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特表2025-500460車両のブレーキシステムの使用による粒子状排出物の代表的な情報を検出し提供するための方法及びシステム
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  • 特表-車両のブレーキシステムの使用による粒子状排出物の代表的な情報を検出し提供するための方法及びシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-09
(54)【発明の名称】車両のブレーキシステムの使用による粒子状排出物の代表的な情報を検出し提供するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/22 20060101AFI20241226BHJP
   F16D 66/02 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
B60T17/22
F16D66/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538139
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 IB2022061978
(87)【国際公開番号】W WO2023119044
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102021000032402
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521259127
【氏名又は名称】ブレンボ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BREMBO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】バラーレ,ピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリーチ,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ガリッツィ,ヴァレリオ
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツェッティ,マッティア
(72)【発明者】
【氏名】マッツォレーニ,エレナ
(72)【発明者】
【氏名】ネポーテ,ニコロ
(72)【発明者】
【氏名】レスカーティ,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】リーヴァ,ガブリエーレ
【テーマコード(参考)】
3D049
3J058
【Fターム(参考)】
3D049BB28
3D049BB41
3D049HH51
3D049RR01
3D049RR02
3D049RR05
3D049RR06
3J058BA41
3J058BA60
3J058BA78
3J058CA01
3J058CA41
3J058DB02
3J058DB20
3J058DB25
3J058FA01
(57)【要約】
車両のブレーキシステムの使用による粒子状排出物の代表的な情報を検出し提供するための方法であって、車両の走行中に、
車両に搭載された携帯電子機器(2)によって、車両のドライバによって入力された車両の識別データを取得するステップと;
車両に搭載された携帯電子機器(2)の複数のセンサによって、車両の走行中に車両の走行データ(DG)を取得するステップと;
車両に搭載された携帯電子機器の少なくとも1つのデータ処理モジュールによって、取得された車両(1)の走行データ(DG)を、各ポイントが車両(1)のそれぞれの走行データ(DG)と関連付けられたポイントの第1時系列(S-DG)として、車両に搭載された携帯電子機器の少なくとも1つのメモリモジュールに格納するステップと;
車両に搭載された携帯電子機器(2)によって、車両に搭載された携帯電子機器(2)の少なくとも1つのメモリモジュールに第1時系列(S-DG)として格納された車両の走行データ(DG)をリモートコンピュータに送信するステップと;
リモートコンピュータ(200)のデータ処理ユニットによって、受信した車両の走行データ(DG)の第1処理を実行し、車両の走行データ(DG)の、実際のブレーキイベント(EF)をそれぞれ代表するポイントの第2時系列(S-EF)としての表現を決定するステップであって、各ポイントは、それに関連付けられた車両のそれぞれの走行データ(DG)を有する、ステップとを含む。
上記方法は、第2時系列(S-EF)の点によって表される各ブレーキイベントについて、リモートコンピュータ(200)のデータ処理ユニットによって、
ブレーキイベント(EF)に対応する第2時系列(S-EF)のポイントの車両の走行データ(DG)の第1サブセット(S1)と、リモートコンピュータ(200)および車両の携帯電子機器(2)の外部の情報源から来る複数の情報(PI)のうちの1つまたは複数の情報に基づいて、車両のブレーキシステムの第1物理的大きさ(G1;TR)の値を決定するステップであって、複数の情報(PI)は、車両が走行している環境を代表する第1情報、車両が走行している道路状況を代表する第2情報(I2)、および車両(1)の第3製造情報(I3)から構成される、ステップと、
ブレーキイベント(EF)に対応する第2時系列(S-EF)の時点の車両の走行データ(DG)の第2サブセット(S2)と、リモートコンピュータ(200)および車両の携帯電子機器(2)の外部の情報源から得られる複数の情報(PI)のうちの1つまたは複数の情報とに基づいて、前記第2物理的な大きさ(G2;TR)の第2決定計算モジュール(M2)を適用することによって、前記車両のブレーキシステムの第2物理的な大きさ(G2;TR)の値を決定するステップと、
ブレーキイベント(EF)に対応する第2時系列(S-EF)の時点の車両の走行データ(DG)の第3サブセット(S3)、車両のブレーキシステムの第1物理的大きさ(PR)の値、ブレーキシステムの第2物理的大きさ(TR)の値、およびリモートコンピュータ(200)および車両の携帯電子機器(2)の外部の情報源からもたらされる複数の情報(PI)のうちの1つまたは複数の情報の断片に基づいて、粒子状物質排出(EP)の第3計算モジュール(M3)を適用することによって、ブレーキイベント(EF)による粒子状物質排出(EP)を代表する1つまたは複数の値を決定するステップと、
車両に搭載された携帯電子機器(2)によって、ブレーキイベント(EF)による粒子状物質排出(EP)を代表する決定された1つまたは複数の値をドライバに提供するステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のブレーキシステムの使用に起因する粒子状排出物の代表的な情報を検出し提供するための方法(800)であって、車両(1)の走行中に、
前記車両(1)内の携帯電子機器(2)により、前記車両(1)のドライバにより入力された前記車両(1)の識別データ(DV)を取得するステップ(801)と、
前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)の複数のセンサ(5)によって、前記車両(1)の走行中に前記車両(1)の走行データ(DG)を取得するステップ(802)と、
前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)の少なくとも1つのデータ処理モジュール(3)によって、複数のポイントの第1時系列(S-DG)として、取得した前記車両(1)の前記走行データ(DG)を少なくとも前記車両(1)の前記携帯電子機器(2)の少なくとも一つのメモリモジュール(4)に記憶するステップであって、前記複数のポイントのそれぞれは前記ポイントに関連付けられた前記車両の前記走行データ(DG)を有する、記憶するステップ(803)と、
前記車両(1)の前記携帯電子機器(2)によって、前記車両(1)の前記携帯電子機器(2)の前記少なくとも1つのメモリモジュール(4)に前記第1時系列(S-DG)として記憶された前記車両(1)の前記走行データ(DG)をリモートコンピュータ(200)に送信するステップ(804)と、
前記リモートコンピュータ(200)のデータ処理ユニット(201)によって、受信された前記車両(1)の前記走行データ(DG)に対して第1処理を実行して、複数のポイントの第2時系列(S-EF)として、前記車両(1)の前記走行データ(DG)の代表を決定するステップであって、前記代表が実際のブレーキイベント(EF)を表し、前記複数のポイントのそれぞれが関連付けられた前記車両(1)の前記走行データ(DG)を有する、ステップ(806)とを含み、
前記第2時系列(S-EF)の前記複数のポイントによって表される各ブレーキイベントに対して、方法(800)は、前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、
前記車両(1)の前記ブレーキシステムの第1物理的大きさ(G1;TR)の値を、前記第1物理的大きさ(G1;TR)の第1計算モジュール(M1)を適用することによって、前記ブレーキイベント(EF)に対応する前記第2時系列(S-EF)の前記複数のポイントの前記車両(1)の前記走行データ(DG)の第1サブセット(S1)と、前記リモートコンピュータ(200)および前記車両(1)の前記携帯電子機器(2)の外部のソースからもたらされる複数の情報(PI)のうちの1つまたは複数の情報とに基づいて決定するステップであって、前記複数の情報(PI)は、前記車両(1)が走行している環境を代表する第1情報、前記車両(1)がルート上を走行している道路状況を代表する第2情報(I2)、および前記車両(1)の生産に関する第3情報(I3)から構成される、ステップ(810)と、
前記車両(1)の第2物理的大きさ(G2;TR)の値を、前記第2物理的大きさ(G2;TR)の第2計算モジュール(M2)を適用することによって、前記ブレーキイベント(EF)に対応する前記第2時系列(S-EF)の前記複数のポイントの前記車両(1)の前記走行データ(DG)の第2サブセット(S2)と、前記リモートコンピュータ(200)および前記車両(1)の前記携帯電子機器(2)の外部のソースからもたらされる複数の情報(PI)のうちの1つまたは複数の情報とに基づいて決定するステップ(811)と、
前記ブレーキイベント(EF)による粒子状物質排出(EP)を代表する1つまたは複数の値を、前記粒子状物質排出(EP)の第3計算モジュール(M3)を適用することによって、前記ブレーキイベント(EF)に対応する前記第2時系列(S-EF)の前記ポイントの前記車両(1)の前記走行データ(DG)の第3サブセット(S3)と、前記ブレーキシステムの前記第1物理的大きさ(PR)の値と、前記ブレーキシステムの前記第2物理的大きさ(TR)の値と、前記リモートコンピュータ(200)および前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)の外部のソースからの一つ又は複数の情報(PI)に基づいて決定するステップ(812)と、
前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)によって、前記ブレーキイベント(EF)による前記粒子状物質排出(EP)を代表する決定された1つまたは複数の値をドライバに提供するステップ(813)を含む、方法(800)。
【請求項2】
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(202)によって、前記第1計算モジュール(M1)によって決定された前記第1物理的大きさ(G1;TR)の値、前記第2計算モジュール(M2)によって決定された前記第2物理的大きさ(G2;PR)の値、および前記第3計算モジュール(M3)によって決定された前記粒子状物質排出(EP)を代表する1つまたは複数の値を、それぞれのデータベースに記憶するステップ(814)を含む、請求項1に記載の方法(800)。
【請求項3】
前記第1計算モジュール(M1)、前記第2計算モジュール(M2)および前記第3計算モジュール(M3)に供給されるべき値および/または計算係数を導出するために、前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、前記複数の情報(PI)のうちの1つまたは複数の情報を、予め準備されたそれぞれのメモリユニット(202)に記憶されたそれぞれのデータベースのデータと関係づけるステップ(815)を含む、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項4】
前記第1物理的大きさ(G1;TR)は、前記車両(1)の前記ブレーキシステムの温度(TR)である、請求項1-3のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項5】
前記第2物理的大きさ(G2;PR)が、前記車両(1)の前記ブレーキシステム内に存在する圧力(PR)である、請求項1-4のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項6】
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、前記ブレーキイベント(EF)による前記粒子状物質排出(EP)を代表する前記決定された1つまたは複数の値に基づいて、ブレーキ評価指数(IV)を決定するステップ(816)と、
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、決定された前記ブレーキ評価指数(IV)をドライバに提供するステップ(817)を含む、請求項1-5のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項7】
決定された前記ブレーキ評価指数(IV)をドライバに提供する前記ステップ(817)が、前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によってリアルタイムで実行される、請求項6に記載の方法(800)。
【請求項8】
決定された前記ブレーキ評価指数(IV)が、前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)のユーザインタフェース(5)によって、および/または、データ通信ネットワーク(NTW)を介して前記リモートコンピュータ(200)に動作可能に接続された車両ディスプレイモジュール(1)によって、ドライバに提供される、請求項6又は7のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項9】
前記リモートコンピュータ(200)のデータ処理ユニット(201)によって、設定された経路に沿って存在する各ブレーキイベント(EF)について、ブレーキイベント(EF)に起因する粒子状物質排出(EP)を代表する決定された1つまたは複数の値に基づいて、走行した設定された経路中の車両(1)の粒子状物質排出(EP)の粒子状物質排出係数(F-EP)を決定するステップ(818)をさらに含む、請求項1-8のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項10】
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、前記設定された経路の間に前記車両(1)によって移動された距離を決定するステップ(819)をさらに含む、請求項9に記載の方法(800)。
【請求項11】
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、決定された前記粒子状物質排出係数(F-EP)をドライバに提供するステップ(820)を含む、前記請求項9から10のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項12】
決定された前記粒子状物質排出係数(F-EP)を提供するステップ(820)は、前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によってリアルタイムで実行される、請求項11に記載の方法(800)。
【請求項13】
決定された前記粒子状物質排出係数(F-EP)が、前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)のユーザインタフェース(5)によって、および/または、データ通信ネットワーク(NTW)を介して前記リモートコンピュータ(200)に動作可能に接続された車両ディスプレイモジュール(1)によって、ドライバに提供される、請求項11又は12のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項14】
前記ブレーキイベント(EF)による前記粒子状物質排出(EP)を代表する決定された前記1つまたは複数の値をドライバに提供するステップ(813)が、前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によってリアルタイムで実行される、請求項1-13のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項15】
前記ブレーキイベント(EF)による前記粒子状物質排出(EP)を代表する決定された前記1つまたは複数の値が、前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)の前記ユーザインタフェース(5)によって、および/またはデータ通信ネットワーク(NTW)を介して前記リモートコンピュータ(200)に動作可能に接続された車両ディスプレイモジュール(1)によって、ドライバに提供されることを特徴とする請求項14に記載の方法(800)。
【請求項16】
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、決定された前記第1物理的大きさの値(G1;TR)および決定された前記第2物理的大きさの値(G2;PR)を、ドライバに提供するステップ(821)であって、前記第1物理的大きさの値(G1; TR)及び前記第2物理的大きさの値(G2;PR)は、前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)の前記ユーザインタフェース(5)によって、及び/又は、データ通信ネットワーク(NTW)を介して前記リモートコンピュータ(200)に動作可能に接続された車両ディスプレイモジュール(1)によって、ドライバに提供されるステップ(821)を含む、請求項1-15のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項17】
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、ドライバによる前記車両(1)の運転性能を代表するさらなる情報をドライバに提供するステップ(822)であって、ドライバによる前記車両(1)の前記運転性能を代表する前記さらなる情報は、データ通信ネットワーク(NTW)を介して前記リモートコンピュータ(200)に動作可能に接続された車両ディスプレイモジュール(1)によって、および/または前記車両(1)内の前記携帯電子機器(2)の前記ユーザインタフェース(5)によって、ドライバに提供されるステップ(822)を含む、請求項1-16のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項18】
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、ドライバの運転スタイルを代表するさらなる情報をドライバに提供するステップ(823)であって、ドライバの前記運転スタイルを代表する前記さらなる情報は、前記車両(1)内の前記携帯電子デバイス(2)の前記ユーザインタフェース(5)によって、および/または、データ通信ネットワーク(NTW)を介して前記リモートコンピュータ(200)に動作可能に接続された車両ディスプレイモジュール(1)によって、ドライバに提供されるステップ(823)を含む、請求項1-17のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項19】
前記車両(1)に設置された第2の複数のセンサ(8)によって、前記ブレーキシステムの少なくとも一つのさらなる物理的大きさ(G3)を取得するステップ(824)と、
前記車両(1)に設置された前記第2の複数のセンサ(8)に動作可能に接続された、前記車両(1)に設置された通信装置(9)によって、前記ブレーキシステムの前記少なくとも一つのさらなる物理的大きさ(G3)の値を前記リモートコンピュータ(200)に提供するステップ(825)と、
前記粒子状物質排出(EP)の前記第3計算モジュール(M3)を適用して、前記ブレーキイベント(EF)に起因する前記粒子状物質排出(EP)を代表する1つまたは複数の値を決定するステップ(812)であって、前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、前記さらなる物理的大きさ(GR3)の値にも基づいて実行されるステップ(812)を含む、請求項1-18のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項20】
前記車両(1)の前記走行データ(DG)に対する第1処理を実行して、実際のブレーキイベント(EF)を代表する複数のポイントの前記第2時系列(S-EF)として、前記車両の前記走行データ(DG)の代表を決定するステップ(805)は、
前記リモートコンピュータ(200)の少なくとも1つの前記データ処理ユニット(201)によって、前記複数のポイントの受信した前記第1時系列(S-DG)に、ノイズを低減し品質を高めるための少なくとも1つのノイズ低減フィルタ(F-K)を適用して、各ポイントが前記車両(1)の前記走行データ(DG)を関連付けたポイントの中間時系列(S-DG')を得るステップ(806)と、
前記リモート電子プロセッサ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、フィルタリングされた前記中間時系列(S-DG')内で、設定された制御ロジック(L-C)の適用によって、各ポイントに関連付けられた前記車両(1)の前記走行データ(DG)に基づいて、前記ブレーキイベント(EF)に対応するポイントを特定するステップ(807)と、
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、前記ブレーキイベント(EF)に対応する識別されたポイントを集約することによって、実際のブレーキイベント(EF)に対応する各ポイントのさらなる中間時系列(S-EF')を決定するステップ(808)であって、各ポイントは、それに関連付けられた前記車両(1)の前記走行データ(DG)を有する、ステップ(808)と、
前記リモートコンピュータ(200)の前記データ処理ユニット(201)によって、前記さらなる中間時系列(S-EF')に、正しさおよび一貫性チェックフィルタ(F-C)を適用して、エラーに対応するポイントを除去し、前記第2時系列(S-EF)を得るステップ(809)を含む、請求項1-19のいずれか1項に記載の方法(800)。
【請求項21】
車両(1)の走行中に、前記車両(1)のブレーキシステムの使用による粒子状物質の排出を検出して代表的な情報を提供するシステム(100)であって、
少なくとも1つのデータ処理モジュール(3);
少なくとも1つのユーザインターフェース(5);および
前記データ処理ユニット(3)に動作可能に接続された複数のセンサ(6)を含む、前記車両(1)に搭載された携帯電子機器(2)と、
データ通信ネットワーク(NTW)を介して前記車両内の前記携帯電子機器(2)とデータ通信を行うように構成されたリモートコンピュータ(200)であって、少なくとも1つのデータ処理ユニット(201)を含むリモートコンピュータ(200)とを含み、
前記システム(100)が、請求項1-20のいずれか1項に記載の車両(1)のブレーキシステムの使用による微粒子排出を検出して代表的な情報を提供するための方法を実行するように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
【0002】
本発明は、車両のブレーキシステムの使用による微粒子排出を代表する情報を検出し提供するための方法および関連システムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
【0004】
しばらくの間、欧州連合(EU)および世界保健機関(WHO)は、ガイドライン、規制、および基準を提供することによって、粒子状排出物(EP)を低減するために取り組んできた。
【0005】
道路輸送は、確かに、最大の粒子状物質の発生源のいくつかが特定できる領域の一つである。
【0006】
このような領域では、近年の主要な規制及び技術的努力は、主に排気ガスに起因する排気エミッ ションを削減することに焦点を当てており、いわゆる非排気エミッション、例えば、ブレーキ摩耗(ブレーキ時にブレーキパッドとブレーキディスクの間の摺動接触による材料摩耗から粒子状物質が生じる)及びタイヤ摩耗に由来するエミッションを制限することはほとんど行われていない。
【0007】
非排気エミッションは、一方では技術、すなわち使用される材料やブレーキシステムの一般的な構成に依存し、他方ではドライバのブレーキスタイルに依存する。
【0008】
実際、この観点から、ブレーキペダルによってブレーキシステムに加えられる圧力やブレーキ速度など、ドライバの排他的な制御下にある特定のパラメータが、ブレーキシステムの粒子状物質の排出に大きく影響することが検証されている。
【0009】
したがって、ブレーキシステム全体の摩耗排出を低減するための非常に有望なアプローチは、ブレーキシステムの設計および構造的な改良に加えて、運転スタイルおよびブレーキスタイルに焦点を当てることである。実際、粒子状物質の排出量は、運転スタイルやドライバのブレーキのかけ方によってかなり異なるが、ブレーキシステムは同じである。
【0010】
従って、運転中にリアルタイムで、ドライバにブレーキスタイルとその結果引き起こされる粒子状物質排出の観点からの影響に関する情報を提供する能力に基づいて、排出を削減するために正しいブレーキのかけ方をドライバに「教える」方法の選択肢があることが望ましい。
【0011】
この点に関して、現在、非排気エミッションの削減効率の観点から運転スタイルを特徴付けるための解決策が知られており、例えば、ブレーキシステムのブレーキ動作による非排気エミッションを削減するために、ドライバに自分のブレーキ動作を認識させることができる。
【0012】
例えば、ブレーキシステム自体のダイナミックベンチの特性評価から出発して導き出された半経験的アルゴリズムによってブレーキシステム自体をモデル化することにより、ブレーキシステムの粒子状排出量を計算する方法が知られている。
【0013】
運用上、このような方法は、車両速度、および/または車両の加減速、および/または車両のブレーキシステム温度、および/またはブレーキ圧力、および/または車両のモータトルク、および/またはブレーキトルク、車両の傾斜など、ブレーキシステムの排出レベルを推定するために必要な物理的な大きさを測定するための、車両内の物理的なセンサの存在に基づいている。
【0014】
このようなセンサは、検出された物理的な大きさを車両の制御ユニットに伝達し、この制御ユニットは、前述の予め記憶されたアルゴリズムを実行するように構成され、車両のブレーキシステムの使用による微粒子排出量を代表する情報、例えば、適用されたモデルに基づいて推定された微粒子排出量に比例する指標を提供し、この指標は、ドライバによって乗客コンパートメント内のオンボードコンピュータまたは他の電子装置に表示することができる。
【0015】
これらの実施方法には欠陥がないわけではない。
【0016】
まず、前述のアルゴリズムが必然的に車両の制御ユニットに格納されなければならないということは、インストール中に車両を専用のセンタに連れて行かなければならないことを意味し、これは、設定期間中に車両を使用できないことを意味する。
【0017】
さらに、前述のアルゴリズムが物理的に車両に存在するため、ソフトウェアのアップデートは、認可されたセンタで手動で行う必要がある。
【0018】
従って、車両がアップデートのために公認センタにいる全期間、車両を使用不能にすることに加え、制御ユニットには、常に最新バージョンにアップデートされないアルゴリズムが存在することが避けられず、実装された手法の精度と正確性が低下する危険性がある。実際、アップデートは、修正的または改善的な変更を行うため、また新しい市場動向に適応するため、あるいは新しい規制の導入に準拠するために実施される。したがって、頻繁な更新が望ましい。
【0019】
さらに、前述の方法の汎用性は、使用可能なアルゴリズムの精度が、車両自体(ブランドおよびモデルによって特徴付けられる)およびそれぞれのブレーキシステム(サイズ、材料などによって特徴付けられる)に依存する車両パラメータの特異性が高まるにつれて向上するという事実によって強く制限される。
【0020】
繰り返しになるが、車両が装備する各制御ユニットは、特定のソフトウェア特性(ファームウェア)を有しており、対象となる単一の車両の技術仕様に基づいて、各制御ユニットにインストール可能な特定のアルゴリズムを用意することは考えられない。
【0021】
従って、今日まで、先行技術の前記方法において使用可能なアルゴリズムは、どのような車両にも実装できるようにするために、ほとんどの車両に平均的に存在する非常に限定された物理センサのセットによって検出可能な物理的な大きさを利用することに限定されている。
【0022】
最後に、車両に既に搭載され、制御ユニットに既に接続されている物理センサ(車両に直接存在しない場合)以外に、追加の物理センサが必要な場合、構成または更新時間(したがって、車両のダウンタイム)が増加し、必然的に、前述の方法を実施可能にするために車両を構成することを避けることになる。
【0023】
以上のことから、今日、車両の非排気エミッションを低減するためにドライバが運転およびブレーキスタイルを改善できるように、車両のブレーキシステムの使用による粒子状エミッションを代表する情報を検出および提供するための方法およびシステムであって、より正確で、精密で、汎用性があり、簡単かつ適時に継続的に更新可能な方法およびシステムに対する必要性が強く感じられる。
【発明の概要】
【0024】
発明の概要
【0025】
本発明の目的は、先行技術を参照して上述した欠点を少なくとも部分的に回避することを可能にし、特に、ドライバが車両の非排気エミッションを低減するために運転およびブレーキスタイルを改善することを可能にする、車両のブレーキシステムの使用による粒子状エミッションを代表する情報を検出および提供するための方法であって、より正確で、精密で、汎用性があり、容易かつ適時に継続的に更新可能な方法を考案および提供することである。
【0026】
このような目的は、請求項1に記載の車両のブレーキシステムの使用による微粒子排出を代表する情報を検出し提供する方法によって達成される。
【0027】
本発明はさらに、前述の方法を実施するように適合された車両のブレーキシステムの使用による微粒子排出を代表する情報を検出し提供するためのシステムに関する。
【0028】
方法およびシステムのさらに有利な実施形態は、それぞれの従属請求項の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面の簡単な説明
【0030】
本発明による方法およびシステムのさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、指示的な非限定的な例によって与えられる、好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【0031】
図1図1は、ブロック図によって、本発明による車両のブレーキシステムの使用による粒子状排出物を検出し、代表的な情報を提供するための方法を示す。
【0032】
図2図2は、機能ブロック図によって、本発明による車両のブレーキシステムの使用による粒子状排出物の代表的な情報を検出し提供するためのシステムを論理的な観点から示す。
【0033】
図3図3は、それぞれの機能ブロック図によって、本発明のシステムの構成要素を論理的な観点から示す。
図4図4は、それぞれの機能ブロック図によって、本発明のシステムの構成要素を論理的な観点から示す。
図5図5は、それぞれの機能ブロック図によって、本発明のシステムの構成要素を論理的な観点から示す。
【0034】
図6図6は、ブロック図によって、本発明のシステムのコンポーネントによって実行される操作のシーケンスを示す。
【0035】
図7図7は、本発明のシステム内に含まれる、車両のブレーキシステムの使用による粒子状排出物を代表する情報をユーザに表示するためのユーザインタフェースの一例を示す図である。
【0036】
図8図8は、ブロック図によって、本発明の車両のブレーキシステムの使用による微粒子排出を代表する情報を検出し、提供するための方法を示す。
【0037】
図中の等しいまたは類似の要素は、同じ数字または英数字の参照によって示されることは注目に値する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
いくつかの好ましい実施形態の説明
【0039】
ここで前述の図を参照すると、参照数字100は、全体として、本発明による、車両のブレーキシステムの使用による微粒子排出を代表する情報を検出および提供するためのシステム(以下、単に検出および提供システムまたは単にシステムともいう)を示している。
【0040】
本明細書において、「車両」とは、商用タイプでもあり、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の車輪を有する任意の車両またはオートバイを意味し、図1に図式的にのみ示され、全体として参照数字1で示される。
【0041】
さらに、「ブレーキシステム」とは、車両のサービスブレーキの発生または車両のパーキングブレーキの発生に寄与するすべての構成要素(機械的および/または電気的または電子的、さらにブレーキ液)の全体を意味する。
【0042】
図1を参照すると、システム100は、車両に搭載された携帯電子機器2(以下、単に「携帯電子機器2」ともいう。)から構成されている。
【0043】
車両内の携帯電子機器2は、ドライバの携帯電子機器(例えば、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなど)であり、その上に、後述するように、携帯電子機器2をシステム100の実装の不可欠な部分とすることができるソフトウェアアプリケーション(アプリケーションまたはアプリ)をインストールすることができる。
【0044】
携帯電子機器「車両内」とは、携帯電子機器2が車両1の乗員室内に存在し、車両1の走行中に乗員室内を自由に動き回れるようにしておく(例えば、空席であれば乗員シート上に休ませるか、車両1内のグローブボックスまたは他のホルダ内に置く)か、または車両、例えばダッシュボードに取り付けることを意味する。
【0045】
図1に示すように、携帯電子機器2は、少なくとも1つのデータ処理モジュール3、例えばマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラから構成される。
【0046】
携帯電子機器2は、前記少なくとも1つのデータ処理モジュール3に動作可能に接続された少なくとも1つのメモリモジュール4をさらに備える。
【0047】
少なくとも1つのメモリモジュール4は、少なくとも1つのデータ処理モジュール3の内部または外部(例えば、図1に示すように)のいずれであってもよい。
【0048】
少なくとも1つのメモリモジュール4は、本発明のシステム100を実施するために必要なものを含む携帯電子デバイス2のそれぞれの機能を実行するために、少なくとも1つのデータ処理モジュール3によって実行可能な1つまたは複数のプログラムコード(上記で紹介したソフトウェアアプリケーションも含む)を記憶するように構成されていることは注目に値する。
【0049】
携帯電子機器2は、データ処理モジュール3に動作可能に接続されたユーザインタフェース5(ディスプレイ)をさらに備える。
【0050】
ユーザインタフェース5は、ドライバが携帯電子機器2と対話し、特にシステム100の実施中に、車両1のブレーキシステムの使用による粒子状物質の排出を代表する情報を見ることができるように構成されている。
【0051】
携帯電子機器2のユーザインタフェース5の例を図5に図式的に示す。
【0052】
携帯電子機器2は、車両1のドライバによって入力された車両1の識別データDVを取得するように構成されている。
【0053】
車両1の識別データDVは、ユーザインタフェース5によって、特に、システム100で使用可能にするために車両1の携帯電子機器2にインストールされた後述のソフトウェアアプリケーションによって入力することができる。
【0054】
また、後述するように、車両1の識別データDVは、システム100の実施に必要である。
【0055】
車両1の識別データDVは、車両の種類を識別する以下の情報を含んで構成される。
【0056】
- 車両1のブランド;
【0057】
- 車両1のモデル;
【0058】
- 車両1のセグメント。
【0059】
図1に戻ると、携帯電子機器2は、少なくとも1つのデータ処理モジュール3に動作可能に接続された複数のセンサ6(図では、表現を簡単にするために、単一のブロックで図示している)をさらに備える。
【0060】
複数のセンサ6は、車両1の走行中に車両1の走行データDGを取得するように構成されている。
【0061】
複数のセンサ6は、携帯電子機器2が備える少なくとも1つのGPSモジュール、1つの磁力計(コンパス)、1つの加速度計、および1つのジャイロスコープから構成される。
【0062】
車両1の走行中及び携帯電子機器2の可能な移動中に複数のセンサ6によって取得され得る車両1の走行データDGは、以下のように構成される。
【0063】
- 車両1の位置(緯度及び経度);
【0064】
- 車両1の速度;
【0065】
- 車両1の加速度;
【0066】
- 車両1の高度。
【0067】
これに関して、携帯電子機器2の少なくとも1つのデータ処理モジュール3は、車両1の取得された走行データDGを、各ポイントがそれに関連付けられた車両1のそれぞれの走行データDGを有するポイントの第1時系列S-DGとして、携帯電子機器2の少なくとも1つのメモリモジュール4に記憶するように構成される。
【0068】
再び図1を参照すると、携帯電子機器2は、少なくとも1つのデータ処理モジュール3に動作可能に接続された少なくとも1つのデータ通信モジュール7を備える。
【0069】
少なくとも1つのデータ通信モジュール7は、携帯電子デバイス2が、他のデバイスと直接的に少なくとも1つの直接無線接続(例えば、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、NFC、または同様の技術で)を確立し、図1に図式的に示され、参照符号NTWで示されるデータ通信ネットワーク、例えばインターネットとの少なくとも1つの無線接続を確立して、他の遠隔デバイスまたは装置と遠隔通信することを可能にするように構成された1つまたは複数のデータ通信ユニットを備える。
【0070】
この点に関して、携帯電子機器2は、少なくとも1つのデータ通信モジュール7によって、例えばブルートゥース(登録商標)技術を採用することによって、車両1と無線モードでデータ通信チャネルを確立するように構成される。
【0071】
さらに、携帯電子機器2は、少なくとも1つのデータ通信モジュール7によって、データ通信ネットワークNTWによって、後述するリモートコンピュータにデータを通信するように構成される。
【0072】
図1に戻ると、システム100は、リモートコンピュータ200、例えばクラウドサーバまたはオンプレミスデータセンタをさらに備える。
【0073】
リモートコンピュータ200は、データ通信ネットワークNTWによって車両内の携帯電子機器2とデータ通信するように構成されている。
【0074】
図1を参照すると、携帯電子機器200は、少なくとも1つのデータ処理ユニット201、例えばマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラから構成される。
【0075】
リモートコンピュータ200は、前記少なくとも1つのデータ処理モジュール201に動作可能に接続された少なくとも1つのメモリユニット202をさらに備える。
【0076】
少なくとも1つのメモリユニット202は、少なくとも1つのデータ処理ユニット201の内部または外部(例えば、図1に示すように)のいずれであってもよい。
【0077】
少なくとも1つのメモリユニット202は、本発明のシステム100を実施するために必要なものを含むそれぞれの機能を実行するために、少なくとも1つのデータ処理ユニット201によって実行可能な1つまたは複数のプログラムコードを記憶するように構成されることは注目に値する。
【0078】
車両内の携帯電子機器2に戻ると、車両1の走行中に、車両内の携帯電子機器2の少なくとも1つのメモリモジュール4に第1時系列S-DGとして記憶されたNFC車両1の走行データDGをリモートコンピュータ200に送信するように構成されている。
【0079】
リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、受信した車両1の走行データDGの第1処理を実行して、車両の走行データDGの、各々が実際のブレーキイベントを代表し、各ポイントがそれに関連付けられた車両1のそれぞれの走行データDGを有する、ポイントの第2時系列S-EFとしての表現を決定するように構成される。
【0080】
さらに、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、実際のブレーキイベントEFをそれぞれ代表するポイントの第2時系列S-EFをリモートコンピュータ200のメモリユニット202に記憶するように構成される。
【0081】
一例として、第2時系列S-EFは、表の各行がブレーキイベントEFを代表する系列の点を表す表の形式で記憶される。その行には、そのブレーキイベントに対応する車両1の走行データDGが格納される。
【0082】
この表は、リモートコンピュータ200のメモリユニット202に以前に記憶された、各行が車両内の携帯電子デバイス2から受信された時系列S-DGのポイントに対応する以前の表を処理することによって得ることが可能である。
【0083】
表の行(系列ポイント)は、一定時間間隔、例えば1秒毎に行われる取得に対応する。
【0084】
例えば、10秒間持続するブレーキイベントは、10ポイントに対応する車両1の走行データGDでシリーズに表される。
【0085】
したがって、第2時系列S-EFが含まれる表は、10行に存在する車両1の走行データGDの集約として、ブレーキイベントに対応する車両1の走行データDGを1行に含むことができる。
【0086】
実施形態によれば、特に図6も参照して、リモートコンピュータ200の少なくとも1つのデータ処理ユニット201による、前述の第1処理の実行は、以下の動作からなる。
【0087】
リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、受信したポイントの第1時系列S-DG(生の車両走行データDG1)に、カルマンフィルタなどの少なくとも1つのノイズ低減フィルタF-Kを適用してノイズを低減し、その品質を高め、各ポイントが車両1の走行データDGを関連付けたポイントの中間時系列S-DG'を得るように構成される。
【0088】
さらに、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、フィルタリングされた第1中間時系列S-DG'内で、セット制御ロジックL-Cの適用によって、各ポイントに関連付けられた車両1の走行データDGに基づいて、ブレーキイベントEFに対応するポイントを識別するように構成される。
【0089】
例えば、このような識別は、車両1の減速度データを減速度閾値と比較することによって行うことができる。この減速度閾値は、固定値であってもよいし、車速1の関数としての可変値であってもよい。
【0090】
別の実施例によれば、このような識別は、車両1のブレーキペダル移動量の代表的なデータが、電子制御ユニットおよび/または車両1の特定のセンサによって提供されるために利用可能である場合に、利用可能であることによって行うことができる。
【0091】
さらに、リモートコンピュータ200ユニットのデータ処理ユニット201は、ブレーキイベントEFに対応する識別されたポイントを一緒に集約することによって、実際のブレーキイベントEFに対応する各ポイントのさらなる中間時系列S-EF'を決定するように構成され、各ポイントは、それに関連する車両1のそれぞれの走行データDGを有する。
【0092】
さらに、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、正しさおよび一貫性チェックフィルタF-Cをさらなる中間時系列S-EF'に適用して、エラーに対応するポイントを除去し、ポイントの第2時系列S-EF(最終データセット)を得るように構成される。
【0093】
例えば、車両1の速度データが、さらなる中間時系列S-EF'のポイントに関連付けられた車両1の走行データDGに存在する場合、このデータは、ドライバによって宣言された車両1のタイプに対する最大許容速度値と比較することができ、速度データが、車両1のタイプに対する最大許容速度値と比較して、非現実的(例えば、はるかに高い)である場合、そのようなポイントは、さらなる中間時系列S-EF'から除去される。
【0094】
図1、2のシステム100に戻ると、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、第2時系列S-EFのポイントによって表される各ブレーキイベントについて、第1物理的大きさG1の第1計算モジュールM1を適用することによって、車両1のブレーキシステムの第1物理的大きさG1の値を決定するように構成される、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFの時点の車両1の走行データDGの第1サブセットS1と、リモートコンピュータ200および車両1の携帯電子デバイス2の外部のソースからもたらされる複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報とに基づいて、車両1のブレーキシステムの第1物理的大きさG1の値を決定する。
【0095】
複数の情報PIは、車両1が経路上を走行している環境を代表する第1情報I1と、車両1が経路上を走行している道路状況を代表する第2情報I2と、車両1の生産の第3情報I3とからなる。
【0096】
第1計算モジュールM1は、車両ブレーキシステムの第1物理的大きさG1の値を決定するための、いわゆる「仮想センサ」を代表するアルゴリズムまたは数学的モデルである。
【0097】
第1アルゴリズムまたは数学的モデルM1の入力として使用される車両1の走行データDGの第1サブセットS1は、第1アルゴリズムまたは数学的モデルM1によって決定され得る第1物理的マグニチュードG1に依存する。
【0098】
車両1が経路上を走行している環境を代表する第1情報I1は、例えば、いわゆる以下の環境データからなる。
【0099】
- 車両1に対する外気温;
【0100】
- 気象条件;
【0101】
- 車両1の外部の水分レベル;
【0102】
- PM10レベル(直径10マイクロメートル以下の空気中の粒子の質量MG)。
【0103】
第1情報I1は、車両1内の携帯電子機器2内に存在するGPSによって示される車両1の位置で検出される。
【0104】
第1情報I1は、例えば、リモートコンピュータ200が知っているそれぞれのネットワークアドレスによって到達可能な特定の外部サービスに問い合わせることによって、リモートコンピュータ200から得ることができることは注目に値する。
【0105】
車両1がルート上を走行している道路状況を代表する第2情報I2は、以下のように構成される。
【0106】
- 車両が走行している道路の種類(市街地、郊外、高速道路など);
【0107】
- 車両1が走行している道路の勾配;
【0108】
- 車両1が通過する道路の高度;
【0109】
- 道路交通状況。
【0110】
車両1の製造に関する第3情報I3:
【0111】
- 車両1の重量;
【0112】
- 車両1のブレーキシステムの技術仕様(例えば、ブレーキディスクのサイズ、ブレーキキャリパのタイプ、車両1のホイールベース、車両1の重心、その他多数)。
【0113】
第2情報I2も、例えば、リモートコンピュータ200が知っているそれぞれのネットワークアドレスによって到達可能な特定の外部サービスに問い合わせることによって、リモートコンピュータ200から取得可能であることは注目に値する。
【0114】
第3情報I3は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、ドライバがユーザインタフェース5によって車両1の携帯電子デバイス2に入力した車両1の識別データDVに従って決定される。
【0115】
第1計算モジュールM1において入力として使用される複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報が、第1計算モジュールM1によって決定可能な第1物理的大きさG1に依存することは注目に値する。
【0116】
第1物理的大きさG1の決定の実施形態について、図3を参照して以下に説明する。
【0117】
図1および図2のシステム100に戻ると、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、第2時系列S-EFのポイントによって表される各ブレーキイベントについて、第2物理的大きさG2の第2計算モジュールM2を適用することによって、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFのポイントの車両1の走行データDGの第2サブセットS2と、リモートコンピュータ200および車両1の携帯電子デバイス2の外部のソースからもたらされる前記複数の情報PIの1つまたは複数の情報の断片とに基づいて、車両1のブレーキシステムの第2物理的大きさG2の値を決定するように構成される。
【0118】
第2計算モジュールM2は、アルゴリズム又は数学モデルである。
【0119】
第2計算モジュールM2は、車両1のブレーキシステムの第2物理的大きさG2の値を決定するための、いわゆる「仮想センサ」を代表するアルゴリズムまたは数学的モデルである。
【0120】
第2計算モジュールM2の入力として使用される車両1の走行データDGの第2サブセットS2は、第2計算モジュールM2によって決定可能な第2物理的大きさG2に依存する。
【0121】
第2計算モジュールM2において入力として使用される複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報I1は、第2アルゴリズムまたは数学モデルM2によって決定可能な第2物理的大きさG2に依存することは注目に値する。
【0122】
第2物理的大きさG2の決定の一実施形態について、図4を参照して以下に説明する。
【0123】
図1および図2のシステム100に戻ると、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、粒子状物質排出の第3計算モジュールM3を適用することによって、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFのポイントの車両1の走行データDGの第3サブセットS3と、車両ブレーキシステム1の第1物理的大きさPRの値と、ブレーキシステム1の第2物理的大きさTRの値と、リモートコンピュータ200および車両1の携帯電子デバイス2の外部のソースからもたらされる前記複数の情報PIの1つまたは複数の情報とに基づいて、粒子状物質排出EPを代表する1つまたは複数の値を決定するようにさらに構成される。
【0124】
実施形態において、第3計算モジュールM3によって決定され得る粒子状物質排出EPを代表する1つ以上の値は、設定値以下の直径を有する粒子状物質粒子の質量を代表する値V1(PN10のレベル-10マイクロメートル以下の直径を有する空気中の粒子のMG単位の質量)、及び/又は、設定値以下の直径を有する空気中の粒子の数を代表する値V2(PM10のレベル-10マイクロメートル以下の直径を有する空気中の粒子の数)からなる。
【0125】
第3計算モジュールM3は、アルゴリズム又は数学モデルである。
【0126】
第3計算モジュールM3は、設定値(PM10レベル)以下の直径を有する粒子状物質粒子の質量を代表する値V1及び/又は設定値(PN10レベル)以下の直径を有する粒子状物質粒子の数を代表する値V2を決定するための、いわゆる「仮想センサ」を代表するアルゴリズム又は数学的モデルである。
【0127】
第3計算モジュールM3の入力として使用される車両1の走行データDGの第3サブセットS3は、第1計算モジュールM1から決定可能な第1物理的大きさG1および第2計算モジュールM2から決定可能な第2物理的大きさG2に依存する。
【0128】
第3計算モジュールM3において入力として使用される複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報I1は、第1計算モジュールM1から決定可能な第1物理的大きさG1および第2計算モジュールM2から決定可能な第2物理的大きさG2に依存することは注目に値する。
【0129】
これに関して、粒子状物質排出EPを代表する前記少なくとも1つの値の決定の実施形態が、図5を参照して以下に説明される。
【0130】
リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット202が、第1計算モジュールM1によって決定された第1物理的大きさG1の値、第2計算モジュールM2によって決定された第2物理的大きさG2の値、および第3計算モジュールM3によって決定された粒子状物質排出EPを代表する1つまたは複数の値を、それぞれのデータベース(リモートコンピュータ200の内部または外部のいずれか)に記憶するように構成されていることは注目に値する。
【0131】
一般的なレベルにおいて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201が、前記複数の情報PIの1つ以上の情報を、予め準備されたそれぞれのデータベース(リモートコンピュータ200の内部または外部のいずれか)からのデータと関連付け、前記第1計算モジュールM1、第2計算モジュールM2および第3計算モジュールM3に提供されるべき値および/または計算係数を導出するように構成されていることは注目に値する。
【0132】
換言すれば、前記複数の情報PIからの1つ又は複数の情報に対応するデータの表は、それぞれのデータベースからのデータの表と関連付けられ、これらのデータを相互にクロスリファレンスすることにより、相互にクロスリファレンスされたデータの組み合わせのその特定のものに使用されるべき対応する計算係数を導出することが可能である。
【0133】
「関連付ける 」とは、それぞれの計算モジュール(「仮想センサ」)によって推定/計算された値を豊かにすることを可能にする、前述の第1計算モジュールM1、第2計算モジュールM2及び第3計算モジュールM3に提供されるべき値及び/又は計算係数を導出するように、前記複数の情報PIの1つ又は複数の情報の断片を、先に準備されたそれぞれのデータベースのデータと結び付けること、割り当てることを意味する。
【0134】
例えば、代表的な気象データからなるデータベースは、湿度、雪や雨の存在など、異なる気象状況を再現する制御された条件下で実験テストを実施するために、特定の(気候制御された)ベンチを採用することによって得ることができる。
【0135】
さらに、ドライバが申告した車両1に搭載されたブレーキシステムに関連するブレーキディスク/パッド材料の組に基づいて、車両の実験パラメータの代表的なデータからなるデータベースを作成することができる。
【0136】
このようなデータベースは、例えば、車両1のブランド及びモデルに関連付けられている。
【0137】
例えば、ドライバがブランドA及びモデルBの車両1を有すると宣言した場合、前記データベースから、粒子状物質排出に関する実験係数が利用可能である、設定された材料の使用を伴う車両1のブレーキシステムのタイプを遡ることが可能である。
【0138】
粒子状物質エミッションEPを代表する前記1つ以上の値を決定するとき、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット202は、ドライバによって宣言された車両1について、第1計算モジュールM1、第2計算モジュールM2及び第3計算モジュールM3において、前記設定された実験係数を採用する。
【0139】
再び図1および図2のシステム100に戻ると、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する決定された1つまたは複数の値をリアルタイムでドライバに提供するように構成されている。
【0140】
図3に示す実施形態では、第1物理的大きさG1は、車両1のブレーキシステムの温度TRである。
【0141】
「車両1のブレーキシステムの温度TR」とは、車両1のブレーキシステムの構成要素、例えば、フロントブレーキディスク、リアブレーキディスク、車両1の各コーナーのブレーキキャリパ、ブレーキフルードの温度を意味する。
【0142】
本実施形態において、車両の走行データDGの第1サブセットS1は、以下のものを含む。
【0143】
- 車両1の速度VC。
【0144】
この実施形態では、複数の情報PIの中に、以下が含まれる。
【0145】
- 前記第1情報I1は、天候CMを含む。
【0146】
- 前記第2情報I2は、車両1が通過する道路の勾配PDを含む。
【0147】
- 前記第3情報I3は、車両1の重量;車両1のブレーキシステムの技術仕様STを含む。
【0148】
非限定的な例として、車両1のブレーキシステムの温度TRがブレーキディスク(例えばフロント)の温度である場合、そのような温度TRは、次式によっても示されるように、ブレーキディスク上に散逸した運動エネルギーの履歴(総和)×材料の熱容量(CP)の関数として決定することができ、そこから熱伝達係数(h)と前回のブレーキからの経過時間(t)の積を減算する必要がある。
【0149】
【0150】
実施形態では、図4に示す先行するものと組み合わせて、第2物理的大きさG2は、車両1のブレーキシステム内に存在する圧力PR、例えばマスタシリンダ内のブレーキ液圧である。
【0151】
この実施形態では、車両の走行データDGの第2サブセットS2は、以下のものを含む。
【0152】
- 車両1の速度VC;
【0153】
- 車両1の加速度AZ;
【0154】
- 車両1の減速度DZ。
【0155】
本実施形態では、複数の情報PIの中に、以下のものが含まれる。
【0156】
- 前記第1情報I1は、車両1に永遠の温度TEからなる。
【0157】
- 前記第2情報I2は、車両1が通過する道路の勾配PDからなる。
【0158】
- 前記第3情報I3は、車両1の重量;車両1のブレーキシステムの技術仕様ST;からなる。
【0159】
非限定的な例として、車両1のブレーキシステム内に存在する圧力PR(例えば、ブレーキマスタシリンダ内のブレーキ液圧)は、以下の式によっても示されるように、外部データベースから既知の車両パラメータ(例えば、ブレーキキャリパサイズなど)から直接導出可能なシステム係数δと、車両の平均減速度(Avg_deceleration)との積として決定することができる:
【0160】
PR=δ*Avg_deceleration。
【0161】
図5に示す、先行するものと組み合わせた実施形態では、第3計算モジュールM3は、第1計算モジュールM1によって決定された温度値TRと、第2計算モジュールM2によって決定された圧力値PRとを入力として有する。
【0162】
本実施形態において、車両走行データDGの第3サブセットS3は、以下のように構成される。
【0163】
- 車両1の速度VC;
【0164】
- 車両1の加速度AZ;
【0165】
- 車両1の減速度DZ。
【0166】
本実施形態では、複数の情報PIの中に、以下のものが含まれる:
【0167】
- 前記第1情報I1は、天候CMからなる;
【0168】
- 前記第2情報I2は、いかなる情報からも構成されない;
【0169】
- 前記第3情報I3は、車両1のブレーキパッド及びブレーキディスクの材料に関する技術データDMからなる。
【0170】
非限定的な例として、粒子状物質エミッションEPを代表する値は、2つの因子の線形結合の関数として決定される。2つの因子は、ブレーキ終了時のブレーキディスクの温度TRの関数としての第1因子α(TR)と、車両の平均減速度β(AVG_deceleratIon)の関数としての第2因子βであり、これには、それ自体既知の項γが追加され、この項は、次式にも示されるように、ブレーキディスクの材料の特性に依存する:
【0171】
EP=α(TR)+β(Avg_deceleration)+γ
【0172】
一般的なレベルでは、車両1の技術仕様が利用可能であることにより、その重量を正確に知ることができ、これは、ブレーキイベントに関連する車両1の運動エネルギーの変化を計算する際に影響を及ぼすことを指摘する価値がある。
【0173】
さらに、外部環境に関連するパラメータ(例えば、車両外部の温度、湿度など)の局所的かつ瞬間的な値を知ることにより、ブレーキディスクと外部環境との間の熱交換現象をより正確にモデル化することができる。
【0174】
これは、ブレーキ中にディスクが到達する温度値に強く影響する。
【0175】
回生ブレーキが実施されている電気自動車またはハイブリッド自動車で代わりに実施される検査の場合、それぞれの計算モジュール(アルゴリズムまたは数学的モデル)によって、ブレーキイベントとして認識される事象が、実際にブレーキパッドとブレーキディスクとの物理的接触を伴うものであるかを特定することが可能である。
【0176】
この情報は、第1物理的な大きさ(例えば、温度)を計算するモジュールへの入力として与えられ、ブレーキディスクが到達した温度のより忠実な計算に寄与する。
【0177】
実施形態では、先行するもののいずれか1つと組み合わせて、図2に示されるように、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する前記決定された1つまたは複数の値に基づいて、ブレーキ評価指数IVを決定するように構成される。
【0178】
ブレーキ評価指数IVは、ドライバのブレーキ性能を代表する。
【0179】
一例として、ブレーキ評価指数IVは、以下の式を採用することによって算出することができる:
【0180】
IV=a*X+ b*X+c
【0181】
ここで、
【0182】
- Xは、最終温度TR(第1計算モデルM1、「仮想熱モデルセンサ」から得られる)とブレーキディスクの初期温度TI(外部の周囲温度データまたは車両1に物理的に取り付けられたセンサから得られる)との差である。
【0183】
”a”、”b”は、前述の平均加減速度と初期温度TIとに依存する係数である;
【0184】
- 一方、”c”は、粒子状物質排出EPである。
【0185】
実施形態では、先のものと組み合わせて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、決定されたブレーキ評価値IVをドライバに提供するように構成されている。
【0186】
実施形態では、先のものと組み合わせて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、決定されたブレーキ評価指数IVをリアルタイムでドライバに提供するように構成される。
【0187】
実施形態では、先の2つのうちのいずれか1つとの組み合わせにおいて、決定されたブレーキ評価指数IVは、車両1内の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1内の携帯電子機器2を使用するためにそこにインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、および/またはデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1内のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供され得る。
【0188】
例えば、ブレーキ評価指数IVは、交通信号、速度計などのグラフィカルインジケータによって、車両1内の携帯電子デバイス2に表示される。
【0189】
実施形態では、先行するいずれか1つのものと組み合わせて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、設定された経路に沿って存在する各ブレーキイベントEFについて、ブレーキイベントEFに起因する粒子状物質排出EPを代表する決定された1つまたは複数の値に基づいて、設定された走行中の車両1の粒子状物質排出係数F-EPを決定するように構成される。
【0190】
例えば、排出係数E-EPは、設定された経路に沿って設定された正規化値(例えば、PM10/kM)以下のいずれかの直径を有する粒子状物質粒子の質量を表す値V1として表される。
【0191】
本実施形態において、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、設定された経路の間に車両1によってカバーされた距離を決定するように構成される。
【0192】
実施形態において、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、追加計算モジュールM4によって、車両1に搭載された携帯電子機器2の複数のセンサ6によって取得された車両の走行データDGに含まれる複数の車両位置データ1に基づいて、設定された経路の間に車両1によってカバーされた距離を決定するように構成される。
【0193】
車両の走行データDGの取得頻度が、設定された基準頻度値よりも大きい場合、非限定的な例として、3秒ごとに、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、単一の取得された位置値の幾何学的距離を合計することによって、設定された旅行中に車両1によってカバーされた距離を決定するように構成される。
【0194】
その代わりに、車両1の走行データDGの取得頻度が、例えば、GPS信号の不在、車両1内の排出された携帯電子機器2、ドライバのプライバシー保護のための規定の遵守等のような外的要因によって引き起こされる制限のために、設定された基準頻度値よりも低かった場合、設定されたマッピングされたルートは、連続線としてではなく、破線として表示されるので、車両1によってカバーされた実際の距離に対応しないため、設定された旅行中に車両1によってカバーされた距離を正確かつ確実に決定することができない。
【0195】
したがって、これをより正確にするためには、設定された旅行中に車両1によってカバーされた距離の可能な限り正確な推定値を提供することが必要である。
【0196】
一実施形態では、前述のものと組み合わせて、またはそれに代えて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、設定された旅行中に車両1によってカバーされた距離を、始点と終点との間にそれほど多くの地点がないにもかかわらず、車両ルートを正しく再構築することを可能にする外部サービス(例えば、第三者によって利用可能にされるAPI、アプリケーションプログラミングインタフェース)を利用することによって得られる、可能性の高いルートの始点と終点との間の距離として決定するように構成される。
【0197】
一実施形態では、前述のものの代替として、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、距離補正モデルによって、設定された走行中に車両1によってカバーされた距離を決定するように構成される。
【0198】
距離補正モデルは、実際に移動した距離と、地図上のGPS信号点を結合することによって得られる折れ線の長さとを考慮して誤差が生じた十分に大きな例の集合から出発して、道路区分(都市部、郊外部、高速道路など)ごとに、生じた誤差を推定するように構成される。
【0199】
したがって、距離補正モデルは、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、GPS信号から取得されたポイントによって決定された折れ線に基づく距離を起点として、設定された旅行中に車両1が実際に走行した距離を計算するために、分析されたルートに適用することができる補正パラメータを提供する。
【0200】
先に示したように、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する決定された1つまたは複数の値をリアルタイムでドライバに提供するように構成される。
【0201】
実施形態において、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する決定された1つ以上の値は、車両1内の携帯電子デバイス2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1内の携帯電子デバイス2を採用するためにそこにインストールされたソフトウェアアプリケーションによって、及び/又はデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1のディスプレイモジュールによって、ドライバにリアルタイムで提供され得る。
【0202】
一実施形態では、前述のいずれか1つの組み合わせにおいて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、決定された粒子状物質排出係数F-EPをドライバに提供するようにさらに構成される。
【0203】
一実施形態では、先行するものと組み合わせて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、決定された微粒子排出係数F-EPをリアルタイムでドライバに提供するように構成される。
【0204】
一実施形態では、前記2つのうちの1つと組み合わせて、粒子状物質排出の決定された要因F-EPは、車両1内の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1に関する携帯電子機器2を使用するためにそこにインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、及び/又はデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1内のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供され得る。
【0205】
実施形態では、先行するいずれか1つのものと組み合わせて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、第1物理的大きさG1の決定された値と第2物理的大きさG2の決定された値とをドライバに提供するようにさらに構成される。
【0206】
実施形態では、先のものと組み合わせて、第1物理的大きさG1の決定された値、及び第2物理的大きさG2の決定された値は、車両1内の携帯電子デバイス2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1に関する携帯電子デバイス2を採用するためにそこにインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、及び/又はデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1内のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供することができる。
【0207】
実施形態では、上述のいずれか1つと組み合わせて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、ドライバによる車両1の運転性能を代表するさらなる情報をドライバに提供するように構成される。
【0208】
ドライバによる車両1の走行性能を代表するさらなる情報は、以下のように構成される。
【0209】
- 単一完了ルート;
【0210】
- グローバル経路インジケータ;
【0211】
- 記録されたルート履歴。
【0212】
一つの完了したルートに関する情報を地図上で見ることができる。
【0213】
この場合、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって計算された中間マグニチュードと最終マグニチュードの両方を地図上に投影し、その空間的傾向をカラースケールによって見ることを含む。
【0214】
このような表示により、ドライバは、車両1の実際の使用状況および関連する排出量を、良好な空間分解能および時間分解能で監視することができる。
【0215】
グローバルルートインジケータは、選択されたルートに関連する微粒子排出量に対応する数値として表示することができる。
【0216】
このような数値は、排出係数、選択された経路に含まれるブレーキに関するブレーキ評価指数の平均、または選択された経路に含まれるブレーキに関するPM10またはPN10の量の合計に対応することができる。
【0217】
さらに、アルゴリズムによって計算された値のうち、例えばブレーキディスクの温度やブレーキシステムの圧力など、関心のあるいくつかの大きさのルート上の平均値を表示することも可能である。
【0218】
一方、記録された走行履歴に関しては、ドライバは、時間ウィンドウを選択し、その時間間隔で行われた走行に関連する排出係数値の分布を、いくつかの統計指標(例えば、最大値、最小値、平均値)とともに見ることができる。
【0219】
前述の表示は、データ通信ネットワークNTWによって、リモートコンピュータ200に、および/または、車両1内の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、操作可能に接続された表示モジュール上でドライバが行うことができる。
【0220】
このような表示モジュールは、車両1内の携帯電子機器2であることもできる。
【0221】
さらなる実施形態において、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、ドライバの運転スタイルを代表するさらなる情報をドライバに提供するように構成される。
【0222】
ドライバの運転スタイルを代表するさらなる情報は、以下からなる:
【0223】
- ドライバの運転パフォーマンスと、微粒子排出レベル(PM10)の局所的な状況との比較。空間及び時間の関数としての粒子状物質排出レベル(PM10)の局所的な濃度データは、オンラインサービスによって検索することができることは注目に値する。
【0224】
- すなわち、車両1の特性および車両1のブレーキシステムに起因する第1部分と、ドライバの運転スタイルに起因する第2部分である。この分解は、速度および加速限界値に基づいて、車両1にカスタマイズされた目標粒子状物質排出プロファイルを作成することによって達成されることは注目に値する。このようにして計算された微粒子排出バジェットを超過するすべては、運転スタイルに起因する。
【0225】
- 車両1の収集された運転データDGに基づき、ドライバをブレーキスタイルによって均質なグループに配置するクラスタリングアルゴリズムの結果。
【0226】
一実施形態では、先のものと組み合わせて、ドライバの運転スタイルを代表するさらなる情報は、車両1の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1の携帯電子機器2を使用するためにそこにインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、及び/又は、データ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供することができる。
【0227】
図1に破線で示すさらなる実施形態によれば、システム100は、車両1に設置された第2複数のセンサ8を更に備える。
【0228】
第2複数のセンサ8は、車両1のブレーキシステムのさらなる物理的な大きさG3の少なくとも1つの値を取得するように構成されている。
【0229】
本実施形態において、システム100は、車両1に設置された前記第2複数のセンサ8に動作可能に接続された、車両1に設置された通信装置9をさらに備える。
【0230】
通信装置9は、データ通信ネットワークNTWによって、リモートコンピュータ200に動作可能に接続されている。
【0231】
通信装置9は、車両1のブレーキシステムのさらなる物理的な大きさG3の前記少なくとも1つの値をリモートコンピュータ200に提供するように構成されている。
【0232】
本実施形態において、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、粒子状物質エミッションの第3決定計算モジュールM3を適用することによって、粒子状物質エミッションEPを代表する前記少なくとも1つの値を、やはり追加の物理的マグニチュードGR3の値に基づいて決定するように構成される。
【0233】
それにより、さらなる物理的大きさG3が、第1物理的大きさG1または第2物理的大きさG2の間のいずれか一方または他方であった場合、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、それぞれの計算モジュール(M1またはM2)による決定に頼ることなく、その値を利用できるようになる。
【0234】
次に、前述の図および図9のブロック図を参照して、車両1のブレーキシステムの使用による微粒子排出を代表する情報を検出して提供するための方法800(以下、単に検出して提供する方法または単に方法ともいう)を本発明に従って説明する。
【0235】
なお、方法の説明とともに後述する構成要素および情報は、システム100を参照して既に前述されており、したがって、簡潔にするために繰り返さない。
【0236】
方法800は、STRを開始する象徴的なステップを備える。
【0237】
方法800は、車両1内の携帯電子機器2によって、車両1のドライバによって入力された車両1の識別データDVを取得するステップ801を備える。
【0238】
車両1内の携帯電子機器2および車両1の識別データDVは、上記で定義され、説明された。
【0239】
方法800は、車両1内の携帯電子機器2の複数のセンサ6によって、車両1の走行中の車両1の走行データDGを取得するステップ802をさらに含む。
【0240】
車両1内の携帯電子機器2の複数のセンサ6および車両1の走行データDGは、上記で定義され、説明された。
【0241】
方法800は、車両1内の携帯電子デバイス2の少なくとも1つのデータ処理モジュール3によって、車両1内の携帯電子デバイス2の少なくとも1つのメモリモジュール4に、取得された車両1の走行データDGを、各ポイントがそれに関連付けられた車両1のそれぞれの走行データDGを有するポイントの第1時系列S-DGとして記憶するステップ803をさらに含む。
【0242】
方法800は、車両1の走行中に、車両1内の携帯電子デバイス2によって、車両1内の携帯電子デバイス2の少なくとも1つのメモリモジュール4に第1時系列S-DGとして記憶された車両1の走行データDGをリモートコンピュータ200に送信するステップ804をさらに含む。
【0243】
リモートコンピュータ200および第1時系列S-DGは、上記で定義され、説明された。
【0244】
方法800はさらに、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、車両1の受信された走行データDGの第1処理を実行して、車両走行データDGの、各々が実際のブレーキイベントEFを代表する点の第2時系列S-EFとしての表現を決定するステップ805を含む。
【0245】
各ポイントには、車両1のそれぞれの走行データDGが関連付けられている。
【0246】
第2時系列S-EFは既に定義され、上述されている。
【0247】
上記で既に説明したように、第2時系列S-EFは、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、リモートコンピュータ200のメモリユニット202に記憶される。
【0248】
図8に破線で示す実施形態によれば、実際のブレーキイベントをそれぞれ代表する点の第2時系列S-EFとしての車両走行データDGの表現を決定するために、車両1の受信した走行データDGの第1処理を実行するステップ805は、以下のステップからなる:
【0249】
- リモートコンピュータ200の少なくとも1つのデータ処理ユニット201によって、点の受信された第1時系列S-DG(車両1の生の走行データDG)に806を適用し、ノイズを低減し品質を高めるための少なくとも1つのノイズ低減フィルタF-K(例えば、カルマンフィルタ)を適用して、各点が車両1の関連する走行データDGを有する点の中間時系列S-DG'を得る。
【0250】
- リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、フィルタリングされた第1中間時系列S-DG'内で、セット制御ロジックL-Cの適用によって、各ポイントに関連付けられた車両1の走行データDGに基づいて、ブレーキイベントEFに対応するポイントを特定する807。この識別は、以下のステップの前に行われる。
【0251】
- リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、ブレーキイベントEFに対応する識別されたポイントを一緒に集約することによって、実際のブレーキイベントEFにそれぞれ対応するポイントのさらなる中間時系列S-EF'を決定するステップ808。なお、各ポイントは、それに関連付けられた車両1のそれぞれの走行データDGを有する。
【0252】
- リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、さらなる中間時系列S-EF'に、エラーに対応するポイントを除去し、ポイントの第2時系列S-EF(確定データセット)を得るための正しさおよび一貫性チェックフィルタF-Cを適用するステップ809。
【0253】
正誤チェックフィルタF-Cの適用例については前述した。
【0254】
図8の方法800に概略的に戻ると、第2時系列S-EFのポイントによって表される各ブレーキイベントに対して、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFの時点の車両1の走行データDGの第1サブセットS1と、リモートコンピュータ200および車両1の携帯電子機器2の外部の情報源からもたらされる複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報とに基づいて、前記第1物理的大きさG1の第1計算モジュールM1を適用することによって、
【0255】
複数の情報PIは、車両1が走行している環境を代表する第1情報I1と、車両1が走行している道路状況を代表する第2情報I2と、車両1の生産の第3情報I3とからなる。
【0256】
第1計算モジュールM1は、アルゴリズム又は数学モデル(「仮想センサ」)である。
【0257】
第1アルゴリズム又は数学的モデルM1の入力として使用される車両1の走行データDGの第1サブセットS1は、第1アルゴリズム又は数学的モデルM1によって決定され得る第1物理的大きさG1に依存する。
【0258】
車両1の走行データDGの第1サブセットS1の例は、上記で与えられた。
【0259】
第1情報I1、第2情報I2および第3情報I3は、上述したとおりである。
【0260】
第1計算モジュールM1において入力として使用される複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報が、第1計算モジュールM1によって決定可能な第1物理的大きさG1に依存することは注目に値する。
【0261】
その後、再び、第2時系列S-EFのポイントによって表される各ブレーキイベントについて、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、車両1のブレーキシステムの第2物理的大きさG2の値を、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFの時点の車両1の走行データDGの第2サブセットS2と、リモートコンピュータ200および車両1の携帯電子デバイス2の外部のソースから来る前記複数の情報PIの1つまたは複数の情報の断片とに基づいて、前記第2物理的大きさG2の第2計算モジュールM2を適用することによって決定するステップ811を備える。
【0262】
第2計算モジュールM2は、アルゴリズム又は数学モデル(「仮想センサ」)である。
【0263】
第2計算モジュールM2の入力として使用される車両1の走行データDGの第2サブセットS2は、第2計算モジュールM2によって決定可能な第2物理的大きさG2に依存する。
【0264】
車両1の走行データDGの第2サブセットS2の例は、上述した。
【0265】
第2計算モジュールM2において入力として使用される前記複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報は、第2アルゴリズムまたは数学モデルM2によって決定可能な第2物理的大きさG2に依存することは注目に値する。
【0266】
その後、再び、第2時系列S-EFのポイントによって表される各ブレーキイベントについて、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFのポイントの車両1の走行データDGの第3サブセットS3、車両ブレーキシステム1の第1物理的大きさPRの値、ブレーキシステム1の第2物理的大きさTRの値、およびリモートコンピュータ200および車両1の携帯電子デバイス2の外部のソースから来る前記複数の情報PIの1つまたは複数の情報に基づいて、粒子状物質排出の第3計算モジュールM3を適用することによって、粒子状物質排出EPを代表する1つまたは複数の値を決定するステップ812を備える。
【0267】
粒子状物質エミッションEPを代表する1つまたは複数の値は、異なる実施形態に従って、上記で提供された。
【0268】
第3計算モジュールM3は、アルゴリズム又は数学モデル(「仮想センサ」)である。
【0269】
第3計算モジュールM3の入力として使用される車両1の走行データDGの第3サブセットS3は、第1計算モジュールM1によって決定可能な第1物理的大きさG1及び第2計算モジュールM2によって決定可能な第2物理的大きさG2に依存する。
【0270】
車両1の走行データDGの第3サブセットS3の例は、上述した。
【0271】
第3計算モジュールM3において入力として使用される複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報I1は、第1計算モジュールM1によって決定可能な第1物理的大きさG1および第2計算モジュールM2によって決定可能な第2物理的大きさG2に依存することは注目に値する。
【0272】
図8の方法800に再び一般的に戻ると、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する決定された1つまたは複数の値をリアルタイムでドライバに提供するステップ813を備える。
【0273】
したがって、方法800は、EDを終了する象徴的なステップを含んでいる。
【0274】
一実施形態では、先行するもののいずれか1つと組み合わせて、図8に破線で示すように、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット202によって、第1計算モジュールM1によって決定された第1物理的大きさG1の値、第2計算モジュールM2によって決定された第2物理的大きさG2の値、および第3計算モジュールM3によって決定された粒子状物質排出EPを代表する1つまたは複数の値を、それぞれのデータベース(リモートコンピュータ200の内部または外部のいずれか)に記憶するステップ814を備える。
【0275】
一実施形態では、先行するいずれか1つと組み合わせて、図8に破線で示されるように、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、前記複数の情報PIの1つまたは複数の情報を、予め準備された、それぞれのメモリユニット202に記憶されたそれぞれのデータベースのデータと関連付け、前記第1計算モジュールM1、第2計算モジュールM2および第3計算モジュールM3に供給されるべき値および/または計算係数を導出するステップ815を備える。
【0276】
そのようなデータベースの例は、上記で提供された。
【0277】
一実施形態では、上述のいずれか1つと組み合わせて、第1物理的大きさG1は、上記で定義された車両ブレーキシステム1の温度TRである。
【0278】
この実施形態では、車両走行データDGの第1サブセットS1は、以下からなる。
【0279】
- 車両1の速度VC。
【0280】
この実施形態では、複数の情報PIの中に、以下が含まれる。
【0281】
- 前記第1情報I1は、天候CMからなる。
【0282】
- 前記第2情報I2は、車両1が通過する道路の勾配PDからなる。
【0283】
- 前記第3情報I3は、車両1の重量;車両1のブレーキシステムの技術仕様STからなる。
【0284】
実施形態では、先のものと組み合わせて、第2物理的大きさG2は、車両1のブレーキシステムに存在する圧力PR(例えば、ブレーキマスタシリンダ内のブレーキ液圧)である。
【0285】
本実施形態では、車両の走行データDGの第2サブセットS2は、以下のように構成される。
【0286】
- 車両1の速度VC;
【0287】
- 車両1の加速度AZ;
【0288】
- 車両1の減速度DZ。
【0289】
本実施形態では、複数の情報PIの中で
【0290】
- 前記第1情報I1は、車両1に永遠の温度TEからなる。
【0291】
- 前記第2情報I2は、車両1が通過する道路の勾配PDからなる。
【0292】
- 前記第3情報I3は、車両1の重量;車両1のブレーキシステムの技術仕様ST;からなる。
【0293】
一実施形態では、先のものと組み合わせて、第3計算モジュールM3は、第1計算モジュールM1によって決定された温度値TRと、第2計算モジュールM2によって決定された圧力値PRとを入力として有する。
【0294】
本実施形態において、車両走行データDGの第3サブセットS3は、以下のように構成される。
【0295】
- 車両1の速度VC;
【0296】
- 車両1の加速度AZ;
【0297】
- 車両1の減速度DZ。
【0298】
本実施形態では、複数の情報PIの中で
【0299】
- 前記第1情報I1は、天候CMからなる;
【0300】
- 前記第2情報I2は、いかなる情報からも構成されない;
【0301】
- 前記第3情報I3は、車両1のブレーキパッドおよびブレーキディスクの材料に関する技術データDMからなる。
【0302】
一実施形態では、上述のいずれかと組み合わせて、図8に破線で示されるように、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する前記決定された1つまたは複数の値に基づいて、ブレーキ評価指数IVを決定するステップ816をさらに備える。
【0303】
ブレーキ評価指数IVは、上記で定義された、ドライバのブレーキ性能を代表するものである。
【0304】
一実施形態では、先のものと組み合わせて、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、決定されたブレーキ評価指数IVをドライバに提供するステップ817を備える。
【0305】
先のものと組み合わせて示される実施形態では、決定されたブレーキ評価指数IVをドライバ817に提供するステップは、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によってリアルタイムで実行される。
【0306】
一実施形態では、先の2つのうちのいずれか1つとの組み合わせにおいて、決定されたブレーキ評価指数IVは、車両1内の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1に関する携帯電子機器2を使用するためにそこにインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、及び/又はデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1内のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供される。
【0307】
例えば、ブレーキ評価指数IVは、交通信号、速度計などのグラフィカルインジケータによって、車両1内の携帯電子デバイス2に表示される。
【0308】
実施形態では、先行するもののいずれか1つと組み合わせて、図8に破線で示すように、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、設定された経路に沿って存在する各ブレーキイベントEFについて、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する決定された1つまたは複数の値に基づいて、設定された走行中の車両1の粒子状物質排出係数F-EPを決定するステップ818をさらに備える。
【0309】
上述したように、粒子状物質排出係数F-EPは、設定された経路に沿って設定された正規化値(例えば、PM10/kM)以下のいずれかの直径を有する粒子状物質粒子の質量を表す値V1として表される。
【0310】
図8に再び破線で示すこの実施形態では、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、設定された走行中に車両1によって移動された距離を決定するステップ819をさらに備える。
【0311】
先のものと組み合わせた実施形態では、設定された旅行中に車両1によってカバーされた距離は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、追加の計算モジュールM4によって、車両1内の携帯電子機器2の複数のセンサ6によって取得された車両1の走行データDGに含まれる車両1の複数の位置データに基づいて決定される。
【0312】
車両走行データDGの取得頻度が、設定された基準頻度値(非限定的な例として、3秒毎)を超える場合、取得された個々の位置値間の幾何学的距離を合計することによって、設定された走行中に車両1によってカバーされた距離が決定される。
【0313】
さらなる実施形態では、前述のものと組み合わせて、又はこれに代えて、設定された旅行中に車両1によってカバーされた距離は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、外部サービス(上述)を使用することによって取得された、確率の高いルートの出発点と終了点との間の距離として決定される。
【0314】
さらなる実施形態では、前述のものに代わるものとして、設定された走行中に車両1によってカバーされる距離は、距離補正モデルによってリモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって決定される。
【0315】
距離補正モデルの一例については前述した。
【0316】
一実施形態では、粒子状物質排出のファクターF-EPに関連する先行するもののいずれか1つと組み合わせて、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、決定された粒子状物質排出のファクターF-EPをドライバに提供するステップ820をさらに備える。
【0317】
先のものと組み合わせて示される実施形態では、粒子状物質排出の決定された係数F-EPをドライバ820に提供するステップは、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によってリアルタイムで実行される。
【0318】
一実施形態では、先の2つのうちのいずれか1つと組み合わせて、粒子状物質排出の決定された係数F-EPは、車両1内の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1内の携帯電子機器2を使用するためにそこにインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、及び/又はデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1内のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供される。
【0319】
さらなる実施形態では、先行するいずれか1つのものと組み合わせて、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する決定された1つまたは複数の値をドライバに提供するステップ813が、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によってリアルタイムで実行される。
【0320】
実施形態によれば、先のものと組み合わせて、ブレーキイベントEFによる粒子状物質排出EPを代表する決定された1つまたは複数の値は、車両1内の携帯電子デバイス2のユーザインタフェース5によって(リアルタイムで、またはリアルタイムでなくても)、特に、システム100の実施において車両1内の携帯電子機器2を使用するためにそこにインストールされたソフトウェアアプリケーションによって、および/またはデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供され得る。
【0321】
一実施形態では、先行するいずれか1つと組み合わせて、図8に破線で示されるように、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、第1物理的大きさG1の決定された値と第2物理的大きさG2の決定された値とをドライバに提供するステップ821をさらに備える。
【0322】
一実施形態では、先のものと組み合わせて、第1物理的大きさG1の決定された値、及び第2物理的大きさG2の決定された値は、車両1内の携帯電子デバイス2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1に関する携帯電子デバイス2を採用するためにそこにインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、及び/又はデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1内のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供され得る。
【0323】
一実施形態では、上述のいずれか1つと組み合わせて、図8に破線で示すように、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、ドライバの車両1の運転性能を代表するさらなる情報をドライバに提供するステップ822をさらに備える。
【0324】
車両1のドライバの運転性能を代表するさらなる情報は、上記で定義され、説明されている。
【0325】
実施形態によれば、前述のものと組み合わせて、ドライバによる車両1の運転性能を代表するさらなる情報は、データ通信ネットワークNTW(前述のもの)によって、リモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1のディスプレイモジュールによって、及び/又は、車両1の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1の携帯電子機器2を採用するためにそこにインストールされたソフトウェアアプリケーションによって、ドライバに提供される。
【0326】
このようなディスプレイモジュールは、車両1内の携帯電子機器2とすることもできる。
【0327】
一実施形態では、上述のいずれか1つと組み合わせて、図8に破線で示すように、方法800は、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって、ドライバの運転スタイルを代表するさらなる情報をドライバに提供するステップ823を更に備える。
【0328】
ドライバの運転スタイルを代表するさらなる情報は、上記で定義され、説明されている。
【0329】
実施形態では、先のものと組み合わせて、ドライバの運転スタイルを代表するさらなる情報は、車両1内の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1に関する携帯電子機器2を採用するためにそこにインストールされたアプリケーションソフトウェアによって、及び/又はデータ通信ネットワークNTW(上述)によってリモートコンピュータ200に動作可能に接続された車両1内のディスプレイモジュールによって、ドライバに提供される。
【0330】
さらなる実施形態によれば、進行中のいずれか1つのものと組み合わせて、図8に破線で示すように、方法800は、車両に設置された第2複数のセンサ8によって、車両1のブレーキシステムのさらなる物理的な大きさG3の少なくとも1つの値を取得するステップ824を備える。
【0331】
本実施形態において、方法800は、車両に設置された前記第2複数のセンサ8に動作可能に接続された車両1に設置された通信装置9によって、車両ブレーキシステム1のさらなる物理的大きさG3の前記少なくとも1つの値をリモートコンピュータ200に提供するステップ825を更に含む。
【0332】
本実施形態において、粒子状物質排出の第3決定計算モジュールM3を適用して、粒子状物質排出EPを代表する少なくとも1つの値を決定するステップ812は、追加の物理的大きさGR3の値にも基づいて、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201によって実行される。
【0333】
これにより、上述したように、さらなる物理的大きさG3が第1物理的大きさG1または第2物理的大きさG2の間のいずれか一方または他方であった場合、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、それぞれの計算モジュール(M1またはM2)による決定に頼ることなく、その値を利用できるようになる。
【発明の実施の形態】
【0334】
次に図を参照して、本発明による、車両のブレーキシステムの使用による微粒子排出を検出し、代表的な情報を提供する方法による実施例を説明する。
【0335】
ドライバは、車両1内の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、車両1の識別データDV(例えば、ブランドおよびモデル)を入力し、この識別データDVは、車両1内の携帯電子機器2によって取り込まれる。
【0336】
車両1の走行中、車両1内の携帯電子機器2の複数のセンサ6は、車両1の走行データDG、例えば、車両1の位置(緯度及び経度)、車両1の速度、車両1の加速度、車両1の高度を取得する。
【0337】
車両1内の携帯電子機器2のデータ処理モジュール3は、車両1内の携帯電子機器2の少なくとも1つのメモリモジュール4に、取得された車両1の走行データDGを、各ポイントがそれに関連付けられた車両1のそれぞれの走行データDGを有するポイントの第1時系列S-DGとして記憶する。
【0338】
車両1の携帯電子機器2は、車両1の走行中に、車両1の携帯電子機器2の少なくとも1つのメモリモジュール4に第1時系列S-DGとして記憶された車両1の走行データDGをリモートコンピュータ200に送信するように構成される。
【0339】
リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、受信した車両1の走行データDGの第1処理を実行して、車両走行データDGの、各々が実際のブレーキイベントEFを代表する点の第2時系列S-EFとしての表現を決定する。
【0340】
各ポイントには、車両1のそれぞれの走行データDGが関連付けられている。
【0341】
より詳細には、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、
【0342】
- リモートコンピュータ200の少なくとも1つのデータ処理ユニット201によって、点の受信された第1時系列S-DG(車両1の生の走行データDG)に、ノイズを低減し品質を高めるための少なくとも1つのノイズ低減フィルタF-K(例えば、カルマンフィルタ)を適用して、各点が車両1の関連する走行データDGを有する点の中間時系列S-DG'を得ること;
【0343】
- 設定された制御ロジックL-Cの適用によって、フィルタリングされた第1中間時系列S-DG'内で、各ポイントに関連付けられた車両1の走行データDGに基づいて、ブレーキイベントEFに対応するポイントを特定すること;
【0344】
- ブレーキイベントEFに対応する識別されたポイントを集約することによって、実際のブレーキイベントEFに対応する各ポイントのさらなる中間時系列S-EF'を決定するステップであって、各ポイントは、それに関連付けられた車両1のそれぞれの走行データDGを有すること;
【0345】
- エラーに対応するポイントを除去し、ポイントの第2時系列S-EF(確定データセット)を得るために、さらなる中間時系列S-EF'に正しさおよび一貫性チェックフィルタF-Cを適用すること、を有する。
【0346】
リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、第2時系列S-EFをリモートコンピュータ200のメモリユニット202に格納する。
【0347】
第2時系列S-EFのポイントによって表される各ブレーキイベントに対して、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFのポイントの車両1の走行データDGの第1サブセットS1と、リモートコンピュータ200および車両1の携帯電子機器2の外部の情報源からもたらされる複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報とに基づいて、前記第1物理的大きさG1の第1計算モジュールM1(アルゴリズムまたは数学モデル)を適用することによって、車両1のブレーキシステムの第1物理的大きさG1の値(例えば、温度)を決定する。
【0348】
複数の情報PIは、車両1が走行している環境を代表する第1情報I1と、車両1が走行している道路状況を代表する第2情報I2と、車両1の生産の第3情報I3とからなる。
【0349】
車両走行データDGの第1サブセットS1は、車両1の速度VCからなる。
【0350】
第1情報L1は、天候CMからなる。
【0351】
第2情報I2は、車両1が走行している道路の勾配PDからなる。
【0352】
第3情報I3は、車両1の重量MSと、車両1のブレーキシステムの技術仕様STとからなる。
【0353】
その後、再び、第2時系列S-EFのポイントによって表される各ブレーキイベントに対して、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFのポイントの車両1の走行データDGの第2サブセットS2と、リモートコンピュータ200および車両1の携帯電子機器2の外部のソースから来る前記複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報とに基づいて、前記第2物理的大きさG2の第2計算モジュールM2(アルゴリズムまたは数学モデル)を適用することによって、車両1のブレーキシステムの第2物理的大きさG2(例えば、圧力)の値を決定する。
【0354】
車両走行データDGの第2サブセットS2は、車両1の速度VC、車両1の加速度AZ、車両1の減速度DZからなる。
【0355】
第1情報I1は、車両1の外部の温度TEからなる。
【0356】
第2情報I2は、車両1が走行している道路の勾配PDからなる。
【0357】
第3情報I3は、車両1の重量MSと、車両1のブレーキシステムの技術仕様STとからなる。
【0358】
その後、再び、第2時系列S-EFのポイントによって表される各ブレーキイベントに対して、リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、ブレーキイベントEFに対応する第2時系列S-EFのポイントの車両1の走行データDGの第3サブセットS3、車両ブレーキシステム1の第1物理的大きさPRの値、ブレーキシステム1の第2物理的大きさTRの値、および車両1内のリモートコンピュータ200および携帯電子デバイス2の外部のソースから来る前記複数の情報PIのうちの1つまたは複数の情報に基づいて、粒子状物質エミッションの第3計算モジュールM3(アルゴリズムまたは数学モデル)を適用することによって、粒子状物質エミッションEPを代表する1つまたは複数の値を決定する。
【0359】
車両走行データDGの第3サブセットS3は、車両1の速度VC、車両1の加速度AZ、車両1の減速度DZからなる。
【0360】
第1情報L1は、天候CMからなる。
【0361】
第2情報I2は、いかなる情報からも構成されない。
【0362】
第3情報I3は、車両1のブレーキパッドおよびブレーキディスクの材料に関する技術データDMからなる。
【0363】
粒子状物質エミッションEPを代表する1つ以上の値は、上記で提供されたものであり、設定値(PM10のレベル-空気中の直径が1マイクロメートル以下の粒子のMG単位の質量)以下の直径を有する粒子状物質マター粒子の質量を代表する値V1からなる。
【0364】
リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット201は、車両1内の携帯電子機器2のユーザインタフェース5によって、特に、システム100の実施において車両1内の携帯電子機器2を採用するためにそこにインストールされたソフトウェアアプリケーションによって、設定値より小さいか又は設定値に等しい直径を有する粒子状物質粒子の質量を代表する値V1をリアルタイムでドライバに提供する。
【0365】
リモートコンピュータ200のデータ処理ユニット202は、第1計算モジュールM1によって決定された第1物理的大きさG1(温度)の値と、第2計算モジュールM2によって決定された第2物理的大きさG2(圧力)の値と、第3計算モジュールM3によって決定された設定値以下の直径を有する粒子状物質粒子の質量を代表する値V1とを、それぞれのデータベースに記憶する。
【0366】
本発明の目的が完全に達成されることは注目に値する。
【0367】
実際、設定された取得頻度で行われる車両の走行データの取得後、車両の走行データは、アルゴリズムを実行するリモートコンピュータに送信され、車両内の携帯電子デバイス(ドライバのスマートフォン)は、メモリとバッテリを制限しないように、そのようなタスクから解放され、代わりに、計算部分のより強力なプロセッサを利用することができる。
【0368】
さらに、各ソフトウェアのアップデートは、リモート・コンピュータ側で管理されるため、ユーザにとっての問題はできるだけ少なくなる。
【0369】
さらに、車両に搭載されたスマートフォンのセンサによって検出され、計算モジュール(いわゆる仮想センサ)、すなわち、前述のデータ及び計算が実行される物理的媒体の外部のデータソース(データベース、API、実験パラメータ)を利用することによって、初期データの情報度、得られる結果の正確さ及び精度を向上させるアルゴリズム又は数学モデルによって決定される車両走行データを使用して、車両のブレーキシステムにリンクされた粒子状排出物のレベルを決定する。
【0370】
偶発的なニーズを満たすために、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、上述の方法および関連システムの実施形態に変更および適合を加えることができ、または機能的に同等である他の要素と置き換えることができる。可能な実施形態に属するものとして上述した全ての特徴は、記載された他の実施形態に関係なく実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】