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特表2024-538145フィトエン含有オレオレジン及び組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】フィトエン含有オレオレジン及び組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20241010BHJP
   A61K 36/062 20060101ALI20241010BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 31/015 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 8/9728 20170101ALI20241010BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241010BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20241010BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241010BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20241010BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K36/062
A61P17/16
A61K31/015
A61K8/9728
A61K9/06
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/20
A61K9/48
A61Q19/00
A61Q19/08
A61Q5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522633
(86)(22)【出願日】2022-10-16
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 IL2022051092
(87)【国際公開番号】W WO2023062640
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/256,588
(32)【優先日】2021-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507137232
【氏名又は名称】ライコード・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オフェル,タル
(72)【発明者】
【氏名】レビー-ニッセンバウム,エトガー
(72)【発明者】
【氏名】サポイニク,マーシャ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイバーマン,オレグ
(72)【発明者】
【氏名】ボンダル,イリーナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA11
4C076AA16
4C076AA22
4C076AA24
4C076AA36
4C076AA49
4C076AA53
4C076AA56
4C076BB01
4C076BB31
4C076CC18
4C083AA031
4C083AA032
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC442
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD412
4C083AD572
4C083CC04
4C083CC05
4C083DD08
4C083DD14
4C083DD15
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083EE12
4C083EE21
4C083FF01
4C087BC05
4C087CA11
4C087CA36
4C087MA13
4C087MA16
4C087MA17
4C087MA23
4C087MA28
4C087MA35
4C087MA37
4C087MA52
4C087MA63
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA89
4C206AA01
4C206AA02
4C206BA02
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA72
4C206MA83
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA89
(57)【要約】
本発明は、フィトエンを10~40%(w/w)の濃度で含む、ブラケスレア・トリスポラ(Blakeslea trispora)から得られる無溶媒非GMOオレオレジンを提供する。さらに、本発明は、前記オレオレジンを含有する組成物、並びに前記オレオレジンを含有する局所剤形及び経口剤形に関する。様々な皮膚状態の処置及び予防における、並びに皮膚の質を改善するための前記組成物及び剤形の使用も開示され、特許請求される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィトエンを10~40%(w/w)の濃度で含む、ブラケスレア・トリスポラから得られる、無溶媒非GMOオレオレジン。
【請求項2】
フィトエン濃度が20~40%(w/w)である、請求項1に記載のオレオレジン。
【請求項3】
フィトエン濃度が20~30%(w/w)である、請求項1に記載のオレオレジン。
【請求項4】
1つ以上のフィトステロールをさらに含む、請求項1に記載のオレオレジン。
【請求項5】
1つ以上のフィトステロールが、エルゴステロールを含む、請求項4に記載のオレオレジン。
【請求項6】
エルゴステロールの濃度が0.5~1%(w/w)の範囲である、請求項5に記載のオレオレジン。
【請求項7】
エルゴステロールの濃度が約0.6%(w/w)である、請求項6に記載のオレオレジン。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のオレオレジンと、シモンドシア・シネンシス(ホホバ)種子油と、を含む、組成物。
【請求項9】
フィトエンの濃度が0.01%~10%(w/w)の範囲である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
フィトエンの濃度が1~2%(w/w)の範囲である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一項に記載の組成物と、1つ以上の製薬に許容される、栄養補助食品的に許容される、又は化粧料的に許容される賦形剤と、を含む、剤形。
【請求項12】
局所投与に適している、請求項11に記載の剤形。
【請求項13】
クリーム、ローション、軟膏、ゲル、フォーム、膏薬、懸濁液、油又は溶液からなる群から選択される、請求項12に記載の剤形。
【請求項14】
前記剤形におけるフィトエンの濃度が0.01~0.5%(w/w)の範囲である、請求項12に記載の剤形。
【請求項15】
経口投与に適している、請求項11に記載の剤形。
【請求項16】
錠剤、カプレット、カプセル、シロップ、油、ソフトゲルカプセル、トローチ錠、チュアブル錠、懸濁液又は溶液からなる群から選択される、請求項15に記載の剤形。
【請求項17】
大気汚染物質に曝露された対象の皮膚を保護する方法であって、フィトエンを含む組成物を、そのような保護を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項18】
UV放射線に曝露された対象の皮膚を保護する方法であって、フィトエンを含む組成物を、そのような保護を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項19】
皮膚の質の1つ以上の態様を改善する方法であって、フィトエンを含む組成物を、そのような保護を必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項20】
皮膚の質の1つ以上の態様の改善が、皮膚の色調の均一化及び平均化、しわの減少、弾力性の向上、自然な皮膚バリア機能の保護、並びに皮膚の外観の改善からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
フィトエンを含む組成物が、請求項6~8のいずれか一項に記載の組成物である、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
フィトエンを含む組成物が、局所適用によって対象に投与される、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
組成物が、請求項12~14のいずれか一項に記載の局所剤形として製剤される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
フィトエンを含む組成物が対象に経口投与される、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
組成物が、請求項15又は16に記載の経口剤形として製剤される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
フィトエンを20~30%(w/w)の濃度で含む、ブラケスレア・トリスポラから得られる無溶媒非GMOオレオレジンであって、
a)カビ種ブラケスレア・トリスポラのphyt 1+/phyt 1-株を培養するステップと;
b)前記培養ブラケスレア・トリスポラからバイオマスを得るステップと;
c)300~450バールの間の操作圧力及び約50℃~65℃の操作温度で実施される超臨界二酸化炭素流体抽出に前記バイオマスを供し、これにより20~30%(w/w)の濃度のフィトエンと、エルゴステロールと、を含むオレオレジンを得るステップと;
を含む方法によって得られる、無溶媒非GMOオレオレジン。
【請求項27】
エルゴステロールの濃度が約0.6%(w/w)である、請求項26に従って得られるオレオレジン。
【請求項28】
請求項1に記載のオレオレジンと、1つ以上の製薬的に許容される、栄養補助食品的に許容される、又は化粧料的に許容される賦形剤と、を含む、剤形。
【請求項29】
経口投与に適している、請求項28に記載の剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高濃度のフィトエンを含むオレオレジン、及び前記フィトエンをホホバ油と一緒に含む組成物に関する。本発明はまた、空気汚染又はUV放射線への曝露によって引き起こされる皮膚病変の予防及び管理における前記フィトエン含有組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フィトエンは、果実の多くの異なる種に見られる、主として無色のカロテノイドである。他の生物活性カロテノイドの生合成における重要な中間体として作用するだけでなく、フィトエン自体は、抗炎症活性、抗酸化活性、及びUV吸収活性を含むいくつかの生物学的特性を有する。これらの特性は、色の欠如と相まって、様々な皮膚状態の処置又は予防に使用するための、フィトエンを含む局所調製物及び化粧料調製物の開発につながった。皮膚の色を明るくする、又は美白するために使用され得るそのような調製物の一例は、US8,398,958に記載されている。
【0003】
フィトエンは、様々な果実種(例えば、トマト)、藻類(例えば、ドゥナリエラ(Dunaliella)種)及びカビを含むいくつかの異なる供給源から得ることができ、その最も注目すべきものはブラケスレア・トリスポラ(Blakeslea trispora)である。
【0004】
ブラケスレア・トリスポラ(B.trispora)は熱帯植物の病原体であるが、動物及びヒトには無害である。この種は、リコペン、β-カロテン、フィトエン及びフィトフルエンなどの重要なカロテノイドを産生することが見出されているので、カロテノイド合成経路を研究するために広く使用されている。さらに、株選択及び増殖条件によって、ウクライナ特許UA85489に記載されているように、ブラケスレア・トリスポラから多量のフィトエンを産生することが可能であることが分かった。さらに、UA86556は、UA85489に記載の株のインキュベーション後にフィトエン含有バイオマスを得る方法を開示している。
【0005】
近年、疾患を引き起こす際の浮遊汚染の役割がますます懸念されている。心臓及び呼吸器の健康に対する大気汚染物質の影響は長い間知られているが、皮膚がしばしばこのような汚染物質によって標的化され、悪影響を受けることが明らかになってきている。したがって、浮遊汚染の増加と、ヒトにおけるざ瘡、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹及び他の皮膚状態の新たな症例の数との間の明確な相関関係が見出された。さらに、浮遊汚染はまた、加速された又は早期の皮膚老化の増悪因子であると考えられる。最後に、空気汚染を様々な皮膚がんの発生率及び/又は重症度に結び付ける知識体系が増大している。
【0006】
浮遊汚染は多くの異なる供給源に由来し得るが、自動車の排気に含有される汚染物質は、そのような汚染への世界人口の非常に大きな割合の日常的な曝露を考慮すると、特に重要である。特に懸念されるのは、ディーゼルエンジンによって排出される排気に含有される汚染物質である。
【0007】
ディーゼル排気は非常に多数の化合物を含有し、その多くは重大な健康リスクに関連している。気相に溶解された化合物によって引き起こされる悪影響に加えて、ディーゼル排気はまた、かなりの濃度のディーゼル排気微粒子(diesel particulate matter)(DPM)を含む。様々な異なるサイズ範囲で存在するこれらの粒子は、肺がん及び他の重篤な肺疾患に関して特に懸念される。しかしながら、最近の研究はまた、皮膚細胞のDPMへの曝露と、様々な皮膚状態(上記のものなど)との間の直接的な関連を示している。さらに、皮膚細胞に対する浮遊粒子状物質(DPMを含む)の影響を説明するいくつかの研究が発表されている。そのような一例は、Ryu et al.[Experimental&Molecular Medicine 51:108;2019]による研究であり、その中で著者らは、浮遊粒子状物質への曝露によって引き起こされるケラチノサイト老化の根底にある生化学的変化を記載している。他の研究では、培養細胞をDPMに曝露した場合の、IL-8を含むサイトカイン及びインターロイキンのレベルの増加も記載されている。したがって、例えば、Reynolds et al.(2011)[Environmental Health Perspective 119(3):332-336]は、上皮細胞がDPMに曝露された場合に見られるIL-8分泌の増加の根底にある生化学的経路を記載している。
【0008】
大気汚染物質、特にディーゼル排気中に見られる汚染物質への曝露によって引き起こされる、又はそれに関連する皮膚状態、並びに日光曝露に関連する皮膚状態を予防、緩和又は処置するために使用され得る安全な天然由来組成物が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8,398,958号明細書
【特許文献2】ウクライナ国特許第85489号明細書
【特許文献3】ウクライナ国特許第86556号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Ryu et al.[Experimental & Molecular Medicine 51:108;2019]
【非特許文献2】Reynolds et al.(2011)[Environmental Health Perspective 119(3):332-336]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一態様では、本発明者らは、以前に得られた濃度よりもはるかに高い(例えば、20~30倍高い)濃度でフィトエンを含む、カビ種ブラケスレア・トリスポラから得られた無溶媒非GMOオレオレジンを製造することが可能であることを発見した。さらに、予想外にも、前記組成物が得られるバイオマスと比較した場合、本開示のオレオレジンにおいてフィトステロールであるエルゴステロールの選択的濃縮があることが見出された。このフィトエン濃縮オレオレジンは、特定の実施形態では、本明細書中下記でより詳細に開示及び記載される組成物及び剤形の調製のための出発材料として使用される。
【0012】
さらなる態様では、本発明者らは、フィトエンと組み合わせてシモンドシア・シネンシス(Simmondsia Chinensis)(ホホバ)種子油を含む組成物が、大気汚染物質(ディーゼル排気微粒子(DPM)など)及びUV放射線によって引き起こされる損傷から皮膚を保護する際の使用、並びに皮膚の質の維持及び改善のために特に有利であることを見出した。
【0013】
したがって、本発明は、主に、フィトエンを10~40%(w/w)の濃度で含む、ブラケスレア・トリスポラから得られる無溶媒非GMOオレオレジンに関する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
好ましい一実施形態では、オレオレジン中のフィトエンの濃度は、20~40%(w/w)の範囲である。
【0015】
別の好ましい実施形態では、オレオレジン中のフィトエンの濃度は、20~30%(w/w)の範囲である。
【0016】
多くの場合、上記で開示されたオレオレジンは、1つ以上のフィトステロールを含むと思われる。オレオレジン中に存在する主要なフィトステロールの1つはエルゴステロールであり、これは一般に約0.5~1%(w/w)の範囲の濃度で存在する。好ましい一実施形態では、エルゴステロール濃度は約0.6%(w/w)である。
【0017】
「約」という用語は、記載された値から最大+/-0.5%異なる濃度が記載された濃度値又は範囲によって定義された範囲内に含まれることを示すために、本開示全体を通して(濃度パーセンテージ値に関して)使用されることに留意されたい。
【0018】
別の態様では、本発明は、フィトエンを20~30%(w/w)の濃度で含む、ブラケスレア・トリスポラから得られる無溶媒非GMOオレオレジンであって、
a)カビ種ブラケスレア・トリスポラ(を培養するステップと;
b)前記培養ブラケスレア・トリスポラからバイオマスを得るステップと;
c)300~450バールの間の操作圧力及び約50℃~65℃の操作温度で実施される超臨界二酸化炭素流体抽出に前記バイオマスを供し、それによりフィトエン含有オレオレジンを得るステップと、
を含む方法によって得られる、又は得ることができる、無溶媒非GMOオレオレジンに関する。
【0019】
好ましくは、上に開示された方法の工程(a)で培養されるブラケスレア・トリスポラカビは、phyt 1+/phyt 1-株である。
【0020】
一般に、この方法によって得られるオレオレジンは、20~30%(w/w)の濃度のフィトエン及び1つ以上のフィトステロールを含む。大部分の実施形態において、1つ以上のフィトステロールは、エルゴステロールを主成分として含む。オレオレジン中のエルゴステロールの濃度は、概して0.5~1%(w/w)の範囲である。好ましい一実施形態では、オレオレジン中のエルゴステロール濃度は約0.6%(w/w)である。
【0021】
さらなる態様では、本発明は、本明細書中上記で開示されるようなフィトエン含有オレオレジンと共に、シモンドシア・シネンシス(ホホバ)から得られた種子油を含む組成物に関する。好ましい一実施形態では、前記組成物中のフィトエンの濃度は、0.01~10%(w/w)の範囲である。特に好ましい実施形態では、フィトエン濃度は1~2%(w/w)の範囲、より好ましくは1~1.5%(w/w)の範囲である。いくつかの好ましい実施形態では、組成物中のフィトエンの濃度は、約1%(w/w)である。
【0022】
なおさらなる態様では、本発明は、上記で開示されたフィトエン含有組成物と共に、1つ以上の製薬的に許容される、栄養補助食品的に許容される、又は化粧料的に許容される賦形剤を含む剤形に関する。
【0023】
別の態様では、本発明は、上記で開示されたフィトエン含有オレオレジンと共に、1つ以上の製薬的に許容される、栄養補助食品的に許容される、又は化粧料的に許容される賦形剤を含む剤形に関する。
【0024】
前記剤形(経口剤形及び局所剤形の両方)に関するさらなる詳細を本明細書中下記に提供する。
【0025】
本発明はまた、皮膚の質を改善若しくは維持する方法及び/又は皮膚形態の環境損傷(例えば、大気汚染物質又はUV放射線に起因するもの)を保護する方法も包含し、前記方法は、それを必要とする対象への上記に開示された組成物又は剤形の投与を含む。好ましい一実施形態では、対象はヒト対象である。これらの方法に関するさらなる詳細を本明細書中下記に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、ブラケスレア・トリスポラ培養物からフィトエンに富むバイオマスを得る方法を要約したフローチャートである。
図2図2は、本発明のフィトエン含有オレオレジンを調製するために使用される様々な方法工程を要約したフローチャートである。
図3図3は、ディーゼル排気微粒子で処理した後の培養ケラチノサイトにおけるIL-8産生の増加、及び培養細胞を本発明のフィトエン組成物の希釈物で処理した場合のこの効果の阻害を示す結果をグラフで表す図である。
図4図4は、ディーゼル排気微粒子への曝露後の培養ケラチノサイトにおける活性酸素種(ROS)レベルに対する、本発明のフィトエン含有組成物の阻害効果を示す棒グラフである。
図5図5は、UVB放射線への曝露後の培養ケラチノサイトにおけるIL-8レベルに対する、本発明のフィトエン含有組成物の阻害効果を示す棒グラフである。
図6図6は、前記細胞を本発明のフィトエン含有組成物の希釈物で処理した場合の、人工皮膚モデルにおける皮膚細胞によるIL-1α産生の阻害を示す結果をグラフで表す図である。
図7図7は、人工皮膚モデルにおけるIL-6産生に対するフィトエン含有組成物希釈物の阻害効果をグラフで示す図である。
図8図8は、本発明の組成物の局所適用によって引き起こされる皮膚の明るさの増加を示すデータを表す図である。
図9図9は、本発明の組成物の局所適用によって引き起こされる皮膚発赤の減少を示すデータを表す図である。
図10図10は、本発明の組成物の局所適用によって引き起こされる皮膚のハリの増加を示すデータを表す図である。
図11図11は、本発明の組成物の局所適用によって引き起こされる皮膚の弾力性の増加を示すデータを表す図である。
図12図12は、本発明の組成物の局所適用によって引き起こされる皮膚の滑らかさの増加を示すデータを表す図である。
図13図13は、本発明の組成物の局所適用後の、様々な皮膚のシワのパラメータの改善を示すデータを表す図である。
図14図14は、本発明の組成物の局所適用によって引き起こされる経表皮水分喪失の減少を示すデータを表す図である。
図15図15は、本発明の組成物の局所適用後の皮膚刺激の減少を示すデータを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書中上記で説明したように、一態様では、本発明は、フィトエンを10~40%(w/w)の濃度で含む、カビ種ブラケスレア・トリスポラから得られる無溶媒非GMOオレオレジンに関する。いくつかの好ましい実施形態では、オレオレジンのフィトエン濃度は、20~30%(w/w)の範囲である。好ましい一実施形態では、オレオレジン中のフィトエン濃度は約20%(w/w)である。
【0028】
「オレオレジン」という用語は、一般に、精油及び/又は脂肪油並びに他の、主に疎水性の化合物を含む半固体(又は粘性液体)抽出物を指すと理解されることに留意されたい。歴史的に、そのようなオレオレジンは、専ら生体物質(例えば、植物材料又は微生物の発酵後に得られるバイオマス)の溶媒抽出及びその後の前記溶媒の除去によって得られてきた。しかしながら、完全に無溶媒組成物に関する本発明の文脈において、オレオレジンは、超臨界流体抽出、好ましくは超臨界二酸化炭素抽出によって得られる。さらに、本明細書中上記のように、オレオレジンは「非GMO」オレオレジンであり、すなわち遺伝子改変生物から得られたものではない。
【0029】
本発明のこの態様のいくつかの実施形態では、オレオレジンは、追加の生物学的に活性な化合物、特にフィトステロールをさらに含む。場合によっては、オレオレジンの主要なフィトステロール成分はエルゴステロールである。
【0030】
本明細書中上記で説明したように、フィトエンに富むバイオマスは、UA85489及びUA86556の教示に従ってブラケスレア・トリスポラ株から得られる。この方法は、図1に提供されるフローチャートに要約されている。
【0031】
次いで、バイオマス(通常、5~7%(w/w)のフィトエン及び約40%~50%の油を含有する)を、300~450バールの間の操作圧力で実施される超臨界二酸化炭素流体抽出に供する。抽出は、約50℃~65℃の温度で実施された。この抽出の後、概して20~30%(w/w)の濃度のフィトエン及び約0.6%(w/w)の濃度のフィトステロールの混合物(その中でエルゴステロールが主成分である)を含有する(本明細書中上記のような)オレオレジンを得た。この方法の概要を図2に表すフロー図に示す。
【0032】
本明細書中上記のように、本発明はまた、フィトエン及びフィトステロールを含む組成物を提供する。好ましい一実施形態では、前記組成物は、1%(w/w)のフィトエン及び0.02%(w/w)のフィトステロールを含む。別の好ましい実施形態では、前記組成物は、0.1%(w/w)のフィトエン及び0.002%のフィトステロールを含む。
【0033】
上に開示された方法の一実施形態では、投与された組成物中に存在するフィトエンは、15-シス-フィトエンを含む。いくつかの実施形態では、前記組成物中のフィトエンの50%(w/w)超が、15-シス-フィトエンである。他の実施形態では、フィトエンの90%(w/w)超が、15-シス-フィトエンである。
【0034】
上記のように、本発明は、上記で開示されたフィトエン含有組成物と共に、1つ以上の製薬的に許容される、栄養補助食品的に許容される、又は化粧料的に許容される賦形剤を含む剤形をその範囲内に含む。前記剤形は、本明細書中下記でより詳細に記載されるように、局所投与又は経口投与のいずれかのために製剤され得る。
【0035】
別の態様では、本発明は、本明細書で開示され、記載されるフィトエン含有オレオレジンと共に、1つ以上の製薬的に許容される、栄養補助食品的に許容される、又は化粧料的に許容される賦形剤を含む剤形を提供する。そのような剤形は、局所投与に適しているように調製され得る。しかしながら、好ましい一実施形態では、このタイプの剤形は経口投与に適している。
【0036】
好ましい一実施形態では、剤形は局所投与(すなわち、対象の皮膚又は粘膜への適用のために)に適している。例えば、前記組成物は、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、フォーム、膏薬、懸濁液、油又は溶液として製剤され得る。代替的又は追加的に、組成物は、皮膚若しくは粘膜表面上に配置される、又は皮膚若しくは粘膜表面上に接着されるのに適したパッド又は他の送達装置に吸着されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、局所剤形は、水中油型又は油中水型エマルジョンなどのエマルジョンとして製剤され得る。他の場合には、疎水性フィトエンを、植物油(例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、トマト油、ホホバ油など)、流動パラフィン又は他の従来の親油性希釈剤(例えば、スクアレン)などの天然起源の生体適合性希釈剤で希釈してもよい。
【0038】
いくつかの好ましい実施形態では、局所剤形中のフィトエンの濃度は、0.01~0.5%(w/w)の範囲である。いくつかの好ましい実施形態では、フィトエン濃度は0.1%である。他の好ましい実施形態では、フィトエン濃度は0.02%(w/w)である。
【0039】
別の実施形態では、本発明の剤形は、本明細書中上記で開示されるように、経口投与に適した剤形である。好ましくは、そのような経口剤形は、錠剤、カプレット、カプセル、トローチ錠、チュアブル錠、懸濁液、シロップ、油又は溶液からなる群から選択される。
【0040】
いくつかの実施形態では、経口組成物は、ソフトゲルカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、経口組成物は、飲料、ショット、グミ又は粉末の形態である。いくつかの実施形態では、経口組成物は、チョコレート、アイスクリームなどの食料品中に混合又は同化される。
【0041】
このような単位剤形は、組成物の安全かつ有効な量を含む。経口投与のための単位剤形の調製物に適した製薬的に許容される担体は、当技術分野において周知である。いくつかの実施形態では、錠剤は、典型的には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロースなどの不活性希釈剤;デンプン、ゼラチン及びスクロースなどの結合剤(hinders);デンプン、アルギン酸及びクロスカルメロースなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びタルクなどの滑沢剤として従来の製薬的に適合性のアジュバントを含む。一実施形態では、二酸化ケイ素などの流動促進剤を使用して、粉末混合物の流動特性を改善することができる。一実施形態では、FD&C染料などの着色剤を外観のために添加することができる。甘味料及び香味剤、例えばアスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント及びフルーツフレーバーは、チュアブル錠のための有用なアジュバントである。カプセルは、典型的には、1つ以上の固体希釈剤を含む。いくつかの実施形態では、担体成分の選択は、味、コスト及び保存安定性などの二次的な考慮事項に依存し、これらは本発明の目的にとって重要ではなく、当業者によって容易に行うことができる。
【0042】
一実施形態では、経口剤形は、所定の放出プロファイルを含む。一実施形態では、本発明の経口剤形は、持続放出性の錠剤、カプセル、トローチ錠又はチュアブル錠を含む。一実施形態では、本発明の経口剤形は、遅延放出性の錠剤、カプセル、トローチ錠又はチュアブル錠を含む。一実施形態では、本発明の経口剤形は、即時放出性の錠剤、カプセル、トローチ錠又はチュアブル錠を含む。一実施形態では、経口剤形は、当業者に公知の医薬活性成分の所望の放出プロファイルに従って製剤される。
【0043】
上記のように、本発明の組成物中に存在するフィトエン及び他の任意選択の活性成分に加えて、本明細書で提供される剤形は、概して、1つ以上の賦形剤をさらに含む。これらには、例えば、増粘剤、湿潤剤、安定剤、着色剤、希釈剤、増量剤、制御放出ポリマーなどが含まれ得る。
【0044】
本発明の組成物を製剤するために使用され得る様々な剤形タイプは、この分野の当業者に周知であり、さらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co,Easton,Pa,USA,21st edition(2006)などの標準的な参考文献において入手可能である。
【0045】
本明細書中上記で説明したように、本発明はまた、皮膚の質を改善若しくは維持する方法及び/又は皮膚形態を環境損傷(例えば、大気汚染物質又はUV放射線に起因するもの)から保護する方法も包含し、前記方法は、それを必要とする対象への上記に開示された組成物又は剤形の投与を含む。
【0046】
したがって、一実施形態では、本発明は、大気汚染物質に曝露された対象の皮膚を保護する方法であって、フィトエンを含む組成物を、そのような保護を必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。典型的には、この実施形態では、本発明の組成物又は前記組成物を含有する剤形は、予防措置として、又はディーゼル排気微粒子(DPM)若しくは他の浮遊汚染物への曝露によって引き起こされる既存の病変を緩和若しくは処置するために、対象の皮膚に局所投与され得る。組成物は、例えば、対象がそのような汚染物質が存在する環境で時間を費やしていることを知っている場合、新たな汚染物質関連皮膚病変の発生を防ぐために短期間(例えば、数日間又は数週間)投与することができる。あるいは、組成物は、より長期間(例えば、数週間~数ヶ月)投与することができる。組成物がクリーム、ゲル、軟膏又は他の比較的粘性のある剤形として製剤される場合、少量(例えば、約0.5~約10cmのクリーム)が対象の皮膚表面の標的部位に擦り込まれる。そのような処置の頻度は、製剤中のフィトエン及び/又は他の活性成分の正確な濃度、対象の年齢、及び/又は前記製剤を投与する理由(例えば、新しい病変の予防、早期皮膚老化の予防、又は既存の病変の処置のために)に応じて、1週間に1回~1日に3回以上であり得る。
【0047】
この方法の他の実施形態では、本方法の組成物は、それを必要とする対象に経口投与することができる。
【0048】
「大気汚染物質に曝露された対象の皮膚を保護する」という語句は、対象の皮膚の疾患、障害及び早期老化の予防、緩和又は処置の1つ以上を指すと理解されるべきであることに留意されたい。これらの疾患及び障害は、大気汚染物質によって引き起こされる又は悪化する任意の皮膚状態であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、前記疾患及び障害は、ざ瘡、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、皮膚がん及び早期皮膚老化からなる群から選択される。
【0049】
本発明はまた、大気汚染物質への曝露によって引き起こされる又はそれに関連する皮膚状態を予防、緩和又は処置する方法であって、本発明の組成物又は剤形をヒト(又は非ヒト哺乳動物)対象に投与することを含む、方法に関する。
【0050】
一実施形態では、上述の皮膚状態は、サイトカインIL-1α、IL-8及び/又はIL-6によって少なくとも部分的に媒介される炎症状態である。
【0051】
上記で開示された2つの方法の文脈で使用される「大気汚染物質」という用語は、屋内又は屋外いずれかの空気中に存在し得るすべてのタイプの有害な化合物、物質及び薬剤を含むと理解されるべきである。前記有害な化合物、物質及び薬剤は、空気中に分散若しくは溶解されていることもあり、又は液滴、エアロゾルとして若しくは固体粒子状物質として存在していることもある。後者の場合、粒子状物質は、その表面に吸着された追加の液体又は気体成分を有し得る。
【0052】
本発明の一実施形態では、上記で開示される方法は、特に、自動車、特にディーゼルエンジンによって動力供給されるような車両の排気中に放出される大気汚染物質に関する。一実施形態では、上記で開示される方法は、特にディーゼル排気中に存在する粒子状物質(すなわち、DPM)に関する。本開示の方法のさらに他の実施形態では、大気汚染物質は、他の形態の輸送(例えば、航空機及びディーゼル列車エンジン)又は産業プラント及び工場から放出される。
【0053】
任意の適切なフィトエン含有組成物を使用して本発明の上記開示の方法を実施してもよいが、好ましい一実施形態では、前記組成物は、天然起源の無溶媒非GMOフィトエンを含む。
【0054】
別の実施形態では、本発明は、UV放射線に曝露された対象の皮膚を保護する方法であって、フィトエンを含む組成物を、そのような保護を必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。「UV放射線」という用語は、すべての周波数のUV放射線、特にUVA及びUVB範囲の放射線など、ヒト対象の皮膚が曝露される太陽光に存在する放射線を指す。
【0055】
なおさらなる実施形態では、本発明は、皮膚の質の1つ以上の態様を改善する方法であって、フィトエンを含む組成物を、そのような保護を必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。皮膚の質の多くの異なる態様が、この方法によって改善され得る。しかしながら、好ましい一実施形態では、皮膚の質の前記態様は、皮膚の色調の均一化(evening)及び平均化、しわの減少、弾力性の向上、自然な皮膚バリア機能の保護、及び皮膚の外観の改善からなる群から選択される。
【0056】
別の態様において、本発明は、医薬品として使用するための、本明細書中上記で開示される組成物を提供する。好ましい一実施形態では、前記医薬品は、大気汚染物質に曝露された対象の皮膚を保護するのに使用するためのものである。別の実施形態では、前記医薬品は、UV放射線に曝露された対象の皮膚を保護するのに使用するためのものである。なおさらなる実施形態では、前記医薬品は、皮膚の質の1つ以上の態様を改善するのに使用するためのものであって、前記改善は、好ましくは、皮膚の色調の均一化及び平均化、しわの減少、弾力性の向上、自然な皮膚バリア機能の保護、及び皮膚の外観の改善からなる群から選択される。
【0057】
上記に開示される方法及び使用のいくつかの好ましい実施形態では、フィトエンを含む組成物は、本明細書中上記で定義され、本明細書中下記で特許請求される組成物である。これらの方法及び使用のいくつかの実施形態では、フィトエンを含む組成物は、対象の皮膚及び/又は粘膜への局所適用によって投与される。他の実施形態では、フィトエンを含む組成物は、経口経路によって対象に投与され、好ましくは経口剤形として、例えば本明細書中上記で定義された経口剤形の1つとして製剤される。
【0058】
本明細書中上記で開示されるように、上記で開示される方法において使用される組成物は、カビ種、ブラケスレア・トリスポラから得られるフィトエンを含む。特に好ましい一実施形態では、前記ブラケスレア・トリスポラは、phyt 1+/phyt 1-株、例えば、UA85489に開示されている株であり、寄託番号F-100053でウクライナのNASである微生物学及びウイルス学研究所(Institute of Microbiology and Virology)(DK Zabolotnyにちなんで命名)の寄託機関に寄託されている。
【0059】
好ましくは、上記で開示される方法で使用される組成物に含有されるフィトエンは、UA86556の教示に従って製造されたバイオマスから得られる。この方法のさらなる詳細を本明細書中下記に提供する。UA85489及びUA86556の両方の教示は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0060】
好ましい一実施形態では、上記に開示された方法で投与される組成物は、フィトエンを0.01%(w/w)~10%(w/w)の濃度で含む。より好ましい一実施形態では、組成物中のフィトエンの濃度は、0.1~2.5%(w/w)の範囲である。さらに好ましい一実施形態では、組成物中のフィトエン濃度は約0.1%(w/w)である。なおさらに好ましい実施形態では、フィトエン濃度は約1%(w/w)である。
【0061】
本発明の方法のいくつかの実施形態では、投与される組成物は、1つ以上のフィトステロールをさらに含む。一実施形態では、前記1つ以上のフィトステロールはエルゴステロールを含む。
【0062】
本発明はさらに、医薬品又は化粧料又は栄養補助食品の製造における、本明細書で定義される非GMO無溶媒フィトエン含有組成物の使用を包含する。
【0063】
一実施形態では、本発明は、大気汚染物質に曝露された対象の皮膚を保護するための医薬品又は化粧料又は栄養補助食品の製造における、本明細書で定義される非GMO無溶媒フィトエン含有組成物の使用に関する。
【0064】
別の実施形態では、本発明は、大気汚染物質葉の曝露によって引き起こされる、又はそれ関連する皮膚の状態を予防する、緩和する又は処置するための、医薬品又は化粧料又は栄養補助食品の製造における、本明細書で定義される非GMO無溶媒フィトエン含有組成物の使用に関する。
【0065】
一実施形態では、本発明は、UV放射線に曝露された対象の皮膚を保護するための医薬品又は化粧料又は栄養補助食品の製造における、本明細書で定義される非GMO無溶媒フィトエン含有組成物の使用に関する。
【0066】
一実施形態では、本発明は、皮膚の質の1つ以上の態様を改善するための医薬品又は化粧料又は栄養補助食品の製造における、本明細書で定義される非GMO無溶媒フィトエン含有組成物の使用に関する。好ましい一実施形態では、前記改善は、皮膚の色調の均一化及び平均化、しわの減少、弾力性の向上、自然な皮膚バリア機能の保護、及び皮膚の外観の改善からなる群から選択される。
【0067】
上記で開示された方法に関連して説明された様々な技術的特徴のすべては、本明細書に開示された異なる使用態様に等しく適用される。
【実施例
【0068】
ここで、本特許請求される発明の様々な特徴を、以下の非限定的な実施例に例示する。
[実施例1]
本発明の組成物による、培養細胞におけるDPM誘導性IL-8産生の阻害
序論:
この研究の目的は、フィトエンが、培養ケラチノサイトにおける炎症促進性サイトカインIl-8の産生のDPM誘導性増加を阻害できるかどうかを調べることであった。このインビトロシステムは、大気汚染物質への曝露後に皮膚病変を発症し、皮膚老化を加速する、対象において観察される皮膚細胞における炎症反応のモデルとして機能する。
【0069】
方法:
HaCaT株の自然形質転換された成体ヒトケラチノサイトを増殖させ、100U/ml ペニシリン及び100μg/ml ストレプトマイシン及び10% FBSを補充した濾過DMEM中で維持した。細胞のアリコート(約2.5×10細胞/mlの濃度)を、170μl/ウェルの前述の培地を含有する96ウェルプレートに播種した。各播種ウェルは約42,500個の細胞を含有していた。次いで、プレートを37℃、5% COにおいて24時間インキュベートした。この後、培地を吸引し、最終フィトエン濃度56ppmを含有する本発明の1%(w/w)フィトエン含有組成物の希釈物(「試験」)、又は以下の3つの対照と交換した:
-ビヒクル対照(「対照」、図3
-DPM刺激対照(「DPM」)
-陽性対照:デキサメタゾン(「DEX」)
【0070】
DPM、DEX及び試験溶液を調製するためのビヒクルは、100μg/mlのディーゼル排気微粒子(DPM)を含有するPBSであった。すべての試験品目及び対照を3連でプレーティングした。
【0071】
次いで、プレートを37℃、5% COにおいてさらに24時間インキュベートした。このインキュベーション期間の終わりに、培地を吸引し、250×gで5分間遠心分離して粒子状物質を除去した。次いで、IL-8分析を行うことができるまで、透明な上清を-70Cで凍結した。
【0072】
定量的IL-8分析を、市販のELISAキット(ヒトIL-8用ELISA Max Deluxeセット、Encoから供給、カタログ番号B287549)を使用して行った。
【0073】
結果:
この研究の結果を図3に示すが、これは、DPM単独での処置が、ビヒクルのみの対照(陰性対照)と比較して、IL-8産生のおよそ2倍の増加を引き起こすことを示している。デキサメタゾン陽性対照は、非刺激細胞の基礎レベルのIL-8産生に有意な変化を引き起こさない。しかしながら、本発明の組成物(「試験」)は、DPMのみの群と比較した場合、DPM刺激IL-8産生の顕著かつ統計学的に有意な(p<0.05)阻害を引き起こしたことが分かる。
【0074】
培養ヒトケラチノサイトモデルを使用して得られたこれらの結果は、フィトエンが、DPMなどの大気汚染物質に曝露された皮膚細胞における炎症反応の少なくとも一部を低減できることを示している。
【0075】
[実施例2]
本発明の組成物による、培養細胞におけるDPM誘導性活性酸素種(ROS)産生の阻害
序論:
化石燃料の燃焼からの浮遊粒子成分(DPMなど)は、気道炎症及び喘息と強く相関する活性酸素種(ROS)の産生を介して酸化ストレスを誘発する可能性がある。ROS実体は、スーパーオキシドラジカル(O ・-)、過酸化水素(H)、ヒドロキシルラジカル(OH)及び一重項酸素()を含むフリーラジカル及び非フリーラジカル酸素中間体(過酸化物)の両方を含む。この研究では、培養ケラチノサイトのDPMへの曝露に応答したNOSの産生に対する本発明の組成物の効果を調べた。
【0076】
方法:
HaCaT株の自然形質転換された成体ヒトケラチノサイトを、上記の実施例1に記載されるように、増殖させ、維持し、プレーティングし、対照物質及び試験物質に曝露した。この試験で使用した対照物質は以下の通りであった:
-ビヒクル対照(「対照」、図4
-DPM
-N-アセチルシステイン(NAC;陽性対照)
【0077】
使用した試験物質は、本発明の組成物の希釈物(すなわち、非GMO、無溶媒フィトエン及びホホバ油を含有する)であり、56ppmの最終フィトエン濃度が得られた。
【0078】
処理細胞上清及び対照細胞上清のROS含有量の定量分析を、ヒドロキシル、ペルオキシル及び他の細胞内活性酸素種ROS活性を測定する蛍光発生色素(DCFDA)を使用する市販のキットを使用して行った。
【0079】
結果:
図4から、DPM処理はROSレベルを非刺激対照の約40倍に上昇させたが、本発明の組成物(「試験」)はROS濃度のこの増加を非常に有意な程度まで阻害し、NAC陽性対照よりもわずかに有効性が低かったことが分かる。
【0080】
[実施例3]
本発明の組成物による、培養細胞におけるUVB誘導性IL-8産生の阻害
序論:
この研究では、UVB曝露培養ケラチノサイトにおけるIL-8の産生に対する本発明の組成物の効果を調べた。
【0081】
方法:
HaCaT株の自然形質転換された成体ヒトケラチノサイトを、上記の実施例1に記載されるように、増殖させ、維持し、プレーティングし、対照物質及び試験物質で処理した。培養細胞に炎症反応を生じさせるために、培養細胞にUVBランプを用いて照射した。この試験で使用した対照物質は以下の通りであった:
-ビヒクル対照(「対照」、図5
-UVB曝露のみ(「未処理」)
-4-アミノ安息香酸(「PABA」;陽性対照)
【0082】
使用した試験物質は、本発明の組成物の希釈物(すなわち、非GMO、無溶媒フィトエン及びホホバ油を含有する)であり、56ppmの最終フィトエン濃度が得られた。
【0083】
培養細胞上清のIL-8濃度を、上記の実施例1に記載したように測定した。
【0084】
結果:
図5から、UVB曝露は、ビヒクル対照と比較して、IL-8産生の大幅な増加を引き起こしたことが分かると思われる。本発明の試験組成物は、このUVB刺激IL-8産生の有意な減少を、陽性対照(市販の日焼け止め成分PABA)によって引き起こされる阻害よりも大きい程度に引き起こしたことにさらに留意されたい。
【0085】
[実施例4]
3D再構築皮膚モデルにおけるDPM誘導性炎症反応の阻害
序論:
実施例1(本明細書中上記)で示されるインビトロ結果をさらに調べるために、再構築されたヒト表皮(RHE)モデルを試験プラットフォームとして使用した。「EpiDerm」の商品名で市販されている、本明細書中下記で本実施例に記載の実験で使用される再構築皮膚は、細胞培養インサート上で培養された正常なヒト由来表皮ケラチノサイトからなる高度に分化した3D組織モデルである。これらのインサートは、気液界面での再構築組織の培養を可能にし、それによって皮膚上の局所投与剤の評価を容易に可能にする。
【0086】
方法:
EpiDerm再構築皮膚システムは、供給元MatTek(カタログ番号EPI-200)から入手し、組織は製造業者の指示書に従って取り扱った。簡潔には、送達の際に、組織をその寒天培地から取り出し、洗浄し、次いで、5% CO環境において37Cで一晩放置して回収した。
【0087】
次いで、ホホバワックスに0.1、1及び2.5%の濃度で30μlの最終体積に希釈されたフィトエンオレオレジンの存在下又は非存在下で、組織を局所適用DPM(PBS中100μg/ml、10μl/試料)で処理した。以下の対照群も設定した:ナイーブ組織(未処理対照)、ビヒクル(ホホバワックス)、DPM刺激組織及びN-アセチルシステイン(NAC;陽性対照)。試験物質及び対照の添加後、再構築皮膚培養物を5% CO環境において37Cでさらに48時間インキュベートした。
【0088】
処理期間の終わりに、粒子状物質を除去するために、組織対照インプラントから培地を回収し、250×gで5分間遠心分離した。次いで、透明な上清を-70Cで凍結した後、サイトカイン分析を行った。
【0089】
融解培地中のIL-1α及びIL-6レベルを、市販のELISAキット(ELISA Max Deluxe SetヒトIL-1α カタログ番号B265424;ELISA Max Deluxe SetヒトIL-6 カタログ番号B2852558;両方ともEncoから供給される)を製造者の指示書に従って使用して決定した。
【0090】
結果:
この研究の結果を図6及び7に示す。図6に示す棒グラフは、EpiDerm人工皮膚モデルにおいて、フィトエン含有オレオレジンの希釈物の全部ではないが一部が皮膚細胞によるIL-1α産生の減少を引き起こしたことを示す。この試験物質の1%濃度は、抗炎症陽性対照(N-アセチルシステイン;NAC)によって引き起こされる減少と定量的に同程度のIL-1α産生の減少を引き起こしたことに留意すべきである。さらに、試験物質のこの濃度によって引き起こされるIL-1αレベルの低下は、DPMのみの試料及びビヒクルのみの試料の両方と比較した場合、統計学的に有意であった(p<0.05)。
【0091】
図7にIL-6産生の結果を示す。このグラフから、試験したすべての濃度のフィトエン含有オレオレジン希釈物が、DPMのみのサンプルと比較した場合、IL-6産生の有意な減少(p<0.05)を引き起こしたことが分かる。
【0092】
これらのデータは、インビボ皮膚モデルのDPMへの曝露が炎症性メディエーターの産生の増加を引き起こすこと、及び本発明のフィトエン含有組成物による処理が炎症反応のこの態様を阻害できることを実証している。したがって、これらの結果は、本発明の組成物が、環境汚染物質及び刺激物、例えばDPMへの皮膚の曝露に起因する皮膚損傷の予防、緩和又は処置において価値があり得ることを強く示唆している。
【0093】
[実施例5]
皮膚の質の様々な態様に対する本発明の組成物の効果の臨床試験
序論:
以下の皮膚の質の特徴を、本出願の組成物による局所治療の前後に健常ボランティアの群で試験した:
-皮膚の色調
-皮膚の発赤
-皮膚のハリ
-皮膚弾力性
-皮膚の滑らかさ
-しわの状態
-皮膚バリア機能
-鎮静効果
【0094】
方法及び結果:
33人の女性ボランティア(平均年齢50歳)の群をこの研究のためにランダムに選択した。ボランティアの顔の皮膚を、本発明の組成物(ホホバ油中に1.5%(w/w)のフィトエンを含有する)の1日2回の適用で最大28日間処置した。
【0095】
皮膚の色調を、Mexameter(R)MX 18装置(Courage+Khazaka electronic GmbH、Germanyより供給)を使用して評価し、被験体のメラニンレベルを評価した。図8に示された結果から分かるように、本発明の組成物を14日間適用するとメラニン指数が平均6%低下したが、28日間の処置では平均10%低下し、この処置の結果として皮膚の明るさが有意に増加したことを示している。
【0096】
皮膚の発赤を、Mexameter(R)MX 18装置を使用して評価した。図9は、処置前の初期測定値と比較した場合の、処置後の14日及び28日の両方の時点での紅斑の有意な減少を示す。
【0097】
皮膚のハリ及び皮膚の弾力性を、吸引ベースの装置、Cutometer(R)MPA 580(Courage+Khazaka electronic GmbH,Germanyにより販売)を使用して評価した。図10は、14日及び28日の両方の時点での皮膚のハリの増加(すなわち、皮膚変形能の深さの減少)を示す。同様に、図11に示すように、これらの2つの時点で皮膚弾力性の有意な増加が見られた。
【0098】
皮膚の滑らかさを、Primos 3D Liteシステム(Canfield Scientific,New Jersey,USAにより販売)を使用して評価した。図12に示すように、滑らかさの有意な増加が、14日及び28日の両方の時点で見られた。
【0099】
しわ解析を、Primos 3D Liteシステムを用いて行った。図13は、測定された様々なパラメータ(すなわち、しわの長さ、深さ、数、体積及び面積)のすべてが28日間の処置後に改善したが、しわの数に関して最も有意な変化(20%の減少)が見られたことを示す。
【0100】
皮膚バリア機能 皮膚水和を皮膚バリア機能の尺度として使用し、Tewameter(R)transepidermal water loss(TEWL)装置を使用して評価した。図14に示すように、本発明の組成物で処理すると、14日及び28日の両方で水分喪失が顕著に減少した。
【0101】
皮膚の鎮静 刺激を受けた皮膚を鎮静させる本発明の組成物の能力を、10%乳酸溶液を皮膚表面に適用した後の被験体により作成されたスコアを使用して評価した。図15に見られるように、本発明の組成物で14日間処理すると、刺激が20%超減少した。この皮膚鎮静効果は、28日間の処置後にさらに顕著であり、報告された刺激性は45%低下した。
【0102】
[実施例6]
本発明の組成物を含むフェイスクリーム製剤
【0103】
【表1】
【0104】
本明細書中上記のように調製され、図1に要約される本発明のフィトエン含有オレオレジンを、上記の表に要約される成分から調製されるフェイスクリーム製剤と混合する。製剤の最終フィトエン濃度は0.1%(w/w)である。
【0105】
[実施例7]
本発明の組成物を含むヘアクリーム製剤
【0106】
【表2】
【0107】
本明細書中上記のように調製され、図1に要約される本発明のフィトエン含有オレオレジンを、上記の表に要約される成分から調製されるヘアクリーム製剤と混合する。製剤の最終フィトエン濃度は0.1%(w/w)である。
【0108】
[実施例8]
本発明のフィトエン組成物を含有する経口投与ソフトゲルカプセル
フィトエンオレオレジンソフトゲルカプセルは、当業者に公知の標準的な手順に従って調製される。各カプセルは、前記カプセル中のフィトエンの最終濃度が0.01~10%(w/w)の範囲内になるように、本発明に従って調製されたオレオレジンを含有する。
【0109】
[実施例9]
UV誘導性光酸化損傷からの健康な皮膚の保護におけるフィトエンオレオレジン組成物の効果
方法
二重盲検、プラセボ対照並行群臨床バイオ研究。フィトエンに富む食品及び抗酸化サプリメントの摂取が制限される5週間の導入期間の後、被験体を、12週間毎日、製剤1のソフトゲルカプセル又はプラセボとして同一に見えるソフトゲルカプセルを受けるようにランダム化する。
【0110】
被験体数(計画及び分析)
試験を完了させ、分析するための60名の被験体。
【0111】
診断及び主要組み入れ基準
Fitzpatrick皮膚I型~IV型、BMI≦30kg/m及び健康な食習慣を有する、20歳~65歳の健康な男女。
【0112】
試験生成物、用量及び投与様式
1つの(上記の実施例8に記載の)ソフトゲルカプセルを毎日経口投与した。
【0113】
参照療法、用量及び投与様式
プラセボを毎日経口投与した。
【0114】
処置期間
12週間。
【0115】
比色法(Chromometry)によって測定された紅斑に対する保護
比色法は、比色計を用いて皮膚の色を測定する方法である。皮膚の色は、L*a*b*スケールを使用して測定され、L*はグレースケール上の色の輝度を反映し、a*は赤色と緑色との対比を反映し、b*は青色と黄色との対比を反映する。
【0116】
被験体は、UV照射誘導性紅斑からの保護について試験される。各被験体の皮膚の領域にUV照射し、照射の24時間後に紅斑の発生を測定する。
【0117】
この分析のために、Δa*を、供給前のUV照射後24時間での紅斑発生レベルと供給後のUV照射後24時間での紅斑発生レベルとの間の差異として定義した。製剤1群とプラセボ群との間で紅斑形成の統計学的に有意な変化が予想される。
【0118】
サイトカインレベル
平均IL-1α、IL-6、IL-10及びTNF-αレベルをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって評価する。臨床試験に参加している被験体を、IL-1α、IL-6、IL-10及びTNF-αのレベルについてアッセイする。試料は、ランダム化前のUVB照射後及び製剤1又はプラセボによる12週間の処置後に行われたUVB照射後に得る。
【0119】
予想される結果:皮膚生検からのサイトカインmRNAの分析は、処置群間で統計学的に有意に異なる。
【0120】
[実施例10]
本発明の組成物は、刺激された好中球からの分解酵素の分泌を減少させる
コラーゲンに損傷を引き起こす可能性がある酵素の放出に対する本発明の組成物の効果を研究するために、本発明者らはまず、活性化好中球からのそのような酵素の放出の動態を決定する。好中球は、UVへの曝露中に皮膚細胞から放出されて活性化される100 ng/ml TNFα又は100ng/ml IL8によって活性化される。さらに、比較のために、好中球を5×10fMLPで活性化する。
【0121】
MMP-9又はMPOの放出に対する本発明のフィトエン含有組成物の効果を研究するために、好中球は、TNFα又はIL8によって4時間、fMLPによって30分間活性化されるべきである。組成物を、活性化前に好中球に37℃で10分間添加する。刺激された好中球からのサイトカインの放出の阻害が測定され、用量依存的阻害が予想される
【0122】
[実施例11]
本発明のフィトエン含有組成物は、線維芽細胞-好中球共培養物におけるコラーゲン喪失を減少させる
活性化好中球によって誘導されるコラーゲン-3の損傷に対する本発明の組成物の効果を研究するために、本発明者らは、培養線維芽細胞及び好中球の最適条件を使用する。1×10個の線維芽細胞を24時間プレーティングして、コンフルエントな培養物を得る。細胞生存率を各処理において測定する。
【0123】
好中球を本発明の組成物と共に37℃で10分間インキュベートした後、培養物に24時間添加する。培養物中のコラーゲン-3レベルの定量は、デンシトメトリーによって決定されるべきである。
【0124】
共培養物中の本発明の組成物の存在は、分泌されたプロ-コラーゲン-3の用量依存的増加を有することが予想される。
【0125】
NHDF細胞を50mM H2O2で処理すると、コラーゲンlalの分泌が約10倍減少する。本発明の組成物は、コラーゲン分泌の減少を完全に無効にすることが予想され、このことは、インビボでの皮膚コラーゲンレベルの増加及び皮膚老化の減少における組成物の役割を示唆している。
図1
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【国際調査報告】