバッテリーパック全体の重量と体積を増加させ、バッテリーパックのエネルギー密度を低下させるという問題点がある。
【0006】
また、バッテリーパックのエネルギー密度を高めるために、多数のバッテリーセルをバッテリーパックのパックケースに直接装着する既存のセルツーパック(Cell To Pack)方式が軟質ケースを有するパウチ型バッテリーセルに適用される場合、多数のバッテリーセルを同時に取り扱うか積層することが難く、バッテリーセルがパックケースに装着される過程でバッテリーセルの損傷が発生する危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するために創案したものであって、バッテリーパックの全体重量と体積が軽減され、バッテリーパックのエネルギー密度が向上したバッテリーパックおよびデバイスなどを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明が解決しようとする技術的課題は、多数のバッテリーセルを含むバッテリーパックの製造過程で、バッテリーセルの取り扱いと装着を容易にし、バッテリーセルの損傷を防止しながらも、バッテリーセルの装着に要求される構造体を簡素化および軽量化して製造費用を節減し、バッテリーセルの固定力を強化するバッテリーパックおよびこれを含むデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、一方向に並んで配置された複数のセルユニットを含むバッテリーアセンブリー、および内部空間に前記バッテリーアセンブリーを収納するパックケースを含み、前記セルユニットは、少なくとも一つのバッテリーセル、および前記バッテリーセルの一部を覆うセルカバーを含み、前記バッテリーアセンブリーは、前記セルカバーを貫通することによって前記複数のセルユニットの相対的な移動を制限する固定ユニットを含む。
【0010】
前記セルカバーにはセルカバー締結ホールが形成され、前記固定ユニットは前記セルカバー締結ホールを貫通することによって前記複数のセルユニットを固定することができる。
【0011】
前記バッテリーセルは一縁が前記パックケースの底面と対応するように垂直に配置され、前記セルカバーは垂直に配置された前記バッテリーセルの上側縁は覆い、前記バッテリーセルの下側縁は開放することができる。
【0012】
前記セルカバーは、前記バッテリーセルの一面と平行に配置される第2面と第3面、および前記第2面と前記第3面との間に延びる第1面を含み、前記セルカバーの横断面はn字形状を有することができる。
【0013】
前記第2面および前記第3面には前記固定ユニットが挿入されるセルユニット結合ホールが形成され得る。
【0014】
前記セルユニットは、前記セルカバーの長さ方向の端部と結合するバスバーフレームをさらに含み、前記セルカバーに収容された前記バッテリーセルの電極リードは前記バスバーフレームに装着されたバスバーと電気的に連結され得る。
【0015】
前記バスバーフレームの一面にはバスバーフレーム溝が形成され、前記バスバーフレーム溝の形状は前記固定ユニットの外周面の形状と対応することができる。
【0016】
前記バッテリーアセンブリーは、複数の前記セルユニットのうち、最外側のセルユニットの一面と接触する支持プレートを含み、前記固定ユニットは前記支持プレートを貫通することによって、前記複数のセルユニットと前記支持プレートの相対的な移動を制限することができる。
【0017】
前記支持プレートにはプレート締結ホールが形成され、前記セルカバーにはセルカバー締結ホールが形成され、前記固定ユニットは前記プレート締結ホールと前記セルカバー締結ホールを貫通することによって、複数の前記セルユニットと前記支持プレートを結合することができる。
【0018】
前記バッテリーアセンブリーは、複数の前記セルユニットの長さ方向の端部に位置するエンドカバーをさらに含み、前記エンドカバーは前記支持プレートと結合することができる。
【0019】
前記エンドカバーは、前記複数の前記セルユニットの長さ方向の端部を覆うボディー部、および前記ボディー部の一縁から前記支持プレートに向かって延びるカバー延長部を含み、前記カバー延長部は前記支持プレートの長さ方向の端部と対応することができる。
【0020】
前記固定ユニットは前記カバー延長部を貫通することによって、前記エンドカバーと前記支持プレートを結合することができる。
【0021】
前記セルカバーにはセルカバー締結ホールが形成され、前記支持プレートにはプレート締結ホールが形成され、前記カバー延長部にはカバー締結ホールが形成され、前記固定ユニットは前記セルカバー締結ホール、前記プレート締結ホールおよび前記カバー締結ホールを貫通することによって、前記複数のセルユニット、前記支持プレートおよび前記エンドカバーを結合することができる。
【0022】
前記バッテリーアセンブリーは、第2固定ユニットをさらに含み、前記第2固定ユニットにより前記カバー延長部と前記支持プレートの端部が固定され得る。
【0023】
前記支持プレートには第2プレート締結ホールが形成され、前記カバー延長部にはカバー締結ホールが形成され、前記第2固定ユニットは前記第2プレート締結ホールと前記カバー締結ホールを貫通することによって、前記エンドカバーと前記支持プレートが結合することができる。
【0024】
前記支持プレートには前記カバー延長部と対応する位置にカバー結合部が形成され、前記カバー結合部の外側面と前記カバー延長部の内側面が接触するように配置され得る。
【0025】
前記カバー結合部の外側面は内側面に向かって陥没した形状を有し、前記陥没した前記カバー結合部の外側面に前記カバー延長部の内側面が位置することができる。
【0026】
前記エンドカバーは、前記ボディー部の一縁から前記セルユニットの下面に向かって延びるカバー支持部を含むことができる。
【0027】
前記セルカバーは、一つの板材が折り曲げられて形成され得る。
【0028】
本発明の他の実施形態によるデバイスは、前述のバッテリーパックを少なくとも一つ含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一側面によれば、多数のバッテリーセルが別途のモジュールケースに収容されてバッテリーパックのパックケースに装着されるのではなく、簡素化された構造のセルカバーにより部分的に覆われ、前記パックケースに直接装着され得る。これによりバッテリーパック全体の重量および体積が減少し、バッテリーパックのエネルギー密度が向上しながらも、多数のバッテリーセルをケースに直接装着して使用する過程で発生するバッテリーセルの損傷が防止され、バッテリーセルのスウェリング(swelling)制御とガスベンティング経路の設計が容易に形成され得る。
【0030】
また、それぞれ少なくとも一つのバッテリーセルを含むセルユニットが、一対の支持プレートと前記セルユニットを貫通する固定ユニットにブロック化されて固定されることによって、バッテリーパックに装着されるバッテリーセルの取り扱いと装着を容易にしながらも、バッテリーセルの装着に要求される構造体が簡素化および軽量化されて製造費用が節減され、バッテリーセルの固定力が強化され得る。
【0031】
その他にも本発明は様々な他の効果を有することができ、これについては各実施構成で説明したり、当業者が容易に類推できる効果などについては当該説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示した図面である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーアセンブリーを示した図面である。
【
図3】
図2によるバッテリーアセンブリーの分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるセルユニットを示した図面である。
【
図5】
図4によるセルユニットの分解斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーアセンブリーの変形例である。
【
図8】本発明の一実施形態によるバッテリーアセンブリーの変形例である。
【
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーアセンブリーの他の変形例である。
【
図10】本発明の一実施形態によるバッテリーパックが自動車に装着されたことを例示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳しく説明する。本明細書および請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づいて本発明の技術的な思想に符合する意味と概念に解釈されなければならない。したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想を全て代弁するのではないため、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0034】
図面において、各構成要素またはその構成要素をなす特定の部分の大きさは説明の便宜および明確性のために誇張されたり省略されたりまたは概略的に示された。したがって、各構成要素の大きさは実際の大きさを全面的に反映するのではない。関連した公知の機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、そのような説明は省略する。
【0035】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあると説明する時、これは該当する層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その間にまた他の部分がある場合も含むと解釈されなければならない。これとは反対に、該当する層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上」にあると説明する時には、その間にまた他の部分がないことを意味し得る。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。一方、他の部分の「上」にあると説明することと同様に、他の部分の「下」にあると説明することも前述の内容を参照して理解され得る。
【0036】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「端面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した端面を側方から見た時を意味する。
【0038】
以下、本発明の一実施形態によるバッテリーパックについて説明する。
【0039】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示した図面である。
【0040】
図1を参照すれば、本実施形態のバッテリーパック1000は、少なくとも一つのバッテリーアセンブリー100、およびバッテリーアセンブリー100を収容し、外部環境からバッテリーアセンブリーを保護するパックケース1100を含むことができる。
【0041】
パックケース1100は各バッテリーアセンブリー100を載置させるための空間を備え、それぞれのバッテリーアセンブリー100はパックケース1100の載置空間に収容され得る。
【0042】
パックケース1100は外部環境からバッテリーセル111を保護するためのものであり得る。パックケース1100は、底面1110、および底面1110の一角部から垂直に延びる側面1120を含むことができ、これにより形成された内部空間に複数のバッテリーセル111を収納することができる。また、パックケース1100は、底面1110と平行であり、側面1120と結合する上面をさらに含むこともできる。しかし、パックケース1100構造が前述の説明により制限されるのではなく、パックケース1100はバッテリーセル111を保護するための目的を達成するための多様な構造を有するように設計され得る。
【0043】
パックケース1100は前述の載置空間を区画するクロスビーム1200を含むことができる。クロスビーム1200により載置空間に装着されたバッテリーアセンブリー100が離隔したり、遊動することが防止され得る。クロスビーム1200によりバッテリーアセンブリー100の前後左右への移動が最小化されることによって、外部振動および衝撃によるバッテリーアセンブリー100の損傷が防止され得る。
【0044】
クロスビーム1200は、互いに垂直に設けられる第1ビーム1210および第2ビーム1220を含むことができる。第1ビーム1210および第2ビーム1220は互いに離隔するように配置されたり交差するように配置されて前記複数の載置空間を形成することができる。
【0045】
具体的な例として、バッテリーアセンブリー100はパックケース1100内部に2列に配置され得、第1ビーム1210は2列に配置されるバッテリーアセンブリー100を離隔させるようにパックケース1100の中央部分を横切って配置され得る。第2ビーム1220は各列に配置されたバッテリーアセンブリー100を離隔させるように第1ビーム1210と垂直に配置され、一定の間隔を置いて複数個が配置され得る。しかし、これはバッテリーパック1000の内部構造を例示したものであって、本実施形態のバッテリーパック1000の構造が前述の例示に限定されない。
【0046】
一方、前述のように本実施形態のバッテリーアセンブリー100はバッテリーアセンブリー100の外面を保護する別途のケースを備えていない状態で提供され得る。
【0047】
つまり、本実施形態のバッテリーアセンブリー100はモジュールレス(Module-less)構造を有することができる。ここで、モジュールレス構造とは、モジュールケースなしにセル構造がパック構造に直接結合されるセルツーパック(Cell To Pack)構造を称するものであり得る。
【0048】
通常、従来のバッテリーパック1000は、複数のバッテリーセルおよびこれと連結された多くの部品を組み立ててバッテリーモジュールを形成し、複数のバッテリーモジュールが再びバッテリーパック1000に収容される二重組立構造を有している。この時、バッテリーモジュールはその外面を形成するモジュールフレームなどを含むため、従来のバッテリーセルはバッテリーモジュールのモジュールフレームおよびバッテリーパック1000のパックケース1100により二重保護される。しかし、このような二重組立構造はバッテリーパック1000の製造単価および製造工程を増加させるだけでなく、一部のバッテリーセルで不良が発生する場合、再組立性が低下するという短所がある。また、冷却部材などがバッテリーモジュールの外部に存在する場合、バッテリーセルと冷却部材との間の熱伝達経路が多少複雑になるという問題がある。
【0049】
そこで、本実施形態でバッテリーパック1000に装着される単位モジュールは、モジュールフレームが省略された「バッテリーアセンブリー」の形態で提供され得る。これにより、バッテリーパック1000の構造がより単純になることができ、製造単価および製造工程上の利点を得ることができ、バッテリーパック1000の軽量化が達成されるという効果を有することができる。
【0050】
図2は本発明の一実施形態によるバッテリーアセンブリーを示した図面である。
図3は
図2によるバッテリーアセンブリーの分解斜視図である。
図4は本発明の一実施形態によるセルユニットを示した図面である。
図5は
図4によるセルユニットの分解斜視図である。
【0051】
図2および
図3を参照すれば、本実施形態のバッテリーアセンブリー100は、複数のセルユニット110、複数のセルユニット110のうち、最外側に位置したセルユニット110の一面を支持する支持プレート120、複数のセルユニット110の前面および後面を覆うエンドカバー130、および複数のセルユニット110を互いに結合する固定ユニット140を含むことができる。また、本実施形態のバッテリーアセンブリー100は、ハンドルユニット150をさらに含むこともできる。
【0052】
セルユニット110はバッテリーセル111(
図4参照)を保護する最小単位体であり得る。セルユニット110は、少なくとも一つのバッテリーセル111、およびバッテリーセル111の一部を覆うセルカバー113(
図4参照)を含むことができる。
【0053】
前述のように、本実施形態では複数のバッテリーセル111が別途のモジュールケースに収容されてバッテリーパック1000のパックケース1100に装着されるのではなく、簡素化された構造のセルカバー113により部分的に覆われた状態でパックケース1100に直接装着され得、このようなセルユニット110構造を通じてバッテリーパック1000全体の重量と体積が減少し、バッテリーパック1000のエネルギー密度が向上することができる。また、多数のバッテリーセル111をケースに直接装着して使用する過程で発生するバッテリーセル111の損傷が防止され、バッテリーセルのスウェリング(swelling)制御とガスベンティング経路の設計が容易に行われ得る。
【0054】
一方、説明に先立ち、セルユニット110は、横(長さ)、縦(幅)、厚さを有する六面体の形状を有することができ、ここで長さ方向はX軸、幅方向はZ軸、厚さ方向はY軸であり得る。複数のセルユニット110は厚さ方向(Y軸方向)に沿って連続して配置され得、厚さ方向(Y軸方向)はセルユニット110の積層方向と称され得る。
【0055】
ここで、セルユニット110の長さ方向(X軸方向)の向き合う二面は前面および後面であり、セルユニット110の厚さ方向(Y軸方向)の向き合う二面は側面であり、セルユニット110の幅方向(Z軸方向)の向き合う二面は上面および下面と称され得る。
【0056】
セルユニット110は複数であり得、複数のセルユニット110は一方向に並んで配置され得る。セルユニット110は一方向に積層されてパックケース1100に収納され得る。セルユニット110はその側面と隣接したセルユニット110の側面とが平行になるように連続して配置され得る。
【0057】
セルユニット110は側面がパックケース1100と垂直になるようにZ軸方向に沿って直立して配置され得る。セルユニット110は下面がパックケース1100の底面1110と対応するように配置され得る。
【0058】
セルユニット110に関する事項は
図4および
図5を通じてより詳しく後述する。
【0059】
支持プレート120は積層されたセルユニット110の全体的な形状を維持するためのものであり得る。支持プレート120は積層されたセルユニット110を支持するためのものであり得る。バッテリーパック1000でセルユニット110はその一面がバッテリーパック1000の底面1110と垂直になるように配置され得、支持プレート120はセルユニット110の一面が直立状態を維持できるようにその一面を支持するものであり得る。支持プレート120は複数のセルユニット110が互いに離隔することを防止することができ、これによりセルユニット110間の相対的な位置を固定することができる。支持プレート120は板状形部材であり得、モジュールフレームに代わってバッテリーアセンブリー100の剛性を補完することができる。
【0060】
支持プレート120は積層されたセルユニット110のうち、最外側のセルユニット110の一面上に配置され得る。支持プレート120は積層されたセルユニット110のうち、最外側のセルユニット110の側面上に配置され得る。
【0061】
ここで、本実施形態のバッテリーアセンブリー100に提供される支持プレート120は二つであり得る。支持プレート120は、第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bを含むことができる。一対の支持プレート120は積層されたセルユニット110の積層方向の両端にそれぞれ提供され得る。第1支持プレート120aは積層されたセルユニット110のうち、一側の最外側のセルユニット110と接触し、第2支持プレート120bは積層されたセルユニット110のうち、他側の最外側のセルユニット110と接触することができる。
【0062】
一方、後述するが、セルユニット110に含まれているセルカバー113は、互いに平行な第2面113b(
図5参照)、第3面113c(
図5参照)、および第2面113bと第3面113cとの間に延びる第1面113a(
図5参照)を有することができる。この時、第1支持プレート120aの内側面は一側の最外側のセルユニット110の第2面113bの外側面と接触することができる。第2支持プレート120bの内側面は他側の最外側のセルユニット110の第3面113cの外側面と接触することができる。
【0063】
支持プレート120は多様な素材で製造され得、多様な製造方法を通じて提供され得る。一例として、支持プレート120は金属素材で製造され得、金属素材の例としてはアルミニウムが挙げられる。他の例として、支持プレート120はインサートモールディング(insert molding)を通じてアルミニウムと高分子合成樹脂を組み合わせた素材で製造されることもできる。しかし、支持プレート120の素材および製造方式が前述の説明により限定されてはならず、言及していない多様な素材を含むか、または他の製造方式で製造されることも可能である。
【0064】
支持プレート120は、セルユニット110を支持する支持部122、エンドカバー130との結合のためのカバー結合部124、およびハンドルユニット150との結合のためのハンドル結合部126を含むことができる。
【0065】
支持部122は支持プレート120のほとんどの面積に該当するものであり、セルユニット110を支持することができるように板状の形状を有することができる。支持部122はセルユニット110の側面形状と類似の形状を有することができる。板状の形状の支持部122は長さ方向(X軸方向)および幅方向(Z軸方向)の両側縁を含むことができる。
【0066】
一方、支持プレート120と複数のセルユニット110は固定ユニット140により結合し、これにより相対的な位置移動が制限され得る。このために、支持部122には固定ユニット140が挿入されるプレート締結ホール123が形成され得る。後述するが、プレート締結ホール123はセルユニット110に含まれているセルカバー113のセルユニット締結ホール115(
図4参照)と対応する位置に形成され得る。プレート締結ホール123は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部に近く位置することができる。これは支持プレート120およびセルユニット110に含まれているセルカバー113を貫通する固定ユニット140がバッテリーセル111を損傷させることを防止するためのものであり得る。
【0067】
支持プレート120に形成されたプレート締結ホール123は一つであり得る。しかし、複数のセルユニット110および支持プレート120が安定的に結合するためには固定ユニット140が複数であることが好ましく、そのために支持プレート120にプレート締結ホール123が複数で形成され得る。具体的な例を挙げれば、バッテリーアセンブリー100に提供される固定ユニット140は二つであり得、プレート締結ホール123は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と近い部分にそれぞれ形成され得る。プレート締結ホール123が複数である場合には各セルカバー113に形成されたセルユニット締結ホール115も複数であり得、この時、複数のプレート締結ホール123と各セルカバー113に形成された複数のセルユニット締結ホール115とはそれぞれ対応することができる。
【0068】
カバー結合部124は支持プレート120とエンドカバー130の結合面を提供するものであり得る。カバー結合部124は支持部122の一縁から延びる形態を有することができる。
【0069】
カバー結合部124は支持部122の周縁のうち、エンドカバー130と対応する一縁に形成され得る。エンドカバー130は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と近く配置され得、カバー結合部124は支持部122の長さ方向(X軸方向)の縁に形成されてエンドカバー130との結合面を提供することができる。カバー結合部124は支持部122の長さ方向(X軸方向)の縁でエンドカバー130に向かって延びる形態を有することができる。カバー結合部124は支持部122の一面と平行に延びる形態を有することができる。この時、エンドカバー130はその長さ方向(Y軸方向)の端部が支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と対応するように配置され得る。
【0070】
一つの支持プレート120に形成されたカバー結合部124は二つであり得る。カバー結合部124は支持部122の互いに向き合う二つの縁にそれぞれ位置することができる。より具体的な例を挙げれば、エンドカバー130は二つであり得、二つのエンドカバー130は一つの支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部とそれぞれ対応するように配置され得る。カバー結合部124は支持部122の長さ方向(X軸方向)の両縁にそれぞれ形成され、二つのカバー結合部124は二つのエンドカバー130とそれぞれ対応することができる。支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の一端部に位置したカバー結合部124は一つのエンドカバー130と対応し、他端部に位置したカバー結合部124は他の一つのエンドカバー130と対応することができる。このように、カバー結合部124は支持部122に複数で形成され得、それぞれのカバー結合部124はそれぞれのエンドカバー130に形成されたカバー延長部134と結合することができる。
【0071】
一方、バッテリーアセンブリー100に提供される支持プレート120は二つであり得、一対の支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の一端部および他端部は一対のエンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の一端部および他端部とそれぞれ対応することができる。これにより一つのエンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の一端部には第1支持プレート120aに形成されたカバー結合部124が対応し、他端部には第2支持プレート120bに形成されたカバー結合部124が対応することができる。
【0072】
カバー結合部124にはエンドカバー130との結合のための第2プレート締結ホール125が形成され得る。第2プレート締結ホール125は一つであってもよく、二つ以上であってもよい。一例として、第2プレート締結ホール125は一つであり得る。このような場合、エンドカバー130の結合安定性はエンドカバー130の形状または他の部材の形状により補完され得る。具体的には、エンドカバー130が第2プレート締結ホール125を中心軸にして回転することができるが、このような現象はエンドカバー130のカバー支持部136および他の構成により阻止され得る。また、第2プレート締結ホール125が一つである場合には、製造費用が節減され、製造工程が単純化される効果があり得る。また、他の例として、第2プレート締結ホール125は二つであり得る。このような場合、エンドカバー130の結合の信頼性は向上することができる。
【0073】
ハンドル結合部126は支持プレート120とハンドルユニット150の結合面を提供するものであり得る。ハンドル結合部126は少なくとも一つのハンドルユニット150と結合することができる。
【0074】
ここで、ハンドルユニット150はバッテリーアセンブリー100をパックケース1100内部に安定的に載置させるためのものであり得、使用者により把持可能なハンドルを含むことができる。ハンドルユニット150はその一端部が支持プレート120と分離可能に結合され得、バッテリーアセンブリー100の装着が完了した後には支持プレート120から除去され得る。
【0075】
ハンドル結合部126は支持部122の一縁から延びる形態で形成され得る。ハンドル結合部126は支持部122の幅方向(Z軸方向)の一端部に位置することができる。より具体的には、バッテリーアセンブリー100が装着された状態を基準として上側(+Z)に位置することができる。これはバッテリーアセンブリー100の装着が完了した後にハンドルユニット150の除去が容易にするためのものであり得る。
【0076】
エンドカバー130は複数のセルユニット110の前面または後面を保護するためのものであり得る。エンドカバー130は複数のセルユニット110の前面または後面を覆うことができる。エンドカバー130は積層されたセルユニット110の長さ方向の端部に位置することができる。エンドカバー130は二つであり得、二つのエンドカバー130は積層されたセルユニット110の長さ方向の両端部にそれぞれ提供され得る。
【0077】
エンドカバー130は複数のセルユニット110に含まれているバッテリーセルの端子部分を一体に覆うことができる。エンドカバー130は複数のセルユニット110に含まれているバッテリーセルの電極リード部分と対応するボディー部132、ボディー部132の一縁から垂直に延び、支持プレート120と結合するカバー延長部134、およびボディー部132の他縁から垂直に延びてセルユニット110の一部を支持するカバー支持部136を含むことができる。
【0078】
ボディー部132は複数のセルユニット110の前面または後面を覆うことができる。ボディー部132は複数のセルユニット110の長さ方向の端部に位置することができる。ボディー部132は複数のセルユニット110の長さ方向の端部を覆うことができる。ボディー部132は複数のセルユニット110に含まれているバッテリーセルの端子部分を覆うことができる。ここで、ボディー部132は「端子カバー部」とも称され得る。
【0079】
ボディー部132はその概略的な形状が板状形であり得る。板状の形状のボディー部132は長さ方向(Y軸方向)の両側縁および幅方向(Z軸方向)の両側縁を含むことができる。
【0080】
ボディー部132にはカバーベンティングホール133が形成され得る。カバーベンティングホール133は複数であり得、複数のカバーベンティングホール133はそれぞれのセルユニット110と対応することができる。しかし、それぞれのカバーベンティングホール133が必ずしも一つのセルユニット110と対応しなければならないのではなく、複数のカバーベンティングホール133が一つのセルユニット110と対応したり、一つのカバーベンティングホール133に複数のセルユニット110が対応することも可能である。カバーベンティングホール133によりエンドカバー130はセルユニット110を外部環境から保護しながらも、バッテリーセル111から発生されるガスなどを外部に排出することができる。これにより、バッテリーアセンブリー100の連鎖的な熱暴走現象が防止され得る。
【0081】
カバー延長部134はエンドカバー130と支持プレート120の結合のための結合面を提供するためのものであり得る。
【0082】
カバー延長部134はボディー部132の周縁のうち、支持プレート120と対応する一縁に形成され得る。支持プレート120はエンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の端部と近く配置され得、カバー延長部134はボディー部132の長さ方向(Y軸方向)の縁に形成されてプレート120との結合面を提供することができる。カバー延長部134はボディー部132の一縁から支持プレート120に向かって延びる形態を有することができる。カバー延長部134はボディー部132の一縁から支持プレート120に向かってボディー部132の一面と垂直に延びる形態を有することができる。この時、エンドカバー130は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部に位置することができる。エンドカバー130はその長さ方向(Y軸方向)の端部が支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と対応するように配置され得る。
【0083】
カバー延長部134は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と対応することができる。カバー延長部134は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と重なることができる。カバー延長部134は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部の外側に位置することができる。カバー延長部134は支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の端部と結合することができる。
【0084】
一つのエンドカバー130に形成されたカバー延長部134は二つであり得る。二つのカバー延長部134はボディー部132の互いに向き合う二つの縁にそれぞれ形成される第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bを含むことができる。第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bはボディー部132の長さ方向(Y軸方向)の両縁に形成され得る。
【0085】
より具体的には、第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bはエンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の両端部と対応するようにそれぞれ位置することができる。エンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の一端部に位置した第1カバー延長部134aは第1支持プレート120aと対応し、他端部に位置した第2カバー延長部134bは第2支持プレート120bと対応することができる。第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bは第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bに向かって、ボディー部132の一面と垂直に延びる形態を有することができる。第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bは第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bの端部とそれぞれ対応することができる。第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bは第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bの端部とそれぞれ重なることができ、結合することができる。第1カバー延長部134aは第1支持プレート120aの外側に位置し、第2カバー延長部134bは第2支持プレート120bの外側に位置することができる。ここで、特定部材の外側とは、バッテリーアセンブリー100の中心を基準として説明され得る。また、後述するように、第1カバー延長部134aおよび第2カバー延長部134bは第1支持プレート120aおよび第2支持プレート120bに形成されたカバー結合部124とそれぞれ対応することができる。
【0086】
カバー延長部134は支持プレート120のカバー結合部124と対応することができる。カバー延長部134はカバー結合部124と重なることができる。カバー延長部134は支持プレート120のカバー結合部124と結合することができる。より具体的には、カバー延長部134はカバー結合部124の外側に位置することができ、カバー延長部134の内側面はカバー結合部124の外側面と接触することができる。
【0087】
カバー延長部134とカバー結合部124が容易に重なるように、カバー結合部124の外側面は内側面に向かって窪み形状を有することができ、陥没した外側面にカバー延長部134が載置され得る。また、カバー延長部134の各角部は丸い形状を有することができ、これによりエンドカバー130がセルユニット110と支持プレート120の結合体に装着される時、支持プレート120とエンドカバー130との間の干渉が最小化され得る。
【0088】
一方、従来はバッテリーセルを外部環境から保護するために積層されたバッテリーセルの上下左右面を覆うモジュールフレームと前後面を覆うエンドプレートが提供された。また、バッテリーセルの外部でモジュールフレームとエンドプレートが主に溶接により結合された。しかし、本実施形態では、モジュールフレームが省略されることによって、エンドカバー130と支持プレート120が結合し、エンドカバー130と支持プレート120が締結部材により結合することによって溶接工程を追加しなくてもよい。これにより、製造工程がより容易かつ迅速に完了することができる。また、エンドカバー130にはカバー延長部134が形成され、支持プレート120にはこれと対応するカバー結合部124が形成されるため、これによりエンドカバー130と支持プレート120との間の結合が安定的かつ容易に行われ得る。
【0089】
カバー延長部134には支持プレート120との結合のためのカバー締結ホール135が形成され得る。カバー締結ホール135はカバー結合部124に形成された第2プレート締結ホール125と対応することができる。本実施形態のバッテリーアセンブリー100の製造工程で、エンドカバー130はカバー締結ホール135と第2プレート締結ホール125の同一軸上に位置するように配置され得、カバー締結ホール135と第2プレート締結ホール125には第2固定ユニット142が挿入され得、これによりエンドカバー130と支持プレート120が結合され得る。ここで、第2固定ユニット142はボルトまたはリベットのような締結部材であり得る。
【0090】
カバー締結ホール135の個数は一つであってもよいが、二つ以上であってもよい。これについては第2プレート締結ホール125に関する説明を参照する。カバー締結ホール135が複数である場合には第2プレート締結ホール125も複数であり得、複数のカバー締結ホール135および第2プレート締結ホール125はそれぞれ対応することができる。
【0091】
一方、本実施形態のセルユニット110は固定ユニット140により結合され得、固定ユニット140によりセルユニット110の相対的な移動が制限され得る。固定ユニット140は支持プレート120およびセルユニット110を結合することができる。固定ユニット140は第1支持プレート120aに形成されたプレート締結ホール123を通過した後、複数のセルユニット110に含まれているセルカバー113に形成されたセルユニット締結ホール115を通過することができ、第2支持プレート120bに形成されたプレート締結ホール123を通過することができる。これにより、支持プレート120およびセルユニット110の相対的な移動が制限され、バッテリーアセンブリー100はブロック化され得る。
【0092】
このように、固定ユニット140により複数のセルユニット110がブロック化され得、セルユニット110の相対的な位置が固定されることによってバッテリーアセンブリー100の取り扱いがより容易になり得る。つまり、固定ユニット140によりバッテリーセル111の装着が容易になり得、バッテリーセル111の装着に必要な構造が簡素化されることによって軽量化および製造費用削減のような効果が達成され得る。
【0093】
固定ユニット140はロングボルト形状で提供され得る。固定ユニット140はバッテリーアセンブリー100に含まれている複数のセルユニット110を全て貫通するに十分な長さのロングボルトで提供され得る。
【0094】
一方、図面では固定ユニット140がバッテリーアセンブリー100の下側部分を貫通するものと示されたが、必ずしもその限りではなく、バッテリーセル111および電極リード112を損傷させなければ他の位置に提供されることも可能である。例えば、固定ユニット140はバッテリーアセンブリー100の上側部分を貫通するように提供され得、これにより固定ユニット140が通過するプレート締結ホール123およびセルユニット締結ホール115の位置は調整され得る。
【0095】
以下、本実施形態のセルユニットについて説明する。
【0096】
図4および
図5を参照すれば、本実施形態のセルユニット110は、電極組立体が電解液に含浸された状態で収容されたバッテリーセル111、バッテリーセル111の少なくとも一部を覆うセルカバー113、バッテリーセル111と導電性部材との連結を案内するためのバスバーフレーム116、およびバッテリーセル111とこれと連結された導電性部材を保護するための絶縁カバー118を含むことができる。
【0097】
本実施形態のバッテリーセル111は充放電の基本単位であり、単位面積当たり積層される個数を最大化できるパウチ型で提供され得る。パウチ型で提供されるバッテリーセル111は正極、負極および分離膜を含む電極組立体をセルケースに収納した後、電解質物質を注入してセルケースのシーリング部を熱融着することによって製造され得る。しかし、バッテリーセル111が必ずしもパウチ型で提供されなければならないのではなく、後ほど装着されるデバイスが要求する貯蔵容量が達成される水準下で角型、円筒型またはその他の多様な形態で提供可能であることは自明である。
【0098】
バッテリーセル111は、電極組立体を収納する収納部、および電極組立体を密封するためにバッテリーセル111の縁に形成されたシーリング部を含むことができる。パウチ型バッテリーセルの場合、セルケースに電極組立体を収納した後、電極組立体の外側に位置したセルケースの縁を密封することによってバッテリーセルを製造することができる。セルケースを折り畳んで形成された内側空間に電極組立体を収納し、開放された3面の縁を密封してバッテリーセル111を形成する場合、シーリング部はセルケースの4個の縁のうち3個に形成され得、この時、残りの1個の縁は未シーリング部と称され得る。しかし、前述とは異なり、バッテリーセル111を製造するためにセルケースの4個の縁を全て熱融着することも可能であり、このような場合、バッテリーセル111の4個の縁には全てシーリング部が形成され得る。
【0099】
図5に示されているように、バッテリーセル111は横(長さ)、縦(幅)、厚さを有する六面体の形状を有することができ、ここで長さ方向はX軸、幅方向はZ軸、厚さ方向はY軸であり得る。六面体形状を基準に、バッテリーセル111は電極組立体が位置する収納部と対応する2個の面(XZ平面上の面)と収納部の縁上に位置する4個の面を含むものと説明され得る。しかし、パウチ型バッテリーセル111の場合、全体的に平たい形状で提供され、熱融着で形成されたシーリング部の厚さ値も小さいため、説明の便宜のために以下ではバッテリーセル111が収納部と対応する2個の面と収納部の外側に位置した4個の縁を有するものと説明する。
【0100】
バッテリーセル111は導電性部材との電気的連結のための電極リード112を含むことができる。電極リード112はセルケースの一縁から一方向に向かって突出して位置することができる。電極リード112の一端はバッテリーセル111の内部に位置することによって電極組立体の正極または負極と電気的に連結され、電極リード112の他端はバッテリーセル111の外部に露出することによって別途の部材、例えば、バスバーと電気的に連結され得る。電極リード112は二つであり得、二つの電極リード112はバッテリーセル111の長さ方向(X軸方向)の両端にそれぞれ位置することができる。二つの電極リード112のうちの一つは正極リード、他の一つは負極リードであり得る。
【0101】
一方、セルカバー113に収容されるバッテリーセル111は複数であり得る。複数のバッテリーセル111は一方向に積層されてセル積層体を形成することができる。ここでセル積層体の側面は複数のバッテリーセル111のうち、最外側のバッテリーセル111の一面を称するものであり得る。また、セル積層体の上面および下面はバッテリーセル111の縁が並んで配置された面であり得、セル積層体の前面および後面はバッテリーセル111の電極リード112が位置する面であり得る。セル積層体の各面はセルユニット110の各面と対応することができる。
【0102】
セルカバー113はバッテリーセル111の外面のうちの少なくとも一部を覆うためのものであり得る。セルカバー113はバッテリーセル111の一部は覆い、他の一部はパックケース1100に向かって露出させることによってバッテリーパック1000の冷却効率を向上させ、バッテリーセル111で発生されるガスを所定の方向に誘導することができる。
【0103】
セルカバー113はセル積層体の互いに向き合う二面、および二面と角部を共有する一面を覆うことができる。セルカバー113はセル積層体の二つの側面および上面を覆うことができる。セルカバー113は最外側に配置されたバッテリーセル111の側面およびバッテリーセル111の一縁を覆うことができる。
【0104】
セルカバー113は互いに平行であり、かつ距離を置いて位置する第2面113bおよび第3面113c、そして第2面113bと第3面113cの間に延びる第1面113aを含むことができる。第2面113bおよび第3面113cはセルユニット110の側面と対応することができる。第1面113aはセルユニット110の上面と対応することができる。
【0105】
第1面113aの一縁は第2面113bの一縁と連結され、第1面113aの他縁は第3面113cの一縁と連結され得る。または第2面113bは第1面113aの一縁から第1方向に延び、第3面113cは第1面113aの他縁から第1方向に延びるものと説明されることもできる。この時、第1方向は第1面113aと実質的に垂直な方向であって、図面では-Z軸方向と表示された。このように、セルカバー113の横断面はn字形状であり得、ここで横断面とは、セルカバー113の長さ方向(X軸方向)の断面を称するものであり得る。
【0106】
セルカバー113の第2面113bおよび第3面113cは平坦に形成され得る。セルカバー113の第1面113aは平坦に形成され得る。n字形状のセルカバー113は一つの板材を同一方向にベンディングして形成されたものであり得る。このようなベンディング工程にはプレスまたはロールフォーミングのような方式が適用され得る。しかし、必ずしもセルカバー113が一体形に提供されなければならないのではなく、セルカバー113が多数の板材を連結して形成されることも可能である。
【0107】
セルカバー113はバッテリーセル111の一面を覆うことができる。ここで、本実施形態のようにセルカバー113に収容されたバッテリーセル111は複数であり得、第2面113bおよび第3面113cは複数のバッテリーセル111のうち、最外側に位置したバッテリーセル111の一面を覆うことができる。
【0108】
セルカバー113の第2面113bおよび第3面113cはバッテリーセル111の一面と平行に位置することができる。より具体的には、
図5に示されたように、第2面113bは複数のバッテリーセル111の左側(+Y軸)の最外側に位置したバッテリーセル111の一面を左側で覆うことができる。第3面113cは複数のバッテリーセル111の右側(-Y軸)の最外側に位置したバッテリーセル111の一面を右側で覆うことができる。
【0109】
セルカバー113はバッテリーセル111の一縁を覆うことができる。セルカバー113の第1面113aはバッテリーセル111の一縁の少なくとも一部を覆うことができる。セルカバー113は一縁がパックケース1100の底面1110と対応するように垂直に配置されたバッテリーセル111で、上側縁を覆うことができる。セルカバー113の第1面113aは直立状態のバッテリーセル111の上側縁と対応することができる。パックケース1100の底面1110と対応するバッテリーセル111の一縁は未シーリング部が形成された部分であり得る。
【0110】
セルカバー113は内部に収容されたバッテリーセル111を隣接したバッテリーセル111から分離させることができ、これによりバッテリーセル111で発生したガスが隣接したバッテリーセル111に移動することが遮断され得る。また、セルカバー113がバッテリーセル111の一面と接触したり近く配置されることによって、バッテリーセル111で発生した熱がセルカバー113に伝達され得るところ、バッテリーセル111の放熱が促進され得る。さらに、セルカバー113の下側縁がパックケース1100と接触するように配置された場合にはバッテリーセル111、セルカバー113、パックケース1100へ移動する熱伝達経路が形成され得るため、バッテリーパック1000の全体的な冷却効率が向上することができる。ここで、セルカバー113の下側縁とは、第2面113bおよび第3面113cで-Z軸上に位置した縁を称するものであり得る。
【0111】
セルカバー113は垂直に配置されたバッテリーセル111でパックケース1100の底面1110と対応する下側縁を覆わなくてもよく、バッテリーセル111の下側縁は底面1110に向かって露出していてもよい。これによりバッテリーセル111がパックケース1100の底面1110と接触したり、近く位置することによってバッテリーセル111で発生した熱がパックケース1100の底面1110に迅速に排出され得る。この時、パックケース1100の底面1110に冷却部材が位置する場合には、このような放熱効果がより向上することができる。
【0112】
一方、バッテリーセル111がパックケース1100に安定的に位置することができるように、バッテリーセル111とパックケース1100との間には接着剤が備えられ得る。より具体的には、バッテリーセル111の一縁とパックケース1100の底面1110との間には接着剤が介され得る。この時、接着剤が提供されるバッテリーセル111の一縁は未シーリング部であり得る。接着剤の例としては、熱伝導性レジン、TIMなどを使用することができ、熱伝導性または接着性を有する物質であれば公知の如何なるものでも適用可能である。また、このような接着剤はバッテリーパック1000の構造を堅固にするためにセルカバー113とパックケース1100との間、またはバッテリーセル111とセルカバー113との間にも提供され得る。
【0113】
また、本実施形態のバッテリーパック1000ではバッテリーセル111のそれぞれにセルカバー113が提供されることによって、モジュール化されたバッテリーセル111を保護するモジュールケースが省略され得、バッテリーセル111はモジュールケースなしにパックケース1100の内部に直接載置して収納され得る。パウチ型バッテリーセルの場合、セルケースが軟性材質で製作されて外部衝撃に脆弱であり、硬度が低い傾向にある。したがって、モジュールケースに収納せずにバッテリーセル自体のみでパックケース1100の内部に収納することが難しいことがある。しかし、本実施形態ではセルカバー113がバッテリーセル111の剛性を補完するため、バッテリーセル111がパックケース1100内部に直接収納され得、積層状態が維持され得る。また、セルカバー113により従来のモジュールケース、積層用フレーム、ボルトなどの締結部材が省略可能であるため、製造工程が単純になることができ、内部構造が簡素化し、これによりエネルギー密度が向上することができる。
【0114】
このように、バッテリーセル111の剛性がセルカバー113により補完されることによってバッテリーパック1000の組立工程でバッテリーセル111のハンドリングもより容易になることができる。より具体的には、パックケース1100にバッテリーセル111を収納する過程で、バッテリーセル111と結合されたセルカバー113を把持することによって組立工程がより容易に行われ得る。
【0115】
セルカバー113はバッテリーパック1000内部の熱暴走現象でも溶融しないように高い溶融点を有する素材で製造され得る。また、セルカバー113はバッテリーセル111を安定的に支持できるように機械的強度が所定の範囲以上である物質で製造され得、これにより外部の衝撃などからバッテリーセル111を保護することができる。セルカバー113に使用される材料の例としては、スチール、ステンレススチール(SUS)などが挙げられる。
【0116】
一方、セルカバー113は熱暴走現象を遅延させることができるだけでなく、バッテリーセル111の剛性を補完することによって、バッテリーセル111が直立状態を維持するようにすることができる。セルカバー113はバッテリーセル111の少なくとも一部を覆うことによってバッテリーセル111を支持することができ、一方向に直立して配置されたバッテリーセル111の積層状態が安定的に維持されるようにすることができる。より具体的には、セルカバー113の第2面113bおよび第3面113cがセル積層体の側面を支持することによってバッテリーセル111の直立状態が維持され得る。また、セルカバー113の下側縁がパックケース1100の底面1110上に載置されることができ、これによりセルカバー113が自立し、セルカバー113内部のバッテリーセル111の起立状態が維持され得る。
【0117】
また一方で、実施形態により、パックケース1100の底面1110には結合溝が形成され得る。セルカバー113の下側縁は結合溝に挿入されて底面1110に固定され得る。このように、結合溝を通じてセルカバー113とパックケース1100の底面1110とが結合することによって、セルカバー113がより安定的にパックケース1100に載置され、バッテリーセル111の直立状態が維持され得る。また、セルカバー113の位置がガイドされることによってセルカバー113がより容易に組立てられ得、セルカバー113が移動することが防止され、セルカバー113の第2面113bと第3面113cとの間が広がることが防止され得る。ここで、結合溝は、パックケース1100の長さ方向(X軸)に沿って延びて形成され得、結合溝の長さはセルカバー113の長さと類似するか、またはそれより大きくてもよい。
【0118】
図5に示されたように、セルカバー113はバッテリーセル111の上側でバッテリーセル111を覆うように結合され得る。ここで、セルカバー113とバッテリーセル111との間には接着性を有する熱伝導性レジンなどが提供されることもできるが、必ずしもその限りではなく、セルカバー113とバッテリーセル111との間に他の物質が介されないことも可能である。これはセルカバー113とバッテリーセル111の体積を最小化することによってパックケース1100の内部に収容されるバッテリーセル111の個数を最大化し、これによりバッテリーパック1000のエネルギー密度を最大化するためのものであり得る。
【0119】
本実施形態ではセルカバー113が3個のバッテリーセル111を覆うものと示されたが、必ずしもその限りではなく、設計者の意図によりセルカバー113が4個以上、または2個以下のバッテリーセル111を覆うように設計されることも可能である。
【0120】
本実施形態ではセルカバー113が全てのバッテリーセル111に提供されるものと説明されたが、必ずしもその限りではなく、セルカバー113が複数のバッテリーセル111のうちの一部にのみ提供されることも可能である。
【0121】
本実施形態のセルカバー113はn字形態と説明されたが、電極リード112およびその他の電装部材にガスなどが転移されないようにする目的を達成するものであれば、他の形態で構成されることも可能である。例えば、セルカバーは「口」字形態、「U」字形態、「O」字形態、「L」字形態などで形成され得る。
【0122】
一方、具体的には示されていないが、本実施形態のセルカバー113にはクランピング部材が提供され得る。クランピング部材はセルカバー113の互いに異なる端部の間を固定することによってこれらが広がったり変形することを防止することができる。例えば、クランピング部材はバッテリーセル111の下側縁が位置したセルカバー113の下端に提供され得、第2面113bと第3面113cが広がることを防止することによってバッテリーセル111の収納状態が維持されるようにすることができる。具体的な一例として、クランピング部材はテープであり得る。具体的な他の例として、クランピング部材は弾性を有する金属素材であり得る。
【0123】
図4および
図5を再び参照すれば、セルカバー113にはベンティングホール114が形成され得る。ベンティングホール114はセルカバー113の内部に収容されたバッテリーセル111で発生したガスをセルカバー113外部に排出するためのものであり得る。
【0124】
ここで、ベンティングホール114はバッテリーセル111の電極リード112と対応しないセルカバー113の一面に形成され得る。具体的な例を挙げれば、ベンティングホール114はセルカバー113の第1面113aに形成され得る。
【0125】
ベンティングホール114は複数であり得、複数のベンティングホール114は互いに離隔して配置され得る。
【0126】
従来はバッテリーセル111に発火が発生する場合、ガスおよびスパークなどが電極リード112方向に移動することによって追加的な熱暴走現象を発生させるという問題があった。しかし、本実施形態ではセルカバー113にベンティングホール114が形成されることによって電極リード112が位置した方向へのガスおよびスパークの移動が最小化され得る。ベンティングホール114によりガス排出経路が電極リード112と離隔することができ、電極リード112およびこれと連結される電装部材がガス、スパークまたは火炎などにより損傷することが防止され得る。
【0127】
セルカバー113には固定ユニット140が挿入されるセルユニット締結ホール115が備えられ得る。複数のセルユニット110がセルユニット締結ホール115および固定ユニット140を通じて結合することによって、相対的な移動が制限され、パックケース1100内部で安定的に位置することができる。
【0128】
セルユニット締結ホール115はバッテリーセル111の一面と向き合うセルカバー113に一面に形成され得る。セルユニット締結ホール115は第2面113bおよび第3面113cにそれぞれ形成され得、第2面113bに形成されたセルユニット締結ホール115と第3面113cに形成されたセルユニット締結ホール115とは同一軸上に位置することができる。一方、固定ユニット140はバッテリーセル111を損傷させてはならないため、固定ユニット140が挿入されるセルユニット締結ホール115の位置はセルカバー113でバッテリーセル111と対応する部分と離隔することができる。具体的な例を挙げれば、セルユニット締結ホール115はセルカバー113の長さ方向(X軸方向)の端部に位置することができる。
【0129】
バスバーフレーム116はセルカバー113により覆われるバッテリーセル111が外部導電性部材または隣接したバッテリーセル111と電気的に連結されるようにするためのものであり得る。バスバーフレーム116は少なくとも一つのバッテリーセル111の電極リード112を支持し、前述のバッテリーセル111の電極リード112を隣接したバッテリーセル111の電極リード112と電気的に連結するように構成され得る。
【0130】
バスバーフレーム116は、銅など電気伝導性素材のバスバーとPCなどプラスチック素材のバスバーハウジングを備えることができる。具体的な例を挙げれば、バスバーハウジングの一面にはバスバー端子が位置し、バスバーハウジングの他面はバッテリーセル111と向き合うことができる。バッテリーセル111の電極リード112はバスバーハウジングに備えられたスロットを通過してバスバーと接触することができ、電極リード112とバスバーが重なった一面に溶接工程などが適用されることによって電極リード112とバスバーが結合することができる。これにより電極リード112とバスバーとの間の電気的連結が形成され得る。
【0131】
バスバーフレーム116はセルカバー113と結合され得る。バスバーフレーム116はセルカバー113の長さ方向(X軸方向)の端部と結合され得る。セルカバー113の長さ方向(X軸方向)の端部は開放された状態であり得、開放された端部はバスバーフレーム116により覆われ得る。バスバーフレーム116は二つであり得、セルカバー113の長さ方向(X軸方向)の端部にそれぞれ配置され得る。
【0132】
バスバーフレーム116は一面はバッテリーセル111と向き合うことができ、セルカバー113の内部に収容され得る。バスバーフレーム116の一面が含まれているその一部はセルカバー113の第2面113bおよび第3面113cの間に位置することができ、これによりバスバーフレーム116の一部は第2面113bおよび第3面113cに形成されたセルユニット締結ホール115の少なくとも一部と対応することができる。したがって、バスバーフレーム116の一部がセルカバー113を貫通する固定ユニット140の移動を妨害しないようにするために、バスバーフレーム116にはバスバーフレーム溝117が形成され得る。
【0133】
バスバーフレーム溝117は第2面113bおよび第3面113cの間で固定ユニット140の位置を案内するものであり得る。バスバーフレーム溝117は固定ユニット140と対応するように形成され得る。バスバーフレーム溝117の内周面は固定ユニット140の外周面と対応する形状を有することができる。バスバーフレーム溝117は固定ユニット140の外周面と対応することができればその形状に制限がない。バスバーフレーム溝117はホールの形態であってもよいが、バッテリーセル111と向き合う一面が他面に向かって陥没した形態で形成されることもできる。具体的な例を挙げれば、バスバーフレーム溝117はその断面が半円形状を有するように形成されることもでき、または半円よりその円周角が大きいか小さい円形状で形成されることもできる。
【0134】
一方、バスバーフレーム116の下面(-Z軸上の面)には円形溝116aが形成され得る。バスバーフレーム116の円形溝116aはバッテリーセル111の充放電工程で利用されるジグと対応することができる。円形溝116aを通じてジグのピンがバスバーまたは電極リード112と電気的に連結され得、これにより充放電工程でバッテリーセル111に電圧が印加され得る。
【0135】
また、バスバーフレーム116の下面に形成された円形溝116aを遮蔽しないように、エンドカバー130のカバー支持部136の一角部には逃避部136aが形成され得る。逃避部136aの形状は半円形状を含むことができる。
図3に示されたものを見ると、逃避部136aの形状は複数の半円が連続して配置される形状であり得る。逃避部136aのそれぞれの半円はバスバーフレーム116の円形溝116aとそれぞれ対応することができる。
【0136】
絶縁カバー118はセルカバー113に収容されるバッテリーセル111の電極リード112が短絡されることを防止するためのものであり得る。このために、絶縁カバー118は絶縁性を有する高分子合成樹脂で製造され得る。
【0137】
【0138】
図6を参照すれば、本実施形態の固定ユニット140は支持プレート120のプレート締結ホール123に挿入され得、これにより支持プレート120とセルユニット110、またはセルユニット110と隣接したセルユニット110が安定的に結合され得る。また、第2固定ユニット142はエンドカバー130のカバー締結ホール135および支持プレート120の第2プレート締結ホール125に挿入され得、これにより支持プレート120とエンドカバー130が安定的に結合され得る。第2プレート締結ホール125はプレート締結ホール123よりも支持プレート120の長さ方向(X軸方向)の末端にさらに近く位置することができる。これは支持プレート120の一部と対応するエンドカバー130のカバー延長部134が不必要に長く形成されることを防止するためのものであり得る。
【0139】
一方、エンドカバー130は、ボディー部132の他縁から垂直に延びてセルユニット110の一部を支持するカバー支持部136を含むことができる。カバー支持部136により、エンドカバー130の長さ方向(Y軸方向)の断面形状はL字形状であり得る。
【0140】
カバー支持部136はボディー部132の周縁のうち、パックケース1100の底面1110と対応する一縁に形成され得る。カバー支持部136はボディー部132の下側縁に形成され得る。カバー支持部136はボディー部132の下側縁からボディー部132の一面と垂直に延びる形態を有することができる。これにより、底面1110に位置したセルユニット110の下面の少なくとも一部がカバー支持部136により覆われ、保護され得る。
【0141】
図6に示されたように、エンドカバー130は複数のセルユニット110の前面または後面、つまり、バスバー端子が位置した部分以外にも、複数のセルユニット110の下面の端部を覆うことができる。セルユニット110に含まれているセルカバー113はパックケース1100の底面1110と対応する下面が省略された状態であるため、セルカバー113の下側角部は外部に露出していてもよい。したがって、バッテリーアセンブリー100で下面は多数の第2面113bおよび第3面113cの端部が露出している状態であり、これによりバッテリーアセンブリー100が組立てられた後にパックケース1100に装着される過程で第2面113bおよび第3面113cの端部が他の部材と干渉を起こすことがある。しかし、エンドカバー130がカバー支持部136を通じて第2面113bおよび第3面113cの端部を部分的に保護することによって、このような問題を最小化することができる。また、カバー支持部136は直立状態で位置する複数のセルユニット110を支持することによって、バッテリーアセンブリー100の剛性を補完することもできる。
【0142】
図7および
図8は本発明の一実施形態によるバッテリーアセンブリーの変形例である。
【0143】
図7および
図8を参照すれば、本変形例によるバッテリーアセンブリー100のエンドカバー130は固定ユニット140により支持プレート120と結合され得る。本変形例によれば、第2固定ユニット142は省略されてもよく、そのために固定ユニット140によりエンドカバー130、支持プレート120および複数のセルユニット110が共に結合され得る。
【0144】
本変形例で、カバー延長部134のカバー締結ホール135は支持プレート120のプレート締結ホール123と対応することができる。固定ユニット140はカバー締結ホール135、プレート締結ホール123およびセルユニット110のセルユニット締結ホール115が同一軸上に配置されれば、前述の結合ホールを貫通することができ、これにより複数の部材が共に結合され得る。このように、セルユニット110および支持プレート120だけでなく、エンドカバー130まで固定ユニット140により結合することによって、製造工程が迅速かつ容易に完了することができる。また、製造過程が単純になり、第2固定ユニット142のような部材が省略されることによって費用が節減され得る。
【0145】
一方、図示されているように、エンドカバー130のカバー延長部134は支持プレート120のプレート締結ホール123と対応するようにより長く延びた形態を有することができる。しかし、カバー延長部134が不必要に延びることを防止するために、支持プレート120上のプレート締結ホール123およびセルカバー113のセルユニット締結ホール115が長さ方向(X軸方向)の末端部に近く移動することも可能である。
【0146】
また一方で、エンドカバー130と支持プレート120のより安定的な結合のために、
図8に示されているように、エンドカバー130と支持プレート120は固定ユニット140以外に第2固定ユニット142により追加で結合されることもできる。固定ユニット140によりエンドカバー130が一次的に固定され、後ほど第2固定ユニット142によりエンドカバー130が二重固定されることによって、エンドカバー130が支持プレート120から離脱することが最小化され得る。また、
図6のようにエンドカバー130が第2固定ユニット142のみにより固定される場合には第2固定ユニット142が挿入される過程でエンドカバー130が支持プレート120から離隔されやすいため、結合ホールが同一軸上に配置され難いこともある。しかし、
図8のようにエンドカバー130が固定ユニット140により支持プレート120と先に固定される場合には、第2固定ユニット142の挿入がより容易になることができる。
【0147】
一方、
図8では第2固定ユニット142が一つ提供されるものと示されたが、これとは異なり、第2固定ユニット142は二つ以上提供されてもよい。第2固定ユニット142が複数提供されるとエンドカバー130の離脱防止効果は向上するが、工程の複雑度が増加するため、第2固定ユニット142の個数が増加することが単に利得であるとは言えない。
【0148】
このように、カバー延長部134にはカバー締結ホール135が二つ以上形成され得、二つのカバー締結ホール135のうちの一つは固定ユニット140と対応し、残りは第2固定ユニット142と対応することができる。この時、二つのカバー締結ホール135のうちの一つはプレート締結ホール123と対応し、残りは第2プレート締結ホール125と対応することができる。
【0149】
一方、本実施形態のハンドル結合部126は前述のものとは異なる形態で提供されることもできる。
【0150】
図9は本発明の一実施形態によるバッテリーアセンブリーの他の変形例である。
【0151】
図9を参照すれば、ハンドル結合部126は支持部122の一縁から支持部122の一面と垂直に延びることができる。ハンドル結合部126は支持部122の外側に向かって支持部122の一面と垂直に延びることができる。ハンドル結合部126の一面はクロスビーム1200に載置され得、これによりバッテリーアセンブリー100が安定的に位置することができる。この時、ハンドル結合部126の他面にはハンドルユニット150が結合され得る。
図2および
図3に示されたハンドル結合部126の形状よりも
図9に示されたハンドル結合部126はハンドルユニット150との結合面を大きく形成することができる。これにより
図9のハンドル結合部126が提供された場合、ハンドルユニット150との脱着がより容易になることができる。
【0152】
図10は本発明の一実施形態によるバッテリーパックが自動車に装着されたことを例示した図面である。
【0153】
図10を参照すれば、前述のバッテリーパック1000は自動車に装着され得る。このように、本実施形態の電池パックは、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0154】
一方、本実施形態でバッテリーアセンブリー100はケースが除去された状態で説明されたが、バッテリーアセンブリー100が別途のケースが備えられた状態でバッテリーパックに提供されることも可能である。また、本実施形態のバッテリーアセンブリー100はESS(Energy Storage System)のラック(rack)に収納されるバッテリーモジュール(battery module)にも適用され得る。
【0155】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0156】
1000:バッテリーパック
1100:パックケース
1200:クロスビーム
100:バッテリーアセンブリー
110:セルユニット
111:バッテリーセル
113:セルカバー
116:バスバーフレーム
118:絶縁カバー
120:支持プレート
130:エンドカバー
140:固定ユニット
142:第2固定ユニット
150:ハンドルユニット
【国際調査報告】