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特表2025-502153集積回路内のディフュージョンブレイクにおける配線
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】集積回路内のディフュージョンブレイクにおける配線
(51)【国際特許分類】
   H10D 89/10 20250101AFI20250117BHJP
【FI】
H01L21/82 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541618
(86)(22)【出願日】2023-01-12
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 US2023010685
(87)【国際公開番号】W WO2023137112
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】17/647,938
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】リーブマン,ラーズ
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】チャネモウゲーム,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ガトウィン,ポール
【テーマコード(参考)】
5F064
【Fターム(参考)】
5F064AA04
5F064EE32
5F064EE33
5F064EE34
5F064EE35
5F064EE56
(57)【要約】
半導体デバイスは、基板内に配設される第1の3次元(3D)トランジスタと、第1の3Dトランジスタと平行に配向される第2の3Dトランジスタとを含み、第1の3Dトランジスタ及び第2の3Dトランジスタは複数のトランジスタのサブセットである。デバイスは、第2の3Dトランジスタを第1の3Dトランジスタから横方向に分離する領域内に配設されるディフュージョンブレイクトレンチを含み、ディフュージョンブレイクトレンチは横方向に沿って延在する長さを有する。デバイスは、ディフュージョンブレイクトレンチを充填するディフュージョンブレイクワイヤを含み、ディフュージョンブレイクワイヤは、垂直方向に沿った高さを有し、複数のトランジスタのゲートは、ディフュージョンブレイクワイヤとは異なる導電性材料から作製される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板内に配設される第1の3次元(3D)トランジスタ及び前記第1の3Dトランジスタと平行に配向される第2の3Dトランジスタであって、前記第1の3Dトランジスタ及び前記第2の3Dトランジスタは複数のトランジスタのサブセットである、第1の3Dトランジスタ及び第2の3Dトランジスタと、
前記第2の3Dトランジスタを前記第1の3Dトランジスタから横方向に分離する領域内に配設されるディフュージョンブレイクトレンチであって、横方向に沿って延在する長さを有する、ディフュージョンブレイクトレンチと、
前記ディフュージョンブレイクトレンチを充填するディフュージョンブレイクワイヤであって、前記ディフュージョンブレイクワイヤは、垂直方向に沿った高さを有し、前記複数のトランジスタのゲートは、前記ディフュージョンブレイクワイヤとは異なる導電性材料から作製される、ディフュージョンブレイクワイヤと、を備える、半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1の3Dトランジスタは、第1のナノワイヤトランジスタ(NWT)を備え、前記第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のNWTと平行に配向される第2のNWTを備え、前記第1のNWT及び前記第2のNWTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノワイヤを備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第1の3Dトランジスタは、第1のナノシートトランジスタ(NT)を備え、前記第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のNTと平行に配向される第2のNTを備え、前記第1のNT及び前記第2のNTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノシートを備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1の3Dトランジスタは、第1の相補型電界効果トランジスタ(CFET)を備え、前記第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のCFETと平行に配向される第2のCFETを備え、前記第1のCFETは前記第1のNTを備え、前記第2のCFETは前記第2のNTを備える、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ディフュージョンブレイクワイヤは、
絶縁外側ライナと、
前記絶縁外側ライナによって前記第1の3Dトランジスタ及び前記第2の3Dトランジスタから電気的に絶縁される導電性コアと、を備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ディフュージョンブレイクワイヤは、
絶縁外側ライナと、
前記絶縁外側ライナによって前記第1の3Dトランジスタ及び前記第2の3Dトランジスタから電気的に絶縁される第1の導電性コアと、
前記絶縁外側ライナによって前記第1の3Dトランジスタから電気的に絶縁される第2の導電性コアと、
前記第1の導電性コアと前記第2の導電性コアとの間の絶縁層であって、前記第1の導電性コアを前記第2の導電性コアから電気的に絶縁する、絶縁層と、を備える、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
半導体デバイスを形成する方法であって、
第1の領域内に第1の3次元(3D)トランジスタを形成し、第2の領域内に前記第1の3Dトランジスタと平行に配向される第2の3Dトランジスタを形成することと、
前記第2の3Dトランジスタと前記第1の3Dトランジスタとの間にディフュージョンブレイクトレンチを形成することであって、前記ディフュージョンブレイクトレンチは第1の横方向に沿って延在する、ことと、
前記ディフュージョンブレイクトレンチを充填することによってディフュージョンブレイクワイヤを形成することであって、前記ディフュージョンブレイクワイヤは垂直方向に沿った高さを有し、前記ディフュージョンブレイクトレンチを充填することは、導電性コアを形成することを含み、前記第1及び前記第2の3Dトランジスタのゲートは、前記ディフュージョンブレイクワイヤとは異なる導電性材料から作製される、ことと、を含む、方法。
【請求項8】
前記第1の3Dトランジスタは、第1のナノワイヤトランジスタ(NWT)を備え、前記第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のNWTと平行に配向される第2のNWTを備え、前記第1のNWT及び前記第2のNWTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノワイヤを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ディフュージョンブレイクトレンチを充填することは、絶縁層によって前記導電性コアから分離される更なる導電性コアを形成することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の3Dトランジスタは、第1のナノシートトランジスタ(NT)を備え、前記第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のNTと平行に配向される第2のNTを備え、前記第1のNT及び前記第2のNTは、垂直方向に沿って積層されるナノシートのスタックを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の3Dトランジスタは、第1の相補型電界効果トランジスタ(CFET)を備え、前記第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のCFETと平行に配向される第2のCFETを備え、前記第1のCFETは前記第1のNTを備え、前記第2のCFETは前記第2のNTを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ディフュージョンブレイクトレンチを形成することは、
前記基板の上にNTダミー構造を形成することであって、前記NTダミー構造は、前記ナノシートのスタックの一部分を取り囲む犠牲NTゲート構造を備える、ことと、
前記犠牲NTゲート構造をエッチングして、前記ナノシートのスタックの一部分を曝露させることと、
前記ナノシートのスタックの曝露部分をエッチングすることと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記導電性コアに物理的に接続される垂直ピラーを形成し、前記垂直ピラーを前記ディフュージョンブレイクワイヤの上の配線レベルに結合することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のNTのS/D領域に接続されるS/D相互接続ラインに前記導電性コアを物理的に接続するワイヤブリッジを形成することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
半導体デバイスであって、
基板内に配設される第1の3次元(3D)トランジスタと、
前記基板内に配設される第1の回路部品と、
第1の横方向に沿って延在する長さを有するディフュージョンブレイクトレンチと、
前記ディフュージョンブレイクトレンチ内に配設されるディフュージョンブレイクワイヤであって、
絶縁外側ライナと、
前記第1の3Dトランジスタの電極及び前記第1の回路部品の電極に電気的に結合される第1の導電性コアと、を備えるディフュージョンブレイクワイヤと、を備える、半導体デバイス。
【請求項16】
前記第1の3Dトランジスタは、第1のナノワイヤトランジスタ(NWT)を備え、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のNWTと平行に配向される第2のNWTを備え、前記第1のNWT及び前記第2のNWTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノワイヤを備える、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記第1の導電性コアは、垂直に導電する第1のピラーに物理的に接続され、前記第1のピラーは、前記ディフュージョンブレイクワイヤの上の配線レベルに接続される、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記第1の3Dトランジスタは、第1のナノシートトランジスタ(NT)を備え、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のNTと平行に配向される第2のNTを備え、前記第1のNT及び前記第2のNTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノシートを備える、請求項15に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記第1の3Dトランジスタは、第1の相補型電界効果トランジスタ(CFET)を備え、前記第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される前記第1のCFETと平行に配向される第2のCFETを備え、前記第1のCFETは前記第1のNTを備え、前記第2のCFETは前記第2のNTを備える、請求項18に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記第1のCFETは、第1のS/D相互接続ラインに接続される第1のS/D領域を備える第1のゲートオールアラウンド電界効果トランジスタ(GAAFET)と、第2のS/D相互接続ラインに接続される第2のS/D領域を備える第2のGAAFETとの垂直スタックを備える、請求項19に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2022年1月13日出願の、「WIRING IN DIFFUSION BREAKS IN AN INTEGRATED CIRCUIT」と題する米国非仮特許出願第17/647,938号明細書に対する優先権を主張し、その開示の全てを引用して本明細書中に明示的に組み込む。
【0002】
技術分野
本発明は、一般に、集積回路に関し、特定の実施形態において、集積回路内のディフュージョンブレイクにおける配線に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、集積回路(IC)は、基板の上方に誘電体、金属、及び半導体の層を順次堆積及びパターニングして、モノリシック構造体内に金属線及びビアによって接続される電子コンポーネントのネットワークを形成することによって製造される。従来、マルチパターニング及び極端紫外線(EUV)リソグラフィ等のフォトリソグラフィにおける革新により、新しい技術ノード毎にフィーチャサイズを縮小することを可能にし、ICのコストを低減し、機能を増加させるよう実装密度がほぼ2倍になった。寸法スケーリングに伴う電界の増加により、スイッチング速度、漏れ電力、及び信頼性の制約内において電界効果トランジスタ(FET)を小型化することは困難である。最近では、価値ある電力-性能-面積-コスト(PPAC)向上を達成することは、3次元(3D)FET構造の使用を伴う。3D FET構造は、FinFETから、ゲートオールアラウンドFET(GAAFET)へ、そして相補型FET(CFET)へと進化してきており、CFETは、例えばn型FETの上にp型FETを垂直に積層した1対のFETである。FinFETは、垂直に突出する薄いフィン形状の半導体チャネルを取り囲む層状の高誘電率金属ゲート(HKMG)を有する一方で、GAAFET構造は、垂直に隣接するナノシート間の空間を充填し、スタックの2つの垂直側面に沿って接続するよう取り囲む共有HKMGゲートを有する薄い半導体ナノシート又はナノワイヤの垂直スタックである。CFETの3Dアーキテクチャは、2つのトランジスタを垂直に積み重ねることによって、デバイスフットプリントを更に低減する。しかし、その成果を十分に発揮するため、3Dデバイスを効率的に配線する革新が必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
半導体デバイスは、基板内に配設される第1の3次元(3D)トランジスタと、第1の3Dトランジスタと平行に配向される第2の3Dトランジスタと、を含み、第1の3Dトランジスタ及び第2の3Dトランジスタは複数のトランジスタのサブセットである。本デバイスは、第2の3Dトランジスタを第1の3Dトランジスタから横方向に分離する領域内に配設されるディフュージョンブレイクトレンチを含み、ディフュージョンブレイクトレンチは横方向に沿って延在する長さを有する。本デバイスは、ディフュージョンブレイクトレンチを充填するディフュージョンブレイクワイヤを含み、ディフュージョンブレイクワイヤは、垂直方向に沿った高さを有し、複数のトランジスタのゲートは、ディフュージョンブレイクワイヤとは異なる導電性材料から作製される。
【0005】
半導体デバイスを形成する方法は、第1の領域内に第1の3次元(3D)トランジスタを形成し、第2の領域内に第1の3Dトランジスタと平行に配向される第2の3Dトランジスタを形成することを含む。本方法は、第2の3Dトランジスタと第1の3Dトランジスタとの間にディフュージョンブレイクトレンチを形成することであって、ディフュージョンブレイクトレンチは第1の横方向に沿って延在する、ことを含む。本方法は、ディフュージョンブレイクトレンチを充填することによってディフュージョンブレイクワイヤを形成することであって、ディフュージョンブレイクワイヤは垂直方向に沿った高さを有し、ディフュージョンブレイクトレンチを充填することは、導電性コアを形成することを含み、第1及び第2のトランジスタのゲートは、ディフュージョンブレイクワイヤとは異なる導電性材料から作製される、ことを含む。
【0006】
半導体デバイスは、基板内に配設される第1の3次元(3D)トランジスタと、基板内に配設される第1の回路部品と、第1の横方向に沿って延在する長さを有するディフュージョンブレイクトレンチと、ディフュージョンブレイクトレンチ内に配設されるディフュージョンブレイクワイヤと、を含む。ディフュージョンブレイクワイヤは、絶縁外側ライナと、第1の導電性コアと、を含み、第1の導電性コアは、第1の3Dトランジスタの電極及び第1の回路部品の電極に電気的に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明及びその利点をより完全に理解されるよう、添付図面と合わせて以下の説明を参照されたい。
【0008】
図1】幾つかの実施形態による、簡略化された標準セルの2つのレイアウトの概略図である。
図2A】幾つかの実施形態による、CFET及びディフュージョンブレイクワイヤの斜視図である。
図2B】幾つかの実施形態による、CFET及びディフュージョンブレイクワイヤの斜視図である。
図3A】幾つかの実施形態による、製造の様々な中間段階における、図1に示す簡略化された標準セルの断面図である。
図3B】幾つかの実施形態による、製造の様々な中間段階における、図1に示す簡略化された標準セルの断面図である。
図3C】幾つかの実施形態による、製造の様々な中間段階における、図1に示す簡略化された標準セルの断面図である。
図3D】幾つかの実施形態による、製造の様々な中間段階における、図1に示す簡略化された標準セルの断面図である。
図3E】別の実施形態による、図3Dに示す簡略化された標準セルの断面図である。
図4A】一実施形態による、簡略化された標準セルの平面図及びそれぞれの断面図である。
図4B】一実施形態による、簡略化された標準セルの平面図及びそれぞれの断面図である。
図5A】一実施形態による、標準セルレイアウトを示す図である。
図5B】一実施形態による、標準セルレイアウトを示す図である。
図5C図5A~5Bに示す標準セルレイアウトにおけるディフュージョンブレイクワイヤの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、3次元(3D)トランジスタを備える隣接するディフュージョンエリア間に形成されるディフュージョンブレイクの線に沿って通るディフュージョンブレイクワイヤと称するワイヤを形成するための構造及び方法の実施形態を説明する。本開示で説明する特定の例示的な実施形態は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)電界効果トランジスタ(FET)集積回路(IC)技術においてナノシートトランジスタ(NT)を用いる発明概念を示している。NTにおいて、チャネルは、ゲート構造がナノシートを取り囲む半導体ナノシートのスタックの一部である。ゲートの両側の自己整合半導体ソース/ドレイン(S/D)領域は、ナノシートの同じスタックから形成される。ディフュージョンエリアは、破断のないナノシートスタックによって物理的に接続されるNTチャネル及びS/D領域の連続的なアクティブエリアを指す。ディフュージョンエリアを形成した後、様々な実施形態において、以下で更に詳細に説明するように、隣接するディフュージョンエリア間の領域からナノシートスタックを除去することによって、長いディフュージョンエリアを別々のディフュージョンエリアの列に分割するよう、ディフュージョンブレイクが形成される。本開示において、NTトランジスタは、下部GAAFET及び上部GAAFETの垂直スタックを備えるゲートオールアラウンドFET(GAAFET)又は相補型FET(CFET)であってもよい。GAAFETチャネルは、背景技術の欄で述べたように、ナノワイヤ又はナノシートを備えてもよい。ナノシートの代わりにチャネル領域としてナノワイヤを有するGAAFET及びCFETは、NTと類似しており、ナノワイヤトランジスタ(NWT)と称してもよい。
【0010】
CFETの概念は、幾つかのトランジスタを垂直に積み重ねることによって、トランジスタのパッキング密度を増加させることである。ディフュージョンブレイクワイヤの例示的な実施形態は、n型及びp型GAAFETの垂直スタックを含むCFET構造との関連において説明する。ディフュージョンブレイクワイヤは、2つのGAAFETのスタックを備えるCFET構造を用いる相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デジタル論理IC技術に対して説明したが、本発明の態様は、他の種類の3Dアーキテクチャを有する能動素子、例えば、FinFET、GAAFET、又はトランジスタのより大きいスタックを有するCFETを用いる技術に適用されてもよい。本開示において、CFETは、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタの垂直スタックを備えるため、各CFETチャネル、S/D、及びゲート構造は、それぞれの第1及び第2のチャネル、S/D、及びゲート構造を備える。
【0011】
標準セルライブラリ内の標準セルは、マイクロエレクトロニクス設計における組み合わせ及び順序論理機能を提供する。デジタルICにおいて論理機能を実装するための標準セルライブラリの標準セルのレイアウトは、多くの場合、ディフュージョンエリアの行と、ディフュージョンブレイクの列と、行に交差し、横切るゲート構造とを備える。
【0012】
以下でより詳細に説明するように、本願において説明する実施形態は、論理標準セルのスケーリングを可能にする。より詳細には、様々な実施形態は、セル高さを低減することによって、デジタル論理設計内のトランジスタ密度を増加させる。標準セル論理設計におけるセル高さは、配線トラックの数、即ち、トランジスタを互いに、並びに入力ピン及び出力ピンに接続するようルーティングするために利用可能な最小ピッチ配線トラックの数で表される。例えば、同じセル幅を維持しながらセル高さを7Tから3.5Tに減少させることは、約50%の面積スケーリング又は密度の倍増に相当する。配線トラックのためのスペースが減少することにより、トランジスタ間で電力供給ライン及び信号をルーティングする際の困難さが増大する。実施形態は、積極的にスケーリングされた低トラック高さの論理セルにおける配線混雑を克服するのに役立つ新規の接続性と共に、セル高さの低減を達成する。この新規の接続性は、部分的には、ディフュージョンブレイク内の無駄なスペースを追加の配線層として利用することによって達成される。従って、実施形態は、配線が制限された標準セルの更なるスケーリングを可能にする。
【0013】
最初に、図1の標準セルレイアウトを用いて、ディフュージョンブレイクワイヤの一実施形態を説明する。図2A~2B、3D、3E、及び4~5を用いて、金属相互接続として用いられるディフュージョンブレイクワイヤを有するCFETの構造的な実施形態を説明する。デバイスを形成する実施形態の方法を、図3A~3Eを用いて説明する。
【0014】
図1は、簡略化した標準セルの2つのレイアウトの略図を示している。第1のレイアウト101Aは、2トランジスタフットプリントを有するCFET技術のためのものであり、第2のレイアウト101Bは、1トランジスタフットプリントを有するGAAFET技術のためのものである。標準セルの境界は破線の矩形で示されている。同じ番号を有する参照番号は、同様のエンティティを指し、Aで終わるものは第1のレイアウト101Aを指し、Bで終わるものは第2のレイアウト101Bを指す。
【0015】
図1において簡略化された標準セルのレイアウト101A及び101Bのそれぞれは、3列のゲート構造103A/103B及び3列のディフュージョンブレイクを備える6つの柱状トラックを示し、ディフュージョンブレイクラインは2種類、非導電性ディフュージョンブレイクライン105A/105B及びディフュージョンブレイクワイヤ112A/112Bのものである。以下で更に詳細に説明するように、ディフュージョンブレイクワイヤは、ディフュージョンブレイクワイヤを電子部品の電極又は他のワイヤに接続するために電気接点が形成される導電性材料を備える。対照的に、非導電性ディフュージョンブレイクラインは、全て絶縁材料で作られる。第1のレイアウト101Aは、1行のCFETを示し、各CFETは、n型及びp型GAAFETのスタックである。対照的に、1トランジスタフットプリントGAAFET技術のための第2のレイアウト101Bは、同じ数のトランジスタに対して2行、例えば、図1においてそれぞれn-GAAFET及びp-GAAFETと記されるn型に対する1行とp型GAAFETに対する1行とを有する。図1に示すように、各行は、ディフュージョンブレイク105A/105Bによってセグメントに分割され、各セグメントは、それぞれの行の1つのディフュージョンエリア111A/111Bである。第1のレイアウト101A及び第2のレイアウト101Bに示す標準セルは、ディフュージョンエリア111A/111Bの各行において2つのディフュージョンエリア111A/111Bを有する。ゲート構造103A/103Bとディフュージョンエリア111A/111Bとの間の各交点において、ゲート構造103A/103Bに共通するディフュージョンエリア111A/111Bの一部は、トランジスタチャネルエリア107A/107B(図1において点線Xで示す)である。ディフュージョンエリア111A/111Bの残りの部分は、S/D109A/109Bを備える。各ディフュージョンエリア111A/111Bは、少なくとも1つのトランジスタチャネル107A/107Bと、2つのS/D109A/109Bとを有する。しかし、ディフュージョンエリア111A/111Bは、隣接するチャネルエリア107A/107B間にS/D109A/109Bを有する複数のチャネルエリア107A/107Bを生成する複数の交差ゲート構造103A/103Bを有してもよい。
【0016】
ディフュージョンブレイクのラインは、ディフュージョンカットエッチングを用いて、列方向に沿ってディフュージョンブレイクトレンチを形成することによって作成されてもよく、各トレンチは、多くの場合、以下で更に詳細に説明するように、ディフュージョンエリアの幾つかの行を通り抜ける。その後、ディフュージョンブレイクトレンチのうちの幾つかは、絶縁材料で選択的に充填されて、非導電性ディフュージョンブレイクライン105A/105Bを形成する一方で、他のディフュージョンブレイクトレンチは、選択的に充填されて、ディフュージョンブレイクワイヤ112A/112Bを形成する。ディフュージョンブレイクワイヤ112A/112Bは、以下で更に詳細に説明するように、それぞれのディフュージョンブレイクトレンチの側壁及び底壁に沿って形成される絶縁外側ライナによって隣接するディフュージョンエリアから絶縁される導電性コアを含む。幾つかの実施形態において、ディフュージョンブレイクワイヤ112A/112Bは、第1の導電性コアと、第1の導電性コアの下の第2の導電性コアと、第2の導電性コアを第1の導電性コアから絶縁する絶縁層とを備える垂直スタックを含んでもよい。電気的接続が、垂直方向及び横方向のコネクタを用いてディフュージョンブレイクワイヤ112A/112Bの導電性コアに対して行われてもよい。これらのコネクタを介して、導電性コアは、トランジスタ電極に結合され、ICのマルチレベル相互接続システムにも結合されてもよい。従って、ディフュージョンブレイクワイヤ112A/112Bは、追加のルーティングトラックとして利用され、高度なデジタルCMOS ICのために設計される積極的にスケーリングされた標準セルにおける配線混雑を緩和するという利点を提供してもよい。
【0017】
単一トランジスタフットプリント(例えば、FinFET及びGAAFET)からCFETの積層トランジスタ概念への3次元(3D)トランジスタアーキテクチャの進化は、トランジスタのパッキング密度を増加させたが、それは、標準セルにおける配線混雑を悪化させる。通常、標準セルにおいて、トランジスタの上の最も低い配線レベルのバックエンドオブライン(BEOL)金属相互接続ラインは、ゲートに対して垂直に通り、異なる列におけるトランジスタ間の信号及び電力供給をルーティングするために用いられる。CMOSデジタル論理技術の面積効率及びパッキング密度の1つの尺度は、標準セルレイアウトのセル高さである。セル高さは、トランジスタゲートに平行なセル寸法であり、例えば、図1における第1のレイアウト101A及び第2のレイアウト101Bそれぞれのセル高さHA及びHBである。上述したように、セル高さは、信号、電力供給、及び接地をルーティングするために利用可能な金属相互接続の配線トラックの最小ピッチの倍数として表される。従って、セル密度を増加させることによってデジタルICの機能当たりのコストを低減するようセル高さを低くする努力は、ルーティングのための配線トラックの数を圧迫する。
【0018】
FinFET(最も広く用いられている3Dトランジスタアーキテクチャ)を有する論理IC設計は、セル高さを低減するようトランジスタ当たりのより少ないフィンを用いてもよく、これは、トランジスタの総駆動電流を復元するのを助けるよう、より高いフィンへと技術を推し進める。GAAFET構造は、ナノシートの垂直スタックにおいて平行チャネルを用い、従って、CMOS GAAFET技術におけるセル高さは、ゲートに平行なスタック幅を縮小することにより低減されてもよい。縮小するスタック幅によるトランジスタ駆動の損失は、GAAFET技術に、フィン高さの増加と同様に、総駆動電流を回収するようスタックにおけるナノシートの数を増加させることを強制する。しかし、セル高さの限られたスケーリングは、高いアスペクト比フィン間隔及び多数の背の高いスタックを取り囲むGAAFETゲート構造に関連する処理の複雑さ及び寄生S/D抵抗の増加のために、背の高いフィン又はGAAFETを有するFinFETを用いて達成されてもよい。
【0019】
トランジスタを積層するCFETの概念は、図1における第1のレイアウト101Aと第2のレイアウト101Bとの比較から見て取れるように、セル内のディフュージョンエリアの行数を削減することによってセル高さを著しく低減する機会を提供する。上で説明したように、積極的にスケーリングされた標準セルの大幅に低減されたセル高さは、また、トランジスタを回路ネットワークに接続するために利用可能なディフュージョンエリアの行に平行な配線トラックの数における同様の大幅な低減を意味する。幾つかのIC技術は、埋設された電力ラインのためのトランジスタの下の基板の一部において追加の相互接続レベルを提供する一方で、配線混雑に対する更なる緩和が、本開示で説明するように、ゲート構造の列に平行なルーティングトラックとしてディフュージョンブレイクワイヤ112A/112Bの実施形態を用いることによって得られてもよい。
【0020】
図2A及び2Bは、CFET200及びディフュージョンブレイクワイヤ210の斜視図を示している。図2Aにおいて、ディフュージョンブレイクワイヤの位置は、CFET200をより明確に見るために破線の矩形ブロックによって示されており、図2Bにおいて、ディフュージョンブレイクワイヤ210は、ディフュージョンブレイクワイヤ210の導電性コアへの電気接続を行う垂直及び横方向コネクタとして、第1の導電性ピラー230及び横方向の第2のワイヤブリッジ232(第1及び第2のワイヤブリッジは、以下で更に詳細に説明する)と共に、実線の矩形ブロックとして示されている。
【0021】
図2Aに示すCFET200は、第1のトランジスタ200A及び第2のトランジスタ200Bのスタックである。この実施例において、第1のトランジスタ200A及び第2のトランジスタ200BはGAAFETであり、各GAAFETは、4つのナノシートのスタックのうちの2つのナノシートを備える。一般に、トランジスタは、任意の種類のものであってもよいが、具体的には、この実施形態において、第1のトランジスタ200Aは、p型GAAFETであってもよく、第2のトランジスタ200Bは、底部の2つのナノシートを備えるn型GAAFETであってもよい。他の幾つかの実施形態において、各トランジスタのためのナノシートの数は、等しくなくてもよく、2以外の幾つかの数であってもよい。
【0022】
ゲート構造202は、4つのナノシートを取り囲むCFETチャネルを形成し、スタックを超えて延在する。ゲート構造202によって覆われるナノシートの一部であるCFETチャネルは、図2A及び2Bにおいて見えていない。第1のトランジスタ200Aの第1のチャネルは、ゲート構造202に埋設される上部の2つのナノシートの一部を備え、第2のチャネルは、下部の2つのナノシートの同様の部分を備える。ゲート構造202に平行なナノシートスタックの横方向寸法は、ディフュージョンエリアの幅Wである(図2Aにおいて両方向矢印によって示す)。この実施例において、ゲート構造202は、1対の積層トランジスタ間で共有される。しかし、スプリットゲートCFET構造が用いられてもよいことは言うまでもない。スプリットゲートCFET構造において、スプリットゲートCFETの積層トランジスタのそれぞれのゲート電極は、独立して付勢されてもよい。
【0023】
CFETチャネルの外側のゲートの下から延在するナノシートの一部は、図2Aに示すCFET S/D208である。CFET S/D208は、ゲート構造202の2つの対向する側面に沿って1対のS/D領域を有し、合計で4つのS/D領域を有する。図2Aにおいて、第1のトランジスタ200Aのナノシートを備える第1の(上部)S/D領域204と、第2のトランジスタ200Bのナノシートを備える第2の(下部)S/D領域206とが、ゲート構造202の一方の側において見えている。
【0024】
CFET S/D208は、4つのS/D相互接続ラインを構築するよう構成されてもよく、各ラインはそれぞれのS/D領域に接続する。図2A及び2Bにおいて、第1の(上部)S/D相互接続ライン224(第1のS/D領域204に接続される)及び第2の(下部)S/D相互接続ライン226(第2の(下部)S/D領域206に接続される)は、ゲート構造202の一方の側に沿って平行に通っている。第1の(上部)S/D相互接続ライン224及び第2の(下部)S/D相互接続ライン226等のS/D相互接続ラインは、CFETの列に沿って隣接するCFET S/D領域を直接結合するようローカル相互接続トラックとして用いられてもよい。
【0025】
S/D相互接続ラインはまた、垂直導電性コネクタを用いてBEOL金属相互接続システムに結合され、それによって、様々な他の回路部品の電極に結合されてもよい。例えば、図2AにおけるCFET200の斜視図は、第1の(上部)S/D相互接続ライン224と、第1の(上部)S/D相互接続ライン224の上の配線レベルの金属相互接続ライン220との間の接続を提供する第2の導電性ピラー222を示している。第2の導電性ピラー222よりも高い、図2Aにおける第3の導電性ピラー214は、第2の(下部)S/D相互接続ライン226を金属相互接続ライン220に接続する。S/D相互接続ライン(例えば、第1の(上部)S/D相互接続ライン224及び第2の(下部)S/D相互接続ライン226)は、それぞれのS/D領域(例えば、第1の(上部)S/D領域204及び第2の(下部)S/D領域206)に接続されるため、S/D相互接続ラインを金属相互接続ライン(例えば、金属相互接続ライン220)に接続する導電性ピラーは、S/Dコンタクトと見なされてもよい。
【0026】
この実施形態において、金属相互接続ライン220は、CFET200の上の最も低い相互接続レベルのワイヤである。CFET200の上の最も低い相互接続レベルの金属相互接続ライン220は、通常、トランジスタゲートに対して垂直に配向されて、標準セルの異なる列におけるトランジスタ間の信号及び電力供給のルーティングを容易にする。標準セルの異なる行におけるトランジスタ間の信号のルーティングの多くは、ゲート構造202のメタルゲート電極と、第1の(上部)及び第2の(下部)S/D相互接続ライン224及び226とにより達成されてもよい。ディフュージョンブレイクワイヤ210は、ゲート構造202並びに第1の(上部)及び第2の(下部)S/D相互接続ライン224及び226と同じ方向に沿った更に別のルーティングトラックを提供する。
【0027】
図2Bは、ディフュージョンブレイクワイヤ210及びゲート構造202への接続を行うコネクタを示している。ディフュージョンブレイクワイヤ210は、CFET200のゲート構造202に平行に形成されるディフュージョンブレイクラインに配設される。図2Bに示すように、第1の導電性ピラー230は、ディフュージョンブレイクワイヤ210の導電性コアとディフュージョンブレイクワイヤ210の上の金属相互接続ライン220との間の電気接続を提供する。ゲート構造202は、ゲートコンタクト236と称する別の垂直導電ピラーを介して、ゲート構造202の上の別の金属相互接続ライン220に接続される。
【0028】
ディフュージョンブレイクワイヤ210の上面を介して電気接続を行う第1の導電性ピラー230等の垂直コネクタに加えて、横方向の電気接続が、ディフュージョンブレイクワイヤ210の側壁を介してディフュージョンブレイクワイヤ210の導電性コアに対して行われてもよい。横方向コネクタは、ディフュージョンブレイクワイヤ210の導電性コアと、隣接するS/D相互接続ラインとの間の横方向導電性ワイヤブリッジであってもよい。CFET200等のCFET構造は、2つの異なる垂直位置に第1の(上部)S/D相互接続ライン224及び第2の(下部)S/D相互接続ライン226を提供するため、ディフュージョンブレイクワイヤ210の1つの側壁を介して接続するそれぞれの第1のワイヤブリッジ及び第2のワイヤブリッジが存在してもよい。第2のワイヤブリッジ232は、図2Bにおいて、ディフュージョンブレイクワイヤ210の導電性コアを第2の(下部)S/D相互接続ライン226に接続して示されている。
【0029】
図2Bに示す第2のワイヤブリッジ232等の第2のワイヤブリッジは、ディフュージョンブレイクワイヤの導電性コアが、第1の導電性コアの下に形成される第2の導電性コアと、2つの導電性コアを互いに電気的に絶縁する絶縁層とを備える垂直スタックである実施形態において特に有用である。2階層ディフュージョンブレイクワイヤの第2の導電性コアはまた、2階層ディフュージョンブレイクワイヤの下側部分への接続を行う導電性ピラー(第4の導電性ピラーと称する)を用いて回路部品の電極に結合されてもよい。第4の導電性ピラーは、2階層ディフュージョンブレイクワイヤの第2の(下部)導電性コアの上面を曝露するよう、2階層ディフュージョンブレイクワイヤの上側部分の下に延在する深孔内に形成されてもよい。深孔は、第4の導電性ピラーを形成するよう充填されてもよく、ここで充填物は内部導体を含む。内部導体は、外側絶縁ジャケットによって、2階層ディフュージョンブレイクワイヤの第1の(上部)導電性コアの任意の隣接部分から絶縁されてもよい。
【0030】
幾つかの実施形態において、IC技術がトランジスタの下の基板の一部に(例えば、埋設電力ラインのための)相互接続レベルを提供する場合、ディフュージョンブレイクワイヤ(例えば、ディフュージョンブレイクワイヤ210)の底壁を介して電気接続を行う導電性ピラーを製造することが可能であってもよい。
【0031】
CFETを用いてデジタルCMOS技術のための標準セルにおけるディフュージョンブレイクワイヤ、例えば、図1に示す簡略化された標準セルレイアウト(第1のレイアウト101A)におけるディフュージョンブレイクワイヤ112Aを形成する方法を、図3A~3Dを参照して説明する。図3Eは、図3Dに示す簡略化された標準セルの代替断面図を示している。図3A~3Eにおける垂直断面は、図1の一点鎖線によって示す切取線3A~3Eに沿った第1のレイアウト101Aを有する簡略化された標準セル300のものである。
【0032】
図2A及び2Bを参照して上で説明したように、実施例のCFETは、n型GAAFETの上のp型GAAFETの垂直スタックである。CFETチャネルは、4つのナノシートのナノシートスタックを備え、上部の2つのナノシートはp型GAAFETを形成するために用いられ、下部の2つのナノシートはn型GAAFETのために用いられる。CFETは、置換メタルゲート(RMG)法を用いて製造される。RMG法において、CFETチャネル、CFET S/D、及びCFET S/D相互接続構造(図2A及び2Bを参照して上で説明した)を備えるCFETダミー構造が、犠牲(又はダミー)CFETゲート構造と共に最初に形成される。ダミーCFET構造は、プリメタル誘電体(PMD)層と称する絶縁層内に嵌め込まれる。犠牲CFETゲート構造は、その後除去され、HKMGゲートスタックと称する、高kゲート誘電体層及びメタルゲート電極を備えるゲートスタックで置き換えられて、CFETゲート構造を形成する。
【0033】
犠牲ゲート構造を備えるCFETダミー構造は、後にアクティブトランジスタを形成するだけではなく、以下で更に説明するように、後に充填されてディフュージョンブレイクワイヤを形成してもよいディフュージョンブレイクトレンチを形成するためにも形成される。
【0034】
図3Aは、図1に示した第1のレイアウト101Aにおいて示す簡略化された標準セル300の断面図を示している。図3Aに示す断面図は、CFETダミー構造が形成され、PMD層308内に埋め込まれた後の製造段階におけるセルの垂直構造を示している。CFET S/D相互接続構造(図2A及び2Bを参照して説明する)は、明確にするために図示していない。
【0035】
図3Aに示すように、CFETナノシートスタックは、断面の平面に垂直な方向にも延在する4つのナノシートを有する。ナノシートスタックは、ナノシートスタック305のラインを形成するようパターニングされている。ナノシートスタック305のラインのナノシート304は、p型GAAFET(CFETの第1のトランジスタ)を形成するために用いられてもよい2つの上部ナノシートであり、2つの下部ナノシートは、n型GAAFET(CFETの第2のトランジスタ)を形成するために用いられてもよい。犠牲ゲート構造302は、ナノシートスタック305のナノシート304及び305が犠牲ゲート構造302内に埋設されていることを示すよう、半透明の形状として図3Aに描かれている。犠牲ゲート構造302は、例えば、薄い酸化シリコン層と、酸化シリコン層の上に形成される多結晶又はアモルファスシリコン層とを備えてもよい。
【0036】
図3Bにおいて、犠牲ゲート構造302は除去されており、犠牲ゲート構造302の高さ寸法と同様の深さ寸法を有するトレンチ310がPMD層308に形成されている。犠牲ゲート構造302は、トレンチ310内部のナノシート304及び306を曝露させるよう、選択的エッチング化学を用いて除去されている。犠牲ゲート構造302が除去された後、パターン化されたディフュージョンカットエッチングが、選択されたトレンチ310上で実行されてもよい。
【0037】
図3Cは、選択されたトレンチから曝露したナノシート304及び306を除去してディフュージョンブレイクトレンチ320を形成するために、パターン化されたエッチングマスクを用いてディフュージョンカットエッチングが実行された後の、簡略化された標準セル300の垂直構造を示している。ディフュージョンブレイクトレンチ320は、上述したように、ナノシートスタック305のラインを、CFETのためのディフュージョンエリアであるラインセグメントに分割する。以下で更に説明するように、その後、ディフュージョンブレイクトレンチ320の一部を絶縁材料で充填して、非導電性のディフュージョンブレイクラインを形成してもよい。残りのディフュージョンブレイクトレンチ320は、導電性ディフュージョンブレイクワイヤを形成するために用いられる。ディフュージョンブレイクワイヤの導電性コアは、犠牲ゲート構造302を除去することによって空けられた領域に形成されるため、ディフュージョンブレイクワイヤの寸法形状は、それぞれの犠牲ゲート構造の形状と一致することに留意されたい。
【0038】
図3Dにおいて、ディフュージョンエリア内のトレンチ310及び隣接するディフュージョンエリア間のディフュージョンブレイクトレンチ320は充填され、エッチバックされている。ディフュージョンエリア内のトレンチ310は、図3Dに示すように、HKMGゲートスタックで選択的に充填され、エッチバックされて、CFETゲート構造350を形成する。簡略化された標準セル300の2つの端部に位置する2つのディフュージョンブレイクトレンチ320は、絶縁材料(例えば、酸化シリコン)で選択的に充填され、エッチバックプロセスを用いて平坦化されて、2つの非導電性ディフュージョンブレイクライン330を形成している。
【0039】
簡略化された標準セル300における残りのディフュージョンブレイクトレンチ320は、ディフュージョンブレイクワイヤ340を形成するために用いられている。図3Dに示すように、絶縁外側ライナ342は、ディフュージョンブレイクトレンチ320の側壁及び底壁に沿って形成されている。ディフュージョンブレイクトレンチ320の残りは、導電性材料で充填されて、導電性コア344を形成する。絶縁外側ライナ342は、酸化シリコン又は窒化シリコン等の誘電体材料を備えてもよく、導電性コア344の導電性材料は、金属材料、例えば、タングステン、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、アルミニウム、金属合金、及び金属シリサイドを備えてもよい。
【0040】
ディフュージョンブレイクワイヤ340が形成された後、図2A及び2Bを参照して上で説明したように、ディフュージョンブレイクワイヤをトランジスタ及び他の回路部品の電極に接続するよう、垂直コネクタ及び横方向コネクタが形成されてもよい。他の回路部品は、ダイオード及びトランジスタを含む能動素子と、キャパシタ、インダクタ、及び抵抗器を含む受動素子とを含んでもよい。トランジスタゲート及びディフュージョンブレイクワイヤの両方が、犠牲ゲート構造によって空けられたトレンチ内に形成されることに留意されたい。従って、図2Bにおけるディフュージョンブレイクワイヤ210(図3D及び3Eにおけるディフュージョンブレイクワイヤ340及び360も同様)の高さHDBW(両方向矢印で示す)は、図2Bにおけるゲート構造202(図3D及び3Eにおけるゲート構造350も同様)の高さH図2Bにおいて別の両方向矢印で示す)と略同じである。高さの類似性は、第1の導電性ピラー230及びゲートコンタクト236を形成するために同じ処理を用いるという利点を提供する可能性がある。
【0041】
図3Eは、図3Dにおけるディフュージョンブレイクワイヤ360の1階層導電性構造とは異なる2階層導電性構造を有するディフュージョンブレイクワイヤ340の別の実施形態を示している。図3Eに示すように、ディフュージョンブレイクワイヤ360の絶縁外側ライナ362は、図3Dにおけるディフュージョンブレイクワイヤ340の絶縁外側ライナ342と同様である。しかし、ディフュージョンブレイクワイヤ340(図3Dに示す)とは異なり、ディフュージョンブレイクワイヤ360は、絶縁外側ライナ362に加えて、第1の導電性コア364と、第2の導電性コア366と、第1の導電性コア364と第2の導電性コア366との間の絶縁層368とを有する。垂直導電ピラー及び横方向導電ワイヤブリッジを用いてディフュージョンブレイクワイヤ360の2階層導電性コアを接続することは、図2Bを参照して上で説明した。ディフュージョンブレイクワイヤ340の2階層導電性構造のためにPMD階層308にトレンチ310及びディフュージョンブレイクトレンチ320を形成するよう実行される処理は、図3A~3Cを参照して上で説明したように、ディフュージョンブレイクワイヤ360を形成するために用いられるものと同様であってもよい。図3Eに示すように、2階層導電性構造の上部導体は第1の導電性コア364であり、下部導体は第2の導電性コア366である。ディフュージョンブレイクトレンチ320は、第1の導電性コア364を備える上位階層を形成する前に、第2の導電性コア366を備える下位階層を順次形成するために、マルチステッププロセスを用いて充填されてもよい。
【0042】
図4A~4Bは、簡略化された標準セル370の平面図及びそれぞれの断面図を参照して、ディフュージョンブレイクワイヤに対する垂直方向及び横方向の接続を示している。標準セル370は、図1における第1のレイアウト101A及び図3A~3Eにおける標準セル300の断面図を参照して説明した簡略化された標準セルと同様である。
【0043】
図2Bを参照して上述したように、垂直方向に導電する導電性ピラー及び横方向に導電するワイヤブリッジを形成して、ディフュージョンブレイクワイヤの導電性コアの上面及び側壁にそれぞれ電気接続を行ってもよい。第1のワイヤブリッジはディフュージョンブレイクワイヤの上側部分に接触し、第2のワイヤブリッジはディフュージョンブレイクワイヤの下側部分に接触する。第1の導電性ピラーは、1階層ディフュージョンブレイクワイヤ内の導体又は2階層ディフュージョンブレイクワイヤの上部導体である第1の導電性コアの上面に接触する。上述のように、より高い第4の導電性ピラーは、2階層ディフュージョンブレイクワイヤ内の下部導体である第2の導電性コアの上面に接触する。
【0044】
図4A及び4Bにおける標準セル370の断面図は、図3D及び3Eに示す標準セル300の断面図から始まっている。図3D及び3Eと同様に、図4A及び4Bも、ナノシートスタック305の1つの行と、2つの非導電性ディフュージョンブレイクライン330、3つのCFETゲート構造350、及び1つのディフュージョンブレイクワイヤを備える6つの列とを有する簡略化された標準セル370を示している。
【0045】
図4Aは、絶縁外側ライナ342によって絶縁される第1の導電性コア344を有する1階層ディフュージョンブレイクワイヤ340を示している。図4Aにおける第1の導電性ピラー374は、第1の導電性コア344の上面に接触して示されている。
【0046】
図4Bは、絶縁外側ライナ362によって絶縁される第2の導電性コア366と、第4の導電性ピラー380とを有する2階層ディフュージョンブレイクワイヤ360を示している。第4の導電性ピラー380は、内部導体384及び外側絶縁ジャケット382を備える。図4Bにおける第4の導電性ピラー380の内部導体384は、第2の導電性コア366の上面に接触して示されている。
【0047】
また、図3D及び3Eと同様に、第1の(上部)及び第2の(下部)S/D相互接続ラインを含む(図2A及び2Bを参照して説明した)完全なCFET S/D相互接続構造は、明確にするために図4A及び4Bには示していない。S/D相互接続ラインは、図5A~5Cにおいて示す、より複雑な標準セルレイアウト400において以下で更に示す。
【0048】
図3Dに示す標準セル300の構造に加えて、図4A及び4Bは、標準セル370内の金属相互接続ライン372、第1の導電性ピラー374、第4の導電性ピラー380、層間誘電体(ILD)層390内に埋設されるゲートコンタクト376、及び第2のワイヤブリッジ378を示している。図2Bにおける第2の(下部)S/D相互接続ライン226及び第2のワイヤブリッジ232と同様に、第2のワイヤブリッジ378は、一端において、図4Aにおける1階層ディフュージョンブレイクワイヤ340の第1の導電性コア344の下側部分に、及び図4Bにおける2階層ディフュージョンブレイクワイヤ360の第2の(下部)導電性コアに物理的に接続される。反対側の端部は、ディフュージョンブレイクワイヤ340の左側に引き出された第1のCFET(図4A及び4BにおいてCFET1として示す)のナノシート306から始まるそれぞれの第2の(下部)S/D相互接続ライン(図示せず)に接続される。第1の導電性ピラー374及び第4の導電性ピラー380の下端は、それぞれ、1階層ディフュージョンブレイクワイヤ340の第1の導電性コア344の上面及び2階層ディフュージョンブレイクワイヤ360の第2の導電性コア366の上面に物理的に接続される。第1の導電性ピラー374及び第4の導電性ピラー380の上端は、金属相互接続ライン372の底面と物理的接続を行う。第4の導電性ピラー380は、第4の導電性ピラー380と2階層ディフュージョンブレイクワイヤ360の隣接する第1の(上部)導電性コアとの間の意図しない電気的短絡を防止するよう、外側絶縁ジャケット382によって囲まれてもよい。(第1の導電性コア364は図3Eに示しているが、図4Bにおいて見えてはいない)。金属相互接続ライン372は、ゲートコンタクト376の上端に接続される。ゲートコンタクト376の下端は、第2のCFET(図4A及び4BにおいてCFET2として示す)のCFETゲート構造350の共通ゲートに物理的に接続される。CFET1の第2のS/D領域(ナノシート306を備える下部S/D領域)とCFET2のCFETゲート構造350との間にディフュージョンブレイクワイヤ340を介して確立される導電性信号経路は、図4A及び4Bにおいて破線で示している。
【0049】
図5A~5Cは、実施例の2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430への接続によって達成されるルーティング能力の向上を実証する実施例の標準セルレイアウト400を示している。明確にするために、図5A及び5Bにおけるレイアウト図から電力供給ラインが削除されていることに留意されたい。同じ標準セルレイアウト400を図5A~5Cに示している。図5Aは、2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第1の(上部)導電性コアにより行われる接続を示し、図5Bは、2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第2の(下部)導電性コアにより行われる接続を示している。図5Cは、2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第1の導電性コア564を接続する第1の導電性ピラー424と、2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第2の導電性コア566をディフュージョンブレイクワイヤ430の上の最も低い相互接続レベルの金属相互接続ライン420に接続する第4の導電性ピラー427とを示す2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の断面図を示している。
【0050】
図5A及び5Bに示す様々な描かれた層は、互いに垂直に描かれたゲート構造412及びディフュージョンエリア410を含む。トランジスタチャネル414は、ゲート構造412とディフュージョンエリア410との交点に形成される。2つの非導電性ディフュージョンブレイクライン402が、同じ行に沿って配置されてもよい隣接する標準セルから標準セルを隔離するよう、標準セルレイアウト400の2つの端部に引かれている。第1(上部)及び第2(下部)のS/D相互接続ライン404及び408は、ゲート構造412に対して平行に引かれている。上で説明したように、S/D相互接続ライン404及び408は、それぞれのディフュージョンエリア410に物理的に接続される。金属相互接続ライン420は、S/D相互接続ライン404及び408に対して垂直に引かれている。金属相互接続ライン420への垂直接続は、導電性ピラーによって行われる。標準セルレイアウト400における種々の導電性ピラーは、ゲート構造412に接続するゲートコンタクト421と、2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第1の(上部)導電性コア及び第2の(下部)導電性コアにそれぞれ接続する第1及び第4の導電性ピラー424及び427とを含む。幾つかの実施形態において、ゲートコンタクト421及び第1の導電性ピラー424は、同時に形成されてもよい。第2及び第3の導電性ピラー406及び426は、金属相互接続ライン420を第1(上部)及び第2(下部)のS/D相互接続ライン404及び408にそれぞれ接続する。標準セルレイアウト400は、第1の(上部)S/D相互接続ライン404を2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第1の導電性コアに接続するために第1の横方向ブリッジを用いていないが、第2の横方向ブリッジ428が、第2の(下部)S/D相互接続ライン408を2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第2の(下部)導電性コアに接続して引かれている。
【0051】
接続経路は、金属相互接続ライン420を備える行に平行な横方向セグメントと、第1の(上部)及び第2の(下部)S/D相互接続ライン404及び408を備える列に平行な横方向セグメントとについて、実線によって示している。点線は、ディフュージョンブレイクワイヤ430を備える列に平行な横方向セグメント、又は第2の(下部)横方向ブリッジ428を備える行に平行な横方向セグメントを示すために用いられている。実線の円は、第1の424、第2の406、第3の426、若しくは第4の427導電性ピラー、又はゲートコンタクト421を備える垂直セグメントを示す。
【0052】
図5Aは、(第1のCFET T1のそれぞれのS/D領域に接続される)第1の(上部)S/D相互接続ライン404が、第2及び第3のCFET T2及びT3の第1の(上部)S/D相互接続ライン404と、第4のCFET T4の下部S/D相互接続ライン408とに結合するようルーティングされることを示している。CFET T1の第1の(上部)S/D相互接続ライン404から開始して、信号は、第2の導電性ピラー406を用いて金属相互接続ライン420に接続してもよい。第1の導電性ピラー424は、信号を金属相互接続ライン420から2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第1の(上部)導電性コアに接続する。別の第1の導電性ピラー424は、信号をディフュージョンブレイクワイヤ430の第1の導電性コアから別の金属相互接続ライン420に接続する。この金属相互接続ライン420は、信号を、第2の導電性ピラー406を用いて第2及び第3のCFET T2及びT3の第1の(上部)S/D相互接続ライン404に、並びに、第3の導電性ピラー426を用いて第4のCFET T4の第2の(下部)S/D相互接続ライン408に分配する。
【0053】
図5Bは、ディフュージョンブレイクワイヤ430の第2の導電性コアに接続される第3のCFET T3の下部S/D相互接続ラインを示している。信号は、第4の導電性ピラー427を用いて、ディフュージョンブレイクワイヤ430の第2の導電性コアから金属相互接続ライン420に接続してもよい。信号は、金属相互接続ライン420から第5のCFET T5の第2の(下部)S/D相互接続ライン408に結合してもよい。
【0054】
標準セルレイアウト400における2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の断面図を図5Cに示す。それぞれのレイアウト400の一部は、図5Bからコピーされ、参照として図5Cの右側に表示する。左側の断面図は、絶縁層568によって互いに絶縁される第1(上部)及び第2(下部)の導電性コア564及び568を備える2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430を示す。ディフュージョンブレイクワイヤ430は、PMD層508に嵌め込まれているのが見て取れる。
【0055】
図5Cに示すように、2つの第1の導電性ピラー424は、2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第1の導電性コア564を、ディフュージョンブレイクワイヤ430の上の最も低い相互接続レベルの金属相互接続ライン420に接続している。導電性ピラーは、ILD層590に埋設される。図5Cの断面図は、更に、(レイアウト400から見て取れるように)2階層ディフュージョンブレイクワイヤ430の第2の導電性コア566を標準セル境界のエッジ近傍の金属相互接続ライン420に接続する1つの第4の導電性ピラー427を含む。上述したように、第4の導電性ピラー427は、内部導体584及び外側絶縁ジャケット584を備える。内部導体584は、真上の相互接続ライン420と第2の導電性コア566との間の垂直接続を形成する。外側絶縁ジャケット584は、内部導体584を隣接する第1の導電性コア564から絶縁する。
【0056】
図5A~5Cによって示す実施例は、本開示において説明する実施形態が、積極的にスケーリングされた標準論理セルにおける配線混雑の幾つかを緩和するよう、どのように適用されてもよいかを示している。
【0057】
ここで、本発明の例示的な実施形態を要約する。他の実施形態も、本明細書の全体及び本明細書に添付する特許請求の範囲から理解され得る。
【0058】
実施例1.半導体デバイスであって、第1の3次元(3D)トランジスタ及び基板内に配設される第1の3Dトランジスタと平行に配向される第2の3Dトランジスタであって、第1の3Dトランジスタ及び第2の3Dトランジスタは複数のトランジスタのサブセットである、第1の3Dトランジスタ及び第2の3Dトランジスタと、第2の3Dトランジスタを第1の3Dトランジスタから横方向に分離する領域内に配設されるディフュージョンブレイクトレンチであって、横方向に沿って延在する長さを有する、ディフュージョンブレイクトレンチと、ディフュージョンブレイクトレンチを充填するディフュージョンブレイクワイヤであって、ディフュージョンブレイクワイヤは、垂直方向に沿った高さを有し、複数のトランジスタのゲートは、ディフュージョンブレイクワイヤとは異なる導電性材料から作製される、ディフュージョンブレイクワイヤと、を含む、半導体デバイス。
【0059】
実施例2.第1の3Dトランジスタは、第1のナノワイヤトランジスタ(NWT)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のNWTと平行に配向される第2のNWTを含み、第1のNWT及び第2のNWTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノワイヤを含む、実施例1のデバイス。
【0060】
実施例3.第1の3Dトランジスタは、第1のナノシートトランジスタ(NT)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のNTと平行に配向される第2のNTを含み、第1のNT及び第2のNTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノシートを含む、実施例1又は2のうちの1つのデバイス。
【0061】
実施例4.第1の3Dトランジスタは、第1の相補型電界効果トランジスタ(CFET)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のCFETと平行に配向される第2のCFETを含み、第1のCFETは第1のNTを含み、第2のCFETは第2のNTを含む、実施例1~3のうちの1つのデバイス。
【0062】
実施例5.ディフュージョンブレイクワイヤは、絶縁外側ライナと、外側ライナによって第1の3Dトランジスタ及び第2の3Dトランジスタから電気的に絶縁される導電性コアと、を含む、実施例1~4のうちの1つの半導体デバイス。
【0063】
実施例6.ディフュージョンブレイクワイヤは、絶縁外側ライナと、外側ライナによって第1の3Dトランジスタ及び第2の3Dトランジスタから電気的に絶縁される第1の導電性コアと、外側ライナによって第1の3Dトランジスタから電気的に絶縁される第2の導電性コアと、第1の導電性コアと第2の導電性コアとの間の絶縁層であって、第1の導電性コアを第2の導電性コアから電気的に絶縁する、絶縁層と、を含む、実施例1~5のうちの1つの半導体デバイス。
【0064】
実施例7.半導体デバイスを形成する方法であって、第1の領域内に第1の3次元(3D)トランジスタを形成し、第2の領域内に第1の3Dトランジスタと平行に配向される第2の3Dトランジスタを形成することと、第2の3Dトランジスタと第1の3Dトランジスタとの間にディフュージョンブレイクトレンチを形成することであって、ディフュージョンブレイクトレンチは第1の横方向に沿って延在する、ことと、ディフュージョンブレイクトレンチを充填することによってディフュージョンブレイクワイヤを形成することであって、ディフュージョンブレイクワイヤは垂直方向に沿った高さを有し、ディフュージョンブレイクトレンチを充填することは、導電性コアを形成することを含み、第1及び第2のトランジスタのゲートは、ディフュージョンブレイクワイヤとは異なる導電性材料から作製される、ことと、を含む、方法。
【0065】
実施例8.第1の3Dトランジスタは、第1のナノワイヤトランジスタ(NWT)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のNWTと平行に配向される第2のNWTを含み、第1のNWT及び第2のNWTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノワイヤを含む、実施例7の方法。
【0066】
実施例9.ディフュージョンブレイクトレンチを充填することは、更に、絶縁層によって導電性コアから分離される更なる導電性コアを形成することを含む、実施例7又は8のうちの1つの方法。
【0067】
実施例10.第1の3Dトランジスタは、第1のナノシートトランジスタ(NT)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のNTと平行に配向される第2のNTを含み、第1のNT及び第2のNTは、垂直方向に沿って積層されるナノシートのスタックを含む、実施例7~9のうちの1つの方法。
【0068】
実施例11.第1の3Dトランジスタは、第1の相補型電界効果トランジスタ(CFET)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のCFETと平行に配向される第2のCFETを含み、第1のCFETは第1のNTを含み、第2のCFETは第2のNTを含む、実施例7~10のうちの1つの方法。
【0069】
実施例12.ディフュージョンブレイクトレンチを形成することは、基板の上にNTダミー構造を形成することであって、NTダミー構造は、ナノシートのスタックの一部分を取り囲む犠牲NTゲート構造を含む、ことと、犠牲NTゲート構造をエッチングして、ナノシートのスタックの部分を曝露させることと、ナノシートのスタックの曝露部分をエッチングすることと、を含む、実施例7~11のうちの1つの方法。
【0070】
実施例13.更に、導電性コアに物理的に接続される垂直ピラーを形成し、ピラーをディフュージョンブレイクワイヤの上の配線レベルに結合することを含む、実施例7~12のうちの1つの方法。
【0071】
実施例14.更に、第1のNTのS/D領域に接続されるS/D相互接続ラインに導電性コアを物理的に接続するワイヤブリッジを形成することを含む、実施例7~13のうちの1つの方法。
【0072】
実施例15.ディフュージョンブレイクトレンチを形成することは、互いに平行に配向される複数のNTダミー構造を形成することであって、複数のNTダミー構造のそれぞれは、犠牲NTゲート構造と、ナノシートのスタックを含むNTチャネルと、NTソース/ドレイン(S/D)と、NT S/D相互接続構造とを含み、犠牲NTゲート構造はNTチャネルの各ナノシートを取り囲む、ことと、複数のNTダミー構造をプリメタル誘電体(PMD)層に嵌め込むことであって、嵌め込みは犠牲NTゲート構造の曝露面を含む、ことと、犠牲NTゲート構造を選択的に除去することであって、選択的除去は、複数のトレンチを形成し、トレンチ内側の複数のNTチャネルを曝露させる、ことと、パターン化されたエッチマスクを用いて選択される複数のトレンチのサブセットから曝露されたNTチャネルを除去することであって、各選択されたトレンチから曝露されたNTチャネルを除去することは、第1の横方向に沿ってそれぞれのディフュージョンブレイクトレンチを形成する、ことと、を含む、逐次プロセスフローを実行することを含む、実施例7~14のうちの1つの方法。
【0073】
実施例16.複数のNTダミー構造を形成することは、ナノシートのスタックをパターニングして、第1の横方向に対して垂直な第2の横方向に沿って延在するナノシートスタックの複数の平行ラインを形成することと、ナノシートスタックのラインの一部を埋設する複数の平行な犠牲ゲート構造を形成することであって、複数の犠牲ゲート構造の各犠牲ゲート構造は、第1の横方向に沿って延在する長さを有する、ことと、犠牲ゲート構造の外側に延在するナノシートスタックのラインの一部を含む複数のNT S/Dを形成することと、それぞれのS/D相互接続ラインを形成するようS/Dの領域を構成することによって、複数のNT S/D相互接続構造を形成することと、を含む、実施例7~15のうちの1つの方法。
【0074】
実施例17.半導体デバイスであって、基板内に配設される第1の3次元(3D)と、基板内に配設される第1の回路部品と、第1の横方向に沿って延在する長さを有するディフュージョンブレイクトレンチと、ディフュージョンブレイクトレンチ内に配設されるディフュージョンブレイクワイヤであって、絶縁外側ライナと、第1の3Dトランジスタの電極及び第1の回路部品の電極に電気的に結合される第1の導電性コアと、を含むディフュージョンブレイクワイヤと、を含む、半導体デバイス。
【0075】
実施例18.第1の3Dトランジスタは、第1のナノワイヤトランジスタ(NWT)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のNWTと平行に配向される第2のNWTを含み、第1のNWT及び第2のNWTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノワイヤを含む、実施例17のデバイス。
【0076】
実施例19.第1の回路部品は、第2の3Dトランジスタである、実施例17又は18のうちの1つの半導体デバイス。
【0077】
実施例20.第1の導電性コアは、垂直に導電する第1のピラーに物理的に接続され、第1のピラーは、ディフュージョンブレイクワイヤの上の配線レベルに接続される、実施例17~19のうちの1つの半導体デバイス。
【0078】
実施例21.第1の3Dトランジスタは、第1のナノシートトランジスタ(NT)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のNTと平行に配向される第2のNTを含み、第1のNT及び第2のNTは、垂直方向に沿って積層される複数のナノシートを含む、実施例17~20のうちの1つのデバイス。
【0079】
実施例22.第1の3Dトランジスタは、第1の相補型電界効果トランジスタ(CFET)を含み、第2の3Dトランジスタは、基板内に配設される第1のCFETと平行に配向される第2のCFETを含み、第1のCFETは第1のNTを含み、第2のCFETは第2のNTを含む、実施例17~21のうちの1つのデバイス。
【0080】
実施例23.第1のCFETは、第1のS/D相互接続ラインに接続される第1のS/D領域を含む第1のゲートオールアラウンド電界効果トランジスタ(GAAFET)と、第2のS/D相互接続ラインに接続される第2のS/D領域を含む第2のGAAFETとの垂直スタックを含む、実施例17~22のうちの1つの半導体デバイス。
【0081】
実施例24.更に、第1のワイヤブリッジを含み、第1のワイヤブリッジは、第1の導電性コアを第1のS/D相互接続ラインに物理的に接続し、第1のCFETは、ディフュージョンブレイクワイヤに横方向に隣接する、実施例17~23のうちの1つの半導体デバイス。
【0082】
実施例25.第1のS/D相互接続ラインは、第3のCFETのS/D領域に物理的に接続される、実施例17~24のうちの1つの半導体デバイス。
【0083】
実施例26.第1のS/D相互接続ラインは、垂直に導電する第2のピラーに物理的に接続され、第2のピラーは、第1のS/D相互接続ラインの上の配線レベルに接続される、実施例17~25のうちの1つの半導体デバイス。
【0084】
実施例27.ディフュージョンブレイクワイヤは、更に、第1の導電性コアの下のディフュージョンブレイクトレンチ内に配設される第2の導電性コアを含み、第2の導電性コアは、絶縁層によって第1の導電性コアから電気的に絶縁され、第2の導電性コアは、第2のCFETの電極及び第2の回路部品の電極に電気的に結合される、実施例17~26のうちの1つの半導体デバイス。
【0085】
実施例28.更に、第2のワイヤブリッジを含み、第2のワイヤブリッジは、第2の導電性コアを、第2のCFETの第2のS/D領域に接続される第2のS/D相互接続ラインに物理的に接続し、第2のCFETは、ディフュージョンブレイクワイヤに横方向に隣接する、実施例17~27のうちの1つの半導体デバイス。
【0086】
実施例29.第2のCFETの第2のS/D領域に接続される第2のS/D相互接続ラインは、第3のCFETのS/D領域に物理的に接続される、実施例17~28のうちの1つの半導体デバイス。
【0087】
実施例30.第2のCFETの第2のS/D領域に接続される第2のS/D相互接続ラインは、垂直に導電する第3のピラーに物理的に接続され、第3のピラーは、第2のS/D相互接続ラインの上の配線レベルに接続される、実施例17~29のうちの1つの半導体デバイス。
【0088】
実施例31.第2の導電性コアは、垂直に導電する第4のピラーに物理的に接続され、第4のピラーは、第1の導電性コアから絶縁され、第4のピラーは、ディフュージョンブレイクワイヤの上の配線レベルに接続される、実施例17~30のうちの1つの半導体デバイス。
【0089】
本発明について、例示的な実施形態を参照して説明してきたが、本明細書は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。例示的な実施形態の様々な変更例及び組み合わせ並びに本発明の他の実施形態は、説明を参照して当業者に明らかになるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、かかる変更例又は実施形態を包含することを意図している。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
【国際調査報告】