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特表2025-503915改良された酸化技術を用いた水処理のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】改良された酸化技術を用いた水処理のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/72 20230101AFI20250130BHJP
   C02F 1/24 20230101ALI20250130BHJP
   C02F 1/32 20230101ALI20250130BHJP
   C02F 1/70 20230101ALI20250130BHJP
   B01J 35/39 20240101ALI20250130BHJP
【FI】
C02F1/72 101
C02F1/24 B
C02F1/32
C02F1/70 Z
B01J35/39
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024543377
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2024-09-17
(86)【国際出願番号】 IB2022050422
(87)【国際公開番号】W WO2023139403
(87)【国際公開日】2023-07-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524273568
【氏名又は名称】ポンリキタノン, アピチェット
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ポンリキタノン, アピチェット
【テーマコード(参考)】
4D037
4D050
4G169
【Fターム(参考)】
4D037AA11
4D037AB01
4D037AB02
4D037AB03
4D037AB08
4D037AB11
4D037AB12
4D037AB13
4D037AB14
4D037AB15
4D037AB16
4D037AB17
4D037BA01
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4D037BB05
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4D037CA07
4D037CA09
4D037CA11
4D050AA13
4D050AA15
4D050AB06
4D050AB07
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4D050AB16
4D050AB17
4D050AB24
4D050AB25
4D050AB31
4D050AB35
4D050AB41
4D050AB47
4D050AB52
4D050AB54
4D050AB56
4D050AB64
4D050BA04
4D050BB01
4D050BB09
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4D050BC09
4D050BD02
4D050BD06
4D050CA04
4D050CA15
4D050CA17
4G169AA03
4G169AA15
4G169BA01A
4G169BA02A
4G169BA04A
4G169BA10A
4G169BA48A
4G169BB04A
4G169BC21A
4G169BC22A
4G169BC31A
4G169BC32A
4G169BC35A
4G169BC36A
4G169BC43A
4G169BC50A
4G169BC51A
4G169BC54A
4G169BC58A
4G169BC60A
4G169BC62A
4G169BC66A
4G169BC67A
4G169BC68A
4G169BC70A
4G169BC72A
4G169BC75A
4G169CA05
4G169CA07
4G169CA16
4G169DA06
4G169HA01
4G169HE05
4G169HF02
(57)【要約】
改良された促進酸化技術を使用する水処理のための方法が開示される。本方法は、活性酸素種を生成すること、及び水及び生成された活性酸素種を、水を処理するための触媒反応器に受け入れることを含む。改良された促進酸化技術を使用する水処理のためのシステムも開示される。本システムは、水の供給部と、活性酸素種を生成するための酸化チャンバと、水及び生成された活性酸素種を受け入れて水を処理するために、水の供給部及び酸化チャンバに動作可能に結合された触媒反応器とを備える。さらに、本システムは、溶解空気浮選技術を使用して供給された水を前処理するために、水の供給部に結合された溶解空気浮選装置を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良された促進酸化技術を使用する水処理のための方法であって、
活性酸素種を生成すること、及び
水及び前記生成された活性酸素種を、水を処理するための触媒反応器に受け入れること
を含む、方法。
【請求項2】
前記水が、前記触媒反応器に受け入れられる前に前処理され、前記水が、溶解空気浮選技術又は濾過技術を使用して前処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶解空気浮選技術がナノ溶解空気浮選技術である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記活性酸素種が、少なくとも1つの酸化触媒及び光の存在下で、酸素(O)を含むガスの供給から生成されるオゾンの酸化によって生成され、
前記光が電磁スペクトルの紫外波長範囲内にあり、
前記少なくとも1つの酸化触媒が、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つであり、
前記少なくとも1つの酸化触媒及び前記光の第1の組み合わせが、オゾンを酸化して前記活性酸素種を形成し、
前記少なくとも1つの酸化触媒及び前記光の第2の組み合わせが、水素(H)を含む物質の存在下でオゾンを酸化して過酸化水素を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記活性酸素種が、スーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル、ヒドロキシルイオン、ペルオキシルラジカル、アルコキシルラジカル、ヒドロペルオキシルラジカル、ペルヒドロキシルラジカル、ペルオキシドラジカル、過酸化水素、一重項酸素のうちの少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒反応器が、
電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための光源と、
酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛から選択される少なくとも1つの酸化触媒と、
前記水、前記生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素を内部に受け入れるための複数の入口と、
処理された水を前方に移動させるための出口と
を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの酸化触媒が充填床触媒として配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒反応器が、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化バリウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの還元触媒をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの還元触媒が充填床触媒として配置される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
清浄水を生成するために、前記処理された水を追加の溶解空気浮選装置及び好気性反応器のうちの少なくとも1つに供することをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
促進酸化技術を使用する水処理のためのシステムであって、
水の供給部と、
活性酸素種を生成するための酸化チャンバと、
前記水及び前記生成された活性酸素種を受け入れて前記水を処理するために、前記水の供給部及び前記酸化チャンバに動作可能に結合された触媒反応器と
を備える、システム。
【請求項12】
前記供給された水を前処理するために、前記水の供給部に結合された溶解空気浮選装置又は濾過装置をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記溶解空気浮選技術がナノ溶解空気浮選技術である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記酸化チャンバが、少なくとも1つの酸化触媒及び光の存在下で、酸素(O)を含むガスの供給から生成されるオゾンの酸化によって前記活性酸素種を生成し、前記酸化チャンバが、
オゾン(O)を含むガスを前記酸化チャンバ内に供給するための入口と、
電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための光源と、
酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの酸化触媒であって、
前記少なくとも1つの酸化触媒及び前記光の第1の組み合わせが、オゾンを酸化して前記活性酸素種を形成し、
前記少なくとも1つの酸化触媒及び前記光の第2の組み合わせが、水素(H)を含む物質の存在下でオゾンを酸化して過酸化水素を形成する、酸化触媒と、
前記活性酸素種を前方に供給するための出口と
を備える、請求項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記触媒反応器が、
電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための光源と、
充填床触媒として配置された少なくとも1つの酸化触媒と、
前記水、前記生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素を内部に受け入れるための複数の入口と、
処理された水を前方に移動させるための出口と
を備える、請求項11~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの酸化触媒が、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記触媒反応器が、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化バリウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの還元触媒をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの還元触媒が充填床触媒として配置される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記生成された活性酸素種を受け入れるための前記入口が、拡散器として実装され、前記拡散器が、受け入れた前記生成された活性酸素種を前記触媒反応器内に拡散させる、請求項15~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記処理された水を処理して清浄水を生成するために、追加の溶解空気浮選装置及び好気性反応器のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項11~19のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、水処理に関し、より具体的には、改良された促進酸化技術を用いた水処理のための方法に関する。本開示はまた、改良された促進酸化技術を用いた水処理のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去数十年にわたって、人口の増加は水消費の増加をもたらしてきた。水資源は一定のままである一方で、現在水循環上にある水をリサイクル及び再利用する必要がある。現在水循環上にある水は、汚染物質、例えば、人間の排泄物、産業廃棄物、食物屑、油、石鹸、化学物質、溶存ガス、微生物負荷、並びに他の汚染物質、例えば、VOC、NH、HS、SO及びNOなどを含んでいる可能性があり、それらによって人間、動物及び水生生物相による水の消費が困難になることが理解される。したがって、水は、そこから汚染物質を除去し、様々な目的のために再利用可能な水に変換するための処理を必要とする。
【0003】
従来、物理的、生物学的又は化学的プロセスとして分類することができる多くの種類の水処理方法がある。より効率的にするために、当該方法の組み合わせを適用することができる。物理的処理は、例えば、ふるいドラムや砂捕集器などの濾過などによって水から、固体物を分離することである。生物学的廃水処理は、炭素含有物質などの有機廃棄物を無害な又は揮発性の化合物に分解するために、細菌、線虫、又は他の小さな生物に頼る。生物学的処理は、通常、好気性プロセスと嫌気性プロセスに分けられる。「好気性」は、酸素が存在するプロセスを指す一方で、「嫌気性」は、無酸素環境における生物学的プロセスの状態を指す。典型的には、生物学的処理は、微生物を使用して有機廃棄物を餌とするようにし、その際、pH及び通気などの特別な注意を払って、微生物の活動及びプロセスの効率を維持する必要がある。化学沈殿、イオン交換、中和、吸着及び消毒(塩素化/二塩素化、オゾン、紫外線などを使用する)などのいくつかの化学的廃水処理プロセスがある。化学添加剤のコストが高く、大量の化学スラッジを廃棄するという環境問題のために、この処理プロセスは非効率的で効果的ではない。
【0004】
近年、廃水処理に、促進酸化プロセス(Advanced Oxidation Process(AOP))が用いられている。典型的には、AOPは、廃水中の有機汚染物質を除去し、汚染物質を水、二酸化炭素及び無機化を受ける塩などの安定な無機化合物に変換するためにヒドロキシルラジカルを使用する。他の従来の方法に対するAOPの利点は、迅速な反応であり、ヒドロキシルラジカルの酸化力のおかげで必要とされる設置面積が小さく、1つの反応器槽内で多くの異なる汚染物質を除去すること、例えば、いくつかの重金属を還元することができ、特にUV消毒と共に使用される場合には消毒として作用することができ、生物学的プロセス又は他の従来の化学的プロセスと同様にスラッジの生成が少ないか又は全くない。上述のようないくつかの利点により、AOPは廃水処理としてますます受け入れられるものとなっている。しかしながら、従来のAOPは、大きな要因、すなわち高い投資コストと高い運用コスト、並びに処理プロセス後にヒドロキシル残渣の除去を考慮する必要があることによって制限される。したがって、従来のAOPは、工業的に大規模に適用することが困難である。
【0005】
したがって、前述の議論に照らして、従来の水処理に関連する前述の欠点を克服する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、改良された促進酸化技術を使用する水処理のための方法を提供しようとするものである。本開示はまた、改良された促進酸化技術を使用する水処理のためのシステムを提供しようとする。本開示は、水処理の既存の問題に対する解決策を提供しようとするものである。本開示の目的は、従来技術で遭遇する問題を少なくとも部分的に克服する解決策を提供し、効率的で、安定した、環境に優しく、省エネルギーで、費用効率の高い水処理プロセスを提供することである。
【0007】
一態様では、本開示の一実施形態は、改良された促進酸化技術を使用する水処理のための方法であって、
活性酸素種を生成すること、及び
水及び生成された活性酸素種を、水を処理するための触媒反応器に受け入れること
を含む、方法を提供する。
【0008】
別の態様では、本開示の一実施形態は、改良された促進酸化技術を使用する水処理のためのシステムであって、
水の供給部と、
活性酸素種を生成するための酸化チャンバと、
水及び生成された活性酸素種を受け入れて水を処理するために、水の供給部及び酸化チャンバに動作可能に結合された触媒反応器と
を備える、システムを提供する。
【0009】
本開示の実施形態は、先行技術における前述の問題を実質的に排除又は少なくとも部分的に対処し、水から有機及び無機物質、毒素並びに他の溶解不純物を排除することによって水の効率的な処理を可能にする。これに関して、水は、反応をより効率的にするために別個に生成される活性酸素種に供される。さらに、水と活性酸素種との間の反応は、充填床触媒として配置された触媒の存在下で起こる。有益なことに、充填床触媒は、水処理中に触媒を濾過してリサイクルする必要性を排除し、その結果、運転コストを低減する。
【0010】
本開示のさらなる態様、利点、特徴及び目的は、以下の添付の特許請求の範囲と併せて解釈される例示的な実施形態の図面及び詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
本開示の特徴は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、様々な組み合わせで組み合わせることができることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上記の概要、並びに例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばよりよく理解される。本開示を例示する目的で、本開示の例示的な構成が図面に示されている。しかしながら、本開示は、本明細書に開示される特定の方法及び手段に限定されない。さらに、当業者は、図面が正確な縮尺ではないことを理解するであろう。可能な限り、同様の要素は同じ番号で示されている。
以下の図を参照して、本開示の実施形態を単なる例として説明する。
図1図1は、本開示の一実施形態による、改良された促進酸化技術を使用する水処理のための方法の工程を示すフローチャートである。
図2図2は、本開示の一実施形態による、改良された促進酸化技術を使用する水処理のためのシステムの概略図である。
図3図3は、本開示の一実施形態による触媒反応器の概略図である。
【0013】
添付図面において、下線が引かれた数字は、その下線が引かれた数字が上に位置する事項、又は、その下線が引かれた数字が隣接する事項を表すために用いられる。下線が引かれていない番号は、その下線が引かれていない番号を事項にリンクする線によって識別されるその事項に関する。番号に下線が引かれておらず、関連する矢印を伴う場合、その下線が引かれていない番号は、矢印が指し示している一般的な事項を識別するために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明は、本開示の実施形態及びそれらを実施することができる方法を示す。本開示を実施するいくつかの態様が開示されているが、当業者であれば、本開示を実行又は実施するための他の実施形態も可能であることを認識するであろう。
【0015】
一態様では、本開示の一実施形態は、改良された促進酸化技術を使用する水処理のための方法であって、
活性酸素種を生成すること、及び
水及び生成された活性酸素種を、水を処理するための触媒反応器に受け入れること
を含む、方法を提供する。
【0016】
別の態様では、本開示の一実施形態は、改良された促進酸化技術を使用する水処理のためのシステムであって、
水の供給部と、
活性酸素種を生成するための酸化チャンバと、
水及び生成された活性酸素種を受け入れて水を処理するために、水の供給部及び酸化チャンバに動作可能に結合された触媒反応器と
を備える、システムを提供する。
【0017】
本開示は、改良された促進酸化技術を使用する水処理のための上述の方法及び上述のシステムを提供する。本方法は、水の再利用性を高めるために水を洗浄するための動作の組み合わせを使用する。これに関して、本方法は、水を処理するために、活性酸素種を別々に生成し、次いで生成された活性酸素種及び水を充填床触媒として配置された酸化触媒及び還元触媒を有する触媒反応器に供給することを含む。有益なことに、充填床触媒は、水と活性酸素種との間の保持時間及び相互作用接触を増加させる。さらに、有益なことに、充填床触媒は、上記プロセス中に失われたり洗い流されたりせず、触媒のより長い耐用年数及び反応のより良好な一貫性をもたらす。さらに、本方法は、反応性酸素種のマイクロバブル又はナノバブルの表面積の増加により保持時間及び相互作用接触を増加させるために、生成された反応性酸素種を拡散器を介して触媒反応器に拡散させることを含む。さらに、本方法は、水を効果的に処理するために、水を一連の溶解空気浮選装置、好気性反応器、追加の過酸化水素に供することを含む。
【0018】
水は、天然の水源から供給され得、又は様々な用途、例えば、家庭用、工業用、商業用、農業用由来の使用済の水、表面流出水、雨水、下水浸透水などであり得ることが理解される。通常、そのような水は、物理的、化学的、及び生物学的性状の成分などの汚染物質を含有し得る。任意選択で、物理的汚染物質は、浮遊物質、沈降性物質、コロイド状物質などの懸濁固体の形態で存在し得る。任意選択で、化学汚染物質は、リグノセルロース、セルロース、タンパク質、脂肪、懸濁状態の無機粒子状物質、及び可溶性形態の糖、脂肪酸、アルコール、アミノ酸などであり得る。任意選択で、化学成分は、ガス、すなわち二酸化硫黄(SO)、アンモニア(NH)、メタン(CH)、一酸化炭素(CO)、硫化水素(HS)、揮発性有機化合物(VOC)、及び亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、リン(P)などの他の重金属を含み得る。任意選択で、生物学的汚染物質は、微生物、例えば、真菌、細菌(例えば、大腸菌、連鎖球菌、クロストリジウム、ミクロコッカス、プロテウス、シュードモナス及びラクトバチルス)、原虫などであり得る。
【0019】
本明細書で使用される「水処理」という用語は、ヒト、動物又は植物によるその後の消費のために水から汚染物質を除去するプロセスを指す。言い換えれば、水処理はまた、水から不純物を除去し、それによって水を再利用可能にする浄化プロセスを指す場合もある。典型的には、水処理は、物理的プロセス(沈降など)、生物学的プロセス、化学的プロセスなどのプロセスを使用する。さらに、水処理プロセスは、スラッジ、バイオガス、色などの副生成物を生成し得る。典型的には、処理プロセスは、水処理プラントと呼ばれる専用の空間で行われる。水処理プラントは、処理(又は浄化)を必要とする水の硬度によって異なり得ることが理解される。一例では、都市廃水又は下水を処理するための水処理プラントは、下水処理プラントと呼ばれる。同様に、工業廃水処理プラント、農業用水処理プラント、水泳プール水処理プラント、浸出液処理プラントなどがあり得る。有益なことに、水処理は、水汚染物質が環境中に排出されるのを防ぐ。
【0020】
本明細書で使用される「促進酸化技術」(又は促進酸化プロセス)という用語は、清浄水を生成するために、廃水などの水中に存在する有機及び/又は無機化合物を、ヒドロキシルラジカル(OH-)との反応によって除去するための促進酸化プロセスを使用する化学処理技術を指す。ヒドロキシルラジカルは、UV光及び触媒のうちの少なくとも1つの存在下で、オゾン(O)、酸素、過酸化水素(H)のうちの少なくとも1つから生成することができる。これに関して、有機及び無機化合物は、スラッジ生成をほとんど又は全く伴わずに、水、二酸化炭素、及び塩などの単純で安定な化合物に変換することができ、それによってさらなる処理(下流処理)の必要性を排除する。さらに、促進酸化技術は、3つの段階、すなわち、ヒドロキシルラジカルの形成、ヒドロキシルラジカルによる標的分子への最初の攻撃による有機及び無機化合物の断片への分解、及びヒドロキシルラジカルによる廃水を最終的に無機化するまでのその後の攻撃、として機能する。有益なことに、促進酸化技術は、汚染物質の濃度を1,000,000の1(ppm)から1,000,000,000分の1(ppb)のレベルに減少させることができ、それによって廃水中の化学的酸素要求量(COD)及び全有機体炭素(TOC)を大幅に減少させることができる。有益なことに、促進酸化技術は、ヒドロキシルラジカルによって水中に存在する有機又は無機化合物を水分子(HO)に完全に還元する。
【0021】
本開示の実施形態によれば、本方法は、活性酸素種を生成することを含む。本明細書で使用される「活性酸素種」という用語は、酸素(O)から形成される高度に反応性の化学物質を指す。典型的には、活性酸素種は、一電子酸化(ラジカルROS種)又は二電子酸化(非ラジカルROS種)を介して作用する。ROSは、外因的に(例えば、紫外線、電離放射線、及び汚染物質によって刺激されて)又は内因的に(ミトコンドリア、葉緑体及びペルオキシソームなどの細胞小器官内で)生化学反応によって生成され得る。一例では、汚染物質(メチルビオロゲンなど)が反応して過酸化物又はオゾンを形成したり;スーパーオキシドの形成を促進する化学物質(例えば、キノン系除草剤、ニトロ芳香族除草剤及びビピリミジウリウム除草剤);ラジカルに代謝される化学物質(例えば、ポリハロゲン化アルカン、フェノール、アミノフェノール);又はヒドロキシルラジカルの形成を促進し得る鉄及び銅を放出する化学物質である。有益なことに、ROSは、運転コストを節約し、本方法の効率を高めるために、触媒反応器に水を供給する前に、別個のプロセスで生成される。
【0022】
任意選択で、活性酸素種は、スーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル、ヒドロキシルイオン、ペルオキシルラジカル、アルコキシルラジカル、ヒドロペルオキシルラジカル、ペルヒドロキシルラジカル、ペルオキシドラジカル、過酸化水素、一重項酸素のうちの少なくとも1つである。任意選択で、ROSは、主に、そこから電子を受け取ることによって他の化学元素を酸化することができる酸化剤である。ヒドロキシルラジカルは、水中に存在する有機化合物と極めて反応性で非選択的である。任意選択で、活性酸素種は、その酸化状態に応じて還元剤としても作用し得る。一例では、過酸化水素は、酸化剤及び還元剤の両方として作用し得る。スーパーオキシドアニオン(O)は、分子状酸素の一電子還元によって生成される。水性媒体中では、スーパーオキシドのプロトン化によって非荷電ヒドロペルオキシルラジカル(HOO・)を形成することができる。スーパーオキシドアニオンは、すぐに利用できる酸素源を提供するために使用され、酸化剤よりも還元剤として優れている。過酸化水素は、O の一電子還元から生じる閉殻分子である。さらに、過酸化水素の還元は、次に、ヒドロキシルラジカル(OH)を生じ、それは還元を受けて水(又は水酸化物OH-)を生じる。任意選択で、ROSは、触媒が添加又は注入されたときに過酸化水素(H)がフリーラジカルを生成することを可能にするフェントン反応を使用して生成され得る。ヒドロキシルラジカルなどのフリーラジカルは、注入点及び影響領域の周りの有機化合物と反応し得る。任意選択で、第一鉄によって硫酸ラジカルとして活性化される過硫酸塩などの強力な酸化剤を適用して、水中に存在する巨大な有機化合物を修正することができる。本明細書で使用される「一重項酸素」という用語は、式O=O()を有するガス状無機化学物質を指す。一重項酸素は強力な酸化剤であり、有機化合物に対してはるかに反応性が高い。さらに、ペルオキシラジカルは、ヒドロキシルラジカルと比較して低い酸化能力を有するが、触媒反応における反応体分子の高い拡散性を有する。さらに、アルコキシルラジカルは、ヒドロキシルラジカルとペルオキシラジカルとの間に中間の反応性を有する。典型的には、スーパーオキシド(O)、ヒドロキシル(OH・)、ペルオキシル(RO・)、アルコキシル(RO・)、ヒドロペルオキシル(HO・)、一酸化窒素(NO・)及び二酸化窒素(NO・)がラジカル種である。典型的には、過酸化水素(H)、次亜塩素酸(HOCl)、オゾン(O)、一重項酸素()、ペルオキシ亜硝酸(ONOO)、ペルオキシ亜硝酸アルキル(ROONO)、三酸化二窒素(N)、四酸化二窒素(N)、亜硝酸(HNO)、ニトロニウムアニオン(NO )、ニトロキシルアニオン(NO)、ニトロシルカチオン(NO)、及び塩化ニトリル(NOCl)が非ラジカル種である。
【0023】
さらに、本方法は、水及び生成された活性酸素種を、水を処理するための触媒反応器に受け入れることを含む。これに関して、水は、水処理のために水を圧送するリザーバポンプステーションなどの水の供給源から受け入れられる。任意選択で、代替的に、水の供給源は、河川、地下タンク、開放タンク、下水システム、工業廃水供給源などであってもよい。
【0024】
本明細書で使用される「触媒反応器」という用語は、触媒の存在下、適切なプロセス変数の下で化学反応を実行するために使用されるプロセス容器を指す。これに関して、触媒反応器は、温度、圧力、流量、反応物の濃度などの適切なプロセス変数の下で、適切な時間、反応物を触媒上の活性部位と密接に接触させることを可能にする。さらに、触媒反応の速度は、反応物が接触する触媒の量並びに反応物の濃度に比例する。さらに、固相触媒及び液相反応物(水及び活性酸素種)では、触媒反応の速度は、露出面積、反応物の拡散効率、及び反応物の混合効率に比例する。任意選択で、触媒反応は、触媒に化学的に結合した中間体を伴う様々な化学反応速度論を用いる複数の工程で行われ得る。任意選択で、触媒反応は、処理された水の容量及び清浄度を高めるために並行して及び/又は順次に適用されてもよい。任意選択で、触媒反応器は、少なくとも1床の触媒を含む充填床触媒反応器である。
【0025】
任意選択で、触媒反応器は、
電磁スペクトルの紫外波長域の光を供給する光源と、
酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛から選択される少なくとも1つの酸化触媒と、
水、生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素を内部に受け入れるための複数の入口と、
処理された水を前方に移動させるための出口と
を備える。
【0026】
これに関して、任意選択で、触媒反応器は、その中に、10~400ナノメートル(nm)(電磁スペクトルのUV波長)の範囲の光を供給する光源を使用する。光源は、その中に均一な光分布をもたらすために触媒反応器と共に配置されてもよい。上記波長範囲、すなわち紫外線波長範囲の光は、望ましくない微生物を死滅させることによって水の効果的な消毒を可能にする。これに関して、紫外光は、活性酸素種と組み合わされると、水中に存在する最も難分解性の化合物を分解し得る。任意選択で、光は触媒としても作用し、それによって触媒反応器内の反応速度を増加させ得る。任意選択で、光源はUVランプであってもよい。UVランプは、液体-ガス界面で汚染物質と活性酸素種との間の高い酸化反応速度を達成するように、触媒反応器内の1つ以上の位置に配置してもよい。
【0027】
本明細書で使用される「酸化触媒」という用語は、酸化反応を引き起こす触媒を指す。これに関して、酸化触媒は、触媒反応中に、酸素原子、水素原子又は電子の移動を可能にする。有益なことに、酸化触媒は、揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他の炭化水素のような有害化合物を二酸化炭素や水のような非毒性生成物に変換する。さらに、有益なことに、酸化触媒の使用は、その表面に酸素及び有害化合物(VOCなど)を吸着することによって酸化速度を速める(活性化エネルギー障壁を低減する)。
【0028】
任意選択で、少なくとも1つの酸化触媒は、充填床触媒として配置される。本明細書で使用される「充填床触媒」という用語は、充填床反応器で使用される触媒を指す。典型的には、充填床触媒は、触媒反応器内の液体-ガス反応を触媒するために使用される固体触媒粒子である。さらに、上記反応は、充填床触媒の表面で起こる。有利には、充填床触媒は、他の触媒反応器よりも触媒重量当たりの反応体分子のより高い変換を可能にする。任意選択で、水は、触媒反応器の上部に圧送され、充填床を通って下方に流れ、又はその逆であってもよい(本開示の好ましい実施形態)。任意選択で、生成された活性酸素種及び水は、触媒反応器の底部から圧送され、触媒反応器内に充填床触媒として配置された少なくとも1つの酸化触媒を通過させて、水に含まれる有機物の酸化を可能にすることができる。さらに、その変換は、触媒反応器の容積よりもむしろ充填床触媒の量に依存し得る。特に、充填床触媒は、セラミック、金属又はガラスなどの材料を使用して製造された充填材料を使用して形成することができる。少なくとも1つの酸化触媒は、水力学的滞留時間及び相互作用接触を増加させるように充填床触媒として配置されることが理解される。
【0029】
任意選択で、触媒反応器は、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化バリウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの還元触媒をさらに含む。本明細書で使用される「還元触媒」という用語は、還元反応を引き起こす触媒を指す。これに関して、還元触媒は、窒素酸化物(NO)のような有害化合物を窒素(N)のような非毒性生成物に還元する。さらに、少なくとも1つの還元触媒を触媒反応器内で使用して、NO (硝酸イオン)を窒素に変換する。一実施形態では、触媒反応器は、少なくとも1つの酸化触媒のみを含み、還元反応のための触媒を含まなくてもよい。しかしながら、様々な実施形態において、触媒反応器は、酸化触媒及び還元触媒の両方を含んでもよい。有益なことに、触媒反応器内に少なくとも1つの酸化触媒及び少なくとも1つの還元触媒の両方を有することにより、有害化合物の非毒性化合物、主に水及び二酸化炭素(CO)への分解が促進される。
【0030】
任意選択で、少なくとも1つの還元触媒は、充填床触媒として配置される。任意選択で、少なくとも1つの還元触媒を含む充填床触媒は、触媒反応器内に構造化充填物を形成してもよい。任意選択で、充填床触媒は、反応が細孔内で起こるように多孔質であり、反応速度を改善するのに役立ち得る。
【0031】
さらに、触媒反応器は、水、生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素をその中に受け入れるための複数の入口を含む。任意選択で、水、生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素は、バッチ方式、又は連続方式、又はパルス方式などの方式で注入されてもよい。任意選択で、複数の入口は、接触時間及び触媒反応器内の反応物の濃度の混合状態を増加させるように設計してもよい。任意選択で、複数の入口は、触媒反応器内の水と生成されたROSとの接触流パターン(同時向流及び交差流など)に基づいて設計してもよい。
【0032】
一実施態様では、水及び生成された活性酸素種は、十分な速度で、酸化触媒、還元触媒及びUV光を含む触媒反応器に受け入れられる。これに関して、任意選択で、生成された活性酸素種は、拡散器として実装される入口を介して触媒反応器の中に拡散される。典型的には、触媒反応器内の水理学的滞留時間及び水、生成された活性酸素種及び触媒間の相互作用接触を増加させるために、拡散器を適用してマイクロバブル及びナノバブルを生成する。任意選択で、拡散器を使用して、触媒反応器内のすべての方向に液体-ガス混合物の流れを均一に分散させることができる。
【0033】
生成された活性酸素種は、水、例えば、高い溶解含有量を有する水を処理するのに十分な量のヒドロキシルラジカルを提供しない場合があることが理解される。これに関して、過酸化水素の外部供給源からの追加用量又は直接用量の過酸化水素が、少なくとも1つの入口のうちの1つ以上を介して触媒反応器に供給され得る。任意選択で、過酸化水素の外部供給源は、いくつかの濃度の液体形態で利用可能であり得る。追加用量又は直接用量の過酸化水素(H)は、水のCODが非常に高い場合にのみ触媒反応器に供給されることが理解される。CODが高くない場合、酸化チャンバ内で生成されて触媒チャンバに供給されるHは、触媒反応器内の水を処理するのに十分である。有益なことに、外部から追加のHを供給することなく、生成されたHを触媒反応器内で使用することは、プロセス全体のコストを節約するのに役立ち、それによって方法全体のコスト効率を高める。さらに、任意選択で、Hは、拡散器を介して触媒反応器に供給されない。
【0034】
さらに、触媒反応器は、処理された水を前方に移動させるための出口を備える。任意選択で、出口は、水処理プロセスの他のプロセス装置、例えば、追加の処理サイクル(後述)に接続されてもよく、エンドユーザに直接つながっていてもよい。
【0035】
任意選択で、活性酸素種は、少なくとも1つの酸化触媒及び光の存在下で、酸素(O)を含むガスの供給から生成されるオゾンの酸化によって生成され、
光は、電磁スペクトルの紫外波長範囲にあり、
少なくとも1つの酸化触媒は、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つであり、
少なくとも1つの酸化触媒及び光の第1の組み合わせが、オゾンを酸化して活性酸素種を形成し、
少なくとも1つの酸化触媒及び光の第2の組み合わせが、過酸化水素を形成するために、水素(H)を含む物質の存在下でオゾンを酸化する。
【0036】
オゾンは、化学式Oを有する無機分子である。天然では、オゾンは、地球の大気中の紫外線(UV)光及び放電の作用によって二酸素(O)から形成される。オゾンは、典型的には、独特な刺激臭を有する淡青色のガスであり、二原子同素体Oよりもはるかに安定性が低い。オゾンの酸化は、オゾン分子が電子を減らすか、又は酸素原子及びヒドロキシルラジカルなどのより単純な実体に分解して、水処理に有用なオゾンよりもさらに高い酸化電位を生成することを可能にする。有益なことに、OH-ラジカルの数が増加すると、促進酸化プロセスが開始され、それによって溶解した汚染物質がオゾン(直接的)及びOH-ラジカル(間接的)の両方によって酸化される。さらに、高い酸化電位は、酸素分子が、水中に存在する、他の化学物質によっては容易に酸化され得ない様々な有機及び無機化合物と反応することを可能にする。
【0037】
さらに、オゾンの酸化は、酸化チャンバ内で起こる。任意選択で、酸化チャンバは、オゾン(O)を含むガス(又は酸素原子(O)を含むガス)をその供給装置から酸化チャンバ内に供給するための入口を有する気密封止チャンバであってもよい。オゾン又は酸素原子を含むガスを供給するための入力部に加えて、酸化チャンバは、少なくとも1つの酸化触媒と、電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための光源と、反応性酸素種を前方に供給するための出口とを備える。任意選択で、酸素(O)を含むガスをオゾン(O)と、酸素原子(O)を含むガスとに変換するために高電圧源を使用してもよい。任意選択で、高電圧源は、ある端部でオゾン及び/又は酸素原子を含むガスを酸化チャンバに供給するための入口と通信可能に結合されてもよく、別の端部で酸素(O)を含むガスをその供給装置から供給するための別の入口と通信可能に結合されてもよい。これに関して、上記別の入口は、酸素(O)を含むガスをそれをオゾンに変換するために高電圧源に供給し、活性酸素種の生成のために酸化チャンバに供給される酸素原子を含むガスを供給する。有益なことに、酸化チャンバ内で活性酸素種を生成した後に、それをさらに前方に、例えば、触媒反応器の中に供給することは、プロセスのコストを削減するのに役立つ。
【0038】
酸化チャンバの少なくとも1つの酸化触媒は、上述の触媒反応器の少なくとも1つの酸化触媒と同様であることが理解される。酸化チャンバ内で、少なくとも1つの酸化触媒は、光と共に、酸素原子又は分子の酸化を引き起こして活性酸素種を生成する。光は、典型的には10~400nmの範囲の電磁スペクトルの紫外波長範囲にある。あるいは、任意選択で、ROSは、電離放射線(X線、γ線)による水素(H)を含む物質の放射線分解によって、又はHのUV光照射によって迅速に生成され得る。任意選択で、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛などの少なくとも1つの酸化触媒は、活性酸素種を生成するために、酸素原子(O)、好ましくはオゾン(O)を含むガスに対して異なる効果を有する。
【0039】
少なくとも1つの酸化触媒及び光の第1の組み合わせは、オゾンを酸化して一重項酸素などの活性酸素種を形成する。さらに、他の活性酸素種は、オゾニドラジカルアニオン(O )、スーパーオキシドアニオンなどであり得る。任意選択で、少なくとも1つの酸化触媒の第1の組み合わせは、クレー上のZnO及びTiO支持体を含んでもよい。少なくとも1つの酸化触媒と光の第2の組み合わせは、水素(H)を含む物質の存在下でオゾンを酸化して過酸化水素及び他の活性酸素種を形成する。任意選択で、少なくとも1つの酸化触媒の第2の組み合わせは、クレー上の酸化鉄支持体、UV光、及び酸素原子、好ましくはオゾン(O)を含む供給ガス中に水素を含む物質を含むことができ、過酸化水素が生成される。有益なことに、生成された過酸化水素は、次いで、触媒反応器に導入され、外部供給源から追加の過酸化水素が供給されることがなく、それにより、水のCODが低い場合、コストが節約される。クレー上の酸化鉄支持体などの少なくとも1つの酸化触媒の第2の組み合わせによる酸化反応から生成される活性酸素種は、ZnO及びTiOなどの少なくとも1つの酸化触媒の第1の組み合わせによる酸化反応から生成される活性酸素種と比較してそれほど多くはないことが理解される。
【0040】
任意選択で、水は、触媒反応器に水を受け入れる前に前処理され、その際、水は、溶解空気浮選技術又は濾過技術を使用して前処理される。本明細書で使用される「前処理」という用語は、触媒反応器内での水の触媒処理の前の前処理を指す。これに関して、水は、毒性金属イオン、疾患を引き起こす微生物、その中のスラッジ形態の有機及び無機化合物のレベルが低下するように前処理される。
【0041】
任意選択で、水を前処理するために溶解空気浮選技術が使用される。本明細書で使用される、DAFと略称される「溶解空気浮選技術」という用語は、高圧下で水に空気を溶解し、次いで供給された空気を大気圧で溶解空気浮選装置に放出する水処理プロセスを指す。さらに、供給された空気は、水中に存在する浮遊物質に付着して浮遊物質を水面に浮遊させる小さな泡(マクロバブル又はマイクロバブル)を形成する。DAF技術は、典型的には、水、例えば、廃水又はCOD/BOD/TOCが変動する水などから懸濁固体、脂肪、油、グリース及び不溶性有機物を除去するために使用される。典型的には、水は浮選タンク内のパイプを通って流れ、浮選タンクは、凝結剤などの化学物質を水流に供給してそのエマルジョンを破壊するように設計されている。さらに、パイプ全体に複数のポートが設置されて、一連の位置で水をサンプリングし、必要に応じて化学物質を追加することができる。DAFは、供給された水に空気を溶解して粒子への最大の付着を可能にするためのポンプを備える。より軽い粒子に付着したマイクロ(又はマクロ)気泡は、それらの粒子を表面に上昇させ、より重い浮遊粒子は排出円錐上に沈降する。処理された水がDAFを出る一方で、浮遊廃棄物粒子は上部からスラッジ収集器内にスキミングされる。任意選択で、溶解空気浮選技術は、システム内に気泡を生成し、それにより水中の有機及び無機化合物に対する気泡の表面接触を増加させる。さらに、気泡は、有機及び無機化合物がエマルジョン又はスカムを形成して水の表面に浮遊し、次いで水の表面から分離されることを可能にする。
【0042】
任意選択で、溶解空気浮選技術は、ナノ溶解空気浮選技術である。本明細書で使用される「ナノ溶解空気浮選技術」という用語は、ナノサイズの気泡を使用して水を処理する溶解空気浮選技術を指す。典型的には、ナノバブルは、5000ナノメートル(nm)未満のサイズであり得る。また、ナノバブルは、水中に供給される任意のガスを用いて形成されてもよい。任意選択で、ナノバブルは、例えば、1000nm未満、500nm未満、100nm未満であってもよい。有益なことに、泡のサイズによって、ナノ溶解空気浮選技術は、物理的、化学的、及び生物学的プロセスを改善する特性を示す。これに関して、ナノ溶解空気浮選技術は、ナノバブルと水との表面接触を増加させ、それによって生物酵素の生物学的活性を増加させて、毒素を除去し、藻類の成長を阻害する。さらに、ナノバブルは、溶解空気浮選装置のサイズを縮小し、それによって設計及び運用コストも低減する。
【0043】
本方法は、清浄水を生成するために、処理された水を追加の溶解空気浮選装置及び好気性反応器のうちの少なくとも1つに供することをさらに含む。追加の溶解空気浮選装置は、上述の溶解空気浮選装置と同様であることが理解される。追加の溶解空気浮選装置は、水の質を改善する、すなわち、ヒト、動物及び植物による使用のために、触媒反応器から先の処理された水をさらに処理することによって改善する。本明細書で使用される「好気性反応器」という用語は、酸素の存在下で化学的(又は生化学的)プロセスを実行するための構成を指し、この場合、酸素は末端電子受容体として機能する。典型的には、好気性反応器は、化学的(又は生化学的)プロセスに必要な異なる生理学的条件を提供するための撹拌器、バッフル、スパージャ、及びジャケットからなる。任意選択で、好気性反応器は、生物学的水処理に使用されて、処理された水中の有機物及び溶解栄養素の同化を可能にし、処理された水から可溶性成分を除去(又は制限)することができる。特に、存在する酸素は、有機物を酸化する際に電子受容体として作用し、好気条件下の細菌の急速な増殖により、高いエネルギー収率及びスラッジの著しい生成をもたらす。さらに、好気性反応器は、処理された水が清浄で無臭であり、再使用できることを確実にするために、病原性微生物又は任意の他の生きている微生物を除去又は不活性化するための消毒プロセスからなる。任意選択で、上記化学プロセスは、温度、酵素、pH、主要及び微量栄養素、気体から液体への物質移動及び水中の微量元素などのいくつかの因子によって支配され得る。任意選択で、微生物を活性に保つために、基質中において溶存酸素の最小臨界濃度が維持され得る。任意選択で、好気性反応器は、単純に設計された開放ラグーン又は酸化池、機械的撹拌タンク反応器、固定床反応器などであってもよい。次いで、触媒反応器から受け入れた処理された水は、さらなる処理のために好気性反応器に通されて清浄な水を生成する。任意選択で、好気性反応器は、清浄な水を生成するために直列又は並列に配置されてもよい。さらに、最小のCOD値を得るために、好気性反応器を直列に適用してもよい。さらに、好気性反応器は、水処理プロセス後に得られる清浄水の量を増加させるために並行に適用されてもよい。
【0044】
本明細書で使用される「清浄水」という用語は、水処理プロセスの完了後に最終生成物として得られる処理された水を指す。これに関して、処理された水は清浄であり、約60から80%のBODの減少を有し得、20mg/l未満のBODを達成し得る。さらに、化学的酸素要求量(COD)は、細菌の作用の結果として水によって消費される酸素の推定値である。任意選択で、清浄水の生化学的酸素要求量(BOD)は、汚染水を再利用に適合させるのに十分なように低減される。任意選択で、清浄水は、120mg/l未満のCODを有し得る。さらに、清浄水は、減少した懸濁固体、及び約90から99%減少した細菌及び他の病原体のレベルを有する。任意選択で、清浄水は高品質の清浄水であり得る。高品質の清浄水は、細菌が全くないか又は少なく、家庭用及び工業用消費(食品製造など)に使用することができるように、すべての無機及び有機物質の汚染が少ない場合がある。
【0045】
一実施態様では、改良された促進酸化技術を使用する水処理のための方法及びシステムは、水中の毒素及び可溶性物質がより少ない用途に使用され得る。さらに、本方法は、水泳水処理プロセス、果実又は野菜の毒性破壊、給水貯蔵器などに使用することができる。さらに、本方法は、高品質の水を必要とする用途に適用することができる。そのような用途のための水の供給源は、水中のCOD/BOD/TOCが著しく低いことが理解される。したがって、上記用途では、DAFを使用する前処理工程又は後処理工程、好気的処理工程、又は水の触媒処理とは別の任意の他の追加の工程を必要としない場合がある。
【0046】
本開示はまた、上記のようなシステムに関する。先に開示された様々な実施形態及び変形形態は、必要な変更を加えてシステムに適用される。
【0047】
触媒反応器は、水及び生成された活性酸素種を受け入れて水を処理するために、水の供給部及び酸化チャンバに動作可能に結合されることが理解される。水及び生成された活性酸素種は、触媒反応器にバッチで又は連続的に受け入れられることが理解される。
【0048】
任意選択で、本システムは、供給された水を前処理するために、水の供給部に結合された溶解空気浮選装置又は濾過装置をさらに備える。
【0049】
任意選択で、溶解空気浮選技術は、ナノ溶解空気浮選技術である。
【0050】
任意選択で、酸化チャンバは、少なくとも1つの酸化触媒及び光の存在下で、酸素(O)を含むガスの供給から生成されるオゾンの酸化によって活性酸素種を生成し、酸化チャンバは、
酸素原子(O)、好ましくはオゾン(O)を含むガスを酸化チャンバ内に供給するための入口と、
電磁スペクトルの紫外波長域の光を供給する光源と、
酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの酸化触媒であって、
少なくとも1つの酸化触媒及び光の第1の組み合わせが、オゾンを酸化して活性酸素種を形成し、
少なくとも1つの酸化触媒及び光の第2の組み合わせが、水素(H)を含む物質の存在下でオゾンを酸化して過酸化水素を形成する、酸化触媒と、
活性酸素種を前方に供給するための出口と
を備える。
【0051】
任意選択で、触媒反応器は、
電磁スペクトルの紫外波長域の光を供給する光源と、
充填床触媒として配置された少なくとも1つの酸化触媒と、
水、生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素を内部に受け入れるための複数の入口と、
処理された水を前方に移動させるための出口と
を備える。
【0052】
任意選択で、少なくとも1つの酸化触媒は、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つから選択される。
【0053】
任意選択で、触媒反応器は、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化バリウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの還元触媒をさらに含む。
【0054】
任意選択で、少なくとも1つの還元触媒は、充填床触媒として配置される。
【0055】
任意選択で、生成された活性酸素種を受け入れるための入口は、拡散器として実装され、拡散器は、受け入れた生成された活性酸素種を触媒反応器内に拡散させる。
【0056】
任意選択で、本システムは、処理された水を処理して清浄水を生成するために、追加の溶解空気浮選装置及び好気性反応器のうちの少なくとも1つをさらに備える。
【0057】
図面の詳細な説明
図1を参照すると、本開示の一実施形態による、改良された促進酸化技術を使用する水処理方法の工程を示すフローチャート100が示されている。工程102において、活性酸素種が生成される。工程104において、水及び生成された活性酸素種は、水を処理するための触媒反応器に受け入れられる。さらに、工程102において、酸化触媒及び光の存在下で、他の活性酸素種に加えて過酸化水素も生成される。
【0058】
工程102及び工程104は例示にすぎず、本明細書の特許請求の範囲から逸脱することなく、1つ以上の工程が追加され、1つ以上の工程が削除され、又は1つ以上の工程が異なる順序で設けられる他の代替形態も提供することができる。
【0059】
図2を参照すると、本開示の一実施形態による、促進酸化技術を使用する水処理のためのシステム200のブロック図が示されている。システム200は、水を供給するための水の供給部202と、活性酸素種及び過酸化水素を生成するための酸化チャンバ204とを備える。システム200は、水及び生成された活性酸素種を受け入れて水を処理するために、水の供給部202及び酸化チャンバ204に動作可能に結合される触媒反応器206を備える。さらに、システム200は、供給された水を前処理するために、水の供給部202に結合された溶解空気浮選装置(又は濾過装置)208を備える。システム200は、水、生成された活性酸素種、及び他の入力(追加の過酸化水素など)を触媒反応器206に供給するための、触媒反応器206への複数の入口、例えば入口210を含む。システム200は、処理された水を処理して清浄水を生成するために、追加の溶解空気浮選装置212及び好気性反応器214のうちの少なくとも1つをさらに備える。
【0060】
示されるように、酸化チャンバ204は、酸素(O)を含むガスの供給から生成されるオゾンの酸化によって、少なくとも1つの酸化触媒の第1の組216及び少なくとも1つの酸化触媒の第2の組218などの少なくとも1つの酸化触媒及び光の存在下で、活性酸素種を生成する。さらに、酸化チャンバ204は、酸素原子(O)、好ましくはオゾン(O)を含むガスを酸化チャンバ204内に供給するための入口220と、電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための光源222と、少なくとも1つの酸化触媒の第1の組216及び少なくとも1つの酸化触媒の第2の組218などの少なくとも1つの酸化触媒と、反応性酸素種を前方に供給するための出口210とを備える。酸素(O)を含むガスの供給は、最初に、図示のように別の入口224を介して高電圧源226に供給されることが理解される。図示のように、入口220は別の入口224から分離されている。特に、高電圧源226は、酸素(O)を含むガスをオゾン(O)に変換するために使用することができる。これに関して、高電圧源226は、その別個の端部で入口220及び入口224に通信可能に結合されてもよい。任意選択で、入口224は、Oを高電圧源226に供給するように使用され、Oがその内部でオゾンに変換され、次いで入口220を介して酸化チャンバ204に通されるようにしてもよい。
【0061】
図3を参照すると、触媒反応器300の概略図が示されており、本開示の一実施形態によれば、触媒反応器300は、電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための少なくとも1つの光源302及び充填床触媒として配置された少なくとも1つの酸化触媒304を備える。さらに、触媒反応器は、充填床触媒として配置された少なくとも1つの還元触媒306をさらに備える。さらに、触媒反応器300は、水、生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素をその中に受け入れるための複数の入口、例えば入口308を備える。入口308などの複数の入口は、生成された活性酸素種を触媒反応器300に(拡散させることによって)供給するための拡散器310として実装されることが理解される。さらに、触媒反応器300は、処理された水を前方に移動させるための出口312を備える。
【0062】
添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲から逸脱することなく、上記で説明された本開示の実施形態に対する変更が可能である。本開示を記載及び特許請求するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な方法で解釈されること、すなわち、明示的に記載されていない事項、構成要素又は要素も存在することを許容することを意図している。単数形への言及はまた、複数形に関連すると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良された促進酸化技術を使用する水処理のための方法であって、
活性酸素種を生成すること、及び
水及び前記生成された活性酸素種を、水を処理するための触媒反応器に受け入れること
を含
前記活性酸素種が、少なくとも1つの酸化触媒及び光の存在下で、酸素(O )を含むガスの供給から生成されるオゾンの酸化によって生成され、
前記光が電磁スペクトルの紫外波長範囲内にあり、
前記少なくとも1つの酸化触媒が、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つである、方法。
【請求項2】
前記水が、前記触媒反応器に受け入れられる前に前処理され、前記水が、溶解空気浮選技術又は濾過技術を使用して前処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶解空気浮選技術がナノ溶解空気浮選技術である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
記少なくとも1つの酸化触媒及び前記光の第1の組み合わせが、オゾンを酸化して前記活性酸素種を形成し、
前記少なくとも1つの酸化触媒及び前記光の第2の組み合わせが、水素(H)を含む物質の存在下でオゾンを酸化して過酸化水素を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記活性酸素種が、スーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル、ヒドロキシルイオン、ペルオキシルラジカル、アルコキシルラジカル、ヒドロペルオキシルラジカル、ペルヒドロキシルラジカル、ペルオキシドラジカル、過酸化水素、一重項酸素のうちの少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒反応器が、
電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための光源と、
酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛から選択される少なくとも1つの酸化触媒と、
前記水、前記生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素を内部に受け入れるための複数の入口と、
処理された水を前方に移動させるための出口と
を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの酸化触媒が充填床触媒として配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒反応器が、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化バリウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの還元触媒をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの還元触媒が充填床触媒として配置される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
清浄水を生成するために、前記処理された水を追加の溶解空気浮選装置及び好気性反応器のうちの少なくとも1つに供することをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
改良された促進酸化技術を使用する水処理のためのシステムであって、
水の供給部と、
活性酸素種を生成するための酸化チャンバと、
前記水及び前記生成された活性酸素種を受け入れて前記水を処理するために、前記水の供給部及び前記酸化チャンバに動作可能に結合された触媒反応器と
を備え、
前記酸化チャンバが、少なくとも1つの酸化触媒及び光の存在下で、酸素(O )を含むガスの供給から生成されるオゾンの酸化によって前記活性酸素種を生成し、前記酸化チャンバが、
オゾン(O )を含むガスを前記酸化チャンバ内に供給するための入口と、
電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための光源と、
酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの酸化触媒と、
前記活性酸素種を前方に供給するための出口と
を備える、システム。
【請求項12】
前記供給された水を前処理するために、前記水の供給部に結合された溶解空気浮選装置又は濾過装置をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記溶解空気浮選技術がナノ溶解空気浮選技術である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
記少なくとも1つの酸化触媒及び前記光の第1の組み合わせが、オゾンを酸化して前記活性酸素種を形成し、
前記少なくとも1つの酸化触媒及び前記光の第2の組み合わせが、水素(H)を含む物質の存在下でオゾンを酸化して過酸化水素を形成する、請求項11~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記触媒反応器が、
電磁スペクトルの紫外波長範囲の光を供給するための光源と、
充填床触媒として配置された少なくとも1つの酸化触媒と、
前記水、前記生成された活性酸素種、及び追加の過酸化水素を内部に受け入れるための複数の入口と、
処理された水を前方に移動させるための出口と
を備える、請求項11~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの酸化触媒が、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛のうちの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記触媒反応器が、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化銅、酸化銀、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化シリカ、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化バリウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの還元触媒をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの還元触媒が充填床触媒として配置される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記生成された活性酸素種を受け入れるための前記入口が、拡散器として実装され、前記拡散器が、受け入れた前記生成された活性酸素種を前記触媒反応器内に拡散させる、請求項15~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記処理された水を処理して清浄水を生成するために、追加の溶解空気浮選装置及び好気性反応器のうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項11~19のいずれか一項に記載のシステム。
【国際調査報告】