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特表2025-503770風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20250128BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20250128BHJP
   F03D 17/00 20160101ALI20250128BHJP
【FI】
G01M99/00 A
G01H17/00 A
F03D17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543189
(86)(22)【出願日】2023-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 CN2023126273
(87)【国際公開番号】W WO2024088267
(87)【国際公開日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】202211314396.8
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524271807
【氏名又は名称】中車山東風電有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC SHANDONG WIND POWER CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.3666,Century Avenue,High-Tech Zone,Jinan,Shandong 250101,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田 家彬
(72)【発明者】
【氏名】李 寧
(72)【発明者】
【氏名】徐 浩
(72)【発明者】
【氏名】▲厳▼ 家祥
(72)【発明者】
【氏名】李 鋼強
【テーマコード(参考)】
2G024
2G064
3H178
【Fターム(参考)】
2G024AD07
2G024BA11
2G024CA09
2G024CA13
2G024DA09
2G024FA04
2G024FA06
2G064AA11
2G064AB01
2G064AB02
2G064CC42
2G064CC43
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB56
3H178CC25
3H178DD52X
3H178DD70X
(57)【要約】
本発明が提案した風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システムは、風力発電セット試験の技術分野に関する。システムは、センサグループと、データ収集器と、工業制御コンピュータと、ワイヤレスルーターと、ポータブルコンピュータと、風力発電セットとを備え、風力発電セットの両側に油圧弾性支持が設けられ、風力発電セットに対するトルクアームの支持圧力を調節するために用いられ、センサグループは、風力発電セットの振動加速度信号と回転速度信号を収集してデータ収集器に伝達し、データ収集器の信号処理を経て工業制御コンピュータに伝達するように構成され、工業制御コンピュータは振動試験の分析ソフトウェアによって振動データを処理分析し、ポータブルコンピュータは遠隔ソフトウェアによって振動試験の分析ソフトウェアを操作し、振動データを処理分析する。本発明は、風力発電セットの運転時に歯車箱の振動試験データを遠隔的にリアルタイムで収集し、データ分析で最終的に異なる弾性支持圧力が歯車箱の振動に与える影響を取得することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システムであって、センサグループと、データ収集器と、工業制御コンピュータと、ワイヤレスルーターと、ポータブルコンピュータと、風力発電セットとを備え、
前記データ収集器のデータはそれぞれセンサグループと工業制御コンピュータにデータ接続され、工業制御コンピュータはワイヤレスルーターにデータ接続され、ワイヤレスルーターはワイヤレスネットワークによってポータブルコンピュータにデータ接続され、
風力発電セットの両側に油圧弾性支持が設けられ、風力発電セットに対するトルクアームの支持圧力を調節するために用いられ、
センサグループは風力発電セット内に取り付けられ、振動加速度信号と回転速度信号を収集してデータ収集器に伝達し、データ収集器の信号処理を経て工業制御コンピュータに伝達するように構成され、工業制御コンピュータは振動試験の分析ソフトウェアによって振動データを処理分析し、ポータブルコンピュータは遠隔ソフトウェアによって振動試験の分析ソフトウェアを操作することによって、風力発電セットの歯車箱の振動試験データの遠隔収集を実現し、データを収集した後に振動データを処理分析し、
前記風力発電セットは、風車と、主軸と、歯車箱と、発電機とを備え、歯車箱内には1段遊星の遊星キャリア、1段遊星の太陽歯車、2段遊星の遊星キャリア、2段遊星の太陽歯車、高速で平行軸の大歯車軸、高速で平行軸の小歯車軸が設けられ、風車は主軸に接続され、主軸は1段遊星の遊星キャリアに接続され、1段遊星の太陽歯車は1段遊星の遊星キャリアに取り付けられ、1段遊星の太陽歯車は2段遊星の遊星キャリアに接続され、2段遊星の太陽歯車は2段遊星の遊星キャリアに取り付けられ、2段遊星の太陽歯車は高速で平行軸の大歯車軸に接続され、高速で平行軸の大歯車軸上の大歯車と高速で平行軸の小歯車軸上の小歯車が噛合伝達され、高速で平行軸の小歯車軸は発電機に接続され、
歯車箱の両側にはトルクアームが設けられ、油圧弾性支持はトルクアームによって歯車箱の両側に取り付けられ、主軸が歯車箱に伝達されるトルク荷重をバランスさせ、歯車箱を油圧弾性支持の予圧縮量の範囲内で振動させるために用いられ、
前記センサグループは、1段遊星の径方向低周波の加速度センサと、2段遊星の径方向低周波の加速度センサと、高速で平行軸の径方向共周波の加速度センサと、高速で平行軸の軸方向共周波の加速度センサと、光電式回転速度センサとを備え、
1段遊星の径方向低周波の加速度センサは1段遊星の径方向に取り付けられ、
2段遊星の径方向低周波の加速度センサは2段遊星の径方向に取り付けられ、遊星段の振動加速度信号を収集するために用いられ、
高速で平行軸の径方向共周波の加速度センサは歯車箱内の高速で平行軸の下風向の軸受径方向に取り付けられ、高速で平行軸の軸方向共周波加速度センサは歯車箱内の高速で平行軸の下風向の軸受軸方向に取り付けられ、高速で平行軸の振動加速度信号を収集するために用いられ、
光電式回転速度センサは、収集用高速で平行軸の小歯車軸に取り付けられ、高速で平行軸の小歯車軸の回転速度信号を収集するために用いられる、ことを特徴する風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム。
【請求項2】
前記油圧弾性支持は、密閉チャンバ内にそれぞれ設置された上弾性体と下弾性体とを備え、上弾性体と下弾性体は上から下へ設置され、トルクアームの一端は上弾性体と下弾性体の間に取り付けられ、前記上弾性体と下弾性体は、いずれも金属フレーム構造のダンピングパッドを用いることを特徴する、請求項1に記載の風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム。
【請求項3】
前記油圧弾性支持に第1油圧オイルパイプと第2油圧オイルパイプをさらに設けられ、風力発電セットの一側の油圧弾性支持の上弾性体は、第1油圧オイルパイプによって風力発電セットの他側の油圧弾性支持の下弾性体に接続され、風力発電セットの一側の油圧弾性支持の下弾性体は、第2油圧オイルパイプによって風力発電セットの他側の油圧弾性支持の上弾性体に接続されることを特徴する、請求項2に記載の風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム。
【請求項4】
前記上弾性体と下弾性体は、いずれも金属ゴムの硫化物からなるダンピングパッドを用いることを特徴する、請求項3に記載の風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム。
【請求項5】
前記システムは、工業制御コンピュータに接続されてワイヤレスネットワーク信号を提供するためにワイヤレスルーター内に設置された4Gネットワークインターフェースカードをさらに備えることを特徴する、請求項1に記載の風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム。
【請求項6】
前記データ収集器には16ウェイ24ビットAD収集チャネルが内蔵されており、センサグループが伝達する振動と回転速度信号を受信し、イーサネットポートによって工業制御コンピュータに接続されるために用いられることを特徴する、請求項1に記載の風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2022年10月26日に中華人民共和国国家知的財産局に提出された、出願番号が202211314396.8、発明名称が「風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システム」である中華人民共和国の特許出願の優先権を主張し、その内容のすべてが引用によって本発明に結合される。
【0002】
本発明は、発電セット試験の技術分野に関し、より具体的には風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システムに関する。
【背景技術】
【0003】
風力発電セットが位置する地理的位置は辺鄙で、環境条件は複雑で、受けられた状況は変化が多く、歯車箱は動力を伝達する主要な機械部品として、その内部の回転機構の存在、軸の回転と歯車の噛合などによる励起作用で箱体に振動を引き起こし、ドラフトファンの振動の主要な励起源の一つである。歯車箱の箱体の振動が伝動チェーン全体に与える影響を減らすために、弾性支持構造を採用することで振動エネルギーの伝達を遮断することだけでなく、適切なダンプを設置して箱体自身の振動を減衰することもでき、これにより、歯車箱の振動伝達を所定の範囲に制御し、ドラフトファンの運転寿命を延長する。
【0004】
現在、ドラフトファンの伝動チェーンの配置によって、シェル型ベアリング式と、積層されたスプリング式と、油圧式という3種類の異なる弾性支持方式がある。弾性支持の設計は一般的にドラフトファンの荷重に基づいて強度と剛性を計算し、弾性支持が十分な強度と剛性を持つことを保証するが、弾性支持のメーカーは弾性支持の剛性と強度が歯車箱ひいては伝動チェーン全体に与える影響を考慮しないため、弾性支持が歯車箱の振動に与える影響を研究する必要がある。
【0005】
しかし、現在、ドラフトファンの弾性支持が歯車箱の振動に与える影響の研究は多くなく、しかも大部分は理論分析の段階にとどまっており、シミュレーション計算の角度から弾性支持がドラフトファンの動的荷重特性に与える影響を研究することはあるが、風場試験の振動データの角度から異なる弾性支持圧力の下で、歯車箱の振動信号を収集し、それを分析することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術における問題に対して、本発明の目的は、風力発電セットの運転時に歯車箱の振動試験データを遠隔的にリアルタイムで収集し、データ分析で最終的に異なる弾性支持圧力が歯車箱の振動に与える影響を取得することを実現する、風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的解決手段によって実現される:
風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システムであって、センサグループと、データ収集器と、工業制御コンピュータと、ワイヤレスルーターと、ポータブルコンピュータと、風力発電セットとを備える;
前記データ収集器のデータはそれぞれセンサグループと工業制御コンピュータにデータ接続され、工業制御コンピュータはワイヤレスルーターにデータ接続され、ワイヤレスルーターはワイヤレスネットワークによってポータブルコンピュータにデータ接続される;風力発電セットの両側に油圧弾性支持が設けられ、風力発電セットに対するトルクアームの支持圧力を調節するために用いられる;センサグループは風力発電セット内に取り付けられ、振動加速度信号と回転速度信号を収集してデータ収集器に伝達し、データ収集器の信号処理を経て工業制御コンピュータに伝達するように構成され、工業制御コンピュータに振動試験の分析ソフトウェアが配置され、工業制御コンピュータは振動試験の分析ソフトウェアによって振動データを処理分析し、ポータブルコンピュータは遠隔ソフトウェアによって振動試験の分析ソフトウェアを操作することによって、風力発電セットの歯車箱の振動試験データの遠隔収集を実現し、データを収集した後に振動データを処理分析する。
【0008】
さらに、風力発電セットは、風車と、主軸と、歯車箱と、発電機とを備え、歯車箱内には1段遊星の遊星キャリア、1段遊星の太陽歯車、2段遊星の遊星キャリア、2段遊星の太陽歯車、高速で平行軸の大歯車軸、高速で平行軸の小歯車軸が設けられ、風車は主軸に接続され、主軸は1段遊星の遊星キャリアに接続され、1段遊星の太陽歯車は1段遊星の遊星キャリアに取り付けられ、1段遊星の太陽歯車は2段遊星の遊星キャリアに接続され、2段遊星の太陽歯車は2段遊星の遊星キャリアに取り付けられ、2段遊星の太陽歯車は高速で平行軸の大歯車軸に接続され、高速で平行軸の大歯車軸上の大歯車と高速で平行軸の小歯車軸上の小歯車が噛合伝達され、高速で平行軸の小歯車軸は発電機に接続され、歯車箱の両側にはトルクアームが設けられ、油圧弾性支持はトルクアームによって歯車箱の両側に取り付けられ、主軸が歯車箱に伝達されるトルク荷重をバランスさせ、歯車箱を油圧弾性支持の予圧縮量の範囲内で振動させるために用いられる。
【0009】
さらに、センサグループは、1段遊星の径方向低周波の加速度センサと、2段遊星の径方向低周波の加速度センサと、高速で平行軸の径方向共周波の加速度センサと、高速で平行軸の軸方向共周波の加速度センサと、光電式回転速度センサとを備え、1段遊星の径方向低周波の加速度センサは1段遊星の径方向に取り付けられ、2段遊星の径方向低周波の加速度センサは2段遊星の径方向に取り付けられ、遊星段の振動加速度信号を収集するために用いられ、高速で平行軸の径方向共周波の加速度センサは歯車箱内の高速で平行軸の下風向の軸受径方向に取り付けられ、高速で平行軸の軸方向共周波加速度センサは歯車箱内の高速で平行軸の下風向の軸受軸方向に取り付けられ、高速で平行軸の振動加速度信号を収集するために用いられ、光電式回転速度センサは、収集用高速で平行軸の小歯車軸に取り付けられ、高速で平行軸の小歯車軸の回転速度信号を収集するために用いられる。
【0010】
さらに、油圧弾性支持は、密閉チャンバ内にそれぞれ設置された上弾性体と下弾性体とを備え、上弾性体と下弾性体は上から下へ設置され、トルクアームの一端は上弾性体と下弾性体との間に取り付けられ、前記上弾性体と下弾性体は、いずれも金属フレーム構造のダンピングパッドを用いる。
【0011】
さらに、システムは第1油圧オイルパイプと第2油圧オイルパイプをさらに備え、風力発電セットの一側の油圧弾性支持の上弾性体が第1油圧オイルパイプによって風力発電セットの他側の油圧弾性支持の下弾性体に接続され、風力発電セットの一側の油圧弾性支持の下弾性体が第2油圧オイルパイプによって風力発電セットの他側の油圧弾性支持の上弾性体に接続される。
【0012】
さらに、上弾性体と下弾性体は、いずれも金属ゴムの硫化物からなるダンピングパッドを用いる。
【0013】
さらに、システムは、工業制御コンピュータに接続されてワイヤレスネットワーク信号を提供するために、ワイヤレスルーター内に設置された4Gネットワークインターフェースカードをさらに備える。
【0014】
さらに、データ収集器には16ウェイ24ビットAD収集チャネルが内蔵されており、センサグループが伝達する振動と回転速度信号を受信し、イーサネットポートによって工業制御コンピュータに接続されるために用いられる。
【0015】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は、本発明は風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システムを提供し、センサグループによって収集された振動信号をデータ収集器に伝達し、データ収集器の信号処理を経てから工業制御コンピュータに伝達し、振動試験の分析ソフトウェアを工業制御コンピュータに配置し、4Gネットワークインターフェースカードをワイヤレスルーターに挿入して工業制御コンピュータにネットワーク信号を提供し、ポータブルコンピュータは遠隔ソフトウェアによって振動試験の分析ソフトウェアを操作し、歯車箱の振動試験データの遠隔収集を実現し、データを収集した後に振動データに対して遠隔の後処理分析を行い、エンジニアは振動試験の分析ソフトウェアによって時間領域解析と、周波数領域分析と、ケプストラム分析と、包絡スペクトル分析と、時間ー周波数領域解析などを行い、最終的に異なる弾性支持圧力が歯車箱の振動に与える影響を取得することにある。
【0016】
このことから、本発明は従来技術に比べて、顕著な実質的特徴と顕著な進歩を有し、その実施の有益な効果も明らかであることが分かる。
【0017】
本発明の実施例または先行技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に、実施例または先行技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本発明の実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、提供される図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の具体的な実施形態のシステムの構造図である。
図2】本発明の具体的な実施形態に係る風力発電セットの構造の模式図である。
図3】本発明の具体的な実施形態に係る油圧弾性支持の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面に合わせて説明する。
【0020】
図1に示す風力発電セットの歯車箱の遠隔振動試験システムであって、センサグループと、データ収集器と、工業制御コンピュータと、ワイヤレスルーターと、4Gネットワークインターフェースカードと、ポータブルコンピュータと、風力発電セットとを備える。
【0021】
データ収集器のデータはそれぞれセンサグループと工業制御コンピュータにデータ接続され、工業制御コンピュータはワイヤレスルーターにデータ接続され、ワイヤレスルーターはワイヤレスネットワークによってポータブルコンピュータにデータ接続される。4Gネットワークインターフェースカードは、工業制御コンピュータに接続されてワイヤレスネットワーク信号を提供するためにワイヤレスルーター内に設置される。データ収集器には16ウェイ24ビットAD収集チャネルが内蔵されており、センサグループが伝達する振動と回転速度信号を受信し、イーサネットポートによって工業制御コンピュータに接続されるために用いられる。
【0022】
風力発電セットの両側に油圧弾性支持が設けられ、風力発電セットに対するトルクアームの支持圧力を調節するために用いられ、
センサグループは風力発電セット内に取り付けられ、振動加速度信号と回転速度信号を収集してデータ収集器に伝達し、データ収集器の信号処理を経て工業制御コンピュータに伝達するように構成され、工業制御コンピュータに振動試験の分析ソフトウェアが配置され、工業制御コンピュータは振動試験の分析ソフトウェアによって振動データを処理分析し、ポータブルコンピュータは遠隔ソフトウェアによって振動試験の分析ソフトウェアを操作することによって、風力発電セットの歯車箱の振動試験データの遠隔収集を実現し、データを収集した後に振動データを処理分析する。
【0023】
図2に示すように、風力発電セットは、風車1と、主軸2と、歯車箱21と、発電機9とを備え、歯車箱21内には、1段遊星の遊星キャリア3と、1段遊星の太陽歯車4と、2段遊星の遊星キャリア5と、2段遊星の太陽歯車6と、高速で平行軸の大歯車軸7と、高速で平行軸の小歯車軸8とが設けられ、風車1は主軸2に接続され、主軸2は1段遊星の遊星キャリア3に接続され、1段遊星の太陽歯車4は1段遊星の遊星キャリア3に取り付けられ、1段遊星の太陽歯車4は二級遊星の遊星キャリア5に接続され、2段遊星の太陽歯車6は2段遊星の遊星キャリア5に取り付けられ、2段遊星の太陽歯車6は高速で平行軸の大歯車軸7に接続され、高速で平行軸の大歯車軸7の大歯車と高速で平行軸の小歯車軸8の小歯車が噛合伝達され、高速で平行軸の小歯車軸8は発電機9に接続される。
【0024】
歯車箱21の両側にはトルクアーム10が設けられ、油圧弾性支持11はトルクアーム10によって歯車箱21の両側に取り付けられ、主軸が歯車箱21に伝達されるトルク荷重をバランスさせ、歯車箱21を油圧弾性支持11の予圧縮量の範囲内で振動させるために用いられる。
【0025】
センサグループは、1段遊星の径方向低周波の加速度センサ12と、2段遊星の径方向低周波の加速度センサ13と、高速で平行軸の径方向共周波の加速度センサ14と、高速で平行軸の軸方向共周波の加速度センサ15と、光電式回転速度センサ16とを備える。1段遊星の径方向低周波加速度センサ12は1段遊星の遊星キャリア3の径方向に取り付けられ、2段遊星の径方向低周波加速度センサ13は2段遊星の遊星キャリア5の径方向に取り付けられ、遊星段の振動加速度信号を収集するために用いられ、高速で平行軸の径方向共周波の加速度センサ14は歯車箱21内の高速で平行軸の下風向の軸受径方向に取り付けられ、高速で平行軸の軸方向共周波の加速度センサ15は歯車箱21内の高速で平行軸の下風向の軸受軸方向に取り付けられ、高速で平行軸の振動加速度信号を収集するために用いられ、光電式回転速度センサ16は、収集用高速で平行軸の小歯車軸8に取り付けられ、高速で平行軸の小歯車軸8の回転速度信号を収集するために用いられる。
【0026】
例として、図3に示すように、油圧弾性支持11は、密閉チャンバ内にそれぞれ設置された上弾性体17と下弾性体18を備え、上弾性体17と下弾性体18は上から下へ設置され、トルクアーム10の一端は上弾性体17と下弾性体18との間に取り付けられ、前記上弾性体17及び下弾性体18は、いずれも金属フレーム構造のダンピングパッドを用いる。
【0027】
また、2つの油圧弾性支持11は、第1油圧オイルパイプ19と第2油圧オイルパイプ20によって接続される。風力発電セットの一側の油圧弾性支持11の上弾性体17は、第1油圧オイルパイプ19によって風力発電セットの他側の油圧弾性支持11の下弾性体18に接続され、風力発電セットの一側の油圧弾性支持11の下弾性体18は、第2油圧オイルパイプによって風力発電セットの他側の油圧弾性支持11の上弾性体17に接続される。歯車箱21が振動されると、油圧弾性支持11は外力を受けるため、そのキャビティの体積が変化され、キャビティ内の油圧が流動され、上下に流動する液体が減衰され、振動によるエネルギーが遮蔽されて消費され、制振作用を実現し、弾性支持圧力を調整することによって、圧力に応じて変化する歯車箱の遊星段と高速で平行軸の振動試験データを収集する。
【0028】
システムが運転される場合、まず油圧弾性支持11の圧力を調整する5つの状況のそれぞれは、第1油圧オイルパイプの圧力値が0barであり、第2油圧オイルパイプの圧力値が0barである;第1油圧オイルパイプの圧力値が60barであり、第2油圧オイルパイプの圧力値が60barである;第1油圧オイルパイプの圧力値が0barであり、第2油圧オイルパイプの圧力値が120barである;第1油圧オイルパイプの圧力値が120barであり、第2油圧オイルパイプの圧力値が0barである;第1油圧オイルパイプの圧力値が120barであり、第2油圧オイルパイプの圧力値が120barである;その後、センサグループによって収集された振動信号をデータ収集器に伝達し、データ収集器の信号処理を経てから工業制御コンピュータに伝達し、振動試験の分析ソフトウェアを工業制御コンピュータに配置し、4Gネットワークインターフェースカードをワイヤレスルーターに挿入して工業制御コンピュータにネットワーク信号を提供し、ポータブルコンピュータは遠隔ソフトウェアによって振動試験の分析ソフトウェアを操作し、最終的に歯車箱の振動試験データの遠隔収集を実現し、データを収集した後、振動データに対して遠隔の後処理分析を行う。具体的な分析過程は以下の例の通りである。
【0029】
VDI3834準則に基づいて、収集された歯車箱の振動データに対して時間領域解析を行い、主なパラメータ指標は最も値、平均値、分散、波形、パルス、マージン、尖度などの指標があり、データの特徴はこれらの指標によって反映されることができ、同時に歯車箱の運行が振動限界を超えているかどうかを判断することができ、早期の信号特徴をより直感的に反映し、周波数領域分析について、周波数領域分析はフーリエ変換によって時間領域信号を周波数領域信号に変換し、歯車箱軸系の回転速度の周波数と歯車噛合の周波数を計算し、特徴周波数の変化範囲を分析し、振動信号のタイプ、程度及び発生部位を判断することができ、ケプストラム分析については、振動信号の対数スペクトルに対して再びフーリエ変換を行い、信号スペクトルに含まれる周期成分を抽出し、例えば歯車に局所故障が発生されると、大量のサイドバンド周波数成分が発生され、包絡スペクトル分析について、包絡スペクトルは衝撃力に関連する信号に敏感で、背景雑音の中に埋没した微弱な信号を抽出し、振幅の小さい周期的な衝撃信号を抽出し、再び信号にスペクトル分析を行い、時間ー周波数領域解析については、歯車箱の非線形の非定常信号に対して、時間領域と周波数領域指標が有効に評価できない場合、時間ー周波数領域解析を採用し、信号全域と局所の細部のマルチスケール分析が実現でき、良好な時間ー周波数の分解能を有し、歯車箱の特徴周波数の分離、微弱信号の抽出と早期の振動信号の評価などの方面に応用され、上述の分析を通じて最終的に異なる弾性支持圧力が歯車箱振動に与える影響を取得する。
【0030】
本発明を図面と具体的な実施例に合わせてさらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するのではなく、本発明を説明するためにのみ使用されるものと理解すべきである。また、本発明の説明の内容を読んだ後、当業者は本発明を様々な変更または修正をすることができ、これらの等価な形式は同様に本願によって規定された範囲内に含まれることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0031】
1 風車
2 主軸
3 1段遊星の遊星キャリア
4 1段遊星の太陽歯車
5 2段遊星の遊星キャリア
6 2段遊星の太陽歯車
7 高速で平行軸の大歯車軸
8 高速で平行軸の小歯車軸
9 発電機
10 トルクアーム
11 油圧弾性支持
12 1段遊星の径方向低周波の加速度センサ
13 2段遊星の径方向低周波の加速度センサ
14 高速で平行軸の径方向共周波の加速度センサ
15 高速で平行軸の軸方向共周波の加速度センサ
16 光電式回転速度センサ
17 上弾性体
18 下弾性体
19 第1油圧オイルパイプ
20 第2油圧オイルパイプ
21 歯車箱
図1
図2
図3
【国際調査報告】