(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】HGH融合タンパク質の高濃度投与剤形
(51)【国際特許分類】
A61K 38/27 20060101AFI20241031BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241031BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20241031BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20241031BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20241031BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20241031BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20241031BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
A61K38/27
A61K39/395 Y
A61K47/10
A61K47/26
A61K9/08
A61K47/18
A61K47/02
C07K19/00 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531548
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 KR2022095143
(87)【国際公開番号】W WO2023096475
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0165734
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516351304
【氏名又は名称】ジェネクシン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GENEXINE, INC.
【住所又は居所原語表記】172 Magokjungang-ro, Gangseo-gu, Seoul 07789 REPUBLIC OF KOREA
(71)【出願人】
【識別番号】514081863
【氏名又は名称】ハンドク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】パク, チャンウン
(72)【発明者】
【氏名】キム, キ-ヨン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076BB15
4C076BB16
4C076CC30
4C076DD08
4C076DD09
4C076DD23
4C076DD37Q
4C076DD46
4C076DD51
4C076EE23
4C076FF36
4C084AA02
4C084BA41
4C085AA21
4C085BB42
4C085DD59
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045DA31
4H045DA76
4H045EA20
(57)【要約】
本発明は、ポロクサマー188(Poloxamer 188)とポリソルベート80(Polysorbate 80)を含有するhGH融合タンパク質の高濃度投与剤形に関し、本発明によりポロクサマー188とポリソルベート80を含有する場合、凝集反応が顕著に減少し、保管安定性が向上した高濃度のhGH融合タンパク質剤形を製造することができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
hGH(human Growth Hormone)融合タンパク質、ポロクサマー188(Poloxamer 188)およびポリソルベート80(Polysorbate 80)を含む、液状の薬学剤形。
【請求項2】
前記hGH融合タンパク質は、hGHおよび免疫グロブリンFcポリペプチドを含むことを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項3】
前記hGHは、配列番号2のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項2に記載の剤形。
【請求項4】
前記免疫グロブリンFcポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項2に記載の剤形。
【請求項5】
前記hGH融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項6】
前記剤形は、30mg/mL~150mg/mLのhGH融合タンパク質を含むことを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項7】
前記剤形は、0.01%~0.2%(w/v)ポロクサマー188を含むことを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項8】
前記剤形は、0.01%~0.2%(w/v)ポリソルベート80を含むことを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項9】
前記剤形は、ヒスチジン(Histidine)、アルギニン(Arginine)、グルタミン酸(Glutamic acid)および塩化ナトリウム(NaCl)から成る群から選択される1つ以上の賦形剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項10】
前記剤形は、保存剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項11】
前記保存剤は、m-クレゾール(m-cresol)、フェノール(phenol)およびベンジルアルコール(benzyl alcohol)から成る群から選択される1つ以上であることを特徴とする請求項10に記載の剤形。
【請求項12】
前記保存剤は、1mg/mL~2mg/mLのフェノールであることを特徴とする請求項11に記載の剤形。
【請求項13】
前記剤形は、1mM~20mMのヒスチジンを含むことを特徴とする請求項9に記載の剤形。
【請求項14】
前記剤形は、40mM~70mMのアルギニンを含むことを特徴とする請求項9に記載の剤形。
【請求項15】
前記剤形は、40mM~70mMのグルタミン酸を含むことを特徴とする請求項9に記載の剤形。
【請求項16】
前記剤形は、80mM~100mMの塩化ナトリウムを含むことを特徴とする請求項9に記載の剤形。
【請求項17】
前記剤形は、pH5.5~pH7.0であることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項18】
前記剤形は、pH6.0~pH6.2であることを特徴とする請求項17に記載の剤形。
【請求項19】
前記剤形は、冷蔵で6ヶ月保管時に1.5%未満の凝集体を形成することを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項20】
前記剤形は、皮下または筋肉投与用であることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【請求項21】
前記剤形は、瓶(bottle)、マイクロチューブ(microtube)、バッグ(bag)、バイアル(vial)、カートリッジ(cartridge)、注入器(injector)および注射器(syringe)から成る群から選択された容器で保管されることを特徴とする請求項1に記載の剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、hGH(human Growth Hormone)融合タンパク質の高濃度投与剤形に関し、より詳細には、ポロクサマー188(Poloxamer 188)とポリソルベート80(Polysorbate 80)を含有することによって、免疫グロブリンFcポリペプチド(以下、「hyFc」と混用して表示される)が融合しているhGHの高濃度剤形においても凝集反応が顕著に減少したhGH融合タンパク質の高濃度投与剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
成長ホルモンは、191個のアミノ酸で構成されたポリペプチドであり、脳下垂体前葉から分泌されるホルモンである。成長ホルモン受容体と結合してIGF-1(Insulin like Growth Factor-1)を発現させることによって、細胞の成長および再生に関与する。成長ホルモンは、正常ヒトの身体では、脳下垂体で生産され、思春期まで生産量が増加し、年を取るにつれて次第に生産量が減少することが知られている。
【0003】
代表的な成長ホルモンの欠損症状には、成人成長ホルモン欠損症(adult growth hormone deficiency,AGHD)と小児成長ホルモン欠損症(pediatric growth hormone deficiency,PGHD)がある。成人成長ホルモン欠損症の場合、脳腫瘍、脳出血などの治療過程で放射線や手術によって患者の脳下垂体が損傷する場合または特発性で発生する。成長ホルモンの分泌が正しくできない場合、体重減少、骨の無機質密度減少、脂肪増加、HDLの減少、LDLの増加、筋肉強度減少などの症状が現れ、生活の質が低下する。成人成長ホルモン欠損症患者は、血清内IGF-1の濃度が同じ年齢層の正常ヒトに比べて標準偏差スコア(standard deviation score,SDS)が-2以下(≦-2 SDS)または百分位2.5内(≦2.5 percentile)に属する。血中成長ホルモンの反応値は、インスリン耐性検査(Insulin tolerance test,ITT)、アルギニン負荷(Growth hormone-releasing hormone+Arginine,GHRH+ARG)検査、グルカゴン(Glucagon)検査、L-DOPA検査、クロニジン(Clonidine)検査など刺激試験(stimulation test)を通じて測定することができる。成長ホルモンの最大数値(peak GH)がボディマス指数(BMI)25kg/m2未満の患者で11.0μg/L以下、ボディマス指数25~30kg/m2患者で8.0μg/L以下、またはボディマス指数30kg/m2超過の患者で4.0μg/L以下である場合、欠損症と判定する(Guidelines for Use of Growth Hormone in Clinical Practice,Endocr.Pract.2009;15(Suppl 2))。小児成長ホルモン欠損症は、脳下垂体の損傷または発達障害がある場合に発生する。成長ホルモンの分泌障害があると、低身長症が現れるが、身長が同年齢の成長曲線で下位3%または1年5cm以下の成長を示し、低血糖、体力低下、うつ病および精神的未成熟などの症状が現れることもある。同じ年齢層で、身長が平均より3SD(Standard deviation)以上低い場合、両親の身長の平均より1.5SD以上低い場合、平均身長より2SD以上低く、同年齢の成長に比べて1年以上1SD以上低い場合、2歳以上やSD値が0.5以上低い場合、または低身長症状が現れなかったが、1年以上2SD未満であるか、2年以上1.5を維持する場合、小児成長ホルモン欠損症と判定することができる(Consensus guideline for the diagnosis and treatment of GH deficiency in childhood and adolescence:summary statement of the GH Research Society.GH Research Society,J.Clin.Endocrinol.Metab.,2000 Nov;85(11):3990-3)。
【0004】
成長ホルモン欠損症は、主に成長ホルモンを用いた治療が行われるが、1950年代に初めて成長ホルモン治療が始まったとき、成長ホルモンは、ヒトの死体の脳下垂体から抽出し、1人のヒトから抽出された成長ホルモンの量が非常に少なかったため、供給が非常に制限的であり、高価であった。遺伝子組換え技術が発達するにつれて、大腸菌で合成した成長ホルモンが発売された(Somatropin,1981,米国Genentech社)。現在米国で市販される組換え成長ホルモン(recombinant growth hormone)治療剤は、ファイザー(Pfizer)のジェノトロピン(Genotropin)、イーライリリー(Eli Lilly)のるヒューマトロープ(Humatrope)、ジェネンテック(Genentech)のニュートロピン(Nutropin)、ノボノルディスク(Novo Nordisk)のノルディトロピン(Norditropin)などがある。
【0005】
現在成長ホルモン製剤は、1日剤形として、特に、小児患者の場合、3~4年の長い治療期間の間毎日薬を注射しなければならない不便さがあり、注射による精神的ストレスが患者の生活の質を低下させることが知られている。また、患者が意図せずに注射を受けない問題が頻繁に発生し、治療効果を阻害する最も大きい要因となっている。また、治療年数が増加するほど投与不遵守回数が顕著に増加することが知られている(Endocrine practice,2008 Mar;14(2):143-54)。約2/3程度の患者が不遵守により順応度が低くなり、実際にこれによって身長成長速度が減少することが知られている(PloS one,2011 Jan;6(1):e16223)。
【0006】
このような問題点に起因して、多様な技術を用いて持続型成長ホルモンを開発しようとする試みが着実に続いてきた。Ascendis pharma社は、Transcon PEGプラットフォームを用いて、OPKO/Pfizer社は、hGHにCTPを融合して、そしてNovo Nordisk社は、アルブミンを融合してhGHの半減期を増加させ、このような技術は、成長ホルモン注射を毎日投与していた患者に週1回投与を可能にした。
【0007】
これと関連して、本出願人は、hGHにIgDおよびIgG4を組み合わせたhyFcを融合して補体依存性および抗体依存性毒性が低く、hGHの持続性が向上したGX-H9物質に対する特許を出願して登録を受けたことがある(米国登録特許第8,529,899号)。次に、GX-H9の週1回または2週1回投与が可能な用量用法の特許を出願した(米国公開特許第2021-0177945号および米国公開特許第2019-0224281号)。
【0008】
なお、GX-H9の臨床試験初期には、濃度を30mg/mlで剤形化して供給した。その後、GX-H9を2週1回投与する過程でGX-H9投与量(volume)が増加し、これにより、高濃度剤形に対する必要性が台頭した。
【0009】
これより、本発明者らは、GX-H9の配列分析を通じて構造的特徴を予測し、hGHが疎水性パッチ(hydrophobic patch)を多く有していて、タンパク質自体が疎水性相互作用による凝集体を形成できるという点とDP(Drug Product)容器内気体/オイル/固体表面などにタンパク質が吸着して一種のタンパク質フィルムを形成し、これらが脱離して作られたパッチが不溶性粒子で凝集体を形成できるという点に着目し、このような凝集体の形成を防止できる剤形を開発するために努力し、界面活性剤としてポリソルベート80とポロクサマー188を共に添加した液状剤形において凝集体の形成が顕著に改善されることを確認することによって、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、hGH融合タンパク質の高濃度剤形を製造するに際して、タンパク質凝集反応が顕著に減少して保管安定性が維持されるhGH-hyFc融合タンパク質の高濃度剤形を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、hGH(human Growth Hormone)融合タンパク質、ポロクサマー188(Poloxamer 188)およびポリソルベート80(Polysorbate 80)を含む、液状の薬学剤形を提供する。
【0012】
本発明において、前記hGH融合タンパク質は、hGHおよび免疫グロブリンFcポリペプチドを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明において、前記hGHは、配列番号2のアミノ酸配列を有することを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記免疫グロブリンFcポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を有することを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記hGH融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有することを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記剤形は、30mg/mL~150mg/mLのhGH融合タンパク質を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記剤形は、0.01%~0.2%(w/v)ポロクサマー188を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明において、前記剤形は、0.01%~0.2%(w/v)ポリソルベート80を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明において、前記剤形は、ヒスチジン(Histidine)、アルギニン(Arginine)、グルタミン酸(Glutamic acid)および塩化ナトリウム(NaCl)から成る群から選択される1つ以上の賦形剤をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記剤形は、保存剤をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
本発明において、前記保存剤は、m-クレゾール(m-cresol)、フェノール(phenol)およびベンジルアルコール(benzyl alcohol)から成る群から選択される1つ以上であることを特徴とする。
【0022】
本発明において、前記保存剤は、1mg/mL~2mg/mLのフェノールであることを特徴とする。
【0023】
本発明において、前記剤形は、1mM~20mMのヒスチジンを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明において、前記剤形は、40mM~70mMのアルギニンを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明において、前記剤形は、40mM~70mMのグルタミン酸を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明において、前記剤形は、80mM~100mMの塩化ナトリウムを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明において、前記剤形は、pH5.5~pH7.0であることを特徴とする。
【0028】
本発明において、前記剤形は、好ましくは、pH6.0~pH6.9、より好ましくは、pH6.0~6.2であることを特徴とする。
【0029】
本発明において、前記剤形は、冷蔵で6ヶ月間保管時に1.5%未満の凝集体を形成することを特徴とする。
【0030】
本発明において、前記剤形は、皮下または筋肉投与用であることを特徴とする。
【0031】
本発明において、前記剤形は、瓶(bottle)、マイクロチューブ(microtube)、バッグ(bag)、バイアル(vial)、カートリッジ(cartridge)、注入器(injector)および注射器(syringe)から成る群から選択された容器で保管されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によるポロクサマー188とポリソルベート80を含有する場合、凝集反応が顕著に減少し、保管安定性が向上した高濃度のhGH融合タンパク質剤形を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、GX-H9の多様な剤形においてポリソルベート80の有無による剤形安定性を評価するために外観分析(不溶性異物の目視検査)した結果である。
【0034】
【
図2】
図2は、GX-H9の多様な剤形においてポリソルベート80の有無による剤形安定性を評価するために微細粒子(不溶性微粒子)分析した結果である。
【0035】
【
図3】
図3は、GX-H9の多様な剤形においてポリソルベート80の有無による剤形安定性を評価するためにSE-UPLC分析した結果である。
【0036】
【
図4】
図4は、GX-H9の多様な剤形においてポリソルベート80の有無による剤形安定性を評価するためにRP-HPLC分析した結果である。
【0037】
【
図5】
図5は、GX-H9剤形においてポリソルベート80の濃度による剤形安定性を評価するために外観分析(不溶性異物の目視検査)した結果である。
【0038】
【
図6】
図6は、GX-H9剤形においてポリソルベート80の濃度による剤形安定性を評価するために微細粒子を分析した結果である。
【0039】
【
図7】
図7は、GX-H9剤形においてポリソルベート80の濃度による剤形安定性を評価するために純度(SE-UPLC、RP-HPLC)分析した結果である。
【0040】
【
図8】
図8は、多様なGX-H9の濃度、ポリソルベート80の濃度、保存剤の条件で剤形安定性を評価するために外観分析(不溶性異物の目視検査)した結果である。
【0041】
【
図9a】
図9aは、多様なGX-H9の濃度条件で剤形安定性を評価するために純度(SE-UPLC、RP-HPLC)を分析した結果である。
【0042】
【
図9b】
図9bは、多様なポリソルベート80の濃度の条件でGX-H9剤形安定性を評価するために純度(SE-UPLC、RP-HPLC)を分析した結果である。
【0043】
【
図9c】
図9cは、多様な保存剤処理によるGX-H9剤形安定性を評価するために純度(SE-UPLC、RP-HPLC)を分析した結果である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
他の式で定義されない限り、本明細書において使用されたすべての技術的および科学的用語は、本発明の属する技術分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を有する。一般的に、本明細書において使用された命名法は、当該技術分野においてよく知られており、通常使用されるものである。
【0045】
本発明では、GX-H9の高濃度剤形を製造するに際して、界面活性剤としてポリソルベート80とポロクサマー188を共に含有する場合、凝集体の形成が顕著に減少することを確認した。
【0046】
したがって、本発明は、一観点においてhGH融合タンパク質、ポロクサマー188(Poloxamer 188)およびポリソルベート80(Polysorbate 80)を含む液状の薬学剤形に関する。
【0047】
本発明において、前記hGH融合タンパク質は、hGHおよび免疫グロブリンFcポリペプチドを含むことを特徴とする。
【0048】
本発明において使用したhGH融合タンパク質「GX-H9」は、ヒト成長ホルモン(hGH)にハイブリッドFcを融合させて製造したヒト成長ホルモン融合タンパク質であるhGH-hyFcを指す。hGH融合タンパク質であるGX-H9は、米国特許第8,529,899号に開示された方法により製造することができる。
【0049】
本発明において、前記hGHは、配列番号2のアミノ酸配列を有することを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0050】
本発明において、前記免疫グロブリンFcポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を有することを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0051】
本発明において、前記hGH融合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有することを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0052】
本発明において、前記剤形は、30mg/mL~150mg/mLのhGH融合タンパク質を含むことを特徴とし、好ましくは、60mg/mL~120mg/mLのGX-H9を含むことを特徴とするが、これに限定されるものではない。前記剤形は、例えば、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、110mg/mL、120mg/mL、130mg/mL、140mg/mLまたは150mg/mLのGX-H9を含んでもよい。
【0053】
本発明において、前記剤形は、0.01%(w/v)~0.2%(w/v)ポロクサマー188を含むことを特徴とし、好ましくは、0.05%(w/v)~0.15%(w/v)、または0.08%(w/v)~0.12%(w/v)、より好ましくは、0.10%(w/v)のポロクサマー188を含むことを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0054】
本発明において、前記剤形は、0.01%(w/v)~0.2%(w/v)ポリソルベート80を含むことを特徴とし、好ましくは、0.05%(w/v)~0.15%(w/v)、または0.05%(w/v)~0.10%(w/v)、より好ましくは、0.07%(w/v)のポリソルベート80を含むことを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0055】
本発明において、前記剤形は、前記剤形は、ヒスチジン(Histidine)、アルギニン(Arginine)、グルタミン酸(Glutamic acid)および塩化ナトリウム(NaCl)から成る群から選択される1つ以上の賦形剤をさらに含むことを特徴とする。
【0056】
本発明において、前記剤形は、保存剤(preservative)をさらに含むことを特徴とする。
【0057】
本発明において、前記保存剤は、m-クレゾール(m-cresol)、フェノール(phenol)およびベンジルアルコール(benzyl alcohol)から成る群から選択されたいずれか1つ以上であることを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0058】
本発明において、前記保存剤は、1mg/mL~2mg/mLのフェノールであることを特徴とし、好ましくは、1mg/mLのフェノールであることを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0059】
本発明において、前記剤形は、1mM~20mMのヒスチジンを含むことを特徴とし、好ましくは、5mM~15mM、より好ましくは、10mMのヒスチジンを含むことを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0060】
本発明において、前記剤形は、40mM~70mMのアルギニンを含むことを特徴とし、好ましくは、50mM~60mM、より好ましくは、55mMのアルギニンを含むことを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0061】
本発明において、前記剤形は、40mM~70mMのグルタミン酸を含むことを特徴とし、好ましくは、50mM~60mM、より好ましくは、55mMのグルタミン酸を含むことを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0062】
本発明において、前記剤形は、80mM~100mMの塩化ナトリウムを含むことを特徴とし、好ましくは、85mM~95mM、より好ましくは、90mMの塩化ナトリウムを含むことを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0063】
本発明において、前記剤形は、pH5.5~pH7.0であることを特徴とし、好ましくは、pH5.9~pH6.9、さらに好ましくは、pH6.0~pH6.5、より好ましくは、pH6.0~pH6.2、最も好ましくは、pH6.1であることを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0064】
本発明において、前記剤形は、冷蔵、例えば、2℃~8℃、好ましくは、4℃~6℃で約6ヶ月間保管時に、3.0%未満、好ましくは、2.0%未満、より好ましくは、1.5%未満、例えば0~1.5%の凝集体を形成することを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0065】
本発明において、前記剤形は、皮下または筋肉投与用であることを特徴とする。
【0066】
本発明において、前記剤形は、注射用剤形であることを特徴とする。
【0067】
本発明において、前記剤形は、瓶(bottle)、マイクロチューブ(microtube)、バッグ(bag)、バイアル(vial)、カートリッジ(cartridge)、注入器(injector)および注射器(syringe)から成る群から選択された容器で保管されることを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0068】
例えば、剤形は、ガラスバイアル、ガラスカートリッジ、プラスチックカートリッジ、プレフィルド注射器(prefilled syringe)、ペン注入器(pen injector)および自動注入器(autoinjector)から成る群から選択された容器で保管されることを特徴とするが、これに限定されるものではない。
【0069】
本発明による高濃度GX-H9薬学剤形は、成長ホルモンが欠損した成人または小児に投与することができる。本発明による高濃度GX-H9薬学剤形は、多様な方法で対象体に投与することができる。
【0070】
本発明において前記対象体は、哺乳動物であってもよいが、これに限定されず、好ましくは、前記対象体は、ヒトであってもよい。
【0071】
例えば、前記剤形は、非経口的に投与することができるが、その例は、皮下または筋肉内である。
【0072】
本発明において用語「薬学剤形」は、GX-H9の生物学的活性が効果的になる形態でGX-H9を含有し、剤形が投与される被験者に毒性を示す成分が許容可能な用量以上で含有しない製剤を指す。
【0073】
「安定した」剤形は、保存、保管および流通時に、GX-H9の生理的安定性および/または化学的安定性および/または生物学的活性を実質的に保有するものである。一様態において、剤形は、保存時に生理的および化学的安定性だけでなく、それの生物学的活性を実質的に保有する。保存期間は、剤形の意図的保管寿命に基づいて一般的に選択される。安定性は、選択された時間期間の間選択された温度で測定されることができる。例えば、一様態として液状剤形は、約25℃で約2週間~4週間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間または少なくとも約18ヶ月間安定している。さらに他の例として、液状剤形は、約5℃で約2~4週間、少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約12ヶ月間、少なくとも約18ヶ月間、少なくとも約24ヶ月間、少なくとも約30ヶ月間または少なくとも約36ヶ月間安定している。
【0074】
タンパク質安定性を測定するための分析技法は、非常に多様であり、先行文献[Peptide and Protein Drug Delivery,247-301,Vincent Lee Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Pubs.(1991)およびJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29-90(1993)]などを参考した。
【0075】
液状剤形の安定性は、ダイマー、マルチマーおよび/または凝集物形成の評価(例えば、サイズ排除超高性能液体クロマトグラフィー(size exclusion ultra-high performance liquid chromatography,SE-UPLC)、サイズ排除高性能液体クロマトグラフィー(size exclusion high performance liquid chromatography,SE-HPLC)、逆相超高性能液体クロマトグラフィー(reversed-phase ultra-high performance liquid chromatography,RP-UPLC)、逆相高性能液体クロマトグラフィー(reversed-phase high performance liquid chromatography,RP-HPLC)などのような液体クロマトグラフィー)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(matrix-assisted laser desorption-ionization time-of-flight mass spectrometry:MALDI-TOF MS)、分析用超遠心分離、光散乱(光子相関分光法、動的光散乱(dynamic light scattering:DLS)、静的光散乱、多角レーザー光散乱(multi-angle laser light scattering:MALLS)、フローイメージング顕微鏡、電子インピーダンス(コルター(coulter))カウンター、光遮断または他の液体粒子計測システムを使用して、濁度測定によって、および/または視覚的検査によって);陽イオン交換クロマトグラフィー(cation exchange chromatography:CEX)、等電点電気泳動法(isoelectric focusing:IEF)、例えば、毛細管法(capillary technique:cIEF)、またはキャピラリーゾーン電気泳動(capillary zone electrophoresis)を使用して電荷異質性を評価することによって;アミノ末端またはカルボキシ末端配列分析;質量スペックペプチドマッビング(例えば、トリプシン/LYS-C利用)分析;抗体の生物学的活性または抗原結合機能などの評価を含む、多様な異なる方法で定性的におよび/または定量的に評価することができる。
【0076】
本発明において、前記薬学剤形は、等張性剤形であってもよく、「等張性」剤形は、実質的にヒトの血液と同じ浸透圧を有する。等張性剤形は、一般的に約250~350mOsm/kgの浸透圧を有するものである。等張性は、例えば、水蒸気圧または氷冷型浸透圧計を使用して測定することができる。
【0077】
本発明において、「緩衝剤」は、それの酸-塩基コンジュゲート成分の作用によってpHの変化に抵抗する緩衝剤を指す。一部の実施形態において、本発明の緩衝剤は、約5.0~約7.5、約5.8~約7.0、約6.0~約6.5または約6.0~約6.3のpHに剤形のpHを調節する。一様態において、単独でまたは組み合わせでpHを制御する緩衝剤の例は、アセテート(acetate)、スクシネート(succinate)、グルコネート(gluconate)、ヒスチジン(histidine)、シトレート(citrate)、ホスフェート(phosphate)、マリエート(maleate)、カコジレート(cacodylate)、2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸(2-[N-morpholino]ethanesulfonic acid,MES)、ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス[ヒドロキシメチル]メタン(ビス-トリス)(bis(2-hydroxyethyl)iminotris[Hydroxymethyl]methane(bis-tris))、N-[2-アセトアミド]-2-イミノ2酢酸(N-[2-acetamido]-2-iminodiacetic acid,ADA)、グリシルグリシン(glycylglycine)または他の有機酸緩衝剤を含んでもよい。
【0078】
なお、本発明において緩衝剤は、生物学的緩衝剤、すなわち、生物学的システムまたはそのコンテキストで使用される従来技術から知られている緩衝剤を使用することができるが、例えば、本発明において使用される緩衝液は、無機塩および有機塩を含有する混合緩衝液であってもよい。
【0079】
また、本発明において使用することができる好ましい混合緩衝液は、生物学的緩衝液であり、アミノ酸を含むものであってもよい。本発明において使用することができる好ましいアミノ酸は、ヒスチジン、アルギニンおよびグルタミン酸から成る群から選択される1つ以上であってもよく、ヒスチジン、アルギニンおよびグルタミン酸を全部含むことが好ましい。
【0080】
本発明において、「界面活性剤」は、液体の表面張力を低減する作用剤を指す。一様態において、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であってもよい。好ましい様態として、本発明は、界面活性剤としてポリソルベート80とポロクサマー188を両方とも含んでもよいが、これに限定されるものではない。本発明においてさらに含まれてもよい界面活性剤の例は、ポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、例えば、ポリソルベート20);トリトン(TRITON(登録商標))(t-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、非イオン性洗浄剤、ミシガン州ミドルランド所在のダウケミカルカンパニーのユニオンカーバイド(Union Carbide)の子会社);ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate:SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;ソジウムオクチルグルコシド;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-またはステアリル-スルホベタイン;ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-またはステアリル-サルコシン、;リノレイル-、ミリスチル-またはセチル-ベタイン;ラウロアミドプロピル-、コカミドプロピル-、リノレアミドプロピル-、ミリストアミドプロピル-、パルミドプロピル-、またはイソステアルアミドプロピル-ベタイン(例えば、ラウロアミドプロピル);ミリリストアミドプロピル-、パルミドプロピル-、またはイソステアルアミドプロピル-ジメチルアミン;ソジウムメチルココイル、またはジソジウムメチルオレイル-タウレート;ソルビタンモノパルミテート;およびMONAQUATシリーズ(ニュージャージー州パターソン所在のモナインダストリズインコポレイティドゥ(Mona Industries,Inc.));ポリエチルグリコール(polyethyl glycol:PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)およびポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレングリコールの共重合体(例えば、プルロニックス(登録商標)/ポロクサマー(Pluronics(登録商標)/Poloxamer)、PF68など);から成る群から選択されるものを含む。
【0081】
本発明による剤形は、一実施様態において、滅菌され、保存剤を含まない。他の実施様態において、本発明による剤形は、任意の保存剤を含んでもよいし、前記保存剤は、パラベン無含有保存剤であってもよい。パラベンは、一連のパラヒドロキシベンゾアートまたはパラヒドロキシ安息香酸のエステルであり、これは、サイトカイン放出および刺激を引き起こし、様々な類型のがんと関係していることが知られている。パラベンの例は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ヘプチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、ベンジルパラベン、およびこれらのナトリウム塩を含む。
【0082】
例示的なパラベン無含有保存剤は、メチルフェノール(クレゾール)、例えば、3-メチルフェノール(メタ-クレゾールまたはm-クレゾール)、フェノール、フェネチルアルコール、カプリリルグリコール、フェノキシエタノール、ソルベート、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸、アセマンナン、オレウロペイン、カルバクロール、クランベリー抽出物、グルコノラクトン、緑茶抽出物、ヘリアンサス・アナス(Helianthus annuus)種子オイル、ラクトバシルス(Lactobacillus)発酵物、ウスネアバルバタ(Usnea barbata)抽出物、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリグリセリル-3パルミテート、ポリグリセリル-6カプリレート、ザクロ抽出物、アメリカヤマナラシ(Populus tremuloides)葉抽出物、レスベラトロール、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)葉抽出物、ベンジルアルコール、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0083】
本発明による剤形は、抗酸化剤をさらに含んでもよい。「抗酸化剤」は、他の分子の酸化を抑制する作用剤を指し、本発明において抗酸化剤の例は、シトレート、リポ酸、尿酸、グルタチオン、トコフェロール、カロテン、リコペン、システイン、ホスホネート化合物、例えば、エチドロン酸、デスペロキサミンおよびマレートを含む。
【0084】
本発明において使用されるGX-H9は、実質的に純粋であってもよく(すなわち、汚染タンパク質などがない)、実質的に同種であってもよい。「実質的に純粋な」GX-H9は、薬学剤形内タンパク質の全重量を基準として少なくとも約90重量%、選択的に、少なくとも約95重量%または97重量%で含まれることを意味する。
【0085】
GX-H9は、「実質的に同種の」GX-H9を含んでもよいし、前記「実質的に同種の」GX-H9は、本発明において使用されるGX-H9と均等活性を有する変異を有することを意味する。前記の実質的に同種は、一様態としてGX-H9アミノ酸配列と実質的に同じことを意味し、実質的に同じ配列は、本発明のGX-H9アミノ酸配列と任意の他の配列を最大限対応するようにアラインし、当業界において通常用いられるアルゴリズムを用いてアラインされた配列を分析した場合に、最小90%の相同性、最も好ましくは、最小95%の相同性、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の相同性を示す配列を意味する。
【実施例】
【0086】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、ただ本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されると解釈されないことは、当業界において通常の知識を有する者にとって自明だろう。
実施例1.hGH-hyFcの高濃度剤形12週安定性の評価
1-1.予備実験結果の要約
【0087】
hGH-hyFc(以下、「GX-H9」と混用して表示される)の高用量剤形に対する予備実験では、pH6.0~6.5の範囲にわたって温度ストレスに対する凝集抵抗性が他のpH範囲に比べてさらに大きく現れた。また、リン酸塩緩衝製剤に比べてヒスチジン緩衝製剤を使用する場合、さらに高いレベルの安定性を確認することができた。なお、凍結/解凍、撹拌条件でポロクサマー188およびポリソルベート80を使用する場合、高い安定性を得ることができた。
【0088】
全般的に、SE-HPLC結果は、pH6.1でさらに高い安定性を示すのに対し、RP-UPLC結果は、塩化ナトリウムを含有するpH6.5剤形においてさらに高い安定性を示すことが確認された(データ不図示)。
1-2.実験設計
【0089】
以下では、リン酸塩緩衝液pH6.9剤形をさらに含み、合計5個の互いに異なる剤形に対して温度(-70℃、2~8℃、25℃、45℃)ストレス、凍結/解凍ストレス、軽い振とうストレスによる安定性を評価した。表1は、GX-H9および賦形剤の濃度および種類の剤形条件を示す。
【表1】
【0090】
GX-H9を含む溶液を表1で言及された剤形条件(Poloxamer 188を除外)のそれぞれのバッファーで限外ろ過(ultrafiltration,UF)/透析ろ過(diafiltration,DF)を実施した。pHと伝導度(conductivity)を測定し、バッファーが十分に平衡が到達したことを確認した後、所望の濃度まで濃縮した後、ポロクサマー188を添加して目標濃度に合わせた。
【0091】
無菌条件でそれぞれの剤形で作成したGX-H9試料を0.2μmポリビニリデンジフロライド(polyvinylidene difluoride,PVDF)メンブレンを通じてろ過した後、事前に滅菌された脱パイロジェンホウケイ酸バイアル(depyrogenated borosilicate vials)に分配し、栓を閉じた後、アルミニウムシールでクリンピング(crimping)した。その後、各バイアルを安定性試験のためのストレス条件に置いて、所望の時点にサンプルを抽出して、安定性評価を行った(表2)。サンプルの分取量は、適切な分析のために必要に応じて希釈して使用し、残りのサンプルは、バックアップテストのために-70℃で維持された。表2は、ストレス条件および分析項目の実験条件を示す。
【表2】
【0092】
1-3.濃度(A280)、濁度(A330)、外観およびpH変化
【0093】
ストレス条件で各剤形の濃度、濁度、目視による外観およびpH変化を確認した。
【0094】
サンプルの濃度は、1.0mg/mL=1.04AUの吸光係数を使用して280nmで吸光度測定によって決定された。確認された最終タンパク質濃度は、散乱に対して修正された((A280-A330)/ε280=修正されたタンパク質濃度)。
【0095】
多様なストレス条件後、サンプルのタンパク質濃度、濁度、外観およびpHを確認した結果は、表3と表4に示された通りである。多様なストレス条件によるタンパク質濃度、濁度およびpHと関連して明確な差異が観察されなかった。多様なストレス条件下ですべての剤形では、目に見える微粒子が観察されなかった。5X凍結/解凍または2~8℃で3日間振とうストレスを行った結果、いかなる剤形でも識別可能な分析的変化が確認されなかった。
【0096】
表3は、温度ストレス後、濃度、濁度、外観およびpH変化を示す。
【表3】
【0097】
*C=Clear;T=Turbid;O=Opalescent(translucent);LY=Light Yellow;NC=No Color;NP=No Particles
【0098】
表4は、凍結/解凍および振とうストレス後、濃度、濁度、外観およびpH変化を示す。
【表4】
【0099】
*C=Clear;T=Turbid;O=Opalescent(translucent);LY=Light Yellow;NC=No Color;NP=No Particles
【0100】
GX-H9の目標濃度は、すべてのテスト剤形で達成され、これは、準備後、多くの剤形に対して<1%の散乱レベルを示した。ストレス反応後、サンプルのタンパク質濃度、濁度、外観およびpHを確認した結果、すべてのテスト剤形において多様なストレス条件によるタンパク質濃度、濁度およびpHと関連して明確な差異が観察されなかった。
1-4.SE-UPLC
【0101】
SE-UPLC(ゲルろ過クロマトグラフィーともいう)は、サイズによってタンパク質の分子形態を分離する。この方法では、高分子種(例えば、凝集体、IgG二量体およびオリゴマー)が所望の(単量体)IgG種より先にプレピークで溶離される。低分子種(例えば、分解産物および断片)は、その後、ポストピークで溶離される。
【0102】
SE-UPLCは、Waters Acquity UPLC BEH SEC、200A(4.6x300mm、1.7μm)および100mMリン酸ナトリウム、200mMアルギニン-HCl、pH7.0、移動相を使用して行われた。
【0103】
表5は、温度ストレスによるSE-UPLC結果を示す。
【表5】
【0104】
表6は、凍結/解凍および振とうストレスによるSE-UPLC結果を示す。
【表6】
【0105】
-70℃、2~8℃、25℃および45℃で12週間保管したサンプルのSE-UPLC結果、表5および表6に示されたように、高分子種(HMW)および低分子種(LMW)が両方とも増加した。安定性終末点の比較結果、さらに高いpHに比べてpH6.1でGX-H9安定性がさらに高く現れた。なお、同じpH6.1剤形のうち100mg/mL剤形が150mg/mLより安定していた。凍結/解凍および2~8℃振とうストレスに露出したとき、すべてのテスト剤形の間に識別可能な傾向が観察されなかったが、その理由は、結果データがt=0結果および検定変動性内で類似していたためである(表5および表6)。
1-5.RP-UPLC
【0106】
RP-UPLCは、疎水性の差異によって分子を分離する。分離は、固定相の固定された疎水性リガンドに対する移動相の溶質結合によって変わる。溶出は、一般的に分子疎水性が増加する順に有機溶媒を用いた移動相の疎水性変化で行われる。溶媒勾配分離は、Waters Acquity UPLC Protein BEH300 C4カラム(2.1x150mm)とともに220nmでモニタリングするUV検出器(A220)および統合ソフトウェア(Chromeleon 7.2)が装着された超高性能液体クロマトグラフィーシステム(Waters Acquity H-Class UPLC)を使用して行われた。
【0107】
表7は、温度ストレスによるRP-UPLC結果を示す。
【表7】
【0108】
表8は、凍結/解凍および振とうストレスによるRP-UPLC結果を示す。
【表8】
【0109】
-70℃、2~8℃、25℃で12週間または45℃で3週間保管したサンプルのRP-UPLC結果、アルギニンおよびグルタミン酸を含有するpH6.1剤形が他の高いpH剤形と比較してさらに優れた安定性を示した。凍結/解凍および2~8℃振とうストレスに露出したとき、すべてのテスト剤形の間に識別可能な傾向が観察されなかったが、その理由は、結果データがt=0結果および検定変動性内で類似していたためである(表7および表8)。
実施例2.ポリソルベート80の有無によるhGH-hyFc剤形安定性の評価
【0110】
実施例1を通じて最も優れた剤形に選ばれた10mMのヒスチジン、0.1%(w/v)ポロクサマー188、55mMのアルギニン、55mMのグルタミン酸、90mMのNaCl、pH6.1条件でも不溶性異物の生成と微細粒子の増加傾向を示し、GX-H9のhGHが疎水性パッチ(hydrophobic patch)を多く有していて、タンパク質自体が疎水性相互作用による凝集体を形成できるという点とDP容器内気体/オイル/固体表面などにタンパク質が吸着して一種のタンパク質フィルムを形成し、これらが脱離されて作成されたパッチが不溶性粒子で凝集体を形成できるという点に着目し、このような凝集体の形成を防止できる剤形を開発するために、界面活性剤としてポロクサマー188だけでなく、ポリソルベート80と共に添加した液状剤形において凝集体の形成が顕著に改善されることを確認しようとした。
【0111】
ポロクサマー188のみを使用する場合に比べて、ポロクサマー188とポリソルベート80を共に使用する場合、不溶性異物および微細粒子の生成をさらによく阻害する結果に基づいて、60mg/mLのhGH-hyFcを含む剤形組成物4種においてポロクサマー188の濃度を0.10%(w/v)に固定し、0.03%(w/v)ポリソルベート80を添加して、合計8種の剤形に対して外観、微細粒子分析、SE-UPLC、RP-HPLC(reversed-phase high performance liquid chromatography)分析を進めた。
2-1.外観分析(不溶性異物の目視検査)
【0112】
hGH-hyFc原液(Drug Substance,DS)を用いて多様な剤形組成物を調製し、バイオセーフティキャビネットで0.22μmのPESフィルターでフィルタリングした後、外部由来ダストなどが含まれないようにガラスバイアルに約0.8mLずつ分注した。冷蔵(5℃)および常温(25℃)で保管中のサンプル容器を取り出して、約30分間常温化させた後、異物検査台で容器の外部をアルコールなどで表面をきれいに洗浄した後、容器に入っているそのまま目視で直接観察して、6ヶ月間不溶性異物の有無を確認した。
【0113】
その結果、
図1に示されたように、冷蔵(5℃)保管時に、ポリソルベート80が含まれた条件では、6ヶ月間不溶性異物が生成されなかったが、ポリソルベート80が含まれていない条件では、冷蔵6ヶ月間10個のうち相当数のサンプルで不溶性異物の生成が確認された。なお、常温(25℃)保管時、ポリソルベート80が含まれた条件では、これを含まない条件に比べて概して不溶性異物の生成が阻害されることが示された。特に、候補群(Candidate)#1および 候補群(Candidate)#4は、3ヶ月間不溶性異物が生成されなかった。しかしながら、ポリソルベート80が含まれていない剤形条件では、常温で保管6ヶ月にすべてのバイアルにおいて不溶性異物の生成が確認された。
2-2.微細粒子(Sub-visible particle)分析
【0114】
各条件別のサンプルをガラスバイアルに1mLずつ取って準備し、外部会社に依頼して(KBIO、剤形テクニカルサポートチーム)Microflow Imaging装備(MFI 5200,Proteinsimple)とMFI View System Software(MVSS)Version 2-R4.1.0.40.4816、MFI View Analysis Suite(MVAS)Version 1.4.0を用いて微細粒子分析を進めた。
【0115】
その結果、
図2に示されたように、冷蔵(5℃)保管6ヶ月でポリソルベート80を含む 候補群(Candidate)#1、#2、#4および#6が微細粒子の生成をよく阻害することが観察された。微細粒子の生成と関連して、冷蔵および常温の両方でポリソルベート80を共に含まない剤形では、顕著に高い微細粒子が生成されることが分かった。
2-3.SE-UPLC分析
【0116】
ACQUITY UPLC Protein BEH200(4.6*300mm)(Waters、186005226)カラムを使用して100mMのリン酸ナトリウム(pH7.0)、200mMのアルギニン-HCl、移動相溶液を0.25mL/minの速度で流し、各条件別のサンプルを10μg注入して、吸光度280nmでGX-H9タンパク質のピークを確認した。
【0117】
その結果、
図3のように、冷蔵(5℃)保管および常温(25℃)保管6ヶ月で 候補群(Candidate)#2、#3および#5の純度は優れていることが確認された。特に、ポリソルベート80を含む剤形では、 候補群(Candidate)#2の純度が最も優れていた。ポリソルベート80を含まない剤形である 候補群(Candidate)#3、#5の場合、 候補群(Candidate)#2と比較して冷蔵保管6ヶ月での純度は類似していたが、常温保管6ヶ月では、純度が相対的に低いことが確認された。
2-4.RP-HPLC
【0118】
Proteonavi C4 300Å 5μm(Shiseido、80205)カラムを使用して0.05% Trifluoroacetic acid(TFA)in Water(MPA)、0.05% Trifluoroacetic acid(TFA)in Acetonitrile(MPB)移動相溶液を0.5mL/minの速度で表9の勾配条件で流し、20μgの試料を注入して、吸光度220nmでGX-H9タンパク質のピークを確認した。
【表9】
【0119】
その結果、
図4のように、冷蔵(5℃)保管6ヶ月では、すべての剤形間純度が類似していたが、常温(25℃)保管6ヶ月では、候補群(Candidate)#4が相対的に最も優れた純度を示した。
実施例3.ポリソルベート80の含有量によるhGH-hyFc剤形安定性の評価
【0120】
実施例2を総合して最も適合した剤形と判断される 候補群(Candidate)#2においてポリソルベート80の濃度を異ならせてhGH-hyFcの剤形安定性(外観分析、微細粒子分析、SE-UPLC分析、RP-HPLC分析)を実施例2と同じ実験方法で進めた。
【0121】
その結果、外観分析では、常温(25℃)で3ヶ月以上保管するために0.07%(w/v)以上のポリソルベート80をさらに含有する剤形が適していることを確認することができた(
図5)。また、微細粒子分析では、ポリソルベート80の濃度0.03~0.15%(w/v)の範囲で概して類似した微細粒子が確認された(
図6)。SE-UPLC、RP-HPLC結果では、冷蔵(5℃)保管時にポリソルベート80の濃度による有意差がなく、SE-UPLC結果で常温保管時にポリソルベート80の濃度が0.10%(w/v)以上のとき、純度が減少し、RP-HPLC結果では、常温保管時にポリソルベート80の濃度による純度差が大きくなかった(
図7)。
実施例4.高用量hGH-hyFc剤形安定性の評価
【0122】
前記実施例を総合して、(i)ポリソルベート80を0.07%(w/v)に固定し、hGH-hyFcをそれぞれ60、80、100、120mg/ml処理してガラスカートリッジに保管する場合、(ii)hGH-hyFcを120mg/mlに固定し、ポリソルベート80をそれぞれ0.03、0.05、0.07、0.10、0.15%(w/v)処理してガラスカートリッジに保管する場合、(iii)hGH-hyFcを60mg/mlおよびポリソルベート80の0.07%(w/v)に固定し、それぞれm-クレゾール、フェノールまたはベンジルアルコールの保存剤を処理してガラスバイアルに保管する場合に対して、冷蔵(5℃)および常温(25℃)保管による外観分析を通じて不溶性異物が観察されるかを確認し、純度変化を確認して、剤形安定性を評価しようとした。
4-1.外観分析(不溶性異物の目視検査)
【0123】
hGH-hyFc原液(DS)を用いて多様な剤形組成物を調製し、バイオセーフティキャビネットで0.22μmのPESフィルターでフィルタリング後、外部由来ダストなどが含まれないようにガラスバイアルに約1.0mLずつ分注した。冷蔵(5℃)および常温(25℃)で保管中のサンプル容器を取り出して約30分間常温化させた後、異物検査対で容器の外部をアルコールなどで表面をきれいに洗浄した後、容器に入っているそのまま目視で直接観察して、6ヶ月間不溶性異物の有無を確認した。
【0124】
その結果、(i)ポリソルベート80の0.07%(w/v)に固定し、hGH-hyFcを60~100mg/ml処理してガラスカートリッジに保管する場合、冷蔵および常温6ヶ月間不溶性異物が生成されないことが確認され、(ii)hGH-hyFcを120mg/mlに固定し、ポリソルベート80をそれぞれ0.05~0.15%(w/v)処理してガラスカートリッジに保管する場合、冷蔵および常温6ヶ月間不溶性異物が生成されないことが確認され、(iii)hGH-hyFcを60mg/mlおよびポリソルベート80を0.07%(w/v)に固定し、1mg/mLフェノールを保存剤で処理してガラスバイアルに保管する場合、冷蔵および常温6ヶ月間不溶性異物が生成されないことが確認された(
図8)。
4-2.SE-UPLCおよびRP-HPLC分析
【0125】
各条件によるサンプルをガラスカートリッジまたはガラスバイアルから取って、移動相バッファーおよび剤形バッファーを用いて2mg/mLで希釈した後、0.22μmセルロースアセテート遠心分離用チューブフィルターでろ過後、LCバイアルに入れてSE-UPLCまたはRP-HPLC分析を行った。
【0126】
SE-UPLCは、ACQUITY UPLC Protein BEH200(4.6*300mm)(Waters、186005226)カラムを使用して100mMのリン酸ナトリウム(pH7.0)、200mMのアルギニン-HCl、移動相溶液を0.25mL/minの速度で流し、10μg注入して、吸光度280nmでGX-H9タンパク質のピークを確認した。
【0127】
RP-HPLCは、Proteonavi C4 300Å 5μm(Shiseido、80205)カラムを使用して0.05% Trifluoroacetic acid(TFA)in Water(MPA)、0.05% Trifluoroacetic acid(TFA)in Acetonitrile(MPB)移動相溶液を0.5mL/minの速度で表9の勾配条件で流し、20μgの試料を注入して、吸光度220nmでGX-H9タンパク質のピークを確認した。
【0128】
その結果、(i)ポリソルベート80の0.07%(w/v)に固定し、hGH-hyFcを60-120mg/ml処理してガラスカートリッジに保管する場合、SE-UPLCで冷蔵(5℃)保管時にhGH-hyFc用量60mg/mLと120mg/mL間の純度差0.5%と僅かであるが、常温(25℃)保管時には、hGH-hyFc用量60mg/mLと120mg/mL間の純度差が3.6%と確認された。なお、常温保管時にhGH-hyFc用量60mg/mLと120mg/mL間のRP-HPLCによる純度差が0.8%と僅かであった(
図9a)。
【0129】
(ii)hGH-hyFcを120mg/mlに固定し、ポリソルベート80をそれぞれ0.03~0.15%(w/v)処理してガラスカートリッジに保管する場合には、冷蔵保管時にポリソルベート80の濃度0.03%(w/v)と0.15%(w/v)間の純度差がなく、常温保管時にポリソルベート80の濃度0.03%(w/v)と0.15%(w/v)間の差も僅かであった(
図9b)。
【0130】
(iii)hGH-hyFcを60mg/mlおよびポリソルベート80の0.07%(w/v)に固定し、それぞれm-クレゾール、フェノールまたはベンジルアルコールの保存剤を処理してガラスバイアルに保管する場合においては、SE-UPLC結果、1mg/mlフェノールを含有する条件で純度が最も少なく減少し、RP-HPLC結果では、すべての保存剤において純度に有意差がなかった(
図9c)。
【0131】
以上、本発明内容の特定の部分を詳細に記述したところ、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的技術は、ただ好ましい実施様態であり、これによって本発明の範囲が制限されるものではない点は明白だろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とそれらの等価物によって定義されるといえる。
[配列目録プレテキスト]
1. GX-H9 (hGH-hyFc5)
Phe Pro Thr Ile Pro Leu Ser Arg Leu Phe Asp Asn Ala Met Leu Arg
Ala His Arg Leu His Gln Leu Ala Phe Asp Thr Tyr Gln Glu Phe Glu
Glu Ala Tyr Ile Pro Lys Glu Gln Lys Tyr Ser Phe Leu Gln Asn Pro
Gln Thr Ser Leu Cys Phe Ser Glu Ser Ile Pro Thr Pro Ser Asn Arg
Glu Glu Thr Gln Gln Lys Ser Asn Leu Glu Leu Leu Arg Ile Ser Leu
Leu Leu Ile Gln Ser Trp Leu Glu Pro Val Gln Phe Leu Arg Ser Val
Phe Ala Asn Ser Leu Val Tyr Gly Ala Ser Asp Ser Asn Val Tyr Asp
Leu Leu Lys Asp Leu Glu Glu Gly Ile Gln Thr Leu Met Gly Arg Leu
Glu Asp Gly Ser Pro Arg Thr Gly Gln Ile Phe Lys Gln Thr Tyr Ser
Lys Phe Asp Thr Asn Ser His Asn Asp Asp Ala Leu Leu Lys Asn Tyr
Gly Leu Leu Tyr Cys Phe Arg Lys Asp Met Asp Lys Val Glu Thr Phe
Leu Arg Ile Val Gln Cys Arg Ser Val Glu Gly Ser Cys Gly Phe Arg
Asn Thr Gly Arg Gly Gly Glu Glu Lys Lys Lys Glu Lys Glu Lys Glu
Glu Gln Glu Glu Arg Glu Thr Lys Thr Pro Glu Cys Pro Ser His Thr
Gln Pro Leu Gly Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr Leu
Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val Ser
Gln Glu Asp Pro Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly Val Glu
Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe Asn Ser Thr
Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp Trp Leu Asn
Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu Pro Ser Ser
Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro Gln
Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln Val
Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala Val
Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr Pro
Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Arg Leu Thr
Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser Val
Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser Leu
Ser Leu Gly Lys
2. hGH (GenBank: AAA98618.1) (シグナル配列除外)
Phe Pro Thr Ile Pro Leu Ser Arg Leu Phe Asp Asn Ala Met Leu Arg
Ala His Arg Leu His Gln Leu Ala Phe Asp Thr Tyr Gln Glu Phe Glu
Glu Ala Tyr Ile Pro Lys Glu Gln Lys Tyr Ser Phe Leu Gln Asn Pro
Gln Thr Ser Leu Cys Phe Ser Glu Ser Ile Pro Thr Pro Ser Asn Arg
Glu Glu Thr Gln Gln Lys Ser Asn Leu Glu Leu Leu Arg Ile Ser Leu
Leu Leu Ile Gln Ser Trp Leu Glu Pro Val Gln Phe Leu Arg Ser Val
Phe Ala Asn Ser Leu Val Tyr Gly Ala Ser Asp Ser Asn Val Tyr Asp
Leu Leu Lys Asp Leu Glu Glu Gly Ile Gln Thr Leu Met Gly Arg Leu
Glu Asp Gly Ser Pro Arg Thr Gly Gln Ile Phe Lys Gln Thr Tyr Ser
Lys Phe Asp Thr Asn Ser His Asn Asp Asp Ala Leu Leu Lys Asn Tyr
Gly Leu Leu Tyr Cys Phe Arg Lys Asp Met Asp Lys Val Glu Thr Phe
Leu Arg Ile Val Gln Cys Arg Ser Val Glu Gly Ser Cys Gly Phe
3. hyFc5
Arg Asn Thr Gly Arg Gly Gly Glu Glu Lys Lys Lys Glu Lys Glu Lys
Glu Glu Gln Glu Glu Arg Glu Thr Lys Thr Pro Glu Cys Pro Ser His
Thr Gln Pro Leu Gly Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr
Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val
Ser Gln Glu Asp Pro Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly Val
Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe Asn Ser
Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp Trp Leu
Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu Pro Ser
Ser Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro
Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln
Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala
Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr
Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Arg Leu
Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser
Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser
Leu Ser Leu Gly Lys
【配列表】
【国際調査報告】