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特表2025-504094硬質本体アンカーおよび全ての縫合糸アンカーのためのノットレス縫合糸構築物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-02-06
(54)【発明の名称】硬質本体アンカーおよび全ての縫合糸アンカーのためのノットレス縫合糸構築物
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/58 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
A61B17/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024545921
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 US2022018770
(87)【国際公開番号】W WO2022187536
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/197,009
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/156,585
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレスリック グレイディ
(72)【発明者】
【氏名】アルフォンソ グレゴリー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL37
4C160NN01
(57)【要約】
結び目の積み重ねを使用せずに骨アンカーの位置で組織を骨に固定するための縫合糸構築物。縫合糸構築物は、第1の端部および第2の端部を有する本体を含む固定肢部を有する。本体の第1の端部にループが形成され、本体の他端から延出するテールに相互接続される。シャトルループおよびシャトルテールを有する縫合糸シャトルは、シャトルループがループに近接して配置され、シャトルテールが本体の中間位置に形成されたスプライスから本体に存在するように、固定肢部の本体を通って延びる。縫合糸構築物は、硬質本体アンカーまたは全ての縫合糸アンカーに結合されてもよい。縫合糸シャトルを使用して、固定肢部を捕捉し、それを固定される組織上に引っ張り、構築物の本体を通って戻して一方向締め付けループを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定量の組織を骨に固定するためのシステムであって、
縫合糸構築物であって、第1の端部および第2の端部を有する本体と、前記本体の前記第1の端部に形成されたループと、前記ループから前記本体を通って延びるテールと、を有する固定肢部によって形成された縫合糸構築物と、
シャトルループと、前記固定肢部の前記本体内にかつ前記本体を通って延びるシャトルテールとを有する縫合糸シャトルであって、前記シャトルループが前記ループに近接して配置され、かつ前記シャトルテールが出口スプライス位置から前記本体に存在する、縫合糸シャトルと、
を備える、一定量の組織を骨に固定するためのシステム。
【請求項2】
前記縫合糸構築物に結合された硬質本体アンカーをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記硬質本体アンカーが、前記ループおよび前記硬質本体アンカーのアイレットによって前記縫合糸構築物に結合される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ループが、前記アイレットでラゲッジタグノットに形成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記縫合糸構築物の前記固定肢部が、前記硬質本体アンカーの長手方向穴を通って延びる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記シャトルループおよび前記シャトルテールが、前記硬質本体アンカーの前記長手方向穴を通って延びる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記出口スプライス位置が、前記硬質本体アンカーの前記長手方向穴の外側に配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記縫合糸構築物に結合された全ての縫合糸アンカーをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記全ての縫合糸アンカーが、拡張構成から圧縮構成に圧縮されるように構成されている縫合糸本体を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記縫合糸構築物および前記縫合糸シャトルは前記全ての縫合糸アンカーの前記縫合糸本体を通して織られ、前記縫合糸構築物の前記ループが前記縫合糸本体の第1の端部に配置され、かつ前記縫合糸構築物の前記テール、前記シャトルループ、および前記シャトルテールのうちの1つまたは複数が前記縫合糸本体の第2の端部に配置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記縫合糸構築物の前記テール、前記シャトルループ、および前記シャトルテールのうちの1つまたは複数が、前記縫合糸構築物の前記ループを通って延びる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記縫合糸構築物の前記テールおよび前記シャトルテールが、前記縫合糸構築物の前記ループを通って延びる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記縫合糸構築物の前記テール、前記シャトルループ、および前記シャトルテールの全てが、前記縫合糸構築物の前記ループを通って延びる、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科用の結合アンカーに関し、より詳細には、組織を硬質または軟質骨アンカーに固定するために使用できるノットレス縫合糸構築物に関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科手術中、組織を骨上の特定の位置に取り付ける必要があり得る。その過程でその位置に結び目の積み重ねを残すので、組織を骨に向けて結び付けることは最適ではなく、それにより、経時的に他の解剖学的構造と干渉する可能性がある。従来のノットレスアンカー手法は、結び目の積み重ねを回避することができるが、しかしながら、組織が固定されている間、アンカーインサータが所定の位置に留まることが必要であり、それにより、アンカー挿入点の上に組織を直接固定することが不可能である。したがって、当該技術分野では、結び目の積み重ねを残すことなく骨アンカーの位置で組織を骨に固定することができる手法が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、結び目の積み重ねを必要とせずに骨アンカーの位置で組織を骨に固定するために使用できる縫合糸構築物を提供する。縫合糸構築物は、第1の端部および第2の端部を有する本体を含む固定肢部を有する。本体の第1の端部にループが形成され、本体の他端から延出するテールに相互接続される。シャトルループおよびシャトルテールを有する縫合糸シャトルは、シャトルループがループに近接して配置され、シャトルテールが本体の中間位置に形成されたスプライスから本体に存在するように、固定肢部の本体を通って延びる。縫合糸構築物は、縫合糸構築物のループおよび硬質本体骨アンカーのアイレットで、ラークスノットまたはラゲッジタグノットを形成することなどによって、硬質本体アンカーに結合されてもよい。縫合糸構築物の固定肢部は、シャトルループおよびシャトルテールがアンカーの長手方向穴から延出するように、アンカーの長手方向穴を通って延びる。縫合糸構築物のスプライスは、それがアンカーの長手方向穴のすぐ外側にあるように配置される。
【0004】
本発明の別の実施形態では、縫合糸構築物は、拡張構成から圧縮構成に圧縮されるように構成されている縫合糸本体を有する全ての縫合糸アンカーに結合されてもよい。この実施形態では、縫合糸構築物および縫合糸シャトルは、縫合糸構築物のループが縫合糸本体の第1の端部に配置され、縫合糸構築物のテール、シャトルループおよびシャトルテールが縫合糸本体の第2の端部に配置されるように、全ての縫合糸アンカーの縫合糸本体を通して織られてもよい。スプライスは、縫合糸本体が拡張構成にあるときに縫合糸本体の第1の端部と第2の端部との間に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって、より完全に理解および認識されるであろう。
【0006】
図1】本発明による縫合糸構築物の概略図である。
【0007】
図2】硬質本体アンカーに装填された本発明による縫合糸構築物の概略図である。
【0008】
図3】本発明による縫合糸構築物の動作を示す一連の概略図である。
【0009】
図4】縫合糸構築物が装填されたアンカーを有する骨に組織を固定する本発明による縫合糸構築物の第1のステップの概略図である。
【0010】
図5】縫合糸構築物が装填されたアンカーを有する骨に組織を固定する本発明による縫合糸構築物の別のステップの概略図である。
【0011】
図6】本発明による縫合糸構築物を硬質本体アンカーに装填するための第1の手法の概略図である。
【0012】
図7】本発明による縫合糸構築物を硬質本体アンカーに装填するための第1の手法の別の概略図である。
【0013】
図8】本発明による縫合糸構築物を硬質本体アンカーに装填するための第1の手法のさらなる概略図である。
【0014】
図9】本発明による縫合糸構築物を硬質本体アンカーに装填するための第1の手法の追加の概略図である。
【0015】
図10】本発明による縫合糸構築物を硬質本体アンカーに装填するための第2の手法の概略図である。
【0016】
図11】本発明による縫合糸構築物を硬質本体アンカーに装填するための第2の手法のさらなる概略図である。
【0017】
図12】本発明による縫合糸構築物を硬質本体アンカーに装填するための第2の手法の追加の概略図である。
【0018】
図13】本発明による縫合糸構築物を装填するための別の手法の概略図である。
【0019】
図14】固定肢部がアンカーを通って往復された後の図13の手法の概略図である。
【0020】
図15】本発明による縫合糸構築物を全ての縫合糸アンカーに装填するための手法の概略図である。
【0021】
図16】本発明による縫合糸構築物を全ての縫合糸アンカーに装填するための手法の別の概略図である。
【0022】
図17】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための手法の概略図である。
【0023】
図18】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための手法の別の概略図である。
【0024】
図19】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための別の手法の概略図である。
【0025】
図20】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための別の手法の概略図である。
【0026】
図21】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための別の手法の概略図である。
【0027】
図22】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための別の手法の概略図である。
【0028】
図23】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための別の手法の概略図である。
【0029】
図24】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための別の手法の概略図である。
【0030】
図25】本発明による縫合糸構築物の第2の実施形態の概略図である。
【0031】
図26】全ての縫合糸アンカーを有する本発明による縫合糸構築物を使用して組織を骨に固定するための別の手法の概略図である。
【0032】
図27】本発明による縫合糸構築物の第2の実施形態を使用して組織を骨に固定する概略図である。
【0033】
図28】本発明による縫合糸構築物の第2の実施形態を使用して組織を骨に固定する別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
発明の詳細な説明
図面を参照すると、全体を通して同様の符号は同様の部分を指しており、図1には本発明による縫合糸構築物10が示されている。縫合糸構築物10は、本体14を有する固定肢部12を備え、本体14の第1の端部18に形成されたループ16が、テール22として第2の端部20に現れるための埋め込み部として本体14を通って後方に延びる。固定肢部12は、本体14の第1の端部18を画定するために一端でスプライス接続され、次いで、スプライス接続された端部を本体14を通って戻り埋め込んで、第2の端部20でテール22として現れ、したがって本体14を通って延びる埋め込み部を備える所定の直径を有するループ16を第1の端部18に形成する、単一の長さの縫合糸から形成されてもよい。テール22は、ループ16の直径を減少させるために本体14を通ってさらに引っ張られてもよい。テール22は、本明細書で説明するように、骨に固定される組織を閉じ込めるために使用される。
【0035】
縫合糸構築物10は、シャトルループ32と、シャトルループ32がループ16に近接した第1の端部18に配置されるように、固定肢部12の中心を通って延び、本体14内のスプライス36から出るシャトルテール34と、を有する縫合糸シャトル30をさらに備える。スプライス36の位置決めは、縫合糸構築物10が使用されている骨の表面に近接して固定肢部12の出現を位置決めするように構成されており、したがって、以下でさらに詳細に説明するように、縫合糸構築物10と共に使用される硬質本体アンカーまたは全ての縫合糸アンカーの性質および寸法に依存する。
【0036】
図2を参照すると、縫合糸構築物10は、長手方向穴42と、それらの間にポスト46と組み合わされてアイレット48を形成する横方向開口部44と、を有する硬質本体アンカー40と関連して使用されてもよい。この実施形態では、縫合糸構築物10は、ラークスヘッドノット(ラゲッジタグノットとしても知られる)を形成することによってアンカー40のポスト46に固定されてもよく、ループ16はポスト46の周りを通過し、縫合糸構築物10の残りの部分はループ16を通過し、硬質本体アンカー40の穴42を長手方向に通って延び、その結果、固定肢部12、ならびにシャトルループ32およびシャトルテール34が硬質本体アンカー40から延在する。シャトルループ32はまた、硬質本体アンカー40の外側にあるが、ポスト46に近接して本体14内に延在する。縫合糸シャトル30は、シャトルテール24が穴42の外側、したがって硬質本体アンカー40の外側でスプライス36を出るように、硬質本体アンカー40内に配置される。したがって、固定肢部12内のスプライス36の位置は、硬質本体アンカー40のポスト46および長手方向穴42の寸法に従って決定される。例えば、2.5ミリメートルまたは3.0ミリメートルの外径および9.8ミリメートルまたは10.6ミリメートルの長さの硬質本体アンカー40では、本体14は、約178ミリメートルの長さを有することができ、スプライス36は、第1の端部18から7ミリメートル(+/-1mm)に配置される。
【0037】
図3を参照すると、固定肢部12ならびにシャトルループ32およびシャトルテール34が硬質本体アンカー40から延びるように配置されると、固定肢部12はシャトルループ32を通過できる。次いで、シャトルループ32がスプライス36を通って本体14を通って引き込まれ、次いで縫合糸構築物10から引き抜かれるまで、シャトルテール34は硬質本体アンカー40から引っ張られ離される。スプライス36および本体14を通るシャトルループ32の移動は、スプライス36および本体14を通って固定肢部12を引き込み、その結果、固定肢部12は、テール22が解放されるまでスプライス36および本体14を通って引き戻され、それによって、テール22を引っ張ることによって引き閉じることができる一方向締め付けループ60を形成する。
【0038】
図4および図5を参照すると、図3に示す縫合糸構築物10の動作は、硬質本体アンカー40を着座させるための従来の手法において、硬質本体アンカー40が骨54のドリル穴52内に設置された後に実行されてもよい。上述したように、スプライス36は、固定肢部12に沿って配置され、その結果、それは、硬質本体アンカー40のすぐ外側、例えば、1~2ミリメートルの間に配置され、したがって骨54の穴52のわずかに上方に配置される。次いで、固定肢部12が組織50上を通過され骨54に固定され、シャトルループ32を通して装填されてもよい。次いで、シャトルテール24を引っ張って、シャトルループ32および捕捉された固定肢部12を長手方向穴42内に引き込み、固定肢部12を本体14を通してスプライス36からシャトルできる。したがって、固定肢部14を緩める傾向がある組織によって縫合糸構築物に加えられる力が、固定肢部12の周りで本体14をさらに締め付けるので、固定肢部12は組織50の周りに一方向締め付けループ60を形成している。固定肢部12は、ループ60を締め付けるためにさらに引っ張られてもよく、次いで、結び目を使用せずに硬質本体アンカー40に隣接する骨54に組織50を固定したままにするために切り落とされてもよい。
【0039】
図6を参照すると、縫合糸構築物10は、固定肢部12をアイレット48のポスト46の周りに通過させることによって硬質本体アンカー40に結合されてもよい。図7に見られるように、固定肢部12のテール22は、ループ16を通過してポスト46の周りにラークスノット(またはラゲッジタグノット)を形成してもよい。次いで、テール22は、アイレット58のポスト56の周りでループ16をしっかりと閉じるように引っ張られる。図8に見られるように、次いで、縫合糸シャトル30は、スプライス36が完全に設置されたときにアンカー40のすぐ近くに配置されるように、上述のように本体14にスプライス接続されてもよい。図9に見られるように、次いで、固定肢部12および縫合糸シャトル30(シャトルループ32およびシャトルテール34を含む)は、硬質本体アンカー40の穴42を通過してもよく、その結果、縫合糸シャトル30と共にテール22が硬質本体アンカー40から延び、スプライス36が穴42のすぐ外側にある。
【0040】
図10を参照すると、縫合糸構築物10はまた、縫合糸構築物10を形成し、次いで、硬質本体アンカー40の長手方向穴42に通って、アイレット48のポスト46の周りを通り、硬質本体アンカー40の長手方向穴42を通って戻って、縫合糸構築物10を通過することによって、硬質本体アンカー40に結合されてもよく、その結果、ループ16、ならびに、テール22、シャトルループ32、およびシャトルテール34が硬質本体アンカー40から延出する。次いで、テール22、シャトルループ32およびシャトルテール34は、図11に示すように、ループ16を通過して張力をかけられてもよく、図12に示すように、ポスト46の周りにラークスノット(またはラゲッジタグノット)を形成してもよい。
【0041】
図13を参照すると、縫合糸構築物10は、硬質本体アンカー10に結合されてもよく、その結果、シャトルループ32およびシャトルテール34が、ループ16を通って延びてラークスノット(またはラゲッジタグノットを)を形成する。図14に見られるように、固定肢部12を閉じると、アンカー10を通って戻るときに固定肢部がラークスノット(またはラゲッジタグノット)のループ16を通って引かれ、これにより、スプライスを通る図14の右側の太から細への移行によって示されるように、ループ16が保持する点までループ16が縮小し、スプライス内の材料の最大量が得られる。
【0042】
図15を参照すると、縫合糸構築物10はまた、第1の端部74から第2の端部76まで延在し、拡張位置から圧縮位置まで圧縮できる編組構築物から形成された縫合糸本体72を備える全ての縫合糸アンカー70に関連して使用されてもよく、縫合糸本体72は、骨54の穴52内に固定される回転楕円体を形成する。この実施形態では、縫合糸構築物10は、テール22、シャトルループ32およびシャトルテール34が第1の端部74から延在する一方で、ループ16が縫合糸アンカー70の第2の端部76から延在するように、全ての縫合糸アンカー70の縫合糸本体72を通して織られる。図16を参照すると、テール22、シャトルループ32およびシャトルテール34は、全ての縫合糸アンカー70が骨54の穴52に挿入される前にループ16を通過し、スプライス36は、縫合糸本体72の第1の端部74と第2の端部76との間に配置される。したがって、ループ16は、縫合糸本体72とラークスノットまたはラゲッジタグノットを形成するが、縫合糸本体72がその拡張位置に留まるように、この時点で緩んだままである。
【0043】
図17を参照すると、縫合糸構築物10を含む全ての縫合糸アンカー70は、スプライス36およびループ16を含む縫合糸本体72が穴52内に配置され、テール22、シャトルループ32およびシャトルテール34が骨54の穴52から延出するように、骨54の穴52に挿入されてもよい。テール22、シャトルループ32およびシャトルテール34は、全ての縫合糸アンカー70を展開するために引っ張られ、それにより、縫合糸本体72がその回転楕円体構成に圧縮される。ここで、固定肢部12の本体14は、全ての縫合糸アンカー70の外側に完全に配置され、ループ16のみが縫合糸本体72と共にラークスノットまたはラゲッジタグノットを形成する。次いで、テール22は、固定され、シャトルループ32を通過するように組織50上に延在してもよい。次いで、シャトルテール34は、図18に示すように、本体14を通ってスプライス36から固定肢部12を引くために引っ張られてもよく、それにより、硬質本体アンカー40に関して上述したのと同じ方法で、組織50の周りに一方向締め付けループ60を形成する。
【0044】
図19図26は、ループ16、固定肢部12、テール22、シャトルループ32、およびシャトルテール34が、上述のように骨54の穴52内に展開するために縫合糸本体72に対して配置され得る様々な方法を示す。
【0045】
図27を参照すると、本発明による縫合糸構築物100の別の実施形態は、組織固定ループ116を形成するために本体114の一部を通って折り返されてスプライス接続された本体114と、ループ116に近接したループ縮小端部122と、本体114の他端にある固定端118とを有する固定肢部112と、を備える。したがって、ループ縮小端部122の張力は、ループ116の直径を減少させ、一方、本体114を通って戻ってスプライス接続することは、ループ116の開口部に抵抗し、その結果、組織固定ループ116のみを閉じることができる。縫合糸構築物100は、固定端118を本体114に戻って固定することによって、または、縫合糸構築物100を硬質本体アンカー40に固定するために使用され得る、アンカーループ120を形成するために固定端118をそれ自体を通して通過することによって、例えば、アンカーループ120を使用してラークスノットまたはラゲッジタグノットを形成することなどによって、硬質本体アンカー40に固定されてもよい。したがって、図28に示すように、アンカードライバがその部位から取り外された後、組織固定ループ116を使用して、硬質本体アンカー40上に直接組織を捕捉し固定できる。
【0046】
図29を参照すると、固定肢部12は、単一の構造として編組された単一の縫合糸から形成されてもよく、ループ16は、17本の繊維の丸い編組セクションとして形成され、本体14は、平坦になるように17本の繊維の平らな編組セクションから形成され、テール22は、11本以下まで繊維の数が徐々に減少した丸い編組セクションから形成される。ループ16は、約0.092インチ(2.33mm)の直径(d)を有してもよく、本体14は、約6.0+/-0.5インチ(152mm+/-12.7)の長さ(L1)を有してもよく、テール22は長さ(L2)を有してもよく、その結果、固定肢部12の全長は約26インチ+/-1インチ(660mm+/-25.4mm)の長さ(L3)を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【国際調査報告】