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特表2025-503785燃料電池スタック、燃料電池、および関連する車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-04
(54)【発明の名称】燃料電池スタック、燃料電池、および関連する車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0247 20160101AFI20250128BHJP
   H01M 8/04537 20160101ALI20250128BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20250128BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20250128BHJP
【FI】
H01M8/0247
H01M8/04537
H01M8/00 Z
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543858
(86)(22)【出願日】2023-01-23
(85)【翻訳文提出日】2024-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2023051583
(87)【国際公開番号】W WO2023139265
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】2200558
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2200562
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2200565
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323001937
【氏名又は名称】シンビオ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ラピオール
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・セバスチャン・ギヨ
(72)【発明者】
【氏名】クレマン・ギヨム・サンティニ
(72)【発明者】
【氏名】ユゴー・ジャン・デマルス
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126AA12
5H126AA28
5H126BB06
5H126EE11
5H126EE13
5H126JJ03
5H127AA06
5H127AC01
5H127AC07
5H127BA02
5H127BB02
5H127DB55
5H127DB68
5H127EE01
5H127EE27
(57)【要約】
本発明は、積み重ね方向(A11)において積み重ねられる複数の同一のバイポーラプレート(12)を備える燃料電池スタックに関する。各々のバイポーラプレート(12)は、一方が他方の上に置かれ、バイポーラプレート(12)の1つの端において少なくとも1つのポケット(20)を一緒に形成する2つのモノポーラプレートによって形成され、各々のポケット(20)は、燃料電池の測定モジュール(18)のピン(22)を受け入れるように構成される端開口(28)を有し、任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)はヘッドトゥーテールで積み重ねられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池(10)のスタック(11;211;・・・;611)であって、
互いに同一であり、正中面(P12)に沿って各々が延び、前記正中面と直交する積み重ねの方向(A11)に沿って積み重ねられる複数のバイポーラプレート(12)であって、2つの連続したバイポーラプレート(12)がそれらの間にスタックのセル(14)を形成する、複数のバイポーラプレート(12)を備え、
各々のバイポーラプレート(12)は、重ね合わされ、前記バイポーラプレート(12)の1つの端(21)において少なくとも1つのポケット(20)を一緒に形成する2つのモノポーラプレート(13A、13B)によって形成され、各々のポケット(20)は、前記燃料電池を測定するために、モジュール(18)のピン(22)を受け入れるように構成される端開口(28)を有し、
任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)はヘッドトゥーテールで積み重ねられている、スタック(11;211;・・・;611)。
【請求項2】
各々のポケット(20)は、スタック(11)の長手方向(L)と平行である接続の方向(D20)に沿って前記端開口(28)を通じて開放し、長手方向は前記積み重ねの方向(A11)と直交し、
任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)について、2つの前記バイポーラプレートの一方の各々のポケット(20)の接続の方向(D20)は、他方のバイポーラプレートの各々のポケットの接続の方向と反対に配向される、請求項1に記載のスタック(11;211;・・・;611)。
【請求項3】
各々のバイポーラプレート(12)は、前記バイポーラプレートの前記少なくとも1つのポケット(20)が形成される接続領域(24A)と、前記バイポーラプレート(12)の中心(C12)に対して前記接続領域(24A)の反対に位置付けられる嵌め合い領域(24B)とを備え、
任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)について、2つの前記バイポーラプレートの一方の接続帯域(24A)は、前記積み重ねの方向(A11)に沿って他方のバイポーラプレートの嵌め合い帯域(24B)の反対に配置され、
前記スタックは、前記ポケットと関連する前記ピン(22)が前記ポケットへ挿入されるときに前記接続帯域の各々のポケット(20)の変形を制限するように、各々の接続帯域(24A)と反対の前記嵌め合い帯域(24B)との間に介在させられる割り込み手段(30)をさらに備えている、請求項1または2に記載のスタック(11;211;・・・;611)。
【請求項4】
前記嵌め合い帯域(24B)は、前記ポケットと関連する前記ピン(22)が前記ポケットへ挿入されるときに前記接続帯域の各々のポケット(20)の変形を制限して前記割り込み手段(30)を形成するように、前記モノポーラプレート(13A、13B)から突出して設けられ、向かい合う前記接続帯域(24A)に向けて延びる隆起(332)を備えている、請求項3に記載のスタック(311)。
【請求項5】
前記割り込み手段(30)は、各々の接続帯域(24A)と、反対の前記嵌め合い帯域(24B)との間に介在させられるスペーサ(32)を備え、
各々のスペーサ(32)は前記嵌め合い帯域(24B)に留め付けられる、
請求項3に記載のスタック(11;211;411;611)。
【請求項6】
各々のバイポーラプレート(12)は外側アノード面と外側カソード面とを備え、
所与のバイポーラプレート(12)について、前記バイポーラプレートの前記嵌め合い帯域(24B)は、前記バイポーラプレート(12)の前記外側アノード面に留め付けられるスペーサ(32)と、前記バイポーラプレート(12)の前記外側カソード面に留め付けられるスペーサ(32)とを備えている、請求項5に記載のスタック(11;211)。
【請求項7】
各々のバイポーラプレート(12)は外側アノード面と外側カソード面とを備え、
所与のバイポーラプレート(12)について、前記割り込み手段(30)は3つのスペーサ(32)を備え、前記スペーサ(32)のうちの2つは、前記バイポーラプレート(12)の前記嵌め合い帯域(24B)の両側、前記バイポーラプレート(12)の前記外側アノード面と、前記バイポーラプレート(12)の前記外側カソード面とのそれぞれに配置され、一方、第3の前記スペーサ(32)は、前記バイポーラプレート(12)を形成する2つの前記モノポーラプレート(13A、13B)の間に配置される、請求項5または6に記載のスタック(211)。
【請求項8】
前記割り込み手段(30)は、各々の接続帯域(24A)と、反対の前記嵌め合い帯域(24B)との間に介在させられるスペーサ(32)を備え、
各々のバイポーラプレート(12)について、前記プレートと関連する前記割り込み手段(30)は、前記スペーサ(32)同士を繋げる材料の橋梁部(434)を備え、
前記割り込み手段は、前記スペーサ(32)が前記嵌め合い帯域(24B)の両側に位置付けられるように、関係する前記バイポーラプレート(12)の縁(27B)に搭載されている、請求項5から7のいずれか一項に記載のスタック(411)。
【請求項9】
前記割り込み手段(30)は、各々の接続帯域(24A)と、反対の前記嵌め合い帯域(24B)との間に介在させられるスペーサ(32)を備え、
当該スタックは、2つの連続したバイポーラプレート(12)の間に各々が受け入れられ、2つの前記バイポーラプレートと関連する前記接続帯域(24A)と、向かい合う前記嵌め合い帯域(24B)との間で延びる膜電極接合体(200)をさらに備え、
前記スペーサ(32)のうちのいくつかは前記膜電極接合体(200)に留め付けられている、請求項3に記載のスタック(511;611)。
【請求項10】
前記スペーサ(32)はエラストマ材料から作られる、請求項5から9のいずれか一項に記載のスタック(11;211)。
【請求項11】
各々のバイポーラプレート(12)は、前記バイポーラプレートの前記少なくとも1つのポケット(20)が形成される接続領域(24A)と、前記バイポーラプレート(12)の中心(C12)に対して前記接続領域(24A)の反対に位置付けられる嵌め合い領域(24B)とを備え、
任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)について、2つの前記バイポーラプレートの一方の接続帯域(24A)は、積み重ねの方向(A11)に沿って他方のバイポーラプレートの嵌め合い帯域(24B)の反対に配置され、
前記接続帯域(24A)は2つの列(23)へと分割され、前記2つの列は前記積み重ねの方向(A11)に沿って延び、
各々の列について、前記列の前記ポケット(20)の端開口(28)は、積み重ねの軸(A11)と平行である開口平面(P28)によって幾何学的に支持され、一方、前記列の前記接続帯域(24A)と関連する前記嵌め合い帯域(24B)は、1mmから5mmの間に含まれ、好ましくは2mm以上である前記開口平面(P28)からのある距離(D28)において、前記開口平面(P28)から後退させられる、請求項1から10のいずれか一項に記載のスタック(11)。
【請求項12】
当該スタックの少なくとも1つのセル(14)について、前記セルは、
第1のポーラプレート(13A)であって、
周辺帯域(102)、および、
周辺領域(102)によって包囲される反応性流体の流れ領域(103)
を備える第1のポーラプレート(13A)と、
積み重ねの方向(A11)に従って前記第1のポーラプレート(13A)に重ね合わされる膜電極接合体(200)であって、
前記積み重ねの方向(A11)に沿って前記周辺帯域(102)を向く周辺部分(202;402)、
プロトン交換高分子膜(204)を備え、前記周辺部分(202;402)によって包囲される中心部分(203)、および、
前記積み重ねの方向(A11)に沿って、前記プロトン交換高分子膜(204)と前記第1のポーラプレート(13A)の前記流れ領域(103)との間に介在させられる少なくとも1つのガス拡散層(205)
を備える膜電極接合体(200)と、
第1の周辺封止部(300)であって、
前記積み重ねの方向(A11)に沿って、前記周辺帯域(102)と前記膜電極接合体(200)の前記周辺部分(202)との間に介在させられる主要部(301)であって、前記流れ領域(103)と、前記流れ領域と関連する前記ガス拡散層(205)とを包囲し、一方における、前記セル(14)の内部において、前記膜電極接合体(200)の前記周辺部分(202;402)と前記周辺帯域(102)との間で画定される前記セル(14)の区画室(40)と、他方における、前記区画室(40)を向く前記主要部(301)を越えて前記セルの外部の帯域との間で、反応性流体に対して封止部を提供する主要部(301)、および、
主要部分から前記区画室へと延びるフィン(302)
を備える第1の周辺封止部(300)と
を備え、
前記主要部(301)は、前記積み重ねの方向(A11)と直交する長手方向(L)と平行に各々が延び、前記流れ領域(103)に沿って延び、前記流れ領域の両側に配置される2つの長手方向部分(301A、301B)を備え、前記区画室(40)は、一方における、それぞれの長手方向部分と、他方における、前記流れ領域(103)および前記流れ領域と関連する前記ガス拡散層(205)との間で各々が画定される2つの迂回帯域(50)を備え、
各々の長手方向部分について、少なくとも1つのフィン(302;302′;302″)が、前記長手方向部分から、対応する迂回領域(50)へと延び、
各々のフィンは、
前記フィンが対応する前記長手方向部分(301A、301B)に取り付けられるのに介される接合部(304)と、
前記積み重ねの方向(A11)に沿って、前記ガス拡散層(205)と前記周辺帯域(102)との間に介在させられる端部(306)と、
前記接合部(304)を前記端部(306)に繋げる中間部(305)であって、前記積み重ねの方向(A11)および前記長手方向(L)と直交する横断方向(T)に対して、前記正中面(P12)への投影において傾斜させられる中間部(305)と
を備え、
各々の長手方向部分について、前記長手方向部分に取り付けられる前記フィンは、前記横断方向に対して同じ方向に沿って傾斜させられ、
当該スタックが動作構成にあるとき、下部に位置付けられる前記長手方向部分に取り付けられる前記フィンが、前記第1のポーラプレート(13A)と関連付けられる反応性流体の流れと同じ方向に傾斜させられる、請求項1から11のいずれか一項に記載のスタック(11)。
【請求項13】
各々の周辺封止部について、反対の長手方向部分(301A、301B)に取り付けられる前記フィン(302;320′;302″)は、前記横断方向(T)に対して反対方向に沿って傾斜させられる、請求項12に記載のスタック(11)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のスタック(11)と、
前記スタック(11)の両側における2つの端プレート(16)と、
前記セル(14)の電気的特性を測定するように各々構成される、複数の測定モジュール(18)であって、各々のモジュール(18)がそれぞれのポケット(20)に各々接続されるピン(22)を備えている、複数の測定モジュール(18)と
を備えている、燃料電池(10)。
【請求項15】
請求項14に記載の燃料電池(10)を少なくとも1つ備えている、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタック、このようなスタックを備える燃料電池、および、このような燃料電池を備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、様々な用途において、具体的には電気車両において、エネルギー源として使用されている。高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)では、水素が燃料電池のアノードに供給され、酸素が酸化剤としてカソードに供給される。高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)は、一方の側におけるアノード触媒と、反対側におけるカソード触媒とを有する非導電性でプロトン交換の固体高分子電解質膜を備える膜電極接合体(MEA)を備える。膜電極接合体(MEA)は、炭素繊維などから作られるガス拡散層の介在を概して伴うバイポーラプレートと呼ばれる導電性要素の対の間に挟まれる。バイポーラプレートは、概して剛性であり、熱伝導性である。バイポーラプレートは、燃料電池のガス反応物を形成する化学種のための分離体として、および、可能性として冷却流体のための分離体として、主に機能し、バイポーラプレートはアノードおよびカソードのための集電体としても機能する。バイポーラプレートは、燃料電池からのガス反応物をそれぞれのアノード触媒およびカソード触媒の表面にわたって分配するために、および、反応生成物または残留物、具体的にはカソードにおいて生成される水を排出するために、適切な開口を伴う通路を有する。
【0003】
2つのバイポーラプレートの間に挟まれた膜電極接合体は、燃料電池の単位セルを形成し、複数の単位セルが燃料電池のスタックを形成するために積み重ねられる。燃料電池の動作の間、具体的にはセルの電気的特性を測定することで、単位セルを監視することが有利である。
【0004】
例えば、米国特許第9997792(A1)号は、接続舌部によってセルの各々に接続されるケーブルのリボンを用いてコンピュータに接続されるセルのスタックを備える燃料電池を開示しており、そのケーブルは、ケーブルを接続舌部に押し付けるためにハーネスによって保持される。しかしながら、このような種類の構成で行われる測定は信頼性がなく、セルは大きな空間を占め、さらに、ケーブルは、セルの動作の間に発生させられる振動または膨張などの機械的応力によって損傷させられやすく、そのため耐用期間を短くしてしまう。
【0005】
独国特許出願公開第102021202538号は、セルスタックを備える燃料電池を記載している。バイポーラプレートの各々は、嵌め合いコネクタを受け入れるように各々が構成される電気接点を備える。電気接点はセルの積み重ねの軸に沿って並べられ、一方、絶縁要素が、具体的には嵌め合いコネクタへの電気接点の接続の間に、2つの隣接するバイポーラプレートの間での短絡を防止するために、各々のバイポーラプレートの間で、膜電極接合体の周辺部に位置決めされる。しかしながら、絶縁要素、延いてはバイポーラプレートのスタックが、比較的嵩張ってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9997792(A1)号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102021202538号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が、コンパクトでより信頼性のある向上した燃料電池スタックを提案することによって、より具体的に改善しようとしていることは、このような問題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明は燃料電池スタックに関する。本発明によれば、スタックは、互いに同一であり、正中面に沿って各々が延び、正中面と直交する積み重ねの方向に沿って積み重ねられる複数のバイポーラプレートであって、2つの連続したバイポーラプレートがそれらの間にスタックのセルを形成する、複数のバイポーラプレートを備える。各々のバイポーラプレートは、重ね合わされ、バイポーラプレートの1つの端において少なくとも1つのポケットを一緒に形成する2つのモノポーラプレートによって形成され、各々のポケットは、燃料電池の測定モジュールのピンを受け入れるように構成される端開口を有し、一方、任意の2つの連続したバイポーラプレートはヘッドトゥーテールで積み重ねられる。
【0009】
本発明を用いることで、バイポーラプレートのヘッドトゥーテールの搭載によって、スタックの方向に沿って測定され、したがって、2つの連続したバイポーラプレートの間の間隔より大きい幅を各々の開口が有するポケットを提供することを可能にする。それによって、各々のポケットにおけるピンの挿入が容易にされ、さらに、ピンはより太くなることでより強くなり、これはスタックの信頼性に寄与する。
【0010】
本発明の有利であるが必須ではない態様によれば、このようなスタックは、個別に取り込まれる、または、任意の技術的に許容可能な組み合わせに従って取り込まれる以下の特徴のうちの1つまたは複数組み込むことができる。
- 各々のポケットは、スタックの長手方向と平行である接続の方向における端開口を通じて開放し、長手方向はスタックの方向と直交し、
- 一方、任意の2つの連続したバイポーラプレートについて、2つのバイポーラプレートの一方の各々のポケットの接続の方向は、他方のバイポーラプレートの各々のポケットの接続の方向と反対に配向される。
- 各々のバイポーラプレートは、バイポーラプレートの少なくとも1つのポケットが設けられる接続帯域と、バイポーラプレートの中心に対して接続帯域の反対に位置付けられる嵌め合い帯域とを備え、
一方、任意の2つの連続したバイポーラプレートについて、2つのバイポーラプレートの一方の接続帯域は、積み重ねの方向において他方のバイポーラプレートの嵌め合い帯域を向いて配置され、
スタックは、ポケットと関連するピンが前記ポケットへ挿入されるときに接続帯域の各々のポケットの変形を制限するように、各々の接続帯域と嵌め合いの向かい合う帯域との間に介在させられる割り込み手段をさらに備える。
- 嵌め合い帯域は、ポケットと関連するピンがポケットへ挿入されるときに接続帯域の各々のポケットの変形を制限して割り込み手段を形成するように、ポーラプレートから突出して設けられ、反対の接続帯域に向けて延びる隆起を備える。
- 割り込み手段は、各々の接続帯域と、反対の嵌め合い帯域との間に介在させられるスペーサを備え、
一方で、各々のスペーサは嵌め合い帯域に留め付けられる。
- 各々のバイポーラプレートはアノード外側面とカソード外側面とを備え、
一方、所与のバイポーラプレートについて、バイポーラプレートの嵌め合い帯域は、バイポーラプレートのアノード面に留め付けられるスペーサと、バイポーラプレートのカソード面に留め付けられるスペーサとを備える。
- 各々のバイポーラプレートはアノード外側面とカソード外側面とを備え、
一方、所与のバイポーラプレートについて、割り込み手段は3つのスペーサを備え、スペーサのうちの2つは、バイポーラプレートの嵌め合い帯域の両側、バイポーラプレートのアノード面と、バイポーラプレートのカソード面とに配置され、しかし一方で、第3のスペーサは、バイポーラプレートを形成する2つのモノポーラプレートの間に配置される。
- 割り込み手段は、各々の接続帯域と、反対の嵌め合い帯域との間に介在させられるスペーサを備え、
一方、各々のバイポーラプレートについて、プレートと関連する割り込み手段は、スペーサ同士を接続する材料の橋梁部を備え、
割り込み手段は、スペーサ(32)が嵌め合い帯域の両側に位置が定められるように、関係するバイポーラプレートの縁に搭載される。
- 割り込み手段は、各々の接続帯域と、反対の嵌め合い帯域との間に介在させられるスペーサを備え、
一方、スタックは、2つの連続したバイポーラプレートの間に各々が受け入れられ、2つのバイポーラプレートと関連する接続帯域と、反対の嵌め合い帯域との間で延びる膜電極接合体も備え、
スペーサのうちのいくつかは膜電極接合体に留め付けられる。
- スペーサはエラストマ材料から作られる。
- 各々のバイポーラプレートは、バイポーラプレートの少なくとも1つのポケットが設けられる接続帯域と、バイポーラプレートの中心に対して接続帯域の反対に位置付けられる嵌め合い帯域とを備え、
一方、任意の2つの連続したバイポーラプレートについて、2つのバイポーラプレートの一方の接続帯域は、積み重ねの方向に沿って他方のバイポーラプレートの嵌め合い帯域の反対に配置され、
接続帯域は2つの列で分配され、2つの列は積み重ねの方向に沿って延び、
各々の列について、その列のポケットの端開口は、積み重ねの軸と平行である開口平面によって幾何学的に支持され、前記列の接続帯域と関連する嵌め合い帯域は、1mmから5mmの間に含まれ、好ましくは2mm以上である開口平面からのある距離において、開口平面から後退させられて形成される。
有利には、スタックの少なくとも1つのセルについて、セルは、
- 第1のポーラプレートであって、
・ 周辺帯域、および、
・ 周辺領域によって包囲される反応性流体の流れ領域
を備える第1のポーラプレートと、
- 積み重ねの方向に従って第1のポーラプレートに重ね合わされる膜電極接合体であって、
・ 積み重ねの方向に沿って周辺帯域と反対の周辺部分、
・ プロトン交換高分子膜を備え、周辺部分によって包囲される中心部分、および、
・ 積み重ねの方向に沿って、プロトン交換高分子膜と第1のポーラプレートの流れ領域との間に介在させられる少なくとも1つのガス拡散層
を備える膜電極接合体と、
- 第1の周辺封止部であって、
・ 積み重ねの方向に沿って、周辺帯域と膜電極接合体の周辺部分との間に介在させられる主要部であって、流れ領域と、流れ領域と関連する前記ガス拡散層とを包囲し、一方における、セルの内部において、膜電極接合体の周辺部分と周辺帯域との間で画定されるセルの区画室と、他方における、区画室を向く主要部を越えてセルの外部の帯域との間で、反応性流体に対して封止部を提供する主要部、および、
・ 主要部分から区画室へと延びるフィン
を備える第1の周辺封止部と
を備え、
ここで、
- 主要部は、積み重ねの方向と直交する長手方向と平行に各々が延び、流れ領域に沿って延び、流れ領域の両側に配置される2つの長手方向部分を備え、区画室は、一方における、それぞれの長手方向部分と、他方における、流れ領域および流れ領域と関連するガス拡散層との間で各々が画定される2つの迂回帯域を備え、
- 各々の長手方向部分について、少なくとも1つのフィンが、その長手方向部分から、対応する迂回領域へと延び、
- 各々のフィンは、
・ フィンが対応する長手方向部分に取り付けられるのに介される接合部と、
・ 積み重ねの方向に沿って、ガス拡散層と周辺帯域との間に介在させられる端部と、
・ 接合部を端部に繋げる中間部であって、積み重ねの方向および長手方向と直交する横断方向に対して、正中面への投影において傾斜させられる中間部と
を備え、
- 各々の長手方向部分について、長手方向部分に取り付けられるフィンは、横断方向に対して同じ方向に沿って傾斜させられ、
- スタックが動作構成にあるとき、下に位置付けられる長手方向部分に取り付けられるフィンが、第1のポーラプレートと関連付けられる反応性流体の流れと同じ方向に傾斜させられる。
有利には、各々の周辺封止部について、反対の長手方向部分に取り付けられるフィンは、横断方向に対して反対方向に傾斜させられる。
【0011】
本発明は、
- 先に記載されているようなスタックと、
- スタックの両側における2つの端プレートと、
- セルの電気特性を測定するための、それぞれのポケットに各々が接続されるピンを各々が備える複数のモジュールと
を備える燃料電池にさらに関する。
【0012】
最後に、本発明は、先に記載されているような燃料電池を少なくとも1つ備える車両に関する。
【0013】
本発明は、単に例として提供された、図面を参照する以下の記載を読むことで、より良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態による燃料電池の概略的な正面および側面斜視図である。
図2図1に示されている燃料電池のバイポーラプレートのスタックの概略図である。
図3図1に示されている燃料電池のバイポーラプレートスタックのモジュールとセルとの間の接続の概略的な斜視図である。
図4】部分的に分解された斜視および斜視で描写された、2つの挿絵a)およびb)での図1のスタックの概略図である。
図5図1に示されたスタックの断面の概略図である。
図6】他の実施形態による燃料電池スタックの概略的な断面図である。
図7】他の実施形態による燃料電池スタックの概略的な断面図である。
図8】他の実施形態による燃料電池スタックの概略的な断面図である。
図9】他の実施形態による燃料電池スタックの概略的な断面図である。
図10】他の実施形態による燃料電池スタックの概略的な断面図である。
図11】本発明の他の実施形態による、図4に示されているスタックと燃料電池とにそれぞれ属するバイポーラプレートを、2つの挿絵a)およびb)において示す図である。
図12】本発明の他の実施形態による、同じ燃料電池に属するバイポーラプレートの詳細およびスタックの断面の、2つの挿絵a)およびb)における概略図である。
図13図1に示されたスタックの概略的な斜視図である。
図14】2つの挿絵a)およびb)のそれぞれにおける、図13のスタックの詳細な上面図、および、図13のスタックの一部の断面図である。
図15図13に示されているスタックのバイポーラプレートの2つの反対の面を、それぞれ2つの挿絵a)およびb)において示す図である。
図16】本発明の代替の実施形態による、2つの挿絵a)およびb)における、燃料電池に属する2つのバイポーラプレートの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2は、本発明の第1の実施形態による燃料電池10を示している。燃料電池10は、バイポーラプレート12のスタック11を備える。
【0016】
知られている手法では、各々のバイポーラプレート12は2つの反対の外面、すなわち、アノード面とカソード面とを有する。
【0017】
各々のバイポーラプレート12は、ここでは2つの重ね合わされたモノポーラプレート13によって形成されており、モノポーラプレート13は、ここではカソードプレートである第1のポーラプレート13Aと、ここではアノードプレートである第2のポーラプレート13Bとを含み、第1のポーラプレート13Aおよび第2のポーラプレート13Bは図5において見ることができる。「2つの連続したモノポーラプレート13」という表現は、同じバイポーラプレート12と関連する2つのモノポーラのカソードプレート13Aおよびアノードプレート13Bに言及している。モノポーラプレート13は簡単にポーラプレート13と呼ばれもする。2つの重ね合わされたモノポーラプレート13によって形成されたこのようなバイポーラプレート12において、アノードモノポーラプレート13Bはバイポーラプレート12のアノード面を形成し、カソードモノポーラプレート13Aはバイポーラプレート12のカソード面を形成する。
【0018】
冷却回路が、有利には、封止された手法で互いに組み立てられる2つのモノポーラプレートの間に配置される。各々のバイポーラプレート12は、正中面P12に沿って延びる実質的に平坦な形を有する。
【0019】
このような実施形態では、同じバイポーラプレート12と関連する2つのモノポーラプレート13は金属から作られ、一体に溶接または接合される。
【0020】
図4を参照すると、燃料電池10は、バイポーラプレート12のスタック11の形態で作られた複数のセル14を備え、セル14は、2つの連続したバイポーラプレート12の間に形成される。それによって、スタック11は、直列に接続された複数の個別のセル14から成る。各々の個別のセル14について、燃料電池10は膜電極接合体200をさらに備え、膜電極接合体200は、セル14と関連する2つのバイポーラプレート12の間に介在させられる。膜電極接合体200は単にMEA200とも呼ばれる。
【0021】
それによって、各々のバイポーラプレート12は、2つの隣接するセル14に対して共通である。各々の膜接合体200は、膜電極接合体200がその間に介在させられるバイポーラプレート12と関連する2つの正中面P12と平行である中間平面P200に沿って延びる。中間平面P200は積み重ねの軸A11と直交している。
【0022】
燃料電池10は、例えば、動力車両で、より具体的には電気動力車両で、使用されるように意図されており、原動機に供給する電気エネルギーは、本質的には、すべてではない場合でも、燃料電池10によって供給される。
【0023】
バイポーラプレート12は積み重ねの方向A11に沿って積み重ねられる。積み重ねの方向A11は積み重ねられたバイポーラプレート12の正中面P12と直交している。別の言い方をすれば、正中面P12は積み重ねの方向A11に対して横断する平面である。積み重ねの方向A11と共に直交座標系を形成する長手方向Lおよび横断方向Tも定められる。
【0024】
燃料電池10は、スタック11の両側に配置される2つの端プレート16も備える。スタック11は、2つの端プレート16の間に挟まれ、端プレート16同士の間において積み重ねの方向A11に圧縮されている。端プレート16は例えばアルミニウムから作られる。
【0025】
外部の流体回路(図示されていない)が、端プレート16のレベルにおいて電池10に繋げられ、反応性ガスが、後で詳細に検討されるが、バイポーラプレート12に配置され、流れ領域103と、概して2つの均一化領域104とを備える通路17のネットワークで組織化された通路を介して、バイポーラプレート12の表面において膜電極接合体200に分配される。各々のバイポーラプレート12について、ここでは通路17のネットワークの対称性の中心に対応しているバイポーラプレートの中心C12が、定められている。
【0026】
例えば、1つまたは複数のセル14の端子における電圧など、セル14の電気的特性を測定するために、セル14の少なくとも1つの電気的特性を測定するためのモジュール18が、バイポーラプレート12のスタック11に接続されている。各々のモジュール18は、燃料電池システム10の制御を適合させるために、スタック11の状態を監視する働きをする。
【0027】
このように、同じバイポーラプレート12に属する2つの連続したモノポーラプレート13は、有利には背中合わせで配置され、例えば、長手方向Lに沿ってバイポーラプレート12の一方の端21に配置された縁においてなど、バイポーラプレート12の1つの縁において少なくとも1つのポケット20をそれらの間に形成する。したがって、端21は、本例においては、横断方向Tと平行に延びるバイポーラプレート12の縁である。
【0028】
各々のポケット20は、セル14の電気的特性を測定するためのモジュール18のピン22を受け入れるように構成される。
【0029】
バイポーラプレート12同士は互いに同一である。2つの連続したバイポーラプレート12は、図2において見られるように、1つ置きのバイポーラプレート12の少なくとも1つのポケット20だけがモジュール18の近傍において同じ高さとなるように、ヘッドトゥーテールで積み重ねられる。
【0030】
図示されている例によれば、各々のバイポーラプレート12は、ピン22をそれぞれ受け入れるための正確に2つのポケット20を形成する。各々のバイポーラプレート12について、バイポーラプレート12を受け入れるためのポケット20同士は互いの近傍に配置されており、バイポーラプレート12の接続帯域24Aを形成する。
【0031】
各々のバイポーラプレート12は嵌め合い帯域24Bも備える。バイポーラプレート12の嵌め合い帯域24Bは、プレートの構成材料が延びるバイポーラプレート12の一部分であり、好ましくは滑らかな一部分である。各々のバイポーラプレート12について、嵌め合い帯域24Bは、バイポーラプレート12の中心C12に対して接続帯域24Aの反対に対称的に位置が定められる。それによって、スタック11の任意の2つの連続したバイポーラプレート12について、2つのプレート12の一方の接続帯域24Aは、積み重ねの方向A11に沿って、他方のバイポーラプレート12の嵌め合い帯域24Bの反対に配置される。スタック11の任意の3つの連続したバイポーラプレート12について、積み重ねの方向A11において包囲する他の2つのバイポーラプレート12の間に位置が定められる3つのプレート12のうちの1つの接続帯域24Aは、積み重ねの方向A11に沿って、積み重ねの方向A11において包囲する他の2つのバイポーラプレート12の各々の嵌め合い帯域24Bの反対に配置される。
【0032】
図2に図示されているように、スタック11は接続帯域24Aの2つの列23を備え、列23の各々は積み重ねの方向A11に沿って延びる。2つの列23は、積み重ねの方向A11と平行な軸に関して互いに対して対称的に位置付けられ、バイポーラプレートの各々の中心C12を通過する。例では、2つの列23はスタックの横断平面の両側に位置付けられており、横断平面は長手方向Lと直交している。図示されている例では、モジュール18は、図2の上側に位置付けられた列23のうちの一方だけに接続されており、他方の列は未使用のままとされている。変形(図示されていない)では、モジュール18などの他のモジュールが接続帯域24Aの他方の列に接続される。
【0033】
接続帯域24Aの列23の一方について有効なことは、接続帯域24Aの他方の列23に移すことができる。以後においては、モジュール18が接続された列23が主に説明されている。
【0034】
第2のポケット20は、20個のセル14のグループごとに4つのワイヤを測定することを可能にする。同じことがインピーダンスを測定するために使用される。
【0035】
より具体的には、各々のポケット20は前記ピン22と協働するように成形される。
【0036】
各々のポケット20について、2つの連続したモノポーラプレート13は、互いに接触しているとき、ポケット20の周囲壁26を一緒に画定する。
【0037】
好ましくは、各々のポケット20は、周囲壁26が円錐形を有する開口端28を有する。より大まかには、開口端28は末広がりの形状を有する。このような形状は、モジュール18のピン22の前記ポケット20への挿入の間にピン22を案内するという利点を有する。
【0038】
同じ列23の開口端28は開口平面P28によって幾何学的に支持され、開口平面P28は、積み重ねの方向A11と平行な平面であり、一例では横断平面であり、別の言い方をすれば、長手方向Lと直交する平面である。
【0039】
各々のピン22が、対応するポケット20の内部容積に向けて配向された、実質的に並進の動きである挿入の動きに応じて、対応するポケット20へと挿入されることは、理解されるべきである。各々のポケット20について、ピン22の挿入の動きの反対方向に実質的に対応し、したがって、挿入の動きと平行であるが反対方向に沿って配向される方向に実質的に対応する接続の方向D20が定められる。所与のバイポーラプレート12の各々のポケット20について、各々の接続の方向D20はバイポーラプレート12の正中面P12と平行である。それによって、各々のポケット20は、接続の方向D20に沿って、ポケット20の開口端28を介して外方へ開放している。
【0040】
好ましくは、同じ接続帯域24Aのポケット20は同じ方向に配向されており、つまり、ポケット20と関連する接続の方向D20は互いに平行である。それによって、延いては、各々の接続帯域24Aについて、接続帯域24Aと関連する各々のポケット20の接続の方向D20は、接続帯域24Aについての接続の方向でもある。接続帯域24Aの各々の列23について、接続帯域24Aと関連する接続の方向D20は、接続帯域24Aと関連する開口平面P28と直交する。
【0041】
好ましくは、任意の2つの連続したバイポーラプレート12について、2つのバイポーラプレート12の一方の各々のポケット20の接続の方向D20は、他方のバイポーラプレート12の各々のポケット20の接続の方向と反対に配向される。
【0042】
有利には、各々のポケット20の周囲壁26は、ピン22についての小さい断面の通過を形成するように、隆条部26Bを有する。隆条部26Bは、ポケット20を強固にする役目を果たし、ピン22とポケット20との間においてポケット20の内側に電気接触を確保することを可能にする。
【0043】
各々のモジュール18は、ここでは、10個のポケット20を前記モジュール18に接続するように構成される10個の並べられたピン22を含み、つまり、図3において見られるように、20個のセル14と、20個のセル14のうちの1つの第2のポケット20を接続するための追加のピン25とを含む。10個の並べられたピン22は、2つの連続したピン22の間で、2つの連続したセル14の電圧を測定する働きをする。モジュール18のピン22、25は好ましくは同一である。
【0044】
図示されている実施形態では、各々の接続帯域24Aは2つのポケット20を備え、ポケット20のうちの一方はモジュール18のピン22のうちの1つと関連付けられ、一方、他方のポケット20は追加のピン25を受け入れるように構成される。
【0045】
図示されている例は2つのモジュール18を備えるが、燃料電池10は2つのモジュールに限定されないが、例えば、200個のセル14を接続するための10個のモジュール18など、より多くのモジュールを備えてもよい。同様に、各々のモジュール18についてのピン22の数は限定ではない。
【0046】
追加のピン25は、ピン20の並びと実質的に平行に、好ましくはモジュール18の長手方向の端において配置される。例えば、追加のピン25は、電流が受け入れられるポケット20へと電流を注入するように構成され、それによって、20個のセル14におけるインピーダンスを測定することを可能にする。
【0047】
図4を参照すると、各々のバイポーラプレート12と、延いては、バイポーラプレート12と関連する2つのモノポーラプレート13とは、開口101と、周辺帯域102と、流れ領域103と、2つの均一化領域104とを備える。別の言い方をすれば、要素101~104は、各々のバイポーラプレート12の2つの反対の面にある。流れ領域103と2つの均一化領域104とは通路ネットワーク17に含まれる。
【0048】
周辺帯域102は、バイポーラプレート12の周辺部全体にわたって延び、ここでは、開口101、均一化領域104、および流れ領域103の縁を定めている。開口101、均一化領域104、および流れ領域103は周辺帯域102の内側に配置されている。周辺帯域102は、積み重ねの方向A11に対して垂直な平面、つまり、正中面P12と平行な平面において延びている。
【0049】
各々の開口101は、スタック11の各々のセル14のための、反応性もしくは冷却の流体の注入、または、反応性もしくは冷却の流体の排出のためのいずれかに意図されている。反応性もしくは冷却の流体は燃料電池10の動作流体である。開口101は、ここでは閉じた輪郭を有し、そのため、開口101は、スタック11の内部にダクトを形成し、ダクトは「内部マニホールド」と呼ばれる。変形(図示されていない)では、燃料電池10の動作流体はスタック11の外部のダクトによって供給され、ダクトは「外部マニホールド」と称される。このような場合、開口101は開いた輪郭を有する。本発明の原理は、ダクトの種類に拘わらず有効である。
【0050】
例では、3つの開口101の列が、ここでは、横断方向Tに関して、カソードプレート13Aであるポーラプレート13の片側に位置付けられており、3つの開口101は横断方向Tに並べられている。3つの他の開口101を備える別の列が、ポーラプレート13の他方の側に位置が定められており、他の3つの開口101も横断方向Tに並べられている。開口101の2つの列の各々は、ポーラプレート13のそれぞれの長手方向の端の近くに配置されている。
【0051】
各々の反応性または冷却の流体について、延いては、セル12の各々の流体の流れ領域103について、開口101は、関係する流れ領域のための流体供給部を形成し、中心C12に関して対称的に反対に位置付けられる別の開口が、関係する流れ領域103についての流体を排出する働きをし、中心C12に関して対称的に反対に位置付けられる2つの開口101は、中心C12に関する中心対称に従って対称的な形状を好ましくは有する。
【0052】
流れ領域103は、長手方向Lにおいて2つの均一化領域104の間で、膜電極接合体200に向けて配向されるプレート13Aの面にわたって延びる。各々の均一化領域104は、長手方向Lに沿って流れ領域103と開口101との間に配置される。各々の均一化領域104は、開口101のうちの1つを流れ領域103に繋げる通路を概して含む。図示されている例では、均一化領域104の通路は、同様であり、ここでは広げられたその配向を除いて、流れ領域103の通路と同じ方法で形成されている。
【0053】
代替(図示されていない)として、均一化領域104の通路は、流れ領域103の通路と異なる幅および/または深さを有する。同様に、均一化領域104の通路は、流れ領域103の通路と異なる方法で作られてもよく、具体的には、異なる技術的な方法で作られてもよい。例えば、均一化領域104の通路は、平面状であるかまたは平面状でないポーラプレート13の一部分への金属、エラストマ、またはポリマ材料の追加によって適用される隆条部の形態で作られ、一方、流れ領域103の通路は深絞りによって作ることができ、またはその逆も可能である。
【0054】
カソードプレート13Aについて、第1の均一化領域104は、開口101のうちの1つから来る反応性流体を、その流体が長手方向Lに沿って流れ領域103を通じて流れるように分配する。第2の均一化領域104は、流れ領域103の全体にわたって分配された反応性流体を、反応性流体が排出される、プレート13Aの反対に位置が定められた他の開口101まで、排出する働きをする。
【0055】
流れ領域103によって繋げられた2つの開口101と2つの均一化領域104とは、中心C12に関して互いの反対に位置が定められており、別の言い方をすれば、2つの開口101は中心C12に関して対称的に配置されている。各々の流れ領域103について、中心C12に関して反対の2つの対称的な開口101は流れ領域103と関連付けられ、2つの開口101は流れ領域を成す。
【0056】
各々の反応性または冷却の流体について、延いては、セルの各々の流れ領域について、2つの均一化領域104は、好ましくは、均一化領域104の形状と均一化領域104の通路の配置との両方において、中心C12に関する中心対称に従って対称である。
【0057】
変形(図示されていない)では、ポーラプレート13は均一化領域104を備えておらず、流れ領域103は開口101に直接的に繋げられる。
【0058】
それによって、接合体200の方向に向けられるプレート13Aの面において、反応性流体のうちの1つだけが、開口101のうちの1つから開口101のうちの他のものへと、流れ領域103を介して長手方向Lに沿って反対へと流れる。カソードポーラプレート13Aについて、反応性流体は、空気または酸素といったカソード反応性流体である。
【0059】
図示されている例では、膜電極接合体200またはMEA200は、周辺部分202と、開口201と、中心部分203とを備える。周辺部分202は、MEA200の周辺部を通じて延び、周辺部分202の内側に位置付けられる開口201および中心部分203の縁を定める。開口201は閉じた輪郭を有する。周辺部分202は、積み重ねの方向A11に対して垂直で正中面P12と平行な平面において延びている。
【0060】
MEA200の開口201は、積み重ねの方向A11に沿ったMEAを通じた反応性流体の流れのために、膜電極接合体200に作られている。各々の開口201は、カソードポーラプレート13Aの開口101のうちの1つを積み重ねの方向A11に沿って延ばすことで、燃料電池の動作流体のための通過ダクト(またはマニホールド)を形成している。別の言い方をすれば、開口101と201とは積み重ねの方向A11に沿って互いを向いている。例では、各々の開口201は、開口201が向く開口101と同じ形状を有する。
【0061】
スタック11では、バイポーラプレート12の開口101と膜電極接合体200の開口201とは一緒に、「内部マニホールド」とも呼ばれるダクトをスタック11の内部に形成する。変形(図示されていない)では、燃料電池10の動作流体はスタック11の外部のダクトによって供給され、ダクトは「外部マニホールド」と称される。このような場合、バイポーラプレート12の開口101はそれぞれ開いた輪郭を有する。本発明の原理は、マニホールドの種類に拘わらず有効である。
【0062】
MEA200の中心部分203は、流れ領域103を向き、積み重ねの方向A11に沿って流れ領域103を完全に覆う。MEA200の中心部分203の周辺の周辺部は、適切な場合、MEA200の周辺部分202の内側周辺部に重なる。
【0063】
図5を参照すると、MEA200の中心部分203は、プロトン交換高分子膜である膜204を備える。膜204は、積み重ねの方向A11において流れ領域103を向く正中面P12と平行に延び、実質的に平坦である。膜204は、好ましくはMEA200の周辺部分202と同一平面である。膜204は、正中面P12と平行なその2つの面において、触媒の層で覆われ得る。図示されている例では、膜204は、具体的には中心部分203が周辺部分202の一部分と重なる場合、流れ領域103を越えて延びる。
【0064】
各々のMEA200の膜204は、2つのガス拡散層(GDL)205の間に取り込まれる。各々の拡散層205は、正中面P12と平行に延び、積み重ねの方向A11に沿って、MEA200の中心部分203と、向かい合うポーラプレート13との間に介在させられる。GDL205の間に取り込まれた中心部分203は、中間平面P200に沿って延びると見なされる。
【0065】
MEA200は、中心部分203を支持するために、より具体的には、膜204を支持するために、保持フレーム206を有利に備える。そのため、保持フレーム206は周辺部分202を形成する。図5に示されている例では、保持フレーム206は、膜204を保持するために、積み重ねの方向A11に沿って、膜204の外側周辺の周辺部を留める。そのため、保持フレーム206は、積み重ねの方向A11に沿って周辺部分202に重なる膜204の全体部分を留める。
【0066】
変形(図示されていない)では、保持フレーム206の代わりに、膜204などの同じ膜が、中心部分203と周辺部分202との両方を形成するように構成することも可能である。しかしながら、図示されている構成は、保持フレーム206が、膜204と比べてより強く、より柔軟性があり、より脆性であるため、好ましいとされる。保持フレーム206は、優先的には、互いに平坦に圧し掛かるように意図されており、例えば、PETの略語によって知られているポリエチレンテレフタレート、または、PENとして知られているポリエチレンナフタレートといった高分子薄膜から作られる実質的に同一の形状の2つの半体フレームから成る。高分子薄膜から作られる場合、2つの半体フレームは、例えば、接着によって互いに組み立てられる。
【0067】
図示されている例では、各々の拡散層205は、向かい合う中心部分203を全体で覆い、より具体的には膜204を全体で覆い、有利には、周辺部分202にわたって突出し、つまり、膜204を挟む保持フレーム206の内側周辺部にわたって突出する。具体的には、ガス拡散層205は、少なくとも流れ室103に対応する帯域において、積み重ねの方向A11に沿って通路17のネットワークに圧し掛かり、反対方向に沿って膜204に圧し掛かる。ガス拡散層205は、多孔質材料から有利に形成され、セル14が動作しているときに反応性流体を通路17から膜204へと拡散させ、適切な場合、膜204から来る反応生成物を、排出させるように通路105まで拡散させる。
【0068】
モジュール18の各々のピン22、25は、モジュール18と、モジュール18が対応するバイポーラプレート12との間において、長い時間にわたって効果的で耐久性のある電気接触を促進させるように設計される。そのために、モジュール18の各々のピン22、25は、例えば、ピン22、25が対応するポケット20へと挿入されると、ピン22、25がポケット20の周囲壁26に2つの反対の力を発揮するような形状を有する。図5を参照すると、ピン22、25が対応するポケット20へと挿入されるとき、対応するバイポーラプレート12を形成する2つのポーラプレート13Aおよび13Bが互いから離れて動こうとすることが理解されよう。
【0069】
スタック11は、ポケット22と関連するピン22がポケット20へ挿入されるときに接続帯域24Aの各々のポケット20の変形を制限するように、より具体的には、ピン22、25の挿入の間に離れて移動するポーラプレート13Aおよび13Bの能力を制限するように、各々の接続帯域24Aと反対の嵌め合い帯域24Bとの間に配置される割り込み手段30をさらに備える。好ましくは、割り込み手段30は、ポケット20の各々と、積み重ねの方向A11に沿って並べられる。好ましくは、割り込み手段30は、積み重ねの方向A11に沿って室20の両側に配置される。
【0070】
図5の例では、各々のバイポーラプレート12について、割り込み手段30は、例えば、正中面P12と平行な2つの反対の面を有する、平行六面体形状などの2つのスペーサ32を備える。好ましくは、各々のスペーサ32は、嵌め合い帯域24Bに留め付けられ、それによって、嵌め合い帯域24Bと、反対に位置が定められる接続帯域24Aとの間に介在させられる。それによって、所与のバイポーラプレート12について、嵌め合い帯域24Bは、バイポーラプレート12のアノード面におけるスペーサ32と、バイポーラプレート12のカソード面におけるスペーサ32とを備える。本例では、スペーサは電気的に絶縁性の材料から作られる。さらに、スペーサが、弾性材料から作られること、より具体的には、エラストマから作られること、延いては、特に、電気的に絶縁性のエラストマから作られることは、有利であり得る。スペーサ32は、ここでは、シリコーンとも呼ばれるポリシロキサンから作られ、スタック11を形成する前に、バイポーラプレートと関連するモノポーラプレート13に留め付けられる。例えば、シリコーンペーストはモノポーラプレート13に適用され、シリコーンは、硬化後にスペーサ32を形成する。具体的には、スペーサ32は、有利には、モノポーラプレート13へのオーバーモールドによって作られる。それによって、各々のスペーサ32は、有利には、対応する嵌め合い帯域24Bに、オーバーモールドによって直接的に留め付けられる。代替で、スペーサは、例えば型成形および/または機械加工によって、前もって製造され、そのため、スペーサはモノポーラプレート13に接合または入れ子にされ、それによって割り込み手段30を形成する。
【0071】
セル14が電池10の動作状態において積み重ねられると、割り込み手段30は、2つの向かい合うバイポーラプレート12に圧し掛かる、または、2つの向かい合うバイポーラプレート12の各々から非常に短い距離で圧し掛かり、それによって、各々の割り込み手段30は、2つのバイポーラプレート12の一方の接続帯域24Aと、反対に位置が定められ、他の2つのバイポーラプレート12に属する嵌め合い帯域24Bとの間に介在させられる。弾性材料から作られるスペーサ32の場合、具体的には、ピン22または25をポケット20へと挿入するとき、ポケット20と関連付けられる接続帯域24Aの両側に配置される割り込み手段30は、隣接するバイポーラプレート12に圧し掛かることによってであり、より具体的には、嵌め合いの向かい合う帯域24Bに圧し掛かることによる、ポケット20と関連するポーラプレート13の離れる動きに弾性的な戻りによって抗する一方で、ポケット20へのピンの通過を受け入れるために、弾性的に変形するように作ることができる。
【0072】
間隔L12が、2つの隣接するバイポーラプレート12の間の距離であるとして定められ、積み重ねの軸A11と平行な2つの連続したバイポーラプレート12の正中面P12の間で測定される。間隔L12は、燃料電池10のピッチに対応しており、別の言い方をすれば、セル14の平均厚さに対応する。間隔L12は、例えば0.8mmから1.5mmの間に含まれる。
【0073】
例によれば、割り込み手段30は、分離を制限する一方でポケット20へのピンの通過を受け入れるために、具体的には、セルの製造および組み立ての幾何学的公差を考慮するために、ポケット20と関連するポーラプレート13の若干の分離にも拘らず、積み重ねの方向A11と平行に測定される、整然としたスタックの動作状態における2つの向かい合うバイポーラプレート12を分離する間隔L12未満の厚さを有する。
【0074】
具体的には、割り込み手段30は、2つの隣接するバイポーラプレート12をある距離で保ち、具体的には、各々の接続帯域24Aを、反対に位置が定められた嵌め合い帯域24Bからある距離で保つ。割り込み手段30は、2つの隣接するバイポーラプレート12の間の直接的な接触を防止し、より具体的には、各々の接続帯域24Aと、反対に位置が定められた嵌め合い帯域24Bとの間の直接的な接触を防止する。
【0075】
有利には、スタック11の動作状態において、割り込み手段30は、積み重ねの方向A11に沿って、厚さに関して寸法決定されることで、割り込み手段30と2つの隣接するバイポーラプレート12との間に、積み重ねの方向A11に沿って全体の寸法のクリアランスを残す。寸法のクリアランスは、好ましくは100ミクロン未満であり、より優先的には50ミクロン未満である。割り込み手段と隣接するバイポーラプレート12との間の寸法のクリアランスは、図では示されていない。寸法的なクリアランスのため、接続帯域24Aと嵌め合い帯域24Bとの間で利用可能な空間に対して厚過ぎることになる割り込み手段がバイポーラプレート12の局所的な変形をもたらす危険性なしで、割り込み手段30の寸法およびバイポーラプレート12の寸法におけるばらつきを許容することが可能である。
【0076】
図5を参照すると、スタック11は所与の接続帯域24Aの各々のポケット20について断面で示されており、周囲壁26は、有利には、ポケット20の開口端28を画定する末広がりの周縁27Aを備える。末広がりの周縁27Aは、モノポーラプレート13A/13Bの縁に対応しており、ここでは横断軸Tと平行に延びている。周縁27Aは、ポケット20の底29から離れて動くとき、正中面P12に対して発散する。各々の末広がりの周縁27Aは、接続帯域24Aが属するバイポーラプレート12の外側の縁の一部分である。末広がりの周縁27Aは、当該のポケット20に対応するピン22/25の挿入を容易にする。
【0077】
各々のポケット20について、全体の寸法L20は、ポケット20の2つの末広がりの周縁27Aの間で積み重ねの軸A11と平行に測定される最大距離であるとして定められる。全体の寸法L20と間隔L12とが図5に示されている。バイポーラプレート12のヘッドトゥーテールの搭載は、全体の寸法L20が間隔L12より大きいポケット20を提供することを可能にし、これは、より太く、延いてはより剛性のあるピン22の挿入を容易にする。
【0078】
各々の嵌め合い帯域24Bは、隣接する末広がりの周縁27Aを向いて延び、好ましくは、嵌め合い帯域24Bを向く接続帯域24Aに属する隣接する末広がりの周縁27Aと平行に延びる嵌め合い縁27Bを備える。各々の嵌め合い縁27Bは、嵌め合い帯域24Bが属するバイポーラプレート12の外側の縁の一部分である。各々の嵌め合い縁27Bは、ここでは、横断方向Tと平行に延びる。
【0079】
図5図8に図示されている例では、末広がりの周縁27Aと嵌め合い縁27Bとは、積み重ねの方向A11に沿って互いに並べられる。別の言い方をすれば、末広がりの周縁27Aと嵌め合い縁27Bとは、開口平面P28によって幾何学的に支えられる。
【0080】
割り込み手段30が、各々の末広がりの周縁27Aを隣接する嵌め合い縁27Bからある距離で保つ働きをし、これが2つの隣接するバイポーラプレート12の間の短絡の危険性を低下させることは、理解されるべきである。
【0081】
図5に図示されているように、各々のセル14について、膜電極接合体200は、セル14に関連する2つのバイポーラプレート12の間において、割り込み手段30によって有利に挟まれる。図5に示されている例では、保持フレーム206は、2つのバイポーラプレート12の間において、割り込み手段30によって挟まれている。
【0082】
概して、以後に記載されている実施形態についてを含め、スペーサ32のうちの1つまたは複数は、セル14の封止部の一部分によって形成され得る。同様に、スペーサ32のうちの1つまたは複数は、封止部とは異なってもよいが、セルの封止部のうちの少なくとも1つと同じ材料から作られてもよい。そのため、2つの場合において、スペーサ32は、封止部がモノポーラプレート13のうちの1つまたはMEA200にしっかりと取り付けられるかどうか、または、当該の封止部が自由な封止部であるかどうかに拘わらず、例えば、当該の封止部と同じ鋳造、型成形、またはオーバーモールドの動作の間など、封止部の形成と同じ動作の間に好ましくは作られる。
【0083】
本発明の代替の実施形態によるスタック211が図6に示されている。
【0084】
本発明の代替の実施形態では、他の実施形態の要素に類似の要素は、同じ符号を有し、同じ方法で機能する。各々の実施形態と先の実施形態との間の違いは、以後において説明されている。
【0085】
バイポーラプレート12が、封止された手法で一体に溶接または接合された2つのモノポーラプレート13によって形成される先の実施形態のスタック11と比べて、図6に示されているスタック211の場合は、2つのモノポーラプレート13の間に配置される取り付けられた封止部230の介在を伴う組み立てのために、各々のバイポーラプレート12が、互いに対する単純な圧縮によって組み立てられる2つのモノポーラプレート13から形成される例である。直接的に搭載された封止部230は、点線での矩形によって、図式的に、非限定的な様態で示されている。
【0086】
図6に示されている例では、各々のバイポーラプレート12について、割り込み手段30は、例えばエラストマ材料から、具体的にはシリコーンから作られる3つのスペーサ32を備え、スペーサ32のうちの2つは、バイポーラプレート12の嵌め合い帯域24Bの両側、バイポーラプレート12のアノード面と、バイポーラプレート12のカソード面とのそれぞれに配置され、一方、第3のスペーサ32は、バイポーラプレート12を形成する2つのカソードプレート13Aとアノードプレート13Bとの間に配置され、好ましくは、バイポーラプレート12の嵌め合い帯域にも配置される。好ましくは、3つのスペーサ32は、積み重ねの軸A11と平行な圧縮力に対処するように、積み重ねの軸A11に沿って並べられる。
【0087】
本発明の第2の実施形態によるスタック311が図7に示されている。先の実施形態と比べて、図7に示されているスタック311の場合には、各々のバイポーラプレート12のモノポーラプレート13Aおよび13Bは、バイポーラプレート12と関連する正中面P12からある距離で延びる隆起332を備え、隆起332は、嵌め合い帯域24Bに設けられ、向かい合う接続帯域24Aのポケット20に圧し掛かる。隆起332は、バイポーラプレート12の対応する面に浮き彫りを形成する。それによって、隆起332は割り込み手段30を形成する。各々のバイポーラプレート12について、関連するモノポーラプレート13Aおよび13Bはここでは一体に溶接されている。先に記載されているように、積み重ねの方向A11に沿って隆起332の寸法は、優先的には、受け入れられるセル14の製造公差および組立公差を許容する寸法のクリアランスを提供する。
【0088】
隆起332は、有利には、通路17の形成と一緒に形成され、より具体的には、スタンピングによって形成される。隆起332は、モノポーラプレート13A/13Bの各々と一体品で提供される。延いては、割り込み手段30は、ここではバイポーラプレート12と一体品で形成され、これは経済的であり、製作するのが迅速である。
【0089】
本発明の第2の実施形態によるスタック411が図8に示されている。先の実施形態に関して、より具体的には、特に図5に示されているスタック11に関して、図8に示されているスタック411の場合には、バイポーラプレート12のアノード面とバイポーラプレート12のカソード面とにそれぞれ配置される、各々のバイポーラプレート12と関連する割り込み手段30のスペーサ32は、材料の橋梁部434によって互いに繋げられている。割り込み手段30は、スペーサ32が、嵌め合い帯域24Bの両側において、つまり、バイポーラプレート12の各々の面において位置が定められるように、検討されているバイポーラプレート12の縁に搭載されており、より正確には、検討されているバイポーラプレート12の嵌め合い縁27Bに搭載されている。
【0090】
図示されている例では、材料の橋梁部434は、スペーサ32を互いに繋げる可撓性の壁である。好ましくは、材料の橋梁部434は、嵌め合い縁27Bを、反対の末広がりの周縁または末広がりの周縁27Aから電気的に絶縁するように、連続的な壁によって形成され、接続帯域24Aを向く嵌め合い縁27B全体を覆う。
【0091】
好ましくは、材料の橋梁部434は、バイポーラプレート12の嵌め合い縁27Bを若干挟むように、および、スタック411の組み立ての間に嵌め合い帯域24Bにおける所定位置で割り込み手段30を保持するように、あらかじめ形成される。有利には、割り込み手段30はバイポーラプレート12に接合される。
【0092】
変形(図示されていない)では、嵌め合い帯域24Bは、穿設された孔などの開口を備え、一方で、割り込み部材30は、例えば、穿設された孔に合致する鋲など、開口に合致する形状の突起を備え、開口と、合致する突起とは、割り込み部材30が対応する嵌め合い帯域24Bに搭載されるときに割り込み部材30の位置決めを容易にするように、合致する形状によって互いに協働する。
【0093】
本発明の第2の実施形態によるスタック511が図9に示されている。先の実施形態に関して、より具体的には、特に図5に示されているスタック11に関して、図9に示されているスタック511の場合には、スペーサ32は、モノポーラプレート13A/13Bではなく膜電極接合体200に留め付けられている。図示されている例では、スペーサ32はMEA200の保持フレーム206に留め付けられている。スタック511がひとたび形成されると、スペーサ32は、各々の接続帯域24Aと、互いを向く嵌め合い帯域24Bとの間に位置が定められ、割り込み手段30を形成する。
【0094】
図示されている例では、各々のスペーサ32は、膜電極接合体200の一方の側に、好ましくは嵌め合い帯域24Bの方へ配向される側に位置決めされ、積み重ねの方向A11に沿った中間平面P200に対するMEA200の周辺部分202のずれを低減する働きをし、膜電極接合体200の引き裂きの危険性を低減する。好ましくは、各々のスペーサ32は嵌め合い帯域24Bの平坦部分に圧し掛かる。先に記載されているように、積み重ねの方向A11に沿ったスペーサ32の寸法は、有利には、受け入れられるセルの製造公差および組立公差を許容する寸法のクリアランスを提供する。
【0095】
本発明の第2の実施形態によるスタック611が図10に示されている。先の実施形態に関して、具体的には、特に図9に示されているスタック511に関して、図10に示されているスタック611の場合、各々のスペーサ32は2つの半体のスペーサ33を備え、それら半体のスペーサ33は、膜電極接合体200の両側において、積み重ねの方向A11に沿って互いに対応して留め付けられ、これは、膜電極接合体200における力のより良好な分配を提供し、膜電極接合体200を引き裂く危険性を低減する。
【0096】
図11a)を参照すると、各々のバイポーラプレート12について、嵌め合い帯域24Bは、バイポーラプレート12の中心C12に関して、接続帯域24Aの反対に対称的に位置が定められている。接続帯域24Aと嵌め合い帯域24Bとはそれぞれ、正中面P12への投影において輪郭を有する。
【0097】
したがって、接続帯域24Aの輪郭は、ここでは上方から見られる末広がりの周縁27Aを含み、接続帯域24Aの輪郭の外部分33Aを形成する。図示されている例では、接続帯域24Aは、バイポーラプレート12の開口101のうちの1つであって、ここでは、3つの開口101の2つの列の一方の端に位置付けられる開口101のうちの1つの近くで延びており、接続帯域24Aは、接続帯域24Aの輪郭の内部分34Aを形成する。
【0098】
同様に、嵌め合い帯域24Bの輪郭は、ここでは上方から見られる嵌め合い縁27Bを含み、嵌め合い帯域24Bの輪郭の外部分33Bを形成する。嵌め合い帯域24Bは、3つの開口101の他方の列の開口101のうちの1つの近くで延びており、嵌め合い帯域24Bの輪郭の内部分34Bを形成する。
【0099】
好ましくは、接続帯域24Aの内部輪郭は、中心C12に関して、嵌め合い帯域24Bの内部輪郭と対称的である。それによって、2つのバイポーラプレートがヘッドトゥーテールで積み重ねられるとき、2つのバイポーラプレート12の第1のものの接続帯域24Aの内部輪郭は、他方のバイポーラプレート12の嵌め合い帯域24Bの内部輪郭に重ね合わされる。
【0100】
好ましくは、接続帯域24Aの外部輪郭は、中心C12に関して、嵌め合い帯域24Bの外部輪郭と対称的である。それによって、モノポーラプレート13Aおよび13Bは製造するのが容易である。
【0101】
図11b)に示されている例では、接続帯域24Aおよび嵌め合い帯域24Bは、図11a)のバイポーラプレート12に関して異なるように配置されており、接続帯域24Aおよび嵌め合い帯域24Bは、3つの開口101の対応する列の真ん中における開口101の近くで延びている。
【0102】
バイポーラプレート12の有利な変形が図12に示されている。前記変形によれば、各々の嵌め合い帯域24Bの外側の縁が、開口平面P28から後退して位置が定められている。図示されている例では、嵌め合い帯域24Bは、嵌め合い帯域24Bの外輪郭33Bが接続帯域24Aの外輪郭33Aから後退させられるように、切り欠き34を有する。切り欠き34の形状は限定ではない。図示されている例では、各々の嵌め合い縁27Bは、開口平面P28と平行であり、開口平面P28からある距離にある。各々の嵌め合い縁27Bについて、距離D28が、正中面P12と平行に、嵌め合い縁27Bと、向かい合う開口平面P28との間の最小距離として定められる。延いては、距離D28は、各々の嵌め合い帯域24Bと開口平面P28との間の距離でもあり、別の言い方をすれば、各々の嵌め合い帯域24Bと末広がりの周縁27Aとの間の距離でもある。
【0103】
図12に示されている例では、外輪郭33Bは直線的であり、そのため距離D28は、単に嵌め合い縁27Bと開口平面P28との間の距離である。先の実施形態では、距離D28はゼロまたは実質的にゼロである。
【0104】
後退させることを用いることで、積み重ねの方向A11に沿った末広がりの周縁27Aの末広がりを拡大させることが可能であり、これは、各々の末広がりの周縁27Aと、末広がりの周縁27Aと関連する嵌め合い縁27Bとの間の最小距離を維持し、具体的にはモジュール18の接続の間に、短絡の危険性を低減する一方で、ピン22/25の挿入を容易にする。
【0105】
それによって、各々の嵌め合い縁27Bは開口平面28から後退させられ、距離D28は1mm以上であり、他に好ましくは2mm以上であり、一方で好ましくは5mm未満である。
【0106】
本発明の他の態様が、図13図15を参照して説明される。より具体的には、モノポーラプレート13と膜電極接合体200との間の、各々のセル14の内部での封止部に注意が払われる。スタック11は、図13に部分的において示されており、ここではカソードプレート13Aであるモノポーラプレート13と、膜電極接合体200とが視認可能である。
【0107】
カソードプレート13Aと膜電極接合体200とはセル14の一部を形成しており、セル14は、第1の封止部とも呼ばれる周辺封止部300も備え、周辺封止部300は、積み重ねの方向A11に沿って、カソードポーラプレート13AとMEA200との間に介在させられる。周辺封止部300は主要部301とフィン302とを備える。周辺封止部300は、優先的にはエラストマ材料から作られ、燃料電池10において使用されるカソード流体に対して不浸透性である。より大まかには、周辺封止部300は、燃料電池10の動作流体の各々に対して不浸透性である。
【0108】
図14b)を参照すると、各々のアノードプレート13Bについて、スタック11は、アノードプレート13Bと、アノードプレート13Bの反対に位置が定められる膜電極接合体200との間に介在させられる周辺封止部300′を備える。カソードプレート13Aと関連する周辺封止部300に関して記載されている本発明の原理は、アノードプレート13Bと関連する周辺封止部300′に移すことができる。カソードプレート13Aと関連する周辺封止部300は、以後において説明されている。
【0109】
図示されている例では、第1の周辺封止部300は、例えばカソードポーラプレート13Aにオーバーモールドすることで、カソードポーラプレート13Aに形成される。代替で、周辺封止部300は、MEA200に形成される、または、MEA200のカソードポーラプレート13Aとは別にさらに形成される。
【0110】
主要部301は、連続的に延びる材料のビードであって、本例では、プレート13Aの周辺部全体にわたって周辺帯域102に沿って延びる閉輪郭、別の言い方をすれば閉ループを形成する材料のビードである。主要部301は流れ領域103を包囲し、同じ場合には均一化領域104が設けられ、開口101は流れ領域103を成す。図示されている例では、主要部301は台形の断面を有するが、このような形状は限定ではない。主要部301は、流れ領域103に沿って延び、ここでは長手方向Lと平行に延びる2つの長手方向部分301Aおよび301Bを備える。
【0111】
図示されている例では、周辺封止部300の主要部301は、プレート13Aのすての開口101を有利に包囲する。変形(図示されていない)では、他の封止部が、当該の流れ領域を供さない開口101の周りに設けられる。
【0112】
しかしながら、主要部301は接続帯域24Aも嵌め合い帯域24Bも包囲しない。
【0113】
カソードプレート13Aと膜電極接合体200とがスタック11の中で組み立てられるとき、主要部301は、周辺部分202に沿って、ここでは保持フレーム206に沿って、周辺部分202の周辺部を通じて、閉ループ状に延びる。主要部301は、周辺全体にわたって、カソードプレート13Aの周辺帯域102とMEA200の周辺部分202との間で、積み重ねの方向A11に沿って定められる空間を封止するように、積み重ねの方向A11に沿って周辺帯域102と周辺部分202との間に介在させられる。主要部301は、ガス拡散層205と、カソードプレート13Aに向けて配向された膜204の面とを包囲もする。
【0114】
カソードプレート13Aと膜電極接合体200とがスタック11の中で組み立てられるとき、主要部301、カソードポーラプレート13A、およびMEA200はそれらの間に区画室40を定め、ここではカソード区画室を定める。主要部301は、セル14の外側に対して、具体的には、カソード区画室40に関して主要部301を越えて位置が定められる外部帯域3に対して、カソード区画室40の封止を提供する。接続帯域24Aと嵌め合い帯域24Bとはカソード区画室40の外側に位置付けられており、ポケット20はそのモジュール18への接続のためにアクセス可能なままである。したがって、各々のセル14は、カソードプレート13Aおよびアノードプレート13Bのそれぞれと関連付けられる2つの区画室40を備え、セル14を画定する。
【0115】
第1の周辺封止部300の主要部301は、流れ領域103の両側に横断して各々配置される2つの反対の内部長手方向表面303を備え、各々の内部長手方向表面303は、主要部301の長手方向部分301Aまたは301Bにわたって延び、流れ領域103の方向に向けて配向させられる。各々の内部長手方向表面303は、積み重ねの方向A11においてカソードポーラプレート13Aの周辺帯域102をMEA200の周辺部分202に繋げる。
【0116】
各々のカソード区画室40は、周辺封止部300と流れ領域103との間で延び、流れ領域103を成す開口101に繋がる「迂回帯域50」と呼ばれる2つの部分を含む。より具体的には、各々の迂回帯域50は、それぞれの長手方向部分301Aまたは301Bと流れ領域103との間で延びる。概略的に、各々の迂回帯域50は、流れ領域103を成す2つの開口101の間で反応性流体が辿る、流れ領域103の周りの迂回路に対応する。
【0117】
各々の迂回帯域50が、積み重ねの方向A11に沿って、カソードポーラプレート13AとMEA200との間で画定され、長手方向Lに沿って延びる主要部301の一部分のために、横断方向Tに沿って、一方における流れ領域103およびガス拡散層205と、他方における周辺封止部300の主要部301との間で画定される。各々の迂回帯域50は、長手方向Lに沿って延び、流れ領域103に沿って延び、またはさらには一方の均一化領域104から他方の均一化領域104へと延びる。流れ領域103は、横断方向Tに沿って2つの迂回帯域50の間で延びる。
【0118】
フィン302の機能は、反応性流体が迂回帯域50において長手方向Lに沿って流されるのを低減すること、またはさらには防止することである。そのために、各々のフィン302は、フィン302が占める迂回帯域50の断面を少なくとも部分的に遮断し、その断面は長手方向Lに対して垂直に切り取られる。フィン302は、一方、他方、または両方のカソード迂回帯域50において、封止部300の主要部301に沿って分配される。各々のフィン302は、主要部301の内部表面303のうちの1つに取り付けられる。図示されている例では、フィン302は、主要部301の長手方向部分301Aおよび301Bの各々から突出する。各々のフィン302は、内部表面303から、全体で横断方向Tに沿って、流れ領域103の方向に向けて延びる。好ましくは、フィン302は主要部301との一体品で形成される。
【0119】
各々のフィン302は、連続的に、主要部301から始まって、接合部304と、中間部305と、端部306とを備える。
【0120】
各々のフィン302は、図示されている例では、有利には、正中面P12においてその接合部304と端部306との間に延在を平面において有する壁の形態であり、その延在は、直線的、間欠的、または湾曲の線の輪郭を有する、または、1つもしくは複数の真っ直ぐな線、1つもしくは複数の破線、および/または1つもしくは複数の曲線の組み合わせから成る輪郭を有する。
【0121】
フィン302は、内部表面303から延びる接合部304を用いて主要部301に結合される。本例では、接合部304は直線的であり、正中面P12への投影は、長手方向Lに対して垂直であり、つまり、横断方向Tと平行である。接合部304は、積み重ねの方向A11に沿って、ポーラプレート13の周辺帯域102とMEA200の周辺部分202との間に介在させられる。
【0122】
フィン302の中間部305は、接合部304に取り付けられ、接合部304を領域103の方向に沿って延ばす。本例では、中間部305は直線的であり、正中面P12へのその投影は、長手方向Lに対して斜めである。中間部305は、積み重ねの方向A11に沿って、周辺帯域102と周辺部分202との間に介在させられる。変形では、中間部305が長手方向Lと平行になる、つまり、主要部301と平行になることが提供されてもよい。より一般的には、中間部305は、横断方向Tに対して傾斜させられ、つまり、対応するフィン302が取り付けられる長手方向部分301Aまたは301Bに対して直交する方向に対して傾斜させられる。
【0123】
フィン302の端部306は、中間部305に取り付けられ、中間部305を領域103に向けて延ばす。端部306はフィン302を途切れさせる。本例では、端部306は直線的であり、正中面P12へのその投影は、長手方向Lに対して垂直であり、つまり、横断方向Tと平行である。
【0124】
フィン302の端部306の少なくとも1つの一部分は、接触部分307と呼ばれ、フィン302の自由端を含み、積み重ねの方向A11に沿って、ガス拡散層205と周辺帯域102との間に介在させられる。適切な場合、端部306が中間部305に取り付けられるのに通る端部306の他の一部分は、周辺帯域102と周辺部分202との間に介在させられる。
【0125】
図示されている例では、端部306と中間部305とは、それらの間に、110°から150°の間を有利には含む角度であって、ここでは120°の角度を形成する。中間部305と接合部304は、それらの間に、110°から150°の間を有利には含む角度であって、ここでは120°の角度を形成する。
【0126】
図14b)に示されているように、フィン302の接触部分307は、積み重ねの方向A11に沿った圧縮において、ガス拡散層205と周辺帯域102との間で弾性的に変形させられる。それによって接触部分307が圧縮されるため、接触部分307は、積み重ねの方向A11に沿って測定される厚さを有し、その厚さは、フィン302の残りの部分の厚さ、具体的には、接合部304および中間部305の厚さに満たない。フィン302の変形のない状態において、部分307が積み重ねの方向A11に沿ってフィン302の残りの部分と同じ厚さを初期に有することが提供され得る。接触部分307の圧縮の元でのこのような変形は、中間部305も変形させることができる。図示されているように、中間部305は、若干捩じれることで端部306の変形を受け入れる。中間部305が横断方向Tに対して傾斜させられるという事実は、層205と周辺帯域102との間の接触帯域307の平坦化に関する機械的応力が主要部301に加えられるのを防止し、この機械的応力は、逆に周辺封止部300の封止および/または寿命に悪影響を与えることになる。
【0127】
燃料電池10の使用の特定の条件の下で、具体的には、燃料電池10の冷間始動の間、水蒸気が区画室40の中で液体水へと凝縮することが起こり得る。例えば車両において、燃料電池10が使用中であるとき、スタック11は、概して横になるようにレイアウトされ、つまり、車両が水平な表面にあるとき、積み重ね方向A11が実質的に水平になり、一方で、スタックの横断方向Tは実質的に鉛直になる。そのため、2つの長手方向部分301Aおよび301Bは水平であり、周辺封止部300の長手方向部分301A/301Bの一方は、周辺封止部300の他の長手方向部分301B/301Aの上方に位置が定められる。図13および図15aに図示されている例では、図13の下における周辺封止部300の長手方向部分301Aは、同じ周辺封止部300の他の長手方向部分301Bの下に位置付けられている。そのため凝縮水は、下部にある周辺封止部300の長手方向部分301Aまたは301Bの同じものに堆積しようとする。
【0128】
図13および図15a)に示されている例では、カソードプレート13Aが視認可能であり、カソード流体は、図13の左に位置付けられる開口101のうちの1つから図13の右に位置付けられる開口101のうちの1つへと流れると仮定される。例えば、反応性流体は、カソードプレート13Aの左上に位置付けられる開口101から右下に位置付けられる開口101へと流れる。それによって、反応性流体は、迂回帯域50に沿って、同じ方向に沿って全体に流れ、ここでは長手方向Lに沿って右へと流れる。迂回帯域50に沿って反応性流体の循環は、図15a)における2つの矢印51Aおよび51Bによって概略的に描写されている。
【0129】
下部の長手方向部分301Aのフィン302は、反応性流体によって同伴される凝縮水の排出を容易にするように、下部の長手方向部分301Aと関連する迂回帯域50に沿って流れる反応性流体の流れの方向に沿って有利に配向される。別の言い方をすれば、下部の長手方向部分301Aのフィン302は、反応性流体の流れの方向に沿って、横断方向Tに対して同じ方向に沿って傾斜させられる。
【0130】
他方において、上記で言及されているように、スタック11の2つの連続したバイポーラプレート12がヘッドトゥーテールで積み重ねられる。図13および図15aを参照すると、前記図に示されているのと同じ配向に沿って第1のバイポーラプレート12を取ると、次に、積み重ねの方向A11を中心に180°で回転させられた第2のバイポーラプレート12、つまり、中心C12に対して対称性を得ることになる第2のバイポーラプレート12を取り上げることに相当する。別の言い方をすると、図13および図15a)において上部に示されている長手方向部分301Bは下部になるが、このような構成は示されていない。
【0131】
有利には、各々の周辺封止部300について、反対の長手方向部分301A、301Bに取り付けられたフィン302は、バイポーラプレート12がヘッドトゥーテールで配置される場合であっても、下部にある長手方向部分301Aまたは301Bのフィン302が反応性流体の流れの方向に沿って傾斜させられるように、横断方向Tに対して反対の方向に沿って傾斜させられる。それによって、上部において長手方向部分301Bに取り付けられたフィン302は、反応性流体の流れに対して反対方向に沿って、横断軸Tに対して傾斜させられる。
【0132】
同じバイポーラプレート12の2つの反対の面は、図15の挿絵a)およびb)においてそれぞれ示されており、カソードプレート13Aは挿絵a)に示されており、一方、アノードプレート13Bは挿絵b)に示されている。別の言い方をすれば、挿絵a)とb)との間に、同じバイポーラプレート12が、図15では鉛直である横断軸Tを中心に180°の回転によって反転させられている。
【0133】
図15a)のカソードプレート13Aを参照して定められる本発明の原理は、当然ながら図15b)のアノードプレート13Bについても有効であり、つまり、ここでは長手方向部分301Bである下の長手方向部分のフィン302が、アノードプレート13Bと関連する反応性流体の流れの方向と同じ方向に沿って、横断軸Tに対して傾斜させられている。それによって、同じ長手方向部分301Aまたは301Bに属するフィン302は、横断方向Tに対して同じ方向に沿って傾斜させられている。
【0134】
下部の長手方向部分301Aに属するフィン302の傾斜の方向が、対応する迂回帯域50に沿う反応性流体の流れの方向に従って選択されることは、理解されるべきである。図示されている例では、反応性流体の流れは、各々のバイポーラプレート12の両側において交差させられ、これは、ポーラプレート13Aおよび13Bが前から見られるとき、図15a)および図15b)に示されているように、流れが同じ方向で表されることを意味する。
【0135】
有利には、アノードプレート13Bの周辺封止部300について、反対の長手方向部分301A/301Bに属するフィン302は、横断方向Tに対して反対方向に沿って傾斜させられる。
【0136】
2つの代替の種類のフィン302′および302″を備える周辺結合部300が、図16aおよび図16b)にそれぞれ示されている。これまでのように、反応性流体が左から右へと流れることが仮定されている。
【0137】
図16a)では、先に記載されているフィン302に関して、端部306が中間部305と一列に並べられており、つまり、中間部305と端部306との結合によって形成された組立体が、横断方向Tに対して傾斜させられている。下部における長手方向部分301Aのフィン302′は、反応性流体の流れの方向に沿って傾斜させられており、一方、上部において長手方向部分301Bに取り付けられたフィン302′は、反応性流体の流れの反対方向に沿って傾斜させられている。
【0138】
図16b)では、先に記載されているフィン302に関して、接合部304が中間部305と一列に並べられており、つまり、中間部305と接合部304との結合によって形成された組立体が、横断方向Tに対して傾斜させられている。下部における長手方向部分301Aのフィン302″は、反応性流体の流れの方向に沿って傾斜させられており、一方、上部において長手方向部分301Bに取り付けられたフィン302″は、反応性流体の流れと反対の方向に沿って傾斜させられている。
【0139】
前述の実施形態および変形は、本発明の新たな実施形態を作り出すように、互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0140】
3 外部帯域
10 燃料電池
11 スタック
12 バイポーラプレート
13 モノポーラプレート
13A 第1のポーラプレート、カソードプレート
13B 第2のポーラプレート、アノードプレート
14 セル
16 端プレート
17 通路ネットワーク、通路
18 電気特性を測定するためのモジュール
20 ポケット
21 一方の端
22 ピン
23 列
24A 接続帯域
24B 嵌め合い帯域
25 追加のピン
26 周囲壁
26B 隆条部
27A 末広がりの周縁
27B 嵌め合い縁
28 開口端
29 底
30 割り込み手段、割り込み部材
32 スペーサ
33 半体のスペーサ
33A 末広がりの周縁27Aの輪郭の外部分
33B 嵌め合い帯域24Bの輪郭の外部分
34 切り欠き
34A 接続帯域24Aの輪郭の内部分
34B 嵌め合い帯域24Bの輪郭の内部分
40 区画室
50 迂回帯域
51A、51B (反応性流体の循環の)矢印
101 開口
102 周辺帯域
103 流れ領域、流れ室
104 均一化領域
105 通路
200 膜電極接合体、MEA
201 開口
202 周辺部分
203 中心部分
204 膜
205 ガス拡散層、GDL
206 保持フレーム
211 スタック
230 封止部
300、300′ 第1の封止部、周辺封止部、周辺結合部
301 主要部
301A、301B 長手方向部分
302、302′、302″ フィン
303 内部長手方向表面
304 接合部
305 中間部
306 端部
307 接触部分、接触帯域
311 スタック
332 隆起
411 スタック
434 材料の橋梁部
511 スタック
611 スタック
A11 積み重ねの軸、積み重ねの方向
C12 中心
D20 接続の方向
D28 距離
L 長手方向
L12 間隔
L20 全体の寸法
P12 正中面
P28 開口平面
P200 中間平面
T 横断方向、横断軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a)】
図11b)】
図12a)】
図12b)】
図13
図14a)】
図14b)】
図15
図16a)】
図16b)】
【手続補正書】
【提出日】2024-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池(10)のスタック(11;211;・・・;611)であって、
互いに同一であり、正中面(P12)に沿って各々が延び、前記正中面と直交する積み重ねの方向(A11)に沿って積み重ねられる複数のバイポーラプレート(12)であって、2つの連続したバイポーラプレート(12)がそれらの間にスタックのセル(14)を形成する、複数のバイポーラプレート(12)を備え、
各々のバイポーラプレート(12)は、重ね合わされ、前記バイポーラプレート(12)の1つの端(21)において少なくとも1つのポケット(20)を一緒に形成する2つのモノポーラプレート(13A、13B)によって形成され、各々のポケット(20)は、前記燃料電池を測定するために、モジュール(18)のピン(22)を受け入れるように構成される端開口(28)を有し、
任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)はヘッドトゥーテールで積み重ねられている、スタック(11;211;・・・;611)。
【請求項2】
各々のポケット(20)は、スタック(11)の長手方向(L)と平行である接続の方向(D20)に沿って前記端開口(28)を通じて開放し、長手方向は前記積み重ねの方向(A11)と直交し、
任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)について、2つの前記バイポーラプレートの一方の各々のポケット(20)の接続の方向(D20)は、他方のバイポーラプレートの各々のポケットの接続の方向と反対に配向される、請求項1に記載のスタック(11;211;・・・;611)。
【請求項3】
各々のバイポーラプレート(12)は、前記バイポーラプレートの前記少なくとも1つのポケット(20)が形成される接続領域(24A)と、前記バイポーラプレート(12)の中心(C12)に対して前記接続領域(24A)の反対に位置付けられる嵌め合い領域(24B)とを備え、
任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)について、2つの前記バイポーラプレートの一方の接続帯域(24A)は、前記積み重ねの方向(A11)に沿って他方のバイポーラプレートの嵌め合い帯域(24B)の反対に配置され、
前記スタックは、前記ポケットと関連する前記ピン(22)が前記ポケットへ挿入されるときに前記接続帯域の各々のポケット(20)の変形を制限するように、各々の接続帯域(24A)と反対の前記嵌め合い帯域(24B)との間に介在させられる割り込み手段(30)をさらに備えている、請求項1または2に記載のスタック(11;211;・・・;611)。
【請求項4】
前記嵌め合い帯域(24B)は、前記ポケットと関連する前記ピン(22)が前記ポケットへ挿入されるときに前記接続帯域の各々のポケット(20)の変形を制限して前記割り込み手段(30)を形成するように、前記モノポーラプレート(13A、13B)から突出して設けられ、向かい合う前記接続帯域(24A)に向けて延びる隆起(332)を備えている、請求項3に記載のスタック(311)。
【請求項5】
前記割り込み手段(30)は、各々の接続帯域(24A)と、反対の前記嵌め合い帯域(24B)との間に介在させられるスペーサ(32)を備え、
各々のスペーサ(32)は前記嵌め合い帯域(24B)に留め付けられる、
請求項3に記載のスタック(11;211;411;611)。
【請求項6】
各々のバイポーラプレート(12)は外側アノード面と外側カソード面とを備え、
所与のバイポーラプレート(12)について、前記バイポーラプレートの前記嵌め合い帯域(24B)は、前記バイポーラプレート(12)の前記外側アノード面に留め付けられるスペーサ(32)と、前記バイポーラプレート(12)の前記外側カソード面に留め付けられるスペーサ(32)とを備えている、請求項5に記載のスタック(11;211)。
【請求項7】
各々のバイポーラプレート(12)は外側アノード面と外側カソード面とを備え、
所与のバイポーラプレート(12)について、前記割り込み手段(30)は3つのスペーサ(32)を備え、前記スペーサ(32)のうちの2つは、前記バイポーラプレート(12)の前記嵌め合い帯域(24B)の両側、前記バイポーラプレート(12)の前記外側アノード面と、前記バイポーラプレート(12)の前記外側カソード面とのそれぞれに配置され、一方、第3の前記スペーサ(32)は、前記バイポーラプレート(12)を形成する2つの前記モノポーラプレート(13A、13B)の間に配置される、請求項5に記載のスタック(211)。
【請求項8】
前記割り込み手段(30)は、各々の接続帯域(24A)と、反対の前記嵌め合い帯域(24B)との間に介在させられるスペーサ(32)を備え、
各々のバイポーラプレート(12)について、前記プレートと関連する前記割り込み手段(30)は、前記スペーサ(32)同士を繋げる材料の橋梁部(434)を備え、
前記割り込み手段は、前記スペーサ(32)が前記嵌め合い帯域(24B)の両側に位置付けられるように、関係する前記バイポーラプレート(12)の縁(27B)に搭載されている、請求項5に記載のスタック(411)。
【請求項9】
前記割り込み手段(30)は、各々の接続帯域(24A)と、反対の前記嵌め合い帯域(24B)との間に介在させられるスペーサ(32)を備え、
当該スタックは、2つの連続したバイポーラプレート(12)の間に各々が受け入れられ、2つの前記バイポーラプレートと関連する前記接続帯域(24A)と、向かい合う前記嵌め合い帯域(24B)との間で延びる膜電極接合体(200)をさらに備え、
前記スペーサ(32)のうちのいくつかは前記膜電極接合体(200)に留め付けられている、請求項3に記載のスタック(511;611)。
【請求項10】
前記スペーサ(32)はエラストマ材料から作られる、請求項5に記載のスタック(11;211)。
【請求項11】
各々のバイポーラプレート(12)は、前記バイポーラプレートの前記少なくとも1つのポケット(20)が形成される接続領域(24A)と、前記バイポーラプレート(12)の中心(C12)に対して前記接続領域(24A)の反対に位置付けられる嵌め合い領域(24B)とを備え、
任意の2つの連続したバイポーラプレート(12)について、2つの前記バイポーラプレートの一方の接続帯域(24A)は、積み重ねの方向(A11)に沿って他方のバイポーラプレートの嵌め合い帯域(24B)の反対に配置され、
前記接続帯域(24A)は2つの列(23)へと分割され、前記2つの列は前記積み重ねの方向(A11)に沿って延び、
各々の列について、前記列の前記ポケット(20)の端開口(28)は、積み重ねの軸(A11)と平行である開口平面(P28)によって幾何学的に支持され、一方、前記列の前記接続帯域(24A)と関連する前記嵌め合い帯域(24B)は、1mmから5mmの間に含まれ、好ましくは2mm以上である前記開口平面(P28)からのある距離(D28)において、前記開口平面(P28)から後退させられる、請求項1または2に記載のスタック(11)。
【請求項12】
当該スタックの少なくとも1つのセル(14)について、前記セルは、
第1のポーラプレート(13A)であって、
周辺帯域(102)、および、
周辺領域(102)によって包囲される反応性流体の流れ領域(103)
を備える第1のポーラプレート(13A)と、
積み重ねの方向(A11)に従って前記第1のポーラプレート(13A)に重ね合わされる膜電極接合体(200)であって、
前記積み重ねの方向(A11)に沿って前記周辺帯域(102)を向く周辺部分(202;402)、
プロトン交換高分子膜(204)を備え、前記周辺部分(202;402)によって包囲される中心部分(203)、および、
前記積み重ねの方向(A11)に沿って、前記プロトン交換高分子膜(204)と前記第1のポーラプレート(13A)の前記流れ領域(103)との間に介在させられる少なくとも1つのガス拡散層(205)
を備える膜電極接合体(200)と、
第1の周辺封止部(300)であって、
前記積み重ねの方向(A11)に沿って、前記周辺帯域(102)と前記膜電極接合体(200)の前記周辺部分(202)との間に介在させられる主要部(301)であって、前記流れ領域(103)と、前記流れ領域と関連する前記ガス拡散層(205)とを包囲し、一方における、前記セル(14)の内部において、前記膜電極接合体(200)の前記周辺部分(202;402)と前記周辺帯域(102)との間で画定される前記セル(14)の区画室(40)と、他方における、前記区画室(40)を向く前記主要部(301)を越えて前記セルの外部の帯域との間で、反応性流体に対して封止部を提供する主要部(301)、および、
主要部分から前記区画室へと延びるフィン(302)
を備える第1の周辺封止部(300)と
を備え、
前記主要部(301)は、前記積み重ねの方向(A11)と直交する長手方向(L)と平行に各々が延び、前記流れ領域(103)に沿って延び、前記流れ領域の両側に配置される2つの長手方向部分(301A、301B)を備え、前記区画室(40)は、一方における、それぞれの長手方向部分と、他方における、前記流れ領域(103)および前記流れ領域と関連する前記ガス拡散層(205)との間で各々が画定される2つの迂回帯域(50)を備え、
各々の長手方向部分について、少なくとも1つのフィン(302;302′;302″)が、前記長手方向部分から、対応する迂回領域(50)へと延び、
各々のフィンは、
前記フィンが対応する前記長手方向部分(301A、301B)に取り付けられるのに介される接合部(304)と、
前記積み重ねの方向(A11)に沿って、前記ガス拡散層(205)と前記周辺帯域(102)との間に介在させられる端部(306)と、
前記接合部(304)を前記端部(306)に繋げる中間部(305)であって、前記積み重ねの方向(A11)および前記長手方向(L)と直交する横断方向(T)に対して、前記正中面(P12)への投影において傾斜させられる中間部(305)と
を備え、
各々の長手方向部分について、前記長手方向部分に取り付けられる前記フィンは、前記横断方向に対して同じ方向に沿って傾斜させられ、
当該スタックが動作構成にあるとき、下部に位置付けられる前記長手方向部分に取り付けられる前記フィンが、前記第1のポーラプレート(13A)と関連付けられる反応性流体の流れと同じ方向に傾斜させられる、請求項1または2に記載のスタック(11)。
【請求項13】
各々の周辺封止部について、反対の長手方向部分(301A、301B)に取り付けられる前記フィン(302;320′;302″)は、前記横断方向(T)に対して反対方向に沿って傾斜させられる、請求項12に記載のスタック(11)。
【請求項14】
請求項1または2に記載のスタック(11)と、
前記スタック(11)の両側における2つの端プレート(16)と、
前記セル(14)の電気的特性を測定するように各々構成される、複数の測定モジュール(18)であって、各々のモジュール(18)がそれぞれのポケット(20)に各々接続されるピン(22)を備えている、複数の測定モジュール(18)と
を備えている、燃料電池(10)。
【請求項15】
請求項14に記載の燃料電池(10)を少なくとも1つ備えている、車両。
【国際調査報告】