(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】直接打錠補助組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 47/32 20060101AFI20241108BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20241108BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20241108BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20241108BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20241108BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20241108BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20241108BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20241108BHJP
A61K 8/91 20060101ALI20241108BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20241108BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241108BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20241108BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20241108BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20241108BHJP
A23K 40/20 20160101ALI20241108BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20241108BHJP
A23K 20/105 20160101ALI20241108BHJP
A23K 20/179 20160101ALI20241108BHJP
A23K 20/158 20160101ALI20241108BHJP
【FI】
A61K47/32
A61K9/20
A61K9/16
A61K47/26
A61K47/14
A61K47/12
A61K8/02
A61K8/60
A61K8/91
A61K8/81
A61K8/37
A61K8/36
A61K8/49
A23L5/00 A
A23K40/20
A23K20/163
A23K20/105
A23K20/179
A23K20/158
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532700
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022083789
(87)【国際公開番号】W WO2023099532
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲベルト,ジルケ
(72)【発明者】
【氏名】グート,フェリシタス
(72)【発明者】
【氏名】ショルテン,クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】チェフ,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】バン,フロリアン
【テーマコード(参考)】
2B150
4B035
4C076
4C083
【Fターム(参考)】
2B150AE05
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2B150DC21
4B035LC16
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4C083FF01
(57)【要約】
本発明は、結合剤としての水溶性ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー、滑沢剤、着色剤及び任意選択により錠剤崩壊剤としての架橋不溶性ポリビニルピロリドンと緊密に混合された、ラクトース粉末をベースとする直接打錠補助組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)75~98.75重量%の打錠用に適切なラクトースと
B)0.5~10重量%の水溶性ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマーと
C)0~15重量%の架橋不溶性ポリビニルピロリドンと
D)0.25~12重量%の着色剤と
E)0.5~10重量%の滑沢剤と
を含む球状顆粒の形態の直接打錠補助組成物であって、
全成分A~Eの合計が100重量%であり、前記球状顆粒の平均粒径(D50)が50μm~500μmの範囲にある、直接打錠補助組成物。
【請求項2】
A.)75~98.75重量%の打錠用に適切なラクトースと
B.)0.5~10重量%の水溶性ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマーと
C.)0.25~12重量%の着色剤と
D.)0.5~10重量%の滑沢剤と
を含む球状顆粒の形態の直接打錠補助組成物であって、
全成分A~Dの合計が100重量%であり、前記球状顆粒の平均粒径(D50)が50μm~500μmの範囲にある、直接打錠補助組成物。
【請求項3】
80μm~300μmの平均粒径を有する、請求項1又は2に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項4】
100μm~250μmの平均粒径を有する、請求項1又は2に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項5】
前記ラクトースがラクトース一水和物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項6】
前記不溶性ポリビニルピロリドンが、Kollidon CL-SF及び/又はKollidon CL-F及び/又はKollidon CLである、請求項1及び3~5のいずれか一項に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項7】
前記着色剤が有機染料又はそのレーキである、請求項1~6のいずれか一項に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項8】
前記着色剤がFD&C染料又はD&C染料である、請求項7に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項9】
前記滑沢剤が、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及び/又はステアリン酸ポロキサマー407(Kolliphor P407micro)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項10】
前記滑沢剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項9に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項11】
前記滑沢剤が前記顆粒の表面上に位置する、請求項1~10のいずれか一項に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項12】
25°~31°の安息角を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の直接打錠補助組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の直接打錠補助組成物を調製する連続方法であって、前記連続方法は、前記ラクトース、ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー、着色剤懸濁液及び任意選択により架橋不溶性ポリビニルピロリドン懸濁液を噴霧乾燥することを含み、それにより、前記滑沢剤が乾燥粉末形態で投入される、連続方法。
【請求項14】
請求項2に記載の直接打錠補助組成物を調製する連続方法であって、前記連続方法は、前記ラクトース、ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー及び着色剤懸濁液を噴霧乾燥することを含み、それにより、前記滑沢剤が乾燥粉末形態で投入される、連続方法。
【請求項15】
前記滑沢剤が乾燥粉末として添加され、前記滑沢剤が噴霧乾燥粒子の表面に付着した製品が得られる、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
化粧品又は医薬品調製物、農薬活性剤の調製物、食品、飼料、及び食品又は飼料サプリメントの分野での調製物における、請求項1~12のいずれか一項に記載の直接打錠補助組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合剤としての水溶性ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー、滑沢剤、着色剤及び任意選択により錠剤崩壊剤としての架橋不溶性ポリビニルピロリドンと緊密に混合された、ラクトース粉末をベースとする直接打錠補助組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品業界において、API(医薬品有効成分)を送達するために最も一般的に利用されている手段は錠剤であり、これは適切に配合された粉末を圧縮することによって得ることができる。従来から、圧縮可能な混合物は、典型的に、APIと適切な添加剤材料とのブレンドによって得られる。これらの添加剤には、希釈剤又は充填剤、結合剤又は接着剤、崩壊剤、流動促進剤又は流動化剤、着色剤、香料及びこれらの混合物が含まれ得る。
【0003】
着色された打錠助剤は、二層錠又は多層錠の製造に極めて適している。1つの錠剤に2つの異なる種類の有効成分又は組成物が存在するのを示すこと、及びこの外観により患者コンプライアンスを高めることが望まれ得る。それらの個々の層がはっきりと分離することが望まれることが多いが、実現は困難である。10重量%までの着色剤を打錠助剤と単純に物理的混合することにより、粉末粉末状組成物(powder powderous composition)は、均質な外観を示さず、ブレンドがまだらで、混濁が不十分である(
図1)。
【0004】
しかしながら、当該技術分野では、新規添加剤組成物、及び使用準備済みのコプロセス添加剤組成物を製造するプロセスのさらなる最適化が継続的に必要とされている。特に、当該業界では、連続製造コンセプトが依然として必要とされている。良好な流動性を示すと同時に、打錠中に許容できる排出力を可能にし、圧縮剤形の硬度を高め、崩壊時間を短くする医薬品添加剤の連続製造コンセプト。このような性能は、様々な薬物含有錠剤、例えば鎮痛剤に要求される。
【発明の概要】
【0005】
したがって、一態様において本発明は、少なくとも1種のラクトース成分、少なくとも1種の水溶性ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー、少なくとも1種の滑沢剤、少なくとも1種の着色剤、及び任意選択により少なくとも1種の水不溶性架橋ポリビニルピロリドンを含む直接打錠補助組成物を提供する。
【0006】
ラクトースは二糖類の群に属し、β-D-ガラクトース及びα/β-D-グルコースの2分子からなり、これらはβ-1,4グリコシド結合によって一緒に連結されている。本発明によれば、ラクトース成分は、無水ラクトース又はラクトース一水和物であり得る。ラクトース一水和物は、無水ラクトースと比較して吸湿性が低く、したがって、水感受性の医薬品有効成分を含有する組成物に、より適しているため、好ましい。5重量%未満の非晶質ラクトース一水和物の含量を有するラクトース一水和物がより好ましい。
【0007】
ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマーは、白色から帯黄色の粉末であり、水に容易に溶解し、粘度が低く、酸素感受性ではないという利点、他のポリマーのように過酸化水素を生成しないという利点を有する。これは、25:75の比で結合したポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールを含むグラフトポリマーである。分子量はおよそ45000である。ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマーを添加することにより、粒径分布を最適化すること、及び意外にも、水溶性結合剤の使用にもかかわらず錠剤の崩壊時間を短く保持することの両方が可能になる。ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマーの粉末は、Kollicoat(登録商標)IRとして市販され、およそ0.3%のコロイダルシリカを含有する。本発明で使用されるポリエチレングリコール及びポリビニルアルコールグラフトコポリマーはコロイダルシリカを一切含有しない。本直接打錠補助組成物は、珍しくも流動促進剤/流動化剤を全く含有せず、それでも極めて高い流動性を示す。
【0008】
架橋不溶性ポリビニルピロリドンは、その膨潤性のため、医薬品業界で広く使用されている。したがって、それは、錠剤中に崩壊剤として主に使用されている。さらに、医薬品添加剤としてのその用途は、不溶性の薬物を親水化する能力、懸濁液を安定化する能力、及び複合体を形成する能力、並びにその吸着性によって誘発される。本発明によれば、架橋ポリビニルピロリドンは、Kollidon CL及び/又はKollidon CL-SF及び/又はKollidon CL-Fとすることができ、Kollidon CL-Fが好ましい。
【0009】
本発明に従って使用される滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及び/又はポロキサマー407(Kolliphor P407micro)であり、好ましくは、それは、フマル酸ステアリルナトリウム及びステアリン酸マグネシウムであり、最も好ましくは、それは、ステアリン酸マグネシウムである。
【0010】
本発明において使用される着色剤は、3つの群、A.有機染料及びそのレーキ、B.無機色素又は鉱物色素、及びC.天然色素又は植物色素若しくは動物色素に分類される。
【0011】
A.)有機染料は、溶媒に溶解すると、その着色力又は染色力を発揮する合成の化合物であり、例としては、エリスロシン、パテントブルーV並びにアゾ染料であるタートラジン及びサンセットイエローがある。レーキは、FDAにより、「アルミナの基層にのばしたFD&C水溶性染料のアルミニウム塩」と定義されている。レーキは、染料と異なり、不溶性であり、分散による色素である。その結果、レーキの粒径は、その着色能及び染色力に極めて重要である。レーキは、概して、一般的な合成水溶性染料の水不溶性形態である。アルミニウムレーキの一部の例としては、ブリリアントブルーレーキ、サンセットイエローレーキ、アマランスレーキ、アルラレッドレーキ、インジゴカルミンレーキ、キノリンイエローレーキがある。
【0012】
B.)現在の医薬品における鉱物着色の最も重要な用途は、おそらく、赤色酸化鉄及び黄色酸化鉄の混合物の使用である。二酸化チタンは、硬ゼラチンカプセルを着色し、不透明にするために使用される。
【0013】
C.)天然着色剤又は植物着色剤及び動物着色剤は、化学的及び物理的に多様な材料群である。これらの着色剤の一部は、天然源からの抽出よりもむしろ化学合成の生成物であり、例えば市販のβ-カロテンは、通常、元来、合成のものである。
【0014】
3つの群の中で、A群の着色剤が好ましい。A群の着色剤の中で好ましいのは、FD&C染料及びD&C染料であり、食品、医薬品及び化粧品(FD&C)において、又は医薬品及び化粧品(D&C)において、使用が認可されている染料である。
【0015】
本発明による直接打錠補助組成物は、組成物の全質量を基準として、好ましくは75~98.75重量%、より好ましくは80~95重量%、より一層好ましくは83~92重量%の量のラクトース成分を含む。
【0016】
架橋不溶性ポリビニルピロリドン成分は、組成物の全質量を基準として、好ましくは0~15重量%、より好ましくは2~12重量%、より一層好ましくは3~10重量%の量で存在する。
【0017】
ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマーは、組成物の全質量を基準として、0,5~10重量%、より好ましくは1~10重量%、より一層好ましくは2~9重量%の量で組成物中に含まれ得る。
【0018】
本発明の組成物は、組成物の全質量を基準として、好ましくは0,5~10重量%、より好ましくは1~10重量%、より一層好ましくは2~9重量%の総量の滑沢剤を有する。本発明によれば、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及び/又はポロキサマー407(Kolliphor P407micro)であり、好ましくは、それは、フマル酸ステアリルナトリウム及びステアリン酸マグネシウムであり、最も好ましくは、それは、ステアリン酸マグネシウムである。
【0019】
着色剤は、組成物の全質量を基準として、好ましくは0.25~12重量%、より好ましくは1~11重量%、より一層好ましくは2~9重量%の量で存在し、組成物の全成分の合計は、100重量%になる。
【0020】
直接打錠補助組成物は、球状形態を有し、好ましくは顆粒の形態で存在し、前記顆粒の平均粒径(D50)は、好ましくは50~500μmの範囲、より好ましくは80~300μmの範囲、より一層好ましくは100~250μmの範囲である。
【0021】
着色された組成物は、組成物中に0,5重量%の着色剤しか含まれていない場合でも、均質で強い色を有する(
図2)。
【0022】
打錠プロセス中、本発明の組成物は、1~75重量%の範囲のAPIレベルで、少なくとも1種のAPIと混合され得る。
【0023】
別の態様において、組成物、好ましくは顆粒は、いかなるAPIも含まない。
【0024】
本発明のさらなる態様において、上記のような組成物を製造する方法が提供される。本発明の方法は、(i)液体媒体中に少なくとも1種のポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー、少なくとも1種の着色剤及び少なくとも1種のラクトース、任意選択により架橋不溶性ポリビニルピロリドンを含む溶液又は懸濁液を用意するステップと、(ii)ステップ(i)で得られた溶液又は懸濁液を、高温の、任意選択により減圧の環境で噴霧し、それにより、液体媒体を除去するステップとを含む。ステップ(i)において、少なくとも1種のポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー成分、少なくとも1種の着色剤及び少なくとも1種のラクトース成分並びに任意選択により少なくとも1種の架橋不溶性ポリビニルピロリドンは、好ましくは、水、又はエタノール、酢酸及びアセトンなどの有機溶媒、並びにそれらの混合物などの液体媒体中に少なくとも部分的に溶解される。
【0025】
ステップ(i)において、着色剤を、濃厚液体(分散濃厚懸濁液又は濃厚溶液)として組み入れることは、特に有利である。
【0026】
ステップ(ii)において、ステップ(i)で得られた溶液又は懸濁液が噴霧され、これにより、現状技術とは対照的に、滑沢剤が溶液又は懸濁液としてではなく、固体粉末として噴霧乾燥粒子の表面に適用される。
【0027】
追加の調製ステップを伴わずに、この新規プロセスを連続製造プロセスに組み込み得ることは、特に有利である。
【0028】
別の態様において、本発明は、上記のプロセスによって得られる組成物に関する。このプロセスにより、優れた流動性、高いかさ密度及び優れた打錠性並びに均一な色を有する組成物が得られることが判明した。さらなる態様において、本発明は、経口剤形の作製における添加剤としての、特に打錠添加剤としての、より特定すると直接打錠添加剤としての、上記の組成物の使用を対象とする。本組成物は、流動性に優れ、かさ密度が高いため、硬殻カプセル(例えば硬ゼラチンカプセル)に充填されるAPIとの二元混合物用の希釈剤としても極めて適切である。
【0029】
本発明は、以下の図面及び実施例により、さらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】外観:着色剤を含まないラクトースベースの打錠補助剤と、左(0.5%インジゴチン85)から右(10%インジゴチン85)まで漸増量のインジゴチン85(E132)との物理的混合物。全ての試料は白色で、漸増量の着色斑点を有し、不均質な外観を有する。
【
図2】外観:0.5%(w/w)インジゴチン85(E132)を着色剤として含めた(左の試料)本発明による直接打錠補助組成物(左)と、0.5%インジゴチン85(E132)と無着色の打錠補助剤との物理的混合物(右の試料)との比較。本発明による試料(左)は、強い、均質に分布した色を有する。
【実施例】
【0031】
方法
着色された直接打錠補助組成物のタップ密度は、欧州薬局方第9版の2.9.34章、方法2に従って測定した。
【0032】
着色された直接打錠補助組成物のかさ密度は、欧州薬局方第9版の2.9.34章、方法3に従って測定した。
【0033】
Hausner比は、突き固め密度(tamped density)とかさ密度との比率に等しい。
【0034】
充填率は、かさ密度と真密度との比率に等しい。
【0035】
着色された直接打錠補助組成物の流動性及び安息角は、欧州薬局方第9版の2.9.16章及び2.9.36章に従って決定する。
【0036】
直接打錠補助組成物の粒径分布(D10、D50、D90)は、Malvern Mastersizer 2000を使用して決定した。
【0037】
錠剤硬度は、Sotax HT 100錠剤試験機を使用して、欧州薬局方第9版の2.9.8章に従って測定した。120mm/分の試験ジョーの速度で、20錠について錠剤硬度を連続的に決定する。
【0038】
実施例1:本発明による着色された直接打錠補助組成物の製造
Kollicoat(登録商標)IR(いかなるコロイダルシリカも含有しない)の水溶液、着色剤及び架橋不溶性ポリビニルピロリドン(例えばKollidon CL-F)を、水中に懸濁させ、この懸濁液を、20℃未満に冷却した。着色剤を、濃厚液体(分散濃厚懸濁液又は濃厚溶液)として組み入れることは、特に有利である。撹拌下、ラクトース(例えばGranuLac)を懸濁液に連続的に投入した。溶媒を除去するために、得られた懸濁液を155℃±5℃の入口空気温度、>80℃の出口空気温度で噴霧乾燥し、それにより、ステアリン酸マグネシウムを乾燥形態で噴霧乾燥機に投入し、その後冷却し、それにより、微粉をサイクロンによって顆粒から分離した。直接打錠補助剤は、表1~5に示す組成を有するものであった。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【国際調査報告】