(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法と応用
(51)【国際特許分類】
B01D 53/62 20060101AFI20240927BHJP
B01D 53/76 20060101ALI20240927BHJP
B04C 3/02 20060101ALI20240927BHJP
C01B 32/50 20170101ALI20240927BHJP
【FI】
B01D53/62 ZAB
B01D53/76
B04C3/02
C01B32/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543094
(86)(22)【出願日】2023-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 CN2023094874
(87)【国際公開番号】W WO2024045696
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】202211036073.7
(32)【優先日】2022-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523269100
【氏名又は名称】領航国創(北京)科技集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】丁恩振
(72)【発明者】
【氏名】劉安鋼
【テーマコード(参考)】
4D002
4D053
4G146
【Fターム(参考)】
4D002AA08
4D002AA09
4D002AC04
4D002BA13
4D002BA20
4D002CA01
4D002CA20
4D002DA35
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4D002GA03
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4D053AA01
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4D053BC01
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4D053CA17
4D053CB17
4D053CF01
4D053CG05
4D053DA10
4G146JA02
4G146JB10
4G146JC01
4G146JC34
4G146JD10
(57)【要約】
本特許請求では、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法と応用を提供し、二酸化炭素捕集技術分野に関する。工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法であり、以下の段取りを含む:工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、煙気気流をサイクロンの上部で筒壁に沿って下向きに回転させ、同時に、新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、空気気流をサイクロンの下部で筒壁に沿って下向きに回転させ、且つてサイクロンを冷却して、工業煙気と空気を温度が10℃以下で、圧力が0.12MPa以上の条件で反応させて炭酸を含む混酸を生成して、工業煙気の中の二酸化炭素を捕集し転化する。全体の工程方法の流れは簡単で速くて、工業煙気の中の二酸化炭素を効率的に捕集することができる。コストが低く、安全性と実用価値が高く、煙気浄化と複合肥料の調製に応用することもできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段取りを含む:工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、煙気気流をサイクロンの上部で筒壁に沿って下向きに回転させ、同時に、新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、空気気流をサイクロンの下部で筒壁に沿って下向きに回転させ、且つてサイクロンを冷却して、工業煙気と空気を温度が10℃以下で、圧力が0.12MPa以上の条件で反応させて炭酸を含む混酸を生成して、工業煙気の中の二酸化炭素を捕集し転化することを特徴とする工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項2】
中高圧送風機を通じて工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、圧力が4500~7500Paであり、空気圧縮機を通じて新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、圧力が0.6~0.8MPaであることを特徴とする請求項1に記載の工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項3】
煙気気流の回転時の接線速度が14~40m/sであり、空気気流の回転時の接線速度が60~150m/sであることを特徴とする請求項1に記載の工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項4】
冷却媒体を通じて、サイクロンを冷却し、冷却媒体の温度が5℃~-15℃であることを特徴とする請求項1に記載の工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項5】
以下の装置:筐体を含み、前記筐体にはサイクロンが設けられ、前記サイクロンの底部が前記筐体の底部に接続され、前記サイクロンと前記筐体の間にはチャンバーが形成され、前記チャンバーの内部には密封バリアが設けられ、前記密封バリアは前記サイクロンに設けられて、前記筐体の内壁に接続され、前記密封バリアは前記チャンバーを第一のチャンバーと第二のチャンバーに分割し、前記第一のチャンバーは前記第二のチャンバーの上方に位置し、前記サイクロンの側壁には冷却チャンバーが設けられ、前記サイクロンの側壁には、第一噴射キットと第二噴射キットも設けられ、前記第一噴射キットは前記第一のチャンバーに位置し、前記第二噴射キットは前記第二のチャンバーに位置するという装置で実現されることを特徴とする請求項1に記載の工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項6】
前記第一噴射キットには、複数の第一の気流ノズルを含み、前記第二噴射キットには、複数の第二の気流ノズルを含み、前記第一の気流ノズル及び前記第二の気流ノズルとも前記サイクロンの側壁に貫通され、前記第一の気流ノズル及び前記第二の気流ノズルともの吸気端は、前記チャンバー内に位置し、排気端は前記サイクロン内に位置し、且つて吸気端より低い位置であることを特徴とする請求項5に記載の工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項7】
前記サイクロンには、柱体筒と錐体筒を含み、前記錐体筒の口径の大きい方の一端は前記柱体筒の端部に接続され、前記錐体筒の口径の小さい方の一端は前記筐体の底部に接続されて、外部と連通され、前記密封バリアは、前記柱体筒と前記錐体筒との間に位置し、前記柱体筒は前記第一のチャンバーに位置し、前記錐体筒は前記第二のチャンバーに位置することを特徴とする請求項5に記載の工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項8】
前記装置には、循環冷却装置を含み、前記循環冷却装置には入口と出口が設けられ、前記出口はパイプを通じて前記冷却チャンバーの底部に連通され、前記入口はパイプを通じて前記冷却チャンバーの頂部に連通されることを特徴とする請求項5に記載の工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項9】
請求項8において、工業煙気浄化処理に応用される工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【請求項10】
請求項8において、工業煙気を転化して、複合肥料を調製することに応用される工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許請求は、二酸化炭素捕集技術分野に関し、具体的には、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在工業上では、二酸化炭素に対してよくある捕集の方法は化学吸着、物理吸着、高圧液化、分子篩などの技術手段である。例えば、公開番号CN114602294Aに開示されたCO2を捕集するための2相吸収剤は、化学吸着の手段によって、二酸化炭素を捕集する。また許可公告番号CN214222307Uに開示された工業排気ガスの二酸化炭素の富集液化工程の統合システムは、高圧液化の方式によって、二酸化炭素を捕集して貯蔵する。
【0003】
しかし、実際の生産の過程で、吸着法の工程が複雑で、安定性と安全性が比較的に悪くて、高圧液化は漏れなどの安全事故が発生しやすくて、コストが高くて、工業上で大規模に応用することが難しいである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本特許請求は全体の工程方法の流れは簡単で速くて、工業煙気の中の二酸化炭素を効率的に捕集することができ、コストが低く、安全性と実用価値が高い工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出することを目的とする。
【0005】
本特許請求は工業煙気浄化処理に応用される工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出することをもう一つ目的とする。
【0006】
本特許請求は工業煙気を転化して、複合肥料を調製することに応用される工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出することをまたもう一つ目的とする。
【0007】
本特許請求では下記の技術方案によって、その技術問題を解決する。
第一方面、本特許請求では、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、以下の段取りを含む:工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、煙気気流をサイクロンの上部で筒壁に沿って下向きに回転させ、同時に、新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、空気気流をサイクロンの下部で筒壁に沿って下向きに回転させ、且つてサイクロンを冷却して、工業煙気と空気を温度が10℃以下で、圧力が0.12MPa以上の条件で反応させて炭酸を含む混酸を生成して、工業煙気の中の二酸化炭素を捕集し転化する。
【0008】
第二方面、本特許請求では、業煙気浄化処理に応用される工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出する。
【発明の効果】
【0009】
従来の技術より、本特許請求の実施形態は、少なくとも以下の利点または有益な効果を有する。
【0010】
第一方面に対して、本特許請求の実施形態では、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、送風機、ノズルまたは他の装置を通じて工業煙気をサイクロンの柱体筒の上半分に送り込み、工業煙気を加圧してサイクロンの内部に噴射し、工業煙気を気流になってサイクロンの側壁に沿って高速で下向きに回転させる。同様に、空気圧縮機、ノズルまたは他の装置を通じて外部の新鮮な空気をサイクロンの錐体筒の下半分に送り込み、新鮮な空気を加圧してサイクロンの内部に噴射し、同様に新鮮な空気を気流になってサイクロンの側壁に沿って高速で下向きに回転させる。この過程で、空気気流の回転速度は煙気気流の回転速度より大きくなり、圧力差によって上部の煙気気流がひきずられて、加速で下向きに回転運動する。同時にサイクロンを冷却すると、最終的にサイクロンの内部に走壁「超重遠心冷凍圧力場」が形成され、温度は10℃以下で、圧力は0.12MPa以上となる。この条件では、工業煙気の中の水分は滴に凝結され、煙気の中の一酸化炭素、二酸化炭素と新鮮な空気は「超重遠心冷凍圧力場」が提供した圧力と温度の条件で、通常の条件で反応しにくい化学反応圧力平衡パラメータを変更して、迅速に反応させて炭酸を生成することができる。同様に、工業煙気に含まれる一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄などの有害物質を反応させて相応の酸を生成することもできる。関する反応は以下の通りである(数1):
【0011】
【0012】
全体の工程方法の流れは簡単で、工業煙気の中の二酸化炭素を効率的に捕集することができ、同時に、工業煙気を浄化することもでき、コストが低くて、経済的で環境保護に優しくて、工程の流れは安全で、安定で、実用価値が高いである。
【0013】
第二方面に対して、本特許請求の実施形態では、業煙気浄化処理に応用される工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、この方法で工業煙気を繰り返しで多段の処理をすることで異なる捕集、浄化の効果を得ることができる。
【0014】
第三方面に対して、本特許請求の実施形態では、工業煙気を転化して、複合肥料を調製することに応用される工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、この方法で工業煙気を処理する過程で、サイクロン内に液体窒素またはアンモニア水を適切に導入し、「超重遠心冷凍圧力場」が提供した条件で得た炭酸と反応させて硝酸アンモニウムと硫酸アンモニウムを少量含む炭酸水素アンモニウム複合肥料を生成することができ、また、それを簡単に脱水処理すると、炭酸水素アンモニウムの含有量が97%以上の農業用複合肥料が得られる。関する反応は以下の通りである(数2):
【0015】
【図面の簡単な説明】
【0016】
本特許請求の実施形態の技術方案をより明確に説明するために、以下ではその実施形態で使用される添付の図面を簡単に説明するが、添付の図面は、本特許請求の実施形態のいくつかを示すものであり、その範囲を限定するものと見なされるべきではなく、本分野の当業者であれば、創造的な労力をかけずに、これらの図面をもとに、他の図面を入手することができることを理解されたい。
【
図1】本特許請求における、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を実現できるための装置の構成図である。
【符号の説明】
【0017】
1、筐体。11、密封バリア。2、サイクロン。21、柱体筒。22、錐体筒。23、冷却チャンバー。3、第一のチャンバー。4、第二のチャンバー。5、第一の気流ノズル。6、第二の気流ノズル。7、注入パイプ。8、収集パイプ。81、排気パイプ。9、収集箱。100、循環冷却装置。101、入口。102、出口。200、中高圧送風機。300、空気圧縮機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本特許請求の実施形態の目的、技術方案、及び利点をより明確にするために、以下では、本特許請求の実施形態における図面に合わせて、本特許請求の実施形態における技術方案を明確で、完全に説明しており、明らかにそうであるが、記述の実施形態は、本特許請求の実施形態の一部であり、全部の実施形態ではない。通常に、本特許請求の図面に記載および示されるような本特許請求の実施形態の構成要素は、様々な異なる配置で構成され、設計されることができる。
【0019】
実施形態に具体的な条件が明記されていないのは、通常の条件またはメーカーが提案する条件に従う。使用されている試薬や計器にメーカーが明記されていないのは、市販で入手可能な通常の製品である。
【0020】
よって、以下の図面における本特許請求の実施形態の詳細な説明は、保護を要求する本特許請求の範囲を制限することを意図するものではなく、本特許請求において選択された実施形態だけに表すものである。本特許請求の実施形態に基づいて、本分野の当業者は、創造的な労力をかけずに取得された他のすべての実施形態は、本特許請求の保護の範囲に含まれる。
【0021】
ご注意:類似のアイコンと文字は下記の図面で類似項を示すため、一度、ある項目が1つの図面において定義されると、それ以上の定義および解釈は、後続の図面において必要とされない。
【0022】
本特許請求の実施形態の記述では、ここで説明しておきるが、、「上」、「下」、「内」、「外」等の方位や位置関係を示す用語がある場合、それは図面に示す方位や位置関係、または本発明の製品が使用される時に通常の放置される方位や位置関係に基づいて、本特許請求の説明を容易にし、説明を簡略化するためだけであって、装置または要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、動作しなければならないことを示しまたは示唆するものではないため、本特許請求の限定として理解することはできない。さらに、「第一」、「第二」などの用語は、区別して説明するためにのみ使用され、相対的重要性を示すまたは示唆するものとしては理解されない。
【0023】
本特許請求の実施形態の記述において、「複数」は少なくとも2つを意味する。
本特許請求の実施形態の記述では、ここでまた説明しておきるが、、他に明確な規定や制限がない限り、「設定」、「接続」等の広く理解されるべきである用語がある場合、例えば、固定接続でも良いし、取り外し接続でも良いし、または一体接続でも良い。機械的な接続でも良いし、電気的な接続でも良い。直接接続でも良いし、中間媒体による間接接続でも良いし、2つの要素の内部の接続でも良い。本分野の当業者は、具体的な状況によって、前記の用語は本特許請求における具体的な意味を理解できる。
【0024】
衝突しない場合、本特許請求における実施形態および実施形態における特徴は、互いに組合できる。以下は、具体的な実施形態を参照しながら、本特許請求について詳細に説明する。
【0025】
本特許請求の実施形態において、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、以下の段取りを含む:工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、煙気気流をサイクロンの上部で筒壁に沿って下向きに回転させ、同時に、新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、空気気流をサイクロンの下部で筒壁に沿って下向きに回転させ、且つてサイクロンを冷却して、工業煙気と空気を温度が10℃以下で、圧力が0.12MPa以上の条件で反応させて炭酸を含む混酸を生成して、工業煙気の中の二酸化炭素を捕集し転化する。
【0026】
前記の実施形態では、送風機、ノズルまたは他の装置を通じて工業煙気をサイクロンの柱体筒の上半分に送り込み、工業煙気を加圧してサイクロンの内部に噴射し、工業煙気を気流になってサイクロンの側壁に沿って高速で下向きに回転させる。同様に、空気圧縮機、ノズルまたは他の装置を通じて外部の新鮮な空気をサイクロンの錐体筒の下半分に送り込み、新鮮な空気を加圧してサイクロンの内部に噴射し、同様に新鮮な空気を気流になってサイクロンの側壁に沿って高速で下向きに回転させる。この過程で、空気気流の回転速度は煙気気流の回転速度より大きくなり、圧力差によって上部の煙気気流がひきずられて、加速で下向きに回転運動する。同時にサイクロンを冷却すると、最終的にサイクロンの内部に走壁「超重遠心冷凍圧力場」が形成され、温度は10℃以下で、圧力は0.12MPa以上となる。この条件では、工業煙気の中の水分は滴に凝結され、煙気の中の一酸化炭素、二酸化炭素と新鮮な空気は「超重遠心冷凍圧力場」が提供した圧力と温度の条件で、通常の条件で反応しにくい化学反応圧力平衡パラメータを変更して、迅速に反応させて炭酸を生成することができる。同様に、工業煙気に含まれる一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄などの有害物質を反応させて相応の酸を生成することもできる。
【0027】
全体の工程方法の流れは簡単で、工業煙気の中の二酸化炭素を効率的に捕集することができ、同時に、工業煙気を浄化することもでき、コストが低くて、経済的で環境保護に優しくて、工程の流れは安全で、安定で、実用価値が高いである。
【0028】
さらに、本特許請求のいくつかの実施形態において、中高圧送風機を通じて工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、圧力は4500~7500Paである。空気圧縮機を通じて新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、圧力は0.6~ 0.8MPaである。
【0029】
さらに、本特許請求のいくつかの実施形態において、煙気気流の回転時の接線速度は14~40m/sである。空気気流の回転時の接線速度は60~150m/sである。
【0030】
さらに、本特許請求のいくつかの実施形態において、冷却媒体を通じてサイクロンを冷却し、冷却媒体の温度は5℃~-15℃である。
【0031】
前記の実施形態では、圧力、気流の流れの速さ、冷却温度などの条件を制御することで、サイクロンの内部に走壁「超重遠心冷凍圧力場」が形成されることができて、より反応の進行に役立つことができて、二酸化炭素の捕集転化の効果を高めて、より工業生産に有利である。
【0032】
さらに、本特許請求のいくつかの実施形態において、以下の装置:筐体1を含み、前記筐体1にはサイクロン2が設けられ、前記サイクロン2の底部が前記筐体1の底部に接続される。前記サイクロン2と前記筐体1の間にはチャンバーが形成され、前記チャンバーの内部には密封バリア11が設けられ、前記密封バリア11は前記サイクロン2に設けられて、前記筐体1の内壁に接続され、前記密封バリア11は前記チャンバーを第一のチャンバー3と第二のチャンバー4に分割し、前記第一のチャンバー3は前記第二のチャンバー4の上方に位置する。前記サイクロン2の側壁には冷却チャンバー23が設けられ、前記サイクロン2の側壁には、第一噴射キットと第二噴射キットも設けられ、前記第一噴射キットは前記第一のチャンバー3に位置し、前記第二噴射キットは前記第二のチャンバー4に位置するという装置で実現される。
【0033】
前記の実施形態では、実際に使用する時、工業煙気を送風機等の装置を通じて、前記筐体1内部の前記第一のチャンバー3内に送り込み、且つて前記第一噴射キットを通じて高速で前記サイクロン2内部に噴射し、前記サイクロン2内壁に沿って下向きに回転させる。この過程で、前記冷却チャンバー23には、冷却媒体を充填し、回転している煙気を冷却することができる。同時に新鮮な空気を前記第二のチャンバー4に送り込み、且つて前記第二噴射キットを通じて高速で前記サイクロン2内部に噴射し、同様に前記サイクロン2内壁に沿って回転させる。この時、前記錐体筒の上部には、高速で下向きに回転する煙気気流があり、下部には、高速で下向きに回転する空気気流があり、上部の高速気流は、下部の高速気流により生成した圧力差によってひきずられて、より高速で前記サイクロン2内壁を回って下向きに回転運動するとともに、前記冷却チャンバー23内の冷却媒体によって、最終的に前記サイクロン2の内部に走壁「超重遠心冷凍圧力場」が形成される。この条件では、工業煙気の中の水分は滴に凝結され、煙気の中の一酸化炭素、二酸化炭素と新鮮な空気は「超重遠心冷凍圧力場」が提供した圧力と温度の条件で、通常の条件で反応しにくい化学反応圧力平衡パラメータを変更して、迅速に反応させて炭酸を生成することができる。同様に、工業煙気に含まれる一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄などの有害物質を反応させて相応の酸を生成することもできる。前記サイクロン2内に液体窒素またはアンモニア水を適切に導入し、「超重遠心冷凍圧力場」が提供した条件で得た炭酸と反応させて硝酸アンモニウムと硫酸アンモニウムを少量含む炭酸水素アンモニウム複合肥料を生成することができ、また、それを簡単に脱水処理すると、炭酸水素アンモニウムの含有量が97%以上の農業用複合肥料が得られる。
【0034】
全体の装置の構造が簡単で、煙気の二酸化炭素の捕集と同時に煙気の浄化を実現でき、また、捕集できた二酸化炭素を複合窒素肥料に転化し、資源のリサイクルを実現できる。使用時の全体の工程方法の流れは安全で安定で、簡単で速くて、安定性が高くて、コストが低くて、省エネ・排出削減、経済環境保護、資源節約などの特徴があって、実用価値が高いである。
【0035】
さらに、本特許請求のいくつかの実施形態において、前記第一噴射キットには、複数の第一の気流ノズル5を含み、前記第二噴射キットには、複数の第二の気流ノズル6を含み、前記第一の気流ノズル5及び前記第二の気流ノズル6とも前記サイクロン2の側壁に貫通され、前記第一の気流ノズル5及び前記第二の気流ノズル6ともの吸気端は、前記チャンバー内に位置し、排気端は前記サイクロン2内に位置し、且つて吸気端より低い位置である。
【0036】
前記の実施形態では、前記サイクロン2内部に向かって下方に傾斜する複数の前記第一の気流ノズル5及び複数の前記第二の気流ノズル6を通じて、より効果的に気流を前記サイクロン2内壁に沿って高速で下向きに回転させることを実現できる。その中に、前記第二のノズルの気流の噴射速度は前記第一の気流ノズル5より大きくなり、上方の煙気気流が圧差により加速させてひきずられることになる。
【0037】
さらに、本特許請求のいくつかの実施形態において、前記サイクロン2には、柱体筒21と錐体筒22を含み、前記錐体筒22の口径の大きい方の一端は前記柱体筒21の端部に接続され、前記錐体筒22の口径の小さい方の一端は前記筐体1の底部に接続されて、外部と連通される。前記密封バリア11は、前記柱体筒21と前記錐体筒22との間に位置し、前記柱体筒21は前記第一のチャンバー3に位置し、前記錐体筒22は前記第二のチャンバー4に位置する。
【0038】
前記の実施形態では、こうすることで装置の構造がより合理化され、捕集効果を向上させる。
【0039】
さらに、本特許請求のいくつかの実施形態において、前記装置には、循環冷却装置100を含み、前記循環冷却装置100には出口102と入口101が設けられ、前記出口102はパイプを通じて前記冷却チャンバー23の底部に連通され、前記入口101はパイプを通じて前記冷却チャンバー23の頂部に連通される。
【0040】
前記の実施形態では、前記注入パイプ7を通じて、前記第二のチャンバー4内に新鮮な空気を送り込み、同時に液体窒素又はアンモニア水を添加することで、捕集できた二酸化炭素を反応させて炭酸水素アンモニウム複合肥料を転化することができ、資源の再利用を実現する。
【0041】
本特許請求の実施形態において、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法は工業煙気浄化処理の応用も提出する。
本特許請求の実施形態において、工業煙気を転化して、複合肥料を調製することの応用も提出する。
下記は実施形態に合わせて、本特許請求の特徴と性能について、詳細に説明する。
【0042】
(実施形態1)
本実施形態では、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、以下の段取りを含む:中高圧送風機を通じて4500Paの圧力で、工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、煙気気流をサイクロンの上部に側壁に沿って14m/sの接線速度で下向きに回転させ、同時に、空気圧縮機を通じて0.6MPaの圧力で、新鮮な空気をサイクロンの下半分に送り込み、新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、空気気流をサイクロンの下部に側壁に沿って60m/sの接線速度で下向きに回転させ、温度が5℃である冷却媒体を通じてサイクロンを冷却し、工業煙気と空気を温度が10℃以下で、圧力が0.12MPa以上の条件で反応させて炭酸を含む混酸を生成し、工業煙気の中の二酸化炭素を捕集し転化する。
【0043】
(実施形態2)
本実施形態では、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、以下の段取りを含む:中高圧送風機を通じて7500Paの圧力で、工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、煙気気流をサイクロンの上部に側壁に沿って40m/sの接線速度で下向きに回転させ、同時に、空気圧縮機を通じて0.8MPaの圧力で、新鮮な空気をサイクロンの下半分に送り込み、新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、空気気流をサイクロンの下部に側壁に沿って150m/sの接線速度で下向きに回転させ、温度が-15℃でる冷却媒体を通じてサイクロンを冷却し、工業煙気と空気を温度が10℃以下で、圧力が0.12MPa以上の条件で反応させて炭酸を含む混酸を生成し、工業煙気の中の二酸化炭素を捕集し転化する。
【0044】
(実施形態3)
本実施形態では、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、以下の段取りを含む:中高圧送風機を通じて6000Paの圧力で、工業煙気をサイクロンの上部に送り込み、煙気気流をサイクロンの上部に側壁に沿って30m/sの接線速度で下向きに回転させ、同時に、空気圧縮機を通じて0.8MPaの圧力で、新鮮な空気をサイクロンの下半分に送り込み、新鮮な空気をサイクロンの下部に送り込み、空気気流をサイクロンの下部に側壁に沿って120m/sの接線速度で下向きに回転させ、温度が-10℃でる冷却媒体を通じてサイクロンを冷却し、工業煙気と空気を温度が10℃以下で、圧力が0.12MPa以上の条件で反応させて炭酸を含む混酸を生成し、工業煙気の中の二酸化炭素を捕集し転化する。
【0045】
(実施形態4)
図1を参照して、本実施形態では、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、下記の通りの装置によって実現される:
筐体1を含み、前記筐体1にはサイクロン2が設けられ、前記サイクロン2の底部が前記筐体1の底部に接続される。前記サイクロン2と前記筐体1の間にはチャンバーが形成され、前記チャンバーの内部には密封バリア11が設けられ、前記密封バリア11は前記サイクロン2に設けられて、前記筐体1の内壁に接続され、前記密封バリア11は前記チャンバーを第一のチャンバー3と第二のチャンバー4に分割し、前記第一のチャンバー3は前記第二のチャンバー4の上方に位置する。前記サイクロン2の側壁には冷却チャンバー23が設けられ、前記サイクロン2の側壁には、第一噴射キットと第二噴射キットも設けられ、前記第一噴射キットは前記第一のチャンバー3に位置し、前記第二噴射キットは前記第二のチャンバー4に位置する。
【0046】
前記第一噴射キットには、複数の第一の気流ノズル5を含み、前記第二噴射キットには、複数の第二の気流ノズル6を含み、前記第一の気流ノズル5及び前記第二の気流ノズル6とも前記サイクロン2の側壁に貫通され、前記第一の気流ノズル5及び前記第二の気流ノズル6ともの吸気端は、前記チャンバー内に位置し、排気端は前記サイクロン2内に位置し、且つて吸気端より低い位置である。
【0047】
前記サイクロン2には、柱体筒21と錐体筒22を含み、前記錐体筒22の口径の大きい方の一端は前記柱体筒21の端部に接続され、前記錐体筒22の口径の小さい方の一端は前記筐体1の底部に接続されて、外部と連通される。前記密封バリア11は、前記柱体筒21と前記錐体筒22との間に位置し、前記柱体筒21は前記第一のチャンバー3に位置し、前記錐体筒22は前記第二のチャンバー4に位置する。
【0048】
前記装置には、循環冷却装置100も含み、前記循環冷却装置100には出口102と入口101が設けられ、前記出口102はパイプを通じて前記冷却チャンバー23の底部に連通され、前記入口101はパイプを通じて前記冷却チャンバー23の頂部に連通される。
【0049】
具体的な方法は:中高圧送風機200を通じて6000Paの圧力で、工業煙気を前記第一のチャンバー3に送り込み、前記第一の気流ノズル5を通じて煙気をサイクロン2内に噴射し、煙気気流になってサイクロン2の上部に側壁に沿って30m/sの接線速度で下向きに回転させる。同時に、空気圧縮機300を通じて0.8MPaの圧力で、新鮮な空気を前記第二のチャンバー4に送り込み、前記第二の気流ノズル6を通じて空気をサイクロン2内に噴射し、空気気流になってサイクロン2の下部に側壁に沿って120m/sの接線速度で下向きに回転させる。同時に、前記循環冷却装置100を通じて、温度が-10℃である冷却媒体を前記出口102を介して前記冷却チャンバー23内に通してサイクロン2を冷却し、前記入口101を介して前記冷却チャンバー23内の循環媒体を回収する。最終的に、工業煙気と空気を温度が10℃以下で、圧力が0.12MPa以上の条件で反応させて炭酸を含む混酸を生成し、工業煙気の中の二酸化炭素を捕集し転化する。
【0050】
(実験例)
タイヤの焼却で生成された煙気に対しては、本特許請求の実施形態4で提出する工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を用いて処理し、煙気処理前後の詳細な状態データの変化を測定して記録する。具体的な項目及び結果は表1に示す。
【0051】
【0052】
その結果の通り、本特許請求で提出する工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を用いてタイヤの焼却で生成された煙気を処理し、排出煙気の総量は53.6%減少し、水蒸気を液体水に凝結して89.7%回収し、CO2はH2CO3に66.5%転化し、SOXはH2SO4に99.8%転化し、NOXはHNO3に81.2%転化し、効果が顕著である。
【0053】
以上のことをまとめると、本特許請求の実施形態では、工業煙気二酸化炭素捕集転化の方法を提出し、送風機、ノズルまたは他の装置を通じて工業煙気をサイクロンの柱体筒の上半分に送り込み、工業煙気を加圧してサイクロンの内部に噴射し、工業煙気を気流になってサイクロンの側壁に沿って高速で下向きに回転させる。同様に、空気圧縮機、ノズルまたは他の装置を通じて外部の新鮮な空気をサイクロンの錐体筒の下半分に送り込み、新鮮な空気を加圧してサイクロンの内部に噴射し、同様に新鮮な空気を気流になってサイクロンの側壁に沿って高速で下向きに回転させる。この過程で、空気気流の回転速度は煙気気流の回転速度より大きくなり、圧力差によって上部の煙気気流がひきずられて、加速で下向きに回転運動する。同時にサイクロンを冷却すると、最終的にサイクロンの内部に走壁「超重遠心冷凍圧力場」が形成され、温度は10℃以下で、圧力は0.12MPa以上となる。この条件では、工業煙気の中の水分は滴に凝結され、煙気の中の一酸化炭素、二酸化炭素と新鮮な空気は「超重遠心冷凍圧力場」が提供した圧力と温度の条件で、通常の条件で反応しにくい化学反応圧力平衡パラメータを変更して、迅速に反応させて炭酸を生成することができる。同様に、工業煙気に含まれる一酸化窒素、二酸化窒素、二酸化硫黄などの有害物質を反応させて相応の酸を生成することもできる。全体の工程方法の流れは簡単で、工業煙気の中の二酸化炭素を効率的に捕集することができ、同時に、工業煙気を浄化することもでき、コストが低くて、経済的で環境保護に優しくて、工程の流れは安全で、安定で、実用価値が高く、工業煙気の浄化と複合肥料の転化と調製に応用することもできる。
【0054】
前記は、本特許請求の好ましい実施形態だけであり、本特許請求を限定するためには用いられず、本分野の当業者には様々な変更および変更があり得る。本特許請求の精神と原則の範囲中で、任意の修正、均等置換、改善などは、本特許請求の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】