(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】バッテリーパックおよびバッテリーパックの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/207 20210101AFI20240927BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240927BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240927BHJP
H01M 50/233 20210101ALI20240927BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20240927BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240927BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240927BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20240927BHJP
【FI】
H01M50/207
H01M50/289 101
H01M50/204 401H
H01M50/233
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/6568
H01M10/643
H01M10/647
H01M10/625
H01M50/242
H01M50/244 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523233
(86)(22)【出願日】2023-07-05
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 KR2023009509
(87)【国際公開番号】W WO2024010364
(87)【国際公開日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0083118
(32)【優先日】2022-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0070867
(32)【優先日】2023-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キ・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュ・ファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヒョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ボ・ラ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・スク・イ
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA01
5H040AA03
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC20
5H040CC59
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
本発明は、バッテリーモジュールを収容するバッテリーパックおよび上記バッテリーパックの製造方法に関するものである。
本発明は、ベース板と共にサイドフレームの第1延長部がモジュール搭載領域を形成するようにすることにより、バッテリーパック内に搭載されるバッテリーモジュールの荷重を均一に分散させ得る。これにより、バッテリーパックの構造を簡素にし得る。
本発明は、上述した荷重分散構造と共に冷却一体型の構造を有し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックであって、
前記バッテリーモジュールが搭載されるベース板と、
前記ベース板の前端部に結合される前方フレームと、
前記ベース板の後端部に結合される後方フレームと、
前記ベース板の両側に結合されるサイドフレームと、を含み、
前記ベース板は、前記モジュール搭載領域の一部のみを形成する大きさを有し、
前記サイドフレームは、前記バッテリーモジュールと対向する側壁部と、前記側壁部の下部から前記ベース板に向かって延長されて前記ベース板の側面に結合され、前記ベース板と共に前記モジュール搭載領域を形成して前記バッテリーモジュールの荷重を支持する第1延長部と、を含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記第1延長部は、前記バッテリーモジュールの下部面積の少なくとも一部を支持するように、前記側壁部の下部から前記ベース板に向かって所定の長さほど延長される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記ベース板の上面と前記第1延長部の上面は同一高さの平面を形成する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記ベース板の側面とそれに結合される第1延長部の側面に互いに噛み合う形状の段差部を備えた、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記サイドフレームは、前記バッテリーパックの外側に延長される第2延長部をさらに備える、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記第2延長部は、前記第1延長部より厚い厚さを有し、バッテリーパックが設置される構造物に固定支持される、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記前方フレームから後方フレームに延長され、前記ベース板に結合されるセンターフレームをさらに含み、
前記センターフレームと前記サイドフレームの側壁部との間にモジュール搭載領域が形成され、
前記モジュール搭載領域は、前記サイドフレームの第1延長部の少なくとも一部の上部面と前記ベース板の上部面とを含む、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記ベース板は、前記センターフレームの両側に1つずつ配置され、両側の前記ベース板の側面と前記センターフレームの両側面が結合される、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記センターフレームは、垂直隔壁部と、前記垂直隔壁部の下部から前記ベース板に向かって左右に 延長されて前記ベース板と結合される水平延長部と、を備え、
前記水平延長部の上面と前記ベース板の上面は同一平面上に位置する、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記センターフレームの垂直隔壁部と両側の前記サイドフレームとの間に延長設置される複数個のサイドビームをさらに含み、
前記サイドビームは、前記垂直隔壁部およびサイドフレームにそれぞれ結合され、前記モジュール搭載領域を複数個の領域に区画する、請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記バッテリーモジュールは、前記サイドフレームの側壁部に締結される、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記ベース板およびサイドフレームのうち少なくとも1つは、
外壁と、前記外壁で囲まれた内部空間と、を備え、
前記内部空間は、前記外壁から延長される複数個の区画壁によって分割されて複数個の中空チャネルを形成する、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記ベース板は、前記中空チャネルに第1冷却流路が備えられた冷却一体型のベース板である、請求項12に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記サイドフレームの第1延長部が中空チャネルを有し、
前記中空チャネルに第2冷却流路が備えられた、請求項13に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
前記前方フレームおよび後方フレームは、前記第1冷却流路および第2冷却流路と連通する第3冷却流路をそれぞれ備え、
前記前方フレームおよび後方フレームのうちの1つに前記第3冷却流路と連通する冷媒注入口および冷媒排出口が形成される、請求項14に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
前記前方フレームおよび後方フレームは、前記第1冷却流路および第2冷却流路と連通する第3冷却流路をそれぞれ備え、
前記前方フレームおよび後方フレームのうちの1つに前記第3冷却流路と連通する冷媒注入口が形成され、他の1つに前記第3冷却流路と連通する冷媒排出口が形成される、請求項14に記載のバッテリーパック。
【請求項17】
複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックの製造方法であって、
前記モジュール搭載領域の一部のみを形成する大きさを有するベース板の両側面に前記ベース板に向かって延長され、前記ベース板と共にモジュール搭載領域を形成する両側サイドフレームの第1延長部の側面をそれぞれ結合する段階と、
前記ベース板および第1延長部の前端部および後端部に前方フレームおよび後方フレームをそれぞれ結合する段階と、
前記第1延長部の少なくとも一部の上部面と前記ベース板の上部面とを含むモジュール搭載領域に複数個のバッテリーモジュールを搭載する段階と、を含む、バッテリーパックの製造方法。
【請求項18】
複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックの製造方法であって、
センターフレームの両側にベース板をそれぞれ配置し、前記両側のベース板と前記センターフレームを結合する段階と、
前記センターフレームの一側のベース板に向かって延長され、前記一側のベース板と共にモジュール搭載領域を形成する一側のサイドフレームの第1延長部と前記一側のベース板を結合する段階と、
前記センターフレームの他側のベース板に向かって延長され、前記他側のベース板と共にモジュール搭載領域を形成する他側のサイドフレームの第1延長部と前記他側のベース板を結合する段階と、
前記一側および他側のサイドフレームの第1延長部と前記両側のベース板の前端部および後端部に前方フレームおよび後方フレームをそれぞれ結合する段階と、
前記第1延長部の少なくとも一部の上部面と前記ベース板の上部面とを含むモジュール搭載領域に複数個のバッテリーモジュールを搭載する段階と、を含む、バッテリーパックの製造方法。
【請求項19】
前記両側のサイドフレームにそれぞれ備えられる第1延長部の所定の長さは互いに同じであり、
両側のサイドフレーム間に単一のベース板が位置し、
前記両側サイドフレーム間で延長される前記ベース板の長さの1/2と前記所定の長さの比の範囲は6:4~9:1である、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項20】
一側のサイドフレームと他側のサイドフレームにそれぞれ備えられる第1延長部の所定の長さは互いに同じであり、
前記一側のサイドフレームと他側のサイドフレームとの間に、対応する各サイドフレームと結合し、大きさが同じである2つのベース板が位置し、
対応するサイドフレームに延長される各ベース板の長さと前記所定の長さの比の範囲は6:4~9:1である、請求項2に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールを収容するバッテリーパックおよび上記バッテリーパックの製造方法に関するものである。
【0002】
より詳しくは、バッテリーモジュールの荷重を効率的に分散させながらもパックハウジングの構造を簡素化し得るバッテリーパックおよびそのバッテリーパックの製造方法に関するものである。
【0003】
本出願は、2022年7月6日付の韓国特許出願第10-2022-0083118号および2023年6月1日付の韓国特許出願第10-2003-0070867号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の書類に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0004】
電気自動車などに適用されるバッテリーパックは、高出力を得るために複数の二次電池を含む多数のバッテリーモジュールを直列または並列に連結した構造を有している。そして、上記二次電池は、正極および負極集電体、セパレーター、活物質、電解液などを含む構成要素間の電気化学的反応によって繰り返しの充放電が可能である。
【0005】
バッテリーパックは多数個のバッテリーモジュールを搭載するため、これらのモジュールの荷重を安定的に支持し得る構造に設計する必要がある。また、エネルギー削減およびエネルギー効率の改善のために、バッテリーパックの重量を低減しながらもその機械的剛性は維持または向上させ得る技術の開発が要望される。
【0006】
図1は、本出願人が提案した従来のバッテリーパックの製造過程を示す概略図であり、
図2は、製造されたバッテリーパックの構造を示す概略図である。
【0007】
図1を参照すると、従来は前方フレーム11、後方フレーム12、両側サイドフレーム13、14を結合して四角枠状フレームを作り(
図1の(a))、上記四角枠状フレームにセンターフレーム21と複数個のサイドビーム22を結合してバッテリーパックの骨格フレーム20を形成した後に(
図1の(b))、この骨格フレーム20を裏返して(
図1の(c))、上記骨格フレーム20の下部に冷却流路が形成された冷却パネル30を結合し(
図1の(d))、上記冷却パネルにベース板40を位置させ、上記ベース板40を骨格フレーム20に結合した(
図1の(e))。
【0008】
図2には、このようにして製造されたバッテリーパック1の断面構造が図示されている。図示されたように、上記ベース板40は、バッテリーモジュールMの全体下部面面積を収容および支持し得る大きさに製作され、ベース板40の縁部41の上部面がサイドフレームの下端部と溶接結合されて結合部Bを形成する。
【0009】
しかしながら、上記構造のバッテリーパック1には、次のような欠点がある。
【0010】
第1に、ベース板40がバッテリーモジュールMの荷重をすべて支持するので、高さ方向、すなわち、Z軸方向の荷重がベース板の縁部41とサイドフレームの溶接結合部Bに集中する。したがって、長期間の繰り返し使用時にZ軸方向の荷重により、上記ベース板縁部41がサイドフレーム13、14の溶接結合部から下に垂れ下がるか、または当該結合部Bが広がる危険性がある。
【0011】
第2に、上記結合部Bに加わる荷重に耐えることができるようにベース板40を厚くするか、または荷重を分散させるための別途の下部補強構造物50を設置する必要がある。しかしながら、ベース板40を厚くすると、パック重量が増加してエネルギー効率を低下させる。また、ベース板40自体の荷重が増加し、上記溶接結合部Bにむしろ荷重がより大きく作用し得るので好ましくない。また、下部補強構造物50を設置する場合は、部品個数が増加し、別途の結合作業が必要となるので製造原価を上昇させる。
【0012】
第3に、冷却パネル30とベース板40を別途設置したので、バッテリーパック重量が増加し構造が複雑になる。
【0013】
したがって、ベース板とサイドフレームの結合部にかかる荷重を効果的に分散させ、バッテリーパックの構造を簡素化し得る技術の開発が要望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2022-0031530号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのものであって、バッテリーパック内のバッテリーモジュールの荷重を効果的に分散させながらも簡素な構造を有するバッテリーパックおよびその製造方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックは、複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックであって、上記バッテリーモジュールが搭載されるベース板と、上記ベース板の前端部に結合される前方フレームと、上記ベース板の後端部に結合される後方フレームと、上記ベース板の両側に結合されるサイドフレームと、を含み、上記ベース板は、上記モジュール搭載領域の一部のみを形成する大きさを有し、上記サイドフレームは、上記バッテリーモジュールと対向する側壁部と、上記側壁部の下部から上記ベース板に向かって延長されて上記ベース板の側面に結合され、上記ベース板と共に上記モジュール搭載領域を形成して上記バッテリーモジュールの荷重を支持する第1延長部と、を含む。
【0017】
上記第1延長部は、上記バッテリーモジュールの下部面積の少なくとも一部を支持するように、所定の長さほど延長され得る。
【0018】
また、上記ベース板の上面と上記第1延長部の上面は同一高さの平面を形成し得る。
【0019】
この場合、上記ベース板の側面とそれに結合される第1延長部の側面に互いに噛み合う形状の段差部が備えられ得る。
【0020】
また、上記サイドフレームは、上記バッテリーパックの外側に延長される第2延長部をさらに備え得る。
【0021】
上記第2延長部は、上記第1延長部より厚い厚さを有し、バッテリーパックが設置される構造物に固定支持され得る。
【0022】
一つの例として、上記前方フレームから後方フレームに延長され、上記ベース板に結合されるセンターフレームをさらに含み、上記センターフレームと上記サイドフレームの側壁部との間にモジュール搭載領域が形成され、上記モジュール搭載領域は、上記サイドフレームの第1延長部の少なくとも一部の上部面と上記ベース板の上部面とを含み得る。
【0023】
上記ベース板は、上記センターフレームの両側に1つずつ配置され、上記両側のベース板の側面と上記センターフレームの両側面が結合され得る。
【0024】
この場合、上記センターフレームは、垂直隔壁部と、上記垂直隔壁部の下部から上記ベース板に向かって左右に延長されて上記ベース板と結合される水平延長部と、を備え、上記水平延長部の上面と上記ベース板の上面は同一平面上に位置し得る。
【0025】
また、上記バッテリーパックは、上記センターフレームの垂直隔壁部と上記両側のサイドフレームとの間に延長設置される複数個のサイドビームをさらに含み、上記サイドビームは、上記垂直隔壁部およびサイドフレームにそれぞれ結合され、上記モジュール搭載領域を複数個の領域に区画し得る。
【0026】
上記バッテリーモジュールは、上記サイドフレームの側壁部に締結され得る。
【0027】
他の例として、上記ベース板およびサイドフレームのうち少なくとも1つは、外壁と、上記外壁で囲まれた内部空間と、を備え、上記内部空間は、上記外壁から延長される複数個の区画壁によって分割されて複数個の中空チャネルを形成し得る。
【0028】
上記ベース板は、上記中空チャネルに第1冷却流路が備えられた冷却一体型のベース板であり得る。
【0029】
この場合、上記サイドフレームの第1延長部が中空チャネルを有し、上記中空チャネルに第2冷却流路が備えられ得る。
【0030】
また、上記前方フレームおよび後方フレームは、上記第1冷却流路および第2冷却流路と連通する第3冷却流路をそれぞれ備え、上記前方フレームおよび後方フレームのうちの1つに上記第3冷却流路と連通する冷媒注入口および冷媒排出口が形成され得る。
【0031】
または、上記前方フレームおよび後方フレームは、上記第1冷却流路および第2冷却流路と連通する第3冷却流路をそれぞれ備え、上記前方フレームおよび後方フレームのうちの1つに上記第3冷却流路と連通する冷媒注入口が形成され、他の1つに上記第3冷却流路と連通する冷媒排出口が形成され得る。
【0032】
上記両側のサイドフレームにそれぞれ備えられる第1延長部の所定の長さは互いに同じであり、両側のサイドフレーム間に単一のベース板が位置し、上記両側サイドフレーム間で延長される上記ベース板の長さの1/2と上記所定の長さの比の範囲は6:4~9:1であり得る。
【0033】
一側のサイドフレームと他側のサイドフレームにそれぞれ備えられる第1延長部の所定の長さは互いに同じであり、上記一側のサイドフレームと他側のサイドフレームとの間に、対応する各サイドフレームと結合し、大きさが同じである2つのベース板が位置し、対応するサイドフレームに延長される各ベース板の長さと上記所定の長さの比の範囲は6:4~9:1であり得る。
【0034】
本発明はまた、上記バッテリーパックの製造方法を提供する。上記バッテリーパックの製造方法は、複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックの製造方法であって、上記モジュール搭載領域の一部のみを形成する大きさを有するベース板の両側面に上記ベース板に向かって延長され、上記ベース板と共にモジュール搭載領域を形成する両側サイドフレームの第1延長部の側面をそれぞれ結合する段階と、上記ベース板および第1延長部の前端部および後端部に前方フレームおよび後方フレームをそれぞれ結合する段階と、上記第1延長部の少なくとも一部の上部面と上記ベース板の上部面とを含むモジュール搭載領域に複数個のバッテリーモジュールを搭載する段階と、を含む。
【0035】
本発明の他の実施形態のバッテリーパックの製造方法は、複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックの製造方法であって、センターフレームの両側にベース板をそれぞれ配置し、上記両側のベース板と上記センターフレームを結合する段階と、上記センターフレームの一側のベース板に向かって延長され、上記一側のベース板と共にモジュール搭載領域を形成する一側のサイドフレームの第1延長部と上記一側のベース板を結合する段階と、上記センターフレームの他側のベース板に向かって延長され、上記他側のベース板と共にモジュール搭載領域を形成する他側のサイドフレームの第1延長部と上記他側のベース板を結合する段階と、上記一側および他側のサイドフレームの第1延長部と上記両側のベース板の前端部および後端部に前方フレームおよび後方フレームをそれぞれ結合する段階と、上記第1延長部の少なくとも一部の上部面と上記ベース板の上部面とを含むモジュール搭載領域に複数個のバッテリーモジュールを搭載する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、以上の多様な実施形態に従って、バッテリーモジュールの荷重をベース板とサイドフレームに安定的に分散させ得る。
【0037】
また、荷重分散によって従来のような追加的な補強構造物が不要であるため、パックハウジングの構造を簡素化し得る。
【0038】
また、荷重がベース板とサイドフレームに効果的に分散されるため、ベース板の厚さをその分減らし得る。これにより、バッテリーパックの重量を低減し得る。
【0039】
また、バッテリーパックの下部構造を冷却一体型の構造にしてパック構造をよりコンパクトに構成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本出願人が提案した従来のバッテリーパックの製造過程を示す概略図である。
【
図2】従来のバッテリーパックの構造を示す概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態のバッテリーパックを示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態のバッテリーパックを示す結合斜視図である。
【
図5】バッテリーパックの一部の構成要素を除いて示した結合斜視図である。
【
図6】本発明に係るベース板とサイドフレームの結合構造の一例を示す概略図である。
【
図7】本発明に係るベース板とサイドフレームの結合構造の他の例を示す概略図である。
【
図8】本発明に係るバッテリーパックの製造過程を示す概略図である。
【
図9】本発明の他の実施形態のバッテリーパックを示す分解斜視図である。
【
図10】本発明の他の実施形態のバッテリーパックを示す結合斜視図である。
【
図11】
図9の実施形態に係るベース板とサイドフレームの結合構造の例を示す概略図である。
【
図12】
図9の実施形態のバッテリーパックの冷却経路の一例を示す概略図である。
【
図13】バッテリーパックの冷却経路の他の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明することによってより明らかになるであろう。ここで説明される実施形態は、発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なるように多様に変形されて実施され得ることを理解すべきであろう。また、発明の理解を助けるために添付された図面は実際の縮尺で図示されたものではなく、一部の構成要素の寸法が誇張されて図示され得る。
【0042】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0043】
本発明の一実施形態に係るバッテリーパックは、複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックであって、上記バッテリーモジュールが搭載されるベース板と、上記ベース板の前端部に結合される前方フレームと、上記ベース板の後端部に結合される後方フレームと、上記ベース板の両側に結合されるサイドフレームと、を含み、上記ベース板は、上記モジュール搭載領域の一部のみを形成する大きさを有し、上記サイドフレームは、上記バッテリーモジュールと対向する側壁部と、上記側壁部下部から上記ベース板に向かって延長されて上記ベース板の側面に結合され、上記ベース板と共に上記モジュール搭載領域を形成して上記バッテリーモジュールの荷重を支持する第1延長部と、を含む。
【0044】
本発明はまた、上記バッテリーパックの製造方法を提供する。上記バッテリーパックの製造方法は、複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックの製造方法であって、上記モジュール搭載領域の一部のみを形成する大きさを有するベース板の両側面に上記ベース板に向かって延長され、上記ベース板と共にモジュール搭載領域を形成する両側サイドフレームの第1延長部の側面をそれぞれ結合する段階と、上記ベース板および第1延長部の前端部および後端部に前方フレームおよび後方フレームをそれぞれ結合する段階と、上記第1延長部の少なくとも一部の上部面と上記ベース板上部面とを含むモジュール搭載領域に複数個のバッテリーモジュールを搭載する段階と、を含む。
【0045】
本発明の他の実施形態のバッテリーパックの製造方法は、複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックの製造方法であって、センターフレームの両側にベース板をそれぞれ配置し、上記両側のベース板と上記センターフレームを結合する段階と、上記センターフレームの一側のベース板に向かって延長され、上記一側のベース板と共にモジュール搭載領域を形成する一側のサイドフレームの第1延長部と上記一側のベース板を結合する段階と、上記センターフレームの他側のベース板に向かって延長され、上記他側のベース板と共にモジュール搭載領域を形成する他側のサイドフレームの第1延長部と上記他側のベース板を結合する段階と、上記一側および他側のサイドフレームの第1延長部と上記両側のベース板の前端部および後端部に前方フレームおよび後方フレームをそれぞれ結合する段階と、上記第1延長部の少なくとも一部の上部面と上記ベース板の上部面とを含むモジュール搭載領域に複数個のバッテリーモジュールを搭載する段階と、を含む。
【0046】
(第1実施形態)
図3は、本発明の一実施形態のバッテリーパックを示す分解斜視図であり、
図4は、本発明の一実施形態のバッテリーパックを示す結合斜視図であり、
図5は、バッテリーパックの一部の構成要素を除いて示した結合斜視図であり、
図6は、本発明に係るベース板とサイドフレームの結合構造の一例を示す概略図である。
【0047】
図3~
図6を参照すると、本発明のバッテリーパック100は、ベース板110と、前方フレーム120と、後方フレーム130と、両側サイドフレーム140、150と、を含む。
【0048】
上記ベース板110には、複数個のバッテリーモジュールMが搭載される。
【0049】
上記バッテリーモジュールMは、複数個のバッテリーセルを収容するモジュールハウジングを備え得る。上記バッテリーセルは二次電池であって、パウチ型二次電池、角型二次電池または円筒型二次電池であり得る。すなわち、上記バッテリーセルは、本願発明の出願時点で公知にされた多様なバッテリーセルが採用され得る。
【0050】
上記バッテリーモジュールMは、複数のバッテリーセルを電気的に相互連結するように構成された少なくとも1つのバスバー(図示せず)を備え得る。また、上記複数のバッテリーモジュールMは、電源ケーブルまたはバスバーを介して互いに電気的に連結され得る。バッテリーモジュールMの細部構成は一般的に公知にされた構成が採用され得る。したがって、本明細書ではその具体的な説明を省略する。
【0051】
また、上記バッテリーパック100は、電装品アセンブリ(図示せず)を収容し得る。電装品アセンブリは、リレー装置、電流センサ、ヒューズ、BMS、MSD(Manual Service Disconnector)などを収容し得る。このような電装品アセンブリは、バッテリーモジュールと共に外部に露出しないようにバッテリーパック100内にパッケージングされ得る。
【0052】
上記ベース板110は、水平方向に延長されたプレート形状を有し得る。ここで、水平方向とは、平らな地面の面方向を意味する。上記ベース板110は、機械的剛性に優れた金属素材を備え得る。
【0053】
また、上記ベース板110には、前方フレーム120、後方フレーム130、および両側サイドフレーム140、150がそれぞれ結合される。上記結合方法は、例えば摩擦攪拌溶接であり得る。
【0054】
図3の矢印Fを基準として正面から見た場合に、上記前方フレーム120は、バッテリーモジュールMの前方をカバーするように上記ベース板110の前端部に結合され得、後方フレーム130は、上記ベース板110の後端部に結合され得る。
【0055】
本明細書において、前、後、左、右、上、下などの方向を表す用語は、観測者の位置や対象の配置形態に応じて変わり得る。ただし、本明細書では、説明の便宜のために
図3の矢印F方向から見たときを基準として、前、後、左、右、上、下などの方向を区分して示すものとする。
【0056】
上記ベース板110の上部には、複数個のバッテリーモジュールMが位置され得る。したがって、ベース板110の上部面は、複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を形成する。
【0057】
図5は、モジュール搭載領域Aをより明確に表示するために、後述するサイドビームを除いてバッテリーパックハウジングを示したものである。
図3~
図5を参照すると、本発明のベース板110の幅、すなわちX方向の長さは、バッテリーパック全体の幅(X方向長さ)より小さい。特に、本発明のベース板110は、バッテリーパック内のモジュール搭載領域Aの幅より小さい両側幅を有する。すなわち、ベース板幅の大きさは、モジュール搭載領域AのX方向の長さより小さい。したがって、上記ベース板110は、モジュール搭載領域Aの一部のみを形成する大きさを有する。これにより、複数個のバッテリーモジュールの下部面積の一部はベース板110によって支持されるが、残りの面積の部分はベース板110から離れて位置する。この残りの下部面積部は、後述するようにサイドフレームによって支持される。
【0058】
本明細書において、ベース板110が「モジュール搭載領域の一部のみを形成する大きさを有する」という意味は、まず、バッテリーパックの下部に1つのベース板110が設置されるときに、そのベース板の幅がモジュール搭載領域Aの幅より小さく形成されることを基本的に含む。また、
図3および
図4のように、2つのベース板110A、110Bの間にセンターフレーム160が結合され、上記センターフレーム160と両側サイドフレーム140、150との間にモジュール搭載領域Aが位置するときに、2つのベース板110A、110Bのそれぞれが上記モジュール搭載領域Aの一部のみを形成するようにする小さい大きさ(幅)を有する場合も含む。すなわち、本明細書においてバッテリーパックを構成するベース板110は、それ自体の幅のみではモジュール搭載領域Aの全体幅を構成せず、他の構成要素(後述するサイドフレームの第1延長部)の幅と合わせて初めて全体モジュール搭載領域を形成することになる。
【0059】
一方、上記ベース板110の長さ(Y方向長さ)は、バッテリーパック100のY方向長さと同じであり得る。
【0060】
上記前方フレーム120は、左右方向(X方向)に長く延長され、高さ方向(Z方向)に立てられた形態を有し得る。上記前方フレーム120の下面は上記ベース板110の上面と結合され得る。また、上記前方フレーム120の左右端部側の下面は、後述するサイドフレームの第1延長部の上面と結合され得る。前方フレーム120は、高さ方向に延長される前方カバー部121と、上記前方カバー部の下部から前方に突出する前方プレート部122とを備え得る。上記前方プレート部122は、車両などの構造物に固定結合され得る。
【0061】
後方フレーム130は、左右方向(X方向)に長く延長され、高さ方向(Z方向)に立てられた形態を有し得る。上記後方フレーム130の下面は上記ベース板110の上面と結合され得、また、後方フレーム130の左右端部側の下面は後述するサイドフレームの第1延長部の上面と結合され得る。後方フレーム130は、上記前方フレームと同じまたは異なる形状からなり得る。
図3および
図4では、上記後方フレーム130が高さ方向に延長される後方カバー部131と、上記後方カバー部131の下部から後方に突出する後方プレート部132とを備え、前方フレームと同じ形態になっている。上記後方プレート部132は、車両などの構造物に固定結合され得る。
【0062】
両側サイドフレーム140、150は、前後方向(Y方向)に長く延長された形態を有し得る。上記サイドフレームは、バッテリーモジュールの左側をカバーする第1サイドフレーム140と右側をカバーする第2サイドフレーム150で構成される。1つのベース板がバッテリーパックの下部に備えられる場合に、上記第1サイドフレーム140はベース板の左端部と結合され、上記第2サイドフレーム150はベース板の右端部と結合される。すなわち、サイドフレームはベース板の両側に結合される。
【0063】
または、
図3~
図5のように、センターフレーム160の両側に左右ベース板110A、110Bがそれぞれ結合される場合には、上記第1サイドフレーム140は左側ベース板110Aの左端部に結合され、上記第2サイドフレーム150は右側ベース板110Bの右端部に結合され得る。
【0064】
これにより、本発明は、バッテリーモジュールの前側、後側、左側、右側をカバーし得るように、前方フレーム120と、後方フレーム130と、第1サイドフレーム140と、第2サイドフレーム150と、を備える。
【0065】
上記第1サイドフレーム140は、バッテリーモジュールと対向する側壁部141と、上記側壁部下部から(左側)ベース板110Aに向かって延長される第1延長部142と、を含む。上記第2サイドフレーム150もバッテリーモジュールと対向する側壁部151と、上記側壁部下部から(右側)ベース板110Bに向かって延長される第1延長部152と、を含む。本発明の特徴的な点は、上記第1延長部142、152が上記左右側のベース板の側面にそれぞれ結合されてベース板と共にモジュール搭載領域Aを形成することである。すなわち、上記第1サイドフレーム140、第2サイドフレーム150の第1延長部142、152は、バッテリーモジュール下部面積の少なくとも一部を支持するように、ベース板110に向かって所定の長さほど延長される。これにより、上記第1延長部142、152の上部面の少なくとも一部と、上記ベース板110A、110Bの上部面が共にモジュール搭載領域Aを形成する。図示されたように、ベース板110A、110Bの幅は、上記第1延長部142、152の幅より大きいため、ベース板に支持されるバッテリーモジュール下部面積が第1延長部によって支持されるモジュール下部面積より大きい。上記第1延長部142、152は、ベース板より相対的に小さい面積のモジュール下部面を支持する。しかしながら、ベース板とサイドフレームが共に、具体的には、サイドフレームの第1延長部142、152とベース板110A、110Bが共にバッテリーモジュールの荷重を支持するので、バッテリーモジュールを安定的に支持し得るようになる。
【0066】
上記第1サイドフレーム140に備えられる第1延長部142と、第2サイドフレーム150に備えられる第1延長部152の長さは、互いに同じであり得る。すなわち、各側壁部下部からベース板に向かって延長される各第1延長部142、152の延長長さ(所定の長さ)は互いに同じであり得る。この場合、第1サイドフレーム140、第2サイドフレーム150の間に単一のベース板が位置し得る。
【0067】
ベース板と第1延長部の好適な荷重分散のために、上記第1サイドフレーム140と第2サイドフレーム150との間で延長される単一のベース板の長さの1/2と上記各第1延長部142、152の所定の長さの比の範囲は6:4~9:1であり得る。例えば、その長さの比が6:4未満であると、第1延長部の長さが大きくなりすぎて第1サイドフレームの重量が大きくなり、第1サイドフレームの溶接作業が煩雑になり得る。また、その長さの比が9:1より大きいと、第1延長部の長さが小さくなりすぎてモジュールの荷重分散効果が半減し得る。
【0068】
一方、
図3~
図5に開示されたように、第1サイドフレーム140と第2サイドフレーム150との間に大きさが同じである2つのベース板110A、110Bが位置し得る。この場合には、各ベース板と第1延長部の好適な荷重分散のために、対応するサイドフレームに延長される各ベース板110A、110Bの長さ(X方向長さ)と上記所定の長さの比の範囲は6:4~9:1であり得る。
【0069】
上記第1サイドフレーム140、第2サイドフレーム150は、バッテリーパックの外側方向に延長される第2延長部143、153をそれぞれ備える。上記第2延長部143、153は、バッテリーパック100が設置される構造物、例えば車両に固定支持される部分である。すなわち、上記第2延長部143、153は、車両への締結点を備える。第2延長部143、153は車両に直接締結されるので、第1延長部142、152に比べて荷重をより多く受ける。したがって、安定的にバッテリーパックを車両に締結および固定するために、上記第2延長部143、153は、上記第1延長部142、152より厚い厚さに形成される。
【0070】
図6には、本発明のバッテリーパックによる荷重分散効果が示されている。
図6において、右側ベース板110Bの右側面と第2サイドフレーム150の第1延長部152の一側面が結合されている。上記結合は、例えば溶接によって行い得る。第2サイドフレーム150の第2延長部153は、車両などの構造物に固定結合される。
【0071】
上記ベース板110Bの上面と第1延長部152の上面は、同じ高さの平面を形成するようにベース板の右側面と第1延長部の側面が結合される。したがって、バッテリーモジュールは、同じ高さの平坦な平面上で安定的に支持され得る。
図6のように、バッテリーモジュールMの下部面の大部分は、ベース板110Bの上面によって支持されるが、下部面の一側は第1延長部152の上面によって支持される。すなわち、バッテリーモジュールMの下部面がベース板110Bと第1延長部152の上部面にわたって均等に支持されるので、バッテリーモジュールの荷重はベース板と第1延長部によって共に支持される。また、ベース板とサイドフレームの結合部位が
図1のようにベース板の側部終端側に偏重して配置されず、ベース板内側に向かって所定の長さほど延長された第1延長部152の端部側に位置するので、バッテリーモジュールの荷重が均一に分散され得る。したがって、従来のようにバッテリーモジュールの荷重が集中されることを防止し得る。このとき、上記第2延長部153は構造物に固定されて、バッテリーモジュールの荷重と反対方向の応力を受けるが、第1延長部152より厚い厚さに形成されているので、その応力に十分に耐えることができる。
【0072】
このように、本発明によると、サイドフレーム140、150の第1延長部142、152とベース板110が共にモジュール搭載領域Aを形成することにより、バッテリーモジュールの荷重を均一に分散させ得る。したがって、従来のようにベース板を補強するための別途の補強構造物を設置する必要はない。また、ベース板の幅も従来のように長く形成する必要がなく、サイドフレームが荷重を分散して負担するほどベース板の厚さも薄くし得る。これにより、ベース板などのバッテリーパックの構造を簡素化し得る。また、後述するように、ベース板を冷却一体型に構成すれば、バッテリーパックの構造をよりコンパクトに構成し得る。
【0073】
図6では、右側ベース板110Bと第2サイドフレーム150の結合構造を図示したが、左側ベース板110Aと第1サイドフレーム140の結合構造も同一である。
【0074】
図7は、本発明に係るベース板とサイドフレームの結合構造の他の例を示す概略図である。
図7には、ベース板110Bの側面とそれに結合される第2サイドフレーム150の第1延長部152の側面に互いに噛み合う形状の段差部115、155がそれぞれ形成されている。すなわち、右側ベース板110Bの右側面が2つの垂直面と、2つの垂直面との間に配置された水平面で構成された段差部115を備える。また、第1延長部152の左側面も2つの垂直面とその間に配置される水平面で構成され、上記ベース板の段差部115に噛み合う形状の段差部155を備えている。ベース板110Bと第1延長部152の結合時に、上記ベース板の段差部115の水平面と第1延長部の段差部155の水平面が相接して互いに荷重を負担するので、
図5の例よりさらに効率的にモジュールの荷重を分散させ得る。また、上記段差部115、155の対向する垂直面同士を結合するときに、上記垂直面の上端と下端を溶接することにより、ベース板110Bと第2サイドフレーム150の第1延長部152を容易に結合し得る。
【0075】
一方、
図6および
図7のように、ベース板110Bおよび第1延長部152上に搭載されるバッテリーモジュールMは、上記サイドフレームの側壁部151と締結部材180により締結され得る。上記締結部材180によるモジュール締結は様々な技術的意味を有する。第1は、上記バッテリーモジュールMを締結部材180によって側壁部151に固定することにより、バッテリーパック100内の設定されたモジュール搭載領域Aにバッテリーモジュールを正確に位置させ得るという点である。第2は、上記バッテリーモジュールMをサイドフレームの側壁部151に締結することにより、車両運転時に振動が発生した場合にもバッテリーモジュールがバッテリーパック内のモジュール搭載領域A内を移動せず、安定的に維持され得るという点である。最後に、締結部材180でバッテリーモジュールを側壁部に固定することにより、バッテリーモジュールMの荷重をさらに分散させ得るという点である。この場合、バッテリーモジュールの荷重は、ベース板110B、サイドフレームの側壁部151および第1延長部152によって分散支持されるので、荷重集中の問題を極力回避し得るという長所がある。
【0076】
図3~
図5を参照すると、本実施形態のバッテリーパック100は、左右のベース板110A、110Bの間にセンターフレーム160をさらに含む。上記センターフレーム160は、複数個のバッテリーモジュールMを左右に区画する役割を果たし、前方フレーム120から後方フレーム130に延長されて上記ベース板110に結合される。バッテリーモジュールMは、上記センターフレーム160とサイドフレーム140、150の側壁部141、151との間に搭載される。すなわち、センターフレーム160とサイドフレームの側壁部との間にモジュール搭載領域が形成される。上記左右のベース板110A、110Bは、それぞれ第1サイドフレーム140、第2サイドフレーム150の第1延長部142、152と結合され、上記モジュール搭載領域Aは、上記サイドフレームの第1延長部141、151の少なくとも一部の上部面と上記ベース板の上部面となる(
図5参照)。
【0077】
上記センターフレーム160は、垂直隔壁部161と、上記垂直隔壁部の下部から左右に延長されて左右のベース板110A、110Bとそれぞれ結合される水平延長部162と、を有し得る。上記水平延長部162とベース板110A、110Bの対向する側面を溶接すると、センターフレーム160と左右ベース板110A、110Bを結合し得る。上記水平延長部162の上面とベース板110A、110Bの上面は同一平面上に位置する。すなわち、水平延長部162とベース板110A、110Bの上面は平坦な面を形成するので、バッテリーモジュールを平坦な面上で安定的に支持し得る。この場合、上記水平延長部162も上記ベース板110A、110Bと第1延長部142、152と共にモジュール搭載領域を形成し得る。上述したように、本発明において「ベース板がモジュール搭載領域の一部のみを形成する大きさを有する」という技術的思想には、センターフレームの水平延長部がモジュール搭載領域の一部を形成する
図3および
図4の場合も含む。
【0078】
本実施形態では、上記センターフレーム160が水平延長部162を備えているが、水平延長部を備えない場合も可能である。すなわち、センターフレームが垂直隔壁部161のみで形成され、上記左右のベース板が上記垂直隔壁部の下部両側面に結合することも可能である。
【0079】
本実施形態のバッテリーパック100はまた、各バッテリーモジュールを区画するためのサイドビーム170をさらに含む。サイドビーム170は、センターフレーム160の垂直隔壁部161と両側のサイドフレーム140、150との間に延長設置される。すなわち、垂直隔壁部161と第1サイドフレーム140との間、および垂直隔壁部161と第2サイドフレーム150との間に複数個のサイドビーム170がそれぞれ設置される。上記サイドビーム170で区画されるバッテリーパックの下部面がモジュール搭載領域Aとなる。
【0080】
上記センターフレーム160とサイドビーム170の配置形態に応じて、バッテリーパック内での複数個のバッテリーモジュールの配置形態が決定される。本実施形態では、バッテリーモジュールが互いに対向するように4列に配置されている。しかしながら、バッテリーモジュールの配置形態はこれに限定されるものではなく、センターフレーム160および/またはサイドビーム170の配置形態に応じて他の形態にバッテリーモジュールを配列することも可能である。いずれの場合も、バッテリーモジュールが搭載されるモジュール搭載領域Aは、ベース板110とサイドフレームの第1延長部142、152上に形成される。
図5に図示されたように、センターフレームの水平延長部の上部面もモジュール搭載領域に含まれ得る。モジュールMをサイドフレームの側壁部151に密接に位置させる場合には、第1延長部152の上面のほぼ全部がモジュール搭載領域Aに含まれる。通常は絶縁距離確保のために、
図5および
図6のように、モジュールMと側壁部151は所定の距離ほど離隔する。この場合には、モジュールが置かれる第1延長部152の上部面の一部がモジュール搭載領域Aに含まれる。いずれの場合も、本発明では、第1延長部152はモジュール下部面の一部の面積を安定的に支持し、これによってモジュールの荷重を均一に分散し得る。
【0081】
図3~
図5の実施形態では、サイドフレーム140、150がバッテリーモジュールの左側および右側に配置される場合を開示した。しかしながら、バッテリーパックの設計に応じて、バッテリーモジュールの前方および後方側にサイドフレームを配置することもできる。この場合は、バッテリーモジュールの左側および右側に
図3~
図5の前方および後方フレームに該当するフレームを設置し得る。
【0082】
また、本実施形態では、バッテリーパックの両側に配置されたサイドフレームが第1延長部を有する場合を説明している。しかしながら、場合によっては、上記両側のサイドフレームはもちろんであり、バッテリーパックの側壁を形成するすべてのフレーム、すなわち、
図3の前方フレームおよび後方フレームまで含めてベース板に向かう第1延長部を備え得る。この場合に、上記ベース板はその幅のみならず、長さも上記第1延長部の延長長さほど小さくなり得る。この場合に、各サイドフレームと前方フレームまたは後方フレームが重なる角部では、各フレームの第1延長部の長さが異なり得る。例えば、第1サイドフレーム140の第1延長部142は、バッテリーパックの長手方向(Y方向)に沿って長く延長されるが、上記前方フレーム120に形成される第1延長部はバッテリーパックの幅方向(X方向)に沿って延長され、かつ上記第1サイドフレーム140の第1延長部142がある部分までは延長されないように形成し得る。
【0083】
その他に、上記ベース板とモジュールとの間には、絶縁パッドやサーマルレジンなどの熱伝導性樹脂層などが介在され得る。
【0084】
図8は、本発明に係るバッテリーパックの製造過程を示す概略図である。
【0085】
図1のような従来のバッテリーパックの製造時には、バッテリーパックの骨格フレームを作った後に、ベース板を上記骨格フレームの下部に結合した。これにより、上記ベース板と骨格フレームが接合されるバッテリーパックの側端部に荷重が集中されることは上述した通りである。また、従来は、ベース板を骨格フレームに接合する前に別途の冷却パネルを結合していたので構造が複雑であった。
【0086】
一方、本発明の一実施形態に係る複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックの製造方法は、上記モジュール搭載領域Aの一部のみを形成する大きさを有するベース板110の両側面に上記ベース板に向かって延長され、上記ベース板と共にモジュール搭載領域Aを形成する両側サイドフレーム140、150の第1延長部142、152の側面をそれぞれ結合する段階と、上記ベース板110および第1延長部142、152の前端部および後端部に前方フレーム120および後方フレーム130をそれぞれ結合する段階と、上記第1延長部142、152の少なくとも一部の上部面と上記ベース板110の上部面とを含むモジュール搭載領域Aに複数個のバッテリーモジュールMを搭載する段階と、を含む。
【0087】
すなわち、本発明の一実施形態のバッテリーパックの製造方法は、まず、ベース板110 A,110Bの両側面に両側サイドフレーム(第1サイドフレーム140、第2サイドフレーム150)を結合する。ベース板が1つで構成される場合には、第1サイドフレーム140、第2サイドフレーム150が備えたそれぞれの第1延長部142、152をベース板110の両側面にそれぞれ結合する。このとき、上記ベース板110は、モジュール搭載領域Aの一部のみを形成する大きさを有し、上記第1延長部142、152が上記ベース板110と共にモジュール搭載領域を形成する。
【0088】
次に、上記ベース板110の前端部および後端部に前方フレーム120および後方フレーム130をそれぞれ結合する。この場合、上記ベース板の左端部および右端部には、第1サイドフレーム140、第2サイドフレーム150の第1延長部142、152が位置し、上記前方フレーム120および後方フレーム130の左端および後端は、上記第1サイドフレーム140、第2サイドフレーム150の第1延長部142、152にそれぞれ結合される。
【0089】
その後、上記第1延長部142、152の少なくとも一部の上部面と上記ベース板の上部面とを含むモジュール搭載領域Aに複数個のバッテリーモジュールを搭載する。上記バッテリーモジュールMは、上記ベース板の他に第1延長部142、152によって下部面の一部が支持され、上記ベース板と第1延長部の結合点はバッテリーパックの内側に所定の長さが延長された第1延長部142、152の終端に位置するので、バッテリーモジュールの負荷が偏重せず均一に分散され得る。
【0090】
また、本発明の他の実施形態に係るバッテリーパックの製造方法は、複数個のバッテリーモジュールが収容されるモジュール搭載領域を有するバッテリーパックの製造方法であって、センターフレーム160の両側にベース板110A、110Bをそれぞれ配置し、上記両側のベース板110A、110Bと上記センターフレーム160を結合する段階と、上記センターフレームの一側のベース板110Aに向かって延長され、上記一側のベース板110Aと共にモジュール搭載領域を形成する一側サイドフレーム140の第1延長部142と上記一側のベース板110Aを結合する段階と、上記センターフレームの他側のベース板110Bに向かって延長され、上記他側のベース板110Bと共にモジュール搭載領域を形成する他側サイドフレーム150の第1延長部152と上記他側のベース板110Bを結合する段階と、上記一側および他側のサイドフレームの第1延長部142、152と上記両側のベース板110A、110Bの前端部および後端部に前方フレーム120および後方フレーム130をそれぞれ結合する段階と、上記第1延長部142、152の少なくとも一部の上部面と上記ベース板の上部面とを含むモジュール搭載領域Aに複数個のバッテリーモジュールMを搭載する段階と、を含む。
【0091】
本実施形態は、センターフレーム160とセンターフレームの左右側に2つのベース板110A、110Bを備えた場合の製造方法である。したがって、ベース板110A、110Bと第1延長部142、152の結合前に、センターフレーム160とベース板110A、110Bの結合作業が先行する。すなわち、センターフレーム160の両側に(左右)ベース板110A、110Bをそれぞれ配置し、上記両側のベース板とセンターフレームを結合する。
【0092】
その後、センターフレーム160の一側(左側)のベース板110Aの左側面に第1サイドフレーム140の第1延長部142を結合する。
【0093】
次に、センターフレーム160の他側(右側)のベース板110Bの右側面に第2サイドフレーム150の第1延長部152を結合する。
【0094】
上記第1サイドフレーム、第2サイドフレームとベース板の結合順序は逆にも行い得る。
【0095】
ベース板と第1サイドフレーム、第2サイドフレームの結合が完了した後に、上記第1サイドフレーム、第2サイドフレームの第1延長部142、152の前端部および後端部、そして両側ベース板110A、110Bの前端部および後端部に前方フレーム120および後方フレーム130をそれぞれ結合する。
【0096】
最後に、上記第1延長部142、152の少なくとも一部の上部面と上記ベース板110A、110Bの上部面とを含むモジュール搭載領域に複数個のバッテリーモジュールを搭載する。
【0097】
一方、ベース板と第1サイドフレーム、第2サイドフレームの結合が完了した段階で、上記センターフレームと第1サイドフレーム、第2サイドフレームとの間に複数個のサイドビーム170を締結する作業を行い得る。サイドビームの締結後、上記前方フレーム120および後方フレーム130をベース板110A、110Bおよびサイドフレーム140、150に結合する段階を行い得る。あるいは、前方フレームおよび後方フレームをベース板およびサイドフレームに最初に締結して
図5のような形態のフレームを作った後に、上記サイドビームを結合することも可能である。
【0098】
(第2実施形態)
図9は、本発明の他の実施形態のバッテリーパックを示す分解斜視図であり、
図10は、本発明の他の実施形態のバッテリーパックを示す結合斜視図であり、
図11は、
図9の実施形態に係るベース板とサイドフレームの結合構造の例を示す概略図である。
【0099】
本実施形態は、上記ベース板210A、210Bおよびサイドフレーム240、250のうち少なくとも1つが外壁Wと、上記外壁で囲まれた内部空間Hとを備えている。また、上記内部空間Hは、上記外壁Wから延長される複数個の区画壁Pによって分割されて複数個の中空チャネルを形成し得る。
【0100】
例えば、上記ベース板210A、210Bおよび/またはサイドフレーム240、250を内部に空き空間が形成されるようにアルミニウムなどの金属素材を押出して中空状のフレームに製作し得る。このようにフレームを中空状に構成することによって、バッテリーパック200の重量を減らし、エネルギー効率を高めることができる。また、上記内部空間にリブ状の区画壁Pを形成すると、フレームの機械的剛性を信頼性のあるレベルに維持し得る。
【0101】
中空チャネルは、サイドフレーム240、250、ベース板210A、210Bのいずれか片方あるいは両方に形成され得る。
【0102】
この場合、
図11のように、サイドフレーム240、250の第1延長部242、252、側壁部241、251および第2延長部243、253のいずれにも中空チャネルが形成され得る。
【0103】
ベース板210A、210Bに複数個の中空チャネルを形成すれば、重量を減らし得るのみならず、この空間を冷却流路設置部として活用し得る。すなわち、従来のようにベース板とは別途の冷却パネルを設置するのではなく、冷却流路がベース板に統合された冷却一体型のベース板として構成することによって、バッテリーパックの下部構造をさらに簡素にし得る。
【0104】
図9および
図11を参照すると、左右のベース板210A、210Bの複数個の中空チャネルが長手方向(Y方向)に延長され、各中空チャネルに第1冷却流路214が設置されている。第1冷却流路214の方向および配置形態は、中空チャネルの方向および配置形態によって決定される。したがって、上記中空チャネルが幅方向(X方向)に形成されれば、第1冷却流路214も幅方向に設置される。
【0105】
この場合、上記サイドフレームの第1延長部242、252も中空チャネルを有し得、上記中空チャネルに第2冷却流路244、254を設置し得る。
図11を参照すると、ベース板210Bの第1冷却流路214と同様に、第1延長部252の中空チャネルにも第2冷却流路254が長手方向に沿って延長設置されたことが図示されている。すなわち、上記第1冷却流路214、第2冷却流路244、254は、いずれもバッテリーパックの長手方向に延長される冷媒流通路を形成する。
【0106】
本実施形態においても、第1延長部242、252による荷重分散効果は達成される。すなわち、
図11に図示されたように、ベース板210Bの一側面に向かって延長されたサイドフレーム250の第1延長部252が上記ベース板210Bと結合される。本実施形態では、ベース板210Bと第1延長部252の結合側面に互いに噛み合う形状の段差部215、255がそれぞれ形成されている。したがって、バッテリーモジュールの荷重をより均一に分散させ得る。また、本実施形態は、ベース板210Bおよびサイドフレーム250がいずれも中空チャネルを備えた軽い押出フレームになっているので、バッテリーパックの荷重を減らし得る。さらに、ベース板およびサイドフレームの中空チャネル内に第1冷却流路と第2冷却流路とを備えた冷却一体型の構造にしているので、別途の冷却パネルを設置する必要がない。
【0107】
図9を再び参照すると、本実施形態の前方フレーム220および後方フレーム230は、上記第1冷却流路214および第2冷却流路244、254と連通する第3冷却流路224、234を備えている。具体的には、上記前方フレーム220は、前方カバー部221と、上記前方カバー部221の下部に設置され、第3冷却流路224を備えた前方プレート部222と、を備えている。上記前方プレート部222の第3冷却流路224を第1冷却流路、第2冷却流路と連通させ得るように、上記前方プレート部222の後面には上記第1冷却流路、第2冷却流路と連通する連通孔225が形成される。また、上記前方プレート部222の後面上端と下端には、ベース板210A、210Bおよび第1延長部242、252と結合されるための結合突出部226が備えられ得る。上記結合突出部226を上記ベース板210A、210Bおよび第1延長部242、252の上面と下面に接触させて溶接することにより、前方フレーム220をベース板および第1延長部に結合させ得る。
【0108】
後方フレーム230も、後方カバー部231と、上記後方カバー部の下部に設置され、第3冷却流路234を備えた後方プレート部232と、を備えている。上記後方プレート部の第3冷却流路234を第1冷却流路、第2冷却流路と連通させ得るように、上記後方プレート部232の前面には上記第1冷却流路、第2冷却流路と連通する連通孔235が形成される。また、上記後方プレート部232の前面上端と下端には、ベース板および第1延長部と結合されるための結合突出部236が備えられ得る。上記結合突出部236を上記ベース板210A、210Bおよび第1延長部242、252の上面と下面に接触させて溶接することにより、後方フレーム230をベース板および第1延長部に結合させ得る。
【0109】
上記前方プレートおよび後方プレートにそれぞれ備えられた第3冷却流路224、234は、上記ベース板の中空チャネルに設置された第1冷却流路214、および第1延長部の中空チャネルに設置された第2冷却流路244、254とそれぞれ連通する。
【0110】
図12は、このような
図10のバッテリーパックの冷却経路の一例を示す概略図である。
図12のように、上記前方プレート220の前面に冷媒注入口Iおよび冷媒排出口Oが形成され得る。すなわち、バッテリーパック200の前面側に冷媒注入口Iと冷媒排出口Oをいずれも形成し得る。あるいは、後方プレート230の後面に冷媒注入口Iおよび冷媒排出口Oを形成することもできる。
【0111】
図示されたように、冷媒注入口Iに注入された冷媒(例えば水)が、前方フレーム220の第3冷却流路224および連通孔225を介してベース板の一側の第1冷却流路214と第2サイドフレーム250の第1延長部252の第2冷却流路254に導入される。上記冷媒は、バッテリーパックの長手方向に沿って流れ、後方フレーム230の連通孔235を介して第3冷却流路234に至る。その後、上記冷媒は、後方フレーム230の第3冷却流路から戻り、ベース板の他側の第1冷却流路214および第1サイドフレーム240の第1延長部242の第2冷却流路244を介して前方フレーム220の冷媒排出口Oに戻る冷却経路を形成する。
【0112】
図13は、バッテリーパックの冷却経路の他の例を示す概略図である。
【0113】
本例では、前方フレーム220に冷媒注入口Iが備えられ、後方フレーム230に冷媒排出口Oが備えられている。
【0114】
この場合は、前方フレーム220の冷媒注入口I-前方フレーム220の第3冷却流路224-ベース板の第1冷却流路214および第1延長部252の第2冷却流路254-後方フレーム230の第3冷却流路234-ベース板の第1冷却流路214-前方フレームの第3冷却流路224-ベース板の第1冷却流路214および第1延長部242の第2冷却流路244-後方フレーム230の第3冷却流路234-冷媒排出口Oの冷却経路を形成し得る。
【0115】
以上のように、本発明は、ベース板およびサイドフレームの第1延長部に冷却流路を設置することにより、多様な経路で冷却経路を形成し得る。
【0116】
一方、上記バッテリーパックは、バッテリーモジュールの上部を覆って上記サイドフレームに結合されるパックカバー(図示せず)を含み得る。
【0117】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能であろう。したがって、本発明に開示された図面は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0118】
100、200:バッテリーパック
110、210:ベース板
110A、210A:左側ベース板
110B、210B:右側ベース板
120、220:前方フレーム
121、221:前方カバー部
122、222:前方プレート部
130、230:後方フレーム
131、231:後方カバー部
132、232:後方プレート部
140、240:第1サイドフレーム
141、241:側壁部
142、242:第1延長部
143、243:第2延長部
150、250:第2サイドフレーム
151、251:側壁部
152、252:第1延長部
153、253:第2延長部
160、260:センターフレーム
161、261:垂直隔壁部
162、262:水平延長部
170、270:サイドビーム
M:バッテリーモジュール
A:モジュール搭載領域
214:第1冷却流路
244、254:第2冷却流路
224、234:第3冷却流路
【国際調査報告】