(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-04
(54)【発明の名称】電池ラック管理装置およびその動作方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240927BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20240927BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J1/00 306F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523766
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 KR2022016835
(87)【国際公開番号】W WO2023080580
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150004
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ヒョン・ハム
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
5G165CA01
5G165CA05
5G165EA02
5G165FA05
5G165HA07
5G165JA07
5G165NA01
5G165NA02
5G165NA03
5G165NA05
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
(57)【要約】
本文書に開示される一実施形態に係る電池ラック管理装置は、複数の電池ラックそれぞれと接続される複数の電源スイッチと、前記複数の電源スイッチのうち少なくともいずれか1つをターンオン(turn on)させ、前記複数の電池ラックに基づく出力値を用いて、前記複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御する制御部と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池ラックそれぞれと接続される複数の電源スイッチと、
前記複数の電源スイッチのうち少なくともいずれか1つをターンオン(turn on)させ、前記複数の電池ラックに基づく出力値を用いて、前記複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御する制御部と、
を含む、電池ラック管理装置。
【請求項2】
前記複数の電池ラックと前記複数の電源スイッチを接続する複数のスイッチングラインに流れる電流値を検知する第1検知部をさらに含み、
前記制御部は、前記複数のスイッチングラインに流れる電流値に基づいて、前記複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御する、請求項1に記載の電池ラック管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電流値が設定値に対応するように、前記複数の電源スイッチそれぞれのターンオンタイムまたはスイッチングデューティを制御する、請求項2に記載の電池ラック管理装置。
【請求項4】
前記設定値は、前記第1検知部が検知した前記電流値の平均値である、請求項3に記載の電池ラック管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記複数のスイッチングラインのうち、電流値が前記設定値未満であるスイッチングラインに接続された電源スイッチのターンオンタイムまたはスイッチングデューティを増加させ、
前記複数のスイッチングラインのうち、電流値が前記設定値より大きいスイッチングラインに接続された電源スイッチのターンオンタイムまたはスイッチングデューティを減少させる、請求項3に記載の電池ラック管理装置。
【請求項6】
前記複数の電源スイッチと第1ノードで接続されるインダクタと、
一端が前記インダクタと第2ノードで接続され、他端が第3ノードと接続される制御スイッチと、をさらに含む、請求項1に記載の電池ラック管理装置。
【請求項7】
一端が前記第1ノードと接続され、他端が前記第3ノードと接続される第1ダイオードと、
一端が前記第2ノードと接続され、他端が第4ノードと接続される第2ダイオードと、
一端が前記第4ノードと接続され、他端が前記第3ノードと接続され、負荷と接続されるキャパシタと、をさらに含む、請求項6に記載の電池ラック管理装置。
【請求項8】
前記キャパシタに印加される電圧値を検知する第2検知部をさらに含み、
前記制御部は、前記電圧値に基づいて、前記複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御する、請求項7に記載の電池ラック管理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記キャパシタに印加される電圧値が基準値未満である場合に、前記複数の電源スイッチのターンオンタイムを増加させる、請求項8に記載の電池ラック管理装置。
【請求項10】
複数の電池ラックそれぞれと接続される複数の電源スイッチ、および前記電源スイッチと接続された制御部を含む電池ラック管理装置の動作方法であって、
前記制御部が、前記複数の電源スイッチのうち少なくともいずれか1つをターンオン(turn on)させるステップと、
前記制御部が、前記複数の電池ラックに基づく出力値を用いて、前記複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御するステップと、
を含む、電池ラック管理装置の動作方法。
【請求項11】
前記電池ラック管理装置は、複数の電池ラックと前記複数の電源スイッチを接続する複数のスイッチングラインに接続される第1検知部をさらに含み、
前記電池ラック管理装置の動作方法は、
前記第1検知部が、前記複数のスイッチングラインに流れる電流値を検知するステップと、
前記制御部が、前記電流値が設定値に対応するように、前記複数の電源スイッチそれぞれのターンオンタイムまたはスイッチングデューティを制御するステップと、をさらに含む、請求項10に記載の電池ラック管理装置の動作方法。
【請求項12】
前記設定値は、前記第1検知部が検知した前記電流値の平均値である、請求項11に記載の電池ラック管理装置の動作方法。
【請求項13】
前記電池ラック管理装置は、前記複数の電源スイッチと接続されるインダクタと、前記インダクタと接続される制御スイッチと、前記インダクタと接続されるキャパシタと、前記キャパシタに接続される第2検知部と、をさらに含み、
前記電池ラック管理装置の動作方法は、
前記第2検知部が、前記キャパシタに印加される電圧値を検知するステップと、
前記制御部が、前記電圧値に基づいて、前記複数の電源スイッチそれぞれのターンオンタイムを制御するステップと、をさらに含む、請求項10に記載の電池ラック管理装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年11月03日付けの韓国特許出願第10-2021-0150004号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本文書に開示された実施形態は、電池ラック管理装置およびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
地球温暖化による気候変化および各種化石燃料の枯渇により、再生可能エネルギーに対する重要性がさらに大きくなっている。しかし、再生可能エネルギーの大半は自然エネルギーに基づくため、出力の変動が激しく、発電量の調節が容易でないという短所がある。実際、太陽光や風力を用いた再生可能エネルギーは、間歇的にエネルギーを得ることができるため、得られたエネルギーを消費パターンと一致させるのに困難を抱えている状況である。したがって、再生可能エネルギーが広範囲に活用されるためには、間歇的に発生するエネルギーを貯蔵しておき、安定的にエネルギーを供給するための手段であるエネルギー貯蔵システム(ESS:Energy Storage System)が必要である。
【0004】
エネルギー貯蔵システムは、発電電力を貯蔵し、需要パターンに合わせて電力を安定的に供給できるシステムであり、発電所で過剰生産された電力を貯蔵しておき、一時的に電力が不足するときに送電する貯蔵装置をいう。エネルギー貯蔵システムは、エネルギーを貯蔵しておき、必要なときに使えるだけでなく、電力が不足した空間に貯蔵されたエネルギーを送るか、または電力会社に販売することもできる。エネルギー貯蔵システムは、直列、並列、または直列-並列に接続された複数の電池ラックを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エネルギー貯蔵システムの電池ラックが並列に接続されて負荷に接続される場合、持続的な充電または放電により、接続された複数の電池ラックの使用状態(例えば、電圧値、充電量、または寿命など)に差が発生し得、このため、電池ラックから出力される電流に不均衡が発生し得る。出力電流の不均衡は、特定の電池ラックに電流を集中させ、電池の寿命を短縮させるか、またはエネルギー貯蔵システムの容量を減少させ、システムを不安定にする原因となり得る。
【0006】
電池ラックの出力の不均衡を解決するために、一般的に、電池ラックの出力を個別調整するためのコンバータは、各電池ラックごとに接続して使用される。ただし、複数の電池ラックごとに個別的にコンバータを使用しなければならないため、体積および費用が増加するという問題があり、複数のコンバータそれぞれを制御するのに困難があるという問題があった。
【0007】
上記の発明の背景技術および上記の解決しようとする課題において従来技術として説明された事項は、本発明に対する理解を増進させるためのものにすぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既知の従来技術に該当することを認めるものとして受け入れてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本文書に開示される一実施形態に係る電池ラック管理装置は、複数の電池ラックそれぞれと接続される複数の電源スイッチと、前記複数の電源スイッチのうち少なくともいずれか1つをターンオン(turn on)させ、前記複数の電池ラックに基づく出力値を用いて、前記複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御する制御部と、を含むことができる。
【0009】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置は、前記複数の電池ラックと前記複数の電源スイッチを接続する複数のスイッチングラインに流れる電流値を検知する第1検知部をさらに含み、前記第1検知部が検知した電流値に基づいて、複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御することができる。
【0010】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置は、前記複数のスイッチングラインに流れる電流値が設定値に対応するように、前記複数の電源スイッチそれぞれのターンオンタイムまたはスイッチングデューティを制御することができる。
【0011】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置は、前記設定値を前記第1検知部が検知した前記電流値の平均値にすることができる。
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置は、前記複数のスイッチングラインのうち、電流値が前記設定値未満であるスイッチングラインに接続された電源スイッチのターンオンタイムまたはスイッチングデューティを増加させ、前記複数のスイッチングラインのうち、電流値が前記設定値より大きいスイッチングラインに接続された電源スイッチのターンオンタイムまたはスイッチングデューティを減少させることができる。
【0012】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置は、前記複数の電源スイッチと第1ノードで接続されるインダクタと、一端が前記インダクタと第2ノードで接続され、他端が第3ノードと接続される制御スイッチと、をさらに含むことができる。
【0013】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置は、一端が前記第1ノードと接続され、他端が前記第3ノードと接続される第1ダイオードと、一端が前記第2ノードと接続され、他端が第4ノードと接続される第2ダイオードと、一端が前記第4ノードと接続され、他端が前記第3ノードと接続され、負荷と接続されるキャパシタと、をさらに含むことができる。
【0014】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置は、前記キャパシタに印加される電圧値を検知する第2検知部をさらに含み、前記電圧値に基づいて、前記複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御することができる。
【0015】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置は、前記キャパシタに印加される電圧値が基準値未満である場合に、前記複数の電源スイッチのターンオンタイムを増加させることができる。
【0016】
本文書に開示される一実施形態に係る、複数の電池ラックそれぞれと接続される複数の電源スイッチ、および前記電源スイッチと接続された制御部を含む電池ラック管理装置の動作方法は、前記制御部が、前記複数の電源スイッチのうち少なくともいずれか1つをターンオン(turn on)させるステップと、前記制御部が、前記複数の電池ラックに基づく出力値を用いて、前記複数の電源スイッチそれぞれの動作を制御するステップと、を含むことができる。
【0017】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置の動作方法は、第1検知部が前記複数の電池ラックと前記複数の電源スイッチを接続する複数のスイッチングラインに流れる電流値を検知するステップと、前記制御部が前記複数の電源スイッチそれぞれのターンオンタイムまたはスイッチングデューティを制御するステップと、をさらに含むことができる。
【0018】
一実施形態に係る、前記電池ラック管理装置の動作方法は、前記設定値を前記第1検知部が検知した前記電流値の平均値にすることができる。
一実施形態に係る、前記複数の電源スイッチと接続されるインダクタと、前記インダクタと接続される制御スイッチと、前記インダクタと接続されるキャパシタと、前記キャパシタに接続される第2検知部と、をさらに含む前記電池ラック管理装置の動作方法は、前記第2検知部が前記キャパシタに印加される電圧値を検知するステップと、前記電圧値に基づいて、前記複数の電源スイッチそれぞれのターンオンタイムを制御するステップと、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本文書の開示に係る電池ラック管理装置は、電流の不均衡による電池の寿命短縮、エネルギー貯蔵システムの容量減少、またはエネルギー貯蔵システムの不安定性の問題を解決することができる。
【0020】
本文書の開示に係る電池ラック管理装置は、単一装置として複数の電池ラックに共通に接続されることができるため、エネルギー貯蔵システムに追加される装置の体積を最小化することができる。
【0021】
本文書の開示に係る電池ラック管理装置は、複数の電池ラックに共通に接続されることができるため、複数の電池ラックごとに装置を追加具備するために必要な費用を最小化することができる。
【0022】
本文書の開示に係る電池ラック管理装置は、複数の電池ラックに共通に接続され、複数の電池ラックそれぞれを独立に制御することができるため、エネルギー貯蔵システムの制御のための設計を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置、複数の電池ラック、および負荷を示す図である。
【
図2】本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置を示す回路図である。
【
図3】本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置の動作を説明するための図である。
【
図4a】本文書に開示された一実施形態に係る第1検知部が検知した電流値に基づく電池ラック管理装置の動作を説明するための図である。
【
図4b】本文書に開示された一実施形態に係る第1検知部が検知した電流値に基づく電池ラック管理装置の動作を説明するための図である。
【
図4c】本文書に開示された一実施形態に係る第1検知部が検知した電流値に基づく電池ラック管理装置の動作を説明するための図である。
【
図5】本文書に開示された一実施形態に係る第2検知部が検知した電圧値に基づく電池ラック管理装置の動作を説明するための図である。
【
図6】本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置の動作方法を示すフローチャートである。
【
図7a】本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置の動作方法をより具体的に示すフローチャートである。
【
図7b】本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置の動作方法をより具体的に示すフローチャートである。
【
図7c】本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置の動作方法をより具体的に示すフローチャートである。
【0024】
図面の説明と関連し、同一または類似の構成要素に対しては、同一または類似の参照符号が用いられてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の多様な実施形態が添付図面を参照して記載される。ただし、これは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の実施形態の多様な変更(modification)、等価物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解しなければならない。
【0026】
本文書の多様な実施形態およびそれに用いられた用語は、本文書に記載された技術的特徴を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の多様な変更、等価物、または代替物を含むものと理解しなければならない。図面の説明と関連し、類似または関連の構成要素に対しては、類似の参照符号が用いられてもよい。アイテムに対応する名詞の単数形は、関連の文脈上、明らかに他を指示しない限り、前記アイテムを1つまたは複数含んでもよい。
【0027】
本文書において、「AまたはB」、「AおよびBのうち少なくとも1つ」、「AまたはBのうち少なくとも1つ」、「A、B、またはC」、「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」、および「A、B、またはCのうち少なくとも1つ」のような語句それぞれは、その語句のうち該当する語句に共に羅列された項目のうちいずれか1つ、またはこれらの全ての可能な組み合わせを含んでもよい。「第1」、「第2」、「1番目」、「2番目」、「A」、「B」、「(a)」、または「(b)」のような用語は、単に当該構成要素を他の当該構成要素と区分するために用いられてもよく、特に反対の記載がない限り、当該構成要素を他の側面(例えば、重要性または順序)で限定しない。
【0028】
本文書において、ある(例えば、第1)構成要素が他の(例えば、第2)構成要素に、「機能的に」または「通信可能に」という用語とともに、またはこのような用語なしに、「連結」、「結合」、または「接続」されると言及されたか、または「coupled」または「connected」と言及された場合、これは、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に(例えば、有線で)、無線で、または第3構成要素を介して接続されてもよいことを意味する。
【0029】
一実施形態によると、本文書に開示された多様な実施形態に係る方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されてもよい。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者および購買者の間に取引されてもよい。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取り可能なストレージ媒体(例えば、compact disc read only memory(CD-ROM))の形態で配布されるか、またはアプリケーションストアを介してまたは2つのユーザ装置間に直接、オンラインで配布(例えば、ダウンロードまたはアップロード)されてもよい。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造会社のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリのような機器で読み取り可能なストレージ媒体に少なくとも一時的に格納されるか、または臨時的に生成されてもよい。
【0030】
多様な実施形態によると、前記記述した構成要素それぞれの構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は、単数または複数の個体を含んでもよく、複数の個体のうち一部は、他の構成要素に分離配置されてもよい。多様な実施形態によると、前述した当該構成要素のうち1つ以上の構成要素または動作が省略されるか、または1つ以上の他の構成要素または動作が追加されてもよい。代替的にまたは追加的に、複数の構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は、1つの構成要素に統合されてもよい。この場合、統合された構成要素は、前記複数の構成要素それぞれの構成要素の1つ以上の機能を、前記統合前に前記複数の構成要素のうち当該構成要素により行われるものと同一または類似に行ってもよい。多様な実施形態によると、モジュール、プログラム、または他の構成要素により行われる動作は、順次に、並列的に、反復的に、またはヒューリスティックに実行されるか、前記動作のうち1つ以上が他の順序に実行されるか、省略されるか、または1つ以上の他の動作が追加されてもよい。
【0031】
図1は、本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置、複数の電池ラック、および負荷を示す図である。
図1を参照すると、電池ラック10は、互いに並列接続される複数の電池ラック1、2、3、4を含むことができる。電池ラック10は、複数のスイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4を介して電池ラック管理装置100と接続されることができる。実施形態によると、第1電池ラック1は、第1スイッチングラインL
1を介して、第2電池ラック2は、第2スイッチングラインL
2を介して、第3電池ラック3は、第3スイッチングラインL
3を介して、第4電池ラック4は、第4スイッチングラインL
4を介して、それぞれ電池ラック管理装置100と接続されることができる。例えば、
図1では電池ラック管理装置100に接続可能な複数の電池ラック10の個数が4個であるものと示されているが、これに限定されず、電池ラック管理装置100は、n個(nは2以上の自然数)の電池ラックと接続可能に構成されることができる。複数の電池ラック1、2、3、4は、同時にまたは異なる時に電池ラック管理装置100と接続されることができる。電池ラック10は、電池ラック管理装置100に電源を供給することができる。
【0032】
電池ラック管理装置100は、負荷20と接続されることができる。電池ラック管理装置100は、複数の電池ラック1、2、3、4から伝達される電源を負荷20に伝達することができる。実施形態によると、電池ラック管理装置100は、コンバータとして動作することができる。
【0033】
電池ラック管理装置100は、複数の電池ラック1、2、3、4それぞれと接続される複数のスイッチングラインL1、L2、L3、L4に流れる電流の電流値を検知することができる。電池ラック管理装置100は、検知される電流値に基づいて、複数の電池ラック1、2、3、4の出力の均衡が維持されるか否かを判断することができる。電池ラック管理装置100は、検知される電流に基づいて、複数の電池ラック1、2、3、4の出力を調節することができる。
【0034】
電池ラック管理装置100は、負荷20に伝達される電圧値を検知することができる。電池ラック管理装置100は、負荷20に伝達される電圧値が事前に設定された基準値以上であるか否かを判断することができる。電池ラック管理装置100は、検知される電圧値に基づいて、複数の電池ラック1、2、3、4の出力を調節することができる。本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置100の具体的な構成および動作については、以下の
図2~
図7cの説明を参照することができる。
【0035】
図2は、本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置を示す回路図である。
図2を参照すると、電池ラック管理装置100は、電源スイッチ110、インダクタ120、制御スイッチ130、第1ダイオード140、第2ダイオード150、キャパシタ160、第1検知部170、第2検知部180、および/または制御部190を含むことができる。
【0036】
電源スイッチ110は、複数の電源スイッチ111、112、113、114を含むことができる。電源スイッチ110は、複数のスイッチングラインL1、L2、L3、L4を介して電池ラック10と接続されることができる。実施形態によると、第1電源スイッチ111は、第1スイッチングラインL1を介して第1電池ラック1と接続され、第2電源スイッチ112は、第2スイッチングラインL2を介して第2電池ラック2と接続され、第3電源スイッチ113は、第3スイッチングラインL3を介して第3電池ラック3と接続され、第4電源スイッチ114は、第4スイッチングラインL4を介して第4電池ラック4と接続されることができる。実施形態によると、電源スイッチ110は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)素子で構成されることができる。
【0037】
インダクタ120は、複数の電源スイッチ111、112、113、114と第1ノードn1で接続されることができる。実施形態によると、インダクタ120は、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのドレイン端子と第1ノードn1で接続されることができる。
【0038】
制御スイッチ130は、一端がインダクタ120と第2ノードn2で接続され、他端が第3ノードn3と接続されることができる。実施形態によると、制御スイッチ130は、MOSFET素子で構成されることができる。
【0039】
第1ダイオード140は、一端が第1ノードn1と接続され、他端が第3ノードn3と接続されることができる。実施形態によると、第1ダイオード140は、カソード(cathode)端が第1ノードn1と接続され、アノード(anode)端が第3ノードn3と接続されることができる。
【0040】
第2ダイオード150は、一端が第2ノードn2と接続され、他端が第4ノードn4と接続されることができる。実施形態によると、第2ダイオード150は、アノード(anode)端が第2ノードn2と接続され、カソード(cathode)端が第4ノードn4と接続されることができる。
【0041】
キャパシタ160は、一端が第3ノードn3と接続され、他端が第4ノードn4と接続されることができる。キャパシタ160は、負荷20と接続されることができる。実施形態によると、キャパシタ160は、負荷20と並列に接続されることができる。
【0042】
第1検知部170は、複数のスイッチングラインL1、L2、L3、L4それぞれと接続されることができる。
第2検知部180は、キャパシタ160に接続されることができる。実施形態によると、第2検知部180は、キャパシタ160と並列に接続されることができる。
【0043】
制御部190は、電源スイッチ110、第1検知部170、および/または第2検知部180と接続されることができる。実施形態によると、制御部190は、プロセッサ(processor)やCPU(central processing unit)のようなハードウェア装置であるか、またはハードウェア装置により実現されるプログラムであってもよい。例えば、制御部190に含まれた構成は、それぞれ個別的な装置(または、プログラム)として実現されるか、または1つの統合されたモジュールとして実現されてもよい。多様な実施形態によると、制御部190は、第1検知部170および/または第2検知部180を構成として含むことができる。
【0044】
以下、電池ラック管理装置100に含まれた構成の動作を中心に説明する。
第1検知部170は、スイッチングラインL1、L2、L3、L4の電流値iswを検知することができる。第1検知部170は、スイッチングラインL1、L2、L3、L4で検知された電流値を制御部190に伝達することができる。
【0045】
第2検知部180は、キャパシタ160に印加される電圧値を検知することができる。実施形態によると、第2検知部180によりキャパシタ160で検知された電圧値は、負荷20に伝達される電圧値と同一であることができる。第2検知部は、キャパシタ160で検知された電圧値を制御部190に伝達することができる。
【0046】
制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114のうち少なくともいずれか1つをターンオン(turn on)またはターンオフ(turn off)させることができる。この際、制御部190は、制御スイッチ130を共にターンオンまたはターンオフさせることができる。実施形態によると、制御部190が複数の電源スイッチ111、112、113、114のうち少なくとも1つの電源スイッチおよび制御スイッチ130をターンオンさせた場合、ターンオンされた電源スイッチと接続された電池ラック(例えば、1、2、3、および/または4)、ターンオンされた電源スイッチ(例えば、111、112、113、および/または114)、インダクタ120、および制御スイッチ130は、閉回路を形成することができる。例えば、制御部190が第1電源スイッチ111および制御スイッチ130をターンオンさせた場合、第1電池ラック1、第1電源スイッチ111、インダクタ120、および制御スイッチ130は、閉回路を形成することができる。この際、第1ダイオード140および/または第2ダイオード150は、逆方向バイアス(reverse bias)されることができる。他の実施形態によると、制御部190が複数の電源スイッチ111、112、113、114および制御スイッチ130をターンオフ(turn off)させた場合、インダクタ120、第1ダイオード140、第2ダイオード150、およびキャパシタ160は、閉回路を形成することができる。
【0047】
制御部190は、第1検知部170から伝達された電流値に基づいて、複数の電池ラック1、2、3、4の出力を調節することができる。制御部190は、複数の電池ラック1、2、3、4の出力を調節するために、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンおよび/またはターンオフ動作を制御するか、または複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのスイッチングデューティを制御することができる。この際、制御部190は、制御スイッチ130のターンオンおよび/またはターンオフ動作を共に制御するか、またはスイッチングデューティを共に制御することができる。
【0048】
制御部190は、第1検知部170から伝達された電流値が既に設定された設定値に対応するか否かを判断することができる。制御部190は、複数のスイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4に流れる各電流の電流値が設定値に対応するように、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれおよび/または制御スイッチ130のターンオンタイム、ターンオフタイム、および/またはスイッチングデューティを制御することができる。制御部190は、設定値を設定することができる。実施形態によると、制御部190は、複数のスイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4の各電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4の平均値に設定されることができる。制御部190が、第1検知部170から伝達された電流値i
swに基づいて、複数の電源スイッチ111、112、113、114および/または制御スイッチ130を制御する具体的な動作については、
図4a、
図4b、および
図4cにおいて後述する。
【0049】
制御部190は、第2検知部180から伝達された電圧値に基づいて、複数の電池ラック1、2、3、4の出力を調節することができる。制御部190は、複数の電池ラック1、2、3、4の出力を調節するために、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンおよび/またはターンオフ動作を制御することができる。この際、制御部190は、制御スイッチ130のターンオンおよび/またはターンオフ動作を共に制御することができる。実施形態により、制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのスイッチングデューティを同一に制御することができる。例えば、制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオン動作およびターンオフ動作を制御する際に、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのターンオンタイムおよびターンオフタイムを調節するが、この際、調節前後のターンオンタイムおよびターンオフタイムの割合を同一に維持することができる。
【0050】
制御部190は、第2検知部180から伝達された電圧値が、事前に設定された基準値以上であるか否かを判断することができる。制御部190は、キャパシタ160に印加される電圧値が基準値以上になるように、複数の電源スイッチ111、112、113、114および/または制御スイッチ130のターンオンタイムおよび/またはターンオフタイムを制御することができる。実施形態によると、複数の電池ラック10が出力する電圧値がVinと同一であり、複数の電源スイッチ110のスイッチングデューティがDと同一であれば、基準値は、<数学式1>のように設定されることができる。
【0051】
【0052】
制御部190が、第2検知部180から伝達された電圧値に基づいて、複数の電源スイッチ111、112、113、114および/または制御スイッチ130を制御する具体的な動作については、
図5において後述する。
【0053】
図3は、本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置の動作を説明するための図である。
図3を参照すると、電池ラック管理装置100の制御部190は、複数の電源スイッチ110のうち少なくともいずれか1つをターンオン(turn on)させることができる。実施形態によると、制御部190は、第1電源スイッチ111、第2電源スイッチ112、第3電源スイッチ113、および第4電源スイッチ114を順次ターンオンさせることができる。実施形態によると、制御部190は、複数の電源スイッチ110のうちいずれか1つの電源スイッチをターンオンさせた間に、制御スイッチ130を共にターンオンさせることができる。
【0054】
制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114全体のスイッチング周期をTに設定し、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオン/ターンオフ動作を繰り返すように制御することができる。この際、制御部190は、0~t1の時間の間に第1電源スイッチ111および制御スイッチ130をターンオンさせ、t2~t3の時間の間に第2電源スイッチ112および制御スイッチ130をターンオンさせ、t4~t5の時間の間に第3電源スイッチ113および制御スイッチ130をターンオンさせ、t6~t7の時間の間に第4電源スイッチ114および制御スイッチ130をターンオンさせ、t1~t2、t3~t4、t5~t6、t7~Tの時間の間に複数の電源スイッチ111、112、113、114および制御スイッチ130をターンオフさせることができる。
【0055】
制御部190が複数の電源スイッチ111、112、113、114のうちいずれか1つの電源スイッチおよび制御スイッチ130をターンオンさせた間に、ターンオンされた電源スイッチと接続されたスイッチングラインに流れる電流値iswは、電池ラック管理装置100のインダクタ120に流れる電流値iLと同様に増加することができる。例えば、制御部190が0からt1まで第1電源スイッチ111および制御スイッチ130をターンオンさせた場合、0~t1の時間の間に第1スイッチングラインL1に流れる電流値isw1は、インダクタ120に流れる電流値iLと同様に増加することができる。
【0056】
制御部190が複数の電源スイッチ111、112、113、114および制御スイッチ130をターンオフさせた間に、第1ダイオード140または第2ダイオード150に流れる電流値iDは、電池ラック管理装置100のインダクタ120に流れる電流値iLと同様に減少することができる。例えば、制御部190がt1~t2、t3~t4、t5~t6、t7~Tの時間の間に、複数の電源スイッチ111、112、113、114および制御スイッチ130を全てターンオフさせた場合、第1ダイオード140または第2ダイオード150に流れる電流値iDは、インダクタ120に流れる電流値iLと同様に減少することができる。
【0057】
制御部190が複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれをターンオンさせた際に、各スイッチングラインL1、L2、L3、L4で検知される電流値isw1、isw2、isw3、isw4は、互いに均衡をなす状態であることができる。実施形態によると、制御部190が第1電源スイッチ111、第2電源スイッチ112、第3電源スイッチ113、または第4電源スイッチ114をそれぞれ制御スイッチ130と共にターンオンさせた際に、第1スイッチングラインL1、第2スイッチングラインL2、第3スイッチングラインL3、および/または第4スイッチングラインL4に流れる電流値isw1、isw2、isw3、isw4の各平均値が同一であることができる。例えば、0~t1の時間の間に第1スイッチングラインL1に流れた電流値isw1の平均値は、t2~t3の時間の間に第2スイッチングラインL2に流れた電流値isw2の平均値、t4~t5の時間の間に第3スイッチングラインL3に流れた電流値isw3の平均値、および/またはt6~t7の時間の間に第4スイッチングラインL4に流れた電流値isw4の平均値と同一であることができる。他の例として、制御部190が第1電源スイッチ111、第2電源スイッチ112、第3電源スイッチ113、または第4電源スイッチ114をそれぞれ制御スイッチ130と共にターンオンさせた際に、第1スイッチングラインL1、第2スイッチングラインL2、第3スイッチングラインL3、および/または第4スイッチングラインL4に流れる電流値isw1、isw2、isw3、isw4のピーク(peak)値が同一であるか、または特定の時間が経過した際の電流値が同一であることができる。
【0058】
制御部190は、第1検知部170から各スイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4の電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4の伝達を受けることができる。各スイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4の電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4が均衡をなしていない場合、制御部190は、各電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4が均衡状態に至るように、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれおよび/または制御スイッチ130のターンオンタイムを増加、減少、または維持させるように制御することができる。この際、制御部190がターンオンタイムを制御することで、複数の電源スイッチ110それぞれおよび/または制御スイッチ130のスイッチングデューティが増加、減少、または維持されることができる。制御部190が、第1検知部170から伝達された電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4に基づいて、複数の電源スイッチ110および/または制御スイッチ130のターンオンタイムおよび/またはスイッチングデューティを増加、減少、または維持させる具体的な方法については、
図4a、
図4b、および
図4cにおいて後述する。
【0059】
制御部190は、第2検知部180からキャパシタ160に印加される電圧値の伝達を受けることができる。制御部190は、第2検知部180から伝達された電圧値が基準値未満である場合、複数の電源スイッチ111、112、113、114および制御スイッチ130のターンオンタイムを増加させることができる。制御部190は、各複数の電源スイッチ111、112、113、114および制御スイッチ130のターンオンタイムを増加させた割合と同一の割合でターンオフタイムを増加させることで、スイッチングデューティを維持することができる。制御部190が、第2検知部180から伝達された電圧値に基づいて、複数の電源スイッチ111、112、113、114および/または制御スイッチ130のターンオンタイムを増加させる具体的な方法については、
図5において後述する。
【0060】
図4a、
図4b、および
図4cは、本文書に開示された一実施形態に係る第1検知部が検知した電流値に基づく電池ラック管理装置の動作を説明するための図である。
【0061】
図4aを参照すると、制御部190は、設定値を第1値および第2値の平均値に設定することができる。制御部190は、各スイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4で検知される電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4それぞれの平均値が設定値に対応するように電源スイッチ110の動作を制御することができる。
【0062】
制御部190が第1電源スイッチ111をターンオンさせた間0~t1に第1スイッチングラインL1に流れる電流値isw1の平均値は、設定値と同一であることができる。制御部190が第2電源スイッチ112をターンオンさせた間t2~t3に第2スイッチングラインL2に流れる電流値isw2の平均値と、制御部190が第4電源スイッチ114をターンオンさせた間t6~t7に第4スイッチングラインL4に流れる電流値isw4の平均値は、設定値未満であることができる。制御部190が第3電源スイッチ113をターンオンさせた間t4~t5に第3スイッチングラインL3に流れる電流値isw3の平均値は、設定値より大きくてもよい。この際、制御部190は、複数のスイッチングラインL1、L2、L3、L4に流れる電流値の均衡が維持されるように、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのターンオンタイムおよび/またはターンオフタイムを調節することができる。
【0063】
図4bを参照すると、制御部190は、第1スイッチングラインL
1に流れる電流値i
sw1の平均値が設定値と同一であると判断し、第1スイッチングラインL
1に接続された第1電源スイッチ111のターンオンタイムを維持することができる。この際、制御部190は、第1電源スイッチ111のターンオフタイムも共に維持することで、第1電源スイッチ111のスイッチングデューティを維持することができる。
【0064】
制御部190は、第2スイッチングラインL2に流れる電流値isw2の平均値が設定値未満であると判断し、第2スイッチングラインL2に接続された第2電源スイッチ112のターンオンタイムをt2~t3’に増加させることができる。
【0065】
制御部190は、第3スイッチングラインL3に流れる電流値isw3の平均値が設定値を超過すると判断し、第3スイッチングラインL3に接続された第3電源スイッチ113のターンオンタイムをt4’~t5’に減少させることができる。
【0066】
制御部190は、第4スイッチングラインL4に流れる電流値isw4の平均値が設定値未満であると判断し、第4スイッチングラインL4に接続された第4電源スイッチ114のターンオンタイムをt6’~t7’に増加させることができる。
【0067】
制御部190が複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのターンオンタイムを増加、減少、または維持させる場合、ターンオフタイムは維持することで、各電源スイッチ111、112、113、114のスイッチングデューティを増加、減少、または維持させることができる。すなわち、制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのターンオフタイムを下記のように同一に制御することができる。
ターンオフタイム=t1~t2=t3~t4=t3’~t4’=t5~t6=t5’~t6’=t7~T=t7’~T
【0068】
制御部190は、複数の電源スイッチそれぞれのターンオンタイムを増加、減少、または維持させることで、複数の電源スイッチ110全体のオン/オフ動作を繰り返す全体スイッチング周期をT’に調整することができる。
【0069】
図4cを参照すると、制御部190は、
図4bにおいてT’に調整された全体スイッチング周期を既存のスイッチング周期Tに再調整するために、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンタイムおよびターンオフタイムを同一の割合で縮小することができる。制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンタイムおよびターンオフタイムを同一の割合で縮小することで、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのスイッチングデューティを縮小前と同一に維持させることができる。この際、複数のスイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4に流れる電流値は、互いの均衡を維持することができる。
【0070】
図5は、本文書に開示された一実施形態に係る第2検知部が検知した電圧値に基づく電池ラック管理装置の動作を説明するための図である。
【0071】
図5を参照すると、電池ラック管理装置100に含まれた複数の電源スイッチ111、112、113、114および制御スイッチ130が
図3のように動作する場合、第2検知部180が検知したキャパシタ160の電圧値は、事前に設定された基準値未満であることができる。
【0072】
制御部190は、電池ラック管理装置100が負荷20に伝達する電圧値が基準値以上になるように、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンタイムを増加させることができる。制御部190は、全体スイッチング周期をTからT’’に増加させるために、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンタイムを
【0073】
【0074】
の割合で増加させることができる。この際、制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114全てのターンオンタイムを増加させることができる。
【0075】
制御部190が複数の電源スイッチ111、112、113、114のうち一部だけのターンオンタイムを増加させるのは、複数の電池ラック10の出力の不均衡を引き起こし得る。制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンタイムを増加させた割合と同一の割合で、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオフタイムを増加させることができる。制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのターンオンタイムおよびターンオフタイムの増加前後のスイッチングデューティを同一に維持させることができる。
【0076】
図6は、本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置の動作方法を示すフローチャートである。
図6を参照すると、電池ラック管理装置100の動作方法は、電池ラック管理装置100に含まれた複数の電源スイッチ111、112、113、114のうちいずれか1つをターンオンさせるステップ(S100)と、複数の電池ラック1、2、3、4に基づく出力値を用いて、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれの動作を制御するステップ(S110)と、を含むことができる。
【0077】
S100ステップにおいて、電池ラック管理装置100に含まれた複数の電源スイッチ111、112、113、114が複数の電池ラック1、2、3、4とそれぞれ複数のスイッチングラインL1、L2、L3、L4を介して接続できるように、電池ラック管理装置100に含まれた制御部190が、複数の電源スイッチ111、112、113、114のうちいずれか1つをターンオンさせることができる。S100ステップにおいて複数の電源スイッチ111、112、113、114のうちいずれか1つをターンオンさせる場合、電池ラック管理装置100に含まれた制御スイッチ130を共にターンオンさせることができる。
【0078】
S110ステップにおいて、電池ラック管理装置100が、複数の電池ラック1、2、3、4に基づく出力を用いて複数の電源スイッチ111、112、113、114のうち少なくともいずれか1つをターンオン(turn on)またはターンオフ(turn off)するように、複数の電源スイッチ111、112、113、114の動作を制御することができる。この際、電池ラック管理装置100は、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれおよび制御スイッチ130のオン/オフ動作を共に制御することができる。実施形態によると、複数の電池ラック1、2、3、4に基づく出力とは、本文書の開示に係る電池ラック管理装置100が検知した複数のスイッチングラインL1、L2、L3、L4の電流に該当するか、または負荷20および/またはキャパシタ160に伝達される出力電圧値に該当することができる。第1検知部170は、複数のスイッチングラインL1、L2、L3、L4に流れる電流値を検知することができる。第2検知部180は、キャパシタ160に伝達される電圧値を検知することができる。第2検知部180が検知したキャパシタ160の電圧値は、負荷20に伝達される電圧値と同一であることができる。
【0079】
図7a、
図7b、および
図7cは、本文書に開示された一実施形態に係る電池ラック管理装置の動作方法をより具体的に示すフローチャートである。
図7a、
図7b、および
図7cに示された動作は、
図6に示されたS110ステップの例示であることができる。
【0080】
図7aを参照すると、電池ラック管理装置100は、複数の電池ラック10それぞれの出力電流に基づいて、複数の電源スイッチ111、112、113、114のスイッチングデューティを調節することができる。電池ラック管理装置100は、複数の電池ラック1、2、3、4から出力される各電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4を検知するために、複数の電池ラック1、2、3、4と複数の電源スイッチ111、112、113、114が連結された各スイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4の電流値を検知することができる(S111)。この際、電池ラック管理装置100に含まれた第1検知部170は、検知された電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4を制御部190に伝達することができる。S111ステップにおいて第1検知部170が検知した電流値に基づいて、制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのターンオンタイムおよび/またはスイッチングデューティを調節することができ、この際、制御スイッチ130のターンオンタイムおよび/またはスイッチングデューティも共に調節することができる。
【0081】
電池ラック管理装置100は、複数のスイッチングラインL1、L2、L3、L4それぞれに既に設定された設定値未満の電流値isw1、isw2、isw3、isw4が検知されるか否かを確認することができる(S112)。制御部190は、設定値未満の電流値が検知されるスイッチングラインに連結された電源スイッチのターンオンタイムを増加させることができる(S113)。制御部190は、ターンオンタイムが増加した電源スイッチのターンオフタイムを維持させることができる。この際、ターンオンタイムが増加した電源スイッチのスイッチングデューティは増加することができる。制御部190は、電源スイッチのターンオンタイムを増加させた間に、制御スイッチ130のターンオンタイムを共に増加させることができる。
【0082】
制御部190は、S112ステップにおいて設定値以上の電流値が検知されたスイッチングラインL1、L2、L3、L4の電流値が設定値を超過するか否かを確認することができる(S114)。制御部190は、設定値より大きい電流値が検知されるスイッチングラインに連結された電源スイッチのターンオンタイムを減少させることができる(S115)。制御部190は、ターンオンタイムが減少した電源スイッチのターンオフタイムを維持させることができる。この際、ターンオンタイムが減少した電源スイッチのスイッチングデューティは減少することができる。制御部190は、電源スイッチのターンオンタイムを減少させた間に、制御スイッチ130のターンオンタイムを共に減少させることができる。
【0083】
制御部190は、S112およびS114ステップを介して設定値と同一の電流値が検知されると判断したスイッチングラインに連結された電源スイッチのターンオンタイムおよびターンオフタイムを維持させることができる。この際、制御部190は、制御スイッチ130のターンオンタイムおよびターンオフタイムを共に維持させることができる。
【0084】
図7bを参照すると、電池ラック管理装置100は、負荷20に伝達される電圧値に基づいて、電源スイッチ110のスイッチングデューティを調節することができる。第2検知部180は、キャパシタ160に印加される電圧値を検知することができる(S116)。負荷20に伝達される電圧値は、キャパシタ160に印加される電圧値と同一であることができる。第2検知部180は、キャパシタ160に印加される電圧値を検知して制御部190に伝達することができる。制御部190は、第2検知部180から伝達されたキャパシタ160の電圧値に基づいて、電源スイッチ110それぞれのターンオンタイムおよびターンオフタイムを調節することができる。この際、制御部190は、制御スイッチ130のターンオンタイムおよびターンオフタイムも共に調節することができる。実施形態によると、制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれおよび/または制御スイッチ130のターンオンタイムおよびターンオフタイムを同一の割合で調節することで、調節前後のスイッチングデューティを維持させることができる。
【0085】
電池ラック管理装置100は、負荷20に伝達される電圧値が基準値未満であるか否かを確認することができる(S117)。制御部190は、負荷20に伝達される電圧値が基準値未満であると判断した場合、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンタイムおよびターンオフタイムを増加させることができる(S118)。この際、制御部190は、制御スイッチ130のターンオンタイムおよびターンオフタイムを共に増加させることができる。実施形態によると、制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンタイムおよびターンオフタイムを同一の割合で増加させることで、ターンオンタイムおよびターンオフタイムの増加前後のスイッチングデューティを維持させることができる。
【0086】
電池ラック管理装置100は、S117ステップにおいて負荷20に伝達される電圧値が基準値以上であると判断した場合、制御部190は、複数の電源スイッチ111、112、113、114および制御スイッチ130のターンオンタイムおよびターンオフタイムを維持させることができる。
【0087】
図7cを参照すると、電池ラック管理装置100は、複数の電池ラック10それぞれの出力電流値および負荷20に伝達される出力電圧値に基づいて、複数の電源スイッチのスイッチングデューティを調節することができる。
【0088】
電池ラック管理装置100は、第1検知部17が、複数の電池ラック10と複数の電源スイッチ110が連結された各スイッチングラインL
1、L
2、L
3、L
4に流れる電流値i
sw1、i
sw2、i
sw3、i
sw4を検知することができる(S200)。S200ステップは、
図7aのS111ステップと実質的に同一であってもよい。電池ラック管理装置100は、S200ステップで検知された電流値が既に設定された設定値未満であるか否かを判断することができる(S210)。S210ステップは、
図7aのS112ステップと実質的に同一であってもよい。制御部190は、S210ステップにおいて設定値未満の電流値が検知されるスイッチングラインに連結された電源スイッチのターンオンタイムおよび/またはスイッチングデューティを増加させることができる(S211)。S211ステップは、
図7aのS113ステップと実質的に同一であってもよい。制御部190は、S210ステップにおいて設定値以上の電流値が検知されるスイッチングラインの電流値が設定値を超過するか否かを判断することができる(S212)。S212ステップは、
図7aのS114ステップと実質的に同一であってもよい。制御部190は、S212ステップにおいて設定値を超過する電流値が検知されるスイッチングラインに連結された電源スイッチのターンオンタイムおよび/またはスイッチングデューティを減少させることができる(S213)。S213ステップは、
図7aのS115ステップと実質的に同一であってもよい。制御部190は、S210ステップおよびS212ステップを介して設定値と同一の電流値が検知されると判断したスイッチングラインの電源スイッチのターンオンタイムおよび/またはスイッチングデューティを維持させることができる。制御部190は、S200、S210、S211、S212、および/またはS213ステップを介して、電池ラック10の出力を均衡が取れるように維持することができる。
【0089】
電池ラック管理装置100は、電池ラック10の出力を均衡が取れるように複数の電源スイッチ111、112、113、114のターンオンタイムまたはスイッチングデューティを増加(S211)、減少(S213)、または維持させた後、キャパシタ160に印加される電圧値を検知することができる(S220)。S220ステップは、
図7bのS116ステップと実質的に同一であってもよい。キャパシタ160に印加される電圧値は、電池ラック管理装置100が負荷20に伝達する電圧値と同一であることができる。制御部190は、第2検知部180が検知したキャパシタ160の電圧値に基づいて、複数の電源スイッチ110のターンオンタイムおよびターンオフタイムを調節することができる。制御部190は、電池ラック10から出力される電流値を均衡に維持し、負荷20に伝達される電圧値が基準値以上になるように電源スイッチ110のターンオンタイムおよびターンオフタイムを増加させることができる(S222)。S222ステップは、
図7bのS118ステップと実質的に同一であってもよい。S222ステップにおいて、制御部190は、電源スイッチ110のターンオンタイムおよびターンオフタイムを同一の割合で増加させることで、複数の電源スイッチ111、112、113、114それぞれのスイッチングデューティを同一に維持させることができる。
【0090】
以上、本文書に開示された実施形態を構成する全ての構成要素が1つに結合するかまたは結合して動作するものと説明されたからといって、本文書に開示された実施形態が必ずしもこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本文書に開示された実施形態の目的の範囲内であれば、その全ての構成要素が1つ以上に選択的に結合して動作してもよい。
【0091】
また、以上に記載された「含む」、「構成する」、または「有する」などの用語は、特に反対の記載がない限り、当該構成要素が内在できることを意味するため、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいものと解釈されなければならない。技術的または科学的な用語を含む全ての用語は、他に定義しない限り、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。辞書に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されなければならず、本文書において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0092】
以上の説明は本文書に開示された技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本文書に開示された実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能である。したがって、本文書に開示された実施形態は本文書に開示された実施形態の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本文書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本文書に開示された技術思想の保護範囲は後述の請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本文書の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0093】
1 第1電池ラック
2 第2電池ラック
3 第3電池ラック
4 第4電池ラック
10 電池ラック
17 第1検知部
20 負荷
100 電池ラック管理装置
110 電源スイッチ
111 第1電源スイッチ
112 第2電源スイッチ
113 第3電源スイッチ
114 第4電源スイッチ
120 インダクタ
130 制御スイッチ
140 第1ダイオード
150 第2ダイオード
160 キャパシタ
170 第1検知部
180 第2検知部
190 制御部
L1 第1スイッチングライン
L2 第2スイッチングライン
L3 第3スイッチングライン
L4 第4スイッチングライン
n1 第1ノード
n2 第2ノード
n3 第3ノード
n4 第4ノード
【国際調査報告】