(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】杭打用形材
(51)【国際特許分類】
E02D 5/28 20060101AFI20250130BHJP
H02S 20/10 20140101ALI20250130BHJP
【FI】
E02D5/28
H02S20/10 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543185
(86)(22)【出願日】2023-02-01
(85)【翻訳文提出日】2024-09-11
(86)【国際出願番号】 EP2023052474
(87)【国際公開番号】W WO2023152006
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】102022103126.8
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524271690
【氏名又は名称】エスエル ラック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100227329
【氏名又は名称】延原 愛
(72)【発明者】
【氏名】シュレッター,ルートヴィヒ
【テーマコード(参考)】
2D041
【Fターム(参考)】
2D041AA02
2D041BA31
2D041DB02
(57)【要約】
本発明は、好ましくは屋外太陽光発電設備用の杭打用形材であって、本体と、本体から延びる2つのリムとを備え、リム端部はそれぞれ内側に曲げられ、追加の杭打用形材と積み重ねるための積載ストッパを形成する、杭打用形材に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくはフリーフィールド太陽光発電設備のための杭打用形材(10’)であって、
本体(12)と、
前記本体(12)から延びる2つのリム(16)であって、前記リムの端部(18)はそれぞれ内側に曲げられ、追加の杭打用形材(10)と積み重ねるための積載ストッパを形成する、2つのリム(16)と
を備える杭打用形材(10’)。
【請求項2】
前記リムはそれぞれ、追加の杭打用形材(10’’)の積載ストッパのための嵌合ストッパとして機能する窪み(20)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の前記杭打用形材(10’)。
【請求項3】
前記リム(16)は、前記本体(12)に対して外方に角度が付けられることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の前記杭打用形材(10’)。
【請求項4】
リム(16)は、前記本体(12)と90°~140°の角度(W)を成すことを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の前記杭打用形材(10’)。
【請求項5】
前記本体(12)は、少なくとも1つの内側に曲げられたビード(15)を備えることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の前記杭打用形材(10’)。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の少なくとも2つの杭打用ポール(10、10’、10’’、10’’’)を有するシステムであって、前記杭打用ポール(10、10’、10’’、10’’’)は輸送位置において積み重ね可能である、または積み重ねられるように構成される、システム。
【請求項7】
好ましくは請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の杭打用ポール(10、10’、10’’、10’’’)の自動組立方法であって、
水平輸送位置では、少なくとも第1の杭打用形材(10)は第2の杭打用形材(10’)上に積み重ねられることになり、または積み重ねられ、前記第1の杭打用形材(10)は、好ましくはグリッパを使用して、垂直打込位置に配置される、自動組立方法。
【請求項8】
前記第1の杭打用形材(10)は、打込ヘッドを使用して地面に打ち込まれることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の杭打用形材(10’)は、好ましくはグリッパを使用して、垂直打込位置に配置されることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の前記方法。
【請求項10】
前記第2の杭打用形材(10’)は、打込ヘッドを使用して地面に打ち込まれることを特徴とする、請求項9に記載の前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくはフリーフィールド太陽光発電設備のための杭打用形材に関する。
【背景技術】
【0002】
フリーフィールド太陽光発電設備において、ソーラーパネルは基礎構造に取り付けられる。ここで、基礎構造は、多くの場合、地面に打ち込まれる杭打用形材を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これまでは、杭打用形材を、全てではないにしても、鏡像的にのみ留めることが可能であった。そのため、杭打用形材を手で取り外し、回転させて組み立てなければならず、その結果、このプロセスは機械的要求が厳しく、時間がかかるプロセスとなる。
【0004】
したがって、本発明の目的は、杭打用形材と、自動組立を可能にする方法とを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立請求項の主題および方法によって達成される。
【0006】
本発明によれば、杭打用型材は、好ましくは、フリーフィールド太陽光発電設備の基礎構造の一部として使用され、および/または構成され得る。
【0007】
例えば、杭打用形材は、確実な基礎を確保するために地面に打ち込まれ得る。
【0008】
杭打用形材は、本体と、本体から延びる2つのリムとを備える。
【0009】
好ましくは、本体および/またはリムは、平坦および/またはプレート状に構成される。
【0010】
例えば、本体および/またはリムは、金属材料を含む、または金属材料からなる。
【0011】
杭打用形材の長さ、好ましくは本体および/またはリムの長さは、2.5m~4.5mの範囲であり得る。
【0012】
好ましくは、リムは、本体に対して同じ側に延びる。
【0013】
例えば、リムは、軸対称であるように構成され得る。
【0014】
例えば、リムは、本体においてU字状またはV字状に配置され得る。
【0015】
好ましくは、本体およびリムは、一体的に構成される。このことにより、製造コストを低減することができる。
【0016】
好ましくは本体に対向する、または本体から離れる方を向くリム端部は、それぞれ内側に曲げられ、追加の杭打用形材と共に積み重ねるための積載ストッパを形成する。
【0017】
好ましくは、追加の杭打用形材は、同一の構造を有する。
【0018】
例えば、リム端部は、丸みを帯びた端部または面取りされた端部であり得る。
【0019】
積載ストッパは、複数の杭打用形材を、例えばマガジン内に、上下に積み重ねることを可能にする。
【0020】
内側に曲げられたリム端部により、積載ストッパは、例えば、異なる杭打用形材の本体が確実に互いに離間されるようにする。
【0021】
このことにより、杭打用形材を、例えばグリッパを使用して、自動的に順次取り外すことができる。したがって、このことにより、杭打用形材を自動的に組み立てることが可能になる。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項、明細書、および添付図面に示されている。
【0023】
一実施形態によれば、リムはそれぞれ、追加の杭打用形材の積載ストッパのための嵌合ストッパとしての窪みを備える。
【0024】
例えば、窪みは、丸みを帯びた窪みまたは角張った窪みであり得る。
【0025】
好ましくは、窪みは、杭打用形材の全長にわたって延在し得る。
【0026】
ある意味では、窪みは積載ストッパの停止位置を規定する。
【0027】
さらに、窪みは、積み重ねられた杭打用形材が輸送位置にあるときに意図せずに互いから離脱しないように、一定の基礎となる。
【0028】
別の実施形態によれば、リムは、本体に対して外方に角度が付けられる。
【0029】
外方に角度が付けられたリムにより、杭打用形材は互いに積み重ねられ得る。
【0030】
杭打用形材は、少なくとも部分的に、下の杭打用形材から把持され得る。
【0031】
別の実施形態によれば、リム、好ましくは両方のリムは、本体と90°~140°の角度を成す。
【0032】
好ましくは、角度は、100°~130°の範囲、例えば115°であり得る。
【0033】
例えば、角度は、90°よりも大きい角度であり得る。
【0034】
別の実施形態によれば、本体は、少なくとも1つの内側に配向されたビードを備える。
【0035】
例えば、ビードは、丸みを帯びたビードまたは角張ったビードであり得る。
【0036】
好ましくは、ビードは、杭打用形材の全長にわたって延在し得る。
【0037】
好ましくは、2つ以上のビードが(例えば、平行に配向されて)設けられる。
【0038】
ビードは、杭打用形材の安定性を向上させる。したがって、杭打用形材は、地面に打ち込まれている間に変形しない。
【0039】
例えば、本体は、バインダを取り付けるための凹部を備え得る。好ましくは、凹部は、本体の中央に設けられる。
【0040】
2つのビードが設けられる場合、凹部はビード間に配置され得る。
【0041】
ビードが内側に配向されることで、ビードはバインダの取り付けを妨害しない。
【0042】
さらに、本発明は、本発明に係る少なくとも2つの杭打用形材を有するシステムに関する。
【0043】
杭打用形材は、輸送位置にあるときに、積み重ね可能であるように、または積み重ねられるように構成される。
【0044】
好ましくは、杭打用形材は、上下に積み重ねられた2つの杭打用形材の本体が互いに離間され、そのことにより、自動的な取り外しが可能になるように、積み重ね可能であるか、または積み重ねられる。
【0045】
好ましくは、これらの杭打用形材は、同様に配向される。例えば、杭打用形材の本体は、下方に配向され得る。
【0046】
上下に積み重ねられた複数の杭打用形材は、それぞれマガジンを形成し得る。
【0047】
最後に、本発明は、好ましくは本発明の杭打用形材の自動組立方法に関する。
【0048】
水平輸送位置では、少なくとも1つの第1の杭打用形材が第2の杭打用形材の上に積み重ねられる。例えば、杭打用形材は、マガジン内に積み重ねられてもよい、または積み重ねられる。
【0049】
例えば、杭打用形材またはマガジンは、車両(例えば、ホイールローダ)上に配置され得る。
【0050】
例えば、異なるサイズの杭打用形材またはマガジンが設けられ得る。
【0051】
好ましくは、全ての杭打用形材は、同様に配向される。例えば、杭打用形材の本体は、下方に配向され得る。
【0052】
第1の杭打用形材は、好ましくはグリッパによって、垂直打込位置に配置される。
【0053】
例えば、グリッパは、マガジンの最上位の杭打用形材を取り外し、それを90°回転させることができる。
【0054】
一実施形態によれば、第1の杭打用形材は、打込ヘッドを使用して地面に打ち込まれる。
【0055】
この場合、杭打用形材は、グリッパによって保持されることが好ましい。
【0056】
別の実施形態によれば、第2の杭打用形材は、好ましくはグリッパによって、垂直打込位置に配置される。
【0057】
杭打用形材は、順次取り外され、組み立てられ得る。
【0058】
別の実施形態によれば、第2の杭打用形材は、打込ヘッドを使用して地面に打ち込まれる。
【0059】
杭打用形材は、順次地面に打ち込まれ得る。
【0060】
したがって、第3、第4、第5の杭打用形材などに対して同じプロセスが行われ得る。
【0061】
このように、本発明の方法は、杭打用形材を自動的に組み立てることを可能にする。
【0062】
好ましくは、本明細書に記載する装置の全ての実施形態および構成要素は、本明細書に記載する方法を用いて組み立てられるように構成される。さらに、本明細書に記載する装置の全ての実施形態および本明細書に記載する方法の全ての実施形態は、好ましくは、それらが言及される文脈における特定の構成に拘束されることもなく、それぞれ互いに組み合わせられ得る。
【0063】
以下に、図面を参照しながら本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本発明に係る杭打用形材の一実施形態の斜視図である。
【
図2】本発明に係る複数の積み重ねられた杭打用形材の一実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
まず、図示されている実施形態は、例示的なものにすぎないことに留意されたい。したがって、個々の特徴は、示されている組み合わせだけでなく、それ自体単独で、または他の技術的に実現可能な組み合わせで実施されてもよい。例えば、ある実施形態の特徴は、別の実施形態の特徴と任意に組み合わされてもよい。好ましくは、ビードおよび/または凹部の数および/または位置は、変わる場合がある。さらに、より多くのまたはより少ない杭打用形材が設けられてもよい。
【0066】
図面が本明細書の直接関連する本文において説明されていない参照符号を含む場合、図面の説明における対応する前後の説明を参照する。したがって、図中の同一または類似の構成要素には同じ参照符号を使用し、それらについては再度説明しない。
【0067】
図1は、本体12を有する杭打用形材10’を示す。本体12は、例えばバインダ(図示せず)を取り付けることができる中央凹部14を備える。
【0068】
さらに、本体12は、互いに平行に配向された2つのビード15を備える。ビード15は、杭打用形材10’の安定性を向上させる。
【0069】
さらに、杭打用形材10’は、本体12から延びるリム16を備える。
【0070】
リム端部18はそれぞれ内側に曲げられており、追加の杭打用形材と積み重ねるための積載ストッパを形成する。
【0071】
積み重ねをさらに容易にするために、リム16はそれぞれ窪み20を備え得る。窪み20は、ビード15と同様に、杭打用形材10’の全長にわたって延在し得る。
【0072】
図2は、異なるサイズの複数の積み重ねられた杭打用形材10、10’、10’’、10’’’を示す。第1の杭打用形材10は、第2の杭打用形材10’上にそれぞれ積み重ねられる。次に、第2の杭打用形材10’が第3の杭打用形材10’’の上に積み重ねられ、次に、第3の杭打用形材10’’が第4の杭打用形材10’’’の上に積み重ねられ、以下同様の形で積み重ねられる。
【0073】
第4の杭打用形材10’’’のリム端部18は、第3の杭打用形材10’’の窪み20と係合する。次に、第3の杭打用形材10’’のリム端部18は、第2の杭打用形材10’の凹部20と係合し、第2の杭打用形材10’のリム端部18は、第1の杭打用形材10の凹部20と係合する。
【0074】
リム16は、本体12と鈍角Wを成す。したがって、杭打用形材10、10’、10’’、10’’’は、少なくとも部分的に互いに積み重ねられ得る。
【0075】
上下に配置された杭打用形材10、10’、10’’、10’’’はそれぞれ、内側に曲げられたリム端部18上に載置される。その結果、杭打用形材10、10’、10’’、10’’’の本体12およびリム16は、(例えばグリッパを使用して)自動的に把持され得るように、互いに離間される。
【0076】
符号の説明
10、10’、10’’、10’’’ 杭打用形材
12 本体
14 凹部
15 ビード
16 リム
18 リム端部
20 窪み
W 角度
【手続補正書】
【提出日】2024-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーフィールド太陽光発電設備のための杭打用形材(10’)であって、
本体(12)と、
前記本体(12)から延びる2つのリム(16)であって、前記リムの端部(18)はそれぞれ内側に曲げられ、追加の杭打用形材(10)と積み重ねるための積載ストッパを形成する、2つのリム(16)と
を備える杭打用形材(10’)。
【請求項2】
前記リムはそれぞれ、追加の杭打用形材(10’’)の積載ストッパのための嵌合ストッパとして機能する窪み(20)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の前記杭打用形材(10’)。
【請求項3】
前記リム(16)は、前記本体(12)に対して外方に角度が付けられることを特徴とする、請求項
1に記載の前記杭打用形材(10’)。
【請求項4】
前記リム(16)は、前記本体(12)と90°~140°の角度(W)を成すことを特徴とする、請求項
1に記載の前記杭打用形材(10’)。
【請求項5】
前記本体(12)は、少なくとも1つの内側に曲げられたビード(15)を備えることを特徴とする、請求項
1に記載の前記杭打用形材(10’)。
【請求項6】
請求項
1に記載の少なくとも2つの杭打用ポール(10、10’、10’’、10’’’)を有するシステムであって、前記杭打用ポール(10、10’、10’’、10’’’)は輸送位置において積み重ね可能である、または積み重ねられるように構成される、システム。
【請求項7】
請求項
1に記載の杭打用ポール(10、10’、10’’、10’’’)の自動組立方法であって、水平輸送位置では、少なくとも第1の杭打用形材(10)は第2の杭打用形材(10’)上に積み重ねられることになり、または積み重ねられ、前記第1の杭打用形材(10)は、好ましくはグリッパを使用して、垂直打込位置に配置される、自動組立方法。
【請求項8】
前記第1の杭打用形材(10)は、打込ヘッドを使用して地面に打ち込まれることを特徴とする、請求項7に記載の
前記方法。
【請求項9】
前記第2の杭打用形材(10’)は
、垂直打込位置に配置され
、打込ヘッドを使用して地面に打ち込まれることを特徴とする、請求項
7に記載の前記方法。
【国際調査報告】